JP2000512680A - 第二急冷用熱交換器の上流における粒子注入を含む水蒸気クラッキング方法および装置 - Google Patents
第二急冷用熱交換器の上流における粒子注入を含む水蒸気クラッキング方法および装置Info
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Abstract
(57)【要約】
本水蒸気クラッキング方法は、第二間接急冷用熱交換器(4b)の上流に平均サイズ0.02〜4mmの粒子の少なくとも1箇所での注入を、この熱交換器内の流通速度20〜180m/秒で熱交換器の流出物の出口温度の上昇を1ヶ月当たり100℃未満の値に制限するのに十分な量で含む。注入される粒子量の少なくとも70重量%は、第一急冷用熱交換器(4a)の下流と第二急冷用熱交換器管の上流とに導入される。時間の間隔をあけて、空気の存在下に熱分解管と第一急冷用熱交換器との脱コークスを行う。
Description
【発明の詳細な説明】
第二急冷用熱交換器の上流における粒子注入を含む水蒸気クラッキング方法お
よび装置
本発明は、適応性のある(flexible)、すなわちクラッキングすべき非常に多
様性のある仕込原料と、非常に多様性のある操作条件とに両立する炭化水素水蒸
気クラッキング方法に関する。本発明は、水蒸気クラッキング装置の脱コークス
方法にも関する。
技術背景は、特許出願WO−A−9012851、WO−A−9620255
、EP−A−0036151、EP−A−0031609、EP−A−0272
378およびFR−A−2647804により記載されている。
水蒸気クラッキング方法は、石油化学工業の基礎方法でありかつ高温でクラッ
キングすることからなり、次いで炭化水素仕込原料と水蒸気とを急速に冷却する
ことからなる。操作の主な問題は、装置の内壁上のカーボン化物質の堆積物によ
り生じる。これら堆積物は、コークスまたは縮合されほぼ凝集される熱分解の重
質タールからなり、クラッキング帯域(熱分解蛇管)における熱移動を制限する
。間接急冷(trempe indirecte)帯域(流出物の急冷用熱交換器)は、装置を脱
コークスするためにしばしば停止を必要とする。
従来のサイクル期間(空気および/または水蒸気を有するクラッキング帯域の
2つの完全な化学的脱コークス間の運動)は、固定されている(全自動される停
止)か、あるいは装置のコークス化に応じて変動しうるものでありかつナフサま
たは液化石油ガスのような仕込原料については一般に3週間から12週間一定間
隔で続くものである。
重質仕込原料(常圧ガスオイル、重質ガスオイルおよび減圧留分)のクラッキ
ングの際に遭遇されるコークス化問題が、ナフサのような従来の仕込原料につい
て遭遇される問題よりも遥かに厳しいものであることは当業者に公知である。
従って、これら仕込原料は、ナフサのクラッキング用に考案された従来の水蒸
気クラッキング装置においてはクラッキングされ得ないものであり、かつ公知方
法によれば、水蒸気クラッキング流出物の(熱分解油を有する)直接急冷を典型
的に含む特別な炉内においてのみそれが行われるものである。このことは、装置
のエネルギー収支(高圧蒸気の生産が存在しない)を著しく害するものである。
従って、重質仕込原料に対して適応性を有しうる公知方法は、従来の仕込原料
について現存する水蒸気クラッキング装置とは両立しないものであり、大幅に損
傷されたエネルギー収支を示す。
さらに比較的軽質仕込原料の場合には、水蒸気クラ
ッキング仕込原料として同様に低品質のナフサ、例えば再循環C4、C5留分、
熱クラッキングガソリンまたは接触クラッキング(FCC)留分のコア(中心部
分)の使用が目指される。これらオレフィン系仕込原料は、大きなコークス化問
題、特に高い苛酷度を生じる。
さらに本出願人により、コークス化問題から解除されるために、また連続的あ
るいはほぼ連続的(例えばサイクル期間が1年程度)水蒸気クラッキングを得る
ために、浸食性固体粒子の注入による水蒸気クラッキング装置の運行中の脱コー
クス方法がすでに提案されている(WO−A−9620255、WO−A−96
20252およびWO−A−9050031)。
この方法は、一定の仕込原料について、クラッキング蛇管の内壁上にコークス
層を形成させて熟成させておき、次いで適切な量の浸食性粒子(例えば球状また
は角状の直径150マイクロメータ未満の硬質無機粒子)を注入して、管のコー
クス化状態をほぼ安定化させて、これらの管に対して保護的役割を果たすコーク
スの予備層を完全に除去しないことからなる。
この方法により、検討される仕込原料のコークス化の速度の十分な認識が要求
され、蛇管に沿うクラッキングの進行に関連するコークス化の局部的速度と、蛇
管に沿う速度曲線に関連しかつ浸食性粒子の種類に関連する浸食強度との間に、
ある合致が存在するような
蛇管の概念が要求される。一方ではコークス化の速度と蛇管内の流通速度曲線と
のシミュレーションを用いて、他方ではモデルにおける実験を用いて、吟味され
た仕込原料のほぼ連続的な水蒸気クラッキング条件を得ることが可能である。
管の浸食は、非常に低いまたは皆無のレベルで維持されかつ回収される粉体中
の金属(鉄、クロムおよびニッケル)の痕跡の分析により調整される。
従って、本出願人は、変動する操作条件(流量、希釈率およびクラッキングの
苛酷度)を用いて、多数の種々の仕込原料を連続的に処理することを可能にする
適応性のある炉の場合に、一定の仕込原料のクラッキングに適用可能なこの方法
の改善に努めてきた。モデルテストが行われかつ予期しないいくつかの結果が提
供された。
従って、蛇管の当初のコークス化(サイクルの初め)が仕込原料に応じて非常
に大きく変動しうるものであり、これには、化学組成のレベルではほとんど異な
らないが産地が種々に異なる仕込原料も含まれることが見出された。このことは
、完全には説明ができなかったが、およらく仕込原料中に存在する不純物により
生じるものである。
さらに、脱コークスの効率は、仕込原料と操作条件(コークスの異なる種類)
とに著しく依存することが明らかになった。特に、軽質仕込原料、すなわちC3
、C4および軽質ナフサが、反応帯域の始まりにおいて、反応帯域の終わりでの
媒質における主要な漸近的なコークスよりもはるかに脆い(5から10倍)触媒
コークスを生じることが見出された。従って、これらの仕込原料にとっては、コ
ークスの保護層を維持するために、および・またはクラッキング管の浸食リスク
を回避するために、この帯域内の流通速度を制限するのが望ましい。
従って、適応する工業炉の場合には実施が不可能である予備テストをしないで
各仕込原料および各条件に適合される粒子量を予め決定することは可能ではなか
った。さらに、浸食のリスクの防止に対して一定仕込原料に適合されるクラッキ
ング反応器の幾何学的構成は、希釈率と、適当な流通速度曲線が異なるものであ
るコークスの異なる種類とを有する別の仕込原料に適合される幾何学的構成とは
同じものではない。
最後に、光学的高温測定による管の表面温度の信頼できる正確な測定を得るこ
との困難性と、変動する運動条件下でのこれら温度および仕込原料の損失の増減
とにより、一定の基準(reference)状態を頻繁に再通過する(repasser)こと
なしに管のコークス化状態を効果的に調節するのは非常に困難である。このこと
は、適応性のある工業炉については当てはまらない。従って、熱分解蛇管のコー
クス化状態をリアルタイムで操縦しうることは非常に困難である。
従って、この方法は、変動する運転条件下に工業的に実施するのが困難である
ことが明らかになった。モデルについてのテスト全体におけるクラッキング管の
浸食のあらゆる痕跡を回避することは可能ではなかった。
従って、連続水蒸気クラッキング方法が、適応性のある炉の場合に適合される
のは不可能であり、比較的安定した条件下において同一または類似する仕込原料
のクラッキングに専用されねばならないことは明らかである。
さらに本出願人により、間接急冷用熱交換器内の堆積物の除去が、熱分解管内
よりもはるかに容易に得られることが可能であり、またさらには粒子量の過剰注
入の場合には、何ら浸食が証明されないことが証明された。
従って、予期しないことではあるが、特に重質仕込原料の場合には、急冷用交
換器のカーボン化堆積物が、クラッキング管のコークスよりもはるかに脆いこと
は明らかである。従って、テストされる固体粒子による浸食に対する脆弱性が、
熱分解管の漸近的な(asymptotic)コークスについてよりも、急冷用熱交換器の
コークスについての方が少なくとも25倍大きいことが見出された。
熱交換器管それ自体について証明される浸食の不存在は、粒子の流通速度が、
熱分解管内よりも急冷用熱
交換器内において遥かに低いこと、また温度が非常に低い(熱分解蛇管における
典型的に1000〜1100℃に対して約330℃)ことにより説明される。そ
の上、急冷用熱交換器管は、まっすぐで屈曲部がなく、これにより、一時的な浸
食のリスクが除かれる。
さらに、クラッキング管内での長期間におけるコークス化の速度は、重質仕込
原料(例えばガスオイル)について、軽質仕込原料についてと同じ程度の大きさ
にとどまることは明らかであり、また重質仕込原料についての適応性に関する実
際のくびれ部分の頸部が、間接急冷用熱交換器の過剰な詰まりに存在しているこ
とは明らかである。従って、明白ではないが、間接急冷用熱交換器の急速な詰ま
りを防ぐことができる場合には、ナフサの水蒸気クラッキングの現存する装置が
、さらに重質仕込原料、例えばガスオイルおよび妥当な品質の減圧留分あるいは
高苛酷度のオレフィン系仕込原料のクラッキングを可能にすることが見出された
。
さらに同様に、オレフィン系軽質仕込原料、例えば再循環物のC4およびC5
留分、あるいは低オクタン価を有する接触クラッキング・ガソリンのフラクショ
ンについては、急冷用熱交換器の詰まりは、特に高苛酷度を有する急冷用熱交換
器よりもはるかに苛酷であることが見出された。
従って、本出願人により、WO−A−962025
5において、変動する操作条件に応じて種々の仕込原料の処理を可能にしかつ現
存する水蒸気クラッキング装置と両立可能な適応性のある新規水蒸気クラッキン
グ方法が提案された。これは、装置の熱収支の劣化のない、著しい浸食のリスク
のない、適切な投資費用を伴うものである。
この方法の主な特徴の1つは、浸食性個体粒子の最も大きな部分(最小70%
、および100%まで)が、熱分解管の下流と、間接急冷用熱交換器の上流とに
注入されることである。
このことにより、急冷用熱交換器の脱コークス効果による適応性のある運動を
得ることにより、これら管内の粒子の流通を最小にするか、あるいはなくするこ
とにより、熱分解管の浸食の技術的リスクを制限するかあるいはなくすることが
可能になる。
しかしながら、非常に短い滞留時間(0.07〜0.27秒)での最新型炉を
備えるこの方法を適用することは、技術的な困難にぶつかる。従って、これら炉
は、小直径の多数の熱分解管を含んでおり、これらの管は、下流で真直ぐ、また
はU形状の一般に二重管型の多数の第一急冷用熱交換器に連結されており、これ
ら第一急冷用熱交換器は、急冷されたクラッキング済みガスを下流の直接急冷に
向けて移送する前に、下流で非常に少数(一般に1または2)の第二急冷用熱交
換器に連結される。
従って、WO−A−9620255による方法を適用することは、第一急冷用
熱交換器の各々の上流において粒子の注入を必要とし、これら第一急冷用熱交換
器は、典型的には多数(例えば炉毎に20)であり、従来の水蒸気クラッキング
炉内におけるよりも高い入口温度(850〜900℃)を用いる。
さらにこれら第一急冷用熱交換器内の流通速度は、非常に高く(一般に著しく
100m/秒を越える)、このことにより、特に出口の屈曲部の多数において浸
食のリスクが増大する。
従って、適応性のある水蒸気クラッキング方法を適用することは、この型の炉
に対して実施が複雑でありかつ困難である。
本発明による方法の目的は、多数の第一急冷用熱交換器を備える最新型炉に適
合される、効率的な信頼のできる適応性のある水蒸気クラッキング方法を適度の
投資で提案することである。
このために、装置における炭化水素仕込原料の水蒸気クラッキング方法が提案
され、この装置は、少なくとも1つの水蒸気クラッキング炉を備え、この炉は、
複数の熱分解管を含んでおり、これらの管は、複数の導管を介して熱分解管の流
出物の間接急冷手段に連結され、これら手段は、少なくとも1つの第二急冷用多
管熱交換器を備えており、この多管交換器は、上流で
複数の第一急冷用熱交換器に連結されており、下流で直接急冷・分別手段に連結
される。この方法は、装置の内壁上に位置するカーボン化堆積物の少なくとも一
部を除去するために浸食性固体粒子の注入を含む。この方法は、
a)有利には水蒸気クラッキング装置の運動の間、平均直径0.02〜4mmの
浸食性固体粒子を、前記第一急冷用熱交換器の下流および第二急冷用熱交換器の
上流に位置する該装置の少なくとも1つの箇所に注入し、この場合、第二急冷用
熱交換器内を流通する粒子は、キャリアガスにより搬送され、このキャリアガス
の平均速度は、有利には20〜180m/秒、好ましくは40〜130m/秒で
あること、
・第一急冷用熱交換器の下流および第二急冷用熱交換器の上流に注入される浸食
性固体粒子の平均量Qは、第二急冷用熱交換器の上流に注入される全体平均量[
Q+q]の少なくとも70重量%を示し、qは、第一熱交換器の上流に注入され
る浸食性粒子の平均量を示すこと、
・注入される浸食性粒子の全体平均量[Q+q]は、第二急冷用熱交換器の流出
物の出口温度の上昇を、1ヶ月当たり100℃未満の値、好ましくは1ヶ月当た
り50℃未満の値に制限するために、間接急冷手段の液圧脱コークスを用いない
で、水蒸気クラッキング炉の運転を少なくとも6ヶ月、好ましくは少なくとも1
2ヶ月、より特別には18ヶ月可能にさせること、
b)8ヶ月を越えない間隔で、好ましくは0.5〜4ヶ月の間隔で断続的に、第
一急冷用熱交換器およびその上流の熱分解管内で、これらの管の脱コークスと、
第一熱交換器の少なくとも一部の脱コークスとのために、空気を含むガスの流通
による脱コークス条件を設定すること、
を特徴とする。
本方法の特徴的一変形例によれば、水蒸気クラッキング段階の間、好ましくは
少なくとも一部角(かく)張った無機浸食性粒子を、第一急冷用熱交換器の下流
および第二急冷用熱交換器の上流に0.3〜72時間の固定間隔または変動する
間隔で注入し、注入される粒子の少なくとも最も大きい部分を第二急冷用熱交換
器の下流において分離し、注入される粒子量は、第二急冷用熱交換器の流出物の
温度の上昇を、1ヶ月当たり50℃を越えない値に制限するために十分なもので
ある。
別の特徴的変形例によれば、水蒸気クラッキング段階の間、コークスの浸食性
固体粒子を、第一急冷用熱交換器の下流および第二熱交換器の上流に注入し、こ
れら粒子は、分離されないで第二熱交換器の下流から直接急冷・分別手段の下流
まで搬送され、注入される量は、熱交換器内の流出物の温度の上昇を、1ヶ月当
たり50℃を越えない値に制限するために十分なもの
である。
別の特徴的変形例によれば、注入される粒子量の少なくとも90重量%(10
0%まで)は、空気および/または水蒸気での脱コークス段階の間に搬送され、
次いで脱コークス管路を経て排出される。
好ましくは、第二熱交換器の上流に注入される浸食性固体粒子の全体は、第一
熱交換器の下流に注入される。
さらに本発明は、水蒸気クラッキング装置を提案する。この装置は、クラッキ
ング帯域を含む少なくとも一つの水蒸気クラッキング炉を備えており、このクラ
ッキング帯域は、下流において複数の移送管を経て複数の第一急冷用熱交換器に
連結される複数の熱分解管を含んでおり、これら第一急冷用熱交換器は、下流で
少なくとも1つの第二急冷用熱交換器に連結されており、この第二急冷用熱交換
器は、それ自体下流で直接急冷および分別手段に連結されている。この装置は、
・第一熱交換器の下流と第二熱交換器の上流とに位置する該装置の少なくとも1
つの箇所に連結される浸食性固体粒子の調量・注入手段であって、第二熱交換器
の上流に導入される固体粒子の少なくとも70重量%を第一熱交換器の下流にお
いて導入するための調量・注入手段と、
・詰まり程度の調節を可能にするための第二熱交換器の流出物の温度測定手段と
、
・熱分解管および第一熱交換器内の脱コークス条件を設定するために、熱分解管
にその上流において連結される空気の存在下での脱コークス手段と、
を備えることを特徴とする。
従って、本発明による方法は、混合脱コークス方法である。
熱分解管および第一急冷用熱交換器は、浸食のあらゆるリスクを防止するため
に、減少されたまたは皆無である浸食性固体粒子の流通を用いて主として空気で
(一般に水蒸気との混合物状で)脱コークスされる。
これに反して、1つまたは複数の第二急冷用熱交換器の脱コークス化は、浸食
によるコークスの除去を含む(さらに熱分解管および第一熱交換器の脱コークス
段階の間、空気での部分脱コークスもそこに含まれてよい)。
従って、あらゆる急冷用熱交換器の上流における粒子の注入を用いる方法から
区別される本方法は、次の技術的分析および結果に基づいている:
第一急冷用熱交換器内で、クラッキングされたガスは、一部のみ急冷される(
例えば850〜500/550℃)。ガスの上昇された温度は、コークスの前駆
体である重質多芳香族化合物の縮合の制限を目的としかつさらには急冷用熱交換
器のコークス化されたガス/内壁境界の表皮温度の上昇を目的とする。
その結果、重質またはコークス化性の仕込原料を用
いてさえも、これら熱交換器のコークス化は、比較的低くとどまる。さらに、こ
れら熱交換器の出口での容認できる温度は、上昇される(例えば550/620
℃)。従って、これら熱交換器は、長いサイクル期間を伴って作用しうる。逆に
、第二急冷用熱交換器は、はるかに低い温度(出口において360〜450℃)
で作用する。このことにより、多芳香族化合物の縮合が促進され、また特に重質
またはコークス化性の仕込原料を用いる遥かに急速なコークス化が促進される。
(空気の存在下にコークスの緩慢な酸化による)脱コークスの局面を考慮する
場合、現象は逆である。すなわち、低温により、第二熱交換器の空気による脱コ
ークスの可能性が非常に大幅に制限されるのに、高温により、第一熱交換器の脱
コークスが促進される。
従って、第一熱交換器の主として空気による脱コークスと、第二急冷用熱交換
器の少なくとも一部浸食性である脱コークスとを含む本発明による方法は、それ
故にこれらの技術結果に非常によく適合される。
先に記載された方法(あらゆる急冷用熱交換器の上流での注入)に比して本方
法の利点は、検討される炉の型について非常に大きいものである:
典型的には、上流に位置する第一熱交換器内の10または20の注入装置の代
わりに、各第二急冷用熱交換器について1つの粒子注入装置のみを必要とする。
さらに、注入は、実施がより簡単である。何故なら
この注入は、より低い温度の帯域内で実施されるからでる。
従って、簡単性および信頼性および投資費用の利点は、非常に大きいものであ
る。
本方法は、少ない投資と非常に小さい技術的リスクとを伴って適応性のある条
件下に非常に効果的である。
この方法の別の配置あるいは先に記載された方法の装置の変形例は、本発明に
よる方法および装置に適用可能である。この点において、WO−A−96202
55、WO−A−9620256、WO−A−9620257、WO−A−96
20258およびWO−A−9620259が参照され得る。
今、図1が参照される。これは、本発明による水蒸気クラッキング炉(1)の
一部を示す。管路(10)および管路(11)を経てそれぞれ炭化水素仕込原料
と水蒸気とが供給されかつ炉の放射帯域内に位置する複数の熱分解管(2)が示
される。これら熱分解管は、下流において複数の移送管(3)を介して複数の第
一急冷用熱交換器(4a)に連結される。これら熱交換器は、下流で管路(12
)を経て第二急冷用熱交換器(4b)に連結される。この第二急冷用熱交換器の
下流において、流出物は、管路(6a)を経て直接冷却・分別手段(5)に搬送
されるか、あるいは脱コークス化段階(空気および/または水蒸気)の間に脱コ
ークス管路(6)を介して排出される。
さらに炉は、第二急冷用熱交換器(4b)の直ぐ上流において浸食性固体粒子
の調量・注入手段(7)(7a)を含む。
この炉は、常套的には炭化水素の注入が停止された後に空気および/または水
蒸気によるクラッキング段階および脱コークス段階を用いて作用する。
重質またはコークス化性(例えばオレフィン系)の仕込原料が、クラッキング
される場合、最も深刻なコークス化問題が、第二急冷用熱交換器(4b)におい
て出現する。さらに、この第二急冷用熱交換器は、空気での脱コークス段階の間
には非常に不完全に脱コークスされるのみである。この方法によれば、第二急冷
用熱交換器(4b)のコークス化問題を軽減またはなくするために、調量・注入
手段(7)(7a)により粒子が連続的にまたは好ましくは断続的に注入される
。
粒子は、炉の運転段階の間に、すなわち水蒸気クラッキング期間の間に、ある
いは(空気、水蒸気、または空気/水蒸気混合物での)脱コークス期間の間に注
入されてよい。
これら粒子は、コークスからなる無機質(例えばコランダム)であってよく、
場合によっては金属であってよい。
粒子が、コークスにより構成されない場合、これら
粒子を第二急冷用熱交換器(4b)の下流において収集すること、あるいは粒子
が脱コークス管路(6)を経て排出されるために、脱コークス段階の際にのみ、
これら粒子を注入することが必要である。
図示されていない分離手段としては、サイクロンが、第二急冷用熱交換器(4
b)の下流にあるいは脱コークス管路(6)に配置される。
方法または装置の種々の変形例、例えば水蒸気下での注入、ガス流量の一時的
な増加を用いる注入、粒子の再循環手段、異なる化学添加剤の注入等は、先に引
用された特許出願に記載されておりかつ本発明に従って使用されてよい。
さらに図1に記載される装置は、熱分解管(2)の上流に、あるいはこれら管
(2)の間に浸食性粒子の制限された量(年平均30重量%以下)の注入手段と
、第一熱交換器(4a)とを備えるが、好ましい変形例は、第二急冷用熱交換器
(4b)の直ぐ上流に粒子全体を注入することからなる。
実施例:
2つの第二急冷用熱交換器(4b)に連結される、二重管型の第一急冷用熱交
換器(4a)20基に連結される、U形状(ピン状)熱分解管(2)40基を備
える水蒸気クラッキング炉が検討される。
第一急冷用熱交換器は、温度480〜620℃でクラッキング済みガスを急冷
し、第二急冷用熱交換器は
、ガスの温度を360〜450℃に低下させた。
平均苛酷度でのナフサについて、空気による2つの脱コークスの間のサイクル
期間は、典型的には2ヶ月であり、熱交換器の2つの液圧脱コークスの間の期間
は、6〜8ヶ月であった。
さらにコークス化性の仕込原料、すなわち非常に高苛酷度の並以下の品質のナ
フサ、再循環のオレフィン留分、軽質または重質ガスオイルをクラッキングする
場合、サイクルの期間は、3週間以下に著しく低下した。熱交換器の液圧脱コー
クスは、3〜4ヶ月またはそれ以下の間隔が必要であった。
この方法によれば、十分な量の浸食性粒子、例えばコランダムを、熱交換器(
4b)の出口温度の上昇を1ヶ月当たり最大限20℃に制限するために、2つの
熱交換器(4b)の直ぐ上流に注入した。第一熱交換器の脱コークスを十分に行
うために、空気による脱コークスの期間を、15〜24時間に反して、熱分解管
の脱コークスに厳密に必要な36〜48時間に延長した。
この方法の適用によれば、コークス化性の仕込原料を用いて1ヶ月を著しく越
えるサイクル間隔を延長させることが可能であるし、かつ液圧脱コークスをほと
んどなくすることが可能であった。これにより、大きな拘束が取り除かれた。
これは、第一熱交換器(4a)20基の代わりに、
2基だけの熱交換器(4b)の直ぐ上流に粒子を注入することにより、簡単に、
高い信頼性を持って、節約的に行うことができた。さらに熱交換器(4a)の出
口において屈曲部を補強する必要がなかった。
従って、本発明は、多数の第一急冷用熱交換器を備える炉の場合において非常
に大きな改善をもたらした。
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フロントページの続き
(72)発明者 ラングレ エリック
フランス国 ラ セル サン クルー
78170 2 エリゼ 36
(72)発明者 ブルズィンスキ ジャン ピエール
フランス国 サーント フォワ レ リヨ
ン 69110 リュ デュ ブリュレ 25
(72)発明者 クルテウーズ ジェラール
フランス国 リイル マルメゾン 92500
リュ カミユ コロ 34
(72)発明者 ユアン ローラン
フランス国 モンテッソン ラ ボルドゥ
78360 リュ ドゥ コルメイユ 58
(72)発明者 グーニュ イヴ
フランス国 ジヴォール 69700 サン
ナンドゥオル ル シャトー ラ ジャラ
ントニエール(番地なし)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 装置における炭化水素仕込原料の水蒸気クラッキング方法であって、この 装置は、少なくとも1つの水蒸気クラッキング炉を備え、この炉は、複数の熱分 解管を含んでおり、これら熱分解管は、複数の導管を介して熱分解管の流出物の 間接急冷手段に連結されており、これら間接急冷手段は、少なくとも1つの第二 急冷用多管熱交換器(4b)を備えており、この多管熱交換器は、上流で複数の 第一急冷用熱交換器(4a)に連結されかつ下流で直接急冷・分別手段(5)に 連結されており、装置の内壁上に位置するカーボン化堆積物の少なくとも一部を 除去するために浸食性固体粒子の注入を含む方法において、 a)平均直径0.02〜4mmの浸食性固体粒子を、前記第一急冷用熱交換器( 4a)の下流および第二急冷用熱交換器(4b)の上流に位置する、該装置の少 なくとも1つの箇所に注入し、この場合、第二急冷用熱交換器内を流通する粒子 は、キャリアガスにより搬送され、このキャリアガスの平均速度は、有利には2 0〜180m/秒であること、 ・第一急冷用熱交換器(4a)の下流および第二急冷用熱交換器(4b)の上流 に注入される浸食性固体粒子の平均量Qは、第二急冷用熱交換器(4b)の上流 に注入される全体平均量[Q+q]の少なくとも70 重量%を示し、qは、第一熱交換器(4a)の上流に注入される浸食性粒子の平 均量を示すこと、 ・注入される浸食性粒子の全体平均量[Q+q]は、第二急冷用熱交換器の流出 物の出口温度の上昇を、1ヶ月当たり100℃未満の値、好ましくは1ヶ月当た り50℃未満の値に制限するために、間接急冷手段の液圧脱コークスを用いない で、水蒸気クラッキング炉の運転を少なくとも6ヶ月、好ましくは少なくとも1 8ヶ月可能にさせること、 b)8ヶ月を越えない間隔で、好ましくは0.5〜4ヶ月の間隔で断続的に、第 一急冷用熱交換器(4a)およびその上流の熱分解管内で、これらの管の脱コー クスと、第一急冷用熱交換器(4a)の少なくとも一部の脱コークスとのために 、空気を含むガスの流通による脱コークス条件を設定すること、 を特徴とする、炭化水素仕込原料の水蒸気クラッキング方法。 2. 水蒸気クラッキング段階の間、好ましくは少なくとも一部角(かく)張っ た無機浸食性粒子を、第一急冷用熱交換器(4a)の下流および第二急冷用熱交 換器(4b)の上流に0.3〜72時間の固定間隔または変動する間隔で注入し 、注入される粒子から少なくとも最も大きい部分を第二急冷用熱交換器(4b) の下流で分離し、注入される粒子量は、第二急冷用熱 交換器(4b)の流出物の温度の上昇を、1ヶ月当たり50℃を越えない値に制 限するために十分なものであることを特徴とする、請求項1記載の方法。 3. 水蒸気クラッキング段階の間、コークスの浸食性固体粒子を、第一急冷用 熱交換器(4a)の下流および第二急冷用熱交換器(4b)の上流に注入し、こ れら粒子は、分離されないで第二急冷用熱交換器(4b)の下流から直接急冷・ 分別手段(5)の下流まで搬送され、注入される量は、第二急冷用熱交換器(4 b)の流出物の温度の上昇を、1ヶ月当たり50℃を越えない値に制限するため に十分なものであることを特徴とする、請求項1記載の方法。 4. 注入される粒子量の少なくとも90重量%は、空気および/または水蒸気 での脱コークス段階の間に搬送されて、脱コークス管路(6)を経て排出される ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。 5. 第二急冷用熱交換器(4b)の上流に注入される浸食性固体粒子の全体は 、第一急冷用熱交換器(4a)の下流に注入されることを特徴とする、請求項1 〜4のいずれか1項記載の方法。 を備える水蒸気クラッキング装置であって、この水蒸気クラッキング炉は、下流 において複数の移送導管(3)を経て複数の第一急冷用熱交換器(4a)に連結 される複数の熱分解管(2)を含んでおり、これら第一急冷用熱交換器は、下流 で少なくとも1つの第二急冷用熱交換器(4b)に連結されており、この第二急 冷用熱交換器は、それ自体下流で直接急冷・分別手段(5)に連結されている装 置において、 ・第一急冷用熱交換器(4a)の下流と第二急冷用熱交換器(4b)の上流とに 位置する、該装置の少なくとも1つの箇所に連結される浸食性固体粒子の調量・ 注入手段であって、第二急冷用熱交換器(4b)の上流に導入される固体粒子の 少なくとも70重量%を第一急冷用熱交換器(4a)の下流において導入するた めの調量・注入手段(7)と、 ・詰まり程度の調節を可能にするための第二急冷用熱交換器(4b)の流出物の 温度測定手段と、 ・熱分解管(2)および第一急冷用熱交換器(4a)内の脱コークス条件を設定 するために、熱分解管(2)にその上流において連結される空気の存在下での脱 コークス手段と、 を備えることを特徴とする、水蒸気クラッキング装置。
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