JP2000500013A - プソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定パッケージング細胞株 - Google Patents

プソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定パッケージング細胞株

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シー. マリガン,リチャード
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生するパッケージング細胞株を含有する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株に関する。該パッケージング細胞株は、(a)レトロウイルスgagpol遺伝子および(b)誘導可能なオペレーター系の制御下にあり、その遺伝子産物がレトロウイルスコアウイルス粒子をプソイドタイプ化する非レトロウイルス遺伝子の発現を支配する、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)即時型初期プロモーターまたはこのプロモーターの誘導体を有する発現構築物(pMD等)のような1以上の非レトロウイルス発現構築物を含有する。さらに、本発明は、ヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生する、安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株の作製方法に関する。さらに、本発明は、本明細書に記載された特別なパッケージング細胞株(すなわちH29 gagpol、H29 new gagpol)および本明細書に記載された安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株を製造するために使用される特別な細胞と構築物(すなわちパッケージング要素)(H29細胞とpMD、pMDtet、pMDtet.G、PMD.gagpol、pMD.new gagpol構築物等)に関する。本発明は、2つのレトロウイルス長末端反復、cDNAの挿入のためのクローニング部位およびサイトメガロウイルスプロモーターを含有する、哺乳動物細胞での発現用cDNAライブラリーの作製のためのレトロウイルスベクターに関する。また本発明は、本発明のレトロウイルスベクターを含有する、哺乳動物細胞での発現用cDNAライブラリーに関する。また本発明は、哺乳動物細胞における発現クローニング方法に関する。また本発明は、哺乳動物細胞におけるcDNA発現クローニング方法に関する。また本発明は、哺乳動物細胞での相補性によるcDNA発現クローニングを用いる変異した表現型の原因となる遺伝子の欠損を同定する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 プソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定パッケージング細胞株 関連出願 本特許出願は、ダニエル エス.オーリ、マイケル セードレインおよびリチ ャード シー.マリガンにより1995年11月8日に出願された「遺伝子伝達 のためのプソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定パッケージング細胞株 」と題する米国特許出願番号第08/555,155号明細書およびダニエル エス.オーリおよびジーン イー.シャファーにより1996年5月21日に出 願された「相補性による発現クローニングのための水疱性口内炎ウイルス−G( VSV−G)宿主域を有するレトロウイルスcDNA発現ライブラリーの作製方 法」と題する米国特許出願番号第08/651,050号明細書の一部継続出願 である。それぞれの教示は、その内容の全体が参照により本明細書に合体される 。基金の陳述 本明細書に記載の研究は、国立衛生研究所助成金、K11 HL02910に より援助された。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。発明の背景 組換えレトロウイルスは、イン・ビボおよびイン・ビトロの遺伝子発現ならび に真核宿主細胞における目的の蛋白質の製造に有用である。一般に、組換えレト ロウイルスは、適当なプロウイルスDNAベクターを所望の組換えRNAの包膜 化および感染性組換えウイルス粒子の産生に必要なウイルス蛋白質を製造する哺 乳動物細胞に導入することにより製造される。ほとんどの遺伝子伝達の適用に関 しては、複製能を有するヘルパーウイルスフリーの組換えウイルスの高純度のス トックの生成が望まれるので、組換えレトロウイルスの生成に必要なウイルス遺 伝子産物を産生するが、それ自体検出可能なヘルパーウイルスを生じないかまた はウイルス遺伝子を伝達しない細胞株の開発にかなりの興味が存在している(Co ffin,J.、RNA Tumor Viruses、Weiss,R.ら、(編).Cold Spring Harbor La boratory,第2巻、36-73 頁(1985);Mann,R.ら、Cell,33: 153-159(1983); Watanabe,S.ら、Mol.Cell Biol.,3: 2241-2249(1983); Cone,R.D.ら、PN AS,USA,81: 6349-6353(1984); Miller,A.D.ら、Mol.Cell Biol.,6: 2895- 2902(1986); Bosselman,R.A.ら、Mol.Cell Biol.,7: 1797-1806(1986)。か かるようにするための1つのアプローチは、変異したプロウイルスゲノムを使用 してレトロウイルスパッケージング細胞株を開発することである。しかしながら 、ヘルパーウイルスの産生および/またはパッケージング機能(すなわち、ウイ ルス遺伝子)の伝達が依然として起こるかもしれない。 したがって、ヘルパーウイルスの産生能を制限する改良されたレトロウイルス パッケージング細胞株が必要とされる。発明の概要 本発明は、ヘルパーフリーのプソイドタイプのレトロウイルスを産生し、哺乳 動物起源であり、好ましくは安定パッケージングヒト細胞株等の非ネズミ起源で ある安定パッケージング細胞株に関する。これらは、本明細書では、それぞれ、 安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株および安定なプソ イドタイプのレトロウイルスパッケージングヒト細胞株と称する。パッケージン グ細胞株は、a)レトロウイルスgagpol遺伝子と称する、レトロウイルス gag遺伝子およびレトロウイルスpol遺伝子、およびb)誘導可能なオペレ ーター系の制御下にあり、その遺伝子産物がレトロウイルスコアウイルス粒子を プソイドタイプ化する非レトロウイルス遺伝子の発現を支配するヒトサイトメガ ロウイルス(CMV)即時型初期プロモーターまたはこのプロモーターの派生物 (pMD等)等の1以上の非レトロウイルス発現構築物を含有する。gagpo l遺伝子産物は、所望の組換えRNAを非レトロウイルス遺伝子産物によりプソ イドタイプ化されるコアウイルス粒子内にパッケージングし、ヘルパーフリーの 組換えレトロウイルスを産生可能な安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッ ケージング細胞株を生ずる。 1つの態様において、本発明は、汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの組 換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生可能な安定なプソイドタイプのレト ロウイルスパッケージング細胞株に関する。これらの細胞株は、ヘルパーフリー の組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生する。パッケージング細胞は、 レトロウイルスのgagpol遺伝子および水疱性口内炎ウイルスG(VSV− G)の糖蛋白質遺伝子の発現を支配する1以上の非レトロウイルス発現構築物を 含有する。誘導可能なオペレーター系(tetオペレーター等)の制御下にある VSV−G糖蛋白質は、gagpol蛋白質により生成されるレトロウイルスコ アウイルス粒子をプソイドタイプ化するエンベロープ蛋白質を提供する。その結 果は、汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロ ウイルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞 株(H29 gagpol等)である。別の態様において、変化した(突然変異 等)レトロウイルスgagpol遺伝子を用いて、安定なプソイドタイプのレト ロウイルスパッケージング細胞株(H29 new gagpol細胞株等)を 製造する。 本発明は、さらに、ヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルス を産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株の作製 方法に関する。本発明の方法において、哺乳動物細胞を、a)レトロウイルスg agpol遺伝子、およびb)誘導可能なオペレーター系の制御下にあり、レト ロウイルスコアウイルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープを提供する 非レトロウイルス遺伝子の発現を支配する1以上の非レトロウイルス発現構築物 で同時トランスフェクトする。gagpol蛋白質は、非レトロウイルス遺伝子 産物によりプソイドタイプ化されるコアウイルス粒子内に所望の組換えRNAを パッケージングし、ヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを 産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株を生ずる 。 1つの態様において、本発明は、汎親和性の宿主域を有するヘルパーフリーの 組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定なプソイドタイプのレト ロウイルスパッケージング細胞株の作製方法に関する。この態様において、哺乳 動物細胞を、レトロウイルスgagpol遺伝子(例えば、野生型または変化し た)およびVSV−G遺伝子の発現を支配する1以上の非レトロウイルス発現構 築物で同時トランスフェクトする。誘導可能なオペレーター系の制御下にあるV SV−G遺伝子は、gagpol蛋白質により製造されるレトロウイルスのコア ウイルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープ蛋白質を提供する。これに より、汎親和性の宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレト ロウイルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細 胞株を生ずる。 別の態様において、本発明は、汎親和性の宿主域を有するヘルパーフリーの組 換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロ ウイルスパッケージング細胞株の作製方法に関する。該方法において、哺乳動物 宿主細胞を、tetトランスアクティベーター融合蛋白質(tTA)遺伝子を発 現する第1の非レトロウイルス構築物(Gossen,M.とBujard,M.、Proc.Natl. Acad.Sci.,89: 5547-5551(1992))およびtetオペレーター(tet結合配 列を取り込んだ最小のヒトCMV即時型初期プロモーター)の制御下でVSV− G糖蛋白質に対する遺伝子を発現する第2の非レトロウイルス構築物で同時トラ ンスフェクトする。トランスフェクトした細胞を、テトラサイクリン誘導性VS V−G発現についてスクリーニングする。VSV−G蛋白質は、テトラサイクリ ンの存在下では検出されず、テトラサイクリンの非存在下で検出される。かかる 細胞を、レトロウイルスgagpol遺伝子を発現する第3の非レトロウイルス 構築物でトランスフェクトして、レトロウイルスの産生をスクリーニングする。 レトロウイルスを産生するトランスフェクトした細胞は、汎親和性の宿主域を有 するヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定な プソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞である。 さらに、本発明は、本明細書に記載される特別なパッケージング細胞株(H2 9 gagpolまたは293GPG細胞株、H29 new gagpol細 胞株)ならびに本明細書に記載される安定なプソイドタイプのレトロウイルスパ ッケージング細胞株(H29細胞とpMD、pMDtet、pMDtet.G、 PMD.gagpol、pMD.new gagpol構築物)の製造に使用さ れる特別な細胞および構築物(パッケージング要素等)に関する。 本発明の別の側面は、哺乳動物細胞での発現に関するcDNAライブラリーを 作製するためのレトロウイルスベクターである。該レトロウイルスベクターは、 2つのレトロウイルス長末端反復(LTR)(5’レトロウイルスLTRと3’ レトロウイルスLTR等)、cDNAの挿入のためのクローニング部位およびサ イトメガロウイルス(ヒト等)プロモーターを含有する。1つの態様において、 2つのLTRは、モロニー(Moloney)ネズミ白血病ウイルス(MMLV)である 。具体的な態様において、3’MMLV LTRが非修飾であり、該5’が修飾 されるかまたは5’MMLV LTRのU3領域がサイトメガロウイルス(ヒト 等)のプロモーターまたはサイトメガロウイルスのエンハンサー−プロモーター に置換されたキメラMMLV LTRである。 また、本発明は、哺乳動物細胞での発現に関するcDNAライブラリーに関す る。該ライブラリーは、2つのレトロウイルスLTR、cDNAおよびサイトメ ガロウイルスプロモーターを含有するレトロウイルスベクターを含有する。該c DNAは、レトロウイルスベクター内の唯一のクローニング部位に位置し、2つ のLTRの間に位置してサイトメガロウイルスプロモーターと操作可能に結合し ていることが好ましい。 また、本発明は、哺乳動物細胞での発現クローニング方法に関する。該方法は 、本発明のレトロウイルスベクターを含有するcDNA発現ライブラリーを哺乳 動物細胞に導入する工程、および該cDNA発現ライブラリーの発現に適する条 件下で該発現ライブラリーを含む哺乳動物細胞を維持し、それにより、該発現ラ イブラリー中のcDNAを該哺乳動物細胞で発現させる工程を含む。1つの態様 において、cDNA発現ライブラリーを、安定な哺乳動物(ヒト、ネズミ等)パ ッケージング細胞株で産生されるプソイドタイプのレトロウイルスで感染させる ことにより、哺乳動物細胞に導入する。安定な哺乳動物パッケージング細胞株を 選択して、汎親和性、エコトロピックまたはアンホトロピック宿主域、好ましく は汎親和性宿主域を有するプソイドタイプのレトロウイルスを産生させる。特別 な態様において、本発明は、哺乳動物細胞における発現クローニング方法に関す る。該方法は、2つのレトロウイルスLTR、cDNAおよびサイトメガロウイ ルスプロモーターを含有するレトロウイルスベクターを含有するcDNA発現ラ イブラリーを、プソイドタイプのレトロウイルスを産生するパッケージング細胞 株に導入する工程;該cDNA発現ライブラリーを含むプソイドタイプのレトロ ウイルス粒子の生成に適した条件下で、該発現ライブラリーを含むパッケージン グ細胞株を維持する工程;哺乳動物細胞の感染に適した条件下で、プソイドタイ プのレトロウイルス粒子で哺乳動物細胞を感染させる工程;ならびに該哺乳動物 細胞でのcDNAの発現に適した条件下で、生ずる哺乳動物細胞を維持する工程 を含む。特別な態様において、パッケージング細胞株は、安定なヒト胎児腎細胞 株および具体的には、ヒト293から派生した細胞株である。 また、本発明は、cDNAライブラリーにおいてcDNAの転写により生成し たRNAを含有するVSV−Gプソイドタイプのレトロウイルス粒子がパッケー ジング細胞株で産生される、哺乳動物細胞でのcDNAの発現クローニング方法 に関する。該cDNAライブラリーは、順番に、2つのレトロウイルスLTR、 cDNAおよびサイトメガロウイルスプロモーターを含有するベクターを含有し ;該cDNAは、該LTR間に位置してプロモーターに操作可能に結合している 。次いで、哺乳動物細胞を、VSV−Gプソイドタイプレトロウイルス粒子内に 含まれるRNAの転写および哺乳動物細胞でcDNAライブラリー中のcDNA によりコードされる(レトロウイルス粒子中でRNAの翻訳による)蛋白質の製 造に適した条件下で産生されるVSV−Gプソイドタイプレトロウイルス粒子で 感染させる。VSV−Gプソイドタイプレトロウイルス粒子に含まれるRNAま たはcDNAライブラリー中のcDNAによりコードされる蛋白質を含む哺乳動 物細胞を、公知の方法を用いて検出する。例えば、RNAは、インサイチュ ハ イブリダイゼーションを用いて検出することができる。あるいは、cDNAが細 胞表面で発現する蛋白質をコードし、発現した蛋白質を目的のcDNAにより発 現される蛋白質と結合する抗体を用いて検出することが可能な免疫検出を使用す ることができる(米国特許第5,506,126号明細書等を参照のこと)。ま た、エピトープ標識を用いて発現した蛋白質を検出することができる。また、機 能検定を用いて、目的のcDNAにより発現した蛋白質の機能(細胞での接着表 現型を付与する蛋白質等)を検出することができる。 また、本発明は、哺乳動物細胞における相補性によるcDNA発現クローニン グを用いて突然変異表現型の原因である遺伝子欠損の同定方法に関する。この方 法において、cDNAライブラリー中のcDNAの転写により生成したRNAを 含むVSV−Gプソイドタイプレトロウイルス粒子が、パッケージング細胞株で 産生される。該cDNAライブラリーは、2つのレトロウイルスLTR、cDN Aおよびサイトメガロウイルスプロモーターを含有し;該cDNAは、該LTR 間に位置してプロモーターに操作可能に結合している。突然変異表現型を示す哺 乳動物細胞を、VSV−Gプソイドタイプレトロウイルス粒子内に含まれるRN Aの転写およびcDNAライブラリー中のcDNAによりコードされる(レトロ ウイルス粒子中でRNAの翻訳による)蛋白質の製造に適した条件下で、VSV −Gプソイドタイプレトロウイルス粒子で感染させる。該cDNAが発現すると 野生型の表現型を示す突然変異表現型を有する哺乳動物細胞を同定する。次いで 、哺乳動物細胞で野生型表現型を付与するcDNAを同定し、それにより突然変 異表現型の原因となる遺伝子欠損を決定する。 本明細書に記載された安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング 細胞株の開発は、ヘルパーウイルスの生成を抑制する。結果として、安定なプソ イドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株は、細胞の系統分析およびヒ ト遺伝子置換療法の開発に照準を向けたイン・ビボの遺伝子伝達研究に関して特 に有用な試薬である。 本発明のレトロウイルスベクターの使用は、いかなる哺乳動物細胞の型におい てもレトロウイルスcDNA発現クローニングを可能にして、効率的な発現クロ ーニングに対する特殊な細胞の必要性を回避する。野生型の親細胞型とは異なる 表現型が存在するいかなる突然変異哺乳動物細胞(患者由来の初代ヒト細胞、突 然変異動物株由来の初代または確立された細胞株、ノックアウトマウス由来の初 代または確立された細胞株、細胞培養で生じた突然変異細胞株等)においても、 突然変異細胞と野生型細胞との間の遺伝子の相違(遺伝子の変化または欠損)は 、本発明を用いる相補性による発現クローニングにより迅速に同定されうる。図面の簡単な説明 図1は、pMD構築物の概略図である。 図2は、pMDtet構築物の概略図である。 図3は、pMD.G構築物の概略図である。 図4は、pMDtet.G構築物の概略図である。 図5は、pMD.gagpol構築物の概略図である。 図6は、pMD.new gagpol構築物の概略図である。 図7は、プラスミドpBC.tTAの概略図である。 図8は、プラスミドMFG.SnlsLacZの概略図である。 図9Aは、ΔU3レトロウイルス構築物ΔU3nlsLacZの概略図である 。 図9Bは、ΔU3レトロウイルス構築物ΔU3Bamの概略図である。発明の詳細な説明 本発明は、プソイドタイプのレトロウイルスを産生し、哺乳動物起源であり、 好ましくは安定パッケージングヒト細胞株等の非ネズミ起源である安定なレトロ ウイルスパッケージング細胞株に関する。これらは、本明細書では、それぞれ、 レトロウイルス遺伝子伝達のためのプソイドタイプのレトロウイルスを産生する 安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株および安定なプソ イドタイプのレトロウイルスパッケージングヒト細胞株と称する。本発明のパッ ケージング細胞株は、レトロウイルスコアウイルス粒子を産生するレトロウイル スgagpol蛋白質、およびレトロウイルスコアウイルス粒子に対してプソイ ドタイプのエンベロープを提供する蛋白質を発現するための1以上の非レトロウ イルス構築物を含有する。レトロウイルスコア蛋白質に対してプソイドタイプの エンベロープを提供する蛋白質は、誘導可能なオペレーター系の制御下にある。 すなわち、本明細書に記載されたパッケージング細胞株によるレトロウイルスの 産生は、レトロウイルスコアウイルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロー プを提供する蛋白質の誘導可能な発現により制御される。本発明のパッケージン グ細胞株は、非誘導の場合(例えば、tetオペレーターを使用するときはテト ラサイクリンの存在下で)生存可能であり、非エンベロープ化したレトロウイル スgagpol蛋白質を発現し;非誘導化パッケージング細胞株は、誘導された 場合(例えば、tetオペレーターを使用するときはテトラサイクリンの非存在 下で)、組換えプソイドタイプのレトロウイルス粒子を生成(産生)可能である 。したがって、本発明のプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株 は安定である。一度誘導されると、パッケージング細胞株は、組換えプソイドタ イプのレトロウイルス粒子を生成(産生)する。 また、本発明のパッケージング細胞株は、ヘルパーウイルスの産生能を抑制す る。非レトロウイルス構築物およびレトロウイルスコアウイルス粒子に対してプ ソイドタイプのエンベロープを産生する非レトロウイルス蛋白質の使用は、ヘル パーウイルスの抑制された産生に寄与する。ヘルパーウイルス生成能は、非ネズ ミ細胞(ヒト細胞等)を用いることによりさらに抑制されうる。レトロウイルス パッケージング細胞株を生成するために、ネズミ細胞株(NIH3T3細胞等) が典型的に使用される。しかしながら、NIH3T3細胞等のネズミ細胞株のゲ ノム中の内在性ネズミレトロウイルスの存在(Danosら、Proc.Natl.Acad.Sci .,85: 6460-6466(1988))は、宿主細胞ゲノム、レトロウイルス発現構築物およ びレトロウイルスベクター間の組換え事象を促進し、それによりヘルパーウイル スの産生に寄与する。 また、レトロウイルスgagpol遺伝子を変えて(突然変異等)、さらにヘ ルパーウイルスの産生能を制限することができる。突然変異させたgagpol 配列の例(すなわち、new 5’gagpol;new 3’gagpol) を、実施例1に記載する。 実施例2に記載のように、本発明のパッケージング細胞株を、gagpol遺 伝子を発現するための新規な非レトロウイルス性ヒトCMV即時型初期プロモー ター発現構築物(pMD)およびヘルパーウイルスの産生能を抑制するプソイド タイプのエンベロープを組み込んだヒト293細胞から派生させることができる 。また、gagpolコーディング配列のサイレント突然変異は、レトロウイル スベクター配列とのホモロジーを最小にし、さらにヘルパーウイルスの産生能を 抑制する。本明細書でさらに記載されるように、本発明のパッケージング細胞株 は、レトロウイルスコアウイルス粒子を効率的にプソイドタイプ化する水疱性口 内炎ウイルスG(VSV−G)の糖蛋白質を発現する。VSV−Gの糖蛋白質は 、広範な宿主域を有する。したがって、VSV−Gでプソイドタイプ化したレト ロウイルスは、広範な宿主域(汎親和性)を示し、エコトロピックおよびアンホ トロピックレトロウイルスによる感染に耐性な細胞を効率よく感染することがで きる(Yee,J.-K.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.,91: 9564-6568(1994))。VS V−Gの高レベルな発現は、細胞毒性を有するので、新規なパッケージング細胞 株でのVSV−Gの発現は、誘導可能なtetオペレーター系等の誘導可能なオ ペレーター系により制御され、培養培地中のテトラサイクリンの濃度により遺伝 子発現(すなわち、レトロウイルス粒子の産生)の厳格な調節を可能にする。 最後に、本明細書で示されるように、VSV−Gでプソイドタイプ化したレト ロウイルス粒子は、限外濾過により100倍以上に濃縮することができる(Burn s,J.C.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.,90: 8033-8037(1993))。安定なVSV −Gでプソイドタイプ化したレトロウイルスのパッケージング細胞株は、1ml 当たり107〜1011の範囲のレトロウイルス粒子のレトロウイルス原液を生ず る大規模なウイルス標品(例えば、10〜50リットルの上清)の生成を可能に する。 誘導可能なVSV−G蛋白質を発現するH29細胞は、20回の継代よりも多 い細胞培養で観察された。継代20回のH29細胞は、成育可能のままであり、 初期の継代での細胞と同等なレベルで、誘導可能な様式で検出可能なVSV−G 蛋白質(例えば、細胞融合研究、ウエスタンブロッティング等により)を発現し 続ける。 本発明に使用される発現構築物は、レトロウイルスコアウイルス粒子を産生す るために使用されるレトロウイルスgagpol遺伝子およびレトロウイルスコ アウイルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープを提供する蛋白質の発現 を支配する非レトロウイルスベクターである。実施例1に記載されるように、本 発明の使用に適する発現構築物は、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)即時型 初期プロモーター構築物である。本発明を実施するために使用できる他の構築物 の例としては、SV40、RSVおよびラットβ−アクチンプロモーターを使用 する構築物が挙げられる。 1以上の非レトロウイルス発現構築物を使用して、当該技術分野において公知 の技術を用いてgagpol遺伝子およびプソイドタイプのエンベロープを提供 する蛋白質を発現することができる。例えば、該蛋白質は、1つの非レトロウイ ルス発現構築物を用いて発現させることができる。また、1つの構築物がgag pol遺伝子を発現し、他の構築物が誘導可能なオペレーターの制御下でプソイ ドタイプのエンベロープを提供する遺伝子(VSV−G、tTA)を発現する2 つの非レトロウイルス発現構築物を使用することができる。あるいは、実施例1 に記載されるように、3つの非レトロウイルス構築物:第1の非レトロウイルス 構築物は、プソイドタイプのエンベロープを発現する遺伝子の発現を制御する誘 導可能なtetトランスアクティベーター蛋白質(tTA)をコードし、第2の 非レトロウイルス構築物は、プソイドタイプのエンベロープを提供する遺伝子を 発現し、そして、第3の非レトロウイルス構築物は、gagpol遺伝子を発現 する、を使用することができる。さらに、gagとpolの配列を別々にして発 現させることが可能であり、これは、第4の非レトロウイルス構築物(例えば、 第3のレトロウイルス構築物がgag遺伝子を発現し、第4のレトロウイルス発 現構築物がpol遺伝子を発現する)を必要とする。 本明細書に言及するように、「プソイドタイプのエンベロープ」とは、レトロ ウイルスのコアウイルス粒子をカプシドに包み込む、レトロウイルスコアウイル ス粒子に天然に存在するもの以外のエンベロープ蛋白質である(表現型的には混 合ウイルスを生ずる)。プソイドタイプのエンベロープを提供する好適な蛋白質 は、実施例1に記載されるように水疱性口内炎ウイルスG(VSV−G)糖蛋白 質である。本発明においては、VSV−Gのいかなる好適な血清型(インディア ナ、ニュージャージー、チャンディピュラ(chandipura)、ピリ等)および株(V SVインディアナ、サンジュアン(San Juan)等)も使用することができる。コア ウイルス粒子をプソイドタイプ化するために選ばれた蛋白質は、パッケージング 細胞株の宿主域を決定する。VSV−Gは、哺乳動物細胞の表面上の特異的なリ ン脂質と相互作用する(Schlegel,R.ら、Cell,32: 639-646(1983); Supertzi ,F.ら、J.Gen Virol.,68: 387-399(1987))。したがって、VSV−Gを利用 してレトロウイルスのコアウイルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープ を提供するパッケージング細胞株は、広範な宿主域(汎親和性)を有する。レト ロウイルスのコアウイルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープを提供す るために使用されうる他の好適な蛋白質としては、C型ネズミレトロウイルスエ ンベロープ蛋白質;HTLV−1エンベロープ蛋白質、テナガザル(Gibbo n ape)白血病ウイルスエンベロープ蛋白質およびプソイドタイプのエンベ ロープを提供する好適な蛋白質の誘導体(EPOリガンドを有するエコトロピッ クエンベロープ、合成および/または他のハイブリッドエンベロープ等の標的化 したエンベロープ配列を調製するための挿入、欠失または突然変異を含む蛋白質 ;VSV−G糖蛋白質の誘導体等)を含む。また、ネズミレトロウイルスエンベ ロープ蛋白質の誘導体を使用することができる。例えば、細胞表面への結合を果 たしうる部分のVSV−G蛋白質を特異的なリガンドにより置換し、膜融合を果 たしうる部分のVSV−G蛋白質を保持しているVSV−G蛋白質の誘導体を得 ることができる。細胞表面への結合を果たしうる部分のVSV−G蛋白質は、例 えば、VSV−G配列の点突然変異および欠失配列分析を行なうことにより決定 される。各変異したVSV−G蛋白質の細胞表面への結合能力は、適当な結合ア ッセイを用いて決定される。ここで、かかるVSV−G蛋白質の誘導体を組み込 んだレトロウイルス粒子は、特異的な細胞集団に対して標的化させることができ る。 前記議論したように、誘導可能なオペレーターは、プソイドタイプのエンベロ ープを提供する遺伝子発現を制御するために使用される。例えば、高レベルのV SV−Gの発現は、細胞毒性を有する(Yee,J.-K.ら、Proc.Natl.Acad.Sci. ,91: 9564-6568(1994))。したがって、誘導可能なテトラサイクリン(すなわち 、tet)オペレーター系を用いて、パッケージング細胞株の培養培地中のテト ラサイクリンの濃度によりVSV−Gの発現の厳密な調節を可能にする。すなわ ち、tetオペレーター系を用いて、テトラサイクリンの存在下で、テトラサイ クリンがtetトランスアクティベーター融合蛋白質(tTA)に結合し、tT Aのtetオペレーター配列への結合を妨げて、tetオペレーター配列の制御 下での遺伝子発現を可能にする(Gossen,M.とBujard,M.、Proc.Natl.Acad. Sci.,89: 5547-5551(1992))。テトラサイクリンの非存在下では、tTAは、 tetオペレーター配列に結合して、tetオペレーターの制御下で遺伝子の発 現を妨げる。プソイドタイプのエンベロープを提供する蛋白質の発現を制御する ために使用されうる他の誘導可能なオペレーター系の例は、1)金属イオン(メ タロチオネインプロモーター等)、グルココルチコイドホルモンに応答する誘導 可能な真核細胞のプロモーター、および2)大腸菌のlacレプレッサー/オペ レーター/インデューサー系である。 非レトロウイルス構築物によりコードされるヌクレオチド配列は、本発明に使 用される種々の好適な供給源から得ることができる。例えば、オペレーター系を 発現するヌクレオチド配列、プソイドタイプのエンベロープおよびgagpol 配列は、天然の供給源から精製、化学合成により製造、または組換えDNA技術 により製造することができる。例えば、実施例1に記載されるように、gagp ol配列は、pCripenv-構築物を用いて得ることができる。 パッケージング細胞を調製するために使用される細胞は、哺乳動物細胞、好ま しくは非ネズミ細胞である。特別な態様において、パッケージング細胞株を製造 するために使用される細胞は、ヒト細胞である(例えば、293細胞、Graham, F.ら、J.Gen.Virol.,36:59-72(1977); tsa201細胞、Heinzel,S.ら、 J.Virol.,62: 3738(1988))。 本発明のパッケージング細胞株を使用して、真核細胞において所望の遺伝子の 全部または一部を発現させる目的で、イン・ビトロおよびイン・ビボで遺伝子の 伝達を可能にする組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生することができ る。例えば、公知の技術を用いて、本明細書に記載されるパッケージング細胞株 を使用して、治療目的用の投与または診断状況に有用な量でmRNAまたは蛋白 質を製造するために、特別なmRNA、蛋白質またはポリペプチド(インシュリ ン、ヒト成長ホルモン、エリスロポエチン等の治療用の蛋白質もしくはポリペプ チド、嚢胞性線維症(CFTR)、家族性高コレステロール血症(LDLレセプ ター)、ADA欠損症(ADA)、ゴシェ病(グルコセレブロシダーゼ)のため の遺伝子置換、阻害性のmRNA配列の発現によるアンチセンス療法等)をコー ドする遺伝子を、真核細胞に導入するために使用される組換えプソイドタイプの レトロウイルスを産生することができる(Yee,J.-K.ら、Proc.Natl.Acad.Sc i.,91: 9564-6568(1994); Dranoff,G.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.,90: 353 9-3543(1993); Miller,A.D.ら、Meth.in Enz.,217: 581-599(1993))。すな わち、プソイドタイプの組換えウイルスを、パッケージング細胞株から回収して 、公知の方法を用いて培養中またはイン・ビボでレシピエント細胞を感染させる ためのウイルス原液として使用することができる。分泌蛋白質または造血細胞で 発現する蛋白質の場合、ELISAまたはウエスタンブロッティング等の高感度 なアッセイを用いて、遺伝子の伝達効率を評価することができる。あるいは、パ ッケージング細胞株により製造される高力価のウイルス原液は、形質導入細胞( 造血細胞等)において優れた遺伝子伝達効率を提供し、現在の共培養技術と比較 して混入を低下させる。 また、本発明のパッケージング細胞株を用いて、その後に身体の局在した領域 内に投与される目的のDNAまたは遺伝子をヒト細胞等の哺乳動物細胞に導入す るために、目的のDNAを含むプソイドタイプのレトロウイルスを産生すること も可能である(例えば、身体の局在した領域(ares)内への蛋白質の送達のための 自家移植した白血球のエクス・ビボでの感染、米国特許第5,399,346号 明細書等を参照のこと)。 また、安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞を生成させ るために使用されるパッケージング要素を、種々の方法に使用することができる 。例えば、誘導可能なVSV−Gの発現を示すH29細胞株を用いて、発現クロ ーニングのためのレトロウイルスライブラリーを作製することができる。高力価 のウイルス原液の製造能力は、所定のライブラリーではまれなcDNAの表現を 改良する。また、本発明のパッケージング細胞株は、さらにプソイドタイプのパ ッケージング細胞株の生成の基礎として役立つことも可能である。 効率的な構造性(pMD等)および誘導可能な(pMDtet)遺伝子発現の 目的のための発現構築物として、パッケージング要素を使用することができる。 VSV−Gの誘導可能な発現のために、pMDtet.G構築物を別の適用に用 いることが可能である。pMD gagpolおよびpMD new gagp olを使用して、新規なレトロウイルスパッケージング細胞株の生成を開発する ことができる。異種遺伝子の効率的な発現のために、pMD、pMDtet、p MDtet.GおよびpMD.gagpol構築物を使用することができる。 したがって、本明細書に記載されるように、誘導可能な様式でVSV−Gを発 現する安定な細胞株が作製された。また、高レベルの発現のためにヒトゲノムβ −グロビン配列を使用する新規なCMV発現ベクター(pMD)とその派生物( pMD.G、pMDtet.G、pMD.gagpol、pMD.new ga gpol)が開発された。さらに、本明細書に記載されるように、ヘルパーウイ ルスに関する能力を抑制する変異したプロウイルス構築物と比べて、CMV発現 構築物を使用する293に基づく安定なパッケージング細胞株が開発され、ヘル パーウイルスに関する能力を抑制するために、安定な細胞株における変異したg agpol発現構築物の使用が示された。 また、本発明は、2つのレトロウイルスLTR、cDNAの挿入のためのクロ ーニング部位およびサイトメガロウイルスプロモーターを含有する、哺乳動物細 胞で発現するcDNA発現ライブラリーを作製するためのレトロウイルスベクタ ーに関する。1つの態様において、2つのLTRは、モロニーネズミ白血病ウイ ルス(MMLV)である。具体的な態様において、3’MMLV LTRは修飾 されず、5’が修飾されているか、または5’MMLV LTRのU3領域がサ イトメガロウイルスプロモーターもしくはサイトメガロウイルスエンハンサー− プロモーターで置換されているキメラMMLV LTRである。 レトロウイルスLTRは、いかなる好適なレトロウイルスベクター由来であっ てもよく、高力価またはレトロウイルスの蛋白質の発現を生ずるレトロウイルス ベクターであることが好ましい。2つのLTRは、同一のレトロウイルスベクタ ー由来または異なるレトロウイルスベクター由来であってもよい。例えば、実施 例3に記載されるように、両方のレトロウイルスLTRがモロニーネズミ白血病 ウイルス(MMLV)由来であってもよい。その他の好適なレトロウイルスLT Rとしては、例えば、ネズミ肉腫ウイルス(MSV)、ネズミ乳頭肉腫ウイルス (MPSV)およびフレンドウイルス由来のものが挙げられる。 レトロウイルスベクターのクローニング部位は、様々なクローニング部位であ ってもよい。例えば、実施例3に記載のように、クローニング部位は、BamH Iクローニング部位であってもよい。本発明のレトロウイルスベクターでの使用 に適する他のクローニング部位としては、例えば、gagpolもしくはenv ゲノムもしくはU3領域内で唯一の制限部位またはまれな制限部位が挙げられる 。 サイトメガロウイルスプロモーターは、いかなる好適な供給源からでも入手す ることが可能である。例えば、実施例3に記載のように、完全なサイトメガロウ イルスエンハンサー−プロモーターは、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV) 由来である。以前に記載されたCMVプロモーターの一部または全体を、本発明 で使用することができる。サイトメガロウイルスプロモーターを入手するために 適する他の供給源としては、Clontech、InvitrogenおよびStratagene等の市販の 供給源が挙げられる。 本発明のレトロウイルスベクターは、cDNA発現ライブラリーの発現に適し た条件下で、本明細書で記載されるレトロウイルスベクターを含有するcDNA 発現ライブラリーが哺乳動物細胞に導入される、哺乳動物細胞での発現クローニ ングに使用可能である。1つの態様において、本発明は、該ライブラリーが2つ のレトロウイルスLTR、サイトメガロウイルスプロモーターおよびcDNAを 含有し、cDNAが該レトロウイルスLTR間に位置してサイトメガロウイルス プロモーターに操作可能に結合している、哺乳動物細胞での発現用cDNA発現 ライブラリーに関する。 本発明で使用されるcDNAは、哺乳動物細胞での発現のための対象物である いかなるcDNAでもよい。該cDNAは、血液細胞、組織試料由来の細胞また は培養細胞等のいかなる型の細胞由来であってもよい。一般に、cDNAは、相 補性による発現クローニングが進行している場合に、cDNAが発現し続けてい る同じ型の細胞由来である。 本発明で使用されるcDNAライブラリーは、慣用の方法(SeedとAruffo、Pr oc.Natl.Acad.Sci,USA,84: 3365-3369(1987)等)を用いて入手することが できる。例えば、mRNAは、いかなる細胞からも調製され、cDNAは、標準 的な技術(Sambrook,J.ら、Molecular Cloning: A Laboratory Mannual,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989))および商業上利用可能なクローニング キット(Pharmacia、InvitrogenおよびStratagene等)を用いて、合成すること ができる。 本発明のレトロウイルスベクターは、細胞においてcDNA発現ライブラリー の発現を生ずるいかなる技術(エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈澱 、カチオン性脂質、リポソーム等)を用いても哺乳動物細胞に導入することがで きる。1つの態様において、cDNA発現ライブラリーをパッケージング細胞株 に導入し、該cDNA発現ライブラリーから転写されるRNAを含み、感染した 哺乳動物細胞でcDNA発現ライブラリーの発現を生ずる哺乳動物細胞を感染す るために使用されるレトロウイルス粒子を産生する。この態様において、パッケ ージング細胞株(本明細書で記載された293GPGパッケージング細胞株等) を用いて、実施例4に記載されるように、哺乳動物細胞での発現クローニングに 有用なプソイドタイプのレトロウイルス粒子を産生することができる。本発明で の使用に適する他のパッケージング細胞株は、パッケージング細胞株に由来する (例えば、胚細胞株由来の)他のヒト細胞株ならびに、Psi−2細胞(Mann,R .ら、Cell,33: 153-159(1983); FLY(Cossett,F.L.ら、Virol.,193: 385-3 95(1993))、BOSC 23細胞(Pear,W.S.ら、Proc.Natl.Acad.Sci,USA ,90: 8392-8396(1993)、PA317細胞(Miller,A.D.とC.Buttimore、Molec .and Cell.Biol.,6: 2895-2902(1986))、Kat細胞株(Finer,M.H.ら、Bl ood,83: 43-50(1994))、GP+E−86細胞およびGP+EM12細胞(Markow itz,D.,ら、J.Virol.,62: 1120-1124(1988)、およびPsi CripとPs i Cre細胞(米国特許第5,449,614号明細書; Danos,O.とMulliga n,R.C.、PNAS,USA,85: 6460-6464(1988))等のパッケージング細胞株に由来 するネズミ細胞株を含む。また、ヤング(Yang,Y.)ら、Human Gene Ther.,6: 1 203-1213(1995)をも参照のこと。本発明に使用されるパッケージング細胞株は 、汎親和性、アンホトロピックまたはエコトロピック宿主域を有するレトロウイ ルス粒子を産生することができる。したがって、この態様において、本発明のc DNA発現ライブラリーは、パッケージング細胞株により産生されるレトロウイ ルス粒子の宿主域内でいかなる細胞においても発現することができる。さらに、 この態様において、本発明のレトロウイルスベクターのプロモーターは、特別な パッケージング細胞株においてレトロウイルスベクターの十分な転写レベルを産 するいかなるプロモーター(SV40プロモーター、RSVプロモーター、β− アクチンプロモーター等)であってもよい。 本発明のレトロウイルスベクター(ΔU3レトロウイルスベクター等)は、高 力価のプソイドタイプ(VSV−G等)のレトロウイルス産生のために、プソイ ドタイプのレトロウイルスを産生するパッケージング細胞株(本明細書ではH2 9 gagpol細胞とも称される、本明細書に記載される293GPG細胞等 )の一過性のトランスフェクションに使用することができる。本発明のレトロウ イルスベクターは、cDNA発現ライブラリーを含むプソイドタイプのレトロウ イルス粒子が産生される、レトロウイルスのパッケージング細胞株のトランスフ ェクションのためのcDNA発現ライブラリーの構築(レトロウイルスベクター で)を可能にする。各プソイドタイプのレトロウイルス粒子は、一般に、多数の mRNA分子を含む。 実施例4に記載されるように、VSV−G宿主域を有するいかなる細胞株にお いても相補性による発現クローニングに使用されうる、ΔU3レトロウイルスベ クターを用いて高力価のVSV−Gでプソイドタイプ化したウイルスは、293 GPG細胞を用いて産生した。レトロウイルスベクター、ΔU3nlsLZを用 いて、3x106感染ユニット(i.u.)/mlまでの力価でレトロウイルス を産生する293GPG細胞をトランスフェクトした。また、実施例5に記載の ように、レトロウイルスcDNAクローニングベクター、ΔU3BAMを用いて 、ΔU3nlsLZベクターと同等の発現レベルとウイルス力価で293GPG 細胞をトランスフェクトした。cDNA発現およびウイルス力価における5’非 翻訳配列の効果の評価により、ウイルスのΔU3Bamベクターは、(cDNA の高発現と高ウイルス力価の生成に関して最適化されたMFG由来に基づくレト ロウイルスベクターと比較して)発現またはウイルス力価の適度な低下のみで、 5’上流非コード化DNA配列の165塩基対までが適応可能であることが示さ れた。本明細書に記載される293GPG細胞により産生されるVSV−Gレト ロウイルスプソイドタイプは、広範な宿主域を有し、いかなる哺乳動物のタイプ の感染をも可能にする(Yee,J.-K.ら、PNAS,91: 9564-9568)。 したがって、本発明は、種々の哺乳動物パッケージング細胞株とともに用いて 、次に、cDNAによりコードされる発現産物(蛋白質、ポリペプチド)を含む 種々の哺乳動物細胞を感染させるために用いられうるプソイドタイプのレトロウ イルス粒子を産生可能なレトロウイルスベクターを提供する。具体的な例におい て、レトロウイルスベクターを用いて293GPG細胞を一過性にトランスフェ クションして、VSV−G宿主域を有する高力価のウイルスを産生する。ΔU3 BAMレトロウイルスベクターは、いかなるcDNAライブラリーの該ベクター へのクローニングをも可能にする。レトロウイルスcDNAライブラリーの29 3GPG細胞へのトランスフェクションにより、いかなる哺乳動物細胞型をも感 染可能な106i.u./mlを越える力価のレトロウイルスを産生する。この レトロウイルスベクターでの宿主細胞の感染は、レトロウイルス構築物中のcD NAの長期的な高レベルの発現を促進するプロウイルスゲノムの安定な組み込み を生ずる。 本明細書に記載の新規な方法論は、レトロウイルスベクター(ΔU3Bamレ トロウイルスベクター等)およびパッケージング細胞株(293GPG細胞等) を利用して、いかなる哺乳動物細胞型においてもレトロウイルスcDNA発現ク ローニングを提供し、効率的な発現クローニングのための特殊化細胞(Cos7 細胞、卵母細胞等)の必要性を回避する。野生型親細胞型とは異なる表現型が存 在するいかなる変異哺乳動物型(患者由来の初代ヒト細胞、変異した動物株由来 の初代または確立された細胞株、ノックアウトマウス由来の初代または確立され た細胞株、細胞培養で生成した変異細胞株等)においても、本発明を用いる相補 性による発現クローニングにより、1または複数の遺伝子の欠損を迅速に同定す ることができる。 本発明の方法論の拡大は、遺伝子欠損と確立した表現型を伴う患者由来の細胞 における候補cDNAクローンの発現に関して、パッケージング細胞でプソイド タイプのレトロウイルスを産生するために本発明のレトロウイルスベクターを使 用することである。これにより、相補性分析により患者における遺伝子欠損(代 謝に関連する遺伝子の変化した発現等)の基礎を決定するためのスクリーニング を可能にする。例えば、多くの患者が、脂肪酸代謝において単一の遺伝子欠損を 有することが生化学的に遺伝学的に特徴付けされている。しかしながら、変異し た遺伝子は、通常の方法では確立されていない。脂肪酸代謝における種々の酵素 に対する候補cDNAをコードするレトロウイルス構築物のパネルを、例えば、 これらの患者由来の初代線維芽細胞における相補性に関して試験することができ る。 本発明のレトロウイルスベクターは、パッケージング細胞株(293GPG等 )での高レベルの発現を促進するために、レトロウイルスエンハンサープロモー ターが正確にサイトメガロウイルスエンハンサープロモーターに置換されている (HCMV等)レトロウイルス由来のベクター(モロニーネズミ白血病ウイルス 由来のベクター等)である。 さらに、本発明のレトロウイルスベクターを使用して、いかなる哺乳動物細胞 型での発現クローニングをも可能にするレトロウイルスcDNA発現ライブラリ ーを作製することができる。また、相補性による発現クローニングによりヒト遺 伝子欠損の原因である変異した遺伝子の同定は、本発明のレトロウイルスベクタ ーを用いて達成されうる。培養で突然変異を誘導され、公知の表現型を有する培 養細胞株または、変異した表現型を有する動物由来の初代もしくは確立された細 胞株からの変異した遺伝子の発現クローニングを行なうことができる。例えば、 本発明の発現cDNAライブラリーを変異した表現型を有する細胞に導入し、欠 損を相補する1または複数の遺伝子の同定を決定する。したがって、本発明によ り提供される重要な有利性は、本明細書に記載のような相補性による発現クロー ニングを用いて、変異により生じた表現型の原因である1または複数の遺伝子を 同定したり、1または複数の原因遺伝子の機能の証拠を得ることができるという ことである。さらに、本発明の実施例は、導入された変異を相補する遺伝子産物 または変異により影響される1または複数の経路内で機能する遺伝子産物のノッ クアウトマウスにおいて、同定(すなわち、サプレッサー分析による下流のエフ ェクターの同定)を可能にし、本発明のレトロウイルスベクターを用いて決定さ れうる。また、商業上の販売に関するレトロウイルスベクターで構築されるレト ロウイルスcDNAライブラリーも提供される。 本発明を以下の実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらに限 定されるものではない。実施例 実施例1 発現ベクターの構築 pXF3バックボーンとヒトCMV即時型初期プロモーター領域を含むpBC 12.AB由来の3.1kbのEcoRI−BamHI断片と、エキソン2のB amHI部位から3’非翻訳領域までの690bpのヒトβ−グロビンゲノム配 列を含むpUCMdβs(R)S(Sadelain,M.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U SA,92: 6728-6732(1995))由来の1.34kbのBamHI−XbaI断片と を用いて、pMD(図1を参照)を構築した。しかしながら、プラスミドpUC Mdβs(R)Sは、第1と第3のRsaI部位間の第2イントロンで374b pの欠失が存在するという点でゲノム配列とは異なる。pBC12.ABは、I L−2配列(bp756〜1439)をポリリンカーで置換しているpBC12 /CMV/IL−2(B.Cullen,Cell 46: 973(1986))の派生物である。Ec oRIとXbaIの突出をKlenow断片での処理により末端平滑化した後、 3.1kbのEcoRI−BamHI断片と1.34kbのBamHI−Xba I断片とを連結した。 pSVGL(Rose とBergman、Cell 34:513(1983))由来で、ヒトβ−グロビン ゲノム配列のエキソン3内のpMD中のEcoRI部位にクローニングしたVS V G遺伝子を含む1.6kbのEcoRI断片を用いて、pMD.G(図3 を参照)を構築した。 tetオペレーターと最小のCMVプロモーター配列を含むpUHC 13− 3(Gossen とBujard、Proc.Natl.Acad.Sci.89: 5547-5551(1992))由来の0 .47kbのXhoI−BamHI断片、pUCMdβs(R)S由来の1.3 4のBamHI−XbaI断片およびpSL301(Invitrogen)由来の3.0 6kbのXbaI−XhoI断片を用いて、pMDtet(図2を参照)を作製 した。 pMDtet.G(図4を参照)を構築するために、VSV G遺伝子(pS VGL)を含む1.6kbのEcoRI断片をヒトβ−グロビンゲノム配列のエ キソン3内のpMD.tetG中のEcoRI部位にクローニングした。 pMD.gagpol(図5を参照)を構築するために、pCRIPenv− (Danos Mulligan、Proc.Natl.Acad.Sci.85: 6460-6466(1988))と以下のプラ イマー対: を用いてPCRを行なった。PCR産物を、EcoRIとXhoIで、およびE coRIとHindIII でそれぞれ消化し、0.94kbのEcoRI−Xho Iおよび0.94kbのHindIII −EcoRI断片が生成した。これらの断 片を、pCRIPenv−由来の3.3kbのXhoI−HindIII 断片およ びEcoRIで直鎖状にしてホスファターゼ処理しておいたpUC19とともに 連結して、pUC19.gagpolを作製した。pUC19.gagpol由 来の5.2kbのEcoRI断片を、ヒトβ−グロビンゲノム配列のエキソン3 内にあるpMDのEcoRI部位にクローニングして、pMD.gagpolを 得た。 pMD.new gagpol(図6を参照)を構築するために、変異したg agpol配列をコードするpBCIL2.gagpol(ChungとMulligan、未 発表の結果)と以下のプライマー対: を用いてPCRを行なった。変異したgagpol配列は、以下のようである: New 5’gagpol: New 3’gagpol: PCR産物を、EcoRIとXhoI、およびEcoRIとHindIII でそ れぞれ消化し、0.94kbのEcoRI−XhoIと0.94kbのHind III −EcoRI断片が生成した。これらの断片を、pCRIPenv−由来の 3.3kbのXhoI−HindIII 断片およびEcoRIで直鎖状にしてホス ファターゼ処理しておいたpUC19と連結して、pUC19.new gag polを作製した。pUC19.new gagpol由来の5.2kbのEc oRI断片を、ヒトβ−グロビンゲノム配列のエキソン3内にあるpMDのEc oRI部位にクローニングして、pMD.new gagpolを得た。 野生型gagpolの発現(pMD.gagpol)および変異したgagp ol(pMD.new gagpol)に関して、新規なCMV発現ベクター( pMD)を構築した。pMD.gagpolに関して、一過性と安定の両方の発 現の条件下でレトロウイルス粒子の産生を示唆する逆転写酵素アッセイを行なっ た。pMD.new gagpolに関して、一過性の発現の条件下でレトロウ イルス粒子の産生を示唆する逆転写酵素アッセイを行なった。実施例2 パッケージング細胞株の構築 H29細胞株 。 ヒト293細胞(B.Panningから贈与;Graham,F.,ら、J.Gen.Virol.,36 :59-72(1977))を、2mMのL−グルタミン、ペニシリンおよびストレプトマ イシンを補足した、5%不活化ウシ胎児血清を含有するDMEM(293成育培 地)中で成育させ、37C、5%CO2でインキュベートした。該293細胞を 、リン酸カルシウム沈殿法(Pear ら、PNAS,90: 8392-8396(1994))により、5μ gのPBC.tTA(図7を参照;T.Chung とR.Mulligan、未発表の結果)、 5μgのpMDtet.Gと1μgのpJ6Ωpuro(J.Morgensternから贈 与)で同時トランスフェクトした。トランスフェクションの間、293成育培地 に、1.0μg/mlのテトラサイクリン(Sigma)を補足した。トランスフェク トした細胞を、1.0μg/mlのテトラサイクリンと2μg/mlのピュ ーロマイシン(Sigma)を補足した293成育培地に、トランスフェクション後4 8時間の選択に播種した。72個の独立したクローンをクローンの増大のために 選択し、テトラサイクリンで誘導可能なVSV−G発現をスクリーニングした。 クローンをスクリーニングするために、各クローンを30%のコンフルエンスで 2つの35mm組織培養皿(Corning)に同時に播種した。次の日、1つのプレー トをテトラサイクリンを含まない2mlの293成育培地で2回洗浄して、2μ g/mlのピューロマイシンを補足した標準293培地に培地を交換した。48 時間で、細胞を全細胞性蛋白質用に回収し、1対の試料を還元条件下で7.5% のSDS−ポリアクリルアミドゲル上で泳動した。該ゲルをセミドライエレクト ロブロッター(Owl Scientific)でニトロセルロース(Schleicher & Schuell、0. 45mm)上に転写した。標準的手法を用いてウエスタンブロッティングを行なった 。一次抗体に関しては、ネズミモノクローナル抗VSV−G IgG(Sigma)を 1:800の希釈で用いた。二次抗体に関しては、HRP結合ロバ抗マウスIg G F(ab)2断片(Pharmingen)を1:10,000の希釈で用いた。Dupont NEN Renaissanceキットを用いて、化学発光検出を行なった。成育培地にテトラ サイクリンの存在下で検出可能なVSV−G発現がなく、成育培地にテトラサイ クリンの非存在下で誘導可能なVSV−G発現が検出されることを基礎として、 陽性の細胞株(H29等)を選択した。H29 gagpol細胞株(293 GPG細胞株)。 H29細胞を1.0μg/mlのテトラサイクリンと2μg/mlのピューロ マイシンを補足した293成育培地(H29培地)中で成育させ、リン酸カルシ ウム沈殿法により、2μgのpSV2neoとScaIで直鎖状にした10μg のpMD.gagpolを用いて同時トランスフェクトした。トランスフェクシ ョンの間、H29培地に、1.0μg/mlのテトラサイクリンを補足した。ト ランスフェクトしたH29細胞を、1.0μg/mlのテトラサイクリンと0. 3mg/mlのG418(Gibco)を補足したH29培地に、トランスフェクショ ン後48時間の選択に播種した。69個の独立したクローンをクローンの拡張の ために選択し、逆転写酵素活性をスクリーニングした(Goff ら、J.Virology,3 8:239-248(1981))。 クローンの拡張のために選択した69個の独立したクローンの内で、10個の クローンが陽性対照(すなわち、Ψ Cre細胞)を越える逆転写酵素活性を有 していた。これらの10個のクローンをさらに特徴付けする。H29 new gagpol細胞株 H29細胞を1.0μg/mlのテトラサイクリンと2μg/mlのピューロ マイシンを補足した293成育培地(H29培地)中で成育させ、リン酸カルシ ウム沈殿法により、2μgのpSV2neoとScaIで直鎖状にした10μg のpMD.new gagpolを用いて同時トランスフェクトした。トランス フェクションの間、H29培地に、1.0μg/mlのテトラサイクリンを補足 した。トランスフェクトしたH29細胞に、1.0μg/mlのテトラサイクリ ンと0.3mg/mlのG418(Gibco)を補足したH29培地中、トランスフ ェクション後48時間の選択に播種した。独立したクローンをクローンの増大の ために選択し、逆転写酵素活性をスクリーニングした(Goff ら、J.Virology(19 81))。考察 したがって、pMDの派生物であるpMDtet.Gは、VSV.Gのテトラ サイクリンにより誘導可能な発現を提供する。VSV−Gの誘導可能な発現は、 一過性のアッセイおよび安定な細胞株、H29で示された。H29は、293細 胞(Graham,F.ら、J.Gen.Virol.,36: 59-72(1977))由来であり、pBC. tTA(Tetトランスアクティベーター)、pMDtet.GおよびpJGΩ puroで同時トランスフェクション後に選択された。H29細胞は、親の29 3細胞での一過性のVSV−Gの発現よりも5倍だけ低い誘導可能なVSV−G の発現を、ウエスタンブロッティングにより示す。H29細胞は、誘導可能なV SV−Gの発現を示すために、連続20回の継代培養を繰り返した。実施例3 ΔU3レトロウイルスクローニングベクターの構築 ΔU3nlsLacZレトロウイルスベクターを、MFG.SnlsLacZ (Bernsら、Human Gene Therapy,6: 347-368(1995); 図8を参照)の5’LTR のU3領域をHCMVエンハンサー−プロモーター(nt−671〜−2)(Bo shart,M.、Cell,41: 521-530(1985))への正確な置換により構築した。ΔU3 nlsLacZにおいて、完全な5’ゲノムフランキング領域およびMFG.S nlsLacZ由来の3’のゲノムフランキング領域から65bp以外のすべて を除去する。 pMDプラスミドを、実施例1に記載のように構築した。ΔU3nlsLac Zの構築に関しては、HCMVプロモーターをコードする701bpの断片を、 pMDプラスミドを鋳型とし、5’HindIII 部位および3’KasI部位を 創出する1対のプライマー、 を用いてPCRにより作製した。PCR産物をHindIII とKasIで消化し て、677bpの断片を得た。MFG(Riviere,I.ら、PNAS,92: 6733-6737(1 995))の3’LTRから、91bpのKasI−StyIを単離した。253b pのStyI−EagIおよび4994bpのEagI−ScaI断片を、MF G.SNlsLacZ(Bernsら、Human Gene Therapy,6: 342-368(1995))から 単離し、ΔU3nlsLacZのバックボーンは、pUC18由来の2.65k bのHindIII −SmaI断片である。 ΔU3Bamの構築に関しては、561bpの断片を、ΔU3nlsLacZ を鋳型とし、5’KasI部位および3’BamHI部位を創出する1対のプラ イマー、 を用いてPCRにより作製した。PCR産物をKasIとBamHIで消化して 、389bpの断片を得た。389bpのKasI−BamHI断片を、ΔU3 nlsLacZ由来の4466bpのBamHI−EagIおよび695bpの EagI−KasI断片と連結した。 図9Aは、ΔU3nlsLacZベクターの構造を示し、図9Bは、ΔU3B amベクターの構造を示す。実施例4 293GPG細胞の一過性トランスフェクションによるVSV−Gプ ソイドタイプのレトロウイルスの産生 プラスミドpBC.tTAを、pUHD10−1(Gossen,M.ら、Proc.Natl .Acad.Sci.89: 5547-551(1992))由来のtetトランスアクティベーター遺伝 子でのIL−2配列(bp756〜1439)の置換により、pBC12/CM V/IL−2(Cullen,B.R.、Cell,46: 973-982(1986))から構築した。図7 は、pBC.tTAプラスミドの構造を示す。 pMD、pMD.G、pMDtet、pMDtet.GおよびpMD.gag pol構築物ならびに293GPG細胞株を、実施例1に記載のように構築した 。 293GPG細胞を用いる一過性のトランスフェクションを、4〜5x106 細胞を一晩前に4mlの293GPG培地中に播種した60mmのディッシュで 行なった。4μgのΔU3nlsLacZを300μlのOpti−MEM(Gib co BRL)中で希釈し、300μlのOpti−MEM中で希釈した25μlのL ipofectamine(Gibco BRL)とともに、室温で30分間インキュベー トした。2.4mlのOpti−MEMを、DNA−Lipofectamin e混合物に添加して、トランスフェクション前30分にリンスして2mlのOp ti−MEMに培地交換しておいた293GPG細胞の上部に置いた。トランス フェクション後7〜8時間に、2mlの293培地を添加し、該培地を24時間 で交換した。72時間で上清を回収し、以下のようにウイルスの力価を測定した 。β−ガラクトシダーゼ活性のアッセイおよびウイルス力価の測定 β−ガラクトシダーゼ活性に関して細胞を染色するために、細胞を1mMのマ グネシウムを補足したリン酸緩衝生理食塩水(PBS+)で洗浄して、PBS+ 中1%のグルタルアルデヒドを用いて、37℃で10分間固定した(Lim,K.ら、 Biotechniques,7: 576-579(1989))。固定液を吸引除去し、細胞を、PBS+ 中3.3mMのフェリシアン化カリウム(Sigma)、3.3mMのフェロシアン化 カリウム(Sigma)および0.2%のX−gal(Molecular Probes)とともに、3 7℃で2時間インキュベートした。定量的なβ−ガラクトシダーゼ活性は、市販 の発光アッセイ(Clontech)を用いて測定した。ウイルス力価を測定するために、 NIH 3T3細胞を感染前16時間に6ウエルの培養皿中ウエル当たり1x1 05細胞で播種し、8μg/mlのポリブレン(Sigma)を含むウイルス上清の連続 希釈液とともに24時間インキュベートした。ウイルス力価は、20個の1mm2 の視野当たり青い核を有する細胞(β−ガラクトシダーゼ産生細胞)の平均数 ×プレートサイズを占める因子、ウイルス原液の希釈÷組織培養ウエルにおける 標的細胞として決定した。293GPG細胞の一過性トランスフェクションによるVSV−Gプソイドタイ プのレトロウイルスの産生 293GPGクローンを用いて、293細胞の高トランスフェクション効率を 利用して、一過性のトランスフェクションによりVSV−Gでプソイドタイプ化 したレトロウイルスを産生させた。293GPG細胞の一過性のトランスフェク ションに関して、MFG.nlsLacZの5’LTRのU3領域をHCMVエ ンハンサー−プロモーターへの置換およびMFG.SnlsLacZの5’と3 ’のゲノムフランキング領域の欠失により、ΔU3nlsLacZレトロウイル ス構築物を作製した。MFG.SnlsLacZと比較したとき、ΔU3nls LacZは、一過性のトランスフェクションにおいて20倍の発現増加を可能に した。293GPGクローンを、40%の平均効率で、ΔU3nlsLacZ構 築物を用いるリポフェクタミンにより一過性にトランスフェクトした。トランス フェクション後24時間と72時間の間で48時間のウイルス上清を回収し、成 育培地からテトラサイクリンを除去した。1〜3x106i.u./mlの範囲 のウイルス力価が一過性に達成された。実施例5 cDNA発現およびウイルス力価における5’非翻訳配列の効果 以前に使用したベクターとΔU3レトロウイルスクローニングベクターとの間 に、いくつかの相違が存在する。第1に、ΔU3ベクターは、5’LTRのU3 領域を完全なヒトCMVエンハンサー−プロモーター(Boshartら、Cell,41: 52 1-530(1985))により正確に置換することにより、293由来の細胞株(293G PG細胞等)において高い一過性の発現のために特別に修正されている。第2に 、ΔU3ベクターは、確立された高力価で高発現ベクターであるMGFに由来す る。最後に、以前のレトロウイルス発現クローニングに使用されたベクターとは 異なり、cDNA発現とcDNAウイルス力価における5’非翻訳配列の効果を 試験した。このことは、cDNAライブラリーの構築過程(Seed,B.とAruffo, S.、PNAS,84: 3365-3369(1987))において、cDNA挿入物がたびたび200塩 基対までの5’非翻訳配列を含むので重要である。したがって、レトロウイ ルスクローニングベクターは、バイアスをライブラリー内に導入しないように、 これらの追加の配列を適用することができなければならない。 cDNA発現とウイルス力価における5’非翻訳配列の効果は、5’非翻訳配 列の0〜165塩基対を有するlacZ遺伝子をΔU3Bamベクター内に挿入 することにより試験した。下記は、非翻訳配列の0塩基対(すなわち、修飾され たBamHIクローニング部位を含まないΔU3lacZ)に対して標準化した データである: これらの結果により、ΔU3Bamベクターは、非クローニングMGFに基づ くレトロウイルスベクターと比べて、発現またはウイルス力価において適度に減 少するだけでcDNA挿入物内の165bpまでの5’非翻訳配列を適用するこ とができることが示される。このデータは、ΔU3BamベクターがcDNA挿 入物の効率的なパッケージングおよび標的細胞(call)に対するcDNAの効率的 な伝達を促進する可能性を支持する。均等物 当業者であれば、単なる日常的実験手法により、本明細書に記載された発明の 具体的態様に対する多くの均等物を認識し、あるいは確認することができるであ ろう。かかる均等物は、下記請求の範囲に記載されるような本発明の範疇に含ま れるものである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年12月9日(1997.12.9) 【補正内容】 請求の範囲 1.ヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定な プソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株であって、 a)レトロウイルスコアウイルス粒子を製造するレトロウイルスgagpol遺 伝子;および b)レトロウイルスコアウイルス粒子に対するプソイドタイプのエンベロープ蛋 白質をコードし、誘導可能なオペレーター系の制御下にある遺伝子 (ここで、該b)の蛋白質は、ヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロ ウイルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞 株を生ずる、レトロウイルスコアウイルス粒子に対してプソイドタイプのエンベ ロープ蛋白質を提供する) の発現を支配する1以上の非レトロウイルス発現構築物を含有してなるパッケー ジング細胞株。 2.ヒト由来であり、汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプソイド タイプのレトロウイルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッ ケージング細胞株であって、 a)レトロウイルスコアウイルス粒子を製造するレトロウイルスgagpol遺 伝子;および b)レトロウイルスコアに対するプソイドタイプのエンベロープ蛋白質をコード し、誘導可能なオペレーター系の制御下にある遺伝子 (ここで、水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質は、汎親和性宿主域を有するヘルパ ーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定なプソイドタ イプのレトロウイルスパッケージング細胞株を生ずる、レトロウイルスコアウイ ルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープ蛋白質を提供する) の発現を支配する1以上の非レトロウイルス発現構築物を含有してなるパッケー ジング細胞株。 3.b)のエンベロープ蛋白質が水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質である、請求 項2記載の安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株。 4.非レトロウイルス発現構築物がヒトサイトメガロウイルス即時型初期プロモ ーターを含有してなる、請求項3記載のパッケージング細胞株。 5.水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質の発現に関して誘導可能なオペレーター系 がtetオペレーター系である、請求項3記載のパッケージング細胞株。 6.レトロウイルスgagpol遺伝子が変異している、請求項3記載のパッケ ージング細胞株。 7.細胞が、誘導可能なtetオペレーターの制御下でVSV−Gを発現するヒ ト細胞、tTA、およびgagpolを含有してなるH29 gagpol細胞 である、請求項3記載のパッケージング細胞株。 8.細胞が、誘導可能なtetオペレーターの制御下でVSV−Gを発現するヒ ト細胞、tTA、および変異したgagpol遺伝子を含有してなるH29 n ew gagpol細胞である、請求項6記載のパッケージング細胞株。 9.汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウ イルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株 であって、 a)レトロウイルスコアウイルス粒子を製造するレトロウイルスgagpol遺 伝子;および b)誘導可能なtetオペレーター系の制御下の水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白 質 (ここで、該水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質は、汎親和性宿主域を有するヘル パーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定なプソイド タイプのレトロウイルスパッケージング細胞株を生ずる、レトロウイルスコアウ イルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープ蛋白質を提供する) の発現を支配する1以上のサイトメガロウイルス発現構築物を含有してなるパッ ケージング細胞株。 10.細胞が、誘導可能なtetオペレーターの制御下でVSV−Gを発現する ヒト細胞、tTA、およびgagpolを含有してなるH29 gagpol細 胞である、請求項9記載のパッケージング細胞株。 11.汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロ ウイルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞 株であって、 a)変異したレトロウイルスgagpol遺伝子;および b)誘導可能なtetオペレーター系の制御下の水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白 質 (ここで、該水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質は、安定なプソイドタイプのレト ロウイルスパッケージング細胞株から汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの 組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生するために、変異したgagpo l遺伝子から発現されるレトロウイルスgagpol蛋白質と相互作用するプソ イドタイプのエンベロープ蛋白質を提供する) の発現を支配する1以上のサイトメガロウイルス発現構築物を含有してなるパッ ケージング細胞株。 12.細胞が、誘導可能なtetオペレーターの制御下でVSV−Gを発現する ヒト細胞、tTA、および変異したgagpol遺伝子を含有してなるH29 new gagpol細胞である、請求項11記載のパッケージング細胞株。 13.a)レトロウイルスコアウイルス粒子を製造するレトロウイルスgagp ol遺伝子、および b)レトロウイルスコアウイルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープを 提供し、誘導可能なオペレーター系の制御下にある蛋白質 (ここで、該b)の蛋白質は、ヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロ ウイルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞 株を生ずる、レトロウイルスコアウイルス粒子に対してプソイドタイプのエンベ ロープ蛋白質を提供する) の発現を支配する1以上の非レトロウイルス発現構築物で哺乳動物細胞をトラン スフェクトする工程を含む、ヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウ イルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株 の作製方法。 14.a)レトロウイルスコアウイルス粒子を製造するレトロウイルスgagp ol遺伝子、および b)誘導可能なオペレーター系の制御下の水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質 (ここで、該水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質は、汎親和性宿主域を有するヘル パーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定なプソイド タイプのレトロウイルスパッケージング細胞株を生ずる、レトロウイルスコアウ イルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープ蛋白質を提供する) の発現を支配する1以上の非レトロウイルス発現構築物で哺乳動物細胞をトラン スフェクトする工程を含む、汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプ ソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロウイル スパッケージング細胞株の作製方法。 15.非レトロウイルス発現構築物がサイトメガロウイルス構築物である、請求 項14記載の方法。 16.水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質の発現に関して誘導可能なオペレーター 系がtetオペレーター系である、請求項14記載の方法。 17.哺乳動物細胞が、誘導可能なtetオペレーターの制御下でVSV−Gを 発現するヒト細胞、およびtTAを含有してなるH29細胞である、請求項14 記載の方法。 18.レトロウイルスgagpol遺伝子が変異している、請求項14記載の方 法。 19.変異したgagpol遺伝子がnew 5’gagpolおよびnew 3’gagpolヌクレオチド配列、配列番号:7および8を含有してなる、請 求項18記載の方法。 20.a)tetトランスアクティベーターをコードする第1の非レトロウイル ス構築物およびtetトランスアクティベーターの制御下で水疱性口内炎ウイル スG糖蛋白質をコードする第2の非レトロウイルス構築物で、哺乳動物細胞をト ランスフェクトする工程; b)テトラサイクリンの存在下ではVSV−Gが検出されず、テトラサイクリン の非存在下では検出されるテトラサイクリンで誘導可能なVSV−Gの発現に関 して、a)の細胞をスクリーニングする工程; c)レトロウイルスgagpol蛋白質をコードする第3の非レトロウイルス構 築物で、b)の細胞をトランスフェクトする工程;ならびに d)レトロウイルスの産生に関してc)の細胞をスクリーニングする工程 (ここで、レトロウイルスを産生するd)のトランスフェクトした細胞は、汎親 和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを 産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞である) を含む、汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレト ロウイルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細 胞株の作製方法。 21.第2および第3の構築物がサイトメガロウイルス構築物である、請求項2 0記載の方法。 22.哺乳動物細胞が、誘導可能なtetオペレーターの制御下でVSV−Gを 発現するヒト細胞、およびtTAを含有してなるH29細胞である、請求項20 記載の方法。 23.レトロウイルスgagpol蛋白質が変異している請求項20記載の方法 。 24.変異したgagpol蛋白質が、配列番号:7および8によりコードされ るnew 5’gagおよびnew 3’pol蛋白質を含有してなる、請求項 23記載の方法。 25.誘導可能なtetオペレーターの制御下でVSV−Gを発現するヒト細胞 、およびtTAを含有してなるH29細胞株。 26.誘導可能なtetオペレーターの制御下でVSV−Gを発現するヒト細胞 、tTA、およびgagpolを含有してなるH29 gagpol細胞株。 27.誘導可能なtetオペレーターの制御下でVSV−Gを発現するヒト細胞 、tTA、および変異したgagpol遺伝子を含有してなるH29 new gagpol細胞株。 28.図1のベクターを含有してなるpMD。 29.図2のベクターを含有してなるpMDtet。 30.図4のベクターを含有してなるpMDtet.G。 31.図5のベクターを含有してなるpMD.gagpol。 32.図6のベクターを含有してなるpMD.new gagpol。 33.a)2つのレトロウイルスLTR; b)cDNAの挿入のためのクローニング部位;および c)サイトメガロウイルスプロモーター を含有してなる、哺乳動物細胞での発現用cDNAライブラリーの作製のための レトロウイルスベクター。 34.レトロウイルスLTRがモロニーネズミ白血病ウイルスLTRである、請 求項33記載のレトロウイルスベクター。 35.該LTRの1つは、モロニーネズミ白血病ウイルスLTRのU3領域がヒ トサイトメガロウイルスプロモーターで置換されている修飾したモロニーネズミ 白血病ウイルスLTRである、請求項34記載のレトロウイルスベクター。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),CA,JP,US (72)発明者 オーリ,ダニエル エス. アメリカ合衆国 ミズーリ 63124 セン トルイス,グリーンブライアー ストリー ト 8 (72)発明者 セードレイン,マイケル アメリカ合衆国 ニューヨーク 10128 ニューヨーク,イースト 89ティーエイチ ストリート 401 (72)発明者 マリガン,リチャード シー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94705 バークレー,ベルローズ アベニュー 2337 (72)発明者 シャファー,ジーン イー. アメリカ合衆国 ミズーリ 63124 セン トルイス,グリーンブライアー ストリー ト 8 【要約の続き】 れる特別な細胞と構築物(すなわちパッケージング要 素)(H29細胞とpMD、pMDtet、pMDte t.G、PMD.gagpol、pMD.new ga gpol構築物等)に関する。本発明は、2つのレトロ ウイルス長末端反復、cDNAの挿入のためのクローニ ング部位およびサイトメガロウイルスプロモーターを含 有する、哺乳動物細胞での発現用cDNAライブラリー の作製のためのレトロウイルスベクターに関する。また 本発明は、本発明のレトロウイルスベクターを含有す る、哺乳動物細胞での発現用cDNAライブラリーに関 する。また本発明は、哺乳動物細胞における発現クロー ニング方法に関する。また本発明は、哺乳動物細胞にお けるcDNA発現クローニング方法に関する。また本発 明は、哺乳動物細胞での相補性によるcDNA発現クロ ーニングを用いる変異した表現型の原因となる遺伝子の 欠損を同定する方法に関する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生可能な、安 定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞株であって、 a)レトロウイルスコアウイルス粒子を製造するレトロウイルスgagpol遺 伝子;および b)レトロウイルスコアウイルス粒子に対するプソイドタイプのエンベロープを コードし、誘導可能なオペレーター系の制御下にある遺伝子 (ここで、該b)の蛋白質は、ヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロ ウイルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞 株を生ずる、レトロウイルスコアウイルス粒子に対してプソイドタイプのエンベ ロープ蛋白質を提供する) の発現を支配する1以上の非レトロウイルス発現構築物を含有してなるパッケー ジング細胞株。 2.汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウ イルスを産生可能な、安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細 胞株であって、 a)レトロウイルスコアウイルス粒子を製造するレトロウイルスgagpol遺 伝子;および b)誘導可能なオペレーター系の制御下の水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質 (ここで、該水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質は、汎親和性宿主域を有するヘル パーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定なプソイド タイプのレトロウイルスパッケージング細胞株を生ずる、レトロウイルスコアウ イルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープ蛋白質を提供する) の発現を支配する1以上の非レトロウイルス発現構築物を含有してなるパッケー ジング細胞株。 3.非レトロウイルス発現構築物がヒトサイトメガロウイルス即時型初期プロモ ーターを含有してなる、請求項2記載のパッケージング細胞株。 4.水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質の発現に関して誘導可能なオペレーター系 がtetオペレーター系である、請求項2記載のパッケージング細胞株。 5.レトロウイルスgagpol遺伝子が変異している、請求項2記載のパッケ ージング細胞株。 6.細胞がH29 gagpol細胞である、請求項2記載のパッケージング細 胞株。 7.細胞がH29 new gagpol細胞である、請求項5記載のパッケー ジング細胞株。 8.汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウ イルスを産生可能な、安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細 胞株であって、 a)レトロウイルスコアウイルス粒子を製造するレトロウイルスgagpol遺 伝子;および b)誘導可能なtetオペレーター系の制御下の水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白 質 (ここで、該水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質は、汎親和性宿主域を有するヘル パーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定なプソイド タイプのレトロウイルスパッケージング細胞株を生ずる、レトロウイルスコアウ イルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープ蛋白質を提供する) の発現を支配する1以上のサイトメガロウイルス発現構築物を含有してなるパッ ケージング細胞株。 9.細胞がH29 gagpol細胞である、請求項8記載のパッケージング細 胞株。 10.汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロ ウイルスを産生可能な、安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング 細胞株であって、 a)変異したレトロウイルスgagpol遺伝子;および b)誘導可能なtetオペレーター系の制御下の水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白 質 (ここで、該水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質は、安定なプソイドタイプのレト ロウイルスパッケージング細胞株から汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの 組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生するために、変異したgagpo l遺伝子から発現されるレトロウイルスgagpol蛋白質と相互作用するプソ イドタイプのエンベロープ蛋白質を提供する) の発現を支配する1以上のサイトメガロウイルス発現構築物を含有してなるパッ ケージング細胞株。 11.細胞がH29 new gagpol細胞である、請求項10記載のパッ ケージング細胞株。 12.a)レトロウイルスコアウイルス粒子を製造するレトロウイルスgagp ol遺伝子、および b)レトロウイルスコアウイルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープを 提供し、誘導可能なオペレーター系の制御下にある蛋白質 (ここで、該b)の蛋白質は、ヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロ ウイルスを産生する安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞 株を生ずる、レトロウイルスコアウイルス粒子に対してプソイドタイプのエンベ ロープ蛋白質を提供する) の発現を支配する1以上の非レトロウイルス発現構築物で哺乳動物細胞をトラン スフェクトする工程を含む、ヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウ イルスを産生可能な安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞 株の作製方法。 13.a)レトロウイルスコアウイルス粒子を製造するレトロウイルスgagp ol遺伝子、および b)誘導可能なオペレーター系の制御下の水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質 (ここで、該水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質は、汎親和性宿主域を有するヘル パーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを産生する安定なプソイド タイプのレトロウイルスパッケージング細胞株を生ずる、レトロウイルスコアウ イルス粒子に対してプソイドタイプのエンベロープ蛋白質を提供する) の発現を支配する1以上の非レトロウイルス発現構築物で哺乳動物細胞をトラン スフェクトする工程を含む、汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプ ソイドタイプのレトロウイルスを産生可能な安定なプソイドタイプのレトロウイ ルスパッケージング細胞株の作製方法。 14.非レトロウイルス発現構築物がサイトメガロウイルス構築物である、請求 項13記載の方法。 15.水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質の発現に関して誘導可能なオペレーター 系がtetオペレーター系である、請求項13記載の方法。 16.哺乳動物細胞がH29細胞である、請求項13記載の方法。 17.レトロウイルスgagpol遺伝子が変異している、請求項13記載の方 法。 18.変異したgagpol遺伝子がnew 5’gagpolおよびnew 3’gagpolヌクレオチド配列である、請求項17記載の方法。 19.a)tetオペレーターをコードする第1の非レトロウイルス構築物およ び水疱性口内炎ウイルスG糖蛋白質をコードする第2の非レトロウイルス構築物 で、哺乳動物細胞をトランスフェクトする工程; b)テトラサイクリンの存在下ではVSV−Gが検出されず、テトラサイクリン の非存在下では検出されるテトラサイクリンで誘導可能なVSV−Gの発現に関 して、a)の細胞をスクリーニングする工程; c)レトロウイルスgagpol蛋白質をコードする第3の非レトロウイルス構 築物で、b)の細胞をトランスフェクトする工程;ならびに d)レトロウイルスの産生に関してc)の細胞をスクリーニングする工程 (ここで、レトロウイルスを産生するd)のトランスフェクトした細胞は、汎親 和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレトロウイルスを 産生可能な安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング細胞である) を含む、汎親和性宿主域を有するヘルパーフリーの組換えプソイドタイプのレト ロウイルスを産生可能な安定なプソイドタイプのレトロウイルスパッケージング 細胞株の作製方法。 20.第2および第3の構築物がサイトメガロウイルス構築物である、請求項1 9記載の方法。 21.哺乳動物細胞がH29細胞である請求項19記載の方法。 22.レトロウイルスgagpol蛋白質が変異している請求項19記載の方法 。 23.変異したgagpol蛋白質がnew 5’gagおよびnew 3’p ol蛋白質である、請求項19記載の方法。 24.H29細胞株。 25.H29 gagpol細胞株。 26.H29 new gagpol細胞株。 27.pMD。 28.pMDtet。 29.pMDtet.G。 30.pMD.gagpol。 31.pMD.new gagpol。 32.a)2つのレトロウイルスLTR; b)cDNAの挿入のためのクローニング部位;および c)サイトメガロウイルスプロモーター を含有してなる、哺乳動物細胞での発現用cDNAライブラリーの作製のための レトロウイルスベクター。 33.レトロウイルスLTRがモロニーネズミ白血病ウイルスLTRである、請 求項32記載のレトロウイルスベクター。 34.該LTRの1つは、モロニーネズミ白血病ウイルスLTRのU3領域がヒ トサイトメガロウイルスプロモーターで置換されている修飾されたモロニーネズ ミ白血病ウイルスLTRである、請求項33記載のレトロウイルスベクター。 35.ライブラリーが、 a)2つのレトロウイルスLTR; b)cDNA;および c)サイトメガロウイルスプロモーター (ここで、該cDNAはレトロウイルスLTR間に位置して、サイトメガロウイ ルスプロモーターに操作可能に結合している) を含有するレトロウイルスベクターを含有してなる、哺乳動物細胞での発現用c DNA発現ライブラリー。 36.レトロウイルスLTRがモロニーネズミ白血病ウイルスLTRであり、該 LTRの1つは、モロニーネズミ白血病ウイルスLTRのU3領域がヒトサイト メガロウイルスプロモーターで置換されている修飾されたモロニーネズミ白血病 ウイルスLTRである、請求項35記載のcDNA発現ライブラリー。 37.a)2つのレトロウイルスLTR、cDNAおよびサイトメガロウイルス プロモーターを含有するレトロウイルスベクター (ここで、該cDNAはレトロウイルスLTR間に位置して、サイトメガロウイ ルスプロモーターに操作可能に結合している) を含有してなるcDNA発現ライブラリーを哺乳動物細胞に導入する工程;なら びに b)該cDNA発現ライブラリーの発現に適する条件下で、a)で製造されたc DNA発現ライブラリーを含む哺乳動物細胞を維持する工程 を含み、それにより、該哺乳動物細胞においてcDNA発現ライブラリーが作製 される、哺乳動物細胞におけるcDNA発現ライブラリーの作製方法。 38.パッケージング細胞株で産生されるプソイドタイプのレトロウイルスを用 いて、cDNA発現ライブラリーが細胞に導入される請求項37記載の方法。 39.a)2つのレトロウイルスLTR、cDNAおよびサイトメガロウイルス プロモーターを含有するレトロウイルスベクター (ここで、該cDNAはレトロウイルスLTR間に位置して、サイトメガロウイ ルスプロモーターに操作可能に結合している) を含有してなるcDNA発現ライブラリーを、プソイドタイプのレトロウイルス 粒子を産生するパッケージング細胞株に導入し、それにより発現ライブラリーを 含むパッケージング細胞株を製造する工程; b)該cDNA発現ライブラリーから転写されるRNAを含むプソイドタイプの レトロウイルス粒子の産生に適する条件下で、該発現ライブラリーを含むパッケ ージング細胞株を維持する工程; c)b)のプソイドタイプのレトロウイルスで哺乳動物細胞を感染させる工程 を含み、それにより哺乳動物細胞でcDNA発現ライブラリーが作製される、哺 乳動物細胞におけるcDNA発現ライブラリーの作製方法。 40.パッケージング細胞株が、293GPG細胞、BOSC23細胞、PA3 17細胞、Kat細胞株、GP+E−86細胞株、GP+EAM12細胞株およ びFLY細胞株からなる群より選ばれる請求項39記載の方法。 41.a) 1)2つのモロニーネズミ白血病ウイルスLTR; 2)cDNA;および 3)サイトメガロウイルスプロモーター (ここで、該cDNAはモロニーネズミ白血病ウイルスLTR間に位置して、サ イトメガロウイルスプロモーターに操作可能に結合している) を含有するレトロウイルスベクターを含有してなるcDNA発現ライブラリーを 作製する工程; b)該cDNA発現ライブラリーを、プソイドタイプのレトロウイルスを産生す る哺乳動物パッケージング細胞株に導入する工程;ならびに c)該cDNA発現ライブラリー中のcDNAからのRNA転写物の製造および RNA転写物を含むプソイドタイプのレトロウイルス粒子の産生に適する条件下 で、該哺乳動物パッケージング細胞株を維持する工程 を含む、cDNA発現ライブラリーから転写されるRNAを含む広範な宿主域の プソイドタイプのレトロウイルス粒子の製造方法。 42.プソイドタイプのレトロウイルス粒子が、VSV−Gでプソイドタイプ化 したレトロウイルス粒子である、請求項41記載の方法。 43.請求項42記載の方法により製造される広範な宿主域のプソイドタイプの レトロウイルス粒子。 44.哺乳動物細胞での発現用cDNAライブラリーを作製するためのレトロウ イルスベクターから転写されるRNAを含有してなり、該レトロウイルスベクタ ーは、2つのレトロウイルスLTR;cDNAの挿入のためのクローニング部位 ;およびサイトメガロウイルスプロモーターを含有してなる、広範な宿主域のプ ソイドタイプのレトロウイルス粒子。 45.VSV−Gレトロウイルスプソイドタイプである、請求項44記載のプソ イドタイプのレトロウイルス粒子。
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