JP2000504055A - 衝撃吸収度および加工性を高めた微小繊維強化生物分解性澱粉エステル複合材料 - Google Patents

衝撃吸収度および加工性を高めた微小繊維強化生物分解性澱粉エステル複合材料

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Abstract

(57)【要約】 澱粉エステルおよびセルロースの微小繊維を含有する熱可塑性組成物は優れた機械特性を有する生物分解性物品に形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 衝撃吸収度および加工性を高めた微小繊維強化生物分解性澱粉エステル複合材料 発明の分野 本発明は一般的に澱粉を主成分としたポリマー類に関するものである。さらに 具体的には、高度の機械強度、優れた衝撃吸収度および優れた加工性を有する繊 維で強化した澱粉エステル複合材料に関するものである。これらの澱粉エステル 複合材料は生物分解性であり耐水性を有する。これら複合材料は、例えば成形、 押し出し成形、熱成形など、これらに限られないが、従来の加工技術を使って熱 可塑性加工を施すことができる。 発明の背景 置換度が1 から3 までの範囲である澱粉エステル類の諸特性は澱粉の種類、置 換基の鎖の長さ、および活性化と反応の条件により決定される(Starch Chemistr y and Technology,R.L.Whistler et al.編集、340 頁)。澱粉のエステル類か ら有用な生物分解性の材料を開発する際に重要な要素(パラメータ)は:(1)澱 粉原料として高アミロース澱粉(少なくとも50重量%のアミロースを含有)を使 用すること;(2)生物分解性の臨界的バランスと必要とされる耐水性と熱可塑性 とを維持するためにエステル置換度を1.5 から2.5 までの範囲に制御することで ある。また、純粋な澱粉エステル類またはそれらの可塑化された組成物でさえも 機械強度の貧弱な脆い材料を形成することは知られている。 澱粉エステル類を生物分解性熱可塑性材料として使用することは、米国特許第 5,367,067 号に開示されている。この特許は可塑化された澱粉エステル組成物類 が生物分解性物品に成形または押し出し成形されるが、定性的にこのような材料 の特性の範囲を特定していない。当該技術に精通した者なら、澱粉エステル類は それ自体でまたは可塑剤と組み合わせても機械特性の貧弱な脆い材料を形成する 。このような材料の生物分解性を市販用に開発するために、それらの機械強度、 衝撃を吸収する能力、および高速製造能力を有する加工性を改良することが必要 とされる。機械強度、衝撃吸収能力および加工性の臨界的バランスを達成するこ とにより、これらの欠点を克服し、市販用の生物分解性材料として使用される可 能性を拡大する組成物を得ることが望ましい。以上のことは全て市販製品開発に とって重要な考慮すべき点である。また、熱可塑性加工法により物品を製造する ことのできる生物分解性の繊維強化澱粉エステル複合材料を得ることも望ましい はずである。 発明の要約 本発明の目的は、特許を含め先行文献に開示された澱粉エステル組成物類より 優れた機械特性、さらに高い衝撃吸収能力および優れた加工性を有する生物分解 性澱粉エステル組成物類を開示することである。 別の目的は、例えば押し出し、型成形および熱成形などのこれらに限定される わけではないがさまざまな方法により熱可塑化加工することのできる新しい組成 物類を開示することである。 さらに別の目的は、先行技術の物品よりさらに耐水性に優れ、寸法安定性のあ る物品を開示することである。 エステル基に2-18個の炭素原子を有する澱粉エステルにセルロース繊維を混入 すると、予想外に、その澱粉エステルから作られた製品に十分な機械的強さを与 え、その製品の衝撃吸収能力を高めると同時に前記製品の熱可塑化加工性と完全 な生物分解性を保持することを我々は発見した。 加えられるセルロース繊維の性質および形状の寸法が、澱粉エステル組成物の 機械的強化および加工性の所望のバランスを得るために重大である。我々が有用 であると発見したセルロース繊維は、平均の長さが約75ミクロンから750 ミクロ ンまでの範囲であり、平均直径が10ミクロンから80ミクロンまでの範囲であり、 長さ対直径の比(L/D)は約3 から約60までの範囲である。我々はこれらの繊維を ここでは「微小繊維」と呼ぶ。 我々はまたある生物分解性液体類(biodegradable liquids)をこの微小繊維 に加えるとそれらの加工性を何倍かに増大することを発見した。 本発明の好ましい実施態様において、澱粉エステル類は1.0 から2.5 までの範 囲の置換度を有する澱粉アセテート類であり、セルロース微小繊維は約3 から30 までの長さ対直径の比を有する。これらの組成物類から製造された新規な製品は ASTM D-5338 試験方法を使って生物分解性であることが判明した。 発明の詳細な説明 本発明の好ましい実施態様において、置換度が約1.0 から約2.5 までの範囲の 澱粉酢酸エステルは、平均長さが約100 ミクロンから600 ミクロンまでの範囲で 、長さ/直径の比が6 から12までの範囲であるセルロース微小繊維の約5 重量% から約40重量%までと混合されるが、このセルロース微小繊維は約1重量%から 約10重量%のエポキシド化された大豆油およびポリエステル可塑化剤として約5 重量%から約25重量%のトリアセチンで予め湿らせておいた。得られた組成物は 優れた機械特性を有する微生物分解性製品に簡単に成形される。 本発明において使用できるエステル類には、澱粉酢酸エステル(酢酸澱粉)、 澱粉プロピオン酸エステル、澱粉ブタン酸エステル、澱粉カプロン酸エステル、 澱粉カプリル酸エステル、澱粉ラウリン酸エステル、澱粉パルミチン酸エステル 、澱粉ステアリン酸エステル、澱粉アクリル酸エステル、澱粉クロトン酸エステ ルおよび澱粉オレイン酸エステルなどが挙げられる。 本発明で使用する好ましい澱粉エステルは酢酸澱粉であり、これは文献で最も 幅広く研究されたエステルである。本発明において使用するのに特に好ましいも のは置換度が1.5 から2.8 までの範囲の澱粉酢酸エステル類である。 無水酢酸、酢酸ビニル、または氷酢酸を使用して所望の置換度を有する澱粉酢 酸エステルを含めた澱粉エステル類を製造する複数の方法が文献において知られ ている。本発明の目的のために、我々はマークおよびメルトレッタ(Mark and M ehltretter)がStarkeの第3巻、1972年版、73-100頁に記載している方法を使用 して、所望の置換度を有する酢酸澱粉類を調製した。しかし、本発明で使用でき る酢酸澱粉類は、前記好ましい方法で製造されたものに化学的類似物である限り その製造方法に限られない。 一般に、使用できる澱粉エステル類は、澱粉の出発材料が少なくとも50重量% (好ましくは、70% 以上)のアミロースを含有している澱粉エステル類である。 この澱粉は、例えばとうもろこし、小麦、えんどう豆、オート麦、サゴ、馬鈴薯 、タピオカ、さつまいもなどの適当な資料から取り出される。 母材(マトリックス)の強化材として繊維を使用することは特定の用途の複合 材料の製造において周知である。しかし、繊維の寸法特性(例えば、長さ(L)、 長さ対直径の比(L/D))、化学組成、充填重量%、および機械的性質は繊維の表 面特性とともに必要な繊維−マトリックス混和性、機械的強度および加工性を得 るために非常に重要である。強化材として使用した天然繊維の例としては、セル ロース繊維、リグノセルロース繊維が挙げられるが、合成繊維の例としてはレー ヨン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ガラス繊維などが挙げられる。繊 維の長さにより、通常は綿くず繊維、刻み繊維、短繊維または粉砕繊維として分 類される。刻み繊維および短繊維の長さは20ミクロンから1400ミクロンの範囲内 であり、粉砕された繊維の長さは1000ミクロンから6000ミクロンまでの範囲内で ある。これらは全て複合材料を得るために重合体マトリックスの強化材として使 用される。綿くず繊維は典型的な場合100-400 ミクロンの範囲の長さ(30-100 メ ッシュのサイズ)であり、加工性および機械的強化の改良のために熱可塑性材料 に使用されてきた(Plastics Compounding For Resin Producers,Formulators And Compounders,1991,page 97)。 本発明の澱粉エステル組成物類を製造するのに有用であると発見した繊維類は 平均長さが75-750ミクロンであり、長さ対直径(L/D)の比が3-60であるセルロー スの微小繊維である。 好ましいセルロース微小繊維は平均長さが約100 から約300 ミクロンまでの範 囲内であり、平均直径が約10ミクロンから30ミクロンまでの範囲内であり、L/D の比が6 から15までの範囲内であるリグニンを含まないセルロース繊維である。 これらの繊維は米国ミズリー州セントルイスのプロテイン・テクノロジーズ・イ ンターナショナルから製品名Solka-Flocで販売されている。天然の資源由来の微 小繊維、例えば綿、オート麦、他の実の繊維、(きわた(bombax cotton)およ びジャワ綿等)の他に、じん皮繊維(麻、亜麻)、葉の繊維(マニラ麻)、およ び再生セルロース繊維が挙げられる。半合成および合成のセルロース微小繊維で 例えばアセテートレイヨンなどが使用できる。 長さが100-750 ミクロンの範囲で、澱粉エステルの重量に対して約1%から約 60% の範囲の量のセルロース製微小繊維を使用すると、改善された機械特性およ び高度の加工性が得られることを我々は発見した。セルロース製微小繊維は、他 の微生物分解性繊維、例えばセルロース繊維と類似の寸法特徴を有するリグノ・ セルロース繊維または蛋白質繊維とは異なる特有の作用のし方をすることを我々 は発見した。また、長さが約75から約750 ミクロンの範囲およびL/D 比が3-60の 範囲以外のセルロース繊維を使用した場合、完全な生分解性を維持していても機 械的強化および加工性の予想外の効果は得られないことを我々は発見した。 セルロース微小繊維が特有な効果を奏する機構(メカニズム)は知られていな い。しかし、該メカニズムは、繊維の化学組成(澱粉エステルマトリックスとの 機械的・化学的混和性に寄与する)ばかりでなく繊維の特定寸法形状と関連する ようである。セルロース繊維と澱粉マトリックスとの化学的類似性が繊維の表面 性能と共に多分上記特有の作用において重要な役割を担っている。これは実施例 4によりさらに例証される。この実施例4において、セルロース微小繊維はポリ スチレンマトリックスと混合され、得られた複合材料は純粋なポリスチレンと比 べて特性が劣ることが明らかにされた。この結果は、セルロース微小繊維がポリ スチレンマトリックスと混和しないことを示している。 我々は、さらに例えばエポキシド化大豆油などの湿潤剤は、加工助剤として( 全組成の約1重量%から10重量%までの範囲で)使用される場合、さらにこれら の微小繊維強化澱粉エステル複合材料の溶融流れ性を改善させすることを発見し た。 好ましい湿潤剤はエポキシド化大豆油とエポキシド化脂肪酸類である。少々効 果は劣るが通常使用できる他の湿潤剤としては、大豆油、亜麻仁油、ひまし油、 例えばポリカプロラクトンなどの脂肪酸類と低分子量直鎖脂肪族ポリエステル類 、ポリアルカノエイト類、およびポリ乳酸が挙げられる。 エポキシド化油類・脂肪酸類の使用は、該油類または脂肪酸のエポキシド基と 澱粉エステルとセルロース繊維類のヒドロキシル基(水酸基)との間に反応を起 こす可能性があり、この反応によってさらに繊維とマトリックスとの混和性を高 めるので独特である。エポキシド基とヒドロキシル基との反応は触媒により促進 されることが知られている。触媒を使用しない場合でさえも、2 重量%ほどの少 量のエポキシド化油を使用すると、メルトフローレート(MFR)を10倍に増大させ ることができる。この効果は実に顕著である。 また、エポキシド化油を複合材料に添加する方法は加工性を増大させるのに重 要な役割を果たすことを我々は観察した。セルロースの微小繊維類は重量%に基 づく油を吸収する有意的な能力を有する。油は繊維だけに加えることができる。 この前処理された繊維を澱粉エステルマトリックスと混合した複合材料は、油、 繊維、澱粉エステルが同じ量の油を含むように混合された場合の複合材料より、 さらに高いMFRを有する。 本発明の組成物も可塑剤、着色剤、安定化剤、脱臭剤、難燃剤、潤滑剤、離型 剤、およびその混合物から成る群から選ばれた1個以上のものを含むことができ る。 好ましい可塑剤としては、例えばトリアセチン、トリプロピオニンおよびトリ エチルアセチルシトレートなどの低分子量のエステル型可塑剤が挙げられる。他 の可塑剤も用途により使用できる。 ポリマー類の機械特性を評価する場合に、ノッチ付アイゾッド衝撃強度、曲げ ・伸び破断歪、破壊エネルギー(応力ひずみ曲線下の面積の総和)、落槍衝撃強 度(落下重量法)試験などの試験が一般的に使用され材料の耐衝撃性を測定する 。これらの試験のそれぞれが耐衝撃性の異なる面を測定する。例えば、ノッチ付 アイゾットは亀裂感度の測定であるが、破壊に必要とされるエネルギーは亀裂開 始および亀裂の広がりに対する材料の耐性の測定である。2つの異なる材料は同 じノッチ感度(ノッチアイゾット値)を有するが、ノッチなしの状態では有意に 異なる強靭性または衝撃耐性を有することがある。応力・ひずみ曲線の下の面積 (破壊エネルギー)はこのような材料の振る舞いを識別するために有用な測定で ある。 本発明の組成物を評価するために、我々は置換度2.1 の酢酸澱粉+可塑剤の組 成物から成形物を製造し、さらに置換度2.1 の酢酸澱粉+タルク+可塑剤の組成 物から成形品を製造した。これらの調製物は実施例2において対照調製物と呼ば れる。先行技術から知られているように、酢酸澱粉+可塑剤の組成物の機械強度 は不十分であり、これらの試料は非常に脆いことを発見した。該組成物の機械強 度は粒状充填剤としてタルクを使用することによりほんの僅かに改良されたが、 これらの試料もかなり脆かった。それらは衝撃に耐えることができないので、例 えばポリスチレンまたはポリエチレンなどの従来の非分解性の石油化学物質を主 成分とするプラスチック類に対する生物分解性の代換え物として酢酸澱粉を主成 分とする材料を市場に出すための用途を見つけるには重大な障害がある。澱粉エ ステルを主成分とする材料が市場に受け入れられるためには、該材料を含有する 組成物がその相対的耐衝撃能力の定性的測定基準として使用する一般的目的のポ リスチレンの組成物類と同じ比率の破壊エネルギーを有するべきである。対照の 酢酸澱粉組成物の引張試験および曲げ試験の比率はそれぞれRTとRFと表示され、 1.0 未満であり、対照材料は一般的な目的のポリスチレンの組成物よりも少ない 量の破壊エネルギーを必要としたことを示している。 75-750ミクロンの範囲内の長さL を有し、L/D 比が6-30であるセルロース微小 繊維と組み合わせた場合に、約2.1 の置換度を有する澱粉酢酸エステルの調製物 は、対照の澱粉酢酸エステル+可塑剤組成物および澱粉酢酸エステル+可塑剤+ タルク組成物より高度の機械強度を有し、さらに重要なことには、さらに高い衝 撃吸収能力を有することをわれわれは発見した。本発明の微小繊維強化複合材料 の全てについてその引張試験および曲げ試験の比率RTとRFは1.5 −3.0 の範囲内 であったので、これらの材料が対照澱粉エステル調製物より高い破壊エネルギー を必要とすることを示している。事実、本発明の繊維強化澱粉酢酸エステル組成 物は実施例2の表1に示されるように一般的目的のポリスチレンの組成物より優 れた特性さえ示した。さらに、表1に明らかなように、これらの組成物は合計重 量に対して30重量%のこのような高い繊維充填量においてさえも非常に高い加工 性を示した。本発明の繊維強化酢酸澱粉組成物の機械強度、衝撃吸収能力および 加工性の驚くべき改良は酢酸澱粉組成物についてこれまで決して報告されなかっ たことであり、例えばポリスチレンなどの従来の石油化学薬品を主成分としたプ ラスチックから製造された製品と同じ性能を有する市販の生物分解性製品を開発 する際に酢酸澱粉を使用するという素晴らしい可能性を提供するものである。 本発明は下記の実施例によりさらに例証される。 実施例1 高アミロース澱粉酢酸エステルの製造 アシル化剤として無水酢酸を使用して置換度=3.0 の澱粉酢酸エステルを製造 することはマークとメルトレッタ(前記)により詳細に説明されている。2.0 と 3.0 の中間の置換度を有する最終製品を得るために無水物の使用量を減らした以 外は同じ方法を使用して、高アミロース・コーンスターチから本実施例の澱粉酢 酸エステルを製造した。 この実施例の高アミロース澱粉エステルを調製する場合に、2660g のHylon-7 コーンスターチ(ナショナル・スターチ・アンド・ケミカルズ社)(70%アミロー ス)を0.2 重量%の含水量となるまで乾燥した。このコーンスターチを5 ガロン の反応器(モアハウス・カウレス2J-14 分解装置)に加えた。覆いをして、6815 g の無水酢酸を添加タンク(窒素により加圧した3 ガロンの圧力タンク)により 反応器に加えた。次に混合機を所望の設定、100rpm(固定装置/壁かきとり装置 )および2750rpm(乳化装置)にして回転させた。調節された水系のスイッチを 入れて80℃にセットした。いったん温度が安定したら、796gの水酸化ナトリウム の水溶液(50重量% のNaOH)を添加タンク(窒素により加圧された2 リットルの 圧力容器)を経て加えた。添加を開始したとき、設定温度は120℃ まで上昇した 。水酸化ナトリウム溶液を6-14分以内に加えた。この時間は温度を120-130℃ の 範囲に制御するために変動する。最初にNaOH溶液を加えた後65分してから、その 系は調節された水系により冷却された。温度が100℃ 未満になったとき、反応器 を開けて、氷/ 水混合物を加えてその混合物を沈殿させた。反応器を閉鎖して、 温度が35℃以下になるまで混合した(約10分)。 反応器を開けて、生成物をくみ出し、半分水を入れた大きなタンクに(撹拌し て)入れた。この撹拌されたタンクにゆっくりと重炭酸ナトリウムを加え、反応 で発生した酸を中和した。7490g の重炭酸ナトリウムが必要とされた。消泡剤を 加えて発泡を制御した。いったんpHを7.0 に中和したら、生成物を圧力フィルタ ーへ移した。生成物を水で5 回洗浄して塩を溶解した。瀘過された生成物を1晩 乾燥してから50-60℃ の対流オーブンへ入れた。生成物を0.2-0.5 重量%の含水 量となるまで乾燥した。生成物の置換度は300MhzのプロトンNMR により測定した ところ2.1 であった。 実施例2 衝撃吸収度を改良した澱粉酢酸エステルとセルロース繊維の生物分解性複合材料 置換度2.1 の澱粉酢酸エステルを実施例1に記載の方法により調製した。最終 含水量が0.5 重量%未満になるまで乾燥した。澱粉酢酸エステルとセルロース繊 維と可塑剤の調製物をいくつか調製し、機械的および加工性の諸特性を評価した 。長さLが55-1600 ミクロンの範囲内であり、長さ対直径の比L/D が3-35の範囲 内である様々なセルロース繊維を使用した。最も優れた特性はL=100-750ミクロ ンの範囲で、L/D が6-30の範囲内である繊維について得られた(ここではこれを 「微小繊維」と呼ぶ)。澱粉酢酸エステルとセルロース微小繊維の複合材料は繊 維の充填量が10-40 重量%で優れた機械特性と加工性を示した。LおよびL/D を 変動させたセルロース微小繊維を使用する代表的な調製物の特性は表1に示され る。 澱粉酢酸エステルとセルロース繊維および生物分解可塑剤との調製物はこれら の成分をTeledyne-Readco 混合装置(モデルLabmaster-II)において混合するこ とにより調製された。澱粉酢酸エステルとタルクおよび可塑剤とから成る3つの 他の調製物も対照として調製され、機械特性、特に改良された耐衝撃性に関する 澱粉酢酸エステルおよびセルロース繊維組成物が独特なものであることを明らか にした。純粋な一般的目的のポリスチレンの第四対照が使用されて、澱粉酢酸エ ステル+セルロース繊維組成物が一般的目的のポリスチレンの組成物に比べて優 れたまたは匹敵する機械特性を有することを明らかにした。これらの調製物のそ れぞれはベーカー・パーキンス(Baker-Perkins)の二軸スクリュー押し出し機 (モデルMPC-30)でストランド金型により押し出し成形され、次にキリオン・ペ レタイザ(Killion pelletizer)でペレット状に形成した。押し出し成形の典型 的な温度プロフィールは100℃(供給原料)、155 、165 、165℃(金型)であっ た。配合樹脂ペレットは Arburg 射出成型機(モデル Allrounder 221)でASTM 試験試料に成形された。成形のための典型的な温度プロフィールは190℃(供給 原料)、200 、200 、210℃(ノズル)であった。調製物の加工性は加工し易 さおよび加工された部品の品質により判断された。加工し易さは配合中の一定の 供給速度での押し出し機の充填量によりおよび融解温度および射出成形中に優れ た品質の部品を得るために必要とされる射出圧力により判断された。1-10の等級 の評価は1=最悪および10=最良として以上述べた調製物のそれぞれについて表 1に示されている。 試験試料は48時間にわたり相対湿度50%(RH)および23℃に調整され、次に機械 特性についてASTM試験方法を使って評価された。引張試験はユナイテッド・テン シル・システム(United Tensile System)試験機(モデルSSFM-20)でクロスヘ ッド速度が毎分0.025 インチでI型試料を使ってASTM D-638基準により実施され た。曲げ試験はクロスヘッド速度が毎分0.05インチ、支点間距離2インチで0.12 5 インチの厚さの試料を使ってASTMD-790 基準により実施された。切り込みアイ ゾット衝撃試験はテスチング・マシーン社(Testing Mchines Inc.)の1ポンド の振り子の付いたアイゾット衝撃試験機(モデルTMI-43-1)でASTMD-256 を使っ て実施された。応力(1ポンド)・ひずみ(%インチ/インチ)曲線の下の面積 は引張および曲げ試験のデータの両方について数の総和により計算され、破壊す る前にエネルギーを吸収する材料の容量の測定基準として使用された。各調製物 について、応力・曲げ曲線の下の面積はポリスチレンの対応する面積により標準 化された。この割合は特別な調製物の性能を一般的目的のポリスチレン(PS) の性能と比較するのに役立つ。1.0 より大きい値は一般的目的のポリスチレンよ り大きな破壊エネルギーを意味し、機械的な破壊の前に衝撃を吸収する能力が高 いことを示唆している。 表1は、本発明の澱粉酢酸エステルの微小繊維強化複合材料がタルクを充填し た澱粉酢酸エステルまたは純粋な澱粉酢酸エステルよりすぐれた機械特性と耐衝 撃性を有することを明らかに示している。これらの繊維強化調製物の改良された 耐衝撃性のおかげで、これらの調製物を使い捨てプラスチック刃物類、カップ、 皿および他の単一用途の使い捨て物品などのような市販品に適用することができ る。弱い耐衝撃性は粒子を充填した澱粉酢酸エステル組成物または純粋な澱粉酢 酸エステル組成物の有意な欠点である。 置換度が1.5 から3.0 までの範囲のどんな熱可塑性澱粉酢酸エステルでも、ま た特別な要件について加工条件を適当に変更した熱可塑性澱粉エステルについて も、複合材料を製造するために、同じ繊維強化複合材料の製造方法を繰り返して 使用することができる。 実施例3(比較) 澱粉酢酸エステルとリグノセルロース微小繊維(木の繊維)の混合 置換度2.1 の澱粉酢酸エステルを実施例1に記載の方法で調製した。最終生成 物を含水量0.5 重量%になるまで乾燥し、木の繊維と混合して表2に示されるよ うに組成物を調製した。混合、配合、ASTM試験試料への射出成形および試験のた めの実験方法は実施例2 に詳細に説明されているものと同様に行われた。長さL= 75ミクロンとL=200 ミクロンの木の繊維がそれぞれ等級12010 および6010として アメリカン・ウッド・ファイバース(American Wood Fibers)から得られた。こ れらの繊維は両方とも澱粉酢酸エステルと混合する前に12時間にわたり9Cで真空 オーブンで0.5 重量%の含水量となるまで乾燥させた。これらの調製物の機械的 特性および加工特性は表2に示される。 実施例1に記載のセルロース微小繊維組成物とは異なり、リグノセルロース木 繊維(LおよびL/D 範囲は同じ)は機械特性、特に破壊するのに必要とされるエ ネルギーにおいて同じ強化を提供しなかったし、また加工性も非常に劣っていた 。 実施例4(比較) 一般的目的のポリスチレンとセルロース微小繊維との混合物 等級 Fina 500 の一般的目的のポリスチレン(PS)をフィナ・オイル・アンド・ ケミカル社(Fina Oil and Chemical Co.)から入手した。これをL=300 ミクロ ンとL/D=12のセルロース微小繊維と混合した。繊維を混合する前に含水量を0.5 重量%以下に乾燥した。混合、配合、射出成形および試験の実験方法は実施例2 に記載のものと同じであった。PS- セルロース微小繊維混合の組成物および機械 特性は一般的目的のポリスチレンと比較して表3に示してある。 L=300 ミクロンおよびL/D=12のセルロース微小繊維はポリスチレンの機械特性 を改良しなかったし、事実その加工性は非常に劣っていた。しかし、同様の繊維 充填濃度で同じサイズの微小繊維は実施例1において澱粉酢酸エステルマトリッ クスの機械特性を劇的に改良した。 実施例5 メルトフロー特性を強化した澱粉酢酸エステルとセルロース微小繊維の生物分解 性混合物 実施例1に記載の方法で調製した置換度2.1 および含水量0.5 重量%の澱粉酢 酸エステルをセルロース微小繊維(L=300 ミクロンおよびL/D=12)、可塑剤とし てのトリアセチンおよびエポキシド化大豆油(ESO)と混合した。エポキシド化大 豆油は等級 Vikoflex 7170のものをElf Atochem から入手した。これらの調製物 を配合し、ASTM試験棒に成形し、これまでの実施例に記載したように評価した。 澱粉酢酸エステルとセルロース繊維との配合物にエポキシド化大豆油を加えたと ころ、有意な程度まで加工性を増大した。さらに、エポキシド化大豆油の添加方 法はこれらの配合物の加工性に実質的な差をもたらすことも観察された。第一の 方法では、可塑剤を加えたように、エポキシド化大豆を澱粉酢酸エステルと繊維 の混合物に加え、全混合物をTeledyne-Readco 混合機で混合した。第二の方法で は、エポキシド化大豆油を先ず繊維だけに加えた。繊維は容易に油を吸収した。 この油の「しみこんだ」繊維を次に澱粉酢酸エステルおよび可塑剤とTeledyne-R eadco 混合機で混合した。次に、これらの調製物のそれぞれを同じ加工条件で配 合した。後者の調製方法は優れたメルトフロー特性を有するペレットを驚くほど に生成することが観察された。これを表4に示す。 メルトフローレート(MFR)はRay-Ran メルトフローインデックス装置(モデルMK -II)でASTM D-1238 基準を使って、20C/5kg で測定された。メルトフロー率の値 (g/10分の単位)は従来は重合体材料の流動性特性を定性するために使用されて いる。表4は澱粉酢酸エステル、微小繊維および可塑剤だけを含有する対照組成 物メルトフローレートが、実施例6-1 、6-2 、6-5 、6-6 により示されるように 調製物にエポキシド化大豆油を加えることにより10-15 倍も改良されたことを示 している。表4はまた繊維だけにエポキシド化大豆油を加え、次にこの油を 「しみこませた」繊維を澱粉酢酸エステルおよび可塑剤とともに調製する場合の 劇的な効果を実施例6-3 、6-4 、6-7 、6-8 により示している。これらの試料の メルトフロー率の値は対照調製物のほとんど25-45 倍であった。 表4に示される組成物から得られた配合ペレットはASTM試験試料に射出成形さ れ、機械特性を評価した。これらの調製物、および特に2 重量%のエポキシド化 大豆油を含有する場合は、引張試験および曲げ試験において破壊時の伸びの増加 および破壊するためのエネルギーの高い値を示した。 実施例6 繊維強化澱粉酢酸エステル組成物の射出成形物品 スプーン、フォーク、ナイフ、皿、コップ、ゴルフのティなどのような射出成 形物品が製造され、澱粉酢酸エステルおよび微小繊維調製物を市販用に製造でき る可能性を示した。これらの物品は澱粉酢酸エステル、タルクおよび可塑剤を含 有する組成物から製造された物品とそれらの性能、特に耐衝撃性について比較し た。 スプーン、フォーク、およびナイフ(洋食用具)が表1の組成物2-1 、2-2 お よび2-8 ばかりでなく対照のタルク含有組成物2-1Cおよび2-2Cから成形された。 酢酸澱粉および微小繊維の組成物から成形された洋食用具は澱粉酢酸エステルと タルク組成物から成形されたものに比べて機械特性、特に衝撃吸収性に明らかに 優れていた。表1の組成物2-6 および2-2Cから成形された皿について同じような 観察がなされた。 表4のエポキシド大豆油を含有する組成物から洋食用具を成形した。得られた 洋食用具は、微小繊維を含有するがエポキシド大豆油を含まないもの、例えば、 表4の対照調製物より柔軟性および耐衝撃性に優れていた。 実施例7 トリアセチンとセルロースを含有する酢酸澱粉(置換度2.1)組成物から押し出 し成形されたフィルム 置換度2.1 の澱粉酢酸エステルを実施例1に記載の方法により調製した。澱粉 酢酸エステルとトリアセチンとセルロース微小繊維(L=300 ミクロン、L/D=12) との調製物をこれまで述べた実施例に記載の方法を使って調製した。澱粉酢酸エ ステルに20重量%の繊維と30重量%の繊維およびそれぞれの繊維に対して15重量 %のトリアセチンおよび20重量%のトリアセチン(全て合計重量に基づく)を加 えて得られた調製物をKillion 単一軸スクリュー押し出し機でシート状に押し出 し成形して優れた表面特性と柔軟性を得た。 RTは引張試験におけるPSに対する試料の応力・ひずみ曲線の下の面積の 割合である。 RFは曲げ試験における同様の割合である。 RTは引張試験におけるPSに対する試料の応力・ひずみ曲線の下の面積 の割合である。 RFは曲げ試験における同様の割合である。RTは引張試験におけるPSに対する試料の応力・ひずみ曲線の下の面積の割合 である。 RFは曲げ試験における同様の割合である。 *:繊維に添加した場合 ESO=エポキシド化大豆油 本発明の実施例が酢酸澱粉を主成分としているが、どんな澱粉エステルでも、 または異なる澱粉エステル類の混合物類でも、または混合された澱粉エステルで も類似の組成物類であれば、ここに開示された方法を使って調製することができ る。さらに、本発明の実施例において酢酸澱粉を製造するために使用された澱粉 は高アミロースのコーンスターチであったが、また、そのセルロースは他の資源 から得ることができる。これまでに述べたように、澱粉のアミロース含有量は澱 粉の含有量に対して50%以上、好ましくは約70%以上であるべきである。 本発明の精神および範囲を逸脱することなく多くの改善および変更が可能であ ることは当業者にとって自明のことである。従って、本発明は請求項によっての み限定されるものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮地 信男 愛知県岡崎市山綱町本寺65番地1

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.約1.0 から約3.0 までの範囲内の置換度を有する澱粉エステル、および平均長 さが約75ミクロンから約750 ミクロンまでの範囲であり、平均直径が約10ミクロ ンから80ミクロンまでの範囲であり、L/D が約3 から60までの範囲であるセルロ ース製微小繊維を組成物の約5 重量%から約50重量%までの範囲で含有する熱可 塑性組成物。 2.熱可塑性組成物は大豆油、エポキシド化大豆油、脂肪酸類、エポキシド化脂肪 酸類および低分子量直鎖脂肪族ポリエステル類から成る群から選ばれるものを含 有することを特徴とする請求項1の熱可塑性組成物。 3.澱粉が少なくとも50重量%アミロースであることを特徴とする請求項1の熱可 塑性組成物。 4.澱粉エステルがエステル基が2-18個の炭素を含有するものであることを特徴と する請求項1の熱可塑性組成物。 5.澱粉エステルが約1.5 から約2.8 の置換度(DS)を有することを特徴とする 請求項1の熱可塑性組成物。 6.澱粉エステルが澱粉とカルボン酸ハロゲン化物、酸無水物またはビニルエステ ルとの反応から得られることを特徴とする請求項1の熱可塑性組成物。 7.セルロース繊維が天然繊維であることを特徴とする請求項1の熱可塑性組成物 。 8.セルロース繊維の平均の長さが100 ミクロンから300 ミクロンまでの範囲内で あることを特徴とする請求項1の熱可塑性組成物。 9.可塑剤を含有することを特徴とする請求項1の熱可塑性組成物。 10.置換度(DS)が約1 から約3 までの範囲内である澱粉エステルを湿潤剤で 処理した微小繊維と完全に混合することから成る、優れた加工性を有する熱可塑 性組成物を調製する方法。 11.請求項1 の組成物から作られた製品。 12.請求項5 の組成物から作られた製品。 13.請求項8 の組成物から作られた製品。 14.請求項9 の組成物から作られた製品。
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