JP2000503528A - 第VIIa因子の新規阻害剤 - Google Patents

第VIIa因子の新規阻害剤

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JP2000503528A JP9-521312A JP52131297A JP2000503528A JP 2000503528 A JP2000503528 A JP 2000503528A JP 52131297 A JP52131297 A JP 52131297A JP 2000503528 A JP2000503528 A JP 2000503528A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はFVIIaを阻害するために第VIIa因子活性部位阻害ドメインおよび組織因子ドメインを有する合成物を提供する。本発明はこの新規合成物を含む医薬的組成物ならびに診断、治療および予防におけるそれらの使用も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 第VIIa因子の新規阻害剤 発明の背景 発明の分野 本発明は血漿第VII因子/第VIIa因子に結合し、血漿第VII因子/第 VIIa因子に関連する活性を阻害する新規な合成物に関する。特に本発明は第 VIIa因子活性部位阻害ドメインおよび組織因子ドメインを有する分子を提供 する。好適な側面に従えば本発明のハイブリッド分子のこのドメイン2個は柔軟 なぺプチドリンカードメインを経て連結している。また本発明はこの新規合成物 を含む医薬的組成物ならびに診断、治療、および予防の方法におけるそれらの使 用も提供する。関連する開示の記載 第VIIa因子(FVIIa)は50キロダルトン(kDa)のビタミンK依 存性2本鎖血漿セリンプロテアーゼであって、これは生体内恒常性の複雑な調節 に関与している。第VIIa因子は血漿中に約0.5μg/mLの濃度で存在す る単鎖チモーゲンである第VII因子のぺプチド結合1個の蛋白質分解によって 作製される。チモーゲンである第VII因子が2本鎖分子へ変換される活性化は 内部ぺプチド結合の切断によって発生する。ヒト第VII因子ではその切断部位 はArg152〜Ile153にある(Hagenほか、(1986年)、Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA、83巻:2412〜2416頁; Thimほか(1888年)、Biochem.、27巻:7785〜7793 頁)。カルシウムイオンの存在下、第VIIa因子は高度な親和性で膜内在性蛋 白質である組織因子(TF)に結合する。TFは第VIIa因子の補助因子であ って、その基質である第VII因子(FVII)、第IX因子(FIX)および 第X因子(FX)の蛋白質分解的活性化を増強する。 TFは263アミノ酸残基の糖蛋白質であって219残基の細胞外ドメイン、 1個の膜貫通ドメイン、および短い細胞質ドメインからなる(Morrisse y,J.H.ほか、(1987年)、50巻:129頁)。TFの細胞外ドメイ ンは各アミノ酸約105個のフィブロネクチンIII型ドメイン2個からなる。 FVIIaの結合はTF細胞外ドメインが完全に媒介する(Mullerほか、 (1994年)、Biochem.、33巻:10864〜10870頁;Gi bbsほか、(1994年)、Biochem.、33巻:14003〜140 10頁;Rufほか、(1994年)、Biochem.、33巻:1565〜 1572頁)。TFの細胞外ドメインの構造は最近X線結晶解析によって決定さ れた(Harlosほか、(1994年)、Nature、370巻:662〜 666頁;Mullerほか、(1994年)、Biochemistry、3 3巻:10864頁)。 TFの細胞外ドメインはアラニンスキャンニング突然変異誘発によって詳細に 解析された(Kelleyほか、(1995年)、Biochemistry、 34巻:10383〜10392頁;Gobbsほか、(1994年)、前出; Rufほか、(1994年)、前出)。アミノ酸番号16〜26および129〜 147の領域にある残基はFVIIaとの結合ならびにこの分子の血液凝固機能 に寄与している。Lys20、Trp45、Asp58、Tyr94、およびP he140の各残基はFVIIaとの結合のための自由エネルギー(ΔG)に大 きな寄与(1キロカロリー/モル)をしている(Kelleyほか、(1995 年)、前出)。 アミノ酸番号157〜168の領域にある残基はTF−FVIIaの血液凝固 促進に寄与する(Kelleyほか、(1995年)前出;Rufほか、(19 92年)、J.Biol.Chem.、267巻:22206〜22210頁) が、FVII/FVIIa結合には重要ではない。165番および166番にあ るリジン残基がTF補助因子機能に重要なことが証明されているがFVIIa複 合体の形成には関与していない(Royほか、(1991年)、J.Biol. Chem.、266巻:22063頁;Rufほか、(1992年)、J.Bi ol.Chem.、267巻:6375頁)。これらのリジン残基をアラニンで 置換すると、TF−FVIIa複合体が触媒するFX活性化速度の低下を起こす (Rufほか、(1992年)、前出)。リジン165〜166両残基はTFの フィブロネクチンIII型ドメインC末端に存在し、突然変異誘発の結果に基づ いてFVIIa結合に重要であることが判明している残基とは反対側の分子表面 にある(Kelleyほか、(1995年)、前出)。残基Trp158、Ly s159、Ser163、Gly164、Lys165、Lys166およびT yr185の一群は可溶性TFの血液凝固機能に一定の役割を果たしているが、 FVIIaの結合には関与していない(Ke11eyほか、(1995年)、前 出)。 TFは血管内皮によって血漿から分離された血球上に構成的に発現される(C arson,S.D.とJ.P.Brozna、(1993年)、Blood・ Coag.Fibrinol.、4巻:281〜292頁)。内皮細胞および単 球上におけるTFの発現は炎症性サイトカインまたは細菌性リポポリサッカライ ドとの接触によって誘導される(Drakeほか、(1989年)、J.Cel l・Biol.、109巻:389頁)。組織が損傷を受けると露出したTFの 細胞外ドメインはFVIIと親和性の高いカルシウム依存性複合体を形成する。 一旦TFと結合すると、FVIIはぺプチド結合切断によって活性化されてセリ ンプロテアーゼFVIIaを与える。この段階を生体内で触媒する酵素はまだ確 認されていないが、試験管内ではFXa、トロンビン、TF−FVIIa、およ びFIXaはこの切断を触媒できる(Davieほか、(1991年)、30巻 :10363〜10370頁)。FVIIaはその生理学的基質であるFXおよ びFIXに弱い活性しか示さないが、他方では、TF−FVIIa複合体はFX およびFIXを急速に活性化する。 TF−FVIIa複合体は外因性血液凝固経路の第一次的な開始剤を構成する (Carson,S.D.とJ.P.Brozna、(1993年)、Bloo d・Coag.Fibrinol.、4巻:281〜292頁;Davie,E .W.ほか、(1991年)、Biochemistry、30巻:10363 〜10370頁;Rapaport,S.I.とL.V.M.Rao、(199 2年)、Arterioscler.Thromb.、12巻:1111〜11 21頁)。この複合体はFXから第Xa因子(FXa)への、FIXから第IX a 因子(FIXa)への、およびそれに加えてFVIIからFVIIaへの活性化 により外因性経路を開始する。TF−FVIIaの作用は最終的にプロトロンビ ンからトロンビンへの変換を誘導し、多数の生物学的機能を実行する(Badi mon,L.ほか、(1991年)、Trends・Cardiovasc.M ed.、1巻:261〜267頁)。トロンビンの最重要な機能はフィブリノー ゲンをフィブリンに変換するもので、後者が重合して血塊を形成する。TF−F VIIa複合体は接触活性化システムの生理学的効果を拡張する二次的な因子と しても関与している。 この血漿プロテアーゼ系の関与は種々の臨床的表現型に重要な役割を果たして いることが示唆されているが、これらには動脈および静脈の血栓症、敗血症ショ ック、成人呼吸困難症候群(ARDS)、播種性血管内血液凝固症(DIC)、 およびその他の様々な疾患容体を含む(Haskel,E.J.ほか、(199 1年)、Circulation、84巻:821〜827頁;Holst,J .ほか、(1993年)、Haemostasis、23巻(補1):112〜 117頁;Creasey,A.A.ほか、(1993年)、J.C1in.I nvest.、91巻:2850〜2860頁;またColman,R.W.、 (1989年)、N.Engl.J.Med.、320巻:1207〜1209 頁;Bone,R.C.、(1992年)、Arch.Intern.Med. 、152巻:1381〜1389頁も参照)。TFの過剰発現および/または異 常な利用は血栓症および敗血症双方の病理生理学にリンクするとされている(T aylorほか、(1991年)、Circ.Shock)33巻:127頁; Warrほか、(1990年)、Blood、75巻:1481頁;Pawas heほか、(1994年)、Circ.Res.、74巻:56頁)。TFは動 脈硬化症プラーク内にある細胞の表面に発現される(Wilcoxほか、(19 89年)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86巻:2839 頁)。これに加え、TFは腫瘍転移に影響するとされている(Bromberg ほか、(1995年)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、92 巻:8205頁)。 TF−FVIIaに対する内因性阻害剤が血清に存在することは以前から認識 されていた(Schneider,C.L.、(1946年)、Am.J.Ph ysiol.、149巻:123頁)。TF−FVIIaは血液凝固経路開始に 続きそれ以上のチモーゲン基質活性化を防止するフィードバック阻害剤、組織因 子経路阻害剤(TFPI)によって調節される(Broze・Jr.,G.J. ほか、(1990年)、Biochemistry、29巻:7539〜754 6頁;Broze・Jr.,G.J.、(1992年)、Semin.Hema tol.、29巻:156〜169頁)。また、TFPIはリポプロテイン関与 凝血阻害剤および外因性経路阻害剤であるLACIまたはEPIとしても知られ ている。TFPIは酸性アミノ末端領域、続いて3個のクニッツ型ドメインおよ び塩基性カルボキシル末端領域を含む。TFPIはFXa依存的様式でTF−F VIIaを阻害すると考えられ、まず第二クニッツドメインでFXaを結合し、 続いて第一クニッツドメインでFVIIaを結合する(Girard,T.J. 、(1989年)ほか、Nature、338巻:518〜520頁)。FXa が不在なら、TFPIはTF−FVIIa複合体の弱い阻害剤である(Gira rd,T.J.、(1989年)ほか、Science、248巻:1421〜 1424頁)。 TF−FVIIa活性も阻害するTFPIの変異体が製造されている。クニッ ツドメインの始めの2個(残基1〜161)を有する変異体が製造され、特性を 解析されている(Hamamotoほか、(1993年)、J.Biol.Ch em.、268巻:8704〜8710頁;Petersenほか、(1993 年)、J.Biol.Chem.、268巻:13344〜13351頁)。国 際公表WO91/02753号ならびに米国特許第5312736号にはセリン プロテアーゼ阻害活性は保持するが、ヘパリンに対する結合親和性が減少したT FPI変異体が記載されている。TFPI−FXaハイブリッド蛋白質の一つは TF−FVIIaに誘導される正常な血漿の凝固を試験管内凝固検定法によれば TFPI単独よりもかなり大きな活性で阻害することができる(Girardほ か、(1990年)、Nature、248巻:1421〜1424頁)。 TFPIおよびその変種は血栓溶解後動脈再狭窄(Haskel,E.J.ほ か、(1991年)、Circulation、84巻:821〜827頁)、 静脈血栓症(Holst,J.ほか、(1993年)、Haemostasis 、23巻(補1):112〜117頁)および敗血症性ショックの結果として起 きる播種性血管内凝固(Creasey,A.A.ほか、(1993年)、J. Clin.Invest.、91巻:2850〜2860頁)の動物モデルで恒 常性に影響を与えることが証明されている。しかしながら、TFPIは血栓症の 治療に用いる抗凝固剤に望まれる性質を全て有するものではない。 最近、セルピンであるアンチトロンビンIII(ATIII)がヘパリン存在 下にTF−FVIIa活性を阻害することが証明された(Rao,L.V.M. ほか、(1993年)、Blood、81巻:2600〜2607頁;Laws on,J.H.、(1993年)ほか、J.Biol.Chem.、268巻: 767〜770頁;Broze・Jr.,G.J.、(1993年)、Bloo d、82巻::1679〜1680頁;Mann,K.G.、(1993年)、 Blood、82巻:1680〜1681頁)。TFPIによるTF−FVII aの阻害は可逆的であるが、他方では、ATIIIによる阻害は本質的に不可逆 的である。ATIII/ヘパリンとTFPIとの間の生体内TF−FVIIa阻 害についての相対的重要性の比較は知られていない。 ウシの膵トリプシン阻害剤(BPTI)はアプロチニンとも呼ばれ、親和性は 弱いが(Ki=30μM)TF−FVIIa活性を競合的に阻害することが最近 証明された(Chabbat,J.ほか、(1993年)、Thromb.Re s.、71巻:205〜215頁)。これに加えて、BPTIがTF−誘導血液 の凝固を阻害することが証明された;しかしながら、血液凝固時間をPT検定で 1.4倍に延長するためには約75μMが必要であった(van・den・Be sselaar,A.M.H.P.ほか、(1993年)、Thromb.Ha emostas.、69巻:298〜299頁)。 最近、構造的にBPTIと類似(Hynes,T.ほか、(1990年)、B iochemistry、29巻:10018〜10020頁)するアルツハイ マー病アミロイドβ−蛋白質前駆体(APPI)のクニッツドメインが、組織因 子−第VIIa因子の強力で特異的な活性部位阻害剤を選択するために、変異体 の大きなライブラリーのファージディスプレーにおけるスカフォールドに利用さ れた(Dennis,M.S.とLazarus,R.A.、(1994年)、 J.Biol.Chem.、269巻:22129〜22136頁;Denni s,M.S.とLazarus,R.A.、(1994年)、J.Biol.C hem.、269巻:22137〜22144頁)。国際公表WO95/238 60号は第VIIa因子に対するクニッツ型阻害剤の作製を記載している。 前記のFVIIa阻害剤はクニッツ型セリンプロテアーゼ阻害剤(例えばTF PI、BPTI、APPI)に分類される。クニッツ型セリンプロテアーゼ阻害 剤はよく特性解析されている一群の蛋白質であって、同系セリンプロテアーゼの 活性部位に適合する長い結合ループを含む特徴的な三次元的折畳みを含む広範囲 な構造的相同性を示す(Bode,W.とHuber,R.、(1992年)、 Eur.J.Biochem.、204巻:433〜451頁)。クニッツ型の セリンプロテアーゼ阻害剤は、たとえばFVIIaのようなセリンプロテアーゼ の遅く、強く結合する可逆的な阻害剤であって、標準的機構に従って活性部位に 結合し、阻害する(Laskowski,Jr.M.とKato,I.、(19 80年)、Ann.Rev.Biochem.、49巻:593〜626頁)こ とが知られている。 クニッツ型ドメイン/セリンプロテアーゼ複合体ではクニッツ型ドメインの残 基15の側鎖が切断されるぺプチド結合に先行するP1位を満たしている。この P1残基は基質または切断される阻害剤ぺプチド結合に先行する位置を示すが、 SchecterとBerger、(1967年)、Biochem.Biop hys.Res.Commun.、27巻:157〜162頁が定義したS1結 合部位に適合する。P1残基とP1’残基との間の切断は起きるとしても非常に遅 い(Bode,W.とHuber,R.、(1992年)、Eur.J.Bio chem.、204巻:433〜451頁;Laskowski,M.,Jr. とKato,I.、(1980年)、Ann.Rev.Biochem.、49 巻:593〜626頁)。 セリンプロテアーゼのサブサイトとクニッツ型ドメインのセリンプロテアーゼ 阻害剤の一次結合ループにおける側鎖(P5−P4')との間に起きる相互作用多 数(Bode,W.とHuber,R.、(1992年)、Eur.J.Bio chem.、204巻:433〜451頁;Laskowski,M.,Jr. とKato,I.、(1980年)、Ann.Rev.Biochem.、49 巻:593〜626頁)について、P1残基と特異性ポケットとの相互作用はエ ネルギー的に最も重要で、それ故に一次的特異性決定基を代表する。P1位にあ るアミノ酸は一般に阻害剤のセリンプロテアーゼ活性部位への親和性を支配する けれども(Scott,C.F.ほか、(1987年)、B1ood、69巻: 1431〜1436頁;Laskowski,M.,Jr.とKato,I.、 (1980年)前出;Beckmann,J.ほか、(1988年)、Eur. J.Biochem.、176巻:675〜682頁;Sinha,S.ほか、 (1991年)、J.Biol.Chem.、266巻:21011〜2101 3頁)、この領域外にある残基(第二次結合ループの11〜14位および16〜 19位ならびに残基34)も結合親和性およびセリンプロテアーゼに対する特異 性に一定の役割を果たすことが知られている(Kossiakoff,A.A. ほか、(1993年)、Biochem.Soc.Trans.、21巻:61 4〜618頁;Roberts,B.L.ほか、(1992年)、Proc.N atl.Acad.Sci.USA、89巻:2429〜2433頁)。クニッ ツ型ドメインの結晶構造は一次結合ループ内にあってセリンプロテアーゼと接触 を起こすと思われる残基を提示している(Hynes,T.R.ほか、(199 0年)、前出;Bode,W.およびHuber,R.、(1992年)、前出 ;Kossiakoff,A.A.、(1993年)、前出)。 組織因子の拮抗剤も証明されている。抗TFモノクローナル抗体の中和はヒヒ 敗血症モデルで死亡を予防し(Taylorほか、(1991年)、Circ. Shock、33巻:127頁)、ウサギにおけるエンドトキシン誘導DICを 弱め(Warrほか、(1990年)、Blood、75巻:1481頁)、お よびウサギの動脈血栓症モデルで血栓再形成を予防する(Pawasheほか、 (1994年)、Circ.Res.、74巻:56頁)ことが証明された。可 溶性組織因子のアミノ酸残基165および166におけるリジンからアラニンヘ の突然変異誘発で野生型組織因子に匹敵する親和性でFVIIaに結合する分子 を得た(Kelleyほか、(1995年)、前出)。TFの残基Lys165 およびLys166はTFPI−FXa複合体によるTF−FVIIaの阻害に とって重要であることが証明されている(RaoとRuf、(1995年)、B iochemistry、34巻:10867〜10871頁)。165位およ び166位でのLysからAlaへの置換を含むTF突然変異体と複合体を形成 しているFVIIaについては、野生型TFと複合体を形成しているFVIIa と比較してTFPI−FXaによる阻害速度が減少する。機能性を有するFVI Iaには結合するが、血液凝固促進作用が少ない組織因子の変異体が製造されて いる(国際公表WO94/28017号)。これらの分子はTF−FVIIa複 合体中にある組織因子の補助因子活性を不活化するが、その分子がFVIIaと 複合体を形成する性能には変化を与えない。 発明の要約 本発明は、たとえばFVIIからFVIIaへ、FIXからFIXaへまたは FXからFXaへのような触媒的変換およびそれによって血液凝固の外因性経路 の最初のイベントを遮断してTF−FVIIaが媒介するかまたは関連する過程 を阻害する合成物を提供する。これに加えて、本発明の合成物はFVIIまたは FVIIaへの結合について内因性組織因子と競合することによって内因性組織 因子の血液凝固効果を中和できる。有利には本合成物はTF−FVIIa複合体 の好適な態様では低用量の医薬的製剤を提供することによって強力な阻害を可能 にする。本発明の合成物はTF−FVIIaが媒介するかまたは関連する過程を 阻害する治療法および予防法において有用である。 本発明の合成物はFVIIa活性部位阻害ドメインおよびTFドメインを含ん でいる。本発明の好適な側面によれば、このTFドメインがFVII/FVII aへの結合について内因性TFと競合するが、FVIIからFVIIaへの、F IXからFIXaへ、またはFXからFXaへの変換に対する補助因子として作 用する性能は低下している。本発明合成物のFVIIa活性部位阻害ドメインは FVIIaのセリンプロテアーゼ活性部位に結合してそのチモーゲン基質の触媒 的活性化を予防する。好適な態様では、本発明合成物の活性部位阻害ドメインは 可逆的活性部位セリンプロテアーゼ阻害性分子である。 本発明のある種の好適な側面に従えば、本合成物はさらにFVIIa活性部位 阻害ドメインとTFドメインとの間に存在するリンカードメインを含む。このリ ンカードメインは好ましくは(Gly)4−Ser−リンカーモジュールを含む 親水性の柔軟なドメインである。 態様の一つでは、本発明の合成物はポリペプチドである。また、本発明は本発 明のポリペプチドをコードする分離された核酸、好ましくはDNAも包含する。 この側面によれば、この発明はさらにそのDNA分子に作動可能に結合する発現 制御配列、そのDNA分子を含みその制御配列がそのべクターで形質転換された 宿主細胞に認識される発現ベクター、好ましくはプラスミド、およびそのベクタ ーで形質転換された宿主細胞、を含む。 本発明の合成物は本発明のアミノ酸配列のいずれかをコードする核酸配列を分 離または合成し、この核酸配列を適当な宿主内で核酸配列を発現することのでき る適当な発現ベクターに連結し、この宿主を本核酸配列を連結した発現ベクター で形質転換し、この核酸配列の発現に適する条件下にこの宿主を培養して、選択 した核酸配列がコードする蛋白質を宿主に発現させる各段階を包含する工法によ って製造してもよい。好ましくは次に、このポリペプチドを宿主細胞培養物から 回収する。この工法ではこの連結段階をさらにこの核酸を適当な分泌シグナルに 作動可能に連結して宿主がこのアミノ酸配列を分泌するようにこの核酸を適当な 発現べクターに連結するような計画をしてもよい。この分泌シグナルはリーダー 配列、例えばstII、lamB、ヘルペスgD、lpp、アルカリホスファタ ーゼ、インベルターゼ、およびアルファ因子のものなどから構成される群から選 択してもよく、好ましくはstIIである。 本発明はさらに本明細書に記載する合成物の治療的な応用にまで展開される。 そこで本発明は本発明の合成物および医薬的に許容される添加剤を含む医薬的組 成物を包含する。これらの分子を含む医薬的組成物は脈管病および炎症性反応を 包含する血栓性または凝固障害性関連の疾患または障害の処置または予防に使用 できる。これらの応用には、例えばTF−FVIIaの阻害が指示される哺乳類 を処置する方法であって、その哺乳類に医薬的組成物を医薬的に有効な用量投与 することを包含する。このような適応症は深部静脈血栓症、動脈血栓症、術後血 栓症、冠動脈バイパス移植(CABG)、経皮経管冠動脈形成術(PTCA)、 発作、腫瘍転移、炎症、敗血症ショック、低血圧、ARDSおよびDICを包含 する。本発明の組成物はまた血栓溶解療法におけるアジュバントとしても使用で きよう。 図面の簡単な説明 図1は凝固、接触、フィブリン分解、炎症および補体の各経路を変調する酵素 およびメディエーターを選んで、その概要を図式的に描く。これら経路の活性化 は記載してある臨床的な病状に誘導することがある。 図2は合成物の例示的なモデルを描く。この合成物はTFドメイン、活性部位 阻害ドメイン(APPI)、およびリンカードメインを有する融合蛋白質からな る。この分子のTF部分には、分解能2.4Åで決定されたTFの構造(Mul lerなど、(1994年)、前出)を使用した。クニッツ型ドメインはAPP Iで決定された構造(Hynesほか、(1990年)、前出)に基づく。残基 22個のポリペプチドリンカーはクニッツドメインのC末端をTFのN−末端に 結合するための伸長された立体配座に設計した。両末端間の距離は約60Åであ る。TFのC−末端は分子の下端にある。 図3は代表的なハイブリッド蛋白質合成物の細菌での発現のための融合遺伝子 の構築を図式的に描く。このプラスミドの融合遺伝子とプロモーター領域のみを 示す。この融合遺伝子はTF7I−Cクニッツ型ドメインをコードするpst/ BamHl断片とpZTFAAおよび化学合成的に調製したオリゴヌクレオチド とを連結することによって構築した。 図4は代表的なハイブリッド分子の様々な精製段階で得た試料が示す代表的な ポリアクリルアミドゲルの見取図を描く。この各段階は細胞を凍結−解凍し、次 に浸透圧的ショックを与えて周縁細胞質ショック産物を得る工程(レーン1)、 D3モノクローナル抗組織因子抗体を使用する免疫親和性クロマトグラフィーで TF含有蛋白質を分離する工程(レーン2)、および続いてサイズ排除クロマト グラフィーによゥて高分子量分子種を除去する工程(レーン3)である。 図5はリンカーモジュール1〜6個を有する融合蛋白質(KDTFI〜KDT F6)がTF−FVIIa依存性FX活性化におよぼす効果を描く。融合蛋白質 によるTF−FVIIa相互作用の阻害はFX活性化検定法によって定量した。 この検定は100pM−FVIIaを1nM−阻害剤と共に5mM−CaCl2 含有TBS、pH7.5、中で1時間インキュベーションし、次に10nM−膜 結合TFを含む溶液1/20倍容を添加して行った。さらに1時間インキュベー ションした後、FXを190nMまで添加した。適当な時間後に適量を採取し、 50mM−EDTA等容で反応を止めた。次に反応停止試料中の活性化FXaを SPECTROZYMETM−FXaを発色性基質に用いて定量した。 図6は代表的なハイブリッド分子KDTF5(▼)、可溶性K165A、K1 66A−TF突然変異体(hTFAA)(■)およびTF−FVIIaに対する クニッツ型セリンプロテアーゼ阻害剤TF7I−C(●)によるTF−FVII aの阻害を描く。数値は2倍濃厚なFVIIaおよび膜TFを用い、様々な阻害 剤濃度を用いる修正FX活性化検定法で測定した。Ki*測定は速度分率対阻害剤 濃度のデータを等式1(下記)に適合させることによって行った。 図7はTF−FVIIa阻害剤がプロトロンビン(PT)時間検定法によって 測定した血液凝固時間におよぼす効果を描く。凝固は阻害剤を含有するクエン酸 添加ヒト血漿と膜結合TF(mTF)およびCaCl2を含む溶液とを等容混合 して開始した。凝固時間延長倍数は阻害剤存在下の凝固時間を不在下(PBS対 照)の凝固時間で割った商であるとして定義した。後者の凝固時間は53.2± 2.7秒であった。KDTF5(▼)、TF7I−C(●)、hTFAA(■) およびTF7I−CとhTFAAとの等モル混合物(▲)のデータを示す。 図8は活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)検定法によって測定し た血液凝固時間に及ぼすTF−FVIIa阻害剤の効果を描く。試料(クエン酸 添加ヒト血漿および阻害剤)と活性化剤(Intrumentation・La boratories社のセファリン+活性化剤APTT試薬)とを混合して7 0秒間37℃でインキュベーションし、次にCaCl2を添加して凝固時間を測 定した。凝固時間の延長倍数は指定濃度の阻害剤存在下における凝固時間を不在 下(PBS対照)における凝固時間で割った商として定義した。後者の凝固時間 は63.7±9.0秒であった。KDTF5(▼)、TF7I−C(●)、hT FAA(■)およびTF7I−CとhTFAAとの等モル混合物(▲)について データを示す。 好適な態様の詳細な説明 定義 本明細書で使用する略号には次のものを含む:第IXa因子をFIXa;第X Ia因子をFXIa;第Xa因子をFXa;組織因子をTF;第VII因子チモ ーゲンをFVII;第VIIa因子をFVIIa;組織因子−第VIIa因子複 合体をTF−FVIIa;FVIIおよび/またはFVIIaをFVII/FV IIa;塩基性膵トリプシン阻害剤をBPTI;アルツハイマーアミロイドβ− 蛋白質前駆体阻害剤のクニッツプロテアーゼ阻害ドメインをAPPI(Hyne sほか、(1990年)、前出);アミノ酸配列Gly−Gly−Gly−Gl y−Serを有するアミノ酸5個のポリペプチドを−(Gly)4−Serおよ びG4S;組織因子経路阻害剤をTFPI;見掛けの平衡解離定数をKi*;プロ トロンビン時間をPT;活性化部分トロンボプラスチン時間をAPTT;と略記 する。 TF−FVIIa仲介または関連過程またはイベントまたはこれと等価に血漿 FVIIaに関連する活性は、本発明によればTF−FVIIaの存在を必要と するイベントのいずれかである。血液凝固体形成の一般的機構はGanongが 「医学生理学(Medical・hysiology)」、13版、Lange 社、Lost・Altos・CA、411〜414頁、(1987年)に綜説を 書いている。血液凝固には2種の経路、すなわち血小板凝集を誘導するトロン ビン生産および血小板プラグを安定化するフィブリン形成の双方を必要とする。 図1に略記するように、この経路は各々別々のプロ酵素およびプロ補助因子の存 在を必要とする数段階を含む。この過程はフィブリンの交差結合および血栓形成 で終了する。フィブリノーゲンはトロンビンの作用でフィブリンに変換される。 その前にトロンビンはプロトロンビンの蛋白質分解的切断によって形成される。 この蛋白質分解は活性化された血小板表面に結合するFXaによって行われ、F Vaとカルシウムの存在下にプロトロンビンを切断する。TF−FVIIaは凝 固の外因性経路によるFXの蛋白質分解的活性化のために必要である。それ故、 TF−FVIIaが仲介または関連する過程またはFVIIaに関連する活性に はTF−FVIIa複合体形成からフィブリン血小板凝血形成までおよび最初に TF−FVIIaの存在を必要とするものなど凝固カスケードにおけるいずれの 段階も含む。例えばTF−FVIIa複合体はFXをFXaへ、FIXをFIX aへ、およびこれに加えてFVIIをFVIIaへ、の活性化によって外因性経 路を開始する。TF−FVIIa媒介または関連プロセスまたはFVIIa活性 はたとえばRoy,S.、(1991年)、J.Biol.Chem.、266 巻:4665〜4668頁およびO’Brien,D.ほか、(1988年)、 J.Clin.Invest.、82巻:206〜212頁に記載されたように して第VII因子およびその他の必要な試薬の存在下に第X因子を第Xa因子に 変換するもののような標準的な検定法を採用すれば容易に測定できる。 TF−FVIIa関連疾患または障害はフィブリン形成に関連する慢性血塞性 疾患または障害を意味し、たとえば深部脈管血栓症、動脈血栓症、発作、腫瘍転 移、血栓分解、動脈硬化症および血管形成術後の再狭窄のような脈管病、たとえ ば炎症、敗血症ショック、毒血症、低血圧、成人呼吸困難症候群(ARDS)、 汎発性血管内血液凝固(DIC)およびその他の疾患のような急性および慢性の 徴候を含む。TF−FVIIa関連障害はたとえば前記のような生体内凝固疾患 に限定されるものではなく、たとえば透析操作、血液濾過または外科手術の間の 血液バイパスのような操作で患者から連続して移動する血液を含むたとえば体外 血液循環に起因する血液凝固のような生体外TF−FVIIa関連過程も含む。 用語「組織因子蛋白質」および「野生型組織因子」は天然起源哺乳類組織因子 に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドまたは天然起源組織因子のアミノ 酸配列を有し、血漿FVII/FVIIaとの相互作用を経て血液凝固を誘導す ることのできる組換え組織因子を示すために使用する。天然起源TFにはヒトの 分子種ならびにたとえばウサギ、ラット、ブタ、人以外の霊長類、ウマ、マウス およびヒツジの組織因子ようなその他の動物種の組織因子を含む。哺乳類組織因 子蛋白質のアミノ酸配列は一般的に知られているか、または通常の技術によって 入手できる。ヒトの配列ならびにアミノ酸に与えた番号はMorrissey, J.H.らが(1987年)、50巻:129頁に記載したものである。 「hTFAA」および「K165A:K166AsTF」は前記のヒトのTF アミノ酸1からアミノ酸219までのアミノ酸配列を有する可溶性組織因子蛋白 質変異体であるが、その165位および166位にある天然起源Lysアミノ酸 がAla残基で置換されたものを示す。 アミノ酸の「置換」は野生型組織因子のアミノ酸を化学的または酵素的または その他の適当な手段で野生型アミノ酸以外の基に置き換えることを意味する。 用語「クニッツ型セリンプロテアーゼ阻害ドメイン」、「クニッツ型ドメイン 」、「クニッツドメイン」、「KD」、その他は本明細書では互換的に使用され てアミノ酸約58残基のポリペプチドを示し、セリンプロテアーゼ阻害剤BPT I(ウシ膵トリプシン阻害剤;CreightonとCharles、(198 7年)、Cold・Spring・Harbor・Symp.Quant.Bi ol.、52巻:511〜519頁)とシステイン残基の保存によって特徴付け られ、最初に結晶型で1936年に分離されたものである(Kunitz,M. とNorthop,J.H.、(1936年)、J.Gen.Physiol. 、19巻:991〜1007頁)。クニッツドメインはシステイン残基の配置、 3次元折り畳み、および構造的特徴を共有する。一群の蛋白質が1個、2個また は3個のクニッツドメインを含むことが確認されている。この群には;LACI (リポ蛋白質−関連凝固阻害剤;TFPIとも呼ばれる;Broze,Jr.G .J.ほか、(1990年)、Biochemistry、29巻:7539〜 754 6頁);APPI(アルツハイマーアミロイドβ−蛋白質前駆体;Hynes, T.R.、(1990年)、Biochemistry、29巻:10018〜 10022頁);ヒトVI型コラーゲンのα−3鎖(WO93/14119参照 )およびインター−α−トリプシン阻害剤(Hochstrasser,K.E .、(1985年)、Biol.Chem.Hoppe−Seyler、366 巻:473頁)を包含する。 クニッツドメインは特異的間隔をあけてシステイン6個を含み、これが天然に はジスルフィド結合として存在する(Bode,W.とHuber,R.、(1 992年)、Eur.J.Biochem.、204巻:433〜451頁)。 このジスルフィド橋3個が蛋白質を安定化し、クニッツドメインの第三次元的折 り畳み特性の原因の一部である。58残基クニッツ型セリンプロテアーゼBPT IおよびAPPIでは、システインは第5、14、30、38、51および55 位に存在する。ジスルフィド橋1個を除去しても構造的に著しい変化は伴わない (Eigenbrot,C.ほか(1990年)、Protein・Eng.、 3巻:591〜598頁。 クニッツドメイン型セリンプロテアーゼ阻害剤の結晶構造はBPTIおよびA PPI(Hynes,T.R.ほか(1990年)、Biochem.、29巻 :10018〜10022)について決定された。中心にある逆平行的な3本鎖 のβ−シートおよびC−末端のα−ヘリックスがこのドメインのコアを形成する (Bode,W.とHuber,R.、前出)。このコアドメインのセグメント が正しく折り畳まれた蛋白質の露出した一次結合ループを支える骨格を形成する (本明細書中に定義する「一次結合ループ」)(Bode,W.とHuber, R.、前出)。第二次結合ループは一次結合ループとともにクニッツドメインと 同族プロテアーゼ標的との間の接触面を規定することに関与している(Rueh lman,A.ほか、(1973年)、J.Mol.Biol.、77巻:41 7〜436頁)。 クニッツドメインの「一次結合ループ」(APPIの11〜19残基)は P5−P4−P3−P2−P1−P1'−P2'−P3'−P4' で表される。用語「P1」は本明細書では前記で定義したこのセリンプロテアー ゼ阻害剤の切断されるペプチド結合に先行する位置を示すために使用する。同様 にして「P1'」はこの阻害剤の切断されるペプチド結合の後の位置を示すために 使用する。数字が増すものはペプチド切断結合の前方(たとえばP2およびP3) および後方(たとえばP2'およびP3')に連続する順番の位置を示す。残基番号 はP1位が残基15であるようにBPTIのものに対応している。 FVIIaを参照して本明細書使用する用語「活性部位」その他は触媒的部位 およびチモーゲン基質の結合部位を示し、FVIIaの「S1」部位を含み、こ の語はSchecter,I.とBerger,A.が(1967年)、Bio chem.Biophys.Res.Commun.、27巻:157〜162 頁で命名したものである。 用語「アミノ酸」は本発明の範囲内では天然起源L−α−アミノ酸または残基 を意味する。各アミノ酸について通常に使用される用語および三文字略号をこの 明細書では使用する(Lehninger,A.L.、「Biochemist ry」、第2版、71〜92頁(1975年)、Worth・Publishe rs社、ニューヨーク)。本発明実施のモード 本発明のハイブリッド分子は特徴的なドメインを少なくとも2個持っている。 本発明の各分子はFVII/FVIIaの活性部位に結合する第VIIa因子活 性部位阻害ドメインおよび補助因子結合部位における蛋白質−蛋白質相互作用に よってFVIIa/FVIIaに結合する組織因子ドメインを含有する。本発明 に従えば、この活性部位阻害ドメインは組織因子ドメインのN−末端に、好まし くは柔軟なアミノ酸リンカードメインを通して、結合する。 1.組織因子ドメイン 本発明合成物の組織因子ドメインは、例えば哺乳類組織因子蛋白質のアミノ酸 配列へのアミノ酸置換、挿入、または欠失によるもの、または脱グリコシル化ま たは非グリコシル化組織因子分子を含むグリコシル化変異によるものなど、組織 因子蛋白質の変異体の一つであって、少なくとも第VII因子/第VIIa因子 に結合する性能を保持しながら、組織因子が血液凝固を誘導する性能を中和する ことができる。特定の態様では、FVIIaとの複合体にある時のTFドメイン は第X因子から第Xa因子生成物への変換を触媒する性能が低下している。そこ で本発明の組織因子ドメインは、これに限定するものではないが、第VII因子 /第VIIa因子の補助因子結合部位について野生型組織因子と競合し、そこで 血液凝固カスケードで野生型組織因子が補助因子として作用するのを中和または 予防するものと信じられる。 本発明の組織因子ドメインは存在する組織因子蛋白質が外因性凝固経路を経て 血液凝固を誘導することを阻害または中和することができる(Bach,R.、 (1988年)、CRC・Crit.Rev.Biochem.、23巻:33 9〜368頁参照)。熟練した専門家は認識することになるが、用語「中和」は 相対的な用語である。そこで本発明の組織因子ドメインの生物学的活性を記述す るために使用する時には、用語「中和する」は標準的クロモーゲン検定法(Ro y,S.、(1991年)、J.Biol.Chem.、266巻:4665〜 4668頁;O’Brien,D.ほか、(1988年)、J.Clin.In vest.、82巻:206〜212頁参照)において野生型組織因子に10倍 モル過剰に添加する時に第VII因子およびその他の必要な試薬の存在下に第X 因子から第Xa因子への変換を少なくとも50%阻害する組織因子蛋白質変異体 を意味する。この組織因子ドメインは5倍モル過剰で少なくとも50%阻害する ものが好ましく、2倍モル過剰で少なくとも50%阻害するものがさらに好まし いことになる。さらに好適な態様では本発明の組織因子ドメインは野生型の組織 因子蛋白質と1:1化学量論的比率で存在する時に第X因子から第Xa因子への 変換を少なくとも50%阻害する。本発明によればTFドメインはこれに限定す るものではないが、全長の燐脂質会合組織因子ドメインであって膜貫通ドメイン と細胞質ドメインを有するものならびに野生型組織因子の膜貫通ドメインおよび /または細胞質ドメインの全部または一部が欠失したTFドメインを包含する。 従って、前記クロモーゲン検定法で本発明TFドメインの生物学的活性を測定す るに際し、野生型組織因子の型は特定被験TFドメインに対応させる。それ故、 野生型組織因子の膜貫通ドメインの全部または一部を含み、また燐脂質会合全長 TFドメインは類似した燐脂質環境下において膜貫通ドメインの全部または一部 を含む対応する型の野生型TFとの生物学的検定で検査する。同様にして膜貫通 ドメインおよび細胞質ドメインを除去した可溶性TFドメインは膜貫通ドメイン および細胞質ドメインを除去した野生型TFドメインで検定する。 本蛋白質がFVII/FVIIaに結合することが本発明TFドメインの特徴 である。従って本発明のTFドメインは野生型TF蛋白質とFVII/FVII aへのTFの結合に必要な残基を共有する。「FVII/FVIIaへの結合」 は本発明のTFドメインは生理学的濃度での結合についてTFドメインが野生型 TFと競合できる程度にFVII/FVIIaに結合する性能を持つことを意味 する。TFドメインの中で好適なものはたとえばKelleyほか、(1995 年)、前出、に記載のような標準的な結合検定法によって測定するとFVII/ FVIIaについて約10.0ピコモル(pM)と約1マイクロモル(μM)と の間のKDを持つものである。さらに好ましくはこのTFドメインはFVII/ FVIIaについて約10pMと約10ナノモル(nM)との間、最も好ましく は約10pMと1nMとの間のKDを持つ。 熟練した専門家はFVIIa結合に寄与するTFの残基を認識することになる (Kelleyほか、(1995年)、前出;Gibbsほか、(1994年) 、前出;Rufほか、(1994年)、Biochemistry、33巻:1 565〜1572頁;Schullekほか、(1994年)、J.Biol. Chem.、269巻:19399〜19043頁;Mullerほか、(19 94年)、33巻:10864〜10869頁)。本発明によれば、TFドメイ ンは野生型TFと少なくとも前記FVIIa/FVII結合のために必要な残基 を共有する。好ましくは、この組織因子ドメインは野生型組織因子蛋白質との間 に少なくとも約80%、さらに好ましくは約85〜95%の配列相同性を共有す るものとしたい。 TFドメインはこれに限定するものではないが、膜貫通ドメインおよび細胞質 ドメインの両方を有する全長の膜結合または燐脂質関連組織因子ドメインを包含 する。このTFドメインはまた野生型組織因子の膜貫通ドメインおよび/または 細胞質ドメインの全部または一部が欠失する組織因子ドメインも包含する。従っ て、この分子の組織因子ドメインはカルボキシル末端膜アンカー部分および細胞 質部分が除去された可溶性蛋白質としても作成できる。これとは別に、TF蛋白 質を膜アンカーを有する膜内在性蛋白質としても製造できる。完全な膜アンカー ドメインを持つ組織因子ドメインはリポソーム剤のような燐脂質組成物とともに 提供される。 本発明のTFドメインの中で好適なものは、野生型組織因子の膜貫通ドメイン および細胞質ドメインの全部または一部が除かれたTFドメインである。本発明 のこの側面に従えば、このTFドメインは野生型組織因子のN−末端フィブロネ クチンIII型ドメインの少なくとも一部を含む。好ましくはこのTFドメイン は少なくとも野生型組織因子の1〜102位アミノ酸を含む。より好ましくは、 本発明のTFドメインは野生型組織因子の両フィブロネクチンIII型ドメイン を含む。好ましくは、本発明のこの側面によれば少なくとも野生型TFの1〜2 19位アミノ酸が存在する。 本発明のTFドメインはFVII/FVIIaを結合する性能を保持し、さら に前記の野生型組織因子の凝固促進活性を中和することのできるポリペプチドを 含む。例として、全長野生型TFに沿った特定アミノ酸の置換、挿入または欠失 はFVIIaに対する補助因子として作用する性能の低下したTF変異体を産生 する。熟練した専門家はTFの凝固促進機能に寄与する野生型TFの残基を認識 することになる。例えば157〜168位アミノ酸の領域にある残基はTF−F VIIaの凝固促進機能に寄与する(Kelleyほか、(1995年)、前出 ;Rufほか、(1992年)、前出)が、FVII/FVIIa結合には重要 ではない。本発明に従えば、これらのアミノ酸の全部または一部を選択的に置換 するかまたは欠失させて、FVII/FVIIaには結合するが野生型組織因子 の凝固促進活性を中和することができるTFドメインを提供する。 好適な態様において、野生型組織因子のTrp158、Lys159、Ser 163、Gly164、Lys165、Lys166、およびTyr185残基 の一部または全部を選択的に置換または欠失させて本発明のTFドメインを提供 する。好適な置換は米国特許第5346991号に記載されており、生理学的な pHで実質的に正に帯電した側鎖を有するもの以外のアミノ酸による置換を包含 する。例示的な置換にはTrp158Phe、Lys159Ala、Ser16 3Ala、Lys165Ala、Lys166Ala、およびTyr185Al aの一部または全部を含む。本発明の最も好適な側面では、TF補助因子機能に 重要であるがFVIIa複合体形成を阻害しない165位および166位リジン 残基(Royほか、(1991年)、J.Biol.Chem.、266巻:2 2063頁;Rufほか、(1992年)、J.Biol.Chem.、267 巻:6375頁)を選択的に置換する。それ故、本発明の好適な側面に従えば、 少なくとも野生型組織因子の165位および166位の残基を選択的に置換して FVII/FVIIaを結合する性能は保持するが、前記のような補助因子とし て作用する性能が低下した分子を得る。 特定的側面では、これらの残基のアラニン置換は好適である。しかし、TF− FVIIa複合体が触媒するFX活性化(Rufほか、(1992年)、前出) の率を低下させるいずれの置換も適当である。165位および166位のリジン 残基は、FVIIa結合に重要なことが突然変異誘発実験から判明している残基 (Kelleyほか、(1995年)、前出)とは反対側の分子表面に存在する TFのフィブロネクチンIII型ドメインのC−末端に存在する。 本発明の好適な組織因子ドメインは、ここに開示を参考のために特に引用する 「心筋梗塞および凝固障害性疾患の処置に有用な組織因子突然変異体」と題する 米国特許第5346991号が記載している。この特許は内因性組織因子が血液 凝固を誘導する性能を阻害することのできる組織因子変異体の作製を記載する。 これらの変異体は正に帯電した165位と166位アミノ酸残基の一方または両 方を生理学的pHで実質的に正に帯電する側鎖を持たないα−アミノ酸で置換し たものである。これらの変異体には野生型組織因子の細胞質部分244〜263 残基ならびに膜貫通領域220〜243残基が除去された前記ヒト組織因子の分 子を含む。これらいずれの組織因子変異体も適切に本発明のTFドメインを形成 することもある。国際公表WO94/28017号もFVII/FVIIaを結 合することができるが凝固促進性補助因子活性の低下したTF変異体を記載して いる。これに記載された分子の中で最も適当な分子は野生型組織因子蛋白質に相 同的なアミノ酸配列を持つ組織因子蛋白質であって、その分子ではTF補助因子 機能に関連するアミノ酸の少なくとも1個が選択的に置換、欠失または移動され てFVII/FVIIaを結合する性能は保持するが前記補助因子として作用す る性能が低下した分子を与える。 2.活性部位ドメイン 本発明に従えば、本合成物の「活性部位阻害ドメイン」は第VIIa因子活性 部位に指向する阻害剤の数群のいずれかから選択してもよい。これらの活性部位 阻害剤は本発明の目的からは広義に:i)FVIIaの活性部位を可逆的に結合 し、第VIIa因子によって切断される活性部位阻害剤;ii)第VIIa因子 の活性部位に可逆的に結合するが切断されない活性部位阻害剤;およびiii) 第VIIa因子活性部位に不可逆的に結合する活性部位阻害剤;に分類される。 セリンプロテアーゼ阻害剤の綜説としては「プロテイナーゼ阻害剤(Prote inase・Inhibitors)」、(細胞および組織生理学における研究 論文集、12版、Elsevier科学出版社、ニューヨーク、1990年)を 参照。 第一の群では、第VIIa因子の活性部位に可逆的に結合し、その活性部位で 切断される活性部位阻害ドメインであるクニッツ型およびカザル型セリンプロテ アーゼ阻害剤は好適であり、中でもクニッツ型が最も好適である。可逆的な活性 部位阻害ドメインは、たとえばイオン結合、疎水性相互作用または水素結合のよ うな非共有結合的相互作用によって第VIIa因子の活性部位に結合する。熟練 した専門家はクニッツドメインをセリンプロテアーゼに遅く、強固に結合する可 逆的な阻害剤であると認識している。 本発明のクニッツドメイン活性部位阻害ドメインにはいずれの既知哺乳類クニ ッツ型ドメインも包含するが、特にクニッツドメインAPPI(ヒトのアルツハ イマー病アミロイドβ−蛋白質前駆体から、Castro,M.ほか、(199 0年)、FEBS・Lett.、267巻:207〜212頁)の残基1〜58 ;ヒトのTFPI(組織因子蛋白質阻害剤またはLACI、Broze・Jr. G.J.ほか、(1990年)、Biochemistry、29巻:7539 〜7546頁)のTFPI−KDI(残基22〜79)、TFPI−KD2(残 基93〜150)およびTFPI−KD3(残基185〜242);ヒトのイン ター−α−トリプシン阻害剤(Vetr,H.ほか、(1989年)、FEBS ・Lett.、245巻:137〜140頁)のITI−KDIおよびITI− KD2(残基22〜79および78〜135);コラーゲンα3(VI)鎖前駆 体(Chu,M.L.、(1990年)ほか、EMBO・J.、9巻:385〜 393頁)のコラーゲンα3(VI)(残基2899〜2956);ヒトのクニ ッツ型プロテアーゼ阻害剤HKIB9(Norris,K.、Genbankデ ータベース、(1993年12月31日、リリース39.0)、1994年1月 19日付託)のHKIB9(7〜60);BPTI(1〜58)、アプロチニン ;ウシ塩基性膵トリプシン阻害剤(Creighton,T.E.とCharl es,I.G.、(1987年)、Cold・Spring・Harbor・S ymp.Quant.Biol.、52巻:511〜519頁);を包含する。 クニッツ型セリンプロテアーゼの中で好適なものはFVIIaに十分な親和性で 結合してこの分子を可逆的に阻害する分子である。これはクニッツ型ドメインが FVIIaに結合して常用の検定法(下記)によって測定されるFVIIaの触 媒的作用を阻害することができることを意味する。このような分子はTF−FV IIaに関する見掛けの解離定数(K1*)が約100nMまたはそれ以下、より 好まし くはこの分子は見掛けの解離定数約10nMまたはそれ以下を有する。クニッツ 型のドメインの中で最も好適なものはTF−FVIIaについて約5nMまたは それ以下のK1*を持つものである。 見掛けの平衡解離定数(K1*)はクニッツ型ドメインとFVIIaセリンプロ テアーゼとの相互作用について観察(Bode,W.とR.Huber)(19 92年)、Eur.J.Biochem.、204巻:433〜451頁;La skowski,M.Jr.とI.Kato、(1980年)、Annu.Re v.Biochem.、49巻:593〜626頁)されているような、強固に 結合する阻害剤について酵素および阻害剤が可逆的な1:1化学量論的複合体を 形成すると仮定して誘導した方法(Bieth,J.、(1974年)、Pro teinase・Inhibitors、463〜469頁;Williams ,J.W.とMorrison,J.F.、(1979年)、Meth.Enz ymol.、63巻:437〜467頁)を用いて測定する。得られたデータは 非線形回帰分析によって等式1: [式中、Vi/V0は活性率(安定状態の阻害速度を非阻害速度で割った商)であ る;[E0]は全FVIIa濃度である;および[I0]は全阻害剤濃度である] に適合させる。 これらに限定するものではなく例示として好適なクニッツ型ドメインはアミノ 酸58個の骨格構造を持ち、その11〜19位アミノ酸はセリンプロテアーゼの 活性部位に適合する一次結合ループに対応する。一次結合ループにある特定アミ ノ酸配列を有するクニッツ型ドメインは前記のように好適な阻害を示す。前記の ように第VIIa因子の好適な阻害を示す例示的なクニッツドメインはP5位に Pro;P4位にGly;P3位にPro、Val、LeuまたはTrp;P2 位にCys;P1位にArg、LysまたはMet;P1'位にAla;P2'位に Leu、MetまたはIle;P3'位にMet、Ile、LeuまたはTyr; およびP4'位にLeu、LysまたはArgを持つクニッツ型ドメインである。 本発明による好適なクニッツ型ドメインは、34位(P19')Phe、Val、 Ile、TrpまたはTyr;38位(P23')Cys;および39位(P24') His)TyrまたはGlyによっても特徴付けられる。 例示的なクニッツ型活性部位阻害ドメインは国際公表WO95/23860号 にも記載され、構造式I:によって表される。 この式によれば、P5〜P4’、P19’、P23’およびP24’は前記の ものから選択され、R1はAPPIのアミノ酸1〜10、VREVCSEQAE (配列番号1);TFPI−KD1のアミノ酸22〜31、MHSFCAFKA D(配列番号2);TFPI−KD2のアミノ酸93〜102、KPDFCFL EED(配列番号3);TFPI−KD3のアミノ酸185〜194、GPSW CLTPAD(配列番号4);ITI−KD1のアミノ酸22〜31、KEDS CQLGYS(配列番号5);ITI−KD2のアミノ酸78〜87、TVAA CNLPIV(配列番号6);HKIB9のアミノ酸1〜10、LPNVCAF PME(配列番号7);およびBPTIのアミノ酸1〜10、RPDFCLEP PY(配列番号8)から選択される。 R2はAPPIのアミノ酸20〜33、RWYFDVTEGKCAPF(配列 番号9);TFPI−KD1のアミノ酸41〜54、RFFFNIFTRQCE EF(配列番号10);TFPI−KD2のアミノ酸112〜125、RYFY NNQTKQCERF(配列番号11);TFPI−KD3のアミノ酸204〜 217、RFYYNSVIGKCRPF(配列番号12);ITI−KD1のア ミノ酸41〜54、RYFYNGTSMACETF(配列番号13);ITI− KD2のアミノ酸97〜110、LWAFDAVKGKCVLF(配列番号14 );コラーゲンα3(VI)のアミノ酸2918〜2931、KWYYDPNT KSCARF(配列番号15);HKIB9のアミノ酸20〜33、RWFFN F ETGECELF(配列番号16);およびBPTIのアミノ酸20〜33、R YFYNAKAGLCQTF(配列番号17)から選択される。 R3はYGGおよびYSGの群から選択される。 R4はAPPIのアミノ酸40〜58、(Met52Ala)GNRNNFD TEEYCAAVCGSA(配列番号18);APPIのアミノ酸40〜58、 GNRNNFDTEEYCMAVCGSA(配列番号19);TFPI−KD1 のアミノ酸61〜79、GNQNRFESLEECKKMCTRD(配列番号2 0);TFPI−KD2のアミノ酸132〜150、GNMNNFETLEEC KNICEDG(配列番号21);TFPI−KD3のアミノ酸224〜242 、GNENNFTSKQECLRACKKG(配列番号22);ITI−KD1 のアミノ酸61〜79、GNGNNFVTEKECLQTCRTV(配列番号2 3);ITI−KD2のアミノ酸117〜135、GNGNKFYSEKECR EYCGVP(配列番号24);コラーゲンα3(VI)のアミノ酸2938〜 2956、GNENKFGSQKECEKVCAPV(配列番号25);HK1 B9のアミノ酸40〜58、GNSNNFLRKEKCEKFCKFT(配列番 号26);およびBPTIのアミノ酸40〜58、AKRNNFKSAEDCM RTCGGA(配列番号27)から選択される。 好適なクニッツ型活性部位阻害ドメインにおいて、R1は配列VREVCSE QAE(配列番号1)、R2は配列RWYFDVTEGKCAPF(配列番号9 );R3は配列YGG;およびR4は配列GNRNNFDTEEYCAAVCGS A(配列番号18)またはGNRNNFDTEEYCMAVCGSA(配列番号 19)を持つ。 それ故、好適なクニッツ型活性部位阻害ドメインには次表のものを含む: 当業者はクニッツ型活性部位阻害ドメインについてはクニッツ型ドメインの全 部または一部を本発明の活性部位阻害ドメインとして使用してもよいことを理解 するであろう。十分な親和性で可逆的に結合してFVIIaを阻害するクニッツ ドメインのいかなる部分も第VIIa因子活性部位ドメインとするのに十分であ る。このような分子は一般的にクニッツドメインの少なくともP1およびP1'残 基を含み、好ましくはクニッツドメインの一次結合ループのP5からP4'までを 含有する。 本発明の活性部位阻害基は不可逆的なFVIIaセリンプロテアーゼ阻害剤で あってもよい。そのような不可逆的活性部位阻害ドメインは一般に第VIIa因 子活性部位と共有結合を形成する。このような不可逆的阻害剤には一般的なセリ ンプロテアーゼ阻害剤、たとえばぺプチドクロロメチルケトン(William sほか、(1989年)、J.Biol.Chem.、264巻:7536〜7 540頁参照)またはぺプチジルクロロメタン;アザペプチド;たとえば種々の グアニジノベンゾエート誘導体および3−アルコキシ−4−クロロイソクマリン のようなアシル化剤;たとえばフェニルメチルスルホニルフルオライド(PMS F)、ジイソプロピルフルオロホスフェート(DEP)、トシルプロピルクロロ メチルケトン(TPCK)およびトシルリジルクロロメチルケトン(TLCK) のようなスルホニルフルオリド;ニトロフェニルスルホネートおよび関連化合物 ;たとえばイソクマリンおよびクマリンのようなへテロ環状プロテアーゼ阻害剤 を包含する。 3.リンカー 本発明によれば、組織因子ドメインは好ましくはそのN−末端が、柔軟なリン カードメインを介して、ハイブリッド分子のFVII/FVIIa活性部位阻害 ドメインに結合する。本発明ハイブリッド分子のリンカー成分は必ずしも分子の FVII/FVIIaへの結合に関与する必要はない。それ故本発明によればこ のリンカードメインはFVII/FVIIa活性部位阻害ドメインと組織因子ド メインとの間を空間的橋渡しするこの分子の中のいずれかの基である。 このリンカードメインは様々な長さと仕様のものであってもよいが、しかしな がら、本発明によれば重要なのはリンカードメインの長さであってその構造では ない。このリンカードメインはハイブリッド分子の活性部位ドメインをFVII /FVIIaのセリンプロテアーゼ活性部位溝に適合させ、その分子の組織因子 ドメインをFVII/FVIIa分子にあるTF結合部位に結合させるものが好 ましい。それ故に、リンカードメインの長さはこのハイブリッド分子の「機能」 ドメイン2個の特性に依存する。 この分野の熟練者は距離の知られた種々の結合に基づいて(Morrison とBoyd「有機化学(Organic・Chemistry)」、3版、Al lynとBacon社、ボストン、MA(1977年))、様々な原子の結合が 様々な長さの分子を提供することを認識することになる。例えば、リンカードメ インは様々な長さのポリペプチドであってもよい。このポリペプチドのアミノ酸 組成はリンカーの特性および長さを決定する。好適な態様では、リンカー分子は 柔軟で親水性のポリペプチド鎖を構成する。例としては、このリンカードメイン は[(Gly)4−Ser]単位を1個またはそれ以上含有する。 好適な側面では、活性部位阻害ドメインはクニッツ型セリンプロテアーゼ阻害 剤であり、TFドメインはhTFAAであって、リンカードメインは約30Åま たはそれ以上の距離をへだてるアミノ酸5個から35個までの間を含むポリペプ チドである。より好ましくは、このリンカーは20個から30個までの間のアミ ノ酸を含む約60Åまたはそれ以上の距離をへだてる。最も好ましくはこのリン カーはアミノ酸約22個から27個のポリペプチドであって、約4個から5個の [(Gly)4−Ser]単位を含む。 4.合成 本発明のハイブリッド分子は当技術分野でよく知られている様々な技術によっ て合成してもよい。これらには組換えDNA技術、固相合成、液相合成、有機化 学合成技術またはこれらの技術の組合せを含む。合成法の選択は作製すべき特定 分子に依存することになる。例えば、態様の一つでは本発明のハイブリッド分子 は本質が完全な「蛋白質」ではなく、組換え技術および液相技術の組合せによっ て合成される。 例えば、アミノ酸または蛋白質部分および非蛋白質部分の双方を含む本発明の ハイブリッド分子の合成では一般に分子の蛋白質部分を下記のような組換え技術 で合成し、続いて分子の非蛋白質部分を固相または液相法によって蛋白質部分に 結合してこの分子を得る。 この分子の蛋白質部分と非蛋白質部分の結合には化学的結合法が好適である。 この操作法ではたとえば反応性基を1個またはそれ以上有して蛋白質および非蛋 白質分子の部位1個所以上と反応できる分子のような慣例的な交差結合試薬を採 用する。生体内で非癌原性で非毒性であって実質的に非免疫原的性質を持ち生適 合性のある交差結合剤が好適である。典型的にはこの交差結合剤は分子の蛋白質 部分にあるアミノ基またはスルフヒドリル基と、非蛋白質部分にあるヒドロキシ ル、アミノ、アルデヒドまたはカルボン酸基とで共有結合的に結合する。分子を 交差結合する方法に関する綜説はMeansとFeaney、(1990年)、 Bioconjugate・Chemistry、1巻:2〜12頁に記載され ている。 本発明のハイブリッド蛋白質の組換え合成のための蛋白質をコードするDNA を製造するために採用しうる様々な技術がある。例えば得られる蛋白質のアミノ 酸配列における変化をコードする天然起源DNA配列に基づいてDNAを誘導す ることが可能である。この突然変異体DNAを相互に連結して本発明のハイブリ ッド分子を得るために使用できる。これらの技術は単純化された形で組織因子ド メインをコードする遺伝子および、たとえば構造式Iで示されるクニッツ型ドメ インのような活性部位阻害ドメインをコードする遺伝子を得;この遺伝子を、た とえば以下に記述するような組換え技術によって修正し;これらの遺伝子を種々 の長さのリンカーモジュールをコードする遺伝子を隔てて適当な発現べクターに 挿入し;このベクターを適当な宿主細胞に挿入し:この宿主細胞を培養してハイ ブリッド分子の発現を起こさせ;そこに産生された分子を精製すること;を意図 している。 これより幾分か特定的なものでは、本発明の双官能分子をコードするDNA配 列はDNA配列の合成的構築によって得られる(Sambrook,J.ほか、 「分子クローニング(Molecular・Cloning)」、第2版、Co ld・Spring・Harbor・Laboratory、N.Y.、(19 89年))。 例えば、野生型組織因子をコードする発現べクターを得、部位特異的突然変異 誘発(Kunkelほか、(1991年)、Meth.Enzymol.、20 4巻:125〜139頁;Carter,P.ほか、(1986年)、Nucl eic・Acids・Res.、13巻:4331頁;Zoller,M.J. ほか(1982年)、Nucleic・Acids・Res.、10巻:648 7頁)、カセット突然変異誘発(Wells,J.A.ほか、(1985年)、 Gene)、34巻:315頁)または制限選択突然変異誘発(Wells,J .A.ほか、(1986年)、Philos.Trans.R.Soc.Lon don・Ser.A.、317巻:415頁)に付してこの分子の組織因子ドメ インを得る。次に、突然変異体DNAを使用して活性部位阻害ドメインをコード するDNAを含む発現ベクターに挿入しうる。次に同じ発現べクターに、たとえ ば[(Gly)4−Ser]単位1個またはそれ以上のように様々な長さのリン カードメインをコードするDNA配列を挿入しうる。 オリゴヌクレオチド媒介突然変異誘発は本発明の組織因子変異体およびクニッ ツ型活性部位阻害ドメインをコードするDNAを製造するに好適な方法である。 この技術は当技術分野でよく知られており、Adelmannほか、(1983 年)、DNA)第2巻:183頁に記載されている。略述すれば、野生型の組織 因子または例えばAPPIなどのクニッツ型ドメインの在来型または非変換型の DNAをDNA鋳型への所望の突然変異をコードするオリゴヌクレオチドにハイ ブリッド化させることによって変化させる。なお、その鋳型は無変化または在来 型DNA配列を含むプラスミドまたはバクテリオファージ1本鎖型である 次にこれらの変異体をコードするDNAをリンカードメインをコードするDN A配列を隔てて適当なプラスミドまたはべクターに挿入する。このベクターを用 いて宿主細胞を形質転換する。一般に宿主細胞に適合する種に由来する複製配列 および制御配列を含むプラスミドベクターをそれら宿主に使用する。通常、この ベクターは複製部位ならびに形質転換細胞での表現型選択を可能にしうる蛋白質 をコードする配列を有する。 例えば、大腸菌は大腸菌の1種から誘導したプラスミド、pBR322(Ma ndel,M.ほか、(1970年)、J.Mol.Biol.、53巻:15 4頁)を使用して形質転換するとよい。プラスミドpBR322はアンピシリン およびテトラサイクリン耐性遺伝子を含有し、選択のために簡単な方法を提供す る。その他のベクターにはたとえば発現で重要になることが多い様々なプロモー ターのような様々な特徴を含む。例えば、プラスミドpKK223−3、pDR 720、およびpPL−ラムダはtac、trp)およびPL−プロモーターを 有し、現在入手可能な(Pharmacia・Biotechnology社) 発現ベクターを代表する。 その他の好適なベクターは標準的な技術を用いて本明細書に記載するべクター の適切な特質を組合せることによって構築できる。このべクターの適切な特質に はプロモーター、リボソーム結合部位、変異体遺伝子または遺伝子融合、シグナ ル配列、抗生物質耐性マーカー、コピー数、および適当な複製開始点を含む。 大腸菌ではクニッツドメインは無処理分泌蛋白質(Castro,M.ほか、 (1990年)、FEBS・Lett.、267巻:207〜212頁)、細胞 内発現蛋白質(Altman,J.D.ほか、(1991年)、Protein ・Eng.、4巻:593〜600頁)または融合蛋白質(Sinha,S.ほ か、(1991年)、J.Biol.Chem.、266巻:21011〜21 013頁;Lauritzen,C.ほか、(1991年)、Prot.Exp ress.Purif.、2巻:372〜378頁;Auerswald,E. A.ほか、(1988年)、Biol.Chem.Hoppe−Seyler、 369巻:27〜35頁)として発現されている。 この宿主細胞は原核生物でも真核生物でもよい。原核生物はDNA配列をクロ ーニングおよび発現して親ポリエプチド、セグメント置換ポリペプチド、残基置 換ポリペプチドおよびポリペプチド変異体を産生するために好適である。例えば 大腸菌K12の294株(ATCC31446)は大腸菌B株、大腸菌X177 6株(ATCC31537)、大腸菌c600およびc600hf1株、大腸菌 W3110株(F−、ガンマー、原栄養/ATCC27325)、たとえば枯草 菌のようなバチルス属菌、およびたとえばサルモネラ・ティフムリウムまたはセ ラチア・マルセッセンスのようなその他の腸内細菌科の菌および種々のシュード モナス種と同様に使用できる。好適な原核生物は大腸菌W3110株(ATCC 27325)である。原核生物で発現すると、このポリペプチドは典型的にはN −末端メチオニンまたはホルミルメチオニンを含み、グリコシル化はされない。 勿論これらの例は限定ではなく、例示である。 原核生物の他に、たとえば酵母培養物または多細胞生物から誘導した細胞のよ うな真核生物を使用してもよい。原理的にそのような細胞培養物はいずれも作動 可能である。しかしながら、脊椎動物細胞が最も関心が高く、培養物中での脊椎 動物細胞の増殖(組織培養)が再現性ある操作法になっている(「組織培養(T issue・Culture)」、Academic・Press社、Krus eとPatterson編、[1973年])。このような有用な宿主細胞系統 の例にはVEROおよびHeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO) 細胞系統、W138、293、BHK、COS−7およびMDCK細胞系統があ る。クニッツドメインを製造するために酵母発現系が使用されている(Wagn er,S.L.ほか、(1992年)、Biochem.Biophys.Re s.Commun.、186巻:1138〜1145頁;Vedvick,T. ほか、(1991年)、J.Indust.Microbiol.、7巻:19 7〜202頁)。特に酵母Pichia・pastorisはSaccharo myces・cerevisiae・α・のメーティング因子のプレプロシグナ ル配列とPichia・pastorisのアルコールオキシダーゼAOX1プ ロモーターおよび終結配列とを用いて成功裏に使用された。他の酵母発現べクタ ーおよび異種蛋白質を発現するために通常使用する宿主も意図している。 5.組成物 TFドメインおよびFVIIa活性部位ドメインを含む本発明のハイブリッド 分子は典型的には意図する使用に適する組成物の形で提供する。TFドメインを 含む本発明のハイブリッド分子はたとえば本明細書に記載するhTFAA型のよ うな可溶性の形に製造できる。本発明のこの側面によれば本分子の組織因子ドメ インを膜アンカーなしにして製造する。これとは別に組織因子ドメインは膜アン カーのある全長膜会合型としても製造できる。 本発明のハイブリッド分子は野生型組織因子の膜貫通ドメインの全部または一 部を含むTFドメインを含んでいてもよい。本発明によれば膜アンカードメイン を含むTFドメインを含む二官能性分子を穏やかな界面活性剤または燐脂質(P L)を含む組成物に形成することは好適である。膜アンカーまたは膜貫通ドメイ ンを含む全長TFドメインを有する本発明の組成物はその生物学的活性を維持し ており、好ましくは燐脂質とともに製剤化する。国際公表WO94/28017 号は本発明の組成物に適当であるTFドメインを含む燐脂質組成物の調製を記載 している。 WO94/28017号に記載されており、本発明医薬的組成物に適する好適 な組成物は最高の安定性および生物学的活性を与える燐脂質組成物である。この 燐脂質組成物は当技術分野で一般によく知られているように好ましくはリポソー ム組成物として形成するように製剤化する。記載のように、本発明のリポソーム 組成物に使用するために適当な燐脂質は炭素原子12個から20個を有する飽和 または不飽和の脂肪酸を含む物を包含する。本発明によって使用するための好適 な燐脂質にはホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン (PE)、ホスファチジルグリセリン(PG)およびホスファチジルセリン(P S)を包含する。これらの燐脂質はいずれの天然起源から由来してもよく、その 燐脂質はそれ自体として異なる脂肪酸を有する分子から構成されていてもよい。 異なる起源からの燐脂質からなる燐脂質混合物を使用してもよい。例えばPC、 PGおよびPEは卵黄から製造してもよく;PSは動物の脳および脊髄から製造 してもよい。これらの燐脂質は同様にして合成的起源から由来してもよい。この 燐脂質を適当な比率で好都合に混合して、本発明組成物を製造するために用いる 燐脂質混合物を製造する。 リポソームの製造法は一般によく知られており既に記載されている。リポソー ムの製法の例示にはリポソームの逆添加(米国特許第5104661号参照)、 または脂質ベシクルへのアンホテリシンBの混入について記載された様式を含む (たとえばLopez−Berensteinほか、(1985年)、J.In fect.Dis.、151巻:704〜710頁;Lopez−Berens tein、(1987年)、Antimicrob.Agents・Chemo ther.、31巻:675〜678頁;Lopez−Berensteinほ か、(1984年)、J.Infect.Dis.、150巻:278〜283 頁;およびMehtaほか、(1984年)、Biochem.Biophys .Acta、770巻:230〜234頁参照)。サーキュレーション時間の強 化 されたリポソームは米国特許第5013556号に記載されているようにして製 造してもよい。 こうして態様の一つでは、本発明はリポソームの形におけるハイブリッド分子 の製造法であって、その分子がTFドメイン部分を有し、そのリポソームの脂質 性二層とともにTF膜アンカードメインが二層性脂質を経て挿入されているよう なものを意図している。 本発明の他の適当な組成物は医薬的に許容される担体を有する前記組成物のい ずれをも包含するが、その担体の性質は例えば経口投与には通常固体担体、血管 内投与には液体塩溶液担体など投与方法によって異なる。 本発明の組成物は本発明の対象および本発明の蛋白質に適合する医薬的に許容 される成分を含む。これらは一般に懸濁剤、液剤およびエリキシール剤および特 にたとえば燐酸緩衝食塩水、食塩水、ダルベッコの培地、その他のような生物学 的緩衝液を包含する。エアロゾルを使用してもよく、または澱粉、糖類、微結晶 性セルロース、希釈剤、顆粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、その他(経口投与用 固体製剤の場合には、たとえば粉剤、カプセル剤および錠剤のようなもの)を使 用してもよい。 本明細書で使用する用語「医薬的に許容される」は一般的に連邦または州政府 の規制機関が承認したものまたは米国薬局方に列記されているもの、またはその 他の一般に認識されている動物、特にヒトに使用するための調剤書に列記されて いるものを意味する。 選択すべき製剤化は種々の前記緩衝液または、例えば医薬級マンニトール、乳 糖、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウムセルロース、炭酸 マグネシウム、その他、を包含する添加剤をも使用して達成できる。本組成物の 「PEG化」は当技術分野で知られている技術(例えば、国際特許公表WO92 /16555号;Enzonへの米国特許第5122614号;および国際特許 公表WO92/00748号参照)を使用して達成してもよい。経口用組成物は 液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、持続性放出剤、または粉剤の形であっ てもよい。 6.治療法 本発明の双官能性分子はTF−FVIIa複合体の生物学的作用を予防する目 的で治療に使用できる。TF−FVIIaの阻害はTF−FVIIa依存性血液 凝固の低下を意図する時に望ましい。これに限定するものではないがこれらの症 例には血栓溶解療法に伴う動脈再血栓症の予防を含む。TF−FVIIaは深部 脈管血栓症、動脈血栓症、発作、DIC、敗血症ショック、心肺バイパス手術、 成人呼吸困難症候群、先天性血管浮腫を含む、種々の臨床的容体に重要な役割を 果たしていることが示唆されている。それ故、TF−FVIIaの阻害剤は炎症 および/または血栓症の調節に重要な役割を果たすことがある。 そこで本発明は治療的有効量の本発明のハイブリッド分子を必要とする患者に 投与することを含むヒトでTF−FVIIaが媒介するイベントを予防する方法 を含む。本発明のハイブリッド分子の治療的有効量は所望の効果を達成するよう に予め決定しておく。治療に採用する量は治療対象、投与経路および処置すべき 病状に依存して変化することになる。従って、投与する用量は存在するFVII /FVIIaに結合して不活性な複合体を形成して、処置する対象で血液凝固を 低下させるに十分な用量である。 治療的有効性はTF−FVIIa依存性凝固に関連する症状の1種またはそれ 以上の改善によって測定される。このような治療的有効用量は熟練した専門家に よって決定され、処置すべき対象の年齢条件、病状、性および病状に依存して変 化するものである。全身的投与についての適当な用量範囲は典型的には投与経路 に依存して約1μg/kgから約100mg/kgまたはそれ以上までの間であ る。本発明によれば、好適な治療的用量は約1μg/kg体重と約5mg/kg 体重の間である。例えば適当な臨床管理条件は意図する治療に特定される範囲の 血中濃度を維持するに十分な静脈注射または点滴を包含する。 本発明のポリペプチドを含む医薬的組成物は非経口、局所、経口、または局部 (たとえばエアロゾルまたは経皮剤)、またはこれらの組合せのいずれかを含む 適当な様式で投与してもよい。適当な臨床管理には最初の静脈内大量注射および それに続く1回またはそれ以上の間隔を置いた反復投与を含む。 例えば血栓溶解療法の過程で血栓閉塞の再形成を予防するためなどに本発明の 組成物を血栓溶解剤と組合せて投与する時には、治療的有効用量の血栓溶解剤は 通常の用量範囲の約80から100%の間である。血栓溶解剤の通常の用量範囲 は治療で使用する日用量であって、臨床担当医には容易に入手可能(「フィジシ ャンズ・デスク・レファレンシズ(Physicians・Desk・Refe rences)」、1994年、50版、Edward・R.Barnhart 出版社)である。典型的な用量範囲は採用する血栓溶解剤に依存し、組織プラス ミノーゲン活性化剤(t−PA)、では0.5から約5mg/kg体重;ストレ プトキナーゼでは140000から25000000単位/患者;ウロキナーゼ では500000から625000単位/患者;およびアニソール化ストレプト キナーゼ・プラスミノーゲンアクチベータ複合体(ASPAC)では0.1から 約10単位/kg体重になろう。 本明細書で使用する組成物は時間的には少なくとも本発明の分子および少なく とも1種の血栓溶解剤を含む単一用量剤型を含む。時間的にはまた多回用量型で あって、本発明の分子を別々に投与するが、たとえば順次投与のように別々の投 与2回によって同時発生的に投与するものを含むことを意味する。これらの組合 せおよび組成物は、閉塞血栓の溶解を起こす閉塞血栓を溶解するかまたは形成を 予防するように作用する。 本発明の別の側面によれば、たとえばこのハイブリッド分子を例えば人工弁、 プロテーゼ、ステント、またはカテーテルなどを通過する血液の体外潅流で遭遇 するような生体外凝血を予防するために用いうる。本発明のこの側面によれば、 体外装置を本発明の組成物で被覆して外因性活性化経路に基づくクロット形成の 危険を低下させる。 限定のためではなく、例示のために以下の実施例を提示する。本明細書に開示 する引用文献は全て参考のために開示を明示的に引用するものである。 実施例 材料 ヒトの第VIIa因子、第X因子、第Xa因子はHaematologic・ Technologies社(Essex・Jct.VT)から購入した。膜組 織因子(mTF)は組換え、全長(残基1〜263)、ヒトTFを発現するヒト の胚腎細胞系統(293)を超音波処理して調製した(Paborsky,L. R.ほか、(1990年)、Protein・Engineering、3巻: 547〜553頁)。ウシのトリプシン、4−メチルウンベリフェリル・p−グ アニジノベンゾエート、およびCHAPSはSigma・Chemicals社 から購入した。ウシの血清アルブミン(BSA)、画分VはCalbioche m社(ラホヤ、CA)から入手した。Nα−ベンゾイル-L−アルギニン−p− ニトロアニリドはBachem・California社(トーランス、CA) から購入した。ヒトプラスミン、S−2302、S−2251およびS−236 6はKabi・Vitrum社(スウェーデン)から購入し、SPECTROZ YMETMFXaはAmerican・Diagnostica社(グリニッチ、 CT)から購入したもので、CHROMOZYMTMt−PAはBoehring er・Mannheim社からのものである。その他の試薬は全て商業的に入手 できる最高級品である。実施例1 融合蛋白質の構築および発現 組織因子−クニッツドメイン融合蛋白質をコードするプラスミドは大腸菌から の分泌によるhTFAA発現用に設計されたプラスミドpZTFAA(Kell ey,R.F.ほか、(1995年)、Biochemistry、34巻:1 0383〜10392頁)から構築した。図3に示す通り、pZTFAAの発現 ユニットはhTFAAのN−末端に結合するstIIシグナル配列を有し、転写 はアルカリホスファターゼプロモーター(phoA)によって運用される。pZ TFAAは単鎖または二重鎖型プラスミドの複製に必要なエレメントを有する。 TF7I−Cクニッツドメインのコード配列をプラスミドpA4G32−TF7 I−C(Dennis,M.S.とLazarus,R.A.、J.Biol. Chem.、(1994年)、269巻:2219〜22136頁)からPst IおよびBamHIによる制限酵素消化で切出した。hTFAAのC−末端に結 合したクニッツドメインを有する融合蛋白質をコードする遺伝子の構築にはSa cII制限酵素部位をオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発によってpZTF AAに導入した(Kunkel,T.A.ほか、Methods・in・Enz ymology、(1987年)、154巻:367〜382頁)。得られたプ ラスミドをSacIIおよびSphIで消化し、続いてクニッツドメインのPs tI/BamHI断片と連結したが、オリゴヌクレオチドリンカー2種は化学合 成によって製造した。リンカーの一つはSacII/PstIの結合端を有し、 G4Sモジュール1コピーをコードし、クニッツドメインのN−末端と正しい読 取り枠内でhTFAAと融合するように設計した。第二のリンカーはBamHI /Sphl結合端を有し、構築の停止コドンを供給する。hTFAAのN−末端 に接続するクニッツドメインを有する融合蛋白質遺伝子の構築には、pZTFA AをstIIとhTFAAセグメントとの間の結合でDNAを切断するNsiI で切断した。NsiIで切断したプラスミドをPstI/BamHIクニッツド メイン断片と連結し、オリゴヌクレオチドリンカーは化学的合成法によって調製 した。リンカーの一つはNsiI/PstI結合端を持ち、stIIシグナル配 列と枠内でクニッツドメインを結合する。第二のリンカーはBamHI/Nsi I結合端を持ち、G4Sモジュール1個をコードし、hTFAAのN−末端と枠 内でクニッツドメインを結合する。停止コドンはpZTFAAに由来する。多重 コピーのG4Sモジュールを持つ融合遺伝子はTFKD1またはKDTF1にあ る適当な制限酵素部位の間に(G4S)n単位をコードする化学的に合成したオリ ゴヌクレオチドを挿入することによって構築した。TFKD1にはSacII/ PstI部位を用い、KDTF1にはBamHI/NsiI部位を用いた。融合 遺伝子はすべてジデオキシヌクレオチド配列決定法(Sanger,F.ほか、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA、(1977年)、74巻:5 463〜5467頁)によって確認した。 融合蛋白質をコードするファージミドで大腸菌W3310から発現用に誘導さ れた大腸菌33B6を形質転換した。一夜飽和した培養物(1%)を用いて発酵 タンク内の培地10Lに植菌した。発酵は文献記載(Carter,P.ほか、 Bio/Technology、(1992年)、10巻:163〜167頁) の通りであるが、温度は37℃でなく30℃で行った。stIIシグナル配列の ために融合蛋白質は細胞周縁質内に分泌された。植菌後32時間目に遠心分離し て細胞を収集し、−20℃で凍結保存した。実施例2 融合蛋白質の精製 大腸菌細胞のペーストから融合蛋白質を抽出し、抗−TFモノクローナル抗体 (D3)カラムを用いる免疫親和性クロマトグラフィー(Paborsky,L .R.ほか、Biochemistry、(1989年)、28巻:8072〜 8077頁)によって可溶性組織因子の突然変異体について記載通りに(Kel ley,R.F.ほか、(1995年)、Biochemistry、34巻: 10383〜10392頁)精製した。場合によっては最終的な燐酸緩衝液食塩 水と平衡させたスーパーデックス75(Pharmacia社)カラムを用いる サイズ排除クロマトグラフィー段階を導入して高質量オリゴマーから融合蛋白質 モノマーを精製した。融合蛋白質の精製過程は図4に示す通りにSDS−PAG Eで追跡した。この操作は高度に精製された融合蛋白質を与えた。精製された各 試料を、蛋白質質量が所望の分子組成と一致することを検証するためにアーティ キュレート電子スプレー源を装着したSciex−API3質量スペクトル計に よる分析に供した。ウマミオグロブリン多荷電イオン(MW=16951Da) を用いて装置を補正した。質量スペクトルによる分析結果を表Iに示し、これら の融合蛋白質が期待される分子組成を持つことを証明する。精製融合蛋白質の濃 度は3方法で測定した(表I):1)D3抗体によるhTFAAの検出、2)ト リプシンの滴定によるクニッツドメインの測定、および3)全蛋白質濃度を測定 するための吸光度測定。3法全て同様な濃度を与えた。質量スペクトルのデータ とともに考慮して、これらの結果はこれら融合蛋白質は無変化体であって、融合 蛋白質内にあってもクニッツドメインおよびTFドメインの両方とも機能がある ことを証明する。 試験した融合蛋白質は短縮記号KDTFnまたはTFKDnを用いて表Iに列 挙する。ここにnはG4Sリンカー単位の数を示す整数である。この記号では、 TFはhTFAAを示す。KDはTF7I−cクニッツドメインを示す。TFに 続くKD(TFKD1)はKDドメインがそのN−末端でぺプチドリンカーを経 てhTFAAのC−末端に結合する融合蛋白質を示す。KDに続くTF(KDT F1)はKDのC末端がぺプチドリンカーを経てhTFAAのN-末端に結合し た融合蛋白質を示す。 表I 精製融合蛋白質の特徴付け。 在来のジスルフィド結合した立体配座にある融合蛋白質から予測した質量を第 2列に示す。質量スペクトル分析の結果を第3列に示す。第4〜6列は各融合蛋 白質の代表的製造物についてBIAcoreTMフローセルに固定化したD3モノ クローナル抗体への結合を基に決定した濃度(TFドメインの構造的/機能的完 全さに関する検定法)、トリプシン阻害(クニッツドメインの構造的/機能的完 全さに関する検定法)、および280nmにおける吸光度(全蛋白質)である。 ND=未測定。実施例3 融合蛋白質はTF−FVIIa依存性第X因子の活性化を阻害する 融合蛋白質の膜組織因子(mTF)−第VIIa因子(mTF−FVIIa) 複合体の触媒機能を阻害する相対的力価をFX活性化検定法を用いて評価した。 この検定法ではFXをmTF−FVIIaの溶液に加え、FXa形成速度を測定 する。適量を様々な時間に採取し、EDTA添加によってカルシウムをキレート 化して反応を停止し、次に形成されたFXaの量をFXa特異的基質SPECT ROZYMETM FXaを用いて測定する。SPECTROZYMETM FXaの FXa分解はカルシウムを必要としない。SPECTROZYMETM FXaの 加水分解は405nMにおける吸光度測定によって監視する。この速度を用いて FXa濃度を精製FXaで構築した標準曲線を参照して算出してもよい。FX活 性化検定法はマイクロタイター形式で行い、吸光度の変化をDeltaSoft IIソフトウエア(Biometallics社)を搭載したマキントッシュI Ici型コンピュータに制御されたSLTEAR340ATプレートリーダーで 監視した。KaleidaGraph第3版(Synergy・Softwar e社)を用いて非線形回帰分析を行った。 活性化の検定には200μL容積中、mTF、FVIIaおよびFXを最終濃 度各500pM、100pMおよび190nMで使用した。添加するなら阻害剤 は最終濃度1nMで存在させた。この溶液は50mM−トリス−HCl、pH8 、150mM−NaClおよび5mM−CaCl2も含有した。FVIIa貯蔵 溶液の濃度は定量したTF7I−C試料での活性部位滴定およびFVIIaの基 質としてCHROMOZYMTMt−PAを使用することによって決定した。TF 7I−Cの濃度は4−メチルウンベリフェリル・p−グアニジノベンゾエートを 用いて活性部位滴定しておいたトリプシンを用いる滴定で正確に決定した(Ja meson,G.W.ほか、(1973年)、Biochem.J.、131巻 :107〜117頁)。80nM−トリプシンプラス適量の希釈した阻害剤を5 0mM−トリス、pH8.0、100mM−NaCl、10mM−CaCl2、 および0.05%TRITONTMX−100中で室温で1時間インキュベーショ ンした後、5mM−N−ベンゾイル-L−アルギニン−p−ニトロアニリド20 μLを加えて全容150μLとした。次に405nmで吸光度変化を監視した。 阻害剤とトリプシンまたはFVIIaとの1:1化学量論を仮定して濃度を決定 した。次にmTF濃度を活性部位定量したFVIIaの溶液を添加した後のCH ROMOZYMTMt−PA加水分解速度の増加から決定した。FXおよびFXa 濃度は製造社が提供したものである。 融合蛋白質の阻害活性試験ではFVIIaを融合蛋白質と37℃で1時間イン キュベーションした後、mTFを添加した。mTF添加後、37℃でのインキュ ベーションをさらに1時間継続した後、基質FXを添加した。反応時間は基質添 加時に開始し、様々な時間に25μL容を採取して等容の50mM−EDTAと 混合した。形成したFXaを第Xa因子緩衝液(10X=0.2M−HEPES pH7.4、1.5M−NaCl、0.25M−EDTA、1%PEG−800 0)を最終濃度1Xまで加え、続いて0.5mM−SPECTROZYMETMF Xaを添加することによって測定した。各時点の最終容積は200μLであり、 SPECTROZYMETMFXa加水分解速度は405nmの吸光度変化で監視 したものをmOD/分で報告する。 mTF−FVIIaが触媒するFX活性化に及ぼす1nM−阻害剤の効果を図 5に示す。1nM−濃度でTF7I−CまたはhTFAA単独のFXa生成速度 は非阻害対照と同等である。融合蛋白質KDTF1およびTFKD1もFX活性 化速度には殆ど影響しなかった。対照的にKDTF2はFX活性化を僅かに阻害 した。リンカーがさらに長い融合蛋白質では阻害の程度が増大して、KDTF5 融合蛋白質では完全な阻害が観察された。KDTF4はKDTF5と等価と思わ れるが、KDTF6およびKDTF7は僅かに弱い阻害剤であった。これらのデ ータはクニッツドメインとhTFAAドメインを適当な長さのリンカーで結合す ることによって強力な阻害剤が得られることを示す。このシリーズで最善のリン カーは伸展された立体配座におけるポリペプチド鎖の長さが45〜60Åに対応 するG4Sモジュール4個または5個を持つ。実施例4 平衡解離定数の測定 FX活性化の見掛けの平衡解離定数(Ki*)をhTFAA、TF7−Cおよび KDTF5について測定した。これらの実験はFVIIaとmTFの濃度を各々 200pMおよび1nMとし、阻害剤濃度を変化させたこと以外は実施例3に記 載のとおりに行った。標準曲線は精製FXa(Hematech社)でSPEC TROZYMETMFXaを加水分解し、各測定時点で観測される加水分解速度を 生成したFXaの濃度に変換して構築した。次にこれらのデータを分析して最小 自乗回帰によって阻害剤の各濃度についてFXa生成の初速を算出した。各初速 を非阻害速度と比較して各阻害剤濃度におけるFX活性化速度の変化率を得た。 これらの値を図6にプロットする。非線形回帰分析には等式1を使用してhTF AA、TF7I−CおよびKDTF5について、各々160±19nM、3.8 ±0.5nMおよび2±6pMのKi*値を得た。長さ約60Åと推定されるリン カーへのhTFAAおよびTF7−Cの融合が阻害剤力価を少なくとも100倍 増加させたことは明らかである。等式1 [等式中、[E0]は酵素濃度である。[I0]は阻害剤濃度である。Viは[ I0]の存在下におけるFXa生成の初速である。V0は阻害剤の不在下における 初速である]実施例5 血液凝固の検定 凝固時間はACL300Research・Coagulation分析機を 使用して測定した。プロトロンビン時間(PT)検定では、インキュベーション 時間を120秒および獲得時間を600秒に設定した。全長TFを発現する29 3細胞から得た膜(Paborsky,L.R.ほか、(1989年)、Bio chemistry、28巻:8072〜8077頁)を25mM−CaCl2 と混合しておいた。クエン酸添加正常ヒト血漿および阻害剤を合わせて少なくと も5分間インキュベーションした後に検定した。37℃で2分間インキュベーシ ョンした後に、試料(血漿および阻害剤)および試薬(CaCl2/TF)を自 動的に混合した。凝固時間は光学的評価によって決定した。全容積160μL中 の最終濃度は阻害剤が0.028から5.6μM、mTFが0.5nM、CaC l2が12.5mM、および血漿が50%であった。 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)検定では、活性化時間を70 秒および獲得時間を360秒に設定した。クエン酸添加正常ヒト血漿および阻害 剤を合わせて少なくとも5分間インキュベーションした後に検定した。試料(血 漿および阻害剤)および活性化剤(Instrumentation・Labo ratories社、Cephalin+Activator・APTT試薬) を自動的にピペットで添加し、37℃で70秒間インキュベーションして、次に CaCl2を添加し、凝固時間を光学的評価で決定した。全容積200μL中の 最終濃度は阻害剤が0.028から5.6μM、活性化剤が10%、CaCl2 が10.0mM、および血漿が50.0%であった。 結果−融合蛋白質KDTF5は図7に示す通りPT検定では非常に強い凝固阻害 を示した。KDTF5はTF7I−CまたはhTFAA単独よりも強力で、TF 7I−CとhTFAAの混合物で観測される用量よりも低用量で阻害した。KD TF5は凝固時間2倍延長を阻害剤濃度約800nMで示した。TF7I−Cと hTFAAの等モル混合物では2倍延長は1.9μMで示した。hTFAA単独 は凝固時間2倍増加を4μM−濃度で示したが、TF7I−Cでは試験した最高 濃度でも2倍延長を示さなかった。このデータはKDTF5はTF依存性血液凝 固の強力な阻害剤であって、これらの阻害剤2種の非共有結合混合物より強力な 力価を有することを示す。 図8に示す通り、KDTF5は以前に観測されたTF7I−C単独のAPTT 検定による血液凝固時間に及ぼす効果(Dennis,M.S.とLazaru s,R.A.、J.Biol.Chem.、269巻:22129〜22136 頁[1994年])を保持していた。KDTF5およびTF7I−CとhTFA Aとの非共有結合混合物は共に血液凝固内因性経路の阻害についてはTF7I− C単独よりも僅かに強力であった。阻害剤濃度約200nMのKDTF5または TF7I−C/hTFAA混合物はいずれも凝固時間2倍延長を示した。濃度4 00nMのTF7I−Cが凝固時間2倍延長に必要であった。試験した濃度では hTFAA単独はAPTT検定で測定する血液凝固時間に効果を示さなかった。実施例6 ウサギの深部内側創傷モデルによる抗血栓力価の測定 雄性ニュージーランド白色ウサギ(〜4kg)をケタミン/キシラジンのIM 注射で麻酔して外科的麻酔相とする。ウサギを拘束ボードに仰臥位に固定し、3 7℃に加温し、頚部と大腿内側を剃毛する。テフロンカテーテルを耳辺縁静脈お よび大腿動脈に各々薬剤送達および試料採取のために装着する。処置前に血液試 料を採取して凝固試験(APTTおよびPT)を行う。出血時間を後肢爪の小皮 に作った切創から評価する。頚部領域を切開し、左総頚動脈とその分枝を外科的 に露出する。超音波流動プローブ(Transonics(商標))を総頚動脈 −内頚動脈分岐から約5cm尾側の総頚動脈に装着する。血流が安定なベースラ インに到達した後、薬剤(食塩水または被験化合物)を耳辺縁静脈に注入する。 次に収縮した塞栓切除カテーテル(Fogarty(商標)、3F社)を舌枝の 切開部を経て総頚動脈内腔に挿入する。動脈を通る血流を一次的に止め、その間 にカテーテルを挿入して2−0シルクタイで切開部に緩く固定する。カテーテル を装着して固定した後に血流を再開する。収縮バルーンを血流プローブの2mm 以内まで進め、血管壁の抵抗が感じられるまで食塩水で膨張させる。カテーテル を定速で第一分岐点まで後退し、次に収縮させる。 この操作を各実験動物で数回反復し、その後カテーテルを除去する。カテーテ ル初回挿入から除去までのバルーン操作は約3分から5分を要し、長さ1.5か ら2cmの傷害領域を与える。血液試料を40分間に採取してPT測定を行い、 爪小皮出血時間を評価し、頚動脈を流れる血流を監視する。開存の時間は測定可 能な血流が動脈に検出される全時間長(最大値=40分間)として定義する。開 存率は頚動脈血流≧5分間を示す被験動物の百分率を示す。 実験終了後、ウサギを安楽死させ、頚動脈を摘出して切開する。血栓が存在す れば取り出してブロットし、重量を測定する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07K 14/745 C07K 14/81 14/81 A61K 37/02 (C12N 1/21 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 リー,ジョフリー・エフ アメリカ合衆国94044カリフォルニア州パ シフィカ、メイソン・ドライブ1170番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a)第VIIa因子(「FVIIa」)活性部位阻害ドメイン; b)リンカードメイン;および c)組織因子(「TF」)ドメイン を含む融合蛋白質。 2.そのFVIIa活性部位阻害ドメインが可逆的セリンプロテアーゼ阻害 剤である請求項1の融合蛋白質。 3.そのFVIIa活性部位阻害ドメインが不可逆的セリンプロテアーゼ阻 害剤である請求項1の融合蛋白質。 4.その可逆的セリンプロテアーゼ阻害剤がクニッツドメイン(「KD」) を含む請求項2の融合蛋白質。 5.そのリンカードメインが−(Gly)4−Ser−リンカーモジュール を含む請求項4の融合蛋白質。 6.そのリンカードメインが−(Gly)4−Ser−リンカーモジュール を4個含む請求項5の融合蛋白質。 7.そのリンカードメインが−(Gly)4−Ser−リンカーモジュール を5個含む請求項5の融合蛋白質。 8.式: KD−[(Gly)4−Ser]X−TF [式中、KDは第VIIa因子のクニッツ型活性部位阻害剤である; Xは1と10との間の整数である;および TFは組織因子ドメインである] で示される請求項3の融合蛋白質。 9.その組織因子変異体がhTFAAである請求項8の融合蛋白質。 10.そのKDがTF7I−Cである請求項9の融合蛋白質。 11.そのXが4である請求項10の融合蛋白質。 12.そのXが5である請求項10の融合蛋白質。 13.医薬的に許容される添加剤および請求項1の融合蛋白質を包含する医薬 的組成物。 14.TF−第VIIa因子(FVIIa)の凝固促進作用を阻害するために 十分な量の請求項1の融合蛋白質にFVIIaを接触させることを包含するこの ヒトFVIIaの凝固促進作用を阻害する方法。 15.哺乳類に請求項13の組成物を治療的有効量投与することを含む、ヒト 組織因子−第VIIa因子(TF−FVIIa)の血液凝固促進作用を哺乳類の 体内で阻害する方法。 16.さらにその組成物を血栓溶解剤と組合せて投与することを含む請求項1 5の方法。 17.さらにその組成物を抗凝固剤と組合せて投与することを含む請求項15 の方法。 18.哺乳類に請求項13の組成物を医薬的有効量投与することを含む第VI Ia因子の阻害が指示されている哺乳類を処置する方法。 19.請求項8の融合蛋白質をコードする分離されたDNA分子。 20.さらにそのDNA分子に作動可能に結合する発現制御配列を含む請求項 19のDNA分子。 21.そのベクターで形質転換された宿主細胞がその制御配列を認識する請求 項20のDNA分子を含む発現ベクター。 22.プラスミドである請求項21のベクター。 23.請求項22のプラスミドで形質転換された宿主細胞。 24.その阻害剤の発現に適する条件下に請求項23の宿主細胞を培養するこ とを含む宿主細胞中でセリンプロテアーゼ阻害剤をコードするDNA分子を発現 する方法。 25.さらに培養培地から阻害剤を回収することを含む請求項24の方法。
JP9-521312A 1995-12-04 1996-11-22 第VIIa因子の新規阻害剤 Pending JP2000503528A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/566,459 1995-12-01
US08/566,800 1995-12-04

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