【発明の詳細な説明】
着用者の皮膚へサイドカフスを確実に局所的に取り付けるための粘着剤を備えた
サイドカフスを有する使い捨て吸収性用品
発明の分野
本発明は、使い捨ての吸収性用品、特に、サイドカフス(side cuff
s)を有する生理用ナプキン、パンティライナー、成人用失禁用品、または幼児
おむつに関する。特に、本発明は、着用者の皮膚へ直接取り付けて(attac
hment)それらの使用中の位置に保持されるサイドカフスを有する使い捨て
吸収性用品に関する。サイドカフスの粘着性の局所的な取り付けは、このような
用品を取り付ける際およびその使用中に確実で心地良く、しかし用品を取り外す
際には何ら不快をもたらさない必要がある。これは、本発明によって粘着剤のレ
オロジー的特性をこのような用品のサイドカフス用に選ぶことによって達成され
る。
発明の背景
着用者の皮膚に局所的に取り付ける(application)使い捨て吸収
性用品の分野での一般的な従来技術は、特にバンド−エイド、硬膏、および包帯
の分野において開発されている。これらの用品は、しかしながら、典型的に緊急
の状況、例えば、着用者の皮膚に切込みが起こり、傷から出る身体の液体の吸収
が必要とされる状況において取り付けられる。この状況(context)では
、吸収性用品の性能面、例えば快適で簡単な使用および取り付け、痛みのない取
り外し、分離性(discreteness)は、傷の無菌性(sterili
ty)、治癒援助(healing support)、機械的な保護のような
基準(criteria)より軽視されている。また、このような傷を覆う吸収
性用品は、吸収性用品を取り付ける前に体毛が除去されるか、または殆どもしく
は全く毛が生えない皮膚の部分で、もっぱら使用される。
本発明は、傷を覆う吸収性用品に関するのではなく、傷を伴わずに体内から自
然に出てくる体液を吸収するための吸収性用品に関する。例えば、生殖器部分で
使用する生理用ナプキンまたはパンティライナーがこのような用品である。また
、例えば生殖器部分で着用する失禁用品が本発明の主題である。
このような用品のカフスは、典型的に多量の毛が成長する部分で着用者の皮膚
に取り付けられるため、容易に痛みなく用品を取外すという基準がとても重要で
ある。皮膚へ直接取り付ける用品は、一般に、米国の法定の発明登録H1602また
はWO96/33683に開示されている。このような用品のより詳細は、例えば、PCT
出願WO95/16424で考慮されている。この文献では、周囲全体に沿って生理ナプキ
ンの着用者に向かう側に塗られる身体粘着剤(body adhesive)を
有する生理用品が開示されている。この文献での課題は、主に皮膚への安全な取
り付けであるが、このような用品を使用後に過度の痛みを着用者にもたらすこと
なく取外す課題にも触れている。
WO95/16424の開示は、レオロジー的な基準(rheolocical crit
eria)についての身体粘着剤の基準の詳細な分析を含んでいる。しかし、こ
の文献はこのような用品を痛みなく取り外す問題についてはほとんど関心を払っ
ておらず、それは、教示されているレオロジー的な基準が脱毛(epilato
ry)、すなわち毛の除去、の組成物(イタリアでバジュエスピーエー(VaJ
S.p.A)研究所によって販売されているストレップミエール(STREP
MIELE)(トレードマーク)のような市販の)を含むからである。
WO95/16424で述べられている局所的に取り付けるための粘着剤は、生理用ナプキ
ンを下着に取付けるために用いられる今日の感圧粘着剤も含んでいる。さらに、
この文献は静的なレオロジー的な特性のみを確かめており、身体粘着剤の動的な
レオロジー的な挙動については述べていない。
WO96/13238では、周波数に依存する身体粘着モデルが開示されている。しかし
開示された全ての測定(例えばページ9)は、−60℃ないし120℃の温度、
および0.1ないし100rad/秒の実際の周波数(frequencies
)で行われた。取り付ける温度(約20℃、典的なバスルーム、すなわち保管温
度)での必要なデータを得るために、ウィリアムズ−ランデル−フェリー(Wi
lliams−Landel−Ferry)(以後、WLF)式が使われた。
このWLF式は、経験に基いたもので、ある制限内においてのみ正しい。例え
ば、それはポリマー粘着剤のガラス転移温度を下回る温度への外挿には使えない
し、またWLFはガラス転移温度を下回る温度で得られた値を基礎として使うこ
とができない。WLF式の詳細およびその適用性は、ジー・タドモア(Z.Ta
dmor)およびシー・ジー・ゴゴス(C.G.Gogos)による「ポリマー
加工の原理」(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley &
Sons)により発行)、または、ジェー・ディー・フェリー(J.D.Fer
ry)による「ポリマーの粘弾性性能」(やはりジョン・ワイリー・アンド・サ
ンズにより発行)の中に見つけることができる。これはすでにWO96/13238から抜
けているので、開示されたデータの適用性を評価することはできない。
さらに、この文献およびWO95/16424のどちらも、サイドカフスを有する吸収性
用品については開示しておらず、皮膚に直接取り付ける用品に関するだけである
。
欧州特許出願EP-638303は、生理用ナプキンのサイドカフスに身体粘着剤を使
ってカフスを直立した位置に保つことを開示している。しかし、この文献は、こ
の状況において有用な特有の粘着剤についての詳細は何ら開示していない。スイ
ス公開CH-643730は、角がそがれた外側のエッジを有し、外側のエッジの4つの
角に身体粘着剤を有する非常に長い生理用ナプキンを使用して、陰部の育毛部分
の十分外側に身体粘着部分を与えることを開示している。
上述した従来技術に基いて、本発明の目的は、着用者の身体から自然に出る液
体を吸収するための使い捨ての吸収性用品であってサイドカフスを有し、サイド
カフスは取り付けるときおよび使用中に着用者の皮膚に確実に取付けられる用品
を提供することである。本発明の他の目的は、吸収性用品を取り外す際に、残留
粘着剤が着用者の皮膚または毛に何ら残らないことを確実にすることである。本
発明の別の目的は、サイドカフスを局所的に取り付けろための粘着剤は、皮膚の
温度に対する粘着剤の温度差に拘わらず、冷たい、またはそれ以外の許容できな
い温度の感覚を取り付ける際にもたらさないことである。本発明の別の目的は、
着用者の液体が出る部分にとても近いところで着用する使い捨ての吸収性用品を
提供して、吸収性用品の外側への液体の損失を最小にするかまたは無くすことで
ある。着用者の股の部分で着用する使い捨ての吸収性用品にとって、このことは
、周囲の皮膚の組織および衣服のよごれに対する安全を改善することになる。発明の簡単な説明
本発明は、着用者と接触する指定された(designated)部分を有す
るサイドカフスを備えた使い捨ての吸収性用品に関する。本用品は、典型的には
着用者に向かう面および外側の面(衣服の下に着る用品の状況においては、下着
に向かう面とも呼ばれる)を有している。用品は、着用者に向かう面と下着に向
かう面との間に吸収性コアの構造を備え、これは着用者から自然に出る液体を吸
収するためのものである。本発明に係る使い捨ての吸収性用品は、サイドカフス
の着用者と接触する指定された面の少なくとも一部に、サイドカフスを着用者の
皮膚に局所的に粘着性の取り付けを行うための粘着剤を備えている。
サイドカフスを有する使い捨て吸収性用品の取り付けから取り除くときまでに
起こる通常の事態の順序の詳細な解析によれば、所望の性能の目的を達成するた
めには、非常に特定の粘着性の特性が満足される必要がある。この状況で考慮さ
れる特性は、材料の弾性挙動を表わす弾性率と粘着性材料の粘性挙動を表わす粘
性率である。
粘着剤の粘性挙動は、即座に取り付けられて確実に粘着する粘着剤の能力の目
安を示すと解される。弾性挙動は、粘着剤の「硬さ(hardness)」の挙
動の目安であると解される。その値は、初期の良好な取り付けに対しても重要で
ある。これらの組合わせは除去する際に要求される力を示すものと信じられる。
弾性率および粘性率の関係は、除去するエネルギーの一部は粘着剤中で散逸し、
一部が実際の除去を引き起こすために利用可能であることを示すと考えられる。
初期の確実な取り付け、使用中の確実な取り付けおよび容易で/痛みを伴わな
い取り外しに対する要求を満足するサイドカフスを有する使い捨て吸収性用品を
提供するためには、弾性率と粘性率との間の関係とともにそれらの動的な挙動が
非常に重要である。
粘着剤は、37℃(華氏100°)の温度での弾性率、G’37と略記、と、3
7℃(華氏100°)の温度での粘性率のG”37とを有する。さらに、粘着剤は
、100rad/秒の周波数でのG’37と1rad/秒の周波数でのG’37との
間の差である G’37として定義される動的な弾性挙動、および100rad/
秒の周波数でのG”37と1rad/秒の周波数でのG”37との間の差である
動的な粘性挙動 G”37を有する。
本発明に係る用品は、以下の条件を満たす局所的な粘着剤を備える。
G’37(1rad/秒)が1500Paないし20000Pa、好ましくは1
500Paないし15000Pa、最も好ましくは3000Paないし1000
0Paの範囲にある。
G”37(1rad/秒)が100Paないし15000Pa、好ましくは10
0Paないし10000Pa、最も好ましくは300Paないし5000Paの
範囲にある。
G’37(1rad/秒)/G”37(1rad/秒)の比が、2ないし50、好
ましくは3ないし30の範囲にある。
(G’37(100rad/秒)−G”37(100rad/秒))/(G’37(
1rad/秒)−G”37(1rad/秒))の比が、0.5未満でなく、好まし
くは0.7ないし3の範囲、最も好ましくは1ないし1.8の範囲にある。
G’37/G’37(1rad/秒)の比が、1.5よりも大きくなく、好まし
くは1よりも大きくなく、最も好ましくは0.8よりも大きくない。または、
G’37が10000Paよりも大きくなく、好ましくは5000Pa未満、最も
好ましくは2000Pa未満である。または、両条件を満足する。
G’37/G”37の比が、少なくとも1rad/秒を上回り100rad/秒ま
での周波数の範囲に対して、好ましくは2以上、より好ましくは3.3以上であ
り、一方で周波数の幅のいたる所で約50、好ましくは30を越えない。
レオロジー的な挙動はガラス転移温度Tgの値にも関係し得る。本発明に係る
身体粘着剤に関しては、Tgは好ましくは−15℃未満、より好ましくは−20
℃未満、最も好ましくは−25℃未満である。
局所的な粘着剤を備えた使い捨て用品のレオロジー的な挙動および容認(ac
ceptance)は、比熱にも関係し得る。好ましくは、局所的な粘着剤の比
熱は4J/g/K未満、より好ましくは3J/g/K未満、最も好ましくは2J
/g/K未満である。
局所的な粘着剤を備えた使い捨て吸収性用品のレオロジー的な挙動および容認
は、粘着剤の熱伝導率(specific heat conductivit
y)にも関係し得る。好ましくは、熱伝導率は0.1W/m/Kを上回り、好ま
しくは0.6W/m/Kを上回り、最も好ましくは1W/m/Kを上回る。
上述のレオロジー的な挙動が満たされると、粘着剤は、(皮膚への粘着剤の残
留を防ぐための)十分な凝集性(これはこのような粘着剤を商業的に用いるため
には重要であり当該技術分野に精通した者には自明である)のような条件も満た
す。上述の基準を満たす粘着性組成物は、それらが使用中に人間の皮膚に用いる
上でおよび一般に用品を廃棄した後に安全であるという一般的な要求も満たすな
らば、使い捨て吸収性用品のための局所的な粘着剤として用いることができる。
また、清潔な外観および触わったときの心地良い感覚の基準は重要であるため
、透明かまたは白く、取り付けるときの冷たくて不快な感覚を防ぐ粘着性組成物
が好ましい。
上述のレオロジー的な基準は、51%ないし99.5%の20℃で液体である
可塑化化合物もしくは組成物、0.5ないし20%好ましくは5%ないし15%
の、可塑化化合物もしくは組成物中に可溶もしくは膨潤可能であるポリマー化合
物もしくは組成物、およびポリマー化合物の0重量%ないし600重量%の量の
粘着性を付与する樹脂、を組成が含む粘着性の組成物によって満足される。可塑
化化合物または組成物は、水、アルコール、好ましくはグリセロール、グリコー
ル、ポリグリコール、液体ポリブテン、油またはこれらの混合物からなる群から
選ばれることが好ましい。ポリマー化合物または組成物は、ブロック−コポリマ
ー−熱可塑性樹脂−エラストマー、スチレン−ブロック−コポリマ−および水素
化スチレン−ブロック−コポリマーからなる群から選ばれることが好ましい。
本発明での特に好ましい態様においては、粘着剤は、サイドカフスの着用者と
接触する指定された部分の全体を覆う。本発明は、サイドカフスが伸縮性があっ
ても適用することができる。
発明の詳細な説明
この発明は、サイドカフスを有する使い捨て吸収性用品に関する。本用品は、
身体からの流体物に対する吸収性、使用者の下着のよごれからの保護、使用者に
対する改善された身体的な快適さを示し、製造および梱包が容易である。使い捨
ての吸収性用品を、以下に生理用ナプキンまたは月経用用品(catameni
al)について説明するが、パンティライナー、成人用失禁用品または幼児おむ
つも使い捨ての吸収性用品の用語の下に含まれる。「生理用ナプキン」という用
語は、ここで用いるときには、女性が外陰部の近くで着用し、身体から放出され
る様々な身体流体物(例えば、膣の放出物、メンス、および/または尿)を吸収
して含有するためのものであり、一度の使用の後に廃棄するためのものである用
品を示す。使い捨ての吸収性用品は、好ましくは薄く、より好ましくは1ないし
5mmの厚さであり、実質的に使用前は平坦であるか、または事前に形作られた
形状である。
「結合された(joined)」または「取り付けられた(affixed)
」という用語は、ここで使用するときには、第1の部材(member)が直接
的に第2の部材に接続されている構成(configuraions)と、第1
の部材を中間の部材へ接続し、中問の部材は第2の部材に接続されていることに
よつて、第1の部材が第2の部材に間接的に接続されている構成を包含する。
好ましい態様においては、本発明に係る生理用ナプキンは、液体透過性のトッ
プシート、トップシートに結合された液体不透過性のバックシート、およびトッ
プシートとバックシートとの中間にある吸収性コアを備える。生理用ナプキンは
、2つの主要な面、身体に接触するかまたは着用者に向かう面、および下着に向
かうかまたは接触する面を有する。
トップシートは、着用者の皮膚に対して従順(compliant)であり、
柔らかい感触であり、また刺激しない(non−irritating)。また
トップシートは、弾性的な特性を有していても良く、トップシートの一部におい
て1または2の方向に、またはその伸長する全体に渡って、延ばすことができる
。さらに、トップシートは流体透過性であり、液体(例えば、メンスおよび/ま
たは尿)がその厚みに容易に浸透する。好適なトップシートは、織物および非織
物;開口部が形成された熱可塑性フィルム、開口部が形成された可塑性フィルム
、およびハイドロフォームされた熱可塑性フィルムのようなポリマー材料;およ
び熱可塑性スクリム(scrim)のような幅広い材料から製造することができ
る。好適な織物および非織物は、天然繊維(例えば、木材または綿の繊維)、合
成繊維(例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、またはポリエチレン繊維のよ
うなポリマー繊維)、または天然および合成繊維の組合わせまたは二成分/多成
分繊維からなる。
本発明で使用する上で好適なトップシートは、典型的に高弾性(loft)の
非織物トップシートおよび開口部が形成されたフィルムのトップシートから選ば
れる。開口部が形成されたフィルムは、特にトップシートに対して好ましく、そ
れは、身体からの滲出物に対して透過性ではあるが依然非吸収性であり、流体物
が逆戻りして着用者の皮膚を再び濡らす傾向が低いからである。こうして、着用
者と接触している形成されたフィルムの表面は乾燥したままであり、従って、身
体の汚れを減らし、着用者に対してより快適な感触を生じさせる。好適に形成さ
れたフィルムは、US3,929,135;US4,324,246;US4,342,314;US4,463,045;US5,
006,394に記載されている。特に好ましい微小な開口部が形成されたフィルムの
トップシートは、US4,609,518、およびUS4,629,643に開示されている。本発明に
対して好ましいトップシートは、1または複数の上記特許に記載されている形成
されたフィルムを備え、ザ・プロクター・アンド・ギャンブル社(シンシナティ
、オハイオ)によって、「ドライ−ウィーブ(DRY−WEAVE)」として、
生理用ナプキンについて販売されている。
液体の通過する経路の一様な分布を有さず、一部のみにおいて液体の通過する
経路を含むトップシートが、本発明によって意図されている。典型的にこのよう
なトップシートは、液体に対して中央が透過性で、周囲が不透過性であるトップ
シートをもたらすように方向付けられた液体の通過する経路を有する。
形成されたフィルムのトップシートの着用者に向かう表面を親水性にして、身
体の表面が親水性でなかったとしたときよりも、液体がトップシートをより早く
通過するのを助けることができる。好ましい態様においては、PCT国際公開WO
93/09741で説明されているように、界面活性剤が、形成されたフィルムのトップ
シートのポリマー材に取入れられている。その代わりに、トップシートの着用者
に向かう表面を、US4,950,254で説明されているように、界面活性剤で処理して
親水性にしても良い。
他の案は、いわゆるハイブリッドなトップシートであり、このようなハイブリ
ッドなトップシートの特に有用な態様である繊維のフィルム様の構造を取入れて
おり、これらはPCT国際公開WO93/09744;WO93/11725またはWO93/11726に開示
されている。
トップシートは、典型的に吸収性構造の全体に渡って、また吸収性構造と同じ
広がりを持つ領域の外側に伸びる。トップシートは伸びて好ましい側部フラップ
(flaps)、側部巻き付き(wrapping)要素もしくは羽根の一部も
しくは全体を形成することができる。
トップシートについていうときは、多層構造または単層構造が意図される。上
述のハイブリッドなトップシートはこのような多層のデザインであるが、一次お
よび二次のトップシートのデザインであるような他の多層のトップシートも考慮
される。
吸収性構造または吸収性コアは以下の成分を備えることができる:(a)好ま
しくは二次の任意選択の流体分配層を伴う任意選択の一次の流体分配層;(b)
流体貯蔵層;(c)貯蔵層の下にある任意選択の繊維(「散布(dusting
)」)層;および(d)他の任意選択の成分。
a 一次/二次の流体分配層
本発明に係る吸収性構造の1つの任意選択の要素は、一次の流体分配層および
二次の流体分配層である。一次の流体分配層は、典型的にはトップシートの下に
あり、それとの間で流体を伝達する。トップシートは、最終的に貯蔵層へ分配す
るために、取得した流体をこの一次分配層へ移す。このような一次の分配層を通
して流体を移すことは、厚み方向に起きるだけでなく、吸収性用品の長さおよび
幅方向に沿っても起こる。また、やはり任意選択だが好ましい二次の分配層は、
典型的に一次の分配層の下にあり、それとの間で流体を伝達する。この二次の分
配層の目的は、一次の分配層から容易に流体を取得してそれをすぐに下の貯蔵層
へ移すことである。これは、下の貯蔵層の流体容量(fluid capaci
ty)を完全に利用することを助ける。流体分配層は、このような分配層にとっ
て典型的などんな材料からもなることができる。特に、濡れているときでも繊維
間で毛細管を保持する繊維層が、分配層として有用である。
b 流体貯蔵層
一次または二次の分配層と流体を伝達する位置にあり典型的にそれらの下にあ
るのが、流体貯蔵層である。流体貯蔵層は、通常のどんな吸収性材料またはそれ
らの組合わせを含むことができる。それは好ましくは吸収性ゲル化材料を含んで
おり、それらは通常、好適なキャリアーと組合わせて「ヒドロゲル」、「超吸収
体(superabsorbent)」、「ヒドロコロイド」材料と呼ばれる。
吸収性ゲル化材料は、多量の水性の身体の流体を吸収することができ、さらに
適度な圧力のもとでこのような吸収した流体を保持することができる。吸収性ゲ
ル化材料は、均質にまたは不均質に好適なキャリアー内に分散させることができ
る。好適なキャリアーは、それら自体が吸収性であるならば、単独で用いること
もできる。
ここで用いる好適な吸収性ゲル化材料は、実質的に水不溶性で、わずかに架橋
しており、部分的に中和している重合体ゲル化材料を、大抵の場合含む。この材
料は、水と接触してヒドロゲルを形成する。このようなポリマー材料は、当該技
術分野において良く知られている、重合性で、不飽和で、酸を含んでいるモノマ
ーから調製することができる。
好適なキャリアーは、通常、天然、改質または合成繊維、特に改質または非改
質セルロース繊維のような吸収性構造において、毛羽および/またはティッシュ
の形状で利用される材料を含む。適切なキャリアーは、吸収性ゲル化材料ととも
に用いることができるが、それらは単独でまたは組合わせて用いることもできる
。最も好ましいのは、生理用ナプキン/パンティライナーの場合のティッシュま
たはティッシュ積層品である。
本発明において作製される吸収性構造の1つの態様は、ティッシュをそれ自身
の上へ畳むことによって形成される二重層ティッシュ積層品を含む。これらの層
は、お互いに結合させることができる。吸収性ゲル化材料または他の任意選択の
材料を、層の間に含ませることができる。
改質されたセルロース繊維、例えば剛化されたセルロース繊維を用いることも
できる。合成繊維を用いることもでき、これらは、セルロースアセテート、ポリ
ビニルフルオライド、ポリビニルデンクロライド、アクリル(例えばオリオン(
Orion))、ポリビニルアセテート、不溶性ポリビニルアルコール、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド(例えばナイロン)、ポリエステル、二成
分(bicomponent)繊維、三成分(tricomponent)繊維
、およびこれらの混合物などからなる合成繊維を含む。好ましくは、繊維の表面
は、親水性であるか、または親水性となるように処理されている。貯蔵層は、液
体の保持を改善するために、フィラー材料、例えば、真珠岩、珪草土、ひる石な
どを含むこともできる。
吸収性ゲル化材料がキャリアー中に不均質に分散されていても、貯蔵層はそれ
でも部分的に均質であり得る、すなわち、貯蔵層の大きさの中で1または複数の
方向において分布勾配を有する。不均質な分布は、吸収性ゲル化材料を部分的に
または完全に取り囲むキャリアーの積層品にも関係し得る。
c 任意選択の繊維(「散布」)層
本発明に係る吸収性構造の中に含ませる任意選択の要素は、貯蔵層に近接して
いる、典型的にはその下にある繊維層である。下にあるこの繊維層は、典型的に
は「散布」層と呼ばれるが、それは吸収性構造を製造するときに貯蔵層の吸収性
ゲル化材料をその上に沈殿(deposit)させる基板を与えるからである。
実際には、吸収性ゲル化材料がマクロ構造、例えば繊維、シート、またはストリ
ップの形状である場合には、この繊維の「散布」層を含む必要はない。しかし、
この「散布」層は、流体を処理するある程度の追加の能力、例えば、パッドの長
さに沿って流体をすぐに吸い上げることをもたらす。
d 吸収性構造の他の任意選択の成分
本発明に係る吸収性構造は、吸収性ウェブ中に通常存在する他の任意の成分を
含むことができる。例えば、強化スクリムを吸収性構造のそれぞれの層の中に、
またはそれぞれの層の間に位置させることができる。このような強化スクリムは
、液体の移動に対する界面バリア(barrier)を形成しないような構成で
なければならない。熱接着(bonding)の結果として通常起こる構造の保
全性(integrity)が与えられたとすると、強化スクリムは、通常熱接
着された吸収性構造に対しては必要とされない。
本発明に係る吸収性構造に含められ、好ましくは一次または二次の流体分配層
の近くにまたは一部として与えられる他の要素は、臭い制御剤である。他の臭い
制御剤、特に好適なゼオライトまたはクレー材料によって被覆され、またはこれ
らに加えて、活性炭が吸収性構造中に任意選択で取入れられる。これらの要素は
、所望するどんな形状としてでも取り入れることができるが、しばしば離散した
粒子として含められる。
バックシートは、主に、吸収性構造の中に吸収され含有された滲出物が、吸収
性用品に接触する用品、例えばパンツ、ズボン、パジャマ、および下着を濡らす
ことを防ぐ。バックシートは、好ましくは液体(例えば、メンスおよび/または
尿)に対して不透過性であり、他のフレキシブルな液体不透過性材料を使うこと
もできるが、好ましくは薄いプラスチックフィルムから製造される。ここで用い
るときには、用語「フレキシブル」は、従順で身体の一般的な形状および輪郭に
容易になじむ材料を指す。バックシートは、弾性的な特性を有して1または2の
方向に伸ばすこともできる。
バックシートは、典型的には吸収性構造の全体に渡って伸び、吸収性構造に巻
き付けることでトップシート上まで伸びてトップシートの一部を形成することが
できる。そのため、US4,342,314、16段、47−62行に開示されているトッ
プシートの構成は、トップシートに選択的に開口部を設ける必要なく達成するこ
とができる。
バックシートは、織物または非織物、ポリマーフィルム、例えばポリエチレン
もしくはポリプロピレンの熱可塑性フィルム、または複合材料、例えばフィルム
がコーティングされた非織物を含むことができる。好ましくは、バックシートは
、ポリエチレンフィルムで、厚さが約0.012mm(0.5ミル)から約0.
051mm(2.0ミル)のものである。
模範的なポリエチレンフィルムは、クロペイ社(Clopay Corpor
ation)(シンシナティ、オハイオ)によってP18−1401の名称のも
とで、またエチル社(Ethyl Corporation)、ビスクィーンデ
ィビジョン(Visqeen Division)(テレハウテ(Terre
Haute)、インディアナ)によってXP−39385の名称のもとで、製造
されている。バックシートは、好ましくは、浮き彫りが施されおよび/またはつ
や消し仕上げされて、より布地様な外観を呈する。
好ましくは、バックシートは、少なくとも水蒸気透過性、好ましくは空気透過
性であることによって、しかしバックシートの主要な機能を損なうことなく、吸
収性用品に対して呼吸能(breathability)ももたらす。バックシ
ートは、例えば微孔質フィルム、非織物、および/または開口部が形成されたフ
ィルムの組合わせからなるラミネート材料でも良い。必要ならば呼吸能はバック
シートの周囲に限っても良いし、またはバックシート全体に渡っていても良い。
さらに、本発明に係る吸収性用品は、サイドカフスを備える。サイドカフスと
いう用語は、用品の着用者に向かう面から離れるように伸びることができるバリ
ア手段を有する物品(article)のことを意味する。それらは、吸収性用
品の周囲の部分の近くに、特に用品の長手方向の側部の近くに配置される。
サイドカフスは当該技術分野においては良く知られており、おむつおよび生理
ナプキンに広く使用されている。それらは、用品の一部分としてまたは用品から
分離して形成することができる。例えば、トップシートを有する用品においては
、トップシートは、用品の長手方向の側部に、着用者に向かう面から着用者に向
かって伸びることができる延長部分または折り畳み部分を有していても良い。
漏れを改善するためのサイドカフスのバリア機能は、当該技術分野において説
明されており、おむつまたは生理用品に商業的に使用されるサイドカフスを実施
する多数の変形物を考慮するとき、明白である。サイドカフスは不透過性である
か、水不透過性だが呼吸性(breathable)であるか、疎水性であるか
、親水性だが疎水性もしくは親水性に処理されていても良い。しかし、サイドカ
フスのバリア機能は、それらの指定された使用中の位置においてどれだけ良好に
保持されているかに強く依存することも良く知られている。バリアカフスの使用
中の位置は、典型的にはそれらが用品の着用者に向かう面から着用者の方へと伸
び、着用者に接触するように保持されているようなものである。しかし、着用し
ている間ずっとそれらをこの位置に保持するのは難しいことが証明されている。
例えば、US3,860,003は、弾性的な部材がトップシートとバックシートの間の
製品の側部フラップに位置し、側部フラップはバリアを製品のエッジに沿って形
成しているようなボート様の構成を形成する、伸縮性を持たされた使い捨ての吸
収性用品を開示している。US4,738,677は、2つのタイプのバリアカフスを示し
ている。1組のバリアカフスは用品の長さ方向に伸び、一方でウェストカフスが
与えられて用品の前端と後端において横方向に伸びて他のバリアカフスとオーバ
ーラップしている。こうして、4つのオーバーラップするカフスによってポケッ
トが形成されている。本発明は、長さ方向の側部バリアカフスに対して最も適切
に適用されるが、もちろん横方向のバリアカフスに適用することも可能である。
より最近ではWO94/02095で、伸長性のバリアを有する伸長性の吸収性用品が開示
され、これらも本発明の利益を受けるものである。
幼児おむつのサイドカフスもバリアカフスと呼ばれ、良く知られている。バリ
アカフスは、例えば、US3,776,233、US4,695,278、US4,704,115、US4,738,677、
US4,795,454、US4,808,177、US4,808,178、US4,816,025、US4,900,317、US4,938
,755、US5,021,051、US5,032,120、US5,085,654、EP-A-374,640、EP-A-459,178
で説明されている。サイドカフス/バリアを、おむつの足カフスと混同しないよ
うに注意されたい。足カフスは、通常おむつの着用者の足を包む機能を果たすが
、サイドカフスは着用者に向かう面から着用者の方へと伸び、典型的に着用者の
皮膚と接触するものである。
本発明者らは、おむつについて身体粘着剤をサイドカフスに与えるような試み
がなされていることを知らない。これは、部分的には、おむつは着用者に取り付
けられるために、例えば着用者の下着に取り付ける生理ナプキンと比べて、より
良好に所定の位置に留まるからであるかも知れない。
特に生理ナプキンに自己粘着(self adhesive)サイドカフスを
備える最初の試みが、EP-A-638,303に示されている。しかし、この公報は、どの
種類の粘着剤が局所的な取り付けに対してことによると有効であるのかについて
は開示しておらず、従って非常に一般的に身体粘着剤について述べている。
この一般的な開示は、サイドカフスを局所的に取り付ける粘着剤についての特
別な要求を不確定のままにしている。本発明は、局所的に付けるサイドカフスの
良好な接着(bonding)および痛みのない剥離(debonding)を
もたらし、サイドカフスをそれらの使用中の位置(サイドカフスを着用者の皮膚
につなげている)に保つという課題を扱う。
本発明に係るサイドカフスは、様々な手段を用いてアクティブな状態(すなわ
ち、着用者に向かう面より上に上げる)にしても良い。例えば、当該技術分野に
おいて最も一般的であるように、それらに伸縮性を持たせても良い。また、用品
を湾曲した形状に(一般に着用者を左と右の半分に分ける着用者の生殖器の部分
の断面の輪郭であるように)したときにサイドカフスが上がるように、サイドカ
フスを与えても良い。
本発明の特別な利益が与えられると、身体粘着剤によってのみアクティブな状
態にされるサイドカフスを有することも可能である。事実、この好ましいデザイ
ンにおいては、用品を着用者に取り付ける前に、サイドカフスが着用者に向かう
面を越えて着用者の方へと上がることはない。用品、例えば生理ナプキンを下着
に付けて(通常はパンティ固定粘着剤(panty fastening ad
hesive)を用いて)、下着を引き上げるときに、用品が着用者に非常に近
いところまで持ってこられて、着用者の生殖器の部分に接触する。
この位置では、サイドカフスの着用者と接触する指定された面が着用者に接触
し、また、それらは身体粘着剤を備えているために着用者に粘着する。そして、
用品をさらに着用すると、下着を引き上げるときに始めに達成されるしっかり固
定された接触がある程度まで緩和され、一方でサイドカフスはその粘着した位置
に残るため所定のバリアの利益がもたらされる。
下着を引き下げる際、パンティ固定粘着剤はサイドカフスの身体粘着剤を着用
者の皮膚から離層するほど十分に強く、サイドカフスを生理ナプキンの着用者に
向かう面上に折り畳むことを再び可能にする。
当該技術分野に精通した者にとって、知られている様々なデザインのサイドカ
フスが、サイドカフスに付けられる身体粘着剤の領域の量(quantity
and amount)の適合を要求することが理解される。しかし、これらの
デザインの基準は、当該技術分野に精通した者によって大した努力を払うことな
く選択され、特別な場合に用品を実際のユーザーに単純に試して用品のデザイン
を調整することを要求するのみである。
サイドカフスの局所的な取り付けのための粘着剤
本発明に係るサイドカフスは、ユーザーの皮膚に直接取り付けられる。本発明
に係る「皮膚」という用語は、ユーザーの特別な真皮に関するだけでなく、粘液
を分泌する組織、および生理用ナプキンのユーザーの生殖器部分で典型的に見ら
れる毛を含む。
本発明に係るサイドカフスの固定をユーザーの皮膚にもたらすために、用品の
着用者に接触するよう指定されたサイドカフスのある部分に、身体粘着剤とも呼
ばれる局所的に取り付けるための粘着剤を備える必要がある。
この点での様々なデザインが意図されるが、好ましくは身体粘着剤はサイドカ
フスの外側の大部分のエッジに沿って与えられる。これは、サイドカフスを持ち
上げてこの位置に保持することを最も適切に容易にする。こうして、身体からの
液体は側部上で用品から出て行くことが防止されて、漏れまたはこぼれの可能性
なく吸収性用品の吸収性構造の中へと運ばれる。
しかし、身体粘着剤をサイドカフス上の連続した線で与える必要はなく、点ま
たは離散した線のような増加する部分に与えて、取り付けの異なる場所の間の分
離がさらなる快適さをこのような用品の着用者にもたらすことができる。
本発明の目的を満足するためには、以下のことを考慮しなくてはならない。
身体粘着剤の物理的、レオロジー的および粘着性の特性
身体粘着剤を身体の皮膚の毛および粘液を分泌する組織への感圧式粘着剤のよ
うに使用しても、身体粘着剤の組成は、このような材料を特定する最も特徴的な
レオロジー的な挙動に基いて、辛うじて典型的な感圧式粘着剤(以後、PSAと
いう)としてのみ見なされることが理解される。
事実、粘着剤の分野に精通した者は、PSAを一時的に物を取り付ける他の物
質(例えば水がそうであるように)と区別する最も固有の特徴は、それらのレオ
ロジー的なパラメーターおよび特に弾性率G’が、印加した応力の周波数ととも
に大きく変化するという事実であることを知っている。より特に、印加した応力
の周波数が典型的な粘着の周波数から典型的な剥離の周波数、すなわち、以下に
示すように1rad/秒から100rad/秒へと変化する間に、PSAのG’
は数オーダーを上回る増加をすることがある。
最初の結論として、レオロジー的なパラメーターおよび特に周波数の固定され
た値でのG’の値を与えることによって「身体粘着剤」として使用するための材
料を定義することは、受け入れられないということが得られる。これは間違った
方向に導く可能性がある。それは、他の特徴がない場合には、実用的な値を何ら
持たない材料を含むことになるかも知れないからである。このため、レオロジー
的な特徴付けは動的な考慮を基礎としなければならない。
これは、弾性率G’だけでなく粘性率G”にも、従って、tan(δ)=G”
/G’にも当てはまる。典型的なPSAは考慮している周波数に渡って大きく変
化するG’を有するだけでなく、G”はより大きく変化することさえあり、これ
はG’の値に近くなるがまたはこれを上回ることさえある。すなわち、特に剥離
の典型的な周波数においては、tan(δ)は約1になるかまたは1を上回るこ
とさえあることが、良く知られている。
理論に縛られずに言えば、このことは、剥離に加えられるエネルギーの大部分
が内部摩擦で散逸されており(従って、剥離を起こす上では効果的でない)、一
方で、この事実は非常に高いレベルの粘着力の記録を巨視的にもたらすことを意
味すると説明できる。
上述したように、本発明において身体粘着剤として有効な材料はレオロジー的
な特徴を有し、これは体温としての37℃の参照温度で、そしてある範囲の周波
数で測定される。身体粘着剤を有するサイドカフスを取り付ける際には粘着性の
接触は低い周波数で形成され、剥離は用品を取り除く速度で起こることが分かっ
ている。この速度は100rad/秒の周波数として表わされ、粘着(adhe
sive bond)を形成する低い周波数は1rad/秒のオーダーであるこ
とが分かっている。従って、本発明において使用する周波数範囲は1ないし10
0rad/秒である。
さらに、1rad/秒の取り付ける周波数でのG’およびG”は、37℃の温
度で測られることに注意されたい。本発明に係る用品を実際に使用する上では、
用品の実際の保管温度、従って取り付けるときの身体粘着剤の温度は、大きく変
化する。例えば、暖房器の近くの高温のバスルーム内での保管は、約37℃にま
で達することがあるが、一方で、保管室、または冬の間暖めずに窓を開けている
バスルームでの保管は、0℃近くになることがある。しかしながら、本発明に係
る用品は皮膚に直接使用され、また当該技術分野に精通した者は粘着性組成物が
小さい比熱(例えば、好ましくは4J/g/K未満、より好ましくは3J/g/
K未満、最も好ましくは2J/g/K未満)を有するように選ぶよう指示される
ので、身体粘着剤の実際の温度は37℃に非常に早く達するか、または取り付け
る前に着用者によって暖められることさえある。従って、粘着の特徴は、身体の
温度において最も適切に選ばれると信じられる。
粘着での、すなわち約1rad/秒の周波数での良好な状態をもたらすために
は、弾性率の絶対値は高すぎてはいけない。そうでないと、粘着が難しすぎて粘
着すると予想される表面に密接に結合または密着(mold)することができな
い。また、絶対値の低いG”を有して良好な結合(cohesion)を有する
ことも重要であり、これは特に身体に直接取り付ける上で有益であり、一方で材
料は柔らさをそしてやさしく皮膚に粘着できることを維持する。
G”37(1rad/秒)に対するG’37(1rad/秒)の比は、これらの2
つの値が使い捨て吸収性用品を皮膚へ取り付ける際にバランスされていることを
確実にするために重要である。同時に、G’37の絶対的な変化が考慮する周波数
の範囲内において制限される必要がある。従って、G’37(1rad/秒)に対
する G’37(すなわちG’37(100rad/秒)−G’37(1rad/秒)
)の比(ration)に対る値は、着用者へのサイドカフスの確実な取り付け
を、使用期間の全体に渡ってこの期間中に不快をもたらすことなく、または用品
の除去/離層のときに維持するために、小さく保たれなければならない。これは
、 G’37をある値未満に保つことによって、絶対的に表わすこともできる。
重要なことは、(G’37(100rad/秒)−G”37(100rad/秒)
)/(G’37(1rad/秒)−G”37(1rad/秒))の比が、弾性率およ
び粘性率の両方の動的な挙動が使用中の確実な粘着および使用期間の終わりでの
痛みのない容易な取り外しをもたらす関係に維持されることを確実にする程に、
大きいことが必要である。
最後に、当該技術分野に精通する者は、粘着性組成物のガラス転移温度Tg比
熱、および熱伝導率が、有用な身体粘着剤のグループをより十分に定義する上で
有効なパラメーターであることも認識するであろう。
以下の組の特徴が満足されなければならない;
G’37(1rad/秒)が、1500Paないし20000Pa、好ましくは
1500Paないし15000Pa、最も好ましくは3000Paないし100
00Paの範囲にある。
G”37(1rad/秒)が、100Paないし15000Pa、好ましくは1
00Paないし10000Pa、最も好ましくは300Paないし5000Pa
の範囲にある。
G’37(1rad/秒)/G”37(1rad/秒)の比が、2ないし50、好
ましくは3ないし30の範囲にある。
(G’37(100rad/秒)−G”37(100rad/秒))/(G’37(
1rad/秒)−G”37(1rad/秒))の比が、0.5未満でなく、好まし
くは0.7ないし3の範囲、最も好ましくは1ないし1.8の範囲にある。
G’37/G’37(1rad/秒)の比が1.5を上回らない、好ましくは1
を上回らない、最も好ましくは0.8を上回らないが、または G’37が100
00Paを上回らない、好ましくは5000Pa未満である、最も好ましくは2
000Pa未満であるか、または両方である。
G’37/G”37の比の値が、少なくとも1rad/秒を上回り100rad/
秒までの周波数の範囲に対して、好ましくは2以上、より好ましくは3.3以上
であり、一方で周波数の間隔のいたる所で約50好ましくは30を越えない。
レオロジー的な挙動は、ガラス転移温度Tgの値にも関係し得る。本発明に係
る身体粘着剤に対しては、Tgは好ましくは−15℃未満であり、より好ましく
は−20℃であり、最も好ましくは−25℃である。
局所的な粘着剤を備えた使い捨て用品のレオロジー的な挙動および容認は、粘
着剤の比熱にも関係し得る。好ましくは、局所的な粘着剤の比熱は4J/g/K
未満であり、より好ましくは3J/g/K未満であり、最も好ましくは2J/g
/K未満である。
局所的な粘着剤を備えた使い捨て吸収性用品のレオロジー的な挙動および容認
は、粘着剤の熱伝導率にも関係し得る。好ましくは、局所的な粘着剤の熱伝導率
は0.1W/m/Kを上回り、好ましくは0.6W/m/Kを上回り、最も好ま
しくは1W/m/Kを上回る。
身体粘着剤の化学的および組成的特徴
身体粘着剤の上記レオロジー的および物理的特徴の要求を満たす身体粘着性組
成物を提供するために、下記の配合の基準をさらに用いることができる。身体粘
着剤として有用な組成物のほとんどは実質的にゲル様の構造を有し、好ましくは
ゲルであることに注意されたい。これは、以下の事実から得られる。
有効な成分は、室温で液体の材料である可塑剤である。
高分子またはポリマー成分が、可塑剤に対して少量だけ存在している。好まし
い態様においては、それは分子間の物理的または化学的結合によってもたらされ
る3次元のネットワークを形成する。特に有用な物理的な結合は、ブロック熱可
塑性エラストマーを含むシステムに存在するものである。
より具体的には、組成物は以下のものを含む。
0.5ないし20重量%、好ましくは5重量%ないし15重量%の高分子ポリ
マー物質、または後述する可塑剤中に可溶であるかまたは膨潤可能な物質の混合
物。このような高分子またはポリマー物質の例としては、以下のものがあり得る
がこれらに限定されるわけではない。天然および/または合成(例えば天然ガム
または誘導体)、例えば天然ガムおよびゼラチン、これらの誘導体およびアルギ
ン酸エステル;ポリアクリル;ポリビニルアルコール;ポリエチレンオキサイド
;ポリビニルピロリドン(PVP)またはポリビニルエーテル、それらのコポリ
マーおよび誘導体;セルロースの誘導体;ブロックコポリマー熱可塑性エラスト
マーおよび好ましくはスチレンブロックコポリマーおよびより好ましくは水素化
グレードのスチロール/エチレン−ブチレン/スチロール(SEBS)、スチレ
ン/イソプレン/スチレン(SIS)、およびスチロール/エチレン−プロピレ
ン/スチロール(SEPS)である。
51ないし99.5重量%の可塑化物質または可塑化物質の混合物であり、こ
れらは室温で液体である。可塑剤の例としては以下のものがあり得るが、これら
に限定されるわけではない。水、様々なアルコール(特にグリセロールのような
)、グリコールおよびそれらのエーテル(eithers)、ポリグリコール、
液体ポリブテン、エステル(例えばフタレート、アディペート、ステアレート、
パルミテート、セバケート、もしくはミリステート)、天然もしく合成油、例え
ば植物油、鉱油、もしくはこれらの混合物である。
高分子ポリマー物質の0ないし600重量%の粘着性を付与する樹脂。樹脂の
主な目的は特に合成ポリマーを主成分とする系においてTgを適応させることで
ある。
0ないし10重量%、より好ましくは0ないし5重量%の、親水性または疎水
性の両方の液体可塑剤のゲルおよびゲル形成プロセスを促進し安定化するための
物質。これらは、油の系(oily system)、例えば、C8ないしC22
の脂肪酸、これらの金属塩およびこれらのポリオキソ誘導体;ラノリン誘導体;
シリカ;ベントナイト、モンモリロナイトおよびそれらの誘導体;ポリアミド、
ワックスまたはこれらの混合物に対してである。
防腐剤、酸化防止剤、紫外線抑制剤(anti UV)、顔料、無機充填剤、
レオロジー改質剤(rheology modifiers)などとして当該技
術分野において知られている一般的な添加剤も、それぞれ10%以下の量で含ま
れていても良い。
化学的な重合が系内に形成されているときには、架橋剤が、好ましくは5重量
%以下の量で存在していても良い。化学的な架橋は、酸ポリアクリルと多糖類と
の間の反応におけるような異なる官能価数を有するポリマーの相互中性化によっ
ても、形成することができる。
結果として生じる身体粘着剤用の組成物は、主成分、すなわち液体可塑剤の性
質に従って、3つの類(family)に分けることができる。
1)可塑剤が植物または鉱物を起源とする油または油のブレンドであり、ポリ
マーが通常は油中に可溶なまたは膨潤可能である合成ポリマー、好ましくはエラ
ストマーである疎水性の組成物。
2)疎水性および親水性の両方の成分(可塑剤とポリマーの両方においてあり
得る)が、2以上の分離した相を形成する混合相の組成物。このような場合には
、乳化剤/界面活性剤が適切なレベルで存在して、非相溶な(incompat
ible)相の間に安定したエマルジョンを形成していることが好ましい。本発
明に係る身体粘着剤に対しては、疎水性の成分が親水性のそれに対して優勢であ
ることが好ましい。
3)典型的に可塑剤が水/グリセロール/グリコール等および/またはこれら
の混合物であり、ポリマー相が合成(例えばポリアクリル)または天然(例えば
天然ガム)起源であるかまたはこれらの混合物である親水性の組成物。
医学の分野においてすでに知られていることおよび引用した従来技術と異なり
、本発明の応用においては、親水性の組成物は好ましくなく、疎水性および混合
した相の組成物1)および2)が好ましいことは強調すべき点である。
これは、医学の分野で使われている多くの親水性の組成物は、それらが示す弾
性特性および粘着が低すぎて本発明の応用には有用でないという意味で、技術的
な理由に部分的に依存する。疎水性のまたは混合した相の組成物が好ましい他の
理由は、特に生理用ナプキンの分野での本発明の応用が身体粘着剤と吸収するべ
き液体とが接触する可能性を含むということである。吸収するべき液体は全ての
一般的な水性の種類であるので、親水性の身体粘着剤との接触により、身体から
の液体が身体粘着剤の中へある程度吸収される。
そして、このことは、レオロジー的な特徴、従って身体粘着剤の機能(fun
ctionality)を変える結果になって清潔でない外観をもたらすだけで
なく、体内がらの液体が直接皮膚と接触し続ける時間が延長されることももたら
す。これは、典型的に本発明に係るどんな使い捨ての吸収性用品によっても望ま
れない。加えて、このことはユーザーに対して潜在的な欠点となり得る。それは
、親水性の組成物の中には、病原さえも含む多くの微生物の成長にとって潜在的
に良い培養基であるものがあるからである。
さらに、親水性の身体粘着剤は冷たくて濡れていると知覚される傾向にもあり
、このことは、新しい生理用ナプキンまたは脇の下のスウェットパッドを取り付
ける際に、典型的な消費者の期待に沿うものではない。さらなる問題が、特に水
を可塑剤として含む身体粘着剤が不浸透性のパッケージ中に密封されない限り乾
いてしまう傾向にあるという事実から生じている。
本発明に係る吸収性用品は、当該技術分野における通常のどんな方法によって
も製造することができる。本粘着剤を吸収性用品のサイドカフス側に塗ることは
、当該技術分野に精通した者に対して大きな問題をもたらすものではない。とい
うのは、それは、パンティ固定粘着剤に対して通常用いられている同様の技術に
よって、もたらされるからである。
本用品のサイドカフス上の身体粘着剤は(パンティ固定粘着剤と同様に)、使
用前は保護されている必要がある。この保護は、例えばシリコーン処理(sil
iconised)または界面活性剤処理された紙のようなリリースライナー(
release liner)によって、この紙が特に選ばれた身体粘着剤に対
して良好なリリース面であるならば、もたらされる。代わりに、特におむつに対
して、この保護は、用品をそれ自身の上へ畳むことによって、しかし好ましくは
サイドカフス上の粘着剤をそれ自身の上へ畳まないようにして、実現される。
原則として、本発明に係る吸収性用品は、生理ナプキン用のパンティ固定粘着
剤および/または羽根部(wings)、及びおむつ用の粘着性もしくは機械的
なテーブを有する側部閉鎖部(side closures)、のような用品に
適用できる通常の手段によって着用者に支持される。特に好ましい態様において
は、生理ナプキンまたはパンティライナーは、羽根部、側部の巻き付き要素また
は側部フラップを有し、これらは、例えば、EP-A-130848またはEP-A-134086で開
示されているように、吸収性コアの側部を越えて伸びて吸収性コアの外側でお互
いに結合されるバックシートおよびトップシートの部分を含むことで形成される
。
生理用ナプキンに耐すべりコーティング(skid resistant c
oating)のみをバックシート側に施して、生理用ナプキンが徐々に位置を
ずらすことを防ぎ、一方でサイドカフス上の身体粘着剤がさらなる支持をナプキ
ンに与えて所定の位置に留めることも可能である。
実施例1
本発明に係る生理ナプキンにおいて有用な油を主成分とする組成物を、9.9
重量%のクラトン(Kraton)G−1651、スチレン/エチレン−ブチレ
ン/スチレンのブロックコポリマー(33重量%のスチレンを含み、シェル(S
hell)社から入手できる)、59.3重量%のケイドル(Kaydol)(
パラフィン系鉱油でウィトコ(witco)社から入手できる)を用いて混合し
た。
さらに、組成物は、クラトンポリマー100部当たり301部の粘着性を付与
する樹脂を含んでいた。粘着性を付与する樹脂は、エスコレッツ(Escore
z)5300であった。これは、水素化樹脂であり、エクソン(Exxon)社
から入手できる。
マグネシウムステアレート(カルロエルバ エスピーエー(Carlo Er
ba S.p.A)から入手できる)を、0.7重量%のレベルで油のためのゲ
ル化助剤(co−gelifying)として用いた。
イルガノックス(Irganox)1010(チバガイギ(Ciba−Gei
gy)から入手可能な酸化防止剤)を、0.3%重量%のレベルで添加した。
こうして、最終的に配合は以下のパーセント組成を有した。
クラトンG−1651 9.9重量%
ケイドル 59.3重量%
エスコレッツ5300 29.8重量%
マグネシウムステアレート 0.7重量%
イルガノックス1010 0.3重量%
組成物は、以下のようなレオロジー的な特性を37℃で示した。
a)1rad/秒での弾性率G’37=6876Pa
b)1rad/秒での粘性率G”37=550,5Pa
c)1rad/秒での弾性率および粘性率の比、G’37/G”37=12.49
d)(G’37(100rad/秒)−G”37(100rad/秒))/(G’37
(1rad/秒)−G”37(1rad/秒))の比=1.22
e)G’37(1rad/秒)に対する G’37の比は0.308であり、この
とき G’37は2124Paであった。
上記の配合は、敏感で毛で覆われた皮膚に取り付けたときに、快適であると判
断された。
比較例
コンポノティン(componotine)の油を主成分とする組成物を、7
.1重量%のクラトンG−1651、スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン
のブロックコポリマー(33重量%のスチレンを含み、シェル社から入手できる
)、41.9重量%のケイドル(パラフィン系鉱油でウィトコ社から入手できる
)を用いて混合した。
さらに、組成物は、クラトンポリマー100部当たり704部の粘着性を付与
する樹脂を含んでいた。粘着性を付与するは、レガルレッツ(Regalrez
)3102であった。これは、水素化樹脂であり、ヘルキュール(Hercul
es)社から入手できる。
マグネシウムステアレート(カルロエルバ エスピーエーから入手できる)を
、0.7重量%のレベルで油のためのゲル化助剤として用いた。
イルガノックス1010(チバガイギから入手可能な酸化防止剤)を、0.3
%重量%のレベルで添加した。
こうして、最終的に配合は以下のパーセント組成を有した。
クラトンG−1651 7.1重量%
ケイドル 41.9重量%
レガルレッツ3102 50.0重量%
マグネシウムステアレート 0.7重量%
イルガノックス1010 0.3重量%
組成物は、以下のようなレオロジー的な特性を37℃で示した。
a)1rad/秒での弾性率G’37=3059Pa
b)1rad/秒での粘性率G”37=1208Pa
c)1rad/秒での弾性率および粘性率の比、G’37/G”37=2.53
d)(G’37(100rad/秒)−G”37(100rad/秒))/(G’37
(1rad/秒)−G”37(1rad/秒))の比=−2.87
e)G’37(1rad/秒)に対する G’37の比は3.944であり、この
とき G’37は12064.7Paであった。
上記配合は、前腕の皮膚に取り付けたときに非常に不快であると判断された。
敏感で毛に覆われた皮膚に取り付けたときには、許容できるものではなかった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C09J 153/00
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M
W,SD,SZ,UG,ZW),UA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM
,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E
S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID
,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M
G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT
,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,
TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V
N,YU,ZW
(72)発明者 ヒルシュ、ウベ・トーマス・ミヒャエル・
ホルスト
ドイツ連邦共和国、デー―64347 グリー
スハイム、シュテルンガッセ 149