JP2000512697A - 織物原料の製造方法と処理方法 - Google Patents

織物原料の製造方法と処理方法

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ファージュ,ジャック
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Abstract

(57)【要約】 本発明は織物原料繊維の組み合わせの少なくとも一つの機械的工程によって得られたポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを有する織物原料組織の製造後の処理方法に関するものである。組織は超臨界状態の少なくとも一つの流体の組成物の流れに接触させられる。また、本発明は組織の製造方法とこの様にして得られた組織にも関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 織物原料の製造方法と処理方法 本発明はポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを有する 、すなわちポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーの部分か ら成る織物原料繊維を含む織物原料組織の製造と処理に関するものである。 本出願を通じて「織物原料組織」という表現は分断された、クロス状のあるい はさらにロール状の糸または繊維の織糸の組み合わせによって得られた全ての織 物原料組織(織物、不織布、編み紐、編み物、チュール、複合材料、など)のみ ならず、いかに総称的に「糸」という用語でも示される糸、織糸、単繊維、紐、 ケーブル自体も含んでいる。 織物産業においては、製糸(糸を得るために繊維を相互に組み合わせる作業の 全体);編込み、編み物、機織り(絡み合わせおよび/または留め合わせによる 糸の組み合わせ);フェルト加工、接着、繊維および/または糸および/または 複数の布地の相互での、または他の製品(不織布、複合材料、など)との凝集、 などの少なくとも一つの組み合わせの機械的工程の際に、織物原料繊維が機械的 に組み合わせられる。 この組み合わせ工程の後に、「織卸織物」または生地反と呼ばれる材料が仕上 げ処理(糊抜き、漂白、染め、プリント、各種加工、など)を受ける。 これら全ての工程が終わると、得られた織物原料組織は所望の形状と外観を示 すが、組織の中に取り込まれ、繊維または組織の組成には入らない不所望かつ無 用な数多くの不純物を含んでいる。これらの不純物として挙げられるのが:繊維 自体の取得または製造の際に繊維内に取り込まれた不純物;前記組合せ工程で意 図的に(例えば、オイリングまたは静電防止補助剤)あるいは非意図的に取り込 まれた補助剤または不純物;有機汚染物質または微生物である。 組織および繊維の中心自体に取り込まれたこれらの不純物全体を除去するのは 大変困難なので、たいていの用途分野ではあきらめてこの様に汚染されたままの これらの織物原料組織を使用している。 不純物除去が要求される特別な場合、例えば、織物原料繊維組織の移植可能な 材料製造(人工靱帯、パッチ、人工膜、血管補綴、など)のために、洗濯、洗浄 、洗毛、消毒、溶剤除去、中和、などの複雑で、多数の、種類がきわめて異なる (それぞれのタイプの不純物の除去に適した)かつ精巧な工程の連続が実施され る。 これら全ての処理は強力、有害で、かつそれ自体が微量で組織の中に残留する 恐れがあり、作業員にとって危険な洗剤、消毒薬、溶剤などの作用物質を使用す ることから成る。くわえて、これらの処理は時間とコストがかかり、これらの強 力で有害な物質を使用するために汚染源になることが多い。 これら全ての処理にもかかわらず、組織が多少汚染されたままになることも珍 しくない。例えば、負の免疫反応が、完全な無菌状態で移植された血管補綴の表 面の汚染によって引き起こされることがあることが実証された。 とくにこの様なことが起きるのは、溶剤、洗剤、または消毒剤にも、熱処理に も耐えられない脆弱なポリマー製の生物吸収性織物原料繊維組織の場合である。 したがって今日まで、高い純度を必要とする材料の製造にこれらの繊維を使用す ることは断念されていた。 しかるに、脆弱な織物原料繊維は、他方では、特定の用途分野で所望される特 別な特性を有することがある。それはとくに生物学的適合性のおよび/または微 生物によって分解されうる少なくとも一つのポリ(α−ヒドロキシ−酸)を含む 繊維、またとりわけ優れた生物吸収特性を示すポリグリコール酸(PGA)繊維 の場合である。 しかしながら、ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族のポリマーは、大変脆弱なので 、強い物理化学処理にかけられないと今日まで考えられきた。とくに、ポリ(α −ヒドロキシ−酸)族のポリマーは超臨界状態で流体に溶けることが知られてい る(参照:"Formation of bioredible polymeric microspheres and microparticles by rapid expansion of supercritical solutions",J.W.Toman d P.G.Debenedetti,Biotechnol.Prog,1991,7,403-411;EP-0464163、など )。くわえて、これらの材料に加えられる不純物除去処理は、それらの処理が相 変わらず不完全なままであっても、結果として材料を痛めてしまう。したがって 、数多くの用途分野で、ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族のポリマー系の織物原料 組織の完全な不純物除去を可能にし、組織の機械的特性を落とさないような処理 法の必要が痛感される。 ところで、発明者らは意外なことに、または以前の教示内容に矛盾して、ポリ (α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを含む織物原料組織は、 組織を全く損傷することなしに超臨界状態で流体組成物による処理を受けること ができることを明らかにした。発明者らはさらにこの処理がそのとき、組織の物 理化学的な健全性を温存するだけでなく、さらに意外なことに、その機械的特性 を向上させながら、かかる織物原料組織をたった一つの工程で完全に不純物を除 去できることも実証した。 この限りにおいて、本発明は純粋かつ/または機械的特性が強化された織物原 料組織を得ることを可能にするポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つ のポリマーを含む織物原料組織の製造方法と処理方法を提案することを目的とす る。 本発明はもっと具体的には、組織の物理化学的な健全性を温存しながら、不所 望の各種の物理化学化合物の除去と、同時に、各種の有機および生物化学(微生 物)汚染物の除去を保証しながらポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一 つのポリマーを含む織物原料組織の不純物除去のための効果的、単純かつコスト の低い処理を提案することを目的とする。 この様に、本発明はポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマ ーを含む織物原料組織をたった一つの工程で完全に不純物除去する処理法を提案 することを目的とする。 また、本発明は組織の機械的強度を強化することを可能にするポリ(α−ヒド ロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを含む織物原料組織の処理を提供す ることをとくに目的とする。 ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族は次の一般式のポリマーを含む:この式で、Riは水素またはメチルである。この族はこの式を満たすホモポリマ ーだけでなく、対応するコポリマーおよびこれらのホモポリマーとコポリマーの 混合物も含んでいる。これらのポリマーとしてポリグリコール酸(PGA)、お よびL−PLA、D−PLA、DL−PLAポリ乳酸、とPLA/GAポリ(ラ クチド−コーグリコリト)コポリマーが挙げられる。 これら全てのポリマーは類似の特性を有する。とくに、それらは生物学的適合 性と微生物によって分解されうる性質を示す。例えば、PGAのインプラントは 1から6箇月程度で生物吸収される。くわえて、それぞれのポリマーまたはそれ ぞれのポリマー組成に応じたある分子量からは、押し出しによる製糸が可能にな り、織物原料組織の製造が可能になる。 また、本発明はヒトまたは動物のためのインプラント(埋め込み可能な部品) の組成の中に入れることができる微生物によって分解されうる性質のまたは生物 吸収性の織物原料組織などを含有する織物原料組織を得ることを可能にするよう な方法を提案することも目的とする。 したがって、本発明は組織の物理化学的および力学的な健全性を温存しながら 、それらの組織の純度と無菌性を保証するような、ポリ(α−ヒドロキシ−酸) 族の少なくとも一つのポリマーを含む織物原料組織−とりわけ糸または織物組織 および/または編み物組織および/または編み込み組織にしたおよび/または凝 集した(不織布、複合材料、など)−の埋め込み前の処理法を提案することをと くに目的とする。 また、本発明は断片を高温に置く必要のない、したがって、低温(とくに60 ℃未満)で実施することができる処理法を提案することを目的とする。 また、本発明はきわめて清潔で、汚染または有害廃液を出さず、作業員に危険 のない処理法を提案することを目的とする。 また、本発明は、とくに人体または動物の体内に移植可能で、微生物によって 分解されうる性質の材料または断片を得るために、ポリ(α−ヒドロキシ−酸) 族の少なくとも一つのポリマーを含む織物原料組織の利用可能性を増すような方 法を提案することを目的とする。 このため、本発明は分子量がその組織を得ることを可能にするのに適したポリ (α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーをある比率で含む繊維で 、少なくとも部分的に形成された織物原料繊維の少なくとも一つの機械的組み合 わせ工程(製糸および/または編み込みおよび/または編み物および/または機 織りおよび/または凝集、など)によって得られたポリ(α−ヒドロキシ−酸) 族の少なくとも一つのポリマーをを含む織物原料組織の製造後の処理方法におい て、少なくとも一つの超臨界状態の流体の組成物の流れと組織を接触させる少な くとも一つの処理工程−とくに一つの、そして一つだけの工程−に組織がかけら れることを特徴とする方法に関するものである。 有利には、および本発明によれば、その後人体または動物の体内への埋め込み を可能にする目的で、組織内に取り込まれた不純物を除去するために、また少な くとも組織の健全性を温存するために、前記組成と、処理工程の時間が選択され る。 組織の獲得を可能にする繊維の組成の中に入るポリ(α−ヒドロキシ−酸)ポ リマーの分子量は繊維の組合せ−とくに高温押し出しによる製糸−を可能にする のに適した−とくに十分な−ものである。実際、とくに、これらのポリマーの繊 維の高温押し出しによる製糸は、ポリマーの正確な化学組成と、使用される組み 合わせ法に依存する特定の分子量の価からしか満足のいく品質で実現することは できない。 PGAの場合、ポリマーの分子量は機織り用糸の高温押し出しによる製糸のた めに、従来は30000を超え、とくに120000程度でなければならない。 ここで超臨界状態の流体は、その特性が気体のものと液体のものの中間になる ような温度圧力条件に置かれた気体と定義できる。これを「高密度気体」または 「膨張液体」と呼ぶこともできる。所与の化学物体について、液体と蒸気の2つ の相がもはや一つの相しか形成しない温度圧力線図の正確な点を臨界点と呼ぶ。 この臨界温度(Tc)とこの臨界圧力(Pc)を越えると、流体は「超臨界」と 呼ばれる状態になる。 本発明の枠内で、超臨界状態の各種の流体を用いることができる。この点に関 して、超臨界流体は植物または器官から有機物を抽出するその作用によってとく に知られているが(例えば、US−4749522)、本発明はこれらの流体が 、意外なことに、その組織とポリ(α−ヒドロキシ−酸)族のポリマーに対して 大きな物理化学的および力学的中性を持ちながら、またさらには組織の機械的強 度を強化しながら、極めて高い効率でポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくと も一つのポリマーを含む織物原料組織を同時に洗濯、洗浄、洗毛また消毒するこ とを可能にすることを明らかにした。 有利には、および本発明によれば、超臨界状態の流体組成物として、超臨界状 態の二酸化炭素を選択する。 有利には、および本発明によれば、1時間から24時間の間、とくに12時間 程度の間、断片を超臨界二酸化炭素の流れと接触させる。 また、本発明はポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを 含む織物原料組織の製造法において、分子量がその組織を得ることを可能にする のに適したポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーをある比 率で含む繊維で少なくとも部分的に形成された織物原料繊維の少なくとも一つの 機械的組み合わせ工程(製糸および/または編み込みおよび/または編み物およ び/または機織りおよび/または凝集、など)によって組織が実現され、組織を 得ることを可能にする全ての組み合わせ工程の実施後に、少なくとも一つの超臨 界状態の流体の組成物の流れと組織を接触させる少なくとも一つの処理工程−と くに一つの、そして一つだけの工程−に組織がかけられることを特徴とする方法 にも敷衍される。 有利には、および本発明によれば、後から人体または動物の体内に埋め込みを 可能にし、少なくとも組織の物理的健全性を温存するために組織内に取り込まれ た不純物を除去するために前記組成物と処理工程時間が選択される。 有利には、および本発明によれば、ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくと も一つのポリマーを含む繊維の押し出しによって得られた糸の組み合わせによっ て組織が実現される。 本発明によれば、織物原料組織は少なくともかなりの割合の−とくに1%を超 える−ポリ(α−ヒドロキシ−酸)を含有している。言い換えれば、織物原料組 織は分子量がその組織を得ることを可能にするのに適したポリ(α−ヒドロキシ −酸)族の少なくとも一つのポリマーをかなりの比率で含む繊維を有する。 本発明は織物原料組織に含まれるポリ(α−ヒドロキシ−酸)族のポリマーの 、とくにこのポリマーの繊維の比率にかかわらず適用できる。しかしながら、有 利には、および本発明によれば、ポリ(α−ヒドロキシ−酸)の繊維−とくにP GA−の押し出しによって得られた糸で組織が実現される、すなわち組織は10 0%のポリ(α−ヒドロキシ−酸)−とくにPGA−を含有する繊維で100% 形成される。 有利には、本発明による製造法において、前記処理工程の後に組織の最終的調 整が実現される。 有利には、および本発明によれば、組織を得るための全ての組み合わせ工程の 後に組織は一つの、そしてたった一つの処理工程にかけられる。好適には、有利 には、および本発明によれば、前記組織を得るための全ての組み合わせおよび仕 上げ工程を実施した直後に、その場で断片が処理法にかけられる。したがって、 有利には、および本発明によれば、断片製造直後に前記処理工程が実施される。 本発明は分子量がその組織を得ることを可能にするのに適したポリ(α−ヒド ロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーをある比率で含む繊維で少なくとも 部分的に形成された織物原料繊維の少なくとも一つの機械的組み合わせ工程(製 糸および/または編み込みおよび/または編み物および/または機織りおよび/ または凝集、など)によって得られたポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくと も一つのポリマーを含み、本発明による方法によって得られた生物吸収性織物原 料組織にも敷衍される。有利には、および本発明によれば、分子量がその組織を 得ることを可能にするのに適したポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一 つのポリマーを含む−とくにそれによって構成される−繊維の押し出しによって 得られた糸の組み合わせ、とくに糸の機織りおよび/または編み物および/また は編込みおよび/または凝集の組み合わせによって組織が形成される。有利には 、および本発明によれば、組織はPGA糸の生物吸収性機織り断片で形成される 。本発明による織物原料組織は不純物がないだけでなく、物理化学的および機械 的特性が損なわれず、さらには強化される。かかる組織は先衍技術ではこれまで 得られなかった。 とくに、本発明はとくに敏感な移植領域を含めて、ヒトと動物に移植できるほ ど十分純粋な、本発明による、ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つ のポリマーを含む繊維の織物原料組織を含む、無菌かつ純粋な断片に関するもの である。 また、本発明は本発明による織物原料組織のインプラント、とくに糸の形のイ ンプラントまたは生物吸収性ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つの ポリマーを含む、機織りおよび/または編み物および/または編込みおよび/ま たは凝集の組織のインプラントを、人体または動物の体内に埋め込む前に処理す るための本発明による処理法の応用にも敷衍される。 また、本発明はポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを 含む織物原料組織のインプラントの製造のための本発明による製造法の応用にも 敷衍される。 本発明は上述または後述の特徴の全てまたは一部の組み合わせを特徴とする、 処理法、製造法、組織および断片またはインプラントに関するものである。 本発明のその他の特徴および利点は以下の実施例によって明らかになるだろう 。 実施例1: 25糸/cmの緯密度と85糸/cmの本数でポリグリコール酸(PGA10 0)繊維で形成された糸で繻子織りによって機織りされた織物原料組織片を製造 する。ここでこれらのポリグリコール酸繊維は生物吸収性繊維であり、従来の不 純物除去処理に特に敏感で、脆弱である。 この断片を圧力2.8・107Pa、15時間、35℃、超臨界CO2平均流量 毎時54.6kgで超臨界二酸化炭素の流れに接触させて本発明による処理にか ける。肉眼と触覚で検査して、その外観、柔軟性およびその強度の面で断片が変 化していないことを確認する。 つぎにこの様にして処理された断片に対して汚染分析を実施する。好気性およ び中温性微生物、酵母および黴が全くないことが確認される。 部分の断片に対して実施された無菌性検査で処理後は無菌であることが実証さ れる。 本発明によって処理された断片、同じ部分の未処理対照断片、およびγ線で殺 菌され超臨界CO2で処理されていない同じ部分の断片に対して牽引引っ張り強 さ力学試験を実施する。 結果は下記の通りである: ・未処理対照断片: 732N−727.5N−730N、平均値729.8N ・γ線殺菌断片: 617.5N−614N−625N、平均値618.8N ・本発明によって処理した断片 762N−732.5N−735N、平均値743.1N この様に、織物原料組織の強度を15%を超えて減少させるγ線殺菌とは反対 に、本発明による処理はこの強度を約2%上昇させる。塊の(粗製の、分割され ていない)PGAは通常、超臨界二酸化炭素に溶解し、したがって、機械的強度 が反対に大幅に低下することが予想されるので、この現象は明確に説明すること ができない。 実施例2: 実施例1に示したごとく繻子織りの断片の2つの断片を製造する。第一のもの は機卸でそのまま使用され、第二のものは実施例1の超臨界CO2処理にかける 。 これら2つの断片と、機織り生地の製造に用いられるPGAの粗糸を走査電子 顕微鏡検査、赤外線分光法、ESCA、DSCによって分析する。 ・走査電子顕微鏡検査(MEB) PGAの粗糸の表面の検査は製造および/または取り扱いの過程で引き起こさ れた多少の不純物と多少の欠陥の存在を示している。本発明による処理前の断片 の表面上に、生地の糸の表面に玉の形の不純物の存在が認められるが、一般的に 糸の表面を覆う層が認められる。本発明による処理後の生地の上には多少の不純 物が認められるが、本発明による処理の前の生地を覆っていた不純物の層は見つ からない。機織りの際に導入された不純物の層は、したがって、超臨界に酸化炭 素によって本発明による処理の際に洗浄された。 ・XPS分析(ESCA): 粗糸の直径と織り目のために分析ができないので、XPS分析は部分の断片に 対してだけ実施した。2つの断片に対して大まかなおよび高解像度での分析を実 施した。下の表1はこれらの断片の表面の原子組成を示している。 表1 原子組成 これらの結果は本発明の処理が表面原子組成の変化を引き起こすことを示して いる。実際、N、NaとSのために、CとOの比率が変化し、Siが消失して、 さらに2つの断片の表面組成はPGAの理論組成(50%のCと50%のO)か ら離れている。これは処理前の断片の表面の化学組成が純粋なPGAで形成され ず、この化学組成が本発明による処理によって変化することを示している。 炭素の高解像度分析(C1s)も生地の表面が本発明による処理によって変化 したことを示している。実際、下の表2は処理後にC−CおよびC−O結合の割 合が減少して、C=O結合が増えたことを示している。 表2 炭素の化学結合の百分率 ・FTIR分析: 2つの断片と粗糸の赤外線スペクトルは、CH2およびCH3群に特徴的な帯域 (2800と3100cm-1の間)を除いてほぼ同一である。3つの標本の帯域 構造が異なり、処理前の断片が他の2つの標本とは異なる構造を有することが分 かる。実際、機織りの後2850cm-1と2920cm-1で2つの大きなピーク が出現し、本発明による処理後に消失する。処理後の断片のスペクトルは粗糸の それとはほとんど異なっていない。 ・DSC分析: 下の表3はサーモグラムから得られた結果をまとめたものである。 表3 DSCの結果 ここで、測定誤差を考慮すると、溶解エンタルピーについて得られた値の変動 は有意ではない。したがって、これらの結果は糸と機織り部分の断片の内部構造 は本発明による処理によって変化していないことを裏書きしている。 これら全ての分析から次のことが確認される: ・処理は第二の断片とPGA繊維の本質的構造を変えない、 ・両方の断片は炭化水素型の汚染物質を含んでいるが、本発明による処理後に 第二の断片のものは消失する、 ・本発明による処理後の繊維の清掃品質は満足できるものである、 ・処置は糸表面の化学組成の変化を引き起こし、それがおそらく機械的強度を 向上させる。 実施例3 実施例1に記載のごとく本発明によって織られ、処理された部分の断片の粘性 を、PGA100の粗糸の粘性、および超臨界二酸化炭素で処理していないPG A100の織られた同じ生地の断片の粘性と比較して分析する。 粘性は織られた生地の織物原料組織の劣化の尺度である。粘性が高いほど、ポ リマーの分子量が高く、織られた生地の織物原料組織が劣化していない。 粘性の分析から次の結果が得られる: PGA粗糸: 1.09dl/g 処理前断片: 1.16dl/g 本発明による処理後断片: 1.13dl/g これらの結果は機織り工程が材料の粘性を全く低下させないが、それは本発明 による処理についても同じであることを示している。 実施例4 PGA100(100%ポリグリコール酸)の糸を、少なくとも12時間、3 5℃の温度、圧力2.7・107から2.8・107Paで超臨界CO2の流れに よって処理された。 複数のタイプの標本を処理した:互いに分離された製糸しただけのPGA粗糸 、および不織組織を形成するために締め固めたPGA糸。 この超臨界流体処理後、全ての標本を超臨界流体処理前の同じ標本と比較した 。肉眼と触覚検査で外観、強度または柔軟性にまったく変化は認められなかった 。 ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを含む織物原料組 織の不純物を除去すると同時に機械的特性を強化することのできる本発明はこれ らの特性の一方および/または他方が所望の全ての状況において有利な用途分野 がある。とくに本発明によって処理されたPGA機織り断片は純粋かつ生物吸収 性であり、インプラントの組成に入れたり、ヒトまたは動物のためのインプラン ト(人工靱帯、パッチ、人工膜、血管補綴、心臓補綴、骨補綴、など)を構成す ることができる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年4月10日(1998.4.10) 【補正内容】 請求の範囲 1.分子量がその組織を得ることを可能にするのに適したポリ(α−ヒドロキシ −酸)族の少なくとも一つのポリマーをある比率で含む繊維で、少なくとも部分 的に形成された織物原料繊維の少なくとも一つの機械的組み合わせ工程(製糸お よび/または編み込みおよび/または編み物および/または機織りおよび/また は凝集、など)によって得られたポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一 つのポリマーを含む織物原料組織の製造後の処理方法において、少なくとも一つ の超臨界状態の流体の組成物の流れと組織を接触させる少なくとも一つの処理工 程に組織がかけられ、その後人体または動物の体内への埋め込みを可能にする目 的で組織内に取り込まれた不純物を除去するために、また少なくとも組織の健全 性を温存するために、前記組成物と、処理工程の時間が選択されることを特徴と する方法。 2.組成物として、超臨界状態の二酸化炭素を使用することを特徴とする請求項 1に記載の方法。 3.組織を1時間から24時間の間、とくに12時間程度の間、超臨界二酸化炭 素の流れと接触させることを特徴とする請求項2に記載の方法。 4.ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを含む織物原料 組織の製造法において、分子量がその組織を得ることを可能にするのに適したポ リ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーをある比率で含む繊維 で、少なくとも部分的に形成された織物原料繊維の少なくとも一つの機械的組み 合わせ工程(製糸および/または編み込みおよび/または編み物および/または 機織りおよび/または凝集、など)によって組織が実現され、組織を得ることを 可能にする全ての組み合わせ工程の実施後に、少なくとも一つの超臨界状態の流 体の組成物の流れと組織を接触させる少なくとも一つの処理工程に組織がかけら れ、その後人体または動物の体内に埋め込みを可能にする目的で、組織内に取り 込まれた不純物を除去するために、また少なくとも組織の物理的健全性を温存す るために、前記組成物と処理工程時間が選択されることを特徴とする方法。 5.ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを含む繊維の押 し出しによって得られた糸の組み合わせによって組織が実現されることを特徴と する請求項4に記載の方法。 6.PGA繊維の押し出しによって得られた糸で組織が実現されることを特徴と する請求項4または5に記載の方法。 7.前記処理工程の後に組織の最終的調整が実現されることを特徴とする請求項 4から6のいずれか一つに記載の方法。 8.組織を得るための全ての組み合わせ工程の後に組織が一つの、そしてたった 一つの不純物除去工程にかけられることを特徴とする請求項4から7のいずれか 一つに記載の方法。 9.組織を得るための全ての集合および仕上げ工程を実施した直後に、組織が処 理工程にかけられることを特徴とする請求項4から8のいずれか一つに記載の方 法。 10.断片製造直後に前記処理工程が実施されることを特徴とする請求項1から 9のいずれか一つに記載の方法。 11.超臨界状態の流体組成物として、超臨界状態の二酸化炭素を使用すること を特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の方法。 12.組織を1時間から24時間の間、とくに12時間程度の間、超臨界二酸化 炭素の流れと接触させることを特徴とする請求項11に記載の方法。 13.分子量がその組織を得ることを可能にするのに適したポリ(α−ヒドロキ シ−酸)族の少なくとも一つのポリマーをある比率で含む繊維で少なくとも部分 的に形成された織物原料繊維の少なくとも一つの機械的組み合わせ工程(製糸お よび/または編み込みおよび/または編み物および/または機織りおよび/また は凝集、など)によって得られたポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一 つのポリマーを含み、請求項1から12のいずれか一つに記載の方法によって得 られた生物吸収性織物原料組織。 14.ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを含む繊維の 押し出しによって得られた糸の組み合わせによって形成されることを特徴とする 請求項13に記載の組織。 15.PGA繊維の押し出しによって得られた糸によって形成されることを特徴 とする請求項13または14に記載の組織。 16.PGA糸の生物吸収性機織り断片で形成されることを特徴とする請求項1 3から15のいずれか一つに記載の組織。 17.ヒトまたは動物に移植できるほど十分純粋な、請求項13から16のいず れか一つに記載の織物原料組織を含む断片。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 10/00 D06M 10/00 K 11/76 3/34

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.分子量がその組織を得ることを可能にするのに適したポリ(α−ヒドロキシ −酸)族の少なくとも一つのポリマーをある比率で含む繊維で、少なくとも部分 的に形成された織物原料繊維の少なくとも一つの機械的組み合わせ工程(製糸お よび/または編み込みおよび/または編み物および/または機織りおよび/また は凝集、など)によって得られたポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一 つのポリマーを含む織物原料組織の製造後の処理方法において、少なくとも一つ の超臨界状態の流体の組成物の流れと組織を接触させる少なくとも一つの処理工 程に組織がかけられることを特徴とする方法。 2.その後人体または動物の体内への埋め込みを可能にする目的で、組織内に取 り込まれた不純物を除去するために、また少なくとも組織の健全性を温存するた めに、前記組成物と、処理工程の時間が選択されることを特徴とする、請求項1 に記載の方法。 3.組成物として、超臨界状態の二酸化炭素を使用することを特徴とする請求項 1または2に記載の方法。 4.組織を1時間から24時間の間、とくに12時間程度の間、超臨界二酸化炭 素の流れと接触させることを特徴とする請求項3に記載の方法。 5.ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを含む織物原料 組織の製造法において、分子量がその組織を得ることを可能にするのに適したポ リ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーをある比率で含む繊維 で、少なくとも部分的に形成された織物原料繊維の少なくとも一つの機械的組み 合わせ工程(製糸および/または編み込みおよび/または編み物および/または 機織りおよび/または凝集、など)によって組織が実現され、組織を得ることを 可能にする全ての組み合わせ工程の実施後に、少なくとも一つの超臨界状態の流 体の組成物の流れと組織を接触させる少なくとも一つの処理工程に組織がかけら れることを特徴とする方法。 6.その後人体または動物の体内に埋め込みを可能にする目的で、組織内に取り 込まれた不純物を除去するために、また少なくとも組織の物理的健全性を温存す るために、前記組成物と処理工程時間が選択されることを特徴とする請求項5に 記載の方法。 7.ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを含む繊維の押 し出しによって得られた糸の組み合わせによって組織が実現されることを特徴と する請求項5または6に記載の方法。 8.PGA繊維の押し出しによって得られた糸で組織が実現されることを特徴と する請求項5または6に記載の方法。 9.前記処理工程の後に組織の最終的調整が実現されることを特徴とする請求項 5から8のいずれか一つに記載の方法。 10.組織を得るための全ての組み合わせ工程の後に組織が一つの、そしてたっ た一つの不純物除去工程にかけられることを特徴とする請求項5から9のいずれ か一つに記載の方法。 11.組織を得るための全ての集合および仕上げ工程を実施した直後に、組織が 処理工程にかけられることを特徴とする請求項5から10のいずれか一つに記載 の方法。 12.断片製造直後に前記処理工程が実施されることを特徴とする請求項1から 11のいずれか一つに記載の方法。 13.超臨界状態の流体組成物として、超臨界状態の二酸化炭素を使用すること を特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載の方法。 14.組織を1時間から24時間の間、とくに12時間程度の間、超臨界二酸化 炭素の流れと接触させることを特徴とする請求項13に記載の方法。 15.分子量がその組織を得ることを可能にするのに適したポリ(α−ヒドロキ シ−酸)族の少なくとも一つのポリマーをある比率で含む繊維で少なくとも部分 的に形成された織物原料繊維の少なくとも一つの機械的組み合わせ工程(製糸お よび/または編み込みおよび/または編み物および/または機織りおよび/また は凝集、など)によって得られたポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一 つのポリマーを含み、請求項1から14のいずれか一つに記載の方法によって得 られた生物吸収性織物原料組織。 16.ポリ(α−ヒドロキシ−酸)族の少なくとも一つのポリマーを含む繊維の 押し出しによって得られた糸の組み合わせによって形成されることを特徴とする 請求項15に記載の組織。 17.PGA繊維の押し出しによって得られた糸によって形成されることを特徴 とする請求項15または16に記載の組織。 18.PGA糸の生物吸収性機織り断片で形成されることを特徴とする請求項1 5から17のいずれか一つに記載の組織。 19.ヒトと動物に移植できるほど十分純粋な、請求項15から18のいずれか 一つに記載の織物原料組織を含む断片。
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