JP2000345951A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP2000345951A
JP2000345951A JP11151947A JP15194799A JP2000345951A JP 2000345951 A JP2000345951 A JP 2000345951A JP 11151947 A JP11151947 A JP 11151947A JP 15194799 A JP15194799 A JP 15194799A JP 2000345951 A JP2000345951 A JP 2000345951A
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spark
internal combustion
combustion engine
spark discharge
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JP11151947A
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Hiroshi Inagaki
浩 稲垣
Toshiaki Kondo
稔明 近藤
Shigeru Miyata
繁 宮田
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混合気への良好な着火性を実現すると共に、
プラグ汚損に強い内燃機関用点火装置を提供すること。 【解決手段】 内燃機関用点火装置1は、放電用の電気
エネルギを供給する電源装置(バッテリ)11と、内燃
機関の気筒に設けられた点火プラグ13と、一次巻線L
1と二次巻線L2とからなる点火コイル15と、一次巻
線L1と直列接続されたnpn型のトランジスタ17
と、点火プラグ13に複数回連続して火花放電を発生さ
せるようトランジスタ17をスイッチング駆動するため
の第1指令信号Saを出力する電子制御装置(ECU)
19と、を備えている。ECU19が、第1指令信号S
aの出力を制御して、一次電流i1の通電・遮断を繰り
返すことで、複数回連続して火花放電させる多重放電を
発生させ、混合気への良好な着火性を実現すると共に、
プラグに付着したカーボンを焼き切ることが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点火プラグに点火
用高電圧を印加して、点火プラグを火花放電させる内燃
機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関において、燃料噴射弁(インジ
ェクタ)が気筒内に燃料を直接噴射するよう構成され、
その内燃機関に取り付けられた点火プラグ(以下、単に
「プラグ」ともいう)の中心電極と接地電極により形成
されるプラグギャップ近傍に濃混合気を、その周囲に希
薄混合気を層状に形成させて混合気を燃焼させる、いわ
ゆる成層燃焼を行う直噴型内燃機関が知られている。直
噴型内燃機関は、全体の平均空燃比がかなり薄い場合で
も混合気への点火が可能であるため、燃費が良く、ま
た、排出ガス中の有害物質が少ない等の利点がある。
【0003】しかし、直噴型内燃機関は、プラグギャッ
プ近傍に濃混合気が誘導されるために、くすぶりといっ
たプラグ汚損が発生し易く、それにより中心電極と接地
電極の絶縁抵抗が低下し易いという欠点がある。絶縁抵
抗が低下し易い原因としては、直噴型内燃機関では上述
したようにプラグギャップ近傍に濃混合気が誘導される
訳だが、混合気は濃くなる程燃料(液体燃料)が十分に
気化・霧化されにくい傾向にあり、燃料の液滴がプラグ
ギャップ近傍の絶縁体表面に付着し易く、その付着した
液滴が完全燃焼することなくカーボンとなって絶縁体表
面に付着し易いことが挙げられる。また、直噴型内燃機
関にあっては、アイドリング等の低回転、低負荷での運
転時には、層状の混合気を形成するのに必要不可欠であ
る吸気流(スワール流やタンブル流)が弱いために、更
に燃料の気化・霧化が不十分となる。
【0004】そして、カーボンの付着が繰り返される
と、火花放電時にかかる電界によって、付着したカーボ
ンが移動、整列してブリッジを形成し、絶縁体表面にリ
ーク電流が発生する。このリーク電流が発生することに
より、プラグの構造によっても異なるが、絶縁体表面に
付着したカーボンにより絶縁低下した箇所と接地電極と
の間で火花放電が発生する、いわゆる奥飛びが発生する
可能性が高くなり、直噴型内燃機関では、プラグギャッ
プ近傍に濃混合気が誘導されるために、奥飛び発生箇所
では、希薄混合気しか存在しないため、失火する可能性
が高い。また、リーク電流の発生が顕著な場合には、プ
ラグに必要な電圧(点火用高電圧)が異常に低下してし
まい、失火を引き起こしてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このようなプ
ラグ汚損に強い点火装置として、コンデンサに蓄積した
電荷を、点火コイルの一次巻線に一気に放電して、二次
巻線に点火用高電圧を発生させる容量放電型点火装置が
知られている。容量放電型点火装置では、点火コイルの
一次巻線に印加される電圧が通常数100Vと高いこと
から、一次巻線と二次巻線とのコイルの巻数比が小さく
て足り、コイルの巻数によるインダクタンスを小さく設
定することが出来るので、出力インピーダンスが低下す
ると共に、点火用高電圧(二次電圧)の立ち上がりが速
い。その結果、火花放電時にかかる電界によって、カー
ボンが移動、整列してブリッジを形成しようとする前
に、即ちリーク電流の流れる導電路が形成される前に、
プラグに印加される点火用高電圧が立ち上がるので、リ
ーク電流の発生を抑制することが可能となる。また、火
花放電時にかかる電界が生じる時間も短く、プラグ汚損
での絶縁低下の影響による点火用高電圧の電圧降下が小
さくなり、プラグ汚損による失火が発生する可能性が低
いのである。
【0006】ところが、容量放電型点火装置では、上述
したようにコイルのインダクタンスが小さく設定される
ため、火花放電時の火花持続時間が数10μSec.〜10
0μSec.と短く、アイドリング等の低負荷、低回転での
運転時には、混合気への着火に必要な火花エネルギが不
足し、火花放電によって形成される火炎核も小さくなり
がちであることから、失火する可能性が大きいという問
題がある。
【0007】一方、点火コイルの一次巻線に通電するこ
とで磁束を誘起させ、その通電電流を遮断することによ
り急激に磁束の変化を起こして、二次巻線に点火用高電
圧を発生させる誘導放電型点火装置についても知られて
いる。これは、1回の火花持続時間が長いため着火性に
優れることを特徴とする点火装置であり、内燃機関用点
火装置として最も多く用いられている方式である。しか
し、誘導放電型点火装置は容量放電型点火装置に比べ、
使用するコイルのインダクタンスが大きく設定されるも
のであり、点火用高電圧(二次電圧)の立ち上がりが遅
い。そのために、火花放電時にかかる電界が生じる時間
が比較的長く、直噴型内燃機関といったプラグ汚損を発
生し易い条件では、プラグに印加される点火用高電圧が
立ち上がる前に、火花放電時にかかる電界によってカー
ボンが移動、整列してブリッジを形成し易く、プラグ汚
損による失火が発生し易いという欠点がある。
【0008】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、内燃機関用点火装置において、混合気への着
火を行う際の良好な着火性を実現すると共に、プラグ汚
損に強い内燃機関用点火装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1記載の発明は、二次巻線の一端が
点火プラグに接続された点火コイルと、該点火コイルの
一次巻線に流れる一次電流を通電、遮断するためのスイ
ッチング素子と、該一次電流を通電、遮断させることに
より、前記点火コイルの二次巻線に点火用高電圧を発生
させて、前記点火プラグを火花放電させるために、前記
スイッチング素子のスイッチング駆動を行う点火制御手
段と、を備えた内燃機関用点火装置であって、前記点火
制御手段は、内燃機関の1燃焼サイクルの燃焼タイミン
グにおいて、前記スイッチング素子を複数回連続してス
イッチング駆動を行うことにより、前記点火プラグを複
数回連続して火花放電させることを特徴とする。
【0010】すなわち、本発明(請求項1)の内燃機関
用点火装置は、まず、点火制御手段がスイッチング素子
をオン状態にさせて、点火コイルの一次巻線に一次電流
を流し、点火時期において、スイッチング素子をオフ状
態にさせて一次電流を遮断して、二次巻線に発生した点
火用高電圧を点火プラグに印加して火花放電を発生させ
る。そして所定時間経過した後、点火制御手段は、再度
スイッチング素子をオン状態にして一次電流を再通電す
ることで、火花放電を強制的に遮断し、さらに、所定時
間経過した後、スイッチング素子をオフ状態にして一次
電流を再度遮断して、再び火花放電を起こさせる。この
ように、点火制御手段は、スイッチング素子を複数回に
わたり連続してスイッチング駆動を行うことにより、火
花放電を複数回連続して発生させている。
【0011】このとき、点火制御手段は、火花放電が自
然終了する前にスイッチング素子をオン状態にさせて一
次電流を再通電することで、火花放電を強制的に終了さ
せており、一次電流再通電時の点火コイルには、直前の
火花放電のために誘起された磁束がある程度残されてい
る。このため、2回目以降の火花放電前に磁束を誘起さ
せるために一次電流を通電する時間は、初回の火花放電
のために流した一次電流の通電時間よりも、短時間で良
いことになる。したがって、火花放電を強制的に遮断す
ることで、内燃機関の1燃焼サイクルの燃焼タイミング
において、前記点火プラグを複数回連続して火花放電さ
せる多重放電が実現できるのである。
【0012】このとき、点火コイルとしては、1回の火
花放電を自然終了させたときに、火花持続時間が1〜3
mSec.程度となるものを用い、1回の火花放電につい
て、火花放電を発生させてから遮断するまでの火花持続
時間を、火炎核が十分に生成するよう、即ち、混合気へ
の着火が確実に行われる程度にするよう、具体的には、
1mSec.以上にすると良い。また、十分に高い点火用高
電圧を点火プラグに印加して火花放電を発生させるため
に、点火用高電圧は50kV以上に設定すると良い。
【0013】こうして、アイドリング等の低負荷、低回
転の運転時にあっても、初回の火花放電で、混合気への
着火が行われるようにしているが、もし、プラグ汚損に
よる原因で混合気への着火が正常に行われなかった場合
にも、2回目以降の火花放電で、混合気への着火を行う
ことが可能となる。つまり、本発明では、1回の火花持
続時間を比較的長くした上で多重放電を行うことから、
プラグの絶縁体表面にカーボンが付着している場合に
も、1燃料サイクルの間にカーボンを焼き切ることがで
き、プラグ汚損を防ぐとともに混合気への着火を行うこ
とができるのである。
【0014】よって、本発明の(請求項1)の内燃機関
用点火装置によれば、混合気への良好な着火性を実現す
ることができ、かつ、プラグに付着したカーボンを焼き
切ることで、プラグ汚損を防ぐことが可能となる。な
お、本発明は、容量放電型点火装置に適用することで、
多重放電によりプラグに付着したカーボンを焼き切る、
というプラグ汚損に対しての効果は発揮できるが、混合
気への着火を良好に行うためには、内燃機関の1燃焼サ
イクルの燃焼タイミングにおいて、100μSec.以下の
周期で20回以上の火花放電を発生させなくてはなら
ず、その実現には、大容量の容量放電用電源や、動作速
度が速くかつ大容量のスイッチング素子(例えばIGB
T)などの高価な機器が必要となるため、コスト的に実
現が困難となる。一方、誘導放電型点火装置に本発明を
適用する際には、1回の火花持続時間が長いことから従
来から用いられている機器が使用可能であり、本発明
は、誘導放電型点火装置に適用することで、安価に実現
することが可能となる。
【0015】ところで、内燃機関は運転条件によって着
火性が変化しており、特に低温時の運転や、アイドリン
グ等の低負荷・低回転での運転では、混合気への着火性
は劣ってしまう。そこで、このような着火性が劣る運転
条件となる程、請求項2に記載の内燃機関用点火装置の
ように、点火制御手段が、点火用高電圧が高くなるよ
う、一次電流を制御するとよい。
【0016】すなわち、上述したような着火性が劣る運
転条件下で、より確実に混合気への着火を行うために
は、点火制御手段が、一次電流を大きくするよう制御す
ることで、点火用高電圧をより高くして火花放電を行え
ば良い。したがって、本発明(請求項2)の内燃機関用
点火装置によれば、着火性の劣る運転条件下において
も、点火用高電圧をより高くして火花放電を発生させる
ことによって、混合気への着火性を高めることができ、
失火が起こり難くすることが出来る。
【0017】また、上記のような着火性が劣る運転条件
になる程、請求項3に記載の内燃機関用点火装置のよう
に、火花放電の連続回数が多くなるよう、点火制御手段
が、スイッチング素子のスイッチング駆動回数を制御す
るようにしても良い。つまり、混合気への着火性を向上
させる方法としては、請求項2のような点火用高電圧を
高くする方法のほかに、火花持続時間を長くする方法も
あり、火花放電回数を多くすることで、火花持続時間を
長くすることと同様の効果を得ることができるのであ
る。特に、低回転の運転状態においては、1燃焼サイク
ル当りの所要時間が長くなるため、火花放電の連続回数
を多くすることで、混合気への着火をより確実にするこ
とは有効な手段となる。これに対して、高回転の運転状
態では、着火性は良好であるため、火花放電の連続回数
は少なくても良く、場合によっては火花放電の回数を1
回としても良い。
【0018】さらに、請求項4に記載の内燃機関用点火
装置のように、上記のような着火性が劣る運転条件にな
る程、火花放電の間隔が短くなるよう、スイッチング素
子のスイッチング駆動間隔を変化させるようにしても良
い。つまり、複数回連続して行われる火花放電と火花放
電との間の、火花放電が行われていない時間を短くする
のである。
【0019】すなわち、例えば、火花放電の連続回数を
変更せずに、火花放電の間隔を短くすれば、1回当りの
火花持続時間を長くすることが、つまり、全体としての
火花持続時間を長くすることが可能となる。また、例え
ば、1回当りの火花持続時間を変更せず、火花放電の間
隔を短くすれば、1燃焼サイクル当りの火花放電の連続
回数をより多くすることが、つまり、火花持続時間を長
くすることが可能になるのである。
【0020】したがって、請求項3および請求項4の発
明の内燃機関用点火装置によれば、火花持続時間を長く
することが可能となり、前述したように、火花持続時間
を長くすることで、混合気への着火をより確実にするこ
とが出来るようになる。次に、前述の請求項1から請求
項4の発明の内燃機関用点火装置には、請求項5に記載
の発明のように、点火プラグとして火花清浄作用を有す
る点火プラグを備えるようにするとよい。
【0021】ここで、火花清浄作用を有する点火プラグ
とは、絶縁体表面にカーボンが付着した場合に、火花が
絶縁体表面に沿って飛ぶことにより、カーボンを焼き切
るとともに火花放電するように、プラグギャップを設計
した点火プラグのことをいう。この火花清浄作用を有す
る点火プラグの構造の一例としては、絶縁体の先端部端
面から突出する中心電極の先端部側面と対向するよう
に、かつ、絶縁体の先端部端面を沿って常時火花放電す
るように複数或いは環状の接地電極を設けた、いわゆる
セミ沿面型点火プラグが挙げられる。また、絶縁体の先
端部端面から突出する中心電極の先端部側面と対向する
ように、かつ、絶縁体表面にカーボンが付着した場合に
は絶縁体の先端部側面を沿って火花放電し、絶縁体表面
が清浄な場合には中心電極の先端部端面との間の気中ギ
ャップで火花放電するように複数の接地電極を設けた、
いわゆる間欠放電型点火プラグが挙げられる。さらに
は、中心電極と接地電極とによるプラグギャップとは別
に、絶縁体表面にカーボンが付着した場合に火花放電を
発生させてカーボンを焼き切るための火花補助ギャップ
を形成したプラグ等が挙げられる。
【0022】よって、上記の発明のように多重放電を行
う内燃機関用点火装置の点火プラグとして、火花清浄作
用を有する点火プラグを備えれば、プラグ汚損が発生し
た場合にも火花放電によりカーボンを焼き切る作用を、
より一層発揮させることが出来る。
【0023】一方、上述の発明の内燃機関用点火装置で
は、複数回の連続した火花放電のうち最後の火花放電を
遮断した状態で維持すると、火花放電遮断後は、一次電
流が通電され続ける状態となるため、スイッチング素子
の発熱量が大きくなり、スイッチング素子の耐久性に悪
影響を及ぼすことが考えられる。このスイッチング素子
の発熱を避けるために、一次電流を遮断すると、不要な
火花放電を発生させる虞があり、無駄なエネルギを消費
をすることになってしまう。また、最後の火花放電を強
制遮断せずに、火花放電を自然終了させた場合も、無駄
なエネルギの消費につながってしまう。
【0024】そこで、このような問題に対しては、請求
項6に記載の内燃機関用点火装置のように、点火制御手
段が、複数回連続して行われる火花放電のうち最後の火
花放電を起こさせた後、一次巻線への通電を再度行うこ
とにより火花放電を強制的に終了させる火花放電遮断手
段と、火花放電遮断手段が、点火コイルの一次巻線への
通電を再開した後、該通電電流を緩やかに減少させる電
流調整手段と、を備えるようにするとよい。
【0025】つまり、複数回行われる火花放電のうち、
最後の火花放電を強制的に遮断するために、火花放電遮
断手段が点火コイルの一次巻線への通電を再開した際、
その再通電時の通電電流を緩やかに減少させることによ
り、通電停止時に点火コイルの二次巻線に高電圧が発生
するのを防止するのである。
【0026】そして、このようにすれば、点火コイルの
一次巻線への通電を再開させるために使用するスイッチ
ング素子に流れる電流量を低減して、その発熱量を抑制
できることから、こうしたスイッチング素子の耐久性を
向上させることができるのである。
【0027】なお、以上の説明からも明らかなように、
本発明の請求項1〜請求項6に記載の内燃機関用点火装
置は、プラグ汚損が生じ易い内燃機関に、即ち、請求項
7のように気筒内に燃料を直接噴射するように構成され
た直噴型内燃機関に適用することで、より効果を発揮す
ることが出来る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面と
共に説明する。まず、図1は、第1実施例の内燃機関用
点火装置の構成を表す電気回路図である。なお、第1実
施例では、単気筒の内燃機関について説明を行なうが、
本発明は複数の気筒を備える内燃機関についても適用で
き、各気筒毎の点火装置の基本構成は同様である。
【0029】図1に示すように、第1実施例の内燃機関
用点火装置1は、放電用の電気エネルギ(例えば電圧1
2V)を供給する電源装置(バッテリ)11と、内燃機
関の気筒に設けられた点火プラグ13と、一次巻線L1
と二次巻線L2とからなる点火コイル15と、一次巻線
L1と直列接続されたnpn型のトランジスタ17と、
点火プラグ13に複数回連続して火花放電を発生させる
ようトランジスタ17をスイッチング駆動するための第
1指令信号Saを出力する電子制御装置(以下、ECU
と呼ぶ)19と、を備えている。
【0030】これらのうち、トランジスタ17は、点火
コイル15の一次巻線L1への通電・非通電を切り換え
る半導体素子からなるスイッチング素子であり、第1実
施例の内燃機関用点火装置1は、誘導放電型点火装置の
一例たるディストリビュータレスのフルトランジスタ型
の点火装置である。また、ECU19は、特許請求の範
囲に記載の点火制御手段に相当する。
【0031】ここで、一次巻線L1の一端は、電源装置
11の正極に接続され、他端は、トランジスタ17のコ
レクタに接続されている。また、二次巻線L2の一端
は、電源装置11の正極に接続されている一次巻線L1
の一端に接続され、他端は、点火プラグ13の中心電極
13aに接続されている。そして、点火プラグ13の接
地電極13bは、電源装置11の負極と同電位のグラン
ドに接地され、トランジスタ17のベースはECU19
と接続され、トランジスタ17のエミッタは、グランド
に接地されている。
【0032】したがって、ECU19から出力される第
1指令信号Saがハイレベル(一般に電源電圧Vc)に
なると、トランジスタ17は、オン状態となって、電源
装置11の正極側から点火コイル15の一次巻線L1を
通って電源装置11の負極側に至る、一次巻線L1の通
電経路を形成し、一次巻線L1に電流(一次電流)i1
を流す。
【0033】そして、一次巻線L1に一次電流i1が流
れている状態で、第1指令信号Saがローレベル(一般
にグランド電位)になると、トランジスタ17はオフ状
態となって、一次巻線L1への一次電流i1の通電を停
止させる。すると、点火コイル15の二次巻線L2に点
火用高電圧が発生し、これが点火プラグ13に印加され
ることで、点火プラグ13の電極13a−13b間に火
花放電が発生する。
【0034】尚、点火コイル15は、一次巻線L1への
通電、遮断により、つまり、トランジスタ17をスイッ
チング駆動することにより、点火プラグ13の中心電極
13a側にグランド電位よりも低い負の点火用高電圧を
発生させるように構成されており、火花放電に伴い二次
巻線L2に流れる電流(二次電流)i2は、点火プラグ
13の中心電極13aから二次巻線L2を通って、一次
巻線L1側に流れる。また、二次巻線L2と一次巻線L
1との接続部分には、二次巻線L2から一次巻線L1側
に電流が流れるのを許容し、逆方向への電流の流れを阻
止するために、ダイオード等からなる整流素子Dが設け
られており、この整流素子Dの動作によって、トランジ
スタ17のターンオン時(一次巻線L1への通電開始
時)に二次巻線L2に電流が流れるのが阻止される。
【0035】続いて、火花放電が持続している状態で、
第1指令信号Saがハイレベルになると、トランジスタ
17がオン状態となり、一次巻線L1への一次電流i1
が再通電され、これによって、二次巻線L2に発生して
いた点火用高電圧が誘導されなくなり、点火プラグ13
の火花放電が強制的に遮断される。そして、さらに、第
1指令信号Saがローレベルになると、再び点火プラグ
13に火花放電が発生する。
【0036】ここで、本実施例では、火花放電が自然終
了する前にトランジスタ17をオン状態にして一次電流
を再通電することで、火花放電を強制的に終了させてお
り、このとき、点火コイル15の一次巻線L1には、直
前の火花放電のために誘起された磁束がある程度残され
ている。このため、2回目以降の火花放電前に磁束を誘
起させるために一次電流を通電する時間は、初回の火花
放電前の一次電流通電時間よりも、短時間で良いことに
なる。したがって、火花放電を強制的に遮断すること
で、内燃機関の1燃焼サイクル中に、点火プラグ13を
複数回連続して火花放電させる多重放電が実現できるの
である。
【0037】このように、ECU19は、第1指令信号
Saのレベルを繰り返し変化させることで、トランジス
タ17を繰り返しオン・オフするようスイッチング駆動
させており、これによって、点火コイル15の一次電流
i1の通電・遮断が繰り返され、複数回連続して火花放
電を行うことができる。
【0038】ここで、図2は、図1に示す第1実施例の
内燃機関用点火装置における、第1指令信号Sa、一次
巻線L1に流れる一次電流i1および点火プラグ13の
中心電極13aの電位Vp、の各状態を表すタイムチャ
ートである。図2では、内燃機関の1燃焼サイクルの燃
焼タイミングにおいて、火花放電が3回連続して行われ
ている例を示している。
【0039】このような火花放電は、ECU19におい
て実行される点火制御処理によって実行されており、こ
の点火制御処理を図3に示すフローチャートに沿って説
明する。なお、ECU19は、内燃機関の火花放電発生
時期、燃料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御す
るためのものであり、以下に説明する点火制御のため
に、別途、内燃機関の吸入空気量(吸気管圧力),回転
速度,スロットル開度,冷却水温,吸気温等、機関各部
の運転状態を検出する運転状態検出処理を行っている。
【0040】図3に示す点火制御処理は、例えば、内燃
機関の回転角度(クランク角)を検出するクランク角セ
ンサからの信号に基づき、内燃機関が、吸気、圧縮、燃
焼、排気を行う1燃焼サイクルに1回の割合で実行され
る。そして、この点火制御処理が開始されると、まずS
110(Sはステップを表す)にて、別途実行される運
転状態検出処理にて検出された機関の運転状態を読込
み、S120にて、その読み込んだ運転状態に基づき、
火花放電条件を算出する。ここで算出される火花放電条
件としては、初回火花放電発生時期ts、最大一次電流
値Im、火花放電連続回数N、各火花放電の火花持続時
間Tt、火花放電間隔Tbがあり、S120では、これ
らを運転状態に応じて算出する。
【0041】なお、初回火花放電発生時期tsは、例え
ば、内燃機関の吸入空気量と回転速度をパラメータとす
るマップ若しくは計算式を用いて制御基準値を求め、こ
れを冷却水温,吸気温等に基づき補正する、といった手
順で算出される。また、最大一次電流値Imは、例え
ば、内燃機関の回転速度と機関負荷を表すスロットル開
度とに基づき、混合気を燃焼させるのに要する火花エネ
ルギが大きい運転条件下(内燃機関の低負荷低回転時
等)には大きく、火花エネルギが小さくてよい運転条件
下(内燃機関の高負荷高回転時等)には小さくなるよう
に、予め設定されたマップ若しくは計算式を用いて算出
される。ここで、トランジスタ17のコレクタ電流の大
きさは、ベース電流に比例することから、ECU19が
第1指令信号Saの電流値を制御することで、最大一次
電流値Imを変化させることが可能である。
【0042】そして、火花放電連続回数N、各火花放電
の火花持続時間Tt、火花放電間隔Tbは、例えば、内
燃機関の回転速度と機関負荷を表すスロットル開度とに
基づき、混合気を燃焼させるのに要する火花エネルギが
大きい運転条件下(内燃機関の低負荷低回転時等)に
は、火花放電連続回数Nは多く、各火花放電の火花持続
時間Ttは長く、火花放電間隔Tbは短くなるように、
また、火花エネルギが小さくてよい運転条件下(内燃機
関の高負荷高回転時等)には、火花放電連続回数Nは少
なく、各火花放電の火花持続時間Ttは短く、火花放電
間隔Tbは長くなるように、予め設定されたマップ若し
くは計算式を用いて算出される。
【0043】なお、本実施例では、最後の火花放電は自
然終了させているため、火花持続時間Ttは、最後の火
花放電を除く各火花放電について算出しており、各火花
放電の火花持続時間Ttは、全て同一値を算出してい
る。しかし、内燃機関の運転状態に応じて、各火花放電
毎に、異なる火花持続時間Ttを算出するようにしても
良い。
【0044】次に、S130では、火花放電連続回数を
カウントするためのカウンタiを初期化するため、カウ
ンタiに1を設定し、続くS140では、S120にて
算出した初回火花放電発生時期ts(図2に示す時刻t
2)に対して、予め設定された一次巻線L1の通電時間
分だけ早い一次巻線L1の通電開始時期を求め、通電開
始時期に達した時点(図2に示す時刻t1)で、第1指
令信号Saをローからハイレベルに変化させる。
【0045】尚、S140の処理により、第1指令信号
Saをローからハイレベルに切り換えると、トランジス
タ17がオン状態となるため、点火コイル15の一次巻
線L1に一次電流i1が流れる。また、初回火花放電発
生時期tsまでの一次巻線L1の通電時間は、一次巻線
L1への通電によって、内燃機関のあらゆる運転条件下
で混合気を燃焼させるのに要する最大の火花エネルギを
点火コイル15に蓄積させるのに要する時間であり、予
め設定されている。
【0046】そして、続くS150では、クランク角セ
ンサからの検出信号に基づき、初回の火花放電の時(カ
ウンタi=1の時)には、S120で算出した初回火花
放電発生時期tsに達したか否かを判断し、否定判定さ
れた場合には、同ステップを繰り返し実行することで、
初回火花放電発生時期tsになるまで待機する。S15
0にて、初回火花放電発生時期tsに達したと判断され
ると(図2に示す時刻t2)、S160に移行する。
【0047】また、S150では、2回目以降(カウン
タi≧2の時)の火花放電発生時期についても判断する
が、2回目以降の火花放電では、前回の火花放電を遮断
してからS120で算出した火花放電間隔Tbが経過し
た時刻を火花放電発生時期とし、この火花放電発生時期
に達したか否かを判断し、否定判定された場合には、同
ステップを繰り返し実行することで、火花放電発生時期
になるまで待機する。そして、S150にて、火花放電
発生時期に達したと判断されると、S160に移行す
る。
【0048】次にS160では、第1指令信号Saをハ
イからローレベルに反転させる。この結果、トランジス
タ17がターンオフして、一次電流i1が遮断され、点
火コイル15の二次巻線L2に点火用高電圧が発生し
て、点火プラグ13に火花放電が発生する。
【0049】そして、次にS170では、火花放電が、
S120で算出した火花放電連続回数Nの回数実施され
たかを、カウンタiが火花放電連続回数Nに達したか否
かによって判断しており、肯定判定されると、本点火制
御処理を終了し、否定判定されると、S180に移行
し、S180では、カウンタiをインクリメント(i=
i+1)する。例えば、S180に移行する前のカウン
タiの値が1(i=1)であれば、S180では、カウ
ンタiを2(i=2)とする。
【0050】続くS190では、S150にて火花放電
発生時期と判定された後、S120で求めた火花持続時
間Ttが経過したか否かを判断し、否定判定された場合
には、同ステップを繰り返し実行することで、火花持続
時間Ttが経過するのを待つ。そして、S190にて、
火花持続時間Ttが経過したと判断されると(図2に示
す時刻t3)、S200に移行して、第1指令信号Sa
をローからハイレベルに反転し、この結果、トランジス
タ17がターンオンして、一次電流i1が再通電され、
点火コイル15の二次巻線L2に点火用高電圧が誘導さ
れなくなり、点火プラグ13の火花放電が強制的に遮断
される。
【0051】S200の処理に続き、再度S150に処
理が移行し、そして、S150では前述したように、2
回目(カウンタi=2)の火花放電発生時期に達した
(火花放電間隔Tbが経過した)か否かを判断し、2回
目の火花放電発生時期(図2に示す時刻t4)になる
と、S160に移行して、2回目の火花放電を発生させ
る。
【0052】このようにして、S150からS200ま
での処理を繰り返すことで、火花放電を複数回連続して
発生させる。そして、前述したように、S120にて算
出した火花放電連続回数Nの回数だけ火花放電すると、
S170の判断処理にて肯定判定され、本点火制御処理
を終了する。
【0053】なお、本実施例では、図2に示す時刻t5
において、2回目の火花放電が強制的に遮断され、時刻
t6において、3回目の火花放電を発生させて、本点火
制御処理を終了している。また、3回目の火花放電は、
時刻t7にて自然終了している。
【0054】以上説明したように、第1実施例の内燃機
関用点火装置1においては、ECU19が、前述の点火
制御処理を行うことで、第1指令信号Saの出力を制御
し、トランジスタ17を複数回連続してスイッチング駆
動を行うことによって、複数回連続して火花放電させる
多重放電が実現できるのである。そして、この多重放電
によって、プラグに付着したカーボンを焼き切ることが
可能となる。
【0055】ここで、第1実施例の内燃機関用点火装置
では、点火プラグとして、火花清浄作用を有する点火プ
ラグを使用しており、火花放電によってプラグの絶縁体
表面に付着したカーボンを焼き切るという効果をより一
層発揮させることができる。ここで、火花清浄作用を有
する点火プラグとは、絶縁体表面にカーボンが付着した
場合に、火花が絶縁体表面に沿って飛ぶことにより、カ
ーボンを焼き切るとともに火花放電するように、プラグ
ギャップを設計した点火プラグのことをいう。この火花
清浄作用を有する点火プラグの構造の一例としては、絶
縁体の先端部端面から突出する中心電極の先端部側面と
対向するように、かつ、絶縁体の先端部端面を沿って常
時火花放電するように複数或いは環状の接地電極を設け
た、いわゆるセミ沿面型点火プラグが挙げられる。ま
た、絶縁体の先端部端面から突出する中心電極の先端部
側面と対向するように、かつ、絶縁体表面にカーボンが
付着した場合には絶縁体の先端部側面を沿って火花放電
し、絶縁体表面が清浄な場合には中心電極の先端部端面
との間の気中ギャップで火花放電するように複数の接地
電極を設けた、いわゆる間欠放電型点火プラグが挙げら
れる。さらには、中心電極と接地電極とによるプラグギ
ャップとは別に、絶縁体表面にカーボンが付着した場合
に火花放電を発生させてカーボンを焼き切るための火花
補助ギャップを形成したプラグ等が挙げられる。
【0056】また、第1実施例の点火コイル15は、1
回の火花放電を自然終了させたときに、火花放電を1〜
3mSec.程度持続するものを用いており、初回の火花放
電では、火花放電を発生させてから遮断するまでの火花
持続時間Ttを、混合気への着火が確実に行われる程度
にするため、1mSec.以上となるようにしている。ま
た、点火プラグ13にカーボンが付着して、火花放電の
奥飛びが発生し易い状態でも、プラグギャップ間で火花
放電を発生させることが出来るよう、十分に高い点火用
高電圧、具体的には50kV以上の点火用高電圧を点火
プラグ13に印加して火花放電を発生させるように設定
されている。
【0057】このため、初回の火花放電で、混合気への
着火が確実に行われるようにしているが、プラグ汚損に
よる原因で混合気への着火が正常に行われなかった場合
には、2回目以降の火花放電で、混合気への着火が可能
となるため、失火を減少させることができ、内燃機関の
良好な運転を実現できる。
【0058】一方、多重放電は、点火プラグの電極の消
耗を早める原因にもなるが、第1実施例では、内燃機関
の運転状態に応じて、火花放電連続回数Nを算出してい
るため、高回転での運転のように着火性に優れる運転状
態では、連続回数が少なく算出され、無駄な電極消耗を
抑えることが出来る。
【0059】また、火花放電連続回数Nの他に、各火花
放電の火花持続時間Tt、火花放電間隔Tbについて
も、内燃機関の運転状態に応じて算出されており、これ
らから1燃焼サイクル中に行われる総合的な火花持続時
間が決定できるが、高回転での運転のように着火性に優
れる運転状態となる程、総合的な火花持続時間が短くな
るよう算出されるため、混合気への良好な着火を実現し
つつ、無駄な火花エネルギの消費を抑えることができ、
また、点火プラグの無駄な電極消耗を抑えることも出来
る。
【0060】したがって、第1実施例の内燃機関用点火
装置によれば、プラグの絶縁体表面に付着したカーボン
を焼き切ることで、プラグ汚損を防ぐことができ、ま
た、運転状態に応じた火花放電条件を算出することで、
混合気への良好な着火を実現可能にするとともに、無駄
な火花エネルギの消費や、点火プラグの無駄な電極消耗
を抑えることができる。
【0061】以上、本発明の第1実施例について説明し
たが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
種々の態様を採ることができる。また、第1実施例の内
燃機関用点火装置においては、1燃焼サイクルの燃焼タ
イミングにおいて、複数回連続して行われる火花放電の
内の最後の火花放電を自然終了させているが、火花エネ
ルギの無駄な消費を抑えるために、再度一次電流i1を
流すことで、最後の火花放電を強制的に遮断することが
可能である。しかし、これにより、トランジスタ17の
通電時間が長くなり、トランジスタ17の発熱量が増大
するため、トランジスタ17の寿命に悪影響を及ぼすこ
とになる。この発熱を避けるために、トランジスタ17
をターンオフさせて一次電流i1を遮断すると、再度火
花放電が発生する可能性があり、無駄な火花エネルギを
消費することになる。
【0062】そこで、次に、本発明の第2実施例とし
て、一次電流i1を再通電することで最後の火花放電を
強制遮断し、そして、再通電した一次電流i1を緩やか
に減少させることができる内燃機関用点火装置について
説明する。図4は、第2実施例の内燃機関用点火装置の
構成を表す電気回路図である。なお、以下の説明におい
て、第1実施例と同じ構成要素については、同一番号
(符号)を付して説明する。
【0063】図4に示すように、第2実施例の内燃機関
用点火装置1は、放電用の電気エネルギ(例えば電圧1
2V)を供給する電源装置(バッテリ)11と、内燃機
関の気筒に設けられた点火プラグ13と、一次巻線L1
と二次巻線L2とからなる点火コイル15と、一次巻線
L1と直列接続されたnpn型のトランジスタ17と、
火花放電を強制的に遮断する火花放電遮断回路31と、
トランジスタ17及び火花放電遮断回路31に対して、
第1指令信号Sa及び第2指令信号Sbを各々出力する
電子制御装置(以下、ECUと呼ぶ)19と、を備えて
いる。
【0064】つまり、第2実施例の内燃機関用点火装置
は、第1実施例の内燃機関用点火装置に、火花放電遮断
回路31が追加されて構成されたフルトランジスタ型の
点火装置である。そして、火花放電遮断回路31は、エ
ミッタが接地され、ベースがECU19と接続され、コ
レクタがコンデンサ37を介して一次巻線L1と接続さ
れるとともに、ダイオード33を介して接地されたnp
n型のトランジスタ35にて構成される。そして、ダイ
オード33は、アノードが接地され、カソードがトラン
ジスタ35のコレクタに接続されている。
【0065】そのため、ECU19から出力される第2
指令信号Sbがローレベルである場合には、火花放電遮
断回路31内のトランジスタ35がオフ状態となり、火
花放電遮断回路31が、一次巻線L1に一次電流i1を
流すことはない。また、第2指令信号Sbがハイレベル
である場合、火花放電遮断回路31内のトランジスタ3
5がオン状態となり、電源装置11の正極側から点火コ
イル15の一次巻線L1を通って電源装置11の負極側
に至る、一次巻線L1の通電経路を形成し、一次巻線L
1に一次電流i1を流す。そして、通電経路に存在する
コンデンサ37に電荷が蓄積されるに従い、一次電流i
1は緩やかに減少し、コンデンサ37に、一次巻線L1
のインダクタンスとコンデンサ37の容量とで決まる一
定の時定数にて、所定量の電荷が蓄積されると、コンデ
ンサ37に電流が流れなくなるため、一次電流i1を遮
断する。ただし、コンデンサ37が一次巻線L1側に接
続された電極を正極性として充電されている場合、第2
指令信号Sbがハイレベルであっても、一次電流i1は
流れないため、予めコンデンサ37に蓄積された電荷を
放電させておく必要があり、ここでは、第1指令信号S
aをハイレベルにする、すなわち、トランジスタ17を
オン状態とすることで、コンデンサ37に蓄積された電
荷を放電させることができる。
【0066】したがって、火花放電遮断回路31のコン
デンサ37が放電された状態で、第2指令信号Sbをロ
ーレベルからハイレベルに変化したときには、トランジ
スタ35がターンオンして、一次巻線L1に一次電流i
1を流し、時間経過によって、コンデンサ37に電荷が
蓄積されると共に、一次電流i1を緩やかに減少させて
いき、最終的には一次電流i1を遮断するように動作す
る。なお、このように一次電流i1を緩やかに減少させ
ることができるのは、火花放電遮断回路31にコンデン
サ37を設けているためであり、本第2実施例では、こ
のコンデンサ37が特許請求の範囲に記載の電流調整手
段に相当する。
【0067】ここで、図5は、図4に示す第2実施例の
内燃機関用点火装置における、第1指令信号Sa、点火
コイル15の一次巻線L1に流れる一次電流i1、第2
指令信号Sb、点火プラグ13の中心電極13aの電位
Vp、の各状態を表すタイムチャートである。図5で
は、内燃機関の1燃焼タイミングにおいて、火花放電が
3回連続して行われている例を示している。
【0068】このような火花放電は、ECU19におい
て実行される点火制御処理によって実行されており、こ
の点火制御処理を図6に示すフローチャートに沿って説
明する。なお、ECU19は、内燃機関の火花放電発生
時期、燃料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御す
るためのものであり、第1実施例のECU19と同様
に、別途、運転状態検出処理を行っている。
【0069】また、図6に示す点火制御処理は、第1実
施例の点火制御処理と同様に、例えば、内燃機関の回転
角度(クランク角)を検出するクランク角センサからの
信号に基づき、内燃機関が、吸気、圧縮、燃焼、排気を
行う1燃焼サイクルに1回の割合で実行される。
【0070】そして、図6におけるS110からS20
0までの処理は、図3に示した第1実施例のフローチャ
ートと同様であり、第2実施例においても、複数回の連
続した火花放電を行う。図5における時刻t11〜t1
6は、図2における時刻t1〜t6に各々相当してお
り、その間に第2実施例のECU19で行われる処理
は、第1実施例のECU19で行われる処理と同様であ
る。
【0071】しかし、第1実施例と第2実施例とでは、
最後の火花放電を行った後の処理が異なっており、具体
的には、S170にて肯定判定された後の処理であり、
第1実施例では、点火制御処理を終了するが、第2実施
例では、引き続いて火花放電を強制終了させた後、一次
電流i1を緩やかに減少させる処理が行われる。そこ
で、この第2実施例で行われる処理について、最後の火
花放電が発生されて、S170に処理が移行した時点か
らの点火制御処理の説明を以下に記す。
【0072】図6において、S170にて、カウンタi
が火花放電連続回数Nに達したか否かを判断し、肯定判
定されると、S310に移行し、S310では、N回目
の火花放電の火花放電発生時期がS150にて肯定判定
されて最後の火花放電を発生させた後、S120で求め
た火花持続時間Ttが経過したか否かを判断し、否定判
定された場合には、同ステップを繰り返し実行すること
で、火花持続時間Ttが経過するのを待つ。そして、S
310にて、火花持続時間Ttが経過したと判断される
と(図5に示す時刻t17)、S320に移行して、第
1指令信号Saをローからハイレベルに反転させる。
【0073】この結果、第1指令信号Saがハイレベル
になると、トランジスタ17がオン状態となり、一次巻
線L1は再び通電されることで、二次巻線L2の誘導電
圧の発生を抑え、点火プラグ13での火花放電を強制的
に遮断するとともに、コンデンサ37が一次巻線L1側
に接続された電極を正極として充電されている場合に、
コンデンサ37を放電させる。
【0074】続いて、S330では、S310にて火花
持続時間Ttが経過したと判断された後、予めECU1
9に設定してある第1指令信号Saのハイレベル継続時
間を経過したか否かを判断し、否定判定された場合に
は、同ステップを繰り返し実行することで待機する。そ
して、S330にて、第1指令信号Saのハイレベル継
続時間が経過したと判断されると(図6に示す時刻t1
8)、S340に移行する。本第2実施例では、第1指
令信号Saのハイレベル継続時間は、機関の運転状態に
関わらず、予め設定された固定値としているが、運転状
態に合わせて適切な値に設定するようにしてもよい。
【0075】そして、S340の処理により、第1指令
信号Saをハイからローレベルに切り換えるとともに、
第2指令信号Sbをローからハイレベルに切り換える。
すると、トランジスタ17がオフ状態となり、一次巻線
L1からトランジスタ17のコレクタに流れ込んでいた
電流が遮断される。しかし、トランジスタ35がオン状
態となるため、一次巻線L1から、コンデンサ37を介
し、トランジスタ35に電流が流れるため、一次電流i
1は継続して流れる。このあと、時間経過と共に、コン
デンサ37に電荷が蓄積されるに従い、一次電流i1は
緩やかに減少していき、コンデンサ37に所定量の電荷
が充電されると、一次電流i1は遮断される。
【0076】そして、続くS350では、S330にて
第1指令信号Saのハイレベル継続時間を経過したと判
断された後、予めECU19に設定してある第2指令信
号Sbのハイレベル継続時間を経過したか否かを判断
し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実
行することで待機する。そして、S350にて、第2指
令信号Sbのハイレベル継続時間が経過したと判断され
ると(図6に示す時刻t19)、S360に移行する。
本第2実施例では、第2指令信号Sbのハイレベル継続
時間は、内燃機関の運転状態に関わらず、予め設定され
た固定値としているが、運転状態に合わせて適切な値に
設定するようにしてもよい。
【0077】そして、S360の処理により、第2指令
信号Sbをハイからローレベルに切り換えると、トラン
ジスタ35がオフ状態となり、本処理が終了する。ここ
で、第2指令信号Sbのハイレベル継続時間は、コンデ
ンサ37が充電されるまでの時間と同程度に設定されて
おり、一次電流i1は十分小さくなっているか、あるい
は遮断されており、S360の処理によって、一次電流
i1が急激に遮断されて、点火プラグ13に火花放電を
発生させることはない。
【0078】ここで、トランジスタ17および火花放電
遮断回路31が、最後の火花放電を遮断するための一次
電流を流しており、特許請求の範囲に記載の火花放電遮
断手段に相当する。以上説明したように、第2実施例の
内燃機関用点火装置1では、ECU19の指令によって
トランジスタ17を複数回連続してスイッチング駆動を
行うことにより、点火プラグ13に複数回連続した火花
放電を発生させている。そして、最後の火花放電が発生
した後、火花持続時間Ttが経過した時点で、ECU1
9、トランジスタ17および火花放電遮断回路31によ
って、点火コイル15の一次巻線L1に再度一次電流i
1を流すことにより、火花放電を強制的に遮断し、その
後、一次電流i1を緩やかに減少させて、最終的に一次
電流i1を遮断している。
【0079】したがって、第2実施例の内燃機関用点火
装置によれば、火花放電を複数回連続して発生させるこ
とが可能であり、また、内燃機関の運転状態に応じて火
花放電条件を算出しているため、第1実施例の内燃機関
用点火装置と同様の効果を発揮することが出来る。
【0080】さらに、第2実施例では、最後の火花放電
を強制的に遮断することで無駄な火花エネルギの消費を
抑えることができることから、点火プラグの電極消耗を
抑えることが出来る。また、再通電した一次電流を緩や
かに減少させて、無駄な火花放電を発生させないように
することでも、無駄な火花エネルギの消費を抑えてい
る。
【0081】さらに、再通電した一次電流を緩やかに減
少させて遮断することで、火花放電を強制遮断した後の
トランジスタの通電時間を短くすることができ、トラン
ジスタの発熱を抑え、負担を軽減することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の内燃機関用点火装置の構成を表
す電気回路図である。
【図2】 第1実施例の内燃機関用点火装置の各部の状
態を表すタイムチャートである。
【図3】 第1実施例の電子制御装置(ECU)が実行
する処理を表すフローチャートである。
【図4】 第2実施例の内燃機関用点火装置の構成を表
す電気回路図である。
【図5】 第2実施例の内燃機関用点火装置の各部の状
態を表すタイムチャートである。
【図6】 第2実施例の電子制御装置(ECU)が実行
する処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関用点火装置、11…電源装置、13…点火
プラグ、13a…中心電極、13b…接地電極、15…
点火コイル、17…トランジスタ、19…電子制御装置
(ECU)、31…火花放電遮断回路、33…ダイオー
ド、35…トランジスタ、37…コンデンサ、D…整流
素子、L1…一次巻線、L2…二次巻線。
フロントページの続き (72)発明者 宮田 繁 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 3G019 AA09 BB08 BB10 CA00 CA01 CA02 EA17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次巻線の一端が点火プラグに接続され
    た点火コイルと、 該点火コイルの一次巻線に流れる一次電流を通電、遮断
    するためのスイッチング素子と、 該一次電流を通電、遮断させることにより、前記点火コ
    イルの二次巻線に点火用高電圧を発生させて、前記点火
    プラグを火花放電させるために、前記スイッチング素子
    のスイッチング駆動を行う点火制御手段と、 を備えた内燃機関用点火装置であって、 前記点火制御手段は、内燃機関の1燃焼サイクルの燃焼
    タイミングにおいて、前記スイッチング素子を複数回連
    続してスイッチング駆動を行うことにより、前記点火プ
    ラグを複数回連続して火花放電させること、 を特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 前記点火制御手段は、内燃機関の運転状
    態に応じて、前記点火プラグの火花放電による着火性が
    劣る運転条件下となる程、前記点火用高電圧が高くなる
    ように前記一次電流を制御すること、を特徴とする請求
    項1に記載の内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 前記点火制御手段は、内燃機関の運転状
    態に応じて、前記点火プラグの火花放電による着火性が
    劣る運転条件下となる程、前記火花放電の連続回数が多
    くなるように前記スイッチング素子のスイッチング駆動
    回数を制御すること、を特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の内燃機関用点火装置。
  4. 【請求項4】 前記点火制御手段は、内燃機関の運転状
    態に応じて、前記点火プラグの火花放電による着火性が
    劣る運転条件下となる程、前記火花放電の間隔が短くな
    るように前記スイッチング素子のスイッチング駆動間隔
    を変化させること、を特徴とする請求項1〜請求項3の
    いずれかに記載の内燃機関用点火装置。
  5. 【請求項5】 前記点火プラグとして火花清浄作用を有
    する点火プラグを備えること、を特徴とする請求項1〜
    請求項4のいずれかに記載の内燃機関用点火装置。
  6. 【請求項6】 前記点火制御手段が、複数回連続して行
    われる火花放電のうち最後の火花放電を起こさせた後、
    前記一次巻線への通電を再度行うことにより火花放電を
    強制的に終了させる火花放電遮断手段と、 前記火花放電遮断手段が、前記点火コイルの一次巻線へ
    の通電を再開した後、該通電電流を緩やかに減少させる
    電流調整手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれ
    かに記載の内燃機関用点火装置。
  7. 【請求項7】 前記内燃機関は、気筒内に燃料を直接噴
    射するように構成された直噴型内燃機関であることを特
    徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の内燃機
    関用点火装置。
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