JP2000501977A - 気管内視鏡 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
ダブルバルーン気管内視鏡が管状部分(1)と互いに近接しており独立して膨張させ得る少なくとも2つのバルーン(3;6)を備える。両バルーンのうち上方のもの (3)上には運動喉頭神経を検査するための非外力性センサを設ける。これのため、このバルーンの表面上に電気および/または電磁センサ(4)を配設する。
Description
【発明の詳細な説明】
気管内視鏡
この発明は、管状部分と互いに近接するとともに独立して膨張可能な少なくと
も2つのバルーンからなるダブルバルーン気管内視鏡に係り、バルーンのうち上
方のものに運動喉頭神経を検査するための非外力式のセンサが配設されている。
反回神経(NLR)の損傷は、咽頭部手術において重大な問題である。両側の
機能障害は生命の危険を伴う緊急事態をもたらす。12000の記録された甲状
腺腫切除からなる大規模な統計において、手術中に神経が現れた(露出した)か
どうかに依存して1.2%または5.2%の永久反回不全麻痺率が得られた。し
たがって、甲状腺手術に際して、不慮の損傷を防止するためNLRを露出するこ
とが望まれるという見解で一致している。その構造上の多様な分布ならびに微細
性により、神経の確認はしばしば困難なものとなる。このことは特に大規模な甲
状腺腫、再発手術、ならびに腫瘍手術において該当する。ここでNLRの損傷率
は20%まで達する。上喉頭神経(NLS)の損傷については、軽度の甲状腺腫
においても全患者の25%で申告されている。術後の機能障害のうち多数におい
ては手術者が神経の切断を確実に防止することができる。したがって、損傷の原
因は、何よりも縫合時における神経の伸延、圧迫および絡みによるものである。
したがって、手術中に継続してNLRを監視することが緊急に要され、これによ
って甲状腺の可動化に際して神経の損傷を迅速に検知することができる。
手術前におけるNLRの確認および手術中におけるその機能の監視に関して多
様な試みが既に実施されてきた。デール・B・スミス氏他によるレポート“子豚
の反回神経を手術前に確認するための装置” (耳咽喉科学−頭部および頚部手
術1989,100,137−145頁)において、文頭に挙げたダブルバルー
ン気管内視鏡について記載されている。ここで、上方のバルーンに配設されたセ
ンサは流体力学的に動作する。ここで、適宜な内視鏡は、上方のバルーンが声門
の領域に達するまで、気管内に挿入される。この位置において、内視鏡は気管に
固定され、下方のバルーンに空気を充填することによって気管に対して気密化さ
れる。さらに、上方のバルーンは、これが声帯に接合するまで膨張される。NL
Rは手術中において電気的に剌激されるが、これはNLRが損傷
していないことを前提にした上で、声門の適宜な筋肉収縮に通じる。この筋肉収
縮は上方のバルーンの圧力上昇をもたらし、これは、これに接続された圧力計に
よって表示される。
この既知の気管内視鏡の決定的な難点は、NLRの損傷が既に顕著に発生し、
その機能が大きく低下している際にのみを検知し得る点である。検出不可能なも
のは、神経の個々の軸索への外部要因による影響である。また、この既存の気管
内視鏡においては、例えば神経上の引掻き傷等の軽度かつ可逆的なNLRの外傷
も有効には検出されず、したがってまだ発生してはいないが危険をもたらし得る
損傷は検知できない。
NLRは声門の閉鎖のみでなく、声門を開放するようにも作用するため、外傷
が圧力上昇をもたらさず、圧力が一定であるか、あるいは圧力を降下させると、
その外傷が発見されないかあるいは誤って解釈される可能性がある。
この方式においては、機械的な接触によって発生した神経の電気的自己活動も
検知することができず、これは“スパイク”として筋電図に現れるものである。
その持続時間は、大まかな圧力測定方法によって検知し計量するには小さすぎる
ものである。したがって、基本的に声門内の圧力測定によって、解決すべき課題
である手術中における喉頭神経の確実な監視を達成することは不可能である。
さらに、手術中におけるNLRの電気剌激を表示するために構成された、多様
な他の方式ならびに装置が示されている。D.J.プリマチャンドラ氏他の文献
“手術中における反回神経の確認ならびにその機能のデモンストレーショソ”(
咽喉視鏡1990,100,95−96頁)には硬式の気管内視鏡を用いた声帯
動作の可視化について記述されている。A.G.ジェームス氏他の文献“反回神
経を確認ならびに検査するための簡便な方法”(手術婦人科産科学1985,1
61,185−186頁)には、輪状甲状筋の触診によりNLRの無傷性を検査
し得ることが記されている。J.G.スパーン氏他の論文“運動咽喉神経の確認
−新電気剌激技術”(咽喉内視鏡1991,91;865−868頁)には、声
帯ひだ内に存在する微細な針をNLRの電気剌激によつて生じる声門の動作に際
して可視的な動作に誘導し得ることが記されている。W.E.デービス氏の論文
“小型咽喉電極を用いた反回神経位置測定”(耳咽喉科学−頭部および頚部手術
,87巻330頁以下)には、バイポーラ電極針を用いた外因性導出方法につい
て記されている。しかしながら、技術的な問題点および/または外因性の導出作
用のた
めこれらの方式は実用化されていない。最後に挙げた方式は、さらに、わずか一
つの運動要素しか導出することができず;神経全体の無傷性についてはこの方式
では検知することができない。通常と同じ針またはフック電極による導出におい
ては、手術中における喉頭神経の監視の課題は解決し得ない。継続的な監視方法
は存在しない。
J.リー・レイ氏は、彼の論文“ポストクリコイド表面咽喉電極”(耳鼻咽喉
ジャーナル,71巻,第6号267頁以下)において、声門に挿入される、表面電
極を備えた部材を用いた非外因性NLR導出について記載されている。ここに記
された装置は、本件の目的には使用不可能である。これは、その使用により周囲
の組織が損傷を受ける可能性があるからである。さらに、この装置は十分な確実
性をもって所定の位置に配置することができず、使用中における位置変化を確実
に防止することはできない。
アンドリュー・ゴールドストーン氏によって記述された導出システム(欧州特
許第EP−0438863A1号)の主要な問題点は、気管内視鏡がわずかに移
動しただけで電極の変移と導出の不正確性がもたらされることである。ここで、
内視鏡軸に正確に平行して2本の鋼線が内視鏡に取り付けられており、これが声
帯の電気的活動を感知する。これによっても、確実な導出は不可能であり、これ
は内視鏡が僅かに動いただけでも声帯への接触が遮断され得るからである。異な
った声帯の開口状態によっても導出の障害がもたらされる可能性がある。ここで
変更される圧接圧力によって、まだ収容されている信号導出が信号の振幅変化を
被ることも起こり得る。したがってこの装置においては、危険なNLRおよびN
LS損傷の検知は基本的に不可能である。したがって、NLSおよびNLRの継
続的な監視は実現不可能である。声帯への接触を形成するため常に最も太い内視
鏡が必要とされるため、声帯が損傷を受ける危険性も大幅に増加し、これは呼吸
気管内で縦に配設された表面鋼線を声帯に押し付けなければならないからである
。これによって声帯内への切り込みも考えられる。したがって、ゴールドストー
ン氏によって提案された装置は、本件の目的においては使用不可能である。
したがって、本発明の目的は、文頭に記された種類のダブルバルーン気管内視
鏡において、十分な感度を有するとともに確実に設置可能な検出および監視シス
テムを備え、適切な分析装置を使用することにより運動声帯神経(NLRおよび
NLS)の体組織内での分布を検出するとともにその機能を継続的に監視し、僅
かの神経の軸索への侵入の影響による軽度かつ可逆的な損傷も検知することがで
き、これによって既に危険な損傷
を表示し、また手術部位の外部における継続的な監視を可能にし手術の技術的進
行に対しても障害とならないダブルバルーン気管内視鏡を提供することである。
本発明によれば、前記の課題は、上方のバルーンの表面上に電気および/また
は電磁センサを配設することによって解決される。このセンサは喉頭筋の電気ま
たは電磁的活動を自発的活動または喉頭神経の電気的興奮の結果として検出する
。したがって、センサは、NLRおよび/またはNLSの電気的刺激への反応と
して生じる、センサに接触している声帯の物理的な状態の変化を検出する。本発
明は、NLRの電気的刺激が継続する際に、導出できるような声帯の変動が生じ
ないようなごく小さなNLRへの機械的
う原理を利用している。このことは、声帯の変動を導出する(ableiten)既知の
方式と比較して、本発明にかかる気管内視鏡を使用すれば、NLRへのごく小さ
な機械的障害をも検知することができる。本発明に係る気管内視鏡の重要な意義
は、剌激電極およびセンサの位置設定は患者への機械的な挿管によって達成され
同時に完了し、したがって追加的な操作が不要である点にある。加えて、装置全
体が患者に対して非外傷性である。
したがって、装置全体が手術部位外にあり、切開前から麻酔終了までの間非外
傷的なNLRの監視が可能となる。
電極を心電計または細動除去器に接続することができる単一バルーン内視鏡は
知られているが(ドイツ特許第DE−GM8915538号)、これは本発明の
課題の解決には全く結びつかないものである。
本発明に係る気管内視鏡の特に好適な追加構成例において、上方のバルーン上
に配設されたセンサは電気伝導性の、特に平面状の帯電極として形成される。こ
れによって、帯電極に接する声帯上の電位の変化を検出する。このケースにおい
て、導出される声帯の物理的な大きさはその電位に相当する。しかしながら、本
発明の概念において、例えば直線電極を使用することもできる。2つの電極を設
けることが好適である。しかしながら、各適用形態に応じて、これ以外の数の電
極を設けるか、または他の形式の電磁式センサを設けることも有効である。
本発明に係る気管内視鏡の別の追加構成例においては、上方のバルーン上に配
設された電極を、統合された刺激/導出電極として形成するか、または追加的な
刺激電極を設置する。また、他の形式の電磁剌激要素も可能である。この構成に
より、NLSの感覚
枝を喉頭粘膜を介して剌激することができ、迷走神経核内のいわゆる*)反射曲
線を介してNLSの運動枝に伝達し得ることが達成される。約5msの潜伏状態
を経て反射曲線信号(“H−Wave”)は輪状甲状筋に到達する。さらに、全
体動作能力が上方のバルーン上のセンサを介して導出することができる。したが
って、NLS全体(感覚および運動繊維を含む)の非損傷性は、手術(手術部位
に接触することなく)の間継続的に監視することができる。反射曲線を利用する
この種のNLS剌激は特別な意義を有しており、これはそれによって手術部位に
接触することなくNLSを継続的に監視することが可能になるからである。
*)W.F.サムファート“喉頭の筋電図ならびに関連技術”.アクタ・オト・
リノ・ラリンゴロジカ・ベルジカ 1986,40:2,358頁以下。
本発明に係る気管内視鏡のさらに別の追加構成例においては、NLRの気管横
断剌激のための剌激電極を下方のバルーンに設置し、これはJ.A.サーカーツ
氏他による文献“気管内視鏡用の特殊電極の製造”(気管内視鏡1991,10
1;1024−1025頁)に記載された既知の剌激方式にしたがったものであ
る。このように追加構成されたダブルバルーン気管内視鏡によって可能となると
ともに前述した高感度の導出と結合したNLRの気管横断刺激は、操作者が特別
な手段で配慮する必要なく、手術中における継続的な監視を可能にする。本発明
に係る内視鏡の使用において、まずNLRがバイポーラ型剌激電極を使用して手
術個所において走査され、続いて気管横断剌激に変換され、したがって操作者は
その後両手を自由に使える。したがって、継続的な神経機能監視下において手術
が実施され、手術技術上の進行を変更する必要はない。
別の適用分野(他の手術における麻酔度または弛緩度)に対して、本発明に係
る気管内視鏡は既知の水圧圧力計測を上方のバルーン上に組み込む。これは、声
門の機械的な動作を同時に検知することを可能にする。これは患者の麻酔度また
は弛緩度の正確な制御をなすよう作用し、これは運動活動の低下(筋肉麻痺)、
および筋肉の電気的または電磁的残存活動の収得によって検知することができる
。従来から一般的な、手神経の剌激およびこれによって誘導される手筋肉の収縮
の観察による患者の弛緩度の検査に対する利点は、本発明に係る気管内視鏡によ
り筋電計信号に加えて正確かつ再生可能な筋力測定を実施し、麻酔度または弛緩
度をより有効に制御し得ることである。声帯動作性は
患者の弛緩度に相関することが知られている(J.O.ディック−ニールセン氏
による論文“咽喉面を介する柔軟性光ファイバ気管支鏡検査”;(アクタ・アネ
ステジオロジカ・スカンディナビカ 1993,37:17頁以下)参照)。
次に、本発明につき添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。ここで、
図1は、喉頭部に設置された本発明に係る気管内視鏡の好適な実施例を示す矢
状断面図、
図2は、図1に示す喉頭部内に設置された気管内視鏡の前方断面図、
図3ないし図8は、損傷のないものおよび機械的な損傷を受けたNLRにおい
て導出された種々の典型的な電圧曲線、
図9は、外因性損傷を有するものと、外因性損傷のないNLRを下方のバルー
ンに設けた刺激電極によって気管横断刺激した後の典型的な電圧曲線、
図10は、外因性損傷の無いNLSを剌激した後の典型的な電圧曲線を示す説
明図である。
図1および図2に示された気管内視鏡は管状部分1を備える。内視鏡の下端部
に近接して2つのバルーン3および6が配設されており、これらは両方のポンプ
機構9を使用して適宜の結合管を通じて互いに独立して膨張させることができる
。図1に示された気管内視鏡は、市販の技術様式に相当するものであり、したが
って詳細な記述は必要でない。
上方のバルーン3の表面には2つの電気伝導性帯電極4が配設されており、互
いの位置関係により図1にはそのうちの観察者に向いた一方のみが示されている
。両方の帯電極4にはそれぞれ電気伝導性の伝送ケーブルが接続され、これは内
視鏡に沿ってその壁部に固定されその下端まで延在している。両方のケーブルの
末端にはそれぞれ測定電子機器へ接続するための接続ピン8が設けられている。
図1および図2には、本発明に係る気管内視鏡の位置設定が上方のバルーン3
が声門に接触するように示されている。図2には、声帯筋および甲状披裂筋5が
示されており;図1は参照符号2で喉頭盤を示している。参照符号7はいずれも
気管を示している。これに対しては下方のバルーン6が密着しており;同時に上
方のバルーン3の正しい位置を、長時間の手術においても確実かつ安全に保持し
ている。上方のバルーン3に配設された表面導出電極4の声帯に対する密着性は
図2から読み取ることができる。
図3ないし図8に示された導出電圧は、図1および図2の気管内視鏡を使用し
て若豚について実施された実験において収集されたものである。ここで、個々の
ものは以下のように実行された:刺激電極として改良型の一般的非外傷性バイポ
ーラクリップ電極を使用した。電極間の距離は約1cmとした。アース電極とし
て大面積の対向電極を備えたモノポーラ線電極を使用した。神経刺激は10ない
し20mAの定電流刺激によって実施した。
気管内視鏡は(バルーン3および6の空気を完全に抜いて)、下方のバルーン
6が確実に声門の下側に配置されるまで気管内に挿入された。続いて下方のバル
ーン6に軽く空気を注入した(ブロックした)。さらに、部分的にブロックされ
た下方のバルーンが声門下に引っかかるまで気管内視鏡を引き戻した。この内視
鏡の位置において、下方のバルーン6ならびに上方のバルーン3をともに膨張さ
せ、したがって下方のバルーン6は管状部分1を気管に密着させ、上方のバルー
ン3上に配設された帯電極4は声帯に対して直接接合した。
図3ないし図8に示された声帯筋(NLRの対象器官)の全電位は標準筋電計
装置(“ダンテック・カンタータ”)によって導出された。ここで20Hzから
2kHzの帯域通過フィルタを使用した。増幅率は1mV/ラスタとした。導出
は同側の声帯上においてモノポーラで実施された。導出された電位はその形状で
正確に再生され、2.2ないし3.0mVに達した。
図3には、4つの独立した計測が0.5ないし4minの時間間隔で示されて
おり、これは末端神経上における14.3mAの刺激を実施した後の典型的な導
出を示している。横軸には時間進行が示されている(ラスタ当り2msec)。
縦軸には導出された全動作能力の電圧が示されている(ラスタ当り1mV)。図
3は、導出された電位の良好な再生性を示している。再生性をより明確に示すた
めに、図4に別の4つの互いに独立した導出信号が重ねて示されている。この方
式により信号曲線の単一性が良好に確認される。図3と同様に、図4においても
横軸は時間経過を示し(ラスタ当り2mseC)、縦軸には導出された全動作能
力の電圧が示されている(ラスタ当り1mV)。
図5は、該当するNLRをピンセットで圧縮した後同様な条件で導出された全
動作能力を示したものである。この形態において、NLRに対する機械的侵入が
動作能力の完全な消失をもたらすことが示されている。
図6は、ピンセットを再び開放ししたがってNLRが復元された後の、導出さ
れた全動作能力を示している。NLRが復元することにより神経伝達能力が略完
全に回復することが示されている。図5に示された神経伝達障害は略完全に可逆
的である。しかしながら、動作能力の軽い拡大および縮小は、強力な圧縮の結果
神経に軽い損傷が生じたことを示している。
図7および図8に示された、2つの比較的軽い神経損傷における全動作能力の
曲線は特に重要である。図7は、他の全ての条件を図3ないし図6の場合と同一
にした上で非常に軽い圧縮に際しての全動作能力を示している。この軽い圧縮(
図5に適用された条件と比較して)は動作能力の部分的な欠落をもたらしている
。このことは、神経を比較的軽く圧縮した場合においても、これは残留する損傷
はもたらさないが、本発明の内視鏡を適用するとこれを検知し得ることを示して
いる。
同様のことが神経の引っ張りの際にも該当し、その作用は図8に示されている
。損傷の無いNLRにおける信号曲線を示す図3との比較において、ごく僅かに
神経を引っ張ることにより信号曲線の明確な変形が示される。
図9には、下方のバルーンに配設された刺激電極を使用してNLRの気管横断
剌激を行った際に生じる、非常に良好に分析しやすい信号が示されている。使用
される内視鏡は、この刺激電極を除いて前述のものと同一である。また、実験条
件も前述のものと同一である。上側の両曲線は、損傷の無いNLRの典型的な電
圧経移を示しており;下側の両曲線は、外因的な損傷を受けたNLRの場合にお
いて収集されたものである。この本発明に係る気管内視鏡の追加構成により、手
術部位外部における剌激および導出により手術行程に影響を与えることなく手術
中において継続的にNLRを監視することができる。
図10は、本発明に係る内視鏡を使用してNLSの剌激に対する応答として発
生する、非常に再生しやすくかつ分析しやすい全動作能力を示している。これに
よって、手術中において手術個所の外部で輪状甲状筋(NLRの対象器官)の筋
電図を導出することが可能になる。
本発明に係る気管内視鏡の追加構成において、上方のバルーンに導出センサと
同一とすることもできる追加的な刺激電極を設けることにより、手術個所の外部
におけるNLS刺激が可能になる。ここで既知の神経生理学的反射カーブを使用
することができ、こ
れは感覚繊維を含むNLS全体を全経移にわたって継続的に監視することができ
る。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年12月9日(1997.12.9)
【補正内容】
明細書
気管内視鏡
この発明は、管状部分と互いに近接するとともに独立して膨張可能な少なくと
も2つのバルーンからなる複数バルーン気管内視鏡に係り、バルーンのうち上方
のものに運動喉頭神経を検査するための非外力式のセンサが配設されている。
反回神経(NLR)の損傷は、咽頭部手術において重大な問題である。両側の
機能障害は生命の危険を伴う緊急事態をもたらす。12000の記録された甲状
腺腫切除からなる大規模な統計において、手術中に神経が現れた(露出した)か
どうかに依存して1.2%または5.2%の永久反回不全麻痺率が得られた。し
たがって、甲状腺手術に際して、不慮の損傷を防止するためNLRを露出するこ
とが望まれるという見解で一致している。その構造上の多様な分布ならびに微細
性により、神経の確認はしばしば困難なものとなる。このことは特に大規模な甲
状腺腫、再発手術、ならびに腫瘍手術において該当する。ここでNLRの損傷率
は20%まで達する。上喉頭神経(NLS)の損傷については、軽度の甲状腺腫
においても全患者の25%で申告されている。術後の機能障害のうち多数におい
ては手術者が神経の切断を確実に防止することができる。したがって、損傷の原
因は、何よりも縫合時における神経の伸延、圧迫および絡みによるものである。
したがって、手術中に継続してNLRを監視することが緊急に要され、これによ
って甲状腺の可動化に際して神経の損傷を迅速に検知することができる。
手術前におけるNLRの確認および手術中におけるその機能の監視に関して多
様な試みが既に実施されてきた。しかしながら、これらの方式のどれも継続的な
神経の監視を可能にしていない。デール・B・スミス氏他によるレポート“子豚
の反回神経を手術前に確認するための装置”(耳咽喉科学−頭部および頚部手術
1989,100,137−145頁)において、文頭に挙げた複数バルーン気
管内視鏡について記載されている。同様な気管内視鏡がオランダ特許第NL−A
−7908514号により知られている。ここで、上方のバルーンに配設された
センサは流体力学的に動作する。ここで、適宜な内視鏡は、上方のバルーンが声
門の領域に達するまで、気管内に挿入される。この位置において、内視鏡は気管
に固定され、下方のバルーンに空気を充填することによって気
管に対して気密化される。さらに、上方のバルーンは、これが声帯に接合するま
で膨張される。NLRは手術中において電気的に刺激されるが、これはNLRが
損傷していないことを前提にした上で、声門の適宜な筋肉収縮に通じる。この筋
肉収縮は上方のバルーンの圧力上昇をもたらし、これは、これに接続された圧力
計によって表示される。
この既知の気管内視鏡の決定的な難点は、NLRの損傷が既に顕著に発生し、
その機能が大きく低下している際にのみを検知し得る点である。検出不可能なも
のは、神経の個々の軸索への外部要因による影響である。また、この既存の気管
内視鏡においては、例えば神経上の引掻き傷等の軽度かつ可逆的なNLRの外傷
も有効には検出されず、したがってまだ発生してはいないが危険をもたらし得る
損傷は検知できない。この装置は継続的な監視には適しておらず、これは感度が
低すぎるとともに、軽い圧力変動による障害発生の危険性が大きすぎるからであ
る。
NLRは声門の閉鎖のみでなく、声門を開放するようにも作用するため、外傷
が圧力上昇をもたらさず、圧力が一定であるか、あるいは圧力を降下させると、
その外傷が発見されないかあるいは誤って解釈される可能性がある。
この方式においては、機械的な接触によって発生した神経の電気的自己活動も
検知することができず、これは“スパイク”として筋電図に現れるものである。
その持続時間は、大まかな圧力測定方法によって検知し計量するには小さすぎる
ものである。したがって、基本的に声門内の圧力測定によって、解決すべき課題
である手術中における喉頭神経の確実かつ継続的な監視を達成することは不可能
である。
さらに、手術中におけるNLRの電気刺激を表示するために構成された、多様
な他の方式ならびに装置が示されている。D.J.プリマチャンドラ氏他の文献
“手術中における反回神経の確認ならびにその機能のデモンストレーション”(
咽喉視鏡1990,100,95−96頁)には硬式の気管内視鏡を用いた声帯
動作の可視化について記述されている。A.G.ジェームス氏他の文献“反回神
経を確認ならびに検査するための簡便な方法”(手術婦人科産科学1985,1
61,185−186頁)には、輪状甲状筋の触診によりNLRの無傷性を検査
し得ることが記されている。J.G.スパーン氏他の論文“運動咽喉神経の確認
−新電気剌激技術”(咽喉内視鏡1991,91;865−868頁)には、声
帯ひだ内に存在する微細な針をNLRの電気剌激によって生じる声門の動作に際
して可視的な動作に誘導し得ることが記されている。W.E.デー
ビス氏の論文“小型咽喉電極を用いた反回神経位置測定”(耳咽喉科学−頭部お
よび頚部手術,87巻30頁以下)には、バイポーラ電極針を用いた外因性導出
方法について記されている。しかしながら、技術的な問題点および/または外因
性の導出作用のためこれらの方式は実用化されていない。最後に挙げた方式は、
さらに、わずか一つの運動要素しか導出することができず;神経全体の無傷性に
ついてはこの方式では検知することができない。通常と同じ針またはフック電極
による導出においては、手術中における喉頭神経の監視の課題は解決し得ない。
継続的な監視方法は存在しない。
J.リー・レイ氏は、彼の論文“ポストクリコイド表面咽喉電極”(耳鼻咽喉
ジャーナル,71巻,第6号267頁以下)において、声門に挿入される、表面電
極を備えた部材を用いた非外因性NLR導出について記載されている。ここに記
された装置は、本件の目的には使用不可能である。これは、その使用により周囲
の組織が損傷を受ける可能性があるからである。さらに、この装置は十分な確実
性をもって所定の位置に配置することができず、使用中における位置変化を確実
に防止することはできない。
アンドリュー・ゴールドストーン氏によって記述された気管内視鏡(欧州特許
第EP−0438863A1号)の主要な問題点は、わずかな移動により電極の
変移と導出の不正確性がもたらされることである。この内視鏡において、内視鏡
軸に正確に平行して2本の鋼線が内視鏡に取り付けられており、これが声帯の電
気的活動を感知する。これによっても、確実な導出は不可能であり、これは内視
鏡が僅かに動いただけでも声帯への接触が遮断され得るからである。異なった声
帯の開口状態によっても導出の障害がもたらされる可能性がある。ここで変更さ
れる圧接圧力によって、まだ収容されている信号導出が信号の振幅変化を被るこ
とも起こり得る。したがってこの装置においては、危険なNLRおよびNLS損
傷の検知は基本的に不可能である。したがって、NLSおよびNLRの継続的な
監視は実現不可能である。声帯への接触を形成するため常に最も太い内視鏡が必
要とされるため、声帯が損傷を受ける危険性も大幅に増加し、これは呼吸気管内
で縦に配設された表面鋼線を声帯に押し付けなければならないからである。これ
によって声帯内への切り込みも考えられる。したがって、ゴールドストーン氏に
よって提案された装置は、本件の目的においては使用不可能である。
したがって、本発明の目的は、文頭に記された種類の複数バルーン気管内視鏡
において、十分な感度を有するとともに確実に設置可能な検出および監視システ
ムを備え、適
切な分析装置を使用することにより運動声帯神経(NLRおよびNLS)の体組
織内での分布を検出するとともにその機能を継続的に監視し、僅かの神経の軸索
への侵入の影響による軽度かつ可逆的な損傷も検知することができ、これによっ
て既に危険な損傷を表示し、また手術部位の外部における継続的な監視を可能に
し手術の技術的進行に対しても障害とならない複数バルーン気管内視鏡を提供す
ることである。
本発明によれば、前記の課題は、上方のバルーンの表面上に電気および/また
は電磁センサを配設し、下方のバルーンに反回神経の気管横断または気管支横断
刺激を行うための少なくとも一つの追加的な刺激電極を設けることによって解決
される。上方のバルーン上に配設されたセンサは喉頭筋の電気または電磁的活動
を下方のバルーンに設けられた刺激電極による喉頭神経の電気的興奮の結果とし
て検出する。したがって、センサは、NLRおよび/またはNLSの電気的刺激
への反応として生じる、センサに接触している声帯の物理的な状態の変化を検出
する。本発明は、NLRの電気的刺激が継続する際に、導出できるような声帯の
変動が生じないようなごく小さなNLRへの機械的障害においても声帯の物理的
状態が変動するという原理を利用している。このことは、声帯の変動を導出する
既知の方式と比較して、本発明にかかる気管内視鏡を使用すれば、NLRへのご
く小さな機械的障害をも検知することができる。下方のバルーンに設置された、
NLRの気管横断刺激に適した剌激電極は、これはJ.A.サーカーツ氏他によ
る文献“気管内視鏡用の特殊電極の製造”(気管内視鏡1991,101;10
24−1025頁)に記載された既知の刺激方式を利用したものである。このよ
うに追加構成された複数バルーン気管内視鏡によって可能となるとともに前述し
た高感度の導出と結合したNLRの気管横断刺激は、操作者が特別な手段で配慮
する必要なく、手術中における継続的な監視を可能にする。本発明に係る気管内
視鏡の重要な意義は、刺激電極およびセンサの位置設定は患者への機械的な挿管
によって達成され同時に完了し、したがって追加的な操作が不要である点にある
。加えて、装置全体が患者に対して非外傷性である。
したがって、装置全体が手術部位外にあり、切開前から麻酔終了までの間非外
傷的なNLRの監視が可能となる。
本発明に係る内視鏡の使用において、まずNLRがバイポーラ型刺激電極を使
用して手術個所において走査され、続いて気管横断剌激に変換され、したがって
操作者はその
後両手を自由に使える。したがって、継続的な神経機能監視下において手術が実
施され、手術技術上の進行を変更する必要はない。
電極を心電計または細動除去器に接続することができる単一バルーン内視鏡は
知られているが(ドイツ特許第DE−GM8915538号)、これは本発明の
課題の解決には全く結びつかないものである。
本発明に係る気管内視鏡の特に好適な追加構成例において、上方のバルーン上
に配設されたセンサは電気伝導性の、特に平面状の帯電極として形成される。こ
れによって、帯電極に接する声帯上の電位の変化を検出する。このケースにおい
て、導出される声帯の物理的な大きさはその電位に相当する。しかしながら、本
発明の概念において、例えば直線電極を使用することもできる。2つの電極を設
けることが好適である。しかしながら、各適用形態に応じて、これ以外の数の電
極を設けるか、または他の形式の電磁式センサを設けることも有効である。
本発明に係る気管内視鏡の好適な追加構成は、センサを上方のバルーンに設け
られた電気伝導性の表面層として形成することを特徴とする。
本発明に係る気管内視鏡の別の追加構成例においては、上方のバルーン上に配
設された電極を、統合された剌激/導出電極として形成するか、または追加的な
刺激電極を設置する。また、他の形式の電磁刺激要素も可能である。この構成に
より、NLSの感覚枝を喉頭粘膜を介して刺激することができ、迷走神経核内の
いわゆる*)反射曲線を介してNLSの運動枝に伝達し得ることが達成される。
約5msの潜伏状態を経て反射曲線信号(“H−Wave”)は輪状甲状筋に到
達する。さらに、全体動作能力が上方のバルーン上のセンサを介して導出するこ
とができる。したがって、NLS全体(感覚および運動繊維を含む)の非損傷性
は、手術(手術部位に接触することなく)の間継続的に監視することができる。
反射曲線を利用するこの種のNLS剌激は特別な意義を有しており、これはそれ
によって手術部位に接触することなくNLSを継続的に監視することが可能にな
るからである。
*)W.F.サムファート“喉頭の筋電図ならびに関連技術”.アクタ・オト・
リノ・ラリンゴロジカ・ベルジカ 1986,40:2,358頁以下。
別の適用分野(他の手術における麻酔度または弛緩度)に対して、本発明に係
る気管
内視鏡は既知の水圧圧力計測を上方のバルーン上に組み込む。これは、声門の機
械的な動作を同時に検知することを可能にする。これは患者の麻酔度または弛緩
度の正確な制御をなすよう作用し、これは運動活動の低下(筋肉麻痺)、および
筋肉の電気的または電磁的残存活動の収得によって検知することができる。従来
から一般的な、手神経の剌激およびこれによって誘導される手筋肉の収縮の観察
による患者の弛緩度の検査に対する利点は、本発明に係る気管内視鏡により筋電
計信号に加えて正確かつ再生可能な筋力測定を実施し、麻酔度または弛緩度をよ
り有効に制御し得ることである。声帯動作性は患者の弛緩度に相関することが知
られている(J.O.ディック−ニールセン氏による論文“咽喉面を介する柔軟
性光ファイバ気管支鏡検査”;(アクタ・アネステジオロジカ・スカンディナビ
カ 1993,37;17頁以下)参照)。
次に、本発明につき添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。ここで、
図1は、喉頭部に設置された本発明に係る気管内視鏡の好適な実施例を示す矢
状断面図、
図2は、図1に示す喉頭部内に設置された気管内視鏡の前方断面図、
図3ないし図8は、損傷のないものおよび機械的な損傷を受けたNLRにおい
て導出された種々の典型的な電圧曲線、
図9は、外因性損傷を有するものと、外因性損傷のないNLRを下方のバルー
ンに設けた剌激電極によって気管横断剌激した後の典型的な電圧曲線、
図10は、外因性損傷の無いNLSを剌激した後の典型的な電圧曲線を示す説
明図である。
図1および図2に示された気管内視鏡は管状部分1を備える。内視鏡の下端部
に近接して2つのバルーン3および6が配設されており、これらは両方のポンプ
機構9を使用して適宜の結合管を通じて互いに独立して膨張させることができる
。図1に示された気管内視鏡は、市販の技術様式に相当するものであり、したが
って詳細な記述は必要でない。
上方のバルーン3の表面には2つの電気伝導性帯電極4が配設されており、互
いの位置関係により図1にはそのうちの観察者に向いた一方のみが示されている
。両方の帯電極4にはそれぞれ電気伝導性の伝送ケーブルが接続され、これは内
視鏡に沿ってその壁部に固定されその下端まで延在している。両方のケーブルの
末端にはそれぞれ測定電子
機器へ接続するための接続ピン8が設けられている。
図1および図2には、本発明に係る気管内視鏡の位置設定が上方のバルーン3
が声門に接触するように示されている。図2には、声帯筋および甲状披裂筋5が
示されており;図1は参照符号2で喉頭盤を示している。参照符号7はいずれも
気管を示している。これに対しては下方のバルーン6が密着しており;同時に上
方のバルーン3の正しい位置を、長時間の手術においても確実かつ安全に保持し
ている。上方のバルーン3に配設された表面導出電極4の声帯に対する密着性は
図2から読み取ることができる。
図3ないし図8に示された導出電圧は、図1および図2の気管内視鏡を使用し
て若豚について実施された実験において収集されたものである。ここで、個々の
ものは以下のように実行された:刺激電極として改良型の一般的非外傷性バイポ
ーラクリップ電極を使用した。電極間の距離は約1cmとした。アース電極とし
て大面積の対向電極を備えたモノポーラ線電極を使用した。神経剌激は10ない
し20mAの定電流剌激によって実施した。
気管内視鏡は(バルーン3および6の空気を完全に抜いて)、下方のバルーン
6が確実に声門の下側に配置されるまで気管内に挿入された。続いて下方のバル
ーン6に軽く空気を注入した(ブロックした)。さらに、部分的にブロックされ
た下方のバルーンが声門下に引っかかるまで気管内視鏡を引き戻した。この内視
鏡の位置において、下方のバルーン6ならびに上方のバルーン3をともに膨張さ
せ、したがって下方のバルーン6は管状部分1を気管に密着させ、上方のバルー
ン3上に配設された帯電極4は声帯に対して直接接合した。
図3ないし図8に示された声帯筋(NLRの対象器官)の全電位は標準筋電計
装置(“ダンテック・カンタータ”)によって導出された。ここで20Hzから
2kHzの帯域通過フィルタを使用した。増幅率は1mV/ラスタとした。導出
は同側の声帯上においてモノポーラで実施された。導出された電位はその形状で
正確に再生され、2.2ないし3.0mVに達した。
図3には、4つの独立した計測が0.5ないし4minの時間間隔で示されて
おり、これは末端神経上における14.3mAの刺激を実施した後の典型的な導
出を示している。横軸には時間進行が示されている(ラスタ当り2msec)。
縦軸には導出された全動作能力の電圧が示されている(ラスタ当り1mV)。図
3は、導出された電位の良
好な再生性を示している。再生性をより明確に示すために、図4に別の4つの互
いに独立した導出信号が重ねて示されている。この方式により信号曲線の単一性
が良好に確認される。図3と同様に、図4においても横軸は時間経過を示し(ラ
スタ当り2mseC)、縦軸には導出された全動作能力の電圧が示されている(
ラスタ当り1mV)。
図5は、該当するNLRをピンセットで圧縮した後同様な条件で導出された全
動作能力を示したものである。この形態において、NLRに対する機械的侵入が
動作能力の完全な消失をもたらすことが示されている。
図6は、ピンセットを再び開放ししたがってNLRが復元された後の、導出さ
れた全動作能力を示している。NLRが復元することにより神経伝達能力が略完
全に回復することが示されている。図5に示された神経伝達障害は略完全に可逆
的である。しかしながら、動作能力の軽い拡大および縮小は、強力な圧縮の結果
神経に軽い損傷が生じたことを示している。
図7および図8に示された、2つの比較的軽い神経損傷における全動作能力の
曲線は特に重要である。図7は、他の全ての条件を図3ないし図6の場合と同一
にした上で非常に軽い圧縮に際しての全動作能力を示している。この軽い圧縮(
図5に適用された条件と比較して)は動作能力の部分的な欠落をもたらしている
。このことは、神経を比較的軽く圧縮した場合においても、これは残留する損傷
はもたらさないが、本発明の内視鏡を適用するとこれを検知し得ることを示して
いる。
同様のことが神経の引っ張りの際にも該当し、その作用は図8に示されている
。損傷の無いNLRにおける信号曲線を示す図3との比較において、ごく僅かに
神経を引っ張ることにより信号曲線の明確な変形が示される。
図9には、下方のバルーンに配設された刺激電極を使用してNLRの気管横断
剌激を行った際に生じる、非常に良好に分析しやすい信号が示されている。上側
の両曲線は、損傷の無いNLRの典型的な電圧経移を示しており;下側の両曲線
は、外因的な損傷を受けたNLRの場合において収集されたものである。本発明
に係る気管内視鏡より、手術部位外部における刺激および導出により手術行程に
影響を与えることなく手術中において継続的にNLRを監視することができる。
図10は、本発明に係る内視鏡を使用してNLSの剌激に対する応答として発
生する、非常に再生しやすくかつ分析しやすい全動作能力を示している。これに
よって、手術中
において手術個所の外部で輪状甲状筋(NLRの対象器官)の筋電図を導出する
ことが可能になる。
本発明に係る気管内視鏡の追加構成において、上方のバルーンに導出センサと
同一とすることもできる追加的な刺激電極を設けることにより、手術個所の外部
におけるNLS剌激が可能になる。ここで既知の神経生理学的反射カーブを使用
することができ、これは感覚繊維を含むNLS全体を全経移にわたって継続的に
監視することができる。
請求の範囲
1. 管状部分(1)と、互いに近接するとともに独立して膨張可能な少なくと
も2つのバルーン(3,6)とを備え、このうちの上方のもの(3)に運動喉頭
神経を検査するための非外力式のセンサを配設してなる複数バルーン気管内視鏡
であり、
上方のバルーン(3)の表面に電気および/または電磁センサ(4)を設け、
下方のバルーン(6)に反回神経の気管横断または気管支横断剌激を行うための
少なくとも一つの追加的な刺激電極を設けることを特徴とする気管内視鏡。
2. センサ(4)は上方のバルーン(3)に電導性の表面層処理を施して形成
することを特徴とする請求項1記載の気管内視鏡。
3. 上方のバルーン状のセンサを統合された刺激/導出電極として形成するか
、または追加的な刺激電極または他の形式の神経刺激要素を設けることを特徴と
する請求項1記載の気管内視鏡。
4. 上方のバルーン(3)上に気圧あるいは水圧式の圧力センサを配設し、圧
力測定装置を接続することを特徴とする請求項1記載の気管内視鏡。
【手続補正書】
【提出日】1998年6月23日(1998.6.23)
【補正内容】
I.請求の範囲を次の通り補正します。
「 請求の範囲
1. 管状部分(1)と、互いに近接するとともに独立して膨張可能な少なくと
も2つのバルーン(3,6)とを備え、下方にある第二のバルーン(6)の上方 に配置された、上方にある第一のバルーン
(3)に運動喉頭神経を検査するため
の非外力性センサを配設してなる複数バルーン気管内視鏡であり、
上方のバルーン(3)の表面に電気および/または電磁センサ(4)を設け、
下方のバルーン(6)に反回神経の気管横断または気管支横断刺激を行うための
少なくとも一つの追加的な刺激電極を設けることを特徴とする気管内視鏡。
2. センサ(4)は上方のバルーン(3)に電導性の表面層処理を施して形成
することを特徴とする請求項1記載の気管内視鏡。
3.上方のバルーン状のセンサを統合された剌激/導出電極として形成するか、
または追加的な剌激電極または他の形式の神経刺激要素を設けることを特徴とす
る請求項1記載の気管内視鏡。
4. 上方のバルーン(3)上に気圧あるいは水圧式の圧力センサを配設し、圧
力測定装置を接続することを特徴とする請求項1記載の気管内視鏡。」
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),JP,US
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 管状部分(1)と、互いに近接するとともに独立して膨張可能な少なくと も2つのバルーン(3,6)とを備え、このうちの上方のもの(3)に運動喉頭 神経を検査するための非外力式のセンサを配設してなるダブルバルーン気管内視 鏡であり、 上方のバルーン(3)の表面に電気および/または電磁センサ(4)を設ける ことを特徴とする気管内視鏡。 2. センサ(4)は上方のバルーン(3)に電気伝導性の表面層処理を施して 形成することを特徴とする請求項1記載の気管内視鏡。 3. 上方のバルーン状のセンサを統合された剌激/導出電極として形成するか 、または追加的な刺激電極または他の形式の神経刺激要素を設けることを特徴と する請求項1記載の気管内視鏡。 4. 下方のバルーン(6)上に反回神経の気管横断あるいは気管支横断剌激を 行うための少なくとも一つの追加的な刺激電極を設けることを特徴とする請求項 1記載の気管内視鏡。 5. 上方のバルーン(3)上に気圧あるいは水圧式の圧力センサを配設し、圧 力測定装置を接続することを特徴とする請求項1記載の気管内視鏡。
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