JP2000508550A - 医療用腰仙骨装具 - Google Patents

医療用腰仙骨装具

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Abstract

(57)【要約】 人体の腰仙骨部位に宛がって、仙骨と仙腸関節に乗り掛かるようにした治療用装具。この治療用装具は、基本的には、複数の空気室を有する気嚢体で構成されている。これらの空気室には、気嚢体の長手方向と直交する方向に延在する中央垂直空気室と、この中央垂直空気室の両側にあって、気嚢体の長手端部に向かって中央垂直空気室に対して下方に傾斜する方向に延在する傾斜空気室とが含まれている。隙間空気室も、気嚢体の中央垂直空気室と最内側の傾斜空気室との間に設けられている。気嚢体の互いに反対側の長手端部に長手空気室を設けている。気嚢体における空気室の配列は、これらの空気室が膨らまされると、気嚢体の中央垂直線に向かって内側下方の方向へ作用する力により気嚢体が収縮されるようにしている。この気嚢体は、この気嚢体をベルト形にするか、パンツないし胴シェルに取り付けるかにして、装用者の体に装着することができる。装用者の体に適切に留置すると、内側下方に傾斜して作用する力で、気嚢体が装用者の体から這い上がるのを抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 医療用腰仙骨装具 技術分野 本発明は、医療用腰仙骨(腰上部)装具に関し、詳述すれば、骨格の正常な配 列を維持し、望ましくない筋肉の痙攣と疲労とを軽減するために静的な伸張作用 を与えることにより腰椎部位と仙腸関節部位での苦痛を緩和すべく配置した膨張 自在気室を利用した医療用腰仙骨装具に関する。 発明の背景 背下部位での苦痛はよくある問題で、一般にこの部位における骨構造と靭帯構 造と筋肉構造の物理的及び生理的な障害に起因している。ここでいう背下と背下 部位とは、脊柱の腰部と仙骨部及び仙腸関節の部位を指す。骨構造、靭帯構造、 筋肉構造の三者がこの部位において釣り合っていることは、これらの構造が、相 当の重量物の支えや、持ち上げ、エクササイズ、その他の通常の活動に要する構 造上の支えに担っていることから、非常に大切なことである。 これら骨構造,人体構造,筋肉構造の一部又は全部に外傷による障害を来す、或 いは慢性的に障害を来すと、機能困難症が生じ、その後人体の他の部位において 苦痛をもたらすのが普通である。また、脊椎の何処かに障害が起こると、その近 くにある組織も影響を受け、やがて障害部位又は元の異常部位から離れたところ で機能困難症を起こすこともある。姿勢を正しく保つには、脊椎が正しく整列し ていること、靭帯のバランスがとれていること、過度な或いは望ましくない運動 を控え、筋肉組織のバランスを保ち、それを規則的に動かし、かつ、安定させる ことが必要である。 このような目的は、種々の物理療法で行うことができるが、このために用いる 背下用コルセットとしては、下記の要件を満たす必要がある。(1)通常の脊椎及 び骨盤の湾曲の度合いに合うこと、(2)装用者が動いたときにコルセットが屈曲 したり、望ましくない折曲するのを防ぐためにも、充分な強固さを備えているこ と、(3)普通の動きが制限されることなく自由に行えるほど、適度の弾力性があ ること、(4)最大効果をあげるために治療上の加圧力をあてがう必要のある、解 剖学上及び機能的に関係のある脊椎の部位を充分カバーできること、(5)側椎筋 と骨成分の近傍及び中心においての反力を押さえる、腸骨稜での望ましくない骨 のブリッジ効果を避けるために、骨盤の成形作用が得られること、それに(6)着 心地が一般に充分で、嵩張らず、装用し易いことなどが挙げられる。空気膨張式 装具からなる従来の治療用装具は、これらの要件のうちの一つか、或いは幾つか が欠けている。 米国特許第4,703,750号に医療用腰仙骨装具が開示されており、それを図11 に示す。この装具はベルト形装具として工夫されていて、骨格の正常な配列を維 持し、望ましくない筋肉の痙攣と疲労とを軽減するために静的な伸張作用を与え ることにより腰椎部位と仙腸関節部位での苦痛を緩和させるのに必要な支えと装 着性(form-fitting)を得るのに、膨張自在空気室102〜105を利用している 。装具の両側には非膨張部101が設けられており、空気室を膨らませたり、す ぼませるために空気導管106が設けられている。この従来の装具100におけ る空気室は、腰椎の中間部に乗り掛かって、仙骨まで延在する中心空気室と、腸 骨稜の輪郭に合わせた横方に延在する空気室とからなる。長手方向に延在する空 気室104と弧状の空気室104aも備わっていて、これらの空気室は仙骨に乗 り掛かって、仙腸関節の間であって、腸骨後上棘の直下に横たわるようになって いる。長手空気室104と弧状空気室104aとは、装具100を装用者の体に 留置すると共に、這い上がるのを抑制する作用をなしている。 しかし、この従来の装具100は、長手空気室104と弧状空気室104aと が用いられていることから、特に高さ方向が嵩張っており、そのために、装用感 があまりよくなく、装具の上に衣類を着用する場合にスッキリしないなどの問題 がある。 発明の趣旨 本発明の一般的な目的は、前述した望ましい特性を全て有し、それにより従来 の治療用装具に付随する諸問題点を解消した医療用腰仙骨装具を提供することに ある。 本発明のより具体的な目的は、装用者の体で這い上がる(上昇する)ようなこ ともなく、嵩張るようなこともなく、従って使い易く気持ちよく装着できる医療 用腰仙骨装具を提供することである。 殊に、本発明は、骨格の正常な配列を維持し、望ましくない筋肉の痙攣と疲労 とを軽減するために静的な伸張作用を与えることにより腰椎部位と仙腸関節部位 での苦痛を緩和させるように構成した膨張自在空気室を利用した改良型医療用腰 仙骨装具を提供している。本発明の医療用装具は、装用者の通常の動きを必要以 上制限することなく、これらの機能を奏するようになっている。また、装具は比 較的コンパクトであり、嵩張っていないので、装用者にとっては最適な装用感が 得られる。同様に、装具は使い勝手もよく、装着しやすい。 本発明のもう一つの目的は、ベルト形、又は、パンツないしその他の衣類に取 り付けるとか、或いは、体の問題部位に宛がわれる半硬質のシェルの如くの別の 構造体に取り付けるとかのその他の手段で靭帯に宛がうことのできる形をした斯 かる医療用装具を提供することである。 本発明によれば、本発明の医療用装具は人体の腰仙骨部位に宛がって、仙骨と 仙腸関節に乗り掛かるようになっている。この装具は、長手方向に延在し、第1 及び第2長手端部を有するとともに、長手方向への長さが、仙骨と仙腸関節に乗 り掛かった状態で人体を少なくとも部分的に囲繞するのに充分な気嚢体からなり 、この気嚢体が、前記第1及び第2長手端部に配置した複数の空気室で構成され ている。これらの空気室のうちの少なくとも一つには少なくとも一本の空気供給 路が連結されており、この空気供給路は残りの空気室とも連通している。これら の空気室には、気嚢体の第1長手端部と当該気嚢体の長手方向中間部を通る、長 手軸線と直交する中央垂線との間に長手方向に沿って配置した複数の傾斜した第 1傾斜空気室と、気嚢体の第2長手端部と前記中央垂線との間に長手方向に沿っ て配置した複数の傾斜した第2傾斜空気室とが含まれている。各第1傾斜空気室 は、前記中央垂線と各第1傾斜空気室の長手中心軸線との間に下方に向かって開 き鋭角が形成されるように、前記中央垂線に対して傾斜した方向に延在している 。同様に、各第2傾斜空気室は、前記中央垂線と各第2傾斜空気室の長手中心軸 線との間に下方に向かって開き鋭角が形成されるように、前記垂線に対して傾斜 した方向に延在している。 また、空気室には、前記中央垂線に沿って延在する中央垂直空気室も含まれて おり、前記中央垂線はこの中央垂直空気室の長手中心軸線と一致している。 第1傾斜空気室の長手中心軸線は、中央垂直空気室の長手中心軸線から外側へ と下方に、しかも気嚢体の第1長手端部に向かって傾斜している。また、第2傾 斜空気室の長手中心軸線は、中央垂直空気室の長手中心軸線から外側へと下方に 、しかも気嚢体の第2長手端部に向かって傾斜している。従って、中央垂直空気 室と、第1傾斜空気室の内で最も内側に臨む第1傾斜空気室との間に第1隙間が 形成されているが、この第1隙間は、中央垂直空気室の底端近傍においてその頂 端におけるよりも大きくなっている。同様に、中央垂直空気室と、第2傾斜空気 室の内で最も内側に臨む第2傾斜空気室との間に第2隙間が形成されており、こ の第2隙間は、中央垂直空気室の底端近傍においてその頂端におけるよりも大き くなっている。第1及び第2隙間の下端部に、好ましくは三角形状の第1及び第 2隙間空気室をそれぞれ配置している。 また、好ましくは、全ての第1傾斜空気室の長手中心軸線は互いに平行になっ ているのが望ましく、全ての第2傾斜空気室の長手中心軸線も互いに平行になっ ているのが望ましい。第1傾斜空気室は、気嚢体の第1長手端部へ向かって中央 垂直空気室から離れるに従って長さが順次短くなり、また、第2傾斜空気室も気 嚢体の第2長手端部へ向かって中央垂直空気室から離れるに従って長さが順次短 くなっている。気嚢体の第1及び第2長手端部近傍には、複数の第1及び第2長 手空気室群が設けられている。 これらの空気室は、当該空気室を膨張させると中央垂線に向かって内側下方に 気嚢体を収縮させる手段を構成するように工夫されているとともに、配置されて いる。この機能により、気嚢体が装用者の体から上方へ這い上がるのを防いでい る。 好ましくは、気嚢体は伸縮性が充分低く、充分な形状保持特性を有する材料の 第1層と第2層とで形成して、空気室の膨張したときでの形状が再現できるよう に形成するのが望ましく、その際空気室は第1及び第2層との継ぎ目で区画され る。気嚢体は、ベルトの端片を当該気嚢体の第1及び第2長手端部に取り付けて おいて、そのベルトを締めることにより、或いは、気嚢体をパンツに取り付ける か、人体に少なくとも部分的に宛がわれる半硬質のシェルに取り付けることによ り、人体の取り付けることができる。 図面の簡単な説明 本発明の目的や利点、詳細なことなどについては、添付図面を参照しながらな す本発明の詳細な説明から理解されるであろう。 図1は、治療用ベルトの形で実施した本発明による治療用装具を示す。 図2は、本発明の治療用装具の基本形状を示す概略図である。 図3は、人体の腰仙骨部位に宛がった状態での本発明の治療用装具を示す。 図4は、人体において使用状態にある本発明のベルト形治療用装具を示してい る。 図5は、ベルト形で実施した治療用装具の形を示す斜視図である。 図6は、医用パンツに取り付けた形での本発明の治療用装具の背面図を示す。 図7は、図6に示した治療用装具の前面図を示す。 図8は、本発明による治療用装具を利用した治療用シェルの背面図を示す。 図9は、図8に示したシェルの前面図を示す。 図10は、人体の腰仙骨部位に装着した状態での本発明の治療用装具の使用状 態を概略的に示している。 図11は、人体において使用されている状態での従来の治療用装具を示してい る。 発明の詳細な説明 以後、図1から図10を参照しながら、本発明による治療用装具を詳述するが 、添付図面全体に亙って同一部品に対しては同一符号を用いている。 本発明の治療用装具の基本形は、複数の膨張自在空気室12〜18を備えた気 嚢体10の形である。図3と図10とは、装着すると本発明の気嚢体10が宛が われる人体の解剖学上部位を示している。特に図10において、腰椎Bは正常人 にあっては五個の椎体からなり、互いに隣り合った椎体は、椎間板で隔離されて いる。仙骨Cは、解剖学上癒着した五個の骨片からなる。仙腸関節Dは、(脊柱 に沿って延びる)中央垂線の両側にあって、仙骨と腸骨の関節部を構成している 。腸骨稜Eは、最後方骨突起である腸骨後上棘Fまで延びる腸骨の部分である。 腸 骨稜Eと腸骨後上棘Fとは、従来の治療用装具を処置すべき脊椎と側椎筋肉構造 とから浮き立った状態で保持させてしまう傾向があって、そのために治療上の反 力(therapeutic counter-pressure)を減少させている。 図1から図5、特に図1と図2とにおいて、本発明の治療用装具の気嚢体10 は図1と図2とに示したような形状に成形するのが望ましい、即ち、上縁が僅か だけ上方に凹状となっていて、下縁も前記上縁の湾曲の度合いよりも大きな度合 いで上方に凹状となった形をしているのが望ましい。 この気嚢体10に形成されている空気室12〜18には、気嚢体10の長手方 向と直交する方向に延在する中央垂直空気室12が含まれている。この中央垂直 空気室12は、気嚢体10の長手軸線と直交する中央垂線に沿って形成されてい る。また、この中央垂直空気室12の両側には、傾斜空気室14が形成されてい る。図1と図2とに示すように中央垂直空気室12の左側に臨む傾斜空気室14 を第1傾斜空気室と称するが、これらの第1傾斜空気室14は中央垂直空気室1 2に対して傾斜した方向に延在している。換言すれば、中央垂直空気室12の左 側に臨む各第1傾斜空気室14の長手軸線は、中央垂直空気室12の長手軸線と 気嚢体12の左側に臨む各第1傾斜空気室14の長手軸線との間に鋭角θが形成 されるように、気嚢体10の第1長手端部(図1と図2とにおける左側端部)に 向かって下方外側の方向に中央垂直空気室12の長手軸線に対して傾斜している 。 また、図1と図2とに示すように中央垂直空気室12の右側に臨む傾斜空気室 14を第2傾斜空気室と称するが、これらの第2傾斜空気室14は中央垂直空気 室12に対して傾斜した方向に延在しているものの、中央垂直空気室12の右側 に臨む各第2傾斜空気室14は、気嚢体10の第2長手端部(図1と図2とにお ける右側端部)に向かって下方外側の方向に中央垂直空気室12の長手軸線に対 して傾斜している。本発明の好ましい実施の形態では、中央垂直空気室12の長 手軸線と傾斜空気室14のそれぞれの長手軸線との間がなす鋭角θは、凡そ7〜 16度、好ましくは凡そ11度になっているのが望ましい。 空気室14が空気室12に対して傾斜していることから、空気室12と最内側 の傾斜空気室14aとの間に隙間が形成されており、この隙間は空気室の頂端に おけるよりもその底端近傍が大きくなっている。そして、気嚢体を膨らますとそ の気嚢体が適切に収縮できるようにするために、垂直空気室12とそれぞれの最 内側の傾斜空気室14aとの間のこれらの隙間には第1及び第2隙間空気室16 が形成されている。これらの隙間を適当に満たし、気嚢体が適当に収縮できるよ うにするためには、これらの隙間空気室16としては三角形状であるのが望まし い。 特に、気嚢体10の空気室12〜16が前述のように配列されていることから 、気嚢体10は、当該気嚢体の第1及び第1長手端部からそれぞれ下方内側に傾 斜した方向に収縮することになる。空気室を膨らますと気嚢体10がこのように 収縮することは、気嚢体には、通常、這い上がる傾向があるところ、人体におけ る正しい治療位置に気嚢体を気持ちよく装着できて、その気嚢体がその位置から 上方に這い上がるのを防ぐ上で本発明にとっては必須な特長である。換言すれば 、空気室を膨らますと、気嚢体10の両長手端部からそれぞれ下方内側の方向に 収縮して下方内側に作用する力が当該気嚢体10に生じ、この力の作用により、 気嚢体10が装用者の体から上方に這い上がるのを抑制する一方、気嚢体10を 正しい治療位置に保持するのである。 気嚢体10のそれぞれの長手端部近傍には、気嚢体10の長手軸線にほぼ沿っ て延在する長手空気室18が形成されている。これらの空気室18は、それが膨 らまされると、気嚢体のそれぞれの長手端部を装用者の体の側部の湾曲に馴染ま せることで、正しい治療位置での気嚢体10の保持を更に確実なものとしている 。 図1と図2とに示したように、気嚢体にはそれぞれの空気室12〜18を膨ら ませるために気嚢体に空気を供給するポンプ26が備わっている。図2に明確に 示したように、全ての空気室は連通路27を介して互いに連通しているとともに 、ポンプ26の吐出し口29とも連通している。空気ポンプ26としては、気嚢 体10に空気を吐き出す一方、気嚢体10から空気が逃げないように構成されて いるのであれば、どのようなポンプであってもよい。また、ポンプとしては、空 気の逆流を阻止する逆止弁を有する単なる球形ポンプ(図8に見られる如くのも の)であってもよいが、好ましくはここに本願明細書の一部をなすものとして列 記する米国特許第5,144,708号に開示されている如くの手掌で操作できるポンプ が望ましい。ポンプ26には吸気口28を有しており、気嚢体10を萎ませるに 当たり空気室内の空気圧を逃がすために、気嚢体には圧力リリーフ弁30が設け られている。 気嚢体は、どのような方法でどのような材料で形成することもできるが、二枚 のポリウレタン塗被ナイロンシート10a、10b(図5を参照のこと)を利用 して、当該シートのポリウレタン塗被面を互いに張り合わせて融着線シール20 に沿って融着させることにより作製するのが望ましい。別の方法としては、気嚢 体10の素材としてはプラスチックやナイロン、または、プラスチックとナイロ ンの組合わせであってもよい。また、前述のように二枚のシートを用いる代わり に、成形により気嚢体10を一体形成することもできる。線シールはそれぞれの 空気室12〜18が形成されるように、そしてこれらの空気室12〜18が連通 路27を介して互いに連通する一方、ポンプ26の吐出し口29も残されるよう に、特定のパターンに形成されている。本発明の好ましい実施の形態では、線シ ール20の各末端部は、22を以って示すようにシール部を大きくとってシール 補強部を構成している。また、本発明の好ましい実施の形態では、手掌で操作し 得るポンプ26は、気嚢体10の成形時に当該気嚢体10と一体成形してある。 好ましくは、装用者の手掌によるポンプ26の操作を容易にするために、図1と 図2とに示した下方に張り出したポンプ部26は、凡そ1〜5度、より好ましく は凡そ2度の角度βだけ、気嚢体10の中央に向かって内側方向に中央垂直空気 室12の長手軸線と平行な線に対して傾斜しているのが望ましい。もう一つの参 考点を上げれば、ポンプ部26は、凡そ12〜20℃、より好ましくは16度の 角度γだけ、気嚢体10の長手端に対して傾斜しているのが望ましい。 本発明のもう一つの重要な特長として、気嚢体の素材としては、空気室が長期 にわたり繰り返して膨らまされたり、萎まされたりしても望ましい形を保持でき るように、充分な保形能を有し、伸縮性が小さいのでなければならない。また、 素材としては、空気室を膨らましたときに所期の方向に気嚢体10が収縮できる ほど、伸縮性が充分小さいのでなければならない。 気嚢体10は、この気嚢体が適切に位置決めできる限り、人体の腰仙骨部位に 装着できる。空気室12〜18を膨らましたときに生ずる下方内側に作用する収 縮力が、気嚢体10の適切な位置決めを維持できるよう働いている。装用者の体 の側部に馴染むようにしている長手空気室18も、気嚢体の適切な医療部位での 留置を確実にするように働いている。 本発明の一形態では、気嚢体10は、ベルト端部52を設けることでベルトの 形をしている。これらのベルト端部の素材としてはどのようなものでもよいが、 好ましい実施の形態では、ネオプレンを利用している。これらのベルト端部52 の自由端には、面締結部材54(商標「マジックテープ」)が取り付けられてい て、図4に示したように装用者の体にベルト形装具50が取り付けられるように なっている。これらのベルト端部52は気嚢体10と一体形成してもよいし、ま たは適当な方法で取り付けるようにしてもよい。しかし、ベルト形装具50の好 ましい形態としては、各ベルト端部52を、気嚢体10を構成する二枚のシート 10a、10bの間に、最外の線シール20より長手方向の外側の位置において 挟み込んで取り付けるのが望ましい。この場合、気嚢体の端部における二枚のシ ート10a、10bは、ベルト端部52の対応端を挟んだ状態で縫い付けるか、 またはそのような方法で互いに連結してしまう。また、ベルト端部52としては 、例えば面締結部材、スナップ、ジッパー、或いはその他の取付け部品の如くの 適当な手段を介して気嚢体10の第1及び第2長手端に取外し自在の連結しても よい。 図6と図7とは治療用パンツ形装具60を示しており、このパンツ形装具60 では、気嚢体10は、例えばリクラスパンデックス(Lycra Spandex)の如くの好 ましくはスパッツの如くのパンツ62に取り付けられている。その場合、気嚢体 10は、パンツ62の後ろの外側に取り付けるのが望ましい。気嚢体のパンツ6 2への取付けは、気嚢体10の少なくとも長手端と、パンツ62の対応する位置 とに面締結部材の互いに係合し得る雌雄片を取り付けて、両者を係合することに より行うのが望ましい。また、パンツ62の後部の頂縁近傍に気嚢体用ポケット を設けて、そのポケットに気嚢体10を取外し自在の挿入することにより気嚢体 10がパンツ62に取り付けられるようにすることも考えられる。更に、気嚢体 10は、パンツ62に縫い付けるか、ポケットに封止してしまうか、或いはその 他の方法で取出しができないように取付けることも構わない。図7に示したよう に、パンツ62には面締結部材66が取り付けられているベルト部64が備わっ ていてもよい。本発明のこの好ましい実施の形態では、ベルト部64は気嚢体で はなくて、パンツに取り付けられている。しかし、このベルト部64は気嚢体の 長手端に取り付けられないのでもない。 装用者の体に気嚢体10を部分的に装着するもう一つの方法としては、気嚢体 10を胴シェル(torso shell)に取り付けて、胴シェルごと胴と腰仙骨部位に装 用することが挙げられる。図8と図9とに示すように、胴シェルは、装用者の体 の後部と側部の輪郭とに合わせた後シェル82と、装用者の前部と側部の輪郭に 合わせた前シェル86とで構成するのが望ましい。前及び後シェル82、86は 、それぞれに設けたバックル84、88を介して装用者の体を囲繞した状態で互 いに連結できるようになっている。これらの胴シェル82、88は、面締結部材 やスナップ、ジッパー、その他の取付け部品で装用者の体を囲繞した状態で取付 けることもできる。図8に示した気嚢体10は、この気嚢体10の両長手端と、 後シェル82の対応する位置とに面締結部材の互いに係合し得る雌雄片をそれぞ れ取り付けて、両者を係合することにより、後シェル82の内側に取り付けてい る。言うまでもないことではあるが、気嚢体を胴シェルに取外し自在の取り付け るのにこの他の適当な手段を採ることもでき、また、気嚢体の胴シェルへの取付 けを取り外しができないように行うこともできる。 本発明のこの好ましい実施の形態では、気嚢体10を膨らませるためのポンプ は、気嚢体10に吐き出した空気が逆流するのを防ぐ一方向弁を備えた球形ポン プ96である。気嚢体10には空気室12〜18と連通した状態で吐出し管94 と連結されており、この吐出し管94は更に適当な継ぎ手98を介してポンプ9 6と接続されている。吐出し管94は後シェル82の管穴92を介して延在して いる。この構成によれは、図8と図9とに示した治療用装具の装用者は、胴シェ ルの外部から球形ポンプ96にアクセスすることができる。 ここで開示した手段か、その他の適当な手段で人体の腰仙骨部位に気嚢体10 を宛がい、その後空気室12〜18を膨らませると、個々の空気室から腰仙骨部 位における戦略的治療点に反力が作用する。これにより、一般に負荷の上げ下ろ しや運動による腰仙骨部位での苦痛を、例えば筋肉痙攣やその他のよく発生する 機能不全を阻止することにより緩和することができる。空気室12〜18の膨大 により醸し出される反力は、体を動かしていても姿勢を適当に保つように装用者 に対する余剰力としても役立っている。この反力を醸し出すに当たっての空気室 の特に重要な特長は、この反力が、図4に示したように装用者の脊椎の正常な前 湾曲を保つ上で役立っている点にある。 更に、気嚢体10は、体型ギブス、部分ギブス、ウェットスーツ、フットボー ル用パッド、それのその他のスポーツ用具や、シャツやジャケットの如くのタイ トフィットの衣類などに取り付けて使用することも考えられるところである。 ここまで本発明を好ましい実施の形態について詳述したが、そのような説明と 添付図面とは例示のために挙げたに過ぎない。当業者には本発明のその他の実施 の形態が容易に想到し得るところであり、それも添付の請求の範囲で定めた本発 明に含まれるものとすべきである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.人体の腰仙骨部位に宛がって、仙骨と仙腸関節に乗り掛かるようにした治療 用装具であって、 長手方向に延在し、第1及び第2長手端部を有するとともに、長手方向への長 さが、仙骨と仙腸関節に乗り掛かった状態で人体を少なくとも部分的に囲繞する のに充分にして、前記第1及び第2長手端部に配置した複数の空気室を有する気 嚢体と、 前記空気室の少なくともどれか一つと連なって全ての空気室と連通している少 なくとも一本の空気供給路とからなり、 前記空気室には、気嚢体の第1長手端部と当該気嚢体の長手方向中間部を通る 、長手軸線と直交する中央垂線との間に長手方向に沿って配置した複数の傾斜し た第1傾斜空気室と、気嚢体の第2長手端部と前記中央垂線との間に長手方向に 沿って配置した複数の傾斜した第2傾斜空気室とが含まれおり、 各第1傾斜空気室は、前記中央垂線と各第1傾斜空気室の長手中心軸線との間 に下方に向かって開き鋭角が形成されるように、前記中央垂線に対して傾斜した 方向に延在している一方、 各第2傾斜空気室は、前記中央垂線と各第2傾斜空気室の長手中心軸線との間 に下方に向かって開き鋭角が形成されるように、前記垂線に対して傾斜した方向 に延在してなる治療用装具。 2.請求項1に記載のものであって、 前記空気室には、前記中央垂線に沿って延在する中央垂直空気室も含まれてお り、前記中央垂線はこの中央垂直空気室の長手中心軸線と一致してなる治療用装 具。 3.請求項2に記載のものであって、 第1傾斜空気室の長手中心軸線は、中央垂直空気室の長手中心軸線から外側へ と下方に、しかも気嚢体の第1長手端部に向かって傾斜しており、他方では、第 2傾斜空気室の長手中心軸線は、中央垂直空気室の長手中心軸線から外側へと下 方に、しかも気嚢体の第2長手端部に向かって傾斜しており、而して、中央垂直 空気室と、第1傾斜空気室の内で最内側に臨む第1傾斜空気室との間に第1隙間 が形成されおり、この第1隙間は、中央垂直空気室の底端近傍においてその頂端 におけるよりも大きくなっている一方、中央垂直空気室と、第2傾斜空気室の内 で最内側に臨む第2傾斜空気室との間に第2隙間が形成されており、この第2隙 間は、中央垂直空気室の底端近傍においてその頂端におけるよりも大きくなって いる治療用装具。 4.請求項3に記載のものであって、 前記空気室には、前記第1隙間の下端部に形成した第1隙間空気室と、前記第 2隙間の下端部に形成した第2隙間空気室と含んでおり、前記第1及び第1隙間 空気室のそれぞれの長さは、前記中央垂直空気室と前記第1及び第2傾斜空気室 のそれぞれの最内側の傾斜空気室よりも短いことよりなる治療用装具。 5.請求項4に記載のものであって、 前記第1及び第2隙間空気室はそれぞれほぼ三角形状になっている治療用装具 。 6.請求項1に記載のものであって、 第1傾斜空気室の長手中心軸線は、中央垂線から外側へと下方に、しかも気嚢 体の第1長手端部に向かって傾斜している一方、第2傾斜空気室の長手中心軸線 は、中央垂線から外側へと下方に、しかも気嚢体の第2長手端部に向かって傾斜 しており、而して、第1傾斜空気室の内で最内側に臨む第1傾斜空気室と第2傾 斜空気室の内で最内側に臨む第2傾斜空気室との間における隙間が、前記最内側 の第1及び第2傾斜空気室のそれぞれの底端において、その頂端におけるよりも 大きく広がってなる治療用装具。 7.請求項6に記載のものであって、 前記空気室には、前記隙間の下部に形成した少なくとも一つの隙間空気室を含 んでおり、この少なくとも一つの隙間空気室の長さが、前記最内側の第1及び第 2傾斜空気室のそれよりも短いことよりなる治療用装具。 8.請求項1に記載のものであって、 第1傾斜空気室の長手中心軸線は、中央垂線から外側へと下方に、しかも気嚢 体の第1長手端部に向かって傾斜している一方、第2傾斜空気室の長手中心軸線 は、中央垂線から外側へと下方に、しかも気嚢体の第2長手端部に向かって傾斜 していることよりなる治療用装具。 9.請求項1に記載のものであって、 全ての第1傾斜空気室の長手中心軸線は互いに平行になっていると共に、 全ての第2傾斜空気室の長手中心軸線も互いに平行になっていることよりなる 治療用装具。 10.請求項1に記載のものであって、 前記第1傾斜空気室は、気嚢体の第1長手端部へ向かって中央垂直空気室から 離れるに従って長さが順次短くなり、 また、前記第2傾斜空気室も気嚢体の第2長手端部へ向かって中央垂直空気室 から離れるに従って長さが順次短くなっていることよりなる治療用装具。 11.請求項1に記載のものであって、 前記空気室には、前記気嚢体のほぼ長手方向に沿って延在し、前記第1 傾斜空気室と前記気嚢体の前記第1長手端部との間に配置した複数の第1長手空 気室と、前記気嚢体のほぼ長手方向に沿って延在し、前記第2傾斜空気室と前記 気嚢体の前記第2長手端部との間に配置した複数の第2長手空気室をも含んでな る治療用装具。 12.請求項1に記載のものであって、 前記空気室が、当該空気室を膨らませると前記気嚢体の長手寸法を収縮する手 段を構成してなる治療用装具。 13.請求項1に記載のものであって、 前記空気室が、当該空気室を膨らませると前記気嚢体を前記中央垂線に向かっ て内側下方に収縮する手段を構成してなる治療用装具。 14.請求項1に記載のものであって、 前記気嚢体の長手軸線は上方に凹状になった曲線よりなる治療用装具. 15.請求項1に記載のものであって、 前記気嚢体は、前記空気室の膨らませた形状を正確に再現し得るほど充分な保 形能を有する材料からなる第1層と第2層とで構成されており、前記空気室はこ れら第1及び第2層との連結部で互いに区画されてなる治療用装具。 16.請求項1に記載のものであって、 人体の仙骨と仙腸関節とに乗り掛かるべく前記気嚢体を人体に装着する手段と を更に備えてなる治療用装具。 17.請求項1に記載のものであって、 前記気嚢体の第1及び第1長手端部にそれぞれに取り付けたベルト端部と、該 ベルト端部に取り付けた相互係合自在締結部材とを更に設け、これにより前記気 嚢体と前記ベルト端部とが治療用ベルトを構成してなる治療用装具。 18.請求項1に記載のものであって、 前記少なくとも一つの空気供給路と接続した空気ポンプを更に設けてなる治療 用装具。 19.請求項18に記載のものであって、 前記空気ポンプが、前記気嚢体の第1及び第2長手端部のどれかに一体的に取 り付けられて、気嚢体の前記中央垂線に向かって僅かだけ長手方向に内側に傾斜 した方向へと下方に張り出してなる治療用装具。 20.請求項1に記載のものであって、 パンツと、 前記パンツを人体に着せたときに前記気嚢体が仙骨と仙腸関節とに乗り掛かる ように前記気嚢体を前記パンツに取り付ける手段とを更に設けてなる治療用装具 。 21.請求項1に記載のものであって、 少なくとも人体の一部に取り付けられるようにした半硬質シェルと、 該シェルを人体に装身すると前記気嚢体が仙骨と仙腸関節に乗り掛かるように 、前記気嚢体を前記半硬質シェルに取り付ける手段とを設けてなる治療用装具。 22.人体の腰仙骨部位に宛がって、仙骨と仙腸関節に乗り掛かるようにした治 療用装具であって、 長手方向に延在し、第1及び第2長手端部と、該第1及び第2長手端部との間 をほぼ長手方向に延在する、仙骨と仙腸関節に乗り掛かった状態で人体を少なく とも部分的に囲繞させると前記気嚢体の上縁と下縁とからなる縁部とを有する気 嚢体からなり、 前記気嚢体は、当該気嚢体の前記第1及び第2長手端部の間及び前記上縁と下 縁との間に配置した複数の空気室を有しており、 少なくとも一本の空気供給路が前記空気室の少なくともどれか一つと連なって 全ての空気室と連通して設けられており、 前記空気室が、当該空気室を膨らませると前記気嚢体を前記気嚢体の前記第1 及び第2長手端部から内側下方に収縮する手段を構成してなる治療用装具。 23.人体の腰仙骨部位に宛がって、仙骨と仙腸関節に乗り掛かるようにした治 療用装具であって、 長手方向に延在し、第1及び第2長手端部とを有し、前記長手方向へのその長 さが、仙骨と仙腸関節に乗り掛かった状態で人体を少なくとも部分的に囲繞させ るのに充分であり、前記第1及び第1長手端部の間に複数の空気室を備えてなる 気嚢体と、 前記空気室の少なくともどれか一つと連なって全ての空気室と連通して設けら れた少なくとも一本の空気供給路と、 パンツと、 前記パンツを人体に着せたときに前記気嚢体が仙骨と仙腸関節とに乗り掛かる ように前記気嚢体を前記パンツに取り付ける手段とからなる治療用装具。 24.人体の腰仙骨部位に宛がって、仙骨と仙腸関節に乗り掛かるようにした治 療用装具であって、 長手方向に延在し、第1及び第2長手端部とを有し、前記長手方向へのその長 さが、仙骨と仙腸関節に乗り掛かった状態で人体を少なくとも部分的に囲繞させ るのに充分であり、前記第1及び第1長手端部の間に複数の空気室を備えてなる 気嚢体と、 前記空気室の少なくともどれか一つと連なって全ての空気室と連通して設けら れた少なくとも一本の空気供給路と、 人体の少なくとも一部を囲繞するようにした半硬質のシェルと、 前記シェルを人体に装着したときに前記気嚢体が仙骨と仙腸関節とに乗り掛か るように前記気嚢体を前記シェルに取り付ける手段とからなる治療用装具。 25.人体の腰仙骨部位に宛がって、仙骨と仙腸関節に乗り掛かるようにした治 療用装具であって、 長手方向に延在し、第1及び第2長手端部とを有し、前記長手方向へのその長 さが、仙骨と仙腸関節に乗り掛かった状態で人体を少なくとも部分的に囲繞させ るのに充分であり、前記第1及び第1長手端部の間に複数の空気室を備えてなる 気嚢体と、 前記空気室の少なくともどれか一つと連なって全ての空気室と連通して設けら れた少なくとも一本の空気供給路と、 前記空気供給路と接続した空気ポンプとからなり、 前記空気ポンプが、前記気嚢体の第1及び第2長手端部のどれかに一体的に取 り付けられて、気嚢体の前記中央垂線に向かって僅かだけ長手方向に内側に傾斜 した方向へと下方に張り出してなる治療用装具。
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