JP2000509169A - 眼用フィルタ材料 - Google Patents

眼用フィルタ材料

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ジェイ カーコ,デイヴィッド
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Abstract

(57)【要約】 暗所透過率(YS)よりも高い明所透過率(YP)を有し、YP:YS比が2.0〜4.0の範囲内にあり、主波長が580〜605nmの範囲内にあり、かつ色純度が60〜75%である眼用フィルタ材料であって、これにより該材料を通って知覚される色彩が、眺められる景色の色彩に近くなる。フォトクロミックレンズを、ガラスの表面に上記列挙された特性を与えるのに十分な時間と温度において、かつ流動する水素に相当する還元性雰囲気中において加熱することからなる、あるいは着色可能なプラスチック物品を、該物品の表面に上記列挙された特性を与えるのに十分な時間染料溶液中に浸すことからなるフィルタ材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】 眼用フィルタ材料 本願は、1996年4月29日付け速達で郵送された、トーマス・ジー・ヘブ ンス(Thomas G.Havens)、デービッド・ジェー・カーコ(David J.Kerko)およ びブレント・エム・ウェッディング(Brent M.Wedding)による「保護用フィル タレンズ」と題する米国仮出願第60/016475号の権利を主張するもので ある。 発明の属する技術分野 本発明の技術分野は眼用フィルタ材料であり、特に、強い太陽光線の影響から 眼を保護するように設計されたレンズである。 発明の背景 本発明は眼用フィルタ材料に関するものである。これらの材料は、スペクトル の可視領域および近可視領域内の輻射線を選択的に透過させる。本発明の材料は 、第一に眼用レンズを透過する太陽光線の透過率の制御に関連する。 本発明は、フォトクロミックガラスレンズを用いて開発された。しかしながら 、フォトクロミックガラスは、安全性および/または重さの点で、ある種の目的 に対しては適していない。幸いにも本発明はまた、着色可能なプラスチック材料 にも適用可能である。本発明はまた、バイザおよびシールドにも適用可能である 。 本発明は、フォトクロミックガラスレンズを用いて開発され、主としてそのよ うに記載されている。しかしながら、本発明はそれに限定されるものではなく、 着色可能なプラスチック材料にも実施可能である。したがって、その実施例も記 載されている。 商業的に重要なフォトクロミックガラスのすべては、沈降微結晶塩化銀相を含 む。光にさらされるとガラスが可逆的に暗色化する原因はこの相にあると考えら れている。米国特許第3208860号(アーミステッド外)には、このガラス 族が記載されている。 上記特許には、概して珪酸塩ベースのガラスが記載されている。好ましい組成 物は、アルカリ金属酸化物Al23−B23−SiO2系内に含まれている。し たがって、酸化物成分の重量%で表される好ましい基本的組成は、4〜26%の Al23と、4〜26%のB23と、40〜76%のSiO2とから実質的にな り、さらに、2〜8%のLi2Oと、4〜15%のNa2Oと、6〜20%のK2 Oと、8〜25%のRb2Oと、10〜30%のCs2Oとのグループから選ばれ たR2Oを含み、基本的ガラス成分の総和は全組成の少なくとも85%を構成す る。上記特許はさらに、SnO,FeO,CuO,As23およびSb23のよ うな、ガラスのフォトクロミック特性を改善する少量の低温還元剤の効果を認め ている。好ましいフォトクロミック反応をガラスに与えるために、塩化銀がガラ ス内に存在する。 それに続く研究により、より速く暗色化し、および/または退色する応答を示 す多くのフォトクロミックガラスの特定の一族が開発された。例えば米国特許第 4190451号(ヘヤーズ外)には、最近開発されたこの形式のフォトクロミ ックガラスが記載されている。上記特許に記載されたガラスは、重量%で約0〜 2.5%のLi2Oと、0〜9%のNa2Oと、0〜17%のK2Oと、0〜6% のCs2Oと、8〜20%ののLi2O+Na2O+K2O+Cs2Oと、14〜2 3%のB23と、5〜25%のAl23と、0〜25%のP25と、10〜65 %のSiO2と、0.004〜0.02%のCuOと、0.15〜0.3%のA gと、0.1〜0.25%のClと、0.1〜0.2%のBrとから実質的にな り、ここでアルカリ金属酸化物対B23のモル比は約0.55〜0.85の範囲 であり、Ag:(Cl+Br)の重量比は約0.65〜0.95の範囲である。 このガラスはまた、0〜6%のZrO2と、0〜3%のTiO2と、0〜0.5% のPbOと、0〜7%のBaOと、0〜4%のCaOと、0〜3%のMgOと、 0〜6%のNb25と、0〜4%のLa23と、0〜2%のFと特別に言及され る全体で約10%を超える随意的成分を含むことも可能である。また、全体で1 %を超える遷移金属酸化物着色剤および/または全体で5%を超える稀土類金属 酸化物着色剤も、ガラスのフォトクロミック反応に悪影響を与えることなしに含 有させることができる。 米国特許第4284686号(ウェッディング)には、ある種の眼の疾患およ び/または視力欠陥が、強い太陽光によって発生ないしは悪化することが詳細に 述べられている。上記特許では、可視スペクトルの短い端における、すなわち約 400〜550ナノメートル(nm)の波長における輻射線が、ある患者にとって 大きな問題を生じさせるように思われることに注目している。 上記特許では、眼が2種類の異なる光受容体、つまり錐状体と桿状体とを備え ていることを観察している。上記錐状体は明るい光での視度(明視)を司る受容 体からなり、上記桿状体は低照度下での視度(暗視)を司る受容体からなる。 上記錐状体は、概して網膜の中央部に位置し、より大きい数および領域を占め る。これらは、おそらく互いに独立的に大きく動作するために、細かな細部を認 識することができる。またこれら錐状体は、色覚を司ることができ、すなわち、 色相および彩度を認識することができる。明るい光の下において、眼は約555 nmにおける輻射線に対し最高の感度を示す。 上記桿状体は、概して網膜の周辺部に位置し、網膜の中央部には、もしあった としても、少ししか見当たらない。上記桿状体は、色彩を識別できず、灰色の度 合のみしか識別できない。桿状体の最高波長感度は510nm付近にある。 矯正的基準として、上記ウェッディングの特許は、着色された表面層を生成す るように処理されたフォトクロミックガラスを提供する。上記着色された表面層 は、440〜550nmの範囲に選択された遮断波長よりも短い波長を有する輻射 線に対してゼロに近い透過度を示す。そのフォトクロミック特性は、同じ眼鏡を 屋内でも戸外でも使用することを可能にする。上記着色層を生成させるために、 上記フォトクロミックガラスは水素のような還元性雰囲気内で加熱される。この 処理は350〜520℃の範囲の温度で12時間行なわれる。 上記特許の教示に基づいて開発された市販のレンズは、強い太陽光に対して著 しく敏感な患者にとって極めて有用なことが判明した。しかしながら、このレン ズは一般に黄色からオレンジ色に及ぶ色を有する。美容上の見地からすれば、こ の点は多くの潜在的ユーザにとって全く魅力がないと考えられる。 代替品として染料をしみ込ませたプラスチックレンズも開発された。それらは 、ある波長より低い全ての光を吸収するように指定されているので、しばしば「 ブロッカー」と呼ばれる。このブロッカーレンズの主たる問題は、スペクトルの 一 部の全吸収によって色知覚を著しく歪めることである。このことは、表面を着色 されたガラスレンズにもある程度発生する可能性がある。 米国特許第5381193号(ウェッディング)には、明所透過率(YP)が 暗所透過率(YS)よりも2倍以上高い眼用フィルタレンズが記載されている。 このフィルタレンズは、580〜605nmの範囲内の主波長と75〜85%の範 囲の色純度とを有する。これによって、このレンズを通して受け取られる色は、 眼に見える景色の色彩から多少なりとも歪められている。一つの実施の形態にお けるレンズは、少なくとも一方の表面に着色が施されたフォトクロミックガラス で構成されている。 眼用レンズは、暗視問題への対処を教示する特許に基づいて開発された。これ らレンズは、砂漠で遭遇するような強い太陽光に長い間さらされた後の暗視能力 の回復を促進すべく設計された。 したがって、これらレンズは、通常の条件下で明るい太陽光に対して高い感度 を経験し始める人による使用についてテストされた。暗視のためには好ましい実 施の形態は、色が消失した状態でもオリーブグリーン色の外観を呈していること によって批判された。一方、特許第5381193号のレンズは、特許第428 4686号のレンズに比較して、改良された色知覚特性を有するように設計され 、より少ない色歪みに対する要望が延べられている。 本発明の基本的な目的は、これらの批判を満足させる眼用フィルタレンズを提 供することにある。特別な目的は、戸外での使用のために設計されたフォトクロ ミックフィルタレンズを提供することにある。他の目的は、改良された美容上の 感覚的魅力を備えたフィルタレンズを提供することにある。さらに他の目的は、 ウェッディングの特許第4284686号の教示するところに従って開発された 保護レンズの特徴を複合したフィルタレンズを提供することにある。他の目的は 、発明のフィルタ効果を二焦点レンズに提供することにある。 発明の開示 本発明の1つの態様は、明所透過率(YP)が暗所透過率(YS)よりも大きく 、YP:YS比が2.0〜4.0の範囲内にあり、主波長が580〜605nmの範 囲内にあり、かつ60〜75%の色純度を備えた眼保護用フィルタ材料であ り、これによって、この材料を透過した色彩は、目に見える景色の色彩に近くな る。 本発明の他の態様は、請求の範囲第1項のフィルタ材料の製造方法であり、特 に、ガラスの表面に上述した特性を与えるのに十分な時間と温度においてフォト クロミックガラスレンズを流動する水素雰囲気に相当する還元性雰囲気内で加熱 することからなる方法である。 先行技術 前述した米国特許が最も適切な先行技術を示すものと考えられる。 図面の簡単な説明 第1図は明所視および暗所視に対する相対的波長応答を示すグラフである。 第2図は本発明の実施の形態の色度軌跡および特性範囲を示す混色図である。 第3図は典型的なレンズのスペクトル透過率値を表すグラフである。 第4図は本発明をプラスチック材料に適用した場合を示す、第2図に類似した 混色図である。 発明の好ましい実施の形態 本発明は、本質的にウェッディング(Wedding)の米国特許第5381193 号に記載された眼用製品の一部を改良したものである。上記製品は、主として暗 視能力の回復を促進するように設計されている。特に、本発明の製品は、暗視製 品の望ましい特徴を選択するように設計されていながら、従来の製品の美容上の 、かつ色知覚性に対する批判を満足させるものである。 本発明はまた、ウェッディング(Wedding)の米国特許第4284686号に 記載されたような眼用医療製品に関する考慮がなされている。したがって、本発 明は、明るい太陽光の眩しさに対して軽いまたは最初から過敏性を有する人々が 戸外で用いるためのフィルタレンズを提供するものである。このフィルタレンズ は、上記特許第4284686号に基づく市販ガラスの特徴を備えながら、これ らガラスの好ましくない色を著しく改良したものである。 したがって、ウェッディングの各特許の開示内容の全容をここに引用する。 米国特許第4284686号に基づいて3種類の市販レンズが開発された。こ れらは、CPF(登録商標)511,527および550レンズと名付けられて いる。これら番号は、それ以下でガラスが強いスペクトル減衰を示す波長に関係 する。したがって、511番と名付けられたガラスレンズは、暗色化されていな い状態で、511nm以下の波長の光はほんの僅かしか透過せず、それより長い波 長で急激に透過率が増大する。 下記の表Iは、5種類のレンズ製品の特性データを示すものである。上方に記 載された3種類の市販レンズに加えて、データには2種類のレンズが追加されて いる。これらのうちの1つは、550レンズの特別に暗色化された型であり、他 のものは、本発明によるレンズである。このレンズはGの名称で識別される。 表Iにおいては、完全に色の消えた厚さ2mmのレンズに関する透過率データで ある。明所透過率(YP)および暗所透過率(YS)の値、ならびにYP:YS比は 、これらの見出しの下に示されている。 表 I 製品 P S P:YS 511 44.5 12.2 3.6 527 32.4 6.1 5.3 550 19.6 2.2 8.9 550−XD 8.8 1.1 8.0 G 17.8 6.2 2.9 本発明のレンズ(G)の明所透過率は550レンズのそれに類似していること が観察される。しかしながら、このレンズの色は、550レンズが明るいオレン ジ色であるのに対して赤褐色である。これは美容上、より容認され易いことが判 明している。 Gレンズの暗所透過率は、光に対して過度な過敏性を有する患者によって多く 選ばれる527レンズのそれに類似している。しかしながら、527レンズの透 過率値は、YP:YS比が5.3であることから著しく高い。また、527レンズ の色は、550レンズの色よりも多くの人に好まれると考えられるが、他の人に とっては依然として異議のあるところである。 511レンズは比較的低いYP:YS比を有する。しかし、透過率値は、本発明 のレンズの使用目的に対して望ましい値よりも著しく高い。 Gレンズは、従来の保護レンズの多くの望ましい特徴のそれぞれをを併せ備え ていること明らかである。Gレンズは、美容上、より容認し易い保護レンズの特 徴を併せ備えている。この新しいレンズは、主として、戸外で使用するための暗 色化されたレンズを必要とする患者のために設計されたものである。 本発明の材料の重要な特徴は、明所透過率と暗所透過率との比(YP:YS)の 値にある。今問題になっている目的に対しては、我々はこの比が2:1と4:1 との間、好ましくは2.5:1〜3.5:1である。これらの比を実現するレン ズは、60〜75%の色純度と、580〜605nmの主波長を有して、強い太陽 光に過敏な人を巧みに保護することが判明している。同時に、美容上の効果と、 より自然な色知覚とが得られる。 添付図面のうちの第2図は、本発明の特性範囲を示す混色図である。x座標は 水平軸に沿ってプロットされ、y座標は垂直軸に沿ってプロットされている。デ ータは発光体Cと1931 CIE標準観測者とを用いて計算された。58Onm と605nmとの間の主波長ラインは5nm毎に示されている。60%と75%との 間のスペクトル純度範囲は5%間隔で示されている。本発明が有効な領域は多角 形ABCDで区画されている。 このフィルタ材料はまた、製造の見地からも優れた利点を有する。米国特許第 4284686号に基づく医療用保護レンズは、実際に約400℃で20〜44 時間もの非常に長い焼成時間を要する。このような長い焼成時間は、ユーザーが 敏感に感じる化学線の適切なフィルタ作用を得るために必要であった。必然的に 、還元された表面は、ガラスのフォトクロミック能力が太陽光の中で不十分に励 起される程度にしか化学線を吸収しない。レンズをフロントサイド処理(front- side)すること、すなわち、ガラスのフォトクロミック能力を励起させる輻射線 の入射を許容すべく、焼成されたレンズの還元された前面を除去することが必要 なことが判明した。勿論、このフロントサイド処理は不経済であり、かつ時間を 要する。また、元素の吸収効果のすべてが一方の表面に発生する場合に、裏面は かなり長い焼成時間を必要とする。 本発明のレンズは、前面を通ってガラス内にフォトクロミック反応を励起させ るのに十分な化学線を通過させる。このことにより、平行平面レンズ、二焦点レ ンズおよび単焦点レンズにおけるフロントサイド処理が不要になる。 多焦点レンズにおいては、セグメントおよびクラウンガラスの異なるフォトク ロミック反応のために、このようなレンズのフロントサイド処理がなおも必要で あると思われている。しかしながら、このことは、二焦点レンズの発達によって 徐々に相殺されている。最初に、この形式のレンズは、望ましいフィルタ効果を 与えるために効果的に処理することができる。以前は、レンズのフロントサイド 処理が必要なために二焦点効果が破壊された。フロントサイド処理の必要性を排 除した本発明のレンズは、二焦点レンズの使用を可能にし、本発明の応用範囲を 著しく拡大した。 このレンズの製造に際しては、時間・温度サイクルを綿密に制御しなければな らない。一般に、単焦点レンズは、水素中で焼成するのに相当する還元性雰囲気 中で430〜400℃で3分から3時間に亘り焼成される。約415℃で90分 間焼成するのが好ましい。多焦点レンズを低い温度で焼成するときには、5時間 を超える長い時間が必要であろう。 このレンズは、注意深く制御された焼成スケジュールを必要とするのみならず 、永久的に着色されたフォトクロミックガラスを必要とする。これらガラスを、 米国特許第4358542号(ヘヤーズ外)および第4390635号(モーガ ン)に開示された内容に従って、ガラス組成物に対する0.1〜1.0%の酸化 コバルトおよび酸化ニッケルの添加により永久的に着色することが好ましい。こ れら特許の教示内容の全容をここに引用する。 我々のレンズを開発するに際して、コーニング・コード8135によって指定 されたガラスを用いた。このガラスは下記の組成を有する。 SiO2 56.4 ZrO2 5.0 B23 18.1 Ag 0.24 Al23 6.2 CuO 0.0057 Li2O 1.8 Cl 0.215 Na2O 4.1 Br 0.16 K2O 5.7 CoO 0.082 TiO2 1.9 NiO 0.144 本発明は、フォトクロミックガラス、眼用フィルタレンズに関して述べてきた 。これらは、一様でかつ綿密に制御された特性を備えた製品を製造する能力を有 することから好ましい実施の態様である。しかしながら、冒頭にも述べたように 、本発明は、着色可能なプラスチック材料を用いても実施可能である。これらは 、ヘルメットのバイザおよび軽量プラスチックレンズに適用される。 我々が発明したフィルタレンズの素晴らしい特徴は、ポリカーボネート光学プ ラスチックの適切な着色によって範囲を広げることが可能である。着色のために ポリカーボネート材料には、紫外線でキュアされた着色可能なコーティングが施 されて、染料を吸収することは周知である。 実施例 厚さ2mmの平行平板レンズを、上記組成を有するフォトクロミックガラスの圧 延素材から調製した。レンズサンプルを、流動する水素雰囲気中において、数種 類の温度・時間レベルを伴うマトリクス実験で熱処理した。これらレンズを、観 測者委員会によって評価し、好ましい3個のサンプルを認定した。これらサンプ ルの処理および特性パラメータが、下記の表IIに示されている。透過率の値はガ ラスの色が褪せた状態で測定した。 表 II サンプル 温度 時間 P S P:YS 1 425℃ 45分 23.4 9.9 2.4 2 414 90 17.8 6.2 2.9 3 405 150 12.4 3.7 3.4 サンプル1は、好ましいイエローブラウンの外観を有する。このレンズを通し て見た景色の色は、極めて自然であると判定された。透過率値は意図された眩し い光に敏感な母集団にとって望ましい値よりも高い。 サンプル2は、好ましい茶褐色の外観を有する。このレンズを通して見た景色 の色は、自然で暖かいと判定された。明所透過率値および暗所透過率値は好まし い範囲内にある。 サンプル3は、暗赤色の外観を有する。景色の色は紫がかった配色である。こ のレンズの透過率は望ましい値よりも低い。 上記3個のレンズサンプルが第2図にプロットされている。点に付された番号 はサンプル番号である。サンプル2は本発明の最良形態を表す。好ましい色純度 の範囲は60〜75%であり、主波長は590〜595nmである。 第3図は、スペクトル透過率値を表すグラフである。nmで表される波長は水平 軸に沿ってプロットされ、透過率値(%)は垂直軸に沿ってプロットされている 。第3図には、色の褪せた状態における3個のサンプルレンズの軌跡が示されて いる。軌跡に付されたインデクス番号は、表IIにおけるサンプル番号に対応する 。 次に、本発明によって製造されたプラスチックフィルタ材料に関する実施の形 態について述べる。 着色染料は、ワシントン州ベリンガム所在のシーグリーン社(SeeGreen Compa ny)によって提供された3種類の染料を用いて作成した。染料は、(1)サハラブ ラウン、(2)黄色、(3)ピンク色によって識別された。後述のように、サハラブ ラウン染料を用いて、本発明の限定的な特性を備えた着色されたプラスチック本 体を製造することができた。黄色およびピンクの染料は単体では効果を生じなか った。しかしながら、上記茶色染料と混合すると、第2図および第4図のカラー ボックス内部に入る修正された色が生成された。 使用する染料は、1部の染料と7部の水からなる推奨された処方せんを用いて 脱イオン水と混合することによって調製した。染料溶液を熱板上の硼珪酸塩ガラ ス容器内で磁気的に撹拌しながら約99℃の温度に加熱した。 試験片をポリカーボネート眼用レンズから切り出した。これらレンズは、レン ズ上に施された、紫外線でキュアされた傷に強い着色可能なコーティングを備え ていた。これは、ミネソタ州55490、ブルックリンセンター、6820シン グル・クリーク・パークウェイ所在のウルトラオプティック社(UltraOptic)か ら得られる、UOGミニ・コーティング・システムに用いられるUV/Xと呼ば れる傷に強い着色可能な市販のコーティングであった。 各試験片を所定時間染料溶液中に浸した。各サンプルについてスペクトル透過 率を測定した。これらの値から、1931 CIE標準観測者および発光体Cを 伴う重みづけられた縦座標方を用いて三刺激値および色度座標を計算した。茶色 シリーズのデータは、視感(明所)透過率YP値および色度座標(x,y)を表 す表IIIに示されている。 表 III 溶液中の時間 P 1分 40.7 .3825 .3544 2分 28.2 .4140 .3646 3分 24.2 .4281 .3691 5分 15.3 .4644 .3710 8分 12.5 .4803 .3717 12分 9.1 .5027 .3743 第4図は、第2図に示されたものと同様の混色図である。第2図と同様に、第 4図においては、x座標が水平軸上にプロットされ、y座標が垂直軸上にプロッ トされている。第2図のカラーボックスABCDは第4図に移されている。 茶色染料が染み込んだ試験片に関する表IIIのデータは第4図にプロットされ ている。プロットされた点は、B1によって識別される色度軌跡を形成している 。8分間および12分間茶色染料中に浸された試験片の測定によって、これらが 本発明を規定するカラーボックス(ABCD)内に入ることが観察された。予想 されるように、浸漬時間が長くなると、色がより飽和し、視感透過率がより低く なる。 第4図はまた、黄色およびピンク色の染料溶液に異なる時間浸した試験片に基 づく色度軌跡を示す。黄色の染料サンプルに関する軌跡はYで識別され、ピンク 色の染料サンプルに関する軌跡はPで識別されている。これらの軌跡は、実質的 にカラーボックスABCDの外にある。一方、これら染料は、それ自体は有用で ないが、下記のように、溶液中で茶色染料と混合されると有用である。 良く知られているように、正反対の原色の組は、青と黄、赤と緑である。すな わち、色をより黄色っぽくするには、可視スペクトルの青部分における伝達され た(または反射された)光の強さを弱めればよい。同様に、他の色、例えば緑色 は、スペクトルの赤部分における伝達されたまたは反射された光の強さを弱める ことによって強調される。 茶色染料が染み込んだサンプルは、520nmよりも短い波長において比較的平 坦な吸収を示し、黄色溶液中で染色された試験片は460nm以下で強い吸収を示 し、ピンク色の溶液中で染色された試験片は460〜570nm間で強い吸収を示 す。ピンク色または黄色の染料を茶色染料に適度の割合で混合することによって 、主波長をそれぞれ長い方および短い方にシフトすることができる。前述のよう に、混合染料中における浸漬時間によってスペクトル純度が決定される。この方 法によって、ボックスABCD内の色相は、土台となる茶色染料の色の右または 左にシフトすることができる。 混合染料の効果を見るために、個別に計量した黄色染料とピンク染料とを茶色 染料に添加して混合液を調製した。茶色・黄色染料の限界溶液は、茶色染料と、 黄色染料と、水とを容積で2:1:21の比率で含んでいた。同様に、茶色・ピ ンク染料の限界溶液は、茶色染料と、ピンク染料と、水とを容積で2:1:21 の比率で含んでいた。これら溶液を攪拌しかつ加熱し、上述のような試験片を調 製した。試験片はすべて12分スケジュールで浸漬し、乾燥し、かつ測定した。 表IVは、上記限界サンプルに関する測定されたxおよびy座標とYP値とを、 表IIIからの12分茶色染料試験片の対応値とともに示すものである。 表 IV 溶液 P 茶色 .5027 .3743 9.1 茶色3,黄色1 .5046 .3973 12.1 茶色2,ピンク1 .5039 .3619 9.7 表IVに示されている3種類の混合物のデータは第4図にプロットされている。 矢印で終るラインはプロットされた点を通って引かれ、黄色染料またはピンク染 料のいずれかを茶色染料に加え、かつ12分浸漬したときに得られる色度座標の 軌跡を示している。 第4図から明らかなように、上記の材料を用い、より多くの黄色染料を茶色・ 黄色溶液に加え、かつ浸漬時間を短縮すれば、より短い主波長が色度ボックスA BCDの内部で得られるはずである。したがって、より多くの黄色染料を含む溶 液中における5分または8分の浸漬が効果的であろう。同様に、ピンク染料を追 加した茶色染料に、より長い浸漬時間を用いれば、より長い主波長が得られるで あろう。 もし異なる供給源からの染料を用いれば、異なる結果が予想されることがわか る。したがって、プラスチック材料を染色することによって本発明を定義する範 囲を得るには多少の実験が必要であろう。熱的にキュアすることが可能なコーテ ィングも利用可能であることが理解される。これらは一般に、キュアに何時間も の長い時間を要するので好ましくない。 上記に代わり、茶色に染色された物品を黄色またはピンクの染料溶液中に短時 間漬けることによっても主波長を移動させることが可能である。この手法は、他 の染料溶液中に漬けられたときに茶色染料が気孔の外に移動する強い傾向がある ので望ましくない。したがって、色相を変えるには混合染料溶液を用いることが 好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウェディング,ブレント エム アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14830 コーニング イースト サード ストリ ート 3

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.暗所透過率(YS)よりも高い明所透過率(YP)を有し、YP:YS比が 2.0〜4.0の範囲内にあり、主波長が580〜605nmの範囲内にあり、 かつ色純度が60〜75%である眼用フィルタ材料であって、これにより該材 料を通って知覚される色彩が、眺められる景色の色彩に近くなることを特徴と する眼用フィルタ材料。 2.前記材料が、フォトクロミックガラスから製造されることを特徴とする請求 の範囲第1項記載の眼用フィルタ材料。 3.前記材料が、着色可能なプラスチックから製造されることを特徴とする請求 の範囲第1項記載の眼用フィルタ材料。 4.前記フィルタが眼用レンズの形態をなしていることを特徴とする請求の範囲 第1項記載の眼用フィルタ材料。 5.YP:YS比が2.5:1〜3.5:1の範囲内にあることを特徴とする請 求の範囲第1項記載の眼用フィルタ材料。 6.二焦点レンズであることを特徴とする請求の範囲第4項記載の眼用フィルタ レンズ。 7.前記レンズがフォトクロミックガラスからなり、酸化物成分の重量%で計算 した組成が、 SiO2 20〜65 ZrO2 0〜6 B23 14〜23 TiO2 0〜3 Al23 5〜25 PbO 0〜0.5 P25 0〜25 BaO 0〜7 Li2O 0〜2.5 CaO 0〜4 Na2O 0〜9 MgO 0〜3 K2O 0〜17 Nb25 0〜6 Li2O+Na2O+K2O La23 0〜4 8〜20 F 0〜2 に加えて、着色剤としての0〜1%の遷移金属酸化物および0〜5%の稀土類 金属酸化物と、フォトクロミック添加物としての、0.15〜0.3%のAg と、0.1〜0.25%のClと、0.1〜0.2%のBrと、0.004〜 0.02%のCuOとから実質的になることを特徴とする請求の範囲第4項記 載の眼用フィルタレンズ。 8.0.1〜1.0%のCoO+NiOを含有して前記ガラスに永久的着色を与 えることを特徴とする請求の範囲第7項記載の眼用フィルタレンズ。 9.前記レンズが、着色可能な、紫外線でキュアされたコーティングからなる表 面層を備えたポリカーボネートプラスチックであることを特徴とする請求の範 囲第4項記載の眼用フィルタレンズ。 10.フォトクロミックレンズを、ガラスの表面に前記列挙された特性を与えるの に十分な時間と温度において、かつ流動する水素に相当する還元性雰囲気中に おいて加熱することを特徴とする請求の範囲第1項記載の眼用フィルタ材料の 製造方法。 11.前記ガラスが水素中において30分から5時間に相当する時間に亘り加熱さ れることを特徴とする請求の範囲第10項記載の方法。 12.前記ガラスが400°〜430℃の温度に加熱されることを特徴とする請求 の範囲第10項記載の方法。 13.単焦点レンズが、流動する水素雰囲気中において、430℃で30分から4 00℃で3時間までの範囲の時間・温度サイクルで加熱されることを特徴とす る請求の範囲第10項記載の方法。 14.前記時間・温度サイクルが415℃で90分であることを特徴とする請求の 範囲第13項記載の方法。 15.着色可能なプラスチック物品を、該物品の表面に前記列挙された特性を与え るのに十分な時間に亘り染料溶液中に浸すことを特徴とする請求の範囲第1項 記載のフィルタ材料の製造方法。 16.着色可能なコーティングを表面に備えたポリカーボネートプラスチック物品 を浸すことを特徴とする請求の範囲第15項記載の方法。 17.主として茶色染料からなる溶液中に前記プラスチック物品を少なくとも8分 間浸すことを特徴とする請求の範囲第15項記載の方法。
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