JP2000358154A - 透かしマークの可視度を調整可能な電子透かし - Google Patents
透かしマークの可視度を調整可能な電子透かしInfo
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Abstract
ークを埋め込むための電子透かし技術を提供する。 【解決手段】 第1と第2の表色系の間の変換行列と逆
変換行列とを準備し、また、実数値xおよび−xを成分
とし、かつ、各行および各列の成分の和が略0となる付
加行列を設定する。そして、変換行列に付加行列を加算
することによって、透かし埋め込み用変換行列を作成す
る。次に、透かしマーク内の位置に相当する画素におい
て、透かし埋め込み用変換行列を用いて第1の表色系の
画像データを第2の表色系に変換する。この第2の表色
系の画像データを第1の表色系に逆変換することによっ
て、透かしマークが埋め込まれた透かし付き画像を表す
透かし付き画像データを作成する。また、付加行列の設
定の際に、実数値xと、付加行列内の各成分の配列との
うちの少なくとも一方を調整することによって、透かし
付きカラー画像における透かしマークの可視度を調整す
る。
Description
しマークを電子的に埋め込む電子透かし技術に関する。
トワークの発展に伴って、情報のデジタル化が進み、多
くのユーザが簡単に必要とする情報にアクセスできるよ
うになっている。その反面、そのデジタル情報に著作権
が発生しているデジタルコンテンツについて、その著者
に断わりなく容易にデータが複製できるような環境にな
りつつあり、不正コピーにともなう著作権侵害の問題が
注目されてきている。そこで、デジタルコンテンツの主
たる情報であるカラー画像に関しての著作権侵害を防止
すること等を目的として、著作権情報などの透かし情報
をカラー画像のデータに埋め込む電子透かし技術が注目
されている。
淡画像に対して多くの技術的提案がなされている。カラ
ー画像についても、その輝度成分(Y成分)を考えれ
ば、濃淡画像と同様に扱うことができるので、濃淡画像
に対応する輝度成分に、電子透かしを埋め込む手法が用
いられてきた。
画像に固有の信号やデータを用いて電子透かしを埋め込
もうとする提案は、ほとんどなされていない。電子透か
し埋め込み技術として、カラープリンタの色空間を利用
した「カラー画像の深層情報記録」(画電学会、年次大
会予稿集、7,20,pp.47−48)、視覚特性を
巧みに利用したモデル構成型の「視覚特性を考慮した色
彩透かしの一手法」(IMPS 97,I−3.14,
pp.45−46 (1997))、「デジタル画像へ
の電子透かし埋め込みの一手法」(SITA 97,V
ol.2,pp.541−544(1997))が提案
されている。これらの技術は、モデルが煩雑で透かしの
埋込み処理が簡単でないといった弱点をもっている。ま
た、カラー画像の下位ビットに透かしを埋め込む方法で
は、カラー画像の画像品質を劣化させることも指摘され
ていた。
して透かしマークを埋め込むための電子透かし技術を提
供することを目的とする。
発明では、第1の表色系のカラー画像データを、第1の
表色系とは異なる第2の表色系のカラー画像データに変
換する変換行列と、その変換の逆変換を行なう逆変換行
列と、を準備する。また、実数値xおよび−xを成分と
し、かつ、各行および各列の成分の和が略0となる付加
行列を設定する。そして、変換行列に付加行列を加算す
ることによって、透かし埋め込み用変換行列を作成す
る。次に、カラー画像内に埋め込まれる透かしマークを
準備し、透かしマーク内の位置に相当する画素におい
て、透かし埋め込み用変換行列を用いて第1の表色系の
カラー画像データを第2の表色系に変換する。この変換
により得られた第2の表色系のカラー画像データを、逆
変換行列を用いて第1の表色系に逆変換することによっ
て、透かしマークが埋め込まれた透かし付きカラー画像
を表す透かし付き画像データを作成する。また、付加行
列の設定の際に、実数値xと、付加行列内の各成分の配
列とのうちの少なくとも一方を調整することによって、
透かし付きカラー画像における透かしマークの可視度を
調整する。
よび逆変換行列と付加行列とを用いて変換と逆変換とを
行うことによって、カラー画像に透かしマークを埋め込
むことができる。付加行列の成分を規定する実数値xの
値が変わると、透かしマークの色彩が変化する。また、
付加行列の各成分の配列の変更によっても透かしマーク
の色彩が変化する。従って、付加行列の実数値xの値
と、付加行列内の各成分の配列とのうちの少なくとも一
方を調整することによって、透かしマークの可視度を調
整することが可能である。
は、光の三原色をパラメータとするRGB表色系や輝度
信号および色差信号をパラメータとするYCbCr表色
系を適宜採用することができる。これらの表色系は、画
像データを扱う場合にしばしば用いられるものであり、
かつ相互の変換行列が良く知られたものである。したが
って、これからの画像データを取り扱うレタッチソフト
などが多数存在し、電子透かしを簡便に埋め込むことが
できる。
離された複数のマーク群を含んでいてもよい。このと
き、複数のマーク群のうちの少なくとも一部のマーク群
において、実数値xを、他のマーク群と異なる値に設定
することによって可視度の調整を行うことができる。こ
うすれば、可視度の異なる複数のマーク群をカラー画像
内に埋め込むことが可能である。
画素で構成されるマーク領域を含とともに、マーク領域
が複数の区分領域に区分されていてもよい。このとき、
複数の区分領域のうちの少なくとも一部の区分領域にお
いて、実数値xを、他の区分領域と異なる値に設定する
ことによって可視度の調整を行うことができる。こうす
れば、可視度の異なる複数の区分領域で構成されたマー
ク領域を含むような透かしマークをカラー画像内に埋め
込むことが可能である。
たは行同士を入れ替えることによって行うことが可能で
ある。こうすれば、単に列同士または行同士の入れ替え
によって、透かしマークを所望の可視度に設定すること
が可能である。
しマークが肉眼で視認可能である場合には、透かしマー
クの可視度を低下させることも可能である。この際、ま
ず、逆変換行列と前記付加行列の積と、変換行列と等し
い次数を有する単位行列と、の和の逆行列である不可視
化行列を準備する。そして、透かしマーク内の位置に相
当する画素において、透かし付き画像データに不可視化
行列を操作させることによって、視認可能な透かしマー
クの可視度を低下させる。
換によって得られたYCbCr表色系の画像データを、
逆変換行列を用いて前記RGB表色系に逆変換するに際
して、RGB表色系の画像データにおける各画素値が所
定範囲の整数値となるようにアンダフロー補正およびオ
ーバフロー補正を行なうことが好ましい。こうすれば、
RGB表色系の画像データが採り得る範囲内に、逆変換
した結果を納めることができる。
0.7の範囲の値に設定することが好ましい。こうすれ
ば、アンダーフロー補正やオーバーフロー補正の発生率
を小さく抑えることができるので、透かしマークの埋め
込みによる実質的な画質の劣化を低減することができ
る。
置、その方法または装置の機能を実現するためのコンピ
ュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録
した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送
波内に具現化されたデータ信号、等の種々の態様で実現
することができる。
復号処理の原理:以下、本発明の実施の形態を実施例に
基づいて説明する。図1は、実施例におけるデジタルカ
ラー画像への電子透かしの埋め込み処理の原理の説明図
である。また、図2は、埋め込み処理の内容を示す説明
図である。
原画像であるデジタルカラー画像を示している。この原
画像Pは、マトリックス状に配置された多数の画素の集
合体として定義されており、原画像Pの大きさは、水平
解像度Hsizeと垂直解像度Vsizeによって規定されてい
る。なお、水平解像度や垂直解像度の単位は、画素数で
ある。
を表す画像データは、行列P=[r,g,b]t (上付
文字「t 」は転置行列を示す)で定義される。ここで、
r,g,bは、光の三原色である赤(r)、緑(g)、
青(b)それぞれの色成分の輝度である。各色の輝度
は、所定の分解能(例えば、0から255までの256
階調)で表現される。また、各画素の色を規定する表色
系しては、RGB表色系の他に、輝度信号と2つの色差
信号とで構成されるYCbCr表色系が広く知られてい
る。本明細書において、YCbCr表色系による各画素
の色を表す画像データは、行列F=[y,cb,cr]
t で定義される。
(1b)式に示すように、色信号変換行列Aと、その逆
行列A-1とによって相互に可逆的に変換することが可能
である。
(i,j)は、画素の位置を意味している。
列A-1として、以下の(2a),(2b)式で与えられ
るものを使用する。
PをYCbCr表色系の画像データFに変換する際に透
かしマークを埋め込み、これを再度RGB表色系に逆変
換することによって透かし付き画像を作成する。透かし
マークの埋め込みに使用される変換行列(「埋め込み用
変換行列」と呼ぶ)は、変換行列Aに、次の(3)式で
与えられる付加行列Xを加算したもの(すなわち(A+
X))である。
成分とし、かつ、各行および各列の成分の和が0となる
ような行列である。なお、本明細書においては、この実
数値xを「透かし値」も呼び、また、付加行列Xを「透
かし行列」とも呼ぶ。このような透かし行列Xの構成
は、以下のような理由によって決定されている。まず、
透かしマークを肉眼で視認できないように埋め込むこと
を考える。このためは、透かしの埋込みによる画質劣化
をできるだけ防ぐことが好ましい。ところで、(2a)
式で与えられる変換行列Aの各成分を観察すると、各行
の成分の絶対値の和がすべて1となっていることが解
る。従って、埋め込み用変換行列(A+X)において
も、各行の成分の絶対値の和が1となるような関係を保
持することが、画質劣化を防止する上で好ましい。
(3)式の透かし行列Xは、各行および各列の成分の和
が0となるように設定されているので、このような要求
を満足している。
は、この原画像Pの他に、埋め込まれるべき透かしマー
クを含むマーク画像Mを準備する。図2(B)には、本
実施例で使用されるマーク画像Mの一例が示されてい
る。このマーク画像Mは2値画像であり、透かしマーク
を構成する2つの文字「I」と「T」の領域における画
素値mが1であり、その他の領域における画素値mは0
である。以下では、画素値mが1である領域を「透かし
マークの有効領域」または単に「マーク領域」と呼び、
画素値mが0である領域を「透かしマークの非有効領
域」と呼ぶ。なお、透かしマークの有効領域を単に「透
かしマーク」と呼ぶこともある。例えば「透かしマーク
内の位置」という文言は、「透かしマークの有効領域内
の位置」と同じ意味を有している。
一のサイズを有している。但し、マーク画像Mが原画像
Pと同一のサイズを有している必要は無く、原画像M内
に埋め込まれる透かしマークの位置が何らかの方法で決
定されていれば良い。
の(4a),(4b)式に従って、RGB表色系からY
CbCr表色系への変換が行われる。
する位置の画素(m(i,j)=1の画素)において
は、元の変換行列Aと透かし行列Xとを加算した埋め込
み用変換行列(A+X)を用いて表色系の変換が実行さ
れる。一方、透かしマークの非有効領域に相当する位置
の画素(m(i,j)=0の画素)においては、元の変
換行列Aをそのまま用いて表色系の変換が実行される。
べての画素に対して実行すると、透かし情報が埋め込ま
れた透かし付きYCbCr画像データFX が得られる
(図1,図2(C))。
タFX に対して逆変換行列A-1を左から操作させると、
次の(5a),(5b)式で与えられる透かし付きRG
B画像データPX が得られる(図1)。
かし付きRGB画像データPX は、透かしマークの有効
領域内において、原RGB画像データPにノイズ成分
(A-1XP)が重畳されたものである。また、透かしマ
ークの非有効領域においては、透かし付きRGB画像デ
ータPX は原RGB画像データPと等しい値を有してい
る。
うに、透かし行列Xの各行の成分の和は0である。従っ
て、原RGB画像データP(i,j)のr,g,b成分
の値が互いに等しいとき(すなわち無彩色のとき)に
は、(5a)式のノイズ成分(A-1XP)は0になって
しまう。このような問題を防止するために、透かしマー
クは、原画像内の無彩色でない領域に位置決めしておく
ことが好ましい。
の透かしマークが薄く見えているような状態を示してい
る。しかし、実際には、透かしマークの可視度(肉眼に
よる認識のし易さ)は、透かし行列Xにおける透かし値
xを調整することによって調整可能である。透かしマー
クの可視度の調整の方法については、さらに後述する。
成されるのに対して、YCbCr画像データは実数値で
構成されるのが普通である。従って、(4a),(4
b)式によってYCbCr表色系に変換する際には実数
化が行われ、(5a),(5b)式によってRGB表色
系に逆変換する際には整数化が行われる。この整数化の
際には、画素値が負となってアンダフローを発生する場
合や、画素値の上限を超えてオーバフローとなる場合が
発生する。この問題を解決するため、本実施例では、整
数化の際にアンダフロー補正およびオーバフロー補正を
行う。すなわち、整数化前の画素値が負となった場合に
は0とするアンダーフロー補正を行い、また、そのビッ
ト表現の上限値(たとえば255)を超える場合にはそ
の上限値を採用するオーバーフロー補正を行う。
を行うと、透かし付き画像の実質的な画質を劣化させ
る。ここで、「実質的な劣化」とは、透かしマークを消
去しても回復できないような画質の劣化を意味する。ア
ンダーフロー補正やオーバーフロー補正は、本来の変換
行列Aに透かし行列Xを加算したことに起因しているの
で、アンダーフロー補正やオーバーフロー補正の発生率
は透かし行列Xの成分である透かし値xに依存する。従
って、透かし値xは、アンダーフロー補正やオーバーフ
ロー補正があまり発生しないような値に設定することが
好ましい。
正およびオーバーフロー補正の発生率との関係を示す説
明図である。ここでは、画質の特性評価用に用いられる
標準画像である"girl"と"graphic" の2つの画像に関す
る結果が示されている。なお、透かし値xが0.1の場
合と−0.1の場合とで結果が異なるのは、画像内にお
ける3色の成分r,g,bの分布に偏りがあるためであ
ると考えられる。図3の結果から、アンダーフロー補正
およびオーバーフロー補正の発生率を低く抑えるために
は、透かし値xを約0.7以下の値に設定することが好
ましいことが解る。なお、透かし値xを0に設定すると
透かしマークを埋め込むことができないので、実際には
透かし値xを約0.01以上の値に設定することが好ま
しい。従って、透かし値xとしては約0.01〜約0.
7の範囲の値に設定することが好ましい。
眼では認識できないときには、その透かしマークを復元
する必要が生じる。肉眼で認識できない透かしマーク
は、透かし付きRGB画像データPX に含まれるノイズ
成分(A-1XP)を利用することによって、以下のよう
な種々の方法で復号することが可能である。
成分r,g,bの輝度値を最大値近くまで高めるように
画像の色変更処理を行う方法である。こうすれば、ノイ
ズ成分(A-1XP)も大きくなるので、透かしマークが
肉眼で認識し易くなる可能性がある。
タPX に含まれるノイズ成分(A-1XP)を直接的に利
用する方法である。すなわち、原画像データPを鍵とし
て用いて、透かし付きRGB画像データPX においてノ
イズ成分(A-1XP)を有する領域を決定することによ
って、透かしマーク(すなわち透かし情報)を復号する
ことができる。具体的には、透かし付きRGB画像デー
タPX と原RGB画像データPとの差分(PX −P)を
求め、この差分(PX −P)が0でない領域をマーク領
域として決定することが可能である。なお、差分(PX
−P)はr,g,bの3つの成分を有する行列であり、
「差分(PX −P)が0でない」という文言は、3つの
成分の少なくとも1つが0ではない、という意味であ
る。
-1XP)に変換行列Aを左から操作させると、透かし行
列Xと原画像データPとの積(XP)が得られる。原画
像データPが既知であれば、透かし値xが不明な場合に
も、この積(XP)から透かし行列Xの透かし値xを復
号することが可能である。
を加算した埋め込み用の変換行列(A+X)を用いるこ
とによって、透かしマークをカラー画像内に埋め込むこ
とができる。また、透かし付き画像から、埋め込まれた
透かしマークを復元することも可能である。
たように、透かし付きRGB画像PX では、マーク領域
においてノイズ成分(A-1XP)が重畳されている。従
って、透かし値xの大きさを調整してノイズ成分(A-1
XP)の値を変更することによって、透かしマークの可
視度を調整することが可能である。
を示す説明図である。図4(A)の原画像Pおよび図4
(B)のマーク画像Mは、図2(A),(B)に示した
ものと同じである。
値に設定すると、図4(C)に示すように、透かし付き
画像内の透かしマークがはっきりと肉眼で認識できる。
このような透かしマークを、本明細書では「可視透か
し」と呼ぶ。特に、色彩の変化が少ない領域に透かしマ
ークが存在すると、マーク領域における色彩の変化を、
よりはっきりと認識できる。従って、透かしマークを視
認し易くするためには、色彩の変化が少ない領域に透か
しマークを位置決めすることが好ましい。
的小さな値に設定すると、図4(E)に示すように、透
かし付き画像内の透かしマークが肉眼では認識できなく
なる。このような透かしマークを、本明細書では「不可
視透かし」と呼ぶ。なお、図4(E)では、透かしマー
クの位置を示すために、マーク領域の外形を点線で示し
ているが、実際には、ほとんど肉眼で認識できない程度
に透かしマークを不可視化することが可能である。特
に、明度が低い領域や、無彩色に近い有彩色の領域で
は、透かしマークを視認し難い傾向にある。従って、透
かしマークを視認し難くするためには、明度が低い領域
や、無彩色に近い有彩色の領域に透かしマークを位置決
めすることが好ましい。
の中間的な値に設定すると、半透明な透かし(「半可視
透かし」と呼ぶ)を生成することができる。例えば、透
かし値xを約0.3程度の値に設定すると、図4(D)
に示すように、透かし付き画像内の透かしマークが半透
明になる。
することによって、透かしマークの可視度を所望の程度
に設定することが可能である。
する代わりに、透かし行列Xの配列を調整することによ
って、透かしマークの色を調整することが可能である。
すなわち、(3)式に示した透かし行列Xの代わりに、
次の(6)式および(7)式に例示されるような透かし
行列X1,2 ,X1,3 を用いて上述した埋め込み処理を行
えば、透かしマークの色が変更される。
の透かし行列Xの第1行目と第2行目を入れ替えたもの
である。また、(7)式の透かし行列X1,3 は、(3)
式の透かし行列Xの第1行目と第3行目を入れ替えたも
のである。これらの例から解るように、一般には、透か
し行列Xの列同士または行同士を入れ替えることによっ
て、透かしマークの色を変更することが可能である。な
お、透かしマークの色を変えると、肉眼による認識のし
易さ(すなわち可視度)も変わることが多い。そこで、
本明細書では、このように透かし行列の列同士または行
同士を入れ替えることによって、透かしマークの色を変
更することも、「可視度の調整」に該当する。
しは、更に、以下の処理によって不可視化することが可
能である。前述した(5a)式から理解できるように、
透かしマークが肉眼で認識できるのは、透かし付き画像
データPX のノイズ成分(A-1XP)が比較的大きいか
らである。従って、ノイズ成分(A-1XP)を低減する
処理を実行することによって、可視透かしを不可視化す
ることが可能である。この不可視化処理の際には、次の
(8)式で与えられる不可視化行列Kを用いる。
なわち、不可視化行列Kは、逆変換行列Aー1と透かし
行列Xの積(A-1X)と、変換行列Aと等しい次数を有
する単位行列Iと、の和(I+A-1X)の逆行列であ
る。
に、(5a)式の透かし付きRGB画像データPX に操
作すれば、その積算結果が以下の(9)式で与えられ
る。
(i,j)となっているのは、上述した埋め込み処理の
途中における演算誤差(丸め誤差)によって、完全には
元の画像データP(i,j)には戻らないことがあるこ
とを意味している。すなわち、YCbCr信号からRG
B信号に逆変換するときに整数化が行われるので、不可
視化後の画像データP’(i,j)が原画像データP
(i,j)と全く同じ値を得ることはできないことがあ
る。しかし、その誤差は、小数点以下の小さな量なの
で、肉眼では、不可視化後の画像が原画像と変わらない
状態に見える。しかし、オーバーフロー補正やアンダー
フロー補正による誤差が大きなときには、不可視化を行
っても色彩を元にもどせなくなり、透かしマークの形跡
が視認できることもある。従って、なるべく完全に不可
視化できるようにするためには、オーバーフロー補正や
アンダーフロー補正をあまり発生させない程度の小さな
透かし値xを用いておくことが好ましい。
ーク領域において誤差を含んでいるので、不可視化後の
画像データP’からも、透かしマークを復号することが
可能である。例えば、不可視化後の画像データP’と原
画像データPとの差分(P’−P)をとり、この差分
(P’−P)が0では無い領域を、マーク領域と決定す
ることができる。
は、透かしマークの全体に1つの透かし値xを用いてい
た。仮に透かし値xを第三者に知られた場合には、偽の
透かしが作成されたり、透かしマークを容易に変更され
たりするおそれがある。そこで、電子透かしのセキュリ
ティを強化するために、マーク画像内に複数の透かし値
xを適用することが好ましい。
を適用した例を示す説明図である。図6(A)では、透
かしマークを構成する2つの文字「I」,「T」のマー
ク領域に対して、異なる透かし値x1 ,x2 が適用され
ている。また、図6(B)では、マーク画像内に、空間
的に分離された2組のマーク群が配置されており、これ
らの2つのマーク群に対して異なる透かし値x1 ,x2
が適用されている。なお、図6(A)の場合にも、文字
「I」と「T」を、互いに異なるマーク群であると考え
ることも可能である。すなわち、一般に、互いに空間的
に分離された複数のマーク群に対して、互いに異なる透
かし値xを設定することが可能である。上述したよう
に、透かしマークの可視度は透かし値xに応じて変わる
ので、マーク画像内の複数のマーク群に異なる透かし値
xを設定することによって、様々な可視度のマーク群を
透かし付き画像内に埋め込むことが可能である。
区分例を示す説明図である。図7の例では、1つの文字
「T」で構成されるマーク領域が、複数の区分領域に区
分されており、隣接する区分領域には異なる透かし値x
が適用されている。マーク領域の区分方法としては、図
7(A)のように平行線で区分する方法や、図7(B)
に示すように等高線状の多重輪郭線によって区分する方
法などの種々の方法が考えられる。なお、「1つのマー
ク領域」とは、空間的に連続した画素で構成される有効
領域を意味している。
域に適用されている透かし値xを秘匿できるので、第三
者が透かし値xを容易に発見できないようにすることが
可能である。
本実施例による上述の電子透かし処理を実行する電子透
かし処理装置の構成を示すブロック図である。この電子
透かし処理装置は、CPU22と、ROMおよびRAM
を含むメインメモリ24と、フレームメモリ26と、キ
ーボード30と、マウス32と、表示装置34と、ハー
ドディスク36と、モデム38と、画像を読み取るスキ
ャナ39と、これらの各要素を接続するバス40と、を
備えるコンピュータである。なお、図8では各種のイン
ターフェイス回路は省略されている。モデム38は、図
示しない通信回線を介してコンピュータネットワークに
接続されている。コンピュータネットワークの図示しな
いサーバは、通信回線を介してコンピュータプログラム
を電子透かし処理装置に供給するプログラム供給装置と
しての機能を有する。
み部42と、電子透かし復号部44と、透かし可視化部
46と、の機能を実現するためのコンピュータプログラ
ムが格納されている。電子透かし埋め込み部42と電子
透かし復号部44と透かし可視化部46の機能について
は既に詳しく説明した通りである。
現するコンピュータプログラムは、フレキシブルディス
クやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記
録媒体に記録された形態で提供される。コンピュータ
は、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取
って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。ある
いは、通信経路を介してコンピュータにコンピュータプ
ログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプ
ログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納
されたコンピュータプログラムがコンピュータのマイク
ロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記
録されたコンピュータプログラムをコンピュータが読み
取って直接実行するようにしてもよい。
ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概
念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作す
るハードウェア装置を意味している。また、オペレーシ
ョンシステムが不要でアプリケーションプログラム単独
でハードウェア装置を動作させるような場合には、その
ハードウェア装置自体がコンピュータに相当する。ハー
ドウェア装置は、CPU等のマイクロプロセッサと、記
録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取る
ための手段とを少なくとも備えている。コンピュータプ
ログラムは、このようなコンピュータに、上述の各手段
の機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。な
お、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラム
でなく、オペレーションシステムによって実現されてい
ても良い。更に、電子透かしの埋め込み処理や復号処
理、透かしの不可視化処理を行なうプログラムは、画像
処理を行なうプログラムに対して、プラグインの形式で
付加されるものとしてもよい。
ては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気デ
ィスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカー
ド、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピ
ュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)
および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な
種々の媒体を利用することができる。
う埋め込み処理の手順を示すフローチャートである。ス
テップS1では、原RGB画像Pと、マーク画像Mとを
準備する。ステップS2では、表色系の変換に用いる変
換行列Aと、その逆変換行列A-1とを準備する。ステッ
プS3では、透かし行列Xと、透かし値xとをそれぞれ
設定する。なお、ステップS3では、上述した透かし値
xの値による可視度の調整と、透かし行列Xの行同士ま
たは列同士の入れ替えによる可視度の調整と、マーク画
像内における複数の透かし値xの設定とを含む種々の設
定をユーザが行うことが可能である。
(A+X)と逆変換行列A-1とを用いて、上述した埋め
込み処理を実行する。ステップS5では、透かし付き画
像がディスプレイ34に表示される。あるいは、透かし
付き画像を図示しないプリンタで印刷するようにしても
よい。ステップS6では、ユーザが、この透かし付き画
像を観察し、結果が満足できるものであれば、埋め込み
処理を終了する。結果に満足できないときは、ステップ
S3に戻り、透かし行列Xと透かし値xの設定を変更し
て、再度ステップS4,S5を実行する。こうして、ス
テップS3〜S6を繰り返すことによって、所望の可視
度の透かしマークが埋め込まれた透かし付き画像を作成
することが可能である。
かしマークの復号や、透かし不可視化部46による可視
透かしの不可視化は、透かしマークが埋め込まれた透か
し付き画像に対して、必要に応じて実行される。これら
の処理手順の説明は省略する。
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能であり、
例えば次のような変形も可能である。
によって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置
き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによっ
て実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換え
るようにしてもよい。例えば、図8においてコンピュー
タプログラムで実現されていた電子透かし埋め込み部4
2と電子透かし復号部44と透かし可視化部46の機能
を、それぞれ専用のハードウェア回路で実現することも
可能である。
YCbCr表色系に一旦変換した後に逆変換することに
よって透かしマークの埋め込みを行っていたが、これと
は逆に、YCbCr表色系からRGB表色系に一旦変換
した後に逆変換することによって埋め込みを行っても良
い。また、利用できる表色系としてはこれらの2つの表
色系に限らず、変換と逆変換を可逆的に行いうる任意の
2つの表色系を利用することが可能である。
め込み時に、透かしマークの非有効領域内の画素につい
ても、変換行列Aと逆変換行列A-1を用いて変換と逆変
換をそれぞれ行っていたが、非有効領域については逆変
換を行うと原画像データに戻るので、このような変換や
逆変換を行わないようにしても良い。この場合には、透
かしマークの有効領域について上述した埋め込み処理を
行い、こうして得られた透かしマーク領域内の画像デー
タを原画像データPに合成(すなわち上書き)すること
によって、透かし付き画像データPX の全体を得ること
ができる。換言すれば、透かしマークの埋め込みに際し
ては、少なくとも透かしマークの有効領域内の位置に相
当する画素について、埋め込み用変換行列(A+X)を
用いた変換と、逆変換行列A-1とを用いた逆変換とを行
えばよい。
字列で構成されている例を示したが、透かしマークとし
ては、文字列以外の任意のオブジェクト(自然画、イラ
スト、ロゴ等)を用いることが可能である。
処理の原理を示す説明図。
図。
ーフロー補正の発生率との関係を示す説明図。
図。
を示す説明図。
説明図。
透かし処理装置の概略構成を示すブロック図。
ート。
Claims (9)
- 【請求項1】 カラー画像に透かしマークの埋め込みを
行う電子透かし方法であって、(a)第1の表色系のカ
ラー画像データを前記第1の表色系とは異なる第2の表
色系のカラー画像データに変換する変換行列と、前記変
換の逆変換を行なう逆変換行列と、を準備する工程と、
(b)実数値xおよび−xを成分とし、かつ、各行およ
び各列の成分の和が略0となる付加行列を設定する工程
と、(c)前記変換行列に前記付加行列を加算すること
によって、透かし埋め込み用変換行列を作成する工程
と、(d)カラー画像内に埋め込まれる透かしマークを
準備する工程と、(e)前記透かしマーク内の位置に相
当する画素において、前記透かし埋め込み用変換行列を
用いて前記第1の表色系のカラー画像データを前記第2
の表色系に変換する工程と、(f)前記変換により得ら
れた第2の表色系のカラー画像データを、前記逆変換行
列を用いて前記第1の表色系に逆変換することによっ
て、前記透かしマークが埋め込まれた透かし付きカラー
画像を表す透かし付き画像データを作成する工程と、を
備え、 前記工程(b)は、前記実数値xと、前記付加行列内の
各成分の配列とのうちの少なくとも一方を調整すること
によって、前記透かし付きカラー画像における前記透か
しマークの可視度を調整する工程を含むことを特徴とす
る電子透かし方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の電子透かし方法であっ
て、 前記透かしマークは、互いに空間的に分離された複数の
マーク群を含み、 前記可視度の調整は、前記複数のマーク群のうちの少な
くとも一部のマーク群において、前記実数値xを、他の
マーク群と異なる値に設定することによって行われる、
電子透かし方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の電子透かし方法であっ
て、 前記透かしマークは、空間的に連続した画素で構成され
るマーク領域を含むとともに、前記マーク領域が複数の
区分領域に区分されており、 前記可視度の調整は、前記複数の区分領域のうちの少な
くとも一部の区分領域において、前記実数値xを、他の
区分領域と異なる値に設定することによって行われる、
電子透かし方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の電子透かし方法であっ
て、 前記可視度の調整は、前記付加行列の列同士または行同
士を入れ替えることによって行われる、電子透かし方
法。 - 【請求項5】 請求項1記載の電子透かし方法であっ
て、 前記透かし付きカラー画像において前記透かしマークが
肉眼で視認可能である場合に、 前記方法は、さらに、(g)前記逆変換行列と前記付加
行列の積と、前記変換行列と等しい次数を有する単位行
列と、の和の逆行列である不可視化行列を準備する工程
と、(h)前記透かしマーク内の位置に相当する画素に
おいて、前記透かし付き画像データに前記不可視化行列
を操作させることによって、前記視認可能な透かしマー
クの可視度を低下させる工程を含む、電子透かし方法。 - 【請求項6】 請求項1記載の電子透かし方法であっ
て、 前記第1と第2の表色系の一方は、光の三原色を表す3
つの色信号成分で構成されるRGB表色系であり、前記
第1と第2の表色系の他方は、輝度信号と2つの色差信
号成分とで構成されるYCbCr表色系である、電子透
かし方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の電子透かし方法であっ
て、 前記工程(f)は、前記透かし埋め込み用変換行列によ
る変換によって得られた前記YCbCr表色系の画像デ
ータを、前記逆変換行列を用いて前記RGB表色系に逆
変換するに際して、前記RGB表色系の画像データにお
ける各画素値が所定範囲の整数値となるようにアンダフ
ロー補正およびオーバフロー補正を行なう工程を含む、
電子透かし方法。 - 【請求項8】 請求項1記載の電子透かし方法であっ
て、 前記実数値xは、約0.01から約0.7の範囲の値で
ある、電子透かし方法。 - 【請求項9】 カラー画像に透かしマークの埋め込みを
行うためのコンピュータプログラムを記録したコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体であって、 実数値xおよび−xを成分とし、かつ、各行および各列
の成分の和が略0となる付加行列を設定する機能と、 第1の表色系のカラー画像データを前記第1の表色系と
は異なる第2の表色系のカラー画像データに変換するた
めに予め準備された変換行列と、前記付加行列とを加算
することによって透かし埋め込み用変換行列を作成する
機能と、 前記透かし埋め込み用変換行列を用いて、予め準備され
た透かしマーク内の位置に相当する画素において、前記
第1の表色系のカラー画像データを前記第2の表色系に
変換する機能と、 前記変換により得られた第2の表色系のカラー画像デー
タを、前記変換行列による変換の逆変換を行うために予
め準備された逆変換行列を用いて前記第1の表色系に逆
変換することによって、前記透かしマークが埋め込まれ
た透かし付きカラー画像を表す透かし付き画像データを
作成する機能と、をコンピュータに実現させるためのコ
ンピュータプログラムを記録しており、 前記付加行列設定機能は、前記実数値xと、前記付加行
列内の各成分の配列とのうちの少なくとも一方を調整す
ることによって、前記透かし付きカラー画像における前
記透かしマークの可視度を調整する機能を含むことを特
徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17081699A JP3881810B2 (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 透かしマークの可視度を調整可能な電子透かし |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17081699A JP3881810B2 (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 透かしマークの可視度を調整可能な電子透かし |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000358154A true JP2000358154A (ja) | 2000-12-26 |
| JP3881810B2 JP3881810B2 (ja) | 2007-02-14 |
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ID=15911874
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|---|---|---|---|
| JP17081699A Expired - Fee Related JP3881810B2 (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 透かしマークの可視度を調整可能な電子透かし |
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|---|---|
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-
1999
- 1999-06-17 JP JP17081699A patent/JP3881810B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JP3881810B2 (ja) | 2007-02-14 |
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