JP2000353772A - 熱伝導樹脂組成物構造体及びその製造方法、並びに、それを用いた熱伝導基板及びその製造方法 - Google Patents

熱伝導樹脂組成物構造体及びその製造方法、並びに、それを用いた熱伝導基板及びその製造方法

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JP2000353772A
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Seiichi Nakatani
誠一 中谷
Mitsuhiro Matsuo
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Hiroyuki Handa
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    • H05K2201/02Fillers; Particles; Fibers; Reinforcement materials
    • H05K2201/0203Fillers and particles
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 破損し難くて取り扱いが容易となる熱伝導樹
脂組成物構造体とその製造方法、及び、この熱伝導樹脂
組成物構造体を用いて構成される熱伝導基板とその製造
方法とを提供する。 【解決手段】 本発明に係る熱伝導樹脂組成物構造体
は、無機質フィラー70〜95重量%と、少なくとも未
硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹脂組成物5〜30
重量%とからなる熱伝導樹脂組成物11が、金属板12
の一方側の主表面に被着して一体化されていることを特
徴とする。本発明に係る熱伝導基板は、金属板12の主
表面に一方側の表面が被着された熱伝導樹脂組成物11
の他方側の表面にはリードフレーム15の外側表面が面
一状態で埋め込まれており、リードフレーム15が埋め
込まれた熱伝導樹脂組成物11中の熱硬化性樹脂は熱硬
化されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種の半導体装置や
電子部品が搭載される回路基板に係り、特には、パワー
エレクトロニクス分野で好適な高放熱性を有する熱伝導
基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高性能化や小型化の要
求に伴っては半導体装置や電子部品を搭載する回路基板
の高密度化や高機能化が要請されており、回路基板の放
熱性をも考慮した設計が重要となってきている。そし
て、従来のガラス−エポキシ樹脂からなる回路基板より
も放熱性に優れた回路基板としては金属ベース基板、つ
まり、銅やアルミニウムなどの金属板をベースとし、こ
の金属板の一面上または両面上に絶縁層を介したうえで
回路パターンを形成してなる金属ベース基板が知られて
いる。また、より一層の高放熱性が要求される場合に
は、アルミナや窒化アルミニウムなどからなるセラミッ
ク基板に銅板を直接的に接合したものも使用されている
が、このようなセラミック基板にはコストが高いという
不都合がある。そこで、比較的小電力の用途にあっては
金属ベース基板を使用するのが一般的となるが、金属ベ
ース基板では熱伝導を良好とする必要上から絶縁層を薄
くしておかねばならないため、金属板との間でノイズの
影響を受け易くなったり、絶縁耐圧が低下したりすると
いうような不都合が生じる。
【0003】ところで、最近になっては、熱伝導性を有
する無機質フィラーを熱硬化性樹脂に含有させた熱伝導
樹脂組成物と、電極や回路として機能するリードフレー
ムとを一体化してなる熱伝導基板が提案されており、こ
のような熱伝導基板の一例としては特開平10−173
097号で開示されたものがある。すなわち、この熱伝
導基板は、無機質フィラーと熱硬化性樹脂とを少なくと
も含有している熱伝導樹脂組成物のスラリーを造膜する
ことによって熱伝導シート状物51を作製し、図7
(a)で示すように、乾燥した熱伝導シート状物51を
リードフレーム52と対面させながら重ねあわせた後、
加熱加圧するのに伴って熱伝導シート状物51を硬化さ
せながらリードフレーム52と一体化された熱伝導樹脂
硬化物53とすることにより、図7(b)で示すような
構造として製造されたものである。なお、リードフレー
ム52と一体化された熱伝導樹脂硬化物53には、放熱
用の金属板54が被着されていることもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7で
示した手順に従って熱伝導基板を製造する際は、次のよ
うな不都合が生じることになっていた。すなわち、ま
ず、熱伝導樹脂組成物のスラリーを造膜したに過ぎない
熱伝導シート状物51、つまり、熱伝導樹脂組成物構造
体としての熱伝導シート状物51は含有している熱硬化
性樹脂が未硬化状態のままであり、その機械的強度が低
いために取り扱いが難しくて破損し易いことになる。ま
た、乾燥させられた熱伝導シート状物51は脆くなるた
め、シートの割れや欠け、破損などが発生し易くなるば
かりか、乾燥済みの熱伝導シート状物51とリードフレ
ーム52とを正確に位置あわせすることが困難となって
しまう。
【0005】本発明はこれらの不都合に鑑みて創案され
たものであり、破損し難くて取り扱いが容易となる熱伝
導樹脂組成物構造体とその製造方法、及び、この熱伝導
樹脂組成物構造体を用いて構成される熱伝導基板とその
製造方法とを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱伝導樹脂
組成物構造体は、無機質フィラー70〜95重量%と、
少なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹脂組
成物5〜30重量%とからなる熱伝導樹脂組成物が、金
属板の一方側の主表面に被着して一体化されていること
を特徴としており、この構造であれば、熱伝導樹脂組成
物が金属板でもって補強されているので、シート状など
として加工された場合であっても、割れや欠け、破損な
どが起こり難くなる結果として取り扱いが容易になると
いう利点が確保される。
【0007】本発明に係る熱伝導樹脂組成物構造体の製
造方法は、無機質フィラー70〜95重量%と、少なく
とも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹脂組成物5
〜30重量%とからなる熱伝導樹脂組成物を加工して熱
伝導シートを作製する工程と、熱伝導シートを金属板の
主表面に圧着する工程とを含んでいることを特徴として
おり、上記した熱伝導樹脂組成物構造体を容易に製造し
得るという利点が確保される。
【0008】本発明に係る熱伝導基板は、金属板の主表
面に一方側の表面が被着された熱伝導樹脂組成物の他方
側の表面にはリードフレームの外側表面が面一状態で埋
め込まれており、リードフレームが埋め込まれた熱伝導
樹脂組成物中の熱硬化性樹脂は熱硬化されていることを
特徴としており、このような構造とされた熱伝導基板
は、十分な放熱性を確保しながらも安価な回路基板であ
ることになる。
【0009】本発明に係る熱伝導基板の製造方法は、無
機質フィラー70〜95重量%と、少なくとも未硬化状
態の熱硬化性樹脂を含有した樹脂組成物5〜30重量%
とからなり、一方側の表面が金属板の主表面に被着され
た熱伝導樹脂組成物の他方側の表面にリードフレームを
配置する工程と、熱伝導樹脂組成物を加熱加圧しながら
リードフレームをその外側表面が熱伝導樹脂組成物の他
方側の表面と面一状態になるまで埋め込む工程とを含ん
でいることを特徴としており、上記した熱伝導基板を容
易に製造し得るという利点が確保される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に係る熱伝導樹
脂組成物構造体は、無機質フィラー70〜95重量%
と、少なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹
脂組成物5〜30重量%とからなる熱伝導樹脂組成物
が、金属板の一方側の主表面に被着して一体化されてい
ることを特徴とする。そして、この構造であれば、熱硬
化性樹脂が未硬化状態であるにも拘わらず、熱伝導樹脂
組成物が金属板でもって補強されているので、シート状
などとして加工された場合であっても、割れや欠け、破
損などが起こり難くなる結果、取り扱いが容易となる。
その結果、輸送時や保存時におけるハンドリング性が大
幅に向上することとなり、熱伝導樹脂組成物構造体の取
り扱いに要する手間を削減することが可能となる。
【0011】本発明の請求項2に係る熱伝導樹脂組成物
構造体は請求項1に記載したものであり、金属板の主表
面に一方側の表面が被着された熱伝導樹脂組成物の他方
側の表面には保護フィルムが配設されていることを特徴
とする。この構成であれば、熱伝導樹脂組成物の表面が
損傷することを未然に防止し得ることとなる。
【0012】本発明の請求項3に係る熱伝導樹脂組成物
構造体の製造方法は、無機質フィラー70〜95重量%
と、少なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹
脂組成物5〜30重量%とからなる熱伝導樹脂組成物を
加工して熱伝導シートを作製する工程と、熱伝導シート
を金属板の主表面に圧着する工程とを含んでいることを
特徴とする。この製造方法によれば、上記した熱伝導樹
脂組成物構造体を製造することが容易となり、熱伝導樹
脂組成物構造体が簡単に得られることとなる。
【0013】本発明の請求項4に係る熱伝導樹脂組成物
構造体の製造方法は、無機質フィラー70〜95重量%
と、少なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹
脂組成物5〜30重量%とからなる熱伝導樹脂組成物を
加工してペースト状混合物を作製する工程と、ペースト
状混合物を金属板の主表面に印刷する工程とを含んでい
ることを特徴とする。このような製造方法であれば、熱
伝導シートを作製する必要がないため、工程の簡略化を
図ることが可能となる。なお、金属板に印刷されたペー
スト状混合物を引き続いて熱硬化性樹脂の硬化温度より
も低温の状態下で熱処理するようにすれば、熱伝導樹脂
組成物のタック性をなくすことが可能となる。
【0014】本発明の請求項5に係る熱伝導樹脂組成物
構造体の製造方法は、無機質フィラー70〜95重量%
と、少なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹
脂組成物5〜30重量%とからなる熱伝導樹脂組成物を
加工して粘土状混練物を作製する工程と、粘土状混練物
を金属板の主表面に載置して加熱加圧する工程とを含ん
でいることを特徴とする。この製造方法を採用した際に
は、熱伝導樹脂組成物構造体を容易に製造し得ることと
なり、粘土状混練物を高粘度としておくことによって熱
伝導樹脂組成物が取り扱い易くなる。
【0015】本発明の請求項6に係る熱伝導基板は、金
属板の主表面に一方側の表面が被着された熱伝導樹脂組
成物の他方側の表面にはリードフレームの外側表面が面
一状態で埋め込まれており、リードフレームが埋め込ま
れた熱伝導樹脂組成物中の熱硬化性樹脂は熱硬化されて
いることを特徴とする。そして、このような構造の熱伝
導基板であれば、十分な放熱性を確保しながらも安価な
回路基板が得られたことになる。
【0016】本発明の請求項7に係る熱伝導基板の製造
方法は、無機質フィラー70〜95重量%と、少なくと
も未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹脂組成物5〜
30重量%とからなり、一方側の表面が金属板の主表面
に被着された熱伝導樹脂組成物の他方側の表面にリード
フレームを配置する工程と、熱伝導樹脂組成物を加熱加
圧しながらリードフレームをその外側表面が熱伝導樹脂
組成物の他方側の表面と面一状態になるまで埋め込む工
程とを含んでいることを特徴とする。そして、この製造
方法を採用した際には、上記した熱伝導基板を容易に製
造し得ることとなる。
【0017】以下、本発明の実施の形態を図面に基づい
て説明する。図1は実施の形態に係る熱伝導樹脂組成物
構造体を示す断面図、図2〜図4のそれぞれは熱伝導樹
脂組成物構造体を製造する際に採用される第1から第3
の製造方法を示す工程断面図であり、図5は実施の形態
に係る熱伝導基板を示す断面図、図6は熱伝導基板の製
造方法を示す工程断面図である。
【0018】(熱伝導樹脂組成物構造体の構造)本実施
の形態に係る熱伝導樹脂組成物構造体は放熱性に優れた
熱伝導基板を製造する際に用いられるものであり、図1
で示すように、無機質フィラー70〜95重量%と、少
なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹脂組成
物5〜30重量%とからなる混合物である熱伝導樹脂組
成物11が、放熱用としても機能する金属板12の一方
側の主表面に被着して一体化されたものとなっている。
すなわち、この熱伝導樹脂組成物構造体は、無機質フィ
ラーと、少なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有し
た樹脂組成物とを所定の配合比で混合してなる熱伝導樹
脂組成物11が、金属板12の主表面に被着されたもの
であることを特徴としている。なお、図1では金属板1
2の主表面全体にわたって熱伝導樹脂組成物11が被着
されているが、このような構造に限られることはなく、
主表面の一部にのみ熱伝導樹脂組成物11が被着されて
一体化された構造であってもよい。
【0019】ところで、この際における無機質フィラー
の配合比が上記した範囲よりも少なければ、熱伝導樹脂
組成物構造体を用いて製造された熱伝導基板の放熱性が
小さくなる一方、上記した範囲よりも多ければ、熱伝導
樹脂組成物11の金属板12に対する接着性が低下し、
熱伝導基板の成型が不良となるため、無機質フィラーの
配合比は上記した範囲内となるように予め調整されてい
る。また、熱硬化性樹脂の主成分は、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、シアネート樹脂のうちから選択された少
なくとも1種であることが好ましいが、これらの樹脂を
用いることが好ましいのは、これらの樹脂それぞれが耐
熱性や機械的強度、電気絶縁性に優れているためであ
る。
【0020】さらに、金属板12の主表面に一方側の表
面が被着された熱伝導樹脂組成物11の他方側の表面に
は保護フィルム13を配設しておくことが好ましく、こ
のような保護フィルム13としては、ポリエチレン・テ
レフタレート(PET)、ポリフェニレン・サルファイ
ド(PPS)、ポリエステルなどのような素材、つま
り、十分な機械的強度及び耐熱性を有しながら工業的な
加工が可能な素材を使用して作製されたものが好適であ
る。なお、保護フィルム13の表面には離型処理が施さ
れていることが好ましく、離型処理剤としてはシリコー
ンなどが使用される。
【0021】(熱伝導樹脂組成物構造体の第1の製造方
法)本実施の形態に係る熱伝導樹脂組成物構造体を製造
する際に採用される第1の製造方法を、図2に従いなが
ら説明する。まず、無機質フィラー70〜95重量%
と、少なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹
脂組成物5〜30重量%とからなる混合物としての熱伝
導樹脂組成物11を用意し、熱伝導樹脂組成物11をシ
ート状とする加工によって、図2(a)で示すように、
離型フィルム13上に造膜された熱伝導樹脂組成物11
からなる熱伝導シートを作製する。引き続き、図2
(b)で示すように、一方側の表面に離型フィルム13
が配設された熱伝導シート11の他方側の表面、つま
り、離型フィルム13が配設されていない表面を金属板
12の一方側の主表面に対面させながら重ねあわせたう
え、熱伝導シート11を金属板12の主表面へと圧着す
る。すると、熱伝導シート11は金属板12に被着して
一体化されることになり、離型フィルム13を引き剥が
すと、図1で示した熱伝導樹脂組成物構造体が製造され
たことになる。なお、離型フィルム13が配設されたま
まであっても差し支えないことは勿論である。
【0022】なお、採用される造膜方法が特定の方法に
限定されることはなく、造膜に際しては、ドクターブレ
ード法やコーター法、押し出し法などが採用される。ま
た、熱伝導樹脂組成物11に溶剤、例えば、メチルエチ
ルケトン(MEK)、トルエン、イソプロパノールなど
の溶剤を混合し、その粘度を調整したうえで造膜するこ
とも可能であり、この場合には熱伝導樹脂組成物11中
の熱硬化性樹脂の硬化温度より低い温度で溶剤を乾燥さ
せながらシート化することを実行してもよく、このよう
な際には造膜が容易なドクターブレード法を採用するこ
とが好ましい。さらに、熱圧着の方法が特に限られるこ
ともないから、熱プレスやラミネーターなどを使用する
ことも可能であり、この際における温度や圧力などの条
件は熱伝導樹脂組成物11の接着性に基づいて決定され
ることとなる。
【0023】(熱伝導樹脂組成物構造体の第2の製造方
法)図3は熱伝導樹脂組成物構造体を製造する際におけ
る第2の製造方法を示しており、この製造方法は以下の
ような手順からなっている。まず、無機質フィラー70
〜95重量%と、少なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂
を含有した樹脂組成物5〜30重量%とからなる熱伝導
樹脂組成物11を加工し、ペースト状混合物となった熱
伝導樹脂組成物11を作製する。そして、図3(a)で
示すように、構造体を製造するためのマスク21を用意
したうえ、このマスク21の開口部分22の底面位置に
対して金属板12を配置する。さらに、図3(b)で示
すように、熱伝導樹脂組成物11からなるペースト状混
合物をマスク21の開口部分22内に充填し、その底面
位置に配置された金属板12の一方側の主表面に対して
ペースト状混合物を印刷した後、マスク21を取り外す
と、図1で示した熱伝導樹脂組成物構造体が製造され
る。
【0024】ところで、熱伝導樹脂組成物11をペース
ト状に加工する方法が特定の方法に限られないことは勿
論であるが、この際にあっては、印刷が容易となるよう
熱伝導樹脂組成物11の粘度を予め調整しておくことが
好ましい。そして、粘度調整に際しては、熱伝導樹脂組
成物11に溶剤を混合するのが一般的な方法であり、溶
剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、トルエ
ン、イソプロピルアルコールなどが用いられる。また、
上記した工程に引き続いては、金属板12と一体化され
た熱伝導樹脂組成物11を、これが未硬化状態のまま含
有している熱硬化性樹脂の硬化温度よりも低温の条件下
で熱処理することが望ましく、このような工程を付加し
た場合には、粘度調整のための溶剤を除去し得るばかり
か、熱伝導樹脂組成物11のタック性がなくなる結果と
して熱伝導樹脂組成物構造体の取り扱い性が向上すると
いう利点が確保される。さらには、熱伝導樹脂組成物1
1中のボイドを減らすため、このような熱処理を真空中
で実行してもよい。
【0025】(熱伝導樹脂組成物構造体の第3の製造方
法)さらに、図4は熱伝導樹脂組成物構造体を製造する
第3の方法を示しており、この製造方法においては以下
のような手順が採用されている。まず、無機質フィラー
70〜95重量%と、少なくとも未硬化状態の熱硬化性
樹脂を含有した樹脂組成物5〜30重量%とからなる熱
伝導樹脂組成物11を加工し、図4(a)で示すような
粘土状混練物を作製する。そして、図4(b)で示すよ
うに、開口部分31の底面位置に離型フィルム13が配
置された金型32を用意し、熱伝導樹脂組成物11から
なる粘土状混練物を金型32の開口部分31内に載置
し、さらに、粘土状混練物上に金属板12の主表面を載
置したうえ、開口部分31内にはポンチ33を配置する
ことが行われる。そこで、このポンチ33でもって粘土
状混練物を加熱加圧すれば、図4(c)で示すように、
熱伝導樹脂組成物11からなる粘土状混練物が金属板1
2の一方側の主表面に被着して一体化されることにな
り、金型32及びポンチ33を取り外した後、離型フィ
ルム13を引き剥がすと、図1で示した熱伝導樹脂組成
物構造体が製造されていることになる。なお、離型フィ
ルム13が配設されたままであってもよい。
【0026】ところで、以上説明した本実施の形態に係
る熱伝導樹脂組成物構造体にあっては、次のような素材
や構成を採用することが望ましい。まず、ここでの無機
質フィラーは、Al23、MgO、BN、Si34、A
lN、SiO2 及びSiCから選択された少なくとも1
種の粉末を主成分として含有したものであり、無機質フ
ィラーの粒径は0.1〜100μmの範囲にあることが
好ましい。すなわち、これらの無機質フィラーであれ
ば、優れた熱伝導性を確保しながら高い放熱性を有する
回路基板を作製し得るからである。特に、無機質フィラ
ーがAl23やSiO2 である場合には樹脂組成物との
混合が容易となり、また、AlNを用いた場合にはより
一層良好な放熱性が確保可能となる。
【0027】そして、樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、シアネート樹脂から選択された少なくと
も1種の熱硬化性樹脂を含有しており、室温下では固形
状のエポキシ樹脂及び液体状のエポキシ樹脂と硬化剤、
硬化促進剤とを少なくとも含んでいることが好ましく、
液体状とされたエポキシ樹脂の主成分はビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂か
ら選択された1種以上であり、かつ、硬化剤は樹脂組成
物の粘度を低くする酸無水物であることが好ましい。こ
のような樹脂組成物であれば、印刷性に優れたペースト
状の熱伝導樹脂組成物を作製することが可能であり、造
膜したうえでエポキシ樹脂の硬化温度よりも低い温度条
件下で熱処理を施すと、タック性がなくて可撓性に優れ
た熱伝導シートを作製し得ることになる。なお、これら
の樹脂組成物は溶剤によって容易に溶かされるため、そ
の粘度調整が容易であるばかりか、これらの樹脂組成物
であれば、粘土状に加工して混練物を作製することが容
易となる。
【0028】また、樹脂組成物が、臭素化された多官能
エポキシ樹脂を主成分として含有しており、硬化剤とし
てのビスフェノールA型ノボラック樹脂と、硬化促進剤
としてのイミダゾールとを含有していることが好まし
く、このような樹脂組成物であれば、耐熱性のみなら
ず、優れた難熱性が得られることになる。さらに、樹脂
組成物に対しては、カップリング剤、分散剤、着色剤及
び離型剤のうちから選択された少なくとも1種が添加さ
れていることが好ましい。すなわち、エポキシシラン系
カップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、チタ
ネート系カップリング剤などのようなカップリング剤は
無機質フィラー及び金属板と熱硬化性樹脂との接着強度
を向上させ、かつ、熱伝導基板の絶縁耐圧を向上させる
ことになり、リン酸エステルなどの分散剤は熱伝導樹脂
組成物の分散性を向上させて均質化させると共に、カー
ボンなどの着色剤は熱伝導樹脂組成物を着色して熱輻射
性を向上させるからである。
【0029】さらに、熱伝導樹脂組成物が一方側の主表
面に被着される金属板12は厚さが0.3〜5mmのア
ルミニウム板であることが好ましく、また、その少なく
とも熱伝導樹脂組成物11が被着される主表面は粗化さ
れていることが好ましい。すなわち、アルミニウムは放
熱性が良好で軽量、かつ、安価だからであり、金属板1
2が上記したよりも薄い場合には強度が弱くなる一方、
上記したよりも厚い場合には熱伝導基板の重量や体積、
コストの増加を招くからである。また、金属板12の主
表面が粗化されている場合には、熱伝導樹脂組成物11
との接着強度が向上し、熱伝導基板の信頼性が向上する
という利点が確保されるためである。なお、粗化の方法
が限定されることはなく、ブラスト処理やエッチング処
理などの方法を採用し得るが、粗化が容易であり、か
つ、大きな表面粗さが得られるブラスト法を採用するこ
とが好ましいと考えられる。
【0030】(熱伝導基板の構造及びその製造方法)本
発明の実施の形態に係る熱伝導基板の構造を図5の断面
図に基づき、また、その製造方法を図6の断面工程図に
基づいて説明する。本実施の形態に係る熱伝導基板は、
図1で示した熱伝導樹脂組成物構造体を用いて製造され
ることになっており、図5で示すように、この際におけ
る熱伝導基板は、放熱用として機能する金属板12の主
表面に一方側の表面が被着された熱伝導樹脂組成物11
の他方側の表面に対してリードフレーム15の外側表面
が面一状態として埋め込まれており、リードフレーム1
5が埋め込まれた熱伝導樹脂組成物11中の熱硬化性樹
脂は熱硬化されたものとなっている。すなわち、この熱
伝導基板は、熱伝導樹脂硬化物となった熱伝導樹脂組成
物11の一方側の表面に金属板12が被着されており、
この金属板12と対向する熱伝導樹脂組成物11の他方
側の表面にはリードフレーム15が面一状態で埋め込ま
れた構造を有している。
【0031】なお、ここでのリードフレーム15は導電
率が高い金属から作製されたものでありさえすればよい
が、例えば、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム、あるい
は、これらを主成分とする合金などから作製された0.
1〜1mmの厚みを有するものであることが好ましく、
リードフレーム15の表面には、耐食性や耐酸化性を向
上させ、熱伝導樹脂組成物11との接着を良好とするた
め、ニッケル、すず、はんだ、金などから選択される少
なくとも1種の金属からなるめっき処理が施されている
ことが好ましい。また、リードフレーム15の主表面、
少なくとも熱伝導樹脂組成物11と接着される主表面は
粗化されていることが好ましく、リードフレーム15の
主表面が粗化されている場合には、接着強度が向上し、
信頼性が向上するという利点が確保される。
【0032】次に、熱伝導基板の製造方法を、図6に従
って説明する。まず、上記した第1〜第3いずれかの製
造方法を採用することによって熱伝導樹脂組成物構造
体、つまり、無機質フィラー70〜95重量%と、少な
くとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹脂組成物
5〜30重量%とからなる熱伝導樹脂組成物11が、金
属板12の一方側の主表面に被着して一体化された構造
の熱伝導樹脂組成物構造体を製造する。そして、図6
(a)で示すように、基板を製造するための金型41を
用意し、この金型41の開口部分42の底面位置にリー
ドフレーム15を配置した後、用意しておいた熱伝導樹
脂組成物構造体を金型41の開口部分42内に載置し、
かつ、この熱伝導樹脂組成物構造体が具備している金属
板12と対面するようにして金型41の開口部分42内
にポンチ43を配置する。
【0033】引き続き、図6(b)で示すように、ポン
チ43を利用して熱伝導樹脂組成物構造体を加熱加圧し
ながらリードフレーム15の外側表面が熱伝導樹脂組成
物11の他方側の表面と面一状態になるまで埋め込むこ
とを行う。すると、加熱された熱伝導樹脂組成物11
は、これが未硬化状態のままで含有していた熱硬化性樹
脂が硬化される結果、熱伝導樹脂硬化物となる。そこ
で、金型41及びポンチ43を取り外すと、図5で示し
たようなリジットな熱伝導基板、つまり、金属板12の
主表面に一方側の表面が被着された熱伝導樹脂硬化物の
他方側の表面にはリードフレーム15の外側表面が面一
状態で埋め込まれてなる構造の熱伝導基板が製造されて
いることとなる。
【0034】なお、加熱加圧時の温度は熱硬化性樹脂の
硬化温度によって適宜決定されることになるが、140
〜260℃として設定されるのが一般的である。すなわ
ち、加熱加圧時の温度が低過ぎると樹脂硬化が不充分に
なり、また、高過ぎると樹脂の分解が始まるからであ
る。さらに、熱伝導基板における基板厚みは、これに対
して搭載される電子部品や半導体部品の外形や必要とな
る放熱性を考慮したうえで設定されることになるが、一
般的には、金属板12とリードフレーム15との離間間
隔が少なくとも0.4mm以上確保されていることが好
ましいといえる。
【0035】
【実施例】以下、引き続き、実施の形態に係る熱伝導樹
脂組成物構造体及び熱伝導基板、これらの製造方法に関
する具体的な実施例を説明する。
【0036】(実施例1) 手順1…熱伝導樹脂組成物を作製するため、無機質フィ
ラーと熱硬化性樹脂組成物とを混合し、スラリー状とし
て加工することを実行してみたところ、次のような組成
を有する熱伝導樹脂組成物が得られた。
【0037】無機質フィラー:Al23(AS−4
0、昭和電工(株)製、平均粒径12μm)89重量% 熱硬化性樹脂:臭素化された多官能エポキシ樹脂(N
VR−1010、日本レック(株)製、硬化剤含む)1
0重量% その他の添加物:硬化促進剤(イミダゾール、日本レ
ック(株)製)0.05重量部、カーボンブラック(東
洋カーボン(株)製)0.4重量部、カップリング剤
(プレンアクト KR−46B、味の素(株)製)0.
55重量部 手順2…得られた熱伝導樹脂組成物に溶剤としてのME
Kを加えた後、混練機(松尾産業(株)製)で混合し
た。なお、MEKの添加によって混合物の粘度が低下
し、スラリー状として加工することが可能になるのであ
るが、後の乾燥工程で飛散してしまうため、手順1では
記載を省略している。
【0038】手順3…ドクターブレード法を採用したう
え、表面に離型処理が施されたPET製の離型フィルム
上に対し、スラリー状の熱伝導樹脂組成物を塗布するこ
とを実行して造膜した。その後、95℃の温度下で乾燥
することによって溶剤を飛散させながら、図2(a)で
示したと同様の熱伝導シート、すなわち、離型フィルム
上に造膜された熱伝導樹脂組成物からなる熱伝導シート
を作製した。
【0039】手順4…厚さ1mmのアルミニウム板を用
意し、サンドブラスト(研磨粉:Al23、モランダム
A−40(商品名)、昭和電工(株)製)によってアル
ミニウム板の表面を粗化した。その後、図2(b)で示
した通り、熱伝導シートと金属板とを70℃の温度下で
プレスすることによって圧着し、図1で示したと同様の
熱伝導樹脂組成物構造体を完成させた。なお、この熱伝
導樹脂組成物構造体の表面には保護フィルムが配設され
たままとなっており、熱伝導樹脂組成物の層厚は0.8
mmである。
【0040】手順5…同様の手順で製造された熱伝導シ
ートそのものと熱伝導樹脂組成物構造体とのそれぞれを
約1mの高さ位置からコンクリート製の床に落下させて
みたところ、アルミニウム板と一体化されて熱伝導樹脂
組成物構造体を構成している熱伝導シートには割れや欠
けが発生せず、また、アルミニウム板と熱伝導シートと
が剥離することも起こらなかったが、単体である熱伝導
シートには割れや欠けが発生した。
【0041】手順6…厚さ0.5mmの銅板(神戸製鋼
(株)製)を公知の方法でエッチングし、かつ、ニッケ
ルめっき処理を施したリードフレームを用意した後、そ
の一方側の表面を上記と同様の方法で粗化することを実
行した。
【0042】手順7…図6(a)で示すように、粗化さ
れた表面が開口部分と対面するようにしながらリードフ
レームを金型内に配置した後、離型フィルムが剥離され
た熱伝導樹脂組成物構造体をその熱伝導シートとリード
フレームとが対面するようにしながら金型の開口部分内
に載置した。なお、この際、熱伝導シートとアルミニウ
ム板とが一体化された熱伝導樹脂組成物構造体をリード
フレームに対して位置あわせしながら載置するのは、単
体の熱伝導シートをリードフレームと位置あわせするの
に比べて容易な作業であることが確認された。
【0043】手順8…熱伝導シートと一体化されて熱伝
導樹脂組成物構造体を構成するアルミニウム板の上側に
ポンチを配置し、図6(b)で示すように、ポンチを利
用することによって熱伝導樹脂組成物構造体を170℃
及び5Paの温度及び圧力で15分間にわたって加熱加
圧した。すると、熱伝導樹脂組成物がリードフレームの
表面まで流動し、かつ、未硬化状態であった熱硬化樹脂
が硬化することとなる結果、リードフレームの外側表面
が熱伝導樹脂組成物の他方側の表面と面一状態になるま
で埋め込まれた熱伝導基板が製造される。
【0044】手順9…その後、金型及びポンチを取り外
すと、図5で示した熱伝導基板、つまり、厚みが2mm
のリジッドな熱伝導基板が完成したことになる。さら
に、この熱伝導基板に対しては、はんだレジスト処理や
フレームカット、端子処理などの工程を経たうえで部品
実装が行われるが、これらの工程は公知の技術を利用し
て行われることになり、本発明には関与しないため、説
明を省略する。
【0045】手順10…熱伝導基板に対して半導体など
の部品実装を行った後、実装された部品に約20Wの電
力を印加したうえで熱伝導基板の上下面の温度差から熱
伝導性を評価してみたところ、0.7℃/Wの熱抵抗値
であることが確認された。すなわち、この数値は、同様
な絶縁厚みを有する金属ベース基板に比べて約2倍の性
能であることを示している。また、最高温度が260℃
で10秒間のリフロー試験によって信頼性を評価してみ
たところ、熱伝導樹脂組成物とリードフレーム及び金属
板との界面では肉眼及び超音波探査映像装置での観察に
よっても異常は認められず、強固な密着状態が確保でき
ていることが確認された。
【0046】(実施例2) 手順1…熱伝導樹脂組成物を作製するため、無機質フィ
ラーと熱硬化性樹脂組成物とを混合し、ペースト状とし
て加工したところ、次のような組成を有する熱伝導樹脂
組成物が得られた。
【0047】無機質フィラー:Al23(AL−3
3、住友化学(株)製、平均粒径12μm)90重量% 熱硬化性樹脂:エポキシ樹脂(WE−2025(商品
名)、日本ペルノックス(株)製、酸無水物硬化剤含
む)9.5重量% その他の添加物:カーボンブラック(東洋カーボン
(株)製)0.3重量%、分散剤(「プライサーフ、A
208F」(商品名)、第一工業製薬(株)製)0.2
重量% 手順2…得られた熱伝導樹脂組成物を3本ロールでもっ
て充分に混練することにより、ペースト状として加工し
た。そして、ペースト状となった熱伝導樹脂組成物の粘
度は約100Pa・s(25℃)であった。
【0048】手順3…厚さ0.5mmのアルミニウム板
を用意すると共に、アルミニウム板の印刷部分に相当す
る個所が開口されたSUS製のマスクを用意し、図3
(a)で示すように、マスクの開口部分の底面位置にア
ルミニウム板を配置したうえで印刷ステージ(図示せ
ず)上に載置した。その後、予めペースト状とされた熱
伝導樹脂組成物をアルミニウム板上に載置したうえ、S
US製のスキージによって熱伝導樹脂組成物をマスクに
押し当てて印刷し、図3(b)に示すように、熱伝導樹
脂組成物をマスクの開口部品内に充填した。引き続き、
マスクを取り外したうえ、真空中で熱処理を施すること
によって熱伝導樹脂組成物中のボイドを除去すると共
に、未硬化状態であった熱硬化性樹脂を半硬化状態にす
る。すると、タック性がなくなり、図1で示したような
熱伝導樹脂組成物構造体が完成したことになる。なお、
この際における熱伝導樹脂組成物の層厚は0.8mmで
ある。
【0049】手順4…その後、アルミニウム板と熱伝導
樹脂組成物とが一体化されてなる熱伝導樹脂組成物構造
体を約1mの高さ位置からコンクリート製の床に落下さ
せてみたところ、アルミニウム板と一体化されて熱伝導
樹脂組成物構造体を構成している熱伝導樹脂組成物に割
れや欠けが発生することは起こらなかった。また、熱伝
導樹脂組成物構造体を10Hzの周波数で1時間にわた
って振動させたが、アルミニウム板と熱伝導樹脂組成物
との間には剥離が発生しなかった。従って、これらの結
果によれば、熱伝導樹脂組成物の安定性が良好となって
おり、熱伝導樹脂組成物とアルミニウム板との接着性も
良好であることが分かる。
【0050】手順5…厚さ0.5mmの銅板(神戸製鋼
(株)製)を公知の方法でエッチングし、かつ、ニッケ
ルめっき処理を施したうえに錫めっき処理を施したリー
ドフレームを用意した後、その一方側の表面に対してサ
ンドブラストによる粗化処理を施した。
【0051】手順6…図6(a)で示すように、粗化さ
れた表面が開口部分と対面するようにしながらリードフ
レームを金型内に配置した後、離型フィルムが剥離され
た熱伝導樹脂組成物構造体をその熱伝導樹脂組成物とリ
ードフレームとが対面するようにしながら金型の開口部
分内に載置した。
【0052】手順7…熱伝導樹脂組成物構造体を構成す
るアルミニウム板の上側にポンチを配置し、図6(b)
で示すように、ポンチを利用することによって熱伝導樹
脂組成物構造体を150℃及び5Paの温度及び圧力で
30分間にわたって加熱加圧した後、金型及びポンチを
取り外すと、厚みが1.5mmのリジッドな熱伝導基板
が完成した。
【0053】手順8…熱伝導基板に対して半導体などの
部品実装を行った後、実装された部品に約20Wの電力
を印加したうえで熱伝導基板の上下面の温度差から熱伝
導性を評価してみたところ、同様な絶縁厚みを有する金
属ベース基板に比べて約2倍の性能である0.7℃/W
の熱抵抗値が得られることが確認された。また、最高温
度が260℃で10秒間のリフロー試験を実行すること
によって信頼性を評価してみたところ、熱伝導樹脂組成
物とリードフレーム及び金属板との界面では肉眼及び超
音波探査映像装置での観察によっても異常は認められ
ず、強固な密着状態が確保できていることが確認され
た。
【0054】(実施例3) 手順1…熱伝導樹脂組成物を作製するため、無機質フィ
ラーと熱硬化性樹脂組成物とを混練し、粘土状として加
工することを実行してみたところ、次のような組成を有
する熱伝導樹脂組成物が得られた。
【0055】無機質フィラー:AlN(SCAN7
0、ダウケミカル社製)38重量%、Al23(AS−
40、昭和電工(株)製)55重量% 熱硬化性樹脂:エポキシ樹脂(XNR5002、長瀬
チバ(株)製)6.5重量% その他の添加物:シラン系カップリング剤(A−18
7、日本ユニカー(株)製)0.3重量%、カーボンブ
ラック(東洋カーボン(株)製)0.2重量% 手順2…熱伝導樹脂組成物に溶剤としてのMEKを添加
して粘度を低下させた後、プレネタリーミキサーで混練
し、さらに、3本ロールでもって混練した後、真空乾燥
させてMEKを飛散させながら、図4(a)で示すよう
な粘土状の熱伝導樹脂組成物を作製した。
【0056】手順3…厚さ1.5mmのアルミニウム板
を用意し、その両側の表面に対してサンドブラストによ
る粗化処理を施した。その後、図4(b)で示したよう
に、開口部分の底面位置にPPS製の離型フィルムが配
置された金型を用意し、熱伝導樹脂組成物からなる粘土
状混練物を秤量して金型の開口部分内に載置し、さら
に、粘土状混練物上にアルミニウム板を載置した。
【0057】手順4…引き続き、金型の開口部分内にポ
ンチを配置したうえ、図4(c)で示すように、ポンチ
を利用しながら真空中で粘土状混練物を80℃及び10
Paの温度及び圧力で加熱加圧した。すると、熱伝導樹
脂組成物が流動して稠密な層状になると同時に、熱伝導
樹脂組成物とアルミニウムとが接着することになり、さ
らには、熱硬化性樹脂が半硬化状態になるためにタック
性が減少した。そして、金型及びポンチを取り外すと、
図1で示した熱伝導樹脂組成物構造体が完成したことに
なる。なお、この際における熱伝導樹脂組成物の層厚は
1.1mmである。
【0058】手順5…このようにして製造された熱伝導
樹脂組成物構造体を約1mの高さ位置からコンクリート
製の床に落下させてみたところ、熱伝導樹脂組成物には
割れや欠けが発生しなかった。また、熱伝導樹脂組成物
構造体を10Hzの周波数で1時間にわたって振動させ
たが、アルミニウム板と熱伝導樹脂組成物との間には剥
離が発生しなかった。従って、これらの結果によれば、
熱伝導樹脂組成物の安定性が良好であり、熱伝導樹脂組
成物とアルミニウム板との接着性も良好であることが確
認されたことになる。
【0059】手順6…厚さ0.8mmの銅板(神戸製鋼
(株)製)を公知の方法でエッチングし、かつ、ニッケ
ルめっき処理を施したリードフレームを用意した後、そ
の一方側の表面に対してサンドブラストによる粗化処理
を施した。
【0060】手順7…図6(a)で示すように、粗化さ
れた表面が開口部分と対面するようにしながらリードフ
レームを金型内に配置した後、離型フィルムが剥離され
た熱伝導樹脂組成物構造体をその熱伝導樹脂組成物とリ
ードフレームとが対面するようにしながら金型の開口部
分内に載置した。
【0061】手順8…熱伝導樹脂組成物構造体を構成す
るアルミニウム板の上側にポンチを配置し、図6(b)
で示すように、ポンチを利用することによって熱伝導樹
脂組成物構造体を170℃及び8Paの温度及び圧力で
60分間にわたって加熱加圧した後、金型及びポンチを
取り外すと、厚みが3.0mmの熱伝導基板が完成し
た。
【0062】手順9…熱伝導基板に対して半導体などの
部品実装を行った後、実装された部品に約20Wの電力
を印加したうえで熱伝導基板の上下面の温度差から熱伝
導性を評価してみたところ、1.0℃/Wの熱抵抗値が
得られていることが確認された。すなわち、この数値
は、同様な絶縁厚みを有する金属ベース基板に比べて約
2倍の性能であることを示している。また、最高温度が
260℃で10秒間のリフロー試験によって信頼性を評
価してみたところ、熱伝導樹脂組成物とリードフレーム
及び金属板との界面では肉眼及び超音波探査映像装置で
の観察によっても異常は認められず、強固な密着状態が
確保できていることが確認された。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る熱伝
導樹脂組成物構造体であれば、熱伝導樹脂組成物が金属
板でもって補強されているので、熱伝導樹脂組成物の割
れや欠け、破損などが起こり難くなり、取り扱いが容易
になるという効果が得られる。そのため、位置あわせを
正確に行い得ることとなり、ひいては加熱加圧による成
型性を向上することができる。また、本発明に係る熱伝
導基板であれば、十分な放熱性を確保しながらも安価な
回路基板が得られる。
【0064】さらに、本発明に係る製造方法を採用した
際には、上記したような熱伝導樹脂組成物構造体または
熱伝導基板を容易に製造し得るという効果が得られる。
すなわち、本発明に係る熱伝導樹脂組成物構造体の製造
方法によれば、熱伝導樹脂組成物をシート状に加工して
使用する場合は勿論のこと、熱伝導樹脂組成物がさらに
高粘度になってシート化が困難な場合であっても、熱伝
導樹脂組成物構造体を比較的容易に製造できることとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る熱伝導樹脂組成物構造体を示
す断面図である。
【図2】熱伝導樹脂組成物構造体の第1の製造方法を示
す工程断面図である。
【図3】熱伝導樹脂組成物構造体の第2の製造方法を示
す工程断面図である。
【図4】熱伝導樹脂組成物構造体の第3の製造方法を示
す工程断面図である。
【図5】実施の形態に係る熱伝導基板を示す断面図であ
る。
【図6】熱伝導基板の製造方法を示す工程断面図であ
る。
【図7】従来の形態に係る熱伝導基板の製造方法を示す
工程断面図である。
【符号の説明】
11 熱伝導樹脂組成物 12 金属板 13 保護フィルム 15 リードフレーム 21 マスク 22 開口部分 31 開口部分 32 金型 33 ポンチ 41 金型 42 開口部分 43 ポンチ 51 熱伝導シート状物 52 リードフレーム 53 熱伝導樹脂硬化物 54 金属板
フロントページの続き (72)発明者 松尾 光洋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 半田 浩之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E315 AA03 BB18 GG01 5E343 AA02 AA22 ER35 GG16 5F036 AA01 BA23 BB08 BB21 BD01 BD03 BD21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質フィラー70〜95重量%と、少
    なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹脂組成
    物5〜30重量%とからなる熱伝導樹脂組成物が、金属
    板の一方側の主表面に被着して一体化されていることを
    特徴とする熱伝導樹脂組成物構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した熱伝導樹脂組成物構
    造体であって、 金属板の主表面に一方側の表面が被着された熱伝導樹脂
    組成物の他方側の表面には保護フィルムが配設されてい
    ることを特徴とする熱伝導樹脂組成物構造体。
  3. 【請求項3】 無機質フィラー70〜95重量%と、少
    なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹脂組成
    物5〜30重量%とからなる熱伝導樹脂組成物を加工し
    て熱伝導シートを作製する工程と、熱伝導シートを金属
    板の主表面に圧着する工程とを含んでいることを特徴と
    する熱伝導樹脂組成物構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】 無機質フィラー70〜95重量%と、少
    なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹脂組成
    物5〜30重量%とからなる熱伝導樹脂組成物を加工し
    てペースト状混合物を作製する工程と、ペースト状混合
    物を金属板の主表面に印刷する工程とを含んでいること
    を特徴とする熱伝導樹脂組成物構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 無機質フィラー70〜95重量%と、少
    なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹脂組成
    物5〜30重量%とからなる熱伝導樹脂組成物を加工し
    て粘土状混練物を作製する工程と、粘土状混練物を金属
    板の主表面に載置して加熱加圧する工程とを含んでいる
    ことを特徴とする熱伝導樹脂組成物構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属板の主表面に一方側の表面が被着さ
    れた熱伝導樹脂組成物の他方側の表面にはリードフレー
    ムの外側表面が面一状態で埋め込まれており、リードフ
    レームが埋め込まれた熱伝導樹脂組成物中の熱硬化性樹
    脂は熱硬化されていることを特徴とする熱伝導基板。
  7. 【請求項7】 無機質フィラー70〜95重量%と、少
    なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂を含有した樹脂組成
    物5〜30重量%とからなり、一方側の表面が金属板の
    主表面に被着された熱伝導樹脂組成物の他方側の表面に
    リードフレームを配置する工程と、熱伝導樹脂組成物を
    加熱加圧しながらリードフレームをその外側表面が熱伝
    導樹脂組成物の他方側の表面と面一状態になるまで埋め
    込む工程とを含んでいることを特徴とする熱伝導基板の
    製造方法。
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