JP2000502153A - 二酢酸セルロース繊維を製造するための層流プロセス - Google Patents

二酢酸セルロース繊維を製造するための層流プロセス

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Abstract

(57)【要約】 二酢酸セルロース繊維を製造するための層流プロセスを開示する。この方法においては、実質的に層流のゾーンで沈澱酸流と酸ドープ流とを接触させる。酸ドープ流は沈澱酸流の内側に環状に位置し、沈澱酸流と同一方向に流れる。沈澱酸流は温度が100 〜200 °Fであり、酢酸25〜35重量%及び水75〜65重量%を含む。酸ドープ流は100 〜200 °Fの範囲の温度を有し、インヘレント粘度が少なくとも1.0 の二酢酸セルロース5〜22重量%及び酢酸65〜90重量%と水35〜10重量%を含んでなる混合物95〜78重量%を含む。沈澱酸流は酸ドープ流の線流れより大きいかまたはそれに等しい線流れを有する。沈澱酸流対酸ドープ流の重量比は少なくとも9:1である。このようにして2つの流れを接触させると、2つの流れが一緒に拡散するにつれて、予測可能な直径を有する二酢酸セルロース繊維が沈澱する。

Description

【発明の詳細な説明】 二酢酸セルロース繊維を製造するための層流プロセス 発明の分野 本発明は、二酢酸セルロース繊維の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発 明は、酢酸ドープから、径の小さい二酢酸セルロース繊維を直接製造するための 層流プロセスに関する。この繊維はフィルタートウとして使用したり、紙製品中 に混和したりすることができる。 発明の背景 有機溶剤溶液からの二酢酸セルロースの単離は、古く、文献記載の多い技術で ある。アセチル化工程及び加水分解工程を含むセルロースから二酢酸セルロース を製造する方法では、二酢酸セルロースは酢酸と水との混合物中の溶液として得 られる。その溶液から二酢酸セルロースを単離する種々の手法により、二酢酸セ ルロース製品は粉末、ペレットまたはフレークの形態で得られている。例えば、 S.Gedon,R.Fengl,"Cellulose Ester Organic",Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology",第5版,Vol 5,第510 頁(1993),John Wiley & Sons,Inc.を参照。種々の中間及び最終用途のために、二酢酸セルロース製品 は一般に、アセトン及びメチルエチルケトンのような揮発性有機溶剤中に溶解さ れている。この溶液は、溶剤が蒸発した時に物体上に二酢酸セルロースの薄いフ ィルムまたは塗膜が残るように、物体上に塗布することができる。非常に高濃度 の溶液は流延することができるので、溶剤の蒸発時に透明な二酢酸セルロースシ ートが得られる(同書、第520 〜524 頁) 。二酢酸セルロース濃厚溶液を紡糸口金孔に通すと、連続繊維製品が得られる。 例えば、N.Eastmanら、"Cellulose Acetate and Triacetate Fibers",Kirk-Ot hmer Encyclopedia of Chemical Technology,第3版,Vol 5,第105 〜108 頁(1979),John Wiley & Sons,Inc.)参照。この紡糸法によって得られる繊維 は一般に、非常に長く、規則的で稠密な繊維である。この繊維は、直径が比較的 一定で、繊維中のキンクまたはカールがない。 酢酸ドープから且つ/またはこのような紡糸技術を使用せずに、二酢酸セルロ ース(しばしば、二次酢酸セルロース繊維と称する)を製造しようとする試みが なされてきた。Basford 及びDoubledayは米国特許第2,632,686 号において酸ド ープからの二次酢酸セルロース繊維の湿式紡糸法及びアセテートフィルムの製造 方法を開示している。ドープは、凝固剤媒体として少なくとも1種の金属塩を含 む水性凝固浴中にノズルから押出す。この特許の実施例は、ドープは使用前に濾 過してから、6時間脱泡しなければならないことを示している。繊維は、直径0. 002 インチの紡糸口金を用いて製造された。英国特許第790,039 号は、二酢酸セ ルロース含有酸ドープを開口部から押出す沈澱法を記載している。こうして形成 された連続フィラメントは、空気中を通して短距離を自由落下させられた後に、 硬化用液体中に入る。フィラメントは、少なくとも、単純な接触では融合も凝集 もしない程度まで硬化するまで、液体中を落下させられ、次いで、移動ベルト上 で、カッターまで運ばれる。 米国特許第1,456,781 号(Kessler及びSease)は、「酢酸セルロース溶液からの 酢酸セルロースの回収方法」を開示している。この方法は、酢酸セルロースの酢 酸溶液をフィルタースクリーンを通して、そして次に、小さいオリフィスを通し て、酢酸セルロースをフィラメントの不規則な塊の形態で沈澱させることのでき る液体中まで 押出すことからなる。 米国特許第2,239,782 号 (Haney)及び米国特許第2,287,897 号(Martin)は、 酸ドープから二酢酸セルロース繊維を製造する同様な方法を開示している。この 製造を行うために記載された装置は水平連続沈澱装置に似た装置を含み、この装 置ではドープは区画室を次々に移動しながら、沈澱液で希釈され、最終的にはエ ステルが繊維として沈澱させられる。 米国特許第4,192,838 号(Keith及びTucker) は、高フィブリル化酢酸セルロー ス繊維の製造方法を記載している。供給された酢酸セルロースは、アセトンまた は酢酸中に溶解し、末端がベンチュリ管のスロートに位置する毛管を通してポン プ輸送する。凝固液は通常は熱湯または冷水であり、これがベンチュリ管に通さ れる。ベンチュリ管のスロートにおける高速の水流は、ドープ流を減速するのに 役立ち、さらにドープ溶剤を抽出し、それによってフィブレットを形成する。 このような酢酸ドープから二酢酸セルロース繊維を製造する試みにも関わらず 、二酢酸セルロース繊維の経済的で効率的な製造方法へのニーズが依然として存 在する。更に重要なのは、製紙及びその他の用途への使用に適した二酢酸セルロ ース繊維の製造方法へのニーズが存在していることである。繊維は、代表的なセ ルロースアセチル化及び加水分解法から得られる二酢酸セルロース含有酸ドープ ら直接製造すべきである。 発明の要約 本発明は、二酢酸セルロース繊維の製造方法に関し、経済的で効率的な方法へ のニーズに応えるものである。本発明の方法においては、沈澱酸流と酸ドープ流 とを、実質的に層状の流れ(実質的層流 )のゾーンで接触させる。酸ドープ流は沈澱酸流の内側に環状に位置し、沈澱酸 流と同一方向に流れる。沈澱酸流は100 〜200 °Fの温度を有し、酢酸25〜35重 量%及び水75〜65重量%を含む。酸ドープ流は100 〜200 ゜Fの範囲の温度を有 し、インヘレント粘度が少なくとも1.0 二酢酸セルロース5〜22重量%ならびに 酢酸65〜90重量%及び水35〜10重量%からなる混合物95〜78重量%からなる。沈 澱酸流は、酸ドープ流の線流れより大きいかまたはそれに等しい線流れを有する 。沈澱酸流対酸ドープ流の重量比は少なくとも9:1である。このようにして2 つの流れを接触させると、2つの流れが一緒に拡散するにつれて径の小さい酢酸 セルロース繊維が沈澱する。 図面の簡単な説明 第1図は、本発明に従って二酢酸セルロース繊維を製造する層流プロセスを実 施する装置を図示する。 第2図は、本発明の方法において酸ドープ流を押出すのに有用な種々の押出ダ イを図示する。 第3図は、本発明に従って二酢酸セルロース繊維を製造する層流プロセスを実 施するパイロットプラントの装置を図示する。 発明の詳細な説明 本発明は、二酢酸セルロース繊維の製造方法に関する。この方法によれば、予 測可能な直径と今までの方法では見られない他の有益な性質を有する繊維が得ら れる。かかる繊維を製造するために、この方法では実質的に層状の流れ(実質的 層流)のゾーンで、沈澱酸流と二酢酸セルロースを含む酸ドープ流とを接触させ る。以下で論じるように、実質的層流を生じる条件下では、酸ドープ流は沈澱酸 流の内側に環状に位置し、沈澱酸流と同一方向に流れる。二酢酸セルロースは濃 酢酸溶液中に可溶である(例えば、酸ドープ)が、酢酸濃度が減少するに従って 溶解度が低下する。この沈澱酸は低濃度酢酸溶液である。このようにして、2つ 流れを接触させると、存在する二酢酸セルロース繊維の明瞭な沈澱を含まない透 明なゾーンが生じ、2つの流れがいっしょに拡散して酢酸濃度が低下するに従っ て、この接触点から下流で繊維が沈澱する。沈澱した二酢酸セルロース繊維は、 フィルタータンク中またはベルトフィルター上における濾過のような公知の技術 を用いて集めることができる。 沈澱酸流は、酢酸25〜35重量%および水75〜65重量%からなる。より好ましく は、この流れは酢酸27〜33重量%及び水73〜67重量%、最も好ましくは酢酸29〜 31重量%及び水71〜69重量%からなる。流れの温度は100 〜200 °F、より好ま しくは125 〜175 ゜F、最も好ましくは135 〜165 ゜Fである。 酸ドープ流は、二酢酸セルロース5〜22重量%ならびに酢酸65〜90重量%と水 35〜10重量%との混合物95〜78重量%とを含む。二酢酸セルロースは濃酢酸/水 混合物中に可溶である。好ましい実施態様において、酸ドープ流はセルロースア セチル化/加水分解プロセスの加水分解工程から直接生成する。 酸ドープ流は好ましくは、二酢酸セルロース8〜16重量%及び酢酸/水混合物 92〜84重量%、より好ましくは二酢酸セルロース8〜13重量%及び酢酸水溶液92 〜87重量%を含むことができる。酢酸/水混合物中の酢酸は70〜90重量%、より 好ましくは75〜85重量%であることができ、残りが水である。好ましい酸ドープ 流がセルロースアセチル化/加水分解プロセスから直接得られる場合には、酸ド ープ流はこのプロセスからの残りの他の成分を含む可能性がある。 沈澱酸流対酸ドープ流の重量比は少なくとも9:1である。沈澱 酸流及び酸ドープ流が一緒に拡散する場合に二酢酸セルロースを沈澱させるのに 充分な沈澱酸を使用しなければならない。生じる流れの酢酸濃度は、二酢酸セル ロースを沈澱させるのに十分に低いものでなければならない。最終酢酸は、二酢 酸セルロースを部分溶解させて二酢酸セルロース繊維沈澱を妨げるほど高くては いけない。即ち、沈澱酸流の使用量は、その流れの酸濃度、酸ドープ流の酸濃度 及び量、ならびに沈澱酸流及び酸ドープ流が一緒に拡散することによって生じる 流れの所望の酸濃度に左右される。すでに論じた通り、最終酸濃度は二酢酸セル ロースを沈澱させるようなものではなくてはならない。 当業界では知られていることであるが、二酢酸セルロースは、例えば35重量% 未満の酸濃度を有する比較的低濃度の酢酸溶液中に僅かに溶解するにすぎない。 得られる流れの中でのこのような酢酸濃度は一般には沈澱に十分なものである。 従って、生じる酸濃度を酢酸セルロースを沈澱させるような濃度とするのに充分 な沈澱酸を使用しなければならない。好ましい実施態様においては、酢酸セルロ ース繊維を単離した後に、酢酸を回収してリサイクルすることができる。好まし くは、その際、生じる流れの酢酸濃度は、公知技術を用いて経済的な回収を行え る程度に充分には高くしなければならない。 二酢酸セルロースは、好ましくは、アセトン中の二酢酸セルロースのゼロ濃度 まで外挿した場合にアセトン中で測定したインヘレント粘度(I.V.)が少なくと も1.0 である。より好ましくは、インヘレント粘度は1.0 〜1.6 、最も好ましく は1.2 〜1.5 である。従って、本発明の方法は、代表的な二酢酸セルロース(即 ち二次酢酸セルロース)及び広範囲の極限粘度(intrinsic viscosity)を用い て実施することができる。 本発明に係るプロセスにおいて、沈澱酸流は酸ドープ流の線流れより大きいか それに等しい線流れを有する。好ましくは、沈澱酸流の線流量は、酸ドープ流の 流量よりわずかに大きい(例えば、10%大きい)。酸ドープ流が沈澱酸流の内側 に環状に位置した状態で、2つの流れは一緒に流れる。第1図に示すように、こ れは、流れる沈澱酸流の内側に酸ドープ流を押出すことによって達成できる。こ れによって、沈澱酸流は押出された酸ドープ流を好ましく引き出すことができる 。 沈澱酸流と酸ドープ流とは、実質的に層流のゾーンで接触させる。即ち、流れ は、乱流が実質的に存在しない状態で接触させる。層流は、同軸円筒状の層が秩 序だって互いにすべることを特徴とする。本発明において、実質的層流は、沈澱 酸流の内側の酸ドープ流の環状配置及び且つ相対流れによって達成される。実質 的層流とすることによって(即ち、2つの流れの接触点において乱流を排除する ことによって)、2つの流れが流れて、一緒に拡散する時に、酢酸セルロース繊 維の秩序だった沈澱を行うことができる。 好ましくは、2つの流れの間の層流は3000未満のレイノルズ数、より好ましく は2000未満のレイノルズ数を有するべきである。レイノルズ数は、粘性による剪 断応力に対するマスプローの動的力の比の尺度を与える。レイノルズ数が4000よ り大きい場合には、流れは乱流と考えられる。 沈澱酸流と酸ドープ流の温度は共に100 〜200 °Fとすべきである。好ましく は、各流れの温度は同じであるが、酸ドープ流の温度は沈澱酸流の温度より低い のも好ましい。両方の流れの好ましい温度範囲は、100 〜160 °Fである。酸ド ープ流が酢酸セルロースプロセスから直接得られる場合には、酸ドープ流はその ままの温度において使用でき、沈澱酸流は温度がほとんど同じになるように加熱 または冷却される。あるいは、どちらか一方の流れの温度を、他方の温度とほと んど同じになるように加熱または冷却することもできる。流れが接触点から酢酸 セルロースの沈澱領域を通って流れる時には、その温度は保たれなければならな い。 これらの実質的層流及び温度条件下において、沈澱酸流とドープ酸流とを一緒 に拡散させることによって二酢酸セルロースの沈澱が起こる。二酢酸セルロース は酢酸含量の高いドープ酸中に可溶である。2つの流れが前方に流れて、一緒に 拡散するにつれて、酢酸濃度は低下し、それによって、酢酸セルロースが沈澱す る。充分な拡散が起こって二酢酸セルロースが沈澱するまで、2つの流れの層流 によって接触点から透明なゾーンが生じる。合流した流れの酢酸平衡濃度は、二 酢酸セルロースの完全な沈澱を促進できる程度に低い必要がある。酢酸平衡濃度 は35重量%未満、好ましくは30重量%またはそれ以下とすべきである。 沈澱した二酢酸セルロースは、公知の技術を用いて集め、分離し、そして洗浄 することができる。例えば、沈澱した二酢酸セルロース繊維を含む流れはフィル タータンク中に集めることができる。次いで、繊維は水洗して酸を全て除去して から、自然乾燥するか、加熱により乾燥する。あるいは、流れを移動スクリーン を有するベルトフィルター上に流して、沈澱した二酢酸セルロース繊維を集める こともできる。この場合には、吸引を行って、繊維から液体を全て除去すること ができる。繊維を水と共に吹き付けることもでき、水はさらに吸引によって除去 して、残りの酸を全て洗い流すことができる。洗浄した繊維は次に、再び自然乾 燥または加熱乾燥のような公知の技術で再び乾燥させることができる。 第1図に示した通り、ドープ酸は好ましくは、管を通る沈澱酸流中に押出す。 本発明によれば、前述のように層流によって、または 乱流が実質的に存在しない状態で、接触が起こる場合には、オリフィスまたはス リットを有する押出ダイを通してドープ酸を沈澱酸中に押出すことによって二酢 酸セルロース繊維が得られる。 従来の沈澱法では、二酢酸セルロース含有酸ドープをオリフィスまたはスリッ トを通して沈澱酸溶液中に押出すことによって、ロッドまたはフィルムを生成す る。沈澱酸溶液を強く攪拌しなければ、得られるロッドは直径がオリフィスの直 径とほぼ同じである。ペレット沈澱が望ましい場合には、ロッドを切断すること もできる。同様に、沈澱浴を強く攪拌してフレーク沈澱を生成させない限り、得 られるフィルムはスリットとほぼ同様の厚さ及び幅を有する。 しかしながら、本発明では、二酢酸セルロース含有酸ドープ流は実質的に層流 のゾーンでオリフィスまたはスリットを通った沈澱酸流と接触させる。これによ り、公知の沈澱法とは異なり、二酢酸セルロース繊維の個々の小径ストランドが 沈澱する。本発明に従って、0.0625インチのオリフィスを用いると、代表的な紡 糸二酢酸セルロース繊維の直径(17〜20ミクロン)を有する繊維が生成される。 断面が円形の繊維と仮定すると、これまでの方法に基づく予想が1つの大きい繊 維である場合、200 本の小さい繊維が得られることになる。 第1図は、本発明の実施に使用するのに好ましい装置を図示する。沈澱酸流は 管10を通り、供給ハウジングを通って、沈澱シュート12に送出される。好ましく は、沈澱酸流が沈澱シュート11を満たしてから、酸ドープ流が導入される。図示 される通り、酸ドープ流は、バルブ21を装着した管20を通り、供給ハウジング11 及びカップリング22を通って、押出ダイ23まで送出される。図示される通り、酸 ドープ流は、沈澱酸流の内側に環状に配置された押出ダイ23を通して、流れてい る沈澱酸流中に押出される。 管10または20のいずれか一方には、バルブまたは公知の他の調節装置を装着す ることができる。さらに、流れの目的温度を維持し且つ二酢酸セルロース繊維を 沈澱させる目的で、装置全体または装置の任意の部分を、公知の手段を用いて加 熱または冷却することができる。 沈澱シュート11は、繊維の採取、分離、洗浄及び/また乾燥のための装置(図 示せず)まで流れが進む前に二酢酸セルロース繊維の沈澱がほとんど完了できる 長さでなければならない。好ましくは、沈澱シュートは二酢酸セルロース繊維を 完全に沈澱させるのに必要な長さより長くなければならない。 押出ダイ23の型は重要ではない。第2図は、使用できる押出ダイの種々の型を 示している。図示される通り、ダイAは1/16″の等間隔の孔を37個有し、ダイ Bは1/16″の等間隔の孔を24個有し、ダイCは1/8″の等間隔の孔を7個有 し、ダイDは1/16″の等間隔の孔を7個有し、ダイEは1/8″×1″のスリ ットを1個有し、ダイFは1/16″×1″のスリットを1個有し、ダイGは一直 線に並んだ1/8″×3/8″のスリットを2個有する。ドープ酸はまた、沈澱 酸流管よりもかなり直径が小さく、第1図に示されるよりも遠くまで沈澱酸流中 に伸びる管(または毛管様管)を通して押出できる。始動または運転停止時にお けるダイまたは管の目詰まりを避けるために、好ましくは酸ドープ流の前後にダ イまたは管を通して少量の氷酢酸を押出す必要がある。 本発明の方法は、酢酸セルロース法の加水分解工程から直接、径の小さい二酢 酸セルロース繊維を製造できるため、有利である。従って、本発明の方法は、混 合物を紡糸または押出して繊維を形成する前にアセトンのような揮発性溶剤中に 二酢酸セルロースを溶解させる必要がなく、極めて優れた、労働集約型のプロセ スである。本 発明に従って製造される径の小さい二酢酸セルロース繊維は、フィルタートウフ ィラメントまたは従来の紡糸法によって形成される他の二酢酸セルロース繊維と 実質的に同様な相対直径(relartive diameter)を有する。従って、本発明は、 現在実施されている方法よりもかなり費用の節約になる。 本発明の方法は、製造する二酢酸セルロース繊維の種々の性質、特に繊維の直 径を調節できるので有利である。繊維の性質に影響することが判明しているパラ メーターとしては、酸ドープの含水量、酸ドープ流の温度、沈澱酸濃度、沈澱酸 流の温度、及び二酢酸セルロースの極限粘度が挙げられる。各パラメーターとそ の好ましい値は前述の通りである。 本発明の成否は、特殊な装置の設計または形状にあるのではない。むしろ、望 ましい繊維は、前記パラメーターの範囲内で作業を行い且つ実質的層流の条件下 で酸ドープと沈澱酸とを接触させることによって得られる。これによって、流れ を一緒に拡散させることができ、径の小さい二酢酸セルロース繊維を沈澱させる ことができる。 本発明に従って製造される二酢酸セルロース繊維は、従来の紡糸及び細断操作 によって製造される従来の繊維よりも硬質でなく、カールしている。小径繊維は また、従来の紡糸繊維が一般に中実でより密度の高いのに比較して、多孔質構造 を有する。この繊維は多孔質であるために、紡糸繊維よりも可塑剤をよく吸収で きる。従って、本発明は、セルロースシートとより相容性であり且つセルロース シート中への混和がより容易であり、しかも平らなシートを容易に製造できる繊 維を製造する。実施例 以下の実施例は、本発明を説明するためのものであって、限定するものではな い。例1 本発明に従って、3″×4″×48″のステンレス鋼トラフを用いて、二酢酸セ ルロース繊維を製造した。二酢酸セルロース酸ドープ(二酢酸セルロース(Eastm an CA-394-60S,I.V.@ 1.6)16%、水9.2 %及び酢酸74.8%)を16%オンスのPET ソフトドリンクボトル中で調製し、160 °Fに加熱した。ステンレス鋼バケッ ト中の沈澱酸(酢酸33%、水67%)35 1bs.も160 °Fに加熱した。同温度に おいて、あらかじめ1/16″のスリットを作ったキャップをPET ボトルに再びか ぶせた。次いで、沈澱酸をトラフの下流に向ってゆっくり注ぎながら、酸ドープ をスリットから、流れている沈澱酸中に押出した。フィルタートウバンドと外観 の類似した連続繊維バンドが形成された。この連続バンドはトラフの下流に向っ て、採取用容器中に流れた。エステル繊維のバンドを水洗し、1/4″の長さに 切断し、自然乾燥をした。採取した材料は相対直径が1〜4の二酢酸セルロース 繊維であった。相対直径1は、代表的な二酢酸セルロースの直径、20ミクロンで ある。 切断し、乾燥した繊維(2.7重量%)、プリンスアルバート(Prince Albert)セル ロース(68.1重量%)及びアラクルーズユーカリプタス(Aracruze Eucalyptus) セルロースの混合物を調製し、実験室用バレービーター中でカナダ規格濾水度(C anadian Standard Freeness)250まで精製した。数枚の40g/mのハンドシート を調製した。紙の化学分析から、二酢酸セルロース繊維がほとんど定量的に定着 していることがわかった。これは、本発明に従って製造した二酢酸セルロース繊 維が製紙に適していることを示した。例2 本発明に従って製造される二酢酸セルロース繊維の直径に影響を与える因子を 同定するために、実験室規模で数種の実験を行った。二酢酸セルロース(Eastma n ca-394-60s; Eastman Chemical Co.,Kingsport,TN から入手可)、氷酢酸及 び水を清浄な乾燥した16オンスのPET ソフトドリンクボトル中で混合し、得られ た酸ドープを水浴の温度まで加熱することによって、適当な組成の酸ドープを調 製した。沈澱酸に関しては、酢酸−水混合物2500mLを3000mLのステンレス鋼ビー カーの温度まで加熱した。変速ミキサーを使用して、液体は動くが乱流が最小で あるように沈澱酸をゆっくり攪拌した。PET ボトルキャップは直径1/16″の孔 1個を有し、加熱した酸ドープをこれを通して弱酸中に、弱酸の液体の動きの速 度とほぼ等しい速度で押出した。この規模の実験から得られた二酢酸セルロース 生成物は、連続フィラメントまたはフィラメントのバンドであった。 最初の実験は、ドープ酸中の二酢酸セルロース含量(「ドープエステル含量」 );ドープ酸の含水量(「ドープ含水量」);二酢酸セルロースのアセトン中極 限粘度(「エステルI.V.」);酸ドープ流の温度(「ドープ温度」);沈澱酸流 の温度(「沈澱酸温度」);及び沈澱酸中の酢酸濃度(「沈澱酸濃度」)の影響 を調べた。合計52回の実験ランを行った。研究した変数のレベルを以下の表Iに 要約する: この一連の実験ランの計画及び分析には、一般に認められている統計的実験計 画法を用いた。データの分析から、これら6つの変数については、実験のために 選ばれたレベルにおいて4つの変数(ドープ含量、ドープ温度、沈澱酸温度及び 沈澱酸濃度)のみが繊維の直径に対して統計学的な有意な影響を与えることがわ かった。最大の影響を有する因子は沈澱酸濃度であった。繊維を代表的な紡糸セ ルロース繊維の寸法(20ミクロン)とする割合が最も大きいのは、以下の条件の 場合であろう: 沈澱酸濃度=35% 沈澱酸温度=160 °F ドープ含水量=11% ドープ温度=160 °F 前記結果の評価は、以下の理由から2番目の実験につながった: 1.沈澱酸を濃度35%で使用すると、溶解度の問題から酢酸セルロースが経済 的に許容され得ないほど無駄になる。2番目の一連の実験では、沈澱酸濃度は、 溶解減量の経済性と酸回収操作における高酸度の必要性との均衡がとれる30%の レベルに固定することにした。 2.2つの流れの間の粘度勾配はそれらの間の拡散速度の測定において重要で ある。従って、エステルI.V.とドープエステル含量の2つの変数はドープ粘度の 測定においては重要であるので、この方法においてはこれら2つの変数がいずれ も重要でないというのは意外であった。これは、前記実験における各変数の実験 範囲が狭いためであったと仮定された。2番目の実験においてはこれらの範囲は はるかに広くした。 2番目の実験の変数及び範囲を以下の表II中に示す。 最初の実験と同様に、この一連の実験ランの計画及び分析にも、一般に認めら れている統計的実験計画法を用いた。実験計画は繰り返しが1回の2要因配置で あり、中央の6つの点を用いた。特別に計画した実験を合計38回行った。 実験結果の分析から、得られる繊維の直径を決定するのに各変数のレベルが重 要であることが示された。この実験から得られた繊維の直径に関する数式モデル は、主変数だけでなく4つの交互作用項を含むため、極めて複雑であった: ドープエステル含量 × 沈澱酸温度 ドープ含水量 × 沈澱酸温度 ドープエステル含量 × ドープ含水量 エステルI.V. × ドープ温度 交互作用項(例えば、ドープエステル含量 × ドープ含水量)は、ドープ固 形分が少ない場合には繊維直径に対するドープ含水量の影響は重要ではないこと を示している。しかし、ドープ固形分が多い場合には、繊維直径に対するドープ 含水量の影響は重要であり、含水量の少ないドープからはより好ましい、直径の より小さい繊維が得られる。 これらの実験データから導かれた数式モデルは以下の通りであった: 繊維の直径(ミクロン)=〔3.868 +0.625 * V1+ 2.644* V2− 1.838 * V3−1.838 * V2* V3+0.531 * V4−1.163 * V1* V4− 2.619 * V5−2.181 * V2* V5+1.500 * V3 *V5〕* 20 〔式中、 V1=(エステルI.V.−1.26)/0.27 V2=(ドープエステル含量−12)/4 V3=(20.5−ドープ含水量)/9.5 V4=(ドープ温度−130)/20 V5=(沈澱酸温度−130)/30〕 この数式モデルは、相関係数が0.87であった。 本発明に係る酢酸セルロース繊維の製造過程において起こる物理的プロセスは 複雑であるため、この数式モデルによって、目的生成物(直径20ミクロン)の製 造に必要な条件の組み合わせを特定することができる。実際的且つ/または経済 的理由から、いくつかのパラメーターは狭い範囲に固定する必要がある場合もあ る。このモデルによっていくつかのパラメーターを固定することが可能になる。 その場合には、試行錯誤及び/またはレスポンス・サーフィス・テ クニック(response surface techniques)によって、残りのパラメーターに最適 な値を求める。従って、このモデルから本発明に係る二酢酸セルロース繊維の製 造方法を計画及び操作するための強力な手段が得られる。 他方、このモデルは、「本発明に好ましいドープ二酢酸セルロース含量がどの くらいか」というような質問がなされる場合に生じる困難を示している。同様な 質問が各変数についてもなされる可能性がある。これに答えるには、他の4つの 変数について規定される条件が何であるかを知る必要がある。課題は以下のよう な多数の記述を含む表になっている: 沈澱酸濃度がAAAAであり、ドープ含水量がBBBBであり、ドープ温度がCCCCであ り、エステルI.V.がDDDDである場合には、そしてその場合のみ、繊維の直径がGG GG〜HHHHミクロンの所望の範囲内にあるためにはドープエステル含量はEEEE〜FF FFの範囲でなければならない。例3 本発明の拡大に使用した、パイロットプラント規模の沈澱装置図を第3図に示 す。この装置は、二酢酸セルロース繊維の沈澱を観察するために破断スロット30 が作られている以外は、第1図に示した装置と同様である。沈澱シュート23中の 液体レベルを調製する堰31も加えた。これは、商業的ユニットの原型として役立 った。1インチの管10がドープ及び沈澱液を直径3インチ、長さ18フィートの沈 澱シュート23中に送る。操作を観察するためにシュート23の上側にスロット30が 切ってあるので、装置は概ね水平な面に取り付けた。そうでなければ、沈澱シー トは、ドープ及び沈澱流が水平から垂直までの任意の角度で流れるように配置で きた。この設計に関する沈澱点における乱流を最小にするために、ドープ管は、 シュートの中 の沈澱酸管よりも2フィート遠くまで伸びていた(図示せず)。ドープ及び沈澱 酸は別のジャケット付き撹拌容器中で調製した。 前記パイロットユニット中で数回の実験を行った。これらの実験の各々につい て、完全中和二酢酸セルロースドープ(エステル16.3%、酢酸73.5%、水9.2% 及び硫酸マグネシウム−ナトリウム塩1.0%)250 1bをジャケット付き攪拌容器 中に入れることによってドープを調製した。これに、希釈のための酢酸−水混合 物(酢酸88.8%、水11.2%)250 1bを添加し、得られた配合物を所定の温度まで 加熱した。合計7000 1bの沈澱酸を、他のジャケット付き攪拌容器中で、酢酸と 水とを適当な割合で混合することによって調製した。各実験において使用した温 度、沈澱(ppt)濃度、ダイ及び流量に関しては以下の表IIIを参照されたい。 *A=7×1/16″の等間隔の孔 *B=2×1/16″×3/8″スリット ダイから出るドープ流の観察によって、温度及びダイの変更を行った。*Aダ イの孔はラン1〜3の間に閉塞しているか一部分閉塞していたため、酸ドープ流 は残りの孔から極めて高速で押出され、生成される繊維は、実験室的実験から予 想されるまっすぐな繊維に比べてカーブしていた。*Bダイはより均一な酸ドー プ流を可能にした。温度を150 °Fまで上げると、*Aダイは孔の閉塞の問題を 起こさずに使用できた。 数回の実験の間に、酸ドープを空気中に、または流れている沈澱酸下に、押出 するように、堰の高さ及びトラフの勾配を調節した。生成物の形態の差を、これ らの変更に帰することはできなかった。しかし、ほとんどの実験を通して、酸ド ープは流れている沈澱酸下に押出した。 生成物は径の小さい繊維であったが、実験室的経験から予想されるような連続 フィラメントではなかった。これは、沈澱トラフ中の流れが、実験室で観察され た流れに比べて乱れていることによるものと考えられる。その乱流の作用を最小 限にする実験計画を行えば、より長いフィラメントが得られたであろう。 沈澱後、繊維−酢酸−水スラリーを有孔底タンク中に入れ、沈澱させた酸を回 収のために排出させた。残った繊維を、酢酸がなくなるまで脱イオン水で洗浄し た。洗浄後、炭酸マグネシウム180 gを添加して、セルロースアセチル化/加水 分解製造プロセスからの残りの硫酸に合わせて全て中和し、バスケット形遠心濾 過機中で遠心分離することによって液体から繊維を分離した。生成物をプラスチ ックバックを裏打ちしたファイバードラム中に貯蔵した。 各サンプルからの40g/m2のハンドシートを、各サンプルを軟材−硬材パル プの70%−30%ブレンドと50−50で混合することによって作った。ハンドシート を作る前に、配合物を目標濾水度まで精製した。この作業の過程で、目標濾水度 に達する精製時間の長さはサンプル間で大きく異なることが観察された。その結 果、各サンプルが濾水度350CFSまで精製される時間が測定された。 種々の実験からの生成物を、350CSFに到達するまでの精製時間に基いてほぼ等 しい大きさの2つのロットにまとめた。結果を以下の表IV−1及びIV−2に示す 。 二酢酸セルロース繊維のこれら2つのロットを、Savannah,GAのHerty Founda tionに持って行き、これを用いて通常の製紙装置によって製紙した。二酢酸セル ロース繊維を用いて4回の実験を行った 。また、対照実験(パルプのみ)も1回行った。全ての紙は基本重量45 1b/30 00ft2 を目標とした。使用パルプはAlbacel 軟材であった。本発明に従って製造 した二酢酸セルロース繊維をパルプと共に50−50の比で使用した。各実験及び対 照は、Hercon(2.5 1b/ton)、Kymene(0.3%)及びStalok(7.5 1b/ton)を含むも のでいた。対照(パルプのみ)は濾水度350CSFまで精製し、実験材料は濾水度35 0 、または500CSFまで精製した。結果を以下の表Vに示す。 原材料の製造におけるロット1またはロット2の取り扱い、精製またはポンプ 輸送に問題はなかった。二酢酸セルロース繊維は、ウェットエンド成形機システ ム(wet end machine sysyrtem)中でよく分散しているようだった。紙をざっと 調べる過程で確認する唯一 の重要な品質の問題点は、シート中における、繊維の「編み目すじ」(おそらく 精製に関連している)に見えるものの存在と、シート表面における「破壊屑」、 二酢酸セルロース繊維含有紙中の小フレーク物質のようなものの存在である。実 験A、全セルロース対照は非常にうまくいったが、肌合いはでこぼこしていた。 実験Bの地合いは、実験Aよりも改良されていた。実験Bのシートは、実験Aの シートに比べてコーチ及びプレス部分においてかなり湿っているように見えた。 実験C〜Eについての観察は実験Bについてと同様であった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.実質的に層流のゾーンにおいて、 酢酸25〜35重量%及び水75〜65重量%から成る、温度100 〜200゜Fの沈澱酸 流、ならびに、 沈澱酸流の内側に環状に位置し且つ沈澱酸流と同一方向に流れ、かつ、インヘ レント粘度が少なくとも1.0 の二酢酸セルロース5〜22重量%ならびに酢酸65〜 90重量%及び水35〜10重量%からなる混合物95〜78重量%から成る、温度100 〜 200 °Fの酸ドープ流を接触させることを含んでなる二酢酸セルロース繊維を製 造する方法であって、沈澱酸流が酸ドープ流の線流れより大きいかまたは其れに 等しい線流れを有し且つ沈澱酸流対酸ドープ流の重量比が少なくとも9:1であ る二酢酸セルロース繊維の製造方法。 2.前記沈澱酸流が酢酸30重量%及び水70重量%を含む請求の範囲第1項に記 載の方法。 3.沈澱酸流と酸ドープ流との流量比が10:1より大きい請求の範囲第2項 に記載の方法。 4.前記接触工程が、酸ドープ流を沈澱酸流中に押出すことを含む請求の範囲 第1項に記載の方法。 5.前記二酢酸セルロース繊維が、酸ドープ流が沈澱酸流と接触する位置より 下流で沈澱する請求の範囲第4項に記載の方法。 6.前記層流が3000未満のレイノルズ数を有する請求の範囲第1項に記載の方 法。 7.二酢酸セルロース繊維を集め、 該二酢酸セルロース繊維を洗浄して酢酸を全て除去し、そして 洗浄した二酢酸セルロース繊維を乾燥させる 工程を更に含んでなる請求の範囲第1項に記載の方法。 8.請求の範囲第1項の方法に従って製造された二酢酸セルロース繊維。 9.前記接触工程の前に、更に、 セルロースを酢酸媒体中でアセチル化し、 アセチル化セルロースを加水分解して、酸ドープ中で二酢酸セルロースを形成 せしめ、そして 酸ドープを接触工程に直接供給する 工程を含んでなる請求の範囲第1項に記載の方法。
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