JP2000357808A - シリコン系薄膜光電変換装置およびその製造方法 - Google Patents

シリコン系薄膜光電変換装置およびその製造方法

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JP2000357808A
JP2000357808A JP11170170A JP17017099A JP2000357808A JP 2000357808 A JP2000357808 A JP 2000357808A JP 11170170 A JP11170170 A JP 11170170A JP 17017099 A JP17017099 A JP 17017099A JP 2000357808 A JP2000357808 A JP 2000357808A
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silicon
photoelectric conversion
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film
thin film
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JP11170170A
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Akihiko Nakajima
昭彦 中島
Toshinobu Nakada
年信 中田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光電変換効率が向上したシリコン系薄膜光電変
換装置を提供する。 【解決手段】光反射性金属膜(121)を含む裏面電極
(12)と、一導電型層(131)、結晶質シリコン系
薄膜からなる光電変換層(132)および逆導電型層
(133)を含むシリコン系薄膜光電変換ユニット(1
3)と、透明前面電極(14)とを備える。前記光反射
性金属膜(121)と一導電型層(131)との間に、
少なくとも表層領域が結晶質であり、かつ微細な表面凹
凸構造を有するドーパント原子含有結晶質シリコン系薄
膜(122)を設ける。この結晶質シリコン系薄膜(1
22)は、ドーパント原子含有非晶質シリコン系薄膜に
パルスレーザーを照射することによって形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜光電変換装置お
よびその製造方法に係り、特に、太陽電池に代表される
シリコン系薄膜光電変換装置の変換効率等の性能改善に
関するものである。なお、本明細書において、「結晶
質」と「微結晶」の用語は、部分的に非晶質を含むもの
をも意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】近年、たとえば多結晶シリコンや微結晶
シリコンのような結晶質シリコンを含む薄膜を光電変換
層として利用したシリコン系光電変換装置の開発が精力
的に行なわれている。これらの開発は、もっぱら、安価
な基板上に低温プロセスで良質の結晶質シリコン薄膜を
形成することにより光電変換装置の低コスト化と高性能
化とを両立させることに向けられている。このような光
電変換装置は、太陽電池ばかりでなく、光センサ等種々
の用途への応用が期待されている。
【0003】ところで、結晶質シリコン系光電変換層
は、長波長領域の光に対する吸収係数が小さいため、当
該光電変換層が薄い場合には、入射した光の内、長波長
領域の光を十分に吸収し得ず、光電変換量が低下する傾
向にある。
【0004】そこで、シリコン系薄膜光電変換層を含む
光電変換ユニットに入射した光をより有効に利用するた
めに、光反射率の高い金属膜を光電変換ユニットの裏側
に設けることが行われている。この金属膜は、光電変換
層に入射した光を金属膜により光電変換層内に反射さ
せ、光電変換層内での光吸収が増強される(光閉じ込め
効果)。その結果、光電変換装置の短絡電流密度が増大
し、変換効率が向上する。この光反射性金属膜に表面凹
凸(表面テクスチャ)構造を設けることにより、光閉じ
込め効果は一層向上する。
【0005】また、近年、上記光反射性金属膜とシリコ
ン系薄膜光電変換ユニットとの間に透明導電性酸化物膜
を形成した光電変換装置も数多く提案されており、たと
えば特開平3−99477公報;特開平7−26373
1号公報;IEEE 1st World Conf. on Photovoltaic Ene
rgy Conversion, p. 405(1994);Applied Physics Lett
ers, Vol. 70, p. 2975 (1997)等において報告されてい
る。このように裏面電極の光反射性金属膜とシリコン系
薄膜光電変換ユニットとの間に透明導電性酸化物膜を介
在させることによって、金属原子がシリコン系薄膜光電
変換ユニット内へ拡散して混入することを防止し得る。
その結果、得られる光電変換装置の歩留まりと信頼性が
向上するのみならず、光感度が改善されて光電変換特性
も向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記光
反射性金属膜の上に成膜される透明導電性酸化物は、シ
リコン系半導体材料とは異種の材料であるため、その上
に形成されるシリコン系薄膜光電変換ユニットとの接合
が良好でないきらいがあり、最終的な変換効率が低下す
る傾向にあることがわかった。
【0007】そこで、本発明者らは、透明導電性酸化物
に代わる材料として、特開平9−306837号に開示
したパルスレーザーの照射によるドーパント原子含有非
晶質シリコンの多結晶化技術に着目した。この技術は、
ドーパント原子を含有する非晶質シリコン系薄膜にパル
スレーザーを照射することによりドーパント原子を活性
化させ、キャリア濃度を所定の高濃度にするというもの
である。得られる多結晶シリコン系薄膜は、低抵抗であ
るため電極材料として十分に機能し、しかもシリコン薄
膜系光電変換ユニットを構成するシリコン系材料と同種
であるため、接合も良好に行われる。
【0008】本発明者らは、上記パルスレーザーの照射
による多結晶化技術についてさらに検討を進めた。その
結果、パルスレーザーの照射条件を制御することによ
り、低抵抗の多結晶シリコン系薄膜が得られるという上
記技術の利点ばかりでなく、光閉じ込め効果に有用な微
細な凹凸構造をその表面に生じさせ得ることを見いだし
た。
【0009】従って、本発明は、シリコン系薄膜光電変
換ユニットと良好な接合を達成し、しかも向上した光閉
じ込め効果を奏することにより、光電変換効率が向上し
たシリコン系薄膜光電変換装置およびその製造方法を提
供することを目的する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、光反射性金属膜を含む裏面電極と、前記
裏面電極の前面側に設けられた、一導電型層、結晶質シ
リコン系薄膜からなる光電変換層および逆導電型層を含
むシリコン系薄膜光電変換ユニットと、前記光電変換ユ
ニットの前面側に形成された透明前面電極とを備え、前
記光反射性金属膜と一導電型層との間に、少なくとも表
層領域が結晶質であり、かつ微細な表面凹凸構造を有す
るドーパント原子含有結晶質シリコン系薄膜をさらに備
えることを特徴とするシリコン系薄膜光電変換装置を提
供する。
【0011】また、本発明は、基板上に、光反射性金属
膜を介して、ドーパント原子を含有する非晶質シリコン
系薄膜を形成する工程、前記非晶質シリコン系薄膜に対
してパルスレーザーを照射して非晶質シリコンを少なく
ともその表層領域において結晶質シリコンに変換させる
とともに、その表面に微細な表面凹凸構造を生じさせる
ことによって前記ドーパント原子を含有する結晶質シリ
コン系薄膜を形成する工程、前記ドーパント原子含有結
晶質シリコン系薄膜上に、一導電型層、結晶質シリコン
系薄膜からなる光電変換層および逆導電型層を含むシリ
コン系薄膜光電変換ユニットを形成した後、透明前面電
極を形成する工程を含むことを特徴とするシリコン系薄
膜光電変換装置の製造方法をも提供する。
【0012】本発明において、パルスレーザーのエネル
ギー密度は、400〜800mJ/cm2 であることが
好ましく、また単位面積当たり50ショット以上のパル
スレーザーを照射することも好ましい。
【0013】本発明において、パルスレーザーの照射の
際の下地温度は、100℃〜550℃であることが好ま
しい。
【0014】また、本発明において、ドーパント原子含
有シリコン系薄膜のキャリア濃度は、1×1020/cm
3 以上であることが好ましい。
【0015】さらに、本発明において、ドーパント原子
は、周期律表第15族に属する原子であることが好まし
い。
【0016】なお、本発明において、光入射側を前面と
いい、その反対側を裏面という。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して詳
しく説明する。全図にわたり同一個所は同一符号をもっ
て示されている。
【0018】図1は、本発明の第1の実施の形態による
シリコン系薄膜光電変換装置を模式的に示す概略断面図
であり、その製造方法を含めて以下詳しく説明する。
【0019】図1を参照すると、このシリコン系薄膜光
電変換装置10は、基板11上に、裏面電極12、シリ
コン系薄膜光電変換ユニット13、および透明前面電極
14を備える。
【0020】基板11は、ステンレス等の金属、有機フ
ィルム、セラミックス、または低融点の安価なガラス等
により構成することができる。
【0021】裏面電極12は、基板11上に設けられる
光反射性金属膜121とその上に形成された本発明の低
抵抗のドーパント原子含有結晶質シリコン系薄膜122
との2層構造を含む複合層として形成される。
【0022】光反射性金属膜121は、500〜120
0nmの範囲内の波長の光に対して95%以上の高い反
射率を有することが好ましい。そのような光反射性金属
膜121は、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム
(Al)、銅(Cu)および白金(Pt)から選択され
た1つまたはそれを含む合金によって形成されることが
好ましく、単層または多層として形成することができ
る。光反射性金属膜121は、少なくともその表面領域
が、銀または銀合金からなる銀系金属材料で形成される
ことが特に好ましい。
【0023】光反射性金属膜121は、真空蒸着、スパ
ッタ等の気相堆積法によって基板11上に形成すること
ができる。たとえば、ガラス基板11上に光反射性の高
い銀膜121を100〜330℃の範囲内の基板温度、
より好ましくは200〜300℃の基板温度の下に真空
蒸着法によって形成することができる。
【0024】光反射性金属膜121上に設けられる低抵
抗のドーパント原子含有結晶質シリコン系薄膜122
は、パルスレーザーの照射により、非晶質シリコン系薄
膜の少なくとも表層領域が結晶質(特に多結晶)シリコ
ンに変換されたものであり、微細な表面テクスチャ構造
を有する。ドーパント原子としては、リン、ヒ素、アン
チモン等の周期律表第15族に属するn型ドーパント原
子が好ましい。
【0025】そのようなドーパント原子含有結晶質シリ
コン系薄膜122は、光反射性金属膜121の上に、ド
ーパント原子を高濃度にドープした非晶質シリコン系薄
膜(図示せず)を形成した後、これに所定の条件でパル
スレーザーを照射することにより形成することができ
る。
【0026】ドーパント原子含有非晶質シリコン系薄膜
は、シラン、四フッ化シリコン、ジクロロシラン等のシ
リコン含有ガスを主原料ガスとして用い、ホスフィン、
アルシン等のドーパント原子含有ガスを用いたプラズマ
CVD法により形成することができる。ドーパント原子
は、通常、シリコンの0.1〜10重量%の割合で非晶
質シリコン系薄膜に含有させることが好ましい。このド
ーパント原子の含有量は、プラズマCVD法による非晶
質シリコン系薄膜の形成に際し、低い基板温度(例え
ば、200〜400℃)で主原料ガスとドーパント原子
含有ガスとの比率を変えることにより達成され、当該薄
膜中に固溶限界濃度以上のドーパント原子を容易に取り
込ませることができる。このように形成される非晶質シ
リコン系薄膜の厚さは、好ましくは30nm〜1μm、
より好ましくは50nm〜300nmである。この厚さ
は、後述のパルスレーザー照射により一度に薄膜を多結
晶化させることを可能とするとともに、十分に低いシー
ト抵抗を得るために好ましい厚さである。
【0027】次に、ドーパント原子含有非晶質シリコン
系薄膜にパルスレーザーを照射するのであるが、その前
に非晶質シリコン系薄膜を例えば450℃〜550℃の
温度に加熱し、非晶質シリコン系薄膜に残留する水素を
放出させることが好ましい。パルスレーザーの照射に使
用するパルスレーザーの波長は、50〜1000nm、
好ましくは150〜500nmであり、そのパルス幅は
狭く、通常1ナノ秒〜1マイクロ秒である。このような
パルスレーザー光源としては、KrF(波長247n
m)、XeCl(波長308nm)、ArF(波長19
3nm)エキシマレーザーを用いることができる。
【0028】このようにドーパント原子含有非晶質シリ
コン系薄膜にパルスレーザーを照射すると、特開平9−
306837号公報に開示したように、非晶質シリコン
系薄膜はアニールされて溶融し、ついで冷却固化して結
晶化する。この結晶化とともに、薄膜中に含有されたド
ーパント原子は電気的に活性化され、そのほとんどがキ
ャリア源となる。従って、結晶質シリコン系薄膜中のド
ーパント原子の固溶限界付近までのキャリア濃度、通常
1×1020/cm3 以上のキャリア濃度を有する低抵抗
の結晶質シリコン系薄膜が得られる。ここで、本方法に
よれば、ドープ量に特に制限がないため、非晶質シリコ
ン系薄膜中にはさらに高濃度のドーパント原子を含ませ
ることができる。その際、ドーパント原子は結晶質シリ
コン系薄膜中に固溶限界濃度以上の濃度では存在し得な
いため、パルスレーザーを照射してシリコン薄膜を溶融
・冷却固化させる過程で、過剰のドーパント原子は、当
該薄膜の両面(表面および裏面)の方向に排斥される。
その結果、両面近傍にバルク中よりも数倍もの濃度のド
ーパント原子が偏析することとなる。その場合、当該薄
膜の両面それぞれから約10nm以内の領域に、通常、
1×1021/cm3以上の濃度でドーパント原子が含有
される。このような高濃度ドーパント表面層は、バルク
シリコンからのドーパント原子の離脱に対するバリアと
して作用し、より一層低いシート抵抗を有する結晶質シ
リコン系薄膜をもたらす。
【0029】ところで、本発明の低抵抗のドーパント原
子含有結晶質シリコン系薄膜122は、上記種々の有利
な特性を示すとともに、微細な表面テクスチャ構造を有
する。この微細な表面テクスチャ構造は、上記非晶質シ
リコン系薄膜にパルスレーザーを照射するときに、下地
温度を比較的低い温度に設定するとともに、パルスレー
ザーのエネルギー密度を高く設定するか、単位面積当た
りのショット数を増加させることにより好ましく形成す
ることができることがわかった。下地温度は、100〜
550℃であることが好ましく、また、パルスレーザー
のエネルギー密度は400〜800mJ/cm2 である
ことが好ましく、あるいは単位面積当たりのショット数
は50以上であることが好ましい。
【0030】この微細なテクスチャ構造は、後に説明す
るように光反射性金属膜121が表面凹凸(表面テクス
チャ)構造を有する場合に、当該反射性金属膜121の
表面凹凸構造よりも微細なものである。本発明におい
て、結晶質シリコン系薄膜122が表面テクスチャ構造
を有することにより、光閉じ込め効果が増大し、光電変
換装置の変換効率が増大する。表面テクスチャ構造とし
ては、凹凸の高低差が100〜500nmであることが
好ましい。このような表面凹凸構造は、結晶質シリコン
系薄膜122の断面のTEM(透過型電子顕微鏡)写真
やAFM(原子間力顕微鏡)による表面観察によって測
定することができる。
【0031】本発明は理論により拘束されるものではな
いが、本発明の結晶質シリコン系薄膜122は、電極材
料として機能し得るように十分に低抵抗であり、シリコ
ン薄膜系光電変換ユニット13を構成する一導電型層1
31を形成する材料と同種の材料であるため接合が良好
となり、しかも微細な表面テクスチャ構造を有するの
で、光閉じ込め性が良好であり、これらがあいまって変
換効率の向上した光電変換装置が得られるものと信じら
れる。
【0032】なお、本発明の結晶質シリコン系薄膜12
2を堆積する下地の光反射性金属膜121は、その表面
がフラットであってもよいが、表面凹凸構造(表面テク
スチャ構造)を有するとき、より一層の短絡電流密度の
向上を図ることができることがわかった。
【0033】そのような光反射性金属膜121の上表面
における凹凸構造は、成膜条件(温度、堆積速度等)を
選択することにより得ることができ、または基板11の
表面を予めエッチング等によって凹凸構造に加工し、そ
の凹凸構造をそれ自体の上表面に伝達し得るような薄い
光反射性金属膜121を形成することによって得ること
ができる。あるいは、基板11上に凹凸表面を有する透
明導電性酸化物膜(図示せず)を堆積した後に、その凹
凸構造をそれ自体の上表面に伝達し得るような薄い光反
射性金属膜121を形成することによっても得られる。
【0034】光反射性金属膜121の表面凹凸構造にお
ける凹凸の高低差は0.01〜2μmの範囲内にあると
ともに、凹凸のピッチはその高低差より大きくかつその
25倍以下であることが好ましく、4〜20倍の範囲内
にあることがより好ましい。なお、このような表面凹凸
構造は、光反射性金属膜121の断面のTEM(透過型
電子顕微鏡)写真やAFM(原子間力顕微鏡)による表
面観察によって測定することができる。
【0035】光反射性金属膜121の表面凹凸構造にお
いて、凹凸の高低差がピッチに対して大き過ぎれば凹部
と凸部の角度が鋭くなり、その上に堆積されるシリコン
系光電変換ユニット中の半導体接合の形成がうまくいか
ず、最終的に得られる光電変換装置の開放端電圧や製造
歩留まりの低下を招く。すなわち、光反射性金属膜12
1の表面凹凸構造における凹凸の高低差とピッチに関し
て最適値が存在し、凹凸の高低差に対して十分な間隔の
ピッチを付与して凹部と凸部の角度を緩やかにすること
によって、高い開放端電圧が得られることが見いだされ
た。すなわち、本発明で規定するような高低差とピッチ
を含む表面凹凸構造を有する光反射性金属膜121を利
用することによって、開放端電圧の低下や製造歩留まり
の低下を伴うことなく、光閉じ込め効果を改善して高性
能の光電変換装置を得ることができる。
【0036】裏面電極12上に形成されるシリコン系光
電変換ユニット13は、一導電型層(特に、n型層)1
31、結晶質シリコン系薄膜光電変換層132、および
逆導電型層(特に、p型層)133を含む。この光電変
換ユニット13に含まれるすべての半導体層は、400
℃以下の下地温度の条件の下にプラズマCVD法によっ
て堆積させることができる。プラズマCVD法として
は、一般によく知られている平行平板型のRFプラズマ
CVDの他、周波数が150MHz以下のRF帯からV
HF帯までの高周波電源を利用するプラズマCVDも用
いることができる。
【0037】裏面電極12上に形成される一導電型層1
31としては、たとえば導電型決定不純物原子であるリ
ンがドープされたn型シリコン系薄層を用いることがで
きる。しかし、この一導電型層131についてのこれら
の条件は限定的なものではなく、不純物原子としては、
たとえばn型層においては窒素等でもよい。また、一導
電型層131の材料としては、非晶質シリコンの他に非
晶質シリコンカーバイドや非晶質シリコンゲルマニウム
等の合金材料の他に、多結晶もしくは部分的に非晶質を
含む微結晶のシリコンまたはその合金材料を用いること
もできる。なお、望まれる場合には、堆積されたこのよ
うな一導電型層131にパルスレーザ光を照射すること
により、その結晶化分率や導電型決定不純物原子による
キャリア濃度を制御することもできる。
【0038】一導電型層131上に形成される結晶質シ
リコン系光電変換層132としては、ノンドープの真性
半導体の多結晶シリコン薄膜や体積結晶化分率が80%
以上の微結晶シリコン膜、または微量の不純物を含む弱
p型もしくは弱n型で光電変換機能を十分に備えている
シリコン系薄膜材料が用いられ得る。しかし、この光電
変換層132はこれらに限定されず、シリコンカーバイ
ドやシリコンゲルマニウム等のシリコン系合金材料を用
いて形成されてもよい。
【0039】このような光電変換層132の厚さは0.
5〜20μmの範囲内にあることが好ましく、これは結
晶質シリコン系薄膜光電変換層としての必要かつ十分な
膜厚である。また、この結晶質シリコン系薄膜光電変換
層132は400℃以下の低温で形成されるので、結晶
粒界や粒内における欠陥を終端または不活性化させる水
素原子を多く含み、その水素含有量は1〜30原子%の
範囲内にあることが好ましい。さらに、結晶質シリコン
系薄膜光電変換層132に含まれる結晶粒の多くは下地
層から上方に柱状に延びて成長しており、その膜面に平
行に(110)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折
における(220)回折ピークに対する(111)回折
ピークの強度比は0.2以下であることが好ましい。
【0040】結晶質光電変換層132上に形成される逆
導電型層133としては、たとえば導電型決定不純物原
子であるボロンがドープされたp型シリコン系薄膜等を
用いることができる。しかし、この逆導電型層133に
ついてのこれらの条件は限定的なものではなく、不純物
原子としては、たとえばp型層においてはアルミニウム
等でもよい。また、逆導電型層133の材料としては、
非晶質シリコンの他に非晶質シリコンカーバイドや非晶
質シリコンゲルマニウム等の合金材料を用いてもよく、
多結晶もしくは部分的に非晶質を含む微結晶のシリコン
またはその合金材料を用いることもできる。
【0041】ここで、堆積される光電変換ユニット13
の上面13Aには、微細な凹凸を含む表面テクスチャ構
造が形成される。これは、光電変換ユニット13に含ま
れる結晶質光電変換層132がその堆積時に自然に凹凸
テクスチャ構造を生じることによるものであり、これに
よって、光電変換ユニット13の上面13Aが、広範囲
の波長領域の入射光を散乱させために一層適した微細な
表面凹凸テクスチャ構造になり、光電変換装置における
光閉じ込め効果も大きくなる。
【0042】光電変換ユニット13上に形成される透明
前面電極14は、好ましくは、ITO、SnO2 および
ZnOから選択された1以上の層を含む。
【0043】さらに、この透明前面電極14上のグリッ
ド電極として、好ましくはAl、Ag、Au、Cuおよ
びPtから選択された少なくとも1以上の金属またはこ
れらの合金の層を含む櫛型金属電極15が形成されてい
る。
【0044】このようなシリコン系薄膜光電変換装置に
おいて、光電変換されるべき光hνは、透明前面電極1
4側から照射される。
【0045】図2は、本発明の第2の実施の形態による
シリコン系薄膜光電変換装置を模式的に示す概略断面図
である。図2において、図1と同一部分は同一符号を付
し、その詳細な説明は以下の記載から省略する。
【0046】図2に示すシリコン系薄膜光電変換装置2
0は、非晶質/結晶質型のタンデム型シリコン系薄膜光
電変換装置である。図2に示すタンデム型光電変換装置
20においては、図1の光電変換装置10の場合と同様
に、基板11上に、光反射金属膜121および微細なテ
クスチャ構造を有する結晶質シリコン系薄膜122を含
む裏面電極12と、一導電型層131、光電変換層13
2および逆導電型層133を含む光電変換ユニット13
とが形成されている。この光電変化ユニット13は、後
方光電変換ユニットを構成する。
【0047】この後方光電変換ユニット13上に重ね
て、前方光電変換ユニット21がさらに形成されてい
る。この前方光電変換ユニット21は、好ましくはプラ
ズマCVD法にて順次堆積された一導電型(特にn型)
の微結晶または非晶質のシリコン系薄膜211、実質的
に真性半導体である非晶質シリコン系薄膜光電変換層2
12、および逆導電型(特にp型)の微結晶または非晶
質のシリコン系薄膜213を含む。前方光電変換ユニッ
ト21上には、透明前面電極14および櫛型金属電極1
5が図1に示す光電変換装置の場合と同様に形成され、
これによって図2に示されているようなタンデム型光電
変換装置が完成する。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0049】実施例1 本実施例では、図1に示す構造を有するシリコン系薄膜
光電変換装置を作製した。
【0050】すなわち、まず、ガラス基板11上に厚さ
300nmの銀層121を真空蒸着により堆積させた。
【0051】ついで、銀膜121の上に、RFプラズマ
CVD法によりドーパント原子含有非晶質シリコン薄膜
を150nmの厚さに形成した。このときのスパッタ条
件としては、下地温度300℃、反応室内圧力1.0T
orr、RFパワー密度16mW/cm2 であった。主
原料ガスとしてはシランを用い、ドーパント原子含有ガ
スとしてはホスフィンを用い、その流量比を1:0.0
022に設定した。
【0052】ついで、上記非晶質シリコン薄膜を300
℃の加熱処理に供した後、KrFエキシマレーザー光源
(波長248nm)を用いてパルスレーザーを照射し
た。その際、レーザーパルス幅は約25ナノ秒、レーザ
ーエネルギー密度は、650mJ/cm2 に設定した。
【0053】得られた結晶質シリコン系薄膜122は、
20Ω/□のシート抵抗を有しており、その微細表面テ
クスチャ構造は、高低差が、平均で100nmであっ
た。
【0054】次に、結晶質シリコン系薄膜122上に、
光電変換ユニット13を構成する一導電型層(n型層)
131、ノンドープの結晶質シリコン系光電変換層13
2および逆導電型層(p型層)133をプラズマCVD
法により形成した。ノンドープの結晶質シリコン系光電
変換層132は300℃の下地温度の下でRFプラズマ
CVD法によって3.0μmの厚さに形成した。この結
晶質光電変換層132において、2次イオン質量分析法
によって求めた水素含有量は2.3原子%であり、X線
回折における(220)回折ピークに対する(111)
回折ピークの強度比は0.084であった。
【0055】ついで、光電変換ユニット13上に前面電
極としてITO層14を形成し、その上に電流取り出し
用の櫛型銀電極15を形成した。
【0056】こうして得られた光電変換装置に入射光h
νとしてAM1.5の光を100mW/cm2 の光量で
照射して出力特性を測定したところ、開放端電圧が0.
61V、短絡電流密度が26mA/cm2 、曲線因子が
76%、そして変換効率が12%であった。
【0057】比較例1 結晶質シリコン系薄膜122の代わりに、酸化亜鉛をス
パッタ法により形成した以外は、実施例1と同様にして
光電変換装置を作製した。
【0058】得られた光電変換装置について、実施例1
と同様に出力特性を測定したところ、開放端電圧が0.
55V、短絡電流密度が25.5mA/cm2 、曲線因
子が77%、そして変換効率が10.8%であった。
【0059】実施例2 本実施例では、図2に示す構造を有する非晶質/結晶質
型のタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を作製し
た。
【0060】すなわち、実施例1の手法により、基板1
1上に、光反射性金属膜121と結晶質シリコン薄膜1
22を含む裏面電極12および光電変換ユニット13を
形成した。ただし、結晶質シリコン系光電変換層132
の膜厚は、3.0μmの厚さに設定した。
【0061】ついで、得られた後方光電変換ユニット1
3上に、前方光電変換ユニットとしての第2のユニット
21をさらに積層した。この第2の光電変換ユニット2
1は、順次積層されたn型層211、非晶質シリコン系
光電変換層212、およびp型層213を含む。なお、
非晶質光電変換層212の厚さは、300nmに設定し
た。
【0062】最後に、第2の光電変換ユニット21上
に、実施例1の場合と同様に、透明前面電極14と櫛型
Ag電極15を形成した。
【0063】こうして得られた光電変換装置について、
実施例1と同様にして出力特性を測定したところ、開放
端電圧が1.4V、短絡電流密度が12.5mA/cm
2 、曲線因子が74.5%、そして変換効率が13%で
あった。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、光電変
換効率が向上したシリコン系薄膜光電変換装置およびそ
の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による結晶質シリコ
ン系薄膜光電変換装置を説明するための模式的な断面図
である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による非晶質/結晶
質型のタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を説明す
るための模式的な断面図である。
【符号の説明】
11…基板 12…裏面電極 13…光電変換ユニット 14…透明前面電極 15…櫛型金属電極 121…光反射性金属膜 122…ドーパント原子含有結晶質シリコン系薄膜 131,211…一導電型層 132,212…光電変換層 133,213…逆導電型層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反射性金属膜を含む裏面電極と、前記
    裏面電極の前面側に設けられた、一導電型層、結晶質シ
    リコン系薄膜からなる光電変換層および逆導電型層を含
    むシリコン系薄膜光電変換ユニットと、前記光電変換ユ
    ニットの前面側に形成された透明前面電極とを備え、 前記光反射性金属膜と一導電型層との間に、少なくとも
    表層領域が結晶質であり、かつ微細な表面凹凸構造を有
    するドーパント原子含有結晶質シリコン系薄膜をさらに
    備えることを特徴とするシリコン系薄膜光電変換装置。
  2. 【請求項2】 前記ドーパント原子含有結晶質シリコン
    系薄膜のキャリア濃度が、1×1020/cm3 以上であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のシリコン系薄膜光
    電変換装置。
  3. 【請求項3】 前記ドーパント原子が、周期律表第15
    族に属する原子であることを特徴とする請求項1または
    2に記載のシリコン系薄膜光電変換装置。
  4. 【請求項4】 基板上に、光反射性金属膜を介して、ド
    ーパント原子を含有する非晶質シリコン系薄膜を形成す
    る工程、 前記非晶質シリコン系薄膜に対してパルスレーザーを照
    射して非晶質シリコンを少なくともその表層領域におい
    て結晶質シリコンに変換させるとともに、その表面に微
    細な表面凹凸構造を生じさせることによって前記ドーパ
    ント原子を含有する結晶質シリコン系薄膜を形成する工
    程、 前記ドーパント原子含有結晶質シリコン系薄膜上に、一
    導電型層、結晶質シリコン系薄膜からなる光電変換層お
    よび逆導電型層を含むシリコン系薄膜光電変換ユニット
    を形成した後、透明前面電極を形成する工程を含むこと
    を特徴とするシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 パルスレーザーのエネルギー密度が、4
    00〜800mJ/cm2 であることを特徴とする請求
    項4に記載のシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 単位面積当たり50ショット以上のパル
    スレーザーを照射することを特徴とする請求項4に記載
    のシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記パルスレーザーの照射の際の下地温
    度が、100℃〜550℃であることを特徴とする請求
    項4ないし6のいずれか1項に記載のシリコン系薄膜光
    電変換装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ドーパント原子含有シリコン系薄膜
    のキャリア濃度が、1×1020/cm3 以上であること
    を特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載の
    シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ドーパント原子が、周期律表第15
    族に属する原子であることを特徴とする請求項4ないし
    8のいずれか1項に記載のシリコン系薄膜光電変換装置
    の製造方法。
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