【発明の詳細な説明】
寄生性蠕虫マクロファージ遊送阻害因子タンパク質、核酸分子、
およびそれらの用途
発明の分野
本発明は、寄生性蠕虫マクロファージ遊送阻害因子(MIF)核酸分子、その
ようなタンパク質に対して誘発した抗体、およびそのようなタンパク質の阻害剤
に関する。本発明は、そのような核酸分子、タンパク質、抗体および/または阻
害剤を含む治療組成物と同様に、寄生性蠕虫類、例えば心糸状虫もしくは回旋糸
状虫症が生起する疾病から動物を保護するそれらの用途も包含する。
発明の背景
ヒトをはじめとする、動物における寄生性蠕虫の感染は、化学的薬物を用いて
治療するのが一般的であるが、それは、入手できる効果的なワクチンが基本的に
皆無だからである。化学的薬物の一つの短所は、頻繁な投与を要することである
。例えば、心糸状虫に感染しやすいイヌは、一般に、毎月投与して、保護的薬物
レベルを維持する。しかし、寄生性蠕虫の感染を治療する薬物の反復投与は、も
はや治療に応答しない耐性蠕虫系統の発生を招くことが多い。その上、化学的薬
物の多くは、治療される動物に有害な副作用を起し、耐性が増大するために、よ
り多くの投与量が必要となるにつれて、副作用がはるかに強くなる。さらに、多
くの薬物は寄生性疾病の症候を治療するだけであり、寄生性蠕虫による感染を予
防することはできない。
寄生性蠕虫の感染に対するワクチンを開発することは、寄生虫の生活環が複雑
なことと、寄生虫または寄生虫抗原の投与は、有意な抗体応答の形成を招来でき
るが、免疫応答が、一般に、動物を感染から保護するには不
充分であることとの双方のために、特に困難である。
寄生性蠕虫の複雑さの例として、イヌ糸状虫、すなわち心糸状虫を生じる蠕虫
の生活環は様々な生活形態を含み、その各々が、免疫化に対して異なる標的を提
示し、かつ攻撃する。この寄生虫の成体形は、極めて大型であり、動物の心臓お
よび肺動脈中に好んで棲息する。性的に成熟した成虫は、交尾後に、毛細血管床
を横断し、イヌの脈管系を循環するミクロフィラリアを生み出す。イヌにおける
感染を証明する一つの方法は、循環するミクロフィラリアを検出することである
。
イヌを昆虫が存在しない環境に保つならば、寄生虫の生活環は進行しない。し
かし、ミクロフィラリアが、感染したイヌでの血液摂食の際に雌のカによって摂
取されたときは、その後のミクロフィラリアの幼生への発生が、カの体内で生じ
る。ミクロフィラリアは、2段階の幼生期(L1およびL2)を経て、最後に成
熟した第三期の幼生(L3)になり、次いで、このカが咬むことによって、イヌ
に逆伝搬されることができる。したがって、最初の感染の原因となるのは、この
L3期である。感染の早くも3日後には、L3は第四幼生期(L4)、次いで、
第五期、すなわち未熟成虫へと脱皮する。未熟成虫は、心臓および肺動脈へと移
動し、ここで、成熟かつ繁殖し、こうして血中にミクロフィラリアを生み出す。
イヌにおける心糸状虫の「潜在的な」感染は、ミクロフィラリアは全く検出でき
ないが、胸部検診によって、成体糸状虫の存在が決定できることとして定義され
る。
心糸状虫は、一般的には、感染すると免疫を生じることさえできない(すなわ
ち、化学療法で治癒した後でさえ、再感染することがあり得る)が、イヌでの主
要な問題であるばかりでなく、他の伴侶動物、例えばネコやフェレットにもます
ます広まりつつある。心糸状虫による感染は、ヒトでも報告されている。他の寄
生性蠕虫の感染も広まっており、すべてが、
予防ワクチン計画をはじめとする、より優れた処置を必要としている。例えば、
回旋糸状虫O.volvulusは、糸状虫症(河川盲としても知られる)をヒトに生起
する。全世界で5千万に達する人々が、回旋糸状虫に感染し、百万人以上が感染
のために失明していると報告されている。
多くの研究者が、特異抗原に基づいてワクチンを開発しようと試みてきたが、
抗原が抗体生産を刺激できることは、特に寄生性蠕虫の場合、動物を感染から保
護できる免疫応答を抗原が刺激できることとは、必ずしも相関しないことが広く
理解されている。イヌ糸状虫属および回旋糸状虫属を包含する数種類の寄生性蠕
虫で、多数の著名な抗原が特定されているが、依然として、いかなる寄生性蠕虫
にも効果的なワクチンの開発が迫られている。
そのようにして、寄生性蠕虫が生起する疾病に対して動物を保護し、好ましく
は、そのような蠕虫による感染からも動物を保護する、有効な組成物を同定する
必要が存続している。
マクロファージ遊走阻害因子(MIF)は、大きさが約13キロダルトン(kD)
であって、いくつかの哺乳動物および鳥類の種で同定されている;例えば、Gala
t et al.,1993,Fed.Eur.Biochem.Soc.319,233-236,Wistow et al.,1993
,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90,1272-1275,Weiser et al.,1989,Proc.
Natl.Acad.Sci,USA 86,7522-7526,Bernhagen et al.,1993,Nature 365,
756-759,Blocki et al.,1993,Protein Science 2,2095-2102およびBlocki e
t al,1992,Nature 360,269-270を参照されたい。MIFは、マクロファージ
の遊走を遮断できるとして最初に特徴付けられたが、MIFは、マクロファージ
ーマクロファージ接着を働かせ;インターロイキン−1−β、インターロイキン
−6および腫瘍壊死因子αを発現するようマクロファージを誘導し;HLA−D
Rを上
向調節し;酸化窒素合成酵素および酸化窒素濃度を上昇させ;インターフェロン
-γによって働くのとは異なる機序によって、マクロフアージを活性化してドノ
バンリーシュマニアLeishmania donovaniの腫瘍細胞を殺し、かつトリマイコプ
ラズマMycoplasma aviumの増殖を阻害する。免疫回避分子としてのその潜在的役
割に加え、MIFは、不完全フロイントまたはリポソームへのウシ血清アルブミ
ンまたはHIVgp120とともに与えたとき、免疫アジュバントとして作用し
て、完全フロイントのそれに匹敵する抗原誘導増殖を誘導することができる。
少なくともいくつかのMIFが、グルタチオンS転移酵素(GST)活性を有
し、グルタチオンと結合できることから、MIFは、GSTに関連すると思われ
る。しかし、MIFは、GSTサブユニットの約半分の大きさであるにすぎず、
また、GST活性を検出するのに用いられる最も一般的な基質である1−クロロ
−2,4−ジニトロベンゼンに対する活性を示さない。GST活性は、何種類か
の線虫で特定されているが、この活性は、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼ
ンを用いて検出され、活性の原因となる酵素は、MIFについて予測された大き
さではなかった。本発明者らの知識にとって、MIFの相同体は、いかなる寄生
性蠕虫でもまだ同定されておらず;それをなすための努力は、これまでは不首尾
であることが判明している。
発明の概要
本発明は、寄生性蠕虫のマクロファージ遊走阻害因子(MIF)タンパク質;
寄生性蠕虫のMIFの、そのようなタンパク質をコードするものを包含する核酸
分子;そのようなタンパク質に対して誘導した抗体(抗寄生性蠕虫MIF抗体)
;および寄生性蠕虫MIF活性を阻害する化合物(すなわち、阻害化合物または
阻害剤)に関する。本発明は、そのようなタン
パク質、核酸分子、抗体および阻害化合物を得る方法も包含する。そのようなタ
ンパク質、核酸分子、抗体および/または阻害化合物を含む治療組成物はもとよ
り、寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を保護するためのそのような治療組成物
の用途も、本発明に包含される。
本発明の一実施態様は、イヌ糸状虫Dirofilaria immitisのマクロファージ遊
走阻害因子(MIF)遺伝子(すなわちイヌ糸状虫MIF遺伝子)および/また
は回旋糸状虫Onchocerca volvulusのMIF遺伝子(すなわち回旋糸状虫MIF
遺伝子)と厳格なハイブリッド形成の条件下でハイブリッド形成する、単離され
た核酸分子である。イヌ糸状虫MIF遺伝子は、好ましくは、核酸配列である配
列番号17および/または配列番号19を含み、回旋糸状虫MIF遺伝子は、好
ましくは、核酸配列である配列番号6および/または配列番号9を含む。本発明
のMIFの核酸分子は、寄生性蠕虫MIF遺伝子の調節領域を含み、および/ま
たは寄生性蠕虫MIFタンパク質をコードすることができる。特に好ましいMI
F核酸分子は、核酸配列の配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、
配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番
号17、配列番号18、配列番号19および/またはこれらの配列番号の相補体
はもとより、これらの核酸分子の1種類以上の対立遺伝子変異体を包含する。
本発明は、本発明の寄生性蠕虫MIF核酸分子を含む組換え分子、組換えウイ
ルスおよび組換え細胞にも関する。そのような核酸分子、組換え分子、組換えウ
イルスおよび組換え細胞を生産する方法も包含される。
本発明のもう一つの実施態様は、寄生性蠕虫のマクロファージ遊走阻害因子(
MIF)のタンパク質(すなわち寄生性蠕虫MIFタンパク質)、または寄生性
蠕虫MIFタンパク質を含むタンパク質を包含する。好適な寄生性蠕虫MIFタ
ンパク質は、動物に投与したときに、天然の寄生性蠕
虫MIFタンパク質に対する免疫応答を誘導することができる。特に好適なMI
Fタンパク質は、アミノ酸配列である配列番号2、配列番号5、配列番号8およ
び/または配列番号11を含むタンパク質はもとより、配列番号2、配列番号5
、配列番号8および/または配列番号11を有するタンパク質をコードする核酸
分子の対立遺伝子変異体である核酸分子によってコードされるタンパク質である
。
本発明は、寄生性蠕虫MIFタンパク質のミメトープはもとより、寄生性蠕虫
MIFのタンパク質、またはそのミメトープに選択的に結合する単離された抗体
にも関する。本発明のタンパク質、ミメトープおよび抗体を生産するための、組
換え法を包含する方法も、包含される。
本発明のもう一つの実施態様は、寄生性蠕虫MIF活性を阻害できる化合物を
同定する方法も包含する。その方法は、(a)単離された寄生性蠕虫MIFタン
パク質を、推定される阻害性化合物と、該化合物の不在下では、タンパク質がM
IF活性を有するという条件下で接触させる段階;および(b)該推定阻害性化
合物がMIF活性を阻害するか否かを決定することを含む。また、寄生性蠕虫の
MIF活性を阻害できる化合物を同定する試験キットも本発明に包含される。こ
のような試験キットは、寄生性蠕虫MIFタンパク質、および、推定阻害化合物
の存在下で、その活性の阻害の程度を決定する手段を含む。
本発明のさらにもう一つの実施態様は、寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を
保護できる治療組成物である。そのような治療組成物は、下記の保護化合物のう
ち1種類またはそれ以上を含む:単離された寄生性蠕虫MIFタンパク質もしく
はそのミメトープ、イヌ糸状虫MIF遺伝子および/もしくは回旋糸状虫MIF
遺伝子と厳格なハイブリッド形成の条件下でハイブリッド形成する単離された核
酸分子、寄生性蠕虫MIFタンパク質と
選択的に結合する単離された抗体、ならびに/または寄生性蠕虫MIF活性をそ
れが阻害できることによって同定されるMIFタンパク質活性の阻害剤。本発明
の好適な治療組成物は、賦形剤、アジュバントおよび/または担体も包含する。
本発明の好適なMIF核酸分子化合物は、裸の核酸ワクチン、組換えウイルスワ
クチンおよび組換え細胞ワクチンを包含する。寄生性蠕虫が生起する疾病から動
物を保護する方法も、本発明に包含される。この方法は、本発明の治療組成物を
動物に投与する段階を含む。
本発明の核酸分子、タンパク質、抗体および阻害化合物の生産(例えば組換え
によるか、天然のか、または合成による生産)に用いるのに適した寄生性蠕虫は
、線虫類、条虫類および吸虫類を包含し、線虫類(例えば糸状虫類、回虫類、糞
線虫類および毛様線虫類の線虫類)が好適であり、糸状虫類がより好適であり、
イヌ糸状虫および回旋糸状虫がはるかに好適である。
動物をそれから保護するのに適切かつ好適である寄生性蠕虫は、本発明の核酸
分子、タンパク質、抗体および阻害化合物の生産に用いるために開示されたもの
である。そのようなものとして、動物をそれから保護するのに好適な疾病は、線
虫類、条虫類および/または吸虫類が生起する疾病を包含し、線虫類が生起する
疾病がより好適な標的であり、糸状虫類が生起する疾病がはるかに好適な標的で
ある。動物をそれから保護するのに特に好適な疾病は、心糸状虫および回旋糸状
虫症を包含する。
発明の詳細な説明
本発明は、哺乳類および鳥類については報告されたが、寄生性蠕虫については
報告されていなかった、マクロファージ遊走阻害因子を寄生性蠕虫が生産すると
いう驚くべき発見を包含する。この寄生性蠕虫タンパク質は、本明細書では寄生
性蠕虫マクロファージ遊走阻害因子タンパク質またはM
IFタンパク質とも称し、それが、抗寄生生物ワクチンおよび薬物の新規な標的
を意味するため、特にイヌ糸状虫MIF核酸分子が、免疫イヌ血清に結合するタ
ンパク質をコードできることから効用を有するが;そのようなイヌ糸状虫MIF
核酸分子は、実施例の項で開示する。理論に拘泥するわけではないが、寄生性蠕
虫MIFタンパク質は、例えば、寄生生物に有害な化合物を解毒し、および/ま
たは寄生生物の所在へのマクロファージの動員を遮断することによって、免疫回
避に役割を有すると考えられる。
例えば、MIFの潜在的GST活性は、GSTが、求電子化合物とのグルタチオ
ンの結合を触媒して、それらを無害にすることが公知であることから、細胞外寄
生生物に対する求電子的攻撃の効果を最小化するのに酵素的に用いることができ
ると思われる。さらに、本発明者らは、MIFが、ともに寄生生物の遊走形態で
ある、イヌ糸状虫の幼生と回旋糸状虫の成体との双方で発現されることを発見し
たが、これは、皮膚および組織に駐留し、かつそこから遊走する幼生および成体
の寄生生物の近位への、マクロファージその他の効果細胞の動員を妨げるのに、
MIFが役割を果たすことを示唆する。さもなければ、そのような寄生生物の活
動は、寄生生物に有害な炎症応答を誘導する可能性がある。
本発明は、寄生性蠕虫MIFタンパク質のみならず、寄生性蠕虫MIF核酸分
子、寄生性蠕虫MIFタンパク質に仕向けられた抗体その他のMIFタンパク質
の阻害剤をも包含する。寄生性蠕虫の疾病から動物を保護するための治療組成物
としてのこれらのタンパク質、核酸分子、抗体その他の阻害剤はもとより、他の
適用、例えば下記に開示されるそれへの用途も、包含される。
本発明の一実施態様は、寄生性蠕虫MIFタンパク質を含む単離されたタンパ
ク質である。本発明によれば、単離されたタンパク質、または生物
学的に純粋なタンパク質は、その天然の環境から取り出されたタンパク質である
。そのようなものとして「単離された」および「生物学的に純粋な」とは、該タ
ンパク質が精製されている程度を必ずしも反映しない。本発明の単離されたタン
パク質は、その天然の源泉から得られ、組換えDNA技術を用いて製造でき、ま
たは化学的合成を用いても製造できる。本明細書で用いられるように、寄生性蠕
虫MIFタンパク質は、完全な長さのタンパク質、またはそのようなタンパク質
のいかなる相同体であることもできる。MIF相同体の例は、該相同体が寄生性
蠕虫MIFタンパク質に対する免疫応答を誘発できる1個以上のエピトープを有
するようにように、アミノ酸を削除し(例えば、該タンパク質の断端した翻案、
例えばペプチド)、挿入し、転化し、置換し、および/または(例えばグリコシ
ル化、リン酸化、アセチル化、ミリスチル化、プレニル化、パルミトイレーショ
ン、アミド化および/またはグリセロホスファチジルイノシトールの付加によっ
て)誘導したMIFタンパク質を包含する(すなわち、当業者に公知の手法を用
いて、該相同体を免疫原として動物に投与したとき、該動物が、寄生性蠕虫MI
Fタンパク質の1個以上のエピトープに対する体液性および/または細胞性の免
疫応答を生じる)。タンパク質が免疫応答を働かせ得る能力は、当業者に公知の
手法を用いて測定することができる。本発明のMIFタンパク質の相同体も、グ
ルタチオンに結合し(すなわちグルタチオン結合活性を有する)、かつ/または
免疫血清と選択的に結合するMIFタンパク質を含む。そのような活性を測定す
る方法の例は、本明細書に開示されており、当業者には公知である。本明細書に
用いられるように、免疫血清に「選択的に結合する」という用語は、単離された
タンパク質およびそのミメトープが、寄生性蠕虫の感染に免疫である動物から採
集した血清には結合できるが、標準的な検出手法によれば、寄生性蠕虫の感染に
免疫でない動物から採集した血清には、基本的に結合できないことを意味する。
好ましくは、そのような単離されたタンパク質およびミメトープは、抗寄生性蠕
虫免疫血清に高い親和性で結合できる。免疫血清を生産かつ使用する方法は、例
えば、Grieveらの1994年7月21日に公開されたPCT公開第94/15593号公
報(本明細書ではWO94/15593とも呼ぶ)に開示されており;これを全体として本
明細書中に参考として援用する。
寄生性蠕虫MIFタンパク質相同体は、自然対立遺伝子変異、または自然突然
変異の結果であり得る。本発明のMIFタンパク質相同体は、タンパク質に対す
る直接の修飾、または、例えば古典的もしくは組換えDNA手法を用いた、ラン
ダムまたは標的化突然変異を働かせるためのタンパク質をコードする遺伝子に対
する修飾を包含するがこれらに限定されない、当技術に公知の手法を用いても生
産できる。
本発明の、相同体も包含する単離されたタンパク質は、タンパク質が、寄生性
蠕虫MIFタンパク質に対する免疫応答を誘導して、グルタチオンに結合し、か
つ/または免疫血清に選択的に結合できることによって、直截的な方式で同定で
きる。
本発明の単離タンパク質は、下記の遺伝子のうち少なくとも一つと厳格なハイ
ブリッド形成の条件下でハイブリッド形成する核酸分子によってコードされると
いう特徴をさらに有する:(a)イヌ糸状虫MIFタンパク質をコードする遺伝
子(すなわちイヌ糸状虫MIF遺伝子);および(b)回旋糸状虫MIFタンパ
ク質をコードする遺伝子(すなわち回旋糸状虫MIF遺伝子)。用語「ある」ま
たは「ある一つの」の実体は、その実体の一つまたはそれ以上を意味し;例えば
、ある遺伝子とは、一つまたはそれ以上であるか、または少なくとも一つの遺伝
子を意味する。そのようなものとして、用語「ある」(または「ある一つの」)
、「一つまたはそれ以
上の」および「少なくとも一つの」は、本明細書では相互可換的に用い得ること
に留意すべきである。用語「含む」、「包含する」および「有する」は、相互可
換的に用い得ることにも留意すべきである。
本明細書に用いられるように、厳格なハイブリッド形成の条件とは、オリゴヌ
クレオチドを包含する核酸分子を、類似の核酸配列を有する分子を特定するのに
用いる、標準的なハイブリッド形成の条件を意味する。厳格なハイブリッド形成
の条件は、代表的には、ハイブリッド形成反応でプローブとして用いられる核酸
分子との少なくとも約70%の核酸配列の同一性を有する核酸分子の単離を許す
。そのような標準的な条件は、例えばSambrook et al.,1989,Molecular Cloni
ng:A Laboratory Manual,ColdSpring Harbor Labs Pressに開示されている。Sa
mbrookら[前掲]の参照文献は、その全体を引用によって本明細書に援用する。
そのような条件の例は下記を包含するが、これらに限定されない:例えば、約5
0〜約65℃にわたるTmを有する、長さが約18〜25ヌクレオチドのオリゴ
ヌクレオチドプローブは、代表的には、5倍のSSPE、1%サルコシル、5倍
のデンハート、および0.1mg/mlの変性サケ精子DNAを含有する溶液中
で、フィルター(例えばニトロセルロースフィルター)に固定化した核酸分子と
、37℃、約2〜12時間でハイブリッド形成することができる。次いで、フィ
ルターを、5倍のSSPE、 1%サルコシルを含有する洗浄液中で、それぞれ
37℃で15分間、3回洗浄する。さらに、フィルターを、2倍のSSPE、1
%サルコシルを含有する洗浄液中で、洗浄1回につき37℃で15分間洗浄する
。ランダムプライムのDNAプローブは、例えば、代表的には、5倍のSSPE
、1%サルコシル、0.5%のBlotto(水への乾燥乳)、および0.1mg
/mlの変性サケ精子DNAを含有する溶液中で、フィルター(例えばニトロセル
ロースフィルタ
ー)に固定化した核酸分子と、42℃、約2〜12時間でハイブリダイゼーショ
ンすることができる。次いで、フィルターを、5倍のSSPE、1%サルコシル
を含有する洗浄液中で、それぞれ42℃で15分間、2回洗浄した後、フィルタ
ーを、2倍のSSPE、1%サルコシルを含有する洗浄液中で、それぞれ42℃
で15分間、2回洗浄する。
本明細書に用いられるように、イヌ糸状虫MIF遺伝子は、天然のイヌ糸状虫
MIF遺伝子に関連する、該遺伝子がコードするイヌ糸状虫MIFタンパク質の
生産を制御する調節領域(例えば、それらに限定されないが、転写、翻訳または
翻訳後制御領域)のようなすべての核酸配列はもとより、コーディング領域自体
も含む。一実施態様では、本発明のイヌ糸状虫MIF遺伝子は、核酸配列の配列
番号17とともに、配列番号17の相補体も包含する。核酸配列の配列番号17
は、本明細書ではnDiMIF(1)355として表示するcDNA(相補的DN
A)の見かけのコーディング領域のコーディング鎖の推定配列を表し、該cDN
Aの生産は、実施例で開示する。配列番号17の相補体は、配列番号17を有す
る鎖に相補的な鎖の核酸配列を表し、当業者が容易に決定できる。同様に、本発
明のいかなる核酸配列の核酸配列相補体も、それについて配列が引用されている
鎖に相補的である(すなわち、それと二本鎖を形成できる)核酸鎖の核酸配列を
表す。核酸配列を決定する技術は、全く無謬ではないので、配列番号17は(本
明細書に提示されるその他の核酸およびタンパク質の配列とともに)、せいぜい
、本発明のイヌ糸状虫MIFタンパク質をコードする核酸分子のある一つの見か
けの核酸配列を表すにすぎないことに留意すべきである。
もう一つの実施態様では、イヌ糸状虫MIF遺伝子は、配列番号17に類似す
るが同一ではない配列を包含する対立遺伝子変異体であることができる。配列番
号17を包含するイヌ糸状虫MIF遺伝子の対立遺伝子変異
体は、ゲノム中の、配列番号17を含む遺伝子と基本的に同じ(単数または複数
の)遺伝子座に生じる遺伝子であるが、例えば突然変異または組換えによって生
じた、天然の変異体のために、類似するが同一ではない配列を有する。対立遺伝
子変異体は、代表的には、比較しようとする遺伝子がコードするタンパク質のそ
れと類似する活性を有するタンパク質を、コードする。対立遺伝子変異体は、遺
伝子の5’または3’の翻訳されない領域(例えば、調節制御領域)での変更を含
むこともできる。対立遺伝子変異体は、当業者には周知であり、ゲノムが二倍体
であるために、与えられた寄生性蠕虫内で、および/または2種類またはそれ以
上からなる寄生性蠕虫の群内で見出されることが予測されると思われる。配列番
号17を含むイヌ糸状虫MIF遺伝子の対立遺伝子変異体の例は、配列番号19
を含むイヌ糸状虫MIF遺伝子である。核酸配列である配列番号19は、本明細
書ではnDiMIF(2)333として表される、その生産を実施例で開示するc
DNA核酸分子の見かけのコーディング領域のコーディング鎖の推定される配列
を示す。そのようなものとして、本発明の一実施態様は、核酸配列の配列番号1
9はもとより、配列番号19の相補体も包含するイヌ糸状虫MIF遺伝子である
。
同様に、回旋糸状虫MIF遺伝子は、天然の回旋糸状虫MIF遺伝子に関連す
る、該遺伝子がコードする回旋糸状虫MIFタンパク質の生産を制御する調節領
域のようなすべての核酸配列はもとより、コーディング領域自体も含む。一実施
態様では、回旋糸状虫MIF遺伝子は、核酸配列の配列番号6を包含する。核酸
配列である配列番号6は、本明細書ではnOvMIF(1)440として表示する
、その生産を実施例で開示するcDNA核酸分子の見かけのコーディング領域の
コーディング鎖の推定配列を表す。もう一つの実施態様では、配列番号6に類似
するが同一ではない配列を含
む対立遺伝子変異体であることができる。そのような対立遺伝子変異体の例は、
配列番号9を含む回旋糸状虫MIF遺伝子である。核酸配列の配列番号9は、本
明細書ではnOvMIF(1)522として表示する、その生産を実施例で開示す
るcDNA核酸分子の見かけのコーディング領域のコーディング鎖の推定配列を
表す。
本発明のMIFタンパク質相同体の最小の大きさは、対応する天然のタンパク
質をコードする核酸分子の相補的配列との安定的なハイブリッドを形成できる(
すなわち、厳格なハイブリッド形成の条件下でハイブリッド形成する)核酸分子
によってコードされるのに充分な大きさである。そのようなものとして、そのよ
うなタンパク質相同体をコードする核酸分子の大きさは、核酸の組成と、核酸分
子と相補的配列との間の相同性の百分率とに依存する。安定的なハイブリッドを
形成するのに要する相同性の程度は、相同配列が、核酸分子全体に散在するか、
または核酸分子の独自の領域に密集する(すなわち局在する)かに依存すること
にも留意しなければならない。そのような核酸分子の最小の大きさは、代表的に
は、該核酸分子がGCに富むならば、長さが少なくとも約12〜約15ヌクレオ
チドであり、ATに富むならば、長さが少なくとも約15〜約17塩基である。
そのようなものとして、本発明のMIFタンパク質相同体をコードするのに用い
られる核酸分子の最小の大きさは、長さが約12〜約18ヌクレオチドである。
そのような核酸分子の最大の大きさに対しては、核酸分子が遺伝子の一部、遺
伝子全体、またはその遺伝子もしくはその一部を包含できるという点で、実施上
の限定以外に限定は存在しない。同様に、本発明のMIFタンパク質相同体の最
小の大きさは、長さが約4〜約6アミノ酸であるが、好適な大きさは、そのよう
なタンパク質の全長の、融合の、多面性の、ま
たは機能性の部分が望ましいかに依存する。
本発明の寄生性蠕虫MIFタンパク質は、その相同体も含めて、好ましくは、
寄生性蠕虫MIFタンパク質に対する免疫応答を誘導でき、かつ/または免疫血
清に選択的に結合できる。そのようなタンパク質の最小の大きさは、エピトープ
を形成するのに充分な最小の大きさであって、代表的には、少なくとも約5〜約
9アミノ酸である。当業者が認識するとおり、エピトープは、天然には互いに隣
り合うアミノ酸はもとより、天然のタンパク質の三次構造のために、エピトープ
を形成するのに充分近接しているアミノ酸も包含できる。
本発明の一実施態様は、グルタチオンと結合し、その限りで、グルタチオン結
合ドメインを含む寄生性蠕虫MIFタンパク質を包含する。そのようなグルタチ
オン結合ドメインは、本発明の完全な長さのMIFタンパク質のN末端部分に主
として局在すると考えられる。グルタチオンの結合を検出し、グルタチオン結合
ドメインを同定する方法は、例えば、Blocki et al.,1993[前掲]、および本
明細書に引用した参考文献に記載されている。
本発明の寄生性蠕虫MIFタンパク質を単離するのに適した寄生性蠕虫(天然
タンパク質の単離、または組換えもしくは合成の手法によるタンパク質の生産を
包含する)は、線虫類、条虫類および吸虫類を包含し、線虫類が好適である。M
IFタンパク質を単離するのに好適な線虫は、糸状虫類、回虫類、円虫類および
毛様線虫類の線虫類を包含する。特に好適な線虫類は、常在線虫Acanthocheilon
ema、猫円虫Aelurostrongylus、ズビニ鉤虫Ancylostoma、アンギオストロンギル
スAngiostrongylus、回虫Ascaris、ブルギアBurgia、ブノストマムBunostomum、
ディクチオカウルスDictyocaulus、腎線虫Dioctophyme、ディペタロネーマDipet
alonema、イヌ糸状虫D
irofilaria、メディナ虫Dracunculus、フィラロイデスFilaroides、ラゴキルア
スカリスLagochilascaris、ロア糸状虫Loa、マンソネラMansonella、ミュレリウ
スMuellerius、アメリカ鉤虫Necator、回旋糸状虫Onchoserca、パラフィラリアP
arafilaria、馬回虫Parascaris、プロトストロンギルスProtostrongylus、セタ
リアSetaria、ステファノフィラリアStephanofilaria、糞線虫Strongyloides、
円虫Strongylus、テラジアThelazia、トキスアスカリスToxascaris、犬回虫Toxo
cara、旋毛虫Trichinella、東洋鉤虫Uncinariaおよび糸状虫Wuchereriaという属
の線虫である。その他の特に好適な線虫は、毛細線虫Capillaria、カベルティア
Chabera、クーパリアCooperia、ギョウ虫Enterobius、捻転胃虫Haemonchus、ネ
マトデイルスNematodirus、エソファゴストマムOesophagostomum、オステルタギ
アOstertagia、毛様線虫Trichostrongylusおよび鞭虫Trichurisという属の寄生
性蠕虫を包含する。好適な糸状虫類の線虫は、イヌ糸状虫、回旋糸状虫、常在線
虫、ブルギア、ディペタロネーマ、ロア糸状虫、パラフィラリア、セタリア、ス
テファノフィラリアおよび糸状虫の糸状虫類線虫である。特に好適な寄生性蠕虫
は、イヌ糸状虫および回旋糸状虫の属の線虫であり、イヌ糸状虫D.immitis、す
なわち心糸状虫を生じる寄生生物と、回旋糸状虫O.volvulus、すなわち糸状虫
症を生じる寄生生物とが、はるかに好適である。
本発明の好適な寄生性蠕虫MIFタンパク質は、効果的な仕方で動物に投与し
たときに、寄生性蠕虫が生起する疾病から該動物を保護できる化合物である。そ
のようなものとして、寄生性蠕虫は、本発明の単離タンパク質で免疫された動物
に疾病を生起することが基本的にできない。本発明によれば、本発明のMIFタ
ンパク質が、寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を保護できることは、該タンパ
ク質が、寄生性蠕虫が生起する疾病へと導く感染を包含する疾病を、好ましくは
、該寄生性蠕虫に対する免疫反応
を誘導することによって、治療、緩和かつ/または予防できることを意味する。
そのような免疫反応は、体液性および/または細胞性免疫反応を包含することが
できる。
標的とするのに適した寄生生物は、本発明のMIFタンパク質を投与した動物
には疾病を生起することが基本的にできない、いかなる寄生生物も包含する。そ
のようなものとして、標的とすべき寄生生物は、本発明のMIFタンパク質に対
する体液性および/または細胞性免疫反応が標的とすることができ、かつ/また
はMIF活性を別途阻害し、そのため、寄生生物が動物に疾病を生起できる能力
の低下を招く化合物(例えば、グルタチオン結合および/またはGST活性を阻
害する化合物)が標的とすることができる一つまたはそれ以上のエピトープを有
するタンパク質を生産する、いかなる寄生生物も包含する。標的とするのに適切
かつ好適な寄生生物は、本発明の寄生性蠕虫タンパク質の生産に役立つとして上
記に開示された寄生性蠕虫を包含する。
本発明は、本発明のMIFタンパク質について開示されたような方法に従って
用い得る、本発明のMIFタンパク質のミメトープも包含することを認識すべき
である。本明細書に用いられるように、本発明のMIFタンパク質のミメトープ
とは、該ミメトープがMIFタンパク質を模倣する構造を有することにしばしば
起因して、そのようなMIFタンパク質の活性を模倣できるいかなる化合物も意
味する。ミメトープは、分解に対するその感受性を低下させるよう修飾されたペ
プチド;抗イディオタイプ性および/もしくは触媒性抗体またはそのフラグメン
ト;単離タンパク質の非タンパク質性免疫原の部分(例えば炭水化物構造);な
らびに核酸を包含する合成または天然有機物分子であり得るが、それらに限定さ
れない。そのようなミメトープは、本発明のタンパク質の、コンピューターで生
成した
構造を用いて設計することができる。ミメトープは、分子、例えばオリゴヌクレ
オチド、ペプチドその他の有機分子の無作為サンプルを生成し、そのようなサン
プルを、対応する結合パートナーを用いるアフィニティークロマトグラフィーに
よってふるい分けることによって、得ることもできる。
本発明の単離されたタンパク質の一実施態様は、融合セグメントに付着した寄
生性蠕虫MIFタンパク質含有ドメインを有する融合タンパク質である。本発明
のMIFタンパク質の一部としての融合セグメントの包含は、製造、貯蔵および
/または使用の際のタンパク質の安定性を増大させることができる。セグメント
の特性に応じて、融合セグメントは、そのような融合セグメントを有するMIF
タンパク質で免疫化した動物が備える免疫応答を増強するための免疫強化剤とし
ても作用できる。その上、融合セグメントは、寄生性蠕虫MIFタンパク質の精
製を単純化するための、例えば、アフィニティークロマトグラフィーを用いて、
得られた融合タンパク質の精製を可能にするような手段として、機能できる。適
切な融合セグメントは、所望の機能(例えば増大した安定性を付与する、増大し
た免疫原性をタンパク質に付与する、および/または精製手段を単純化する)を
有するいかなる大きさのドメインでもあることができる。1個またはそれ以上の
融合セグメントを用いることは、本発明の範囲内である。融合セグメントは、該
タンパク質のMIF含有ドメインのアミノおよび/またはカルボキシル末端に結
合できる。融合セグメントと、融合タンパク質のMIF含有ドメインとの結合は
、そのようなタンパク質のMIF含有ドメインの簡明な回収を可能にするための
切断を受け易くできる。融合タンパク質は、好ましくは、MIF含有ドメインの
カルボキシルおよび/またはアミノ末端のいずれかに結合した融合セグメントを
有するタンパク質をコードしている、融合核酸分子で形質転換した組換え細胞を
培養することによって製
造する。
本発明の用途に好適な融合セグメントは、金属結合ドメイン、例えば二価金属
イオンに結合できるポリヒスチジンセグメント;免疫グロブリン結合ドメイン、
例えばプロテインA、プロテインG、T細胞、B細胞、Fc受容体または補体タ
ンパク質抗体結合ドメイン;麦芽糖結合タンパク質からの麦芽糖結合ドメインの
ような、糖結合ドメイン;および/または「タグ」ドメイン(例えば、β−ガラ
クトシダーゼの少なくとも一部、ストレプタグペプチド、該ドメインに結合する
化合物、例えばモノクローナル抗体を用いて精製できるその他のドメイン)を包
含する。より好適な融合セグメントは、金属結合ドメイン、例えばポリヒスチジ
ンセグメント;麦芽糖結合ドメイン;ストレプタグペプチド、例えば米国フロリ
ダ州TampaのBiometra社から入手できるもの;およびS10ペプチドを包含する
。本発明の特に好ましい融合セグメントの例は、PHIS−PDiMIF(1)115
を包含し、その製造を本明細書中に開示する。
本発明のもう一つの実施態様は、動物を1種類またはそれ以上の疾病から保護
できる1個以上の追加タンパク質セグメントも有する寄生性蠕虫MIFタンパク
質である。そのような多面的保護タンパク質は、互いに結合させた2個所または
それ以上の核酸ドメインを含む核酸分子で形質転換した細胞を、培養することに
よって製造できるが、その結合は、得られる核酸分子が、例えば1種類以上の感
染性作用因が生起する疾病から動物を保護できる、2種類以上の保護化合物また
はその部分を含む多面的保護化合物として発現されるようにする。
多面的保護化合物の例は、1種類またはそれ以上の他の感染性作用因、特にヒ
ト、ネコ、イヌ、ウシおよび/またはウマに感染する作用因、例えば、それらに
限定されないが、ウイルス(例えばカリシウイルス、ジステ
ンパーウイルス、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、免疫不全ウイルス、伝染性
腹膜炎ウイルス、白血病ウイルス、汎白血球減少症ウイルス、パルボウイルス、
狂犬病ウイルス、他の発癌ウイルスまたは癌関連ウイルス);細菌(例えばレプ
トスピラ、バルトネラ);真菌および真菌類縁微生物(例えばカンジダ、クリプ
トコックス、ヒストプラズマ);他の寄生生物(例えばバベシア、クリプトスポ
リジウム、アイメリア、エンセファリトゾーオン、ヘパトゾーオン、イソスポラ
、リーシュマニア、ミクロスポリジア、ネオスポラ、小芽胞菌、マラリア原虫、
ニューモシスティス、トキソプラズマはもとより、蠕虫である寄生生物、例えば
本明細書に開示のもの)に対して保護的である1種類またはそれ以上の化合物に
結合させた、本発明のMIFタンパク質を包含するが、これらに限定されない。
一実施態様では、本発明のイヌ糸状虫MIFタンパク質を、心糸状虫に対して保
護的である1種類またはそれ以上の追加化合物に結合させる。もう一つの実施態
様では、本発明の回旋糸状虫MIFタンパク質を、回旋糸状虫症に対して保護的
である1種類またはそれ以上の追加化合物に結合させる。
本発明の好適な単離タンパク質は、核酸分子であるnDiMIF(1)345、
nDiMIF(2)330、nOvMIF(1)345および/またはnOvMIF(
2)342と厳格なハイブリッド形成の条件下でハイブリッド形成する核酸分子が
コードするタンパク質である。さらに好適な単離タンパク質は、核酸配列の配列
番号3(すなわち配列番号17または配列番号19)、配列番号6および/また
は配列番号9を有する核酸分子と厳格なハイブリッド形成の条件下でハイブリッ
ド形成する核酸分子によってコードされる。
配列番号1の翻訳は、配列番号1のほぼ第8ヌクレオチドからほぼ第10ヌク
レオチドに渉る開始(出発)コドンと、配列番号1のほぼ第353
ヌクレオチドからほぼ第355ヌクレオチドに渉る終止(停止)コドンとを有す
る読み取り枠を仮定すれば、核酸分子nDiMIF(1)532およびnDiMI
F(2)532が、それぞれ、本明細書ではPDiMIF(1)115およびPDiM
IF(2)115と呼ばれる、約115アミノ酸の完全な長さのイヌ糸状虫MIF
タンパク質をコードすることを示唆する。PDiMIF(1)115およびPDi
MIF(2)115は、同じアミノ酸配列を有し、そのようなものとして、本明細
書では、ともにPDiMIF(1)115と呼ぶことに留意されたい。停止コドン
を除く、nDiMIF(1)532に対応する読み取り枠は、本発明の核酸分子n
DiMIF(1)345を含み、その核酸配列は、本明細書では配列番号17によ
って表される。停止コドンを除く、nDiMIF(2)532に対応する読み取り
枠は、本発明の核酸分子nDiMIF(2)330を含み、その核酸配列は、本明
細書では配列番号19によって表される。配列番号3は、配列番号17と配列番
号19の複合体を表す。配列番号19は、配列番号17と比較すると、より詳細
には、実施例の項で説明するように、5’末端が断端されていて、内部的にも、
ヌクレオチド1個だけ配列が異なる。
配列番号3および配列番号17は、同じアミノ酸配列を有するタンパク質をコ
ードし、そのようなものとして、これらのタンパク質は、それぞれPDiMIF
(1)115と呼ばれる。配列番号19は、断端されており、本明細書ではPDi
MIF(2)110と呼ばれる110アミノ酸のタンパク質をコードする。PDi
MIF(1)115の推定アミノ酸配列は、本明細書では配列番号2として表され
る。配列番号17と配列番号19とのヌクレオチドの相違が生じるコドンが同じ
アミノ酸をコードしているため、PDiMIF(2)110の推定アミノ酸配列は
、配列番号2の第6〜第115アミノ酸に相当する。このアミノ酸配列に基づき
、PDiMIF(1)115は、
約12.3kDの推定分子量と、約8.3の推定pIとを有する。PDiMIF(
1)115のアミノ酸配列は、3個の可能なN−グリコシル化部位も含む。
配列番号2のアミノ酸配列(すなわちPDiMIF(1)115のアミノ酸配列
)と、GenBankに報告されたMIFアミノ酸配列との比較は、配列番号2が、ヒ
トMIFと約52〜53%同一であり、ニワトリMIFとは約55%同一である
ことを示す。
配列番号4の翻訳は、配列番号1のほぼ第8ヌクレオチドからほぼ第10ヌク
レオチドに渉る開始(出発)コドンと、配列番号4のほぼ第353ヌクレオチド
からほぼ第355ヌクレオチドに渉る終止(停止)コドンとを有する読み取り枠
を仮定すれば、核酸分子nOvMIF(1)440が、本明細書ではPOvMIF
(1)115と呼ばれる、約115アミノ酸の完全な長さの回旋糸状虫MIFタン
パク質をコードすることを示唆する。停止コドンを除く読み取り枠は、本発明の
核酸分子nOvMIF(1)345を含み、その核酸配列は、本明細書では配列番
号6によって表される。POvMIF(1)115の推定アミノ酸は、本明細書で
は配列番号5として表される。このアミノ酸配列に基づき、POvMIF(1)115
は、約12.24kDの推定分子量と、約9.21の推定pIとを有する。P
OvDiMI(1)115のアミノ酸配列は、3個の可能なN−グリコシル化部位
も含む。
配列番号7の翻訳は、配列番号7のほぼ第343ヌクレオチドからほぼ第34
5ヌクレオチドに渉る停止コドンを仮定すれば、核酸分子nOvMIF(2)52 2
が、POvMIF(2)114と呼ばれる、約114アミノ酸のタンパク質をコー
ドすることを示唆する。POvMIF(2)114のアミノ酸配列は、本明細書で
は配列番号8として表される。POvMIF(2)115をコードする読み取り枠
を、本明細書ではnOvMIF(2)342と呼
び、その核酸配列は、配列番号9で表される。
配列番号4と配列番号7とは、対立遺伝子変異体であり、(a)配列番号7が
、見かけ上出発コドンを欠くこと;(b)配列番号7は、5’末端が配列番号4
より約10ヌクレオチド短いこと;および(c)配列番号7のほぼ第1ヌクレオ
チドからほぼ第19ヌクレオチドまでに渉る領域は、配列番号4のほぼ第10ヌ
クレオチドからほぼ第29ヌクレオチドまでに渉る領域と約47%同一であるに
すぎないこと以外は、それらのコーディング領域(すなわち、それぞれ、配列番
号6および配列番号9)が同一である。
見かけ上完全な長さのイヌ糸状虫および回旋糸状虫MIFタンパク(すなわち
PDiMIF(1)115およびPOvMIF(1)115)の比較は、この2種類の
MIFタンパク質が、アミノ酸レベルで約88%同一であることを示す。配列番
号5のアミノ酸配列(すなわちPOvMIF(1)115のアミノ酸配列)と、Gen
Bankに報告されたアミノ酸配列との比較は、配列番号5が、捕乳類および鳥類起
源のマクロファージ遊走阻害因子タンパク質との何らかの相同性を示した。最高
評点の合致、すなわち44%の同一性は、配列番号5とヒトおよびウシのMIF
との間で見出された。配列番号5は、ラット、マウスおよびニワトリのMIFと
約43%同一であった。
本発明の好適な寄生性蠕虫MIFタンパク質は、アミノ酸配列の配列番号2、
配列番号5および/または配列番号8と少なくとも約60%、好ましくは少なく
とも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、はるかに好ましくは少なく
とも約85%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質を含有する。特に好適で
あるのは、アミノ酸配列の配列番号2、配列番号5および/または配列番号8と
少なくとも約90%、より特定的には少
なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質である。本発明の、
より好適な寄生性蠕虫MIFタンパク質は:配列番号1の少なくとも一部によっ
てコードされ、そのようなものとして、配列番号2の少なくとも一部を含むアミ
ノ酸配列を有するタンパク質;配列番号4の少なくとも一部によってコードされ
、そのようなものとして、配列番号5の少なくとも一部を含むアミノ酸配列を有
するタンパク質;および配列番号7の少なくとも一部によってコードされ、その
ようなものとして、配列番号8の少なくとも一部を含むアミノ酸配列を有するタ
ンパク質を含む。
本発明の特に好適な寄生性蠕虫タンパク質は、配列番号2、配列番号5および
/または配列番号8を有するタンパク質(コードされたタンパク質、完全な長さ
のタンパク質、プロセシングされたタンパク質、融合タンパク質および多面性タ
ンパク質を包含するが、これらに限定されない)、ならびに配列番号2、配列番
号5および/または配列番号8を有するタンパク質の断端された相同体である。
はるかに好適なタンパク質は、PDiMIF(1)115、PDiMIF(2)115
、PDiMIF34、PHIS−PDiMIF(1)115、BvPDiMIF(1
)115、POvMIF(1)115およびPOvMIF(2)114を含む。そのよう
なタンパク質を生産する方法の例は、実施例の項をはじめ、本明細書に開示され
ている。
本発明の他の実施態様は、厳格なハイブリッド形成の条件下で、イヌ糸状虫M
IF遺伝子および回旋糸状虫MIF遺伝子からなる群より選択されたMIF遺伝
子とハイブリッド形成する単離された核酸分子である。該遺伝子を同定するため
の特徴は、既に記載されている。本発明の核酸分子は、単離された天然の寄生性
蠕虫MIF遺伝子またはその類似体を包含する。後者については、以下にさらに
詳細に記載する。本発明の核酸分子には、一つ以上のの調節領域、完全な長さも
しくはその一部のコーディング領域、
またはそれらの組み合わせが含まれる。本発明の核酸分子の最小の大きさは、前
述の遺伝子の一つと、厳格なハイブリッド形成の条件下で、安定なハイブリッド
を形成することが可能な最小の大きさである。適切で好ましい寄生性蠕虫は上記
に開示されている。
本発明によれば、単離された核酸分子は、その自然な環境から取り出された(
すなわち、人為操作に付された)核酸分子である。そのようなものとして、「単
離された」は、核酸分子が精製された程度は反映しない。単離された核酸分子は
、DNA、RNA、またはDNAもしくはRNAのいずれかの誘導体を含有でき
る。
本発明の単離された寄生性蠕虫MIF核酸分子は、全体の(すなわち完全な)
遺伝子、または該遺伝子と安定したハイブリッドを形成できるその一部のいずれ
としても、その天然の起源から得られる。単離された寄生性蠕虫MIF核酸分子
は、組換えDNA技術(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、クローニ
ング)または化学的合成を用いても、製造できる。単離された寄生性蠕虫MIF
核酸分子は、天然の核酸分子、ならびに、天然の対立遺伝子変異体および修飾さ
れた核酸分子を包含するが限定されない、その相同体を包含するが、この修飾は
、核酸分子の、本発明の寄生性蠕虫MIFタンパク質をコードできるか、または
厳格な条件下で天然の単離体と安定したハイブリッドを形成できる能力に、その
ような修飾が実質的に干渉しないようにして、ヌクレオチドを挿入、削除、置換
および/または転化するものである。
寄生性蠕虫MIF核酸分子の相同体は、当業者に公知の多数の方法(例えばSa
mbrookら[前掲の文献]を参照されたい)を用いて製造できる。例えば、古典的
な突然変異誘発の手法および組換えDNAの手法、例えば部位指向性突然変異誘
発、核酸分子の突然変異を誘発する化学処理、制限酵
素による核酸断片の切断、核酸断片の連結、核酸配列の選ばれた領域のPCRに
よる増幅および/または突然変異誘発、核酸分子の混合物を「形成する」ための
オリゴヌクレオチド混合物の合成や混合物群の連結、ならびにそれらの組合せを
包含するがこれらに限定されない、様々な手法を用いて、核酸分子を修飾できる
。核酸分子相同体は、修飾された核酸の混合物から、該核酸がコードしているタ
ンパク質の機能(例えば、寄生性蠕虫MIFタンパク質の1個以上のエピトープ
に対して免疫応答を誘発できる能力、免疫血清に選択的に結合できる能力、グル
タチオンに結合できる能力)についてのスクリーニング、および/または厳格な
条件下での寄生性蠕虫MIF遺伝子および/または回旋糸状虫MIF遺伝子との
ハイブリッド形成によって選択できる。
本発明の単離された核酸分子は、本発明の1種類以上の寄生性蠕虫MIFタン
パク質をコードしている核酸配列を有することができ、そのようなタンパク質の
例を本明細中に開示する。語句「核酸分子」は、主として物理的な核酸分子を意
味し、語句「核酸配列」は、主として核酸分子上のヌクレオチドの配列を主に意
味するものの、二つの語句は、特に、寄生性蠕虫MIFタンパク質をコードでき
る核酸分子または核酸配列に関しては、互換可能な形で用いることができる。以
上に開示されたとおり、本発明の寄生性蠕虫MIFタンパク質は、完全な長さの
寄生性蠕虫MIFコーディング領域を有するタンパク質、部分的な寄生性蠕虫M
IFコーディング領域を有するタンパク質、融合タンパク質、多面的保護タンパ
ク質およびそれらの組合せを包含するが、これらに限定されない。
本発明の好適な核酸分子は、動物に投与されたときに、寄生性蠕虫が生起する
疾病から動物を保護できる。以下にさらに詳細に開示されるように、そのような
核酸分子は、アンチセンスRNA、トリプルヘリックスを形成
できる分子、リボザイム、または他の核酸に基づく薬物化合物であるか、または
それをコードする。さらなる実施態様において、本発明の核酸分子は、直接的な
注射により(すなわち、裸の核酸として)、または組換えウイルスワクチンもし
くは組換え細胞ワクチンのような媒体中に含ませて動物に送達される、保護タン
パク質をコードする核酸分子であってもよい。
本発明の一実施態様は、厳格なハイブリッド形成の条件下で、核酸分子nDi
MIF(1)532、nDiMIF(2)532、nOvMIF(1)440、および/
または核酸分子nOvMIF(2)522とハイブリッド形成する寄生性蠕虫MI
F核酸分子である。そのような寄生性蠕虫核酸分子は、厳格なハイブリッド形成
の条件下で、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、
配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番号17、配列
番号18、配列番号19の核酸配列、および/またはこれらの核酸配列のいずれ
かの相補配列を有する核酸分子とハイブリッド形成しうる。そのような核酸配列
の決定は、本明細書中に、特に実施例の項に記載されている。上記のように、配
列番号により表される一つの鎖について核酸配列が決定された本発明の二本鎖核
酸分子に、その配列番号の相補配列である配列を有する相補鎖が含まれる、とい
うことに注意されたい。そのようなものとして、二本鎖であっても一本鎖であっ
てもよい本発明の核酸分子は、厳格なハイブリッド形成の条件下で、本明細書に
記載された配列番号および/またはその配列番号の相補配列と、安定なハイブリ
ッドを形成するこれらの核酸分子を包含する。
イヌ糸状虫および回旋糸状虫のMIFコーディング領域を含む核酸分子(例え
ば、nDiMIF(1)345およびnOvMIF(1)345)の比較より、二つの
MIFコーディング領域は、核酸配列レベルで約87%同一であることが示され
た。そのようなイヌ糸状虫および回旋糸状虫の核酸分
子をGenBankに報告されている哺乳動物およびトリのMIF遺伝子の配列と比較
すると、配列番号3および配列番号6に表されているコーディング領域がニワト
リ遊走阻害因子遺伝子のコーディング領域と最も相同性が高く、ニワトリ遺伝子
とそれぞれ約52%、51%同一であることが明らかとなった。
好適な寄生性蠕虫核酸分子は、配列番号3、配列番号6、配列番号9、および
/またはそれらの相補配列と、少なくとも約55%、好ましくは少なくとも約7
5%、より好ましくは少なくとも約85%、はるかにより好ましくは少なくとも
約90%、さらに好ましくは少なくとも約95%同一である核酸配列を有する核
酸分子を包含する。
本発明の好適な核酸分子は、本発明のイヌ糸状虫MIF遺伝子および/または
回旋糸状虫MIF遺伝子とハイブリッド形成できる、配列番号1、配列番号4、
配列番号7の核酸配列、および/またはそれらの相補配列の少なくとも一部を含
有する。配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列
番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番号17、配列番号
18、および/または配列番号19の核酸配列、またはそれらの相補配列を含む
核酸分子、ならびに配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番
号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番号17
、配列番号18、および/または配列番号19の核酸配列またはそれらの相補配
列を含む核酸分子の対立遺伝子変異体である核酸分子がより好ましい。そのよう
な核酸分子は、配列番号中に含まれる配列に加え、これらに限定されないが、全
長遺伝子、全長コーディング領域、融合タンパク質をコードする核酸分子、また
は多価保護化合物をコードする核酸分子のようなヌクレオチドを包含できる。特
に好適な核酸分子は、nDiMIF(1)532、nDiMI(2)532
、nDiMIF282、nDiMIF102、nDiMIF(1)355、nDiMI
F(2)333、nDiMIF(1)345、nDiMIF(2)330、nDiMIF
(1)348、nBvDiMIF(1)348、nRcnDiMIF(1)348、nO
vMIF(1)440、nOvMIF(2)522、nOvMIF(1)345、および
/またはnOvMIF(2)342を包含する。
本発明は、このような核酸分子を発現させようとする細胞のコドン使用特性に
適合するよう修飾された核酸分子を含む、配列番号2、配列番号5、配列番号8
、および/または配列番号11の少なくとも一部を有するタンパク質をコードす
る核酸分子も包含する。
本発明のある種の寄生性蠕虫MIF核酸分子の核酸配列を知ることにより、当
業者は、例えば(a)これらの核酸分子のコピーを作製すること、(b)このよ
うな核酸分子の少なくとも一部を含む核酸分子(例えば、全長遺伝子を含む核酸
分子、全長コーディング領域、制御性調節配列、断短コーディング配列)を得る
こと、および(c)他の寄生性蠕虫に関するMIF核酸配列を得ることが可能に
なる。特に、実施例の項に詳述されているように、本発明のイヌ糸状虫MIF核
酸分子を知ることにより、本発明の回旋糸状虫MIF核酸分子の単離が可能とな
った。このような核酸分子は、適当な発現ライブラリーを本発明の抗体を用いて
スクリーニングすること、本発明のオリゴヌクレオチド・プローブを用いた伝統
的なクローニング技術により適当なライブラリーまたはDNAをスクリーニング
すること、および本発明のオリゴヌクレオチド・プライマーを用いて適当なライ
ブラリーまたはDNAをPCR増幅することを含む、様々な方法で得ることがで
きる。スクリーニングするため、または核酸分子を増幅するための好適なライブ
ラリーは、寄生性蠕虫のL3、L4、または成虫のライブラリー、ならびにゲノ
ムDNAライブラリーを包含する。同様に、スクリー
ニングするため、または核酸分子を増幅するための好適なDNA源は、寄生性蠕
虫のL3、L4、または成虫のDNA、およびゲノムDNAを包含する。遺伝子
のクローニング法および増幅法は、例えばSambrookら[前掲の文献]に開示され
ている。
本発明は、好ましくはより長い、本発明の他の核酸分子、例えば寄生性蠕虫M
IF遺伝子を含む核酸分子、または他の寄生性蠕虫MIF核酸分子の相補的領域
と、厳格なハイブリッド形成の条件下でハイブリッド形成できるオリゴヌクレオ
チドである核酸分子も包含する。本発明のオリゴヌクレオチドは、RNA、DN
A、またはそのいずれかの誘導体であることができる。このようなオリゴヌクレ
オチドの最小の大きさは、ある一定のオリゴヌクレオチドと、本発明のもう一つ
の核酸分子上の相補的配列との間に安定なハイブリッドを形成するのに必要な大
きさである。最小のオリゴヌクレオチドの大きさの特徴は、本明細書に開示され
ている。オリゴヌクレオチドの大きさは、本発明によるオリゴヌクレオチドの用
途に充分であることも要する。本発明のオリゴヌクレオチドは、様々な使用、例
えば、これらに限定されないが、さらなる核酸分子を同定するためのプローブと
して、核酸分子を増幅もしくは延長するためのプライマーとして、またはMIF
タンパク質の産生または活性を阻害するための治療の用途において用いることが
できる。そのような治療用途は、例えば、アンチセンス、トリプレックス形成、
リボザイム、および/またはRNA薬物に基づく技術でのそのようなオリゴヌク
レオチドの用途を包含する。したがって、本発明は、そのような技術のうちの一
つまたはそれ以上を用いることによって、寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を
保護するためのそのようなオリゴヌクレオチドおよび方法を包含する。疾病から
動物を保護するため、イヌ糸状虫または回旋糸状虫のような寄生性蠕虫による感
染の前または後に、当
業者に公知の手法を用いて、オリゴヌクレオチドを含有する適切な治療組成物を
動物に投与できる。
本発明は、本発明の1種類以上の、単離された核酸分子を宿主細胞内に送達で
きるいかなるベクターにも挿入される、該核酸分子を含有する組換えベクターも
包含する。そのようなベクターは、異種核酸配列、すなわち、天然には本発明の
核酸分子の近隣には見出されず、かつ、好ましくは、該核酸分子がそれに由来す
る種以外の種に由来する核酸配列を有する。該ベクターは、RNAまたはDNA
のいずれであることも、原核性または真核性のいずれであることもでき、一般的
には、ウイルスまたはプラスミドである。組換えベクターは、本発明の寄生性蠕
虫MIF核酸分子のクローニング、配列決定および/またはそれ以外の操作に用
いることができる。組換えベクターの一類型は、本明細書では組換え分子と呼び
、より詳細に下記で説明するが、本発明の核酸分子の発現に用い得る。好適な組
換えベクターは、形質転換した細胞内で複製できる。
本発明の組換えベクターに含めうる好適な核酸分子は、好適な寄生性蠕虫MI
F核酸分子それ自体について本明細書に開示されているものと同様である。本発
明の組換えベクター、特に組換え分子に含めうる特に好適な核酸分子は、nDi
MIF(1)532、nDiMIF(2)532、nDiMIF282、nDiMIF102
、nDiMIF(1)355、nDiMIF(2)333、nDiMIF(1)345、
nDiMIF(2)330、nDiMIF(1)348、nBvDiMIF(1)348
、nRcnDiMIF(1)348、nOvMIF(1)440、nOvMIF(2)522
、nOvMIF(1)345、およびnOvMIF(2)342を包含する。
本発明の単離タンパク質は、天然タンパク質の製造および回収、組換えタンパ
ク質の製造および回収、ならびに該タンパク質の化学合成を包含す
る様々な方法で製造できる。一実施態様では、本発明の単離タンパク質は、該タ
ンパク質を産生するのに効果的な条件下で、該タンパク質を発現できる細胞を培
養し、該タンパク質を回収することによって製造する。培養するのに好適な細胞
は、本発明の1種類またはそれ以上の核酸分子で宿主細胞を形質転換することに
よって形成される、該タンパク質を発現できる組換え細胞である。細胞への核酸
分子の形質転換は、核酸分子を該細胞内に挿入できるいかなる方法を用いても達
成できる。形質転換の手法は、トランスフェクション、電気穿孔、微量注入、リ
ポフェクション、吸着およびプロトプラスト融合を包含するが、これらに限定さ
れない。組換え細胞は、単細胞性のままでも、または組織、器官もしくは多細胞
性器官系へと増殖させてもよい。本発明の形質転換された核酸分子は、染色体外
に留まることも、または形質転換した(すなわち組換えた)細胞の染色体内の1
個所もしくはそれ以上の部位へと、発現させようとするそれらの能力が保持され
るようにして、統合することもできる。細胞を形質転換するのに好適な核酸分子
は、好適な寄生性蠕虫MIF核酸分子それ自体について本明細書に開示されてい
るものと同様である。本発明の組換え細胞に含めるのに特に好適な核酸分子は、
nDiMIF(1)532、nDiMIF(2)532、nDiMIF282、nDiM
IF102、nDiMIF(1)355、nDiMIF(2)333、nDiMIF(1
)345、nDiMIF(2)330、nDiMIF(1)348、nBvDiMIF(
1)348、nRcnDiMIF(1)348、nOvMIF(1)440、nOvMI
F(2)522、nOvMIF(1)345、およびnOvMIF(2)342を包含す
る。
形質転換するのに適した宿主細胞は、本発明の核酸分子で形質転換できるいか
なる細胞も包含する。宿主細胞は、形質転換されていない細胞、または1種類以
上の核酸分子で既に形質転換された細胞のいずれであること
もできる。本発明の宿主細胞は、本発明の寄生性蠕虫MIFタンパク質を内因的
に(すなわち自然に)産生できるか、または本発明の1種類以上の核酸分子で形
質転換した後に、そのようなタンパク質を産生できるかのいずれかである。本発
明の宿主細胞は、本発明の1種類以上のタンパク質を生産できるいかなる細胞で
あることもでき、細菌、真菌(酵母を含む)、動物寄生虫(蠕虫、原生動物およ
び外部寄生菌を含む)、昆虫、その他の動物および植物の細胞を包含する。好適
な宿主細胞は、細菌、マイコバクテリア、酵母、蠕虫、昆虫および哺乳動物の細
胞である。より好適な宿主細胞は、サルモネラ属Salmonella、エスケリキア属Es cherichia
、バシルス属Bacillus、リステリア属Listeria、サッカロマイセス属S accharomyces
、スポドプテラ属Spodoptera、マイコバクテリア属Mycobacteria、
トリコプルシア属Trichoplusia、BHK(仔ハムスター腎)細胞、MDCK細胞
(イヌヘルペスウイルス培養用正常イヌ腎細胞系)、CRFK細胞(ネコヘルペ
スウイルス培養用正常ネコ腎細胞系)CV−1細胞(例えばラクーン・ポックス
ウイルスを培養するために用いられるアフリカサル腎細胞系)、COS(例えば
COS−7)細胞およびVero細胞を包含する。特に好適な宿主細胞は、大腸菌
K−12誘導体を包含する大腸菌Escherichia coli;チフス菌Salmonella typhi
;UK−1 x3987およびSR−11 x4072のような弱毒株を包含するネ
ズミチフス菌Salmonella typhimurium;スポドプテラ・フルギペルダSpodoptera frugiperda
;トリコプルシア・ニーTrichoplusia ni;BHK細胞;MDCK細
胞;CRFK細胞;CV−1細胞;COS細胞;Vero細胞および非腫瘍原性
マウス筋原細胞G8細胞(例えばATCC CRL1246)である。追加され
る適切な哺乳類細胞の宿主は、その他の腎細胞系、その他の線維芽細胞の細胞系
(例えば、ヒト、ネズミまたはニワトリの胚線維芽細胞の細胞系)、
骨髄腫細胞系、チャイニーズハムスター卵巣細胞、マウスNIH/3T3細胞、
LMTK31細胞および/またはHeLa細胞を包含する。一つの実施態様において、
タンパク質は免疫グロブリンプロモーターを用いる骨髄腫細胞系における異種タ
ンパク質として発現され得る。
組換え細胞は、好ましくは、一つまたはそれ以上の転写調節配列を有する発現
ベクターに機能的に結合された、本発明の1種類またはそれ以上の核酸分子をそ
れぞれ含む、1種類またはそれ以上の組換え分子で宿主を形質転換させることに
よって形成する。機能的に結合されたという語句は、核酸分子を発現ベクター内
に、該分子が、宿主細胞内に形質転換されたときに発現できるように挿入するこ
とを意味する。本明細書で用いられるように、発現ベクターは、宿主を形質転換
でき、かつ特定の核酸分子の発現を実施できるDNAまたはRNAベクターであ
る。好ましくは、該発現ベクターは、宿主細胞内で複製することもできる。発現
ベクターは、原核性または真核性のいずれであることもでき、一般的には、ウイ
ルスまたはプラスミドである。本発明の発現ベクターは、細菌、真菌、動物寄生
虫、昆虫、その他の動物および植物の細胞を包含する、本発明の組換え細胞内で
機能する(すなわち遺伝子発現を指図する)いかなるベクターをも包含する。本
発明の好適な発現ベクターは、細菌、酵母、蠕虫もしくはその他の寄生生物、昆
虫および哺乳類の細胞内で、より好ましくは、以上に開示された細胞型内で遺伝
子発現を支配できる。
本発明の組換え分子は、(a)本発明の発現された寄生性蠕虫タンパク質が該
タンパク質を生産する細胞から分泌されるのを可能にするための分泌シグナル(
すなわち、シグナルセグメントの核酸配列)を有してもよく、そして/または(
b)本発明の核酸分子の融合タンパク質としての発現を招く融合配列を有しても
よい。融合セグメントの核酸がコードしている適
切なシグナルセグメントおよび融合セグメントの例は、本明細書に開示されてい
る。真核性組換え分子は、本発明の核酸分子の核酸配列の周囲および/または内
部に、干渉性の、および/または翻訳されない配列を含んでよい。
適切なシグナルセグメントは、本発明のタンパク質の分泌を支配できる、いか
なるシグナルセグメントをも包含する 好適なシグナルセグメントは、組織プラ
スミノーゲン活性化因子(t−pA)、インターフェロン、インターロイキン、
成長ホルモン、組織適合性およびウイルス外皮の糖タンパク質のシグナルセグメ
ントを包含するが、これらに限定されない。
本発明の核酸分子は、転写調節配列、翻訳調節配列、複製開始点、およびその
他の、組換え細胞に適合し本発明の核酸分子の発現を調節する調節配列などの、
調節配列を含む発現ベクターに機能的に結合されうる 特に、本発明の組換え分
子は転写調節配列を有する。転写調節配列は、転写の開始、延長および終結を調
節する配列である。特に重要な転写調節配列は、転写開始を調節する配列、例え
ばプロモーター、エンハーサー、オペレーターおよびリプレッサー配列である。
適切な転写調節配列は、本発明の組換え細胞のうち1種類以上で機能できる、い
かなる転写調節配列をも包含する。様々なそのような転写調節配列が、当業者に
公知である。好適な転写調節配列は、細菌、酵母、蠕虫もしくはその他の寄生生
物、昆虫および哺乳類の細胞で機能する配列、例えば、限定されないが、tac
、lac、trp、trc、oxy−pro、omp/lpp、rrnB、バク
テリオファージ(λ)(例えば、λPLおよびλPR、ならびにそのようなプロモー
ターを有する融合)、バクテリオファージT7、T7lac、バクテリオファー
ジT3、バクテリオファージSP6、バクテリオファージSP01、メタロチオ
ネイン、α交配因子、ピキア属アルコール酸化酵素、アル
ファウイルスのサブゲノムプロモーター(例えばシンドビスウイルスのサブゲノ
ムプロモーター)、抗生物質耐性遺伝子、バキュロウイルス、ヘリオチス・ゼアHeliothis zea
昆虫ウイルス、ワクシニアウイルス、ヘルペスウイルス、ラクー
ン・ポックスウイルス、その他のポックスウイルス、アデノウイルス、サイトメ
ガロウイルス(例えば中間初期プロモーター)、シミアンウイルス40、レトロ
ウイルスアクチン、レトロウイルスの長い末端重複、ラウス肉腫ウイルス、熱シ
ョック、リン酸および硝酸転写調節配列、ならびに、原核もしくは真核細胞での
遺伝子発現を調節できるその他の配列を包含する。追加される適切な転写調節配
列は、組織特異的なプロモーターおよびエンハンサー、ならびに、リンホカイン
誘導可能プロモーター(例えば、インターフェロンまたはインターロイキンで誘
導できるプロモーター)を包含する。本発明の転写調節配列は、犬糸状虫または
回旋系状虫分子に単離の前に天然に付随する、天然に産する転写調節配列も包含
できる。
本発明の組換え分子は、形質転換しようとする細胞での核酸分子の発現を効果
的に調節できる、いずれかの転写調節配列のうち1種類以上に機能的に結合され
た、これまでに記載したいずれかの核酸分子のうち1種類以上を含み得る分子で
ある。好適な組換え分子の例は、本明細書に記載してある。特に好適な組換え分
子は、pβgal−nDiMIF282、pHis−nDiMIF(1)348、pV
L1393−nDiMIF(1)348およびpKB3poly−nDiMIF(
1)348、pHis−nOvMIF(1)348、pVL1393−nOvMIF(
1)348、およびpKB3poly−nOvMIF(1)348を包含する。イヌ糸
状虫MIF核酸分子含有組換え分子の生成に関する詳細を本明細書中に開示する
。回旋糸状虫MIF組換え分子は同様な方法で生成される。
本発明の組換え細胞は、本発明の核酸分子のうちの少なくとも一つで形質転換
された、いかなる細胞も包含する。細胞へ導入される好適な核酸分子および好適
な組換え分子は本明細書に開示されている。特に好適な組換え細胞は、大腸菌:
pβgal−nDiMIF282、大腸菌:pHis−nDiMIF(1)348、S
.フルギペルダ:pVL1393−nDiMIF(1)348、BS−C−1:p
KB3poly−nDiMIF(1)348、大腸菌:pHis−nOvMIF(
1)348、S.フルギペルダ:pVL1393−nOvMIF(1)348、および
BS−C−1:pKB3poly−nDiMIF(1)348を包含する。これら
の組換え細胞の作製に関する詳細は、本明細書に開示されている。
本発明の組換え細胞は、本発明の1種類またはそれ以上のタンパク質、および
1種類またはそれ以上の保護化合物を含有できる多面的ワクチンの生産に役立つ
、別の1種類またはそれ以上のタンパク質とをコードしている寄生性蠕虫MIF
核酸分子を包含する、1種類またはそれ以上の組換え分子で同時形質転換するこ
ともできる。
当業者には、組換えDNA技術の利用は、例えば、宿主細胞中の核酸分子のコ
ピー数、これらの核酸分子が転写される効率、得られた転写体が翻訳される効率
、および翻訳後修飾の効率を操作することによって、形質転換された核酸分子の
発現を改善できることが認識されてよい。本発明の核酸分子の発現を増大させる
のに役立つ組換え手法は、核酸分子と高コピー数のプラスミドとの機能的な結合
、1種類またはそれ以上の宿主細胞染色体への核酸分子の統合、プラスミドへの
ベクター安定性配列の付加、転写調節シグナル(例えばプロモーター、オペレー
ター、エンハンサー)の置換または修飾、翻訳調節シグナル(例えばリボソーム
結合部位、シャイン−ダルガルノ配列)の置換または修飾、宿主細胞のコドン用
法に対応させ
るような本発明の核酸分子の修飾、転写体を不安定化する配列の削除、ならびに
、発酵の際に組換え細胞の増殖を組換え酵素生産から一時的に分離する調節シグ
ナルの利用を包含するが、これらに限定されない。発現された本発明の組換えタ
ンパク質の活性を、そのようなタンパク質をコードしている核酸分子を断片化、
修飾または誘導体化することによって、向上させてよい。
本発明によれば、本発明の組換え細胞は、本発明の1種類またはそれ以上のタ
ンパク質を生産するのに効果的な条件下で、そのような細胞を培養し、該タンパ
ク質を回収することによって、そのようなタンパク質を生産するのに用いること
ができる。タンパク質を生産するのに効果的な条件は、タンパク質生産を許す適
切な培地、バイオリアクター、温度、pHおよび酸素の条件を包含するが、これら
に限定されない。適切、もしくは効果的な培地とは、本発明の細胞が、培養した
ときに寄生性蠕虫MIFタンパク質を生産できるいかなる培地も意味する。その
ような培地は、一般に、同化できる炭水化物、窒素およびリン酸塩の供給源、な
らびに、適切な塩類、無機質、金属およびその他の栄養素、例えばビタミン類を
含む水性培地である。該培地は、複合栄養素を含んでよく、または規定された最
小培地でもよい。本発明の細胞は、慣用の発酵バイオリアクターで培養でき、そ
れは回分、流加培養、細胞再循環および連続式の発酵槽を包含するが、これらに
限定されない。培養は、振盪フラスコ、試験管、微量滴定皿およびペトリ皿中で
も実施できる。培養は、組換え細胞に適した温度、pHおよび酸素含量で実施する
。そのような培養条件は、充分に当業者の熟練の範囲内にある。適切な条件の例
は、実施例の項に含まれている。
生産に用いられるベクターおよび宿主系に応じて、得られる本発明のタンパク
質は、組換え細胞内に残留するか;発酵培地に分泌されるか;2細
胞膜間の空間(例えば大腸菌の細胞周辺腔)に分泌されるか;または細胞もしく
はウイルスの膜の外表面に保持されるかしてよい。
「タンパク質を回収する」という語句は、該タンパク質を含有する発酵培地全
体を単に採集することを意味し、分離または精製の追加的段階を含意する必要は
ない。本発明のタンパク質は、様々な標準的タンパク質精製手法を用いて精製で
き、それらは例えば、限定されないが、アフィニティークロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィー、濾過、電気泳動、疎水性相互作用クロマトグラフ
ィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、コンカナバリン
Aクロマトグラフィー、クロマトフォーカシングおよび示差可溶化である。本発
明のタンパク質は、好ましくは、「実質的に純粋な」形態で回収される。本明細
書で用いられるように、「実質的に純粋」とは、タンパク質の治療組成物または
診断として効果的な使用を許す純度を意味する。例えば、動物に対する治療組成
物は、実質的な毒性を全く示さず、かつ処置を受けた動物で抗体の生産を刺激で
きなければならない。
本発明は、本発明の寄生性蠕虫MIFタンパク質またはそのミメトープに選択
的に結合できる単離された抗体も包含する。そのような抗体を、本明細書では、
抗寄生性蠕虫MIF抗体と呼ぶ。この実施態様の特に好適な抗体は、抗イヌ糸状
虫MIF抗体および抗回旋糸状虫MIF抗体を包含する。
単離された抗体とは、天然の環境から取り出された抗体である。「単離された
」という用語は、そのような抗体が純粋である状態をさすのではない。そのよう
なものとして、単離された抗体は、そのような抗体を含む抗血清、または様々な
程度に精製された抗体を包含しうる。
本明細書で用いられるように、用語「選択的に結合する」とは、本発明
の抗体が本発明の特定のタンパク質およびそれらのミメトープに優先的に結合で
きる能力を意味する。結合は、免疫ブロット検定、免疫沈降検定、放射線免疫検
定、酵素免疫検定(例えばELISA)、免疫蛍光抗体検定および免疫電子顕微
鏡をはじめとする、当業者に公知の様々な方法を用いて測定できる;例えばSamb
rookら[前掲の文献]を参照されたい。抗寄生性蠕虫MIF抗体は、好ましくは
、寄生性蠕虫MIFタンパク質に、そのタンパク質の活性を減少させるような方
法で結合する。
本発明の抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体のいずれであるこ
ともできる。本発明の抗体は、該抗体を得るのに用いられるタンパク質のエピト
ープまたはミメトープのうち1個以上と選択的に結合できる、一本鎖抗体も包含
する抗体断片および遺伝子工学による抗体のような、機能的等価物を包含する。
本発明の抗体は、一つより多いエピトープに結合できるキメラ抗体も包含する。
好適な抗体は、少なくとも一部が本発明の核酸分子によりコードされているタン
パク質またはそのミメトープに応答して誘発される。
本発明の抗体を作製するための好適な方法は、(a)抗体を生産するのに有効
な量の本発明のタンパク質またはそのミメトープを動物に投与すること、および
(b)該抗体を回収することを含む。他の方法においては、本発明の抗体は、本
発明の寄生性蠕虫MIFタンパク質を作製するための上記の開示されたような手
法を用いて、組換え技術的に作製される。規定されたタンパク質またはミメトー
プに対して誘発された抗体には、他の物質に対する抗体が実質的に混入していな
いために有利である。該他の物質に対する抗体は、もし混入していると、診断用
検定を干渉したり、または治療組成物に用いられた際に副作用を生じる可能性が
ある。
本発明の抗体は、本発明の範囲内にある様々な用途に用いられうる。例
えば、そのような抗体は、(a)そのような抗体による治療に感受性のある寄生
性蠕虫から動物を保護するため、動物を受動免疫するための治療化合物として、
(b)そのような蠕虫による感染を検出するための検定における試薬として、お
よび/または(c)発現ライブラリーをスクリーニングするため、および/また
はタンパク質と他の混入物質との混合物から本発明の所望のタンパク質を回収す
るための道具として、用いうる。さらに、本発明の抗体は、そのような蠕虫を直
接殺すため、細胞傷害性薬剤を本発明の寄生性蠕虫へ指向化させるために用いる
ことが可能である。指向化は、当業者に公知の手法を用いて、そのような抗体を
細胞傷害性薬剤に接合(すなわち安定的に結合)させることにより達成できる。
好適な細胞傷害性薬剤は、当業者に公知である。
本発明の一実施態様は、有効な方法で動物に投与されたときに、寄生性蠕虫が
生起する疾病から該動物を保護できる治療組成物である。本発明の治療組成物は
、下記の保護化合物のうちの少なくとも一つを含む:単離された寄生性蠕虫MI
Fタンパク質またはそのミメトープ、厳格なハイブリッド形成の条件下で、イヌ
糸状虫MIF遺伝子および/または回旋糸状虫MIF遺伝子とハイブリッド形成
する単離された核酸分子、寄生性蠕虫MIFタンパク質に選択的に結合する単離
された抗体、寄生性蠕虫MIF活性を阻害する能力により同定されたMIFタン
パク質活性の阻害剤、およびそれらの化合物のうちの少なくとも2つの混合物(
すなわち組み合わせ)。本明細書で用いられるように、保護化合物とは、有効な
方法で動物に投与されたときに、本発明の寄生性蠕虫が生起する疾病を治療、改
善、および/または予防できる化合物を意味する。標的とするのに好適な蠕虫は
、これまでに開示されている。本発明のタンパク質、核酸分子、抗体および阻害
剤の例は、本明細書に開示されている。
本発明は、寄生性蠕虫MIFに基づく1種類以上の本発明の化合物を、1種類
またはそれ以上の感染作用因子に対して保護的な1種類以上の追加化合物と組み
合わせて含む治療組成物も包含する。そのような化合物および感染性作用因子の
例は本明細書に開示される。
本発明の治療組成物は、そのような治療に感受性のあるいかなる動物にも、好
ましくは哺乳類に、より好ましくはイヌ、ネコ、ヒト、フェレット、ウマ、ウシ
、ヒツジならびに他の愛玩および/または経済食用動物および/または動物園の
動物に投与できる。心糸状虫症から保護するのに好適な動物は、イヌ、ネコ、ヒ
トおよびフェレットであり、イヌおよびネコが特に好適である。回旋糸状虫から
保護するのに好適な動物は、ヒト、ウシおよびウマであり、ヒトが特に好適であ
る。
一実施態様において、寄生性蠕虫が生長する媒介動物へ、本発明の治療組成物
を投与することができる。例えば、心糸状虫症の蔓延を予防するためカへ投与し
たり、または回旋糸状虫症の蔓延を予防するためブユへ投与したりできる。その
ような投与は、経口的に行ってもよいし、または少なくとも一つの、本発明の治
療組成物を産生しうるトランスジェニック媒介動物を作出することにより行って
もよい。別の実施態様において、カまたはブユのような媒介動物は、本発明の治
療組成物を投与された宿主の血液中に存在する治療組成物を摂取できる。
本発明の治療組成物は、治療しようとする動物が耐容できる賦形剤中に配合で
きる。そのような賦形剤の例は、水、食塩水、リンゲル液、デキストロース液、
ハンクス液、およびその他の生理的均衡塩類水溶液を包含する。非水性賦形薬、
例えば不揮発油、ゴマ油、オレイン酸エチルまたはトリグリセリド類も用いてよ
い。その他の有用な配合物は、増粘剤、例えばカルボキシルメチルセルロースナ
トリウム、ソルビトールまたはデキスト
ランを含有する懸濁液を包含する。賦形剤は、少量の添加物、例えば、等張性お
よび化学的安定性を高める物質も含有できる。緩衝剤の例は、リン酸緩衝剤、重
炭酸緩衝剤およびトリス緩衝剤を包含するが、防腐剤の例は、チメロサール、m
−またはo−クレゾール、ホルマリンおよびベンジルアルコールを包含する。標
準配合物は、液体の注射可能物、または、注射に適した懸濁液もしくは溶液とし
ての液体に溶解される固体のいずれであることもできる。したがって、液体でな
い配合物では、賦形剤は、投与の前に殺菌水または食塩水を添加できるデキスト
ロース、ヒト血清アルブミン、防腐剤等を含むことができる。
本発明の一実施態様では、治療組成物は、免疫強化剤、例えばアジュバントま
たは担体も含有できる。アジュバントは、一般に、特異抗原に対する動物の免疫
応答を全般的に強化する物質である。適切なアジュバントは、フロインドアジュ
バント;他の細菌の細胞壁成分;アルミニウム系の塩類;カルシウム系の塩類;
シリカ;ポリヌクレオチド;トキソイド;血清タンパク質;ウイルスコートタン
パク質;他の細菌由来製剤;γインターフェロン;ブロック共重合体アジュバン
ト、例えばハンターのTitermax(商標)アジュバント(Vaxcel(商標)社、ジョ
ージア州Norcross);Ribiアジュバント(Ribi ImmunoChem Research社[モンタ
ナリ州Hamilton]より入手可能);ならびにサポニンおよびそれらの誘導体、例
えばQuil A(デンマーク国のSuperfos Biosector A/Sより入手可能)を包含する
が、これらに限定されない。担体は、一般に、治療された動物での治療組成物の
半減期を増大させる化合物である。適切な担体は、重合体による徐放性配合物、
生分解できる移植物、リポソーム、細菌、ウイルス、油類、エステルおよびグリ
コール類を包含するが、これらに限定されない。
本発明の一実施態様は、本発明の組成物を動物へ除々に放出することが
可能な制御放出製剤である。本明細書で用いられるように、制御放出製剤は、制
御放出媒体中に本発明の組成物を含有する。適当な制御放出媒体は、生物適合性
ポリマー、他のポリマー・マトリックス、カプセル、マイクロカプセル、微粒子
、ボーラス調製物、浸透ポンプ、拡散装置、リポソーム、リポスフェア、および
経皮送達系を包含するが、これらに限定されない。
本発明の他の制御放出製剤は、動物へ投与されたときにその場で固体またはゲル
を形成する液体を包含する。好適な制御放出製剤は、生分解性(すなわち、生侵
食性)のものである。
本発明の好適な制御放出製剤は、寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を保護で
きる、組成物の治療に有効な用量レベルを達成するのに十分な一定の速度で、治
療を受ける動物の血中へ本発明の組成物を放出できるものである。好ましくは、
治療組成物は約1ヶ月から約12ヶ月までの期間にわたり放出される。本発明の
制御放出製剤は、好ましくは少なくとも約1ヶ月間、より好ましくは少なくとも
約3ヶ月間、さらに好ましくは少なくとも約6ヶ月間、さらにより好ましくは少
なくとも約9ヶ月間、そしてさらにはるかに好ましくは少なくとも約12ヶ月間
、治療効果を与えることができる。
本発明の寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を保護するために、本発明の治療
組成物を、該組成物が寄生性蠕虫が生起する疾病から該動物を保護できるような
効果的な方法で、該動物に投与する。例えば、単離されたタンパク質またはその
ミメトープは、効果的な方法で動物に投与したときに、該動物を疾病から保護す
るのに充分な、好ましくは体液性および細胞性の応答をともに包含する、免疫応
答を誘発(すなわち刺激)できる。同様に、本発明の抗体は、効果的な方法で動
物に投与したときに、少なくとも一時的には、該動物を疾病から保護するのに充
分である力価で該動物中に存在
するような量で、投与する。本発明のオリゴヌクレオチドの核酸分子も、効果的
な方法で投与し、それによって寄生性蠕虫MIFタンパク質の発現を低下させて
、本発明のより標的とされる寄生性蠕虫の発生に干渉することができる。
本発明の治療組成物は、感染前に動物に投与して、感染を防止でき、および/
または感染後に動物に投与して、該寄生性蠕虫が生起する疾病を治療できる。例
えば、タンパク質、それらのミメトープおよびそれらの抗体が免疫療法剤として
用い得る。
治療組成物を効果的な方法で投与するための、許容され得るプロトコルは、個
別的な投与量の多少、投与の回数、投与量を投与する頻度、および投与の様式を
包含する。そのようなプロトコルの決定は、当業者によって達成され得る。適切
な一回投与量は、適切な期間にわたって1回またはそれ以上投与したときに、動
物を保護できる投与量である。例えば、タンパク質、ミメトープまたは抗体によ
る治療組成物の好適な一回投与量は、動物の体重1kgあたり該治療組成物約1マ
イクログラム(μg)〜約10ミリグラム(mg)である。ブースター予防接種は
、当初の投与の約2週〜数年後に投与できる。ブースター予防接種は、好ましく
は、動物の免疫応答が、疾病から動物を保護するのに不充分になったときに投与
する。好適な投与計画は、動物の体重1kgあたりワクチン約10μg〜約1mgを
、約2週〜約12ケ月の期間にわたって約1〜約2回投与する計画である。投与
の様式は、皮下、皮内、静脈内、鼻内、経口、経皮および筋内の経路を包含でき
るが、これらに限定されない。
一実施態様によれば、本発明の核酸分子は、疾病から保護しようとする動物で
の保護タンパク質または保護RNA(例えばアンチセンスRNA、リボザイムま
たはRNA薬)への該核酸分子の発現を可能にする様式で、
動物に投与できる。核酸分子は、(a)裸の(すなわち、ウイルスコートまたは
細胞膜にパッケージングされていない)核酸ワクチン(例えば、Wolffら、Scien
ce、第247巻、1465〜1468ページ(1990年)に教示されたような、裸のDNAま
たはRNA分子として)、または(b)組換えウイルスのワクチンもしくは組換
え細胞のワクチンとしてパッケージング(すなわち、核酸分子がウイルスまたは
細胞賦形薬によって送達される)を包含するがこれらに限定されない、様々な方
法で動物に送達できる。
本発明の裸の核酸ワクチンは、本発明の核酸分子を含有し、好ましくは複製、
そうでなければ増幅が可能な、本発明の組換え分子を含有することが好ましい。
そのようなワクチンは、本発明のいかなる核酸分子または組換え分子をも含有し
うる。好適な裸の核酸ワクチンは、ウイルスゲノム(すなわちウイルスベクター
)の少なくとも一部を含有する。好適なウイルスベクターは、アルファウイルス
、ポックスウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、およびレトロウイル
スに基づくベクターを包含し、アルファウルス(シンドビスウイルスまたはセム
リキウイルスなど)、種特異的ヘルペスウイルスおよび種特異的ポックスウイル
スが特に好適である。タンパク質の作製に適当なものとして開示された転写調節
配列をはじめとして、いかなる適当な転写調節配列も用いうる。特に好適な転写
調節配列は、サイトメガロウイルス中間初期転写調節配列(好ましくはイントロ
ン−Aと結合)、ラウス肉腫ウイルスLTR(末端反復配列)、および組織特異
的転写調節配列、ならびにウイルスベクターを用いるのであればウイルスベクタ
ー内在性の転写調節配列を包含する。「強力な」ポリ(A)配列の取り込みも好
ましい。
本発明の裸の核酸ワクチンは、様々な方法で投与されうるが、筋肉内、皮下、
皮内、経皮、鼻腔内、および経口の投与経路が好適である。裸の核
酸ワクチンの好適な一回投与量は、約1ナノグラム(ng)から約100μgの範
囲内で、投与経路および/または送達の方法により変化し、それは当業者により
決定される。好適な送達方法は、例えば注射、ドロップ、エアロゾル化および/
または局所投与を包含する。好適な賦形剤は、例えば、生理学的に許容される水
溶液(例えば、リン酸緩衝食塩水および上記の開示された他の水溶液)、リポソ
ーム(中性またはカチオン性のリポソームを含む)、およびその他の脂質膜に基
づく媒体(例えば、ミセルまたは細胞膜)を包含する。
本発明の組換えウイルスワクチンは、ウイルスコートにパッケージングされ、
投与後に動物で発現させうる本発明の組換え分子を包含する。好ましくは、組換
え分子は、パッケージングを欠損しており、および/または弱毒化ウイルスをコ
ードする。アルファウイルス、ポックスウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウ
イルス、およびレトロウイルスに基づく組換えウイルスを含む、多数の組換えウ
イルスを使用しうるが、これらに限定されない。好適な組換えウイルスワクチン
は、アルファウイルス(例えばシンドビスウイルス)、ラクーン・ポックスウイ
ルス、種特異的ヘルペスウイルス、および種特異的ポックスウイルスに基づくも
のである。組換えウイルスワクチンを作製し使用する方法の一例は、1994年
8月18日に公開されたXiongらのPCT公開第WO94/17813号に開示されている
。これは参照として本明細書にその全体が組み込まれる。
動物に投与されたとき、本発明の組換えウイルスのワクチンは、免疫された動
物の体内で細胞に感染し、本明細書に開示されている寄生性蠕虫が生起する疾病
から該動物を保護できる、保護タンパク質またはRNA核酸分子の生産を支配す
る。例えば、本発明のイヌ糸状虫MIF核酸分子を含む組換えウイルスワクチン
は、自身を心糸状虫から保護するのに充分な免
疫応答を形成する動物を招くプロトコルに従って、投与される。本発明の組換え
ウイルスのワクチンの好適な一回投与量は、動物の体重1kgあたり約1×104
〜約1×107ウイルスプラーク形成単位(pfu)である。投与プロトコルは、タ
ンパク質に基づくワクチンについて本明細書に記載されたものと同様であり、皮
下、筋肉、鼻内および経口投与経路が好適である。
本発明の組換え細胞ワクチンは、本発明の少なくとも1種類のタンパク質を発
現する本発明の組換え細胞を包含する。好適な組換え細胞は、サルモネラ属、大
腸菌、リステリア、マイコバクテリウム属、スポドプテラ・フルギペルダ、酵母
(サッカロマイセス・セレビシアエを含む)BHK、CV−1、筋原細胞G8、
COS(例えばCOS−7)、べロ、MDCKおよびCRFKの組換え細胞を包
含する。本発明の組換え細胞ワクチンは、様々な方法で投与できるが、経口的に
、好ましくは体重1kgあたり細菌約108〜約1012個という範囲の投与量で、
投与できる利点を有する。投与プロトコルは、タンパク質に基づくワクチンにつ
いて本明細書に記載したのと同様である。組換え細胞ワクチンは、全細胞または
細胞溶解物を含むことができる。
寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を保護するための、本発明の治療組成物の
薬効は、保護抗体の検出(例えば、本発明のタンパク質またはミメトープを用い
る)、処置された動物体内の細胞免疫の検出、または処置された動物が疾病に耐
性であるか否かを決定するための、寄生性蠕虫により処置された動物の挑戦を包
含するがこれらに限定されない、様々な方法で試験できる。そのような手法は、
当業者に公知である。
本発明の一つの好適な実施態様は、心糸状虫症から動物を保護するための、本
発明の寄生性蠕虫のMIFタンパク質、核酸分子、抗体、および阻
害性化合物の用途であり、特に、本発明のイヌ糸状虫のMIFタンパク質、核酸
分子、抗体および阻害性化合物の用途である。中間宿主であるカにより動物へ送
達されるL3幼生が成虫へと成熟するのを防止することが特に好ましい。そのよ
うなものとして、好適な治療組成物は、循環系に侵入する前の、L3幼生、第三
脱皮、L4幼生、第四脱皮および未成熟成虫を包含する、この寄生虫の発生周期
の部分中の少なくとも一段階を阻害できるものである。イヌでは、この発生周期
の部分は、約70日である。特にMIFはL3およびL4で発現するため、特に
好適な治療組成物は、イヌ糸状虫MIFに基づく本発明の治療組成物を包含する
。そのような組成物は、イヌ糸状虫MIF核酸分子、イヌ糸状虫MIFタンパク
質およびそのミメトープ、抗イヌ糸状虫MIF抗体、およびイヌ糸状虫MIF活
性の阻害剤を包含する。そのような組成物は、心糸状虫症から動物を保護するの
に有効な方法で動物に投与される。他のイヌ糸状虫タンパク質、核酸分子、抗体
および阻害組成物を包含する、追加的保護化合物を投与することによって、追加
的保護を得てもよい。
本発明のもう一つの好適な実施態様は、回旋糸状虫症からヒトを保護するため
の、本発明の寄生性蠕虫のMIFタンパク質、核酸分子、抗体、および阻害性化
合物の用途であり、特に、本発明の回旋糸状虫のMIFタンパク質、核酸分子、
抗体および阻害性化合物の用途である。
L3虫、L4虫、成虫が宿主の免疫系を回避するのを予防することが特に好ま
しい。好適な治療組成物は、皮下組織に侵入する前の、L3幼生、第三脱皮、L
4幼、第四脱皮および未成熟成虫を包含する、この寄生虫の発生周期の部分中の
少なくとも一段階を阻害できるものである。回旋糸状虫に感染したヒトでは、こ
の発生周期の部分は、約150日である。別の好適な化合物は、成虫の生存を阻
害するものである。そのようなものとし
て、好適な治療組成物は、回旋糸状虫MIFに基づく本発明の治療組成物を包含
する。そのような組成物は、回旋糸状虫MIF核酸分子、回旋糸状虫MIFタン
パク質およびそのミメトープ、抗回旋糸状虫MIF抗体、および回旋糸状虫MI
F活性の阻害剤を包含する。そのような組成物は、回旋糸状虫症からヒトを保護
するのに有効な方法でヒトに投与される。他の回旋糸状虫、好適には回旋糸状虫
のタンパク質、核酸分子、抗体および阻害性化合物を包含する、追加的保護化合
物を投与することによって、追加的保護を得てもよい。
本発明の一つの治療組成物は、寄生性蠕虫MIF活性の阻害剤、すなわち、寄
生性蠕虫MIF活性の阻害剤による阻害に感受性のある寄生性蠕虫MIFの機能
を実質的に干渉できる化合物を包含する。
MIF活性の阻害剤は、寄生性蠕虫、好適には本発明のイヌ糸状虫および/ま
たは回旋糸状虫のタンパク質を用いて同定されうる。本発明の一実施態様は、寄
生性蠕虫のMIF活性を阻害できる化合物を同定する方法である。そのような方
法は、(a)単離された寄生性蠕虫MIFタンパク質を推定阻害性化合物に、該
化合物の不在下ではタンパク質がMIF活性を有する条件下で接触させる工程、
および(b)該推定阻害性化合物がMIF活性を阻害するか否かを決定する工程
を含む。スクリーニングされる推定阻害性化合物は、有機分子、抗体(そのミメ
トープを包含する)、および基質類似体を包含する。MIF活性を決定する方法
は、当業者に公知である;例えば、背景の項で引用された文献および該文献に含
まれる引例を参照されたい。
本発明は、寄生性蠕虫のMIF活性を阻害できる化合物を同定するための試験
キットも包含する。そのような試験キットは、MIF活性を有する単離された寄
生性蠕虫MIFタンパク質、および推定阻害性化合物の存在
下で(すなわち、それに影響される)MIF活性の阻害の程度を決定する手段を
含む。
そのような方法および/または試験キットによって単離されるMIF阻害剤は
、そのような阻害剤に感受性であるいかなるMIFも阻害するのに用い得る。阻
害するのに好適なMIFは、寄生性蠕虫によって生成される酵素である。本発明
の特に好適なMIF阻害剤は、心糸状虫または回旋糸状虫症から動物を保護でき
る。本発明の阻害剤を用いて、動物のMIF関連の障害を標的化することも、本
発明の範囲内である。標的とされたMIF酵素が生起する疾病から動物を保護し
、好ましくは、動物を心糸状虫から、そしてヒトを回旋糸状虫症から保護するた
めに本発明のMIF阻害化合物を含む治療組成物を効果的な方法で動物に投与す
ることができる。
本発明の単離されたタンパク質、ミメトープ、核酸分子および抗体を、寄生性
蠕虫による感染を探知するための診断用試薬として用いることも、本発明の範囲
内である。そのような診断用試薬は、該寄生生物の生活環のその他の相を検出で
きる迫加的化合物で補強できる。寄生性蠕虫の感染を診断するためにそのような
診断試薬を用いる方法は当業者には周知である。検知する好適な寄生性蠕虫は、
本発明の治療組成物の標的とされるものである。本発明の診断試薬を用いて検知
する特に好適な寄生性蠕虫は、イヌ糸状虫および回旋糸状虫である。
下記の実施例は、例示の目的で提示されており、本発明の範囲を限定すること
は意図されていない。
実施例 実施例1
本実施例は、本発明のいくつかのイヌ糸状虫MIF核酸分子の単離および配列
決定を開示する。実施例には、当業者に公知であると考えられる、
多数の分子生物学、微生物学、免疫学、および生化学の技術が包含されることに
注意されたい。そのような技術の開示は、例えば、Sambrookら[前掲の文献]お
よび関連する参照文献に見られる。
A.nDiMIF282と呼ばれる、約282ヌクレオチドからなるイヌ糸状虫
MIF核酸分子は、イヌ糸状虫幼生で免疫されたイヌから収集された免疫血清の
少なくとも1つの成分に選択的に結合するタンパク質をコードすることができる
能力により、同定された。免疫血清は、WO94/15593[前掲の文献]に記載の方法
により作製し、用いた。具体的には、イヌ糸状虫L4 cDNA発現ライブラリ
ーは、ストラタジーンZAP−cDNA合成キット・プロトコルおよび第四段階
(L4)幼生mRNAを用いて、Uni−ZAP(商標)XRベクター(Strata
gene Cloning Systems,カリフォルニア州 La Jolla)で構築した。ストラタジ
ーン・ピコブルー(picoBlue)・イムノスクリーニング・キットに記載されてい
るプロトコルを用い、L4幼生cDNA発現ライブラリーを、WO94/15593[前掲
の文献]に記載の方法により調製された免疫イヌ血清でスクリーニングした。c
DNAライブラリーの二重プラーク・リフトを同じ免疫イヌ血清でイムノスクリ
ーニングすることにより、核酸分子nDiMIF282を含有するクローンが同定
された。
ストラタジーンZAP−cDNA合成キットに記載されているin vivo切り出
しプロトコルに従い、ExAssist(商標)ヘルパー・ファージおよびSO
LR(商標)大腸菌を用いて、イヌ糸状虫核酸配列nDiMIF282を含有する
プラーク精製されたクローンを、本明細書でpβgal−nDiMIF282と呼
ばれる二本鎖組換え分子に変換した。二本鎖プラスミドDNAは、Sambrookら[
前掲の文献]に記載されているような、アルカリ溶解プロトコルを用いて調製し
た。プラスミドDNAを、EcoRIお
よびXhoI制限エンドヌクレアーゼで分解し、約282ヌクレオチド長の単一
のイヌ糸状虫nDiMIF282DNA断片を切り出した。
Sambrookら[前掲の文献]に記載されているようなサンガー・ジデオキシ・チ
ェーン・ターミネーション法を用いて、イヌ糸状虫nDiMIF282を含有する
プラスミドを配列決定した。イヌ糸状虫nDiMIF282DNA断片全長の約2
82ヌクレオチドのコンセンサス配列を決定した。その配列を配列番号10とし
て示す。イヌ糸状虫nDiMIF282の配列は、アミノ末端で断短されている部
分的cDNAクローンを示しており、配列番号1(その作製については以下に記
載する)の約251位ヌクレオチドから約253位ヌクレオチドまでに相当する
。イヌ糸状虫nDiMIF282内の最初の停止コドンは、配列番号10の約10
3位ヌクレオチドから約105位ヌクレオチドまでに存在する。推定ポリアデニ
ル化シグナル(5’AATAAA3’)は、配列番号10の約249位ヌクレオ
チドから約254位ヌクレオチドまでの領域に存在する。
配列番号10が翻訳されると、PDiMIF34と呼ばれる、約34アミノ酸か
らなるタンパク質が生じる。そのアミノ酸配列は配列番号11に示されている。
配列番号11は、配列番号2(その作製については以下に記載する)の約82位
アミノ酸から約115位アミノ酸までに相当する。PDiMIF34のコーディン
グ領域を、本明細書ではnDiMIF102と呼ぶ。その核酸配列は配列番号12
に示されている。
B.nDiMIFの全コーディング領域を含有すると考えられるイヌ糸状虫n
DiMIF核酸分子を、以下の二つのプライマーを用いて、ポリメラーゼ・チェ
ーン反応(PCR)によりイヌ糸状虫L3 cDNAライブラリーからMIF核
酸分子を増幅することにより作製した:(a)本明細書では配列番号14と表さ
れる、5’CGCTCTAGAACTAGTG
GATC3’なる核酸配列を有するベクター・センス・プライマーおよび(b)
本明細書では配列番号13と表される、5’CCAATTATCCGAAAGT
AGATCC3’なる核酸配列を有するC3 antというアンチセンス・プラ
イマー。これは、配列番号10の約88位ヌクレオチドから約109位ヌクレオ
チドまでの領域(配列番号1の約338位ヌクレオチドから約359位ヌクレオ
チドまでの領域に相当)の相補配列から設計された。この領域には、イヌ糸状虫
nDiMIF282配列中に検出された最初の停止コドンが含まれる。イヌ糸状虫
nDiMIF(1)355と呼ばれる、約355ヌクレオチドからなる得られたP
CR産物を、TAクローニング・ベクター(Invitrogen,カリフォルニア州 San
Diegoから入手可能)中にクローニングした。配列番号10の約6位ヌクレオチ
ドから約33位ヌクレオチドまでの相補配列である、5’CTTCGGAATT
TTCAGCTCATCAGCGAGC3’なる核酸配列(本明細書では配列番
号15と表される)を有するアンチセンス・プローブを用いて、ハイブリッド形
成解析により、イヌ糸状虫nDiMIF(1)355のPCR産物が正しいことを
確認した。
イヌ糸状虫nDiMIF(1)355の核酸配列を配列番号16に示す。配列番
号16が翻訳されると、PDiMIF(1)115と呼ばれる、全長タンパク質で
あると考えられる約115アミノ酸からなるタンパク質が生じる。
そのアミノ酸配列を配列番号2に示す。PDiMIF(1)115のコーディング
領域を、本明細書ではnDiMIF(1)345と呼ぶ。その核酸配列を配列番号
17に示す。
C.第二の独立のPCRクローンを、ベクターおよびC3 antプライマー
を用いて、L3 cDNAライブラリーから増幅した。それを、本明細書ではn
DiMIF(2)333と呼ぶ。本明細書では配列番号18と表
される、nDiMIF(2)333の核酸配列は、nDiMIF(1)355(配列番
号16)の配列と1塩基異なっており、配列番号18には37位(すなわち、配
列番号16の49位に相当する位置)にTが含まれているが、配列番号16には
49位にAが含まれている。そのようなものとして、nDiMIF(2)333は
、nDiMIF(1)355の対立遺伝子変異体である。nDiMIF(2)333の
35〜37位によりコードされる推定アミノ酸(アルギニン)は、イヌ糸状虫n
DiMIF(1)355配列の47〜49位によりコードされる推定アミノ酸と同
一である。そのようなものとして、配列番号18が翻訳されると、PDiMIF
(2)110と呼ばれる、約110アミノ酸からなる断短されたタンパク質が生じ
る。このアミノ酸配列は、配列番号2の6位から115位までのアミノ酸に相当
する。PDiMIF(2)110のコーディング領域を、本明細書ではnDiMI
F(2)330と呼ぶ。その核酸配列を、配列番号19に示す。
単離されたMIF cDNA核酸分子がイヌ糸状虫に由来していることを確認
するため、約10マイクログラムのEcoRIで分解したイヌ糸状虫ゲノムDN
Aおよびネッタイシマカ(Aedes aegypti)ゲノムDNAを含有するサザンブロ
ットに、厳格な条件下で、メガプライムDNAラベリング・システム(Amersham
Life Science,イリノイ州 Arlington Heightsから入手可能)を用いてランダ
ム・プライミングにより放射標識されたnDiMIF(2)330DNAをハイブ
リッド形成させた。このプローブにより、イヌ糸状虫ゲノムDNAにのみ、約4
390ヌクレオチドおよび約1490ヌクレオチドの二つのバンドが検出された
。
D.実施例1のA〜Cに開示された配列情報を合わせた推定核酸配列を配列番
号1に示す。配列番号1は、PCRクローンイヌ糸状虫nDiMIF(1)355
、イヌ糸状虫nDiMIF(2)333、およびcDNAクロー
ンイヌ糸状虫nDiMIF282から、いずれかにのみ存在する配列と共通の配列
とを組み合わせることにより決定された。そのようなものとして、配列番号1は
、本発明の二つの核酸分子、すなわち、イヌ糸状虫nDiMIF(1)532およ
びイヌ糸状虫nDiMIF(2)532の配列を示す。配列番号1の1〜355位
および23〜355位のヌクレオチドは、それぞれ、イヌ糸状虫の対立遺伝子変
異体である核酸分子nDiMIF(1)355およびnDiMIF(2)333から同
定された。配列番号1の251位から532位のヌクレオチドは、イヌ糸状虫核
酸分子nDiMIF282から同定された。
配列番号1の532ヌクレオチドの全体が翻訳されると、PDiMIF(1)115
と呼ばれる約115アミノ酸からなるタンパク質が生じる。このタンパク質
は、配列番号2に示されたアミノ酸配列を有し、配列番号1の約8位から約10
位までのヌクレオチドに存在するATGコドンが開始コドンであり、停止コドン
は、配列番号1の約353位から約355位のヌクレオチドに存在するTAAで
あると推定される。推定ポリアデニル化シグナル(5’AATAAA3’)は、
配列番号1の約499位から約504位までのヌクレオチド領域に存在する。イ
ヌ糸状虫PDiMIF(1)115のアミノ酸配列(すなわち、配列番号2)から
は、PDiMIF(1)115の推定分子量が約12.3kDであり、推定pIが
約8.3であると推測される。PDiMIF(1)115推定アミノ酸配列には、
3ヶ所の推定N−グリコシル化部位が存在する。それらは、配列番号2の約73
位から約75位、約103位から約105位、そして約110位から約112位
のアミノ酸領域に位置している。
BLASTネットワークを用いて、米国国立バイオテクノロジー情報センター
(National Center for Biotechnology Information)を通して、無
重複タンパク質配列データベースの相同性検索を行った。このデータベースには
、+SwissProt+PIR+SPUpdate+GenPept+GPU
pdateが含まれる。検索は、配列番号2を用いて行った。配列番号2の約1
位アミノ酸から約115位アミノ酸までに、哺乳動物およびトリに由来するマク
ロファージ遊走阻害因子タンパク質と有意な相同性が見られた。アミノ酸レベル
での相同性検索の最高のスコアリング・マッチには、約53%同一のGenBank登
録番号M25639:ヒト・マクロファージ遊走阻害因子;約55%同一のC4
7274:ニワトリ・マクロファージ遊走阻害因子;および約52%同一のP8
0177:ヒト・マクロファージ遊走阻害因子、が含まれる。ヌクレオチド・レ
ベルでは、配列番号3に示されたコーディング領域が、ニワトリ・マクロファー
ジ遊走阻害因子のコーディング領域と最も相同性が高く、約52%同一であった
。実施例2
本実施例は、本発明の組換え細胞の作製を開示する。
trc転写調節配列と、6ヒスチジンを含むポリ・ヒスチジン・セグメントを
コードする融合配列とに機能的に結合した約8位から約355位までのイヌ糸状
虫MIFヌクレオチドを含む、組換え分子pHis−nDiMIF(1)348を
、以下のようにして作製した。配列番号16の約8位から約355位までのヌク
レオチドを含む、約348ヌクレオチドのDNA断片を、実施例1に記載のよう
にして作製された核酸分子イヌ糸状虫nDiMIF(1)355から、プライマー
MIF sen、5’GGACGGATCCAATGCCATATTTCACG
ATC3’(本明細書では配列番号20と表す;太字はBamHI部位)および
MIF ant、5’GAGCGAATTCTTATCCGAAAGTAGAT
CC3’(本明細書では配列番号21と表す;太字はEcoRI部位)を用いて
、PCR増
幅した。組換え分子pHis−nDiMIF(1)348は、nDiMIF(1)3 48
含有PCR産物をBamHIおよびEcoRI制限エンドヌクレアーゼで消化
し、得られた断片をゲル精製し、BamHIおよびEcoRIで切断しゲル精製
しておいた発現ベクターpTrcHisB(Invitrogenから入手可能)中へサブ
クローニングすることにより作製した。
Sambrookら[前掲の文献]に開示されているような標準的な手法を用いて、組
換え分子pHis−nDiMIF(1)348を大腸菌に形質転換し、組換え細胞
、大腸菌:pHis−nDiMIF(1)348を形成させた。実施例3
本実施例は、原核細胞における本発明のMIFタンパク質の作製を開示する。
実施例2に記載のようにして作製された組換え細胞、大腸菌:pHis−nD
iMIF(1)348を、0.1mg/mlアンピシリンおよび0.1%グルコースを含
有する富化細菌増殖培地を含む振とうフラスコ中で、約32℃で培養した。細胞
のOD600が約0.4に達した時点で約0.5mMイソプロピル−β−D−チオガ
ラクトシド(IPTG)を添加することによりイヌ糸状虫nDiMIF(1)34 8
の発現を誘導し、細胞を32℃で3時間培養した。タンパク質の産生は、標準
的な手法により、組換え細胞の溶解物をSDS PAGEに供し、次にクーマシ
ーブルー染色を行うことにより監視した。組換え細胞、大腸菌:pHis−nD
iMIF(1)348は、本明細書ではPHIS−PDiMIF(1)115と呼ばれ
る融合タンパク質を産生した。この融合タンパク質は、約16kDの見かけ分子量
の位置に移動した。
組換え細胞、大腸菌:pHis−nDiMIF(1)348の溶解物をイムノブ
ロット解析することにより、約16kDのタンパク質が、組換えPHI
S−PDiMIF(1)115融合タンパク質の融合部分に対するT7タグ・モノ
クローナル抗体(Novagen,Inc.,ウイスコンシン州 Madisonから入手可能)に
結合しうることが示された。
ニッケル・キレーション・クロマトグラフィーおよびイミダゾール勾配により
、PHIS−PDiMIF(1)115ヒスチジン融合タンパク質を、大腸菌タン
パク質から分離した。大腸菌:pHis−nDiMIF(1)348溶解物、カラ
ム溶出物、およびカラム・ボイド量のイムノブロット解析より、ニッケル・カラ
ム・クロマトグラフィーを用いて単離された16kDのPHIS−PDiMIF
(1)115タンパク質が、T7タグ・モノクローナル抗体に選択的に結合できる
ことが示された。実施例4
本実施例は、真核細胞における本発明のMIFタンパク質の作製を記載する。
バキュロウイルス・ポリヘドロン転写調節配列に機能的に結合した、配列番号
16の約8位から約355位までのヌクレオチドからなるイヌ糸状虫MIF核酸
分子を含む、組換え分子pVL1393−nDiMIF(1)348を、以下のよ
うにして作製した。MIF核酸分子をバキュロウイルス発現ベクター中にサブク
ローニングするため、センス・プライマーBvMIF sen、5’CGCGG
ATCCTATAAATATGCCATATTTCACGATCG3’(本明細
書では配列番号22と表される:太字はBamHI部位)およびアンチセンス・
プライマーBvMIF ant、5’CCGGAATTCTTATCCGAAA
GTAGATCC3’(本明細書では配列番号23と表される:太字はEcoR
I部位)を用いて、イヌ糸状虫nDiMIF(1)355DNA(実施例1のよう
にして作製)から、MIF核酸分子含有断片をPCR増幅した。N−末端プライ
マー(配
列番号22)は、nDiMIF(1)355配列にバキュロウイルス系での発現を
強化するための修飾を加えて設計された。PCR産物をBamHIおよびEco
RIで消化して、核酸分子nBvDiMIF(1)348を作製し、pVL139
3(Invitrogenから入手可能)バキュロウイルス・シャトル・プラスミドの唯一
のBamHI部位およびEcoRI部位へ方向性をもってサブクローニングして
、組換え分子pVL1393−nDiMIF(1)348を作製した。
組換え分子pVL1393−nDiMIF(1)348プラスミドDNAを、野
生型バキュロウイルスDNA(AcMNPV)および昆虫カチオン性リポソーム
(Invitrogenから入手可能)と共に、S.フルギペルダ(S.frugiperda)Sf
9細胞(Colorado Bioprocessing Center,コロラド州 Fort Collinsから譲り受
けた)へ共形質転換し、組換え細胞、S.フルギペルダ:pVL1393−nD
iMIF(1)348を形成させた。Bv−nDiMIF(1)348と呼ばれる、得
られた組換えウイルスを、組換えウイルスの産生が増加するように培養し、PD
iMIF(1)115の発現を確認した。免疫イヌ2094−339抗血清を用い
たイムノブロット解析により、組換えバキュロウイルスBv−nDiMIF(1
)348で形質転換された昆虫細胞の全溶解物に、nDiMIF(1)348によりコ
ードされるタンパク質、すなわちBvPDiMIF(1)115が発現しているこ
とが示された。このタンパク質は、約19kDの見かけ分子量の位置に移動した。実施例5
本実施例は、真核細胞における本発明のMIFタンパク質の作製を開示する。
ワクシニアウイルスP11後期プロモーター転写調節配列に機能的に結合した、
配列番号16の約8位から約355位までのヌクレオチドからなる
イヌ糸状虫MIF核酸分子を含む、組換え分子pKB3poly−nMIF(1
)348を、以下のようにして作製した。pKB3polyポックスウイルス・シ
ャトルベクターは、P11プロモーターに結合した開始コドンが変異し、唯一のポ
リリンカー制限部位が追加されるよう、プラスミドpKB3(P11型)のある領
域を修飾することにより作製した。pKB3(P11型)プラスミドは、1994
年9月20日に発行されたEspositoらの米国特許第5,348,741号に記載
されている。pKB3polyと呼ばれる、得られたポックスウイルス・ベクタ
ーは、P11プロモーターの下流に挿入されたときにATG開始コドンが提供され
るようにするためには挿入DNAを必要とする。pKB3polyベクターは、
pKB3polyベクターのポリリンカー領域へクローニングされた外来DNA
が、野生型ポックスウイルスのtk遺伝子へ組換えられるように設計されている
。
MIF核酸分子をpKB3poly発現ベクター中にサブクローニングするた
めに、BamHIおよびEcoRI制限エンドヌクレアーゼにより、イヌ糸状虫
pVL1393−nMIF(1)348DNA(実施例4のようにして作製された
)からMIF核酸分子含有断片を切断した。約348ヌクレオチドの挿入DNA
(Rcn−nDiMIF(1)348と呼ばれる)を、平滑末端を作出するために
クレノウ酵素で処理して、核酸分子nRcnDiMIF(1)348を作製し、ゲ
ル精製し、SmaI制限エンドヌクレアーゼで切断しウシ小腸ホスファターゼ処
理しゲル精製しておいたpKB3polyシャトルベクター中にサブクローニン
グして、組換え分子pKB3poly−nDiMIF(1)348を作製した。挿
入配列の方向性が適切であることを制限マッピングにより確認した。PDiMI
F(1)115を産生できる組換えラクーン・ポックスウイルスを作製するため、
BS−C−1アフリカミドリザルの腎細胞(アメリカン・タイプ・カルチャー・
コレク
ション(ATCC),メリーランド州 Rockvilleから入手した)に野生型ラクー
ン・ポックスウイルスRCN CDC/V71−I−85A(JoeEspositoから
入手した; Esposito and Knight 1985,Virology 143: 230-251)を感染させ、
次に、pKB3poly−nDiMIF(1)348ベクタ−DNAおよびlip
ofectAMINE(Gibco,BRL,メリーランド州 Bethesdaから入手可能)
を形質転換して組換え細胞、BS−C−1:pKB3poIy−nDiMIF(
1)348を形成させた。Rcn−nDiMIF(1)348と呼ばれる、得られた組
換えウイルスを、ブロモデオキシウリジンの存在下で、RAT2ラット胚性チミ
ジンキナーゼ変異細胞(ATCCより入手可能)において培養し、TK-組換え
体を選択した。実施例6
本実施例は、本発明の2つの回旋糸状虫MIF核酸分子の単離および配列決定
を記載する。回旋糸状虫MIF核酸分子は、本発明のイヌ糸状虫MIF核酸分子
を用いて同定された。
回旋糸状虫核酸分子nOvMIF(1)440およびnOvMIF(2)522は、
以下のようにして作製された。回旋糸状虫成虫cDNAライブラリー(Touboro
,Cameroun,ATCCから入手可能)を、当業者に公知である厳格なハイブリッ
ド形成の条件(例えば、Sambrookら[前掲の文献]を参照されたい;典型的には
、ハイブリッド形成に用いられた核酸プローブと少なくとも約70%の核酸配列
同一性を有する核酸分子が単離されるような条件)を用いて、イヌ糸状虫MIF
核酸分子nDiMIF(1)355でスクリーニングした。nDiMIF(1)355
とハイブリッド形成したいくつかのクローンのうちの2つを精製し、核酸配列解
析に供した。本明細書ではnOvMIF(1)440と呼ばれる、約440ヌクレ
オチドからなる回旋糸状虫MIF核酸分子を含有する単離物の核酸配列を、本明
細書では配列
番号4と表す。本明細書ではnOvMIF(2)522と呼ばれる、約522ヌク
レオチドからなる回旋糸状虫MIF核酸分子を含有する、もう1つの単離物の核
酸配列を、本明細書では配列番号7と表す。
配列番号4が翻訳されると、POvMIF(1)115と呼ばれる、約115ア
ミノ酸からなる、全長タンパク質であると考えられるタンパク質が生じる。開始
コドンは、配列番号4の約8位ヌクレオチドから約10位ヌクレオチドまでに存
在し、停止コドンは約353位ヌクレオチドから約355位ヌクレオチドまでに
存在すると推測される。POvMIF(1)115のアミノ酸配列は、本明細書で
は配列番号5と表される。POvMIF(1)115のコーディング領域を、本明
細書ではnOvMIF(1)345と呼ぶ。その核酸配列は、配列番号6に示され
ている。イヌ糸状虫POvMI(1)115のアミノ酸配列(すなわち、配列番号
5)からは、POvMIF(1)115の推定分子量が約12.24kDであり、推
定pIが約9.21であると推測される。POvMIF(1)115推定アミノ酸
配列には、3ヶ所の推定N−グリコシル化部位が存在する。それらは、配列番号
5の約14位から約16位、約73位から約75位、そして約110位から約1
12位のアミノ酸領域に位置している。
配列番号7が翻訳されると、POvMIF(2)114と呼ばれる、約114ア
ミノ酸からなるタンパク質が生じる。停止コドンは、配列番号7の約343ヌク
レオチドから約345位ヌクレオチドまでに存在すると推測される。POvMI
F(2)114のアミノ酸配列は、本明細書では配列番号8と表される。POvM
IF(2)114をコードする読み取り枠を、本明細書ではnOvMIF(2)342
と呼ぶ。その核酸配列は、配列番号9に示されている。
2つの対立遺伝子変異体、配列番号4および配列番号7は、(a)配列
番号7には開始コドンが存在しないと考えられること、(b)配列番号7は、5
’末端が配列番号4よりも約10ヌクレオチド短いこと、および(c)配列番号
7の約1位から約19位までのヌクレオチド領域は、配列番号4の約10位から
約29位までのヌクレオチド領域と約47%しか同一でないこと、を除けば、そ
れらのコーディング領域(すなわち、それぞれ配列番号6および配列番号9)で
同一である。
回旋糸状虫およびイヌ糸状虫のMIFコーディング領域を含有する核酸分子(
例えば、nOvMIF(1)345およびnDiMIF(1)345)を比較すると、
2つのMIFコーディング領域が核酸配列レベルで約87%同一であることが示
された。全長タンパク質であると考えられる回旋糸状虫およびイヌ糸状虫のMI
Fタンパク質(すなわち、POvMIF(1)115およびPDiMIF(1)115
)を比較すると、2つのMIFタンパク質がアミノ酸レベルで約88%同一であ
ることが示された。
配列番号5を用いたこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして、無重複
タンパク質配列データベースの相同性検索を行ったところ、配列番号5の約1ア
ミノ酸から約115位アミノ酸までに、哺乳動物およびトリに由来するマクロフ
ァージ遊走阻害因子タンパク質と有意な相同性が見られた。最高のスコアリング
・マッチ、すなわち44%の同一性は、配列番号5とヒトおよびウシのMIFと
の間に見られた。配列番号5は、ラット、マウスおよびニワトリのMIFと約4
3%同一であった。ヌクレオチド・レベルでは、配列番号6に示されたコーディ
ング領域が、ニワトリ遊走阻害因子のコーディング領域と最も相同性が高く、約
51%同一であった。 本発明の様々な実施態様を詳細に説明したが、これらの実施態様に対する変更
および適応が当業者に生じるであろうことは明白である。しかし、そのような変
更および適応は、本発明の、下記の請求の範囲に記述されたとおりの対象範囲内
にあることを明白に理解しなければならない。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年10月28日(1997.10.28)
【補正内容】
請求の範囲
1.イヌ糸状虫属DirofilariaMIFタンパク質および回旋糸状虫属Onchocerca
MIFタンパク質よりなる群から選ばれるタンパク質をコードする単離核酸分子
、ならびに該タンパク質をコードする該核酸分子に相補的である単離核酸分子。
2.イヌ糸状虫属MIFタンパク質および回旋糸状虫属MIFタンパク質よりな
る群から選ばれる単離タンパク質。
3.寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を保護する治療組成物であって、イヌ糸
状虫属MIFタンパク質および回旋糸状虫属MIFタンパク質よりなる群から選
ばれる単離タンパク質;イヌ糸状虫属MIFタンパク質のミメトープ、および回
旋糸状虫属MIFタンパク質のミメトープよりなる群から選ばれるミメトープ;
イヌ糸状虫属MIFタンパク質および回旋糸状虫属MIFタンパク質よりなる群
から選ばれるタンパク質をコードする単離核酸分子と、該タンパク質をコードす
る該核酸分子に相補的である単離核酸分子;イヌ糸状虫属MIFタンパク質およ
び回旋糸状虫属MIFタンパク質よりなる群から選ばれるタンパク質に選択的に
結合する単離抗体;ならびに寄生性蠕虫のMIF活性を阻害できるその能力によ
って同定される、MIFタンパク質活性の阻害剤;よりなる群から選ばれる保護
化合物を含む治療組成物。
4.寄生性蠕虫疾病から動物を保護する方法であって、イヌ糸状虫属MIFタン
パク質および回旋糸状虫属MIFタンパク質よりなる群から選ばれる単離タンパ
ク質;イヌ糸状虫属MIFタンパク質のミメトープ、および回旋糸状虫属MIF
タンパク質のミメトープよりなる群から選ばれるミメトープ;イヌ糸状虫属MI
Fタンパク質および回旋糸状虫属MIFタンパク質よりなる群から選ばれるタン
パク質をコードする単離核酸分子と、該
タンパク質をコードする該核酸分子に相補的である単離核酸分子;イヌ糸状虫属
MIFタンパク質および回旋糸状虫属MIFタンパク質よりなる群から選ばれる
タンパク質に選択的に結合する単離抗体;ならびに寄生性蠕虫MIFタンパク質
活性を阻害できるその能力によって同定される、MIF活性の阻害剤;よりなる
群から選ばれる保護化合物を含む治療組成物を該動物に投与することを含む方法
。
5.MIFタンパク質を生産する方法であって、イヌ糸状虫属MIFタンパク質
および回旋糸状虫属MIFタンパク質よりなる群から選ばれるタンパク質をコー
ドする核酸分子によってコードされる該タンパク質を発現させ得る細胞を効果的
な培地中で培養することを含む方法。
6.寄生性蠕虫のMIF活性を阻害できる化合物を同定する方法であって、
(a)イヌ糸状虫属MIFタンパク質および回旋糸状虫属MIFタンパク質よ
りなる群から選ばれる単離タンパク質を、阻害すると思われる化合物と、該化合
物の不在下では該タンパク質がMIF活性を有する条件下で接触させることと;
(b)該阻害すると思われる化合物が該活性を阻害するか否かを決定すること
と
を含む方法。
7.寄生性蠕虫のMIF活性を阻害できる化合物を同定するための試験キットあ
って、
(a)イヌ糸状虫属MIFタンパク質および回旋糸状虫属MIFタンパク質よ
りなる群から選ばれる、MIF活性を有する単離タンパク質と;
(b)阻害すると思われる化合物の存在下で、該活性の阻害の程度を決定する
手段とを含む試験キット。
8.該タンパク質が、イヌ糸状虫Dirofilaria immitis MIFタンパク質
および回旋糸状虫Onchocerca volvulus MIFタンパク質よりなる群から選ばれ
る請求項1〜7記載の発明。
9.該核酸分子が、イヌ糸状虫の核酸分子および回旋糸状虫の核酸分子よりなる
群から選ばれる請求項1または3〜5記載の発明。
10.該核酸分子が、nDiMIF(1)532、nDiMIF(2)532、nDi
MIF282、nDiMIF102、nDiMIF(1)355、nDiMIF(2)333
、nDiMIF(1)345、nDiMIF(2)330、nDiMIF(1)348、
nBvDiMIF(1)348、nRcnDiMIF(1)340、nOvMIF(1
)440、nOvMIF(2)522、nOvMIF(1)345およびnOvMIF(
2)342よりなる群から選ばれる核酸分子を含む請求項1または3〜5記載の発
明。
11.該核酸分子が、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列
番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番号1
7、配列番号18および配列番号19よりなる群から選ばれる核酸配列を含む核
酸分子;配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列
番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番号17、配列番号
18および配列番号19よりなる群から選ばれる核酸配列の相補体を含む核酸分
子;配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号
9、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番号17、配列番号18
および配列番号19よりなる群から選ばれる核酸配列を含む核酸分子の対立遺伝
子変異体;ならびに配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番
号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番号17
、配列番号18および配列番号19よりなる群から選ばれる核酸配列の相補体を
含む核酸分子の対立遺伝子変異体;よりなる群から選ばれる請求項1
または3〜5記載の発明。
12.該核酸分子が、配列番号2、配列番号5、配列番号8および配列番号11
よりなる群から選ばれるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする請求項1ま
たは3〜5記載の発明。
13.該核酸分子が、オリゴヌクレオチドを含む請求項1または3〜5記載の発
明。
14.該タンパク質が、動物に投与したときに、寄生性蠕虫MIFタンパク質に
対する免疫応答を誘導する請求項1〜7記載の発明。
15.該タンパク質が、nDiMIF(1)345、nDiMIF(2)330、nO
vMIF(1)345、nOvMIF(2)342、nDiMIF(1)532、nDi
MIF(2)532、nDiMIF282、nDiMIF102、nDiMIF(1)355
、nDiMIF(2)333、nDiMIF(1)348、nBvDiMIF(1)34 8
、nRcnDiMIF(1)348、nOvMIF(1)440およびnOvMIF
(2)522よりなる群から選ばれる核酸分子によってコードされる請求項1〜7
記載の発明。
16.該タンパク質が、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配
列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番号
17、配列番号18および配列番号19よりなる群から選ばれる核酸配列を含む
核酸分子;配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配
列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番号17、配列番
号18および配列番号19よりなる群から選ばれる核酸配列の相補体を含む核酸
分子;配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番
号9、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番号17、配列番号1
8および配列番号19よりなる群から選ばれる核酸配列を含む核酸分子の対立遺
伝子変異体;
ならびに配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列
番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号16、配列番号17、配列番号
18および配列番号19よりなる群から選ばれる核酸配列の相補体を含む核酸分
子の対立遺伝子変異体;よりなる群から選ばれる請求項1〜7記載の発明。
17.該タンパク質が、配列番号2、配列番号5、配列番号8および配列番号1
1よりなる群から選ばれるアミノ酸配列を含むタンパク質;ならびに配列番号2
、配列番号5、配列番号8および配列番号11よりなる群から選ばれるアミノ酸
配列を含むタンパク質をコードする核酸分子の対立遺伝子変異体によってコード
されるタンパク質;よりなる群から選ばれる請求項1〜7記載の発明。
18.該保護化合物が、裸の核酸ワクチン、組換えウイルスワクチンおよび組換
え細胞ワクチンよりなる群から選ばれる請求項3または4記載の発明。
19.該組成物が、賦形剤、アジュバント、担体およびそれらの混合物よりなる
群から選ばれる成分をさらに含む請求項3または記載の発明。
20.該疾病が、心糸状虫疾患および回旋糸状虫症よりなる群から選ばれる請求
項3〜4記載の発明。
21.転写制御配列に機能的に結合した請求項1記載の核酸分子を含む組換え分
子。
22.請求項1記載の核酸分子を含む組換えウイルス。
23.該細胞が、該核酸分子を発現できる請求項1記載の核酸分子を含む組換え
細胞。
24.請求項2記載のタンパク質と選択的に結合する単離抗体。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07K 14/44 C07K 16/20
16/20 C12N 7/00
C12N 7/00 C12P 21/02 C
C12P 21/02 G01N 33/53 D
G01N 33/53 A61K 37/02
//(C12N 15/09 ZNA
C12R 1:10)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,
CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G
E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR
,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,
MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 ウイスネウスキー、ナンシー
アメリカ合衆国 80526 コロラド州 フ
ォートコリンズ ビーバー クリーク ド
ライブ 4219