JP2000501603A - 尿生殖洞由来増殖因子のヌクレオチドおよびアミノ酸配列 - Google Patents

尿生殖洞由来増殖因子のヌクレオチドおよびアミノ酸配列

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、尿生殖洞由来の成長阻害因子であるps20に関する。ps20のアミノ酸およびヌクレオチド配列を提供する。また、本発明においてはps20に結合する抗体も提供される。さらにps20は、ジスルフィドコアドメインファミリーのWAP-タイプのメンバーであり、そしてプロテアーゼ阻害機能を有することが示される。

Description

【発明の詳細な説明】 尿生殖洞由来増殖因子のヌクレオチドおよびアミノ酸配列予備出願への相互参照 本出願は、1995年12月7日に出願された米国予備出願第60/008,348号の利益を 享受する。政府の利益 以下の発明はNIH認可第DK45909号およびCA58093号により一部援助された。米 国政府は本発明において一定の権利を有する場合がある。発明の背景 1.発明の分野 本発明は、尿生殖洞由来増殖阻害因子、ps20に関する。より具体的には、本発 明は、当該因子の使用並びに上記因子のアミノ酸およびヌクレオチド配列に関す る。本発明はまた、上記因子に結合する抗体に関する。2.先行技術の説明 上皮分化パターンは、肺、乳房、胃、皮膚、眼および前立腺を含む大部分の真 核組織中の間質細胞によって誘導される。前立腺の発生においては、管形態形成 および上皮の腺房の分化が、間質誘導から生じる。異型の組織−組織組換え体に おいては、胎児の尿生殖洞(前立腺の原基)からの間充織は、膀胱上皮細胞を誘 導して、管形態形成を行わせ、前立腺特異的タンパク質を発現できる前立腺の上 皮表現型へと分化させる。 前立腺の管形態形成は間質誘導上皮細胞の増殖によって特徴付けられる。この 後、(分泌表現型への)上皮の細胞分化は、間質の相互作用を同様に必要とする 細胞休止と相関している。大部分の細胞では、分化した遺伝子発現は、細胞増殖 の減少と関連している。細胞培養物では、(上皮細胞への)増殖刺激活性が、bF GFおよびNGF様因子を含めて、前立腺の間質細胞から馴化培地中で観察されてい る。間質由来因子の可能性の高い候補としてケラチノサイト増殖因子(KGF)を 同定することが進められている。KGFの発現は間質に制限されており、前立腺で はアンドロゲンで調節されている。KGFは、精嚢の上皮分化の間質誘導を部分的 に仲介する。TGF-β1およびTGF-β受容体は前立腺ではアンドロゲンによって負 に調節される。TGF-βは発生中に発現するが、しかしながら、前立腺の発生にお けるそれらの役割は明らかでない。前立腺間質培養物から分泌された増殖阻害活 性が、本発明者の研究室および他者により報告されており、これらはTGF-β類を 含む既知の阻害因子によるものではない。この増殖阻害活性は、尿生殖洞由来増 殖阻害因子(UGIF)/ps20タンパク質によるものであり、これもまたタンパク質 合成を誘導し、標的上皮細胞の表現型の形態を変化させる。他の全ての増殖調節 タンパク質と同様に、ps20は前立腺に特異的ではなく、間充織および平滑筋細胞 においても発現している。上皮分化を後に伴う前立腺の管形態形成の発生パター ンには、種々の正および負の増殖調節因子の時期の定まった発現が関与している らしい。 ラットおよびヒトの前立腺平滑筋細胞株を用いた研究により、生理的濃度(5 -10mM)のアンドロゲンによりアンドロゲンで刺激された増殖が示される。これ らの所見は共に、尿生殖洞間充織および成体平滑筋細胞が、前立腺において間質 −上皮相互作用に本質的な遺伝子を発現する可能性が高いことを示す。 アンドロゲン応答性間質細胞株の単離と培養が技術的に困難であり、分泌タン パク質または細胞外マトリックスタンパク質の生化学的分析が困難であり、そし て組織特異的間質細胞cDNAライブラリーの入手が比較的困難であるために、間質 由来調節タンパク質とそれらの機構の同定の進歩は限定されている。 良性前立腺過形成(BPH)および前立腺癌は、前立腺上皮の増殖と分化の異常 である。BPH異常は間質−上皮相互作用とおそらく最も関係がある。BPHは局在化 した間質細胞増殖から開始する。BPHの開始は、前立腺間質の誘導性潜在力の「 再覚醒(reawakening)」と称され、胎児状態への間質の自発的な転換である。 従って、尿道周囲領域における間質細胞の異常な増殖は、隣接する上皮細胞から の腺房の進界成長(ingrowth)と異常形成を誘導できる。 前立腺の発癌の間、癌腫の進行パターンには間質−上皮相互作用が関与する。 前立腺の癌腫は、アンドロゲン応答性状態から抗アンドロゲン治療にもはや応答 しないアンドロゲン不感受性状態への進行に特徴がある。アンドロゲン不感受性 への進行は、間質細胞での遺伝子発現の変化から生じることを示唆するいくつか の証拠が存在する。ダンニング(Dunning)ラット前立腺癌腫では、間質の型は 隣接する上皮がFGF受容体(FGFRc2 IIIbから IIIc)のエキソンスイッチングを 示すのを誘導し、これがこれらの上皮細胞にアンドロゲン不感受性増殖を付与す る。ダンニング(Dunning)腫瘍前立腺癌腫細胞の増殖は、正常精嚢または尿生 殖洞間充織と再結合した場合に7倍阻害された。再結合した癌腫細胞は表現型の 形態の変化を示した。正常間充織と再結合した場合、癌腫細胞は、野生型のダン ニング(Dunning)腫瘍における典型的な鱗屑状/立方体様の未分化の表現型と 比較した場合、分化した分泌上皮に典型的な背の高い円柱状の細胞形を示した。 この点に関して、平滑筋がダンニング前立腺腫瘍に存在しないことは興味深い。 さらに、癌腫形成のパターンは、関連した間質細胞の起源によって影響を受ける ことがある。膀胱転換細胞癌腫を正常尿生殖洞間充織と再結合すると前立腺に典 型的な腺状腺癌の表現型の形成が生じた。マウスに前立腺腫瘍を生成するための 組織−組織再結合試験には、ヒト表現型に典型的な前立腺腺癌を生成するために (mycおよびrasによる)間充織の形質転換が必要である。逆に言えば、繊維肉腫 催腫瘍性間質細胞を非催腫瘍性正常上皮細胞と一緒にヌートマウスに接種すると 、癌腫と繊維肉腫の混合が生じた。これらの研究は共に、前立腺癌腫上皮が間質 環境に応答性であり、前立腺癌腫の進行および全体の表現型は間質の相互作用に ある程度依存していることを示している。従って、間質−上皮相互作用の機構に 関与する鍵となるタンパク質が前立腺の増殖疾患の研究にとって重要であると考 えられる。 プロテアーゼとプロテアーゼ阻害剤の作用のバランスが、組織、細胞外マトリ ックス(ECH)組成物、および増殖因子活性化過程のモデリングに関与している 。プロテアーゼは、胚形成、細胞外マトリックスモデリング/再モデリングにお いて、並びに異常増殖、腫瘍浸潤の促進および転移の形成を含む腫瘍形成におい て重要な役割を担っている。メタロプロテナーゼ類が、乳癌、結腸癌、神経芽細 胞腫および前立腺癌を含む大部分の新生物疾患において過剰発現していることは 十分に証明されている。カテプシンBおよびDを含むシステインプロテアーゼ類 は、 前立腺癌を含む多くの癌転移で上昇している。プラスミノゲン活性化因子(PA) プロテアーゼは、作用の誘導されたカスケードのために、腫瘍の進行に重要であ る。プラスミノゲン活性化因子は、不活性なプラスミノゲンを活性型であるプラ スミンに変換するセリンプロテアーゼ類である。プラスミンは次いで、糖タンパ ク質、プロテオグリカン(ヘパリンおよびヘパリン−硫酸塩を含む)、およびゼ ラチンを含むECM成分に対して幅広いタンパク質分解性のトリプシン様の作用を 示す。プラスミンはまた、TGF-β類を含め、多様なECM結合増殖因子を潜在型か ら活性型へと活性化する。ウロキナーゼ型PAおよび組織型PAは最も広く調べられ たPA類であった。ウロキナーゼPAは組織モデリング−再モデリング活性に主とし て関与する一方、組織PAは血餅溶解において最も活性である。 プラスミノゲンは全部の組織および液体において存在するために、プラスミン の局所的効果はPAの局所的発現によって仲介される。ウロキナーゼPAは、膜に固 定した特異的受容体と高い親和性で結合する不活性なプロ型として分泌され、そ こでそれは切断されて活性型になり、数時間(細胞表面上に)そのままでいる。 細胞表面上で、ウロキナーゼPAは限局性作用を有する結果、約40倍のプラスミン 活性化の局所的増大が生じる。プラスミン活性は、活性ウロキナーゼを発現する 細胞表面に対する限局性環境において増大している。限局性のプラスミンはECM の分解を行い、メタロプロテナーゼ類(プロコラゲナーゼ、プロストロメリシン 、エラスターゼ)を活性化する。従って、少量のウロキナーゼPAの分泌は限局性 のプラスミンカスケードを生じさせ、一定範囲の他の酵素および因子を生じさせ る。ウロキナーゼPAは、セリンプロテアーゼ阻害剤であるPA阻害剤(PAI類)に よって阻害される。PA類(および他のプロテアーゼ)の局所的作用が高度に調節 された機構により発生過程の幅広い配列中で関与している。PA類、PAI類、およ びプロテアーゼは各々ホルモンおよび増殖因子によって調節されている。 発生における作用に加えて、ウロキナーゼPAは大部分の腫瘍転移において上昇 している。上昇したウロキナーゼPAは、腫瘍浸潤の増大、腫瘍容積の増大、およ び細胞増殖速度の増大とともに、プロテアーゼおよび増殖因子の下流活性化をも たらす。前立腺では、プロテアーゼおよび阻害剤の研究は癌腫の進行に主として 焦点を当ててきた。PA活性は正常組織よりも前立腺癌腫の方が高く、ウロキナー ゼPA型が進行に主として関連している。ウロキナーゼPAは一次腫瘍部位と比較し て前立腺骨転移で上昇している。ウロキナーゼPAはダンニング、ノベル(Nobel )、ロブンド-ウイスター(Lobund-Wister)、およびフィッシャー(Fisher)-3 34前立腺腫瘍で過剰発現している。さらに、ウロキナーゼPAはPC-3およびDU-145 ヒト前立腺癌腫細胞株によって分泌される優勢なPAであり、これらの細胞株はウ ロキナーゼPA細胞表面受容体を示す。本発明者の研究では、PC-3細胞株を使用し て胎児尿生殖洞間充織細胞から分泌されたps20を同定および精製した。ヌードマ ウスへのPC-3の転移は変異したウロキナーゼPAまたはウロキナーゼPA受容体阻害 抗体によって阻害された。 直接的な証拠により、ウロキナーゼPA阻害剤および他のプロテアーゼ阻害剤に よる癌細胞の増殖阻害が示されている。合成ウロキナーゼPA阻害剤(p-アミノ ベンズアミジン)は、SCIDマウスにおけるDU-145ヒト前立腺癌腫の進行と培養物 中の細胞増殖とを用量依存様式で阻害した(腫瘍容積の減少64%)。プロテアー ゼ阻害剤アクチノニンは、コラーゲンゲル中で乳腫瘍進行(非転移型と転移型の 両方)を阻害した。バチマスタット(Batimastat)、マトリックスメタロプロテ ナーゼ阻害剤は、2つのヒト結腸癌腫の肺での器官浸潤を阻害した(腫瘍容積の 減少72%)。ヒト前立腺では、酸システインプロテナーゼ阻害剤(ACPI)(カテ プシン阻害剤)の発現の減少が正常組織と比較してBPH組織で見られた。ヒト前 立腺の腺癌組織中ではACPIの発現は見られなかった。従って、プロテアーゼとプ ロテアーゼ阻害剤のバランスがヒトBPHおよび癌腫で増殖に影響しているようで ある。 本明細書中に参照により取り込まれる米国特許第5,196,334号には、尿生殖洞 由来増殖阻害因子、UGIF(ps20)の単離と部分的特徴付けが記載されている。し かしながら、ps20のアミノ酸およびヌクレオチド配列は以前には記載されていな い。さらに、ps20に対する抗体も以前には記載されていない。発明の要旨 本発明は、尿生殖洞由来増殖阻害因子のアミノ酸およびヌクレオチド配列に関 する。従って、尿生殖洞由来増殖阻害因子、UGIF(ps20)をコードするアミノ酸 配列が本明細書中に提供される。本発明のps20はプロテアーゼ阻害作用を有する 。尿生殖洞由来増殖阻害因子タンパク質をコードするヌクレオチド配列もまた本 明細書中に提供される。尿生殖洞由来増殖阻害因子、ps20に結合する抗体もまた 本明細書中に提供される。 本発明のこれらおよび他の利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろ う。図面の簡単な説明 図1:ラットps20のcDNAおよび推定アミノ酸配列。 図2:ps20の4個のジスルフィドコアドメインと他のファミリー構成因子との 整列。 図3:ps20ペプチド抗体によるウエスタン分析。 図4:免疫組織化学による局在化。 図5:ヒト良性前立腺過形成におけるps20の免疫局在化。 図6:ヒトの僅かに分化した癌腫におけるps20の免疫局在化。 図7:配列番号1、ラットps20のcDNAヌクレオチド配列。 図8:配列番号2、ラットps20のアミノ酸配列。 図9:配列番号3、ヒトps20のcDNAヌクレオチド配列。 図10:配列番号4、ヒトps20のアミノ酸配列。発明の詳細な説明 ps20の単離および特徴付けは、米国特許第5,196,334号および米国特許出願番 号第07/928,867(登録料支払い済)中に開示され、これらは本明細書中に参照に より取り入れられる。本発明はps20のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を提供す る。本明細書中で使用する場合、「ヌクレオチド配列」という用語には、ポリヌ クレオチドおよび/またはオリゴヌクレオチドが含まれ、天然由来の塩基と天然 のホスホジエステル結合によって結合したシクロフラノシル基とから形成した複 数の結合したヌクレオチド単位を意味する。この用語は、天然由来種または天然 由来サブユニットから形成した合成種のことを事実上意味する。「ヌクレオチド 配列」はまた、同様に機能するが非天然由来の部分を有する、プリンおよびピリ ミジン基および成分をも意味する。即ち、ヌクレオチド配列は変化した糖成分ま たは糖内結合を有していてもよい。これらの例は、ホスホロチオエートおよび他 の糖含有種である。それらはまた、生物学的活性が維持される限り、変化した塩 基単位または他の修飾を含有していてもよい。ヌクレオチド配列はまた、少なく とも幾つかの修飾した塩基形態を含む種を含んでいてもよい。即ち、天然に通常 見られるもの以外のプリンおよびピリミジンを使用してもよい。同様に、生物学 的機能が修飾によって排除されない限り、ヌクレオチドサブユニットのシクロフ ラノース部分上に修飾が生じていてもよい。 以下で明らかになる通り、ps20のクローニングおよび配列決定はこのタンパク 質がプロテアーゼ阻害作用を有することを明らかにする。従って、ps20およびそ のヌクレオチド配列は、プロテアーゼ阻害が望まれる多数の用途で使用すること ができる。これらには、細胞増殖の阻害または調節、癌細胞増殖の阻害または調 節、癌転移の阻害または調節、プロテアーゼ作用によって活性化される他の増殖 因子の生物学的活性の調節、細胞増殖および/または細胞分化(遺伝子発現の変 化)および/または細胞形態または細胞外マトリックスによって調節される他の 細胞機能の変化を生じさせる細胞外マトリックスタンパク質の調節、プロテアー セ作用に関連する増殖因子活性の活性化および不活性化が含まれるが、これらに 限定されない。ps20に応答性の疾患または状態には、前立腺癌および転移、乳癌 および転移、卵巣癌および転移、移行細胞癌腫および9転移、腎細胞癌腫および 転移、気管支原生癌(肺癌)および転移、結腸直腸癌腫および転移、子宮内膜( 子宮)癌腫および転移、悪性メラノーマおよび転移、肝細胞性癌腫(腎臓癌)お よび転移、膵臓癌および転移、睾丸の精上皮腫および非精上皮腫の生殖細胞腫瘍 および転移、頸部癌および転移、食道偏平上皮細胞癌腫および転移、胃癌腫およ び転移、アテローム硬化症、血管形成後の再狭窄、血管壁損傷に伴う血管平滑筋 増殖、良性前立腺癌腫、損傷治癒、および慢性炎症が含まれるが、これらに限定 されない。当業者ならば、既知の薬物動態技術を使用して所望のプロテアーゼ阻 害作用を達成するためにps20の好適な投与量を調べることができるであろう。 さらに、ps20をコードするヌクレオチド配列は、前立腺癌および良性前立腺過 形成などの(これらに限定されない)前立腺疾患を発達させる危険を評価するた めの診断道具として使用することができる。ps20をコードするDNA配列を単離し て、正常および/または危険状態の個人に見られる配列と比較することができる 。診断分析において、「危険状態」の個人とは前立腺疾患を有するか発達させて いるかもしれない人である。さらに、ps20およびそのヌクレオチド配列は、多数 の疾患または異常を予防するために使用することができる。当業者ならば適当な 予防投与量を決定できるであろう。また、ps20ヌクレオチド配列は、動脈硬化お よび再狭窄などの(これらに限定されない)心臓血管性疾患のスクリーニングの ために使用することもできる。本発明のヌクレオチド配列を使用して、ラットま たはヒトのps20のアミノ酸配列を有する組換えタンパク質を構築することができ る。さらに、若干の修飾を有するタンパク質も、本発明のヌクレオチド配列を使 用して構築することができる。本発明のヌクレオチド配列を含むベクターも提供 される。 ps20に対する抗体も本明細書中に提供される。本抗体を使用してps20保有細胞 を同定および計数することができ、または体液中のps20の量を単離または定量す ることができる。この目的のために、本抗体は当業者に既知の標準分析法で使用 することができる。一般には、抗体を、抗体がps20と結合するのを可能にする条 件下で試料と接触させる。定量は当業者に既知の慣用技術によって行われる。こ れらには、組織化学技術ENIT、ELISA、ラテックス凝集免疫分析、FPIAおよび他 の免疫分析技術が含まれるが、これらに限定されない。ps20に対する有用な抗体 にはポリクローナルまたはモノクローナル抗体が含まれる。 以下の実施例は本発明の具体的実施態様を例示するためのものであり、本発明 の範囲に対する限定とみなされるべきではない。実施例1.ps20のクローニングと配列決定 この実施例は、ラットps20のクローニングとヌクレオチド配列決定について記 載する。ps20のcDNAをクローン化するために、cDNAライブラリーを、ウェスタン 解析によりps20を高発現する細胞であることがわかったラット前立腺平滑筋PS-1 細胞株から調製した。PS-1細胞株は、米国特許出願第07/928867号に記載されて いる。cDNAライブラリーは、オリゴd(T)をプライマーとしたcDNAからラムダZAP 発現ベクター中に構築した。ZAP発現ベクターは、用途の広さ、切り出しの容易 さ、そして再環状化を基準として選択され、pBK-CMVファージミドサブクローン を調製した。ライブラリーは試験スクリーニングにおいてB-アクチンcDNAの予想 された表示(対照として)とIgGレクチン-結合タンパク質cDNAを示した。 最初のアプローチとして、精製したps20タンパク質から決定したアミノ末端配 列の5'末端に基づいて、縮重プライマーを調製した。PCRプローブの縮重性に基 づき、5’ベクタープライマーからps20縮重プライマーまでを増幅するネステッ ドPCR(nested PCR)アプローチに続いてps20フォワード及びリバースの縮重プ ライマーを用いるネステッド増幅により、真正のps20配列(アミノ末端)の増幅 が可能になった。最終PCR産物は予想される大きさが81bpで、TAクローニングに よりpCRIIプラスミドに直接クローン化し、クローンを分離し、そしてクローン3 438pCRIIの配列決定をした。対応する配列は、推測されるアミノ酸配列と生成し たps20から決定したアミノ末端配列とを直接競合することにより、ps20と確定し た。非縮重フォワード及びリバースPCRプライマーを、クローン3438pCRII配列に 基づいて作成し、そしてps20のcDNAの3'末端と5'末端を増幅しそしてクローン 化するためにネステッドPCR反応に使用した。5'クローン(クローンT340pCRII) は184bpで、そしてクローン3438pCRII配列と重なり(50bp)があり、さらに加え て5’配列の120bpを有する。3’クローン(クローン42T7pCRII)は868bpの長さ を有し、3’ポリAテールを含み、そしてクローン3438pCRII配列と重なり(54bp )がある。 PS-1のcDNAライブラリーのスクリーニングは、PCRに基づいて陽性のプレート を得、続いてクローン42T7pCRII標識した挿入物(862bp)をプローブとして用い たプラークハイブリダイゼーションにより別個のコロニーを計測した。全数で12 0万のクローンを10-20000コロニーごとに検出される1つの陽性クローンについて スクリーニングした。クローン1025rps20pBK-CHV-IBを両方向から配列決定し( 図1の配列)、さらに別のクローン1025rps20pBK-CMV-2Bから得られた配列と競 合 し、そして天然のps20と同一の予想されるアミノ酸配列によりps20として確認し た。クローン1025rps20pBK-CNV-1Bは、U4F細胞及びラット背側外側の前立腺のノ ザン解析に従えば、長さが1029bpで、3’ポリ(A)テールを含み、そして図1中 に示されるようにおよそ1.1kbの大きさの単一で同一の分子種であることを示し た。配列解析により、ヌクレオチド52番(ATG)から始まりヌクレオチド688番( UGAストップコドン)で終止する636ヌクレオチドのオープンリーディングフレー ムを有し、そして推定で212アミノ酸のタンパク質をコードすることが示された 。疎水性のリーダー配列は、von Heijneの規則(Von Heijne,G.1984,How sig nal sequences maintain cleavage specificity.J.Mol.Biol.173: 243-251 )に従うと、Gly(第26番)とThr(第27番)(それぞれが-1及び+1)との間に 完全なシグナルペプチダーゼ切断部位を有するアミノ酸1-26までと推測された。 Thr(第27番)(成熟分泌タンパク質の+1番)からHis(第54番)は、精製した 天然ps20のアミノ末端から決定したThr(第1番)からHis(第28番)までと完全 に一致した。ハイドパシー(Hydopathy)解析(Tmpred)では、膜貫通領域はな く、分泌タンパク質であることが予想されると示唆された。潜在的な翻訳後修飾 は、5つの潜在的カゼインキナーゼII部位以外には示されなかった。cDNAクロー ンから、20.7kDaの成熟分泌タンパク質(精製された天然の21kDaのps20と同一) であること、そしておよそ23.6kDaの細胞内分子量(疎水性シグナルペプチドを 含む)であることが示され、これらの値はこれらの条件下で細胞内分子量が29kD aであることを示すウェスタン解析による検出と非常に一致する。 クローン1025rps20pBK-CHV-2Bを標識プローブとして使用して、正常ヒト前立 腺(ヒト前立腺5'-ストレッチcDNA、クロンテック)から調製されたラムダgtl1 ライブラリーを、標準のプラークハイブリダイゼーション技術を用いてスクリー ニングした(120万クローン)。5'末端及び3'末端のPCRスクリーニングに基づ いて、8個のクローンを完全長である可能性があるものとして単離した。ラット ps20のcDNAとラットps20と同一の分子量を示す以前に決定されたヒトps20タンパ ク質との比較に基づくと、これらのうちの5つが完全長(1-1.2kb)であるらし かった。 ラットps20のヌクレオチド配列を図1に示す。さらに図7は、ラットps20のヌ クレオチド配列を示し、そしてその配列は本明細書中で配列番号1として引用さ れている。図7の配列は、図1に示された配列中には示されていない3'非コー ド領域中の余分のヌクレオチドを含む。同様に、ラットps20の推定されるアミノ 酸配列も図1に示す。ラットps20のアミノ酸配列は図8にも示し、そしてその配 列は本明細書中で配列番号2として引用されている。下線部分はシグナルペプチ ドを示す(アミノ酸1-26)。ps20タンパク質は、U4F間葉系細胞培養及び成熟ラ ット前立腺組織において発現される単一の1.1kb転写物によりコードされる。転 写物は分泌された精製タンパク質の最初のアミノ酸の前にある原型のシグナルペ プチド切断部位を伴う予想されるシグナルペプチドリーダー配列(アミノ酸1-2 6)を有する、23.6kDaのタンパク質をコードする。 推測されるアミノ酸配列の解析により示されたことは、ps20がWAP型の4つの ジスルフィドコア領域を有し、ps20がWAP型の4つのジスルフィドコア領域タン パク質ファミリーの新規のメンバーとして分類されるということである。WAP型 の4つのジスルフィドコア領域に関与するシステイン58−96も図1で下線を施し た。WAP型の4つのジスルフィドコア領域タンパク質ファミリーのメンバーは、 ジスルフィド結合に関与するタンパク質コア中に保存的な8システインモチーフ を含む比較的小さなタンパク質である。既知の生物学的活性を有するファミリー のメンバーの大部分は、プロテアーゼ阻害剤として機能する。ps20にもっとも近 接に関連するコア領域を有するファミリーのメンバーには、以下のものが含まれ る。すなわち、ps20と39.4%同一性であるセロニアニン(Chelonianin)(赤ウ ミガメ卵白身から単離されたズブチリシン(subtilisin)プロテアーゼ阻害剤) ;ps20と35.4%同一性である抗リューコプロテナーゼI(HUSI-1、分泌型セリン プロテアーゼ阻害剤);ps20と35.3%同一性であるWAP(乳清酸性タンパク質、 乳中にみられる擬似プロテアーゼ阻害剤);ps20と33.3%同一性であるWDNMIタ ンパク質(プロテアーゼ阻害作用を持つことが予想される乳腺転移抑制遺伝子) ;ps20と33.3%同一性であるHE4(精巣上体中で分泌されるプロテアーゼ阻害剤 と予想される);ps20と31,2%同一性であるカルマン(Kallman)症候群タンパ ク質(細胞外マトリックスに局在するプロテアーゼ阻害剤と予想され、そして適 切な嗅覚神経及びGnRH合成神経の発達に必要とされる。);ps20と29.2%同一性 であるエラフィン(Elafin)(分泌型エラスターゼ特異的セリンプロテアーゼ阻 害剤);そしてps20と27.1%同一性であるカルトリン(Caltrin)様タンパク質I I(精子中へのカルシウム輸送を阻害する精嚢由来の分泌タンパク質)が含まれ る。図2は、ps20の4つのジスルフィドコア領域の配列を、その他のファミリー のメンバーとともに示す。配列スコアは、ファスタスコアリング法(fasta scor ing method)(EERIE)によりコンピュータで計算した。 このタンパク質ファミリーの機能的な重要性は、組織モデリング、細胞分化及 びガン転移制御における投割について指摘する。WAPは、乳腺の腺房上皮細胞の 最終分化及び発生に投割を果たしうる。MHTVによるWAPトランス遺伝子の指向性 発現は、結果として欠陥のある乳腺発生及び男性生殖器系中の凝固腺(前立腺前 部)の新生組織形成/形成異常を引き起こす。正常ヒト前立腺組織と比較してヒ トBPH中のps20の染色強度が高いことが観察されているため、この観察は重要で ある。 カルマン症候群は、"嗅覚-性器形成異常"と呼ばれる嗅球の非形成、そして低 ゴナドトロピン性性腺機能低下症(hypogonadotropic hypogonadism)を引き起 こす。カルマン症候群における防御的遺伝子はADMLXと呼ばれ、そしてWAP型の4 つのジスルフィドコア領域とIII型フィブロネクチン繰り返し配列を含む分泌タ ンパク質をコードする。このタンパク質は細胞接着において、そしてプロテアー ゼ阻害剤として機能しうるものである。ADMLXはGnRHニューロンの移動及び軸索 性の嗅覚神経伸長に関与し、それにより分化パターンが引き起こされる。 WDNMI遺伝子は転移抑制機能を持つと考えられている4つのジスルフィドコア タンパク質ファミリーの新規メンバーである。WDNMIは、非転移乳腺癌腫と比較 してラットの転移乳腺アデノカルシノーマにおいては20分の1に抑制制御された 。WDNMIはプロテアーゼ阻害剤として機能していることが示唆され、そしてそれ 故にWDNMIタンパク質の変化が結果として非調節のプロテアーゼ活性を引き起こ し、一般的には癌腫の転移拡大に関与する。実施例2.ps20に対する抗体の調製 この実施例はps20に対して特異的な抗体の調製とその特徴について記載する。 ラット及びヒト組織におけるps20は、免疫組織化学によれば局在化されている。 ps20のペプチド配列の第1-14番の位置に基づいて合成ペプチドを作成し、Vituki arusの方法の変法(Vitukiarus,J.,J.B.Robbins,E.Nieschlag,and G.T.R oss,1971,A method for producing specific antisera with small does of i mmunogen.J.Clin.Endocr.,33: 988-991)に従い、メスのニュジーランド種 ウサギに免疫源として使用した。 精製したps20のアミノ末端に対応している独特の14アミノ酸合成ペプチドは、 アプライドバイオシステムズ430Aペプチド合成機で合成した:N-Thr-Trp-Glu-Al a-Het-Leu-Pro-Val-Arg-Leu-Ala-Glu-Lys-Ser-C。初回の免疫化のために、ps20 ペプチドを滅菌の組織培養品質のH2Oに可溶化し(400μg/ml)、フロイントの完 全アジュバントと混合し(1:1比率)、そして500ml(100μg)を等分して、 3羽のメスのニュジーランド種ウサギの頸部(皮下)と背部の肩甲下筋(筋肉内 )の複数の部位(4ないし5箇所)注射した。初回免疫化後3週間の時点で、血 清試料を調製し、固相酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)により解析 した。それぞれの抗体に陽性のウサギには、背部と頸部の複数部位に皮下に注射 されるフロイントの不完全アジュバント500μl中の100μgのペプチドを、そして さらに肩甲下領域の筋肉内100μgを追加免役した。血清試料は2週間ごとにps20 特異的抗体について試験し、そして免疫グロブリンサブタイプをELISA解析によ り決定した。血清は初回免疫から3週間の時点でps20抗体について試験し、抗体 陽性ウサギは同一の手順に従って2回目の追加免疫を受けた。高力価の抗血清を 産生するウサギから血清をプールし(1:106希釈で活性)、IgGを硫酸アンモニ ウム(50%飽和)で沈殿し、PBS中で再可溶化し、そしてPBSで一晩4℃で透析し た。抗体の特異性は、濃縮し部分的に精製したU4F細胞(ps20をこの細胞から精 製した)からの調整培地からの調製物中の20kDaタンパク質との免疫反応性によ り確認した。 免疫反応性IgGをペプチドカラムクロマトグラフィーにより精製した。精製し たps20の最初の14アミノ酸に対応するペプチド(10mg)を、上述したように生成 し、そしてMethods in Molecular Biology,Vol.34("Immunocytochemical Met hods and Protocols"(免疫細胞化学の方法とプロトコール)、Lorette C.Javo is(ed.),19-23章、155-193ページ、Humana Press,Totowa,N.J.1994)に記 載の標準の手順に従って1gのCNBr-活性化セファロース4Bに結合し、そして2ml のポリプレップカラム(バイオラッド)に注いだ。IgG調製物はPBSバッファー( 200mMホウ酸ナトリウム、160mM塩化ナトリウム、pH8)で希釈し、そして2回連 続的にカラムを介したクロマトグラフィーをした。カラムはPBS(カラムの10-15 倍量)で完全に洗い、そして結合した抗体をグリシン-Clバッファー(0.05Mグリ シン、0.15M NaCl、pH2.28)で溶出した。画分(2ml)を溶出し、そして0.5mlの 中性化バッファー(0.5Mリン酸、pH7.7)を含むチューブに直接回収した。画分 をタンパク質含量についてアッセイし(280nmでの吸光度)、そしてピークの画 分を貯蔵しそして固相酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)により免疫 反応性をアッセイした。抗体産生はELISAで計測した。高力価の抗血清が3羽の ウサギで検出された。 ps20抗血清のIgG画分についてウェスタン解析により特異性を解析し、そして 親和性精製抗体をセファロース4Bに共有結合させたペプチド1-14を用いたゲルク ロマトグラフィーにより調製した。ウェスタン解析により、調整培地中の分泌型 の(シグナルペプチドを含まない)ps20(20-21kDa)に対する単一特異的反応性 が示された(Rowley,D.R.,T.D.Dang,N.Larsen,J.J.Gerdes,L.McBride ,and B.Lu,1995,Purification of a novel protein(ps20)from urogenita lsinus mesenchymal cells with growth inhibitory properties in vitro.,J .Biol.Chem.,270: 22058-22065を参照)。U4F細胞抽出物からのウェスタン解 析から、29kDaタンパク質に対する単一特異的反応性が示され(図3)、それはS DS-PAGE及びウェスタン解析における見かけの骨格(24.6kDa)の大きさを増加す るように示された非切断細胞型(26アミノ酸疎水性リーダー領域を含む)を表し ている。(A)U4F胎児ラット尿生殖洞間葉系細胞。レーン1:クマシー染色;2 :ps20抗血清IgG画分;3:免疫前血清;4:親和性精製ps20抗体;5:一次抗体な し。ps20抗血清IgG画分(レーン2)は、これらの条件下において見かけ29kDaの 大きさの単一種を特異的に認識した。親和性精製抗体(レーン4)は、29kDaのバ ンドのみを認識した。免疫前血清(レーン3)は、すべての非特異的に交差反応 するバンドを認識した。二次抗体のみでは、何らバンドのパターンが見られなか った(レーン5)。成熟ラット前立腺平滑筋及びヒト前立腺平滑筋抽出物のウェ スタン解析により、ラット及びヒトの細胞株両方に由来する29kDaバンドに対し て同一の免疫反応性が示された。これらの研究から、ラット及びヒトのps20型は 、ほとんど同一のアミノ酸配列により示されるように、大きさ及び免疫反応性に おいて同一であることが示された。実施例3.免疫組織化学局在 この実施例は、前立腺検体中のps20の免疫組織化学局在を示す。 図4EおよびF、5および6は、ヒト前立腺検体中のps20の局在を示す。図4 は、親和精製抗体を用いたラット前立腺中のps20の免疫組織化学局在を示す。免 疫組織化学局在の確認は、Methods in Molecular Biology,Vol 34,”Immunocy tochemical Nethods and Protocols”,Lorette C.Javois(ed.)、第19-23章 ,155-193ページ、Humana Press,Totowa,N.J.1994に記載された方法により 実施した。基本的には、2月齢および6月齢のオスのスプラグダウレイ(Spragu e Dawley)ラットを犠牲にして、ホルマリンO.N.Fixedの組織中に固定された 全組織をパラフィン中にうめて、5μmの厚さの切片に切り、ポリリジンでコー トしたスライドにのせて染色前に37℃において焼いた。 ホルマリン固定してパラフィンにうめた31人の患者のヒト前立腺切片は、メソ ディスト病院、ヒューストン(18)およびテキサス小児病院、ヒューストン(13 )から得た。5μmの厚さの切片を、パラフィンにうめたブロックから切り出し て、ポリリジンコートしたスライドにのせた。概して:カルシノーマ(9)、BP H(3)、重病BPH(2)、間質(3)、および正常(6)と特徴付けされる、53 歳から72歳の24人の成人患者からのスライドをps20に関して染色した。1歳未満 の4人の患者および10−14歳の4人の患者からのスライドを染色した。 組織切片は、Hemo Dに1×10分間および1×5分間浸して脱パラフィンし;10 0%、95%および70%エタノールを用いた5分間の勾配洗浄により水和し;1×p BS/0.1% Triton-X-100中へ5分間浸すことにより浸透させ;そして3%パーオ キシド(H2O2)(30%シグマから希釈)で5分間処理することにより、内在パー オキシダーゼ活性を最小にした。一次抗体のインキュベーションは、親和精製し たps20抗体を組織切片O.N.と37℃にてインキュベートした点を除き、免疫組織 化学に関して記載された濃度および条件で実施した。免疫反応性は、ビオチン化 ヤギ抗ウサギまたはヤギ抗マウス二次抗体(シグマ)の何れかと45分間インキュ ベートして、1:15に希釈し;続いてエキソアビジン結合ペロジダーゼ(シグマ )と共に30分間インキュベートし、1:15に希釈し、最終的にジアミノベンジジ ン(DAB)と共に7分間インキュベートしてゲルマウントでマウントすることに より、可視化した。ヘモトキサリンとエオシン(H & E)による染色は、Method s in Molecular Biology,Vol 134,”Immunocytochemical Methods and Protoc ols”,Lorette C.Javois(ed.)、第19-23章、155-193ページ、Humana Press ,Totowa,N.J.1994に記載されたとおりに実施した。スライドは光学顕微鏡( Labophot-2,ニコン)およびエクタクローム400スライドまたはローヤルゴール ド25プリントフィルム(イーストマンコダック)を用いて分析した。 図4中、パネル(A)は親和精製したps20の抗体を、パネル(B)は陰性対照を 、パネル(C)は平滑筋α-アクチン(SMαアクチンを、そしてパネル(D)は ヘモトキサリンとエオシンの染色パターンを描写する。ps20抗血清(A)およびp s20のIgG画分は、ラット前立腺の小房周囲の平滑筋中に同様の特異的局在を示し た。一次抗体不含(B)、予め免疫した血清、およびps20ペプチドを予め吸着さ せた抗体を含む陰性対照は、特異的染色の同様の欠如を示した。ps20はSMαア クチン陽性細胞のサブセットに免疫位置確認された。免疫位置確認は平滑筋に特 異的であるが、前立腺には特異的でない。強い染色は、精管および精嚢を含む、 他のオスの生殖管(reproductive tract)組織において観察された。中程度の染 色は、動脈の中膜および結腸および小腸の平滑筋中に観察された。脳、肺、膀胱 および精巣中には、明確な染色が観察されなかった。ヒト前立腺中のps20の免疫 位置確認のパネル(E)は、パネル(F)に示すとおりのSMαアクチン陽性細胞 のサブ セットに対応する局在を示した。独占的な局在は、上皮腺房に隣接した小房周辺 の平滑筋細胞中に観察された。顕著な活性はあらゆる他の細胞種において観察さ れなかった。精嚢、精管、胃、腸、肺、唾液腺、心臓、脳および精巣を含む他の 組織の調査は、ps20の発現が平滑筋に独占的であることを示した。最も高い活性 はオスの生殖管組織(精管、前立腺、精嚢)中に著しく、消化管および動脈の中 膜の平滑筋において中程度の染色であった。精巣、肺または脳においては反応性 は目立たなかった。興味深いことに、ps20の反応性が前立腺中の動脈の中膜に観 察された。局在は平滑筋細胞(αアクチン陽性間質細胞)に特異的であった。ヒ トはラットと異なり、上皮腺房の回りに平滑筋細胞のはっきりとした小房周辺の リングをもたない。むしろ、ヒト前立腺間質は、平滑筋と繊維芽細胞の混合物で ある。ps20陽性細胞はαアクチン陽性細胞のすべてのセクションと連関した。興 味深いのは、前立腺疾患に観察された染色パターンであった。 図5および6は、BPHおよび前立腺カルシノーマにおける、正常に比して一貫 して高いps20の局在を示す。図5中、パネル(A)はps20の抗血清IgG画分を、パ ネル(B)は予め免疫した血清を、パネル(C)はSMαアクチンを、そしてパネ ル(D)はヘモトキサリンとエオシンの染色を描写する。BPHの領域におけるps20 の免疫局在は、成人ヒト前立腺の正常領域における局在と同様であるか、または 正常に比してわずかに上昇した。強から上昇した染色は腺性BPHおよび間質性BPH の両者を有する患者において観察された。ここに示された染色データは評価され たサンプルの代表である(腺性BPHと診断された5患者および間質性と診断され た3患者)。対照的に、ps20の染色強度は極めて不均一であり、概してカルシノ ーマサンプルにおけるよりも低かった。図6中、パネル(A)はps20の抗血清IgG 画分を、パネル(B)は予め免疫した血清を、パネル(C)はSMαアクチンを、 そしてパネル(D)はヘモトキサリンとエオシンの染色を描写する。カルシノー マの領域中のps20の免疫局在は、評価された9のカルシノーマ患者において正常 に比して不均一な染色パターンを示した。ps20の染色は幾つかのほとんど分化し ていない小節を囲む間質中で低下しており、パターン(B)に示すとおりである 。特に、ps20の染色強度は、図6に示す上皮被膜下の領域中に位置するほとんど 分 化していない小節に隣接した、幾つかの(あるいは全てでない)間質領域におい て、低いかまたは全く存在しなかった。実施例4.ヒトps20配列 この実施例は、ヒトps20のヌクレオチド配列および推定されたアミノ酸配列を 記載する。 市販の(クロンテック、Palo Alto,CA.)cDNAライブラリーを用いた。該ライ ブラリーは正常ヒト前立腺から調製した。スクリーニングは、Current Protocol s in Molecular Biology,Vol.1,Ausubel,F.M;Brent,R.;Kingston,R. E.;Moore,D.D.;Seidman,J.G.;Struhl,K.;and Smith,J.A.(ed. ),John Wiley & Sons,NY,NY,1995に記載された標準プラークハイブリダイ ゼーション法を用いて実施した。プローブは、32Pで標識されたラットのps20の cDNAであった。DNAのコロニーはフィルターで取り出してラットps20のcDNAクロ ーンにハイブリダイズさせた。陽性コロニーを選択して、第2および第3ラウン ドのスクリーニングにより精製した。 陽性コロニーを配列決定してラット配列と比較した。陽性クローンH12100 およびH62-3について、ジデオキシ配列決定法(Current Protocols in Mole cular Biology Vol 1,上記に記載されたとおり)およびIBIモデル377自動配列 決定機を用いた自動配列の両方で配列決定した。クローンH12100は1124bpの 大きさであり、完全コーディング領域(成熟ps20タンパク質をコードする配列) を含むヌクレオチド1-1124を含んだ。クローンH62-3は約1000bpの大きさで あり、完全な3'非翻訳領域(ポリAテールを含む)およびコーディング配列(ク ローンH12100と重複)に最初の幾つかのアミノ酸を欠いた。ヒトヌクレオチ ド配列およびそれに由来するアミノ酸配列(ヒトcDNA配列は220のアミノ酸タン パク質をコードした)を、MacVector 4.1配列分析プログラムを用いて、ラット のps20配列と比較した。これらの分析に基づくと、ヒトとラットのアミノ酸(ラ ットの1-212位)は配列で82.1%の完全適合を伴ってよく保存されており、保存 的アミノ酸置換を考慮すると90.6%の全体同一性で保存されていた。ヒトps20タ ンパク質はアミノ末端リーダーペプチド配列において余分の7アミノ酸を含み、 52 番の位置にアミノ酸が付加される。 ヒトps20のヌクレオチド配列を図9の配列番号3に示す。それに由来するヒト ps20のアミノ酸配列番号を図10の配列番号4に示す。 本発明の概念から逸脱することなく、当業界の経験のある者により、多くの他 の変更および修飾が本明細書に記載された方法になされてよい。したがって、前 に記載された方法は例示にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図しないこ とは、明確に理解されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN

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  1. 【特許請求の範囲】 1.尿生殖洞由来の成長阻害因子をコードするcDNA配列。 2.cDNAがラットのcDNAである、請求項1記載のcDNA配列。 3.配列番号1の配列番号を有する、請求項1記載のcDNA配列。 4.cDNAがヒトのcDNAである、請求項1記載のcDNA配列。 5.配列番号3の配列番号を有する、請求項1記載のcDNA配列。 6.尿生殖洞由来の成長阻害因子のポリペプチド断片またはポリペプチド類似 体をコードする精製して単離されたDNA分子。 7.DNAがラットのDNAである、請求項6記載の精製して単離されたDNA分子。 8.DNAがヒトのDNAである、請求項4記載の精製して単離されたDNA分子。 9.配列番号1のヌクレオチド配列を有する、ps20をコードするDNA。 10.配列番号2のヌクレオチド配列を有する、ps20をコードするDNA。 11.配列番号3のアミノ酸配列を有するps20をコードする、DNA。 12.配列番号3のアミノ酸配列を有するタンパク質および生物学上活性なその 変更物。 13.ps20をコードする、精製して単離されたDNA分子。 14.ヒトps20の一次構造のコンフォメーションの一部または全部並びに生物活 性を有するポリペプチド産物の原核または真核宿主発現をコードする、精製して 単離されたDNA分子。 15.配列番号1の配列を有するDNA分子を含む生物学上機能的なベクター。 16.配列番号3の配列を有するDNA分子を含む生物学上機能的なベクター。 17.ps20に結合する抗体。 18.配列番号4のアミノ酸配列を有するポリペプチドに結合する抗体。 19.プロテアーゼにps20を接触させることからなる、プロテアーゼ活性の阻害 方法。 20.プロテアーゼに配列番号4の配列を有するポリペプチドを接触させること からなる、プロテアーゼ活性の阻害方法。
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