JP2000500339A - T細胞レセプターαおよびβ鎖CDR3部のファミリー内フラグメント分析方法 - Google Patents

T細胞レセプターαおよびβ鎖CDR3部のファミリー内フラグメント分析方法

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Abstract

(57)【要約】 組織サンプルまたは末梢血においてヒトリンパ球からT細胞レセプター(TCR)αおよびβ鎖の第3相補性決定部(CDR3)の長さ分布を定量的に測定する方法およびキットが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 T細胞レセプターαおよびβ鎖CDR3部の ファミリー内フラグメント分析方法 発明の背景 A.発明の分野 本発明は、一般に、T細胞レパートリー分析およびそれについての臨床的な適 用を実施するための方法および物質を有するキットに関連し、そして、より詳細 には、T細胞レセプターのαおよびβ鎖cDR3部のファミリー内遺伝子フラグメン ト長プロフィールを決定する方法および物質を有するキットに関連する。 B.背景 Tリンパ球はヒトの細胞免疫の主要なメディエーターで、感染病原体(例えば 、ウイルスおよびバクテリア)への免疫応答、および新生物形成疾患に対する身 体の自然な防御に不可欠な役割を占める。同様に、Tリンパ球は、宿主の免疫系 が異質の宿主由来の移植組織を攻撃する(拒絶する)急性対宿主移植片疾患、自 己免疫疾患、過敏症、退行性神経系疾患、そして多くの他の状態において中心的 な役割を果たす。T細胞免疫応答は、一つ(またはそれ以上)の特定のT細胞が 、特定の抗原を認識し、増殖促進サイトカインを分泌し、そしてモノクローナル (またはオリゴクローナル)拡張して、外来抗原を認識しそして除去するさらな るT細胞を提供することにより特徴付けられる。 各T細胞およびその後代は、これらによって発現される構造的に独特なT細胞 レセプター(TCR)の効力によって独特であり、これは相補的で、構造的に独特な 抗原を認識する。T細胞(αβT細胞)の大部分において、T細胞レセプターは 、ジスルフィド結合によって互いに共有的に架橋されたアルファ(α)およびベ ータ(β)ポリペプチド鎖を含むヘテロダイマーである。アルファおよびベータ 鎖の両方は、中間結合(J)部(そしてβ鎖の場合、同様に多様(D)部)によって 定常(C)部に結合したアミノ末端可変(V)部を含む。TCRの多様性は、抗体の多 様性と同様に大きく、遺伝的組換え事象によって生成されたVα、Jα、Cα遺伝 子 セグメントならびにVβ、Jβ、DβおよびCβ遺伝子セグメントの多くの異なる 組合せから生じると考えられる。 T細胞レセプターαおよびβ鎖の可変部内は、抗原との重要な接触点を形成し 、従って相補性決定部(CDR)と呼ばれる、免疫グロブリンにみられる可変部と類 似する超可変部である。免疫グロブリンとの相似性に基づけば、これらのTCR超 可変部は、TCRの骨格配列の結合しているβシートから輪になって飛び出してい る(loop out)と考えられる。2つのCDR(CDR1およびCDR2)は、主要組織適合遺 伝子複合体(MHC)ペプチド配列に優勢に接触すると仮定され、一方、第3の、中 央に位置するCDR(CDR3)は、2つのMHCのαヘリックスペプチドの溝に結合した抗 原と接触すると考えられる。Bjorkmanら、Nature,329:512(1987); Chothiaら、 EMBO J.,7:3745(1988); Davisら、Nature,334:395(1988); そしてBrownら、Na ture,364:33(1993)を参照のこと。αおよびβ鎖CDR3長の両方は、直接的なペプ チド抗原との接触と一致するので、これらはペプチド-MHC複合体に結合するため の進化的選択のために、サイズにおいて強制されたと仮定される。Rockら、J.E xp.Med.,179:323(1994)。TCRβ鎖の最大の配列多様性は、CDR3部のアミノ酸96 〜105位において報告されている。Kabatら、Sequences of Proteins of Immunol ogic Interest、第5版、U.S.Dept.of Health and Human Services,NIH publ ication 91,3242(1991)。この多様性は抗原の認識におそらく使用されている。 配列の多様性に加えて、TCRαおよびβ鎖は、遺伝子組換えの間に起こるヌク レオチドの欠失および付加により、それらのCDR3部において長多様性を示す。Da visら、(1988)。配列データは、ヒトのαおよびβ鎖の両方の平均CDR3長が6〜1 2アミノ酸(a.a.)の範囲を有する、9a.a.であることを示している。Rockら、(19 94)。多くの研究が、CDR3長が5〜16a.a.の範囲であることを示唆している。Hin goraniら、J.Immunol.,151:5762(1993); Gorskiら、J.Immunol.,152:5109(1 994)。 Tリンパ球の免疫応答における主な役割のため、局所性および全身性免疫応答 に関与するT細胞レパートリーについての分析は、多くの臨床的状況(自己免疫 、感染性抗原への応答、同種免疫、および腫瘍免疫を含む)において重要な役割 を 演じ始めている。Gorskiら、(1994)。徹底的な調査努力は、免疫系をより理解し 、モニターし、そして調節するために、T細胞レパートリーをモニターするため の改善された方法を開発することに指向されている。T細胞レパートリーの分析 における多くのより首尾よい前進は、T細胞レセプターのレパートリーを測定す るために指向される、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)方法論が含まれる。一般的に は、Cottrezら、J.Immunol.Methods,172:85-94(1994)を参照のこと。 例えば、Oaksら、Am.J.Med.Sci.,309(1):26-34(1995)は、PCRに基づいた T細胞レパートリーの分析方法(細胞サンプルからRNAを抽出し、RNAからcDNAを 合成し、そしてファミリー特異的VαおよびVβオリゴヌクレオチドプライマー を使用して、PCR(40サイクル)によりcDNAのアリコートを増幅することを含む )を報告した。PCR産物は、2%アガロースゲル上で電気泳動され、次いでα鎖 またはβ鎖の定常部の遺伝子プローブを使用してサザンブロッティングされるこ とによって分析された。この方法では、特有のバンドが検出された場合、特定の TCRのVαまたはVβファミリーの発現がポジティブであると考えられた。方法 は、心臓同種移植患者における組織拒絶疾患対非拒絶疾患を区別するために有用 であった。しかし、サザンブロット分析は、特定のVαまたはVβの遺伝子ファ ミリー内のT細胞レパートリーについて次善の情報を提供する。Dietrichら、Bl ood,80(9):2419-24(1992)もまた参照のこと。 欧州特許出願第0 653 493 A1号(1993年4月30日に出願)において、本発明者 らはPCRに基づいたT細胞レパートリーの分析方法(細胞サンプルからRNAを抽出 し、RNAからcDNAを合成し、そしてファミリー特異的Vβオリゴヌクレオチドプ ライマーを使用してPCRによりcDNAのアリコートを増幅することを含む)を報告 した。PCR産物は、次いで、「1本鎖構造多型」(SSCP)技術(PCR増幅されたcDNA は1本鎖に分離され、そして非変性(尿素を含まない)ポリアクリルアミドゲル 上で電気泳動され、それによって同じ長さを持つDNAフラグメントが「高次構造 」によってさらに分離され得る)を用いて分析された。この方法を使用して、報 告の末梢血リンパ球由来の増幅DNAは、一般に「スメア」として観察される。一 方、スメアの真ん中の単一バンドの検出はT細胞クローンの拡張の指標である。 Cottrezら、前出は、T細胞レパートリーの分析方法(細胞サンプルからRNAを 抽出し、オリゴdTプライマーを使用してRNAからcDNAを合成し、そしてファミリ ー特異的Vβオリゴヌクレオチドプライマーを使用してPCR(約25サイクル)に よりcDNAのアリコートを増幅すること)を報告した。PCR産物はDNAシークエンサ ーで分析され、そして報告によると、CDR3部の「全ての」種々のサイズを示す、 3塩基長で隔てたれた6〜11の別々のフラグメントピークを含んだ。Gorskiら、 J.Immunol.,152:5109-5119(1994)もまた参照のこと。 Puisieuxら、J.Immunol.,153:2807-18(1994)は、PCRに基づいた、24のヒトT CR VβサブファミリーにおけるVDJ結合サイズパターンを決定することを含む、 T細胞レパートリーの分析方法を報告した。TCR Vαサブファミリーは特徴付け されなかった。これらの発明者らは、T細胞侵襲連続悪性メラノーマ生検をクロ ーン拡張の有無について分析するための方法を採用し、そして幾分複雑なポリク ローナルバックグラウンドを上回るそのような拡張を検出した。彼らの研究は、 新生物形成状態をモニターし、そしてそのような状態を処置するための、T細胞 レパートリー分析方法の利用性に焦点を当てている。 PuisieuxらのT細胞レパートリー分析方法は、報告によると、細胞サンプルか らRNAを抽出する工程、オリゴ(dT)プライマーを使用してRNAからcDNAを合成する 工程、そしてファミリー特異的Vβオリゴヌクレオチドプライマーを使用してPC RによりcDNAのアリコートを増幅する工程を含む。PCR産物における潜在的なクロ ーン拡張は、(配列決定ゲル上の)一つの蛍光ピークが、ファミリー内の全ての ピークの全蛍光強度の40%に対応するとしてファミリー内で試験的に同定された 。T細胞レパートリー分析を「さらに精密にする」ために、第2のセットのVβ ファミリー特異的PCR反応が実施され、次いで目的の各PCR反応由来のアリコート がさらに、蛍光体で標識したCβプライマーを使用した、および/または13のJβ ファミリーに特異的な蛍光体で標識したJβプライマーを使用した、プライマー 伸張「ランオフ」反応に供された。次いでランオフ反応産物は、さらなる配列決 定ゲル上で分析された。 同じ研究グループは、さらに最近、彼らのT細胞レパートリー分析方法を精巧 にしている。Pannetierら、Immunol.Today,16:176-181(1995)を参照のこと。 グループはVβファミリーはVαファミリーよりもPCRによる分析が容易である ことを報告している。それにも関わらず、彼らのVβ分析方法は、25のVβファ ミリー特異的PCR増幅(その各々が平均8のピークを生じる)、25のCβ「ランオ フ」反応、および325のJβ「ランオフ」反応(25Vβ×13Jβ=325)を含む。各 「ランオフ」反応は、アリコートをポリアクリルアミドゲル上で電気泳動するこ とによって分析される。Cochetら、Eur.J.Immunol.,22:2639-2647(1992)(こ こでは、同じ研究グループが、マウスでのT細胞レパートリーを分析するための 同様の方法のより早い使用を報告する);Dietrichら、Blood,84(8):2815-20( 1994)(T細胞レパートリー分析方法の、組織移植患者の対宿主移植片疾患をモ ニターするための利用を証明する)もまた参照のこと。T細胞レパートリー分析 のより迅速な方法(例えば、より少ないPCR反応および電気泳動反応が必要とさ れる方法、クローン拡張事象を表す推定ピークがより迅速に同定される方法、お よびファミリー内のPCR条件を最適化する必要性を減少するまたは除去する方法 )が、長く必要だと感じられている。さらに、TCR Vα鎖の分析を提供するT細 胞レパートリーの分析方法が、長く必要だと感じられている。好ましくは、より 迅速な方法は、既存の方法と、クローン拡張事象(T細胞レセプターが優勢度の 低いCDR3長を有するアルファ鎖および/またはベータ鎖を含むT細胞のクローン 拡張を含む)を検出する能力においてより高いか、または同等の感受性を提供す る。 発明の要旨 本発明は、1つ以上の前述の必要性を、哺乳動物において、そしてより詳細に はヒトにおいて、T細胞レパートリーを分析する新規の方法を提供することによ って解決する。本方法は、単独でまたは先行技術(例えば、「ランオフ」反応技 術、DNAクローニングおよび配列決定技術など)と組み合わせて実施され得る。 関連する局面において、本発明は、本発明の方法を行うために有用な物質を有す るキットを提供する。 例えば、一つの局面において、本発明はヒト個体のT細胞免疫増殖状態をアッ セイする方法を提供し、これは、以下の工程を包含する:(a)個体から細胞を得 る工程;(b)T細胞レセプター(TCR)α鎖可変部遺伝子ファミリー(Vα)につい て、細胞から、ファミリー内遺伝子フラグメント長アッセイプロフィールを生成 する工程;(c)工程(b)のアッセイプロフィールを、健常なヒト被験体の血球由来 のファミリー内遺伝子フラグメント長コントロールプロフィールと比較して、コ ントロールプロフィールよりもアッセイプロフィールにおいてより優勢である遺 伝子フラグメント長の存在または不在を決定する工程、ここで、コントロールプ ロフィールは、アッセイプロフィールと同じ可変部遺伝子ファミリーについてで あり、そしてここで、コントロールプロフィールよりもアッセイプロフィールに おいてより優勢である遺伝子フラグメント長の存在は、T細胞免疫増殖状態と相 関する。 「T細胞免疫増殖状態」は、個体のTリンパ球が抗原的刺激に応答して増殖す る生物学的状態、またはT細胞が自律的に増殖する新生物形成状態を意味する。 従って、免疫増殖状態は:細菌感染、ウイルス感染、または他の寄生虫感染、こ こで、T細胞は感染に対する免疫応答として増殖する;ワクチン接種、ここで、 T細胞は意図的に導入された抗原に応答して増殖する;新生物形成状態(例えば 、ガン腫瘍、ここで、腫瘍侵襲T細胞が増殖する);自己免疫疾患;移植された 細胞の同種移植片拒絶;および、T細胞腫瘍形成における自律的なT細胞の増殖 を含む。好ましい実施態様において、本方法は、自己免疫、同種免疫、感染状態 、または新生物形成状態であるT細胞免疫増殖状態をアッセイするためのもので ある。 本方法は、工程(a)の、個体から細胞を得る工程を含む。これらの細胞は、細 胞サンプルがTリンパ球を含む限り、任意の方法で任意の供給源から得られ得る 。従って、免疫増殖状態に関わりなく、末梢血が個体から細胞を得るために好ま しい供給源である。別の好ましい実施態様において、細胞は、個体の液から得ら れ、この液は、滑液、脳脊髄液、リンパ液、気管支肺胞の洗浄液、胃腸分泌物、 唾液、尿および涙からなる群から選択される。別の好ましい実施態様において、 細胞は、例えば、組織生検を行うことによる個体由来の組織から得られる。特定 のT細胞免疫増殖状態をアッセイする場合、適切な細胞供給源の選択は、当業者 に明白である。例えば、関節に影響する自己免疫疾患(例えば、リューマチ関節 炎)をアッセイするためには、細胞を得る液は滑液が好ましい。肝臓に影響する 疾患(例えば、肝炎、初期胆嚢硬変)をアッセイするためには、細胞を得る組織 は肝臓が 好ましい。 方法はさらに、工程(b)の、T細胞レセプター(TCR)α鎖可変部遺伝子ファミリ ー(Vα)について、細胞から、ファミリー内遺伝子フラグメント長アッセイプ ロフィールを生成する工程を含む。以下により詳細に記載したように、特定の可 変部遺伝子ファミリーの「ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール」は 少なくとも2つのタイプの情報を含む:それらの長さにより遺伝子フラグメント を同定する情報(例えば、ヌクレオチド長および/またはヌクレオチド長から推 定されるCDR3アミノ酸長)、および各同定されたフラグメントの優勢についての 情報(例えば、他の同定されたフラグメントの優勢との関係)。ファミリー内遺 伝子フラグメント長プロフィールを生成するための好ましい技術は、本明細書に 詳細に記載される。例えば、好ましい実施態様において、本方法におけるこの工 程は、以下の工程を包含する:(i)細胞からRNAを単離する工程;(ii)RNAからcDN Aを合成する工程;(iii)cDNAを、ファミリー特異的Vαオリゴヌクレオチドプラ イマーおよび第1のCαオリゴヌクレオチドプライマーを使用した第1のポリメ ラーゼ連鎖反応に供して、一つのVαファミリーのT細胞レセプター第3相補性 決定部(TCR-CDR3)をコードするDNAを増幅する工程、;(iv)工程(iii)の増幅DNA を、ファミリー特異的Vαオリゴヌクレオチドプライマーおよび第2のCαオリ ゴヌクレオチドプライマーを使用した第2のポリメラーゼ連鎖反応に供する工程 ;(v)第2のポリメラーゼ連鎖反応からのDNAフラグメントを、長さによって分離 する工程;および(vi)各フラグメント長の優勢を決定してファミリー内遺伝子フ ラグメント長アッセイプロフィールを提供する工程。好ましくは、完全縮重ラン ダムオリゴヌクレオチドプライマーがDNA合成工程において使用される。両方の ポリメラーゼ反応において、好ましいアニーリング温度の範囲(各PCRサイクル におけるプライマーアニーリングのため)は、58〜65℃である。より好ましくは 、アニーリング温度は60℃である。第2のCαオリゴヌクレオチドプライマーは 、好ましくはネストしたプライマーである。 さらに、本発明の方法は、工程(c)の、工程(b)のアッセイプロフィールを健常 なヒト被験体の血球由来のファミリー内遺伝子フラグメント長コントロールプロ フィールと比較して、コントロールプロフィールよりもアッセイプロフィールに おいてより優勢である遺伝子フラグメント長の存在または不在を決定する工程を 含む(ここで、コントロールプロフィールはアッセイプロフィールと同じ可変部 遺伝子ファミリーについてであり、そしてコントロールプロフィールよりもアッ セイプロフィールにおいてより優勢である遺伝子フラグメント長の存在は、T細 胞免疫増殖状態と相関する)。「健常なヒト被験体」は、明白な感染状態、新生 物形成状態、自己免疫状態、または被験体におけるT細胞免疫応答を潜在化もし くは抑制する他の状態のいずれでもないヒト被験体を意味する。本明細書中に詳 細に記載されるように、本発明者らは、健常なヒト被験体は、実質的に全てのV αおよびVβ遺伝子ファミリーについて、特徴的な、ガウス様(gaussian-like) ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを有することを発見した。従っ て、ヒト被験体が、本方法のコントロール被験体として供する目的のための健常 なヒト被験体であるかどうかの決定は、好ましくは以下の測定を含む:(a)通常 の身体検査および感染状態、新生物形成状態、自己免疫状態、または被験体にお けるT細胞免疫応答を潜在化もしくは抑制する他の状態を調べるための、被験体 の医療経歴についての調査;および(b)被験体由来のプロフィールが、特徴的な ガウス様の様相(またはVβ19およびVα29の場合、それらのファミリーに特徴 的な代表的なプロフィール様相)を有することを証明するための、VαおよびV β遺伝子ファミリーについてのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール の決定。 好ましい実施態様において、コントロールプロフィールは、複数の単一ファミ リー内遺伝子長プロフィール由来の平均プロフィールである。ここで、各単一プ ロフィールは、健常なヒト被験体の血球から得られる。例えば、平均プロフィー ル(8人の健常なヒト被験体由来)が、本明細書中で29のVα遺伝子ファミリー について示され、これは本方法のためのコントロールプロフィールとしての使用 に適している。より多数の健常被験体由来の平均プロフィールもまた意図される 。さらに、アッセイされるヒト個体が同定され得る小集団(例えば、特定の人種 または民族)由来である場合、その小集団の個体由来の平均プロフィールの使用 もまた意図される。別の実施態様において、コントロールプロフィールは、免疫 増殖状態についてアッセイされるヒト個体由来のプロフィールであり、このコン ト ロールプロフィールは、そのヒト個体が健常であると知られていたときに得た細 胞から得たものである。 「より優勢」は、統計学的意味において有意により優勢であることを意味する 。言い換えると、ファミリー内遺伝子長アッセイプロフィールにおけるフラグメ ントピークは、アッセイプロフィールにおけるピークが統計学的意味において有 意により優勢である(例えば、2以上の標準偏差で、および好ましくは3以上の 標準偏差で、コントロールプロフィールにおける対応のピークよりもより優勢で ある)場合、同一の可変部遺伝子ファミリーについてのコントロールプロフィー ルにおける対応のピークよりも優勢である。例えば、Vα1コントロールプロフ ィールにおける特定のピークが標準偏差1.25%とともに平均優勢15%を有する場 合、アッセイプロフィールにおける同一ピークはアッセイプロフィールにおいて 18.75%以上の優勢で、本方法に従ってより優勢であると分類される(15%を超 える3以上の標準偏差)。同一ピークは、例えば、アッセイプロフィールにおい て16%である優勢で、本方法に従ってより優勢であると分類されない。 コントロールプロフィールが、複数の単一ファミリー内遺伝子長プロフィール 由来の平均プロフィールである場合、標準の統計学的計算式を用いて、各フラグ メント長の平均優勢の標準偏差が決定される。別の実施態様において、コントロ ールプロフィールが、免疫増殖状態についてアッセイされるヒト個体由来である 場合、同一の標準の計算式が、標準偏差を決定するために使用され得る。ここで 、複数のプロフィールは個体が健常であったときに個体から得られた。そのよう なプロフィールが一つのみ得られた場合、健常なヒト被験体由来の平均プロフィ ールからの標準偏差が、免疫増殖状態をアッセイされるヒト個体由来のコントロ ールプロフィールに採用され得る。 少なくとも約29の別個のアルファ鎖可変部遺伝子ファミリーが、今日ヒトゲノ ムにおいて同定されている。好ましい実施態様において、本方法は、工程(b)お よび(c)の繰り返しによって、複数のVα遺伝子ファミリーについて実施される (例えば、好ましくは少なくとも10のTCRα鎖可変部遺伝子ファミリー;そして より好ましくは、少なくとも20のTCRα鎖可変部遺伝子ファミリー)。さらによ り好ましくは、工程(b)および(c)を、少なくとも28または29のTCRα鎖可変部遺 伝子ファミリー(例えば、Vα1、Vα2、Vα3、Vα4、Vα5、Vα6、Vα7 、Vα8、Vα9、Vα10、Vα11、Vα12、Vα13、Vα14、Vα15、Vα16、 Vα17、Vα18、Vα19、Vα20、Vα21、Vα22、Vα23、Vα24、Vα25、 Vα26、Vα27、Vα28、Vα29)について繰り返す方法である。ここで、T細 胞免疫増殖状態の存在は、少なくとも一つのアッセイプロフィールにおいて、対 応するコントロールプロフィールより優勢な遺伝子フラグメント長に相関する。 本明細書中に記載された、ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを 生成するために好ましい技術は、当該分野に記載されたものよりも多数のより短 いフラグメント長を有するプロフィールを提供する。各プロフィールにおける各 より短いフラグメント長は、さらなるT細胞レパートリー情報を提供する。その 結果、本方法の好ましい実施態様は、工程(b)のアッセイプロフィールおよび工 程(c)のコントロールプロフィールがより多くのフラグメント長を含む実施態様 である。より詳細には、一つの好ましい実施態様において、コントロールプロフ ィールは、少なくとも8のフラグメント長を含む。より好ましい実施態様におい て、コントロールプロフィールは、少なくとも10のフラグメント長を含む。選択 されたVαファミリーについて、コントロールプロフィールは、なお多数のフラ グメント長(例えば、11、12、13、14、15、16、17またはそれ以上)であること が好ましい。 必要に応じて、本方法はさらに、個体において同定された免疫増殖状態が、モ ノクローナルまたはオリゴクローナルT細胞拡張であることを証明するための、 DNAクローニングおよび/または配列決定手順を含む。 αβT細胞のT細胞レセプターは、β鎖ならびにα鎖を含み、そしてTCRβ鎖 可変部遺伝子ファミリーについてのファミリー内遺伝子フラグメント長分析はま た、T細胞免疫増殖状態の有用な指標を提供する。従って、関連する局面におい て、本発明は、ヒト個体におけるT細胞免疫増殖状態をアッセイする方法を提供 し、これは、以下の工程を含む:(a)個体から細胞を得る工程;(b)T細胞レセプ ター(TCR)β鎖可変部遺伝子ファミリー(Vβ)について、細胞から、ファミリ ー内遺伝子フラグメント長アッセイプロフィールを生成する工程;(c)工程(b)の アッセイプロフィールを健常なヒト被験体の血球由来の少なくとも12のフラグメ ント長のファミリー内遺伝子フラグメント長コントロールプロフィールと比較し て、コントロールプロフィールよりアッセイプロフィールにおいてより優勢であ る遺伝子フラグメント長の存在または不在を決定する工程、ここで、コントロー ルプロフィールは、アッセイプロフィールと同じ可変部遺伝子ファミリーについ てであり、そしてここで、コントロールプロフィールよりもアッセイプロフィー ルにおいてより優勢である遺伝子フラグメント長の存在は、T細胞免疫増殖状態 と相関する。 「T細胞免疫増殖状態」は、上記で十分に記載したように、個体のTリンパ球 が抗原性刺激に応答して増殖する生物学的状態を意味する。工程(a)に従って得 られた細胞は、上記のように、細胞サンプルがTリンパ球を含む限りは、任意の 様式で任意の供給源(例えば、体組織または体液)から得られ得る。 この方法は、T細胞レセプター(TCR)β鎖可変部遺伝子ファミリー(Vβ)につ いて、細胞からファミリー内遺伝子フラグメント長アッセイプロフィールを生成 する工程(b)を含む。ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを生成す るのに好ましい技術は、本明細書中以下で詳細に示す。例えば、好ましい実施態 様において、本方法におけるこの工程は、以下の工程を包含する:(i)細胞からR NAを単離する工程;(ii)RNAからcDNAを合成する工程;(iii)ファミリー特異的V βオリゴヌクレオチドプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応にcDNAを供して 、単一のVβ遺伝子ファミリーのTCR-CRD3をコードするDNAを増幅する工程;(iv )ポリメラーゼ連鎖反応からのDNAフラグメントを長さによって分離する工程;お よび(v)各フラグメント長の優勢を決定してファミリー内遺伝子フラグメント長 アッセイプロフィールを提供する工程。好ましい実施態様において、標識Cβオ リゴヌクレオチドプライマーを、PCR反応において用いる。 用語「β鎖可変部遺伝子ファミリー(Vβ)」は、別個のVβ「サブファミリー 」(例えば、Vβ13.1およびVβ13.2;Vβ5.1およびVβ5.2;など)を含むこと が意味される。少なくとも約26の別個のβ鎖可変部遺伝子ファミリー(サブファ ミリーを含む)が、今日までにヒトゲノムにおいて同定されている。好ましい実 施態様において、本方法は、複数のVβ遺伝子ファミリー(例えば、好ましくは 少なくとも10のTCRβ鎖可変部遺伝子ファミリー;およびより好ましくは少な くとも20のTCRβ鎖可変部遺伝子ファミリー)については、工程(b)および(c)を繰 り返すことによって行われる。少なくとも25または26のTCRβ鎖可変部遺伝子フ ァミリー(例えば、Vβ1、Vβ2、Vβ3、Vβ4、Vβ5.1、Vβ5.2-3、Vβ6.1 -3、Vβ7、Vβ8、Vβ9、Vβ10、Vβ11、Vβ12、Vβ13.1、Vβ13.2、V β14、Vβ15、Vβ16、Vβ17、Vβ18、Vβ19、Vβ20、Vβ21、Vβ22、V β23、Vβ24)については、工程(b)および(c)が繰り返される方法がなおより好 ましい。ここで、T細胞免疫増殖状態の存在は、対応するコントロールプロフィ ールよりも少なくとも1つのアッセイプロフィールにおいてより優勢である遺伝 子フラグメント長に相関する。 本明細書中に記載されるβ鎖可変部遺伝子ファミリーについてのファミリー内 遺伝子フラグメント長プロフィールを生成するための好ましい技術は、当該分野 の他の方法について記載されているよりも多数のより短いフラグメント長を有す るプロフィールを提供する。そして本方法の好ましい実施態様は、工程(b)のア ッセイプロフィールおよび工程(c)のコントロールプロフィールがより多数のフ ラグメント長を含む実施態様である。より詳細には、1つの好ましい実施態様に おいて、コントロールプロフィールは、少なくとも13または14フラグメント長を 含む。選択されたVβファミリーについては、より大きな数のフラグメント長( 例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、またはそれ以上)のコントロールプ ロフィールが好ましい。 好ましい実施態様において、コントロールプロフィールは、複数の単一のファ ミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールに由来する平均プロフィールである 。ここで、各単一のプロフィールは、健常なヒト被験体の血球に由来する。例示 的な平均プロフィール(8人の健常なヒト被験体に由来する)は、本明細書中では 25のVβ遺伝子ファミリーについて示され、これは本方法のコントロールプロフ ィールとしての使用に適している。 なお別の局面において、本発明は、ヒト個体におけるT細胞免疫増殖状態につ いてアッセイする方法を提供する。ここで、VαおよびVβ遺伝子ファミリーの 両方が分析される。例えば、本発明は、ヒト個体におけるT細胞免疫増殖状態に ついてアッセイする方法を包含し、以下の工程を包含する:(a)個体から細胞を 得る工程;(b)T細胞レセプター(TCR)β鎖可変部遺伝子ファミリー(Vβ)につい て細胞からファミリー内遺伝子フラグメント長アッセイプロフィールを生成する 工程;(c)健常なヒト被験体の血球由来の少なくとも12のフラグメント長のVβ 遺伝子フラグメント長コントロールプロフィールと、工程(b)のアッセイプロフ ィールとを比較して、Vβコントロールプロフィールよりもアッセイプロフィー ルにおいてより優勢である遺伝子フラグメント長の存在または非存在を決定する 工程、ここで、Vβコントロールプロフィールは、アッセイプロフィールと同一 の可変部遺伝子ファミリーについてである;(d)TCRα鎖可変部遺伝子ファミリー (Vα)について、細胞からファミリー細胞内遺伝子フラグメント長アッセイプロ フィールを生成する工程;(e)健常な被験体の血球由来のファミリー内Vα遺伝 子フラグメント長コントロールプロフィールと、工程(d)のアッセイプロフィー ルとを比較して、工程(d)のアッセイプロフィールにおいてVαコントロールプ ロフィールよりも優勢な遺伝子フラグメント長の存在または非存在を決定する工 程。ここで、Vαコントロールプロフィールは、工程(d)のアッセイプロフィー ルと同一の可変部遺伝子ファミリーについてのものであり、そしてここでT細胞 免疫増殖状態は、以下と相関する。(i)工程(b)のアッセイプロフィールにおいて 、工程(c)のVβコントロールプロフィールよりも優勢である遺伝子フラグメン ト長の存在、および(ii)工程(d)のアッセイプロフィールにおいてVαコントロ ールプロフィールよりも優勢である遺伝子フラグメント長の存在。好ましい実施 態様において、工程(b)および(c)は、25または26のTCRβ鎖可変部遺伝子ファミ リーについて繰り返され、そして工程(d)および(e)は、28または29のTCRα鎖可 変部遺伝子ファミリーについて繰り返される。ここで、T細胞免疫増殖状態は、 (i)工程(b)の少なくとも1つのアッセイプロフィールにおいて工程(c)の対応す るVβコントロールプロフィールよりも優勢である遺伝子フラグメント長の存在 、および(ii)工程(d)の少なくとも1つのアッセイプロフィールにおいて対応す るVαコントロールプロフィールよりも優勢である遺伝子フラグメント長の存在 に相関する。本明細書中でより詳細に記載するように、本発明によって、時間お よび物質が顕著に節約される。なぜなら、好ましい実施態様において、25のVβ ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールおよび29のVαファミリー内遺 伝 子フラグメント長プロフィールが、例えば、一つのポリアクリルアミドゲル上の 29レーンを用いて、一回の電気泳動手順から得られ得るからである。 関連する局面において、本発明は、ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフ ィールを、同一の個体から少なくとも2回得た細胞を使用して生成して、種々の 目的のためにプロフィールの変化をモニターする方法を提供する。例えば、本発 明は、免疫調節処置の治療効果をモニターするための方法を包含し、本方法は、 以下の工程を包含する:(a)疾患の免疫調節処置が必要であるヒト被験体から細 胞を得る工程;(b)TCRβ鎖可変部遺伝子ファミリーおよびTCRα鎖可変部遺伝子 ファミリーからなる群より選択されるTCR可変部遺伝子ファミリーについて、細 胞から第1のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを生成する工程; (c)第1のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール内のより短い遺伝子 フラグメント長を、疾患に対するT細胞増殖応答と相関付ける工程;(d)第1の ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールにおいて、全ての遺伝子フラグ メント長の優勢と比較してより短い遺伝子フラグメント長についての前処置遺伝 子フラグメント長優勢を決定する工程;(e)ヒト個体を疾患について免疫調節処 置で処置する工程;(f)工程(e)のヒト個体の処置の開始後にヒト個体から細胞サ ンプルを得る工程;(g)工程(b)で選択されたTCR可変部遺伝子ファミリーについ て、工程(f)の細胞サンプルから第2のファミリー内遺伝子フラグメント長プロ フィールを生成する工程;(h)第2のプロフィールにおいて、全ての遺伝子フラ グメント長の優勢と比較してより短い遺伝子フラグメントについて処置遺伝子フ ラグメント長優勢を決定する工程;(i)工程(h)の処置遺伝子フラグメント長の優 勢と、工程(d)の前処置遺伝子フラグメント長の優勢とを比較する工程。ここで :(1)前処置優勢を超える処置遺伝子フラグメント長優勢が、工程(e)の処置に対 する免疫増殖応答と相関し、そして(2)前処置遺伝子フラグメント長優勢に満た ない処置遺伝子フラグメント長優勢は、工程(e)の処置に対する免疫抑制応答に 相関する。好ましい実施態様において、本方法の工程は、複数のTCR可変部遺伝 子ファミリー(Vαおよび/またはVβ)について繰り返される。 「疾患」は、T細胞に関与する疾患または他の身体的状態を意味する(例えば 、T細胞が疾患に対する身体の免疫応答に関与している場合;T細胞および/ま た はT細胞増殖が疾患における原因となる場合;および/またはT細胞アネルギー または免疫不全が疾患と関連する場合)。このような疾患としては、以下が挙げ られるが、これらに限定されない:自己免疫疾患、新生物形成疾患、感染性疾患 、過敏症、対宿主移植および移植片疾患、ならびに退行性疾患。自己免疫疾患と しては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:慢性関節リウマチ、I型 糖尿病、若年性慢性関節リウマチ、多発性硬化症、甲状腺炎、重症筋無力症、全 身性エリテマトーデス、多発性筋炎、シェーグレン症候群、グレーヴズ病、アジ ソン病、グッドパスチャー症候群、強皮症、皮膚筋炎、悪性貧血、自己免疫性萎 縮性胃炎、原発性胆汁性肝硬変、および自己免疫性溶血性貧血。新生物形成疾患 としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:白血病、リンパ腫、非 ホジキンリンパ腫、およびホジキンリンパ腫のようなリンパ増殖性疾患、ならび に乳ガン、結腸ガン、肺ガン、肝ガン、膵ガン、皮膚ガンなどのようなガン。感 染性疾患としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ウイルス(例 えば、HIV、HSV、EBV、CMV、インフルエンザ、A型、B型、またはC型肝炎)に よって引き起こされるウイルス感染;酵母属Candidaよって引き起こされる感染 のような真菌感染;住血吸虫、フィラリア、線虫、旋毛虫、または原虫(例えば 、眠り病を引き起こすトリパノソーマ、マラリアを引き起こすマラリア原虫、リ ーシュマニア症を引き起こすリーシュマニア)のような寄生虫感染;および例え ば、ミコバクテリウム、コリネバクテリウム、またはブドウ球菌のような細菌に よって引き起こされる細菌感染。過敏症疾患としては、以下が挙げられるが、こ れらに限定されない:アレルギーをもたらすアレルゲンとの接触のようなI型過 敏症、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、および自己免疫性溶血性貧血に おいて存在するようなII型過敏症、およびらい、結核、サルコイドーシス、およ び住血吸虫症において示されるような、IV型過敏症。退行性疾患としては、以下 が挙げられるが、これらに限定されない:パーキンソン病、アルツハイマー病、 およびアテローム性動脈硬化症。 「免疫調節処置」は、疾患に対するT細胞の免疫応答を強める(例えば、感染 性疾患、ガン、または免疫不全)または抑制する(例えば、過敏症、自己免疫疾患 、または同種免疫疾患について)目的のために、疾患を罹患している被験体に適 用/ 投与されるべき処置レジメを意味する。1つの好ましい実施態様において、免疫 処置は、新生物形成および感染からなる群より選択される疾患のための免疫抑制 処置である。別の好ましい実施態様において、免疫調節処置は、自己免疫疾患お よび同種移植片拒絶疾患からなる群より選択される疾患の免疫抑制処置である。 なお別の実施態様において、免疫調節処置は、疾患の予防処置のためのワクチン である。 本方法は、「第1のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール内のより 短い遺伝子フラグメント長を疾患に対するT細胞増殖応答に相関させる」工程(c )を包含する。以下により詳細に説明するように、このような相関は、ファミリ ー内遺伝子フラグメント長プロフィールのその優勢が、疾患に対するT細胞増殖 応答の強度に相関する、フラグメントピークを同定することによって確立される 。 別の局面において、本発明は、ヒト個体の組織における免疫学的状態の存在を アッセイする方法を提供する。本方法は、以下の工程を包含する:(a)個体から 組織サンプルを単離する工程;(b)組織サンプルから以下の1つについてファミ リー内遺伝子フラグメント長プロフィールを生成する工程:(i)TCRβ鎖可変部遺 伝子ファミリー、または(ii)TCRα鎖可変部遺伝子ファミリー;(c)個体から末梢 血リンパ球を単離する工程;(d)工程(b)と同一の遺伝子ファミリーについて末梢 血リンパ球からファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを生成する工程 ;および(e)工程(b)のプロフィールと工程(d)のプロフィールとを比較して、工 程(d)のプロフィールよりも工程(b)のプロフィールにおいて優勢な、より短い遺 伝子フラグメントの存在または非存在を決定する工程。ここで、組織における免 疫原性状態の存在は、より短い遺伝子フラグメントの存在と相関する。1つの好 ましい実施態様において、工程(d)のプロフィールは、TCRα鎖可変部遺伝子ファ ミリーについての少なくとも11のフラグメント長のプロフィールである。別の好 ましい実施態様において、工程(d)のプロフィールは、TCRβ鎖可変部遺伝子ファ ミリーについての少なくとも14フラグメント長のプロフィールである。なお別の 実施態様において、本方法の工程(b)、(d)、および(e)が、複数のTCR可変部遺伝 子ファミリー(Vαおよび/またはVβ)について繰り返される。 本発明のなお別の局面は、本明細書中に記載される方法を実施するのに有用な キットである。例えば、本発明は、ファミリー内T細胞レセプター(TCR)レパー トリー分析を行うための、以下と組み合わせたキットを包含する:1つのTCR可 変部遺伝子ファミリーのPCR増幅のためのファミリー特異的オリゴヌクレオチド プライマー;および健常なヒト被験体の血球由来のTCR可変部遺伝子ファミリー についてのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール。1つの好ましい実 施態様において、ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールは、健常なヒ ト被験体の血球由来の複数のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール由 来の平均プロフィールである。キットは、ファミリー内T細胞レセプターレパー トリー分析を容易にするためのさらなる物質(例えば、PCR緩衝液、dTNPを含む溶 液、熱安定性DNAポリメラーゼ酵素、T細胞レセプター定常部オリゴヌクレオチ ドプライマー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動データの分析を自動化するため のコンピュータハードウェアおよび/またはソフトウェアなど)を含み得る。 このキットで用いられる1つのTCR可変部遺伝子ファミリーは、好ましくはV α遺伝子ファミリーまたはVβ遺伝子ファミリーである。可変部遺伝子ファミリ ーがVα遺伝子ファミリーである場合は、キットのファミリー内遺伝子フラグメ ント長プロフィールは、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも11 のフラグメント長を含む。好ましいキットは、複数のTCRVα遺伝子ファミリー のPCR増幅のため複数の(好ましくは、28もしくは29またはそれ以上)のファミリ ー特異的オリゴヌクレオチドプライマー;および各TCRVα遺伝子ファミリーに ついての少なくとも8のフラグメント長のファミリー内遺伝子フラグメント長プ ロフィールを含む。ここで、各プロフィールは、健常なヒト被験体の血球に由来 する。 可変部遺伝子ファミリーがVβ遺伝子ファミリーである場合、キットのファミ リー内遺伝子フラグメント長プロフィールは、少なくとも13または14のフラグメ ント長を含む。好ましいキットは、複数のTCRVβ遺伝子ファミリーのPCR増幅の ための複数(好ましくは、25またはそれ以上)のファミリー特異的オリゴヌクレオ チドプライマー;および各TCRVβ遺伝子ファミリーについての少なくとも12の フラグメント長のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを含む。ここ で、各プロフィールは、健常なヒト被験体の血球に由来する。 本発明の多くの他の局面および利点は、以下の詳細な説明、図面に対してなさ れた言及から明らかである。 図面の簡単な説明 図1は、Vβ3遺伝子ファミリーについてのファミリー内遺伝子フラグメント 長プロフィールを示し、このプロフィールは、本明細書中で概説した手順に従っ て、一人の健常な個体の血液から得た。Vβ3フラグメントの30サイクルPCR拡 張(Vβ3およびフルオレセイン化Cβプライマーを用いて拡張した)からの1マ イクロリットルアリコートを、変性ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動した。 ピーク面積(蛍光強度として測定した)が、フラグメント長(塩基対)の関数として グラフ化されている。110および303ヌクレオチドで測定されるピークは、DNAサ イズ標準である。プロフィール内の垂直方向マーカーを、ピークの長さおよび面 積を測定するために、DNA Fragment ManagerTM1.1ソフトウェアプログラムによ って配置した。 図2Aは、図1のように、8人の健常な個体の血液由来のVβ15遺伝子ファミ リーについての8つのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを示す。 Vβ15フラグメントの30サイクルPCR拡張(Vβ15およびフルオレセイン化Cβプ ライマーを用いて拡張した)からの1マイクロリットルアリコートを、変性ポリ アクリルアミドゲル上で電気泳動した。 図2Bは、図2Aで示したフラグメントのピークの面積および長さのデータか ら推定された各CDR3長の頻度分布(優勢)を示す。各記号は、異なるドナーについ ての頻度分布を示す(1〜8の番号が付けられている)。各ドナーからの任意の個 々のピークについての%面積は、個々のピーク面積をVβ15ファミリーについて の全ピーク面積で割ることによって得られた。 図3Aは、25のVβファミリーおよびサブファミリーについての推定CDR3長の 頻度分布ヒストグラムを示す。各ヒストグラムは、1つのVβ遺伝子ファミリー におけるCDR3長の平均頻度分布を示す。これらは、8人の健常な血液ドナーから 得たファミリー内遺伝子フラグメントプロフィールを平均化することによって得 られた。各ドナーのファミリー内遺伝子フラグメントプロフィールにおける各フ ラグメントの優勢は、フラグメントについての蛍光ピーク面積をプロフィールに ついて観察された全ピーク面積で割ることによって算出された。各Vβ遺伝子フ ァミリーについてのCDR3長(アミノ酸)は、ポリアクリルアミドゲルから測定した フラグメント長(塩基対)から推定された。CDR3フラグメント長優勢における標準 誤差(SE)を、各ヒストグラムにおいてエラーバーで示す。 図3Bは、25のVβファミリーおよびサブファミリーについての図3Aのヒス トグラムで示したCDR3フラグメント長優勢(百分率で示した)の表である。表の下 の列は、25全てのVβ遺伝子ファミリーにおける各CDR3フラグメント長の平均優 勢;標準偏差;およびこれらの平均を反映する標準誤差を示す。 図4は、図3Aおよび3Bで示し、そして図3Bの下列でまとめた全てのVβ ファミリー特異的データからの、CDR3長(太いバー)および標準誤差(細い線)の頻 度分布ヒストグラムである。8人全てのドナーからの25全てのVβファミリーお よびサブファミリーの各フラグメント長についての平均百分率の平均を示す。 図5は、9人のドナー由来のVβ1およびVβ3遺伝子ファミリーについての 異常なファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを示す。このプロフィー ルは、図1のように、1μlの30サイクルファミリー特異的PCRVβ拡張のポリア クリルアミドゲル電気泳動から得られた。 図6Aおよび6Bは、図2のように、Vβ19遺伝子ファミリーについてのファミリ ー内遺伝子フラグメント長プロフィールを示す。これらはそれぞれ、5'PCRプラ イマーVβ19aおよびVβ19bを使用して、8人の健常なドナーの血液から得られ た。150塩基対サイズ標準に対応するピークが、各プロフィールにおいて認識さ れる。 図7は、60のT細胞クローンの直接配列決定によって測定された、Vβ CDR3 長の頻度分布を示す。CDR3長頻度は、各CDR3長のクローンの数を全60クローンで 割ることによって得られた。 図8Aは、ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動後の各プロフィールを分析す るために使用したFragment ManagerTM1.1ソフトウェアによって自動的に生成し そして測定した、ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールのグラフを示 す。蛍光強度が、フラグメント長(塩基対で測定)の関数としてプロットされてい る。5'Vαプライマーおよび3'フルオレセイン化-Cαプライマーを実施例1 に記載のVβおよびCβプライマーと置き換えたこと以外は実施例1に記載の単 一PCR手順を使用してプロフィールを生成した。レーン1〜29は、それぞれ、遺 伝子ファミリーVα1〜Vα29についてのファミリー内遺伝子ファミリー長プロ フィールを示す。レーン30および31は、Cβコントロールプライマー対およびβ アクチンコントロールプライマー対を使用したPCR反応のプロフィールを示す。 各レーンは、150および300ヌクレオチドのサイズ標準を含む。 図8Bは、ポリアクリルアミド上での電気泳動後の各プロフィールを分析するた めに使用したFragment ManagerTM1.1ソフトウェアによって自動的に生成しそし て測定した、ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールのグラフを示す。 蛍光強度が、フラグメント長(塩基対で測定)の関数としてプロットされている。 実施例4に記載する2重PCR/上昇されたアニーリング温度手順を使用してプロフ ィールを生成した。レーン1〜29は、それぞれ、遺伝子ファミリーVα1〜Vα 29についてのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを示す。各レーン は、100および300ヌクレオチドのサイズ標準を含む。 図9Aは、29のVαファミリーおよびサブファミリーについての推定CDR3長の頻 度分布ヒストグラムを示す。各ヒストグラムは、1つのVα遺伝子ファミリーに おけるCDR3長の平均頻度分布を示す。これらは、8人の健常な血液ドナーから得 たファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを平均化することによって得 られた。各ドナーのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールにおける各 フラグメントの優勢は、フラグメントについての蛍光ピーク面積をプロフィール について観察された全ピーク面積で割ることによって算出された。各Vα遺伝子 ファミリーについてのアミノ酸によるCDR3長は、ポリアクリルアミドゲルから測 定したフラグメント長(塩基対)から推定された。CDR3フラグメント長優勢におけ る標準誤差(SE)を、各ヒストグラムにおいてエラーバーで示す。 図9Bは、28のVαファミリーおよびサブファミリーについての図8Aのヒストグ ラムにおいて示したCDR3フラグメント長優勢(百分率で示した)の表である。表の 下の列は、28全てのVα遺伝子ファミリーにおける各CDR3フラグメント長の平均 優勢;標準偏差:およびこれらの平均を反映する標準誤差を示す。 図10は、8人の健常な個体の血液から得たVα14遺伝子ファミリーについての 8つのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを示す。100および300塩 基対サイズ標準に対応するピークが、各プロフィールにおいて認識される。 図11Aは、Vα9、Vα11、Vα23、Vα24、およびVα25遺伝子ファミリー についてのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール(上から下)を示す。 これらは、原発性胆汁性肝硬変を罹患している患者の肝臓生検組織サンプルに由 来する。サイズ標準(100bpおよび250bpまたは300bp)に対応するピークが、各プ ロフィールにおいて認識される。 図11Bは、Vβ4、Vβ5.1、Vβ5.2、Vβ12、およびVβ13.2遺伝子ファミ リーについてのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール(上から下)を示 す。これらは、原発性胆汁性肝硬変を罹患している患者の肝臓生検組織サンプル に由来する。100および300塩基対のサイズ標準に対応するピークが、各プロフィ ールにおいて認識される。 詳細な説明 本発明は、哺乳動物(例えば、マウス、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、霊長類など) 、特にヒトのT細胞レパートリーを特徴付けるのに有用な、方法および物質のキ ットを提供する。T細胞レパートリーの特徴付けを可能にする手順は、多くの医 学分野において重要な臨床適用を有する。なぜなら、T細胞免疫応答が、感染状 態(ウイルス、細菌、真菌、微生物など)、アレルギー、自己免疫疾患、同種移植 拒絶疾患、新生物形成疾患などにおいて現れるからである。 例えば、個体のT細胞レパートリーを特徴付ける能力は、多くの診断適用を有 する。なぜなら、多くの医学的疾患は、T細胞免疫増殖状態として検出され得る からである。例えば、ほとんどの病原体による感染は、1以上のT細胞が病原体 を(病原体-T細胞レセプター相補性によって)認識し、そしてそれにより病原体 と戦うためにクローン拡張を受けるように刺激される免疫応答を生じる。このよ うなT細胞クローン拡張は、T細胞免疫増殖状態である。T細胞クローン拡張を 検出(例えば、T細胞免疫増殖状態を検出)する、個体のT細胞レパートリーを特 徴付けるための方法は、免疫増殖状態の存在を診断するのに有用である。 個体のT細胞レパートリーを特徴付ける能力はまた、免疫増殖状態として検出 され得る医学的疾患の診断適用も有する。例えば、特定の感染および他の抗原は 、正常なT細胞発達および拡張を抑制することが知られている。このような状態 は、免疫抑制状態である。個体のT細胞レパートリーを特徴付けるための、T細 胞免疫抑制状態を検出する(例えば、特定のT細胞の正常を下回る集団を検出す る)方法は、免疫抑制状態の存在を診断するのに有用である。 個体のT細胞レパートリーを特徴付ける能力は、多くの疾患のための処置をモ ニターするための実用的な適用を有する。なぜなら、多くの処置の効率は、免疫 応答を調節する(強めるまたは弱める)能力に依存しているからである。例えば、 個体が多くの疾患(例えば、新生物形成疾患、慢性感染)を罹患している場合、個 体自身の疾患に対する免疫応答を強め、疾患を抑制または克服するために設計さ れた処置を提供することが所望され得る(すなわち、免疫増殖状態処置を提供す ることが所望され得る)。個体のT細胞レパートリーを特徴付けるための、処置 に対するT細胞免疫増殖状態応答を検出する方法は、このような処置の効率をモ ニターするのに有用である。処置の前に存在するT細胞レパートリーの第1の特 徴付けを、処置の間または処置後にT細胞レパートリーの第2の特徴付けと比較 して、処置に対するT細胞免疫増殖状態の存在または非存在を検出する。特徴付 けは、処置をモニターすること、および/または処置の間の疾患の再発をモニタ ーすることを継続するために繰り返され得る。 ワクチンは、抗原に対する免疫応答を強めるための予防的処置として投与され る。個体のT細胞レパートリーを特徴付けるための、処置に対するT細胞免疫増 殖応答を検出する方法は、このようなワクチンの効率をモニターするのに有用で ある。 多くの他の疾患(例えば、自己免疫異常、対宿主移植片拒絶など)については、 免疫抑制処置が、T細胞免疫応答を抑制するために施される。個体のT細胞レパ ートリーを特徴付けるための、処置に対するT細胞免疫抑制応答を検出する方法 は、このような処置の効率をモニターするのに有用である。処置前に存在するT 細胞レパートリーの第1の特徴付けを、処置の間または処置後にT細胞レパート リーの第2の特徴付けと比較して、処置に対するT細胞免疫抑制特質の存在また は非存在を検出する。特徴付けは、処置をモニターすること、および/または処 置の間の疾患の再発をモニターすることを継続するために繰り返され得る。 前述の理由から、個体のT細胞レパートリーにおける独特なT細胞の全てを迅 速に特徴付けるための方法(もしあれば、どのT細胞が抗原刺激性クローン拡張 を受けるかを決定する)が、非常に望まれ得る。しかし、ヒトは、平均で、1×1 09または1010の独特なT細胞(独特なT細胞レセプターを有する)を有すると見積 もられている。本発明は、個体のT細胞レパートリーを特徴付けるための方法を 提供する。ここで、T細胞は、T細胞で発現しているT細胞レセプター可変部遺 伝子ファミリーによって定量的様式で特徴付けられる。 より詳細には、各αβT細胞は、1つのα鎖可変部遺伝子セグメント(Vα) および1つのβ鎖可変部遺伝子セグメント(Vβ)によってコードされるポリペプ チドセグメントを有するレセプターを有する。ヒト個体のαβT細胞レパートリ ーにおいて可変部のコードを担うVαおよびVβ遺伝子セグメントの全レパート リーは、約29のVα遺伝子ファミリーおよび約26のVβ遺伝子ファミリーに分類 され得る。本発明は、実質的に全てのVαおよびVβ遺伝子ファミリーについて のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを決定するための方法を提供 することによって、個体のT細胞レパートリーを特徴付けるための方法を提供す る。本方法は迅速に行われ、かつ迅速に分析するには十分に小さいが、T細胞の オリゴクローンおよび単クローン拡張(免疫増殖状態)を検出し、そして免疫抑制 を検出するに十分であるT細胞レパートリーの定量データを提供する。 より詳細には、T細胞クローン拡張は、個体のT細胞レパートリーにおけるそ のT細胞の増加した優勢をもたらす。本明細書中に記載される方法で、ファミリ ー内遺伝子フラグメント長プロフィールにおけるフラグメント長の増加した優勢 として、この増加した優勢が検出される。拡張したクローンの数を減少させる免 疫抑制治療または抗T細胞新生物形成治療は、ファミリー内遺伝子フラグメント 長プロフィールにおける遺伝子フラグメント長の優勢の減少として検出される。 本発明は、以下の実施例によってさらに例証される。より詳細には、実施例1 は、T細胞レセプターVβ遺伝子ファミリーについてファミリー内遺伝子フラグ メント長プロフィールを決定するための手順を記載し、そして8人の健常なヒト 被験体のT細胞レセプターについて、実質的に全ての既知のVβ遺伝子ファミリ ーについての手順の結果を提供する(すなわち、ファミリー内遺伝子フラグメン ト長プロフィールを提供する)。実施例2は、ランダムプライマーが、ファミリ ー内遺伝子フラグメント分析でのPCRテンプレートとして使用するためのcDNAを 生成するための、オリゴ-dTプライマーおよびβ鎖定常部特異的プライマーより も予想外に優れていたことを示す。実施例3は、T細胞レセプターVβ遺伝子に ついてファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを決定するための関連す る手順を記載する。実施例3の手順は、実施例1の手順に比べてファミリー内遺 伝子フラグメント分析が行われる効率、迅速性、および再現性を増強することに ついて改善されている。 実施例4は、T細胞レセプターVα遺伝子ファミリーについてファミリー内遺 伝子フラグメント長プロフィールを決定するための手順を記載し、そして8人の 健常なヒト被験体のT細胞レパートリーについて、実質的に全ての既知のVα遺 伝子ファミリーについての手順の結果を提供する(すなわち、ファミリー内遺伝 子フラグメント長プロフィールを提供する)。実施例5は、T細胞レセプターV α遺伝子ファミリーについてファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを 決定するための関連する手順を記載する。実施例5の手順は、実施例4の手順に 比べてファミリー内遺伝子フラグメント分析が行われる効率、迅速性、および再 現性を増強することについて改善されている。 実施例6は、29レーンの1つのポリアクリルアミドゲルを用いた、25のT細胞 レセプターVβ遺伝子ファミリーおよび29のT細胞レセプターVα遺伝子ファミ リーについてのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを決定するため の手順を記載する。従って、この手順は、分析される各可変部遺伝子ファミリー について複数回のポリアクリルアミドゲルローディングを必要とするT細胞レパ ートリー分析手順と比較して、時間および物質の点で節約する。 実施例7は、前述の実施例で記載したファミリー内遺伝子フラグメント分析手 順が、ヒト被験体におけるT細胞免疫増殖状態の存在をアッセイするのに有用で あることを実証する。より詳細には、原発性胆汁性肝硬変を罹患している患者か らのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールは、健常なヒト被験体の末 梢血由来の同じ遺伝子ファミリーについてのコントロールプロフィールにおいて 対応するフラグメント長よりも有意に優勢であるより短いフラグメント長を含ん でいた。 実施例8は、特定のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールにおける 特定のフラグメントと、特定の疾患とを相関させるための手順を提供する。 実施例1 T細胞レセプターVβ遺伝子ファミリーの正常ヒトファミリー内遺伝子フラグメ ント長プロフィールの決定 ヒトT細胞レセプターVβ遺伝子ファミリーのファミリー内遺伝子フラグメン ト長プロフィールは、規定の健常診断で疾患、感染および免疫疾患の見られなか った健常なヒト個体において、特徴的なガウス様の様相を示すことが、以下の手 順により実証された。さらに、本手順により、どの特定Vβ遺伝子ファミリーの ガウス様プロフィールも各々の健常なヒト個体において本質的に同じであること が、予期せずして明らかになった。さらに、本手順により、各ヒトVβ遺伝子フ ァミリーのフラグメントプロフィールには14〜23のフラグメントが含まれ、これ は、ファミリー内遺伝子フラグメント分析のもう一つの方法を用いて以前に報告 された数より多いことが、予期せずして明らかになった。 細胞、RNA、およびcDNAの調製 血液サンプルを、どのような明らかな感染も疾患も、あるいは免疫疾患もない 8人の健常ドナー(平均年齢±標準偏差:33±6.4才;女性5人および男性3人 ;全てコーカサス人)から得た。9人目の見かけ上健常なドナーは後に、変則的 な結果のために排除した。末梢血単核細胞(PBMC)を10mlの全血からの密度沈降 分離(LSM,Organon Teknika,Durham,NC)により血液サンプルから単離した。 全RNAを、RNAzolTMB(Tel-Test,Friendswood,TX)を用いて2から300万個 の単離されたPBMCから抽出し、そして30μlのDEPC水に再懸濁した。RNA濃度を分 光光度計(Spectronic 1201,Milton Roy,Rochester,NY)により決定した。 約20パーセントの精製RNA(約2×105Tリンパ球由来のRNAに該当する)から の第一鎖cDNA(33μl)を、1.0μgの全RNAから、第一鎖cDNA Kit(Pharmacia,Pi scataway,NJ)およびランダムヘキサマープライマーを用いて、製造業者の使用 説明書にしたがって合成した。 第一鎖cDNAのPCR増幅 各cDNAサンプルを使用して、29のPCR反応のテンプレートを提供した。さらに 詳細には、27の別々の反応を行い、cDNAからTCRVβ遺伝子ファミリー(Vβ1か らVβ24まで、サブファミリーVβ5.1、5.2〜3およびVβ13.1、13.2を含む) を増幅した。これらの27の反応には、27のファミリー特異性5'Vβオリゴヌクレ オチドプライマーを使用した。それらは、全て当該分野において記載されており 、そして表Iに表示する。Cβ領域に結合する単一のフルオレセイン化3'プライ マーを26の反応のそれぞれにおいて用いた(表I(F=フルオレセイン標識)) 。残りの2PCR反応では、ヒトβアクチン座およびTCRCβ座をコントロールとして 個々に増幅した。ヒトβ―アクチン座を増幅するために、Clonetech(Palo Alto, CA)によるβ―アクチン5'および3'プライマーを使用した;TCRCβコントロー ルを増幅するために、Robinson,J.Immunol.,146:4392(1991)によるCβ5'-FTC CCACACCCAAAAGGCCACACTG-3'(配列番号:60)、および3'(TCβ2)5'-TCGTCGACCCCAC TGTGCACCTCCTTCCC-3'(配列番号:61)を使用した。 表I注 ◆ プライマーB1〜B21、B23、およびB28は、Choiら、Proc.Natl.Acad.Sci. (USA)、86:8941(1989)に以前に記載された。プライマーB22は、Hallおよび Finn、BioTechniques 13:248(1992)に以前に記載された。プライマーB24〜 イゼーションを減少させるための導入したミスマッチである。 (1992)で報告されたものと同様に、推定翻訳開始部位ATGから始まるよう に番号付けされる。 D 残基96までの距離(ヌクレオチド) SEQ 配列番号(配列表における) * 番号付けは、配列中の最初のヌクレオチド位置から開始する。 † Vβ5.2から測定 ‡ Vβ7.1から測定 § Vβ21.1から測定 各PCR反応は、以下からなった:1.0μlの10×緩衝液(10×緩衝液はBoehringe r Mannhiem製であり、そして100mMのTris-HCl;15mMのMgCl2:500mMのKCl;pH8.3(2 0℃)を含んだ);0.1μl(5U/μl)のTaqポリメラーゼ(Boehringer Mannheim,In dianapolis,IN);0.15μlの10mM dNTP(dATP、dCTP、dTTP、およびdGTP)(Ultrap ure,Pharmacia)を含有する溶液;33μlのcDNA反応液からの0.85μlアリコート ;1.0μl(3.0μM)の5'末端プライマー;1.0μl(3.0μM)の3'末端プライマー;お よび水(最終容量を10.0μlにする)。Perkin-Elmer 480 DNAサーモサイクラー をPCR増幅に使用し、94℃で45秒間の変性、55℃で45秒間のアニーリング、70℃ で45秒間の伸長を少なくとも30回実施し、そして最終サイクルの後、70℃で10分 間伸長を実施した。2つのコントロールからの5マイクロリットルのPCR産物を 2%アガロースゲル(Sigma,St.Louls,MO)上でTBE緩衝液を用いて泳 動し、エチジウムブロマイドで可視化し、そして写真に撮った。以下にさらに詳 細に述べるように、ポリアクリルアミドゲルにロードするPCR反応産物の適切な 量を注意深く選択したことにより、分析したあらゆるVβ遺伝子ファミリーフラ グメントプロフィールにおいて以前には発見されなかった遺伝子フラグメントが 解明されたと考えられる。CDR3 長測定 PCR産物をフラグメント長で分けるため、各PCR反応からのサンプルを0.5mm厚 の変性させた6%ポリアクリルアミドゲルに蛍光自動化DNAシークエンサー(A.L. F.,Pharmacia)を用いて電気泳動した。各サンプル含有レーンには、少なくとも 2つのDNAサイズ(長さ)標準をロードした(各標準の約100μg)。PCR産物から の蛍光シグナルを、Fragment ManagerTM1.1ソフトウェア(Pharmacia)により以 下の設定を用いて分析した:ピーク幅10、ピーク高0.5、およびクラスター感度 0。この装置およびソフトウェアを用いると、蛍光ピーク面積およびベースライ ンが自動的に計算され、そして同じ長さのDNAフラグメントは単一ピークとして 検出される。いくつかの分析においては、クラスター感度設定は自動的にベース ラインを確立するのに不十分であったので、ベースラインを手動で調節した。こ れらのソフトウェア設定を用いて、以下の3基準の少なくとも2つを満たすこと により本物のVβフラグメントピークを人工ピークから線引きした:1)3塩基 対(すなわち1コドンの長さ)の倍数で周囲のピークから離れたフラグメント長 ;2)周囲のピークと隣接したピーク;3)50ユニットより大きいピーク面積( 前述の装置で測定)。 各Vβ遺伝子ファミリーについて、少なくとも2つの別々のPCRサンプルを上 記の通り電気泳動によって分析した。はじめの泳動では、ロードしたDNA量(PCR 反応からの0.5〜2μlサンプル、30サイクルのPCRの後に採取)を、多くの高数度 DNAピークが蛍光検出器の測定限度を越えないように調整した。2回目の泳動で は、DNAを、高数度ピークが検出限度を越え、それにより最大数の低数度ピーク の検出を可能にするように、故意にオーバーロードさせた(3〜5μlサンプル、3 0〜40サイクルのPCR)。 採用したプロトコルの結果として、特定の長さのPCRフラグメント量(一回のP CR反応における他の長さの他のフラグメント量に対する)は、その特定のフラグ メント長について決定した蛍光ピーク面積(他のフラグメント長のピーク面積に 対する)により反映された。さらに詳細には、蛍光強度(すなわち、ピーク面積 )はVβ遺伝子フラグメントの量的尺度であった。なぜなら、PCR反応からの各 Vβ遺伝子フラグメントは同じVβプライマーによって完成され、そして同じ蛍 光標識3'CβPCRプライマーで厳密に一回標識されたからである。それゆえ、特 定のフラグメント長の優勢はピーク面積から容易に決定された。詳細には、任意 の個々のピークの面積パーセントを、個々のピーク面積を一回のPCR反応の全( 人工でない)ピーク面積の合計で割ることにより得た。各フラグメント長につい て、面積パーセントはそのフラグメント長の優勢の直接的測定である。 前述のプロトコルを用いて検出された各フラグメントについて、フラグメント 長(ヌクレオチド)を、フラグメントのゲル中における電気泳動移動度を2つの フルオレセイン化DNAマーカーであるCβおよびアクチンと、および/または同一 レーンに泳動させた100から350塩基対標準(Pharmacia)と比較して決定した。適 切なサイズ標準は、各サンプルの推定ファミリー特異性PCR産物より速く移動お よび遅く移動するように選択した。Pharmaciaのハードウェアおよびソフトウェ アを用いて、自動でのこのようなフラグメント長決定を可能にした。 CDR3アミノ酸測定値を、各ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールの フラグメント長測定値から、Rockら、J.Exp.Med.,179:323(1994)の式を用い て推論した。詳細には、各フラグメント長測定値から、次のヌクレオチド長を引 いた:1)30ヌクレオチド、Jβセグメントの保存された長さ(3')から定常フ ェニルアラニン残基(5')までを表す;2)54ヌクレオチド、用いたCβPCRプ ライマーの結果として増幅されたCβ遺伝子セグメントの5'末端部分を表す;お よび3)用いた特定Vβプライマーの5'末端からβ鎖の96位までの測定ヌクレ オチド数(用いた各Vβプライマーについて、相当するヌクレオチド数を表Iに 示す)。得られたフラグメント長を3で割り、CDR3長決定(アミノ酸残基)を提 供した。 各ファミリー内でのCDR3フラグメント長の分布について、真のガウス分布から のその偏差の尺度として誤差を計算した。 T細胞クローニングおよびTCRβ鎖配列決定 T細胞クローンを、末梢血単核細胞からPHAおよびIL-2存在下での限界希釈条 件下でマイクロタイターウェル中で初代培養により樹立した。RNAを各クローン 集団から単離し、そして上記のようにcDNA合成に用いた。PCRを使用して、Vβ ファミリー特異的プライマーおよびCβプライマーを用いてcDNAを拡張した。サ イクル配列決定を単一Cβフルオレセイン化プライマーを用いて拡張したDNAにお いて実施し、そして自動配列決定をA.L.F.DNAシークエンサーを用いて実行した 。 結果 上記の手順は、14から22またはそれ以上の明瞭なCDR3フラグメントピークを有 するVβファミリー内遺伝子フラグメントプロフィールを提供した。例えば、図 1は代表的な健常ドナー由来のVβ3β鎖遺伝子ファミリーのプロフィールをグ ラフで示す。174から236ヌクレオチド長までの22のCDR3フラグメントが、2.95± 0.27ヌクレオチドの間隔で隣接して存在する単一ピークとして識別された。個々 のフラグメント長、相当するピーク面積、および本プロフィール中のフラグメン トによりコードされた推定CDR3アミノ酸長を表IIにまとめる。 重要なことに、ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールは、8人の健 常な血液ドナーの各々についての様相において、分析したVβ遺伝子ファミリー に関わらず一貫してガウス様であった。さらに、どの特定Vβ遺伝子ファミリー についても、ガウス様分布は、Vβ15フラグメントプロフィールについて図2Aお よび2Bで示したように、8人の健常ドナーの全てについて著しく類似していた。 言い換えると、所定のVβ遺伝子ファミリーのプロフィールが、各個体について の一般的様相においてガウス様であっただけでなく、そのプロフィール内の各CD R3ピークの優勢が個体間で著しく類似していた。 全ての健常個体において各Vβ遺伝子ファミリーについてのファミリー内遺伝 子フラグメント長プロフィールが顕著に類似していたことによって、各Vβ遺伝 子ファミリー/サブファミリーについて平均したT細胞レセプターCDR3ファミリ ー内遺伝子フラグメント長プロフィールを構築することが可能になった。図3A( ヒストグラム)および3B(表)は、25の各Vβファミリーから得た推定CDR3長( アミノ酸)のガウス様頻度分布を示す。 25の全ファミリーに関するこれら8人の患者からのデータの分析から、隣接す るヌクレオチドピーク間の測定距離は2.96±0.04ヌクレオチドであり、推定距離 の3ヌクレオチド(すなわち、1コドン)とみごとに一致したことが明らかであ る。2,794の測定したフラグメントの長さは、PCRプライマー結合部位に基づいた それらの算定長の0.72±0.16ヌクレオチドの範囲内に収まった。ファミリーごと に同定されたCDR3長の平均値は13.97±1.50で、そして右への誤差が明白であっ た(表III)。加えて、Vβファミリー15〜18は、7アミノ酸未満のフラグメント 長において急激な減少を示した。全てのファミリーについて、図4に示したよう に、中央値CDR3長は9.52 a.a.で、そして平均長は9.71±0.58 a.a.であった。最 大数度長は7〜12 a.a.の範囲内に含まれた。これらは、累加すると総ピーク面積 の83.2%を構成する。 *ピーク長および相対数度から計算した 9人目の見かけ上健常なドナーから作成したファミリー内遺伝子フラグメント 長プロフィールは、他の8ドナーにおいてみられたガウス様パターンから著しく 逸脱した。したがって、この9人目のドナーからのデータは、他の8個体からの データによる健常なヒト被検体に由来する平均ファミリー内遺伝子フラグメント 長プロフィールから除去すべきであると決定した。図5は、この9人目のドナー のVβ1およびVβ3プロフィールを示す。これは明らかに、非ガウス分布である 。2つの優勢なフラグメントがVβ1から検出され、CDR3長は9および12 a.a.で あり、それぞれ総ピーク面積の45および20%を構成した。8アミノ酸長のCDR3に相 当する1つの優勢なフラグメントが、Vβ3総ピーク面積の80%を構成した。この 9人目のドナー由来のわずかな異質性を持ったいくらか異型の非ガウスプロフ ィールは、疾患状態において(Delfauら、Eur.J.Immunol.,22:2437(1992); Far aceら、J.Immunol.,153:4281(1994); Gorskiら、(1994)、前出;Puisieuxら、( 1994)、前出)、または免疫処置後において(Cochetら、(1992)、前出;Hingora niら、(1993)、前出;Cottrezら、(1994)、前出)記載されたものに類似した。 図6Aおよび6Bに示すように、8人の健常ドナー由来のファミリー内Vβ19遺伝 子フラグメント長プロフィールは互いに対する類似性を示したが、分析した他の 全てのVβ遺伝子ファミリーについて得られたガウス様プロフィールとは特質上 異なった。図6Aおよび6Bにおけるプロフィールは、二つの異なるVβ19プライマ ー(それぞれ、Vβ19aおよびVβ19b)を使用して得られたが、その相違点は、 (i)Vβ19bにおける付加的5'CT配列、および(ii)Vβ19aにおける付加的3'CCTGC 配列である(表I参照)。図6Aに示した、Vβ19aで増幅させたフラグメントは 、二峰性の分布において左および右に移動したようであった。図6Aの左側には、 3ヌクレオチドの間隔を伴ったガウス様プロフィールが観察される。右側では、 Vβ19bプライマー(図6B)で見出されたパターンと同様に、フラグメントピー クは解像が不十分であり、3ヌクレオチド間隔を示さない。二つのVβ19プライ マーのPCRプライマー結合部位および平均CDR3長の9.71 a.a.(他のVβファミリ ー内遺伝子フラグメント長プロフィールから決定した)に基づくと、Vβ19aに より生じた推定平均フラグメント長は197塩基対で、そしてVβ19bによる値は19 9塩基対である。両場合において、この推定平均フラグメント長は、3ヌクレオ チド間隔を示さない、解像が不十分なピーク内にある。Vβ19プロフィールの不 十分な解像は、使用した特定のVβ19 PCRプライマーに帰すると考えられる。代 替プライマーを、既知のPCRプライマー選択技術(特異性を最大にする、分子内 構造を最小化する、GC含量を最適化するなどのための)を用いて選択すれば、他 のVβ遺伝子ファミリーで観察されたものと類似したガウス様プロフィールが得 られると期待される。 CDR3長優勢を測定するファミリー内遺伝子フラグメント分析方法の精度の独立 の評価として、TCRβ鎖遺伝子を、Vβファミリー2、3、5.1、7、もしくは15 を発現する60のT細胞クローンから配列決定した。各クローンのCDR3長をβ鎖ヌ クレオチド配列から決定した。全60クローンのCDR3長の頻度分布を図7に示す。 平均長は、9.97±1.77 a.a.(5〜15 a.a.)であり、そして7〜12 a.a.の長さが 全体の94.0%を構成した。他の研究者ら(Rosenbergら、Eur.J.Immunol.、22:5 41(1992); JoresおよびMeo、J.Immunol.、151:6110(1993); Rockら、(1994)、 前出)は配列決定により同様の平均長を示している。2つのクローン由来のPCR 拡張cDNAのフラグメント分析からは、配列決定により得られたそれらの既知の長 さである195および259塩基対の<1塩基対以内の値が得られた。 全体のフラグメント長プロフィールにおいて低数度のために全く検出されなか った可能性のあるフラグメント長を同定するため、さらなる分析を、故意にオー バーロードさせたポリアクリルアミドゲルを用いて実施した。詳細には、ファミ リー特異的PCR反応を上記の通りに実施し、そしてPCRを35〜40サイクル行って、 3〜5μlアリコート当たりの最適DNA量の3〜4倍を得た。この量のDNAを上記 の通りに電気泳動したところ、各プロフィールの中央域におけるピーク(最も優 勢なピークに相当する)は個別には解像できなかった。しかしながら、ファミリ ー当たり平均2.7±1.8のさらなるピークが低数度域(すなわち、大および小CDR3 長に相当するピーク)において検出され、ファミリー当たり平均合計17.2±1.9 のCDR3長を得た。全てのファミリーについて最短および最長のCDR3領域の平均長 は、3.0±1.6および19.1±0.8 a.a.であった。22アミノ酸より大きい、または- 1アミノ酸未満のCDR3長に相当するピークは検出されなかった。極度のCDR3長( 例えば、-1アミノ酸または22アミノ酸)は少数のVβファミリーでのみ観察され たが、6〜16アミノ酸の長さは全てのVβファミリーで8個体全てのファミリー 内遺伝子フラグメント長プロフィールにおいて観察された。-1アミノ酸のCDR3長 の観察は予期されしなかったが、8人のドナー全てのVβ11ファミリーで、そし て他のところでも一度出現した。 検出閾におけるPCRサイクル数の影響およびVβファミリーの相対数度を、高 数度ファミリー(Vβ2)および低数度ファミリー(Vβ10)について表IVに示す 。Vβ2ファミリーでは、フラグメントピークの相対数度は、20〜40サイクルのP CRサイクル数の違いでは有意な変化はなかったが、ただし20サイクルPCR拡張で は低数度フラグメント(5、11、および12 a.a.)が優勢であった。これは、1 または3μlのサンプルをロードしたゲルでは見られなかったので、それゆえ10 μ lのサンプルでロードしたゲルから補外することが必要であった。 *全増幅フラグメントのパーセント 20サイクルPCR拡張と比較して25〜40サイクルの拡張が優れることは、低数度 Vβ10ファミリーについて得られたデータから明白であった。20サイクル後では 、十分に明瞭でない、非常に小さい大きさのピークが最高数度のCDR3長でのみ可 視化され得た。25〜40サイクルに関しては、最低数度のフラグメント(6および 13 a.a.)について系統的なかたよりを伴わない変動性があったが、7〜12 a.a. フラグメントについて数度の有意な変化はなかった。この比較は、各ファミリー のPCRを飽和相またはほぼ飽和に実施することが、変動を減少または除去するた めに好ましいことを実証する。この比較はさらに、とりわけ低数度フラグメント に関して、拡張アッセイフラグメントを同定する目的のために、実施例7および 本明細書中の他のところで記載されるように、分散の尺度として標準偏差ととも にコントロール群を用いることが好ましいことを示す。PCR反応において使用さ れるDNAポリメラーゼ量は、非特異的産物を最小に抑えるのに重要であると考え られ、そして好ましくは、10μlのPCR反応当たり0.5〜1.0ユニットの範囲内であ り、そしてより好ましくは、0.5ユニット/反応に限定される。 実施例2 ファミリー内遺伝子フラグメント分析のためのcDNA PCRテンプレートを生成 するためのランダムプライマーの卓越性の実証 実施例1に記載のファミリー内遺伝子フラグメント分析手順を開発する過程に おいて、以下の実験を、最適なcDNA合成手順を決定するために行った(cDNAはV β領域のファミリー特異的PCR拡張のためのテンプレートとして用いられる)。 実験において、3つのタイプのプライマー(ランダムヘキサマー、オリゴdT、お よび特異的Cβ)を、実施例1に記載のPBMCから抽出した全RNAサンプルからcDN Aを合成するために用いた。次いでcDNAを、Vβ2およびネストしたCβプライ マー対を用いるPCRによって増幅した。PCR産物を、2%アガロースゲルで分析し て各cDNA調製物から増幅されたVβ2PCR産物の相対量を決定した。 cDNA合成反応を、GIBCO BRL's SuperScript first strand cDNA kitを用いて 行った。6.0μl 10×緩衝液(200mM Tris-HCl(pH8.4);500mM KCl、25mM MgCl2 、1mg/ml BSA)、3.0μlの10mM dNTP、6.0μlの0.1M DTT、3.0μlのSup erScript reverse transcriptase(200U/μl)、および39μlのDEPC H2O中の3.0 μgの全RNAを含む57μlの反応混合物を調製した。混合物を、3つのチューブに 分注した。その各々は、濃度の異なるプライマー:50ngのランダムプライマー、 500ngのオリゴdTプライマー、および200ngのCβ特異的プライマーの1.0μlを含 む。3つの反応物を、37℃で1時間インキュベートした。ランダムプライマーお よびオリゴdTプライマーの濃度は、製造業者推奨に従って選択した。 複数回のPCR反応を、テンプレートとして各cDNA反応由来のcDNAを用いて行っ た。より詳細には、20μlのPCR反応物を、1.0μlのcDNA、2.0μlの10×緩衝液、 0.3μlの10mM dNTPs、0.2μlのTaq DNAポリメラーゼ(5U/μl)、2.0μlの3.0 μM Vβ2プライマー(表1)、2.0μlの3.0μMのネストしたCβプライマー( 表1)、および11.5μlの水を含むように設定した。反応物を、94℃で4分加熱 し、30サイクル(94℃で45秒変性、55℃で45秒アニーリングル、および70℃で45 秒伸長)のPCRに供し、そして最後の10分間に70℃で伸長した。その後、各反応 物から5.0μlを分析のために取り出し、そして残りをさらに15サイクルのPCRに 供した。各反応物から第二の5.0μlのアリコートを取り出し、そして残りをさら に5サイクルのPCRに供した。 各5.0μlのPCR産物を、2%アガロースゲルで電気泳動し、そしてゲルをエチ ジウムブロマイドで染色し、そしてUVライト下で観察した。30サイクルのPCRの 後に、ランダムプライマーcDNAは約200ヌクレオチドのDNAの明確なバンドを示し 、オリゴdTは同じサイズのかすかなバンドを示し、そしてCβcDNAは何も示さな かった。45サイクルの後には、ランダムプライマーcDNAは、鋭い高密度のバンド を示し、オリゴdTは明確なバンドを示し、そしてCβは非常に弱いバンドを示し た。50サイクルの後には、3つ全てのcDNAが強いバンドを示したが、Cβプライ マーに対応するバンドは見かけ上スメアであった。 前述の実験から、ランダムプライマーから作製されたcDNAは、(過剰なサイク ルでさえ)ほとんど非特異的産物を生成せずに、最も多量のVβ遺伝子特異的PC R産物を生じるということを結論づけた。従って、ランダムプライムされたcDNA は、本明細書に記載されるファミリー内遺伝子フラグメント分析手順におけるPC Rテンプレートとしての使用に好ましい。実施例3 T細胞レセプターファミリー内Vβ遺伝子フラグメント分析の改良 実施例1に記載のファミリー内Vβ遺伝子フラグメント分析の手順をさらに、 効率、迅速性、および再現性を増強するために改良する。実施例1に報告されて いるデータは、cDNAおよびPCR反応を行ってそれにより所定のファミリー内の全 てのCDR3フラグメントが、過度のPCR(非特異的産物を生じ得る)を行うことな しに増幅されるための最大の機会を有することの重要性を実証する。理想的なPC R反応(飽和状態まで繰り返される反応)は、異なるVβ遺伝子とは異なる。な ぜなら、より高数度のファミリー(および/または、PCRプライマーに対して効 率的なVβが使用されているファミリー)は、高数度の低いファミリーより少な いサイクルで飽和状態に達するからである。また、実施例1に例証されているの は、ゲル上にPCR反応産物の至適量をロードすることの重要性である:PCR産物の ロードが少なすぎると、低数度のCDR3フラグメント長を検出することが不可能に なる一方で、ロードが多すぎると、高数度のCDR3フラグメント長が過剰にロード され、そして高数度ピークを個々に解読することが不可能になる。以下の手順に より、25のPCR反応の単一の対(+コントロール)のみが処理され、そして25の ファミリー全てについてのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールが単 一のポリアクリルアミドゲルの分析(各PCR反応由来のサンプルを電気泳動する )から決定されるという様式で、25のVβファミリーについてのファミリー内V β遺伝子フラグメント分析が可能になる。 cDNA 合成およびPCR拡張 単一の、33μlのcDNA合成反応を、本質的には実施例1に記載のように、1.0μ gの全RNAおよびPharmaciaのcDNAキットを用いて行う。ファミリー特異的および 制御PCR反応を、実施例1に記載のように(35PCRサイクルを、94℃で45秒変性、 55℃で45秒アニーリング、および70℃で45秒プライマー伸長することを除く)設 定し、そして行う。最後の10分間に、70℃の伸長を、最後のPCRサイクルの後に 行う。ポリアクリルアミドゲルのサンプルローディング 任意の所定のファミリーについてゲル上にロードしたファミリー特異的PCR産 物の量は、(PharmaciaのA.L.FシークエンサーおよびFragment ManagerTM1.1ソ フトウエアを用いて)低数度ピークが50ピーク面積単位の最小レベルで検出され る一方で、高数度ピークが最大約8000単位で検出されるようなものであるはずで あるということを、実験的に決定した。高数度フラグメントが約8000〜8500吸収 単位より高濃度で存在する場合、ポリアクリルアミドゲル電気泳動分析の間に隣 接するフラグメントピークからフラグメントピークを解読することが困難になる 。行ったファミリー内遺伝子フラグメント分析の各独立した対についてこれらの パラメーターを迅速に達成するために手順を開発した。 まず、健常な個体に由来しそして実施例1(図3Aおよび3B)に記載の、平 均ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを用いて、各ファミリーにつ いて好適な理論的最大全ピーク面積(そのファミリーにおいて最も優勢なフラグ メントのほとんどについての面積の最大8000ピーク単位を有する制限と一致する )を決定した。例えば、特定のプロフィールにおいて最も優勢なフラグメント長 が、25%の平均優勢を有する場合(すなわち、そのファミリーについて測定した 全蛍光ピーク面積の25%を含む)、そのファミリーについて好適な理論的最大全 ピーク面積は、32,000ピーク面積単位(すなわち、8000/0.25=32,000)である 。 全てのVβファミリー特異的PCR反応について適当なサンプル容量を、各ファ ミリー特異的PCR反応の最初のポリアクリルアミドゲル分析を行うことによって 決定する。例えば、初めの分析を、Cβ制御PCR反応由来のアリコートおよび健 常な個体の各Vβファミリー特異的PCR反応由来のアリコートをポリアクリルア ミドゲル上で電気泳動することによって、および実施例1に記載のピーク面積を 分析することによって行う。ピーク面積測定から計算を行って、そのファミリー についての好適な理論的最大全ピーク面積を有するプロフィールを生じるのに必 要な、適切な次のアリコートを各Vβファミリー特異的PCR反応から決定する。 例えば、Vβ1 PCR反応由来の1μlのアリコートが、全Vβ1ピーク面積の8000 単位を生じた場合(Vβ1プロフィールにおけるピークの全てを合計した後)、 約4.1μlは、理論的に好適な32,747の最大全ピーク面積を有するプロフィールを 生じるためのアリコートを構成する。 次いで、2回目のポリアクリルアミドゲル電気泳動を行って、25のVβファミ リーの全てについてのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを生成す る。各Vβファミリー特異的PCR反応由来のサンプルを、各サンプルのタイプが 以下のように選択されるように第二のゲル上にロードする:(1)全ファミリー ピーク面積が、そのファミリーについて好適な理論的最大全ピーク面積の約50〜 75%である;および(2)全ファミリーピーク面積は、少なくとも約15,000単位 であり、その結果低数度ピークが観察される。このサンプル量を、最高数度ピー クを過剰ロードすることを確実にするために、理論的に好適な最大値の50〜70% に制限する。 ゲルローディングについて適切なサンプルサイズを決定するためのこの系統的 な手順により、ファミリー内Vβ遺伝子フラグメント長プロフィールが生じる。 ここで、高数度と低数度の両方のフラグメントピークを、高数度フラグメントの 過剰ローディングを伴わずに、各Vβプロフィールにおいて検出する。従って、 一回のポリアクリルアミドゲルの際に25レーンを使用して、ファミリー内Vβ遺 伝子フラグメント長プロフィールを、図3Aにおいて特徴付けられる25のVβフ ァミリー全てについて迅速に決定する。 あるいは、受容可能なVβファミリー特異的サンプルの容量を、最初のポリア クリルアミドゲルで25のファミリーの一つのみを分析することによって、より迅 速に決定する。例えば、最初の分析を、VB1ファミリー特異的PCR反応由来の3 つの異なるアリコートをポリアクリルアミドゲル上で電気泳動することによって 、および実施例1に記載のピーク面積を分析することによって行う。各レーンの ピーク面積測定から計算を行って、そのファミリーについて好適な理論的最大全 ピーク面積の50〜75%を有するプロフィールを生じるのに必要な、適切な次のア リコートをVβ1反応から決定する。例えば、Vβ1 PCR反応の4.1μlが、Vβ1 について好適な理論的最大全ピーク面積を有するプロフィールを生じる場合、2 〜3.1μlのアリコートを、Vβ1ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィー ル を生成するのに適切な次のアリコートとして選択する。 残存ファミリーの受容可能なアリコートを、表Vに提供されている比を用いて 推定した。表Vは、各Vβファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールにお ける最も大きなのピークの平均優勢、この優勢について観察される標準偏差、お よび各ファミリーについて好適な理論的最大全ピーク面積を示している。表Vは また、残存ファミリーについて受容可能なサンプル容量を計算するための2つの 比(右の欄)を提供している。A比は、各ファミリーの理論的に好適な最大ピー ク面積(Vβ1の理論的に好適な最大ピーク面積と比較して)を反映している。 B比は、個々のVβ1プロフィールにおいて観察される全ピーク面積と比較して 一人の健常な個体の血液に由来する示されたファミリー内遺伝子フラグメント長 プロフィールにおいて観察される全ピーク面積を反映している。ここで、等量の PCR反応産物(例えば、1.5μl)を、各ファミリー特異的PCR反応から分析した。 例えば、計算されたVβ16ファミリー最大ピーク面積は、Vβ1の約105%である (A比、1.05);Vβ16遺伝子ファミリーは、選択された健常な個体についての Vβ1遺伝子ファミリーの全ピーク面積(are)の約90%(B比、0.90)を有するこ とが観察された。 他のVβファミリー特異的PCR反応について受容可能なアリコートを、Vβ1反 応について選択したアリコートならびに表Vのピーク面積比AおよびBから計算 した(以下の式に従った): 容量V βN=容量V β1×(比AV βN/比BV βN) 例えば、2.5μlが、(好適な理論的最大全ピーク面積の50〜75%を生成するため に)ゲル上にロードするのにVβ1 PCR反応からの適切なアリコートであった場 合、次いで、2.9μl(すなわち、2.5×1.05/0.90)が、Vβ16ファミリーに適切 なアリコートである。 複数の健常な固体から決定される全ファミリーピーク面積の比を平均すること によって表VのB比の欄を導くことにより、同様に、適切なB比値が供給される 。実施例4 T細胞レセプターVα遺伝子ファミリーについての正常ヒトファミリー内遺 伝子フラグメントプロフィールの決定 実施例1に記載の手順を用いて、Vαファミリー特異的5’オリゴヌクレオチ ドPCRプライマーおよびフルオレセイン化Cα3’プライマーで、実施例1のV βおよびCβプライマーを置換することによって、T細胞レセプターVα遺伝子 ファミリーについてのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを生成し た。しかし、ファミリー内Vα遺伝子フラグメント長プロフィールの大多数にお いて、望ましくない多数の非特異的PCR産物が生じた(図8A)。以下の実施例 1に記載の手順の変更を行って、ヒトT細胞レセプターVα遺伝子ファミリーに ついてのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを改良した。 実施例1に記載のように、8人の健常なヒト被験体由来の血液サンプルから得 たPBMCから同じ精製全RNAを用いて、ランダムプライマーを用いてcDNAを合成し た。各cDNAサンプルを使用して、PCR反応のためのテンプレートを提供し、29のT CRVα遺伝子ファミリーを増幅した。 PCR反応の第一ラウンドの条件は、実施例1に記載のPCR条件と本質的に同一で あった(以下の変更を含む)。第一に、29のファミリー特異的5’Vαオリゴヌ クレオチドプライマー(表VI)を、29の別個のPCR反応(実施例1のVβファミ リー特異的プライマーの代わりに)に使用した。フルオレセイン化3’Cβプラ イマーの代わりに、単一の、未標識Cαプライマー(表VI)を、29の反応のそれ ぞれに使用した。PCR反応を制御するために、実施例1に記載のβアクチンプラ イマーおよびCβを使用して、βアクチン遺伝子座の一部およびCβ遺伝子座の 一部を増幅した。25サイクルのPCRを、実施例1に記載のように行った(アニー リング温度を55℃から60℃に上げてストリンジェンシーを増大させ、そして非特 異的PCR反応産物を最小化し、そしてプライマー伸長温度を、70℃から72℃に上 げたことを除く)。 表VI注釈 1 プライマーA1、A11、A12、およびA17〜A21は、Kleinら、Proc.Natl.Acad.Sc i.(USA),84:6884-6888(1987)に以前に記載されていた。プライマーA2、A5、A7 およびA22〜A29は、Roman-Romanら、Eur.J.Immunol.,21:927-933(1991)に以 前に記載されていた。プライマーA4〜A5、A6、およびA8〜A10は、Yoshikaiら、J .Exp.Med.,164:90-103(1986)に以前に記載されていた。プライマーA13〜A16 は、Kimuraら、Eur.J.Immunol.,17:375-383(1987)に以前に記載されていた。 プライマーA30およびA31は、Geneveeら、(1992)(前出)に以前に記載されてい た。2 下線のヌクレオチドは、他のVαサブファミリーへのクロスハイブリダイゼー ションを減少するために導入されたミスマッチである。3 5’結合部位:ヌクレオチドは、推定翻訳開始部位の開始を番号付けた(ATG(G eneveeら、(1992))は他に述べない限り除く)。* 番号付けは、配列の最初のヌクレオチドの位置から開始する。 D 96残基(ヌクレオチド)の距離 SEQ 配列番号(配列表中) 次いでPCR反応の第二シリーズを、非特異的PCR産物の量をさらに最小化するた めに行った。PCR反応の第二シリーズは、以下の重要な変更以外は第一シリーズ と同一であった。第一に、0.1μlのファミリー特異的PCR反応の第一シリーズ由 来のアリコートを、(0.85μlのcDNAアリコートの代わりに)PCR反応の第二シリ ーズにおいて対応するファミリー特異的反応のためのテンプレートとして用いた 。第二に、(ネストした)フルオレセイン化3’Cαプライマー(表VI:CαF )を、PCR反応の第一シリーズにおいて使用された未標識Cαプライマーと置き 換 えた(フルオレセイン化プライマーは未標識Cαプライマーの結合部位から上流 で結合させるために選択した)。第三に、30サイクルのPCRを、PCR反応の第二シ リーズにおいて行った。 PCR反応の第二シリーズで生じたPCR産物のアリコートを、ポリアクリルアミド ゲル電気泳動を用いてフラグメント長によって分離し、そして実施例1に記載の ように、Pharmacia's Fragmant ManagerTMソフトウエアを用いて分析した。 CDR3アミノ酸測定値を、各ファミリー内Vα遺伝子フラグメント長プロフィー ル(Rockら、(1994)の式に適合する)についてのフラグメント長の測定から推定 した。特に、各フラグメント長の測定から、以下のヌクレオチド長を引いた: (a)30ヌクレオチド、一定のフェニルアラニン残基(5’)を介するJαセグメ ントの保存された長(3’)に相当する;(b)57ヌクレオチド、用いたフルオレ セイン化CαPCRプライマーを使用した結果増幅されたCα遺伝子セグメントの 5’末端の一部に相当する;および(c)α鎖の96位を位置選択するために使用し た特定のVαプライマーの5’末端から測定されたヌクレオチドの数(用いた各 Vαプライマーを使用については、対応するヌクレオチドの数を表VIに示す)。 得られたフラグメント長を3で割って、(アミノ酸残基における)CDR3長を決定 した。 先述のVαファミリー内遺伝子フラグメント分析の手順は、0から17のアミノ 酸のCDR3長に相当する11から18またはより明らかなCDR3フラグメントピークを有 するVαファミリー内遺伝子フラグメントプロフィールを提供した。図8Bに示 されるように、二重のPCR/60℃アニーリング温度の手順は、首尾良く、単一のP CR手順を用いると観察されるほとんどの非特異的PCR産物を除いた。図9A(棒 グラフ)および図9B(表)に示されるように、ファミリー内遺伝子フラグメン ト長プロフィールは、一貫して、分析した29のVαファミリーについて、28の各 8人の健常血液ドナーについては見かけ上ガウス様(gaussian-like)であった 。任意の特定のVαファミリーについては、ガウス様分布は、全ての8人の健常 ドナー(図10のVα14ファミリーに例示される)に著しく類似した。全ての8人 のドナーのVα29プロフィールは、見かけ上ガウス様ではなかったが、しかし、 別のVα29プライマーの選択により、ガウス様プロフィールが得られると考 えられる。 Vα1からVα28ファミリーのこれら8人の患者からのデータの分析は、測定 された隣接するヌクレオチドピーク間の距離が2.92±0.34ヌクレオチド(意図さ れた3ヌクレオチドの距離に一致する)であることを明らかにする。測定したフ ラグメントの2,349長を、PCRプライマー結合部位に基づくそれらの計算された長 の0.84±0.04ヌクレオチド内に切断する。 実施例5 T細胞レセプターファミリー内Vα遺伝子フラグメントの分析の改良 実施例4に記載のファミリー内Vα遺伝子フラグメントの分析手順を、実施例 1に記載のファミリー内Vβ遺伝子フラグメントの分析手順を、実施例3におい て改良した様式と同じ様式でさらに改良して、効率、迅速性、および再現性を増 強する。以下の改良された手順は、29のPCR反応の単一の対(およびコントロー ル)のみが行われ、そして29のファミリー全てについてのファミリー内遺伝子フ ラグメント長プロフィールが単一のポリアクリルアミドゲルの分析(PCR反応由 来の各サンプルが電気泳動される)から決定される様式で29のVαファミリーに ついてのファミリー内Vα遺伝子フラグメントの分析を可能にする。 cDNA 合成およびPCR拡張 単一の、33μlのcDNA合成反応を、1.0μgの全RNAおよびPharmaciaのcDNAキッ トを用いて、本質的に実施例4に記載されているように行う。また、ファミリー 特異的および制御PCR反応を、実施例4に記載のように設定しそして行う。 ポリアクリルアミドゲルのサンプルローディング 実施例3に詳細に説明されているように、任意の所定ファミリーについてゲル 上にロードされたファミリー特異的PCR産物の量は、(PharmaciaのA.L.Fシーク エンサーおよびFragment ManagerTM1.1ソフトウエアを用い)低数度ピークが50 ピーク面積単位の最小レベルで検出される一方で高数度ピークが約8000単位の最 大で検出されるようなものであるべきである。 第一に、健常な個体から得られそして実施例4に記載(図9Aおよび図9B) の平均ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを用いて、各ファミリー に好適な理論的最大全ピーク面積(そのファミリーの最も優勢なフラグメントの 範囲の最大8000ピーク単位を有する制限と一致する)を決定した。 全てのVαファミリー特異的PCR反応に適切なサンプル容量を、各ファミリー 特異的PCR反応の最初のポリアクリルアミドゲル分析を行うことによって決定す る。例えば、初めの分析は、ポリアクリルアミドゲル上で健常な個体のCβ制御 PCR反応由来のアリコートおよび各Vαファミリー特異的(第二)PCR反応由来の アリコートを電気泳動することによって、そして実施例4に記載のピーク面積を 分析することによって行う。ピーク面積測定から、計算を行ってそのファミリー について好適な理論的最大全ピーク面積を有するプロフィールを生じるのに必要 な、適切な次のアリコートを各Vαファミリー特異的PCR反応から決定する。例 えば、Vα1のPCR反応由来のアリコート1μlが(Vα1プロフィール中のピー クの全てを合計した後に)全Vα1のピーク面積の8000単位を生じた場合、約3. 8μlは30628単位の好適な理論的最大全ピーク面積を有するプロフィールを生じ るアリコートを構成する。 次いで、第二のポリアクリルアミドゲル電気泳動を行って、29のVαファミリ ーの全てについてのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを生成する 。各Vαファミリー特異的PCR反応由来のサンプルを、第二のゲル上にロードす る。各サンプルの大きさは、以下であるように選択されている。(1)全ファミ リーピーク面積は、そのファミリーについて好適な理論的最大全ピーク面積の約 50〜75%である;そして(2)全ファミリーピーク面積は少なくとも約15,000単 位であり、その結果、低数度ピークが観察される。サンプル容量を、最も優勢な ピークの過剰ロードを確実にするために、理論的に好適な最大値の50〜75%に制 限する。 ゲルローディングに適切なサンプルサイズを決定するためのこの系統的な手順 は、ファミリー内Vα遺伝子フラグメント長プロフィールをもたらす。ここで、 高数度および低数度の両方のフラグメントピークは、各Vαプロフィールにおい て高数度フラグメントの過剰ロードを伴わずに検出される範囲内である。従って 、 単一のポリアクリルアミドゲル上の29のレーンを用いて、ファミリー内Vα遺伝 子フラグメント長プロフィールを、図9Aに特徴付けられる29のVαファミリー 全てについて、迅速に決定した。 あるいは、受容可能なVαファミリー特異的サンプル容量は、最初のポリアク リルアミドゲル上で29のファミリーのうちの一つのみを分析することによって、 より迅速に決定される。例えば、最初の分析は、Vα1ファミリー特異的PCR反 応由来の3つの異なるアリコートをポリアクリルアミドゲル上で電気泳動するこ とによって、そして実施例4に記載のピーク面積を分析することによって行われ る。各レーンのピーク面積測定値から、計算を行って、そのファミリーについて 好適な理論的最大全ピーク面積の50〜75%を有するプロフィールを生じるのに必 要な、適切な次のアリコートをVα1反応から決定する。例えば、Vα1 PCR反 応のアリコートの3.8μlがVα1について好適な理論的最大全ピーク面積を有す るプロフィールを生じる場合、約1.9〜2.9μlのアリコートが、Vα1ファミリ ー内遺伝子フラグメント長プロフィールを生じるのに適切な次のアリコートとし て選択される。 残存ファミリーについて受容可能なアリコートを、表VIIに提供される比を用 いて推定する。表VIIは、各Vαファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィー ルにおいて最も大きなピークの平均優勢、この優勢から観察される標準偏差、お よび各ファミリーの好適な理論的最大全ピーク面積を示している。表VIIはまた 、残存ファミリーについて受容可能なサンプル容量を計算するための2つの比( 右の欄)を提供する。比Aは、各ファミリーの理論的に好適な最大ピーク面積( Vα1の理論的に好適な最大ピーク面積と比較して)を反映している。B比は、 その個々のVα1プロフィールにおいて観察される全ピーク面積と比較して、一 人の健常な個体の血液に由来する、示されたファミリー内遺伝子フラグメント長 プロフィールにおいて観察される全ピーク面積を反映している。ここで、等容量 のPCR反応産物(例えば、1.5μl)を、各ファミリー特異的PCR反応から分析した 。例えば、計算されたVα7ファミリー最大ピーク面積は、Vα1(比Aは0.70 )のそれの約70%である;Vα7遺伝子ファミリーは、選択された健常な個体( 比Bは0.40)についてのVα1遺伝子ファミリーの全ピーク面積(are)の約40% を 有することが観察される。 他のVαファミリー特異的PCR反応について受容可能なアリコートを、Vα1 反応のために選択したアリコートおよび表VIIのピーク面積比AおよびBから、 以下の式によって計算する: 容量V αN=容量V α1×(比AV αN/比BV αN) 例えば、2.5μlがゲル上でのロードのためのVα1 PCR反応由来の適切なアリコ ートであった場合(好適な理論的最大全ピーク面積の50〜75%を生成するために )、Vα7ファミリーについては、4.4μl(すなわち、2.5×0.70/0.40)が適切 なアリコートである。 複数の健常な個体から決定される全ファミリーピーク面積比を平均することに よって表VIIのB比欄を導くことにより、同様に適切なB比の値が供給される。 実施例6 単一のポリアクリルアミドゲル上の完全なVαおよびVβファミリー内遺伝 子フラグメントプロフィールの決定 前述の実施例から、29のVαおよび25のVβフラグメントプロフィールは、1 〜2回のcDNA合成反応、cDNAの54のファミリー特異的(種々の領域)PCR拡張、 3回の制御PCR拡張、およびポリアクリルアミドゲル上でPCR反応産物の電気泳動 分析のみを行うことによって個々について決定され得ることは明白である。さら に、54のファミリー特異的PCR拡張反応は、たった29レーンを有する単一のポリ アクリルアミドゲルにおいて(二重および三重のローディングレーンによって) 電気的に分析し得るということを決定した。 より詳細には、本明細書中に記載の種々のVαおよびVβファミリー特異的5 ’PCRプライマーは、定常領域3’プライマーの遺伝子座と比較して異なる位置 でその代表的なVαおよびVβ遺伝子に結合する。これらの結合部位は、表Iお よびVIで同定されている。それゆえ、多くの例において、ファミリー特異的PCR 反応において得られるPCRフラグメントは、(たとえ、全てのファミリーのCDR3 領域が-1〜22アミノ酸の範囲だとしても)他のファミリーについて得られるフラ グメント由来の別々の異なるサイズを有する。従って、特定のファミリーのフラ グメント長は、ポリアクリルアミドゲルにおいて別々の異なる比率で移動し、そ して単一のレーンにロードするときでさえも別々に解読され得る。本明細書中に 記載されているファミリー特異的プライマーに好ましい多数のファミリーゲルロ ーディングの組み合わせを、表VIIIに示す。 *-1〜22アミノ酸のCDR3長がVβプロフィール中に全て存在する場合、フラグメ ント長の範囲は理論範囲。 単一のゲル上で個体について実質上全て(すなわち、95%を超える)のVαお よびVβ遺伝子ファミリーについてのファミリー内遺伝子フラグメント分析プロ フィールを決定し得ることに起因し得る時間と費用の節約は、TCRレパートリー 分析の本方法の莫大な経済的利点である。この節約により、臨床的設定に本方法 を適合することが容易になる。 実施例7 免疫疾患に罹患した患者におけるファミリー内遣伝子フラグメント分析 本発明のファミリー内遺伝子フラグメント分析手順を、原発性胆汁性肝硬変( 肝臓の自己免疫疾患)を罹患したヒト患者(肝硬変患者)に由来する細胞サンプ ルを用いて行った。より詳細には、RNAを、前記実施例に記載の末梢血リンパ球 から、および通常の肝臓生検手順により肝硬変患者から得た肝臓組織サンプル( 細胞の約30〜100mg)からもまた精製した。各RNA調製物を使用して、前記実施 例に記載されるようにcDNAを合成した。 各cDNA反応物(末梢血および肝臓)由来のアリコートを、テンプレートとして 使用して、前記実施例に本質的に記載されるように、29のVαおよび25のVβ遺 伝子ファミリーについてファミリー特異的PCR拡張を行った。PCR反応産物を、前 記実施例に本質的に記載されるように、ポリアクリルアミドゲルによって分析し た。他の組織中(または異なる疾患を罹患した患者由来の肝臓細胞中)に存在す るTリンパ球の数が変化し、従って、cDNAを合成するために使用されるRNAの量 およびPCRに使用されるcDNAの量が変化するはずであることが理解される。 図11Aおよび11Bは、自己反応性Tリンパ球によって侵襲された、肝硬変患者の 病変した肝臓組織由来の選択したVαおよびVβ遺伝子ファミリーについて、例 示的なファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを示す。これらのフラグ メントプロフィールは、健常なヒト被験体の末梢血由来のガウス様プロフィール と比較して高度に歪んでいる。それらは、健常なプロフィールに観察されるフラ グメントを欠いているギャップを含む。さらに、大きなフラグメントのピークが 、分布の中央の領域のみとは対照的に分布の外側(大きなCDR3長および小さなCD R3長)で観察された。 肝硬変患者の末梢血および肝臓由来の完全なファミリー内VαおよびVβ遺伝 子フラグメント長プロフィールを、それぞれ表IXおよび表Xに示し、そして8人 の健常なドナーの末梢血由来の対応する健常なプロフィールと比較した。より詳 細には、表IXおよび表Xの最初の3つのカラムは、(左から右に)アッセイされ た可変部遺伝子ファミリー、健常なヒト被験体のファミリー内遺伝子フラグメン ト長プロフィールにおけるその遺伝子ファミリーに観察されるPCRフラグメント 長、およびこれらのフラグメントについて対応する推定のCDR3長を明らかにする 。第4のカラム(「コントロール平均」)は、実施例1および4に記載され、そ して図3A、3B、9A、および9Bに示されるような、8人の健常な個体由来の平均フ ァミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールにおける各特定のフラグメントの 優勢を示す。カラム5(「コントロールSD」)は、カラム4に示した各平均フラ グメント優勢に関する標準偏差を示す。 表IXおよびX中のカラム6および7はそれぞれ、肝硬変患者からの、末梢血単 核細胞および肝臓生検組織由来のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィー ルを示す。観察された各フラグメント長の優勢を、プロフィール中の全てのフラ グメント長全体の割合として示す。最後に、表中のカラム8および9は、カラム 4および5に示した健常なヒト被験体の平均プロフィールと、カラム6および7 に示した肝硬変患者のプロフィールにおけるフラグメント優勢との統計学的比較 を示す。より詳細には、肝硬変患者のプロフィールと平均プロフィールの間の各 偏差を、各フラグメントについて平均コントロールプロフィールに観察される複 数の標準偏差として示す。 上記のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールは、患者の原発性胆汁性 肝硬変の自己免疫疾患状態に関する臨床的有意性を有し得る肝硬変患者の肝臓お よび末梢血における多数の潜在的なT細胞クローン拡張事象(例えば、モノクロ ーナルまたはオリゴクローナルT細胞拡張)を明らかにする。より詳細には、本 明細書中に記載のようなファミリー内遺伝子フラグメント分析は、同じ可変部遺 伝子ファミリーについて健常なヒト被験体由来の対応するコントロールプロフィ ールより患者のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールにおいてより有 意な優勢であるフラグメントピークとしてT細胞クローン拡張を検出する。 コントロールプロフィールにおいて対応するピークより統計学的意義において より有意に優勢である(例えば、2またはそれ以上の標準偏差によってより優勢 であり、そして好ましくは、3またはそれ以上の標準偏差によって優勢である) 場合、患者のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールにおけるフラグメ ントピークは、コントロールプロフィールにおいて対応するピーク(特定の可変 部遺伝子ファミリーに対する)より有意に優勢である。例えば、表IX中のVα2 コントロールプロフィールにおいて、CDR3〜8ピーク(355ヌクレオチド)は、1. 90%の標準偏差で18.69%の優勢を有する。肝硬変患者の肝臓プロフィールにお いて、同じフラグメントは、29.34%の優勢を有し、これは、Vα2コントロー ルプロフィールにおけるCDR-8ピークの優勢より、(5.61の標準偏差によって) 有為に優勢である。肝硬変患者のVα2 CDR3〜7ピークはまた、対応するCDR#-7 コントロールピーク(4.30の標準偏差)より有意に優勢であるが、患者のVα2 CDR3〜10およびVα2 CDR3〜12ピークは、それらの対応するコントロールピー ク(それぞれ、0.21および0.38標準偏差)より有意に優勢ではない。3の標準偏 差基準を用いて、肝硬変患者のPBMCおよび肝臓ファミリー内遺伝子フラグメント 長プロフィールの両方におけるピークを、以下により詳細に示すように、この患 者における潜在的なT細胞クローン拡張事象として同定する。健常な個体からの コントロールプロフィールの決定は、このような統計学的分析を行うために必要 な必要条件であった。 ファミリー内T細胞レパートリー分析法を行う他の研究者らは、単一の優勢な Vβフラグメントピークがファミリー内分析において同定される、推定クローン 拡張を診断してきた。例えば、Puisieuxら、J.Immunol.,153: 2807(1994)( サブファミリー内で検出された総蛍光強度の40%またはそれ以上を示す優先ピー クを含むVβファミリーにおいてのみオリゴクローン拡張を同定する)を参照の こと。この方法は、同様に、このようなクローン拡張を確実に同定する。しかし 、本発明の方法はまた、多数のさらなるクローン拡張を同定し得る。最初に、本 発明の方法は、Vβファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを提供し、 ここで、先行技術の方法によるよりさらに多くのフラグメントピークを同定し、 各々のこのような新しく発見されたピークは潜在的にクローン拡張を同定する。 さらに、本発明は、Vαファミリー内フラグメント分析手順および実質的にあ らゆるVαファミリーについてのプロフィールを提供し、これは、Vβプロフィ ールのみを提供し得る方法において分析されたT細胞レセプター特性の約2倍で ある。あらゆるαβT細胞がα鎖およびβ鎖を含むレセプターを有するので、各 T細胞クローン拡張は、対応するVαコントロールプロフィールにおけるより患 者のファミリー内Vα遺伝子フラグメント長プロフィールの1つにおいてさらに 優勢であるフラグメントピークの存在によって、および対応するVβコントロー ルプロフィーにおけるより患者のファミリー内Vβ遺伝子フラグメント長プロフ ィールの1つにおいてさらに優勢であるフラグメントピークの存在によってもま た明らかであるはずである。 さらに、異なる健常な個体からのファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィ ールが各VαおよびVβファミリーに実質的に類似であるという発見は、先行技 術の方法が同定しない推定のモノクローナル/オリゴクローン拡張事象の同定を 可能にする。例えば、推定のクローン拡張として、単一の「優性な」ピークを同 定することに加えて、この方法は、上記のように、健常コントロールにおける対 応するピークより有意に優勢であるピークに基づく推定のクローン拡張としてピ ークを同定する。 表IXに関して、この方法は、コントロールのファミリー内遺伝子フラグメント 長プロフィールにおいて対応するフラグメントの優勢より有為に優勢(3または それ以上の標準偏差による)である肝臓由来のファミリー内Vα遺伝子フラグメ ント長プロフィールにおける49フラグメントを同定した。これらの同定されたフ ラグメントの18のみが、それらの総ファミリーピーク面積の40%以上であった。 逆に、総ファミリーピーク面積の40%以上の1つのVαフラグメントは推定のク ローン拡張として同定されなかった。なぜなら、その対応するコントロールピー クの優勢より有為に優勢(3またはそれ以上の標準偏差によって)ではなかった からである。 表Xに関して、この方法は、コントロールファミリー内遺伝子フラグメント長 プロフィールにおいて対応するフラグメントの優勢より有意に優勢(3またはそ れ以上の標準偏差によって)である肝臓由来のファミリー内Vβ遺伝子フラグメ ント長プロフィールにおける47フラグメントを同定した。これらの同定された47 フラグメントの10のみが、それらの特定のファミリー内プロフィールにおける総 ファミリーピーク面積の40%以上であった。逆に、それらの総ファミリーピーク 面積の40%以上の2つのVβフラグメントは推定のクローン拡張として同定され なかった。なぜなら、それらは、対応するコントロールピークの優勢より有意に 優勢(3またはそれ以上の標準偏差によって)ではなかったからである。 肝硬変患者の末梢血由来のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールに 関して、それらのそれぞれのファミリー内プロフィールの総ピーク面積の40%以 上を示す2つのフラグメントのみを同定した。Vα29プロフィールにおいて、第 1のピークは、Vα29コントロールプロフィールにおける対応するフラグメント より≧3標準偏差によって優勢であった。Vβ24プロフィールにおいて、第2の ピークは、3未満の標準偏差であるが、2以上の標準偏差によって、コントロー ルVβ24コントロールプロフィールにおける対応するフラグメントより優勢であ った。少なくとも2の標準偏差によってコントロールプロフィールにおける対応 するフラグメントより優勢である複数のフラグメントを、患者の末梢血プロフィ ールにおいて同定した。これらのフラグメントのいくつかをまた、≧3の標準偏 差によって、肝臓プロフィールにおいてより有為に優勢であると同定したが、ほ とんどは同定しなかった。このデータの1つの解釈は、免疫応答を活発に媒介す るそれらのT細胞が、標的器官(この場合、肝臓)に迅速に侵入して血液を放出 し、そして標的器官中で濃縮し得ることである。 本発明のファミリー内遺伝子フラグメント分析法によるクローン拡張事象の推 定的同定が、当該分野で公知の技術を用いてさらに改変され得ることが当業者に 理解される。例えば、適切なJβ「ランオフ(run-off)」反応を、推定の増殖 T細胞クローンのTCRをコードする遺伝子セグメントをさらに特徴付けるために 行い得る。 より好ましくは、目的のプロフィールピークから(または引き続くJβ「ラン オフ」反応から)のDNAフラグメントを配列決定して、T細胞クローン拡張の存 在を確認する。単一の優性なピークは、直接的に配列決定が可能であり得る。さ もなければ、好ましい手順において、目的のプロフィールピークからのDNAフラ グメントを単離し(例えば、ポリアクリルアミドゲルからの電気的溶出を介して )、適切なベクターにクローン化し、そして適切な宿主内に形質転換するかまた はトランスフェクトする。その後、多数の形質転換体におけるフラグメント挿入 物(たとえば、20〜40クローン)を配列決定する。目的のプロフィールピークの 高い優勢は、同じCDR3遺伝子配列の複数のコピーが形質転換体の間で見出される T細胞クローン拡張に帰する。 あるいは、PCRを用いる推定のクローナルフラグメントのファミリー特異的プ ライマーによって増幅した総DNAをクローン化し、そして個々のクローンの挿入 物長を周知の電気泳動手順によって決定する。推定のクローナルフラグメントと 同じ長さに対応する挿入物を有するクローンを配列決定する。問題のフラグメン ト長の観察された拡張が真に大きなモノクローナルである場合、次いで、その長 さのクローンフラグメントの大部分を同一の配列を共有すると観察する。 本明細書中に記載のファミリー内遺伝子フラグメント分析および配列決定によ って同定された自己反応性T細胞のCDR3核酸配列の決定は、自己免疫疾患を処置 するためのワクチン開発に有用な情報を提供する。例えば、CDR3核酸配列をペプ チド配列に翻訳し、そしてその配列を有するポリペプチドを組換え合成するかま たは合成的に合成する。この様式で合成したCDR3ポリペプチドを、ワクチンとし て(直接、アジュバントと組み合わせて、および/または免疫原性部分と共有結 合させて、など)使用する。ワクチン接種は、抗イディオタイプT細胞または抗 イディオタイプ抗体の産生を刺激して、CDR3配列を発現する自己免疫T細胞集団 をダウンレギュレートまたは排除する。実施例8 特徴的なファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール に関連する特定の疾患 上記のように、T細胞免疫増殖状態は、1つまたはそれ以上の個体のファミリ ー内遺伝子フラグメント長プロフィールにおける検出可能な変化(例えば、1つ またはそれ以上の特定の遺伝子フラグメント長の優勢における増加)に関連する 。以下に記載の手順は、特定の疾患を特徴的ファミリー内遺伝子フラグメント長 プロフィールを関連づける手順を可能にする。 個体から得られる血液サンプルから大量のリンパ球を単離する。大量のリンパ 球の第1のサンプルを使用して、前記の実施例に記載の手順を用いて、1つまた はそれ以上のVαおよびVβ遺伝子ファミリーについて(および好ましくは、実 質的に全てのVαおよびVβ遺伝子ファミリーについて)第1のファミリー内遺 伝子フラグメント長プロフィールを作製する。 大量のリンパ球の第2のサンプル(約103〜106細胞)を、目的の疾患に関連す る1つまたはそれ以上の特異的抗原の存在下で培養する。例えば、目的の疾患が 肝炎の場合、次いで、Tリンパ球を、肝炎ウイルス抗原決定基の存在下で培養す る。標準的なT細胞培養条件を使用して細胞を培養し、そして抗原に特に免疫応 答性であるそれらのT細胞を培養中で刺激し、そしてクローン拡張によって増殖 させる。コントロールとして、大量のリンパ球の第3のサンプルを、抗原を用い ない同一の条件下で培養する。 1〜6週間T細胞を培養した後、各培養物からサンプルを回収し、そしてそれ を使用して最初にアッセイした同じVαおよびVβ遺伝子ファミリー(おそらく 、実質的に全てのVαおよびVβ遺伝子ファミリー)についてファミリー内遺伝 子フラグメント長プロフィールを作製する。抗原と共に培養したT細胞由来のプ ロフィールを、コントロール培養物および非培養T細胞由来の対応するプロフィ ールと比較し、他のプロフィールにおけるよりも抗原培養プロフィールにおいて より優勢である別々のフラグメント長の存在を検出する。増大した優勢のフラグ メントピークを、目的の抗原に対する免疫増殖応答に関連づける。 特定の抗原に対する特定のフラグメントの関係は、迅速性を増大させ、そして 本明細書中に記載されるファミリー内遺伝子フラグメント分析法の臨床的適用の 費用を減少させる。なぜなら、このような関係は、特定の疾患に関して個体をモ ニターする場合(例えば、個体が特定の疾患状態について高い危険性の環境に曝 されているので、特定の疾患状態について個体を継続的にモニターする場合)、 全ての可変部の遺伝子ファミリーを継続的にモニターする必要性を回避するから である。 特定の抗原に対する特定のフラグメントピークの関連もまた、持続的な感染を 担う病原体(例えば、M.leprae,HIV)に特に免疫応答性であるクローナルT細 胞集団の同定を容易にする。このようなT細胞集団を、インビトロで増殖させ得 、そして治療剤として患者に再注入し得る。 また、末梢血リンパ球の培養物は、抗原が公知であり、そして利用可能である 場合(例えば、同種移植ドナーのHLAハプロタイプ)、本明細書中に記載される 方法による抗原応答性CDR3領域の同定のための細胞の供給源を提供するが、影響 される標的組織自身は、サンプリングの影響を受けにくい。 本発明は特定の実施態様に関して記載してきたが、変更および改変が生じるこ とが当業者に理解される。従って、添付の請求の範囲において生じるようなこの ような限定のみが、本発明において認められるべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1998年1月9日(1998.1.9) 【補正内容】 T細胞レセプターαおよびβ鎖CDR3部の ファミリー内フラグメント分析方法 発明の背景 A.発明の分野 本発明は、一般に、T細胞レパートリー分析およびそれについての臨床的な適 用を実施するための方法および物質を有するキットに関連し、そして、より詳細 には、T細胞レセプターのαおよびβ鎖CDR3部のファミリー内遺伝子フラグメン ト長プロフィールを決定する方法および物質を有するキットに関連する。 B.背景 Tリンパ球はヒトの細胞免疫の主要なメディエーターで、感染病原体(例えば 、ウイルスおよびバクテリア)への免疫応答、および新生物形成疾患に対する身 体の自然な防御に不可欠な役割を占める。同様に、Tリンパ球は、宿主の免疫系 が異質の宿主由来の移植組織を攻撃する(拒絶する)急性対宿主移植片疾患、自 己免疫疾患、過敏症、退行性神経系疾患、そして多くの他の状態において中心的 な役割を果たす。T細胞免疫応答は、一つ(またはそれ以上)の特定のT細胞が 、特定の抗原を認識し、増殖促進サイトカインを分泌し、そしてモノクローナル (またはオリゴクローナル)拡張して、外来抗原を認識しそして除去するさらな るT細胞を提供することにより特徴付けられる。 各T細胞およびその後代は、これらによって発現される構造的に独特なT細胞 レセプター(TCR)の効力によって独特であり、これは相補的で、構造的に独特な 抗原を認識する。T細胞(αβT細胞)の大部分において、T細胞レセプターは 、ジスルフィド結合によって互いに共有的に架橋されたアルファ(α)およびベ ータ(β)ポリペプチド鎖を含むヘテロダイマーである。アルファおよびベータ 鎖の両方は、中間結合(J)部(そしてβ鎖の場合、同様に多様(D)部)によって 定常(C)部に結合したアミノ末端可変(V)部を含む。TCRの多様性は、抗体の多 様性と同様に大きく、遺伝的組換え事象によって生成されたVα、Jα、Cα遺伝 子セグメントならびにVβ、Jβ、DβおよびCβ遺伝子セグメントの多くの異な る 組合せから生じると考えられる。 「より優勢」は、統計学的意味において有意により優勢であることを意味する 。言い換えると、ファミリー内遺伝子長アッセイプロフィールにおけるフラグメ ントピークは、アッセイプロフィールにおけるピークが統計学的意味において有 意により優勢である(例えば、2以上の標準偏差で、および好ましくは3以上の 標準偏差で、コントロールプロフィールにおける対応のピークよりもより優勢で ある)場合、同一の可変部遺伝子ファミリーについてのコントロールプロフィー ルにおける対応のピークよりも優勢である。例えば、Vα1コントロールプロフ ィールにおける特定のピークが標準偏差1.25%とともに平均優勢15%を有する場 合、アッセイプロフィールにおける同一ピークはアッセイプロフィールにおいて 18.75%以上の優勢で、本方法に従ってより優勢であると分類される(15%を超 える3以上の標準偏差)。同一ピークは、例えば、アッセイプロフィールにおい て16%である優勢で、本方法に従ってより優勢であると分類されない。 コントロールプロフィールが、複数の単一ファミリー内遺伝子長プロフィール 由来の平均プロフィールである場合、標準の統計学的計算式を用いて、各フラグ メント長の平均優勢の標準偏差が決定される。別の実施態様において、コントロ ールプロフィールが、免疫増殖状態についてアッセイされるヒト個体由来である 場合、同一の標準の計算式が、標準偏差を決定するために使用され得る。ここで 、複数のプロフィールは個体が健常であったときに個体から得られた。そのよう なプロフィールが一つのみ得られた場合、健常なヒト被験体由来の平均プロフィ ールからの標準偏差が、免疫増殖状態をアッセイされるヒト個体由来のコントロ ールプロフィールに採用され得る。 少なくとも約29の別個のアルファ鎖可変部遺伝子ファミリーが、今日ヒトゲノ ムにおいて同定されている。好ましい実施態様において、本方法は、工程(b)お よび(c)の繰り返しによって、複数のVα遺伝子ファミリーについて実施される (例えば、好ましくは少なくとも10のTCRα鎖可変部遺伝子ファミリー;そして より好ましくは、少なくとも20のTCRα鎖可変部遺伝子ファミリー)。さらによ り好ましくは、工程(b)および(c)を、少なくとも28または29のTCRα鎖可変部遺 伝子ファミリー(例えば、Vα1、Vα2、Vα3、Vα4、Vα5、Vα6、Vα7 、 Vα8、Vα9、Vα10、Vα11、Vα12、Vα13、Vα14、Vα15、Vα16、V α17、Vα18、Vα19、Vα20、Vα21、Vα22、Vα23、Vα24、Vα25、V α26、Vα27、Vα28、Vα29)について繰り返す方法である。ここで、T細胞 免疫増殖状態の存在は、少なくとも一つのアッセイプロフィールにおいて、対応 するコントロールプロフィールより優勢な遺伝子フラグメント長に相関する。 A比は、各ファミリーの理論的に好適な最大ピーク面積(Vβ1の理論的に好適 な最大ピーク面積と比較して)を反映している。B比は、個々のVβ1プロフィ ールにおいて観察される全ピーク面積と比較して一人の健常な個体の血液に由来 する示されたファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールにおいて観察され る全ピーク面積を反映している。ここで、等量のPCR反応産物(例えば、1.5μl )を、各ファミリー特異的PCR反応から分析した。例えば、計算されたVβ16フ ァミリー最大ピーク面積は、Vβ1の約105%である(比A、1.05);Vβ16遺伝 子ファミリーは、選択された健常な個体についてのVβ1遺伝子ファミリーの全 ピーク面積の約90%(比B、0.90)を有することが観察された。 残存ファミリーについて受容可能なアリコートを、表VIIに提供される比を用 いて推定する。表VIIは、各Vαファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィー ルにおいて最も大きなピークの平均優勢、この優勢から観察される標準偏差、お よび各ファミリーの好適な理論的最大全ピーク面積を示している。表VIIはまた 、残存ファミリーについて受容可能なサンプル容量を計算するための2つの比( 右の欄)を提供する。比Aは、各ファミリーの理論的に好適な最大ピーク面積( Vα1の理論的に好適な最大ピーク面積と比較して)を反映している。B比は、 その個々のVα1プロフィールにおいて観察される全ピーク面積と比較して、一 人の健常な個体の血液に由来する、示されたファミリー内遺伝子フラグメント長 プロフィールにおいて観察される全ピーク面積を反映している。ここで、等容量 のPCR反応産物(例えば、1.5μl)を、各ファミリー特異的PCR反応から分析した 。例えば、計算されたVα7ファミリー最大ピーク面積は、Vα1(比Aは0.70 )のそれの約70%である;Vα7遺伝子ファミリーは、選択された健常な個体( 比Bは0.40)についてのVα1遺伝子ファミリーの全ピーク面積の約40%を有す ることが観察される。 各cDNA反応物(末梢血および肝臓)由来のアリコートを、テンプレートとして 使用して、前記実施例に本質的に記載されるように、29のVαおよび25のVβ遺 伝子ファミリーについてファミリー特異的PCR拡張を行った。PCR反応産物を、前 記実施例に本質的に記載されるように、ポリアクリルアミドゲルによって分析し た。他の組織中(または異なる疾患を罹患した患者由来の肝臓細胞中)に存在す るTリンパ球の数が変化し、従って、cDNAを合成するために使用されるRNAの量 およびPCRに使用されるcDNAの量が変化するはずであることが理解される。 図11Aおよび11Bは、自己反応性Tリンパ球によって侵襲された、肝硬変患者の 病変した肝臓組織由来の選択したVαおよびVβ遺伝子ファミリーについて、例 示的なファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールを示す。これらのフラグ メントプロフィールは、健常なヒト被験体の末梢血由来のガウス様プロフィール と比較して高度に歪んでいる。それらは、健常なプロフィールに観察されるフラ グメントを欠いているギャップを含む。さらに、大きなフラグメントのピークが 、分布の中央の領域のみとは対照的に分布の外側(大きなCDR3長および小さなCD R3長)で観察された。 肝硬変患者の末梢血および肝臓由来の完全なファミリー内VαおよびVβ遺伝 子フラグメント長プロフィールを、それぞれ表IXおよび表Xに示し、そして8人 の健常なドナーの末梢血由来の対応する健常なプロフィールと比較した。より詳 細には、表IXおよび表Xの最初の3つのカラムは、(左から右に)アッセイされ た可変部遺伝子ファミリー、健常なヒト被験体のファミリー内遺伝子フラグメン ト長プロフィールにおけるその遺伝子ファミリーに観察されるPCRフラグメント 長、およびこれらのフラグメントについて対応する推定のCDR3長を明らかにする 。第4のカラム(「コントロール平均」)は、実施例1および4に記載され、そ して図3A、3B、9A、および9Bに示されるような、8人の健常な個体由来の平均フ ァミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールにおける各特定のフラグメントの 優勢を示す。カラム5(「コントロールSD」)は、カラム4に示した各平均フラ グメント優勢に関する標準偏差を示す。 表IXおよびX中のカラム6および7はそれぞれ、肝硬変患者からの、末梢血単 核細胞および肝臓生検組織由来のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィー ルを示す。 逆に、総ファミリーピーク面積の40%以上の1つのVαフラグメントは推定のク ローン拡張として同定されなかった。なぜなら、その対応するコントロールピー クの優勢より有為に優勢(3またはそれ以上の標準偏差によって)ではなかった からである。 表Xに関して、この方法は、コントロールファミリー内遺伝子フラグメント長 プロフィールにおいて対応するフラグメントの優勢より有意に優勢(3またはそ れ以上の標準偏差によって)である肝臓由来のファミリー内Vβ遺伝子フラグメ ント長プロフィールにおける64フラグメントを同定した。これらの同定された64 フラグメントの10のみが、それらの特定のファミリー内プロフィールにおける総 ファミリーピーク面積の40%以上であった。逆に、それらの総ファミリーピーク 面積の40%以上の2つのVβフラグメントは推定のクローン拡張として同定され なかった。なぜなら、それらは、対応するコントロールピークの優勢より有意に 優勢(3またはそれ以上の標準偏差によって)ではなかったからである。 肝硬変患者の末梢血由来のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールに 関して、それらのそれぞれのファミリー内プロフィールの総ピーク面積の40%以 上を示す2つのフラグメントのみを同定した。Vα29プロフィールにおいて、第 1のピークは、Vα29コントロールプロフィールにおける対応するフラグメント より≧3標準偏差によって優勢であった。Vβ24プロフィールにおいて、第2の ピークは、3未満の標準偏差であるが、2以上の標準偏差によって、コントロー ルVβ24コントロールプロフィールにおける対応するフラグメントより優勢であ った。少なくとも2の標準偏差によってコントロールプロフィールにおける対応 するフラグメントより優勢である複数のフラグメントを、患者の末梢血プロフィ ールにおいて同定した。これらのフラグメントのいくつかをまた、≧3の標準偏 差によって、肝臓プロフィールにおいてより有為に優勢であると同定したが、ほ とんどは同定しなかった。このデータの1つの解釈は、免疫応答を活発に媒介す るそれらのT細胞が、標的器官(この場合、肝臓)に迅速に侵入して血液を放出 し、そして標的器官中で濃縮し得ることである。 本発明のファミリー内遺伝子フラグメント分析法によるクローン拡張事象の推 定的同定が、当該分野で公知の技術を用いてさらに改変され得ることが当業者に 理解される。例えば、適切なJβ「ランオフ(run-off)」反応を、推定の増殖 T細胞クローンのTCRをコードする遺伝子セグメントをさらに特徴付けるために 行い得る。 【図3】【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1998年1月14日(1998.1.14) 【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG, MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM ,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物被験体においてT細胞レパートリーを分析するために有用なファミ リー内遺伝子フラグメント長プロフィールを生成する方法であって、以下の工程 : (a)哺乳動物被験体から生物学的サンプルを提供する工程、該生物学的サンプ ルはT細胞を含む; (b)該生物学的サンプルからRNAを単離する工程; (c)該RNAからcDNAを合成する工程; (d)第1のポリメラーゼ連鎖反応を以下を含む反応混合物で行う工程: (i)テンプレートとしての工程(c)からのcDNA; (ii)ファミリー特異的T細胞レセプター可変部オリゴヌクレオチドプライマ ー;および (iii)第1のT細胞レセプター定常部オリゴヌクレオチドプライマー、 ここで該第1のポリメラーゼ連鎖反応は、T細胞レセプター可変部遺伝子ファミ リーの、T細胞レセプター第3相補性決定部(TCR-CDE3)をコードするDNAを増幅 する; (e)第2のポリメラーゼ連鎖反応を以下を含む反応混合物で行う工程: (i)テンプレートとしての工程(d)からの増幅DNA、 (ii)ファミリー特異的T細胞レセプター可変部オリゴヌクレオチドプライマ ー、および (iii)第2のT細胞レセプター(TCR)定常部オリゴヌクレオチドプライマー; ここで該第2のポリメラーゼ連鎖反応は、T細胞レセプター可変部遺伝子ファミ リーのTCR-CDE3をコードする増幅DNAフラグメントを提供する; (f)第2のポリメラーゼ連鎖反応からのDNAフラグメントを長さによって分離す る工程;ならびに (g)工程(f)に従って分離されたDNAフラグメントの優勢を決定して、該T細胞 レセプター可変部遺伝子ファミリーについてのファミリー内遺伝子フラグメント 長プロフィールを提供する工程 を包含する、方法。 2.前記工程(d)および(e)のファミリー特異的T細胞レセプター可変部オリゴヌ クレオチドプライマーが同一である、請求項1に記載の方法。 3.前記ファミリー特異的T細胞レセプター可変部オリゴヌクレオチドプライマ ーがα鎖可変部遺伝子ファミリー(Vα)に特異的であり、そして前記T細胞レセ プター定常部オリゴヌクレオチドプライマーがα鎖定常部(Cα)に特異的である 、請求項2に記載の方法。 4.前記生物学的サンプルが哺乳動物被験体からの液を含み、該液が滑液、脳脊 椎液、リンパ液、および胃腸液からなる群から選択される、請求項1〜3のいず れか1つに記載の方法。 5.前記生物学的サンプルが哺乳動物被験体からの末梢血由来である、請求項1 〜3のいずれか1つに記載の方法。 6.前記生物学的サンプルが哺乳動物被験体からの組織由来である、請求項1〜 3のいずれか1つに記載の方法。 7.前記哺乳動物被験体がヒトである、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方 法。 8.哺乳動物個体においてT細胞免疫増殖状態をアッセイする方法であって、以 下の工程: (A)請求項1〜7のいずれか1つに従い、哺乳動物個体についてファミリー内 遺伝子フラグメント長アッセイプロフィールを生成する工程;および (B)工程(A)のファミリー内遺伝子フラグメント長アッセイプロフィールを、該 哺乳動物個体と同一種の健常な哺乳動物被験体の血球由来のファミリー内遺伝子 フラグメント長コントロールプロフィールと比較して、コントロールプロフィー ルよりもアッセイプロフィールにおいてより優勢である遺伝子フラグメント長の 存在または不在を決定する工程、ここで、該コントロールプロフィールは該アッ セイプロフィールと同じ可変部遺伝子ファミリーについてであり、そしてコント ロールプロフィールよりもアッセイプロフィールにおいてより優勢である遺伝子 フラグメント長の存在はT細胞免疫増殖状態と相関する、 を包含する、方法。 9.前記哺乳動物被験体がヒトである、請求項8に記載の方法。 10.前記コントロールプロフィールが少なくとも8のフラグメント長を含む、 請求項9に記載の方法。 11.前記コントロールプロフィールが少なくとも10のフラグメント長を含む、 請求項9に記載の方法。 12.前記コントロールプロフィールが複数の単一ファミリー内遺伝子フラグメ ント長プロフィール由来の平均プロフィールであり、そして該単一プロフィール のそれぞれが前記哺乳動物個体と同一種の健常な哺乳動物被験体の血球由来であ る、請求項8〜11のいずれか1つに記載の方法。 13.コントロールプロフィールよりもアッセイプロフィールにおいて、少なく とも2の標準偏差でより優勢である遺伝子フラグメント長の存在がT細胞免疫増 殖状態と相関する、請求項8〜12のいずれか1つに記載の方法。 14.工程(A)および(B)が、少なくとも28のTCRα鎖可変部遺伝子ファミリーに ついて、少なくとも28のファミリー特異的T細胞レセプターα鎖可変部オリゴヌ クレオチドプライマーを使用して繰り返され、そしてT細胞免疫増殖状態の存在 が、対応するコントロールプロフィールよりも少なくとも1つのアッセイプロフ ィー ルにおいてより優勢である遺伝子フラグメント長と相関する、請求項8〜13の いずれか1つに記載の方法。 15.哺乳動物個体においてT細胞免疫増殖状態をアッセイする方法であって、 以下の工程: (a)哺乳動物個体からT細胞を含む生物学的サンプルを得る工程; (b)該生物学的サンプルから、T細胞レセプター(TCR)β鎖可変部遺伝子ファミ リー(Vβ)について、ファミリー内遺伝子フラグメント長アッセイプロフィール を生成する工程;および (c)工程(b)のアッセイプロフィールを該哺乳動物個体と同一種の健常な哺乳動 物被験体の血球由来の少なくとも12のフラグメント長のファミリー内遺伝子フラ グメント長コントロールプロフィールと比較して、コントロールプロフィールよ りもアッセイプロフィールにおいてより優勢である遺伝子フラグメント長の存在 または不在を決定する工程、ここで、該コントロールプロフィールは該アッセイ プロフィールと同じ可変部遺伝子ファミリーについてであり、そして、コントロ ールプロフィールよりもアッセイプロフィールにおいてより優勢である遺伝子フ ラグメント長の存在はT細胞免疫増殖状態と相関する、 を包含する、方法。 16.前記生物学的サンプルが哺乳動物個体からの液を含み、該液が滑液、脳脊 椎液、リンパ液、および胃腸液からなる群から選択される、請求項15に記載の 方法。 17.前記生物学的サンプルが哺乳動物個体からの末梢血由来である、請求項1 5に記載の方法。 18.前記生物学的サンプルが哺乳動物個体からの組織由来である、請求項15 に記載の方法。 19.前記哺乳動物個体がヒトである、請求項15〜18のいずれか1つに記載 の方法。 20.前記コントロールプロフィールが少なくとも14のフラグメント長を含む、 請求項19に記載の方法。 21.工程(b)および(c)が、少なくとも25のTCRβ鎖可変部遺伝子ファミリーに ついて繰り返され、そしてT細胞免疫増殖状態の存在が対応するコントロールプ ロフィールよりも少なくとも1つのアッセイプロフィールにおいてより優勢であ る遺伝子フラグメント長と相関する、請求項19または20に記載の方法。 22.コントロールプロフィールが複数の単一ファミリー内遺伝子フラグメント 長プロフィール由来の平均プロフィールであり、そして該単一プロフィールのそ れぞれが、前記哺乳動物個体と同一種の健常な哺乳動物被験体の血球由来である 、請求項15〜21のいずれか1つに記載の方法。 23.工程(b)が、以下の工程: (i)前記生物学的サンプルからRNAを単離する工程 (ii)該RNAからcDNAを合成する工程: (iii)ポリメラーゼ連鎖反応を以下を含む反応混合物で行う工程: (A)テンプレートとしての工程(ii)のcDNA、および (B)ファミリー特異的Vβオリゴヌクレオチドプライマー、 ここで、該ポリメラーゼ連鎖反応は、1つのVβ遺伝子ファミリーのT細胞レセ プター第3相補性決定部(TCR-CDR3)をコードする増幅DNAフラグメントを提供す る、 (iv)ポリメラーゼ連鎖反応からのDNAフラグメントを長さによって分離する工 程;および (v)工程(iv)に従って分離されたDNAフラグメントの優勢を決定して、ファミリ ー内遺伝子フラグメント長アッセイプロフィールを提供する工程 を含む、請求項15〜22のいずれか1つに記載の方法。 24.前記工程(iii)のポリメラーゼ連鎖反応混合物がT細胞レセプター(TCR)β 鎖定常部(Cβ)オリゴヌクレオチドプライマーをさらに含む、請求項23に記載 の方法。 25.以下の工程をさらに含む、請求項15〜24のいずれか1つに記載の方法 : (d)前記生物学的サンプルから、TCRα鎖可変部遺伝子ファミリー(Vα)につい て、ファミリー内遺伝子フラグメント長アッセイプロフィールを生成する工程; (e)工程(d)のアッセイプロフィールを前記哺乳動物個体と同一種の健常な哺乳 動物被験体の血球由来のファミリー内Vα遺伝子フラグメント長コントロールプ ロフィールと比較して、コントロールVαプロフィールよりも、工程(d)のアッ セイプロフィールにおいてより優勢である遺伝子フラグメント長の存在または不 在を決定する工程、ここで、該コントロールVαプロフィールは、工程(d)のア ッセイプロフィールと同じ可変部遺伝子ファミリーについてであり、そしてT細 胞免疫増殖状態は、(i)工程(c)のコントロールプロフィールよりも工程(b)のア ッセイプロフィールにおいてより優勢な遺伝子フラグメント長の存在、および(i i)コントロールVαプロフィールよりも工程(d)のアッセイプロフィールにおい てより優勢な遺伝子フラグメント長の存在と相関する。 26.前記コントロールVαプロフィールが複数の単一ファミリー内遺伝子フラ グメント長プロフィール由来の平均プロフィールであり、そして該単一プロフィ ールのそれぞれが、前記哺乳動物個体と同一種の健常な哺乳動物被験体の血球由 来である、請求項25に記載の方法。 27.工程(b)および(c)が25のTCRβ鎖可変部遺伝子ファミリーについて繰り返 され、そして工程(d)および(e)が28のTCRα鎖可変部遺伝子ファミリーについて 繰り返され、ここでT細胞免疫増殖状態は、(i)工程(c)の対応するコントロール プ ロフィールよりも工程(b)の少なくとも一つのアッセイプロフィールにおいてよ り優勢な遺伝子フラグメント長の存在、および(ii)対応するコントロールVαプ ロフィールよりも工程(b)の少なくとも一つのアッセイプロフィールにおいてよ り優勢な遺伝子フラグメント長の存在と相関する、請求項25または26に記載 の方法。 28.免疫調節処置の治療的効力をモニターするための方法であって、以下の工 程: (a)疾患のための免疫調節処置が必要な哺乳動物被験体から生物学的サンプル を得る工程、該生物学的サンプルはT細胞を含む; (b)TCRベータ鎖可変部遺伝子ファミリーおよびTCRアルファ鎖可変部遺伝子ファ ミリーからなる群から選択されるT細胞レセプター(TCR)可変部遺伝子ファミリ ーについて、生物学的サンプルから第1のファミリー内遺伝子フラグメント長プ ロフィールを生成する工程; (c)該第1のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール内のより短い遺伝 子フラグメント長と該疾患に対するT細胞の増殖応答を相関させる工程; (d)該第1のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールにおける他の遺伝 子フラグメント長の優勢に関連して、該より短い遺伝子フラグメント長の前処置 遺伝子フラグメント長優勢を決定する工程; (e)該哺乳動物被験体を、該疾患のための該免疫調節処置で処置する工程; (f)工程(e)に従って該哺乳動物被験体の処置を開始後、該哺乳動物被験体からT 細胞を含む生物学的サンプルを得る工程; (g)工程(f)の生物学的サンプルから、第2のファミリー内遺伝子フラグメント長 プロフィールを、工程(b)において選択されたTCR可変部遺伝子ファミリーについ て生成する工程; (h)該第2のプロフィールにおける他の遺伝子フラグメント長の優勢と関連して 該より短い遺伝子フラグメントについて、処置遺伝子フラグメント長優勢を決定 する工程; (i)工程(h)の処置遺伝子フラグメント長優勢を、工程(d)の前処置遺伝子フラグ メント長優勢と比較する工程、ここで: (i)前処置優勢を超える処置遺伝子フラグメント長優勢は、工程(e)の処置に 対する免疫増殖応答と相関する、および (ii)前処置優勢未満の処置遺伝子フラグメント長優勢は、工程(e)の処置に 対する免疫抑制応答と相関する、 を包含する、方法。 29.前記哺乳動物被験体がヒトである、請求項28に記載の方法。 30.前記免疫調節処置が新生物形成および感染からなる群から選択される疾患 のための免疫増殖処置である、請求項29に記載の方法。 31.前記免疫調節処置が自己免疫疾患および同種移植片拒絶疾患からなる群か ら選択される疾患のための免疫抑制処置である、請求項29に記載の方法。 32.前記免疫調節処置が疾患の予防処置のためのワクチンである、請求項29 に記載の方法。 33.前記可変部遺伝子ファミリーがアルファ鎖可変部遺伝子ファミリーである 、請求項28〜32のいずれか1つに記載の方法。 34.前記可変部遺伝子ファミリーがベータ鎖可変部遺伝子ファミリーであり、 そして第1のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールが少なくとも14の フラグメント長を含む、請求項28〜32のいずれか1つに記載の方法。 35.工程(b)が以下の工程を含む、請求項28〜34のいずれか1つに記載の 方法: (i)前記生物学的サンプルからRNAを単離する工程; (ii)該RNAからcDNAを合成する工程; (iii)第1のポリメラーゼ連鎖反応を以下を含む反応混合物で行う工程: (A)テンプレートとしての工程(ii)からのcDNA (B)ファミリー特異的T細胞レセプター可変部オリゴヌクレオチドプライマ ー;および (C)第1のT細胞レセプター定常部オリゴヌクレオチドプライマー、 ここで該第1のポリメラーゼ連鎖反応は、T細胞レセプター可変部遺伝子ファミ リーのT細胞レセプター第3相補性決定部(TCR-CDR3)をコードするDNAを増幅す る; (iv)第2のポリメラーゼ連鎖反応を以下を含む反応混合物で行う工程: (A)テンプレートとしての工程(iii)からの増幅DNA (B)ファミリー特異的T細胞レセプター可変部オリゴヌクレオチドプライマ ー、および (C)第2のT細胞レセプター(TCR)定常部オリゴヌクレオチドプライマー;こ こで該第2のポリメラーゼ連鎖反応は、T細胞レセプター可変部遺伝子ファミリ ーの、TCR-CDR3をコードする増幅DNAフラグメントを提供する; (v)第2のポリメラーゼ連鎖反応からのDNAフラグメントを、長さによって分離 する工程;ならびに (vi)工程(v)に従って分離されたDNAフラグメントの優勢を決定して、該T細胞 レセプター可変部遺伝子ファミリーについてのファミリー内遺伝子フラグメント 長プロフィールを提供する工程。 36.T細胞レセプター(TCR)レパートリー分析を行うためのキットであって、 組み合わせて、以下を含むキット: (a)ヒトα鎖可変部遺伝子ファミリーおよびヒトβ鎖可変部遺伝子ファミリー からなる群から選択されるTCR可変部遺伝子ファミリーに特異的な少なくとも1 つのオリゴヌクレオチドプライマー、および (b)ヒトTCRα鎖またはヒトβ鎖定常部に特異的な少なくとも二つのオリゴヌク レオチドプライマー。 37.組み合わせて、以下を含む請求項36に記載のキット: (a)ヒトTCRα鎖可変部遺伝子ファミリーに特異的な少なくとも1つのオリゴヌ クレオチドプライマー、および (b)ヒトTCRα鎖定常部に特異的な少なくとも2つのオリゴヌクレオチドプライ マー。 38.T細胞レセプター(TCR)レパートリー分析を行うためのキットであって、 組み合わせて、以下を含むキット: 1つのTCR可変部遺伝子ファミリーに特異的なオリゴヌクレオチドプライマー ;および、 該1つのTCR可変部遺伝子ファミリーについてのファミリー内遺伝子フラグメ ント長プロフィール、該プロフィールは健常なヒト被験体の血球由来である。 39.少なくとも1つのTCR定常部に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを さらに含む請求項38に記載のキットであって、前記1つのTCR可変部遺伝子フ ァミリーがα鎖可変部遺伝子ファミリーである場合、該オリゴヌクレオチドプラ イマーはTCRα鎖定常部に特異的であり、そして前記1つのTCR可変部遺伝子ファ ミリーがβ鎖可変部遺伝子ファミリーである場合、該オリゴヌクレオチドプライ マーはTCRβ鎖定常部に特異的である、キット。 40.前記ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールが健常なヒト被験体 の血球由来の複数のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール由来の平均 プロフィールである、請求項38または39に記載のキット。 41.前記1つのTCR可変部遺伝子ファミリーがVα遺伝子ファミリーである、 請求項38〜40のいずれか1つに記載のキット。 42.前記ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールが少なくとも10のフ ラグメント長を含む、請求項41に記載のキット。 43.以下を含む、請求項41に記載のキット:28のTCR Vα遺伝子ファミリー のPCR増幅のための、28のファミリー特異的オリゴヌクレオチドプライマー;お よび 該TCR Vα遺伝子ファミリーのそれぞれについての少なくとも8のフラグメン ト長のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール、ここで該プロフィール のそれぞれは健常なヒト被験体の血球由来である。 44.前記1つのTCR可変部遺伝子ファミリーがVβ遺伝子ファミリーである、 請求項38〜40のいずれか1つに記載のキット。 45.前記ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールが少なくとも13のフ ラグメント長を含む、請求項44に記載のキット。 46.以下を含む、請求項44に記載のキット:25のTCR Vβ遺伝子ファミリー のPCR増幅のための、25のファミリー特異的オリゴヌクレオチドプライマー;お よび 該25のTCR Vβ遺伝子ファミリーのそれぞれについての、少なくとも12のフラ グメント長のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール、ここでプロフィ ールのそれぞれは健常なヒト被験体の血球由来である。 47.前記TCRα鎖可変部遺伝子ファミリーについてのファミリー内遺伝子フラ グメント長プロフィールをさらに含む請求項37に記載のキットであって、該プ ロフィールが健常なヒト被験体の血球由来である、キット。 48.前記ファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィールが、健常なヒト被験 体の血球由来の複数のファミリー内遺伝子フラグメント長プロフィール由来の平 均プロフィールである、請求項47に記載のキット。
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