JP2000345433A - ストレッチ性織編物用ポリエステル複合繊維 - Google Patents

ストレッチ性織編物用ポリエステル複合繊維

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JP2000345433A JP15796599A JP15796599A JP2000345433A JP 2000345433 A JP2000345433 A JP 2000345433A JP 15796599 A JP15796599 A JP 15796599A JP 15796599 A JP15796599 A JP 15796599A JP 2000345433 A JP2000345433 A JP 2000345433A
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和典 橋本
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芳智 服部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膨らみ感のあるソフトな風合いを有しなが
ら、重量感のあるドレープ性を兼ね備えた布帛となるス
トレッチ性織編物用ポリエステル複合繊維を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレートを主体と
し、溶融粘度が異なる2種類のポリエステル成分が、互
いにサイドバイサイド型に複合された繊維である。そし
て、溶融粘度が高い側のポリエステル成分中に、平均粒
径が0.3〜2.0μm 、密度が3.5g/cm3 以上
のセラミックス微粒子を1.5〜8.0重量%含有し、
繊維全体の密度が1.375g/cm3 以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膨らみ感のあるソ
フトな風合いと重量感のあるドレープ性を兼ね備えたス
トレッチ性織編物用ポリエステル複合繊維に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは、優れた機械的特性と化学的特性を有
しており、広範な分野において使用されている。この用
途の一つとして、ストレッチ機能を有する織編物を得る
ために、熱収縮特性の異なる2種類のポリエステルをサ
イドバイサイド型に接合し、製織編後の加工時に受ける
熱により捲縮性能を発現する潜在捲縮性の複合繊維を使
用することがよく知られている。
【0003】このような潜在捲縮性を有する繊維は、製
織編後に捲縮を発現することにより織編物に嵩高性を付
与し、膨らみ感を与えることができ、ソフトな風合いを
発現するのに好適な繊維である。
【0004】一方、衣料用途の中には、布帛の重量感、
ドレープ性が要求される用途があり、このような用途に
おいても高いストレッチ性を有するものが近年要望され
ている。したがって、高い捲縮性能を有しながら重量感
があり、布帛にしたとき良好なドレープ性を発現する繊
維が要求されているが、従来の潜在捲縮糸を布帛にした
場合、嵩高であるがゆえに重量感に欠け、また、捲縮を
発現する際に、単糸同士の拘束があり、布帛にしたとき
剪断方向の抵抗が大きくなるため、ドレープ性が要求さ
れる織編物には不向きであり、用途が限定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、膨らみ感のあるソフトな風合いを有すると同
時に、重量感のあるドレープ性を兼ね備えたストレッチ
性織編物となるストレッチ性織編物用ポリエステル複合
繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するもので、その要旨は、ポリエチレンテレフタレー
トを主体とし、溶融粘度が異なる2種類のポリエステル
成分が、互いにサイドバイサイド型に複合された繊維で
あり、溶融粘度が高い側のポリエステル成分中に、平均
粒径が 0.3〜 2.0μm 、密度が3.5g/cm3以上のセラミッ
クス微粒子を 1.5〜 8.0重量%含有し、繊維全体の密度
が1.375g/cm3以上であることを特徴とするストレッチ性
織編物用ポリエステル複合繊維にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0008】本発明の複合繊維は、エチレンテレフタレ
ートの繰り返し単位が90%以上の実質的にポリエチレン
テレフタレートを主体とし、溶融粘度の異なる2種類の
ポリエステルで構成されている。2種のポリエステル
は、繊維にしたとき捲縮を発現するために、紡糸時の溶
融粘度に差があることが好ましく、各々のポリエステル
の溶融粘度差は、温度 280℃、剪断速度1000/Sの条件で
測定したとき、 100ポイズ以上あることが好ましく、十
分な捲縮を発現するためには、 500ポイズ以上差がある
ことがより好ましい。2種のポリエステルの溶融粘度差
がこの範囲より小さいと、両成分の熱収縮性が近似する
ため、目的とする捲縮性能を十分発現することができ
ず、好ましくない。また、これらのポリエステルの重合
度は、通常の溶融紡糸に用いられる範囲から選定でき、
極限粘度が 0.4〜 0.8の範囲となるものが好ましい。
【0009】溶融粘度が高い側のポリエステルは、平均
粒径が 0.3〜 2.0μmの範囲にあり、密度が3.5g/cm3
上のセラミックス微粒子を 1.5〜 8.0重量%含有するこ
とが必要である。この微粒子を含有することにより、繊
維の重量感を増すと同時に、繊維表面に微粒子が部分的
に露出することにより、表面摩擦抵抗を下げる効果があ
り、これらの相乗効果により、布帛化したときに良好な
ドレープ感を発現することが可能となる。また、両ポリ
エステル成分のうち、配向がより促進する溶融粘度が高
い側に微粒子を多く含有させることで、繊維密度の増加
をより促進させることが可能となるのである。さらに
は、この繊維表面は、セラミックス微粒子の含有量の差
により摩擦抵抗が異なる面を有し、この二面の組合せに
より単糸間の滑りがよくなり、単糸同士の拘束が少なく
なるため、ドレープ性がより向上する効果がある。
【0010】ここで使用するセラミックス微粒子とは、
成形、焼成などの工程を経て得られる非金属無機材料を
微粒化したものを指し、酸化チタン、酸化珪素などの無
機酸化物微粒子が代表的であり、ポリエステルとの界面
における表面張力が小さく、溶融時に凝集し難いものが
操業上好ましい。
【0011】セラミックス微粒子は、平均粒径が 0.3〜
2.0μmの範囲にあることが必要である。平均粒径がこ
の範囲にあるセラミックス微粒子が繊維表面に部分的に
露出することにより、繊維表面の滑りがよくなるもので
あり、平均粒径がこの範囲より小さいと繊維表面を改質
する効果が乏しく、この範囲より大きいと粒子が局部的
に大きく露出してしまうため摩擦抵抗が大きくなってし
まい、また、極端な場合は、粒子が局在するために、紡
糸時に応力の偏りによる糸切れが発生したり、延伸時に
毛羽が発生する等、操業的な問題が発生するため、好ま
しくない。
【0012】セラミックス微粒子の密度は3.5g/cm3以上
である必要があり、密度が3.5g/cm3より低いと繊維の密
度を増す効果が乏しく、密度を増すために多量に含有さ
せた場合は紡糸時に糸切れが発生したり、延伸、加工時
に毛羽が発生する等、操業性に問題があり、好ましくな
い。
【0013】次に、セラミックス微粒子の含有量は、含
有する側のポリエステル成分の総重量に対し 1.5〜 8.0
重量%の範囲であることが必要であり、含有量がこの範
囲より低いと重量感の付与や表面摩擦を低下する効果が
乏しく、含有量がこの範囲より高いと、糸切れ、毛羽等
が発生する操業上の問題があり、好ましくない。セラミ
ックス微粒子は、ポリエステルの重合時あるいは紡糸時
の溶融段階で添加することが可能であるが、凝集を防
ぎ、より均一に分散させることを考慮すると、重合時に
添加することが好ましい。
【0014】本発明の複合繊維は, セラミックス微粒子
の添加により、繊維全体の密度を1.375g/cm3以上とする
必要がある。繊維の密度が1.375g/cm3以上であることに
より、布帛の重量感を増すことが可能となり、ドレープ
性の発現に寄与するものであり、繊維の密度が1.375g/c
m3より低いと十分なドレープ性を付与することができな
い。
【0015】溶融粘度の低い側のポリエステルは、エチ
レンテレフタレートを主体とするものであれば、特に限
定されるものではないが、他方のポリエステル成分より
熱収縮性が低いことが必要であるため、結晶性を大きく
阻害する成分が含まれたものは好ましくない。そのた
め、エチレンテレフタレート成分の繰り返し単位が95%
以上であることがより好ましい。また、溶融粘度が高い
側と同様のセラミックス微粒子を少量添加することも可
能であり、添加量は 1.0重量%以下が好ましい。
【0016】両ポリエステル成分の配合比は、良好な捲
縮性能を得るためには、重量比で40/60〜60/40の範囲
が好ましく、この範囲を外れると、十分な捲縮性能を発
現させることができず、好ましくない。両ポリエステル
成分には、本質的な特性を損なわない限り、艶消し剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、難燃剤、抗菌剤、導
電性付与剤等、他の成分を少量含有していてもよい。
【0017】本発明の複合繊維の繊度と単糸数は、単糸
繊度が1〜10デニール、単糸数が5〜 100本の範囲で用
途に応じて適宜選定される。また、本発明の複合繊維
は、沸水で処理したときの捲縮回復応力が0.01〜0.02g/
d の範囲にあることが好ましく、布帛にした後で捲縮を
発現させることにより、より良好なストレッチ性を有す
る織編物を得ることができる。
【0018】次に、本発明の複合繊維の製造方法につい
て説明する。本発明の複合繊維は、通常の複合紡糸型溶
融紡糸機により製造することができる。まず、紡糸口金
の背面で両ポリエステル成分をサイドバイサイド型にな
るように合流させ、同一紡糸孔から吐出し紡糸する。そ
の際、紡糸温度は両ポリエステル成分の溶融粘度によっ
て適宜選定されるが、通常 280〜 310℃の範囲が好まし
い。紡出糸条は冷却固化した後、紡糸油剤を付与して10
00〜4000m/分の速度で引取り、一旦捲き取り、延伸機に
より熱延伸を施すか、あるいは引取った糸条を紡糸に連
続して熱延伸することにより、本発明の複合繊維を得る
ことができる。
【0019】上記製法における延伸倍率は、引取った時
点での繊維の残留伸度によって適宜選定され、延伸後の
残留伸度が15〜40%の範囲になるように選定することが
好ましい。残留伸度がこの範囲より高いと十分な捲縮性
能が発現されず、また、残留伸度がこの範囲より低い
と、延伸時に単糸の切断が発生する等、操業的に問題が
あり、好ましくない。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例における物性の測定方法は、次の通
りである。 (a) 溶融粘度 島津製作所製フローテスターCFT-500 を用いて、温度28
0 ℃、剪断速度1000/Sの条件で測定した。 (b) 繊維密度 四塩化炭素、リグロイン混合液を使用した密度勾配管に
より測定した。 (c) 捲縮回復応力 繊維を外周 1.125mの検尺機で5回かせ取りして2重に
し、1/6000g/d の荷重を掛けて30分間放置した後、30分
間沸水処理し、乾燥後、オリエンテック社製万能引張試
験機テンシロンRTC1210 の引張速度を100mm/分とし、
(繊度×2)gの応力まで試料を伸長させ、同じ速度で
回復させ、このときの最大応力点から垂線を降ろし、応
力0gの線との交点から45度の角度で応力曲線側に引い
た線と応力回復曲線との交点での応力測定値を読みとっ
た。 (d) ストレッチ性とドレープ性の評価 経糸に50デニール/24フィラメントのポリエチレンテレ
フタレート延伸糸を用い、緯糸に評価糸を用いて平織組
織に製織して、10人のパネラーによる官能評価を行
い、10段階の評価値の10人の平均値より、以下の4
段階の判定を行い、◎と○を合格とした。 ◎非常に良好:平均値が8点以上 ○良好 :平均値が6点〜8点未満 △やや劣る :平均値が5点〜6点未満 ×劣る :平均値が5点未満
【0021】実施例1〜5、比較例1〜3 密度が3.9g/cm3、平均粒径が 0.7μmの二酸化チタン微
粒子を重合時に添加したポリエチレンテレフタレートを
A成分、A成分との溶融粘度差が表1に示す値であり、
A成分と同様の二酸化チタン微粒子を 0.3重量%添加し
たポリエチレンテレフタレートをB成分として用いた。
両成分を複合紡糸型溶融押出機に等重量供給し、紡糸温
度 295℃で溶融し、紡出孔を24個有する紡糸口金の背面
で両成分を合流させ、サイドバイサイド型に接合して紡
出し、冷却固化した後、紡糸油剤を付与しながら糸条を
集束し、表面速度が3500m/分の引取ローラーを介して、
捲取機で捲き取った。
【0022】次いで、得られた繊維を延伸機に供給し、
表面温度80℃のローラと 150℃のホットプレートを介し
て1.45倍に延伸し、 100デニール/24フィラメントの複
合繊維を得た。得られた繊維と織物の評価結果を併せて
表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、実施例1〜5で
は、いずれも、高いストレッチ性と良好なドレープ性を
併せ持った織物を得ることができた。
【0025】一方、比較例1は、両ポリエステル成分の
溶融粘度差がないため、捲縮が発現せず、織物にしたと
きにストレッチ性がなく、比較例2は、二酸化チタン微
粒子の含有量が少ないため繊維密度が低く、織物のドレ
ープ性に欠けていた。また、比較例3は、二酸化チタン
微粒子の含有量が多いため延伸時に毛羽が多発し、繊維
を採取することができなかった。さらに、比較例4は、
セラミックス微粒子を含有していないため繊維密度が低
く、ドレープ性に乏しかった。
【0026】実施例6〜7、比較例5〜6 二酸化チタンの平均粒径が表2に示す値のものを使用し
た以外は、実施例2と同様にして複合繊維を得た。得ら
れた繊維と織物の評価結果を併せて表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2から明らかなように、実施例6〜7で
は、いずれも、高いストレッチ性と良好なドレープ性を
併せ持った織物を得ることができた。
【0029】一方、比較例5は、二酸化チタン微粒子の
平均粒径が小さすぎるため、織物のストレッチ性はある
ものの、ドレープ性に欠けていた。また、比較例6は、
二酸化チタン微粒子の平均粒径が大きすぎるため、紡糸
時に糸切れが多発し、繊維を採取することができなかっ
た。
【0030】比較例7 A成分の添加微粒子として、密度が2.8g/cm3、平均粒径
が 0.9μmのタルクを使用する以外は、実施例2と同様
にして複合繊維を得た。評価結果は、表2に示すよう
に、繊維密度が低いため、織物のストレッチ性はあるも
のの、ドレープ性に欠けていた。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、製編織すれば、膨らみ
感のあるソフトな風合いを有しながら、重量感のあるド
レープ性を兼ね備えた布帛となるストレッチ性織編物用
ポリエステル複合繊維が提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを主体と
    し、溶融粘度が異なる2種類のポリエステル成分が、互
    いにサイドバイサイド型に複合された繊維であり、溶融
    粘度が高い側のポリエステル成分中に、平均粒径が 0.3
    〜 2.0μm 、密度が3.5g/cm3以上のセラミックス微粒子
    を 1.5〜 8.0重量%含有し、繊維全体の密度が1.375g/c
    m3以上であることを特徴とするストレッチ性織編物用ポ
    リエステル複合繊維。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007039846A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Nippon Ester Co Ltd 扁平ポリエステル繊維
JP2013216999A (ja) * 2012-04-11 2013-10-24 Nippon Ester Co Ltd 潜在捲縮性を有する原着複合繊維
JP2014019969A (ja) * 2012-07-18 2014-02-03 Nippon Ester Co Ltd 潜在捲縮性ポリエステル複合繊維糸条及びその織編物
JP2014118662A (ja) * 2012-12-19 2014-06-30 Toray Ind Inc デニム地
CN112981606A (zh) * 2019-12-02 2021-06-18 江苏鑫博高分子材料有限公司 全消光低弹聚酯双组份复合纤维

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