JP2000503060A - ポリ(エチレン2,6―ナフタレート)の製造 - Google Patents

ポリ(エチレン2,6―ナフタレート)の製造

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JP2000503060A JP9525267A JP52526797A JP2000503060A JP 2000503060 A JP2000503060 A JP 2000503060A JP 9525267 A JP9525267 A JP 9525267A JP 52526797 A JP52526797 A JP 52526797A JP 2000503060 A JP2000503060 A JP 2000503060A
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イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 本明細書では新規な結晶形態の低分子量ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)を開示する。溶融またはガラス状の低分子量ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)材料を用いて熱を上記材料にか或は上記材料から迅速に伝達することで上記結晶形態を生じさせることができる。このポリ(エチレン2,6−ナフタレート)組成物は、より高い分子量のポリマーをもたらす固体状態重合で出発材料として用いるに適切である。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の製造 発明の分野 本発明は低分子量のポリ(エチレン2,6−ナフタレート)を製造するに適し た改良方法そしてそれを固体状態重合で用いて分子量がより高いポリマーを得る ことに関する。また、新規な結晶形態のポリ(エチレン2,6−ナフタレート) も開示する。 技術分野 ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)(本明細書ではPENの省略形で示す )は数多くの材料および製品、例えばフィルム、産業用繊維、容器およびパッケ ージングなどで用いるに有用である。PENから作られたフィルムは、向上した 引張り特性、加水分解安定性およびバリヤー特性を示すことから、PENから作 られたフィルムは、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)(本明細書ではP ETの省略形で示す)から作られたフィルムよりも優れていることを確認した。 PENの使用では大部分で比較的高い分子量のポリマーが要求される。そのよ うなポリマー類の商業的製造は、低い分子量を有するポリマー(時にはプレポリ マーまたはオリゴマーと呼ぶ)の分子量を溶融状態または固体状態の重合で上昇 させることで行われてきた。しかしながら、PENを溶融重合で高い分子量に到 達させるのは数多くの理由でPETの場合よりも困難である。インヘレント粘度 (I.V.)が一定の時にPENが示す溶融粘度はPETのそれよりもずっと高 いことから、それを加工するのはより困難である。PENの溶融重合で得られる I.V.は典型的に約0.50から0.70の範囲であり、I.V.をより高く する ことが望まれる場合には、固体状態の重合が行われる。 PENの溶融重合に伴う追加的問題は、色が溶融相に非常に迅速に着くと言っ た問題である。劣化生成物が溶融物内に生じることで最終ポリマーに色が着く可 能性がある。また、DEG(ジエチレングリコール)などの如き劣化生成物が生 じると最終生成物の物性が低下する可能性もある。 溶融重合は、一般に、より高い温度を必要とし、そのことから、ポリマーの分 解がより起こり易くなりかつ高価な装置を必要とする。それとは対照的に、固体 状態の重合は通常いくらか低い温度で行われる。固体状態の重合は、また、非常 に高い分子量をより容易に得ることができる(他の様式で述べると溶融粘度を極 めて高くすることができる)点で、溶融重合に比較して有利である。しかしなが ら、固体状態重合の速度は、それを商業的に用いるには比較的遅い可能性がある 。米国特許第4,963,644;5,449,701;5,331,082および5 ,391,694号には、PENの固体状態重合のいろいろな面そして/または固 体状態重合で用いるに適したPENの調製が記述されている。 また、固体状態重合の場合もPENの方がPETより困難である。固体状態の 重合では、通常、より低い分子量の非晶質ポリマーを粒子またはぺレット形態で 用いる必要があり、このような形態にするには、固体状態の重合を行う前に比較 的長い結晶化過程を受けさせる必要がある。この結晶化過程は、通常、より低い 分子量を有するポリマーをガラス転移温度(Tg)以上であるが上記ポリマーの 融点(Tm)より低い温度に加熱することで達成される。 しかしながら、PENの結晶化を通常様式で容易に行うのは不可能で ある。PENが結晶化する速度はPETのそれよりもずっと遅くかつ結晶化温度 もPETのそれよりも高いことから、費用と困難さが加わる。更に、低分子量の PEN粒子は結晶化過程中に揮発性生成物を放出し、もし結晶化前に揮発物除去 (devolatilization)段階を行っておかないと、そのような揮 発性生成物が「ポップコーン様」粒子を形成し得る。例えば米国特許第4,96 3,644号を参照のこと。 上記を鑑み、PENの新規および改良重合方法が望まれている。 Q.ShijieおよびZ.Guien,Gaofenzi Cailiao Kexue Yu Gongcheng,Polymeric Materi als Science and Engineering,6巻、no.5, 32−36頁(1990);Z.Jumu他、Sichuan Daxue X uebao (Journal of Sichuan University ),no.2,58−62頁(1986);そして特開昭61[1986]−7 8863号の全部に、いろいろなPENポリマー類の特性、特に結晶特性が報告 されている。上記文献のいずれにも本方法で製造しそして本明細書で請求する新 規な結晶形態のPENおよびそれの関連特性は開示も教示も全く成されていない 。 発明の要約 本発明は110鏡映(reflection)で測定して少なくとも10.0 nmの平均見掛け結晶子サイズ(average apparent crys tallite size)を示すポリ(エチレン2,6−ナフタレート)を含 む組成物に関する。 本発明はまたポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の結晶化方法に も関し、この方法は、110鏡映で測定して10.0nm以上の平均見掛け結晶 子サイズを示す結晶性ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)が生じるに充分な 冷却速度で溶融ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)マス(mass)を冷却 して温度を約130℃から約250℃の温度にまで下げるか或は別法としてそれ に充分な加熱速度でガラス状のポリ(エチレン2,6−ナフタレート)マスの温 度を約130℃から約250℃の温度にまで高めることを含む。より詳細には、 本明細書ではポリ(エチレン2,6−ナフタレート)ペレットの結晶化方法を開 示し、この方法は、 ガラス状のポリ(エチレン2,6−ナフタレート)マスを指定最長時間内に 130℃から約250℃の範囲内のバルク(bulk)平均温度に加熱しそして 更に上記マスを上記バルク平均温度に指定最短時間維持するか、或は ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の溶融マスの冷却を滴状又は結晶し つつあるペレットのバルク平均温度が指定最長時間内に130℃から約250℃ の範囲内の温度になるように行いそして更に上記結晶化しつつあるペレットを上 記バルク平均温度に指定最短時間維持する、ことを含む。 好適な態様におけるガラス状マスは粒子またはペレットの形態であってもよく 、或は溶融マスは小さい分割部分または滴状の形態であってもよい。 本発明はまたポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の固体状態重合方法にも 関し、ここでの改良は、110鏡映で測定して10.0nm以上の平均見掛け結 晶子サイズを示しかつ少なくとも4の重合度(DP) と約0.4dl/g未満のインヘレント粘度(I.V.)を示すポリ(エチレン 2,6−ナフタレート)を用いて出発することを含む。最後に、固体状態重合方 法で生じさせたPENポリマー生成物を開示し、この生成物は110鏡映で測定 して10.0nm以上の平均見掛け結晶子サイズを示しかつ少なくとも約0.5 dl/gのインヘレント粘度(I.V.)を示す。 図の簡単な説明 図1は、本発明に従って製造したPENポリマーサンプルの広角X線回折パタ ーンを示す図である。 図2は、図1に示す回折パターンの興味が持たれる領域を示す図である。 図3は、図2の広角X線回折パターンをデコンボリュート(deconvol uted)してPearson VIIピークにした後のパターンを示す図であ る。 発明の詳細 本明細書ではポリ(エチレン2,6−ナフタレート)(またPENとも呼ぶ) の新規な製造方法を開示する。また、特定種の結晶形態を有しかつ他の望ましい 特性を有することを特徴とする新規なPEN組成物も開示する。本明細書におけ るPEN、即ちポリ(エチレン2,6−ナフタレート)は、ポリ(エチレン2, 6−ナフタレート)がポリエステルの結晶挙動が「ホモポリマー」PENと実質 的に同じである限り少量、即ちポリマー繰り返し単位の10モルパーセント未満 、より好適には5モルパーセント未満の量の共重合したモノマー(または「共繰 り返し単位」)で修飾されていてもよいことを意味する。 本PENは110鏡映で測定して約10.0nm以上、好適には11.0nm 以上、より好適には約12.0nm以上、特に好適には約13.0nm以上の平 均見掛け結晶子サイズを有する。この平均見掛け結晶子サイズは広角X線粉末回 折で測定したサイズであり、これの方法または手順は下記の通りである。 PENを液体窒素下のSPEX Freezer/Mill(Metuche n、NJ)で30秒間低温粉砕した後、このPENを厚みが約1mmで直径が3 2mmの盤に圧縮することを通して、X線測定に適した均一な厚みを有するPE Nポリマーサンプルを調製する。このサンプルのパターンを25.5−28.5 ゜θの範囲に渡って集めるのが好適(図2に示すように)であるが、ある場合に は、いくつかのサンプルで得たように(図1に示すように)5−35°2θの範 囲に渡ってサンプルのパターンを集めることも可能である。この回折データの集 積を自動Philips回折計を透過モードで操作することで行う(CuKα放 射線、曲回折ビームモノクロメーター(curved diffracted beam monochrometer)、固定ステップモード(O.05°/ ステップ)、65秒/ステップ、1°スリット、サンプル回転)。各粉末パター ンにLorentz偏光補正(polarization correctio ns)を適用する。 各粉末パターンの25.5゜−28.5゜2θ領域から局所的な背景散乱を取 り除く目的で、図2に示すように25.5゜から28.5゜2θに伸びる直線を 限定して差し引いた。上記領域の回折パターンは約27.0°2θの所の結晶鏡 映を含むことを確認し、この鏡映をMencik,Z.がChem.Prum. 17巻、no.2、78頁(197 6)で110鏡映と定義した。 図1および2に、それぞれ、5−35°および25.5−28.5°の2θ範 囲に渡って集めてこの上に詳細に示したように補正した回折パターンを示す。興 味が持たれる鏡映のMiller指数に加えて、25.5°から28.5゜2θ の間に位置する局所的な「人工的(artificial)」背景(この上に記 述した「b」と標識する)も示す。 次に、25.5−28.5°の領域をデコンボリュートして、結晶鏡映に相当 するPearson VIIピークを生じさせ、そしてこのピークの位置、幅、 高さ、そしてPearson VIIに適合する指数パラメーターを引き出す。 Kluwer Academic Publishers(Dordrecht )(1992)がThe International Union of C rystallographyのために出版したA.J.C.Wilson編集 のInternational Tables For Crystallog raphy、C巻による標準文献の67頁に記載されている方程式2.3.3. 16を参照のこと。このデコンボリューション(deconvolution) の例を図3に示す。このデコンボリュートしたピークの下側の面積が残差、即ち 測定強度から計算強度を角度の関数として引いた差である。110鏡映に関する 見掛け結晶子サイズ(本明細書では時としてまた単に見掛け結晶子サイズとも呼 ぶ)、即ちACS110を、Scherrer方程式、例えばL.E.Alexa nderがX−Ray Diffraction Methods in Po lymer Science、335頁以降(John Wiley & So ns,ニューヨーク、1969)に記述している方程式: [式中、ACS110は、結晶の平均寸法であり、Kは1.0であると仮定し、λ は波長であり、βはプロファイル(profile)の半分の高さの所の幅全長 (ラジアン)であり、そしてθはそれの通常の意味を有する] を用いて鏡映の位置および半分の高さの所の幅全長から計算する。 見掛け結晶子サイズに関する用語「平均」は、同じバッチのポリマーを用いて 1回以上(好適には3回以上)行った測定の数値的平均を意味する。X線測定で 用いられるサンプルサイズは比較的小さいことからそのように複数回の測定値を 用いることで再現性を確保することができる。 また、PENが明確な溶融前(premelting)吸熱を示さないのも好 適である。「溶融前吸熱」は、主要な溶融吸熱が起こる温度より低い温度で(そ れ以前に)溶融吸熱が起こることによってDSC軌跡に存在する吸熱ピークを意 味する。「明確な」は、溶融が70℃以下、好適には50℃未満の温度範囲に渡 って起こることを意味する。「明確な溶融前吸熱を示さない」は、そのような吸 熱が1つ以上検出されたとしても全融解熱が1 J/g未満、好適には0.5 J/gであることを意味する。溶融前吸熱は小さい結晶子および/または比較的 不完全な結晶子が存在していることの指示であると考えており、このような結晶 子が存在していると、PEN粒子は、それを加熱した時、通常は溶融前吸熱が起 こる温度またはその付近の温度に加熱した時点で他の粒子により容易に粘着する 傾向を示す可能性があり、これは固体状態の重合にとってあまり望ましくない。 本発明のPENは、これをポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の固体状態 重合の出発材料として用いる時、110鏡映で測定して10.0nm以上の平均 見掛け結晶子サイズを示し、少なくとも4、好適には少なくとも5の重合度(D P)を有し、かつ約0.4dl/g未満、好適には約0.3dl/g未満のイン ヘレント粘度(I.V.)を示す。最後に、固体状態重合方法で生じさせたPE Nポリマー生成物を開示し、この生成物は、110鏡映で測定して10.0nm 以上の平均見掛け結晶子サイズを示し、少なくとも0.5、好適には約0.6か ら2.0dl/gのインヘレント粘度(I.V.)を示す。PENに関して興味 の持たれる分子量範囲の大部分に渡る分子量(具体的には粘度平均重量Mv)を 測定する目的でインヘレント粘度(I.V.)を用いる。分子量が非常に低い時 のI.V.の信頼度は低いことから、分子量範囲の下限ではNMRによる末端基 分析で測定した時のDPを用いてPENの分子量(具体的には数平均分子量Mn )を測定する。PEN分子量範囲の上限領域ではPEN末端基のノイズに対する シグナルの比率が低いことからNMRでDPの測定を行うのは不可能である。ポ リマー状もしくはオリゴマー状の分子は一般に分子量分布を示すことから、「重 合度」、即ちDPは統計学的平均を意味する。 ガラス状PENを特定の温度範囲に急速加熱するか或は溶融PENを同じ温度 範囲に冷却することを通して、本発明のPENを製造することができる。「ガラ ス状PEN」は、Tg以下のPENを意味し、これが含有する結晶性PENの量 は約10重量パーセント未満、好適には約5重量パーセント未満、最も好適には 1重量パーセント未満である。存在する結晶性PENの量は、存在する結晶子の 融解熱をDSCを用いた標 準的方法で測定してそれを「純粋な」結晶性PENの融解熱と比較することで測 定可能である。「溶融PEN」は、PENが液状(ガラス状でない)状態にある ことを意味する。これが含有する結晶性PENの量は、好適には10重量%未満 、より好適には5重量%未満、最も好適には1.0重量%未満である。この溶融 PENの初期温度を約290℃以上、好適には約300℃以上にするのが好適で ある、と言うのは、この温度がほぼPENの一般的な融点であるか或はそれ以上 であるからである。大きな平均見掛け結晶子サイズを得ようとする場合には、出 発PENの結晶度をできるだけ小さくしておくのが好適である。 非晶質のPENを前以て選択しておいた温度範囲に迅速加熱もしくは冷却する と所望のPEN結晶形態が生じ得ることを見い出し、この工程段階を熱ショック 結晶化と呼ぶことができる。温度範囲を130℃から約250℃、好適には約1 40℃から約230℃にすると所望の結果が得られることを確認した。好適な温 度範囲は結晶化を受けさせるべきPENの分子量またはDPに依存し得る。例え ば、DPが6(I.V.が0.12)のPENの好適な範囲は130から230 ℃である一方、I.V.が0.4のPENの好適な範囲は170から250℃で ある。この範囲は各場合とも結晶化が最大の速度で起こる地点、即ちTcの中心 である。S.Buchner他「ポリエチレンナフタレン−2,6−ジカルボキ シレートの結晶化速度および溶融挙動」、Polymer、1989、30巻、 3月、480−487頁を参照のこと。 従って、本方法では、PENとそれを取り巻く環境の間に温度勾配を与える必 要があるばかりでなく、上記ポリマーに熱(または別の適切な形態のエネルギー )を比較的高い速度で加えるか或はそれから取り除く べきである。加熱を行う場合には、通常のオーブンで得られる如き対流および/ または輻射熱を用いることができる。例えば、オーブンを用いてもよく、その中 で熱を主に輻射および/または対流でPEN材料または粒子の中にそれを取り巻 く環境から流れ込ませる。 これを行うには、PENの取り巻きまたはそれの環境に上記熱を迅速に伝達す る能力を持たせる必要がある。好適には、このPENの温度変化が表面では比較 的迅速に起こるが中心部では不充分である、即ちあまりにも遅いと言ったことが 起こらないように、PENの断面積をあまり大きくすべきでない。 溶融しているPENを用いてそれを結晶化させる場合には、溶融PENへの迅 速な伝熱を得る目的で、全熱容量(質量および実際の熱容量の両方に由来する) が比較的大きくて熱伝導率が比較的高い伝熱材料にPENを良好に接触させるの が好適である。この目的で用いるには金属が特に有効であり、特に高い伝熱係数 を示す金属が有効である。しかしながら、被覆金属、プラスチックおよび他の材 料を用いて結晶化中の溶融PENに熱を伝達することも可能である。 この溶融しているPENの表面を伝熱材料の組み合わせに接触させることも可 能であり、例えば表面の一部を金属表面に接触させかつその表面の別の部分を例 えば気体などに接触させてもよい。気体を用いてPENに熱を伝達するか或はそ れから熱を伝達することも可能であるが、気体の熱容量は比較的小さく、その結 果として、それ自身で冷却を達成するのはより困難であろう。また、液体を適当 な温度で用いることも可能であるが、混入が起こり得ることが懸念されそしてそ の液体をPENから分離する必要があることから、あまり好適でない可能性があ る。従っ て、少なくともある程度は溶融PENを伝熱性固体に接触させることで冷却を行 うのが好適である。 逆に、溶融PENの代わりにガラス状PENを用いて出発する場合には、冷却 を行う代わりにガラス状PENを迅速に加熱すべきである。これを達成する1つ の方法は、ガラス状PENを非常に高い温度の環境、即ち約300℃から800 ℃またはそれ以上の温度に約120秒以内の時間さらす方法である。一般的に言 って、それに要する時間は、温度を高くすればするほど、または処理すべきPE Nの断面積を小さくすればするほど短くなる。加熱または冷却で所望結晶形態の PENを生じさせる時、結晶化過程全体、即ち加熱もしくは冷却と結晶生成を5 分以内、より好適には3分以内、より好適には2分以内、最も好適には約3から 約60秒で完了させるのが好適である。溶融PENの結晶化を行う場合には、そ の粒子を結晶化温度に維持する時間をより長くしてもよい。しかしながら、ガラ ス状PENの結晶化を行う場合には、結晶化温度にさらす時間が長くなると所望 結果が悪化する可能性がある。 PENの大部分の加熱または冷却がどれほど迅速に起こるかの決定において、 粒子内の任意地点とそれの表面との最大直線距離が重要である。一般的に言って 、加熱または冷却すべきPENが粒子である時には上記最大直線距離を約1cm 以内、より好適には約0.6cm以内にするのが好適である。 結晶化したPENの形状は多様であり得、フィルム、リボン、いろいろな形状 の粒子などであり得る。好適な1つの態様におけるPENは粒子の形態である( より正確には、溶融PENの場合、小さい個別単位、マス、または滴である)。 固体状態重合では特に粒子形態の結晶性PE Nを用いるのが特に有効である。一般的に言って、粒子またはペレットの平均直 径を好適には0.05cm(500μm)から2cmにする。粒子に好適な形態 および/またはサイズは、直径が0.05cmから0.3cmの球形粒子、直径 が0.1cmから0.6cmの半球形または半球粒子であるか、或は直径が0. 05cmから0.3cmで長さが0.1cmから0.6cmの直円柱形である。 フィルムまたはリボンの如き形状にする場合には、望まれるならば、それらを後 で粉砕、切断または他の様式で粒子、例えば固体状態重合に適切な粒子に分割し てもよい。このようなペレットを経済的に有利な商業的規模で製造するのが好適 なことから、上記ペレットを好適には10kg以上、より好適には50kg以上 の商業的量で製造して集める。上記ペレットは製造後直ちに同じプラントで使用 可能であるか、貯蔵しておいて後で使用可能であるか、或は包装して輸送するこ とも可能であるが、これらを全部商業的量で行う。 溶融している、即ち結晶化するPENが安定な形状に到達するに先立って、そ れが固化する前にそれを限定する手段(PENが流れ込むか或は中を流れ得る) の形状でそれに影響を与えることができる(上記手段で物理的力を用いるか或は 他の力を用いるかに拘らず)。 本発明の方法に従う結晶化過程でガラス状PENを出発材料として用いる場合 には、適当な分子量を有する溶融PENをPENのガラス転移温度以下の温度に 非常に迅速に冷却することでガラス状のPENを生じさせることができる。これ はバルク(bulk)状態で実施可能であるか或はPENの粒子を生じさせなが ら実施可能である。このPEN自身は技術者に公知の適切な方法で製造可能であ る。このようなポリエステ ル類の重合方法に関しては、例えばB.Elvers他編集のUllmann' s Encyclopedia of Industrial Chemist ry ,A21巻,232−237頁(VCH Verlagsgesellsc haft mbH,Weinheim,1992)を参照のこと。PETポリマ ー類を得る方法を、ある程度ではあるがPENに適用することができる。そのよ うなガラス状ポリマーは、固体状態重合であるか或は溶融重合であるか或は他の 方法であるかに拘らず貯蔵または輸送可能(好適には比較的乾燥した状態で)で あり、その後で重合を行って分子量をより高くしてもよい。 モノマー材料からPENを製造するに適した一体式プラントの場合には、通常 、低分子量のPENを溶融材料として利用することができる。従って、この直ぐ に利用できる方法では溶融PENを用いて出発してそれを冷却するのが好適であ る。溶融しているPENを冷却して所望の結晶形態にする直前またはそれと本質 的に同時にPENを「粒子」にするのが便利であり、従って好適である。上記粒 子の好適な最終サイズおよび形状はこの上に示した通りである。 いろいろな方法を用いて溶融PENを粒子(或は溶融状態の場合、より正確に は、PENの「分割部分」または「滴」)にすることができ、そのような方法に は、パスチレーション(pastillation)[例えば米国特許第5,3 40,509号、または共通譲渡の同時係属中出願であるU.S.S.N. (処理予定番号CR−9623)およびU.S.S.N. (C R−9638)(これらの出願は両方とも引用することによって全体が本明細書 に組み入れられる)などを参照のこと]、米国特許第4,165,420号など の如き数多くの 特許に記述されている如きプリリング(prilling)、メルトカッティン グ(melt cutting)、ドリッピング(dripping)(以下に 示す実施例1を参照)または押出し加工などが含まれる。 本発明の好適な態様における粒子形成では幅広い用語のパスチレーションを用 いる。パスチレーションでは、典型的に、周囲の円周に間隔を置いて位置する複 数のオリフィスが備わっていて回転する外側の円柱形容器を用いる。この外側容 器の内側には、計量用バーまたはチャンネルが備わっている同軸の円柱形容器が 入っている。上記外側容器に付いている複数のオリフィスは、この外側容器が回 転する時にそれらが上記内側容器に付いている計量用バーまたはチャンネルと周 期的に整列するように配置されている。 典型的には、このようなパスチレーター(pastillator)の内側容 器に溶融ポリエステルを移すと、上記外側容器に付いている複数のオリフィスの 各々が上記内側容器に付いている計量用バーと一緒に整列する時、それが加圧下 でコンベアベルトなどの如き表面上に均一な量で分与されることで、滴、即ち固 化していないペレットが生じる。パスチレーターは商業的に入手可能であり、例 えばSandvik Process Systems(Totowa,NJ) が製造しているROTOFORMER(商標)パスチレーターなどである。ポリ エステルの粒子をパスチレーションで生じさせることに関するさらなる詳細に関 しては、同時に提出した共通譲渡の同時係属中出願連続番号 (処理予定 番号CR−9623)を参照のこと。通常種のロトフォーマー(rotofor mer)を本発明に従う方法で用いるに適するように改造して適合させることも 可能である。 便利には、PENの分割部分または粒子を金属表面、好適には温度環境を管理 した金属表面、例えば所望の結晶形態を達成するに適切な温度に保持されている コンベアベルトまたは動いているテーブルなどに接触させることを通して、それ らの冷却を行うことができる。このPENを最初にそれの大部分がまだ溶融して いる状態で上記金属に接触させるのが好適である、と言うのは、通常、液体を接 触させる方が同じ材料の固体を接触させるよりも良好な伝熱が得られるからであ る。この冷却全体の速度を高める目的で不活性ガスの調節した流れを上記粒子の 上に通すことも可能である。 PENのマス(またはペレット)が到達する温度(この上に示した)は、バル ク平均温度[これを上記マス(またはペレット)の平均温度として定義する]ま たは上記マス(またはペレット)の全ての場所の温度の平均である。上記ペレッ トのバルク平均温度の決定では、例えばバルク平均の測定を下記の如く行うこと ができる。ペレットのサンプルを固体表面または気体(上記ペレットの熱ショッ クで用いるいずれか)から迅速に集める。直ちに、上記ペレットを絶縁容器、好 適には真空排気を受けさせておいた容器に入れる。好適には、上記ペレットで上 記容器をほぼ満たす。熱電対を挿入する。上記容器の温度を平衡状態に到達させ てそれをバルク平均温度として記録する。 別法として、処理すべきペレットのバルク平均温度を下記の如く計算すること も可能である。ペレットのサンプルを集める。直ちに、前以て重量を測定してお いた絶縁容器に入っている蒸留水(前以て重量を測定しておいた)に既知温度で 上記ペレットを入れる。全質量(重量)を再び測る。温度が平衡状態になるのを 観察する。下記の式: (mw)X(cpw)X(Te-Tw)=(mp)X(cpp)X(Tp-Te) [式中、mwは水の質量であり、cpwは水の熱容量であり、mpはペレットの質量 であり、cppはペレットの熱容量であり、Teは平衡温度であり、Twは水の初期 温度であり、そしてXは掛算を表す] を基にしてペレットのバルク平均温度を計算する。この式を解いてTp、即ちペ レットのバルク温度を決定することができる。 本分野の通常の技術者が理解するであろうように、いろいろな条件下における ペレットのバルク平均温度は、標準的な伝熱式を基にして適度な正確度および精 密度で推定可能である。そのような計算は本分野の技術者によく知られており、 それには効率および正確さを向上させる数値的および/またはコンピューター技 術が含まれる。 例えば、環境および工程条件の伝熱係数が既知であるならば、方程式:ここで、 を用いて、粒子が示すバルク平均温度の経時的変化の推定値を得ることができる 。 この式は、与えられた系の伝熱係数(k)が既知であるばかりでなく粒子の初 期温度および環境の温度が既知であるならば粒子のバルク平均温度を時間の関数 として計算することができることを示しており、ここで、mpはぺレットの質量 であり、cpはぺレットの熱容量であり、tは時間であり、hは、ぺレットがさ らされる表面または気体の伝熱係数であり、Teは、ペレットがさらされる表面 または気体の温度であり、そしてAは、固体表面であるか或は気体であるかに拘 らず熱源に接触するか或はさらされる面積である。例えば、鋼製ベルトに落下さ せた半球形粒子は、上記ベルトの接触地点に平らな面積Aを有し、この面積は( π)(半径)2として容易に推定可能である。別法として、上記式で用いるぺレ ットサンプルの平均値Aを物理的に測定することも可能である。上記式をTp、 即ちぺレットのバルク平均温度に関して解くことができる。 上述したように、PENペレットに温度勾配を受けさせるように上記ペレット に与える熱ショックをいずれかの方向、即ち加熱の結果としてか或は冷却の結果 として与えることもできる。しかしながら、溶融物の冷却を行ってペレットを結 晶化させるのが好適である。このようにすると、冷えた粒子を再び加熱する必要 がなく、従ってエネルギー効率がよ り高くなる。 一体式工程で高分子量のPENを製造する場合には、この上に記述した形態を 有する低分子量のPENを更に重合させて分子量をより高くすることができる。 この低分子量のPENを溶融させて溶融状態で重合させることも可能であるが、 本明細書に記述する結晶性PENを固体状態重合で用いるのが特に適切である。 固体状態の重合は技術者によく知られている。例えばG.Allen他編集の omprehensive Polymer Science ,5巻201−2 16頁(Pergamon Press,Oxford 1989)の中のF. Pilati(これは引用することによって本明細書に組み入れられる)を参照 のこと。より高い分子量を有するPENを製造しようとする場合には固体状態の 重合が特に有用である。一般的には、PENの粒子を不活性ガス流または真空中 で融点未満の温度に加熱する。例えば、上記粒子の回りおよび上に乾燥ガス、通 常は窒素を通してもよく、連続運転の場合には一般に向流で流してもよい。エス テル交換と重縮合反応を高温で進行させそして気体を用いて揮発性生成物を運び 出すことによって、PENの分子量をより高くすることができる(この目的で同 様に他の方法を用いることも可能であり、例えば真空を用いることも可能である )。 過去において、PENの固体状態重合には数多くの問題または困難さが伴って いた。詳細には、重合させるべき粒子を固体状態重合中に加熱した時にそれらが 部分的に溶融して一緒に粘着することが起こらないようにする目的で、通常は、 それらにアニーリング(annealing)または結晶化過程を受けさせるこ とが行われていた。また、粘着が起こらないように重合を比較的低い温度で起こ させると、分子量を高める反 応は温度が高い方が速く進行することから、温度を低くすると重合時間が長くな り得る。 また、典型的には、PENに捕捉されているガス(このガスは、通常、PEN を結晶化温度またはそれ近くの温度に加熱すると発生する)をそのポリマーから 除去しておく目的で、結晶化段階前に揮発物除去段階を行う必要がある。このよ うな困難さまたは問題から、そのような固体状態重合方法の実施はより高価であ る。高分子量のPENを製造するに適した通常方法は、段階を6段階(エステル 交換、重縮合、ペレット成形、揮発物除去、結晶化および固体状態重合)以上伴 い得る。例えば米国特許第5,449,701号を参照のこと。 本明細書に開示する結晶形態でPENポリマーを用いると、有利かつ驚くべき ことに、揮発物除去段階および/またはさらなる結晶化段階を行う必要がなく、 より直接的に重合を行うことができる。それによって、工程時間全体を長引かせ る揮発物除去段階および時間がかかるアニーリング段階を行う必要性を回避する ことができる。また、本方法で必要なのは比較的低い分子量を有するPENのペ レットであることから、本方法の1つの態様では、通常は個別に行われているエ ステル交換段階と重縮合段階を一緒に行うことができる。その結果として、個々 別々の触媒を2種類(通常は、2番目、即ち重縮合触媒を用いる前に1番目、即 ちエステル交換触媒を燐化合物で失活させることが行われている)用いることを 回避することができる。最後に、本方法に従うとペレット成形と結晶化段階を一 緒にすることができることから、可能性として段階数を上述した通常の6段階工 程を基本的な3段階(低分子量のPENを生じさせる第一段階、ペレット成形と 結晶化を一緒に行うことを伴う第二段 階、そして固体状態重合を行う第三段階)の如き少ない段階数にまで下げること が可能になる。 より高い分子量を有するPENを得るに適した本方法に従う方法では、通常の 方法の場合よりも低いDPまたはI.V.を有するPENペレットを用いて固体 状態重合を始めることができることから、それに要する溶融状態重合の時間は比 較的短い。溶融重合は通常280℃以上で進行しそして固体状態重合は典型的に 約220℃から270℃で進行することから、劣化生成物が生じる可能性は固体 状態重合の方が溶融重合よりも小さい。従って、本方法を用いると劣化生成物の 量がより少なくて分子量がより高いPENを製造することができる。このことは 、PENに劣化生成物が入っているとPENの特性が有意な影響を受け得ること から特に有利である。例えばPENポリマーに劣化生成物が入っていると、具体 的な最終使用用途である二軸配向PENフィルムに要求される必要なフィルム特 性、例えば溶着中の寸法安定性などに悪影響が生じ得る。 加うるに、本方法に従って製造したPEN粒子は、少なくともある場合には、 より高い耐摩滅性を示し得る。このことは、固体状態重合装置に入っているPE N粒子が互いに対してか或は装置自身に対して摩耗する傾向がある場合には通常 有利である。 低分子量のPENを重合させて分子量がより高いPENを生じさせる時、如何 なる場合でも、通常の添加剤、例えばエステル交換触媒、重縮合触媒および燐化 合物などを存在させてもよい。これらは低分子量のPENを生じさせる時に添加 されていてもよい。通常の触媒およびそれらが示す相対的な活性をS.S.Pa rk他がJournal of Polymer Science;Part A:Polymer Ch emistry,32巻,2873−2881頁(1994)に開示している。 本出願および実施例では特定の分析手順を用いる。この上に詳述したX線回折 以外の手順を以下に記述する。本明細書でこのような種類の分析またはそれらの 結果を言及する場合、これらはそのような例示手順に相当する。インヘレント粘度(I.V.) 1体積のトリフルオロ酢酸と3体積の塩化メチレンを混合することで溶媒を調 製する(TFA/CH2Cl2 25/75)。次に、PENを0.25gの量で 重量測定して、乾燥している奇麗な小びんに入れ、それに上記溶媒をメスピペッ トで25.0ml加える。上記小びんを密封(溶媒が蒸発しないように)して、 それを30分間またはPENが溶解するまで振とうする。この溶液を#50 C annon−Fenske粘度計に備わっている大型管に注ぎ込んで、それを3 0℃の水浴に入れてその温度になるように平衡状態に到達させる。次に、上方の 印から下方の印の間を落下する時間を3回測定し、その落下時間が0.4秒に一 致するようにすべきである。この粘度計を用いて同様な測定を溶媒単独でも行う 。次に、下記の式: を用いてI.V.を計算する。 1 H NMRによる分子量測定 d−ヘキサフルオロ−i−プロパノール溶媒を用いた1H NMR分 光測定(300MHz)でポリ(エチレンナフタレート)オリゴマーの重合度( DP)または数平均分子量を推定した。芳香族ナフタレート(多重線、7.8− 8.8ppm、6H)の積分値、内部−OCH2CH2O−基(1重線、4.8p pm、4H)の積分値および−OCH2CH2OHの末端基(2重線、4.5およ び4.0ppm、4H)の積分値を比較することで、上記推定値の計算を行った 。例えば、完全な二量体の場合の芳香族:内部脂肪族:末端基脂肪族の積分値比 は12H:4H:8Hになるであろう。完全な五量体の積分値比は30H:16 H:8Hになるであろう。この分析ではジメチルナフタレートモノマーに由来す る−OCH3末端基(エステル交換を受けていない)が貢献する可能性は低いこ とから、それを考慮に入れなかった。融点 融点を示差走査熱量計(DSC)で測定し、全サンプルの分析をTA Ins truments DSC 910を用いて行った。この装置の較正をこのシス テムの添付文章に従ってインジウムを用いて行った。サンプルを前以て粉砕する ことなく受け取ったまま5−10mg+/−0.005mg用いて分析した。サ ンプルをアルミニウム製鍋に入れて密封した後、窒素パージ環境下10℃/分で 室温から300℃にまで加熱した。TA Instrumentのソフトウェア を用いてガラス転移温度、融点温度および融解熱の計算を行った。報告するDS Cピーク溶融温度は相当する主要溶融吸熱ピーク温度である。 以下に示す実施例においてSSPは固体状態重合を意味する。 実施例1 この実施例では、本発明に従ってPENプレポリマーを生じさせる方 法および熱ショック結晶化を説明する。ポリ(エチレン2,6−ナフタレート) (PEN)の溶融重合を、日付が1994年5月1日のTechnical B ulletin GTSR−A(Amoco Chemical Compan y、Chicago、IL)に概略が示されている手順に従って2,6−ナフタ レンジカルボン酸ジメチル(NDC)とエチレングリコール(EG)を用いて行 った。この2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(NDC)を用いたPEN の製造はDMTを用いたPETの製造に類似している。エチレングリコール(E G)をエステル交換触媒の存在下で用いてNDCのエステル交換を大気圧下高温 で行うことで、NMRで測定して2−3の重合度を示すオリゴマーを生じさせた 。上記系の真空排気を行って1mmHgにすることにより、5−6の重合度およ び0.12のI.V.を示す低分子量のプレポリマーを生じさせた。この低分子 量のプレポリマーをメルトフローインデクサー(melt indexer)に 入れて、そのポリマーがそれ自身の重さでオリフィス(直径が1mm)から落下 するまで、それを290℃に加熱した。厚みが1.9cmの鋼板で覆われている 熱板を上記メルトフローインデクサーのオリフィスの下側20cmの所に置いた 。細いワイヤーの熱電対を上記鋼板に密に接触させたままにすることで温度を監 視した。溶融したポリマーが、表面温度が205℃の上記熱鋼板上に落下した。 この透明な非晶質の落下物が不透明な固体に変わるのを観察することで結晶化を 監視した。これが不透明になった時点で上記金属の表面をある角度(水平に対し て)に傾けることで、粒子を滑りで落下させて室温に冷却した。この粒子の形状 は直径が約7mmで厚みが約1.8mmの球形キャップ(上表面が丸くて下表面 が平らな半球形粒子)の様で あった。この結晶化したサンプルのDSC分析を行った結果、溶融前吸熱は全く 示されなかった。ピーク溶融温度は251℃であった。このサンプルに関する広 角x線回折(WAXD)パターンをこの上に記述した方法に従って集めた(以下 の表1に示すサンプル1)。平均見掛け結晶サイズ(ACS)を110結晶面の 散乱から測定した。ACS110は13.8nmであった。 実施例2 この実施例では、上記低分子量プレポリマーに固体状態重合を受けさせて分子 量をより高くした時に上記熱ショック結晶化で作り出された新規な結晶形態が保 存され得ることを示す。実施例1で得た粒子(サンプル1)を約30g用いて、 これに固体状態重合を220℃で23時間受けさせることにより、より高い分子 量を有するPEN(サンプル2)を得た。このバッチ式SSP装置は底にメッシ ュスクリーンが備わっている金属管(直径が23.5mmで長さが19cm)か ら成っていた。上記管の外側で加熱することで前以て設定温度に加熱しておいた 窒素を上記スクリーンに通して上方に向かって流すことで上記粒子を加熱した。 以下の表1に示すように、ACS110は13.2nmでI.V.は0.35であ った。 比較実施例3−5 いろいろな分子量を有する3サンプルを通常方法で調製することにより、それ らが本発明で得る新規な結晶形態を持たないことを示す。ポリ(エチレン2,6 −ナフタレート)(PEN)の溶融重合を、日付が1994年5月1日のTec hnical Bulletin GTSR−A(Amoco Chemica l Company、Chicag o、IL)に概略が示されている手順に従って2,6−ナフタレンジカルボン酸 ジメチル(NDC)とエチレングリコール(EG)を用いて行った。このNDC とエチレングリコール(EG)の反応をエステル交換触媒存在下のエステル交換 段階で大気圧下高温で行った後、重縮合段階を、重縮合触媒の存在下、より高い 温度および高真空下で達成した。 I.V.が0.58dl/gになるようにサンプルC3を重合させて結晶化さ せた。サンプルC3のポリマーをI.V.が0.68dl/gになるように固体 状態で重合させることでサンプルC4を得た。更に、サンプルC3のポリマーを I.V.が0.76dl/gになるように固体状態で重合させることでサンプル C5を得た。各サンプルの平均見掛け結晶子サイズを以下の表1に示す。比較実 施例に相当するサンプルには「C」接頭語を付けて示す。 表1 サンプル I.V.(dl/g) ACS110(nm) 1 0.12 13.8 2 0.35 13.2 C3 0.58 7.1 C4 0.68 8.3 C5 0.76 7.9
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1998年1月12日(1998.1.12) 【補正内容】 レンジカルボン酸ジメチル(NDC)を用いたPENの製造はDMTを用いたP ETの製造に類似している。エチレングリコール(EG)をエステル交換触媒の 存在下で用いてNDCのエステル交換を大気圧下高温で行うことで、NMRで測 定して2−3の重合度を示すオリゴマーを生じさせた。上記系の真空排気を行っ て1mmHg(133Pa)にすることにより、5−6の重合度および0.12 のI.V.を示す低分子量のプレポリマーを生じさせた。この低分子量のプレポ リマーをメルトフローインデクサー(melt indexer)に入れて、そ のポリマーがそれ自身の重さでオリフィス(直径が1mm)から落下するまで、 それを290℃に加熱した。厚みが1.9cmの鋼板で覆われている熱板を上記 メルトフローインデクサーのオリフィスの下側20cmの所に置いた。細いワイ ヤーの熱電対を上記鋼板に密に接触させたままにすることで温度を監視した。溶 融したポリマーが、表面温度が205℃の上記熱鋼板上に落下した。この透明な 非晶質の落下物が不透明な固体に変わるのを観察することで結晶化を監視した。 これが不透明になった時点で上記金属の表面をある角度(水平に対して)に傾け ることで、粒子を滑りで落下させて室温に冷却した。この粒子の形状は直径が約 7mmで厚みが約1.8mmの球形キャップ(上表面が丸くて下表面が平らな半 球形粒子)の様であった。この結晶化したサンプルのDSC分析を行った結果、 溶融前吸熱は全く示されなかった。ピーク溶融温度は251℃であった。このサ ンプルに関する広角x線回折(WAXD)パターンをこの上に記述した方法に従 って集めた(以下の表1に示すサンプル1)。平均見掛け結晶サイズ(ACS) を110結晶面の散乱から測定した。ACS110は13.8nmであった。実施例2 この実施例では、上記低分子量プレポリマーに固体状態重合を受けさせて分子 量をより高くした時に上記熱ショック結晶化で作り出された新規な結晶形態が保 存され得ることを示す。実施例1で得た粒子(サンプル1)を約30g用いて、 これに固体状態重合を220℃で23時間受けさせることにより、より高い分子 量を有するPEN(サンプル2)を得た。このバッチ式SSP装置は底にメッシ ュスクリーンが備わっている金属管(直径が23.5mmで長さが19cm)か ら成っていた。上記管の外側で加熱することで前以て設定温度に加熱しておいた 窒素を上記スクリーンに通して上方に向かって流すことで上記粒子を加熱した。 以下の表1に示すように、ACS110は13.2nmでI.V.は0.35であっ た。 比較実施例3−5 いろいろな分子量を有する3サンプルを通常方法で調製することにより、それ らが本発明で得る新規な結晶形態を持たないことを示す。ポリ(エチレン2,6 −ナフタレート)(PEN)の溶融重合を、日付が1994年5月1日のTec hnical Bulletin GTSRーA(Amoco Chemica l Company、Chicago、IL)に概略が示されている手順に従っ て2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(NDC)とエチレングリコール( EG)を用いて 請求の範囲 1. 110鏡映で測定して10.0nm以上の平均見掛け結晶子サイズを示 す修飾もしくは未修飾ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)を含む組成物。 2. 上記平均見掛け結晶子サイズが約11.0nm以上である請求の範囲第 1項記載の組成物。 3. 上記平均見掛け結晶子サイズが約12.0nm以上である請求の範囲第 1項記載の組成物。 4. 該ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)が少なくとも4のDPと2. 0dl/g未満のインヘレント粘度(トリフルオロ酢酸/クロロホルム25/7 5;1.0g/100ml;30℃)を示す請求の範囲第1項記載の組成物。 5. 上記修飾ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)が他の繰り返し単位を 5パーセント以下の量で含む請求の範囲第1項記載の組成物。 6. 上記修飾ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)がイソフタル酸、トリ エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、テレフタル酸、ア ジピン酸、前記のエステル類、ジエチレングリコール、およびそれらの混合物か ら成る群から選択されるコモノマーから生じた繰り返し単位を含む請求の範囲第 1項記載の組成物。 7. 110鏡映で測定して10.0nm以上の平均見掛け結晶子サイズを示 す修飾もしくは未修飾ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の粒子。 8. 0.05cmから2cmの平均直径を有する請求の範囲第7項記載の粒 子。 9. 上記平均見掛け結晶子サイズが約11.0nm以上である請求の範囲第 7または8項記載の粒子。 10. 上記平均見掛け結晶子サイズが約12.0nm以上である請求の範囲 第7または8項記載の粒子。 11. 10kgを越える量の粒子から本質的に成る請求の範囲第7または8項 記載の粒子。 12. 上記粒子が0.05から2dl/gのインヘレント粘度を示す請求の 範囲第7または8項記載の粒子。 13. 該粒子の形状が球形、半球形、円柱形またはパンケーキ様である請求 の範囲第7または8項記載の粒子。 14. ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の結晶化方法であって、11 0鏡映で測定して10.0nm以上の平均見掛け結晶子サイズを示しかつ少なく とも約4の重合度(DP)と約0.4dl/g未満のインヘレント粘度を示す結 晶性ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)が生じるに充分な冷却速度で溶融ポ リ(エチレン2,6−ナフタレート)を約130℃から約250℃の温度に冷却 するか或はそれに充分な加熱速度でガラス状ポリ(エチレン2,6−ナフタレー ト)を約130℃から約250℃の温度に加熱することを含む方法。 15. 上記温度が約140℃から約230℃である請求の範囲第14項記載 の方法。 16. 該結晶性ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の上記平均見掛け結 晶子サイズが110鏡映および上記結晶性ポリ(エチレン2,6−ナフタレート )で測定して約11.0nm以上である請求の範囲第14項記載の方法。 17. 結晶化を約5分以内に実施する請求の範囲第14項記載の方法。 18. 上記ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)を粒子の形態で製造する 請求の範囲第14項記載の方法。 19. 上記結晶性ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の固体状態重合を 行う追加的段階を含む請求の範囲第14項記載の方法。 20. ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の固体状態重合方法であって 、ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の粒子をそれのTg以上であるがそれ の融点以下に加熱することを含み、ここでの改良が、110鏡映で測定して10 .0nm以上の平均見掛け結晶子サイズを示しかつ少なくとも約4の重合度(D P)と約0.4dl/g未満のインヘレント粘度を示すポリ(エチレン2,6− ナフタレート)粒子を用いて出発して固体状態重合を該ポリ(エチレン2,6− ナフタレート)のインヘレント粘度が0.3から2.0dl/gに到達するまで 進行させることを含む方法。 21. 上記平均見掛け結晶子サイズが約11.0nm以上である請求の範囲 第20項記載の方法。 22. 上記平均見掛け結晶子サイズが約12.0nm以上である請求の範囲 第20項記載の方法。 23. ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の固体状態重合方法であって 、 (a)少なくとも約4の重合度と約0.4dl/g未満のインヘレント粘度を示 すPENのプレポリマーを生じさせ、 (b)段階(a)のプレポリマーを成形して110鏡映で測定して10. 0nm以上の平均見掛け結晶子サイズを示すぺレットを生じさせ、 (c)ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)のぺレットを不活性ガス流れまた は真空中でそれのTg以上であるがそれの融点以下に加熱することで0.3から 2.0dl/gのインヘレント粘度(I.V.)を示すポリマーを製造する、 ことを含む方法。 24. 段階(a)のプレポリマーをエステル交換反応でか或はエステル交換 反応に続く重縮合反応で生じさせる請求の範囲第23項記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU,CZ, EE,GE,HU,IL,IS,JP,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LT,LV,MD,MG ,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU, SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,U Z,VN (72)発明者 レフユウ,ケネス・ウエイン アメリカ合衆国ペンシルベニア州19348― 1551ケネツトスクエア・ヒツコリードライ ブ295

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 110鏡映で測定して10.0nm以上の平均見掛け結晶子サイズを示 す修飾もしくは未修飾ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)を含む組成物。 2. 上記平均見掛け結晶子サイズが約11.0nm以上である請求の範囲第 1項記載の組成物。 3. 上記平均見掛け結晶子サイズが約12.0nm以上である請求の範囲第 1項記載の組成物。 4. 該組成物が少なくとも4のDPと2.0dl/g未満のインヘント粘度 を示す請求の範囲第1項記載の組成物。 5. 上記修飾ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)が他の繰り返し単位を 5パーセント以下の量で含む請求の範囲第1項記載の組成物。 6. 上記修飾ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)がイソフタル酸、トリ エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、テレフタル酸、ア ジピン酸、前記のエステル類、ジエチレングリコール、およびそれらの混合物か ら成る群から選択されるコモノマーから生じた繰り返し単位を含む請求の範囲第 1項記載の組成物。 7. 110鏡映で測定して10.0nm以上の平均見掛け結晶子サイズを示 す修飾もしくは未修飾ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の粒子。 8. 0.05cmから2cmの平均直径を有する請求の範囲第7項記載の粒 子。 9. 上記平均見掛け結晶子サイズが約11.0nm以上である請求の範囲第 7または8項記載の粒子。 10. 上記平均見掛け結晶子サイズが約12.0nm以上である請求の範囲 第7または8項記載の粒子。 11. 10kgを越える量の粒子から本質的に成る請求の範囲第7または8 項記載の粒子。 12. 上記粒子が0.05から2dl/gのインヘレント粘度を示す請求の 範囲第7または8項記載の粒子。 13. 該粒子の形状が球形、半球形、円柱形またはパンケーキ様である請求 の範囲第7または8項記載の粒子。 14. ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の結晶化方法であって、11 0鏡映で測定して10.0nm以上の平均見掛け結晶子サイズを示しかつ少なく とも約4の重合度(DP)と約0.4dl/g未満のインヘレント粘度を示す結 晶性ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)が生じるに充分な冷却速度で溶融ポ リ(エチレン2,6−ナフタレート)を約130℃から約250℃の温度に冷却 するか或はそれに充分な加熱速度でガラス状ポリ(エチレン2,6−ナフタレー ト)を約130℃から約250℃の温度に加熱することを含む方法。 15. 上記温度が約140℃から約230℃である請求の範囲第14項記載 の方法。 16. 上記平均見掛け結晶子サイズが110鏡映および上記結晶性ポリ(エ チレン2,6−ナフタレート)で測定して約11.0nm以上である請求の範囲 第14項記載の方法。 17. 結晶化を約5分以内に実施する請求の範囲第14項記載の方法。 18. 上記ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)を粒子の形態で 製造する請求の範囲第14項記載の方法。 19. 上記結晶性ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の固体状態重合を 行う追加的段階を含む請求の範囲第14項記載の方法。 20. ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の固体状態重合方法であって 、ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の粒子をそれのTg以上であるがそれ の融点以下に加熱することを含み、ここでの改良が、110鏡映で測定して10 .0nm以上の平均見掛け結晶子サイズを示しかつ少なくとも約4の重合度(D P)と約0.4dl/g未満のインヘレント粘度を示すポリ(エチレン2,6− ナフタレート)粒子を用いて出発して固体状態重合を該ポリ(エチレン2,6− ナフタレート)のインヘレント粘度が0.5から2.0dl/gに到達するまで 進行させることを含む方法。 21. 上記平均見掛け結晶子サイズが約11.0nm以上である請求の範囲 第20項記載の方法。 22. 上記平均見掛け結晶子サイズが約12.0nm以上である請求の範囲 第20項記載の方法。 23. ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の固体状態重合方法であって 、 (a)少なくとも約4の重合度と約0.4dl/g未満のインヘレント粘度を示 すPENのプレポリマーを生じさせ、 (b)段階(a)のプレポリマーを成形して110鏡映で測定して10.0nm 以上の平均見掛け結晶子サイズを示すペレットを生じさせ、 (c)ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)の粒子を不活性ガス流れまたは真 空中でそれのTg以上であるがそれの融点以下に加熱すること で0.5から2.0dl/gのインヘレント粘度(I.V.)を示すポリマーを 製造する、 ことを含む方法。 24. 段階(a)のプレポリマーをエステル交換反応でか或はエステル交換 反応に続く重縮合反応で生じさせる請求の範囲第23項記載の方法。 25. 段階(a)のプレポリマーを溶融滴にして固化させることで110鏡 映で測定して10.0nm以上の平均見掛け結晶子サイズを示す組成物を生じさ せる請求の範囲第23項記載の方法。 26. 該ペレットに揮発物除去を受けさせず、そして段階(b)でペレット を生じさせた後、段階(c)の前に、さらなる結晶化のためのアニーリングを受 けさせない請求の範囲第23項記載の方法。
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