JP2000346307A - 火力プラントとその運転管理方法 - Google Patents

火力プラントとその運転管理方法

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JP2000346307A JP11158227A JP15822799A JP2000346307A JP 2000346307 A JP2000346307 A JP 2000346307A JP 11158227 A JP11158227 A JP 11158227A JP 15822799 A JP15822799 A JP 15822799A JP 2000346307 A JP2000346307 A JP 2000346307A
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広田  守
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博史 山内
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重人 村田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ボイラ循環水系への脱酸素剤の注入
量を腐食電位を測定することで必要な脱酸素剤濃度を明
らかにし、その結果を用いて脱酸素剤の注入量を決定で
きる耐腐食性に優れた火力プラントとその運転管理方法
を提供する。 【解決手段】ボイラ、タービン及び覆水器を含む水循環
系を有する火力プラントにおいて、ボイラ水あるいは給
水と接している金属の腐食電位を測定する手段及びヒド
ラジンよりも低毒性の脱酸素剤の濃度が前記金属の脱気
時の腐食電位よりも低くなるように調整する手段を有す
る火力プラント、及びボイラ水あるいは給水と接してい
る金属の腐食電位を参照電極と電位差計を用いて測定
し、ヒドラジンより分子量が大きく、タンニンよりも分
子量が小さく水中で酸素と反応する脱酸素剤の濃度が前
記金属の脱気時の腐食電位よりも低くなるように調整す
る手段を有する火力プラントの運転管理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発電用プラント等の
ボイラを含む密閉系の循環水の酸素を取り除くために、
循環水へ脱酸素剤を添加する水処理手段を用いた火力プ
ラントとその運転管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラへの脱酸素剤の添加は、給水ある
いはボイラ水の酸素濃度を測定しそれに必要な理論的な
脱酸素剤量の数倍のを添加している。また、日本工業規
格JIS-B8223はボイラ水の水質分析から酸素と
未反応な脱酸素剤の濃度をある一定値以上で、循環水の
水流が停止する保管時には運転時よりもはるかに高い脱
酸素剤の濃度とするように推奨している。
【0003】また、特開平10―325508号公報に
はボイラ給水に特開平6―109207号公報には亜燐
酸系の脱酸素剤を注入する方法の開示がある。特開平5
―98476号公報には金属と水とが接触している系に
おいて、該金属の自然電位をモニタリングしてその値が
孔食電位未満になるように該系に腐食抑制剤を添加する
金属の腐食方法が開示されている。
【0004】また、特開平6―109207号公報には
ボイラ給水にヒドラジンを0.5〜1.5ppm注入す
る方法が開示されている。
【0005】また、特開平6―109207号公報には
亜燐酸塩又は次亜燐酸塩と、白金の錯体とからなる脱酸
素剤が開示されているが、脱酸素剤を注入する時の濃度
管理に関する開示はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ボイラ運転時において
脱酸素剤の添加量は過去の経験から理論的に必要な量の
数倍を用いており、低価格化の一つの障害となってい
る。
【0007】また、ボイラが運転停止した状態でのボイ
ラ保管時には運転時以上に高い脱酸素剤の濃度でボイラ
の管理がなされている。それはボイラ保管時に循環水が
静止した状態で、脱酸素剤の濃度の把握が難しくなるた
め、脱酸素剤の不足による事故予防のために多量の脱酸
素剤を添加し酸素リークに対応している。 これはボイ
ラ内に予想以上の酸素が混入する事態が発生した場合、
理論上必要とされる一定量の脱酸素剤の添加では脱酸素
剤が全て消費された後の残存酸素による腐食が発生する
ことがあるためである。
【0008】現在、脱酸素剤としてはヒドラジンが主に
用いられている。ヒドラジンは毒性(ラットのLD50
が59mg/kg)が強く安全衛生の観点からプラント
設計等に制約を受ける。
【0009】さらに、多量のヒドラジンを添加するとヒ
ドラジンは高温で分解してアンモニアを生成し、復水経
路に高濃度のアンモニアを含有することになりpHが上
昇し、復水器の銅系材料の腐食が加速される。
【0010】近年、該ヒドラジンに代わる各種の脱酸素
剤が開発されている。しかし、それらの中には酸素との
反応が複雑で、酸素と反応した後の物質濃度に基ずき、
添加する脱酸素剤の濃度を管理することが困難な場合が
多い。
【0011】例えば、エルソルビン酸等は高温で分解し
炭酸や硝酸等を生成しpHを低下させる。
【0012】したがって、ヒドラジン代替えの脱酸素剤
には安全衛生上の問題が少なく、かつ低価格で脱酸素剤
の添加量を必要最小限にする管理方法が求められてい
る。
【0013】本発明の目的は、ボイラ循環水系への脱酸
素剤の注入量を腐食電位を測定することで必要な脱酸素
剤濃度を明らかにし、その結果を用いてより腐食の少な
い火力プラントとその管理方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、ボイラ、ター
ビン及び覆水器を含む水循環系を有する火力プラントに
おいて、ボイラ水あるいは給水と接している金属の腐食
電位を測定する手段、ヒドラジンよりも低毒性、好まし
くはラットのLD50が100mg/kg以上の脱酸素
剤の濃度が前記金属の脱気時の腐食電位よりも低くなる
ように脱酸素剤の濃度を調整する手段を有することを特
徴とする火力プラントにある。
【0015】また、本発明は、ボイラ、タービン及び覆
水器を含む水循環系を有する火力プラントの運転管理方
法において、ボイラ水あるいは給水と接している金属の
腐食電位を参照電極と電位差計を用いて測定し、ヒドラ
ジンより分子量が大きく、タンニンよりも分子量が小さ
く水中で酸素と反応する脱酸素剤の濃度が前記金属の脱
気時の腐食電位よりも低くなるように脱酸素剤の濃度を
調整することを特徴とする火力プラントの運転管理方法
にある。
【0016】前記の火力プラントの運転管理方法はボイ
ラの運転時あるいは循環水流が停止した保管時に水質を
管理することを特徴とする。
【0017】前述の発明において、前記脱酸素剤の添加
量を調整する手段が、ボイラ水あるいは給水と接してい
る金属の腐食電位を参照電極と電位差計を用いて測定
し、該腐食電位と未反応な該脱酸素剤の濃度の関係から
所定の該脱酸素剤の濃度に相当する腐食電位になるよう
に該脱酸素剤の添加量を制御、あるいは監視すること、
前記金属の脱気時の腐食電位は、ボイラ水あるいは給水
と接している金属の腐食電位を脱酸素剤を注入しない状
態で定期的に測定する手段、又は常時脱気時の腐食電位
は脱塩器出口又は脱気器出口の脱酸素剤を含まない給水
と接する部分の腐食電位を測定する手段を用いて測定す
る手段を用いること、又は脱塩器出口の給水にアンモニ
アを注入し、ボイラ水又は給水と接している金属の腐食
電位を参照電極と電位差計を用いて測定する部分と同等
の温度に制御し測定すること、前記脱酸素剤は、亜硫酸
塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜リン酸塩、メチル
エチルケトオキシム、エリソルビン酸、ジエチルヒドロ
キシルアミン、ハイドロキノン、カルボン酸アミン塩、
糖類の中から選ばれる化合物であって、該化合物はヒド
ラジンより分子量が大きく、タンニンよりも分子量が小
さく水中で酸素と反応する化合物であることを特徴とす
る火力プラントの運転管理方法である。
【0018】また、本発明はボイラ、タービン及び覆水
器を含む水循環系を有する火力プラントにおいて、ボイ
ラ水あるいは給水と接している金属の腐食電位を測定す
る手段及び前記金属の腐食電位を該金属の脱気時の腐食
電位よりも低くなるように調整する脱酸素剤添加手段を
有することを特徴とする火力プラントにある。
【0019】また、本発明はボイラ、タービン及び覆水
器を含む水循環系を有する火力プラントの運転管理方法
において、ボイラ水あるいは給水と接している金属の腐
食電位を参照電極と電位差計を用いて測定し、前記金属
の腐食電位を該金属の脱気時の腐食電位よりも低くなる
ように脱酸素剤の添加量を調整することを特徴とする火
力プラントの運転管理方法にある。
【0020】
【発明の実施の形態】図2は本発明の火力プラントにお
ける腐食電位の測定位置を示す系統図である。
【0021】本発明において、腐食電位を測定する場
合、腐食電位の測定位置は給水系では脱酸素剤の添加位
置より下流側に設けることが好ましく、脱気器4が或る
ボイラでは3箇所( 5、6、7)に設けることが好ま
しい。
【0022】すなわち、復水器3より下流で脱酸素剤が
添加された下流側で脱気器4手前の腐食電位測定位置5
にて測定する方法、脱気器4より下流でボイラ1手前の
腐食電位測定位置6で測定する方法、ボイラ1内の腐食
電位測定位置7で測定する方法がある。
【0023】また、各腐食電位測定位置の手前には脱気
時の腐食電位測定位置8,9,10がありその下流側に
脱酸素剤の注入ラインに取り付けられた脱酸素剤注入用
バルブ11,12,13があり、その場所それぞれに脱
酸素剤制御装置14,15,16を設置し脱酸素剤の注
入量を制御する。
【0024】また、ボイラ1は運転時と同様に保管時に
も脱酸素剤の添加がなされる。一般に保管時は水の循環
がない静止保管となるが、腐食電位の測定は水の流動が
なくても測定は可能であり、ボイラ停止保管時にも脱酸
素剤の濃度の制御や監視も可能である。
【0025】上記の5、6、7のそれぞれの位置におい
て腐食電位あるいは脱気時の腐食電位を測定する場合に
は、例えば次の方法がある。プラントの配管等の電位を
直接測定する方法、給水等を採取し所定の水質や温度に
調整した後に測定する方法である。
【0026】図3は循環水経路の配管17の腐食電位を
直接測定する方法の概略図である。
【0027】配管17などに参照電極18を取り付け近
傍の配管等17の腐食電位を電位差計19で測定する方
法である。参照電極18には外部参照電極や内部参照電
極があり、水素標準電位に変換できる標準電極ならどれ
でも良い。測定した腐食電位の信号は脱酸素剤の添加量
を制御する制御装置や監視する場所へ送られる。この方
法は運転時及び保管時に適用可能である。
【0028】図4は給水等のサンプル水を採取し所定の
環境に制御し測定する方法の概略図である。
【0029】図4は測定箇所のサンプル水を取り出し圧
力容器20内で金属の腐食電位を測定する方法である。
図3の方法が不可能な場合は、測定したいボイラ水ある
いは給水を抽出し圧力容器20に導き試験片22の腐食
電位を参照電極21と電位差計23を用いて測定する。
電位差計23で測定した信号は脱酸素剤の添加量の制御
や監視する制御装置へ送られる。この方法はボイラ運転
時及び保管時に適用可能である。ボイラの停止保管時に
適用するには圧力容器20内のサンプル水をボイラ水と
同様な水質にするため、ポンプ等をとりつけサンプル水
を循環させる必要がある。ここで、試験片22の材質は
高温水中で腐食電位が測定できるものであればよく、特
に限定されない。
【0030】本発明によれば、ボイラ水あるいは給水に
接する金属の腐食電位を測定し、その電位を脱気時の腐
食電位よりも低く管理する。詳しくは、脱気時と脱酸素
剤添加時の電位差の関係から、脱酸素剤を適切な濃度で
ボイラの運転管理することでボイラの酸素による腐食を
抑制するボイラの運転管理方法である。
【0031】また、脱酸素剤を過多なく脱酸素剤を添加
し、余剰な脱酸素剤のコストを抑制、脱酸素剤と酸素の
反応が複雑な場合や、異なる種類の脱酸素剤を混合して
添加した場合などに、未反応物質濃度の管理が難しい場
合も脱気時と脱酸素剤添加時の電位差の関係から、未反
応の脱酸素剤濃度を腐食電位で管理することができる。
【0032】さらに、ボイラ静止保管時に脱酸素剤濃度
の把握が従来困難であったが、配管等の腐食電位を停止
時に測定することで可能となり、従来非常に高濃度な脱
酸素剤が添加されていたが、それを削減することができ
脱酸素剤による価格を抑制できる。この時、使用される
脱酸素剤は水中で酸素と反応し脱気時よりも腐食電位が
低下する物質は全て適用できる。
【0033】これらに対し、本発明である腐食電位を脱
気時の腐食電位よりも低くし運転することで、脱酸素剤
の反応が複雑であっても腐食電位で脱酸素剤の濃度を制
御して対応できる。
【0034】また、何かの原因でボイラ内に酸素のリー
クが発生しボイラ水の酸素濃度が高くなっても、腐食電
位を管理することによりすぐに脱酸素剤の添加量を増す
ことで対応でき、酸素による腐食を回避できる。
【0035】金属の腐食電位を測定することで循環水系
の水の酸化雰囲気あるいは還元雰囲気を検知することが
できる。純水を不活性なガスで置換した環境で測定した
腐食電位と酸素などの酸化作用のある物質が存在する場
合、腐食電位は貴側に変化する。逆にヒドラジンなどの
還元作用のある物質が存在する場合は卑側に変化する。
【0036】ボイラの水処理に酸素除去を目的として使
用されているあらゆる脱酸素剤は金属の腐食電位を脱気
時の腐食電位よりも低くする効果がある。
【0037】本発明で脱酸素剤濃度と脱気時と脱酸素剤
添加時の腐食電位差の関係から、目的とする脱酸素剤濃
度に腐食電位を監視して添加量を制御することができ
る。
【0038】さらに、酸化剤となる溶存酸素が微量でも
存在すると著しく腐食電位は上昇し、脱酸素剤が不足し
ていることが瞬時に検知可能でより安全な運転管理が可
能となる。つまり、ボイラの運転時及び保管時にボイラ
水あるいは給水に接する配管等の腐食電位を測定するこ
とで、適正な脱酸素濃度に制御あるいは監視できるボイ
ラ運転管理方法を提供できる。
【0039】本発明において、ヒドラジンよりも低毒性
であるラットのLD50が100mg/kg以上の脱酸
素剤としては、例えばメチルケチルオキシム:LD50
が3100mg/kg、ジヒドロキシルアミン:LD
50が2190mg/kg及び亜硫酸ナトリウム:毒性
無し、等が挙げられる。
【0040】
【実施例1〜6】及び
【比較例1〜12】表1は脱酸素剤(化合物)の種類と
添加条件および100時間経過後の炭素鋼の腐食電位を
示す。
【0041】
【表1】
【0042】腐食電位測定試験は、試験部の水質を制御
できる循環式のオートクレーブ装置を用いた。試験片は
炭素鋼(STB−35)を用いた。試験温度は300
℃、給水のpHはアンモニアを用いてpH9.5に調整
し溶存酸素濃度は<1ppbとした。 表1の結果を図
1に示す。
【0043】図1は炭素鋼の脱酸素剤添加時における腐
食電位変化を示す。比較例1は他の測定値の基準となる
値で、給水の酸素濃度1ppb以下で脱酸素剤未添加の
条件である。その値は100時間経過後では−481m
V(vs SHE)でほぼ安定していた。図中では基準とな
る腐食電位の差は0である。
【0044】実施例1、2は亜硫酸ナトリウムを添加し
た場合である。酸素濃度400ppbと理論的に反応す
る濃度を添加した実施例2の腐食電位は、脱気時の比較
例1と比較し約180mV低い。
【0045】比較例2、3はヒドラジンを添加した場合
である。酸素濃度400ppbと理論的に反応する濃度
を添加した比較例3の場合は、比較例_1に比較し約93
mV低い。
【0046】実施例3、4はカルボヒドラジドを添加し
た場合の結果である。酸素濃度400ppbと理論的に
反応する濃度を添加した実施例4ときの腐食電位は比較
例1に比較し205mV低い。
【0047】実施例5、6はグルコースを添加したとき
の結果である。酸素濃度500ppbと理論的に反応す
る濃度を添加した比較例6ときの腐食電位は、比較例1
に比較し107mV低い。比較例4は酸素濃度35pp
b添加し測定した結果である。腐食電位は比較例1に比
較し107mV高い。
【0048】以上の結果から脱酸素剤が添加されると脱
気時の腐食電位よりも低くなり、添加量と低下する電位
は脱酸素剤により異なる。 したがって、未反応な脱酸
素剤が存在すると脱気時の腐食電位よりも低い値を示
し、脱酸素剤の濃度と脱酸素剤の添加時と未添加時の腐
食電位差には相関性があり、この腐食電位差を測定し脱
酸素剤の濃度を制御あるいは監視することができる。
【0049】さらに、比較例2のように溶存酸素が存在
すると著しく腐食電位は上昇し、脱酸素剤が不足してい
る場合も直ちに検知可能である。
【0050】以上の手法は脱気時の腐食電位が経時変化
する場合である。この手法以外に、制御したい水の水質
が常に一定で脱気時の腐食電位に変化がない場合は、一
定の電位になるように脱酸素剤の添加を制御することも
できる。
【0051】表2は炭素鋼(STB−35),低合金鋼
(STBA−22), ステンレス鋼(SUS304)
を用いて脱酸素剤の有無による腐食電位の変化を測定し
た実験条件とその結果である。
【0052】
【表2】
【0053】試験は温度300℃、給水のpHはアンモ
ニアを用いてpH9.5に調整し溶存酸素は<1ppb
とした。
【0054】脱酸素剤にはヒドラジンを用い消費可能な
酸素濃度200ppb相当を添加し、100時間経過後
の腐食電位を測定した。脱酸素剤の未添加の腐食電位を
比較すると、比較例5の低合金鋼は比較例1の炭素鋼の腐
食電位よりも約28mV高い、−4610mV(VS SH
E)であった。
【0055】比較例7のス テ ン レ ス鋼は比較例1の炭素鋼
より約130mV高い−351mV(VS SHE)であっ
た。同じ材質で脱酸素剤の有無で比較すると、炭素鋼で
ある比較例2は比較例1と比較し70mV低くなってい
る。低合金鋼である比較例6は比較例5と比較し63m
V低くなっている。ステンレス鋼である比較例8は比較
例7と比較し75mV低くなっている。以上のことか
ら、どの材質でも未添加時と比較し63〜75mV低い
値となりあまり差がないことがわかる。また、材質が異
なり脱気時の腐食電位が異なっても、脱酸素剤が添加さ
れるとその腐食電位は低下する。
【0056】表3は炭素鋼を用いて脱酸素剤の有無によ
る腐食電位の変化を温度を変えて調べた実験条件とその
結果である。
【0057】
【表3】
【0058】試験温度は100,200,300℃、給
水のpHはアンモニアを用いてpH9.5に調整し溶存
酸素は<1ppbとした。脱酸素剤にはヒドラジンを用
い消費可能な酸素濃度200ppb相当を添加し、10
0時間経過後の腐食電位を測定した。試験温度が100
℃である比較例10は未添加の比較例9に比較し腐食電
位が55mV低い。試験温度200℃でる比較例12と
未添加の比較例11と比べると腐食電位が62mV低
い。試験温度が300℃である実施例2は未添加の比較
例1と比較し腐食電位が70mV低くい。以上から何れ
の温度領域でも脱酸素剤を添加すると腐食電位は低下す
るが、温度が低いほど脱酸素剤の添加時における腐食電
位の低下は小さい。
【0059】表4は炭素鋼を用いて脱酸素剤の有無によ
る腐食電位の変化をpHを変えて調べた実験条件とその
結果である。
【0060】
【表4】
【0061】試験温度は300℃、給水のpHはアンモ
ニアを用いてpHを調整し溶存酸素は<1ppbとし
た。試験は脱酸素剤のヒドラジンを消費可能な酸素濃度
200ppb 相当を添加し100時間経過後の腐食電
位を測定した。試験pH8.0である比較例14を未添
加の比較例13と比較すると腐食電位が72mV低い。
試験pH9.5である比較例2は比較例1と比較し腐食
電位が70mV低い。以上から弱アルカリ領域において
脱酸素剤を添加すると腐食電位は低下し、その傾向は中
性付近ほど大きい。
【0062】また、脱酸素剤を薬液タンクから注入する
場合、常温で反応が速い物質はタンクの酸素リークによ
り薬液タンク内で反応が進み脱酸素剤が消費されるた
め、有効に働く脱酸素剤の濃度が低下している場合があ
る。このような状態でもボイラ水あるいは給水に接して
いる金属の腐食電位を測定することで脱酸素剤の濃度を
適切に制御できる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、ボイラ水あるいは給水
に接している金属の腐食電位を酸素が存在しない脱気環
境で腐食電位を測定し、その腐食電位よりも低い腐食電
位になるように脱酸素剤の濃度を制御できる。
【0064】各脱酸素剤の濃度と腐食電位の関係は、測
定する金属及びその温度pHやその他に水に溶解してい
る物質に左右される。したがって、実機に適用する場合
は実機と同一の環境で脱気時の腐食電位を測定し、その
後脱酸素剤を添加し脱酸素剤と腐食電位の関係を明らか
にし調整したい脱酸素剤の濃度に対応する腐食電位にな
るように脱酸素剤を添加する。この脱酸素剤と腐食電位
の関係を実機で行う場合は、脱酸素剤の分析値と照らし
合わせて行うか、あるいは実際に脱気時の腐食電位を測
定し、その後脱酸素剤を添加し腐食電位と脱酸素濃度の
関係を求めることより達成できる。
【0065】本発明は、従来経験に頼っていた脱酸素剤
の注入量を腐食電位を測定することで簡便に必要な脱酸
素剤濃度を明らかにし、その結果を用いて適切に脱酸素
剤の注入量を決定できるボイラの管理方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭素鋼の脱酸素剤添加時における腐食電位変化
を示す。
【図2】実機ボイラにおける腐食電位の測定位置を示す
火力プラントの系統図。
【図3】配管等の腐食電位を直接測定する方法を示す概
略図。
【図4】ボイラ水および給水を抽出して測定する方法を
示す概略図。
【符号の説明】
1…ボイラ、 2…タービン、 3…復水器、 4…脱
気器、 5腐食電位測定位置、 6…腐食電位測定位
置、 7…腐食電位測定位置、 8…脱気時の腐食電位
測定位置、 9…脱気時の腐食電位測定位置、 10…
脱気時の腐食電位測定位置、 11…脱酸素剤タンク、
12…脱酸素剤タンク、 13…脱酸素剤タンク、
14…脱酸素剤濃度制御装置、 15…脱酸素剤濃度制
御装置、 16…脱酸素剤濃度制御装置、 17…配
管、 18…参照電極、 19…電位差計、 20…圧
力容器、 21…参照電極、 22…電位を測定する
試験片、23…電位差計。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 博史 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 神林 剛 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立茨城ビジネスエンジニアリング内 (72)発明者 村田 重人 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 下野 展雄 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 Fターム(参考) 4K062 AA03 AA05 BA08 BB04 BB06 BB07 BB12 BB15 BB18 CA05 CA10 DA01 EA04 FA05 FA06 GA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボイラ、タービン及び覆水器を含む水循環
    系を有する火力プラントにおいて、ボイラ水あるいは給
    水と接している金属の腐食電位を測定する手段及びヒド
    ラジンよりも低毒性の脱酸素剤の濃度が前記金属の脱気
    時の腐食電位よりも低くなるように調整する手段を有す
    ることを特徴とする火力プラント。
  2. 【請求項2】ボイラ、タービン及び覆水器を含む水循環
    系を有する火力プラントの運転管理方法において、ボイ
    ラ水あるいは給水と接している金属の腐食電位を参照電
    極と電位差計を用いて測定し、ヒドラジンより分子量が
    大きく、タンニンよりも分子量が小さく水中で酸素と反
    応する脱酸素剤の濃度が前記金属の脱気時の腐食電位よ
    りも低くなるように調整することを特徴とする火力プラ
    ントの運転管理方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2において、前記脱酸
    素剤の濃度を調整する手段が、ボイラ水あるいは給水と
    接している金属の腐食電位を参照電極と電位差計を用い
    て測定し、該腐食電位と未反応な該脱酸素剤の濃度の関
    係から所定の該脱酸素剤の濃度に相当する腐食電位にな
    るように該脱酸素剤の添加量を制御、あるいは監視する
    ことを特徴とする火力プラントの運転管理方法。
  4. 【請求項4】請求項1又は請求項2において、前記金属
    の脱気時の腐食電位は、ボイラ水あるいは給水と接して
    いる金属の腐食電位を脱酸素剤を注入しない状態で定期
    的に測定する手段、又は常時脱気時の腐食電位は脱塩器
    出口又は脱気器出口の脱酸素剤を含まない給水と接する
    部分の腐食電位を測定する手段を用いて測定する手段を
    用いることを特徴とする火力プラントの運転管理方法。
  5. 【請求項5】請求項1又は請求項2において、 前記金
    属の脱気時の腐食電位は、脱塩器出口の給水にアンモニ
    アを注入し、ボイラ水又は給水と接している金属の腐食
    電位を参照電極と電位差計を用いて測定する部分と同等
    の温度に制御し測定することを特徴とする火力プラント
    の運転管理方法。
  6. 【請求項6】前記ボイラの運転管理方法はボイラ運転時
    あるいは循環水流が停止した保管時に水質を管理するこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の火力プラン
    トの運転管理方法。
  7. 【請求項7】請求項1又は請求項2において、前記脱酸
    素剤は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜リ
    ン酸塩、メチルエチルケトオキシム、エリソルビン酸、
    ジエチルヒドロキシルアミン、ハイドロキノン、カルボ
    ン酸アミン塩、糖類の中から選ばれる化合物であって、
    該化合物はヒドラジンより分子量が大きく、タンニンよ
    りも分子量が小さく水中で酸素と反応する化合物である
    ことを特徴とする火力プラントの運転管理方法。
  8. 【請求項8】ボイラ、タービン及び覆水器を含む水循環
    系を有する火力プラントにおいて、ボイラ水あるいは給
    水と接している金属の腐食電位を測定する手段及び前記
    金属の腐食電位を該金属の脱気時の腐食電位よりも低く
    なるように調整する脱酸素剤添加手段を有することを特
    徴とする火力プラント。
  9. 【請求項9】ボイラ、タービン及び覆水器を含む水循環
    系を有する火力プラントの運転管理方法において、ボイ
    ラ水あるいは給水と接している金属の腐食電位を参照電
    極と電位差計を用いて測定し、前記金属の腐食電位を該
    金属の脱気時の腐食電位よりも低くなるように脱酸素剤
    の添加量を調整することを特徴とする火力プラントの運
    転管理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003089889A (ja) * 2001-09-14 2003-03-28 Sumitomo Chem Co Ltd ブラインおよびこれを使用する金属の腐食防止方法
JP2007217773A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Chugoku Electric Power Co Inc:The ユニット水処理方法およびユニット水処理システム
CN105854523A (zh) * 2016-05-20 2016-08-17 黄立维 一种有害气体的处理方法及装置
JP2017172838A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 三浦工業株式会社 ドレン回収システム

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