JP2000507457A - 酵素センサ - Google Patents

酵素センサ

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ビールナード,アラン・ミルトン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は検査流体中の分析物の濃度もしくは活性を測定する酵素センサに関する。センサは、分析物がその基質となる固定酵素を含む少なくとも1つの酵素層を有している。固定酵素は、該酵素と少なくとも1つのマクロ分子との間に1個もしくはそれ以上の共役結合を、該酵素に対する競合インヒビタの存在下で任意に架橋剤を用いて形成することによって得られる。本発明はまた酵素センサに対する薄膜に関する。更に、本発明は、酵素センサの酵素活性を安定化するための方法にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 酵素センサ 背景技術 技術分野 本発明は、初期比酵素活性が改良された、試験流体中の分析物の濃度もしくは 活性を測定するための酵素センサと、酵素センサのための薄膜(メンブレン)と に関する。また、本発明は、一般的な酵素センサの酵素安定性(寿命)を改良す る方法に関する。 関連技術の簡単な説明 酵素センサは、測定化学種(分析物)が検出前にセンサ中で酵素触媒反応を受 けるセンサである。分析物と酵素(分析物が基質となる)との反応は、その濃度 (理想的な条件下では)が、分析物の濃度と比例するか同一であるところの2次 種を生成する。次いで、2次種の濃度はトランスデューサ、例えば電極等の手段 によって検出される。 酵素センサの酵素は、通常、試験流体に接触するのに適した薄膜中に含まれる 。酵素はセンサの薄膜の1部としてまたはかかる薄膜の後部に配置することがで きる。別の手段としては、酵素を、例えば、電極の炭素ペースト層の1部として センサプロパー(sensor proper)中に導入することである。したがって、分析物 は、センサの外部(例えば、薄膜もしくは炭素ペースト層)に拡散した後に酵素 と接触し、酵素と分析物との間で反応を起こし、次に、得られた2次種がセンサ の検出部、例えば電極にまで拡散する。 薄膜を含む伝統的な酵素センサでは、薄膜は、一方では、分析物を試験流体か ら酵素に調節して拡散するのに適当な空隙率を有しているとともに、他方では、 当該酵素には非透過性もしくは実質的には非透過性であって、酵素を試験流体中 に漏れるのを避けるものでなければならない。 この問題を克服する1つの方法としては、当該酵素をマクロ分子に固定化して 、酵素/マクロ分子の物理的サイズと全般的に低溶解度によって多孔性薄膜を通 って漏れるのを防止することである。現場で重合する薄膜にとってより適当にな る可能な別の方法は、酵素を高分子中にトラップすることである。 たとえば、体液中に存在する分析物の興味ある例としてはラクテート(乳酸塩 )がある。ラクテートキシダーゼがウシ血清アルブミンに固定化されているラク テートセンサが知られている(Hu et al.,1993,Analytica Chimica Acta,281 ,pp 503-511;Tsuchida et al.,1985,Biotechnology and Bioengineering,27 ,pp 837-841;Pfeiffer et al.,1992,Biosensors & Bioelectronics,7,pp66 1-671;Baker et al.,1995,Anal.Chem.,67,pp 1536−1540;Liu et al.,199 5,Electrochemica Acta,40,pp 1845-1849).ラクテートセンサの報告されて いる寿命は普通には14日程度である(例えば、Winckers et al.,1996,Clinic al Chemistry,42,No.S6,p S278,poster No.761)。 通常は、酵素、例えばラクテートキシダーゼが固定化されると、固定化酵素の 初期比酵素活性は、対応する量の非固定酵素に比べて減少する。これは、酵素も しくは少なくともその1部(ドメイン)は、固定化反応の間にもしくはその反応 の後に、その活性配座を保持しないこと、または、固定化反応が酵素の活性部位 中にもしくはそのに非常に近接して位置する酵素の機能グループに関与している ことに由来する。したがって、酵素の相当量が固定化反応中に不活性化されうる 。センサ中に多量の不活性、部分不活性もしくは変性酵素が存在することは、こ のことが応答時間をより長くするので非常に望ましくないことである。 競合インヒビタの存在下で固相物質にトリプシンを固定することが初期比酵素 活性をほぼ完全に保持する結果になると報告されている(Kuga et al.,1976,Me m.Fac.Sci.Kyushu Univ.Ser.C,10,pp 77-90;CA:85:42969h)。トリプシン を水不溶解性担体に固定するときに重合性競合インヒビタを使用することも記載 されている(Brown et al.,1981,Makromol.Chem.,182,pp 1605-1616)。これ らの刊行物のいずれにも、酵素センサに固定トリプシンを使用することを示して いない。そして、出願人の知っている限りでは、その他の刊行物のいずれにも、 酵素センサに固定トリプシンを使用することは示されていない。したがって、固 定酵素を酵素センサに応用する特別の条件と要件とは明白に示されていないし 、示唆されてもいない。 本発明の目的は、改善された初期比酵素活性を持つ酵素センサを提供すること である。本発明の別の目的は、酵素センサの酵素活性を安定化して、酵素の寿命 を延長するする方法を提供する。 発明の要旨 出願人は、競合インヒビタの存在下で固定した酵素が、活性酵素と不活性酵素 との間の高い(初期)割合が望ましいかもしくは要求される酵素センサに特に適 していることを見出した。 したがって、本発明は、試験流体の分析物の濃度もしくは活性を測定する酵素 センサを提供する。この態様において、該酵素センサは、分析物が基質として作 用する固定酵素を含む少なくとも1つの酵素層を有し、かつ、該固定酵素が、当 該酵素に対する競合インヒビタの存在下で酵素と少なくとも1つの形式のマクロ 分子との間の1つもしくはそれ以上の共役結合を、任意に架橋化剤を使用して、 形成している。 競合酵素の存在下で酵素センサ中に固定した固定酵素を使用することは自明で はないと考えられる。当業者であれば、競合インヒビタが、センサの性質を後で 測定することに対して負の影響を持つかも知れないと結論づけるであろう。 酵素層は種々の方法でセンサに応用することができる。したがって、酵素層は 、センサの薄膜の1部として含まれるかまたは薄膜の後部に配置することができ る。別の形式として、酵素層は、センサの一体化した1部、例えば、電極の炭素 ペースト層中に含ませることができる。好ましい態様では、酵素層はセンサに取 り付ける薄膜に含まれる。 また、本発明は、検査流体の分析物の濃度もしくは活性を測定する酵素センサ のための薄膜を提供する。この態様において、該薄膜は、分析物が基質として作 用する固定酵素を含む酵素層を有し、かつ、該固定酵素が、当該酵素に対する競 合インヒビタの存在下で酵素と少なくとも1つの形式のマクロ分子との間の1つ もしくはそれ以上の共役結合を、任意に架橋化剤を使用して、形成している。 上記のように作成した酵素センサと薄膜とは、従来製造されているセンサと薄 膜とに比べて、これまで超えることができなかった初期比酵素活性を有する酵素 センサと薄膜とになるものと信じられている。 更に、本発明は、検査流体の分析物の濃度もしくは活性を測定するための酵素 センサを提供する。この態様において、該酵素センサは、分析物が基質として作 用する固定酵素を含む酵素層を有し、かつ、該固定酵素の初期比酵素活性が、同 一試験で決めた対応する量の非固定酵素の初期比酵素活性の少なくとも50%で ある。 酵素は、上記したようにセンサに適用することができる。 更に、本発明は、検査流体の分析物の濃度もしくは活性を測定する酵素センサ のための薄膜を提供する。この態様においては、該薄膜は、分析物が基質として 作用する固定酵素を含む少なくとも1つの酵素層を有し、かつ、該固定酵素の初 期比酵素活性が、同一試験で決めた対応する量の非固定酵素の初期比酵素活性の 少なくとも50%である。 その上、これまで信じられていたこととは対照的に、酵素センサ中に競合イン ヒビタが存在していることが、固定化反応の間ばかりではなく、その後でも有利 であることが判明した。本出願人は、酵素活性の安定性を増進し、それによって センサの寿命を延長するためには、センサに含まれる固定酵素を競合インヒビタ に曝すことが特に有利であることを見出した。 したがって、本発明は、酵素センサに含まれる固定酵素の酵素活性の安定性を 改善するための方法であって、該固定酵素を、該酵素に対する競合インヒビタを 含む溶液に断続的にもしくは連続的に曝す工程を含む方法を提供する。 改良された安定性は、酵素に対する競合インヒビタの存在下での酵素とマクロ 分子との間に共役結合を形成することによって得られる固定酵素を有する酵素セ ンサに対しても、また、競合インヒビタの不存在下で上記のようにして得られた 固定酵素を有する酵素センサに対しても、更には、固定酵素を有するその他のあ らゆる酵素センサに対しても同様に達成される。 前記したように、本発明は、新規でかつ非常に価値ある酵素センサと、酵素セ ンサのための薄膜とを提供する。酵素センサは、完全自動装置を用いて多量の検 査流体の濃度(もしくは活性)を日常的に分析することが望まれる場合にその重 要性が増している。生物試料を取り扱う完全自動分析装置の例としては、ABLTM システム625血液ガスシステム(ラジオメータ・メデイカルA/S、コペン ハーゲン、デンマーク)が挙げられる。かかるシステムは、使用者側からすれば 、操作時間が長くなり(”アップ”時間)かつサービス時間が非常に短くなるか 、ほとんど掛からない(”ダウン”時間)ようにすることが期待される。したが って、かかる装置に使用する酵素センサは、長い寿命を有しているべきである。 本発明は、酵素センサにとって長寿命の酵素層を提供する。 酵素センサによって測定される分析物は、センサの薄膜中に含まれ得る酵素に 対する基質である物質であればいずれでもよい。本発明に使用される特に興味の ある分析物は、グルコース、コレステロール、ラクテート、クレアチン、クレア チニン、尿素、尿酸、ピルビン酸塩、アルコール類、ビリルビン、アスコルビン 酸塩、リン酸塩類、タンパク、トリグリセライド、フェニルアラニン、チロシン 、ヒポキサンチンなどである。本発明において特に関連のある分析物はラクテー トである。測定するのに興味のあるその他の分析物は、グリコシル化アミノ酸、 凝固因子、セプシスマーカーなどである。 センサに対して関係する酵素を選択するには、分析物によって自然に指示され る。また、酵素/分析物反応の反応生成物(2次種)の1つが、直接に検出でき るか、または、反応後の検出可能な物質への変換後に検出しなければならないか のいずれかを考慮すべきである。好ましい2次種としては、従来の電極で検出可 能な過酸化水素を挙げることができる。 上記のことから、本発明において好ましい酵素としては、グルコース、コレス テロール、ラクテート、クレアチン、クレアチニン、尿素、尿酸、ピルビン酸塩 、アルコール類、ビリルビン、アスコルビン酸塩、リン酸塩類、タンパク、トリ グリセライド、フェニルアラニン、チロシン、ヒポキサンチンなどから選択され た分析物が基質として作用するものが挙げられる。 特に興味のある酵素としては、α−ヒドロキシオキシダーゼ(E.C.1.1 .3.15)、ラクテートオキシダーゼ(E.C.1.1.3.2)、グルコー スオキシダーゼ(E.C.1.1.3.4)、ウレアーゼ(E.C.3.5.1 .5)、クレアチンアミドヒドロラーゼ(E.C.3.5.2.10)、クレア チンアミジノヒドロラーゼ(E.C.3.5.3.3)、サルコシンオキシダー ゼ(E.C.1.5.3.1)、グルタメートデヒドロゲナーゼ(E.C.1. 4.1.3)、ピルベートキナーゼ(E.C.2.7.1.40)、長鎖アルコ ールオキシダーゼ(E.C.1.1.3.20)、ラクテートデヒドロゲナーゼ (E.C.1.1.1.27)などが挙げられる。これらのうちで、ラクテート オキシダーゼが特に好ましい。 分析物は、原則として、いかなる型式の検査流体に存在していてもよい。した がって、本発明においては、「検査流体」という用語は、濃度もしくは活性の測 定が所望される分析物を含むあらゆる液体を意味する意図で使用されている。 酵素センサ、特に薄膜のために選択された物質によっては、検査流体の性質が 時には制限されることがある。好ましくは、検査流体として、水性検査流体、例 えば、自然由来の試験液体が使用される。 本発明において特に興味のある検査流体としては、動物やヒト、特にヒトの生 物試料が挙げられる。かかる生物試料は、直接にまたは、酵素、検出器もしくは 分析物と抵触するであろう物質を除去するために、種々の方法で希釈もしくは処 理されるかのいずれかの方法で使用される。生物試料の例としては、全血、例え ば、希釈もしくは未希釈全血、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿、唾液、乳など がある。この他の興味のある検査流体としては、例えば、透析液などが挙げられ る。 本発明においては、競合インヒビタを固定化反応に利用した後、安定化剤とし て利用する。酵素とマクロ分子との間に共役結合が形成するときには、競合イン ヒビタが存在すれば、共役結合形成反応において形成される酵素の活性部位(酵 素作用が発現したときに酵素の基質が結合している部位)の化学機能性の危険性 を除去したりもしくは減少して、共役結合を形成する反応が起こるものと、特定 の原理に拘束されることなく信じられる。したがって、競合インヒビタが存在し ない場合には、活性部位、例えば、リジンやアルギニンのそれぞれのアミノ基や グアニジノ基中の化学機能性が共役結合形成反応に関与していて、それによって 酵素活性が減少したりもしくは除去されたりすると信じられる。 特異的酵素に対する競合インヒビタは、該インヒビタが、酵素の活性部位に結 合するかもしくは結合に極めて近似する状態になって、酵素に対する基質が直ち に活性部位を占拠することを妨害していることに特徴がある。しかしながら、基 質の(当該酵素に対する)親和性と濃度とに対する、競合インヒビタの(当該酵 素に対する)親和性と濃度に依存して、該インヒビタと基質との間で活性部位を 占拠するための競争(つまり、競合)が起こっている。 適当な競合インヒビタとしては、当該技術分野で既知の当該酵素に対する競合 インヒビタであればいずれでもよい。また、本発明においては、「部分」競合イ ンヒビタであっても、競合インヒビタとして考えられる。しかしながら、本発明 において特に関係する競合インヒビタとしては、一方では、固定化反応中に当該 酵素と効率的に結合し、他方では、固定酵素が酵素センサ中に含まれているとき に、当該酵素に対する基質(分析物)によって入れ替えられるところの競合イン ヒビタであると考えられる。特に適当な競合インヒビタとしては、当該酵素に対 する親和性(1/Ki)が、同一酵素に対する基質の親和性に比べて、約0.0 001倍ないし10倍、例えば、0.001倍ないし5倍であるところの競合イ ンヒビタが挙げられる。 本発明において最も興味のある酵素、つまり、ラクテートオキシダーゼに対す る好ましい競合インヒビタは、オキサルアセテート、オキサレート(蓚酸塩)、 α−ヒドロキシスルホネート、ビスルファイト、フェニルアセテートなどが挙げ られる。これらのうちで特に好ましいのはオキサレートである。 酵素が酵素活性を示すのに必要ないかなるコエンザイムが固定化反応中に存在 していて、(i)酵素が活性な配座内に存在しているときに固定化反応が起こり 、かつ、(ii)コエンザイムが結合する部位がマクロ分子に結合した共役結合 によって閉塞されなければ、競合インヒビタの存在と類似することとして、理解 される。 本発明において、「マクロ分子」という用語は、酵素プロパーとなりうる高分 子量分子として理解される。マクロ分子は、マクロ分子と当該酵素との間に共役 結合を形成できる化学機能性を有しているべきである。マクロ分子は、天然由来 であっても、合成由来(例えば、合成有機ポリマー)であってもよい。 天然由来のマクロ分子としては、タンパク、例えば、アルブミンやアルブミン 誘導体、例えば、血清アルブミン(例えば、ウシ血清アルブミンやウシ血清アル ブミン−システイニル)、コナルブミン(オボトランスフェリン)、オバルブミ ン(卵白アルブミン)、ラクタルブミン、穀物アルブミン、大豆アルブミンなど が挙げられる。 合成由来のマクロ分子としては、例えば、重合性化合物、例えば、ポリオレフ ィンやその誘導体、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど 、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリアルキレ ングリコール類、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール 、ポリブチレングリコールなど、ポリアミド類、合成ポリペプチド類、デキスト ラン類、タンパクなどが挙げられる。 関係する上記例のうち、特に好ましいマクロ分子としては、例えば、アルブミ ンやアルブミン誘導体、例えば、ウシ血清アルブミンやウシ血清アルブミン−シ ステイニルなど、コナルブミン(オボトランスフェリン)、オバルブミン(卵白 アルブミン)などが挙げられる。 酵素の固定に特に関係するマクロ分子の重量平均分子量は、10、000以上 であって、例えば、10、000ないし1、000,000、好ましくは10、 000ないし200、000、より好ましくは20、000ないし100、00 0である。 固定化反応(架橋反応)は、酵素とマクロ分子との間の直接反応か、架橋剤を 使用するかのいずれかによって行うことができる。通常は、架橋剤が必要である 。当業者に知られている架橋剤であればいずれも使用できるが、上記酵素にとっ て特に好ましい架橋剤としては、例えば、グルタールアルデヒド、ジビニルスル ホン、塩化シアヌール酸、ジイソシアネート類、ポリイソシアネート類、ジイソ チオシアネート類、ポリイソチオシアネート類が挙げられる。これらのうちで好 ましいのは、グルタールアルデヒドである。 架橋の程度は、一方では、固定酵素の滲出が避けられ、他方では、酵素の種々 のドメインの流動性が維持される(そうでなければ酵素活性が阻害されるであろ う)ようにすべきである。固定酵素が酵素センサの外層中、例えば、拡散制限層 中に拡散することができないもしくは実質的にできないと同時に、水性媒体中、 例えば、緩衝液中に溶解できるかもしくは拡散できるためには、酵素/マクロ分 子共役物(固定酵素)の重量平均分子量は、少なくとも100、000であって 、好ましくは100、000から5,000、000までの範囲、より好ましく は200,000から4、000,000の範囲であるのがよいと考えられる。 これによって、マクロ分子中への含有前に取り扱いが可能になる。 固定酵素は以下のように調製するのが好ましい。つまり、(a)酵素と、少な くとも1種のマクロ分子と、該酵素に対する競合インヒビタとを含む溶液を調製 し、(b)架橋剤を上記溶液に添加する。更に、(c)残存架橋剤を不活性化さ せ、反応を効果的に終了させるために、急冷(クエンチング)剤を所望の反応時 間経過後に添加してもよい。急冷剤とは、架橋剤もしくは該架橋剤から誘導され たあらゆる中間体と反応する試薬を意味する。 該酵素と、マクロ分子と、該酵素に対する競合インヒビタとを含む溶液を完全 に混合すれば、溶解競合インヒビタと、酵素結合競合インヒビタとの間に平衡が 達成されると考えられる。 架橋反応は、架橋反応の間に酵素が変性しないように、0〜40℃、好ましく は10〜30℃の温度範囲で行うべきである。架橋反応は常温で行うのが好まし い。 反応媒体については、有機媒体のうちの水性媒体が好ましいと考えられる。水 性媒体としては、pH値が5.0〜9.0、好ましくは6.0〜8.0に調整さ れた緩衝液が好ましく、特にリン酸緩衝液が好ましい。 本発明の1つの具体例では、酵素センサに対する固定ラクテートオキシダーゼ は、4−7重量部、例えば5−6重量部のラクテートオキシダーゼと、8−12 重量部、例えば9−11重量部のウシ血清アルブミン−システイニルと、1.5 −3.5重量部、例えば2−3重量部の架橋剤とから、12−15重量部、例え ば13−14重量部の蓚酸ナトリウムを用いて調製される(実施例1)。 固定酵素をセンサ中にまたはセンサの薄膜中に包含する前に保存する場合には 、酵素に対する競合インヒビタを添加することが有利になる場合もあると理解す べきである。 酵素センサの酵素は普通検査流体に接触させるのに適した薄膜に包含させる。 本発明による薄膜は、薄膜の1部として包含されるかまたはかかる薄膜の後部 に位置する酵素層を含む薄膜であるのが好ましい。かかる薄膜は種々の目的のた めに、例えば、検査流体中の潜在的な有害物質からの保護の提供、薄膜中におけ る酵素の保持の確保、ならびにセンサに対して十分な直線性を得るための測定分 析物に対する最適拡散制限条件の提供などの目的に役立っている。 したがって、本発明に係る薄膜は、酵素層と検査流体とを分離するのに適合す る拡散制限層を含むのが好ましい。拡散制限層は多孔薄膜層であって、分析物の 酵素層への拡散を制限して、固定酵素の分析物変換能力がその限度を超えないよ うにし、かつ、分析物の酵素変換のために十分な酸素(O2)が酵素層中に存在 するようにしている。拡散制限層の原理についてはデンマーク特許第17010 3号に記載されている。 拡散制限層は、センサに通常使用されている型式の薄膜から構成されていても よい。これらは、溶液/拡散型薄膜(例えば、ハイドロゲルなど)、トラッキン グ腐蝕(track etch)薄膜(直線の孔(ポア)を有する)、複合薄膜、曲路(to rtuous path)薄膜などが挙げられる。 拡散制限層のための物質としては、当該技術分野で公知のセンサ用薄膜物質で あればいずれであってもよい。かかる物質の例としては、ポリオレフィンやその 誘導体、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど、ポリ(メ タ)アクリレート、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリアルキレングリコー ル類、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチ レングリコールなど、ポリアミド類、シリコーン類、再生セルロースなどが挙げ られる。これらのうちでポリエチレンテレフタレートなどが特に適している。そ の他のポリマー、例えば、ポリカーボネートや、ポリウレタンなども同様に使用 される。 好ましい具体例としては、拡散制限層は貫通孔を有していて、該貫通孔が、分 析物に対しては透過性であるのに対して、固定酵素に対しては非透過性もしくは 実質的に非透過性であって、該孔の少なくとも1部が、当然のこととして、検査 流体に対面するように適合させた該拡散制限層の表面から、酵素層に対面するよ うに適合させた該拡散制限層の表面にまで延伸するように構成されている。 拡散制限層の貫通孔には壁があり、その壁の表面は、検査流体に対面するよう に適合している表面と一緒になって、拡散制限層の接触表面、つまり、検査流体 に接触可能な表面を規定する。拡散制限層の接触表面は、親水性であって、例え ば血液タンパクが表面に付着しないようになるのが好ましい。したがって、拡散 制限層の接触表面は、それ自体が十分な親水性でない場合には、その少なくとも 1部が親水成分で誘導されている誘導化学基を有していてもよく、それによって 接触表面が対応する非誘導表面に比べてより親水性になる。 誘導化学基は、薄膜層物質の自然の形で存在していてもよく、薄膜層物質を処 理した後もしくは薄膜を照射した後に化学薬剤で処理して発生させてもよい。 親水性成分は、酵素センサに適用される通常の洗浄すすぎ条件下で変質しない ように選択すべきである。したがって、かかる親水性成分としては、例えば、ポ リエチレングリコール(PEG)などのポリアルキレングリコール類、ヘパリン 、ヒアルロン酸、ホスホリピッド、アガロース、キトサン、シクロデキストリン 、アルギン酸塩、コラーゲン、リグニン、ペクチン、ならびにデキストリン、ヒ ドロキシアルキルセルロース、セルロースアセテート類、アルブミン、ゼラチン 、寒天、カラゲナン類、デンプンなどのポリサッカライド類やセルロースベース ポリマーなどが適している。また、親水性合成有機ポリマー、例えば、ポリビニ ルアルコール/ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチ ル(メタ)アクリレートやヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロ キシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、アリルアルコール、 アクリルポリマー(ハイドロゲル類)なども使用できる。 これらの親水性成分のうち、ポリエチレングリコールとヘパリンとが特に好ま しい。更に、ポリエチレングリコールで、平均重量分子量が約100ないし約2 000,例えば約200ないし約1000の範囲にあるものが特に親水性成分と して好ましい。 実用的な理由から、薄膜層の全表面と孔(ポア)とは、例えば、酵素層に対面 するように適合させた薄膜層の表面もまた、しばしば修飾されると理解すべきで ある。 本発明にかかる薄膜には、酵素/分析物反応の生成物に対して透過性であり、 分析物と固定酵素とに対しては非透過性かもしくは実質的に非透過性である干渉 除去層が更に具備されていてもよい。干渉除去層は、検査流体中に存在しうる他 の化学成分に対しても非透過性であるのが好ましい。例えばHEPES、アスコ ルビン酸、パラセタモールに対しては非透過性であって、例えば過酸化水素(H22)に対しては透過性である非常に適した材質としては、例えばセルロースア セテート類がある。 したがって、本発明の1つの具体例として、薄膜は次のように構成されていて もよい。つまり、薄膜は、 (a)拡散制限層として、ポリエチレンテレフタレートからなり、拡散制限層 の接触表面にはカルボキシル基があり、そのカルボキシル基の少なくとも1部が 共役的に結合しているポリエチレングリコール(平均重量分子量が100〜10 00の範囲にある)によって誘導されているものと、 (b)固定ラクテートオキシダーゼを含む酵素層と、 (c)セルロースアセテート類を含む干渉制限層とから構成されている。 個々の薄膜層は、一致する小片に切断して、例えば薄膜リングの形に組み合わ せる。薄膜は、10〜50μmの範囲、好ましくは10〜30μmの範囲の厚み を持つことが好ましい。拡散制限多孔薄膜層は5〜20μmの範囲の厚み、酵素 層は1〜3μmの範囲、干渉制限層は5〜10μmの範囲の厚みを持つことが好 ましい。 本発明に係るセンサは、1つもしくは複数の検出法則、例えば電気化学的もし くは光学的法則に基づくのがよい。したがって、センサの検出部面は、例えば電 極もしくは光学検出器の1部であってもよい。センサの検出部は電極の1部であ るのが好ましい。 電極は、例えば炭素ペースト、プラチナ、金、イリジウム、ロジウム、パラジ ウムもしくはそれらの合金やペーストのアノードと、例えば銀/塩化銀、銀/酸 化銀もしくは水銀/塩化水銀(I)の標準電極とから構成されていてよい。電極 はあらゆる電解質溶液から更になっていてもよい。電極は、プラチナアノードと 銀/塩化銀の標準電極とから構成するのが好ましい。 上記したように、本発明は、初期比酵素活性が改善されたところの、酵素セン サと、酵素センサのための薄膜とを提供する。したがって、本発明の1つの具体 例においては、酵素センサに対する薄膜に含まれる固定酵素の初期比酵素活性は 、対応する量の非固定酵素の初期比酵素活性の少なくとも50%である。好まし くはまた現実的には、その初期比酵素活性は、対応する量の非固定酵素の初期比 酵素活性に比較して、少なくとも60%、例えば少なくとも70%、特に少なく とも80%、更には少なくとも90%である。 実施例4においては、固定ラクテートオキシダーゼの初期比酵素活性は78% (表1)である。したがって、実施例4で調製された固定ラクテートオキシダー ゼは、酵素センサの薄膜に導入されると、本発明の好ましい具体例を構成する。 本発明の別の具体例においては、固定酵素の初期比酵素活性は、酵素に対する 競合インヒビタの不存在下にて適用可能ならば同種の架橋剤を使用して固定させ た対応する量の酵素の初期比酵素活性に比べて、少なくとも1.5倍である。実 施例4においては、固定ラクテートオキシダーゼはこの範疇を達成していること が分かる(表1参照)。 上記から明らかなように、本発明は、従来超えられなかった長寿命を有するよ うに構成することができるところの、酵素センサと、酵素センサのための薄膜と を提供する。したがって、特定量の(非固定)酵素を上記固定化反応において使 用するときに、該初期比酵素活性は従来の条件を適用する場合よりもより高くな り、その結果、センサが使用できなくなるレベルに酵素活性が達する以前の期間 を延ばすことができる。 新規な長寿命酵素センサの他に、本出願人は、酵素に対する競合インヒビタを 含む媒体中に酵素を保存することが酵素活性の安定性を改良する(実施例5)こ とを見出した。したがって、上記したように、本発明は、酵素の基質である検査 流体中の分析物の濃度を測定するための酵素センサに含まれた固定酵素の酵素活 性の安定性を改良する方法であって、固定酵素を該酵素に対する競合インヒビタ を含む溶液に曝す工程を含む方法を提供する。 上記定義ならびに好ましい具体例は、本方法のセンサと、酵素と、競合インヒ ビタとについて適用される。したがって、固定酵素は、酵素センサの一体化部分 として包含されているかまたは酵素センサの薄膜中に包含されていてもよい。 本方法は、酵素センサのための交換薄膜がセンサに取り付ける前に保存されな ければならない場合にも同様に適用できる。したがって、本発明はまた、酵素セ ンサの薄膜中に包含される固定酵素の酵素活性の安定性を改善する方法を提供す る。 本方法が別個に使用するかもしくは完全自動装置に組み込んで使用する酵素セ ンサに対して実施される場合の非常に興味ある具体例においては、固定酵素を含 む酵素層は、分析物の各測定もしくは実質的な各測定の間に、または、分析物の 測定の各シリーズもしくは実質的な各シリーズの間に該酵素に対する競合インヒ ビタを含む溶液に曝される。したがって、センサのためのすすぎ工程を最適化す るため、また酵素層を競合インヒビタに曝す工程が別個の操作工程になることを 避けるために、競合インヒビタは該センサのすすぎ用流体に含まれていてもよい 。 すすぎ用流体中に含まれる競合インヒビタの濃度は、当該酵素が競合インヒビ タを含むすすぎ用流体中に特定濃度で永続的に保存される場合には、酵素活性の t1/2の増加が少なくとも50%、例えば少なくとも100%、特に少なくとも 200%になるように設定するのが好ましい。 関連する競合インヒビタであって、酵素組成物、特に固定酵素組成物を効率的 に安定化する能力を有し、かつ、酵素に対する基質の(同時)存在下で酵素反応 を発生させるところの競合インヒビタとは、関連する基質の結合親和力と等しい かもしくは僅かに低い、酵素の活性部位に対する結合親和力を有している競合イ ンヒビタである。 特に興味ある具体例においては、本方法は、生物試料中のラクテート(乳酸塩 )を測定するための酵素センサに包含されるラクテートオキシダーゼに対して実 施される。 この酵素活性を安定化させる非常に高い価値のある法則はセンサ一般に利用す ることができる。したがって、更に、本発明は、該酵素に対する競合インヒビタ を含む溶液の酵素センサに包含される固定酵素に対する安定化剤としての用途に 関する。かかる溶液はセンサに対するすすぎ用もしくは洗浄用流体であってもよ い。しかしながら、競合インヒビタを含む溶液は非固定酵素もしくは上記した以 外の方法で固定化した酵素の安定性のためにも使用できることにも注目すべきで ある。 上記した酵素センサならびに薄膜は、検査流体中の1種もしくはそれ以上の分 析物の濃度もしくは活性を測定するための完全自動装置に使用するために特に適 している。かかる市販されている完全自動装置においては、僅かな再構築の努力 によってまたは酵素センサに対するすすぎ用流体の入れ替えによってでさえ、本 発明の本方法を利用することができる。 したがって、本発明はまた、検査流体中の1種もしくはそれ以上の分析物の濃 度もしくは活性を測定するための装置であって、少なくとも1種の分析物が基質 として作用する固定酵素層を有する酵素センサと、更に、該装置の操作に必要な 溶液を入れた1つもしくはそれ以上の容器と、酵素に対する競合インヒビタを含 む少なくとも1つの溶液と、該センサを該競合インヒビタを含む該溶液に断続的 に露出させる手段と、を含む装置を提供する。 図面の簡単な説明 図1は電極と薄膜とを含む酵素センサ1を示す図である。 図2は図1の薄膜の薄膜部分の詳細図である。 図3は本発明に係る装置の1具体例を示す説明図である。 発明の詳細な説明 図1はラクテートを測定する酵素センサ1を示す。ラクテートと酸素との間の 酵素触媒反応は過酸化水素(H22)とピルビン酸塩とを発生する。過酸化水素 は次いでアンペロメトリック(amperometric)電極によって検出される。センサ1 は、生物試料中の分析物濃度を測定する装置(例えばABLTMシステム625血 液ガスシステム(ラジオメータ・メデイカルA/S、コペンハーゲン、デンマー ク)に取り付けるのに適している。 基本的には、センサ1は、その上に薄膜リング3を結合させた電極2から構成 されている。電極2は、銀アノード接触体7にミクロプラグ6を介して結合され た、プラチナ線5に結合したプラチナアノード4から構成されている。プラチナ アノード4とプラチナ線5の下部とはガラス体8中に封入されている。ガラス体 8とミクロプラグ6との間で、プラチナ線5は熱収縮チューブによって保護され る。チューブ状銀標準電極10は、ガラス体8の上部を取り囲み、電極2の長さ 方向に銀アノード接触体7にまで延伸し、標準電極10の内部で固定体11とエ ポキシ12を用いて固定されている。ガラス体8の下部は、薄膜リング3が結合 している電極ベース13によって覆われている。 標準電極10の上部は、分析装置(図示せず)の対応するプラグに電極2を取 り付けるための、また、外被15を固定するためのプラグ部4によって覆われる 。ガスケット16,17は、電極2の測定表面に位置する電解液が蒸発しないよ うにするために、電極2と外被15との間に配置される。外被15の1端に取り 付ける薄膜リング3はリング20からなる。薄膜21はリング20の下部開口全 域に亘って延伸される。薄膜21は図2に詳細に図示されている。 図2は、3層、つまり、電極2のプラチナアノード4に面する干渉制限薄膜層 22と、酵素層23と、検査流体に面する拡散制限多孔薄膜層24とを含む薄膜 21を示す。干渉制限薄膜層22は、セルロースアセテート(CA)の、ポア径 が6±2μmである多孔性薄膜であってもよい。酵素層23は通常架橋ラクテー トオキシダーゼ(薄膜当たり7単位)の約1〜2μm厚の層であってもよい。拡 散制限多孔薄膜層24はポリエチレンテレフタレート(PETP)(ポア直径: 約0.1μm;ポア密度:8・105ポア/cm2)の約10μm厚の層であって もよい。 図3は本発明にかかる装置30の1具体例を説明する図である。装置30は、 検査流体中の異なる分析物の濃度もしくは活性を測定するための複数のセンサ1 、31〜36を備えている。センサは、標準電極31と、例えばpH、pO2、 pO2などを測定するセンサ32〜36と、図1、図2に関連した上記センサに 類似するラクテート測定用酵素センサ1とを含む。センサ1,31〜36は、点 線38で示す測定部分に配置される。 装置30は、検査流体を装置30内に導入する流入口40と、装置30のため に必要な溶液を入れた複数個の容器50〜54とを有する。したがって、容器5 0は標準電極31に対する塩−ブリッジ溶液からなり、容器51と53とはセン サ1、32〜36に対する異なる計数用溶液ならなり、容器52はセンサ1、3 1〜36に対する洗浄用溶液からなり、容器54はセンサ32〜36に対するす すぎ用溶液を含む。容器54のすすぎ用溶液はラクテート酵素センサ1内のラク テートオキシダーゼ酵素に対する競合インヒビタである前述の蓚酸塩(オキサレ ート)を含む。 装置30は更に排出用容器55と空気流入口56、57とを更に具備する。流 体導路システム(図示せず)は、流入口40と、容器50〜55と、空気流入口 56,57とをセンサ1,31〜36に結合する。該流入口からの検査流体と、 異なる容器50〜54からの溶液と、必要に応じての空気流入口56,57から の空気とは、ポンプ61,62と、装置30のソフトウエア手段(図示せず)で 制御する主バルブ63とによって流体導路システムに移動させることができる。 検査流体が流入口に導入されると、ポンプ61,62と、主バルブ63とが起 動し、検査流体を測定部28に移動し、検査流体を分析する。次いで、検査流体 は排出用容器55に移される。更に、ポンプ61,63と主バルブを起動して、 容器54から流体導路システムを介して測定部28のセンサ1,31〜36にす すぎ用流体を移し、次に排出用容器55に移してすすぎ操作を行う。このすすぎ 操作中に、ラクテート酵素センサ1はすすぎ用流体に含まれる蓚酸塩に曝される 。したがって、すすぎ操作が各測定の間に装置30に対して行われる度に、装置 30に含まれるラクテート酵素センサ1は競合インヒビタの蓚酸塩にしばしば露 出される。 試験仕様 酵素活性試験 ラクテートオキシダーゼ熱量アッセイ ラクテートオキシダーゼ(LOD)は次の反応を触媒する。 L−ラクテート+1/2O2+H2O → ピルベート+H22 過酸化水素(H22)の形成は、キノニミン色素が形成するパーオキシダーゼ (POD)アッセイシステムで決められる。形成したキノニミン色素の量は分光 光度法によって490nmで決められる。 パーオキシダーゼは次の反応を触媒する。 H22+4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸+4−アミノアンチピリン → キノニミン(λmax:505nm) 試験手順 試薬A 2ml 3,3−ジメチルグルタール酸/NaOH(50mM)バッファー pH6.5 1ml パーオキシダーゼ(50U/ml;3.25mg/10mlH2O) 1ml 4−アミノアンチピリン(15mM/H2O) 1ml DL−ラクテート(0.5M,NaOHでpH6.5に調節) 3ml H2O 2ml 0.2%v/v4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸水溶液 酵素溶液(試験用酵素組成物) 10ml (固定ラクテートオキシダーゼ(試験溶液、約0.04U/ml( 5mMKH2PO4/NaOHバッファー、pH7.0) 標準酵素溶液 10ml ラクテートオキシダーゼ(ペデイオコッカスPediococcus)0.0 4U/ml(5mMKH2PO4/NaOHバッファー、pH7.0) 試薬A100μlをマイクロタイタープレート(イムノプレート、ヌンク、ロ スキルデ、デンマーク)のウエルに添加する。着色反応が酵素溶液100μlを 添加することによって開始する。その直後に、マイクロタイタープレートを、3 7℃、カイネチックモード、ラグタイム5分、読み出し時間15分、自動撹拌に 予め設定したTHERMOmaxインキュベータ(モレキュラー・デバイス、メ ンロパーク、CA、アメリカ)のプレートホルダーに設置する。 初期比酵素活性に対する標準値を得るために、標準酵素溶液100μlを、上 記において、酵素溶液の代わりにウエルに添加する。 他の酵素も、当該酵素が過酸化水素を生成する場合には同じ試薬を用いて、ま たは、酵素/基質反応の生成物に対する感受性のある他の試薬を用いて、同様の 方法で試験できる。 酵素安定性試験 ラクテートオキシダーゼまたは別の酵素の酵素活性は指数関数的に減少する。 したがって、酵素活性に対する半減期(t1/2)は初期濃度には依存していない ので、半減期は種々の条件下での酵素の安定性に対する優れた表示である。 酵素活性は、酵素組成物に対して、上記酵素活性試験について記載したように 、所定の期間に少なくとも4回、例えば少なくとも4日間に毎日(0日から3日 まで)測定して決められる。次いで、半減期(t1/2)は標準数学的方法に従っ て計算される。 実施例 実施例1 固定ラクテートオキシダーゼの製造 ラクテートオキシダーゼ2720単位とウシ血清アルブミン−システイニル4 0.0mgとを10mMリン酸バッファー(pH7.0)400μlと蓚酸ジナ トリウム1.60mlとに溶解し、得られた混合物を1分間当たり200回振動 させて10分間混合した。これに2.5%(v/v水溶液)グルタルアルデヒド 400μlを添加し、得られた混合物を10分間撹拌した。混合物を1Mグリシ ン100μlで急冷した。 固定ラクテートオキシダーゼをウルトラフィルターでろ過し、容量を400μ lにした。次いで、40%シュークロースを含む10mMイミダゾールバッファ ー(pH7.0)400μlを添加した。 固定ラクテートオキシダーゼの最終濃度は約3400U/mlであった。 実施例2 修飾PETP薄膜層の製造 材料: マイラーAポリエチレンテレフタレートホイル(ホワットマンSA、ルヴァン・ ラーヌーブ、ベルギー)(厚み:10μm±1μm;ポア直径:約0.1μm ; ポア密度:8・105ポア/cm2) 10g PEG−200−(OH)2(2つのヒドロキシ基を持つポリエチレン グリコール;平均重量分子量:200g/モル;テトラエチレングリコールの 最低含量:20%:トリー、テトラー、ペンタエチレングリコールの最低含量 :60%) 2g CMC−MTS(1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル) カルボジイミドメト−p−トルエンスルホネート、95%)カップリング剤と して。 0.2g トリトンCF−54 4000ml 脱ミネラル化水(pH6.0−6.5) PETP材料をシート状に切断し、各シートを枠に固定した。枠をPEG−2 00−(OH)2とCMC−MTSと、トリトンCF−54と水とを含む反応混 合物中に18時間吊して置いた。次いで、シートを15分間撹拌しながら0.1 %トリトンX−100の脱ミネラル化水溶液で洗浄した。その後、それぞれ10 分間脱ミネラル化水で2度洗浄した。最後にシートをフード内で少なくとも16 時間乾燥した。全ての操作は室温で行った。 薄膜層の表面上のPEG−200の鎖は、該表面を極性にしかつ不反応性にす るハイドロゲルとして機能する。したがって、例えば血液プロテインが表面に付 着する能力が減少するか除去される。 実施例3 薄膜の製造 例えばアメリカ特許第3979274号に記載されているような既知のセルロ ースアセテート薄膜を調製した。 固定ラクテートオキシダーゼ(実施例1)を含む溶液2.0μlをセルロース アセテート薄膜層に分散させた。表面を修飾したPETP薄膜層をセルロースア セテート/酵素層の全面上に配置し、サンドイッチ状の薄膜を乾燥した。 次いで、薄膜を酵素センサの薄膜リングに組み込んだ。 実施例4 蓚酸塩の架橋反応に対する効果 3種類の溶液A,B,Cを次のようにして調製した。 基本溶液 ラクテートオキシダーゼ20mg(680単位)とウシ血清アルブミン−シス テイニル10mgを10mMリン酸バッファー(pH7.0)100μlに5分 間撹拌しながら溶解した。本溶液25μlを各溶液A,B,Cに用いた。 酵素溶液A 250mM蓚酸ジナトリウム100μlを基本溶液に添加して5分間撹拌した 。2.5%(v/v水溶液)グルタルアルデヒド25μlを添加して、撹拌を1 0分間続けた後、1Mグリシン6.25μlを添加して酵素溶液Aを調製した。 酵素溶液B(競合インヒビタ未含有) 蒸留水100μlを基本溶液に添加して5分間撹拌した。2.5%(v/v水 溶液)グルタルアルデヒド25μlを添加して、撹拌を10分間続けた後、1M グリシン6.25μlを添加して酵素溶液Bを調製した。 酵素溶液C(架橋剤なし) 250mM蓚酸ジナトリウム100μlを基本溶液に添加して5分間撹拌した 。蒸留水25μlを添加して、撹拌を10分間続けた後、1Mグリシン6.25 μlを添加して酵素溶液Cを調製した。 各溶液を10mMイミダゾールバッファー(pH7.0)で0.04U/ml に希釈した。 酵素組成物の安定性は、本書に記載する安定性試験によって決められた。 酵素溶液AとBの初期比酵素活性を標準酵素溶液(酵素溶液C)の初期比酵素 活性と比較した。その結果を下表1に示す。 表1の結果から、蓚酸塩の存在下でのラクテートオキシダーゼの架橋後の初期 比酵素活性は、標準の非固定酵素の初期比酵素活性に比べて78%であることが 分かる。蓚酸塩の不存在下での架橋はわずか37%の初期比酵素活性であった。 実施例5 ラクテートオキシダーゼに対する安定化剤としての蓚酸塩 蓚酸塩はラクテートオキシダーゼに対する競合インヒビタである。蓚酸塩は酵 素の活性部位におそらく結合している。したがって、蓚酸塩は、蓚酸塩が存在し ているときには、酵素がその活性配座に”封鎖”されているようにラクテートオ キシダーゼの酵素活性を安定化しているものと考えられる。 0.04U/mlラクテートオキシダーゼをS4932すすぎ用溶液(ラジオ メータ・メデイカルA/S、コペンハーゲン、デンマーク)に溶解した溶液を調 製した。蓚酸塩の濃度、つまり、1,2,4,8,16mMのそれぞれの濃度に 対応した蓚酸ジナトリウムを添加した。各溶液の酵素活性は、13日間に亘って 5回測定して決めた。これらの溶液の酵素活性は蓚酸塩を含有しない溶液の酵素 活性と比較した。その結果を下表2に示す。 表2は、分光光度測定(OD:光学密度)とt1/2計算値とから得られた結果 を示す。溶液に対するt1/2値は、蓚酸塩の存在が安定性nに対して著しく積極 的な効果を有することを明確に示している。例えば16mMと濃度が最も高くな ると、t1/2値で示される安定性は3倍になる。したがって、それより僅かに低 い初期比酵素活性は8〜9日後に完全に補償される。
【手続補正書】 【提出日】1999年6月9日(1999.6.9) 【補正内容】 請求の範囲 1.検査流体の分析物の濃度もしくは活性を測定するための酵素センサであって 、該酵素センサが、該分析物が基質となる固定酵素を含む少なくとも1つの酵素 層を有し、該固定酵素が、該酵素と少なくとも1つの形のマクロ分子との間に1 個もしくはそれ以上の共役結合を、該酵素に対する競合インヒビタの存在下で架 橋剤を任意に用いて形成することによって得られるところの酵素センサ。 2. 前記酵素層が前記酵素センサの薄膜に含まれている、請求の範囲第1項に 記載の酵素センサ。 3. 前記酵素が、グルコース、コレステロール、ラクテート、クレアチン、ク レアチニン、尿素、尿酸、ピルビン酸塩(ピルベート)、アルコール類、ビリル ビン、アスコルビン酸塩、リン酸塩類、タンパク、トリグリセライド、フェニル アラニン、チロシン及びヒポキサンチンから選ばれた物質が基質として作用する 酵素から選択されている、請求の範囲第1項または第2項に記載の酵素センサ。 4. 前記酵素がラクテートオキシダーゼである、請求の範囲第1ないし3項の いずれか1項に記載の酵素センサ。 5. 前記酵素が、ウシ血清アルブミン、ウシ血清アルブミン−システイニル、 コナルブミン(オボトランスフェリン)、オバルブミン(卵白アルブミン)など のアルブミン類やアルブミン誘導体から選ばれるマクロ分子に固定されている、 請求の範囲第1ないし4項のいずれか1項に記載の酵素センサ。 6. 前記固定酵素の初期比酵素活性が、それに対応する量の非固定酵素の初期 比酵素活性の少なくとも50%である、請求の範囲第1ないし5項のいずれか1 項に記載の酵素センサ。 7. 前記酵素がラクテートオキシダーゼであり、前記競合インヒビタがオキサ ルアセテート、オキサレート、α−ヒドロキシスルホネート、ビスルファイトま たはフェニルアセテートである、請求の範囲第1ないし6項のいずれか1項に記 載の酵素センサ。 8. 前記競合インヒビタが蓚酸塩である、請求の範囲第7項に記載の酵素セン サ。 9. 前記固定酵素の初期比酵素活性が、該酵素に対する競合インヒビタの不存 在下で、適用できるのであれば同一種の架橋剤を用いて、同一種のマクロ分子に 固定した酵素の対応量の初期比酵素活性の少なくとも1.5倍である、請求の範 囲第1ないし8項のいずれか1項に記載の酵素センサ。 10. 検査流体の分析物の濃度もしくは活性を測定するための酵素センサに対 する薄膜であって、該薄膜が、該分析物が基質となる固定酵素を含む少なくとも 1つの酵素層を有し、該固定酵素が、該酵素と少なくとも1つの形のマクロ分子 との間に1個もしくはそれ以上の共役結合を、該酵素に対する競合インヒビタの 存在下で架橋剤を任意に用いて形成することによって得られるところの薄膜。 11. 前記酵素が、グルコース、コレステロール、ラクテート、クレアチン、 クレアチニン、尿素、尿酸、ピルビン酸塩、アルコール類、ビリルビン、アスコ ルビン酸塩、リン酸塩類、タンパク、トリグリセライド、フェニルアラニン、チ ロシン及びヒポキサンチンから選ばれた物質が基質として作用する酵素から選択 されていて、かつ、該酵素が好ましくはラクテートオキシダーゼである、請求の 範囲第10項に記載の薄膜。 12. 前記酵素が、ウシ血清アルブミン、ウシ血清アルブミン−システイニル 、コナルブミン(オボトランスフェリン)、オバルブミン(卵白アルブミン)な どのアルブミン類やアルブミン誘導体から選ばれるマクロ分子に固定されている 、請求の範囲第10項または第11項に記載の薄膜。 13. 前記酵素がラクテートオキシダーゼであり、競合インヒビタがオキサル アセテート、オキサレート、α−ヒドロキシスルホネート、ビスルファイトまた はフェニルアセテートであり、該競合インヒビタが好ましくは蓚酸塩である、請 求の範囲第10ないし12項のいずれか1項に記載の薄膜。 14. 検査流体の分析物の濃度を測定するための酵素センサに含まれる固定酵 素の酵素活性の安定性を改良する方法であって、前記分析物が該固定酵素に対す る基質であって、前記固定酵素を、該固定酵素に対する競合インヒビタを含む溶 液に断続的にもしくは連続的に曝す工程を含む方法。 15. 前記固定酵素が前記酵素センサの薄膜に含まれている、請求の範囲第1 4項に記載の方法。 16. 前記酵素が、該酵素に対する競合インヒビタを含む溶液に、各測定もし くは実質的に各測定の間に、または、各1連の測定もしくは実質的に各1連の測 定の間に曝される、請求の範囲第14項または第15項に記載の方法。 17. 前記競合インヒビタを含む前記溶液が前記センサに対するすすぎ用流体 である、請求の範囲第第16項に記載の方法。 18. 前記酵素が、グルコース、コレステロール、ラクテート、クレアチン、 クレアチニン、尿素、尿酸、ピルビン酸塩、アルコール類、ビリルビン、アスコ ルビン酸塩、リン酸塩類、タンパク、トリグリセライド、フェニルアラニン、チ ロシンまたはヒポキサンチンから選ばれた物質が基質として作用する酵素から選 択されている、請求の範囲第14ないし17項のいずれか1項に記載の方法。 19. 前記酵素がラクテートオキシダーゼである、請求の範囲第18項に記載 の方法。 20. 前記競合インヒビタがオキサルアセテート、オキサレート、α−ヒドロ キシスルホネート、ビスルファイトまたはフェニルアセテートである、請求の範 囲第19項に記載の薄膜。 21. 前記競合インヒビタが蓚酸塩である、請求の範囲第20項に記載の薄膜 。 22. 酵素に対する競合インヒビタを含む溶液の酵素センサに含まれる固定酵 素の安定化剤としての使用法において、該酵素センサが検査流体中の分析物の濃 度もしくは活性の測定に適合していること、かつ、該分析物が該酵素に対する基 質であることからなる使用法。 23. 前記固定酵素が前記酵素センサの薄膜に含まれている、請求の範囲第2 2項に記載の使用法。 24. 前記酵素が、グルコース、コレステロール、ラクテート、クレアチン、 クレアチニン、尿素、尿酸、ピルビン酸塩、アルコール類、ビリルビン、アスコ ルビン酸塩、リン酸塩類、タンパク、トリグリセライド、フェニルアラニン、チ ロシンまたはヒポキサンチンから選ばれた物質が基質として作用する酵素から選 択されている、請求の範囲第22項または第23項に記載の使用法。 25. 前記酵素がラクテートオキシダーゼであり、前記分析物がラクテートで ある、請求の範囲第24項に記載の使用法。 26. 前記競合インヒビタがオキサルアセテート、オキサレート、α−ヒドロ キシスルホネート、ビスルファイトまたはフェニルアセテートである、請求の範 囲第25項に記載の使用法。 27. 前記競合インヒビタがオキサレートである、請求の範囲第26項に記載 の使用法。 28. 前記競合インヒビタを含む前記溶液が前記酵素センサに対するすすぎ用 流体である、請求の範囲第22ないし27項のいずれか1項に記載の方法。 29. 検査流体中の1つもしくはそれ以上の分析物の濃度もしくは活性を測定 するための装置であって、該装置が、該1つもしくはそれ以上の分析物が基質と なる少なくとも1つの固定酵素層を有する酵素センサと、該装置の操作に必要な 溶液であって、そのうちの少なくとも1つの溶液が該酵素に対する競合インヒビ タを含む溶液を入れた1つもしくはそれ以上の容器と、該センサを該競合インヒ ビタを含む該溶液に断続的に曝す手段とを含む装置。 30. 前記固定酵素が前記酵素センサの薄膜に含まれている、請求の範囲第2 9項に記載の装置。 31. 前記競合インヒビタを含む前記溶液が前記酵素センサに対するすすぎ用 流体である、請求の範囲第29項または第30項に記載の装置。 32. 前記分析物がラクテートであり、前記酵素がラクテートオキシダーゼで あり、前記競合インヒビタが蓚酸塩である、請求の範囲第29ないし31項のい ずれか1項に記載の装置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 検査流体の分析物の濃度もしくは活性を測定するための酵素センサであっ て、該酵素センサが、該分析物が基質となる固定酵素を含む少なくとも1つの酵 素層を有し、該固定酵素が、該酵素と少なくとも1つの形のマクロ分子との間に 1個もしくはそれ以上の共役結合を、該酵素に対する競合インヒビタの存在下で 架橋剤を任意に用いて形成することによって得られるところの酵素センサ。 2. 前記酵素層が前記酵素センサの薄膜に含まれている、請求の範囲第1項に 記載の酵素センサ。 3. 前記酵素が、グルコース、コレステロール、ラクテート、クレアチン、ク レアチニン、尿素、尿酸、ピルビン酸塩(ピルベート)、アルコール類、ビリル ビン、アスコルビン酸塩、リン酸塩類、タンパク、トリグリセライド、フェニル アラニン、チロシン及びヒポキサンチンから選ばれた物質が基質として作用する 酵素から選択される、請求の範囲第1項または第2項に記載の酵素センサ。 4. 前記酵素がラクテートオキシダーゼである、請求の範囲第1ないし3項の いずれか1項に記載の酵素センサ。 5. 前記酵素が、ウシ血清アルブミン、ウシ血清アルブミン−システイニル、 コナルブミン(オボトランスフェリン)、オバルブミン(卵白アルブミン)など のアルブミン類やアルブミン誘導体から選ばれるマクロ分子に固定されている、 請求の範囲第1ないし4項のいずれか1項に記載の酵素センサ。 6. 前記固定酵素の初期比酵素活性が、それに対応する量の非固定酵素の初期 比酵素活性の少なくとも50%である、請求の範囲第1ないし5項のいずれか1 項に記載の酵素センサ。 7. 前記酵素がラクテートオキシダーゼであり、競合インヒビタがオキサルア セテート、オキサレート、α−ヒドロキシスルホネート、ビスルファイトまたは フェニルアセテートである、請求の範囲第1ないし6項のいずれか1項に記載の 酵素センサ。 8. 前記競合インヒビタが蓚酸塩である、請求の範囲第7項に記載の酵素セン サ。 9. 前記固定酵素の初期比酵素活性が、該酵素に対する競合インヒビタの不存 在下で、適用できるのであれば同一種の架橋剤を用いて、同一種のマクロ分子に 固定した酵素の対応量の初期比酵素活性の少なくとも1.5倍である、請求の範 囲第1ないし8項のいずれか1項に記載の酵素センサ。 10. 前記酵素センサが、該分析物が基質となる固定酵素を含む少なくとも1 つの酵素層を有し、該固定酵素の初期比酵素活性が、それに対応する量の非固定 酵素の初期比酵素活性の少なくとも50%である、検査流体の分析物の濃度もし くは活性を測定するための酵素センサ。 11. 前記酵素層が該酵素センサの薄膜に含まれている、請求の範囲第10項 に記載の酵素センサ。 12. 前記酵素が、グルコース、コレステロール、ラクテート、クレアチン、 クレアチニン、尿素、尿酸、ピルビン酸塩、アルコール類、ビリルビン、アスコ ルビン酸塩、リン酸塩類、タンパク、トリグリセライド、フェニルアラニン、チ ロシン及びヒポキサンチンから選ばれた物質が基質として作用する酵素から選択 される、請求の範囲第10項または第11項に記載の酵素センサ。 13. 前記酵素がラクテートオキシダーゼである、請求の範囲第10ないし1 2項のいずれか1項に記載の酵素センサ。 14. 前記酵素が、ウシ血清アルブミン、ウシ血清アルブミン−システイニル )、コナルブミン(オボトランスフェリン)、オバルブミン(卵白アルブミン) などのアルブミン類やアルブミン誘導体から選ばれるマクロ分子に固定されてい る、請求の範囲第10ないし13項のいずれか1項に記載の酵素センサ。 15. 前記固定酵素の初期比酵素活性が、それに対応する量の非固定酵素の初 期比酵素活性の少なくとも60%である、請求の範囲第10ないし14項のいず れか1項に記載の酵素センサ。 16. 検査流体の分析物の濃度もしくは活性を測定するための酵素センサに対 する薄膜であって、該薄膜が、該分析物が基質となる固定酵素を含む少なくとも 1つの酵素層を有し、該固定酵素の初期比酵素活性が、それに対応する量の非固 定酵素の初期比酵素活性の少なくとも50%である、前記薄膜。 17. 前記酵素が、グルコース、コレステロール、ラクテート、クレアチン、 クレアチニン、尿素、尿酸、ピルビン酸塩、アルコール類、ビリルビン、アスコ ルビン酸塩、リン酸塩類、タンパク、トリグリセライド、フェニルアラニン、チ ロシンまたはヒポキサンチンから選ばれた物質が基質として作用する酵素から選 択される、請求の範囲第16項に記載の薄膜。 18. 前記酵素がラクテートオキシダーゼである、請求の範囲第16項または 第17項に記載の薄膜。 19. 前記酵素が、ウシ血清アルブミン、ウシ血清アルブミン−システイニル )、コナルブミン(オボトランスフェリン)、オバルブミン(卵白アルブミン) などのアルブミン類やアルブミン誘導体から選ばれるマクロ分子に固定されてい る、請求の範囲第16ないし18項のいずれか1項に記載の薄膜。 20. 前記固定酵素の初期比酵素活性が、それに対応する量の非固定酵素の初 期比酵素活性の少なくとも60%である、請求の範囲第16ないし19項のいず れか1項に記載の薄膜。 21. 検査流体の分析物の濃度もしくは活性を測定するための酵素センサに対 する薄膜であって、該薄膜が、該分析物が基質となる固定酵素を含む少なくとも 1つの酵素層を有し、該固定酵素が、該酵素と少なくとも1つの形のマクロ分子 との間に1個もしくはそれ以上の共役結合を、該酵素に対する競合インヒビタの 存在下で架橋剤を任意に用いて形成することによって得られるところの前記薄膜 。 22. 前記酵素が、グルコース、コレステロール、ラクテート、クレアチン、 クレアチニン、尿素、尿酸、ピルビン酸塩、アルコール類、ビリルビン、アスコ ルビン酸塩、リン酸塩類、タンパク、トリグリセライド、フェニルアラニン、チ ロシン及びヒポキサンチンから選ばれた物質が基質として作用する酵素から選択 される、請求の範囲第21項に記載の薄膜。 23. 前記酵素がラクテートオキシダーゼである、請求の範囲第21項または 第22項に記載の薄膜。 24. 前記酵素が、ウシ血清アルブミン、ウシ血清アルブミン−システイニル 、コナルブミン(オボトランスフェリン)、オバルブミン(卵白アルブミン)な どのアルブミン類やアルブミン誘導体から選ばれるマクロ分子に固定される、請 求の範囲第21ないし23項のいずれか1項に記載の薄膜。 25. 前記固定酵素の初期比酵素活性が、それに対応する量の非固定酵素の初 期比酵素活性の少なくとも50%である、請求の範囲第21ないし24項のいず れか1項に記載の薄膜。 26. 前記酵素がラクテートオキシダーゼであり、競合インヒビタがオキサル アセテート、オキサレート、α−ヒドロキシスルホネート、ビスルファイトまた はフェニルアセテートである、請求の範囲第21ないし25項のいずれか1項に 記載の薄膜。 27. 前記競合インヒビタが蓚酸塩である、請求の範囲第26項に記載の薄膜 。 28. 前記固定酵素の初期比酵素活性が、該酵素に対する競合インヒビタの不 存在下で、適用できるのであれば同一種の架橋剤を用いて、同一種のマクロ分子 に固定した酵素の対応量の初期比酵素活性の少なくとも1.5倍である、請求の 範囲第21ないし27項のいずれか1項に記載の薄膜。 29. 検査流体の分析物の濃度を測定するための酵素センサに含まれる固定酵 素の酵素活性の安定性を改良する方法であって、該分析物が該酵素に対する基質 であり、前記酵素に対する競合インヒビタを含む溶液に該固定酵素を断続的にも しくは連続的に曝す工程を含む、前記方法。 30. 前記固定酵素が前記酵素センサの薄膜に含まれている、請求の範囲第2 9項に記載の方法。 31. 前記酵素が、前記酵素に対する競合インヒビタを含む溶液に、各測定も しくは実質的に各測定の間に、または、各1連の測定もしくは実質的に各1連の 測定の間に、曝される、請求の範囲第29項または第30項に記載の方法。 32. 前記競合インヒビタを含む該溶液が該センサに対するすすぎ用流体であ る、請求の範囲第31項に記載の方法。 33. 前記酵素が、グルコース、コレステロール、ラクテート、クレアチン、 クレアチニン、尿素、尿酸、ピルビン酸塩、アルコール類、ビリルビン、アスコ ルビン酸塩、リン酸塩類、タンパク、トリグリセライド、フェニルアラニン、チ ロシン及びヒポキサンチンから選ばれた物質が基質として作用する酵素から選択 される、請求の範囲第29ないし32項のいずれか1項に記載の方法。 34. 前記酵素がラクテートオキシダーゼである、請求の範囲第33項に記載 の方法。 35. 前記競合インヒビタがオキサルアセテート、オキサレート、α−ヒドロ キシスルホネート、ビスルファイト及びフェニルアセテートのいずれかである、 請求の範囲第34項に記載の薄膜。 36. 前記競合インヒビタが蓚酸塩である、請求の範囲第35項に記載の薄膜 。 37. 酵素に対する競合インヒビタを含む溶液の酵素センサに含まれる固定酵 素の安定化剤としての使用法において、該酵素センサが検査流体中の分析物の濃 度もしくは活性の測定に適合していること、かつ、該分析物が該酵素の基質であ ることを含む使用法。 38. 前記固定酵素が該酵素センサの薄膜に含まれている、請求の範囲第37 項に記載の使用法。 39. 前記酵素が、グルコース、コレステロール、ラクテート、クレアチン、 クレアチニン、尿素、尿酸、ピルビン酸塩、アルコール類、ビリルビン、アスコ ルビン酸塩、リン酸塩類、タンパク、トリグリセライド、フェニルアラニン、チ ロシン及びヒポキサンチンから選ばれた物質が基質として作用する酵素から選択 される、請求の範囲第37項または第38項に記載の使用法。 40. 前記酵素がラクテートオキシダーゼであり、前記分析物がラクテートで ある、請求の範囲第39項に記載の使用法。 41. 前記競合インヒビタがオキサルアセテート、オキサレート、α−ヒドロ キシスルホネート、ビスルファイト及びフェニルアセテートのいずれかである、 請求の範囲第40項に記載の使用法。 42. 前記競合インヒビタがオキサレートである、請求の範囲第41項に記載 の使用法。 43. 前記競合インヒビタを含む該溶液が前記酵素センサに対するすすぎ用流 体である、請求の範囲第37ないし42項のいずれか1項に記載の方法。 44. 検査流体の1つもしくはそれ以上の分析物の濃度もしくは活性を測定す るための装置であって、該装置が、該1つもしくはそれ以上の分析物が基質とな る少なくとも1つの固定酵素層を有する酵素センサと、該装置の操作に必要な溶 液であって、そのうちの少なくとも1つの溶液が該酵素に対する競合インヒビタ を含む溶液を入れた1つもしくはそれ以上の容器と、該センサを該競合インヒビ タを含む該溶液に断続的に曝す手段とを含む、前記装置。 45. 前記固定酵素が前記酵素センサの薄膜に含まれている、請求の範囲第4 4項に記載の装置。 46. 前記競合インヒビタを含む該溶液が前記酵素センサに対するすすぎ用流 体である、請求の範囲第44項または第45項に記載の装置。 47. 前記分析物がラクテートであり、前記酵素がラクテートオキシダーゼで あり、前記競合インヒビタが蓚酸塩である、請求の範囲第44ないし46項のい ずれか1項に記載の装置。
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