JP2000504394A - 広範囲のマッハ数で作動するラムジェット用の燃料噴射ストラット - Google Patents

広範囲のマッハ数で作動するラムジェット用の燃料噴射ストラット

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JP2000504394A JP10525274A JP52527498A JP2000504394A JP 2000504394 A JP2000504394 A JP 2000504394A JP 10525274 A JP10525274 A JP 10525274A JP 52527498 A JP52527498 A JP 52527498A JP 2000504394 A JP2000504394 A JP 2000504394A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、前縁(8)を備えた先頭部(7)を有するラムジェットエンジン(1)用の燃料噴射装置(6)に関する。本発明は、先頭部(7)の少なくとも前縁(8)付近が透過性壁(12)で形成されており、該装置が、先頭部(7)の透過性壁(12)の凹状部分内に設けられた室(11)と、透過性壁(12)を通過するように液体冷却剤をこの室内へ噴射する手段(15,18)とを含むことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】 広範囲のマッハ数で作動するラムジェット用の燃料噴射ストラット 本発明は、広範囲のマッハ数、特に高マッハ数、例えばマッハ12乃至15程 度で作動するラムジェット用の燃料噴射ストラットに関する。 ラムジェットは、広範囲のマッハ数、例えばマッハ2乃至15で作動すること ができると共に燃料消費率が低いため、極超音速航空機(誘導兵器、ミサイル、 航空機等)の推進用に特に好都合であることが知られている。航空機の特定用途 やおそらくは航空機の飛行段階に応じて、使用される燃料は、例えばケロシン等 の液体炭化水素か、例えば水素またはメタン等のガスにすることができる。 ラムジェットは、一方では、燃焼維持ガス(特に空気)流を燃焼室に向かわせ る、一般的に空気カウリングまたは空気取入口からなる少なくとも1つの燃焼維 持ガス用入口を含み、また他方では、燃焼維持ガス流内へ燃料を噴射して、燃焼 室内で点火される燃料/燃焼維持ガス混合体流を得られるようにする少なくとも 1つの噴射装置を含む。 比較的低マッハ数(例えば高くてマッハ2まで)で作動するように設計されて いるラムジェットでは、上記種類の燃料噴射装置を、燃焼維持ガス流を取り囲む ように、ラムジェットの内壁に配置された1組の個別の噴射器で構成することが できる。 しかし、ラムジェット内の燃焼が超音速または極超音速流内で行われる高マッ ハ数での作動の場合、燃料は、ラムジェットの内壁だけで噴射することができな い。この場合、燃焼維持ガス流内に含まれる燃料ジェットの貫入が少なすぎるた め、燃焼維持ガス流の中で燃料と燃焼維持ガスとを良好に混合することができな い結果、燃焼が低下したり、不可能になることさえある。当然ながら、燃焼維持 ガス流の横寸法が大きくなるほど、この問題は深刻になる。 これを解消するため、噴射装置は、長さ方向に沿って配置された複数の個別噴 射器からなるマニホルド形状に構成されており、噴射装置を燃焼維持ガス流の中 に且つ横切るように配置して、そのマニホルドの端部をラムジェットの対向壁に 取り付けている。この形式の噴射装置は、一般的に、「噴射ストラット」と呼ば れ、個別に、または壁での燃料噴射と組み合わせて使用される。 噴射ストラットでは、燃焼維持ガス流の断面全体で満足できる燃料/燃焼維持 ガス混合体を得ることができる。さらに一般的に言うと、極超音速ラムジェット 内の噴射ストラットは、 −極超音速度における燃焼維持ガス流内への燃料ジェットの貫入が低いにもか かわらず、燃焼維持ガス流全体に燃料を確実に供給することができ、 −燃料/燃焼維持ガス混合体における燃料の比率を増加させ、 −燃料/燃焼維持ガス混合体の点火及び炎の安定化を助け、 −ラムジェットによってすくい上げられた燃焼維持ガス流を低速化することに よって燃焼維持ガス流の圧縮を助ける。 上記種類の噴射ストラットは、燃焼維持ガス流の作用を受けて、それそれ空力 学的観点から、端部がラムジェットの2つの対向壁内に組み込まれている翼のよ うに挙動する。噴射ストラットの後部位置に配置された燃焼噴射器と反対の、燃 焼維持ガス流を受け取る先頭部側では、ラムジェットの推進性能を制限し、さら には燃焼維持ガス流の遮断をもたらすことさえある圧力損失を減少させるために 、噴射ストラットは、小さい半径の前縁を有する必要があり、燃焼維持ガス流は 、上流側での速度が十分に高い場合だけ、燃焼室内で極超音速を維持することが できる。 しかし、燃焼維持ガスの極超音速流によって発生する先頭部の加熱は、先頭部 の前縁の半径の平方根にほぼ反比例する。従って、半径が小さい前縁を有する先 頭部は、強い加熱作用を受ける。さらに、噴射ストラットは、ラムジェットの内 部に配置されていて、ラムジェットにより推進される航空機が飛行している際に 通る空気による放射で冷却することは、不可能であることに注意されたい。従っ て、この種類の先頭部は、30km程度の高度をマッハ12で飛行中の航空機の 場合、5000K程度の非常に高い温度を受ける。従って、セラミック等の材料 から、前縁の半径が3乃至5mm程度の噴射ストラットを構成する必要かある。 しかし、セラミック部品を製造する現在の方法を考えれば、高精度の要件を満足 させなければならないセラミック材製の噴射ストラットの製造には、必然的に長 時間と高コストが掛かる。 本発明の目的は、これらの欠点を解消することである。本発明は、小半径の前 縁を有するが、セラミック以外の材料から製造できる、極超音速ラムジェット用 の噴射ストラットに関する。 このため、高マッハ数で作動するように設計されると共に、燃焼維持ガス流を 導入する燃焼室を含むラムジェット用であって、燃焼維持ガス流を受け取る前縁 を有する先頭部を含み、燃焼維持ガス流内に該燃料維持ガス流を横切るように配 置されると共に、燃料を燃焼維持ガス流内へ分配する個別燃料噴射器のマニホル ドを後部に形成している燃料噴射ストラットは、本発明に従って、 −先頭部は、少なくとも前縁付近が透過性壁で形成されており、 −・先頭部の透過性壁の凹状側に設けられた室と、 ・この室内へ冷却流体を噴射する手段とを含み、この噴射手段は、先頭部の 高さ方向に沿って分布して、少なくとも前縁領域において透過性壁の凹状面に衝 突して透過性壁を通過することができる複数の冷却流体ジェットを発生すること ができる点で、特徴的である。 このように、噴射ストラットの前縁の冷却は、最高速度で前縁を通して冷却流 体を噴射することによって行われる。さらに、もっと詳細に後述するように、前 縁のこの透過性は、空気を最低速度で進入させることによって、最低速度におけ る点火を容易にし、このように前縁の「2方向」透過性を利用している(これに ついてはさらに詳細に後述する)。 例えば、先頭部の壁は、少なくとも先頭部の前縁付近を、冷却流体ジェットを 透過できる材料で形成することができるか、先頭部の前縁に沿って少なくとも1 連の孔を、または先頭部の前縁に沿って延在する少なくとも1つのスロットを設 けることができる。 冷却流体は、燃料であることが好都合である。 本発明の別の特徴によれば、先頭部は、縁部が先頭部の前縁を形成し、凹状側 が室を形成しているほぼ二面体形状の部品である。 噴射ストラットは、好ましくは、噴射ストラットの内部に内部空洞を画成する 本体を含み、この内部空洞内に、それそれ両端部で開口した穿孔シリンダ形状を した複数の個別の室が配置されている。 これらの個別の室は、空洞内に互いに一定の間隔を置いて上下に一列に並べて 配置されている。 各室の第1端部は、先頭部の凹状側に開口しており、噴射ストラットの後部の 位置で、室の各他端部が主燃料噴射器の形状になっているのが好ましい。 本発明の別の特徴によれば、対応のオリフィスを備えたキャップ形状の部品が 室の第1端部の総てを覆っている。 好ましくは、噴射ストラットの後部の位置で2つの個別室の間の各隙間に補助 燃料噴射器が設けられている。 また、ラムジェットの噴射室の対向壁に組み込まれた噴射ストラットの端部の 供給通路を介して、燃料を噴射ストラットに供給することができる。 さらに、噴射ストラットには、前縁の圧力、噴射ストラット内部の圧力、及び 燃料供給圧力を測定するセンサと共に、前縁の壁の温度を測定するセンサとを設 けることができる。 添付の図面は、本発明をいかに実施できるかを示している。図面において、同 一の参照番号は同様な部材を示している。 第1図は、燃料噴射ストラットを備えたラムジェットの1つの実施例の非常に 概略的な斜視図であり、ラムジェットの外被体が透明であると仮定している。 第2図は、本発明に従った燃料噴射ストラットの1つの実施例の分解斜視図で ある。 第3図は、第2図の噴射ストラットの中心の縦断面図である。 第4図、第5図、第6図、第7図及び第8図は、それそれ第3図のIV−IV 線、V−V線、VI−VI線、VII−VII線及びVIII−VIII線に沿 った燃料噴射ストラットの図面である。 第9図は、燃料及び燃焼維持ガスの流れに関して、本発明に従った燃料噴射ス トラットの一部の断面の半分を概略的に示す図である。 第10図は、モータの壁内における、第9図の噴射ストラットの部分の断面の 半分を概略的に示す図であり、側方の燃料供給部を示している。 第11図及び第12図は、第9図と同様であり、本発明に従った噴射ストラッ トの2つの作動モードを示している。 第1図に示されているラムジェット1は、広範囲のマッハ数、例えば約マッハ 3から12乃至15程度のマッハ数の範囲で飛行する予定の極超音速航空機(図 示せず)を推進するように構成されている。 ラムジェット1は、一端部に燃焼維持ガスとして機能する空気流(矢印Fで記 号表示されている)用の空気取入口3を、他端部にノズル4を有する外被体2を 含む。外被体2は、空気取入口3の下流側に、噴射室5を形成しており、噴射室 内部には、2つの燃料噴射ストラット6が燃焼維持ガス流Fを横切る方向に配置 されている。噴射ストラット6の各々は、燃焼維持ガス流を受け取る前縁8を備 えた先頭部7を有しており、噴射ストラットは、端部6A及び6Bを噴射室5の 2つの対向壁5A及び5Bの内側面に固定することによって、外被体2に取り付 けられている。外被体2の噴射室5とノズル4との間に、燃焼室9が画成されて おり、燃焼室の上流側に点火器(図示せず)が設けられている。噴射ストラット 6は、背部すなわち後部(すなわち燃焼室9側)に、長手方向噴射マニホルド( 第1図では見えないが、特に第3図に示されている)を含む。 このため、燃料は、噴射ストラット6の段階で燃焼維持ガス流F全体に分配さ れ、燃料/燃焼維持ガス混合体が燃焼室9で燃焼した後、燃焼ガスは、ノズル4 から放出される。燃料は、低マッハ数(マッハ8まで)では、ケロシンにするこ とができ、おそらくはラムジェットの点火とジェットの粉砕を容易にするために 、水素の通気を行い、また、それより高いマッハ数では、燃料を水素にすること ができる。メタン、吸熱型炭化水素及び合成燃料等の他の燃料も、この形式のラ ムジェットに同様に使用することができる。 第1図に示されている特定の実施例では、ラムジェットの外被体2は、対に向 き合わせた4つの壁からなる矩形または正方形断面の通路である(第1図では透 明であると仮定している)。本発明は、この形式の形状には、全く制限されない ことは明らかである。 前述したように、燃焼維持ガス流が特超音速飛行に対応している時、噴射スト ラット6の先頭部7の前縁8は、非常に高い熱流を受ける。従って、マッハ12 では、先頭部の前縁は、5000K程度の温度まで加熱されるであろう。 第2図乃至第8図は、この大きさの熱応力に耐えることができる、本発明に従 った噴射ストラット6の1つの実施例を示している。 これらの図面に示されているように、本実施例では、燃料噴射ストラット6は 、第2図に示されているように、2つの半割体10A、10Bを組み合わせて形 成することができる金属本体10と、ほぼ二面体形状の、例えば金属製の部品か らなる先頭部7とを含み、その部品の縁部が先頭部7の前縁8を形成し、凹状側 が室11を画成している。前述したように、先頭部7は、少なくとも前縁8付近 において、冷却流体ジェットを透過できる壁12で形成されている。 この壁12は、先頭部7の少なくとも前縁8付近において、冷却流体ジェット が透過できる材料で形成されており、すなわちこの場合、壁の透過性は、使用材 料の本来の多孔性によって得られる。しかし、図示のように、先頭部7の壁12 に一連の孔13や、先頭部7の前縁8に沿って延在するスロット13a(第2図 に一点鎖線で示されている)を設けることもできる。十分な機械的強度と共に必 要な透過性を与えることができる他のいずれの装置も、同様に考えることができ ることに注意されたい。 例えば、いずれの寸法も特定の用途及び状況に応じて決まることを念頭に置い た上で、先頭部の一般的な寸法は、厚さを30mm程度、前縁の半径を1mm程 度、先頭部角度を6°、長さを20乃至30cm、全長を1mまでにすることが できる。これに関連して言うと、図面、特に第2図は、それらの寸法を正確に示 していると見なしてはならず、分かり易くするために強調して作図されている。 好適な冷却流体は燃料自体であり、最高飛行マッハ数(例えばマッハ6より上 )で前縁を冷却するために、少量の燃料を前縁から噴射できると考えて、第2図 から第8図までに示されている本発明の実施例を構成する噴射ストラット6の本 体10の内部構造を、以下に詳細に説明する。 特に第2図に示されているように、2つの半割体10A、10Bが噴射ストラ ット6の内部に内部空洞14を画成しており、この内部空洞に、それそれが両端 部で開口した穿孔シリンダ形状をした複数の基本室15が設けられている。室1 5は、空洞14内に互いに一定の間隔を置いて上下に一列に並べて配置されてお り、この室の各々の第1端部15Aは、好ましくは室15の端部15Aの総てを 覆う一種のキャップを形成する部品16の対応のオリフィス16Aを介して、先 頭部7の凹状側に通じている。噴射ストラット6の後部に位置する室15の各他 端部15Bは、主燃料噴射器になっている。 噴射ストラット6の後部の位置で、2つの室15の間の各隙間に補助燃料噴射 器17が設けられている。 噴射室5の対向壁5A、5Bに組み込まれた噴射ストラット6の端部6A、6 B内の供給管18を介して燃料を全体に供給することができる。燃料は、穿孔室 15を介して空洞14内へ分配され、空洞14の高さ方向に沿って開口20を画 成する長手方向リブ19によって形成された通路を流れる。 圧力通路21が第2図及び第3図に示されており、第3図は、室15を支持且 つ所定位置に保持するプレート22を示している(第5図も参照されたい)。 第9図及び第10図はさらに、透過性前縁8を備えた先頭部7を有する噴射ス トラット6の簡略化した実施例で本発明を説明している。 第9図及び第10図の噴射ストラットの簡略表示によって、以下に第11図及 び第12図を参照しながら、本発明に従った噴射ストラット構造の2つの認可さ れた作動モードを分かり易く説明することができる。 第9図は、第2図から第8図までに示されている実施例の変更例、且つ同じ一 般原理を用いた、透過性壁24を有する内部室23を示している。流れへの燃料 の主噴射は、オリフィス25から、補助噴射は、オリフィス26から行われ、こ れらの噴射は、好ましくは音速または超音速にすることができる。 第10図は、圧力及び流量調節装置(図示せず)を備えた燃料供給部27を示 している。 通路28によって、透過性前縁8と内部室23とを連通させることができる。 例えば衝撃波の衝突に伴った局部的過剰熱流を薄膜効果によって取り除くため に、噴射ストラット6の外壁を(29で)局部的に透過性にすることができる。 噴射ストラットの機械的強度を増加させるために補強材30が必要であろう。 例えば1つまたは複数の電動式スパークプラグからなる点火装置31(第10 図)を内部室内に配置することができる。 また、要求される効果に従って噴射を制御するために、圧力測定値が使用され る。例えば、前縁の圧力(センサ32)、内部室内の圧力(センサ33)、及び 燃料供給圧力(センサ34)が測定される。必要に応じて、(例えば熱電対35 による)前縁の温度の測定を、前縁の冷却を開始するために使用することができ る。 噴射ストラットの作動モードは、 −ある圧力での推進剤の供給、 −点火装置の使用の有無、 −圧力及び温度センサからの測定値 に対して作用することによって制御される。 噴射ストラットの先頭部の透過性前縁を介した流れの方向(燃焼維持ガス、特 に空気の進入、または冷却流体、特に燃料の噴射)、言い換えると、「バーナー 」モードでの吸引、または「前縁冷却」モードでの噴射(第11図及び12図) は、噴射ストラットの外部(流入空気)と内部との圧力差に従って好都合に制御 され、噴射ストラットの段階で(弁等の)いずれの特別な可動機械式部材を使用 しなくてもよい。 さらに、異なる供給部の使用によって、モータにより要求される燃料流量を噴 射しながら、内部室23の圧力を容易に調節することができる。 「バーナー」モード(第11図)は、噴射ストラット6の前縁7を構成する材 料の強度が問題にならない、一般的に低超音速飛行マッハ数での燃焼問題の際に 使用される。これは、透過性(特に穿孔)前縁8での空気進入(矢印A)に対応 する。 その時、噴射ストラット6の内部室23では、内部室に噴射された燃料(矢印 B)との混合によって、いわゆるパイロット燃焼が起きる。噴射ストラットを( 空気流に対して下流側端部で)出る時、燃料の噴射(矢印C)と共に、例えば燃 焼リッチガス(矢印D)の主噴射が得られる。 パイロット室23内での燃焼の主な効果は、点火と、高温ジェットの発生によ る主燃焼の安定化である。超音速流内で且つ一定断面で生じるパイロット室内の 燃焼は、圧力を低下させ、これは前縁への空気の貫入に好都合である。 パイロット室の壁は熱流を受けるが、 −パイロット室内部の圧力は低いままで、混合気は濃厚で、発生する熱流は妥 当な程度のままでであり、 −燃料が(必要に応じて高温に耐える材料で形成することもできる)この室を 、 1/特に燃料噴射を使用する(矢印C)の場合は循環によって、 2/第11図に示されているように、パイロット室用に透過性壁技術を選択 した場合、側壁冷却(蒸散または噴散)によって、 冷却する。 点火は、以下のように制御される。 空気停止温度が自己点火に十分である(例えば水素で1000K)場合、点火 装置31を用いる必要がない。 反対に、パイロット室内で混合気の自己点火が起きない飛行状態では、点火装 置を使用しなければならない。何らかの理由から、これらの状態において点火を 避ける必要がある場合、点火装置の制御によって、さらなる自由度が与えられる 。 また、噴射ストラットの後方での主燃焼は、亜音速または超音速流内で行われ 得る。主空気取入口によってすくい上げられた空気は、噴射ストラットの周囲を 流れて、燃焼リッチガス(矢印D)内の残留燃料と、必要に応じて、矢印Cの段 階で噴射された燃料と共に燃焼する。 例えば、飛行任務によって要求される場合に推進力を増加させるため、燃料供 給部27の少なくとも1つを、酸素または他の燃焼維持ガスの噴射用に使用する ことができる(これはエジェクタラムジェット作動として知られている)。 「前縁冷却」モード(第12図)は、前縁を構成している材料の強度が問題に なる時に使用される。前述したように、これは、噴射ストラット6の先頭部7の 透過性前縁8から冷却流体(特に燃料)を噴射することに対応している。 これらの状態では、内部室は、内部室を通過した燃料だけを収容しており、そ の後、噴射及びモータ内での燃焼のため、燃料の一部は(先頭部7の周囲に保護 膜を形成することによって、先頭部7の前縁8を冷却するために)前方へ、すな わち燃焼維持ガス流の方向へ、そして一部は後方へ噴射されて、主燃料噴射(矢 印D’)と、恐らくは補助噴射(矢印C)を形成する。 この場合、内部室内で燃焼が起きず、自己点火に十分な状態にある空気は、燃 料よりも低い圧力であり、従って内部室に貫入することができない。 説明のため、マッハ3からマッハ15までの間で飛行している航空機を推進す るラムジェット用のシステムの様々な圧力に関する数値の一例を以下に示す。 以下の記号表示(第9図を参照)、すなわち、 −Pa:噴射ストラットの前縁8における離脱衝撃波△の直線部分の後方の空 気の圧力、 −Pci:内部室内の圧力、 −Pe:燃料、あるいはより一般的には推進剤の噴射圧力(すなわち、ヘッド ロスは無視して、噴射ストラット内へ噴射される制御圧力) を使用した時、 −Paは、噴射ストラットの形状と、それに付随する空力学的状態とに応じて 決まり、 −Peは、得ようとする効果及びシステムの応答に従って制御され、 −Pciは、選択作動の結果であることに注意されたい。 主な制御パラメータは、 −Peを発生する供給圧力と、 −点火装置の使用の有無である。 下の表は、システムの様々な部分で得られた圧力の大きさの程度を概略的に示 している。 *:点火装置の使用の有無 主及び補助噴射器を介した噴射の圧力は、空気の局部圧力より高くなければな らず、可能であれば、噴射状態は、噴射流体と噴射ストラットの周囲を流れる空 気との混合に好都合でなければならない。 燃焼室を冷却する必要性と推力の必要量とに伴って、しばしば作動の燃料流量 がマッハ10から急激に増加し、これが、上の表においてPeがマッハ8とマッ ハ15の間で大きく増加することの説明となる。 前述したように、本発明の燃料噴射ストラットは、多くの利点を備えている。 しかし、それは特に、広範囲の超音速及び極超音速マッハ数で作動し、点火の困 難さが存在する可能性がある燃料、例えばケロシンを少なくとも部分的に使用す るラムジェットに適している。それはまた、マッハ6より低い飛行マッハ数に対 して超音速燃焼を使用する必要がある時か、または様々な理由から、点火の補助 が必要な場合にも、非常に有効である。 従って、本発明の基本的な考え方は、冷却流体(例えば燃料)を噴射ストラッ トの前縁から最高速度で噴射することによって、噴射ストラットの前縁を冷却す る(「前縁冷却」モード」)以外に、前縁の2方向透過性を十分に活用して、噴 射ストラットの内部へ空気を進入させることによって、最低速度での点火を容易 にする(「バーナー」モード)ことである。 さらに、この弁機能は、噴射ストラットの段階で機械的部材を用いないで、単 に進入空気と噴射ストラットの内部との間の圧力差を制御するだけで得られるこ とに注意されたい。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 高マッハ数で作動するように適合させると共に、燃焼維持ガス流(F)を 導入する燃焼室(8)を含むラムジェット(1)用であって、該燃焼維持ガス流 を受け取る前縁(8)を有する先頭部(7)を含み、前記燃焼維持ガス流内を横 切るように配置され、且つ燃料を前記燃焼維持ガス流内へ分配する個別燃料噴射 器のマニホルドを後部に形成している燃料噴射ストラット(6)において、 −前記先頭部(7)は、少なくとも前記前縁(8)付近が壁(12)で形成さ れ、該壁の凹状側に室(11)が配置されており、 −噴射手段(15、18)が、前記先頭部(7)に沿って分布し且つ少なくと も前記前縁(8)の領域において前記壁(12)の凹状面に衝突する冷却流体の 複数のジェットを発生することができ、 −前記壁(12)は、該壁(12)の凹状面に衝突する冷却流体のジェットを 透過して、該冷却流体ジェットが前記壁(12)を通過できるようにしたことを 特徴とする燃料噴射ストラット。 2. 先頭部(7)の前記壁(12)は、少なくとも前記先頭部(7)の前記前 縁(8)付近において前記冷却流体ジェットを透過できる材料で形成されている ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の燃料噴射ストラット。 3. 前記先頭部(7)の前記壁(12)は、前記先頭部(7)の前記前縁(8 )に沿って延在する少なくとも1連の孔(13)を有することを特徴とする請求 の範囲第1項に記載の燃料噴射ストラット。 4. 前記先頭部(7)の前記壁(12)は、前記先頭部(7)の前記前縁(8 )に沿って延在する少なくとも1つのスロット(13a)を有することを特徴と する請求の範囲第1項に記載の燃料噴射ストラット。 5. 前記冷却流体は燃料であることを特徴とする請求の範囲第1項から第4項 までのいずれか1項に記載の燃料噴射ストラット。 6. 前記先頭部(7)は、縁部が前記先頭部の前記前縁(8)を形成し、凹状 側に室(11)を形成しているほぼ二面体形状の部品であることを特徴とする請 求の範囲第1項から第5項までのいずれか1項に記載の燃料噴射ストラット。 7. 噴射ストラット(6)の内部に内部空洞(14)を画成する本体(10) を含み、該内部空洞内に、それそれ両端部で開口した穿孔シリンダ形状をした複 数の基本室(15)が配置されていることを特徴とする請求の範囲第5項または 第6項に記載の燃料噴射ストラット。 8. 個別の前記室(15)は、前記空洞(14)内に互いに一定の間隔を置い て上下に一列に並べて配置されていることを特徴とする請求の範囲第7項に記載 の燃料噴射ストラット。 9. 前記室(15)の各々の第1端部(15A)は前記先頭部(7)の凹状側 に開口しており、後部の位置の前記室(15)の各他端部(15B)が主燃料噴 射器の形状になっていることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の燃料噴射ス トラット。 10. 対応のオリフィス(16A)を備えたキャップ形状のカバー(16)が 、前記室(15)の前記第1端部(15A)の総てを覆っていることを特徴とす る請求の範囲第9項に記載の燃料噴射ストラット。 11. 燃料噴射ストラットの後部の位置で、2つの個別な室(15)の間の各 隙間に補助燃料噴射器(17)が設けられていることを特徴とする請求の範囲第 7項から第10項までのいずれか1項に記載の燃料噴射ストラット。 12. 燃料噴射ストラットは、ラムジェットの噴射室(5)の対向壁(5A、 5B)に組み込まれた噴射ストラット(6)の端部(6A、6B)内の供給通路 (18)を介して、燃料を供給されることを特徴とする請求の範囲第7項から第 11項までのいずれか1項に記載の燃料噴射ストラット。 13. 前記前縁の圧力、噴射ストラット内部の圧力、及び燃料供給圧力を測定 するセンサ(32、33、34)を備えていることを特徴とする請求の範囲第1 項から第12項までのいずれか1項に記載の燃料噴射ストラット。 14. 前記前縁の壁の温度を測定するセンサ(35)を備えていることを特徴 とする請求の範囲第1項から第13項までのいずれか1項に記載の燃料噴射スト ラット。
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