JP2000355599A - 新規抗真菌化合物 - Google Patents

新規抗真菌化合物

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JP2000355599A
JP2000355599A JP2000111669A JP2000111669A JP2000355599A JP 2000355599 A JP2000355599 A JP 2000355599A JP 2000111669 A JP2000111669 A JP 2000111669A JP 2000111669 A JP2000111669 A JP 2000111669A JP 2000355599 A JP2000355599 A JP 2000355599A
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ion
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methanol
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JP2000111669A
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English (en)
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Takahisa Ooyama
高央 大山
Hiroko Kurihara
裕子 栗原
Tomio Ishikawa
富雄 石川
Shunichi Miyakoshi
俊一 宮越
Kiyoshi Hamano
潔 浜野
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規抗真菌化合物を提供すること。 【解決手段】下記式(a) 【化1】 で示される化合物IAもしくはそのプロドラッグ又はそ
れらの塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規抗真菌化合
物、それらの使用、それらを有効成分として含有する医
薬、それらを有効成分として含有する抗真菌剤等に関す
る。
【0002】
【従来の技術】医療現場における抗菌性抗生化合物の繁
用、白血病や後天性免疫不全症候群などにより免疫力の
低下したいわゆるコンプロマイズドホストの増加などに
より、近年では深在性真菌症例が増加している。それに
対し現在わが国で市販されている抗深在性真菌剤は、有
効性、抗菌スペクトル、安全性等の面からみて満足しう
るものは少なく、さらに、これら抗深在性真菌剤に対し
耐性菌が出現しつつあることなどの問題がある。このよ
うに、臨床ではこれらの問題点を克服した新しい抗真菌
剤が待ち望まれている。
【0003】かかる状況下、真菌の主要な細胞壁構成成
分である1,3−β−グルカンの合成を阻害する薬剤す
なわち1,3―β―グルカン合成酵素(1,3−β−g
lucan synthase)阻害剤は、該酵素が真
菌に特異的に存在すること、殺菌的作用も期待できるこ
と等の理由から安全で効果的な抗真菌薬として期待がも
たれている。
【0004】該酵素阻害剤としては、これまでにパプラ
カンジン類(Roemmele,G. et al.
(1983)Journal of Antibiot
ics,36,p1539以下参照)、エキノカンジン
類(Debono,M. etal.(1995)Jo
unal of Medicinal Chemist
ry,38,p3271以下参照)、ニューモカンジン
類(Hensens,O.D. et al.(199
2)Journal of Antibiotics,
45,p1875以下参照)、アクレアシン類(Tak
eshima,H. et al.(1989)Jou
rnal of Biochemistry,105,
p606以下参照)などが報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、新規な
生理活性化合物を得べく自然界から多くの微生物を分離
し、その生産物の生理活性を調べていたところ、新たに
山口県宇部市において採集された植物葉より分離した無
胞子性の糸状菌SANK 17397株の培養物に強い
抗真菌活性を有する化合物が生産されることを見いだし
た。さらに、これら化合物の誘導体を製造することによ
り、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、1,3−β−グルカ
ン合成酵素阻害活性を有しヒト又は動物の真菌症の治療
剤として有用な新規化合物、それらの使用、それらを有
効成分として含有する医薬及びそれらを有効成分として
含有する抗真菌剤を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)下記式
(a)
【0008】
【化13】 で表わされる化合物IAもしくはそのプロドラッグ又は
それらの塩、(2)下記式(b)
【0009】
【化14】 で表わされる化合物IBもしくはそのプロドラッグ又は
それらの塩、(3)下記式(c)
【0010】
【化15】 で表わされ、下記の理化学的性状を有する化合物IIA
もしくはそのプロドラッグ又はそれらの塩: 1)化合物の性状:酸性脂溶性白色粉末: 2)分子式:C591041219: 3)分子量:1284(FAB−MS法): 高分解能FAB−MS[M+H]+(C591051219
して) 実測値:1285.7628 計算値:1285.7619 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収: 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
-1):3307, 3068, 2928, 2856, 1667, 1537, 1438, 14
07, 1203, 1132, 1023, 593 6)13C−核磁気共鳴スペクトル(δ,ppm):ジュ
ウテリウム置換したジメチルスルフォキシド中で、ジュ
ウテリウム置換したジメチルスルフォキシドの溶媒スペ
クトルを内部標準として測定した核磁気共鳴スペクトル
(90MHz)は、次に示す通りである:176.0(s), 17
2.8(s), 172.6(s), 172.3(s), 172.0(s), 171.8(s), 17
1.6(s), 171.6(s), 170.7(s), 170.7(s), 170.7(s), 17
0.6(s), 169.0(s), 69.6(d), 69.1(d), 67.1(d), 66.7
(d), 66.6(d), 59.1(d), 58.5(d), 53.9(d), 53.1(d),
49.8(d), 49.5(d), 49.5(d), 48.6(d), 42.1(t), 37.2
(t), 37.2(t), 37.2(t), 36.3(t), 36.3(t), 36.1(t),
35.2(t), 34.6(t), 33.3(t), 31.7(t), 31.4(t), 31.3
(t), 29.3(t), 29.3(t), 29.1(t), 29.0(t), 29.0(t),
28.9(t), 28.7(t), 28.7(t), 26.6(t), 25.5(t), 25.3
(t), 25.3(t), 25.3(t), 22.1(t), 22.1(t), 20.3(q),
19.7(q), 17.5(q), 14.0(q), 14.0(q) 7)溶解性:ジメチルスルフォキシドに易溶: 8)アミノ酸分析:加水分解物としてアスパラギン酸、
スレオニン、アラニン、グリシン、β−アラニンが認め
られた、(4)下記式(d)
【0011】
【化16】 で表わされ、下記の理化学的性状を有する化合物IIB
もしくはそのプロドラッグ又はそれらの塩: 1)化合物の性状:酸性脂溶性白色粉末: 2)分子式:C591041219: 3)分子量:1284(FAB−MS法): 高分解能FAB−MS[M+H]+(C591051219
して): 実測値:1285.7638 計算値:1285.7619 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収: 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
-1):3308, 3066, 2926, 2854, 1656, 1536, 1456, 14
05, 1252, 1106, 1025, 639 6)13C−核磁気共鳴スペクトル(δ,ppm):ジュ
ウテリウム置換したジメチルスルフォキシド中で、ジュ
ウテリウム置換したジメチルスルフォキシドの溶媒スペ
クトルを内部標準として測定した核磁気共鳴スペクトル
(90MHz)は、次に示す通りである:177.3(s), 17
2.7(s), 172.7(s), 172.6(s), 172.6(s), 171.8(s), 17
0.9(s), 170.9(s), 170.7(s), 170.7(s), 170.5(s), 17
0.5(s), 168.9(s), 69.6(d), 69.1(d), 67.8(d), 66.7
(d), 66.5(d), 59.5(d), 58.5(d), 54.0(d), 52.9(d),
50.4(d), 50.0(d), 49.5(d), 48.9(d), 42.3(t), 37.3
(t), 37.3(t), 37.3(t), 36.6(t), 36.1(t), 36.1(t),
35.3(t), 34.6(t), 33.3(t), 31.6(t), 31.4(t), 31.4
(t), 29.4(t), 29.3(t), 29.2(t), 29.1(t), 29.1(t),
29.0(t), 28.8(t), 28.8(t), 26.6(t), 25.5(t), 25.4
(t), 25.3(t), 25.3(t), 22.1(t), 22.1(t), 20.2(q),
19.8(q), 17.6(q), 14.0(q), 14.0(q) 7)溶解性:ジメチルスルフォキシドに易溶: 8)アミノ酸分析:加水分解物としてアスパラギン酸、
スレオニン、アラニン、グリシン、β−アラニンが認め
られた、(5)下記式(e)
【0012】
【化17】 で表わされる化合物IIIAもしくはそのプロドラッグ
又はそれらの塩、(6)下記式(f)
【0013】
【化18】 で表わされる化合物IIIBもしくはそのプロドラッグ
又はそれらの塩、(7)下記式(g)
【0014】
【化19】 で表わされる化合物IVAもしくはそのプロドラッグ又
はそれらの塩、(8)下記式(h)
【0015】
【化20】 で表わされる化合物IVBもしくはそのプロドラッグ又
はそれらの塩、(9)下記式(i)
【0016】
【化21】 で表わされる化合物VAもしくはそのプロドラッグ又は
それらの塩、(10)下記式(j)
【0017】
【化22】 で表わされる化合物VBもしくはそのプロドラッグ又は
それらの塩、(11)下記式(k)
【0018】
【化23】 で表わされる化合物VIAもしくはそのプロドラッグ又
はそれらの塩、(12)下記式(l)
【0019】
【化24】 で表わされる化合物VIBもしくはそのプロドラッグ又
はそれらの塩、(13)(1)乃至(12)のいずれか
一つに記載の化合物を有効成分として含有する医薬、
(14)(1)乃至(12)のいずれか一つに記載の化
合物を有効成分として含有する抗真菌剤、及び、(1
5)(1)乃至(12)のいずれか一つに記載の化合物
の使用、に関する。
【0020】本発明の化合物は、ヒト及び動物に感染す
る病原性を示すカンジダ・アルビカンス(Candid
a albicans)等の真菌に対して抗真菌活性を
有する。また、本発明の化合物はアスペルギルス・フミ
ガタス(Aspergillus fumigatu
s)から調製した1,3−β−グルカン合成酵素の可溶
化標品のグルカン合成活性を低濃度で阻害する。
【0021】本発明の化合物は、以下の一般式(m):
【0022】
【化25】 (式中、R1が3−ヒドロキシドデシル基且つR2が8−
ヒドロキシドデシル基である化合物は化合物IA、R1
3−ヒドロキシドデシル基且つR2が8−ヒドロキシテ
トラデシル基である化合物は化合物IIA、R1が3−ヒ
ドロキシドデシル基且つR2が8−ヒドロキシトリデシ
ル基である化合物は化合物IIIA、R1が3−ヒドロキ
シドデシル基且つR2が8−オキソテトラデシル基であ
る化合物は化合物IVA、R1が3−ヒドロキシトリデシ
ル基且つR2が8−ヒドロキシテトラデシル基である化
合物は化合物VA、R1が3−ヒドロキシテトラデシル基
且つR2が8−ヒドロキシテトラデシル基である化合物
は化合物VIAである。)、又は、以下の一般式
(n):
【0023】
【化26】 (式中、R1が3−ヒドロキシドデシル基且つR2が8−
ヒドロキシドデシル基である化合物は化合物IB、R1
3−ヒドロキシドデシル基且つR2が8−ヒドロキシテ
トラデシル基である化合物は化合物IIB、R1が3−ヒ
ドロキシドデシル基且つR2が8−ヒドロキシトリデシ
ル基である化合物は化合物IIIB、R1が3−ヒドロキ
シドデシル基且つR2が8−オキソテトラデシル基であ
る化合物は化合物IVB、R1が3−ヒドロキシトリデシ
ル基且つR2が8−ヒドロキシテトラデシル基である化
合物は化合物VB、R1が3−ヒドロキシテトラデシル基
且つR2が8−ヒドロキシテトラデシル基である化合物
は化合物VIBである。)で表すこともできる。
【0024】本発明の化合物IA、化合物IB、化合物I
IA、化合物IIB、化合物IIIA、化合物IIIB、化
合物IVA、化合物IVB、化合物VA、化合物VB、化合
物VIA及び化合物VIBは、それぞれいくつかの不斉炭
素原子を有する。それゆえ、種々の光学異性体が存在す
る。本発明においては、これら化合物の各異性体がすべ
て単一の式で示されているが、本発明は、ラセミ化合物
を含むこれらの異性体及びこれらの異性体の混合物をも
すべて含むものである。
【0025】本発明の化合物IA、化合物IB、化合物I
IA、化合物IIB、化合物IIIA、化合物IIIB、化
合物IVA、化合物IVB、化合物VA、化合物VB、化合
物VIA及び化合物VIBは、当業者に周知の方法を用い
て塩にすることができる。本発明はそのような各化合物
の塩も包含する。
【0026】本発明の各化合物の塩としては、医学的に
使用され薬理学的に許容されるものが特に好適である
が、このような塩として、例えば、ナトリウム塩、カリ
ウム塩、リチウム塩、のようなアルカリ金属塩、カルシ
ウム塩、マグネシウム塩、のようなアルカリ土類金属
塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル
塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無
機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モ
ルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキ
ルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカ
ミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチル
アミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N'−ジベ
ンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロ
カイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェ
ネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニ
ア塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のよ
うな有機アミン塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アル
ギニン塩、オルニチン塩、アスパラギン塩のようなアミ
ノ酸塩等を挙げることができる。
【0027】本発明の化合物IA、化合物IB、化合物I
IA、化合物IIB、化合物IIIA、化合物IIIB、化
合物IVA、化合物IVB、化合物VA、化合物VB、化合
物VIA又は化合物VIBが溶剤和物(例えば水和物)を
形成する場合は、これらもすべて本発明に含まれる。例
えば、本発明の化合物IA、化合物IB、化合物IIA、
化合物IIB、化合物IIIA、化合物IIIB、化合物
IVA、化合物IVB、化合物VA、化合物VB、化合物V
IA又は化合物VIBが、大気中に放置されたり、または
再結晶することにより、水分を吸収し、吸着水が付着し
たり、水和物を形成する場合がある。本発明にはこのよ
うな溶剤和物も含まれる。
【0028】さらに、本発明の化合物プロドラッグ、プ
ロドラッグの塩又は溶剤和物も本発明に含まれる。プロ
ドラッグとは、ヒト又は動物体内で加水分解等の化学的
若しくは生物学的方法により開裂し本発明の化合物又は
その塩を生成する基によって本発明の化合物IA、化合
物IB、化合物IIA、化合物IIB、化合物IIIA、化
合物IIIB、化合物IVA、化合物IVB、化合物VA、
化合物VB、化合物VIA又は化合物VIBの有する官能
基が保護された誘導体である。そのような誘導体がプロ
ドラッグであるか否かは、ラットやマウスのような実験
動物に経口投与又は静脈内投与した後、その動物の体液
中に本発明の化合物又はその塩が検出されるか否かによ
り判定され得る。本発明の化合物IA、化合物IB、化合
物IIA、化合物IIB、化合物IIIA、化合物III
B、化合物IVA、化合物IVB、化合物VA、化合物V
B、化合物VIA又は化合物VIBは、カルボキシル基、
水酸基等の官能基を有するので、これらの官能基におい
て薬理上許容される誘導体に導くことができる。そのよ
うな薬理上許容される誘導体としては、例えば、カルボ
キシル基がエステル化された誘導体、水酸基がアシル基
で置換された誘導体等を挙げることができる。
【0029】カルボキシル基とエステルを形成するよう
な基としては、例えば、炭素数1乃至16のアルキル
基、炭素数6乃至18のアリル基、炭素数7乃至23の
アラルキル基等を挙げることができる。これらのアルキ
ル基、アリル基、アラルキル基等は、水酸基、カルボキ
シル基、リン酸基等で置換されていてもよい。
【0030】炭素数1乃至16のアルキル基としては、
例えば、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、ペンチル、ピバリル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル、ノニル、デシル、3−メチルノニル、8−メチ
ルノニル、3−エチルオクチル、3,7−ジメチルオク
チル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシ
ル、ペンタデシル、ヘキサデシル、1−メチルペンタデ
シル、14−メチルペンタデシル、13,13−ジメチ
ルペンタデシル等の基を挙げることができる。
【0031】炭素数6乃至18のアリル基としては、フ
ェニル、トリル、ナフチル等の基を挙げることができ
る。
【0032】炭素数7乃至23のアラルキル基として
は、ベンジル、フェネチル等の基を挙げることができ
る。
【0033】水酸基を置換するようなアシル基として
は、例えば、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、アルコ
キシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、ア
ミノアシル基又は燐酸基等を挙げることができる。
【0034】脂肪族アシル基としては、例えば、ホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバレリ
ル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、3−メチ
ルノナノイル、8−メチルノナノイル、3−エチルオク
タノイル、3,7−ジメチルオクタノイル、ウンデカノ
イル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイ
ル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、1−メチル
ペンタデカノイル、14−メチルペンタデカノイル、1
3,13−ジメチルテトラデカノイル、ヘプタデカノイ
ル、15−メチルヘキサデカノイル、オクタデカノイ
ル、1−メチルヘプタデカノイル、ノナデカノイル及び
エイコサノイルのような炭素数1乃至20個のアルカノ
イル基等が挙げられる。これら脂肪族アシル基は、1乃
至3個の多重結合を有していてもよく、水酸基、カルボ
キシル基、燐酸基又はカルボキシル基で置換されていて
もよい。
【0035】芳香族アシル基としては、例えば、ベンゾ
イル、α−ナフトイル、β−ナフトイルのような炭素数
7乃至11個のアリ−ルカルボニル基等が挙げられる。
これら芳香族アシル基のアリ−ル環は、炭素数1乃至4
個のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸
基、カルボキシル基、炭素数1乃至4個のアルコキシカ
ルボニル基、炭素数1乃至4個のヒドロキシアルキル
基、炭素数1乃至4個の燐酸アルキル基又は炭素数2乃
至5個のカルボキシアルキル基で置換されていてもよ
い。
【0036】アルコキシカルボニル基又はアラルキルオ
キシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、
イソブトキシカルボニル基のような炭素数2乃至20個
のアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル
のような炭素数8乃至20個のアラルキルオキシカルボ
ニル基等が挙げられる。これらアルコキシカルボニル基
のアルキル部分又はアラルキルオキシカルボニル基のア
リ−ル環は、炭素数1乃至4個のアルキル基、ハロゲン
原子、炭素数1乃至4個のアルコキシ基、水酸基、燐酸
基、カルボキシル基、炭素数1乃至4個のアルコキシカ
ルボニル基、炭素数1乃至4個のヒドロキシアルキル
基、炭素数1乃至4個の燐酸アルキル基又は炭素数2乃
至5個のカルボキシアルキル基で置換されていてもよ
い。
【0037】燐酸基としては、例えば、燐酸;メチル燐
酸、エチル燐酸、プロピル燐酸、ブチル燐酸、デシル燐
酸、オクタデシル燐酸のような炭素数1乃至20個のモ
ノアルキル燐酸基;ジメチル燐酸、ジエチル燐酸、ジプ
ロピル燐酸、ジブチル燐酸、ジデシル燐酸、ジオクタデ
シル燐酸のような炭素数1乃至20個のジアルキル燐酸
基等が挙げられる。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の化合物は、無胞子性の糸
状菌SANK 17397株を培養し、該培養液より、
下記一般式(o):
【0039】
【化27】 (式中、R1が3−ヒドロキシドデシル基且つR2が8−
ヒドロキシドデシル基である化合物を化合物I、R1
3−ヒドロキシドデシル基且つR2が8−ヒドロキシテ
トラデシル基である化合物を化合物II、R1が3−ヒ
ドロキシドデシル基且つR2が8−ヒドロキシトリデシ
ル基である化合物を化合物III、R1が3−ヒドロキ
シドデシル基且つR2が8−オキソテトラデシル基であ
る化合物を化合物IV、R1が3−ヒドロキシトリデシ
ル基且つR2が8−ヒドロキシテトラデシル基である化
合物を化合物V、R1が3−ヒドロキシテトラデシル基
且つR2が8−ヒドロキシテトラデシル基である化合物
を化合物VIと定義する。)で表される化合物を精製単
離し、これら化合物を酸性条件下で加水分解反応に供す
ることにより製造することができる。
【0040】化合物IA及び化合物IBは化合物Iより、
化合物IIA及び化合物IIBは化合物IIより、化合物
IIIA及び化合物IIIBは化合物IIIより、化合物
IVA及び化合物IVBは化合物IVより、化合物VA及
び化合物VBは化合物Vより、化合物VIA及び化合物V
IBは化合物VIより製造される。
【0041】化合物I、化合物II、化合物III、化
合物IV、化合物V及び化合物VIの好適な生産菌であ
る無胞子性の糸状菌SANK 17397株(以下、
「SANK 17397株」という。)は、以下のよう
な性質を有する。
【0042】SANK 17397株は山口県宇部市に
おいて採集された植物葉より分離された。
【0043】ポテトデキストロース寒天(potato
dextrose agar:以下、「PDA」とい
う。)培地上での生育は極めて抑制的で、直径は23
℃、14日で19mmに達する。コロニーは厚くビロー
ド状で、中央部で羊毛状となり2〜3mmほど隆起す
る。コロニー表面はオリーブ色(1F5)となり、隆起
部分と縁辺部は白色となる。コロニー中央から縁辺部に
向けて放射状の溝を形成する。コロニー裏面は暗青緑色
(24F3)となる。WSH培地上での生育は極めて抑
制的で、直径は23℃、14日で17mmに達する。基
底菌糸は薄く、気生菌糸は羊毛状から束状、中心部でや
や隆起し、中心部から同心円上に菌糸の長い部分が存在
する。コロニー表面はオリーブ色(1E3)で隆起部分
で灰白色(1B1)となる。裏面は暗灰色(1F1)で
縁辺部では明灰色(1B1)となる。
【0044】三浦培地での生育は極めて抑制的で、直径
は23℃、14日で18mmに達する。基底菌糸は薄
く、気生菌糸は羊毛状で、中央部で2〜3mmほど隆起
する。コロニー表面は橙白色(5A2)で、隆起部分は
明橙色(5A3)となる。裏面は中央で黒茶色(5F
4)、縁辺部に向けて橙白色(5A2)となる。
【0045】コーンミールアガー(corn meal
agar:以下、「CMA」という。)培地での生育
は極めて抑制的で、直径は23℃、14日で15mmに
達する。基底菌糸は薄く、気生菌糸は羊毛状で、中央部
で1〜2mmほど隆起する。コロニー表面は暗黄茶色
(5E6)で、隆起部分は白色となる。裏面は灰茶色
(5F3)で縁辺部では橙灰色(5B2)となる。
【0046】MEA培地での生育は極めて抑制的で、直
径は23℃、14日で14mmに達する。基底菌糸は薄
く、気生菌糸は羊毛状から束状で、中央部で1〜2mm
ほど隆起する。コロニー表面は暗黄茶色(5E6)で、
隆起部分は黒色となる。裏面は灰茶色(5F3)で縁辺
部では灰橙色(5B3)となる。M40Y培地での生育
は極めて抑制的で、直径は23℃、14日で9.7mm
に達する。基底菌糸は薄く、気生菌糸は短く、羊毛状か
ら束状で、中央部がやや隆起する。コロニー表面は黄灰
色(3C2)となる。裏面はオリーブ茶色(4F4)
で、縁辺部では淡黄色(4A3)となる。
【0047】以上の特徴は23℃で14日間培養後に観
察した。色調の記載は、「メチューン・ハンドブック・
オブ・カラー(Kornerup,A. and W
anscher,J.H., Methuen Han
dbook of Colour,:Methuen,
London,1978)第3版」に基づいておこなっ
た。
【0048】形態的特性は23℃で培養し、1〜3週間
後に観察した。菌糸はいずれの培地でも無色から褐色、
表面は滑面から粗面、分枝し、隔壁があり、直径1〜3
μm、しばしば束状に集まる。供試した培地では2週間
後でも有性胞子または分生子は形成しなかった。
【0049】SANK 17397株はPDA培地上で
5乃至30℃で生育可能で、37℃では生育しない。最
適温度は17乃至27℃である。以上のような性質を総
合的に検討した結果、このSANK 17397株を、
無胞子性の糸状菌であると同定した。
【0050】なお、SANK 17397株は、平成9
(1997)年9月25日付で日本国茨城県つくば市東
町1丁目1番3号の通商産業省工業技術院生命工学工業
技術研究所に国際寄託され、受託番号FERM BP−
6123を付された。
【0051】ここで使用した各培地の組成を以下に記
す。PDA培地 39gニッスイ ポテトデキストロース寒
天培地(日水製薬(株)製)、1L蒸留水WSH培地 10gオートミール、1g硫酸マグネシウ
ム七水和物、1gリン酸二水素カリウム、1g硝酸ナト
リウム、20g寒天、1L水三浦培地 1gグルコース、2gリン酸二水素カリウ
ム、0.2g硫酸マグネシウム七水和物、0.2g塩化
カリウム、2g硝酸ナトリウム、0.2g酵母エキス、
113g寒天、1L蒸留水CMA培地 17gニッスイ コーンミールアガール
(日水製薬(株)製)、1L蒸留水MEA培地 20g麦芽エキス、20g寒天、1L水M40Y培地 400gショ糖、20g麦芽エキス、5
g酵母エキス、20g寒天、1L水 なお、上記培地の滅菌は、全て、121℃で20分間行
なった。培養法及び精製法 化合物I、化合物II、化合物III、化合物IV、化
合物V及び化合物VIは、SANK 17397株等の
該化合物の生産菌を、炭素源及び窒素源等を含有する液
体培地で培養することにより得ることができる。液体培
地は無機塩類、ビタミン類、微量金属類、硫黄化合物
類、消泡剤等を含んでもよい。また、培養は、好ましく
は好気条件下にて行う。
【0052】液体培地に含まれる炭素源としては、例え
ば、グルコース、澱粉、デキストリン、グリセリン、果
糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖、マンニトール、オート麦
粉、ライ麦粉、トウモロコシデンプン、ジャガイモ、ト
ウモロコシ粉、大豆粉、麦芽エキス、これら2つ以上の
組み合わせを挙げることができ、好適にはグルコース、
澱粉、デキストリン及びグリセリンである。液体培地が
これらの炭素源を含む割合は、上限が5重量%乃至10
重量%、下限が0.1重量%乃至0.5重量%であり、
好適な範囲は0.5重量%乃至5重量%である。
【0053】液体培地に含まれる窒素源としては、例え
ば、グルタミン、シスチン、アラニン、グリシン、プロ
リン、スレオニン、その他のアミノ酸、フスマ、落花生
粉、カゼイン加水分解物、魚粉、麦芽エキス、大豆粉、
大豆カゼイン、カザミノ酸、ファーマメディア(サザン
・コットン・オイル社製)、綿実粉、小麦胚芽、肉エキ
ス、ペプトン、コーンスチープリカー、自己消化イース
ト、乾燥酵母、酵母エキス、アンモニウム塩、これら2
つ以上の混合物等を挙げることができ、好適にはアミノ
酸、フスマ、落花生粉、カゼイン加水分解物、魚粉、麦
芽エキス、大豆粉、大豆カゼイン、カザミノ酸、ファー
マメディア(サザン・コットン・オイル社製)、綿実
粉、小麦胚芽、肉エキス、ペプトン、コーンスチープリ
カー、自己消化イースト、乾燥酵母、酵母エキス、及び
これら2つ以上の混合物である。アミノ酸としては、例
えば、グルタミン、シスチン、アラニン、グリシン、プ
ロリン、スレオニン等を挙げることができる。アンモニ
ウム塩としては、例えば、硫酸アンモニウム、硝酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウム等を挙
げることができる。液体培地がこれらの炭素源を含む割
合は、上限が10重量%乃至30重量%、下限が0.0
1重量%乃至0.1重量%であり、好適な範囲は0.1
重量%乃至10重量%である。
【0054】無機塩類としては、イオン化し得るもので
あれば特に限定されないが、例えば、ナトリウム、カリ
ウム、マグネシウム、アンモニウム、カルシウム、フォ
スフェート、サルフェート、クロライド、カーボネート
等を挙げることができる。
【0055】ビタミン類としては、例えば、ビタミンB
1、ビオチン、チアミン等を挙げることができる。
【0056】微量金属類としては、例えば、鉄、銅、マ
ンガン、鉄、モリブデン、亜鉛等をあげることができ
る。
【0057】硫黄化合物類としては、例えば、硫酸亜
鉛、硫酸銅、硫酸第一鉄、硫酸アンモニウムのような硫
酸塩;チオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩;亜硫
酸アンモニウムのような亜硫酸塩等の無機硫黄化合物;
シスチン、システイン、L−チアゾリジン−4−カルボ
ン酸のような含硫アミノ酸;ヒポタウリン、グルタチオ
ンのような含硫ペプチド等の有機硫黄化合物等を挙げる
ことができる。
【0058】消泡剤としては、例えば、シリコンオイ
ル、ポリアルキレングリコールエーテル、植物油、動物
油、界面活性剤等を挙げることができる。
【0059】本発明の化合物IA、化合物IB、化合物I
IA、化合物IIB、化合物IIIA、化合物IIIB、化
合物IVA、化合物IVB、化合物VA、化合物VB、化合
物VIA又は化合物VIBの製造原料となる化合物I、化
合物II、化合物III、化合物IV、化合物V又は化
合物VIの好ましい製造方法は、SANK 17397
株等、該化合物の生産菌の胞子または菌糸体を前述の液
体培地に接種した後に好気条件下において培養し、その
培養物から該化合物を採取することからなる。
【0060】一般に醗酵工程は、傾斜寒天培地上に生育
させた菌を種菌培地に接種し、その後に、本発明化合物
の生産菌の種菌となる微生物を生育する工程(以下、こ
の工程を「種菌培養」という。)より開始される。種菌
培養に使用する培地としては前述の液体培地のいずれも
を使用することができる。傾斜寒天培地上に生育させた
菌を、滅菌したフラスコ中の液体培地に接種し、該フラ
スコを振とうしつつ保温する。振とう速度の範囲は、下
限が50乃至190回転/分(revolutions
per minute:以下、「rpm」とい
う。)、上限が220乃至400rpmであり、好適な
範囲は190乃至220rpmである。保温温度の範囲
は、下限が15乃至20℃、上限が26乃至30℃であ
り、好適な範囲は20乃至26℃である。種菌培養の培
養日数の範囲は、下限が2乃至3日、上限が5乃至10
日であり、好適な範囲は3乃至5日である。種菌培養は
必要に応じて複数回行い、徐々に培養スケールを拡大す
ることも可能である。この場合、2回目以降の種菌菌養
の培養時間を短縮することも可能である。
【0061】生育が十分になったら、種菌培養液を原料
化合物製造用培地(以下、「製造用培地」という。)に
接種するのに用いる。製造用培地としては、上記の液体
培地を使用することができ、培養条件に応じて、種菌培
養に使用する培地と同じ培地又は若干組成等の異なる培
地が用いられる。この製造用培地中で本発明の化合物の
生産菌を培養し、本発明の各化合物を得ることができ
る。
【0062】原料化合物を製造するための培養方法とし
ては、通常微生物の大量培養に用いられる培養法であれ
ば特に限定はないが、例えば、撹拌培養法、振盪培養
法、通気培養法等を挙げることができる。ここで挙げら
れたいずれの培養法も、好気的条件下で行うことが好ま
しい。工業的培養には、通気撹拌培養法が適している。
滅菌したフラスコ中の製造用培地に種培養液を接種し、
該フラスコを振とうしつつ又は振とうせずに保温する。
振とう速度の範囲は、下限が50乃至190rpm、上
限が220乃至400rpmであり、好適な範囲は19
0乃至220rpmである。保温温度の範囲は、下限が
17乃至20℃、上限が26乃至28℃であり、好適な
範囲は20乃至26℃である。培養日数の範囲は、下限
が3乃至5日、上限が14乃至20日であり、好適な範
囲は5乃至14日である。製造用培地のpHの範囲は、
下限がpH3.5乃至4.5、上限が7.0乃至8.0
であり、好適な範囲は4.5乃至7.0である培養終了
後の培養物のpHを修正する。修正した後のpHの範囲
は、下限がpH3乃至5、上限がpH7乃至9であり、
好適な範囲はpH5乃至7である。これを水と混合し得
る溶媒と混和し、菌糸体をろ過する。水と混和し得る溶
媒としては、通常水性の微生物培養液と混和し得る溶媒
であれば特に限定されないが、例えば、アセトン、メタ
ノール、エタノール及びそれらの混合物等が挙げられ
る。該培養液と水と混和し得る溶媒とを混和させる割合
(該培養液:水と混和し得る溶媒)の範囲は、通常2:
1乃至1:5であり、好適には1:1である。
【0063】回収された濾液から、化合物I、化合物I
I、化合物III、化合物IV、化合物V又は化合物V
Iを以下に記載する方法を用いて精製単離できる。
【0064】すなわち: (a)水性濾液を、好ましくはpHを中性に調整した
後、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジクロロメタ
ン、酢酸ブチル、ブタノール等の水に混和しない溶媒で
抽出する。 (b)例えば、アンバーライトXAD−11(ローム・
アンド・ハース社製)、ダイヤイオンHP−20(三菱
化学(株)製)等の樹脂を充填したカラムへ水性濾液を
添加し、メタノールを90%(容量/容量:以下、「v/
v」という。)と水を10%(v/v)含む有機溶媒ま
たはアセトンを90%(v/v)と水を10%(v/v)
含む有機溶媒等により溶出する。
【0065】上記(a)、(b)は、単独または組み合
わせて用いることができ、また、必要に応じて繰り返し
用いることもできる。
【0066】次に、これらの方法を用いて得られた画分
を減圧下に乾燥して部分精製画分を得ることができる。
その後、該部分精製画分は吸着および分配クロマトグラ
フィー等のいくつかの分離工程に供与される。
【0067】クロマトグラフィーによる分離は、非イオ
ン性吸着剤等を用いる、本技術分野で慣用されているカ
ラムクロマトグラフィーにより行うことができる。例え
ば、シリカゲルを吸着剤として使用する場合、溶離液と
してはメタノール、クロロホルム、酢酸、水等を単独ま
たは組み合わせて用いることができる。逆相クロマトグ
ラフィーを行う場合、吸着剤としては、C8又はC18
固定相シリカゲルが好適に用いられる。逆相クロマトグ
ラフィーに好ましい溶離液としては、例えば、水、メタ
ノール、アセトニトリル、それら2つ以上の混合溶媒等
を挙げることができる。
【0068】上記のような各精製手段を経て得られる目
的化合物を含む画分は、該画分中に含まれる溶媒を留去
して、又は留去せずに、次の精製段階に供与される。溶
媒を留去する方法としては、通常溶媒を留去する方法で
あれば特に限定されないが、例えば、回転式エバポレー
タを用いた減圧下での濃縮等が挙げられる。単離画分も
同様に溶媒を留去して得られる。
【0069】本発明の化合物IA、化合物IB、化合物I
IA、化合物IIB、化合物IIIA、化合物IIIB、化
合物IVA、化合物IVB、化合物VA、化合物VB、化合
物VIA又は化合物VIBは、上記のような精製手段によ
り得られた化合物I、化合物II、化合物III、化合
物IV、化合物V又は化合物VIを酸性条件下で加水分
解反応に供することにより製造できるが、該加水分解反
応に供する化合物I、化合物II、化合物III、化合
物IV、化合物V又は化合物VIの精製度に特に限定は
なく、例えば、SANK 17397株培養液の抽出
物、粗画分、部分精製画分、単離画分等が該反応に使用
できる。該反応に使用される上記のような各精製段階の
原料化合物は、溶媒を留去し乾固した状態にあることが
望ましい。溶媒を留去する方法としては、通常溶媒を留
去する方法であれば特に限定されないが、例えば、回転
式エバポレータを用いた減圧下での濃縮等が挙げられ
る。
【0070】SANK 17397株培養液の抽出物
は、上記方法で培養された該株の培養液に水と混和し得
る溶媒を混和させて抽出することにより得られる。水と
混和し得る溶媒としては、通常微生物培養液を抽出する
のに用いられるものであれば特に限定されないが、例え
ば、1−プロパノール、アセトン、メタノール等が挙げ
られる。該培養液と該溶媒とを混和させる割合(該培養
液:水と混和し得る溶媒)の範囲は、通常2:1乃至
1:5であり、好適には1:1である。抽出の方法は、
通常液−液抽出を行う方法であれば特に限定されない
が、例えば、攪拌等が挙げられる。抽出時間の範囲は、
下限が10分乃至1時間、上限が2時間乃至5時間であ
り、好適な範囲は1乃至2時間である。
【0071】化合物I、化合物II、化合物III、化
合物IV、化合物V及び/又は化合物VIを含む培養液
の抽出液、粗画分、部分精製画分又は単離画分は、上記
抽出物を希釈せず又はイオン交換水で希釈し、上記精製
手段を用いて得ることができる。
【0072】本発明の化合物IA、化合物IB、化合物I
IA、化合物IIB、化合物IIIA、化合物IIIB、化
合物IVA、化合物IVB、化合物VA、化合物VB、化合
物VIA又は化合物VIBは、上記のような各精製段階に
ある化合物I、化合物II、化合物III、化合物I
V、化合物V又は化合物VIを、酸性条件下で加水分解
反応に供し、反応終了後に該反応物から本発明の化合物
IA、化合物IB、化合物IIA、化合物IIB、化合物I
IIA、化合物IIIB、化合物IVA、化合物IVB、化
合物VA、化合物VB、化合物VIA又は化合物VIBを精
製単離することによって得られる。
【0073】該加水分解反応に用いられる酸性条件は、
該反応系に酸を存在させることにより得られる。該反応
に用いられる酸としては、通常有機化合物の加水分解に
用いられる酸であれば特に限定されないが、例えば、塩
酸等が挙げられる。該反応に用いられる酸の規定度の範
囲は、用いられる酸の種類等に依存するが、通常下限が
0.01乃至0.05規定、上限が0.2乃至1規定で
あり、好適な範囲は0.05乃至0.2規定である。
【0074】該反応は、上記のような各精製段階の化合
物I、化合物II、化合物III、化合物IV、化合物
V又は化合物VIを乾固し、これを溶媒と該反応に用い
られる酸との混合液に溶解させ、一定の温度に保つこと
により達成される。上記の酸と混合させる溶媒として
は、上記のような各精製段階の原料化合物を溶解し得る
溶媒であれば特に限定されないが、例えば、1−プロパ
ノール等が挙げられる。該溶媒と該反応に用いられる酸
とを混和させる割合(該溶媒:酸)の範囲は、通常2:
1乃至1:5であり、好適には1:1である。該反応温
度の範囲は、用いられる酸の種類、濃度、該反応に供す
る化合物の量、反応時間等に依存するが、下限が25乃
至50℃、上限が70℃乃至100℃であり、好適な範
囲は50乃至70℃である。該反応時間の範囲は、用い
られる酸の種類、規定度、原料化合物の量、反応温度等
に依存するが、通常下限が30分乃至10時間、上限が
20乃至50時間であり、好適な範囲は10乃至20時
間である。
【0075】該反応により生成した本発明の化合物I
A、化合物IB、化合物IIA、化合物IIB、化合物II
IA、化合物IIIB、化合物IVA、化合物IVB、化合
物VA、化合物VB、化合物VIA又は化合物VIBは、該
反応終了後に該反応液のpHを調整し、化合物I、化合
物II、化合物III、化合物IV、化合物V又は化合
物VIの精製方法に準じて精製単離できる。該反応液の
pHの調整範囲は、下限がpH3乃至4、上限がpH6
乃至9であり、好適な範囲はpH4乃至6である。pH
の修正には、通常pHの修正に用いられるアルカリであ
れば特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム等
が挙げられる。
【0076】各精製段階において、目的化合物の挙動
は、1,3−β−グルカン合成酵素阻害活性測定、高分
離能液体クロマトグラフィー(high perfor
mance liquid chromatograp
hy:以下、「HPLC」という。)分析等にもとづい
て追跡することができる。
【0077】1,3−β−グルカン合成酵素阻害活性は
ビューリューらの方法(Beaulieu,D.,et
al,Antimicrobial Agents
and Chemotherapy,38,937−9
44(1994))に準じて測定することができる。
【0078】本発明の化合物IA、化合物IB、化合物I
IA、化合物IIB、化合物IIIA、化合物IIIB、化
合物IVA、化合物IVB、化合物VA、化合物VB、化合
物VIA、化合物VIB、それらのプロドラッグ又はそれ
らの薬理学的に許容される塩は、種々の形態で投与され
る。その投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、
顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与、または注
射剤(静脈内、筋肉内、皮下)、点滴剤、坐剤等による
非経口投与を挙げることができる。これらの各種製剤
は、常法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢
剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤
などの医薬の製剤技術分野において通常使用し得る既知
の補助剤を用いて製剤化することができる。
【0079】錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
乳糖、白糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、澱
粉、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ
酸等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロ
ップ、グルコース液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキ
シメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リ
ン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤;乾燥
澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、
炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等の崩
壊剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等
の崩壊抑制剤;第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸
ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、澱粉等の保湿
剤;澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状
ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、硼酸
末、ポリエチレングリコール等の潤沢剤等が例示でき
る。さらに錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、
例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコ
ーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができ
る。
【0080】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
グルコース、乳糖、カカオバター、澱粉、硬化植物油、
カオリン、タルク等の賦形剤;アラビアゴム末、トラガ
ント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン
寒天等の崩壊剤等が例示できる。
【0081】坐剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
ポリエチレングリコール、カカオバター、高級アルコー
ル、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グ
リセリド等を挙げることができる。注射剤として調製さ
れる場合には、液剤および懸濁剤は殺菌され、かつ血液
と等張であるのが好ましく、これら液剤、乳剤および懸
濁剤の形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分
野で慣用されているものをすべて使用でき、例えば水、
エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソス
テアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアル
コール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
類等を挙げることができる。なお、この場合、等張性の
溶液を調製するのに十分な量の食塩、グルコース、ある
いはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、ま
た通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加しても
よい。
【0082】該医薬組成物には、さらに必要に応じて着
色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を
含有せしめてもよい。該医薬製剤中に含まれる有効成分
化合物の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択される
が、通常全組成物中に占める有効成分化合物の割合の範
囲は、下限が0.5乃至1重量%、上限が30乃至70
重量%であり、好適な範囲は1乃至30重量%である。
上記医薬製剤の投与方法は特に限定はなく、各種製剤形
態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応
じて決定される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳
剤、顆粒剤およびカプセル剤の場合には経口投与され
る。また注射剤の場合には単独であるいはグルコース、
アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、さ
らには必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは
腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与される。
【0083】該医薬組成物の成人に対する1日あたりの
投与量の範囲は、症状、年齢、体重、投与方法及び剤形
等に依存するが、通常下限が0.1乃至1mg、上限が
10乃至2000mgであり、好適な範囲は1乃至10
mgである。これを1回または数回に分けて投与でき
る。
【0084】
【実施例】以下に実施例、参考例、試験例及び製剤例を
挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれ
らに限定されない。 実施例1.化合物IIAの製造及び単離 無胞子性の糸状菌SANK 17397株をポテトデキ
ストロース傾斜寒天(PDA)上で23℃で7日間以上
生育させ、得られた菌糸体を、澱粉2%、グリセリン3
%、グルコース3%、大豆粉1%、ゼラチン0.25
%、酵母エキス0.25%、硝酸アンモニウム0.25
%からなるFFA−1培地450mlを2L容エルレン
マイヤーフラスコに入れ121℃で30分間滅菌したも
の2本に接種し、210rpmの回転振とう培養機上で
4日間23℃で培養して種培養液とした。次に、30L
容ジャーファーメンター2基に上記のFFA−1培地1
5Lを入れ、121℃で30分間滅菌した。これらに前
述の種培養液を3%(v/v)それぞれ接種し、溶存酸
素濃度を5ppmに保つように撹拌速度を調節しなが
ら、毎分15Lの通気量で23℃、12日間培養した。
【0085】培養液30Lに1−プロパノール30Lを
加え1時間撹拌し、得られた1−プロパノール抽出液を
濾過した。この抽出液50Lをイオン交換水で希釈し、
イオン交換水で平衡化したダイヤイオンHP−20(三
菱化学(株)製)カラム2Lに供与し、イオン交換水で
該カラムを洗浄した後、1−プロパノール:イオン交換
水(50:50)の混合溶媒20Lで溶出した。溶出画
分を回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮した後、
ジメチルスルフォキシドに溶解して凍結乾燥を行い、化
合物IIの粗画分を得た。これを1−プロパノール:
0.1規定塩酸(50:50)の混合溶媒1Lに溶解
し、60℃に加温して撹拌しながら19.5時間反応さ
せた。反応液を1規定水酸化ナトリウムでpH4に調整
後、2Lのイオン交換水で希釈し、イオン交換水で平衡
化したダイヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)カ
ラム200mlに供与した。該カラムをイオン交換水で
洗浄した後、メタノール1.1Lで溶出し、溶出画分を
回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮して化合物I
IAを含む画分を得た。これを1−プロパノール:イオ
ン交換水(50:50)に溶解して、以下に示した条件
で分取用HPLCに供与した。
【0086】カラム:YMC−Pack−ODS 10
0φ×500mm(ワイエムシイ(株)製) 移動相:アセトニトリル:50mMリン酸緩衝液(pH
7)(50:50) 流 速:210ml/分 検 出:UV210nm 化合物IIAを含有する溶出画分を等量のイオン交換水
で希釈し、これをイオン交換水で平衡化したダイヤイオ
ンHP−20(三菱化学(株)製)カラム200mlに
供与し、該カラムをイオン交換水で洗浄した後、メタノ
ール500mlで溶出した。溶出画分を回転式エバポレ
ーターにより減圧下で濃縮乾固後、1−プロパノール:
イオン交換水(50:50)に溶解して以下に示した条
件で分取用HPLCに供与した。
【0087】カラム:YMC−Pack−ODS 10
0φ×500mm(ワイエムシイ(株)製) 移動相:アセトニトリル:1%トリエチルアミン−リン
酸緩衝液(pH7)(50:50) 流 速:210ml/分 検 出:UV210nm 化合物IIAを含有する溶出画分を等量のイオン交換水
で希釈し、これをイオン交換水で平衡化したダイヤイオ
ンHP−20(三菱化学(株)製)カラム200mlに
供与し、該カラムをイオン交換水で洗浄した後、メタノ
ール500mlで溶出した。溶出画分を回転式エバポレ
ーターにより減圧下で濃縮乾固後、1−プロパノール:
イオン交換水(50:50)に溶解して以下に示した条
件で分取用HPLCに供与した。
【0088】カラム:YMC−Pack−ODS 10
0φ×500mm(ワイエムシイ(株)製) 移動相:アセトニトリル:メタノール:トリフルオロ酢
酸0.1%(50:10:40) 流 速:220ml/分 検 出:UV210nm 化合物IIAを含有する溶出画分を1規定水酸化ナトリ
ウムでpH4に調整後、等量のイオン交換水で希釈し、
イオン交換水で平衡化したダイヤイオンHP−20(三
菱化学(株)製)カラム200mlに供与し、該カラム
をイオン交換水で洗浄した後、メタノール1Lで溶出
し、溶出画分を回転式エバポレーターにより減圧下で濃
縮して、化合物IIAを118mg単離した。
【0089】以下の条件によりHPLCの分析を行っ
た。
【0090】カラム:シンメトリー ODS 4.6φ
×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:0.3%トリエチルアミン−
リン酸緩衝液(pH3.2)(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物IIAは保持時間7.7分に溶出され
た。
【0091】実施例2.化合物IIBの製造及び単離 無胞子性の糸状菌SANK 17397株をポテトデキ
ストロース傾斜寒天(PDA)上で23℃で7日間以上
生育させ、得られた菌糸体を、澱粉2%、グリセリン3
%、グルコース3%、大豆粉1%、ゼラチン0.25
%、酵母エキス0.25%、硝酸アンモニウム0.25
%からなるFFA−1培地450mlを2L容エルレン
マイヤーフラスコに入れ121℃で30分間滅菌したも
の2本に接種し、210rpmの回転振とう培養機上で
4日間23℃で培養して種培養液とした。次に、30L
容ジャーファーメンター2基に上記のFFA−1培地1
5Lを入れ、121℃で30分間滅菌した。これらに前
述の種培養液を3%(v/v)それぞれ接種し、溶存酸
素濃度を5ppmに保つように撹拌速度を調節しなが
ら、毎分15Lの通気量で23℃、12日間培養した。
【0092】培養液30Lに1−プロパノール30Lを
加え1時間撹拌し、得られた1−プロパノール抽出液を
濾過した。この抽出液50Lをイオン交換水で希釈し、
イオン交換水で平衡化したダイヤイオンHP−20(三
菱化学(株)製)カラム2Lに供与し、該カラムをイオ
ン交換水で洗浄した後、1−プロパノール:イオン交換
水(50:50)の混合溶媒20Lで溶出した。溶出画
分を回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮した後、
ジメチルスルフォキシドに溶解して凍結乾燥を行い、化
合物IIの粗画分を得た。これを1−プロパノール:
0.1規定塩酸(50:50)の混合溶媒1Lに溶解
し、60℃に加温して撹拌しながら19.5時間反応さ
せた。反応液を1規定水酸化ナトリウムでpH4に調整
後、2Lのイオン交換水で希釈し、イオン交換水で平衡
化したダイヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)カ
ラム200mlに供与した。該カラムをイオン交換水で
洗浄した後、メタノール1.1Lで溶出し、溶出画分を
回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮して化合物I
IBを含む画分を得た。これを1−プロパノール:イオ
ン交換水(50:50)に溶解して、以下に示した条件
で分取用HPLCに供与した。
【0093】カラム:YMC−Pack−ODS 10
0φ×500mm(ワイエムシイ(株)製) 移動相:アセトニトリル:50mMリン酸緩衝液(pH
7)(50:50) 流 速:210ml/分 検 出:UV210nm 化合物IIBを含有する溶出画分を等量のイオン交換水
で希釈し、これをイオン交換水で平衡化したダイヤイオ
ンHP−20(三菱化学(株)製)カラム200mlに
供与し、該カラムをイオン交換水で洗浄した後、メタノ
ール500mlで溶出した。溶出画分を回転式エバポレ
ーターにより減圧下で濃縮乾固後、1−プロパノール:
イオン交換水(50:50)に溶解して以下に示した条
件で分取用HPLCに供与した。
【0094】カラム:YMC−Pack−ODS 10
0φ×500mm(ワイエムシイ(株)製) 移動相:アセトニトリル:メタノール:0.1%トリフ
ルオロ酢酸(50:10:40) 流 速:220ml/分 検 出:UV210nm 化合物IIBを含有する溶出画分を1規定水酸化ナトリ
ウムでpH4に調整後、等量のイオン交換水で希釈し、
イオン交換水で平衡化したダイヤイオンHP−20(三
菱化学(株)製)カラム200mlに供与し、該カラム
をイオン交換水で洗浄した後、メタノール1Lで溶出
し、溶出画分を回転式エバポレーターにより減圧下で濃
縮乾固した。これを1−プロパノール:イオン交換水
(50:50)に溶解して以下に示した条件で分取用H
PLCに供与した。
【0095】カラム:YMC−Pack−ODS 10
0φ×500mm(ワイエムシイ(株)製) 移動相:アセトニトリル:25mMリン酸緩衝液(pH
7)(45:55) 流 速:200ml/分 検 出:UV210nm 化合物IIBを含有する溶出画分を等量のイオン交換水
で希釈し、イオン交換水で平衡化したダイヤイオンHP
−20(三菱化学(株)製)カラム50mlに供与し、
該カラムをイオン交換水で洗浄した後、メタノール30
0mlで溶出し、溶出画分を回転式エバポレーターによ
り減圧下で濃縮して、化合物IIBを15mg単離し
た。
【0096】HPLCによる分析は以下の条件で行っ
た。
【0097】カラム:シンメトリー ODS 4.6φ
×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:0.3%トリエチルアミン−
リン酸緩衝液(pH3.2)(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物IIBは保持時間8.0分に溶出され
た。 参考例1. SANK 17397株の培養及び該株培養物からの化
合物Iの精製 無胞子性の糸状菌SANK 17397株をPDA傾斜
培地上で23℃で7日間以上生育させ、得られた菌糸体
を、FFA−1培地(組成:澱粉2%、グリセリン3
%、グルコース3%、大豆粉1%、ゼラチン0.25
%、酵母エキス0.25%、硝酸アンモニウム0.25
%)80mlを500ml容エルレンマイヤーフラスコ
に入れ、120℃で20分間滅菌したもの4本に接種
し、これを210rpmの回転振とう培養機上で5日間
23℃で培養して種培養液とした。次に、FFA−1培
地80mlを500ml容エルレンマイヤーフラスコに
入れ120℃で20分間滅菌したもの60本に前述の種
培養液を4%(v/v)接種して、210rpmの回転
振とう培養機上で14日間23℃で培養した。
【0098】培養液4.8Lにアセトン4.8Lを加え
30分間撹拌し、得られたアセトン抽出液を濾過した。
この抽出液を回転式エバポレーターにより減圧下アセト
ンを留去し、6規定水酸化ナトリウムでpH7とした。
これをイオン交換水で平衡化したダイヤイオンHP−2
0(三菱化学(株)製)カラム400mlに供与し、該
カラムを1Lの水、メタノール:イオン交換水(30:
70)、メタノール:イオン交換水(50:50)、メ
タノール:イオン交換水(60:40)それぞれ800
mlで洗浄した後、メタノール:イオン交換水(80:
20)800ml及びメタノール800mlで溶出し、
溶出画分を回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮し
て粗画分を得た。この粗画分をメタノールに溶解し、ア
セトニトリル:イオン交換水(20:80)で平衡化し
たコスモシール140C18OPN(ナカライテスク
(株)製)カラム200mlに供与した。該カラムを以
下に示すアセトニトリル:イオン交換水の混合溶媒でス
テップワイズに洗浄又は溶出した。すなわち、アセトニ
トリル:イオン交換水(20:80)を400ml、ア
セトニトリル:イオン交換水(30:70)を400m
l、アセトニトリル:イオン交換水(40:60)を4
00ml、アセトニトリル:イオン交換水(50:5
0)を500ml、アセトニトリル:イオン交換水(6
0:40)を500ml、アセトニトリル:イオン交換
水(80:20)を400ml使用した。アセトニトリ
ル:イオン交換水(40:60)で溶出した画分を回転
式エバポレーターにより減圧下で濃縮乾固した後、以下
に示した条件で分取用HPLCに供与した。移動相とし
て含水アセトニトリルを用い、30分間でアセトニトリ
ル含有率(v/v)を20%から80%まで直線的に変
化させ溶出した。
【0099】 カラム:μBONDASPHERE C8 19φ×150mm(ウォーターズ社製) 流 速:10ml/分 検 出:UV210nm 保持時間21分に溶出される画分を分取した後、回転式
エバポレーターにより減圧下で濃縮乾固して粗化合物を
得た。これを再精製するために以下に示した条件でHP
LC分取を2回行った。1回目の移動相としてアセトニ
トリル:メタノール:イオン交換水(54:10:3
6)を用い、2回目はアセトニトリル:イオン交換水
(50:50)を用いた。
【0100】 カラム:PEGASIL ODS 20φ×150mm(センシュー科学(株)製) 流 速:10ml/分 検 出:UV210nm 活性画分を回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮乾
固して、化合物Iを4.0mg単離した。
【0101】以下の条件でHPLCによる分析を行っ
た。
【0102】 カラム:シンメトリー ODS 4.6φ×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:イオン交換水(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物Iは保持時間3.6分に溶出された。 参考例2. SANK 17397株の培養及び該株培養物からの化
合物IIの精製 無胞子性の糸状菌SANK 17397株をPDA傾斜
培地上で23℃で7日間以上生育させ、得られた菌糸体
を、FFA−1培地80mlを500ml容エルレンマ
イヤーフラスコに入れ、120℃で20分間滅菌したも
の4本に接種し、210rpmの回転振とう培養機上で
5日間23℃で培養して種培養液とした。次に、FFA
−1培地80mlを500ml容エルレンマイヤーフラ
スコに入れ120℃で20分間滅菌したもの60本に前
述の種培養液を4%(v/v)接種して、210rpm
の回転振とう培養機上で14日間23℃で培養した。
【0103】培養液4.8Lにアセトン4.8Lを加え3
0分間撹拌し、得られたアセトン抽出液を濾過した。こ
の抽出液を回転式エバポレーターにより減圧下アセトン
を留去し、6規定水酸化ナトリウムでpH7とした。こ
れをイオン交換水で平衡化したダイヤイオンHP−20
(三菱化学(株)製)カラム400mlに供与し、1L
の水、メタノール:イオン交換水(30:70)、メタ
ノール:イオン交換水(50:50)、メタノール:イ
オン交換水(60:40)それぞれ800mlで洗浄し
た後、メタノール:イオン交換水(80:20)800
ml、メタノール800mlで溶出を行い、溶出画分を
回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮して粗画分を
得た。この粗画分をメタノールに溶解し、コスモシール
140C18OPN(ナカライテスク(株)製)10g
をアセトニトリル:イオン交換水(20:80)で平衡
化した200mlのコスモシールカラムに供与した。該
カラムを以下に示すアセトニトリル:イオン交換水の混
合溶媒でステップワイズに洗浄又は溶出した。すなわ
ち、アセトニトリル:イオン交換水(20:80)を4
00ml、アセトニトリル:イオン交換水(30:7
0)を400ml、アセトニトリル:イオン交換水(4
0:60)を400ml、アセトニトリル:イオン交換
水(50:50)を500ml、アセトニトリル:イオ
ン交換水(60:40)を500ml、アセトニトリ
ル:イオン交換水(80:20)を400ml使用し
た。アセトニトリル:イオン交換水(50:50)溶出
画分を回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮乾固し
た後、以下に示した条件で分取用HPLCに供与した。
移動相として含水アセトニトリルを用い、30分間でア
セトニトリル含有率(v/v)を20%から80%まで
直線的に変化させ溶出した。
【0104】 カラム:μBONDASPHERE C8 19φ×150mm(ウォーターズ社製) 流 速:10ml/分 検 出:UV210nm 保持時間24分に溶出された画分を分取した後、回転式
エバポレーターにより減圧下で濃縮乾固して粗化合物を
得た。これを再精製するために以下に示した条件でHP
LC分取を2回行った。1回目の移動相としてアセトニ
トリル:メタノール:イオン交換水(54:10:3
6)を用い、2回目はアセトニトリル:イオン交換水
(50:50)を用いた。
【0105】 カラム:PEGASIL ODS 20φ×150mm(センシュー科学(株)製) 流 速:10ml/分 検 出:UV210nm 活性画分を回転式エバポレータにより減圧下で濃縮乾固
し、化合物IIを7.6mg単離した。
【0106】以下の条件でHPLCによる分析を行っ
た。
【0107】 カラム:シンメトリー ODS 4.6φ×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:イオン交換水(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物IIは保持時間7.4分に溶出され
た。 参考例3.SANK 17397株の培養及び該株培養
物からの化合物I及び化合物IIの精製無胞子性の糸状
菌SANK 17397株をPDA傾斜培地上で23℃
で7日間以上生育させ、得られた菌糸体を、FFA−1
培地450mlを2L容エルレンマイヤーフラスコに入
れ121℃で30分間滅菌したもの4本に接種し、21
0rpmの回転振とう培養機上で4日間23℃で培養し
て種培養液とした。つづいて、30L容ジャーファーメ
ンター4基に上記のFFA−1培地15Lを入れ、12
1℃で30分間滅菌した。これらに前述の種培養液を3
%(v/v)それぞれ接種し、溶存酸素濃度を5ppm
に保つように撹拌速度を調節しながら、毎分15Lの通
気量で23℃、12日間培養した。
【0108】培養液60Lにアセトン60Lを加え1時
間撹拌し、得られたアセトン抽出液を濾過した。この抽
出液118Lを回転式エバポレーターにより減圧下アセ
トンを留去し、得られた濃縮液88Lを6規定水酸化ナ
トリウムでpH7とした。次いで、メタノール:イオン
交換水(20:80)で平衡化したダイヤイオンHP−
20(三菱化学(株)製)カラム6Lに供与し、該カラ
ムを以下に示すメタノール:イオン交換水の混合溶媒で
ステップワイズに洗浄又は溶出した。すなわち、メタノ
ール:イオン交換水(20:80)を8L、メタノー
ル:イオン交換水(50:50)を20L、メタノー
ル:イオン交換水(60:40)を15L、メタノー
ル:イオン交換水(70:30)を15L、メタノー
ル:イオン交換水(80:20)を20L、メタノー
ル:イオン交換水(90:10)を20L、メタノール
を20L使用した。メタノール:イオン交換水(80:
20)溶出画分及びメタノール:イオン交換水(90:
10)溶出画分を回転式エバポレーターにより減圧下で
濃縮して化合物Iおよび化合物IIを含んだ粗画分4.
6Lを得た。これを水8Lで希釈して、以下に示した条
件で分取用HPLCに供与した。移動相として、カラム
の平衡化にはアセトニトリル:イオン交換水(30:7
0)を、化合物Iの溶出にはアセトニトリル:イオン交
換水(45:55)を、化合物IIの溶出にはアセトニ
トリル:イオン交換水(50:50)を、それぞれ用い
た。
【0109】 カラム:YMC−Pack−ODS 100φ×500mm(ワイエムシィ(株)製) 流 速:200ml/分 検 出:UV210nm 活性画分を回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮乾
固して、化合物Iを77mg、化合物IIを1.3gそ
れぞれ単離した。 参考例4. SANK 17397株の培養及び該株培養物からの化
合物IIIの精製 無胞子性の糸状菌SANK 17397株をPDA傾斜
培地上で23℃で7日間以上生育させ、得られた菌糸体
を、FFA−1培地450mlを2L容エルレンマイヤ
ーフラスコに入れ121℃で30分間滅菌したもの4本
に接種し、210rpmの回転振とう培養機上で5日間
23℃で培養して種培養液とした。つづいて、60L容
ジャーファーメンターに上記のFFA−1培地30Lを
入れ、121℃で30分間滅菌した。これらに前述の種
培養液を3%(v/v)それぞれ接種し、210rpm
の回転振とう培養機上で23℃で1日間培養して第2の
種培養液とした。本培養として、600L容タンク2基
に上記のFFA−1培地300Lをそれぞれ入れ、12
1℃で30分間滅菌した。これらに前述の第2の種培養
液を3%(v/v)それぞれ接種し、溶存酸素濃度を5
ppmに保つように撹拌速度を調節しながら、毎分30
0Lの通気量で23℃、8日間培養した。
【0110】培養液600Lとタンク洗浄液310L
に、アセトン450Lとメタノール450Lを加え1時
間撹拌した。これを濾過して得られた抽出液1675L
を回転式エバポレーターにより減圧下溶媒を留去した。
得られた濃縮液930Lを6規定水酸化ナトリウムでp
H7とし、メタノールで1725Lに希釈した。次い
で、メタノール:イオン交換水(50:50)で平衡化
したダイヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)カラ
ム60Lに供与し、該カラムをメタノール:イオン交換
水(60:40)300Lで洗浄した後、アセトニトリ
ル:イオン交換水(40:60)280Lで溶出した。
アセトニトリル:イオン交換水(40:60)溶出画分
250Lを水で希釈し、希釈液400Lをメタノール:
イオン交換水(50:50)で平衡化したダイヤイオン
HP−20(三菱化学(株)製)カラム5Lに供与し、
て、メタノール:イオン交換水(65:35)40Lで
洗浄後、メタノール:イオン交換水(90:10)29
Lで溶出した。このうち目的化合物を含む画分20Lを
回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮し、粗画分を
得た。これにDMSO550mlを加えて溶解し、以下
に示した条件で分取用HPLCに供与した。移動相とし
てアセトニトリル:イオン交換水(45:55)とアセ
トニトリル:イオン交換水(50:50)を用い、ステ
ップワイズに溶出した。分取は6回に分けて行った。
【0111】 カラム:YMC−Pack−ODS 100φ×500mm(ワイエムシィ(株)製) 流 速:220ml/分 検 出:UV210nm 化合物IIIを含む画分6Lを回転式エバポレーターに
より減圧下で濃縮乾固した。これを再び上記分取条件で
分取用HPLCに供与し、活性画分を回転式エバポレー
ターにより減圧下で濃縮乾固して、化合物IIIを16
2mg単離した。
【0112】以下の条件でHPLCによる分析を行っ
た。
【0113】 カラム:シンメトリー ODS 4.6φ×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:イオン交換水(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物IIIは保持時間5.0分に溶出され
た。 参考例5. SANK 17397株の培養及び該株培養物からの化
合物IVの精製 無胞子性の糸状菌SANK 17397株をPDA傾斜
培地上で23℃で7日間以上生育させ、得られた菌糸体
を、FFA−1培地450mlを2L容エルレンマイヤ
ーフラスコに入れ121℃で30分間滅菌したもの4本
に接種し、210rpmの回転振とう培養機上で5日間
23℃で培養して種培養液とした。つづいて、60L容
ジャーファーメンターに上記のFFA−1培地30Lを
入れ、121℃で30分間滅菌した。これらに前述の種
培養液を3%(v/v)それぞれ接種し、210rpm
の回転振とう培養機上で23℃で1日間培養して第2の
種培養液とした。本培養として、600L容タンク2基
に上記のFFA−1培地300Lをそれぞれ入れ、12
1℃で30分間滅菌した。これらに前述の第2の種培養
液を3%(v/v)それぞれ接種し、溶存酸素濃度を5
ppmに保つように撹拌速度を調節しながら、毎分30
0Lの通気量で23℃、8日間培養した。
【0114】培養液600Lとタンク洗浄液310L
に、アセトン450Lとメタノール450Lを加え1時
間撹拌した。これを濾過して得られた抽出液1675L
を回転式エバポレーターにより減圧下溶媒を留去した。
得られた濃縮液930Lを6規定水酸化ナトリウムでp
H7とし、メタノールで1725Lに希釈した。次い
で、メタノール:イオン交換水(50:50)で平衡化
したダイヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)カラ
ム60Lに供与し、該カラムをメタノール:イオン交換
水(60:40)300Lで洗浄した後、アセトニトリ
ル:イオン交換水(40:60)280Lで溶出した。
溶出画分250Lを水で希釈し、希釈液400Lをメタ
ノール:イオン交換水(50:50)で平衡化したダイ
ヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)カラム5Lに
供与した。該カラムをメタノール:イオン交換水(6
5:35)40Lで洗浄した後、メタノール:イオン交
換水(90:10)29Lで溶出した。このうち目的化
合物を含む画分20Lを回転式エバポレーターにより減
圧下で濃縮し、粗画分を得た。これにジメチルスルフォ
キシド550mlを加えて溶解し、以下に示した条件で
分取用HPLCに供与した。移動相としてアセトニトリ
ル:イオン交換水(45:55)とアセトニトリル:イ
オン交換水(50:50)を用い、ステップワイズに溶
出した。分取は6回に分けて行った。
【0115】 カラム:YMC−Pack−ODS 100φ×500mm(ワイエムシィ(株)製) 流 速:220ml/分 検 出:UV210nm 化合物IVを含む画分4.5Lを回転式エバポレーター
により減圧下で濃縮乾固した。これを再び上記分取条件
で分取用HPLCに供与し、目的化合物を含む画分を回
転式エバポレーターにより減圧下で濃縮乾固して、化合
物IVを34mg単離した。
【0116】以下の条件でHPLCによる分析を行っ
た。
【0117】 カラム:シンメトリー ODS 4.6φ×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:イオン交換水(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物IVは保持時間9.2分に溶出され
た。 参考例6. SANK 17397株の培養及び該株培養物からの化
合物Vの精製 無胞子性の糸状菌SANK 17397株をPDA傾斜
培地上で23℃で7日間以上生育させ、得られた菌糸体
を、FFA−1培地450mlを2L容エルレンマイヤ
ーフラスコに入れ121℃で30分間滅菌したもの4本
に接種し、210rpmの回転振とう培養機上で5日間
23℃で培養して種培養液とした。つづいて、60L容
ジャーファーメンターに上記のFFA−1培地30Lを
入れ、121℃で30分間滅菌した。これらに前述の種
培養液を3%(v/v)それぞれ接種し、210rpm
の回転振とう培養機上で23℃で1日間培養して第2の
種培養液とした。本培養として、600L容タンク2基
に上記のFFA−1培地300Lをそれぞれ入れ、12
1℃で30分間滅菌した。これらに前述の第2の種培養
液を3%(v/v)それぞれ接種し、溶存酸素濃度を5
ppmに保つように撹拌速度を調節しながら、毎分30
0Lの通気量で23℃、8日間培養した。
【0118】培養液600Lとタンク洗浄液310L
に、アセトン450Lとメタノール450Lを加え1時
間撹拌した。これを濾過して得られた抽出液1675L
を回転式エバポレーターにより減圧下溶媒を留去した。
得られた濃縮液930Lを6規定水酸化ナトリウムでp
H7とし、メタノールで1725Lに希釈した。次い
で、メタノール:イオン交換水(50:50)で平衡化
したダイヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)カラ
ム60Lに供与し、該カラムをメタノール:イオン交換
水(60:40)300Lで洗浄した後、アセトニトリ
ル:イオン交換水(40:60)280Lで溶出した。
溶出画分250Lを水で希釈し、希釈液400Lをメタ
ノール:イオン交換水(50:50)で平衡化したダイ
ヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)カラム5Lに
供与した。該カラムをメタノール:イオン交換水(6
5:35)40Lで洗浄した後、メタノール:イオン交
換水(90:10)29Lで溶出した。このうち目的化
合物を含む画分20Lを回転式エバポレーターにより減
圧下で濃縮し、粗画分を得た。これにジメチルスルフォ
キシド550mlを加えて溶解し、以下に示した条件で
分取用HPLCに供与した。移動相としてアセトニトリ
ル:イオン交換水(45:55)とアセトニトリル:イ
オン交換水(50:50)とを用い、ステップワイズに
溶出した。分取は6回に分けて行った。
【0119】 カラム:YMC−Pack−ODS 100φ×500mm(ワイエムシィ(株)製) 流 速:220ml/分 検 出:UV210nm 化合物Vを含む画分13Lを回転式エバポレーターによ
り減圧下で濃縮乾固した。これを再び上記分取条件で分
取用HPLCに供与し、目的化合物を含む画分を回転式
エバポレーターにより減圧下で濃縮乾固して、純粋な化
合物Vを326mg得た。
【0120】HPLCによる分析は以下の条件で行っ
た。
【0121】 カラム:シンメトリー ODS 4.6φ×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:イオン交換水(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物Vは保持時間11.6分に溶出され
た。 参考例7. SANK 17397株の培養及び該株培養物からの化
合物VIの精製 無胞子性の糸状菌SANK 17397株をPDA傾斜
培地上で23℃で7日間以上生育させ、得られた菌糸体
を、FFA−1培地450mlを2L容エルレンマイヤ
ーフラスコに入れ滅菌したもの4本に接種し、210r
pmの回転振とう培養機上で5日間23℃で培養して種
培養液とした。つづいて、60L容ジャーファーメンタ
ーに上記のFFA−1培地30Lを入れ、121℃で3
0分間滅菌した。これらに前述の種培養液を3%(v/
v)それぞれ接種し、210rpmの回転振とう培養機
上で23℃で1日間培養して第2の種培養液とした。本
培養として、600L容タンク2基に上記のFFA−1
培地300Lをそれぞれ入れ、121℃で30分間滅菌
した。これらに前述の第2の種培養液を3%(v/v)
それぞれ接種し、溶存酸素濃度を5ppmに保つように
撹拌速度を調節しながら、毎分300Lの通気量で23
℃、8日間培養した。
【0122】培養液600Lとタンク洗浄液310L
に、アセトン450Lとメタノール450Lを加え1時
間撹拌した。これを濾過して得られた抽出液1675L
を回転式エバポレーターにより減圧下溶媒を留去した。
得られた濃縮液930Lを6規定水酸化ナトリウムでp
H7とし、メタノールで1725Lに希釈した。次い
で、メタノール:イオン交換水(50:50)で平衡化
したダイヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)カラ
ム60Lに供与し、該カラムをメタノール:イオン交換
水(60:40)300Lで洗浄した後、アセトニトリ
ル:イオン交換水(40:60)280Lで溶出した。
溶出画分250Lを水で希釈し、希釈液400Lをメタ
ノール:イオン交換水(50:50)で平衡化したダイ
ヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)カラム5Lに
供与し、該カラムをメタノール:イオン交換水(65:
35)40Lで洗浄した後、メタノール:イオン交換水
(90:10)29Lで溶出した。このうち目的化合物
を含む画分20Lを回転式エバポレーターにより減圧下
で濃縮し、粗活性画分を得た。これにジメチルスルフィ
キシド550mlを加えて溶解し、以下に示した条件で
分取用HPLCに供与した。移動相としてアセトニトリ
ル:イオン交換水(45:55)とアセトニトリル:イ
オン交換水(50:50)を用い、ステップワイズに溶
出した。分取は6回に分けて行った。
【0123】 カラム:YMC−Pack−ODS 100φ×500mm(ワイエムシィ(株)製) 流 速:220ml/分 検 出:UV210nm 化合物VIを含む画分20Lをイオン交換水で希釈した
後、アセトニトリル:イオン交換水(30:70)で平
衡化した1.5Lのコスモシール140C18OPN
(ナカライテスク(株)製)カラムに供与した。該カラ
ムを、まずアセトニトリル:イオン交換水(30:7
0)、次にアセトニトリルを用いて洗浄した後、アセト
ニトリル:ジメチルスルフォキシド(90:10)で溶
出した。目的化合物を含む画分を回転式エバポレーター
により減圧下で濃縮乾固して、化合物VIを711mg
単離した。
【0124】以下の条件でHPLCによる分析を行っ
た。
【0125】 カラム:シンメトリー ODS 4.6φ×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:イオン交換水(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物VIは保持時間18.8分に溶出され
た。 試験例1.実施例1で得られた化合物について、日本医
真菌学会の最少生育阻害濃度(minimum inh
ibitory concentration:以下、
「MIC」という。)測定法(医真菌学会誌、第36
巻、第1号、62頁、1995年)に従ってRPMI1
640培地(大日本製薬 社製)に緩衝液として0.1
65Mの3−[N−モルフォリノ]プロパンスルホン酸
/水酸化ナトリウム(pH7.0)を加えたものを培地
とし、代表的な病原性真菌であるキャンディダ・アルビ
カンス(Candida albicans)に対する
生育阻害活性を測定した。各化合物の該真菌に対するM
ICは表1に示す通りである。
【0126】
【表1】 ------------------------------------------------------------------------ 被検検体 IIAのMIC(μg/ml)値 ------------------------------------------------------------------------ Candida albicans ATCC 90028 2 Candida albicans ATCC 90029 2 ------------------------------------------------------------------------ 表1から明らかなように、本発明の化合物IIAは優れ
た抗真菌活性を示した。 試験例2.実施例1及び実施例2で得られた化合物につ
いて、寒天平板を用いたペーパー・ディスク(Paper di
sc)法(田中信男・中村昭四郎著、抗生物質大要 化学
と生物活性 第四版、16頁、東京大学出版会刊行、1
992年)により,抗真菌活性測定を実施した。寒天平
板は、被検菌の胞子数を終濃度1×104個/mlで接
種したサブロー寒天培地(栄研化学(株)製)を調製し
て使用した。化合物溶液を染み込ませた直径6mmのペ
ーパー・ディスクを寒天平板上に置き、26℃にて48
時間インキュベーション後、ペーパー・ディスク周辺の
阻止円直径を測定した。各化合物の該真菌に対する阻止
円直径は表2に示す通りである。
【0127】
【表2】 ----------------------------------------------------------------------- 被 検 菌 阻止円直径(mm) ------------------------------- IIA IIB (50μg) (200μg) ----------------------------------------------------------------------- Trichophyton mentagrophytes SANK11868 38 35 Aspergillus fumigatus SANK 10662 35 33 ----------------------------------------------------------------------- 表2から明らかなように、本発明の化合物IIA及び化
合物IIBは優れた抗真菌活性を示した。 試験例3.アスペルギルス・フミガタス(Asperg
illus fumigatus) より、ビューリュ
ーらの方法(Beaulieu,D.,et al,A
ntimicrobial Agents and C
hemotherapy,38,937−944(19
94))に準じ、1,3−β−グルカン合成酵素を可溶
化し、実施例1で得られた化合物について、その可溶化
酵素標品に対する阻害活性を測定した。抗真菌活性成分
の可溶化酵素活性に対する50%阻害濃度(以下、「I
50」という。)は表3に示す通りである。
【0128】
【表3】 ------------------------------------------------------------------------ 化合物 IC50(μg/ml) ------------------------------------------------------------ IIA 0.08 ------------------------------------------------------------------------ 表3から明らかなように、本発明の化合物IIAは、真
菌病原体由来の1,3−β−グルカン合成酵素に対し優
れた阻害活性を示した。 製剤例1.化合物IIA又化合物はIIB100mg、乳
糖100mg、トウモロコシ澱粉148.8 mg、ス
テアリン酸マグネシウム1.2 mgの割合で各粉末を
混合し、60メッシュのふるいに通した後、この粉末3
50mgをゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤とす
る。
【0129】
【発明の効果】本発明において開示された化合物IA、
化合物IB、化合物IIA、化合物IIB、化合物III
A、化合物IIIB、化合物IVA、化合物IVB、化合物
VA、化合物VB、化合物VIA及び化合物VIBは、ヒト
又は動物に感染する真菌病原体に対する優れた抗真菌活
性を有し、ヒト又は動物の真菌感染症の予防または治療
剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12P 21/04 C12R 1:645) (72)発明者 石川 富雄 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 宮越 俊一 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 浜野 潔 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(a) 【化1】 で表わされる化合物IAもしくはそのプロドラッグ又は
    それらの塩。
  2. 【請求項2】下記式(b) 【化2】 で表わされる化合物IBもしくはそのプロドラッグ又は
    それらの塩。
  3. 【請求項3】下記式(c) 【化3】 で表わされる化合物IIAもしくはそのプロドラッグ又
    はそれらの塩。
  4. 【請求項4】下記式(d) 【化4】 で表わされる化合物IIBもしくはそのプロドラッグ又
    はそれらの塩。
  5. 【請求項5】下記式(e) 【化5】 で表わされる化合物IIIAもしくはそのプロドラッグ
    又はそれらの塩。
  6. 【請求項6】下記式(f) 【化6】 で表わされる化合物IIIBもしくはそのプロドラッグ
    又はそれらの塩。
  7. 【請求項7】下記式(g) 【化7】 で表わされる化合物IVAもしくはそのプロドラッグ又
    はそれらの塩。
  8. 【請求項8】下記式(h) 【化8】 で表わされる化合物IVBもしくはそのプロドラッグ又
    はそれらの塩。
  9. 【請求項9】下記式(i) 【化9】 で表わされる化合物VAもしくはそのプロドラッグ又は
    それらの塩。
  10. 【請求項10】下記式(j) 【化10】 で表わされる化合物VBもしくはそのプロドラッグ又は
    それらの塩。
  11. 【請求項11】下記式(k) 【化11】 で表わされる化合物VIAもしくはそのプロドラッグ又
    はそれらの塩。
  12. 【請求項12】下記式(l) 【化12】 で表わされる化合物VIBもしくはそのプロドラッグ又
    はそれらの塩。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12のいずれか一つに記載
    の化合物を有効成分として含有する医薬。
  14. 【請求項14】請求項1乃至12のいずれか一つに記載
    の化合物を有効成分として含有する抗真菌剤。
  15. 【請求項15】請求項1乃至12のいずれか一つに記載
    の化合物の使用。
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