JP2000351605A - 燃料改質装置 - Google Patents

燃料改質装置

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JP2000351605A
JP2000351605A JP11159784A JP15978499A JP2000351605A JP 2000351605 A JP2000351605 A JP 2000351605A JP 11159784 A JP11159784 A JP 11159784A JP 15978499 A JP15978499 A JP 15978499A JP 2000351605 A JP2000351605 A JP 2000351605A
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fuel
reforming
steam
aqueous
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Satoshi Aoyama
智 青山
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    • B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01B—BOILING; BOILING APPARATUS ; EVAPORATION; EVAPORATION APPARATUS
    • B01B1/00—Boiling; Boiling apparatus for physical or chemical purposes ; Evaporation in general
    • B01B1/005—Evaporation for physical or chemical purposes; Evaporation apparatus therefor, e.g. evaporation of liquids for gas phase reactions

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水蒸気生成系の凍結を防止すると共に装置の
効率化や小型化を図る。 【解決手段】 過酸化水素の分解反応に対して活性化す
る材料により形成された蒸発部30に60wt%の濃度
の過酸化水素水溶液を供給する。過酸化水素は、蒸発部
30内部で水と酸素とに分解すると共に分解熱により水
溶液中の水を気化する。従って、蒸発部30に水を気化
させるための機器を備える必要がない。蒸発部30への
メタンの供給量は、過酸化水素の分解により生じる酸素
の量に応じたものとする。この結果、酸素含有ガスを蒸
発部30に供給する必要がない。過酸化水素水溶液は水
と酸素しか生じないから、窒素などを多量に含む空気を
酸素含有ガスとして蒸発部30に導入するものに比し
て、得られる燃料ガス中の水素濃度を高くすることがで
きる。60wt%の濃度の過酸化水素水溶液の凝固点は
−55.4℃であるから、水蒸気生成系の凍結を防止す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料改質装置に関
し、詳しくは、炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガ
スに改質する燃料改質装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の燃料改質装置としては、
所定の比率でメタノールと水との供給を受けてメタノー
ルを水蒸気改質する燃料改質装置が提案されている(例
えば、特開平2−168802号公報など)。この装置
では、メタノールタンクからのメタノールと水タンクか
らの水とが所定の比率で混合されるよう混合器で混合
し、混合された混合液を改質器に供給している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た燃料改質装置では、メタノールと水とを別々にタンク
で貯蔵しているから、冷寒地ではタンク内の水や水系の
配管,ポンプなどが凍結し、燃料改質装置をすぐに始動
できない場合を生じるという問題があった。
【0004】こうした問題に対して、出願人は、水タン
クにメタノールを混合させ、メタノール水溶液として貯
蔵すると共にこのメタノール水溶液を改質器に供給する
燃料改質装置を提案している(特願平6−248879
号)。この装置では、メタノール水溶液として貯蔵する
ことにより、その凝固点を低下させて、タンク内の水や
配管,ポンプなどの凍結を防止し、凍結により生じる弊
害を回避している。
【0005】ところが、メタノールを改質原料として用
いる場合には、出願人の提案により凍結や凍結により生
じる弊害を回避できるが、メタノール以外の炭化水素系
の燃料を改質原料とする場合には、出願人の提案の手法
は用いることができず、凍結や凍結により生じる弊害を
生じうる。
【0006】本発明の燃料改質装置は、メタノール以外
の炭化水素系の燃料を改質原料として用いるときでもタ
ンク内の水や水系の配管,ポンプなどの凍結による弊害
を回避することを目的の一つとする。また、本発明の燃
料改質装置は、コンパクトな構成で改質に用いられる水
蒸気を生成することを目的の一つとする。さらに、本発
明の燃料改質装置は、改質して得られる燃料ガス中の水
素の濃度を高めることを目的の一つとする。あるいは、
本発明の燃料改質装置は、コンパクトな構成で炭化水素
系の燃料を改質することを目的の一つとする。また、本
発明の燃料改質装置は、起動時でも必要な水蒸気の供給
を行なうことを目的の一つとする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の燃料改質装置は、上述の目的の少なくとも一部を
達成するために以下の手段を採った。
【0008】本発明の第1の燃料改質装置は、炭化水素
系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装
置であって、過酸化水素水溶液を貯蔵する過酸化水素水
溶液貯蔵手段と、該過酸化水素水溶液貯蔵手段から過酸
化水素水溶液の供給を受けて水蒸気を生成する水蒸気生
成手段と、該生成された水蒸気を用いて前記炭化水素系
の燃料を前記燃料ガスに改質する改質手段と、を備える
ことを要旨とする。
【0009】この本発明の第1の燃料改質装置では、過
酸化水素水溶液から水蒸気を生成する。過酸化水素水溶
液の凝固点は、濃度により異なるが、例えば35wt%
の濃度のときには−32.8℃,50wt%の濃度のと
きには−50.0℃,60wt%のときには−55.4
℃となるから、過酸化水素水溶液やこの水溶液系の配
管,ポンプなどの凍結や凍結による弊害を回避すること
ができる。
【0010】こうした本発明の第1の燃料改質装置にお
いて、過酸化水素または高濃度の過酸化水素水溶液を貯
蔵する過酸化水素貯蔵手段と、該貯蔵された過酸化水素
または高濃度の過酸化水素水溶液を前記過酸化水素水溶
液貯蔵手段に供給可能な過酸化水素供給手段とを備える
ものとすることもできる。こうすれば、任意の濃度の過
酸化水素水溶液とすることができる。この態様の本発明
の第1の燃料改質装置において、前記過酸化水素水溶液
貯蔵手段の外気の温度および/または前記過酸化水素水
溶液貯蔵手段に貯蔵されている過酸化水素水溶液の温度
を検出する温度検出手段と、該検出された温度に基づい
て前記過酸化水素供給手段による過酸化水素または高濃
度の過酸化水素水溶液の前記過酸化水素水溶液貯蔵手段
への供給量を制御する供給量制御手段とを備えるものと
することもできる。こうすれば、外気の温度や過酸化水
素水溶液の温度に基づいて過酸化水素水溶液の濃度を調
節することができる。この態様の場合、過酸化水素水溶
液貯蔵手段が貯蔵する過酸化水素水溶液の濃度は如何な
る濃度でもよく、過酸化水素を全く含まない水であって
も差し支えない。さらに、この態様の本発明の第1の燃
料改質装置において、前記供給量制御手段は、前記温度
検出手段により検出される温度が低いほど前記過酸化水
素水溶液貯蔵手段により貯蔵されている過酸化水素水溶
液の濃度が高くなるよう前記過酸化水素供給手段による
過酸化水素または高濃度の過酸化水素水溶液の前記過酸
化水素水溶液貯蔵手段への供給量を制御する手段である
ものとすることもできる。こうすれば、過酸化水素水溶
液の凍結をより確実に回避することができる。
【0011】また、本発明の第1の燃料改質装置におい
て、前記水蒸気生成手段は、過酸化水素水溶液中の過酸
化水素を分解する手段であるものとすることもできる。
過酸化水素は水と酸素とに分解するから、分解して得ら
れる水や酸素を炭化水素系の燃料の改質に用いることが
できる。この態様の本発明の第1の燃料改質装置におい
て、前記水蒸気生成手段は、前記過酸化水素の分解によ
り生じる水および/または前記過酸化水素水溶液中の水
から水蒸気を生成する手段であるものとすることもでき
る。
【0012】こうした水蒸気生成手段で過酸化水素を分
解する態様の本発明の第1の燃料改質装置において、前
記水蒸気生成手段は、前記過酸化水素の分解に伴って生
じる熱を用いて水を気化する手段であるものとすること
もできる。こうすれば、分解熱を有効に用いることがで
き、エネルギ効率を向上させることができる。
【0013】また、水蒸気生成手段で過酸化水素を分解
する態様の本発明の第1の燃料改質装置において、前記
改質手段は、前記過酸化水素の分解により生じる酸素を
用いて前記炭化水素系の燃料を前記燃料ガスに改質する
手段であるものとすることもできる。こうすれば、炭化
水素系の燃料の改質に必要な酸素の少なくとも一部をま
かなうことができる。この態様の本発明の第1の燃料改
質装置において、前記改質手段は、前記水蒸気生成手段
から前記生成した水蒸気と前記過酸化水素の分解により
生じた酸素との供給を受けると共に該酸素の供給量に応
じた前記炭化水素系の燃料の供給を受けて該炭化水素系
の燃料を前記燃料ガスに改質する手段であるものとする
こともできる。こうすれば、炭化水素系の燃料の改質に
必要な酸素のすべてを過酸化水素の分解により生じた酸
素でまかなうことができる。したがって、改質器に酸素
を含有する酸素含有ガス、例えば空気を供給する手段を
備える必要がない。また、酸素含有ガスとして例えば空
気を用いた場合には、燃料ガスに空気中の窒素が含まれ
ることになり、燃料ガス中の水素濃度は窒素が導入され
る分だけ低下するが、過酸化水素水溶液から生じる物質
は水蒸気と酸素だけだから、他の酸素含有ガスを供給す
る場合に比して、燃料ガス中の水素濃度を高くすること
ができる。
【0014】本発明の第1の燃料改質装置において、前
記過酸化水素水溶液貯蔵手段は、約60wt%の濃度に
調製された過酸化水素水溶液を貯蔵する手段であるもの
とすることもできる。こうすれば、過酸化水素水溶液の
凝固点を−50.0℃とすることができる。この60w
t%の過酸化水素水溶液における水と過酸化水素とのモ
ル比は54:44となる。このモル比では、過酸化水素
の分解熱で過酸化水素の分解により生じる水と過酸化水
素水溶液中の水のすべてを気化することができるから、
水蒸気を生成するために必要な熱を外部から加える必要
がなく、水蒸気生成手段に熱を加えるための機器を設け
る必要がない。この結果、装置をシンプルでコンパクト
なものにすることができる。
【0015】本発明の第2の燃料改質装置は、炭化水素
系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装
置であって、過酸化水素水溶液を貯蔵する過酸化水素水
溶液貯蔵手段と、該過酸化水素水溶液貯蔵手段から過酸
化水素水溶液の供給を受けて該過酸化水素水溶液中の過
酸化水素を分解すると共に該分解に伴って生じる熱を用
いて該過酸化水素水溶液中の水と該分解により生じる水
とを気化して水蒸気とする水蒸気生成手段と、該水蒸気
生成手段から生成した水蒸気と前記過酸化水素の分解に
より生じた酸素との供給を受けると共に該酸素の供給量
に応じた前記炭化水素系の燃料の供給を受けて該炭化水
素系の燃料を前記燃料ガスに改質する改質手段とを備え
ることを要旨とする。
【0016】この本発明の第2の燃料改質装置では、水
蒸気の生成に過酸化水素水溶液を用いるから、水蒸気生
成系におけるタンク内の水や配管,ポンプなどの凍結や
これらが凍結することによる弊害を防止することができ
る。また、過酸化水素の分解に伴って生じる熱を用いて
水を気化するから、分解熱を有効に用いることができ、
エネルギ効率を向上させることができる。さらに、過酸
化水素の分解により生じた酸素の供給量に応じた炭化水
素系の燃料の供給を受けて改質するから、炭化水素系の
燃料の改質に必要な酸素のすべてを過酸化水素の分解に
より生じた酸素でまかなうことができる。したがって、
改質器に酸素を含有する酸素含有ガスを供給する手段を
備える必要がなく、装置をシンプルでコンパクトなもの
にすることができる。このように酸素含有ガスを用いな
いから、燃料ガス中の水素濃度を高くすることができ
る。
【0017】こうした本発明の第2の燃料改質装置にお
いて、前記過酸化水素水溶液貯蔵手段は、約60wt%
の濃度に調製された過酸化水素水溶液を貯蔵する手段で
あり、前記水蒸気生成手段は、前記過酸化水素の分解に
伴って生じる熱だけを用いて水を気化する手段であるも
のとすることもできる。こうすれば、過酸化水素水溶液
における水と過酸化水素とのモル比を54:44とする
ことができる。このモル比では、過酸化水素の分解熱で
過酸化水素の分解により生じる水と過酸化水素水溶液中
の水のすべてを気化するから、水蒸気を生成するために
必要な熱を外部から加える必要がなく、水蒸気生成手段
に熱を加えるための機器を設ける必要がない。この結
果、装置をシンプルでコンパクトなものにすることがで
きる。
【0018】本発明の第3の燃料改質装置は、炭化水素
系の燃料を水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質装
置であって、水または他の物質の水溶液の供給を受けて
前記水蒸気を生成する水蒸気生成手段と、該生成された
水蒸気を用いて前記炭化水素系の燃料を前記燃料ガスに
改質する改質手段と、過酸化水素または過酸化水素水溶
液を貯蔵する過酸化水素貯蔵手段と、該貯蔵された過酸
化水素または過酸化水素水溶液を前記水蒸気生成手段に
供給可能な過酸化水素供給手段と、前記改質手段に供給
される水蒸気の供給状態を検出する水蒸気供給状態検出
手段と、該検出された水蒸気の供給状態に基づいて前記
過酸化水素供給手段を制御する過酸化水素供給制御手段
とを備えることを要旨とする。
【0019】この本発明の第3の燃料改質装置では、改
質手段に供給される水蒸気の供給状態に基づいて過酸化
水素または過酸化水素水溶液を水蒸気生成手段に供給す
ることができる。水蒸気生成手段に供給された過酸化水
素は、水と酸素とに分解し、その分解の際に生じる熱で
水を気化するから、水蒸気生成手段における水蒸気の生
成を促進することができる。したがって、過酸化水素ま
たは過酸化水素水溶液の供給量を調節することにより、
水蒸気の生成、即ち改質手段に供給される水蒸気の供給
量を調節することができる。
【0020】こうした本発明の第3の燃料改質装置にお
いて、前記過酸化水素供給制御手段は、前記水蒸気供給
状態検出手段により水蒸気の前記改質部への供給不足が
検出されたとき、過酸化水素または過酸化水素水溶液が
前記水蒸気生成手段に供給されるよう前記過酸化水素供
給手段を制御する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、改質手段への水蒸気の供給量が不足すると
き、例えば燃料改質装置の始動時などでも、改質手段へ
の水蒸気の供給量を増加して、より適正な運転を行なう
ことができる。
【0021】各種態様を含め本発明の第1ないし第3い
ずれかの燃料改質装置において、前記水蒸気生成手段
は、過酸化水素の分解反応に活性な材料により内部の少
なくとも一部が形成されてなるものとすることもでき
る。この態様の本発明の第1ないし第3いずれかの燃料
改質装置において、前記水蒸気生成手段は、前記過酸化
水素の分解反応に活性な材料として銅や銅の合金,普通
鋼,チタン,貴金属などの重金属により内部の少なくと
も一部が形成されてなるものとすることもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である
燃料改質装置20の構成の概略を示す構成図である。実
施例の燃料改質装置20は、図示するように、メタンと
過酸化水素水溶液との供給を受けてこれらを所定の温度
に加熱すると共に水蒸気を生成する蒸発部30と、この
蒸発部30により加熱されたメタンを水蒸気を用いて水
素リッチな改質ガスに改質する改質部32と、この改質
ガス中の一酸化炭素を水素に優先して酸化して一酸化炭
素濃度の極めて低い燃料ガスとするCO選択酸化部36
と、装置全体をコントロールする電子制御ユニット40
とを備える。
【0023】蒸発部30は、内部の少なくとも一部が過
酸化水素の分解反応に対して活性な材料、例えば銅や銅
の合金,普通鋼,チタン,貴金属などの重金属により形
成されており、炭化水素系の燃料としてのメタンと過酸
化水素水溶液とがそれぞれを貯蔵するメタンタンク22
および過酸化水素水溶液タンク24からメタン供給ポン
プ23および水溶液供給ポンプ25により供給されるよ
うになっている。なお、実施例では、内部のすべてがチ
タンで形成されている。
【0024】過酸化水素水溶液タンク24に貯蔵されて
いる過酸化水素水溶液は、約60wt%の濃度、水と過
酸化水素とのモル比で示せば54:44に調製されてい
る。この60wt%の濃度の過酸化水素水溶液の凝固点
は−55.4℃となるから、燃料改質装置20が冷寒地
で用いられても、外気がこの凝固点未満の温度となるま
で過酸化水素水溶液タンク24や水溶液供給ポンプ25
などは凍結しない。
【0025】過酸化水素水溶液中の過酸化水素は、蒸発
部30の内部で次式(1)に示す分解反応により水と酸
素とに分解する。一方、水の蒸発熱は、次式(2)に示
すように44kJ/モルである。
【0026】 H2O2(liq.)→H2O(gas.)+(1/2)O2+54.3kJ (1) H2O(liq.)→H2O(gas.)−44kJ (2)
【0027】ここで、式(1)および式(2)の反応熱
に着目し、その熱収支を考えると、蒸発部30に供給さ
れる水と過酸化水素とをモル比が54:44となるよう
に調整すれば、過酸化水素の分解熱によりすべての水を
蒸発させることができる。即ち、実施例では、水と過酸
化水素とのモル比がこの54:44となるよう調製され
た過酸化水素水溶液を過酸化水素水溶液タンク24に貯
蔵すると共にこれを蒸発部30に供給することにより、
供給された過酸化水素水溶液中の過酸化水素を分解し、
この分解に伴って生じる熱により過酸化水素水溶液中の
水を気化させるのである。この結果、実施例の蒸発部3
0では、外部からの熱の供給なしに水蒸気を得ることが
できるのである。なお、実施例では、過酸化水素水溶液
中の過酸化水素が分解しやすいように、過酸化水素水溶
液を蒸発部30内部に噴霧するように供給している。
【0028】改質部32は、蒸発部30からのメタンと
水蒸気と酸素との混合ガスの供給を受けて次式(3)な
いし式(5)の反応によりメタンを改質して改質ガスを
得る。改質部32は、図示しないが、式(3)および式
(4)の改質反応と一部の一酸化炭素に対して式(5)
のシフト反応を行なう改質反応部と、その後段に配置さ
れて主として式(5)のシフト反応を行なうシフト反応
部とを備える。このように改質部32が二段に構成され
ているのは、酸素を生成した水素と反応させないように
することと、式(5)のシフト反応が式(3)および式
(4)の改質反応に比して反応速度が遅いこととによ
る。改質反応部には、例えばニッケル触媒や白金やルテ
ニウムロジウムパラジウムなどの貴金属触媒などの改質
触媒が充填されており、シフト反応部には、例えば銅ま
たは銅−亜鉛触媒や鉄−クロム触媒などが充填されてい
る。
【0029】 CH4+(1/2)O2→2H2+CO+35.7kJ (3) CH4+H2O→3H2+CO−206.2kJ (4) CO+H2O→H2+CO2+41.2kJ (5)
【0030】実施例では、酸素とメタンとのモル比が
1:2となるようメタンタンク22からのメタンの蒸発
部30への供給が調節されている。したがって、メタン
と水蒸気とのモル比は、約1:1となる。こうした条件
で式(3)ないし式(5)の反応を効率的に行なわせる
ために、即ち化学平衡を右側に移行させるために、実施
例の改質部32では、改質反応部の温度が約800℃、
シフト反応部の温度が焼く300℃になるよう調節され
ている。なお、過酸化水素水溶液やメタンの蒸発部30
への供給量の制御や改質部32の温度制御は、電子制御
ユニット40により行なわれている。
【0031】CO選択酸化部36は、その内部に、改質
ガス中の一酸化炭素を水素に優先して酸化する選択酸化
触媒、例えば白金やルテニウム,ロジウム,パラジウム
などの貴金属触媒が充填されており、この反応が良好に
行なわれるよう約150℃の温度になるよう調節されて
いる。CO選択酸化部36へ改質ガスを供給する供給管
には、一酸化炭素の酸化するための酸素を含有する酸素
含有ガス(実施例では空気)がブロワ34により導入さ
れている。なお、CO選択酸化部36の温度制御やブロ
ワ34の駆動制御も電子制御ユニット40により行なわ
れている。
【0032】電子制御ユニット40は、CPU42を中
心として構成されたワンチップマイクロプロセッサとし
て構成されており、処理プログラムを記憶したROM4
4と、一時的にデータを記憶するRAM46と、入出力
ポート(図示せず)とを備える。この電子制御ユニット
40には、蒸発部30や改質部32の改質反応部および
シフト反応部,CO選択酸化部36に取り付けられた図
示しない温度センサなどからの各部の温度などが入力ポ
ートを介して入力されている。また、電子制御ユニット
40からは、メタン供給ポンプ23や水溶液供給ポンプ
25への駆動信号,ブロワ34への駆動信号などが出力
ポートを介して出力されている。
【0033】実施例の燃料改質装置20は、前述したよ
うに、電子制御ユニット40の制御により、メタンタン
ク22に貯蔵されたメタンと約60wt%の濃度に調製
され過酸化水素水溶液タンク24に貯蔵された過酸化水
素水溶液とが過酸化水素水溶液中の過酸化酸素とメタン
とのモル比が1:1となるように蒸発部30に供給され
ており、蒸発部30では供給された過酸化水素を分解す
ると共にこの分解により生じる熱により水を気化し、改
質部32では蒸発部30から供給される混合ガスを上述
した式(3)ないし式(5)の反応により若干の一酸化
炭素を含有する改質ガスとし、CO選択酸化部36では
改質ガス中の一酸化炭素を低減して最終的な生成物であ
る燃料ガスを得る。
【0034】以上説明した実施例の燃料改質装置20に
よれば、約60wt%の濃度の過酸化水素水溶液を貯蔵
すると共にこの過酸化水素水溶液から改質反応に必要な
水蒸気を生成するから、過酸化水素水溶液タンク24や
水溶液供給ポンプ25などの水蒸気生成系の凍結やこの
凍結により生じる弊害、例えば始動性の悪化や装置の破
損などの弊害を防止することができる。また、実施例の
燃料改質装置20によれば、過酸化水素水溶液の濃度を
約60wt%とし、蒸発部30で過酸化水素を分解する
ようにしたから、過酸化水素の分解により生じる熱だけ
ですべての水を気化することができる。この結果、蒸発
部30に水を気化させるための熱を加える必要がない。
【0035】また、実施例の燃料改質装置20によれ
ば、蒸発部30に供給された過酸化水素の分解により生
じる酸素量に応じたメタンが蒸発部30に供給されるか
ら、上述の式(3)の反応に必要な酸素を過酸化水素の
分解による酸素量ですべて賄うことができる。この結
果、式(3)の反応のために蒸発部30や改質部32に
酸素を含有する酸素含有ガス(例えば空気など)を導入
する機器を備える必要がなく、装置をシンプルで小型な
ものとすることができる。また、過酸化水素は分解によ
り水と酸素しか生じず、この酸素が式(3)の反応に使
われるから、空気などの他の酸素含有ガスを供給するも
のに比して、燃料ガス中の水素濃度を高くすることがで
きる。即ち、他の酸素含有ガスとして空気を用いれば、
空気中の窒素が得られる燃料ガス中に含まれることにな
り、この窒素が燃料ガス中の水素濃度を低下させるが、
過酸化水素の分解による酸素しか用いない実施例では、
ブロワ34により導入される分以外の窒素は含まれない
から、燃料ガス中の水素濃度を高くすることができるの
である。
【0036】実施例の燃料改質装置20では、過酸化水
素水溶液タンク24に約60%の濃度の過酸化水素水溶
液を貯蔵し、これを蒸発部30に供給するものとした
が、他の濃度、例えば35wt%や50wt%の濃度あ
るいはこの他の如何なる濃度の過酸化水素水溶液を貯蔵
し、これを蒸発部30に供給するものとしてもよい。過
酸化水素水溶液の凝固点は、35wt%の濃度とすれば
−32.8℃となり、50wt%の濃度とすれば−5
0.0℃となる。したがって、凍結防止の観点に立て
ば、地域などを考慮し、外気との関係で凍結しない温度
となる濃度の過酸化水素水溶液を用いればよい。この場
合、蒸発部30における過酸化水素の分解により生じる
熱だけではすべての水を気化できないから、蒸発部30
は水を気化させるための加熱機器を設ける必要がある。
しかし、この加熱機器は、過酸化水素の分解により生じ
る熱では不足する分の熱を供給できるものであればよい
から、蒸発部30に水を供給する場合に比して能力の小
さなものとすることができる。したがって、60wt%
より小さな濃度の過酸化水素水溶液を貯蔵し、これを蒸
発部30に供給する装置でも、水を貯蔵し水を蒸発部に
供給するものに比して、装置全体を小型化することがで
きる。
【0037】こうした60wt%以外の濃度の過酸化水
素水溶液を用いる場合でも、過酸化水素の分解により生
じる酸素量に応じてメタンを蒸発部30に供給するもの
とすれば、式(3)の反応に必要な酸素を過酸化水素の
分解により生じる酸素で賄うことができる。例えば、3
5wt%の濃度の過酸化水素水溶液を用い、酸素とメタ
ンとのモル比を1:2とすれば、水蒸気とメタンとの比
は2.3:1となり、化学平衡を右に移行させるための
改質部32の改質反応部の温度は約700℃となる。ま
た、50wt%の濃度の過酸化水素水溶液を用い、同様
に酸素とメタンとのモル比を1:2とすれば、水蒸気と
メタンとの比は1.4:1となり、化学平衡を右に移行
させるための改質部32の改質反応部の温度は約750
℃となる。この結果、式(3)の反応に必要な酸素を過
酸化水素の分解により生じる酸素で賄うことによる効
果、即ち酸素含有ガスを供給する機器を備える必要がな
く、装置を小型化することができる効果も奏することが
できる。
【0038】実施例の燃料改質装置20では、過酸化水
素の分解により生じる酸素量に応じたメタンを蒸発部3
0に供給するようにしたが、酸素含有ガスを蒸発部30
に供給する機器を備え、過酸化水素の分解による酸素で
は不足する酸素を補うものとしてもよい。こうすれば、
水蒸気量とメタンとのモル比を自由に設計することがで
きる。
【0039】次に、本発明の第2の実施例としての燃料
改質装置20Bについて説明する。図2は、第2実施例
の燃料改質装置20Bの構成の概略を示す構成図であ
る。第2実施例の燃料改質装置20Bの構成は、図示す
るように、蒸発部30Bに酸素含有ガスとしての空気を
供給するブロワ21Bを備える点、過酸化水素水溶液タ
ンク24に代えて水タンク24Bを備える点、水タンク
24Bに過酸化水素を供給可能な過酸化水素を貯蔵する
過酸化水素タンク28Bを備える点、蒸発部30Bが燃
焼器31Bを備える点、外気の温度を検出する外気温セ
ンサ50を備える点などを除いて、第1実施例の燃料改
質装置20の構成と同一の構成をしている。したがっ
て、第2実施例の燃料改質装置20Bの構成のうち第1
実施例の燃料改質装置20と同一の構成には同一の符号
を付し、その説明は省略する。
【0040】第2実施例の燃料改質装置20Bでは、水
タンク24Bに貯蔵された水が水供給ポンプ25Bによ
り蒸発部30Bに供給されるようになっている。また、
水タンク24Bには、内部の水の温度を検出する温度セ
ンサ26が取り付けられている。また、第2実施例の燃
料改質装置20Bでは、過酸化水素を貯蔵する過酸化水
素タンク28Bを備え、過酸化水素供給ポンプ29Bに
より過酸化水素が水タンク24Bに供給できるようにな
っている。水供給ポンプ25Bや過酸化水素供給ポンプ
29Bは、電子制御ユニット40に信号ラインにより接
続されており、電子制御ユニット40による駆動制御を
受けるようになっている。
【0041】蒸発部30Bは、供給されたメタンの一部
を燃焼して水を気化するのに必要な熱を供給する燃焼器
31Bを備える。この燃焼器31Bの運転は、水の供給
量や蒸発部30Bの温度などに基づいて電子制御ユニッ
ト40により制御されている。
【0042】第2実施例の燃料改質装置20Bでは、蒸
発部30Bへのメタンや水,空気の供給量は、例えば酸
素とメタンとのモル比が1:2でメタンと水とのモル比
が1:2となるように、ブロワ21Bやメタン供給ポン
プ23,水供給ポンプ25Bが電子制御ユニット40に
より駆動制御されている。
【0043】次に、こうして構成された第2実施例の燃
料改質装置20Bの動作、特に凍結防止に関する動作に
ついて説明する。図3は第2実施例の燃料改質装置20
Bの運転を停止するときに電子制御ユニット40により
実行される停止処理時凍結防止処理ルーチンの一例を示
すフローチャートであり、図4は第2実施例の燃料改質
装置20Bの運転が停止されている間に電子制御ユニッ
ト40により所定時間毎(例えば、10分毎)に繰り返
し実行される停止時凍結防止処理ルーチンの一例を示す
フローチャートである。まず、図3に例示する停止処理
時凍結防止処理について説明し、その後図4に例示する
停止時凍結防止処理について説明する。
【0044】図3の停止処理時凍結防止処理ルーチン
は、前述したように、第2実施例の燃料改質装置20B
の運転が停止されるときに実行されるものであり、本ル
ーチンが実行されると、電子制御ユニット40のCPU
42は、まず外気温センサ50により検出される外気温
Toを読み込み(ステップS100)、読み込んだ外気
温Toを閾値Tr1と比較する処理を実行する(ステッ
プS102)。ここで、閾値Tr1は、水の凍結を防止
するために設けられるものであり、その凝固点、即ち0
℃より若干高い温度などに設定される。
【0045】外気温Toが閾値Tr1以上のときには、
水タンク24Bや水供給ポンプ25Bなどの凍結は生じ
ないと判断し、凍結防止処理フラグFに値0を設定して
(ステップS104)、本ルーチンを終了する。凍結防
止処理フラグFは、凍結防止処理を施したか否かを値と
して持つフラグであり、ステップS104では凍結防止
処理を施していないのでその旨として値0を設定するの
である。一方、外気温Toが閾値Tr1未満のときに
は、凍結防止処理が必要と判断し、外気温Toに基づい
て過酸化水素の投入量Qを設定すると共に(ステップS
106)、設定した過酸化水素の投入量Qを水タンク2
4Bに投入し(ステップS108)、凍結防止処理フラ
グFに値1を設定して(ステップS110)、本ルーチ
ンを終了する。過酸化水素が水タンク24Bに投入され
ると、過酸化水素水溶液タンク24には過酸化水素水溶
液が貯蔵されることになり、第1実施例の燃料改質装置
20で説明したようにその凝固点は低下するから、凍結
を防止することができる。実施例では、過酸化水素の投
入量Qは外気温Toに基づいて設定しているが、その設
定は外気温Toが低くなるほど投入量Qを多くするもの
としてもよく、所定値を投入量Qに設定するものとして
もよい。また、投入量Qを水タンク24Bに貯蔵されて
いる水の量に基づいて設定してもよい。
【0046】このように水タンク24Bに過酸化水素が
投入されると、次に第2実施例の燃料改質装置20Bが
起動されたときには、蒸発部30Bには過酸化水素水溶
液が供給されることになるが、第1実施例の燃料改質装
置20で説明したように、蒸発部30Bの内部をチタン
などの過酸化水素の分解反応に対して活性な材料で形成
することにより、過酸化水素は分解し、良好に水蒸気を
生成することができ、メタンを良好に改質することがで
きる。なお、過酸化水素の分解や、これによる水蒸気の
生成およびその熱収支については前述したので、ここで
の説明は省略する。
【0047】次に第2実施例の燃料改質装置20Bの運
転を停止している間に実行される図4の停止時凍結防止
処理について説明する。図4の停止時凍結防止処理ルー
チンが実行されると、電子制御ユニット40のCPU4
2は、まず、凍結防止処理フラグFを読み込み(ステッ
プS200)、その値を判定する処理を実行する(ステ
ップS202)。凍結防止処理フラグFが値1のときに
は、既に凍結防止処理は施されたと判断し、本ルーチン
を終了する。
【0048】一方、凍結防止処理フラグFが値0のとき
には、水タンク24Bの水温Twを読み込み(ステップ
S204)、読み込んだ水温Twを閾値Tr2と比較す
る処理を実行する(ステップS206)。ここで、閾値
Tr2は水タンク24B内の水の凍結の可能性を判定す
るものであり、水の凝固点、即ち0℃やこれより若干高
い温度に設定される。水温Twが閾値Tr2以上のとき
には、凍結防止処理は必要ないと判断して、本ルーチン
を終了し、水温Twが閾値Tr2未満のときには、凍結
防止処理が必要と判断して過酸化水素の投入量Qに所定
値Qsetを設定すると共に(ステップS208)、設
定した投入量Qの過酸化水素を水タンク24Bに投入し
(ステップS210)、凍結防止処理フラグFに値1を
設定して(ステップS212)、本ルーチンを終了す
る。実施例では、過酸化水素の投入量Qを所定値Qse
tに設定したが、水タンク24Bに貯蔵されている水の
量に基づいて設定してもよい。
【0049】以上説明した第2実施例の燃料改質装置2
0Bによれば、必要に応じて水タンク24Bに過酸化水
素を投入するから、水タンク24Bや水供給ポンプ25
Bなどの水系の凍結や凍結により生じる弊害を防止する
ことができる。しかも、外気温Toや水タンク24Bの
水温Twに基づいて過酸化水素を投入するから、より確
実に凍結を防止することができる。
【0050】第2実施例の燃料改質装置20Bでは、水
タンク24Bに水を貯蔵し、これを蒸発部30Bに供給
するものとしたが、水タンク24Bに過酸化水素水溶液
を貯蔵し、これを蒸発部に供給するものとしてもよい。
この場合、所定濃度の過酸化水素水溶液が凍結する温度
かあるいはそれより若干高い温度を閾値Tr1や閾値T
r2に設定し、この閾値Tr1,Tr2を用いて凍結防
止処理の必要性を判断すればよい。
【0051】第2実施例の燃料改質装置20Bでは、そ
の運転を停止している間は、水タンク24Bの水温Tw
により凍結防止処理の必要性を判断したが、外気温To
により判断するものとしてもよい。
【0052】第2実施例の燃料改質装置20Bでは、過
酸化水素の投入量を外気温Toに基づいて設定するもの
としたが、水タンク24Bに過酸化水素水溶液を貯蔵す
る場合や、既に過酸化水素を投入したことにより水が過
酸化水素水溶液とされた場合には、過酸化水素水溶液中
の過酸化水素の濃度を検出し、この濃度と外気温Toに
基づいて設定するものとしてもよい。こうすれば、より
確実に凍結を防止することができると共に過酸化水素の
過剰投入を防止することができる。
【0053】第2実施例の燃料改質装置20Bでは、過
酸化水素を貯蔵し、これを水タンク24Bに投入するも
のとしたが、高濃度の過酸化水素水溶液を貯蔵し、これ
を水タンク24Bに投入するものとしてもよい。
【0054】次に、本発明の第3の実施例としての燃料
改質装置20Cについて説明する。図5は、第3実施例
の燃料改質装置20Cの構成の概略を示す構成図であ
る。第3実施例の燃料改質装置20Cの構成は、図示す
るように、蒸発部30Cに酸素含有ガスとしての空気を
供給するブロワ21Cを備える点、過酸化水素水溶液タ
ンク24に代えて水タンク24Cを備える点、蒸発部3
0Cに過酸化水素を供給可能な過酸化水素を貯蔵する過
酸化水素タンク28Cを備える点を除いて、第1実施例
の燃料改質装置20の構成と同一の構成をしている。し
たがって、第3実施例の燃料改質装置20Cの構成のう
ち第1実施例の燃料改質装置20と同一の構成には同一
の符号を付し、その説明は省略する。
【0055】第3実施例の燃料改質装置20Cでは、水
タンク24Cに貯蔵された水が水供給ポンプ25Cによ
り蒸発部30Cに供給されるようになっていると共に、
過酸化水素タンク28Cに貯蔵された過酸化水素が過酸
化水素供給ポンプ29Cにより蒸発部30Cに供給され
るようになっている。水供給ポンプ25Cや過酸化水素
供給ポンプ29Cは、電子制御ユニット40に信号ライ
ンにより接続されており、電子制御ユニット40による
駆動制御を受けるようになっている。
【0056】蒸発部30Cは、供給されたメタンの一部
を燃焼して水を気化するのに必要な熱を供給する燃焼器
31Cを備える。この燃焼器31Cの運転は、第2実施
例と同様に、水の供給量や蒸発部30Cの温度などに基
づいて電子制御ユニット40により制御されている。
【0057】第3実施例の燃料改質装置20Cでも、第
2実施例の燃料改質装置20Bと同様に、蒸発部30C
へのメタンや水,空気の供給量は、例えば酸素とメタン
とのモル比が1:2でメタンと水とのモル比が1:2と
なるように、ブロワ21Cやメタン供給ポンプ23,水
供給ポンプ25Cが電子制御ユニット40により駆動制
御されている。
【0058】次に、こうして構成された第3実施例の燃
料改質装置20Cの動作、特に燃料改質装置20Cの始
動時などのように蒸発部30Cで生成される水蒸気が不
足するときの動作について説明する。図6は、第3実施
例の燃料改質装置20Cの電子制御ユニット40により
実行される過酸化水素投入処理ルーチンの一例を示すフ
ローチャートである。このルーチンは、第3実施例の燃
料改質装置20Cの始動時から所定時間毎(例えば、1
分毎)に繰り返し実行されるものである。
【0059】この過酸化水素投入処理ルーチンが実行さ
れると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず蒸
発部30Cや改質部32の状態、例えば蒸発部30Cの
運転温度や改質部32の改質反応部やシフト反応部の温
度,蒸発部30Cから改質部32への水蒸気供給量など
を読み込み(ステップS300)、装置が定常運転状態
にあるか否かを判定する(ステップS302)。定常運
転状態にあるときには、過酸化水素の投入をしていれば
その投入を停止して(ステップS304)、本ルーチン
を終了する。一方、装置が定常運転状態にないときに
は、改質部32に供給される水蒸気が不足しているかを
判定する(ステップS306)。この判定は、改質部3
2に供給される混合ガスの流量や蒸発部30Cの温度な
どに基づいて行なう。例えば、蒸発部30Cが定常運転
温度にないときには水蒸気の供給不足の可能性があると
判定することができるし、改質部32に供給される混合
ガスの流量が定常流量に満たないときには水蒸気の供給
不足と判定することができる。
【0060】水蒸気の供給不足と判定されたときには、
過酸化水素の投入を実行して(ステップS308)、本
ルーチンを終了し、水蒸気の供給は足りていると判定さ
れると、何もせずに本ルーチンを終了する。過酸化水素
の蒸発部30Cへ投入は、蒸発部30Cで過酸化水素が
分解することによって水蒸気を生じると共に、この分解
熱によって供給されても気化されていない水を気化する
から、改質部32に供給される水蒸気を増加することが
できる。なお、過酸化水素の投入量は、所定量としても
よいし、水蒸気の供給不足量を求めてこの供給不足量に
基づいて設定するものとしてもよい。
【0061】以上説明した第3実施例の燃料改質装置2
0Cによれば、一時的に改質部32への水蒸気の供給量
が不足するときに、過酸化水素を蒸発部30Cに投入す
ることにより、水蒸気の供給不足を解消することができ
る。この結果、装置を迅速に定常運転状態にすることが
できると共に水蒸気の供給不足によるメタンの改質率の
低下を防止することができる。
【0062】第3実施例の燃料改質装置20Cでは、水
を貯蔵し、水を蒸発部30Cに供給するものとしたが、
過酸化水素水容器を貯蔵し、過酸化水素水溶液を蒸発部
30Cに供給するものとしてもよい。この場合、約60
wt%の濃度の過酸化水素水溶液を供給するものとすれ
ば、蒸発部30Cは燃焼器31Cを備える必要がない。
また、過酸化水素の分解により生じる酸素の量に応じた
メタンを供給するものとすれば、空気を蒸発部30Cに
導入する必要がないからブロワ21のないものとするこ
とができる。
【0063】第3実施例の燃料改質装置20Cでは、過
酸化水素を貯蔵し、これを蒸発部30Cに投入するもの
としたが、高濃度の過酸化水素水溶液を貯蔵し、これを
蒸発部30Cに投入するものとしてもよい。
【0064】第1ないし第3実施例の燃料改質装置2
0,20B,20Cでは、炭化水素系の燃料としてメタ
ンを用いたが、その他の炭化水素系の燃料、例えばエタ
ンなどの飽和炭化水素やエチレンやアセチレンなどの不
飽和炭化水素、メタノールなどのアルコール類などを用
いるものとしてもよい。
【0065】以上、本発明の実施の形態について実施例
を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である燃料改質装置20の
構成の概略を示す構成図である。
【図2】 第2実施例の燃料改質装置20Bの構成の概
略を示す構成図である。
【図3】 第2実施例の燃料改質装置20Bの運転を停
止するときに電子制御ユニット40により実行される停
止処理時凍結防止処理ルーチンの一例を示すフローチャ
ートである。
【図4】 第2実施例の燃料改質装置20Bの運転が停
止されている間に電子制御ユニット40により所定時間
毎(例えば、10分毎)に繰り返し実行される停止時凍
結防止処理ルーチンの一例を示すフローチャートであ
る。
【図5】 第3実施例の燃料改質装置20Cの構成の概
略を示す構成図である。
【図6】 第3実施例の燃料改質装置20Cの電子制御
ユニット40により実行される過酸化水素投入処理ルー
チンの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
20,20B,20C 燃料改質装置、21B,21C
ブロワ、22 メタンタンク、23 メタン供給ポン
プ、24 過酸化水素水溶液タンク、24B,24C
水タンク、25 水溶液供給ポンプ、25B,25C
水供給ポンプ、26 温度センサ、28B,28C 過
酸化水素タンク、29B,29C 過酸化水素供給ポン
プ、30,30B,30C 蒸発部、31B,31C
燃焼器、32 改質部、34 ブロワ、36 CO選択
酸化部、40 電子制御ユニット、42 CPU、44
ROM、46 RAM、50 外気温センサ。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料ガ
    スに改質する燃料改質装置であって、 過酸化水素水溶液を貯蔵する過酸化水素水溶液貯蔵手段
    と、 該過酸化水素水溶液貯蔵手段から過酸化水素水溶液の供
    給を受けて水蒸気を生成する水蒸気生成手段と、 該生成された水蒸気を用いて前記炭化水素系の燃料を前
    記燃料ガスに改質する改質手段と、 を備える燃料改質装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料改質装置であって、 過酸化水素または高濃度の過酸化水素水溶液を貯蔵する
    過酸化水素貯蔵手段と、 該貯蔵された過酸化水素または高濃度の過酸化水素水溶
    液を前記過酸化水素水溶液貯蔵手段に供給可能な過酸化
    水素供給手段とを備える燃料改質装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の燃料改質装置であって、 前記過酸化水素水溶液貯蔵手段の外気の温度および/ま
    たは前記過酸化水素水溶液貯蔵手段に貯蔵されている過
    酸化水素水溶液の温度を検出する温度検出手段と、 該検出された温度に基づいて前記過酸化水素供給手段に
    よる過酸化水素または高濃度の過酸化水素水溶液の前記
    過酸化水素水溶液貯蔵手段への供給量を制御する供給量
    制御手段とを備える燃料改質装置。
  4. 【請求項4】 前記供給量制御手段は、前記温度検出手
    段により検出される温度が低いほど前記過酸化水素水溶
    液貯蔵手段により貯蔵されている過酸化水素水溶液の濃
    度が高くなるよう前記過酸化水素供給手段による過酸化
    水素または高濃度の過酸化水素水溶液の前記過酸化水素
    水溶液貯蔵手段への供給量を制御する手段である請求項
    3記載の燃料改質装置。
  5. 【請求項5】 前記水蒸気生成手段は、過酸化水素水溶
    液中の過酸化水素を分解する手段である請求項1ないし
    4いずれか記載の燃料改質装置。
  6. 【請求項6】 前記水蒸気生成手段は、前記過酸化水素
    の分解により生じる水および/または前記過酸化水素水
    溶液中の水から水蒸気を生成する手段である請求項5記
    載の燃料改質装置。
  7. 【請求項7】 前記水蒸気生成手段は、前記過酸化水素
    の分解に伴って生じる熱を用いて水を気化する手段であ
    る請求項5または6記載の燃料改質装置。
  8. 【請求項8】 前記改質手段は、前記過酸化水素の分解
    により生じる酸素を用いて前記炭化水素系の燃料を前記
    燃料ガスに改質する手段である請求項5ないし7いずれ
    か記載の燃料改質装置。
  9. 【請求項9】 前記改質手段は、前記水蒸気生成手段か
    ら前記生成した水蒸気と前記過酸化水素の分解により生
    じた酸素との供給を受けると共に該酸素の供給量に応じ
    た前記炭化水素系の燃料の供給を受けて該炭化水素系の
    燃料を前記燃料ガスに改質する手段である請求項8記載
    の燃料改質装置。
  10. 【請求項10】 前記過酸化水素水溶液貯蔵手段は、約
    60wt%の濃度に調製された過酸化水素水溶液を貯蔵
    する手段である請求項1ないし8いずれか記載の燃料改
    質装置。
  11. 【請求項11】 炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料
    ガスに改質する燃料改質装置であって、 過酸化水素水溶液を貯蔵する過酸化水素水溶液貯蔵手段
    と、 該過酸化水素水溶液貯蔵手段から過酸化水素水溶液の供
    給を受けて該過酸化水素水溶液中の過酸化水素を分解す
    ると共に該分解に伴って生じる熱を用いて該過酸化水素
    水溶液中の水と該分解により生じる水とを気化して水蒸
    気とする水蒸気生成手段と、 該水蒸気生成手段から生成した水蒸気と前記過酸化水素
    の分解により生じた酸素との供給を受けると共に該酸素
    の供給量に応じた前記炭化水素系の燃料の供給を受けて
    該炭化水素系の燃料を前記燃料ガスに改質する改質手段
    とを備える燃料改質装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の燃料改質装置であっ
    て、 前記過酸化水素水溶液貯蔵手段は、約60wt%の濃度
    に調製された過酸化水素水溶液を貯蔵する手段であり、 前記水蒸気生成手段は、前記過酸化水素の分解に伴って
    生じる熱だけを用いて水を気化する手段である燃料改質
    装置。
  13. 【請求項13】 炭化水素系の燃料を水素リッチな燃料
    ガスに改質する燃料改質装置であって、 水または他の物質の水溶液の供給を受けて水蒸気を生成
    する水蒸気生成手段と、 該生成された水蒸気を用いて前記炭化水素系の燃料を前
    記燃料ガスに改質する改質手段と、 過酸化水素または過酸化水素水溶液を貯蔵する過酸化水
    素貯蔵手段と、 該貯蔵された過酸化水素または過酸化水素水溶液を前記
    水蒸気生成手段に供給可能な過酸化水素供給手段と、 前記改質手段に供給される水蒸気の供給状態を検出する
    水蒸気供給状態検出手段と、 該検出された水蒸気の供給状態に基づいて前記過酸化水
    素供給手段を制御する過酸化水素供給制御手段とを備え
    る燃料改質装置。
  14. 【請求項14】 前記過酸化水素供給制御手段は、前記
    水蒸気供給状態検出手段により水蒸気の前記改質部への
    供給不足が検出されたとき、過酸化水素または過酸化水
    素水溶液が前記水蒸気生成手段に供給されるよう前記過
    酸化水素供給手段を制御する手段である請求項13記載
    の燃料改質装置。
  15. 【請求項15】 前記水蒸気生成手段は、過酸化水素の
    分解反応に活性な材料により内部の少なくとも一部が形
    成されてなる請求項1ないし14いずれか記載の燃料改
    質装置。
  16. 【請求項16】 前記水蒸気生成手段は、前記過酸化水
    素の分解反応に活性な材料として銅や銅の合金,普通
    鋼,チタン,貴金属などの重金属により内部の少なくと
    も一部が形成されてなる請求項15記載の燃料改質装
    置。
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