JP2000354714A - 炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布 - Google Patents

炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布

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JP2000354714A JP11169880A JP16988099A JP2000354714A JP 2000354714 A JP2000354714 A JP 2000354714A JP 11169880 A JP11169880 A JP 11169880A JP 16988099 A JP16988099 A JP 16988099A JP 2000354714 A JP2000354714 A JP 2000354714A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温・高圧下、さらに逆洗方式にて使用される
炉頂圧発電用バグフィルターにおいて、長期にわたって
高い耐久性を有するろ布を提供する。 【解決手段】耐熱性繊維からなる炉頂圧発電用バグフィ
ルター用ろ布において、支持層とろ過層が積層一体化し
た構造体であって、該構造体の240℃下での少なくと
も一方向の強力が40kgf/5cm以上であり、前記支持層
を構成する耐熱性繊維のガラス転移温度が240℃以上
で、且つ160℃、79%RH,4kg/cm2Gのプレッシ
ャークッカ−試験において500時間後の強力保持率が
30%以上である炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉頂圧発電に用い
るバグフィルター用ろ布に関するものである。詳しく
は、ダストを含んだ高温・高圧下での集塵に対して、長
期にわたって高い耐久性を示すバグフィルター用ろ布に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉とは、製鉄所の上流工程に位置し、
鉄鉱石とコークスから溶けた鉄を製造する装置で、12
00℃前後の熱風を送りこんでコークスや微粉炭をガス
化し、この鉄鉱石を還元・溶解し溶けた銑鉄を取り出す
設備である。この高炉において、鉄の生成に伴なって炉
頂から排出される高炉ガスの保有する圧力、温度等の物
理的エネルギーは非常に大きくなっており、近年では、
省エネルギーやエネルギーリサイクルの見地より、この
エネルギーを利用する技術が注目されている。この高炉
の炉頂ガスの持つ高温・高圧エネルギーをタービンによ
って電力として回収する高炉炉頂圧発電設備が非常に脚
光を浴びるようになり、多くの高炉に設置されるように
なった。
【0003】エネルギー回収に用いられるタービンは非
常に高価なものなので、タービンの事故(タービン翼折
損や亀裂発生)や劣化(磨耗、腐蝕など)を避け長期に
わたって使用するために、高温・高圧ガス中に含まれる
粉塵を除去しタービンへ導入するようにしている。この
除塵方法として、従来はベンチュリースクラバー等の湿
式方式がとられてきたが、発電効率の面から考えると高
温・高圧ガスが好ましく、湿式除塵方法では高炉ガスの
温度が低下し顕熱は大半が集塵水に捨てられ、除塵設備
により圧力も大幅に損失していた。この様な背景のもと
で、より高温・高圧ガスを得るために乾式で除塵する高
炉ガス乾式除塵設備が採用されるようになりつつある。
この設備としては、電気集塵気、マルチサイクロン、バ
グフィルターが上げられる。電気集塵気は設備費が大で
保全性が良くなく、マルチサイクロンは圧損大で集塵効
率が悪いが、バグフィルターは圧損が小さく集塵効率が
非常に高いことから、乾式集塵に非常に適した設備で一
部の製鉄所では既に採用され、今後の使用がますます増
してくると思われる。
【0004】バグフィルターには耐熱性繊維からなるろ
布が、通常は筒状で使用される。発電効率の面から高温
・高圧下で使用されるため高い耐熱性が必要である。ま
た炉頂ガスに含まれるガス(CO、CO2、H2)や初期
除塵と温度調整に用いられるH 2Oに対しても非常に高
い耐久性が要求される。また、除塵方法も高温・高圧ガ
スを除塵するため、都市ゴミ焼却炉などで主に用いられ
ている同一バグハウス内でろ過を行いながら特定のろ布
だけにろ過方向とは逆方向に圧縮エアーを噴射するパル
スジェット方式は採用できず、バグハウス毎にろ過とは
逆方向に圧力をかける逆圧式(逆先式)が採用されてい
る。そのため、パルスジェットタイプが筒状ろ布がぶら
下げ方式で筒の外側から内側にろ過を行うのに対し、よ
り高圧での使用に適した逆圧式ではバグ下部を固定し上
部はバネによってテンションを掛け、筒状ろ布の内側か
ら外側に向かってろ過を行う方式がとられている。その
ため、高温・高テンション下での寸法安定性が必要で、
さらに、逆洗によって高圧ガスをろ過するためダスト払
い落とし前後での物理的衝撃に対しても高い耐久性が必
要とされる。従来はm−アラミド、ポリテトラフルオロ
エチレン、ガラス繊維などからなるバグフィルター用ろ
布が用いられたきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記耐
熱性繊維からなるバグフィルター用ろ布ではさまざまな
問題点が挙げられた。まず、m−アラミド繊維からなる
ろ布については、m−アラミド繊維自体が耐酸性ガス性
に弱いことや、高温・高圧下で水分により加水分解を受
けて強力低下することが知られており、短いものでは約
半年の寿命しかなかったものがある。また、他の耐熱性
繊維のポリテトラフルオロエチレンやガラスに比べると
耐熱温度が低く発電効率という面でも好ましくない。ポ
リテトラフルオロエチレンについては、不活性で非常に
耐薬品性に優れる事が知られているが、融点327℃、
ガラス転移温度126℃(文献値、高分子化学序論、化
学同人)と熱的性質が比較的低いレベルにある。従来技
術でも述べたが、炉頂圧発電用のバグフィルターは逆圧
(逆先)方式で用いられるため、高温下で高テンション
の下で使用される。よって130℃以上の温度では高温
下でろ布が伸びて、十分なろ過やダスト払い落とし機能
を有さなくなってしまうという問題がある。ガラス繊維
からなるろ布については、ガラスは折れ曲がり性に弱い
ため主には織物として使用される。そのため、糸と糸の
織物としての空隙が大きく、各種耐熱性繊維からなるフ
ェルトに比べてダスト捕集効率が悪いことや、より高い
ろ速や圧力の下では目詰まりやダストリークにより使え
ないという問題がある。ガラスについては、ガラス織物
に微細孔を有するフッ素系の膜を配したものがあるが、
もともとガラスは逆圧方式の払い落とし操作による折れ
曲がりによる物理的疲労に対しても弱いという点が上げ
られる。
【0006】本発明は、上記従来技術の耐熱性繊維から
なる炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布において、高温
・高圧下で使用され、さらにダストろ過及びダスト払い
落としが逆洗方式においても、非常に高い耐久性を示
し、さらに、より高温域にて長期にわたり使用できる炉
頂圧発電用バグフィルター用ろ布を得ることを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、耐熱性
繊維からなる炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布が、支
持層とろ過層が積層一体化した構造であって、該構造体
の240℃下でのろ布タテ強力が40kgf/5cm以上、さ
らに、支持層を構成する耐熱性繊維のガラス転移温度が
200℃以上で240℃下でのタテ方向の弾性率が5(g
/d)以上であることを特徴とする炉頂圧発電用バグフィ
ルター用ろ布を提供するものである。
【0008】即ち、本発明は、耐熱性繊維からなる炉頂
圧発電用バグフィルター用ろ布において、支持層とろ過
層が積層一体化した構造体であって、該構造体の240
℃下での少なくとも一方向の強力が40kgf/5cm以上で
あり、前記支持層を構成する耐熱性繊維のガラス転移温
度が240℃以上で、且つ160℃、79%RH,4kg
/cm2Gのプレッシャークッカ−試験において500時間
後の強力保持率が30%以上であることを特徴とする炉
頂圧発電用バグフィルター用ろ布である。
【0009】そして具体的には、支持層を構成する耐熱
性繊維の240℃下での初期引張弾性率が5g/d以上で
あることを特徴とする上記記載の炉頂圧発電用バグフィ
ルター用ろ布、支持層がポリイミド繊維及び/又はポリ
ベンザゾール繊維からなることを特徴とする上記記載の
炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布、ろ過層がポリイミ
ド繊維、ポリベンザゾール繊維、ポリフェニレンサルフ
ァイド繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、m−ア
ラミド繊維及びガラス繊維から選ばれる1種もしくは2
種類以上の繊維からなることを特徴とする上記記載の炉
頂圧発電用バグフィルター用ろ布、バグフィルター用ろ
布がシェルステッチにより筒状に縫製一体化されてなる
ことを特徴とする上記記載の炉頂圧発電用バグフィルタ
ー用ろ布、及びバグフィルター用ろ布がろ過面側にフッ
素系樹脂層を設けてなることを特徴とする上記記載の炉
頂圧発電用バグフィルター用ろ布である。上記構成から
なる炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布は、高温・高圧
下での高テンションや逆圧払い落とし時の衝撃によって
も高い耐久性を示し、さらに従来のバグフィルター用フ
ェルトよりも高温下で長期にわたって高い耐久性を示す
ことが可能となる。以下本発明を詳述する。
【0010】耐熱性繊維からなる炉頂圧発電用バグフィ
ルター用ろ布で、高温・高圧下での使用、さらには、ダ
スト払い落とし方法が逆洗方式においても長期にわたっ
て使用できる炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布を得る
には、該ろ布が、支持層とろ過層が積層一体化したフェ
ルト構造体であって、該構造体の240℃下での少なく
とも一方向の引張強力が40kgf/5cm以上、好ましくは
50〜300kgf/5cm、或いは300〜1000kgf/5cm
であることが望ましい。また、支持層を構成する耐熱性
繊維のガラス転移温度が240℃以上、更に好ましくは
300℃以上であることが望ましい。更に、240℃下
での初期引弾性率が5g/d以上、更には7g/d以上或いは
1000g/d以上であることが好ましい。
【0011】これらは、高温・高圧下で少なくとも一方
向に張力をかけた状態で使用されるためで、かかる環境
下でろ過性能を維持するためには支持層を構成する耐熱
性繊維のガラス転移温度は高温下での寸法安定性の面か
ら240℃以上であることが肝要であり、240℃下で
の一方向の引張強力も40kgf/5cm以上であることが望
ましい。更に、高温下での逆洗払い落とし時の衝撃に耐
えうるためには高温下の強力のみならず、弾性率も大き
く影響し、支持層構成繊維の240℃下での弾性率が5
g/d以上であることにより、高温・高圧下のダストろ
過、逆洗払い落としに対して長期にわたって高い耐久性
を示す炉頂圧用バグフィルター用ろ布を得ることができ
る。
【0012】また、上述のとおり、支持層を構成する耐
熱性繊維は、ガラス転移温度が240℃以上であること
が望ましい。発電効率を考えるとより高温の高圧ガスが
好ましいが、設備の耐シール性などの問題もあるため、
タービンで電力を回収する高炉炉頂圧発電設備(TR
T)では最高でも200℃程度である。しかし、TRT
の前段にある高炉ガス乾式除塵設備(BDC)では24
0℃程度までの温度域になる。さらに、高圧ガスをろ過
するためBDC用バグフィルターとしては高温下でテン
ションをかける逆洗方式であり、ろ布を構成する耐熱性
繊維のガラス転移温度が使用温度よりも低いと高温下の
テンションによって伸びてしまうという問題が生ずるか
らである。実際には、周長1m、長さ10mのバグフィ
ルター用ろ布に高温下で少なくとも30kgf以上のテン
ションをかけ使用する。そのため、支持層を構成する耐
熱性繊維のガラス転移温度は240℃以上であることが
肝要である。
【0013】また、バグハウス毎にろ過方向とは逆方向
に圧をかける逆圧式ダスト払い落とし方法では、そのダ
スト払い落とし前後で、非常に大きな衝撃を受けること
になる。とくに、逆洗払い落とし後に高温・高圧ガスを
再度導入するときに非常に大きな衝撃がろ布にかかるこ
とになる。このときの衝撃は設備によっても多少異なる
と思われ定量的には判断できないが、これらの衝撃にも
耐えうるためには高温下での引張強力のみならず、高温
下での弾性率が大きく影響することがわかった。そのた
めろ布を構成する支持層に用いる耐熱性繊維の240℃
下での初期引張弾性率は5g/d以上で、好ましくは7g/d
以上のものが採用される。
【0014】更に、本発明において重要な要件としてバ
グフィルター用ろ布は、160℃、79%RH,4kg/c
m2Gでのプレッシャークッカ−試験において、500時
間暴露後の一方向の引張強力保持率が30%以上、好ま
しくは50%以上であることである。30%未満では、
実機での長期の使用において加水分解によって十分な耐
久性を得ることは困難となり、たとえ初期特性において
上述の要件を具備するろ布であってもプレッシャークッ
カ−試験によるろ布の耐久性が低いものは実用に耐え得
ないからである。即ち、炉頂圧発電では、炉頂圧ガスの
温度調整及び初期除塵のために、BDCの前段に設置さ
れたダストキャッチャーによって水を噴霧している。そ
のためバグフィルター用ろ布は、高温・高圧下で水分に
よる影響も受けることになるからである。
【0015】本発明に用いる支持層を形成する耐熱性繊
維としては、上記特性を満たすものとしてポリイミド繊
維及び/又はポリベンズビスオキサゾールやポリベンズ
ビスチアゾール等のポリベンザゾール繊維、等が挙げら
れ、マルチフィラメント糸や紡績糸とし、織物や編物形
態で使用される。ポリイミド繊維はガラス転移温度が3
15℃と非常に耐熱性が高く、240℃下での各種物性
についても非常に高い値を示す。また、高温下での耐酸
性ガスや水分に対しても非常に高い耐久性を示す繊維
で、さらに繊維断面もランダムな異形断面でありろ過特
性についても非常に高い性能を示し、炉頂圧発電用バグ
フィルター用繊維として高い耐久性を示す。また、ポリ
ベンズビスオキサゾール繊維は、酸素存在下での分解開
始温度が650℃でLOI値が68と非常に高い耐熱性
を示す。ガラス転移温度は明確ではないが、動的粘弾性
によって求めた弾性率の低下は少なくとも400℃以上か
らである。また、物性面でも強度40(g/d)、弾性率1
300(g/d)と耐熱性のみならず強度面でも非常に優れ
る繊維で、炉頂圧発電においてもさらに高温での使用が
期待できる。
【0016】本発明によるろ過層を形成する繊維として
は、ポリイミド繊維、ポリベンザゾール繊維、ポリフェ
ニレンサルファイド繊維、ポリテトラフルオロエチレン
繊維、m−アラミド繊維及びガラス繊維から選ばれる1
種もしくは2種類以上の繊維を混綿あるいは積層構造に
することができる。ろ過層を構成する短繊維の繊維直径
はろ過特性の面から0.1〜100μmが好ましく、さ
らに好ましくは1〜50μmである。さらに、繊維断面
形状については、丸型、三角、トライローバル、ランダ
ム等種々ある。ろ過特性の面では比表面積が大きいもの
ほど好ましいが本発明は特に限定するものではない。
【0017】上述の支持層とろ過層はニードルパンチ、
等により絡合一体化する方法や縫製による一体化により
積層一体化される。また、本発明に用いる炉頂圧発電用
バグフィルター用ろ布は筒状形態で使用される。具体的
には上述のフェルトの両端同士を縫製することにより筒
状となすが、その縫製部は、特に限定するのもではな
い。しかし、高温・高圧下でさらに逆洗払い落とし時の
衝撃を受ける炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布では単
なるろ布を重ね合わせて縫製しただけでは、逆洗時の衝
撃により縫製部が破損する可能性があり、より強固な縫
製方法を採用したほうが好ましいという観点から、シェ
ルステッチであることが望ましい。
【0018】本発明に用いる炉頂圧発電用バグフィルタ
ー用フェルトは、ろ布として必要な通気度や厚み、さら
に寸法安定性やろ過特性を満足させるために、各種の高
温熱処理や高温カレンダー加工、ろ過面の毛焼きや溶融
などの処理をすることができる。
【0019】本発明による炉頂圧発電用バグフィルター
用フェルトは、ろ過面側にフッ素系樹脂層を設けること
が望ましい。具体的にはフェルトにフッ素系樹脂による
被覆、或いはろ過面側に微細孔を有するフッ素系フィル
ムを配することができる。フッ素系樹脂層を設けること
により、通常の運転時はもちろん、運転停止時の結露の
影響によってもダスト剥離性を良好にすることが可能と
なる。
【0020】以下本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。
【0021】
【実施例】室温と240℃下での引張強力は、JIS
L 1096に従い、巾5cm、つかみ間隔10cm、
引張速度10(cm/min)、N=3の平均値をとった。ポリベ
ンズビスオキサゾール繊維からなるフェルトは初期強度
が非常に高いため、2.5cm巾で測定し5cm巾に換算
した。240℃での引張強力は、まずサンプルを上下チ
ャックに取り付け、加熱炉つき引張試験機の加熱炉に1
0分暴露し、その後そのままの状態で引張試験を行っ
た。用いた加熱炉付き引張試験機は、東洋ボールドイン
社製テンシロンRTM-500である。
【0022】支持層に用いた耐熱性繊維の高温下での初
期引張弾性率は、JIS L 1013に従い、つかみ間隔
10cm、引張速度10(cm/min)、初荷重1/30(g/
d)、N=3にて行った。まずサンプルを上下チャックに
取り付け、加熱炉つき引張試験機の加熱炉に10分暴露
し、その後そのままの状態で引張試験を行った。用いた
加熱炉付き引張試験機は、東洋ボールドイン社製テンシ
ロンRTM-500である。
【0023】プレッシャークッカ−試験は、タバイエス
ペック社製プレッシャークッカ−試験機(TTC-411型)
を用い、160℃、79%RH,4kg/cm2にて500時
間バグフィルター用ろ布を暴露しJIS L 1096に従い、
巾5cm、つかみ間隔20cm、引張速度20(cm/min)、N=
3、にて室温にて評価した。用いた引張試験機は東洋ボ
ールドイン社製テンシロンRTM-500である。なお、プ
レッシャークッカ−試験による500時間後の強力保持
率は、上述のプレッシャークッカ−試験に供する前の強
力(Ag/d)と供した後の強力(Bg/d)を測定し、下記
式にて求めた値である。 強力保持率(%)=B×100/A
【0024】また、各種バグフィルター用ろ布を、実際
の炉頂圧発電設備の高炉ガス乾式除塵設備バグフィルタ
ーに投入し、6ヶ月後のろ布タテ方向の引張強力保持率
によって評価した。用いたろ布は周長1m、長さ10m
の円筒状のろ布で、逆洗方式のバグフィルターであるた
め、バグ1本あたり40kgのテンションがかかるように
ろ布を固定し、筒状ろ布の内側にダストが含まれた高温
・高圧ガスを導入し集塵を行った。設備条件は、温度2
00℃、高炉圧2.3(kg/cm2)、ガス成分は、H2、N2
CO、CO2、及びH2Oが主成分であった。
【0025】(実施例1)炉頂圧発電用バグフィルター
用フェルトは一般的なニードルパンチ加工工程によって
作成した。支持層として用いたポリイミド繊維(Inspec
Fibres社製、P84)は、960デニール、480フィ
ラメントで240℃下での初期引張弾性率が7.8(g/
d)であり、タテ18本/inch、ヨコ10本/inchにて平織
りにして支持層として用いた。また、ろ過層を形成する
繊維は同じくポリイミド繊維を用い、2デニール、51
mmの短繊維で、ランダムな異形断面をしたものである。
これら支持層とろ過層をニードルパンチ工程でフェルト
とし、熱カレンダーロールや熱風処理さらにはろ過面の
毛焼きを行ない、目付422(g/m2)のフェルトを得た。
その後、縫製部をシェルステッチにて縫製し、バグフィ
ルター用ろ布を得た。このろ布の240℃下でのタテ方
向の引張強力は69(kgf/5cm)であった。
【0026】(実施例2)実施例1で得られたフェルト
を、水分散のフッ素系撥水撥油剤(高松油脂社製、TK
ガードNA996、ネオラックスR−500、キャタラ
イザー22Bの混合溶液)に浸漬し、マングルで絞り、
140℃×120s熱処理し、約3%のフッ素系樹脂に
よる被覆を行った。得られたフェルトは目付437(g/m
2)で、その後、実施例1と同様にシェルステッチにて縫
製した。得られたろ布の240℃下でのタテ方向の引張
強力は64(kgf/5cm)であった。
【0027】(実施例3)実施例1と同様な支持層を用
いた。ろ過層は、ポリイミド短繊維とポリテトラフルオ
ロエチレン短繊維を重量比で65:35で混綿したもの
を用いた。ポリテトラフルオロエチレン短繊維(レンチ
ング社製PTFE繊維)は、平均繊度2.4デニール、
60mmで、もともと0.5〜7デニールの繊度分布を
持つものを用いた。実施例1と同様にニードルパンチ工
程によりフェルトを得、各種熱処理を行った。実施例
1,2と同様にシェルステッチにて縫製し、目付475
(g/m2)、240℃下でのタテ強力が66(kgf/5cm)のろ
布を得た。
【0028】(実施例4)支持層には、ポリベンズビス
オキサゾール繊維(東洋紡績(株)製)、1000デニ
ール664フィラメントで強度40(g/d)、室温での初
期引張弾性率1300(g/d)、240℃下での初期引張
弾性率は1032(g/d)のものを用いた。支持層はタテ
12本/inch、ヨコ10本/inchにて平織りにして用い
た。短繊維は同じくポリベンズビスオキサゾール短繊維
(東洋紡績(株)製)、1.5デニール、36(g/d)、
44mmを用いた。実施例1〜3と同様に支持層とろ過層
をニードルパンチ工程で一体化させフェルトとし、熱カ
レンダーや熱処理、さらには毛焼き等を行い、目付44
4(g/m2)のフェルトを得た。その後シェルステッチにて
縫製した。このろ布の240℃下でのタテ方向に引張強
力は562(kgf/5cm)であった。
【0029】(実施例5)実施例4で得られたポリベン
ズビスオキサゾール繊維からなるフェルトを、実施例2
と同様なフッ素樹脂による加工を行った。得られたフェ
ルトは、目付465(g/m2)であり、シェルステッチによ
って縫製した。得られたろ布の240℃下のタテ方向の
引張強力は547(kgf/5cm)であった。
【0030】(実施例6)実施例1で得られたろ布の縫
製部を、単なる重ね合わせ部を縫製するという方法でろ
布を作成した。
【0031】(比較例1)実施例1と同様な支持層用の
960デニール480フィラメントのポリイミド繊維を
用い、織密度がタテ10本/inch、ヨコ10本/inchにて
平織りの支持層を得た。ろ過層には実施例1と同様なポ
リイミド短繊維を用い、ニードルパンチ工程によって一
体化した。その後、実施例同様な各種熱処理などを行な
い、シェルステッチにて縫製した。得られたろ布は、2
40℃下での引張強力が38(kgf/5cm)であった。
【0032】(比較例2)支持層として用いたポリイミ
ド繊維(未熱セット糸)は、240℃下での初期引張弾
性率が4.7(g/d)のものを用いて、実施例と同様な織
密度で支持層を作成し、ろ過層はポリイミド短繊維を用
いた。ニードルパンチ工程や熱処理を施したフェルトを
シェルステッチにて縫製し、目付405(g/m2)、240
℃下のタテ強力は67(kgf/5cm)のろ布を得た。
【0033】(比較例4)支持層に用いた繊維は、ポリ
テトラフルオロエチレン繊維(レンチング社製、プロフ
ィレン)、400デニール長繊維で、240℃下での初
期引張弾性率は6.8(g/d)であり、ガラス転移温度は
126℃であることが知られている。この繊維をタテ5
0本/inch、ヨコ50本/inchにて平織りの支持層を得
た。ろ過層は同じくポリテトラフルオロエチレン短繊維
(レンチング社製プロフィレン(2.4デニール、60
mm)を用いて、ニードリパンチ加工によってフェルト
化し各種熱処理を行った。その後シェルステッチにて縫
製し、目付733(g/m2)、240℃下での強力は42(k
gf/5cm)のろ布を得た。
【0034】(比較例5)支持層とろ過層がm−アラミ
ド繊維からなり樹脂加工により耐酸処理したバグフィル
ター用フェルトを用いた。目付520(g/m2)、240℃
下でのタテ強力は50(kgf/5cm)であった。
【0035】上記実施例1〜6、及び比較例1〜4につ
いて、各種特性値及び結果を表1に示す。
【0036】
【表1】 以上のように、炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布の支
持層に用いる繊維の高温下での弾性率や、ろ布の高温下
でのタテ引張強力を規定し、さらに、プレッシャークッ
カ−評価においても高い耐久性を示し、縫製部もシェル
ステッチにした実施例1〜5は、実機に投入してもろ布
の強度保持率がいずれも90%以上で非常に高く、ろ布の
伸びや破損なども一切見られず、非常に高い耐久性を示
すことが判る。また、実施例4ではプレッシャークッカ
−での評価では強力保持率が48%で、6ヶ月後の実機
での強力保持率は51%であったが、絶対値では372
(kgf/5cm)と非常に高く十分な耐久性を示すことができ
る。実施例5については、フッ素系樹脂加工によってポ
リベンズビスオキサゾール繊維であってもプレッシャー
クッカ‐や使用後でも非常に高い耐久性を示している。
また実施例6のものは縫製部が単なる重ね縫いでありろ
布の耐久性は実用上問題はなかったが、縫製部の素抜け
破損などが見られた。一方、ポリイミド繊維からなるろ
布であっても比較例1〜2に見られるように240℃下で
のろ布強力や支持層の弾性率が低く、ろ布の破損や伸び
が見られた。また、比較例3では耐プレッシャークッカ
−性などに優れるポリテトラフルオロエチレンを支持層
に用い実際に、使用後の強力保持率は約100%と非常に高
かったが、使用温度よりもカ゛ラス転移温度が低いために予
想通り高温下でのクリーフ゜によりろ布の伸びが発生し、ろ
過特性など十分な性能が発揮できなかった。また、比較
例4のm−アラミド繊維からなるろ布は、プレッシャー
クッカ−試験に見られるように高温・高圧下での耐加水
分解性に弱く、実機にても強力の低下が大きかった。ま
た、m-アラミドはポリイミドやポリベンゾビスオキサゾ
ールと比べるとガラス転移温度の差にも見られるように
耐熱性が低く、発電効率が低いと言った問題が容易に予
測できる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、高温・高圧下、さらに
は逆洗方式にて使用される炉頂圧発電用バグフィルター
用ろ布において、長期にわたって高い耐久性を示すろ布
を提供することを可能とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D019 AA01 BA13 BB02 BB03 BB10 BC12 BC13 BD01 CA03 CA04 CB04 DA01 DA04 4D058 JA04 JB14 JB24 JB25 JB41 JB44 JB46 KA23 KA25 SA20 4F100 AG00A AK01B AK18A AK47A AK49A AK49B AK57A BA02 DE01B DG01A DG01B DG11 DG15 EC091 GB56 JA05B JJ03B JK01B JK07B YY00B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性繊維からなる炉頂圧発電用バグフィ
    ルター用ろ布において、支持層とろ過層が積層一体化し
    た構造体であって、該構造体の240℃下での少なくと
    も一方向の強力が40kgf/5cm以上であり、前記支持層
    を構成する耐熱性繊維のガラス転移温度が240℃以上
    で、且つ160℃、79%RH,4kg/cm2Gのプレッシ
    ャークッカ−試験において500時間後の強力保持率が
    30%以上であることを特徴とする炉頂圧発電用バグフ
    ィルター用ろ布。
  2. 【請求項2】支持層を構成する耐熱性繊維の240℃下
    での初期引張弾性率が5g/d以上であることを特徴とす
    る請求項1記載の炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布。
  3. 【請求項3】支持層がポリイミド繊維及び/又はポリベ
    ンザゾール繊維からなることを特徴とする請求項1記載
    の炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布。
  4. 【請求項4】ろ過層がポリイミド繊維、ポリベンザゾー
    ル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリテトラ
    フルオロエチレン繊維、m−アラミド繊維及びガラス繊
    維から選ばれる1種もしくは2種類以上の繊維からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の炉頂圧発電用バグフィ
    ルター用ろ布。
  5. 【請求項5】バグフィルター用ろ布がシェルステッチに
    より筒状に縫製一体化されてなることを特徴とする請求
    項1記載の炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布。
  6. 【請求項6】バグフィルター用ろ布がろ過面側にフッ素
    系樹脂層を設けてなることを特徴とする請求項1記載の
    炉頂圧発電用バグフィルター用ろ布。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002370020A (ja) * 2001-06-13 2002-12-24 Nitto Denko Corp タービン用吸気フィルタ濾材およびその使用方法と製造方法
JP2011005860A (ja) * 2003-03-31 2011-01-13 Toray Ind Inc フィルター材
EP1302229B2 (en) 2001-10-12 2015-01-07 Toyobo Co., Ltd. Bag filters
JP2016073960A (ja) * 2014-10-09 2016-05-12 日本ゼム株式会社 アスファルトプラント用集塵装置のフィルタバグ
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