【発明の詳細な説明】
溶融重合から直接成型品を形成する方法
発明の背景
ポリエステルは、繊維、成型品、フィルム、シート、食品トレイ、並びに食品
及び飲料容器の製造に広く使用されている。これらのポリマーは一般には、業界
で周知のバッチ又は連続溶融相重縮合反応によって製造されている。次にこれら
のポリマーはペレット化され、種々の押出又は成型操作に使用されている。高分
子量ポリマーが要求されるような或る種の応用においては、ペレットは“固相(
solid state)”重縮合条件に曝され、インヘレント粘度(IhV)値が著しく増
大する。このような固相重縮合反応は、ポリエステルポリマーの溶融粘度が非常
に高いので、IhV値が0.6を超えるポリマーに対して要求される。
溶融相におけるポリエステルの製造又は処理の間、或る種の副生物が生成する
。そのような副生物の一つはアセトアルデヒドであり、例えば食品容器、飲料容
器、水ボトルなどのような成型品中へのアセトアルデヒドの存在は味覚の点から
非常に有害である。特にコーラ及び水のような敏感な飲料に対しては、10ppm未
満、好ましくは、5ppm未満のプレフォームを製造するのが好ましい。しかしな
がら、このような低レベルのアセトアルデヒドを達成することは、当業界の実務
家に周知の通り、アセトアルデヒドは重合の間そしてそれに続くPET及び同様の
ポリマーの溶融処理の間の副生物として、連続的に生成するので、困難である。
従って、本発明の発見の前には、アセトアルデヒドの存在を最小にすることが
重要な、用途に適したポリエステルポリマー類を提供
するのには、3段プロセスが普遍的に使用されていた。この3段プロセスは、典
型的には、当業界において周知の溶融相重合技術によって、IhV値が0.6の比
較的低分子量の先駆ポリマーの製造を含む。かかる先駆ポリマーのアセトアルデ
ヒド含量は選択した反応条件に依って30ppmから150ppmを超える値の範囲となる
。次にこの先駆物質を冷却し、ペレット成形し、結晶化させ、そして固相重合に
付する。典型的には不活性ガスをペレットからグリコール類、アセトアルデヒド
及びその他の反応副生物を除去するのに使用して、固相プロセスの終りにはIh
V値は0.70又はそれ以上に上昇し、アセトアルデヒド含量は1ppm又はそれ以下
に減少する。このようにして製造された生成物は、第3工程において、例えば飲
料容器プレフォームのような有用な形状にするために、依然として加熱溶融せし
めなければならず、そしてこの工程ではペレット中のアセトアルデヒド含量が1
ppm未満から成形品中において8ppmまで又は10ppmもしくはそれ以上まで増大す
る。この劇的なアセトアルデヒドの上昇は、成型プロセスが典型的に1又は2分
未満で完了するにも拘らず、発生する。本発明者らは、PET及び類似のポリマー
のようなポリエステルが溶融状態で製造され、過剰のアセトアルデヒド及びその
他の副生物を精製し、そして溶融物から直接有用な成形品、例えば飲料ボトルプ
レフォームに成型するプロセスを見出した。この成形品は驚くほど低いアセトア
ルデヒド含量を有する。本発明のプロセスは、冷却、細断、乾燥、結晶化、固相
重合及び再溶融のような汎用プロセスのすべてのコスト付加工程を回避するばか
りでなく、本発明プロセスによって製造される成形品は、低アセトアルデヒド含
量に加えて、その他の優れた性質、例えば良好な色、分解による分子量低下の抑
制、従前の一般的な結晶化/固相及び/もしくは成型プロセスの間に形成される
ことがある「発泡(bubble)」及び「
不溶解物(unmelts)」のような公知の欠点の排除を有する。これらの及びその他
の本発明の利点は以下に記述する通りである。
米国特許出願第08/498,404号は溶融ポリマーを多数の成型機へ分配する装置
及び方法を記載している。
米国特許出願第08/501,114号は、不活性ガスパージを溶融ポリエステルに接
触させることによって、溶融PETのアセトアルデヒド含量を食品包装用成型品を
提供する際に直接使用するのに適したレベルまで低下させる改良プロセスを記載
している。
特開昭53-71162号公報(1978)はアセトアルデヒドの濃度を減少させるために
、ポリエステルチップを再溶融し、そして溶融ポリマーを真空に保持することを
記載している。
米国特許第4,263,425号はPETペレットをソリッドステート処理にすることによ
って低濃度のアセトアルデヒドのポリマーを提供することを記載している。この
文献は、真空下に高温で溶融物を撹拌処理することによって、部分的にアセトア
ルデヒドを除去することを開示している。
米国特許第4,064,112号はソリッドステート処理の間の粘着の問題を克服する
方法を記載している。これにはソリッドステート処理のない溶融相プロセスが溶
融ポリエステル中のアセトアルデヒドの濃度を高めることが開示されている。
米国特許第4,154,920号は、溶融相重合によってIhVが0.4〜0.6のポリマー
を生成せしめ、次にソリッドステート処理で0.7より高いIhVにすることを記
載している。更に急速重合を達成するために、例えばLuwa薄膜エバポレータにお
けるような薄膜を使用することを記載している。
米国特許第4,372,910号は中空プラスチック成型品を成型する方法及び装置を
記載している。これは、押出機中でペレットを再溶融
し、熱可塑化樹脂を逐次連続的な溶融流から成型プレフォームに押出し、そして
次にプレフォームを直接ブロー成型プロセスに送ることを記載している。
米国特許第4,836,767号は成型中にアセトアルデヒドを減少させる方法を記載
している。これはアセトアルデヒドは時間と共に直線的に、そして温度と共に指
数的に増大する旨記載している。
特開昭57−191320号公報(1982)は、繊維の溶融紡糸の直前に、PETポリマー
からアセトアルデヒドを300ppm未満の濃度に除去することを記載している。
特開昭55−069618号公報(1980)は、アセトアルデヒド含量20ppm未満のPETが
溶融重合及びそれに続く繊維又はフィルムへの押出、そして繊維又はフィルムを
流体中又は真空中を通過させることによって得られる旨記載している。使用する
流体は空気、窒素、水及びスチームなどである。
米国特許第5,270,444号及び米国特許第5,241,046号はPETを水で処理してポリ
マー中のアセトアルデヒド及び環状オリゴマーの量を減少させることを開示して
いる。
米国特許第5,262,513号はオリゴマー含量が溶融相ポリマー中で1〜2%、そ
してソリッドステート状のPETポリマー中で0.5〜1.0%である旨記載している。
米国特許第5,169,582号は、ナイロン−6(カプロラクタム)ポリマーからモ
ノマーを除去するのに、連結したベント型押出機に真空を適用するプロセスを記
載している。米国特許第3,183,366号及び同第3,578,640号はナイロン−6の直接
紡糸を開示している。米国特許第3,657,195号は、スチーム存在下におけるベン
ト型スクリュー押出機中での低分子量ナイロン−6,6の連続縮合による高分子
量ナイロン−6,6の製造を開示している。
米国特許第4,963,644号、同第4,223,128号、同第4,591,629号、同第4,395,222
号、同第4,374,97号、同第5,119,170号及び同第5,090,134号の各特許はソリッド
ステート処理の種々の態様を開示している。これらは低アセトアルデヒド濃度を
得るためにはPETポリマーのソリッドステート処理の必要性を開示している。
米国特許第4,820,795号はポリエステルを溶融させ、そしてこの溶融物を型へ
射出することによって容器を製造することを述べている。アセトアルデヒド濃度
は触媒の選定及びポリマーの結晶化の組み合せによって減少させることができる
。
米国特許第5,246,992号はPETからのアセトアルデヒドの生成機構の背景を提供
し、そしてPETの熱分解が反応温度レベル、滞留時間及びおそらくは重縮合触媒
の性質によって影響を受けることを述べている。
米国特許第4,237,261号はPET繊維の直接紡糸プロセスを述べている。このポリ
マーはIhVが僅か0.6でなければならず、そして成型品の成型、分解生成物の
最小化又はアセトアルデヒド生成については何も記載されていない。
米国特許第4,230,819号は結晶PETからのアセトアルデヒドの乾燥不活性ガス(1
70〜250℃の空気又は窒素)による除去を記載している。この特許はアセトアルデ
ヒドは減圧下の加熱によってはPETから完全には除去できないと述べている。
米国特許第4,142,040号はアセトアルデヒドの生成を減らすために、溶融前及
びPETの溶融処理の間にガス状酸素を排出することを述べている。
以下の特許はPETの脱蔵に関するものである。
米国特許第5,102,594号(熱可塑性縮合ポリマーを粉体状で脱蔵及び溶融用の
ベント型押出機に供給)、米国特許第4,980,105号(
揮発分(特に環状ダイマー)の除去及び溶融物を金型に通すための押出機中での
ポリカーボネートの脱蔵)、米国特許第4,362,852号(ナイロン及びPETのような
溶融ポリマーのロータリーディスクプロセッサーによる脱蔵)、米国特許第3,48
6,864号(固形プレポリマーを溶融させ、そして揮発性グリコール生成物を出来
るだけ速く除去するのに真空を使用する重合反応器)、米国特許第3,913,796号
(湿分、空気及びその他の揮発分のようなガスを効果的に除去できるベント型射
出成型機)並びに米国特許第4,060,226号(スクリューバレルからガス及び蒸気
をベントし、ナイロンその他の分解性材料のような脱蔵された可塑化材料を生成
する手段を備えた、ベント型射出成型用スクリュー押出機)。
図面の説明
図1は本発明のフロー図である。
図2は従来技術のプロセスのフロー図である。
発明の説明
本発明は、
(a)炭素数が10以下のグリコール及びそれらの混合物の群から選ばれた少な
くとも一種のグリコール並びに炭素数2〜16のアルキルジカルボン酸、炭素数8
〜16のアリールジカルボン酸及びこれらの混合物の群から選ばれた少なくとも一
種のジカルボン酸を溶融反応せしめて、少なくとも0.5dl/gのIhVを有する
ポリエステルを生成せしめ、そして
(b)このポリエステルを上記工程(a)から直接形状を有する物品に形成せ
しめる工程
を含んでなる成型品の製造方法を提供する。
本明細書で使用する用語“IhV”はフェノール(60容量%)及びテトラクロ
ロエタン(40容量%)の混合物100ml中にポリマー0.5gを溶解した溶液について
標準方法によって測定したポリマーのインヘレント粘度をいう。
具体的には、本発明プロセスは、ポリエステルポリマー又はコポリマーを溶融
相で0.5dl/gより大きいIhV値に調製し、次にこの溶融物を重縮合反応器1
から直接少なくとも一つの成型又は成形機6へ供給する溶融−成型(melt-to-mo
ld)プロセスを提供する。必要なIhVを生成することのできる任意の一般的な
溶融重合プロセスをこの重縮合に使用することができ、反応器は必要なIhVを
有するポリエステルを製造することができる1又はそれ以上の反応容器又はゾー
ンから構成することができる。一般には溶融ポリエステルは粘性流体用ポンプで
、例えば押出機、ギヤーポンプ又はディスクパックポンプで1から6へ送る。図
1には唯一の成型機しか示していないが、複数個の成型機を用いることができる
ことはいうまでもない。
好ましくは、ポリマーは脱蔵(devolatilize)してアセトアルデヒド及びその
他の不所望の揮発分を除去する。脱蔵工程は別々の脱蔵ユニット(図示せず)に
おいて実施してもよく、重縮合反応器1において同時に実施してもよく、また成
型機6において同時に実施してもよい。
図2は本発明の前に行われていたプロセスを記載する。共通のユニットは図1
と同じ番号とした。図1におけるように、従来プロセスは溶融重合反応器1にお
けるポリマーの生成によって始まる。溶融ポリマーはペレタイザー2に供給され
、そこでポリマーは固形ペレットに押出す。ペレット化の後、ペレットは貯蔵さ
れるか、又は直接結晶化ユニット3に供給する。結晶化の後、ペレットはソリッ
ドステート処理ユニット4に供給し、そこでペレットのIhV及び分子量が所望
レベルまで上昇し、そしてアセトアルデヒドは除去される。或るプロセスにおい
ては、結晶化及びソリッドステート処理ユニットは一緒にされる。ソリッドステ
ート処理の後、ペレットは貯蔵され(サイロ又はレールカー5)、成型機(mold
er)に供給され(レールカー経由)、任意的に再度貯蔵され(レールカー又はサ
イロ)、そして乾燥される。最後に、成型機はペレットを押出機又は他の成型/
成形装置6へ導入し、そして最終生成物とする。ペレタイザー、結晶化ユニット
、ソリッドステート処理ユニット、乾燥機、押出機及び成型/成形装置はすべて
業界において一般的に知られているものである。
即ち、図1及び図2の比較から明らかなように、本発明プロセスは成型/成形
装置の前のポリマーのペレット化、結晶化、ソリッドステート処理、乾燥及び再
溶融の必要性を取り除く。これらの工程の除去は、(装置及びエネルギーの必要
性を少なくするため)膨大なコスト節減になるばかりでなく、アセトアルデヒド
及び他の揮発物のような好ましくない汚染物が少ないポリマーを生成する。
成型/成形機6は当業界で一般的に知られている任意のものとすることができ
る。例えば、射出成形はブロー瓶、食品/飲料容器、トレイ又はその他の所望の
形状に使用されるプレフォームを形成するのに使用される。またポリマー溶融物
は押出ブロー成型操作に使用して瓶、食品容器などを得ることができる。このポ
リマー溶融物は同様に押出機に供給してフィルム、シート、プロファイル、パイ
プなどを製造することができる。
最終成型品において、低アセトアルデヒドレベルが望ましい場合には、アセト
アルデヒドは、例えば押出機、薄膜エバポレーター、又は不活性ガスでパージし
たディスクパックのような粘性流体プロ
セッサを用いて、又はポリマー溶融物を真空条件下に曝すことによって、溶融ポ
リマーから簡単に除去することができることを見出した(米国特許出願第08/50
1,114号)。この工程のためには、単位容積当りの大表面積を生じることのでき
る任意の粘性流体プロセッサー及び/又は露出表面積を迅速に再生できる任意の
粘性流体プロセッサーを用いることができる。このようにして、アセトアルデヒ
ドレベルは容易に10ppm未満に低下させることができる。この処理前に最終反応
器から出るポリマー中の典型的なアセトアルデヒドレベル範囲は一般には30ppm
〜150ppm超である。
アセトアルデヒドの除去後、溶融ポリマー中で追加のアセトアルデヒドが生成
するので、成型操作の前にポリマーを溶融状態に保持する時間を限定することが
重要である。汎用成型プロセスでの経験によってこの追加のアセトアルデヒドの
蓄積速度は非常に速いことが示されている。例えば、ポリマーの遊離アセトアル
デヒド含量は、典型的な成型機の1分未満から2分の加工時間の間に、ペレット
中の1ppm未満から瓶プレフォーム中の8ppm超から10ppmまで上昇する。このよ
うな速いアセトアルデヒド蓄積速度は、いかにうまくアセトアルデヒドを除去で
きたとしても、連続的に製造された溶融ポリマーを分配成型する、いかなる実用
手段も排除するように思われる。
しかしながら、驚くべきことに、本発明者らの溶融−成型プロセスにおけるア
セトアルデヒドの再生速度はペレットを再溶融することによって得られるポリエ
ステル溶融物におけるよりも著しく低いことを認めた。即ち、本発明者らの方法
によって製造された溶融ポリマーは過度のアセトアルデヒドの蓄積を生じること
なく、実質的により長い時間の加工の間溶融状態に保持することができる。それ
にも拘らず、本発明の溶融−成型プロセスにおいて、アセトアルデ
ヒドを除去した後の溶融相の状態の時間を8分未満〜10分に制限するのが好まし
い。
本発明の好ましい実施は、1)溶融相重合;2)溶融相脱蔵(devolatilizati
on)及び3)ポリエステルを溶融相から直接成形品に形成することを含む。実施
に適当な方法を例示する目的で、重合、脱蔵及び成型/成形に対する例を示す。
重合はポリマー濾過工程と組み合せて実施するのが好ましい。この濾過は、ポ
リマー中の黒斑(black speck)を受容できるレベルに保持しながら、低粘度の利
点をとり得るように、プロセスのできるだけ初期に完了させるべきである。例え
ば、二つの重縮合反応器を使用する場合には、より低い溶融粘度で濾過するため
に、フィルターをそれらの間に配するのが好ましい。
重合部分の二つの態様は以下の通りである。
a)一般的な高IhV(>0.68)溶融相反応器(複数)及びそれに続く濾過。
これらの反応器は、ここに参照することによって本明細書に組み入れる米国特許
第5,055,273号又は米国特許第5,207,991号に開示されているような、従来から知
られている反応器とすることができる。
b)任意の公知プロセスでIhV=0.4〜0.65のポリエステルを製造する一般
的な溶融相反応器(複数)及びそれに続く濾過、そして更に続く、IhV>0.68
の高粘度ポリエステルを生ずる重合を継続でき、かつ大きな液表面積を生ずるこ
とができる他の装置。これは公知の反応器及び装置、例えばベント型単軸スクリ
ュー又は二軸スクリュー押出機(例えば米国特許第4,107,787号),薄膜エバポ
レータ(米国特許第3,678,983号)、落下細ストランド(thin falling strand)(
米国特許第3,161,710号)、薄膜(米国特許第4,647,650号)、ワイヤースクリー
ンを備えた撹拌機を有するもの(米
国特許第3,526,484号)又は小孔ケージ(foraminous cage)製の撹拌機を有するも
の(米国特許第3,279,895号)(これらの特許はすべて参照することによって本明細
書に組み入れるものとする)を用いることによって達成される。
脱蔵及び成型の機能の可能な態様は以下の通りである。
a)全ポリマー流を一つの装置で脱蔵し、続いてポリマーを複数の多数個取り
成型機(multi-cavity molding machine)に分配する。
b)ポリマーを、それぞれが低アセトアルデヒドポリマーをその連結した多数
個取り成型機へ直接供給する、複数の脱蔵装置へ分配する。
c)ポリマーを複数の脱蔵装置へ分配し、次に各脱蔵器から脱蔵したポリマー
を二つ又はそれ以上の成型機に分配する。
この脱蔵装置は、単位容積当りの大表面積を生ずる当業界での公知の任意の装
置及び/又は露出溶融面積を迅速に再生する当業界で公知の任意の装置とするこ
とができる。脱蔵装置は液表面を、不活性ガスパージ又は適用された真空のいず
れかによって、アセトアルデヒドの低分圧に曝す必要がある。脱蔵装置はベント
型単軸押出機(米国特許第4,107,787号)、ベント型二軸スクリュー押出機(米
国特許第3,619,145号)、回転ディスクプロセッサー(米国特許第4,362,852号)
又はポリマーの細いストランドを生ずる装置(米国特許第3,044,993号)(これらの
すべてをここに参照することにより本明細書に組み入れるものとする)であって
よい。
高性能最終重合反応器の場合には、装置設計、生産速度及び操作条件の組み合
せによってポリエステルの分子量が容易に上昇し、そして同一の装置におけるア
セトアルデヒドの脱蔵を容易にする。この有利な態様において、ポリマーは反応
器の出口に直接接合された
ギヤーポンプを通して複数の多数個取り成型機に迅速に分配される。この態様に
おいては、反応器出口及び成型機への分配ラインのポリマーの滞留を最小にする
ような特別の注意をとる必要がある。
ポリ(エチレンテレフタレート)ポリマー用の適当な溶融加工温度は一般に26
0℃〜310℃の範囲である。勿論、加工温度は、溶融点、IhV値などに依って、
他の種類のポリエステルに対して、調整することができる。
本発明の溶融−成型プロセスの利点は以下の通りである。
1. ペレットを製造し、ソリッドステート処理し、乾燥し、そして再溶融する
より操作が遥かに廉価である。
2. エネルギーの節減。
3. パリソン又は成型物品がより良好な透明性、色を有し、非溶融部又はその
他の欠陥が無く、不所望の副生物の濃度が一層低い。
4. 添加剤を用いることなく低アセトアルデヒド濃度が達成される。
5. 再溶融されたペレットで達せられるよりも低いアセトアルデヒド発生速度
を有するポリマー溶融物を提供する。
6. 必要投下資本が低い。
本プロセスに特に有用なポリマーはポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(
エチレンナフタレンジカルボキシレート)並びに50モル%以下の変性用二塩基酸
及び/又はグリコールを含むコポリエステルを含む。変性用二塩基酸は炭素数2
〜40を含み、そして、イソフタル酸、アジピン酸、グルタル酸、アゼライン酸、
セバシン酸、フマール酸、ダイマー酸、シスもしくはトランス−1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸の種々の異性体などを含む。更
に好ましくは、本発明のポリエステルは少なくとも80モル%のテレフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸又はその混合物を
含む。
高度に有用なナフタレンジカルボン酸は2,6−、1,4−、1,5−又は2
,7−異性体を含むが、1,2−、1,3−、1,6−、1,7−、1,8−、
2,3−、2,4−、2,5−、及び/又は2,8−異性体も有用である。これ
らの二塩基酸は酸形又は例えばジメチルエステルのようなエステルとして使用す
ることができる。
典型的な変性用グリコールは3〜10個の炭素数を含むことができ、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1
,4−シクロヘキサンジメタノールなどを含む。1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールはシス又はトランス形とすることができ、またシス/トランス混合物でも
よい。更に好ましくは本発明のポリエステルは少なくとも80モル%のエチレング
リコールを含む。
特に好ましいポリエステルはテレフタル酸とエチレングリコール60〜99モル%
及びシクロヘキサンジメタノール40〜1モル%の混合物を含む・
本発明の第一工程において製造されるポリエステルは、一般に、少なくとも0.
5dl/g、更に好ましくは少なくとも0.65dl/g及び最も好ましくは0.65〜0.85d
l/gのIhVを有する。
本発明のポリエステルは、業界において周知の重縮合反応条件を用いて容易に
製造することができる。使用することができる典型的なポリエステル化触媒はチ
タンアルコキシド、ジブチルスズジラウレート、酸化アンチモン、又はアンチモ
ントリアセテートを単独又は組み合せて用いることを含み、場合によっては、亜
鉛、マンガン、又はマンガン酢酸塩もしくはマンガン安息香酸塩並びに/又はそ
の他の当業者に周知の触媒物質と一緒に用いることができる。リン及びコバルト
化合物も任意的に存在させることができる。本発明者らは連続重縮合反応器を使
用することを好むが、直列に操作される複数の回分式反応器を用いることもでき
る。
本発明者らは本発明プロセスにおいてポリエステルを非変性形態で用いること
を好むが、核生成剤、分岐剤、着色剤、顔料、充填剤、酸化防止剤、紫外線及び
熱安定剤、衝撃性変性剤などを所望ならば使用することができる。実施例
以下の実施例で本発明を更に説明する。しかしながら、これらの実施例は単に
例示の目的であって、本発明の範囲を限定することを意図するものでは全くない
ことはいうまでもない。
残留アセトアルデヒドは、或る種の前の溶融履歴の後のPETポリマーマトリッ
クス内にトラップされたアセトアルデヒドをいう。残留アセトアルデヒドは分析
する準備ができるまでフリーザー中に−40℃で貯蔵することによって測定した。
この時点で、サンプルをフリーザーから取り出し、そして液体窒素中に置き、極
低温で、小さな実験室スケールのWileyミルで20メッシュ未満の粒子に粉砕した
。
粉砕試料約50gをAA分析用金属GC脱着管へ充填した。各試料について2回試験
し、結果は平均した。試料管はGC分析までフリーザー中に−40℃で保存した。
分析用のGC脱着条件は150℃で10分間であり、この間にAAは脱着され、トラッ
プ中へ取り出し、不活性キャリヤーガスによって液体窒素温度で集めた。AAは続
いてトラップからGCカラム中へ脱着し、冷トラップを300℃に加熱することによ
って定量した。
本発明の結果を瓶の頭部空間への24時間アセトアルデヒド脱着の結果を比較す
ると、2リットル瓶における頭部空間リットル当り1μgAAが上記試験の残留AA
−3ppmに匹敵する。例1
3.5モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール(30/70モル%シス/トラ
ンス混合物)で変性し、IhV=0.64の濾過したポリエチレンテレフタレート(P
ET)をベント型二軸スクリュー反応器へ供給する。温度275℃及び圧力0.75トル(
torr)で25分間の滞留時間の後、ポリマーはIhV=0.75で残留アセトアルデヒ
ドは5ppmである。次にこのポリマーを、平均滞留時間約2分の分配パイプ及び
バルブ系を通して4つの別々の成型機に供給する。各成型機はポリマーを200℃
未満に冷却する前の滞留時間約40秒である。成型したIhV0.75のプレフォーム
中の残留アセトアルデヒド量は9ppmである。例2
PETを、最終溶融温度285℃のIhV=0.74に調製し、濾過し、次いで4個の脱
蔵用ベント型押出機に分割して分配する。各流れは一つの多数個取り成型機の能
力に等しい流速を有する。脱蔵用押出機へ入るポリマーは210ppmの残留アセトア
ルデヒドを含む。脱蔵器は窒素でパージする。平均滞留時間15分で脱蔵器に滞留
させ乍ら、ポリマーは280℃に冷却する。脱蔵器を出るポリマーは5ppmの残留ア
セトアルデヒドを有し、そして多数個取り成型機中へ直接排出する。生成プレフ
ォームはIhV=0.77及びアセトアルデヒド=8ppmである。例3
この例は例2と同じ機器構成を用いる。PETは溶融相反応器において270℃でI
hV=0.67に調製し、濾過及び脱蔵押出機への輸送
管後に残存アセトアルデヒド60ppmを含む。窒素パージ下の各脱蔵器における10
分間の滞留時間後に、ポリマーはIhV=0.70及び残留アセトアルデヒド3.5ppm
のプレフォームに成型する。例4
この例は例2と同じ機器構成を用いる。PETは溶融相反応器において270℃でI
hV=0.75に調製し、濾過及び脱蔵押出機への輸送管後に残存アセトアルデヒド
80ppmを含む。窒素パージ下の各脱蔵器における5分間の滞留時間及び冷却され
る前の金型への約2分間の搬送後に、ポリマーはIhV=0.75及び残留アセトア
ルデヒド10ppmである。ポリマーの脱蔵器からの、そして成型器を通しての金型
への搬送の間のアセトアルデヒドの発生速度は1ppm/分と測定される。例5
温度275℃でIhV=0.71のPETを調製し、フィルターを通して温度275℃及び
圧力0.75トルで操作する脱蔵器/反応器へ供給する。10分間の滞留時間の後、残
留アセトアルデヒドは6ppmに低下し、次にギヤーポンプを用いてポンプを分配
系を通して4つの多数個取り成型機へポンプ輸送する。得られるプレフォームは
IhV=0.75で残留アセトアルデヒド10ppmである。例6
温度275℃でIhV=0.5のPETを調製し、フィルターを通して275℃及び0.75ト
ルで操作する他の重縮合反応器へ供給する。この反応器は大表面積を生じ、ポリ
マーは30分でIhV=0.75に成る。アセトアルデヒド含量20ppmの溶融ポリマー
を次に多孔ダイを通してポンプ輸送して細い糸状となし、不活性ガスをパージし
た開放容器を通して落下させる。次に容器の底部で溶融ポリマーを集め、4つの
成型機へ分配する。得られるプレフォームはIhV=0.75で残
留アセトアルデヒド10ppmである。例7
汎用技術によって、最終溶融温度285℃でIhV=0.64のPETを調製する。フィ
ルター及び分配系を通してのポンプ輸送の後、残留アセトアルデヒド100ppmを含
むポリマーを2つの脱蔵反応器へ供給する。これらの反応器/脱蔵器は圧力0.75
トルで操作し、ポリマーを275℃に冷却する。20分の滞留時間の後、各脱蔵器か
らのポリマーはギヤーポンプによって2つの多数個取り成型器へポンプ輸送する
。各成型機の集積キャビティは適当な切替えバルブ及び分配ラインを通して連続
的に満たす。このようにして、脱蔵器/押出機からの安定な流れが維持される。
得られるプレフォームはIhV=0.75で残留アセトアルデヒド含量は9ppmであ
る。