JP2000506080A - 三次元構造体の製造法 - Google Patents

三次元構造体の製造法

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Abstract

(57)【要約】 構造体の複数の断面層を次々と生成させ、一つの層を他の層の上に重ね、これらの層を一緒にして構造体をつくり、この際一つの断面層の生成は、第1の反応成分を含む液体組成物の複数の液滴(27)を、該断面層(25)をつくる分離した液滴のパターンができるように配置することによって行う工程を含む方法により自己支持性、即ち自立構造をもった三次元の一体となった構造体(32)を製造する方法。この場合、次に他の反応成分を含む他の液体組成物の複数の分離した液滴を、該パターンをなす配置された液滴と接触するようにして配置し、第1の反応成分と第2の反応成分とを反応させて固体分を生成させる。

Description

【発明の詳細な説明】 三次元構造体の製造法 本出願は1992年8月14日付けの米国特許願07/929,449号、現 在の1994年12月6日付けの米国特許5,370,692号の一部継続出願 である。 技術的分野 本発明は自己支持性の、即ち自立構造(free-standing)をもった三次元の一体 となった構造体を自由な形で製造する方法(Free Form Manufa cturing、即ちFMM)に関する。特に本発明は「迅速プロトタイピング 法(rapid prototyping)」または同様なシステムにより実質 的に無機質の構造体を製造する方法に関する。本発明法においては、或るパター ンに従って液滴を配置することにより液体組成物から連続していない液滴を沈積 させ、沈積した液滴中の反応成分を局所的に反応させ、構造体の平面状の断面層 を次々につくり、この断面層を互いに上に積み重ねて集積し、自立構造をもった 三次元構造体をつくる。さらに詳細には本発明は、それぞれの個別的な断面層を つくり、これから積層状に一体化された層状構造体から成る自立構造をもつ三次 元構造体を製造する方法において、第1の反応成分を含む液体組成物の液滴を連 続していない液滴から成る一つの断面層のパターンがつくられるように先ず配置 し、次いで第2の反応成分を含む他の液体組成物の液滴を、該他の組成物の沈積 した液滴が前に沈積した液滴と接触するような連続していない液滴のパターンを つくるように配置し、 このようにして第2の反応成分を第1の反応成分と反応させて平面状の断面の層 をつくり、しかる後この一連の工程を繰り返し前につくられた平面状の断面層の 上に隣接した平面状の断面層をつくり、前につくられた層に対し該隣接した平面 状の層を一体化して結合させ、順次つくられるこのような層の複数から自立構造 をもった三次元構造体が構成されるようにする方法に関する。 背景技術 製造製品のプロトタイプ化された部品の設計および製造、並びに種々の断熱材 および電気絶縁体の製造、またインベストメント鋳造のパターン、ダイス型およ び成形型の製造については、過去数十年の間に「迅速プロトタイピング法」、ま たはデスクトップ製造法或いは自由形式製造法(FFM)等と呼ばれるいくつか のシステムおよび方法が開発されて来た。これらのシステムのいくつかは主とし て、所望の三次元の目的物の断面層を次々につくり、逐次つくられた隣接した断 面層を順次薄層として一体化し、三次元の積層品に似た構造体をつくることに基 礎を置いている。 このような迅速プロトタイピング法の一例は、C.W.Hillの米国特許4 ,575,330号に記載されているような立体平版印刷法による三次元構造体 の製造である。該米国特許によれば、放射線等が衝突すると物理的状態を変化し 得る流体媒質の或る選ばれた平らな表面に、つくるべき目的物の断面のパターン を生成させ、流体表面上のパターンを固体の平面状の断面に変え、該目的物の逐 次つくられる隣接した断面を次々に上に重ねてゆき、逐次つくられる隣接した断 面を互いに一体化して所望の目的物の積層状の集積体をつくることにより三次元 の構造体 がつくられる。 他の迅速プロトタイピング法およびデスクトップ製造法並びに同様なシステム は、「Mechanical Engineering」誌、1991年4月号 、34〜43頁に、「迅速プロトタイピング・システム」と題する特別報告に掲 載され、また「Tool And Manufacturing Engine ering Hnadbook」、第4版、第6巻、1992年、第7章、7− 9〜7−26頁に「迅速プロトタイピング法」と題して記載されている。 これら文献記載のシステムの多くは現在工業的に実用化されているか開発中で あり、レーザー誘起重合法、広帯域スペクトルの光で開始される光重合法、レー ザーによる選択的粉末焼結法等の技術と共に、液体単量体または重合体粉末から 樹脂状の重合体製品を製造するのに用いられている。従来の技術の中で、セラミ ックスまたは同様物のような無機物質の構造体を自由な形で製造するのに適用で きるのは二つに過ぎない。層を生成するこのようなシステムの一つは、無機性の 粉末上のパターンをレーザーにより直接選択的に焼結させるか、無機性の粉末と 混合した低融点接合材料のパターンを間接的に選択的に焼結させ、次いでこのよ うにして繰り返し得られる焼結層を集積して目的物にする方法である。他のシス テムではセラミックス粒子の層を接合するのにインク・ジェット印刷法を使用し 、無機性の粒子に対し接合媒質を選択的に被覆し、断面層を繰り返し累積させて 成形体または構造体にする方法である。 (「Proceeding of the Solid Free−Form Fabrication Symposium」、Univ.of Texas ,1990年、M.J.CimaおよびE.M.S acks、「Three−Dimensional Printing:For m,Materials and Performance」、187〜194 頁)。 直ぐ上に説明したプロトタイプおよび他の構造体を製作する迅速プロトタイピ ング法およびデスクトップ製作法の中には、コンピュータ支援設計法(CAD) およびコンピュータ支援製造法(CAM)が含まれる。例えば上記の米国特許4 ,575,330号においては、コンピュータによるグラフィックス生成法の種 々の原理を使用し、コンピュータの指示によって直接設計された三次元の目的構 造体を作る。即ちコンピュータ支援グラフィックス技術、および所望の三次元モ デルまたはプロトタイプ体またはその類似物を設計しおよび/または輪郭を取り 込むコンピュータの機能を使用し、コンピュータ操作員によりCADによって所 望の構造体を設計することができる。この場合該三次元モデルは後でその画像メ モリーをコンピュータのスクリーン(CRT)上に表示させ、必要に応じ検討お よび変更を行うことができる。しかる後、コンピュータはCAMにより目的構造 体の設計された三次元モデルの数学的断面または切片を生成して次々と隣接した 断面層をつくり、画像で表された目的構造体がCAMの指令により特殊な技術を 用いて製造される。例えば上記の特許に記載されているように、CADで設計さ れた構造体またはプロトタイプの画像をCAMによって切断して複数の順次つく られる断面層にし、コンピュータの指令およびパラメータを発行して立体平版印 刷法により次々に隣接した断面層を他の断面層の上に順次つくり、これらの層を 一体化して重合した樹脂から成る所望の層状の集積構造体をつくる。 特定の迅速プロトタイピング法、デスクトップ製造法または自由形式 製造法等によって種々の構造体を製造するのに使用される特定の組成物および材 料に依存して、製造された種々の構造体は種々の用途に用いられる。自然に考え られる用途は、美学的な目的で、またできれば適合性の試験、人間工学的な可能 性、および同様な用途上の要求に関し、設計された部品に触って試験および検討 することができるような概念モデルをつくることである。数個ないし2、3個の モデルを限定してつくることが必要な場合には、もっと複雑な製作工具を使用す る場合に比べ製作上経済的に有利である。即ちモデルおよびプロトタイプを評価 し、そのパラメータおよび寸法を変更し、変更した構造体に関しさらに評価およ び試験を行って最終結果を得ることができる。種々の材料からつくられた種々の 構造体の他のいくつかの例には次のものが含まれる。整形外科的な硬い組織の移 植のための特注の構造体をつくるために燐酸カルシウムおよびヒドロキシルアパ タイトを使用する場合。元々存在した除去可能な接着剤を焼いて除去した後、焼 結させて種々の粒状材料を接合して固体−液体の多孔質フィルターをつくる場合 。断熱材および電気絶縁体の製造。並びにアルミナとコロイド状シリカ接合剤、 または主としてシリカまたは難熔性の無機酸化物からつくられた金属鋳造および 他の目的のためのセラミックスの芯および外殻。等々。 本発明の簡単な説明 本発明方法は一般に、液滴逐次配置法により、前に生成された隣接した断面層 の上に次々に新しく生成された層を重ねて逐次構造体の隣接した平面状の断面層 を生成させ、前に生成した層と後で生成した層とを全体として一体化させ、自立 構造をもった三次元の構造体をつくることにより、仕上げられた状態では実質的 に無機材料から成る自立構造をもっ た三次元構造体を製造する方法である。特定の態様において本発明は、1種また はそれ以上の反応成分を含む液体組成物の個々の液滴の複数を支持表面に付着さ せることにより、前に生成された断面層および後に生成された断面層を順次沈積 させてゆく工程を含んでいる。つくられるべき構造体の平面状の断面層に対応し たパターンをなすように個々の分離した(連続していない)液滴を付着させ、次 いで前に付着させた第1の組成物の複数の個々の液滴の上に他の反応成分を含む 他の液体組成物の分離した複数の液滴を付着させこれと結合させるか、および/ またはそれと重ね合わせ、この際該他の反応成分が前に付着させた組成物の液滴 中の反応成分と接触すると、該反応成分と該他の反応成分とが反応して無機材料 を生成する。 本発明方法においては、該液体組成物および他の液体組成物の付着させられた 液滴は、反応成分の他に、溶解したおよび/または固体粒子として分散または懸 濁した無機物質を含んでいることが望ましくまた好適であり、また随時他の材料 (必ずしも無機性ではない)、例えば粘度増強剤、樹脂状接合剤物質等、本発明 の実施および構造体の生成を容易にする同様な材料を含んでいることができる。 即ち、後で明らかになるように、付着した液滴を生じる液体組成物は、付着した 液滴中の反応成分が反応して得られる固体と同じまたは異った組成をもつ粒子を 溶解、分散または懸濁した状態で含んでいることができる。 さらに、液滴の最初のパターン、並びに構造体の最初の断面層を生成させるた めの後でつくられるパターンを沈積させる支持表面は、例えばこれを多孔質にし て、沈積した液滴から液を毛管作用により吸収するか吸い出すことにより、付着 させた液滴から容易に液を除去し得るように なっていることが望ましい。 本発明を理想的に実施するためには、コンピュータ支援設計法(CAD)およ びコンピュータ支援製造法(CAM)を使用し、つくるべき所望の構造体を設計 し、スクリーンに表示し、変更を加えるのにCAD用い、所望の設計された構造 体を縦切りしte適当な大きさの断面層にし、また自立構造をもった三次元構造 体をつくる際の装置要素を操作し、種々の液滴の大きさおよびその配置等のパラ メータを制御するのにはCAM用いる。 図面の簡単な説明 添付図面においては、同じまたは同等な或いは同様な処理工程および/または 特徴には同じ数字を使用するが、特徴の方にはプライムの付いた数字を用いる。 図1は、自己支持性即ち自立構造をもった三次元構造体を製造するための、コ ンピュータによるCADおよびCAM技術を含む迅速プロトタイピング法による 製造工程を逐次的に示す全体としての一連のブロック表示図である。 図2は、自立構造をもった三次元構造体を製造するためのCADおよびCAM 技術を用いる迅速プロトタイピング法の種々の連続した工程を実質的に模式的に 示す図であり、また本発明方法により逐次的に液滴を生成させ、隣接した平面状 の断面層を一体化して所望の自立構造をもった三次元構造体にする方法が詳細に 示されている。 図3は、製造途中の自立構造をもった三次元構造体の断面の透視図であり、前 につくられた一体化された断面層の所で切った該構造体の断面を示す。前につく られた層は支持表面になり、この上に次の隣接した断 面層が部分的に生成している様子が示されている。 図4は、図3に示した自立構造を有する三次元構造体の層がつくられている区 域の、座標軸の線XおよびYの所でとった上部表面の上隅部の部分的平面図であ る。 添付図面に示された本発明の好適具体化例を説明する上で、説明を明白にする ために特殊な用語を用いる。しかし本発明はこのような特定の言葉によって制限 を受けるものではなく、これらの特殊な言葉はそれぞれ同様な目的を達成するた めに同様に使用されるすべての技術的に同等な言葉を含むものとする。例えば液 滴という言葉に関しては、「配置される」、「沈積される」、或いはそれと同様 な言葉がしばしば使用されている。これらの言葉は単に重力による沈積に限定さ れるものではなく、他の手段、例えば強制的な噴霧、電気的な引力等、当業界の 専門家にとって液滴を配置するのに有用であることが知られている手段による配 置を含むものとする。 詳細な説明 図1および1’に模式的に示された方法および/またはシステムにおいては、 10および10’はそれぞれ生成させたいと思う自立構造をもった三次元の構造 体をつくる開始工程(10)および/またはCRTのスクリーン上で見えるよう にした該構造体の設計または構造モデル(10’)を表す。例えば図1において 、この設計はコンピュータ支援グラフィックス生成プログラムを使用したコンピ ュータ支援設計法を用いるオリジナルな(例えば創造された)概念に基づくもの であり、望ましい時に、形、大きさおよび寸法を含む設計パラメータ指定してC RTディスプレー上に表示することができる。別法として、以前につくった構造 体(例 えば手で彫刻したか制作した模型または構造体)をプローブで走査するかおよび /またはその形、パラメータ等を変換してコンピュータのメモリー・バンクの中 に格納し、後でCRTのスクリーン上に表示して見ることができるようにしたも のであることができる。図2においては、例えば五角形の側面をもった短い棒の 形をし、長手方向に走る円筒形の孔がほぼ中心の所に存在している参照番号10 ’が付けられたこのような構造体が、コンピュータのCRTスクリーン上に表示 されているように模式的に示されている。 本発明の複数の工程の全体を実施する際、その開始工程を行うためのコンピュ ータ、およびCADシステム並びにソフトは市販のものから容易に選ぶことがで きる。コンピュータ操作員が熟練していることは重要ではあるが、実際上また経 験によれば、全体の操作の中で、制作すべき三次元構造体のコンピュータ支援設 計モデルに関するコンピュータのメモリー・ファイルを取出すこの初期工程を実 施することは、当業界における通常の技術の範囲内に十分入っている。 図1および2において、11および11’はそれぞれ、次の工程(11)およ び/または該次の工程で切り出された結果(11’)を示しているが、コンピュ ータのメモリー・バンクの中に格納されていた生成させようとする設計または構 造モデルまたは構造体のファイルをここで切り出して複数の断面の(平面状の、 即ち比較的に言えば二次元的な)切片にし、本発明の本質をなす次の工程12お よび12’でこれを使用する。 断面の切片の特定の数およびその厚さは、次の工程に使用されるパラメータお よび材料に依存している。FFMの用途の現状においては、断 面の層の厚さが0.0005〜0.0015インチ(0.0127〜0.098 4mm)である時に使用可能である。本発明においてはこの解像度を得ることは 装置の最適化を意味し、材料、粒子の大きさ、液滴の大きさ、液滴ノズルの大き さによりこの解像度が達成される。FFMの専門家は本明細書を見れば余分な実 験を行わないでもこの解像度が容易に得られることを期待することができる。勿 論順次滴下する液滴を小さくし単位面積当たりの滴下する液滴の数を多くすると 、一般に層の厚さは小さくなり、同時に解像度およびつくられる成形体の寸法の 制御が改善される。このことは極めて望ましくまた役に立つと期待される。 生成させるべき三次元の構造体のコンピュータ支援設計モデルにおいて、所望 の厚さをもった所望の数の複数の断面の切片を切り出すのに適したコンピュータ およびプログラム(例えばCT技術)は市販されており、余分な実験を行うこと なく必要なパラメータを取得し、生成させるべき構造体の順次隣接した切り出さ れた(断面の)層のコンピュータ・メモリーのファイルをつくることは、当業界 の通常の専門家の能力の範囲内である。 図1および2において次に示された工程は順次切り出された断面の隣接層の切 片のコンピュータ・ファイルを全体的につくり、一体化して所望の構造体(32 ’)にする工程である。図2ではもっと詳細に複数の層の切片の生成と一体化の 工程(12’)が模式的に示されており、この工程には本発明の独特の方法によ り第1の反応成分を含む液滴27を或るパターンに従って配置し、次いで他の反 応成分を含む接触用の液滴30を重なって接触するようなパターンに従って配置 する工程を含んでいる。 図2を参照すれば、動き得る支持基底20が模式的に示されているが、これは 例えばラム21および図示されていない機械的、油圧的等の手段の駆動装置によ り上下の位置を動くように調節し得るエレベーターの台である。支持基底20は 案内スライド22の内部を動き、基底の運動、位置決めおよび配置をより良く制 御し得るようになっている。 図2においては支持基底20、およびラム21とスライド22とは上下運動を するように示されているが、使用する特定の液滴付着装置、およびその場所、並 びに生成させようとする構造体の特定の形に依存して、20、21および22の 位置は種々の垂直な角度において変えることができ、使用される特定の液滴付着 装置および第1の液滴および他の液滴の特定の組成に従って、側方(水平方向) へも、また上方へと運動を行い、上方へまたは角度をつけて液滴を付着させるよ うにすることもできる。 動き得る支持基底20の上には、多孔質の支持基底23が載せられ、一般には それに取り付けられており、本発明の逐次的付着被覆法により、この上に生成さ せようとする三次元構造体の最初の平面状の断面層がつくられる。図示の支持基 底23は多孔質であり、順次付着する液滴27および30から(例えば毛管作用 により)一層良好に液を吸い取ることができるようになっている。 多孔質の支持基底23の上の圧力を減少させ液の除去および/または吸い取る 速度を増加させるような他の装置は、図示されていないが役に立つと考えられる 。吸引濾過の際に用いられる通常の蛇口に取り付ける水流ポンプ、または減圧を 得るための機械的ポンプなど、図示されていないが、当業界の専門家はこれを装 着、付加、または適合させて支持基 底23の多孔質の中を減圧にし、被覆した液滴27および30からの液の除去を 促進することができよう。これらの装置の代わりにおよび/またはこれらの装置 と組み合わせて、液の除去を促進する他の装置を取り付けることもできる。例え ば図示されてはいないが、密封した電気抵抗体要素を多孔質の支持基底23およ び支持基底20の内部に使用して、被覆した液滴からの液を蒸発させることがで きる。このように使用する場合、これに付随してダクト装置を装着するか、強制 送風ファン排気装置等(図示せず)を取り付け、配置または沈積させた液滴が加 熱された結果、液滴が付着した近傍から生じる液の蒸気を除去するようにするこ ともできよう。このような熱によって反応成分の反応も促進される。被覆した液 滴からの液の除去を容易にする他の装置および方法は当業界の専門家には明白で あり、本発明の範囲内に入るものと考えられる。 図2の工程12’には、長手方向に貫通したほぼ中心に位置する円筒形の孔を もった側面が五角形の短い棒の形をした生成させようとする構造体10’(工程 10)において、複数の断面がCRTに表示されている図示の構造体11’(工 程11)が部分的につくられている様子が模式的に示されている。この部分的に 生成された構造体25は、最も左側の表示では、ちょうど製作の中間点にあり、 ここでは製作工程の途中にある構造体が示されているが、これは前につくられた 下方にある水平の断面層の上に、図示されていない放出装置または沈積装置によ りノズル26のような沈積物出口装置を通して、つくられる断面層が規定された パターンになるように流体組成物の複数の液滴27を沈積させおよび/または配 置することにより、垂直方向においてほぼ半分の位置で断面の水平層がつくられ たところである。部分的に製作された構造体25の最 も左側の表示におけるように、液滴27をパターンをなして沈積させた後、矢印 に従って部分的につくられた構造体25の中央の表示に移ると(ここではパター ンに従って配置された複数の液滴27が存在している)、今度はノズル29のよ うな沈積物出口装置を通し図示されていない放出または沈積装置から他の液体組 成物の液滴30をパターンをなして沈積させおよび/または配置させる。構造体 25、および構造体を生成させる時に使用されるそれに付随した(生成工程にお いて補助的な)要素20、21、22および23を示す最も右側(矢印に従って 移動せよ)の表示においては、中央および最も左側で示されたようにして本発明 の液滴沈積法によりつくられた特定の断面層を有する構造体25が示されている 。勿論部分的な構造体25の中央の表示においては、パターンに従った液滴30 の付着は、前に配置されたパターンに従って付着させた液滴27に対し適切な位 置関係を保って行われ、これら二つの付着部分が接触することにより、液滴中の 反応成分が接触し、一般的には重なり合って、前に生成した反応生成物と反応し 、以前につくられた下方の層と一体化した固体を生じる。 最も右側の表示においては、付着した第1の液滴の組成物の中の反応成分と付 着した第2のまたは他の液滴の組成物の中の反応成分との間の反応は続けて進行 し、一つの断面層はほぼ完成した状態になり、付着した液滴に含まれるかなりの または実質的な量の液はこの層から既に流出するかおよび/または他の手段で除 去されているが、つくられたばかりの断面層はまだ液で湿っているか、および/ またはペースト状のかたさをもっていることもある。工程12’のこの段階にお いて、上部に次の断面層をつくるために、部分的につくられた構造体25および その補助 的な付随要素を最初の最も左側の状態に移し(矢印に従う)、再びパターに従っ て液滴27を沈積させ、次に中央の位置に動かし、ここで再びパターに従って液 滴30を沈積させた後、最も右側の位置に移す。この一連の工程を例えばn回繰 り返す。ここでnは参照番号32が付けられた累積した構造体が出来上がるまで に順次つくられる断面層の数である。製造工程12’のこの完成段階における構 造体32’は、それから液が除去された程度、反応成分相互間の反応の進行の程 度、分散した材料、接合剤、粘度増強剤等の量、種類、大きさ等を含む組成物の 成分の種類に依存した生の強度をもっているが、生の強度が適切な場合は常に多 孔質の支持基底23から構造体32を取出せる強度に迅速に到達し、加熱装置( 図示せず)を用いまたは用いないでさらに乾燥すると実質的に反応が完了した、 即ち十分に乾燥した構造体になる。ここではこれを構造体32’とする。 図2の工程12’に対しては、生成される構造体32および32’は種々の位 置への運動、例えば左から右への水平運動、および種々の位置への上下運動を行 って本発明方法により一つの成分の液滴を付着させ、次いで他の液滴を滴下して 付着させるか、または必要に応じ乾燥および/または反応を完了させるために他 の位置へ移動させ、これらの一連の工程を繰り返すように示されているが、この ような運動はすべて相対的なものであり、またそうであると了解されたい。即ち 運動は右から左へと行うこともできる。また多孔質の支持基底23および補助的 な位置決め要素、並びに部分的につくられた構造体25を静止した位置に保ち、 その代わりに沈積物出口装置27および29を動かし、液滴27および30を付 着させるのに必要な位置をとらせ、乾燥/反応期間をおいた後、 このサイクルを繰り返し、前につくられた層の上に順次断面層を集積してゆくこ ともできる。前に説明したのと同様に、液滴の組成物中の特定の反応成分、特定 の液滴付着装置等に依存して、図示の模式的な位置の場所は水平から垂直までの 種々の角度、例えば生成させようとする構造体の特定の構造的な形状に必要とさ れる角度をもつことができる。 後で説明するように、生成された構造体32’、その生の強度、構造体32’ をつくる成分材料等に依存して、工程12’から図1および2にそれぞれ13お よび13’として示される工程で後述されるような多くの工程を通じて構造体3 2’をさらに加工し、その最終用途に対しもっと望ましく、必要性を満たし且つ 矛盾のない随時加工された構造体32’をつくることができる。 本明細書の実施例から明らかなように、個別的な手動の装置によって本発明を 実施し、生成させようとする特定の自立構造をもった三次元構造体、および該構 造体を複数の断面層に分割したものを目に見えるようにして本発明を実施する上 での手引きにし、また比較的簡単な液滴放出装置、例えばマイクロピペットおよ び手動の充填および位置決め装置、例えば手でピペットに充填しこれを必要な場 所に動かして液滴を放出する装置を用いることができるが、本発明においてはも っと理想的でもっと巧緻な技術を駆使した装置を使用することが考えられる。例 えばコンピュータ支援設計システム(CAD)およびコンピュータ支援製造シス テム(CAM)およびそれに関するプログラムは、設計および製造にコンピュー タの能力を応用できるようにつくられた技術である。図1および2に記載された 工程を実施するために、CADおよびCAMと共にコンピュータ支援グラフィッ クスの原理を活用することが考えられる。こ のようなコンピュータ技術の応用に関する解説は、紫外線硬化可能なプラスティ ックスおよび立体平版印刷法の「プロトタイプ」製作工程に関する上記米国特許 4,575,330号に記載されている。このようなコンピュータ技法に関する さらに他の詳細点および情報に関する解説はまた「Manufacturing Engineering」誌、1991年11月号、77〜79頁のTerr y T.Wohlersによる「The Real Cost of Rapi d Prototyping」に記載されている。特にこの文献の論文には、図 1および2の工程10および10’および工程11および11’の処理を行う市 販のコンピュータおよびプログラム等が記載されている。 図1および2の工程12および12’を通してそれぞれ処理を行うためには、 下記の実施例Iに使用されているようなマイクロピペットの代わりに、コンピュ ータ技術に使用されているインク・ジェット・プリンターの特性をもったおよび /またはそれに酷似した装置を使用することができ、工程12および12’を実 施するために市販のインク・ジェット・プリンターは殆どまたは全く変更する必 要はない。 インク・ジェット・プリンターは、印刷表面にインク組成物を要求に応じ供給 することによって作動する。「バブル・ジェット」と呼ばれるタイプの型のもの はインクが貯蔵器から細い管へ供給され、該細い管と接触して電気抵抗が或る値 になると作動する。規程の要求が発せられると、該抵抗の中を電流が流れ、管の 中のインクが加熱される。インクが加熱されると、加熱器の近所の部分が蒸発し て膨張し、インクの液滴を細い管のノズルから押出す。管の中で蒸発が起こるこ とにより泡が生じ、インクの液滴が放出され弛緩が起こった後泡が収縮すると、 管の中にイ ンクを引き込む圧力により液滴が生成される。その後抵抗加熱器が再び賦活され て新しく液滴が放出される。複数の細い管およびそれに備えられたノズルをもつ 装置要素を配置し、コンピュータによって指令され制御されて動作する抵抗加熱 器を用いると、複数のフォントをもった印刷文字、グラフィックス等のパターン を迅速に沈積させることができ、この際のドットの解像度は1インチ当たり数ド ット(例えば幅1インチ当たり6〜10ドット、高さ1インチ当たり6〜10ド ット)からもっと高い解像度、例えば印刷される或るフォントの文字1個当たり 高さおよび幅が360×360ドット/インチ(dpi)の範囲で得られる。他 の有用な型ののインク・ジェット・プリンターでは、ピエゾ電気装置を賦活して 細い管のノズルからインクの液滴を移動させ放出する。 市販のインク・ジェット・プリンターに対し必要とされるどのような改造を施 しても、それは当業界の専門家の公知範囲内に入ると思われるが、改造すべき点 は、多孔質の支持基底の表面23が必要とされる位置を占めまた移動場所をもつ 関係が得られるように使用するインク・ジェット・プリンターを装着し、プリン ターのインク・ジェットのノズル26および29を取り付け、生成させようとす る構造体32の断面に対し逐次コンピュータによって要求される決められたパタ ーンに従って、種々の液滴27および30が付着するようにコンピュータを動作 させることだけである。インク・ジェット・プリンターのノズルの数および大き さ、および「インク」のカートリッジ(本発明を実施するためには、インクを供 給するカートリッジの代わりに、液滴27および液滴30に対する液状の反応成 分含有組成物を含んだカートリッジを使用する)に対する連続的供給装置は、余 分な実験を行うことなく当業界の専門家が実情に 合わせて決定することができ、逐次断面層をつくるために望ましい必要とされる パターンの場所に、個々の分離した液滴27および30を付着させることができ る。 最初の液滴として、また以後付着させるための液滴として放出すべき液体組成 物に含ませるための有用な反応成分には、種々多様な材料がある。下記の材料を 例示することができるが、これらは本発明を限定するものではない。 例えば、燐酸カルシウム材料の移植可能な負荷のかからない補綴装置をつくる ためには、個別的に付着させパターン状に分布させる液滴に対する組成物として 、一つの液滴に対してはカルシウムイオンを含む液体組成物を用い、他の液滴に 対しては燐酸イオンを含む液体組成物を用いるが、接触した場合に反応し所望の 燐酸カルシウム補綴材料が生成するように二つの液体組成物のイオン成分を調節 する。カルシウムイオンを供給する物質の例には、塩化カルシウム(CaCl2 )、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、および石灰(CaO)が含まれ、燐 酸イオンを供給する物質には一塩基性燐酸ナトリウム(NaH2PO4)、二塩基 性燐酸ナトリウム(Na2HPO4)、燐酸(H3PO3)、一塩基性燐酸カリウム (KH2PO4)、および二塩基性燐酸カリウム(K2HPO4)等が含まれ、液体 には水が使用される。或る例では、例えば水の中に少量の燐酸、塩酸、または他 の酸を含ませて穏やかな酸性にするか、液体組成物中に含まれる特定のカルシウ ムおよび燐酸イオンの間の特定のイオン反応に対して相容性をもった塩基性の物 質を含ませる場合もある。 補綴または同様な用途に用いられる構造体を生成させるための液滴に対する有 用な液体組成物をさらに列挙すると、このような用途に対する 構造体は望ましくはCa5(PO3)OH(ヒドロキシアパタイト)を生体と相容 性をもつかなりの量で含んでいる。 生成させようとする構造体の中にヒドロキシアパタイトを含ませる方法には、 第1および第2の液滴をつくる反応成分含有液体組成物にヒドロキシアパタイト を溶解して過飽和にするか、および/またはヒドロキシアパタイトの細かい粒子 をその中に懸濁させるか、および/または反応させると直接ヒドロキシアパタイ トを生じるかまたは後で処理するとヒドロキシアパタイトを生じ得る前駆体燐酸 組成物を生じる反応成分を用いる方法が含まれる。最後の方法は例えば炭酸カル シウムの珊瑚材からリプラミンフォーム(replamineform)をつく るのに用いられている変換技術を使用する。この場合本発明でつくられた構造体 はかなりの量の炭酸カルシウム前駆体を含んでいる。例えば骨格の炭酸塩からヒ ドロキシアパタイトをつくるには水熱交換法を用いる。「Nature」誌、2 7巻、1月25日号、1974年、41〜43頁参照。 ヒドロキシアパタイトを供給する一つの方法を例示すると、ヒドロキシアパタ イトを製造するために複数の公知反応を使用することができる。その例としては 反応成分としてCa4(PO46・5H2O(燐酸四カルシウム)を含む液滴に対 する一つの液体組成物および他の反応成分に対して種々の他の燐酸カルシウム、 即ちCaHPO4・2H2O(燐酸二カルシウム二水和物またはブルシャイト)、 CaHPO4(モネタイト)、Ca82(PO4)・5H2O(燐酸八カルシウム )、α−Ca3(PO42、β−Ca3(PO42(燐酸三カルシウム)、または プロトンまたは最高約10重量%のマグネシウムを加えて変性した燐酸三カルシ ウム(ホワイトロッカイト)、或いは他の液体組成物中にこれらの燐酸カルシウ ム の組み合わせの中の任意のものを含む他の液体組成物を挙げることができる。上 記の特性をもった化学反応はW.E.Brown等の米国特許4,518,43 0号に記載されているが、但し該特許の組成物は、歯の琺瑯質の虫歯の部分の再 鉱化剤、歯科用の充填剤等の用途に使用される単一のスラリまたはペースト組成 物中のすべての反応成分を含んでいる。これとは対照的に、本発明を実施するた めには、燐酸四カルシウム反応成分および他の反応成分を一つの液滴のための液 体組成物中に分布させ、他の液滴のための液体組成物の中には他の反応成分を含 ませるが、例えば燐酸塩反応成分の間の反応を合知的な時間内で進行させてヒド ロキシアパタイトが得られるように、力をかけて既に付着させた液滴を接触させ て付着させる他の液滴と混合する反応条件下において、或る大きさの個別的な液 滴を複数配置させる。 ここまでの説明においては、本発明を実施するために付着させた液滴は一つの 液体組成物からの液滴と他の液体組成物からの液滴であり、これら二つの液体組 成物の各々は異ったイオン性の反応成分を含み、これらの反応成分は液滴が接触 した場合反応して逐次断面層をつくり、これが累積して二つのイオン性反応成分 の反応生成物から主として成る構造体が生成されることを述べたが、このような 特定の本発明の実施方法は本発明の好適な最良の態様を記載したものである。し かし、本発明の範囲内には「反応成分型(reactant−type)」の方 法および機構も含まれる。この態様においては構造体の生成は主としておよび/ または部分的に次の工程を含んでいる。 (i)個々の液滴を配置するための片方または両方の液体組成物および他の液 体組成物の濃度は飽和よりも僅かに低いかまたは準安定な濃度 であり、2番目に配置される液滴は片方または両方の反応成分の内の1種のイオ ン性材料、または核を加えて生じた微結晶、またはイオン性成分の種子の結晶を 含むことができ、接触させる液滴中の濃度を過飽和の条件まで上昇させ、これに よって自発的に結晶を成長させることができる。 (ii)第1の液体組成物の付着した液滴の組成は準安定な状態にあることが でき、接触が起こった場合、被覆された第1の液滴の過飽和の状態をもはや準安 定な状態ではなく結晶および/または沈澱の成長が起こる状態に移動させる量で 、或る試薬または成分を含んでいる他の液体組成物の液滴を第1の付着した液滴 に接触させる。このような不安定化に対しては、例えばHCl、NaOH、Ca (OH)2、CaO、H3PO4等のようなpHを変える酸性および/または塩基 性物質、または例えばNaClのような反応成分のイオン強度を変化させる物質 のような試薬および成分物質が有用である。 (iii)第1のまたは他の、或いは第3等の液体組成物の一つから得られる 液滴は安定な状態にあり、後で或いは最初につくられた液滴は触媒剤、例えばア クリロニトリルまたはメタクリロニトリル、或いは塩化ビニルを反応成分として 含む液滴に対しては過酸化ベンゾイルのような遊離基反応開始剤を含んでおり、 液滴、或いは触媒剤を含まない液滴中の反応成分は固体成分または不溶な成分、 例えばポリアクリロニトリルに選択的に変化する。 (iv)或る組成物の逐次沈積させられる液滴の片方および両方は重合体構成 成分または他の物質を含むことができ、これによって付着した液滴の過飽和の条 件を変更および/または制御し、液滴の配置を容易に 行い得るように液滴の液体組成物の粘度を変化させ且つ制御し、或いは混入され た補強剤および/または接合剤(永久的な、または例えば後の処理工程によって 除去可能な逃散性の補強剤または接合剤)として作用させるか、或いはまた例え ば生成させようとする構造体の機械的、電気的、光学的等の性質を変性および/ または制御するか、或いは例えばコラーゲンを含ませて移植の目的に対する生体 相容性を強化することができる。これらの重合体材料および他の物質の例、およ び片方および/または他方の液体組成物の中に含ませる目的には次のものが含ま れる。分散剤、例えばポリメタクリレートのナトリウム塩、湿潤剤、例えば硫酸 化/スルフォン酸化されたひまし油、粒子結合剤、例えばポリビニルアルコール またはポリエチレングリコール、天然高分子を含む粘度調節用添加剤、例えばコ ラーゲン、ゼラチン、卵アルブミン、および合成重合体、例えばポリアルコキシ ル化された脂肪族エーテル、および発泡防止剤、例えばエトキシル化されたひま し油。 逐次断面層を生成させ、最終的にはこれを積層化して一体化して生の強度をも った構造体32’にする液滴を液滴に重ねてゆく工程12および12’から、望 ましいおよび/または望まれる場合には、随時生の強度をもった構造体32’の 後処理工程13および13’(図1および2)へと進み、構造体32’に比べ有 利な性質を一つまたはそれ以上もった構造体32”をつくることができる。前述 のように、例えば燐酸カルシウム、ヒドロキシアパタイトおよび数種のセラミッ クス酸化物の粒子を用い、液滴の反応成分の生成物をすべて一体化して三次元構 造体を生成させた場合、乾燥器または炉の中での加熱および/または後焼成処理 が有益である。或る時間をかけて生の構造体32’の温度を徐々に100 0℃〜1200℃の範囲の温度まで上昇させ、この高温に30分〜2時間の間保 持するような焼成処理を行うと、構造体32”を構成する一体化された粒子を焼 結させ一緒に接合することにより強度が増大した構造体32’が得られる。同様 に、液滴27および/または30に対する液体組成物中に熱によって賦活可能な 水溶性の重合体接着性接合剤を含ませ、次いでこれを構造体32’の中に入れた 場合、後処理としては構造体32’を必要な温度に必要な時間加熱して熱賦活性 の接着性接合剤を賦活する方法が望ましい。 すぐ前に説明したように、本発明の通常の方法では、第1の液体組成物の液滴 のパターンをつくり、次いでこれらの液滴を他の液体組成物の液滴と接触させ、 液滴中の1種またはそれ以上の反応成分が反応して固体を生じ、これが生成され る構造体の断面層を構成するようにするが、さらに別の液体組成物からさらに別 の液滴をつくり、接触用の液滴としてつくられた2種、3種、4種またはそれ以 上の液体組成物中の複数の反応成分によって固体がつくられるようにすることが できる。注目すべきことは、種々の付着した液滴は2種以上の反応成分を含むこ とができることである。例えば、種々の液滴は反応すると無機性の固体を生じる 種々の個別的な成分を含んでいることができるが、同じまたは他の被覆された液 滴が、生成させようとす構造体の断面層を構成する固体成分の一部になる他の固 体(例えば樹脂状の接合剤物質)を生じるような、別の他の反応成分を含んでい ることができる。同様に、このような3番目、4番目またはそれ以後付着した液 滴は、反応成分の他に上記の他の物質、例えば触媒、抑制剤、充填剤、接合剤等 を含んでいることができる。実施例 I 主として手動により(CADおよびCAMを使わないで)本発明を実施する例 を下記に示す。 液滴として使用するための準安定な液体組成物の製造 デシケーター用のCaCl2 41.6gを蒸留水500ml中に磁気撹拌機 により溶解するまで(約20分間)混合して室温で0.75MのCaCl2溶液 をつくった。 試薬級のNa2HPO435.4gを溶解するまで(約40分間)蒸留水500 ml中に混合して0.5MのNa2HPO4溶液をつくった。 調製した0.5MのNa2HPO4溶液を別のビーカーの中に入れ、撹拌して混 合を開始する。調製した0.75MのCaCl2溶液486mlを混合中細い流 れとして徐々に加え、懸濁液をつくり、細かい粒子の沈澱を1時間撹拌する。次 いで混合を停止し、懸濁した粒子を沈降させる。約1時間後、上澄液をデカンテ ーションし、蒸留水を加えてスラリの容積を元の容積にし、1時間撹拌して混合 する。再びこの懸濁液を沈降させ、上澄液をデカンテーションし、蒸留水を加え てスラリの容積を元の容積にし、1時間撹拌して混合した後懸濁液を沈降させ、 この洗滌工程をさらに2回繰り返し、各洗滌工程後、毎回沈降した沈澱を失うこ となくできるだけ多くの上澄液をデカンテーションする。しかる後洗滌された細 かい粒子の沈澱を含む沈降を行って得られた水性組成物を遠心分離管の中に入れ 、10,000rpmで5分間遠心分離を行った後、過剰の液をデカンテーショ ンする。得られた生成物は水性の白色の光沢をもったペーストであり、後で使用 するまでこれを水性ペーストとして貯蔵する。このペーストの僅かな部分を加熱 乾燥し、顕微鏡により目で 観測し、長さが約5〜20μmの針状結晶であることが判った。このペースト組 成物は化学分析は行わなかったが、純度および組成が決定されていない細かい粒 子の燐酸カルシウムから成る水性沈澱であった。 上記の方法により別の試薬級Na2HPO4の0.5M水溶液をつくった。また 0.75MのCaCl2水溶液をつくった上記方法に一般的に従ってデシケータ ー用の塩化カルシウムの0.86M水溶液をつくった。Pancogene S(R) 0.3%を含む酸に可溶な溶液と称する子牛の皮膚のタイプIコラーゲン 溶液をコラーゲン原料として使用した。使用する前にpH2〜3の希HCl溶液 を用いてこのコラーゲン溶液を透析した。透析した溶液1ml当たり3mgのコ ラーゲンが含まれている。 飽和よりも僅かに低い濃度の、即ち準安定の液体懸濁液を次のようにしてつく った。 第1の懸濁液は、上記方法でつくった0.86MのCaCl2水溶液2ml、 上記方法でつくった微粒子の燐酸カルシウムの沈澱から成る白色光沢の水性ペー スト2ml、および上記方法でつくったコラーゲン/HCl溶液1mlを混合し てつくった。 第2の懸濁液は、上記方法でつくった0.5MのNa2HPO4水溶液2ml、 上記方法でつくった微粒子の燐酸カルシウムの沈澱から成る白色光沢の水性ペー スト2ml、および上記方法でつくったコラーゲン/HCl溶液1mlを混合し てつくった。 2種の溶液は下記のようにしてつくった。 第1の溶液は、上記方法でつくった0.86MのCaCl2水溶液2ml、お よび上記方法でつくったコラーゲン/HCl溶液1mlを混合 してつくった。 第2の溶液は、上記方法でつくった0.5MのNa2HPO4水溶液2ml、お よび上記方法でつくったコラーゲン/HCl溶液1mlを混合してつくった。 10μlのピペットおよびチップ(tip)をいくつか使用した。 実施例 I(A) ガラス板の上に、第1の懸濁液の10μlの液滴の複数を互いに接触しないよ うに配置したが、側方の隣接した液滴に沿って後で配置される液滴は接触するか および/または重なることができるように、十分近づけて配置する。次に第2の 懸濁液の10μlの液滴を、前に配置された第1の液滴と接触しこれを連結する ような方法で配置する。沈澱の線が生じ、第1と第2の懸濁液の液滴が接触する 境界の所には隆起ができた。70倍の倍率で観測すると、アスペクト比が4:1 の針状結晶が生成しているのが判る。隆起の部分は液滴の中央の部分に見られる 結晶よりも緻密な結晶のように見えた。 配置する順序を逆にして、第1および第2の懸濁液の液滴を同様に次々と沈積 させた。燐酸塩イオンの懸濁液の液滴を最初に滴下し、次いでカルシウム・イオ ンの懸濁液の液滴を滴下することにより連結を行った。 2種の懸濁液を配置する順序は、最初に滴下した液滴の周りの方が2番目に滴 下した液滴の周りに比べコラーゲンのフィルムの幅が広かったこと以外、隆起し た固体状の構造物が生じる点に関しては差がないように思われる。液滴の境界に 隆起部ができるのは、第1および第2の異った懸濁組成物が接触し、液滴の内部 で接触混合が起こり相互作用する結果、燐酸カルシウムが生成して沈澱が起こる ことが主な原因である。液 滴にふくまれたコラーゲンは、生成して沈澱した結晶の大部分がそれによって液 滴の境界またはその近くの場所に拘束され、種々の液滴から生じた水が徐々に消 失するにつれて(例えば室温における蒸発により)結晶化することにより、液滴 の内部の領域に生成した結晶に比べ緻密になるように作用することは明らかであ る。 実施例 I(B) 実施例I(A)で使用された第1および第2の調製懸濁液の代わりに第1およ び第2の調製溶液を使用し、実施例I(A)の実験方法を繰り返し、プラスティ ックスのペトリ皿の中に第1の溶液の10μlの液滴を沈積させたが、この際沈 積させた個々の液滴の間隔は、後で沈積させる第2の調製溶液の液滴が最初に沈 積させた液滴と側方で接触するか、および/または最初に沈積させた個々の液滴 と僅かに重なるようにすることにより、隣接している最初に沈積させた液滴を連 結するほど十分に近い間隔になるようにした。I(A)におけると同様に、最初 に滴下した液滴と接触するかこれと重なる2番目に滴下した液滴の上の隣接した 液滴の境界線の所に、結晶の沈澱の線が生じた。70倍の倍率で観測すると、沈 澱した細かい結晶が組み込まれた結晶性の繊維状マトリックスが生じていること が判った。 実施例I(A)およびI(B)の結果を比較すると、滴下した液滴の中に懸濁 され可溶化されたNa2HPO4が存在しても、接触している液滴の境界線に隆起 部が生じるかどうかにはあまり影響が無いことが示される。またこの結果によれ ば、前に配置した液滴と著しく重なるようにおよび/またはその上部に、対抗イ オンの液滴を交互に配置すると、隆起部が少なく一体性が一層完全になった連結 された結晶格子をもつ粒子 が生じるという仮定が得られる。 実施例I(C) 次のようにして三次元のFFM構造物または構造体をつくった。 (i)プラスティックスのペトリ皿の底に、第1の調製懸濁液(即ちCaCl2 含有)の一連の10μlの液滴を互いに他の液滴と間隔を空け、しかも最も近 い液滴との間は1個の液滴の大きさよりも小さい間隔を置くように配置する。次 いで第2の調製懸濁液(即ちNa2HPO4含有)の10μlの液滴を、第1の懸 濁液の隣接した液滴を連結するように配置する。凝結時間を10〜15分とり、 最初につくられた層が凝結するようにする(即ちCaCl2およびNaH2HPO4 の液滴が反応し、また例えば蒸発により若干の水が失われるようにする)。そ の後、最初につくられた層の上部に、第1の調製懸濁液の他の一連の10μlの 大きさの液滴を配置し、この際液滴の間隔は液滴1個分の間隔より狭くなるよう にする。次に、第2の調製懸濁液の10μlの大きさの液滴を配置し、これによ って直前に配置した第1の懸濁液の液滴を第1の層および第2の層全体とその上 部で連結させ、10〜15分間かけて凝結させる。次に第2の層を第1の層の上 に沈積させたのと同様にして、第3の層を第2の層の上に沈積させ、さらに次々 に層を続けて付着させ、全部で5枚の層が付着し、得られた一体となった積層構 造体が自立構造をもち、高さが約0.25インチ(6.4mm)になるようにし た。このことからそれぞれつくられた層の厚さは約0.05インチ、即ち1.2 mmであると計算される。 この層状構造体は自由につくられる構造体の形を容易に生成し、またその形が 保たれる。下方の層が比較的乾燥している(空気乾燥)場合、 下方にあるセラミックスの塊は新しく配置された液滴から次の層をつくるための 液を吸収する。これによって液滴の配置および局所化が容易になる。付着させた 場合、新しく配置された液滴の中で粘度が迅速に増加し、結晶が非常に局所化さ れた場所に沈澱することが容易になるからである。構造体が比較的湿っており、 即ち水分を含んでいる場合には、新しい液滴の配置、およびその場所の保持は困 難になる。何故なら支持層の毛管作用のために新しく加えられた液滴から水が迅 速には除去されないからである。下方の支持層が比較的湿った、即ち水分を含ん でいる場合、新しく加えられた液滴は側方の部分を広げるか(例えば第1の層) および/または押し流す(第2およびそれ以降の層)傾向があるが、新しい液滴 を比較的乾燥した部分的に生成された構造体にだけ加えるか、および/または液 滴の流体懸濁液の粘度を例えば或る種の粘度増強剤(例えばコラーゲン)を或る 量で流体組成物の中に加えて上昇させることにより、上記の広がりおよび流下を 抑制することができる。数層を累積させた後には、実施例I(A)およびI(B )の単層構造体に見られるような隆起部は最小限度に抑制され、生成した層は、 沈澱した結晶と、液滴の中に懸濁および溶解していた材料が水を失って生じた結 晶とが、より滑らかに融合したものであった。生じた層状構造体を空気乾燥した 場合、穏やかな取り扱いに対しては十分な強度をもっているが、曲げたり落とし たりした場合には破壊されることもあった。 (ii)次に(i)記載の方法で他の自由につくられる多層構造体をつくった が、次の点が異っていた。前述のようにしてつくられた細かい粒子の燐酸カルシ ウムの沈澱から成る光沢をもった水性の白色ペーストの手に滑らかな層をペトリ 皿に入れた後空気乾燥し、これで先ずペトリ 皿の底を被覆し、多孔性の最初の支持物をつくった後、最初の層をつくるために 第1の液滴を付着させた。このようにすれば、最初およびそれ以後に付着させた 不連続的な液滴の選択的パターンは一層良好になり且つ局所化され、つくられた 断面層に対する所望のパターンから液滴が広がったり流れ出したりすることが最 小限度に抑制され、および/または避けられる。 比較的乾燥した多孔性をもつNa2HPO4基底層をペトリ皿の中につくり、次 に垂直の支柱、片持梁の柱(両方ともコラーゲンを含みおよび含まない第1およ び第2の懸濁液を使用する)を含む自立構造をもった垂直の層状構造体の形を付 け加える。 高さが数インチ(750mm)で底の一辺の長さが約1.5インチ(約35〜 40mm)の截頭中空四面錐体をつくった。コラーゲンを含まない液滴からつく られた片持ち梁の形をした柱は、高さが1/4〜1/2インチ(6.8mm〜1 2.4mm)に達すると、湿っている場合自重で崩れる傾向があるが、垂直な支 柱状の柱および錐体を含む他の形はそうではなかった。つくられた構造体を次に 空気乾燥すると、穏やかな取り扱いに対して適当な強度をもった構造体が得られ る。 もっと強度が望ましい場合には、空気乾燥してつくった構造体を1100〜1 300℃に1〜5時間キルンで焼成し、融合したおよび/または焼結した強い構 造体にすることができる。熱で融合させたおよび/または焼結させた構造体は、 平らな、支柱状、筒状、環状および同様な形をした有用な電気導線用の絶縁体で ある。 実施例 11 特記しない限り一般的に実施例I記載の方法および技術に従った。 J.Dent.Res.誌、1984年、874〜880頁記載のT.Aab aおよびE.C.Morenoの方法によりヒドロキシアパタイトをつくり、純 度および組成が決定されていない実施例Iの水性の細かい粒子の燐酸カルシウム の沈澱の代わりに使用した。 つくられたヒドロキシアパタイトの結晶を、まだ湿っている間に、実施例Iの 燐酸カルシウムの代わりに第1の懸濁液および第2の懸濁液の各々の中に結晶化 用の種子として分散させ、第1および第2の懸濁液が、それぞれ準安定な過飽和 の流体組成物を生じるような過飽和の濃度を生じる量で、該種子を含むようにす る。 しかる後、多孔性の支持体に対し第1の懸濁液の分離した液滴を付着させ、次 いで第1の懸濁液の隣接して配置された液滴に重なるように第2の分離した液滴 を付着させ、この一連の液滴の配置を順次必要な回数だけ繰り返し、垂直な壁の 幅が約0.25インチ(6.4mm)、高さが1インチ(25.4mm)の三次 元構造をもつ生の構造体をつくる。この壁は、第1の懸濁液の液滴の中の塩化カ ルシウムが第2の懸濁液の液滴に含まれたNa2HPO4と反応して生じた燐酸カ ルシウムの沈澱で取り囲まれたヒドロキシアパタイトの種子の結晶をかなりの量 で含んでいる。このようにしてつくられた壁状の幾分多孔性をもった構造体はや はりコラーゲンを含み、動物に対する負荷のかからない骨の移植材として形成外 科的な用途をもっている考えられている。もっと強度を大きくするには、つくら れた生の成形体を使用前に1100〜1200℃において約1時間焼成する。 実施例 III 次ぎに全体に亙ってCADおよびCAM技術を使用する比較的理想的 であると考えられる本発明方法の実施態様を示す。 図1および図2に示されているように、それぞれ開始工程10および10’を 用い、CAD技術および創作および可視化に使用される技術を用い、生成または 創成させようとする目的物または構造体のモデルを創成させおよび/またはその 可視化を行う。次ぎにCAMのコンピュータ技術およびプログラムによりCAD でつくられたモデルをそれぞれ工程11および11’にかけ、CADでつくられ たモデルについて断面が隣接した縦切り層のコンピュータ・ファイルをつくる。 次にそれぞれ12および12’で示された実質的な処理工程を行い、CADでつ くられファイル化された該モデルの隣接した縦切り層を物理的に生成させて一体 化し、積層状につくられたまたは生成させられた構造体にする。この工程におい ては、CAM技術を使用し、1種またはそれ以上の改造した「バブル・ジェット 」型インク・ジェット・プリンターに連結して、種々の工程パラメータ、例えば 液滴の大きさ、液滴の配置、液滴を次々に配置し次々に断面層をつくり出してゆ く支持体の位置等を指定し、制御し且つ調節する。このプリンターの往復台に「 インク」用に改造された制御されたカートリッジを取り付けて移動させる。その 一つのカートリッジは分散した粒子と反応原料とを含むようにつくられ、第2の その後に従うカートリッジは分散した粒子と他の反応原料を含み、パターンに従 って液滴を放出し、次々に断面層をつくり出して行く。改造されたインク・ジェ ット・プリンターの改造部分(図示せず)は、通常の給紙機構の代わりに、可動 支持基底20を含んでいる。前に述べたようにこの支持基底20には、基底を位 置させ動かす補助的な要素に沿って多孔性の支持基底23が取り付けられ、制御 されたカートリッジの移動および液滴の 配置に関連して、CAM技術を用い多孔性の支持基底23の位置決めおよび場所 を制御しそのエミュレーションを行う。X−Y面内において基底に関し沈積用の ヘッドを動かし得る光学的にコーディングされたX−Y−Zの表が備えられてい る。この型の装置の製造業者によれば、この面内の任意の点において±2μmの 精度で可動ヘッドを位置させることができる。 この方法により自己支持性の、即ち自立構造をもった三次元の一体となった構 造体がつくられる。 工程12および12’が終了した時点で、つくられたいくつかの構造体はその 組成および/または最終用途に依存して直ちに使用することができるが、他の構 造体では、その最終用途に必要とされる特性を得るには、それぞれ一般的に13 および13’に示される後処理工程が必要である。 実施例 IV 液滴付着システムにおいて供給液の組成を変えることにより、他の合成組成物 から成る三次元成形体を本発明方法によりつくることができる。一例として、溶 解したアルミニウム塩の酸性水溶液中にアルミナ粒子を混入して懸濁させること ができる。これが組成物1を構成すると考える。組成物2はやはりアルミナ粒子 を含む水酸化アンモニウム水溶液であることができる。これらの二種の液滴の反 応により、アルミナ粒子は表面に沈澱するが、水酸化アルミニウム粒子は二つの 溶液の反応により沈澱するであろう。構成体の生成完了後、水酸化アルミニウム の沈澱をアルミナに変えるために熱処理を使用することができる。アルミナは電 気抵抗をもっているから、これは、現在使用されているような二次元の表面 取り付け回路板に対抗するものとして、三次元の回路板を製造する優れた方法で ある。三次元の回路板は、表面上だけではなく、容積を通して伝導経路が走って いる装置である。三次元の回路板では典型的な二次元の回路板に比べ一層効率的 に空間が利用される。 この製造法の利点は、次々に液滴によって層がつくられ、さらに次々に層によ って本体がつくられて行く上記の方法によって例示されている。通常風変わりな 特徴が自動的に回路板の中に導入される。例えば導線を通さなければならない孔 を残す代わりに、第3の沈積ヘッドから銅のスラリを沈積させ、後で成形するた めの熱処理を行う際の伝導経路にすることができる。後で行う熱処理はセラミッ クス材料を緻密化するばかりではなく、銅の粉末を融合させて単一の伝導体にす る。必要に応じ第4のヘッドを用い酸化ベリリウムまたは窒化アルミニウムのよ うな熱伝導体材料を沈積させ、熱伝導体に沿って繊細な電子部品から外部の熱吸 収体へと熱を除去するようにすることができる。 適当な電気的性質をもているアルミナ、シリカ、チタン酸バリウム、または他 の材料はこの種の用途に有用であると考えられる。つくり得る有用な構造体には 、自分自身の上にカットバックされた角度、底の所が広く中間で狭くなり頂部で 広くなっている通路、三次元の通路、および積層構造物の単一層の内部で組成が 変動している構造が含まれる。 本実施例は本発明の技術の一用途を示すものであり、片側がセラミックスで他 の側が金属であるような機能的に勾配をもった材料含む他の用途を与え、またセ ラミックス・エンジンのピストン・バレルに対するライニング材、ピエゾ電気的 なアクチュエータおよびトランスデユーサ、蓄電器および光学的分野にも用途が 見出されている。 実施例 V 本実施例ではさらに他の例として、合成樹脂状重合体を一部含むばかりではな く、その場で反応させて三次元の構造体を生じる重合体成分の反応原料からつく られた実質的にまたは完全に合成樹脂状重合体から成る成形体をも含む、合成樹 脂状組成物の三次元構造体の製造に本発明の逐次液滴付着システムを使用する例 を示す。 その一例として、樹脂状重合体に対する反応成分を含む第1の液体組成物の分 離した液滴を或るパターンで配置し、これらの配置された液滴を該樹脂状重合体 に対する反応成分を1種またはそれ以上含む1種またはそれ以上の液体組成物の 分離した液滴を用いて重ね合わせて接触させる。互いに接触させた後、該液滴の 内部に含まれる他の成分により、および/または配置を行う途中および/または その後に液滴に対して何らかの手段を行って反応を開始させるか、或いはこのよ うなことは行わずに、種々の反応原料成分を反応させ合成樹脂状重合体をつくる 。この方法により、構造体の断面層を次々にその上に重ねてつくり出し、つくら れるに従ってこの断面層は一体化され接合されて、その場でつくられた合成樹脂 状重合体を必要に応じ完全にまたは部分的に含む、積層状の即ち層をなしてつく られた三次元の合成重合体の構造体にすることができる。 その例として例えば、種々の付着させた液滴をつくるために、各反応成分が別 の液体組成物中にあり、迅速に反応して固体状のエポキシ樹脂を生じるような二 成分反応原料組成物として当業界に知られている種々の液体組成物を順次使用す る例、或いは当業界において迅速に反応し固体のウレタンまたはエポキシ−ウレ タン樹脂を生じ得ることが知られて いるような、液滴を与える2種またはそれ以上の液体組成物中に種々の2成分ま たは3成分反応原料を含むものを使用する例がある。 さらに具体的に述べると、液体組成物1はエピクロロヒドリンを含み、エピク ロロヒドリンを含む分離した液滴をつくるのに使用される。次にビスフェノール A(R)を含む液体組成物2をビスフェノールA(R)を含む接触用の液滴として付着 させ、エピクロロヒドリンとビスフェノールA(R)とを反応させ、つくられてい る三次元の構造体の薄層の一つとしてエポキシ重合体樹脂の断面層をつくる。次 いでお互いの層の上に重ねて液滴の配置を次々と繰り返えし、断面層を複数生成 させ、これを累積してエポキシ重合体樹脂から成る三次元構造体をつくる。エピ クロロヒドリンおよびビスフェノールA(R)によりエポキシ(オキシラン)基が 存在することを特徴とするグリシジル樹脂生成物が得られる。当業界に公知の方 法に従い反応原料のエピクロロヒドリンおよびビスフェノールAの使用割合を適 切に選ぶことにより、かなり大きな分子量をもった固体のエポキシ樹脂として反 応生成物が得られる。反応は発熱反応であるから、生成した層から溶媒の蒸気を 取り去るファンおよびダクト装置のような図示されていない冷却用の補助装置を 必要に応じ使用することができ、繰り返し行われる断面層の生成を比較的に迅速 に進行させることができる。エピクロロヒドリンおよびビスフェノールA(R)を 含む液体組成物中の液体は、反応成分が酸素含有溶媒、例えばケトン、エーテル 、エーテルアルコール、およびアルコールに可溶であるという点において一般に 有機液体、望ましくはアルコールであるが、他方エポキシ樹脂は通常アルコール 、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素には溶解しない。勿論液滴を付着させる ための液体組成物は、触媒および硬化剤として知 られている他の反応変性剤を懸濁した充填剤粒子(例えばシリカ、アルミナ等) を、反応工程を促進するのに必要な量で含み、さらにエポキシ樹脂重合体の鋳造 体の製造に有用であると知られている他の適当な大きさの粒子状材料も含んでい ることもできる。 ポリウレタンの樹脂状固体から成る三次元構造体を製造するための特に好適な 一例として、液体組成物1はポリイソシアネートを含んでおり、分離した液滴と してこれを所望のパターンで沈積させ、その上にポリイソシアネートに対する反 応成分としてポリフェノール、例えばポリエーテルポリオール(分子量1000 〜4000)または直鎖または分岐したポリエステルポリオール(分子量500 〜5000)の分離した接触用の液滴を付着させ重ね合わせる。ポリオール反応 成分とポリイソシアネートとが反応して固体の反応生成物が生成すると、ポリウ レタンの樹脂状重合体の断面層が得られる。次いで次々に層の上に液滴の付着さ せることを繰り返し、生成した複数の断面層を累積させポリウレタンの樹脂状重 合体から成る三次元構造体にする。液体組成物1の中のポリイソシアネート反応 成分に対して特に有用なものは、トルエン2,4−ジイソシアネート(TDI) と三官能性のアルコール、例えばトリメチロールプロパンとのポリイソシアネー ト付加物から、過剰の単量体のTDIを蒸溜し去り、TDI単量体濃度を1%以 下に減少させたものである。他の有用なポリイソシアネートの例は、過剰のHD Iを存在させて3モルのHDIと水または他のビューレット化剤とを反応させ、 次いで過剰のHDIを除去して得られるビューレットである。直前に述べたエポ キシ樹脂重合体の三次元構造体の製造の場合と同様に、反応して固体のポリウレ タン樹脂を与える種々のポリイソシアネートおよびポリオール反 応成分を含有した種々の液体組成物には、種々のまた複数の液体および他の成分 および物質を使用することができる。即ち、液体および共反応成分の他にポリウ レタンを生じる種々の共反応成分を含む液体溶媒組成物は、それぞれ液滴の付着 を妨害または阻止しない量である限り、例えば接合剤、顔料、充填剤、および添 加用物質、例えば触媒、水分吸収剤、流動助剤または流動遅延剤等を所望のまた は必要な量で含んでいることができる。通常の有用な液体は1種またはそれ以上 の共反応成分に対する溶媒であり、エステル、ケトン、エーテルエステル、およ び芳香族溶媒、例えばトルエン、キシレン、および水分含量が水とイソシアネー ト反応成分との反応を防ぐほど低い石油蒸溜成分を含んでいる。ポリウレタン被 膜等に通常含まれる顔料、充填剤、着色剤および他の物質がポリオールおよびポ リイソシアネート反応成分を含む液体組成物の中に含まれていることができる。 合成樹脂重合体から成る製造された三次元構造体の所望の物理的および化学的 性質のために、これらの構造体は評価または試験を求められている部品または製 品のプロトタイプ・モデルの形をとることができ、またそのようなプロトタイプ ・モデルとして有用であるが、そればかりでなく鋳造等を行うためのパターン、 型等としても使用される。 実施例を含む上記説明は、本発明のいくつかの特殊なかつ例示的な具体化例を 強調したに過ぎず、すべての明白なおよび/または同等な本発明の変形および代 替物は本発明の真の精神および範囲内に入ることを了解された。 以上本発明の或る種の好適具体化例を詳細に説明したが、本発明の精神または 下記の特許請求の範囲を逸脱することなく種々の変形を行い得 るものと了解されたい。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以前に生成した層の上に新しい層を生成させて隣接した断面層を順次生 成させ、以前に生成した層と新しく生成した層とを一体化して自立構造をもった 三次元の構造体をつくることにより自立構造をもった三次元の構造体を自由な形 で製造する方法において、 (a)液体組成物の複数の個々の液滴を支持表面の上に分離した個々の液滴と して、つくられつつある構造体の断面層に対応するパターンに従って配置し、該 液滴を該パターンの内部に接触しないように位置させ、この際該液体組成物には 第1の反応成分を含ませて使用し、 (b)他の液体組成物の分離した個々の液滴の複数を、つくられつつある構造 体の断面層の該パターンの中に配置し、該パターンの内部に配置された他の液体 組成物の分離した個々の液滴を、接触しないで沈積させられた液体組成物の液滴 がこれと接触し連結されるように沈積させ、この際該他のの液体組成には物第1 の反応成分と接触するとそれと化学反応を起こし、つくられつつある構造体の断 面層を構成する固体分を生じる他の反応成分を含ませて使用する工程を順次繰り 返すことを特徴とする方法。 2.工程(a)において該構造体の以前に生成された断面層の支持表面を使 用する請求項1記載の方法。 3.つくられた断面層が一体化されて集積され、自立構造をもった三次元の 構造体が得られるまで請求項2の工程を繰り返す方法。 4.その上に沈積させた液滴から液を吸収するような多孔質の固体の支持表 面をもつ支持表面を工程(a)の開始工程に使用する請求項1 記載の方法。 5.工程(a)および(b)の他に、且つそれらの工程の後で、 (c)少なくとも1種の第3の液体組成物の分離した個々の液滴の複数を、つ くられつつある構造体の断面層のなす該パターンに従って配置し、該第3の液体 組成物の液滴を該パターンの内部において、工程(a)および(b)において沈 積させられた1個またはそれ以上の液滴または工程(a)および(b)において 沈積させられた1個またはそれ以上の液滴の混合物と接触させないようにまたは 接触させて位置させて沈積する工程を含み、ここで該少なくとも1種の第3の液 体組成物は (i)第1の反応成分および該他の反応成分と接触すると、それと反応して固 体分を生成する第3の反応成分、 (ii)沈積した液滴の混合物と接触すると、第1の反応成分と他の反応成分 との間の反応、または第1の反応成分、第2の反応成分および第3の反応成分の 間の反応を開始させるかおよび/またはその反応の速度を促進する触媒、および (iii)第1、第2または第3の反応成分以外の物質で、この物質を含む液 滴が配置されるとつくられつつある構造体の中に伝導性の通路を生じる1種また はそれ以上の物質を含み、該物質は沈積させた際または後処理を行った後に熱ま たは電気に対する伝導体になる物質であることを特徴とする請求項1記載の方法 。 6.以前に生成した層の上に新しい層を生成させて隣接した断面層を順次生 成させ、以前に生成した層と新しく生成した層とを一体化して自立構造をもった 三次元の構造体をつくることにより自立構造をもった三次元の構造体を自由な形 で製造する方法において、 (a)水性液体組成物の複数の個々の液滴を支持表面の上に分離した個々の液 滴として、つくられつつある構造体の断面層に対応するパターンに従って配置し 、該液滴を該パターンの内部に接触しないように位置させ、この際該水性液体組 成物には第1の反応成分を含ませて使用し、 (b)他の水性液体組成物の分離した個々の液滴の複数を、つくられつつある 構造体の断面層の該パターンの中に配置し、該パターンの内部に配置された他の 液体組成物の分離した個々の液滴を、接触しないで沈積させられた液体組成物の 液滴がこれと接触し連結されるように沈積させ、この際該他の水性液体組成物に は第1の反応成分と接触するとそれと化学反応を起こし、つくられつつある構造 体の断面層を構成する無機性の固体分を生じる他の反応成分を含ませて使用する 工程を順次繰り返すことを特徴とする方法。 7.工程(a)において該構造体の以前に生成された断面層の支持表面を使 用する請求項6記載の方法。 8.つくられた断面層が一体化されて集積され、自立構造をもった三次元の 構造体が得られるまで請求項7の工程を繰り返す方法。 9.その上に沈積させた液滴から液を吸収するような多孔質の固体の支持表 面をもつ支持表面を工程(a)の開始工程に使用する請求項6記載の方法。 10.工程(a)および(b)の他に、且つそれらの工程の後で、 (c)少なくとも1種の第3の水性液体組成物の分離した個々の液滴の複数を 、つくられつつある構造体の断面層のなす該パターンに従って配置し、該第3の 水性液体組成物の液滴を該パターンの内部において、工程(a)および(b)に おいて沈積させられた1個またはそれ以上の 液滴または工程(a)および(b)において沈積させられた1個またはそれ以上 の液滴の混合物と接触させないようにまたは接触させて位置させて沈積する工程 を含み、ここで該少なくとも1種の第3の水性液体組成物は (i)第1の反応成分および該他の反応成分と接触すると、それと反応して固 体分を生成する第3の反応成分、 (ii)沈積した液滴の混合物と接触すると、第1の反応成分と他の反応成分 との間の反応、または第1の反応成分、第2の反応成分および第3の反応成分の 間の反応を開始させるかおよび/またはその反応の速度を促進する触媒、および (iii)第1、第2または第3の反応成分以外の物質で、この物質を含む液 滴が配置されるとつくられつつある構造体の中に伝導性の通路を生じる1種また はそれ以上の物質を含み、該物質は沈積させた際または後処理を行った後に熱ま たは電気に対する伝導体になる物質であることを特徴とする請求項6記載の方法 。 11.該液体水溶液、該他の液体水溶液および第3の液体水溶液は、沈積した 液滴から水が除去されると、つくられつつある構造体の断面層の一部を構成する に至る固体粒子を溶解、分散または懸濁した状態で含んでいることを特徴とする 請求項10記載の方法。 12.該溶解、分散または懸濁した粒子は、該第1の反応成分と他の反応成分 との反応により生じた固体、または第1の反応成分、他の反応成分および第3の 反応成分の反応により生じた固体の組成物から成ることを特徴とする請求項11 記載の方法。 13.該溶解、分散または懸濁した粒子は、該第1の反応成分と他の 反応成分との反応により生じた固体、または第1の反応成分、他の反応成分およ び第3の反応成分の反応により生じた固体とは異った組成物から成ることを特徴 とする請求項11記載の方法。 14.該流体組成物および該他の流体組成物の各々はイオンを含み、イオンは 溶液に含まれ且つ他の溶液に含まれている異ったイオンと反応するように調節さ れ、接触すると反応して無機性の固体を生じるものであることを特徴とする請求 項6記載の方法。 15.該流体組成物および該他の流体組成物中にそれぞれ別々に含まれるNa2 HPO4およびCaCl2を使用することを特徴とする請求項6記載の方法。 16.該流体組成物および該他の流体組成物のそれぞれはその中に溶解および 懸濁したNa2HPO4の粒子を含んでいることを特徴とする請求項15記載の方 法。 17.該溶液および他の溶液はそれぞれイオンの他に溶解した粘度増強物質を 含んでいることを特徴とする請求項14記載の方法。 18.溶解した粘度増強物質としてコラーゲンを使用する請求項17記載の方 法。 19.溶解した粘度増強物質としてコンドロイチン硫酸塩Dを使用する請求項 17記載の方法。 20.(i)自立構造をもった三次元構造体の設計を行うためにCAD技術を 用い、 (ii)CAD技術を用いて設計した自立構造をもった三次元構造体の設計を 縦切りして必要な大きさの断面層にするためにCAM技術を用い、 (iii)請求項6の工程(a)および(b)を実施するのにCAM技術を使 用することを特徴とする請求項6記載の方法。 21.液体組成物の液滴を配置する工程(a)および他の液体組成物の液滴を 配置する工程(b)に対しコンピュータで動作するように改造したインク・ジェ ット・プリンターを使用することを特徴とする請求項8記載の方法。 22.請求項1記載の方法で製造された自立構造をもった三次元構造体。
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