JP2000502437A - 複合膜センサー - Google Patents

複合膜センサー

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JP2000502437A JP9507018A JP50701897A JP2000502437A JP 2000502437 A JP2000502437 A JP 2000502437A JP 9507018 A JP9507018 A JP 9507018A JP 50701897 A JP50701897 A JP 50701897A JP 2000502437 A JP2000502437 A JP 2000502437A
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ダミエン ジョン オスマン,ピーター
ジョン クロスレイ,マックスウェル
スコット マルティン,アリステール
ジョン ペイス,ロナルド
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オーストラリアン メンブレイン アンド バイオテクノロジィ リサーチ インスティチュート
ザ ユニバーシティ オブ シドニー
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Abstract

(57)【要約】 本発明はバイオセンサー(10)に関し、このバイオセンサーは電極(11)と膜(14)とを有し、かつ、互いに特性の異なる少なくとも二つの領域(12、13)を含んでいる。膜は多数のイオノホアを含み、その少なくとも一部は膜内で側方に移動可能である。多数の第1結合相手分子が膜要素に結合され、それらは第1領域に位置し、前記第1結合相手分子は第2領域内へは側方拡散できないようになっている。第2の結合相手分子は前記イオノホアに連結され、前記第1結合相手分子および前記第2結合相手分子の膜内における側方移動の速度は異なつている。

Description

【発明の詳細な説明】 複合膜センサー 技術分野 本発明は、一つの電極と膜を有し、アナライトの存在に応答して膜の導電性が 変化するするバイオセンサーに関する。特に、本発明はイオンまたは電子の移動 度が高い領域と共にイオンまたは電子の移動度が低い領域を有する支持層を備え た複合層膜の使用に関する。 背景技術 国際特許出願WO90/08783の内容を本明細書に組み入れる。この国際 特許出願には、アナライトの存在または非存在に応じて膜の導電性が変化する膜 が開示されている。この膜は、両親媒性分子を密に配列した膜組織と、第一半膜 貫通モノマーおよび第二半膜貫通モノマーからなる多数のイオノホアを備えてい る。上層中に含まれるイオノホアは、膜内で膜と平行な方向(側方)に拡散可能 にされている。膜には受容体分子も含まれ、アナライトが受容体分子に結合する と、第一半膜貫通モノマーおよび第二半膜貫通モノマーの関係に変化が生じて、 これにより膜の導電性が変化するようになつている。このようなゲート機構を「 側方分離」と称する。 国際特許出願WO90/08783に記載された側方分離型ゲート機構では、 二つのモノマーの関係が変化できるように、二量体イオンチャンネルを有し、少 な〈とも一方のモノマーが膜の中で拡散できるようになっていることが必要であ る。本発明者らは、脂質膜中においてイオンチャンネルが複数の電極領域の間で 拡散することにより、分極状態、導電性、イオン貯蓄容量、または酸化還元電位 が変化し、ゲート開閉が行われるバイオセンサーを開発した。アナライトが結合 すると、イオンチャンネルはこれら複数の領域の一つに固定される。この構成に おいては、いかなるイオンチャンネル、膜貫通物、その他も使用可能である。 親水性鎖を形成すると、膜の構造を丈夫なものにすることができるが、親水性 鎖を排除した方が膜の安定性を高めることができる。膜はわずか一分子または二 分子の厚さしかないので、これは重要である。さらに、実際の使用において、膜 は血液や他の生物学的な材料に接触することができなければならず、これらの材 料は膜の完全さおよびイオン蓄積を阻害する傾向がある。 巨大分子装置に関連した分子鎖(分子ワイヤー)の使用は、J.-M.Lehn 著の 「Perspective in Supramolecular Chemistry - From Molecular Recognition t owards Molecular Information Processing and Self-Organization」(Agnew,Ch em.Int.Ed.Engl.29,1990,1304-1319)に述べられている。この分子ワイヤーは、 分子電子システム中の異なる複数の素子間で電子が流れるようにするコネクター である。一つの例は、カロビオロゲンに基づくものであり、長く結合したポリオ レフィン鎖の両端にピリジニウム基を有する。これらはジヘキサデシルフォスフ ェートの小胞に組み込まれているが、その環境の中では導電体としてはあまり成 功しなかった。少量の双極性イオンのカロビオロゲンが燐脂質小胞に組み込まれ 、電気伝導性を生じさせる酸化体の還元率が加速された。分子ワイヤーを極性化 することにより、一端に電子受容体基を有し、他端にドナーを有する連結された ポリオレフィン鎖の特性を変化させることも示唆されている。 ポルフィリンとフタロシアニンの複合体から調製された高い導電性を有する分 子結晶が、メタロポリフィリン骨格の誘導体として調製されている(Hoffmann BA およびIbers JA.によるProphyrinic Molecular Metals,Acc.Chem.Res.16,1983,1 5-21参照)。 ビスピリジウムポリエンで形成された分子ワイヤーが合成され、ジヘキサデシ ル燐酸ナトリウムの二重膜内に組み込まれることにより、膜を貫通する電子チャ ンネルが形成された。これらの分子ワイヤーは、膜とその支持電極との間を導通 させるものではなく、小胞体の負に帯電した外面と内面に近接したピリジニウム サイトを有し、ポリエン鎖は膜内部の脂質部分を横切っている(Arrhenius TSBla nchard-Dence,M,Dvolaitzky,M,Lehn J-M and Maithete,J.Molecular devices : Caroviologens as an approach to molecular wires-synthesis and incorpor ation into vesicle membranes,Proc.Natl Acad.Sci.USA 83,1988,5355-5359参 照)。 テトラベンゾポルフィリンを含むか、それに類似した導電性有機材料が幾つか の文献で報告され、電気的特性が調べられている(Hanack M and Zipplies T.S ynthesis and Properties of Doped μ Oxo(tetrabenzoporphyrinato)germani um(IV).J.Am.Chem.Soc.107,1985,6127-6129参照)。 発明の開示 したがって、本発明の第1の態様は、一つの電極と、一つの膜とを具備するバ イオセンサーであって、このバイオセンサーは、少なくとも二つの互いに異なる 特性を有する領域を有し、前記膜は複数のイオノホアを有し、少なくとも一部の イオノホアは前記膜の内部で側方へ拡散可能にされており、複数の第一結合相手 分子が第一領域に位置する膜構成要素に結合されることによって、前記第一結合 相手分子は第二領域内へ側方拡散できないようにされ、第二の結合相手分子が前 記イオノホアに結合され、前記第一結合相手分子の前記膜内における側方拡散と 、前記第二結合相手分子の前記膜内における側方拡散との速度が異なることを特 徴としている。 本発明の好ましい実施形態では、前記膜の少なくとも一部と、前記電極との間 に中間領域が形成されており、この中間領域は、イオン貯蔵部、イオン源、また はイオン溜まりとして機能することを特徴としている。 本発明のさらに好ましい実施形態では、バイオセンサーの前記少なくとも二つ の領域が、前記電極の異なる複数の領域、前記膜、前記中間領域、またはこれら の組み合わせに対応することを特徴としている。 本発明のさらに好ましい実施形態では、前記特性は、化学作用、分極、アドミ タンス、イオン蓄積容量、または酸化還元電位から選択された特性であることを 特徴としている。 本発明のさらに好ましい実施形態では、前記電極は、珪素−銀複合体または珪 素−金複合体のいずれかを具備している。同様に、前記電極は銀または金の島状 部分を有するパターンをなしていてもよい。島状部分はシリコン酸化物またはシ リコン酸化物の島状部分のパターン上に被覆形成され、さらにこれら島状部分は 金または銀の上に被覆形成される。この分野においては、当業者の想到する範囲 で様々な変形が可能である。これらには、銀/アルミニウム、銀/金、シリコン ゴム/金、ゴム/銀、チタン/金、ニオブ/銀、またはパターン形成され金に結 合された脂質単層を含み、前記脂質領域により電子/イオン絶縁性が得られ、か つ脂質のない領域がイオン蓄積部を構成する。重要な特徴は、前記電極が相互に 異なる分極、導電性、イオン蓄積能力、または酸化還元電位の状態を有すること である。 バイオセンサーの前記異なる複数の領域が島状部分を有するパターンをなす場 合には、前記島状パターンの島部はそれぞれ独立してそれらの測定ができるよう に相互に絶縁された状態で配列されるか、あるいは全てのゲート部位を同時に測 定するために相互に電気的に接続されていることが望ましい。国際特許出願番号 PCT/AU89/00352では、独立して測定するための配列が開示されて いる。この出願における開示を参照として本明細書に組み入れる。 本発明のさらに好ましい実施形態では、前記第1と第2の領域は、二つのイン ターリーブされかつ分離された、異なる電位を有する櫛状の電極を有している。 より好ましくは前記各櫛状電極の近接した歯部の離間距離、および歯部の幅は1 μm以下にされる。各電極の歯部の総数は、好ましくは約500である。 前記第1および第2の結合相手分子は、前記膜の構成要素およびイオノホアに 結合されていてもよい。この結合技術は、オーストラリア特許第617687ま たはPCT/AU93/00509のそれぞれに記載されており、それらの記載 内容を本明細書に組み入れる。第1の結合分子は前記膜を貫通する膜構成要素に 結合されている。好ましい膜構成要素は、基幹脂質(bolar hpid)または膜貫通 タンパク質である。 第1の結合分子は、前記電極に結合された膜構成要素に結合されているため、 膜内において側方(膜と平行な方向)への拡散ができないようになっている。例 えば、本発明の好ましい実施形態では、膜構成要素は、電極に結合した基幹脂質 または膜貫通タンパク質である。 前記第1の結合相手分子が結合している膜構成要素は、その結合基の選択によ り電極の予め選択された領域に選択的に結合(付着)されていてもよい。例えば 、電極が金/シリコンであり、電極の金領域上に第1結合分子を配置することが 必要であるならば、膜構成要素にチオールまたは二硫化物基を設け、膜要素が化 学 吸着により金領域に結合するようにすることができる。 また一方、膜構成要素がシリコン領域に結合するように結合基を選択すること も可能である。 前記互いに異なる領域は、分子そのものの自己集合特性を利用して形成されて もよい。基板への分子の吸着は、基板と分子との間の結合に関与する官能基のタ イプや、分子の全体構造や、分子のサイズや、混合物が使用された場合にはその 混合比に応じて左右される。これらは全て、様々な分子の吸着活動に影響を与え 、層分離分子の領域または範囲を形成することについて影響を与えるからである 。 国際特許出願PCT/AU93/00509「改良されたセンサー膜」および国 際特許出願PCT/AU96/00369「センサー膜の自己集合」(これらの 開示内容を本明細書に組み入れる)には、バイオセンサー膜の機能が、金基板に 吸着する小さなスペーサー分子に対する、拘束された脂質の割合に依存できるこ とが開示されている。例えば、バイオセンサー膜における、DLP(Linker Lipi dA)およびMAAD(メルカプト酢酸)の最適比は2:1である。もしもMAA Dの濃度が2倍以上に増えると、MAAD分子が金表面に過剰に吸着されること により、基体から浮き上がった二重層膜または係留されていない二重層膜の比率 が増える。これにより、アナライト検出に対するバイオセンサーの安定性及び応 答性が悪化し、係留領域および非係留領域内での貯留特性に影響を与える。 混成の基板を使用し(混成基板としては、例えば金属合金や積層された金属を 選択的にエッチングしたものや、周知のリソグラフィー法で形成された選択的基 板などが使用できる)、基板特有の官能基を、特定の領域で基板に結合させるべ き分子に結合させることにより、分離された領域を形成することも可能である。 均一な基板上に被覆した後、熱、光、紫外線、レーザーなどの形態でエネルギ ーを与えることにより選択的に破壊できる化学基または化学結合を選択した場合 にも、互いに異なる複数の領域を形成することができ、各領域の大きさは異なる 分子の割合でコントロールできる。 また、自己集合分子(SAMs)を使用して、固体基板上に異なる領域を形成 することも可能である。この方法の詳細は、Hans A.BiebuyckおよびGeorge M. Whitesides; Langmuir 1994,10,2790-2793の「Self-Organization of Organic Liquids on Patterned Self-Assembled Monolayers」、およびJames L.Wilbur,H ans A.Biebuyck,John C.MacDonaldおよびGeorge M.Whiteside;Langmuir 1995 ,11,825-831の「Scanning Force Microscopies Can Image patterned Self-Assem bled Monolayers」に記載されている。これらの記載を本明細書に参照として組み 入れる。さらなる情報は、TopoMetrixウエブサイト(アドレス:http://WWW.Top oMetrix.com/LFMnotel.htmで得ることができる。 簡単に説明すると、パターニングは、シリコンゴムスタンプを用いて基板の特 定の領域にSAMsを転移することにより行われる。被覆されなかった部位には 、他のSAMを被覆することができる。これら2種のSAMが異なる末端基を有 するときには、各SAMの領域を区別するために、側方力を用いた顕微鏡的方法 が使用できる。これと似た技術が複合基板の二つの領域(導電性領域および非導 電性領域)を形成するために使用できる。 本発明の他の好ましい実施形態では、膜の少なくとも一部と電極との間に中間 領域が形成される。この中間領域は、イオンの蓄積部、イオン源、またはイオン 溜まりとして機能する。当業者には自明なことであるが、膜の選択された領域と 電極との間に中間領域を形成した場合、蓄積能力の異なる領域または範囲が生じ る。このような構成は、山と谷を有する電極を使用し、山から山へ膜が広がるよ うにして、間に存在する谷の部分に中間領域を形成することによって実現可能で ある。 前記中間領域は、国際特許出願第PCT/AU92/00132、PCT/A U93/00509、およびPCT/AU96/00304に記載されているよ うに、イオン蓄積部であってもよい。これらの記載は本明細書に参照として組み 込む。 他の実施形態では、前記中間領域は分子ワイヤーを具備する。 分子ワイヤーは、ポルフィリン基構造またはオクタチオフェン基構造を有して いることが好ましい。好ましいポルフィリン構造は、好ましくは、ポルフィリン 環の[b]結合を通して接続されたワイヤーの構成要素に近接して、一連のポルフ ィリン鎖を有する。このタイプの連結物の配向によれば、分子ワイヤーの巨大分 子の軌道を通じて、大環状伝導体に見られるπ−π相互作用よりも、電子の移動 が生じる。分子ワイヤー中の各ポリフィリン環は、好ましくは4つのメソ位置に おいて置換されているとよい。4つの各メソ位置における置換基は、好ましくは ポルフィリン環を安定化させ、ポルフィリンおよび/またはそれからの誘導体を 可溶化し、電気的に絶縁性のシースを分子ワイヤーの核の周りに形成する。好ま しくは、4つのメソ位置のそれぞれにおける値喚起は、3,5−ジ−tert−ブチ ルフェニル環である。 分子ワイヤーは、さらに二つの近接したポルフィリン環の間、並びにポルフィ リン環と末端官能基との間に、架橋単位を有していることが好ましい。架橋単位 は、好まし〈は実質的に堅牢であって分子ワイヤーが折れ曲がらないようになっ ているとよい。架橋単位はまた、分子ワイヤーの相互に近接した構成要素の間に 電子の平面的な通路を提供する。架橋単位の好ましい例には、アントラセン単位 、テトラアザアントラセン単位が含まれ、これらは親のテトラアザアントラセン 系の[b]結合または[e]結合において、ワイヤーの他の構成要素に対して接続さ れる。 分子ワイヤー中のポルフィリン環は、遊離塩基または金属キレートとして存在 してもよい。特定の分子ワイヤーにおいては、メタロポルフィリン環または遊離 塩基のポルフィリン環を使用することができる。分子ワイヤー中のポルフィリン 環を金属キレート化すると、分子ワイヤーの電気的特性をより高めることができ る。好ましいキレート金属は、銅である。 好ましくは、分子ワイヤーは結合基を通じて電極表面に結合される。電極が金 領域を含む場合には、窒素またはイオウを含む化合物を有する結合基を使用する ことにより前記の結合が可能である。そのような化合物の好ましい例としては、 [d]結合した1,10−フェナントロリン基、ベンズイミダゾーロピリジル基、 フェニル置換されたベンズイミダゾーロフェニル基、ビスエチルチオフェニル基 、または複合もしくは組み合わせが例示できる。 本発明の好ましい実施形態では、分子ワイヤー(MW)を有する前記中間領域 は、電極表面に自己集合により形成されている。これにより、表面は強い疎水性 を有し、イオンに対する伝導度がアナライトの存在に応じて変化するイオノホア を有する脂質の単層または脂質の二重層膜が容易に形成できる。 イオン貯蓄部において中間領域が分子ワイヤーを有するのと同じように、前記 分子ワイヤー層の領域を操作することにより、異なる複数の領域を形成すること ができる。例えば、分子ワイヤーに感光性の部分を組み込むことにより、ある波 長の光を照射することにより、導電経路を破壊することができる。分子骨格中に キノンを有する分子ワイヤーも使用でき、この場合には光照射によりキノンを異 性化(逆も可)させて、電子流に影響を与えることが期待できる。同様に、適当 な合成法により、照射により永久的な分子変化が生じるように形成することがで き、マスクを用いて「リソグラフィック」型の露出を行うことにより、基板の全 域で分子導電性をパターン化することが可能である。 分子ワイヤー層は、イオン蓄積部、イオン源、またはイオン溜まりとして機能 し、以下のような潜在的な利点を有する。 (1)導電性を有する金表面と、脂質膜との間に、親水性を有するイオン性の蓄 積部を有する結合領域を形成する必要がない。 (2)膜が安定化され、品質劣化なしに長期間に亘って保存可能となる。 (3)水性の仕切を形成した場合よりも、イオン蓄積能力が大き<なる。 (4)脂質の単層または二重層膜の形成が容易になる。 導電性分子ワイヤーとイオノホアの組み合わせが形成されたときに、導電性二 重膜(分子ワイヤーおよび脂質)は形成される。分子ワイヤーは単層を含み、し たがって、しっかりした固体イオン複合層として機能する。この複合層は係留さ れたイオン蓄積部を効果的に置換することができる。一方、分子ワイヤーは、分 子ワイヤーに沿って高い伝導性を有するため、導電体/イオン界面の有効性を増 すことができる。 ここで使用する「結合相手分子」はもっとも広い意味を有する。結合相手分子 は、望ましいアナライトへ結合することができる化学的物質であってもよい。そ れは、他の分子を識別することが可能な化合物または組成物であり、結合対の半 分をなすものである。 結合対は、抗体と、抗−抗体、特定の抗体に識別される抗原、またはアナライ ト類似物とからなる対;天然にある可溶のまたは細胞性の受容体およびそれらに 認識される分子からなる対;酵素およびそれらの基質、インヒビターまたはそれ らの類似物からなる対;レクチンおよび炭水化物、キレート剤およびイオン(例 えばカルシウムはキレート剤EDTAの相手になる)を含んでいる。 本発明の好ましい実施形態では、第1および第2結合対分子は抗体、または何 らかの抗体の活性結合フラグメントである。 本発明のさらに好ましい実施形態では、イオノホアはグラミシジン、グラミシ ジン類似物、またはバリノマイシンである。 膜は単層であっても多重層であってもよい。しかし、好ましくは膜は単層また は二重層である。膜が二重層である場合には、イオノホアはグラミシジン二量体 である。 本発明の他の好ましい実施形態では、膜構成要素は膜を越えている。膜構成要 素は、接続基を介して電極に接続されていることが好ましい。 膜内におけるグラミシジンイオンチャンネルの拡散は、自由に行われるか、磁 力または静電気力などの外的影響により行われることができる。抗体に結合され た磁力を有する粒子は、アナライトを、電極の異なる領域間で動くことができる イオンチャンネルに架橋させ、電気的なゲート開閉や信号変調を行うことができ る。 本発明の第2の態様は、サンプル中にアナライトが存在するか否かを分析する 方法であって、本発明の第1の態様であるバイオセンサーの前記第1および第2 結合相手分子をアナライトに結合させ、前記膜の伝導度を測定することを特徴と している。 本発明の本質は、以下の実施例および図面を参照することにより、いっそう明 瞭に理解されるであろう。 図面の簡単な説明 図1〜図8は、本発明に係るバイオセンサーのさまざまな実施例を示す概略図 である。 図9は、自由塩基ポルフィリンフェナントロリン(M=2H、Ar=3,5− ジブチルフェニル)および亜鉛キレート化されたポルフィリン−フェナントロリ ン(M=Zn,Ar=3,5−ジブチルフェニル)を示している。 図10は、Ga5XSBの構造を示している。 実施例 図1に示すように、バイオセンサー10は電極11と膜14とを具備する。電 極11は領域12、13を有し、これら領域12、13は分極性(polarisabilit y)、導電性、酸化還元電位、またはイオン蓄積能力が異なっている。膜14の内 部には基幹脂質15が設けられている。基幹脂質15には抗体分子16が結合さ れている。また膜14の中には、イオンチャンネル17が含まれており、このイ オンチャンネル17には抗体分子18が結合されている。電極11と膜14との 間には蓄積部または空間が形成され、架橋分子19により架橋されている。図1 Bに示すように、アナライト20が存在すると、このアナライト20は抗体分子 16、18に結合し、これによりイオンチャンネル17が膜14内で移動する。 図1Aと図1Bを比較すればわかるように、アナライトが存在しなければイオン チャンネル17は電極11の領域13に対応する位置にある。アナライト20が 添加されると、イオンチャンネル17は電極11の領域12に対応する位置に移 動する。この位置の変化により、アナライトの存在を検出することができる。 図2に示すように、領域12、13の間に部分21を設けることにより、領域 12、13の間での漏れ電流を減らすことが可能であり、センサーのダイナミッ クレンジを増加することができる。図2Bに示すようにアナライト20が抗体分 子16、18に結合すると、イオンチャンネル17の位置が移動する。図3に示 すように基幹脂質は膜貫通タンパク質22により置き換えることができる。この 場合にも、アナライト20が抗体分子16、18に結合すると、イオンチャンネ ル17の位置が変化する。 図4も同様のゲート機構を示している。 図5に示すように、イオンチャンネル23は、膜の半分まで貫通する半膜貫通 チャンネル24、25を有していてもよい。これら半膜貫通イオンチャンネル2 4、25は、それぞれ別個に膜内で拡散することができる。アナライト20が抗 体分子16、18に結合すると、半膜貫通イオンチャンネル25が移動する。 図6は図5に示したバイオセンサーの変形例を示している。下層中の半膜貫通 イオンチャンネル24は、図6に示すように、底部に漏れ穴のある脂質単層また は分子ワイヤー単層により置換可能である。 図7および図8は、図5および図6に示したものと同様の基本構造を有するバ イオセンサーを示しているが、このバイオセンサーではチャンネルが切断される のではなく接続される構造になっている。 実施例1 Ga5XSB の調製 グラミシジン(500mg、0.26mmol)、4-{N,N-ジメチルアミノ}ピ カプロン酸(548mg、6当量)をDCM(80ml)に溶解した溶液に、窒 素雰囲気下で、ジシクロヘキシルカルボジイミド(220mg、4当量)を加え 、この混合物を窒素雰囲気下で1時間還流した。混合物を蒸発乾燥させ、メタノ ールに溶解して、セファデックス(Sephadex)LH20カラムを通過させた。溶 出物を蒸発乾燥させ、フラッシュシリカカラムを通し、DCM/メタノール/水 (800:60:5)混合液で溶出させることにより精製し、主なフラクション (420mg、72%)を得た。 0mg)をトルエンを用いて2度粉砕(triturate)し、蒸発乾燥させ、さらに 高真空にさらして乾燥させた。トリフルオロ酢酸(3ml)を加え、高真空下で 乾燥させた。残留物をトルエンで粉砕し、蒸発乾燥させ、さらに高真空下で乾燥 させた。残留物を最小量のエタノールで溶解し、トリエチルアミンで中和したの ち水で沈殿させ、高真空下で乾燥させて、O-(N-(6-アミノカプロイル)-6-アミ ノカプロイル)グラミシジン(390mg、97%)を得た。 0.16mmol)、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(39mg、2当量)、お の混合物を高真空下で乾燥させ、蒸留され乾燥されたDCM(80ml)に窒素 雰囲気下で溶解した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(133mg、4当量) を混合物に加え、混合物を窒素雰囲気下で2時間還流した。混合物を蒸発乾燥さ せ、メタノールに溶解して、セファデックスLH20カラムに通した。溶出物を 蒸発乾燥させ、フラッシュシリカカラムで純化し、DCM/メタノール/水(8 カプロイル)グラミシジン(290mg)を得た。 砕し、蒸発乾燥させ、高真空下で乾燥させた。トリフルオロ酢酸(3ml)を加 え、混合物を3分間攪拌して、高真空下で乾燥させた。残留物をトルエンで粉砕 し、蒸発乾燥させ、さらに高真空下で乾燥させた。残留物を最小量のエタノール で溶解し、トリエチルアミンで中和したのち水で沈殿させ、高真空下で乾燥させ ン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(2.1mg)およびトリエチルア ミン(0.71ml)を、DCM(0.5ml)およびメタノール(0.5ml )の混合物に溶解し、この混合物を2時間攪拌した。次に、混合物を蒸発乾燥さ せた。残留物を予め用意されたシリカ薄層クロマトグラフィーで精製し(溶出液 はDCM/メタノール/水/酢酸 400:40:4:1)、さらにセファデッ クスLH20(溶出液はメタノール)を用いたクロマトグラフィーで精製し、G a5XSB(6mg)を得た。 実施例2 ガラススライド上に金層を蒸着する。必要であればクロムなどの接合層を形成 してもよい。図9に示した分子ワイヤー(Glossley 等の J Chem Soc ChemComm on 1995 1921-1923 の方法を使用して合成した)を約1mg/mlの濃度 でクロロホルムに溶解し、これをインピーダンスウエル(well)に加え、室温で 1時間放置した。溶液を取り除き、ウエル内をクロロホルムで洗浄した。溶液を 急速に除去する際には窒素ガス吹き付けを行った。下表1に記載した手順に基づ いて注入(一つのセルあたりの等分量は5μlまたは15μlである)を行い、 上層(TL)を付加した。 DPEPC=ジフタニルエーテルフォスファチジクロリン GDPE=グリセロールジフタニルエーテル Ga5XSB=ビオチニレーテドグラミシジン(図10) 分子ワイヤー単層が形成されたとき、セルインピーダンスは一般に増加するこ とが観察された。この増加は、亜鉛錯体化合物の場合よりも実質的に大きく、こ こでは非導電性分子ワイヤーと称する。 上層を形成することによっても、使用されている下層(露出した金層を含めて )に拘わらず、セルインピーダンスは増加した。二重層のインピーダンスの相対 値は、その要素である単層の組成を反映した。インピーダンスは、導電性分子ワ イヤー(a)、非導電性分子ワイヤー(b)、および露出した金(c)のための 周波数の関数として決定された。非導電性ワイヤーのインピーダンスはaおよび cのインピーダンスよりも高かった。TL110(グラミシジン不添加)の上層 構造体を用いたサンプルのインピーダンススペクトルは、絶縁層がいずれの場合 にも形成されており、スペクトルにおける相対差が下層の違いを顕著に反映して いることを示していた。 TL24(1:100,000 のグラミシジンを添加)の上層が、導電性分子ワイヤー (d)、非導電性分子ワイヤー(e)、および露出した金(f)上に形成された 場合のインピーダンススペクトルも、同様に測定された。脂質層にグラミシジン を導入することにより、系の導電性が増加した。これはグラミシジンモノマーを 通じてイオン伝導が生じていることを示している。1kHzでのインピーダンス |Z|の大きさは、付加層の形成により、劇的に増大することが観察されたが、1 Hzでのインピーダンス|Z|は、わずかに上昇したのみであった。 上層は、脂質の単層であっても、複数層であってもよい。観察されたスペクト ルは、単層であることを示していると推定される。分子ワイヤーSAMは表面を 疎水性にするから、単層である両親媒性の被覆層を形成しやすい。グラミシジン を添加した上層では、1kHzでのインピーダンスが約1.2kΩであり、この 値は二重層系(ここでいう二重層は分子ワイヤー単層に、単層から成る脂質上層 を加えたものである)と一致した。そして、三番目に、塩水による激しい洗浄が 複数回に亘って行われた。このような洗浄をすると、積層して形成された単層を 破壊すると一般に考えられている。 実施例3 塩類およびグラミシジンイオンチャンネルの実施例(実施例2)と同様の方法 により、バリノマイシン/カリウム系が形成された。再び非導電性分子ワイヤー のインピーダンスを測定したところ、導電性ワイヤーまたは金露出電極の各イン ピーダンスよりも高いことがわかった。バリノマイシンを含む上層(TL118 )を付加形成したところ、カリウムの存在によりインピーダンスが増加すること が確認された。 以上の実施例は、分子ワイヤーの導電層が形成可能であり、この層がイオノホ アが組み込まれた脂質層と組み合わされて機能することを示している。 本発明は、本発明の趣旨を外れない範囲において様々な変更が可能であり、上 述した実施例のみに限定されるものではなく、上述した例を含めてもっとも広く 解釈されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01N 33/554 G01N 27/30 351 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG, MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM ,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 オスマン,ピーター ダミエン ジョン オーストラリア国 2070 ニューサウスウ ェールズ ウェスト リンドフィールド キャラマー ロード 20 (72)発明者 クロスレイ,マックスウェル ジョン オーストラリア国 2119 ニューサウスウ ェールズ ビークロフト スィール クロ ーズ 2 (72)発明者 マルティン,アリステール スコット オーストラリア国 2096 ニューサウスウ ェールズ クィーンズクリフ クラウン ロード 7/59 (72)発明者 ペイス,ロナルド ジョン オーストラリア国 2607 オーストラリア ン キャピタル テリトリー ファラー ホークスベリー クレッセント 138

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.一つの電極と、一つの膜とを具備するバイオセンサーであって、このバイオ センサーは、少なくとも二つの互いに異なる特性を有する領域を有し、前記膜は 複数のイオノホアを有し、少なくとも一部のイオノホアは前記膜の内部で側方へ 拡散可能にされており、複数の第一結合相手分子が第一領域において膜要素に結 合されることによって、前記第一結合相手分子は第二領域内へ側方拡散できない ようにされ、第二の結合相手分子が前記イオノホアに結合され、前記第一結合相 手分子の前記膜内における側方拡散と、前記第二結合相手分子の前記膜内におけ る側方拡散との速度が異なることを特徴とするバイオセンサー。 2. 請求項1記載のバイオセンサーであって、前記膜の少なくとも一部と、前 記電極との間には中間領域が形成されており、この中間領域は、イオン貯蔵部、 イオン源、またはイオン溜まりとして機能することを特徴とするバイオセンサー 。 3. 請求項1または2記載のバイオセンサーであって、バイオセンサーの少な くとも二つの領域が、前記電極、前記膜、前記中間領域、またはこれらの組み合 わせにおける異なる複数の領域に対応するものであることを特徴とするバイオセ ンサー。 4. 請求項1〜3のいずれかに記載されたバイオセンサーであって、前記特性 は、化学作用、分極、アドミタンス、イオン蓄積容量、または酸化還元電位から 選択された特性であることを特徴とするバイオセンサー。 5. 請求項1〜4のいずれかに記載されたバイオセンサーであって、前記電極 は珪素−銀複合体または珪素−金複合体のいずれかを具備することを特徴とする バイオセンサー。 6. 請求項1〜5のいずれかに記載されたバイオセンサーであつて、前記少な くとも二つの領域は島状パターンを有することを特徴とするバイオセンサー。 7. 請求項6記載のバイオセンサーであって、前記島状パターンの島部はそれ ぞれ独立して測定できるように相互に絶縁された状態で配列されるか、あるいは 全てのゲート部位を同時に測定するために相互に電気的に接続されていることを 特徴とするバイオセンサー。 8. 請求項6または7に記載されたバイオセンサーであって、前記島状パター ンの島部は前記電極の上に形成されていることを特徴とするバイオセンサー。 9. 請求項1〜4のいずれかに記載されたバイオセンサーであって、前記第1 と第2の領域は、二つのインターリーブされかつ分離された、異なる電位を有す る櫛状の電極を有することを特徴とするバイオセンサー。 10. 請求項1〜9のいずれかに記載されたバイオセンサーであって、前記膜 を構成する要素は基幹脂質または膜貫通タンパク質であることを特徴とするバイ オセンサー。 11. 請求項2〜10のいずれかに記載されたバイオセンサーであって、前記 中間領域はイオン蓄積部であることを特徴とするバイオセンサー。 12. 請求項2〜10のいずれかに記載されたバイオセンサーであって、前記 中間領域は複数の分子ワイヤーを有することを特徴とするバイオセンサー。 13. 請求項12に記載されたバイオセンサーであって、前記分子ワイヤーは ポルフィリニックまたはオクタチオフェン基部を有する構造を有することを特徴 とするバイオセンサー。 14. 請求項13に記載されたバイオセンサーであって、前記ポルフィリニッ ク構造は、列をなして連合したポルフィリン環と、前記ポルフィリニック環の[ b]結合を通して連合している前記ワイヤーの要素に近接した成分とを有するこ とを特徴とするバイオセンサー。 15. 請求項14に記載されたバイオセンサーであって、前記分子ワイヤーは 二つの近接したポルフィリン間の間、およびポルフィリン間と末端の官能基との 間を、架橋する単位を含むことを特徴とするバイオセンサー。 16. 請求項15に記載されたバイオセンサーであって、前記架橋単位は、ア ントラセン単位またはテトラアザアントラセン単位を含み、これらは親テトラア ザアントラセン系の[b]および[e]結合において前記ワイヤーの他の成分に連結 されていることを特徴とするバイオセンサー。 17. 請求項12〜16のいずれかに記載されたバイオセンサーであって、分 子ワイヤー(MW)を有する前記中間領域は、前記電極表面上に自己集合して形 成されていることを特徴とするバイオセンサー。 18. 請求項1〜17のいずれかに記載されたバイオセンサーであって、前記 第1および第2の対をなして結合した分子は、抗体または抗体の活性を有する結 合フラグメントであることを特徴とするバイオセンサー。 19. 請求項1〜18に記載されたバイオセンサーであって、イオノフェアは グラミシジン、グラミシジンの類似物、またはバリノマイシンであることを特徴 とするバイオセンサー。 20. 請求項1〜19のいずれかに記載されたバイオセンサーであって、前記 膜を通して膜要素が延びていることを特徴とするバイオセンサー。 21. 請求項20記載のバイオセンサーであって、前記膜要素は接続基を介し て前記電極に連結されていることを特徴とするバイオセンサー。 22. サンプル中にアナライトが存在するか否かを分析する方法であって、請 求項1〜21のいずれかに記載されたバイオセンサーの前記第1および第2結合 相手分子をアナライトに結合させ、前記膜の伝導度を測定することを特徴とする 分析方法。
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