【発明の詳細な説明】
増殖性動脈疾患の診断および治療におけるRC−9の使用発明の分野
本出願は概して冠動脈疾患に関与するタンパク質に関する。発明の背景
進行した多血管性冠動脈疾患の治療として経皮経管冠動脈拡張術(PTCA)
を行うことは、過去10年間で指数的に増加している。しかしながら、この拡張
術の長期的な効果は、この拡張術を施した患者の40%ほどに観察される、血管
再狭窄が高率で発生することで有意に限定される(P.Libby ら、Circulation
,86(増補III) :47-52(1992))。この手術に関連して結果的に生じる新内膜
形成は、幾つかの異なる細胞型と活発に関与し、幾つかの相にて生じる動的な過
程である(A.N.Clowes ら、Lab.Invest.49:208-215(1983))。最初の応答
は、本質は、局所的な炎症反応に発展する可能性のある、多くの異なるサイトカ
インおよび成長因子を分泌するT−リンパ球およびマクロファージが関与する1
次炎症である。第2期は再狭窄病変の主要細胞成分、血管平滑筋細胞(VSMC
)が関与し、この反応ではこれらの因子は内膜に移動し、可溶性の成長および化
学走性因子を分泌し、増殖する(Libbyら、前掲(1992);Clowesら、前掲(1983);R
.Ross、Nature362:801-809(1993);およびE.R.O'Brien ら、Circ.Res.
73:223-231(1993))。これらの活性化VSMCはまた細胞外マトリックスをも
分泌する。第3期は損傷後の最後の数週間であり、慢性的な繊維増殖性病変形成
を特徴とする(Ross、前掲(1993))。バルーン血管形成に対する細胞応答は
かなりよく特徴づけされているが、PTCAに伴う新内膜形成を妨げる効果的な
抗再狭窄の薬理学的な補助的手段は未だない。
同種異型移植片阻害因子(AIF)は同種異型移植片拒絶の診断および治療に
有用であると記載されている。ラットおよびヒトAIFの配列は1995年6月
29日発行のWO95/17506に記されている。
当該分野において必要とされるのは、かかる新内膜形成を妨げる方法、ならび
に
これらを診断およびモニター観察するより好ましい方法である。発明の要旨
本発明は自然に結合している他の細胞性物質から単離された、RC−9のポリ
ヌクレオチドおよびアミノ酸配列の新規な用途を提供する。また、これらの配列
を含有するベクター、組換え法により製造したRC−9タンパク質および抗RC
−9抗体の新規な用途も提供する。
従って、第1の態様において、本発明は増殖性動脈疾患および血管再狭窄の診
断方法を提供する。これらの方法は、本明細書に記載するRC−9の核酸および
アミノ酸配列および抗RC−9抗体を利用する。
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載するRC−9核酸配列、タ
ンパク質および抗体を用いて、アゴニストおよびアンタゴニストを含む、選択さ
れたRC−9配列に特異的に結合する化合物を同定する方法を提供する。なおさ
らなる態様において、本発明は前記の方法を用いて製造した化合物または薬物を
提供する。
さらに別の態様において、本発明は増殖性動脈疾患および血管再狭窄の治療方
法を提供する。これらの方法では、本明細書に記載する化合物または薬物、RC
−9の核酸およびアミノ酸配列、および好ましくは抗RC−9抗体を利用する。
本発明の他の態様および利点は、以下のこれらの好ましい具体例の詳細な記載
においてさらに記載する。図面の簡単な説明
図1は、デイフェレンシャル・ディスプレイ(differential display)により
得られたクローンRC9のDNA部分配列[配列番号:1]を示す。この配列はジ
ーンバンク受入番号U10894が付与されている。
図2は、RC−9のゲノムDNA配列[配列番号:2]を示す。この配列はジー
ンバンク受入番号U33471が付与されている。
図3は、ラットRC−9のcDNA[配列番号:3]および推定アミノ酸配列[
配列番号:4]を図示する。
図4は、ヒトRC−9のcDNA[配列番号:5]およびアミノ酸配列[配列番
号:6]を図示する。発明の詳細な記載
本発明は増殖性動脈疾患および血管再狭窄の検出および治療における、RC−
9と称する遺伝子、およびコードされるタンパク質の新規な用途を提供する。本
明細書で提供するヌクレオチドおよびアミノ酸配列ならびに抗体はかかる血管性
疾患および損傷の診断およびモニター観察に有用である。これらの配列および抗
体はさらに、アテローム性動脈硬化症および血管再狭窄に特徴づけられる他の症
状の治療に有用な化合物の製造にも有用である。
広範な動物種に由来するDNAとのRC−9DNAクロスハイブリッド形成の
観察により、RC−9にコードされるタンパク質に関して、実質的な進化上の保
存および重要な生物学的機能の可能性が示唆される。バルーン血管形成で損傷し
たラット頚動脈におけるRC−9 mRNAの一時的発現は、そのタンパク質産
生物が血管再狭窄の初期ないし中間の段階に役割を果たすことを示している。I.RC−9ポリヌクレオチド配列
本発明の方法は本明細書に記載するRC−9ポリヌクレオチド配列を利用でき
る。図1−4は本発明の新規な転写物のDNA配列を示す。図1は以下の実施例
1に記載するように得られたクローンRC−9のヌクレオチド配列[配列番号:
1]示す。この部分配列は424塩基の長さであり、プローブとして用い、図2
のより長い配列を得た。図2は、2個のイントロンを有する、RC−9のゲノム
DNA配列[配列番号:2]を示す。イントロン1は塩基対121−772にわた
り、イントロン2は塩基対1000−1276にわたる。ポリCトラクトは塩基
対864−873および1254−1276に位置する。分岐点コンセンサス配
列は図2の塩基対851−857および1212−1218に位置する。図3は
ラットRC−9のcDNA配列[配列番号:3]を示す。転写開始コドンは図3の
塩基対143−145に位置し、停止コドンは塩基対581−583に位置する
。図4はヒトRC−9の636塩基対のDNA配列[配列番号:5]を示す。これ
らの配列は444塩基対のオープン・リーディング・フレーム(塩基対72−5
16)を有し、これは147個のアミノ酸タンパク質[配列番号:6]をコードす
る。
これらの配列のフラグメントは種々の用途に有用であることが判明している。
望
ましくは、これらの機能的フラグメントは長さが少なくとも約15個のヌクレオ
チドであり、所望のアミノ酸配列、例えばエピトープ、望ましくは、RC−9様
生物学的活性等により特徴づけられる治療上有用なペプチドをコードする。これ
らのRC−9ヌクレオチド配列はポリメラーゼ連鎖反応またはクローニング技術
を慣用的に用いることにより単離できる。別法として、これらの配列は慣用され
る遺伝子操作または化学合成技術を用いることにより構築できる。
本発明の方法において用いる場合、ゲノムRC−9 DNA配列(図1 配列番号
:1および図2配列番号:2)またはコード化RC−9タンパク質をコードする
cDNA配列(図3 配列番号:3および図4 配列番号:5)またはその機能的
フラグメントを修飾してもよい。本明細書に記載する配列データを用いて、本発
明に有用なRC−9タンパク質をコードする他のポリヌクレオチド配列を得るこ
とは、当業者の範囲内である。核酸レベルでのかかる修飾は、例えばサイレント
なまたはアミノ酸配列を変化させる、例えば発現または分泌を改善するためのヌ
クレオチド配列に対する修飾を包含する。
さらに別法では、本明細書において有用なポリヌクレオチド配列は、望ましい
ならば、容易に評価可能なタグを付加して修飾し、定量化を促進することができ
る。例えばインビトロ突然変異誘発およびプライマー修復を包含する既知の技術
により、ヌクレオチドを置換、挿入または欠失することができる。また遺伝暗号
の自然縮退により引き起こされる対立遺伝子変異も包含する。
本明細書に記載するRC−9タンパク質をコードする核酸配列の単離に加え、
アンチセンス配列のごとき例示されているDNA配列に相補的な配列を含め、他
の核酸配列もまた本発明の範囲内である。高度なまたは中程度のストリンジェン
トな条件下で[T.Maniatis ら、Molecular Cloning(A Laboratory Manual
),Cold Spring Harbor Laboratory,387-389(1982)を参照のこと]、図1
−4[配列番号:1、2、3、5]に示すDNA配列にハイブリダイズするこれ
らの配列もまた有用なDNA配列に包含される。高度にストリンジェントな条件
の例としては、65℃、4xSSCでハイブリダイズし、続いて65℃で0.1
xSSCで1時間洗浄することが挙げられる。別法として、高度にストリンジェ
ントな条件の例は50%ホルム
アミド中42℃で4xSSCである。また、中程度に高度なストリンジェントな
条件、例えば55℃、4xSSCでハイブリダイズし、続いて37℃、0.1x
SSCで1時間洗浄するのもまた有用であることが判明している。また、中程度
に高度なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例としては、50%
ホルムアミド中30℃で4xSSCが挙げられる。
以下により詳細に記載するように、これらのタンパク質をコードするRC−9
核酸配列は種々の診断および治療用途に有用である。有利なことに、核酸配列は
、増殖性動脈疾患および血管再狭窄、とりわけ望ましくないRC−9レベルまた
は発現に付随する症状の検出および診断に使用するための診断用プローブおよび
アンチセンスプローブとして有用である。オリゴヌクレオチドプローブはサザン・
ブロッティングおよびポリメラーゼ連鎖反応のごとき標準的な診断技術において
有用である。
また、RC−9核酸配列は本発明の方法に有用なRC−9タンパク質を製造す
るのに用いることができる。一度構築または単離したこれらのDNA配列または
適当なフラグメントを用いて本発明のタンパク質をインビトロまたはインビボで
得ることは好ましい。II.RC−9アミノ酸配列
本発明の方法は、本明細書に示すRC−9タンパク質およびその適当な機能的
フラグメントを包含する、RC−9アミノ酸配列を利用してもよい。RC−9ラ
ットタンパク質[配列番号:4]は図3に示すcDNA配列[配列番号:3]により
コードされ、RC−9ヒトタンパク質[配列番号:6]は図4に示すcDNA配列[
配列番号:5]によりコードされる。ラットタンパク質[配列番号:4]は長さが
147個のアミノ酸であり、分子量が16824.9ダルトンである。ヒトタン
パク質もまた長さが147個のアミノ酸である[配列番号:6]。RC−9の生物
学的に活性なフラグメントもまた本発明の方法に有用である。これらの機能的フ
ラグメントは長さが少なくとも5個のアミノ酸であるのが望ましく、エピトープ
または他の望ましいアミノ酸配列を有していてもよい。
RC−9タンパク質のアナログまたは修飾体もまた本発明では有用である。典
型的には、かかるアナログはわずか1、2、3または4個のコドンの変化だけが
異な
り、RC−9様の生物学的活性により特徴づけられる。例えば、RC−9の図示
されたアミノ酸配列(図3および4、配列番号:4および6)から少数のアミノ
酸が変化したポリペプチド;とりわけ保存的アミノ酸置換されたポリペプチドが
挙げられる。保存的置換は側鎖および化学的特性において関連する一連のアミノ
酸内で起こる置換である。加えて、本発明で有用なRC−9タンパク質を修飾し
、例えばその産生を改良するか、タンパク質の安定性もしくは他の特徴、例えば
結合活性もしくは生物学的利用率を増強するか、その用途を競合化合物をスクリ
ーニングするのに向上させるか、またはタンパク質に関する他の幾つかの望まし
い特性を付与してもよい。
本明細書に記載するRC−9タンパク質およびRC−9タンパク質フラグメン
トは以下により詳細に記載する治療用組成物において有用である。本発明の方法
はまた、これらのタンパク質の診断への適用、および抗RC−9抗体のごとき他
の治療用および診断用試薬を製造するための使用をも包含する。一般に他のタン
パク質と同様に、これらのRC−9タンパク質はまたスクリーニングアッセイに
おいてまたは研究用手段として供することができる。より望ましくは、RC−9
タンパク質はまた例えば再狭窄において、RC−9の作用を妨げるのに有用な化
学的な治療薬のスクリーニングおよび開発にも有用である。III.RC−9の組換え発現
本明細書に記載するDNA配列を用いて組換えRC−9タンパク質を産生する
ことができる。得られたタンパク質を本発明の方法において用いてもよく、ある
いは本発明の方法がタンパク質のインビボ発現に関与していてもよい。RC−9
タンパク質を製造するために、RC−9 DNA配列を適当な発現系に挿入して
もよい。望ましくは、RC−9をコードするcDNAがRC−9タンパク質の発
現を可能とする異種発現調節配列に作動可能に連結している組換え分子またはベ
クターを構築する。標準的な分子生物学技術による、哺乳動物(ヒトを包含する
)発現、昆虫例えばバキュロウイルス発現、酵母、真菌、および細菌発現のため
の多くの型の適当な発現ベクターおよび宿主細胞系が当業界で公知である。
これらのベクターを適当な宿主細胞に形質転換することにより、選択されたR
C
−9タンパク質の発現を得ることができる。多くの型が当業界で公知である他の
適当な発現ベクターもまたこの目的で使用できる。
この方法によってトランスフェクトするのに適当な宿主細胞またはセルライン
は、スポドプテラ・フルギペデラ[Spodoptera frugipedera(Sf9)]細胞の
ごとき昆虫細胞を包含する。かかる宿主細胞の構築および形質転換方法は周知で
ある。[例えばMillerら、Genetic Engineering,8:277-298(Plenum Press
1986)およびそこに引用される参考文献を参照のこと]。
同様に、ヒト293細胞、ラット大動脈セルライン[E.H.Ohlstein ら、Eu
r.J.Pharmacol.-Mol.Pharmacol.Section.225:347-350(1992)]、チャイニー
ズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)、サルCOS−1セルラインまたはスイス(
Swiss)、Balb−cまたはNIHマウスに由来するネズミ3T3細胞のごと
き哺乳動物細胞を用いてもよい。適当な哺乳動物宿主細胞および形質転換、培養
、増幅、スクリーニング、製造および精製の方法は当業界で周知である。[例え
ばGething およびSambrook、Nature,293:620-625(1981)または別法として、Ka
ufinan ら、Mol.Cell Biol.5(7):1750-1759(1985)もしくはHowley ら、米国
特許第4419446 号を参照のこと]。別の適当な哺乳動物セルラインはCV−1セ
ルラインである。
細菌細胞も同様に宿主細胞として有用である。例えばイー・コリ(E.coli)
の種々の株(例えばHB101、MC1061、および以下の実施例で使用する
株)はバイオテクノロジーの分野で宿主細胞として周知である。ビー・サブチリ
ス(B.subtilis)、シュードモナス(Pseudomonas)、他の杆菌等の種々の株も
またこの方法において使用できる。
当業者に周知の酵母細胞の多くの株もまた本発明の方法に有用なポリペプチド
の発現のための宿主細胞として利用できる。他の真菌細胞もまた発現系として用
いることができる。
かくして、本発明は、組み換えRC−9タンパク質の製造方法であって、例え
ばトランスフェクションまたはエレクトロポレーションのごとき慣用される手段
により、転写制御配列の調節下でRC−9タンパク質をコードする組換えポリヌ
クレオチドを含有する少なくとも1個の発現ベクターで宿主細胞を形質転換する
ことから
なる方法を提供する。次いで形質転換した宿主細胞をRC−9タンパク質の発現
を可能にする適当な条件下で培養する。例えば、宿主細胞例えばラット大動脈平
滑筋細胞を、該細胞がRC−9タンパク質の過剰発現能を有するのに十分なベク
ターでトランスフェクトし、その細胞をRC−9発現を阻害する化合物をスクリ
ーニングするのに有用なものとすることができる。別の具体例では、当業者に周
知の適当な手段により、培養培地から(または細胞内に発現した場合、細胞から
)発現したタンパク質を回収し、単離し、精製する。
例えば、タンパク質は細胞溶解した後に可溶性形態で単離してもよく、または
塩化グアニジンで抽出できる。望む場合、本発明のRC−9タンパク質は融合タ
ンパク質として製造できる。例えば、選択した宿主細胞においてタンパク質の発
現を増強するか、または精製を改善するために、かかるRC−9融合タンパク質
を製造するのが望ましい。本明細書に記載するRC−9タンパク質に適当な融合
パートナーは当業者に周知であり、とりわけb−ガラクトシダーゼおよびポリヒ
スチジンを包含する。IV.抗RC−9抗体の製造
RC−9タンパク質、ならびにその修飾体もしくはアナログ、またはそれらを
発現する細胞は、RC−9に対する抗体を生成するための抗原として有用である
。本発明の方法に有用な抗体はモノクローナル、ポリクローナル、キメラ、一本
鎖およびヒト化抗体、およびFabフラグメントを包含する。これらの抗体は、
KohlerおよびMilsteinのハイブリドーマ技術、Huseら、Science,246:1275-1
281(1988)に記載されるごとき組み換え技術、または当該分野で公知の任意の他
の変法を含め、常法により製造できる。一本鎖抗体の製造について記載した技術
(米国特許第4946778号)を適用し、本明細書に記載するRC−9タンパ
ク質に対する一本鎖抗体を製造することができる。また、トランスジェニックマ
ウス、または哺乳動物のごとき他の生物を用いて、RC−9タンパク質またはR
C−9誘導タンパク質に対するヒト化抗体を発現することができる。本発明の抗
体その物を用いて抗イデオタイプ抗体を生成することができる。かかる抗体を産
生する技術は当業界で周知である。
本発明の抗体はタンパク質の形態で利用できる。また別に、本発明の抗体はイ
ンビボで抗体またはその機能的フラグメント(例えば一本鎖またはFabフラグ
メント)を発現するポリヌクレオチドの形態で利用できる。V.診断用試薬
本明細書に記載するRC−9タンパク質、抗体、およびポリヌクレオチド配列(
アンチセンスポリヌクレオチド配列を包含する)をRC−9の産生または過剰産
生に伴う特定の血管性疾患、例えばアテローム性動脈硬化症を診断するための診
断用試薬として用いることができる。例えば、RC−9タンパク質、抗体、また
はポリヌクレオチドはかかる症状に特徴的な血管損傷を診断するのに使用できる
。これらの試薬を、診断または治療法に慣用される放射活性標識、比色酵素標識
系等のごとき診断用標識を用いて標識することもできる。慣用される診断アッセ
イ例えばサザン・ブロッティング、ノーザンおよびウェスタン・ブロティング、
ポリメラーゼ連鎖反応等で、選択した哺乳動物組織におけるRC−9レベルを試
薬により測定できる。例えば、ポリヌクレオチド配列を診断用物質として用いて
正常なRC−9 mRNAを検出もしくは定量してもよく、または患者のサンプ
ル中の標的遺伝子RNAの突然変異を検出できる。かかる方法では図1−4[配
列番号:1、2、3、5]の核酸配列に相補的なPCRプライマーを利用できる
。また別にハイブリダイゼーション、RNase 保護、化学的開裂、直接的DNA
配列決定または制限酵素の使用、例えば制限酵素断片長多型(RFLP)および
ゲノムDNAのサザン・ブロッテイングのごとき方法により、特異的DNA配列
(すなわちRC−9)を検出できる。他の適当なアッセイではRC−9タンパク
質、タンパク質フラグメント、または抗RC−9抗体を試薬として利用する。こ
れらのアッセイはラジオイムノアッセイ、競合結合アッセイ、ウェスタン・ブロ
ット分析およびELISAアッセイを包含する。適当なアッセイ様式および標識
系の選択は当業者の範囲内であり、診断薬の分野における多大な技術に依るさら
なる説明がなくても、容易に選択できる。
従って、本発明はアテローム性動脈硬化症のごとき血管再狭窄により特徴づけ
られる障害の診断におけるこれらのRC−9タンパク質、抗体またはポリヌクレ
オチド試薬の使用方法を提供する。この方法は選択したサンプル例えば血液、血
漿、血
清または他の適当な細胞を選択した試薬、タンパク質、抗体またはDNA配列と
接触させ、サンプルに対する結合性またはハイブリダイゼーションまたは試薬に
基づいて選択したアッセイ様式でサンプル中に存在するRC−9量を測定し、検
出することからなる。VI.治療用薬物
本発明はさらに血管再狭窄の治療方法を提供する。さらにとりわけ、この方法
は哺乳動物組織におけるRC−9活性を遮断するための抗RC−9抗体を投与す
ることからなる。RC−9がその対応する受容体に結合することを遮断するため
に使用できる抗イデオタイプ抗体もまた本発明の治療用薬物として有用である。
望ましいわけではないが、治療用薬物はRC−9核酸配列、該核酸配列を含有す
るベクターまたはRC−9タンパク質であってもよい。また別に、以下に記載す
る方法を用いて得られた薬物は治療用薬物にできる。
一例としては、治療用薬物は医薬用組成物中適当な経路で投与できる。通常、
組成物は活性物質(例えば抗RC−9抗体、または本明細書に記載するベクター
もしくはポリヌクレオチド)を体重kgあたり約10mgから約10mg含有す
る。当業者であれば、最適量を適応症、重篤度、投与経路等を考慮して調整でき
ることは理解されよう。
適当な医薬用担体は当業者に周知であり、とりわけセイライン、緩衝セイライ
ン、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、およびそれらを組み合わ
せたものから容易に選択できる。本発明の医薬用組成物は他の活性成分、または
他の望ましい成分、例えばpH調整物質、保存剤等を含有してもよい。
適当な経路は当業者であれば容易に決定でき、例えば静脈内、筋肉内、皮下、
腹腔内、皮内、経口、経膣、経肛門、鼻腔内、および局所経路を包含する。現在
、好ましい投与方法は静脈内投与である。しかしながら、当業者は別の適当な投
与経路を容易に選択できる。必要または望ましいならば投与を繰り返すことがで
きる。VII.薬物スクリーニングおよび開発
本発明はまたアテローム性動脈硬化症および他の血管性障害を治療するための
治療用薬としての有用性を有する化合物またはタンパク質のスクリーニングおよ
び開
発において、本明細書に記載するRC−9タンパク質、抗体およびポリヌクレオ
チド配列を使用する方法をも提供する。
一例としては、かかる化合物は、RC−9に結合し、その生物学的活性を亢進
する(アゴニストとして作用)か、または遮断する(アンタゴニストとして作用
)能力を有する。かかる化合物は前記する血管障害の治療または予防のための薬
物成分として有用であると考えられる。現在、RC−9の選択された領域と競合
的に結合する能力を有する薬物をスクリーニングおよび開発するための、慣用的
なアッセイおよび技術がある。これらアッセイおよび技術はRC−9タンパク質
またはその一部を発現するためのファージ・ディスプレイ系を使用し、結合可能
な化合物の結合を研究するためのタンパク質を製造するためにトランスフェクト
したイー・コリ(E.coli)または他の微生物の培養物を用いることからなる。例
えばG.Cesarini、FEBS Letters ,307(1):66-70 ( 1992 年 6 月)
; H.Gram ら 、J.Immunol.Meth.161:169-176(1993);C.Summerら、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:3756-3760(1992年5月)を参照されたく、
これは出典明示により本明細書の一部とする。
本発明のこの態様で有用なタンパク質、抗体またはポリヌクレオチド配列を用
いて、他の慣用される薬物スクリーニング技術を実施できる。一例として、RC
−9DNA配列に特異的に結合する化合物の同定方法は、簡単には、選択したR
C−9DNAフラグメントを試験化合物と接触させて、試験化合物をDNAグラ
グメントに結合させ;DNAフラグメントに結合する試験化合物があればその量
を測定する工程からなる。かかる方法は試験化合物および固体支持体に固定化し
たRC−9DNAフラグメントをインキュベートすることを包含する。
RC−9配列に特異的に結合する化合物を同定する別の方法は、固体支持体に
固定化したRC−9 DNAフラグメントを、試験化合物およびRC−9の受容
体であり、該受容体をRC−9 DNAフラグメントに結合させるタンパク質配
列の両方と接触させ;DNAフラグメントに結合する受容体の量を測定する工程
からなっていてもよい。その試験化合物による正常なタンパク質の結合阻害は、
RC−9に対する試験化合物の結合性を示す。
潜在的アゴニストのRC−9様効果、または潜在的アンタゴニストの効果は、
例えば候補分子の細胞または適当な細胞調製物との相互作用の後のリポーター系
の活性を測定し、RC−9またはRC−9と同一の効果を惹起させることがわか
っている分子の効果と比較することにより決定できる。この点において有用なリ
ポーター系は製品に変換した比色標識基質、RC−9活性の変化に反応するリポ
ーター遺伝子、および当業界で周知の結合アッセイを包含するがこれらに限定す
るものではない。他の適当な方法は当業者に周知である。
このように、かかる方法を用いることにより、本発明はRC−9またはそれの
一部と相互作用し、望む場合その生物学的活性を増強または低減できる化合物を
提供する。かかる化合物は本発明の範囲内である。
RC−9のクローニングおよび発現を開示する以下の実施例は単なる例示であ
り、何ら本発明を限定することを意図するものではない。実施例1−RC−9の単離 A.ラット左総動脈バルーン血管形成
以前に記載されるように[E.H.Ohlsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,90:6189-6193(1993)]、オスSprague-Dawleyラット[350g;Charles
River BreedingLaboratory Inc.,Wilmington,MA]をペントバルビタール
・ナトリウム麻酔[65mg/kg、i.p.−Steris Laboratories,Phoenix,A
Z]して、無菌条件下で左総頚動脈バルーン血管形成術を行った。簡単には、左
外部の頚動脈を同定し、付着する組織を取り除き、2−FFogarty動脈塞栓切除
用カテーテル[12−060−2Fモデル;Baxter Healthcare,Santa Ana
,CA]を挿入した。カテーテルを総頚動脈下方向に大動脈弓まで一定の距離誘
導し、一定容量の流体で膨張させ、挿入部位まで引き戻す。この操作を合計3回
行った。完了後、すぐにカテーテルを除去し、傷を閉じ(9−mmAutoclips;
Clay Adams,Franklin Lakes,NJ)、Povadyne外科用スクラブ(7.5
%ポビドン・ヨード−Chaston Dayville,CT)を綿棒で塗る。動物を組織回
収に必要になるまで標準的な実験用飼料および水を自由に摂取できるようにして
、12時間の明/暗サイクル下でプレキシガラスのケージに収容した。
頚動脈を単離するために、ラットをバルビツレート(100mg/kg、i.p.
)
で麻酔し,大静脈を介して瀉血した。その場で左総頚動脈の付着組織を速やかに
除去し、単離し、グアニジン・チオシアネート(Promega Company,Madison,
WI)中に直接置いた。これらの容器を次いで即座に液体窒素中急速冷凍し、R
NA単離に必要となるまで−80℃で保存した。その後のノーザン分析について
、末処理動物からの組織(対照)、および転写物のディファレンシャル発現を、
より詳細には一時的様式で実験するために、6時間、3日、および14日前に血
管形成を施した動物からの組織を試験した。ノーザン分析をシャム・ベッセル(
sham vessel)でも実施した。B.RNA単離およびノーザン分析
各時点での実験のために、4または5個の左頚動脈をプールさせるか、または
培養物からVSMCをを単離し、全RNAを記載されるように入手した[P.Chom
czynskiおよびN.Sacchi、Ann.Biochem.162:156-159(1987)]。等量のRN
Aを装填し、1.3%アガロース/ホルムアルデヒド・ゲルで分離し、ニトロセ
ルロースに移し、指示したプローブでハイブリダイゼーションした(0.25M
NaCl、1% ドデシル硫酸ナトリウム、50%ホルムアミド、2Xデンハー
ト溶液、25mg変性サケ精子DNA、5%硫酸デキストラン、42℃で一晩)
。ブロットを高度にストリンジェントな条件下で洗浄し(0.1%クエン酸ナト
リウム、0.1% ドデシル硫酸ナトリウム、65℃)、フィルムに−80℃で
6−48時間曝露した。全プローブをランダム・プライミング法により[a32P]
−標識した(Boehringer Mannheim,Indianapolis In.)(全アイソトープは
Amersham Inc.,Arhngton Heights IL.より入手)。同一のフィルターを取
り除き、続いて種々のDNAプローブでハイブリダイゼーションした。グリセロ
アルデヒド−3−ホスフェート・デヒドロゲナーゼ(G3PDH)プローブをP
CR増幅物から生じた(Clontech,Palo Alto,CA.)。ハイブリダイゼーシ
ョン・シグナルの相対的強度は、フィルムの直線的変動内で曝露したオートラジ
オグラムのデンシオメトリック・スキャニング(RFLP-Scan Software,S
canalytics,Inc.)により得た。ヒトおよび多組織ノーザンブロットをClontech
,Inc.(Palo Alto,CA.)より購入した。C.mRNAのディフェレンシャル・ディスプレイ
対照左総頚動脈および先にバルーン血管形成を3および14日前に行った左総
頚動脈の全RNAを単離し、ディフェレンシャル・ディスプレイ技術を用いて遺
伝子発現の変化を試験した。製造者プロトコルに準じて、DNA消化、(1UD
Nase;Gibo-BRL,Gaithersberg,MD),フェノール/クロロホルム抽出、
およびエタノール沈殿の一連の方法を用いて全RNAからDNAを除去した。精
製した全RNA(02mg)を修飾したオリゴdTプライマーを用いて逆転写し
た(逆転写酵素はGenHunter Corporation,Brooklin,MAより入手)[P.Li
angら、Science,257:967-971(1992)]。cDNAを増幅し、適当な3’オリゴ
dTプライマー、dNTP、[35S]dATP、および任意の10量体5’プライ
マー(GenHunter)との10%逆転写反応物を包含することにより標識した。
以下のパラメーターでPCRサイクルを40回実施した:94℃で30秒;40
℃で120秒;72℃で45秒で最後のサイクルの後、72℃で7分浸す。反応
物から得た標識cDNAを6%アクリルアミド・配列決定用ゲルで分離し、乾燥
し、オートラジオグラフ用フイルムに12−48時間曝露した。
3日目の容器中の遺伝子発現は損傷形成の病因の初期の分子学的様相を示して
おり(すなわち、これらは新内膜損傷の物理学的形成の前に起こる)、一方14
日目の容器は後期の様相を示している(すなわち、最終損傷容量の約80%は新
内膜内で形成される)[S.A.Douglasら、Eur.J.Pharmacol.255:81-89(1994
)]。
この実験では、これらのサンプルからのRNAは4個のオリゴdTアンカープ
ライマー全てを用いて逆転写し、得られたcDNAを2個の異なる5’十量体を
用いて増幅した。最初配列決定用ゲルの上部の3個のバンドに注意を払う、とい
うのはこれらのサンプルは長く、従ってDNA配列の同定を容易にするからであ
る。配列決定用ゲルの上部の3個に注目して、バンドの10%以下は分別的に発
現していると思われた(82個中8個)。この最初の実験では、分別発現を表示
する2個のバンドを選別した。
D.cDNAの回収再増幅およびクローニング
選別したcDNAを配列決定用ゲルから削り取り、溶出し、前記したのと同一
のプライマーを用いて再増幅した[Liang ら、前記で引用]。再増幅したPCR
産生物
を2.0%アガロース・ゲル上で、臭化エチジウムで染色して可視化し、ガラス
抽出(Bio 101,La Jona,CA)により回収した。再増幅したPCR産生物を
前記したプローブのように標識し、Invitorogen TAクローニング系(San D
iego,CA)を用いてpCRIIベクターにクローニングし、応用バイオシステム
モデル373A自動配列決定装置で配列決定した。
DNAセグメントをアクリルアミド配列決定用ゲルから削り取って回収し、溶
出し、同一のプライマーおよび反応条件を用いてPCR増幅した。再増幅により
単一の産生物を得、その大きさはアクリルアミド配列決定用ゲルに表示される見
かけの大きさと合致する(データは示していない)。これらの再増幅物を次いで
ゲルからガラス精製し、ノーザン分析用のプローブとして使用した。
試験したラット組織のうち2個だけがRC9転写物を発現した。精巣RNAは
約1.35kbの強いシグナルを示し、頚動脈で観察された1.1kbよりわず
かに大きかった。2番目に、約1.1kbのより弱いシグナルが脾臓で観察され
た。どのcDNAを選別すべきかという情報に加えて、このデータはこの転写物
の発現が組織特異的であり、精巣から脾臓までの大きさの差異は、このmRNA
転写物のプロセッシングまたは異なる組織の類似するメッセージの存在を示唆す
ることを示している。
未処理ラット頚動脈およびバルーン血管形成後3時点で単離した頚動脈からの
全RNAを、ノーザン分析においてこれらのDNAフラグメントでプロービング
し、分別発現を確認した。これらのDNAの各々は別個の遺伝子転写を示すこと
が見出された。ノーザン分析によりその発現パターンが立証された。RC−発現
は未処理の容器中では検出されず、手術後6時間では低レベルで検出され、3日
で最高レベルに達し、14日の容器では低減し、ディフェレンシャル・ディスプ
レイ・ゲルで観察されたパターンを確認した。偽の対照容器ではRC9 mRN
Aの発現は検出されなかった。
これらのcDNAの各々をpCRIIベクターにサブクローニングし、両方向
でジデオキシ配列決定を行った。RC9クローンは424塩基(図1、配列番号
:1)であり、ジーンバンクに以前に寄託された特徴的な遺伝子に著明な配列相
同性を示
すものはなかった。実施例2−RC−9の単離
RC9は、バルーン血管形成後のラット頚動脈のディフェレンシャル・ディス
プレイ分析から単離した424bpのゲノムDNAフラグメントの一部であり、
前記の実施例1に記載するとおり、約1.1kbのmRNAを同定した。この転
写物を十分に同定し、特徴づけるために、遺伝子全長を得ることが必須である。
再狭窄ラット頚動脈から調製したcDNAライブラリーは利用できないので、
このメッセージを発現するラット組織を同定し、次いでこの組織由来のmRNA
から調製したcDNAライブラリーをスクリーニングする必要があった。A.cDNAライブラリー・スクリーング
ラット精巣cDNAライブラリー(Stratagene,Inc.)を高度にストリン
ジェントな条件下(0.1X SSPE、65℃)、424bp RC9[配列番
号:1]でスクリーニングした。このプローブを用いて約72000個のプラーク
をスクリーニングし、3ラウンドのスクリーニングの後、このうち3個が陽性で
あった。各々がベクター・ポリリンカーの一部としてEcoRI部位でフランキ
ングされた約1.68kbのインサートを含有するこれらの3個のクローンを得
、制限分析により同一であることが示された。1個のクローンを選別し、RC9
特異的プライマーを用いるジデオキシヌクレオチド配列決定により、RC−9に
対する相同性が98%であることが示され、またバルーン血管形成に供したラッ
ト頚動脈をも用いてプロービングし、mRNA発現によるこのクローンの同一性
を確認した。
末処置ラット頚動脈由来およびバルーン血管形成後3時点(1、3および7日
)で単離した頚動脈由来の全RNAを大きさで分別し、RC−9のインサートを
示す放射性標識PCR産生物でハイブリダイゼーションした。より具体的には、
全RNA(10mg)を1.2%アガロース/ホルムアルデヒドゲルで分離し、
ニトロセルロースに移し、ハイブリダイゼーションし、前記するように洗浄した
。グリセロアルデヒド−3−ホスフェート・デヒドロゲナーゼ(G3PDH)プロ
ーブをローディング対照として使用した。グリセロアルデヒド−3−ホスフェー
ト・デヒドロゲナーゼ(G3PDH)に標準化したこのブロットのスキャニング
・デンシオメト
リック分析により、このメッセージの発現においてバルーン血管形成後1日で基
底レベルの9倍、3日後で4倍、および術後7日で2倍に増加するのが確認され
た。この発現パターンは、未処置容器中で検出される基底レベルは例外として、
RC9ディフェレンシャル・ディスプレイで観察されたものと合致し、バルーン
血管形成に反応してラット頚動脈においてこの遺伝子発現に類似したものが誘導
されることが示されら。偽の対照容器からのRC−9−1 mRNAのノーザン
分析では基底発現における変化が認められなかった(データは示していない)。B.配列分析
前記するように、クローンを両方の鎖で全長にわたって配列決定した(Seque
nase,United States Biochemical Corporation)。Mac Vectorソフトウェ
ア・パッケージ(Internatinal Biotechnologies,Inc.)を用いてDNAおよ
びタンパク質配列を分析した。配列類似性の調査をGenBank Nudeic Acid D
atabaseおよびGenetics Computer Groupプログラムを用いて実施した。
このクローンに由来する1.68kbのインサートの3’領域のディフェレン
シャル・ディスプレイにより得られた424bpのフラグメントとの相同性は9
8%と同定し、さらにこのクローンとRC9の配列との同一性を確認した。核酸
クローンRC−9−1を図2、配列番号:2に示す。図2[配列番号:2]の配列
を続いて分析し、塩基対864−873、および1254−1276でポリCト
ラクトが存在し、塩基対851−857、および1212−1218で分枝点コ
ンセンサス配列が存在することが示された。このことは配列がイントロン配列を
包含することを示している。さらなる分析により2個のイントロンが同定された
。イントロン1は図2の塩基対121−772にわたり、イントロン2は塩基対
1000−1276にわたる。図2[配列番号:2]の配列を用いて以下の実施例
3に記載するように、RC−9 cDNAクローンが得られる。C.ゲノムDNA種分析
図2、配列番号:2のRC−9配列の進化上の保存を決定するために、ヒト、
サル、ラット、マウス、イヌ、ウシ、ウサギ、ニワトリ、および酵母[サッカロ
ミセス・セルビシア(Saccaromyces cervisiae)]を包含する広範な動物種に
由来する、
EcoRI消化したゲノムDNAを用いてサザン・ブロット分析を実施した。9
種の異なる動物種に由来する消化したゲノムDNA 4mgを含有するゲノムD
NAサザン・ブロットをClontech,Inc.(Palo Alto,CA)より購入し、製
造者の指示書に準じて、高度にストリンジェントな条件下(5X クエン酸ナトリ
ウム、10%デンハート溶液、100mg/mlのシアリングしたサケ精子DN
A、1% ドデシル硫酸ナトリウム、65℃で、一晩)でRC−9−1 cDN
Aクローン全長でハイブリダイゼーションした。ブロットを低(2.0X硝酸ナ
トリウム、0.1% ドデシル硫酸ナトリウム、55℃)、または高度にストリ
ンジェント(0.2Xクエン酸ナトリウム、1%ドデシル硫酸ナトリウム、65
℃)な条件下で洗浄し、オートラジオグラフィーに供した。
図2[配列番号:2]のRC−9−1 DNAを、低ストリンジェント洗浄条件
下(2X SSC、0.1% SDS、50℃)で種々の種に由来する多くの制限
断片にハイブリダイゼーションし、最も顕著なものはラットおよびウシの両方の
24kbフラグメント、並びにマウスの4.4kbフラグメントであった。イヌ
、マウス、ラットおよびウシにおいて他のバンドも検出された。ウサギ、ニワト
リ、または酵母ではバンドは可視化されなかった。あまり顕著でないバンドも多
くこのストリンジェント条件下で観察され、ヒト、ラット、およびウシの可視化
された約2.3および1.0kbの長さのバンドを包含する。マウスにおける2
.5kbでの強いシグナルも顕著である。高度にストリンジェントな洗浄条件下
(0.2X SSC、1% SDS、65℃)でこれらのバンドは殆ど可視下され
ず、ラットで24kbおよびマウスで4.4kbの残りの顕著なバンドは強度の
変化はない。マウスにおける2.5kbのバンドはもはや認められず、これはこ
のバンドが図2[配列番号:2]のRC−9−1配列と交差ハイブリダイゼーショ
ンする別の遺伝子を示すことを示唆している。従って、RC−9−1転写物は良
く保存されると考えられる。実施例3−RC−9のcDNAクローニング
試験したラットmRNAを前記するように単離し、逆転写してオリゴdTプラ
イマーを用いてcDNAを生じた。RC−9プライマーをRC−9ゲノムDNA
(図2、配列番号:2)の最端から選択した。とりわけ、センスプライマー(2
5量体
オリゴヌクレオチド)は図2[配列番号:2]のヌクレオチド31−ヌクレオチド
55に対応し、5’−ACT TCA GAC TCT CTC TTC CC
T ACG G−3’の配列を有し;アンチセンス・プライマーは図2[配列番
号:2]のヌクレオチド1651−1678に対応し、5’GCA TCA G
GG AGCATT ATT TAT TTA GTT T−3’の配列を有す
る。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いてRC−9 cDNAを得た。以下
のパラメーターを用いてPCRサイクルを40回実施した:94℃で1分;53
℃で1分」;72℃で3分、最後のサイクルの後4℃で浸す。RC−9 cDN
Aを1% アガロースゲルで分離し、標準的な技術を用いて精製した。RC−9
cDNAをベクターpCRII[In Vitrogen]にライゲーションし、クローン
を単離し、EcoRIで制限酵素消化し、これらが正確な大きさのインサートを
含有することを確認した。陽性クローンを配列決定し、図2のゲノム配列と比較
した。cDNA配列の一部をそれによりコードされるアミノ酸配列と共に図3[
配列番号:3]に示す。図3の配列は696塩基対の長さである[配列番号:3]
。図3のヌクレオチド72−696に対応するcDNAで相同性研究を実施し、
これにより、cDNA配列[配列番号:3]は図2[配列番号:2]のRC−9ゲノ
ム配列に98%相同であることが示された。
配列番号:3および4は、以前にWO95/17506に記載されるラットA
IF配列と実質的に同一であることが見出されている。実施例4−RC−9の機能
制限エンドヌクレアーゼBstX1を用いて、実施例3のRC−9クローンを
pCRIIプラスミドから切断した。RC−9 DNAを精製し、予めBstX
1で切断し、イー・コリ(E.coli)中で成長させた発現ベクターpRc/CMV(I
nvitorogen Inc.)にライゲーションした。伸長するために正しい配向でRC−9
を含有する単一の細菌性コロニーを選別した。pRc/CMV中RC−9を有す
る精製DNAを得た。
ラット大動脈平滑筋(RAVSM)細胞をpRc/CMVプラスミド単独でか
、またはRC−9を含有するプラスミドpRc/CMVでトランスフェクション
した。トランスフェクションすべきDNA(pRc/CMVまたはpRc/CM
V RC
−9)と混合したLipofect AMINE試薬(Life Technologies Inc.)を用
いてトランスフェクションした。Lipofect AMINE試薬によりDNAが細胞
膜を通過できるようになり、実際DNAを宿主の染色体に組み込むことができる
。トランスフェクションの2日後、化合物G418(Geneticin)を細胞に加え
た。G418はpRc/CMVプラスミドを含有しない細胞を殺し、pRc/C
MVまたはpRc/CMV RC−9を含有する細胞のみを残す。トランスフェ
クションしたRAVSMをG418存在下、RC−9に関する機能研究のために
成長させた。
pRc/CMVまたはpRc/CMVRC−9のどちらかを含有するRAVS
Mを同一濃度でT−150フラスコに播種し、5または7日間DMEM+10%
FBS+G418中成長させた。次いで細胞をトリプシン処理し、増殖における
差異を見出すためにヘモサイトメーターを用いて計数した。5日目にpRc/C
MVの細胞数は4.55x104±8.5x103セル/cm2(T−150フラ
スコ@150cm2中)であり、pRc/CMV RC−9の細胞数は1.22x
105±5x102セル/cm2であり;変化は168%であった。7日目の細胞
数は類似の結果であった:pRc/CMVの細胞数は5.93x104±5.5
x103セル/cm2(T−150フラスコ@150cm2中)であり、pRc/
CMV RC−9の細胞数は1.84x105±3.7x104セル/cm2であり
;変化は210%であった。
細胞数データにより、RC−9を含有するRAVSMは対照細胞よりも速い速
度で増殖することが明確に示された。実施例5−ヒトRC−9の組織発現
本明細書に記載するヒトRC−9配列、配列番号:5および6は以前にWO9
5/17506に記載されたヒトAIF配列と実質的に同一である。ヒトRC−
9[配列番号:5]で形質転換したイー・コリ(E.coli)は元来pBluescriptに発
現するが、成長し、陽性クローンが同定された。
ゲル精製cDNAプローブ(PCRにより生じる)を用いて、前記するように
、ノーザン「ドット・ブロット」分析により、ヒトRC−9 mRNA発現を評
価した。発現、シクロフィリンを用いた標準化はCNS、GI/尿生殖管および
驚くこ
とに、心臓、大動脈および精巣の種々の領域からの「正常な」ヒト組織において
相対的に低値であった(hRC−9により定義:シクロフィリンの比率<1.3
)。(この最後の観察は、ラットRC−9[配列番号:3]がラット精巣cDNA
ライブラリーに由来するクローンであったので特に興味深い)。しかしながら、
発現は炎症細胞機能に関連する器官において数倍に上昇した(骨髄>胸腺>脾臓
>末梢血白血球、例えばhRC−9:シクロフィリンの比率>6.0)。胎児組
織では同様の発現パターンが示された(例えば、胸腺、脾臓で発現は最大)。ヒ
ト「疾病」組織ブロットでは、ミトゲン(TGFbまたはアンジオテンシンII
)刺激血管平滑筋細胞に存在するmRNAが増強され、これにより成長因子刺激
に関連するヒトRC−9[配列番号:6]のアップレギュレーションが示された。
組織分析により、高血圧、うっ血性心不全および心筋梗塞に関連する(例えば心
臓および腎臓における)ヒトRC−9ハイブリダイゼーションの上昇は細胞性増
殖/分化および繊維増殖障害の病因の対照におけるヒトRC−9[配列番号:5
および6]の役割に合致することが示された。平均的な発現に相対的に合致して
、以前に血管形成を行った血管の新内膜に由来する血管平滑筋において、ヒトR
C−9 mRNA発現もまた増加した。
本明細書に引用した全ての参考文献は出典明示により本明細書の一部とする。
本発明の特定の具体例を特に記載したが、多くの修飾および変更を行うことがで
きることは当業者には明らかであろう。従って、本発明は示した特定の具体例に
より限定することを意味するものではなく、むしろ範囲は以下の請求の範囲によ
ってのみ規定されるものである。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,BB,BG
,BR,CA,CN,CZ,EE,GE,HU,IL,
IS,JP,KG,KP,KR,LK,LR,LT,L
V,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL
,RO,SG,SI,SK,TR,TT,UA,US,
UZ,VN
(72)発明者 オーティーリ,マイケル・ビクター
アメリカ合衆国19442ペンシルベニア州
ブルー・ベル、クリアビュー・アベニュー
1565番