【発明の詳細な説明】
自己デコンボリューション法によるコンビナトリアルライブラリー
本発明は、新規活性化合物の発明を促進するような、自己デコンボリューショ
ンコンビナトリーライブラリーを用いて、構造/活性相関の迅速な形成を提供す
る装置及び方法の分野に関する。本発明は、構造/活性相関(SAR)データの迅速
な作成、及びその結果のいずれかの化合物群の活性モチーフの特徴付けに使用す
ることができる、装置及び方法を提供する。
本発明は、活性部位と相互作用する化合物のライブラリー、及びこのような化
合物を同定するための装置及び方法を提供する。これらの活性部位は、酵素、レ
セプター、抗体などである(しかしこれらに限定されるものではない)。これらの
活性部位と該ライブラリーの化合物との相互作用は、基質又は阻害剤と酵素との
相互作用、リガンドとレセプターの相互作用、抗原又は抗原決定基と抗体との相
互作用などである(しかしこれらに限定されるものではない)。
下記のリストは、いくつかの酵素のクラス及びサブクラスを説明している:酵素クラス
1.酸化還元酵素
a)脱水素酵素
b)酸化酵素
c)ペルオキシダーゼ
d)カタラーゼ
2.加水分解酵素
f)ペプチダーゼ(タンパク質分解酵素)
3.転移酵素
g)アミノトランスフェラーゼ
h)キナーゼ
i)グルコシルトランスフェラーゼ
4.脱離酵素
j)脱炭酸酵素
k)脱水酵素
5.異性化酵素
l)ラセミ化酵素
m)ムターゼ
6.リガーゼ
n)シンテターゼ
o)カルボキシラーゼ。
興味深いプロテアーゼは、下記を含む(しかしこれらに限定されるものではな
い):
1.アスパラチルプロテアーゼ、例えば、レニン、HIV、カテプシンD、及びカテ
プシンEなど。
2.メタロプロテアーゼ、例えば、ECE、ゲラチナーゼA及びB、コラゲナーゼ、
ストロメライシンなど。
3.システイニルプロテアーゼ、例えば、アポパイン(apopain)、ICI、DerPI、カ
テプシンB、カテプシンKなど。
4.セリンプロテアーゼ、例えば、トロンビン、VIIa因子、Xa因子、エラスターゼ
、トリプシン。
5.トレオニルプロテアーゼ、例えば、プロテアソームS。プロテアーゼ
治療において有用な医薬品の多くが、酵素阻害剤として作用する。特に、タン
パク質分解酵素阻害剤は、製薬業界において多くの注目を集めているが、その理
由は、これらが多くの生物学的システムにおいて様々な役割を果たすからである
。これらのタンパク質分解活性は、転移性癌に関連した細胞浸潤から、ある寄生
生物において認められるような、免疫応答の回避まで;栄養補給から、ウイルス
プロテアーゼ及び真核生物のホルモン−プロセシング酵素の部位特異的なタンパ
ク質分解への細胞間シグナル伝達にまでに及ぶ過程に関連している。しかし、タ
ンパク質分解酵素の阻害剤としてのリード分子を同定するための従来のランダム
スクリーニング法は、煩雑で、時間がかかることが多い。従って、創薬過程を加
速
することができる新規かつ有効な方法が、一般に求められている。
我々は、プロテアーゼは、認識ポケット(recognition pocket)1(S1及びS2な
ど)及び(S1'及びS2'など)がより良く占拠されるにつれて、より多く活性化さ
れ始める傾向を示す活性触媒部位を含むと考える。従って、新規プロテアーゼ阻
害剤の設計には、これらのポケットに最も良く適合する阻害剤のこれらの部分(P1
及びP2など)(P1'及びP2'など)が、できる限り迅速に同定されることが重要で
ある。従って我々は、アスパラチルプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、メタロ
プロテアーゼ及びシステイニルプロテアーゼのような様々なタンパク質分解酵素
の阻害剤の合成を大きく促進するであろうこれらの結合モチーフを、迅速に同定
するためのコンビナトリアルな方法を、考案した。
タンパク質分解酵素の特異性を分析するための蛍光共鳴エネルギートランスフ
ァー(FRET)基質の使用は、Carmel2によって最初に発表された。それ以降、酵素
阻害測定用の多くの種々の消光された蛍光原基質が、論文に記載されている4-11
。これらの基質は、P位置(前記参照)に発蛍光団Fを有し、これは、P'位置
(前記参照)に存在する別の基Qによって消光され、かつ分断できる(scissile)
結合によってFから分離される。これらの残基F及びQの位置決定の利点は、ペ
プチド結合の切断が、これら2個の天然の残基の間で生じ、その結果、C-末端の
発色団の切断及び放出よりも、より自然に加水分解事象を示すことである。
例えば、Bratovanova及びPetkov12は、ペプチド4-ニトロアニリドから蛍光原
基質を合成した。ペプチド4-ニトロアニリドのアミノベンゾイル基(ABz)によるN
-アシル化は、4-ニトロアニリド残基の存在によって内部消光される基質を生じ
る。アミノアシル-4-ニトロアニリド結合の加水分解時には、アミノ酸又はペプ
チドのいずれかに結合された高度に蛍光性のN-ABz基が放出される。
基質がポリマー又は生体ポリマー支持担体に結合されているような、固定化さ
れたライブラリーも、プロテアーゼ結合部位のマッピングに使用されている13。
Singhらは最近、制御された多孔質ガラスにリンカーを介して結合された38種の
選択されたオクタペプチドの酵素基質活性が、溶液中の類似ペプチドの同じ活性
の予測に役立つことを報告した。しかしこれらの結果は、特定の例に関する予備
的かつ唯一のものである。従って、ポリマーに結合された固定化された基質が、
妨害されたプロテアーゼ結合部位のマッピングにおいて、可溶性基質に確実に取
って代わることができるかどうか、特に該ポリマーの疎水性又は親油性の性質並
びに該ポリマー内の間隙の大きさのために、酵素及びその基質の間の反応に影響
を及ぼすように結合できるかどうかは明確ではない。
最近になって、消光基Qが2,4-ジニトロフェニル(Dnp)であり、かつ分断でき
る結合のP側に結合されている一方で、蛍光原基は、N-メチルアントラニル酸(N
am)であり、かつP'側に結合されているような、内部消光された蛍光原基質の混
合物も、公表されている14。
生物学的システムに適用されている他の供与体−受容体発色団対の例を、表1
に示した。
ANAI、2-アントラセン-N-アセチルイミダゾール;BPE、B-フィコエリスリン(phy
coerythrin);CF、カルボキシフルオレセインスクシニミジルエステル;CPM、7-
ドエチルアミノ-3-(4'マレイミジルフェニル)-4-メチルクマリン;CY5、カルボ
キシメチルインドシアニン-N-ヒドロキシスクシニミジルエステル;diI-C18、1,
1'-ジオクタデシノレ-3,3,3',3'-テトラメチル-インドカルボシアニン;DiO-C14
、3,3'-ジテトラデシルオキサカルボシアニン;DABM、4-ジメチルアニニフェニ
ルアゾ-フェニル-4'-マレイミド;DACW(7-(ジメチルアミノ)クマリン-4-イル)ア
セチル;DANZ、ダンシルアジリジン;DDPM,N-(4-ジメチルアミノ-3-5-ジニトロ
フェニル)マレイミド;DACM、ジ-メチルアミノ-4-マレイミドスチルベン;DMSM、
N-(2,5-ジメトキシスチベン-4-イル)-マレイミド;DNP、2,4-ジニトロフェニル;
ε−A、1,N6-エテノアデノシン;EIA、5-(イオドアセテタミド)エオシン;EITC
、エオシン-5-イソチオシアネート;ENAI、エオシン-N-アセチルイミダゾール;
EM、エオシンマレイミド;ErITC、エリスロシン-5'-イソチオシアネート;ETSC
、エオシンチオセミカルバジド;F2DPB、1,5-ジフルオロ-2,4'-ジニトロベンゼ
ン;F2DPS、4,4'-ジフルオロ-3,3'-ジニトロフェニルスルホン;FITC、フルオレ
セイン-N-アセチルイミダゾール;FTS、フルオレセインチオセミカルバジド;IA
ANS、2-((4'-イオドアセタミド)アニリノ)ナフタレン-6-スルホン酸;IAEDANS、
5-
(2((イオドアセチル)アミノ)エチルアミノ)-ナフタレン-1-スルホン酸;IAF、5-
イオドアセタミドフルオレセイン;IANBD、N-((2-(イオドアセトキシ)エチル-N-
メチル)アミノ-7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール;IPM、3(4-イソチオ
シアナトフェニル)-7-ジエチル-4-メチルクマリン;ISA、4-(イオドアセタミド)
サリチル酸;LRH、リサミネルホ(lissaminerho)-2,1,3-ベンズオキサジアゾール
-4-イル;NCP、N-シクロヘキシル-N'-(1-ピレニル)カルボジイミド;ODR、オク
タデシルローダミン;PM、N-(1-ピレン)マレイミド;SRH、スルフローダミン;TMR
、テトラメチルローダミン;TNP、トリニトロフェニル;TR、テキサスレッド。
引用:Wu,P.及びBrand,L.の1994年、Ana.Biochem.、218:1-13頁。
可溶性ペプチドライブラリーの特異性が、決定されている15,16。Bermanらは
、HPLC上でのUVモニタリングを可能にするために、Dnp基でN-末端が標識された1
28個のペプチドの6種の混合物を合成するという、HPLC質量分析法を明らかにし
た16。この方法の欠点は、蛍光原基質が明らかではないので、各アッセイ混合物
を、個々に分析しなければならないこと、及び各単独の成分の有効濃度が、全体
の溶解度因子のために、該混合物の大きさによって制限されることである。
Drevinらは、ランタニドイオンをキレートする発色団を用いて酵素活性を測定
するための、個別に合成された蛍光原基質の使用を示している17。Garmann及びP
hillipsは、ペプチドが合成された後に、蛍光部位及び消光部位が、チオール又
はアミノ官能基を介して結合されているFRET基質の使用を示したが、これは、こ
れらがライブラリーの形状ではないこと、並びにこれらの官能性アミノ基及びチ
オール基が、ペプチドが合成された後に、選択的に顕現化されることが必要であ
るという欠点を有する。Wangらは、タンパク質分解酵素の基質を個々に合成する
ために、EDANS及びDABOYLの発蛍光物質(fluorescore)及び消光物質の対を使用す
ることを示した。
特異的プロテアーゼの周囲の活性部位をマッピングするためにFRET技術を使用
する前述の方法は、以下の欠点を1種以上持っている:
i.これらは、一般に水に不溶性であるため、水溶液中でのハイスループットスク
リーニングに適した形状の化合物類の混合物は生成しない;
ii.この誘導された化合物類は、固相法を用いるコンビナトリアルライブラリー
の形状において、調製することができない;
iii.使用された混合物8,9は、自己−デコード化ができず、かつ該活性分子の同
定には、時間のかかるデコンボリューション的な再合成が必要である。キナーゼ
プロテインキナーゼは、細胞の増殖、分化、及び細胞間連絡において重要な役
割を果たす、細胞内酵素である。変種のプロテインキナーゼ活性は、癌のいくつ
かの形及び重度の複合型免疫欠損症を含む、多くの病態に関連している。セリン
/トレオニン及びチロシンのプロテインキナーゼは全て、共通の祖先を持つキナ
ーゼから進化した触媒サブユニットとして公知である、およそ300個のアミノ酸
領域を有している(Hunterらの論文、1991年)。いくつかのキナーゼの結晶構造の
決定から、これらが全て、共通の二葉状(bi-lobal)の構造を有することがわかっ
た。このサブユニットのアミノ末端部分は、ATPの結合に寄与している小さい葉
をコードし、一方カルボキシ末端残基は、タンパク質基質の結合に重要な大きい
葉をコードしている。この活性キナーゼの三次元構造において、ATP及びタンパ
ク質基質双方の結合部位は、一緒に、該タンパク質基質上のアミノ酸受容体への
、ATPのγ−リン酸基の転移を可能にする。このタンパク質/ペプチド結合の溝
は、2本のα-ヘリックス間の大きい葉の表面を横切り、小さい葉の下側へと伸
びている。従ってこの溝は、該キナーゼの基質特異性に重要な残基を含んでいる
。プロテインキナーゼは、細胞内のキナーゼカスケード中に配列されており、ポ
スト−シグナル伝達経路におけるシグナル増幅の能力を提供する。この増幅は、
その下流のパートナーを特異的に活性化する上流のキナーゼによるものである。
こういう理由で、プロテインキナーゼは、様々なキナーゼカスケード間の望まし
くないクロストークを妨げるような著しい基質特異性を出現させる。我々は、こ
のような基質特異性を、選択的プロテインキナーゼ阻害剤の設計において活用す
ることができると考える。現存するプロテインキナーゼ阻害剤 非ペプチド系の阻害剤
最も利用可能なペプチドでないプロテインキナーゼ阻害剤は、その基質結合領
域を標的とすることはないが、酵素結合に関してATPと競合する。これらの阻害
剤は、従来の医薬化学を用いて設計し、特異的酵素選択性を示すことができる。
この戦略のひとつの例は、一般的プロテインキナーゼ阻害剤である真菌の代謝物
スタウロスポリンの、選択的プロテインキナーゼC阻害剤であるビス−インドリ
ル−マレイミドRo31-7549及びRo31-8425(図17)への修飾であった(Muidらの論文
、1991年)。残念ながら、このATPアンタゴニスト阻害剤の効力は、高レベル(ミ
リモル)のATPのために、特定の細胞内区画において、劇的に低下され得る。
あるストレプトミセス菌によって産生される芳香族化合物エルブスタチン(erb
statin)(図18)は、タンパク質のチロシンキナーゼの逆転(reversal)が誘発し
た細胞の形質転換のスクリーニングにおいて同定された。その後、エルブスタチ
ンは、in vitroにおいてEGFRキナーゼを、kiが5.58μMで、かつペプチド基質に
対して典型的ラインウィーバーバーク競合的速度論で阻害するが、ATPとは非競
合的でありつづけることが示された(Umezawa及びImotoの論文、1991年)。この化
合物は、ウシ血清中で容易に不活性化され、かつそのため治療目的の使用に関す
る重要な候補とはみなされなかった。N-ホルミル基を置換することにより、エル
ブスタチンの安定性を増し、及びこの分子のあらゆる部分の系統だった修飾を用
いて、その阻害を特異的チロシンキナーゼの方向へ偏らせるという両方の試みが
成されている。これらの合成エルブスタチン誘導体は、チルホスチンス(tyrphos
tins)tyrosine phosphorylation inhibitors)として公知であり、かつ主に酵素
/シグナル伝達の研究における道具として使用されるが、疾患の動物モデルにお
いて、限定された成功を収めている(Levitzki及びGazitの詳しいレビューを参照
のこと、1995年)。偽基質阻害剤
プロテインキナーゼの構造及び機能に関する研究は、偽基質阻害として公知の
触媒活性を調節する天然の方法を明らかにした。この方法は、触媒部位(プロテ
インキナーゼC)と同じ分子上、又は活性部位に結合しかつキナーゼ活性を阻害す
る調節サブユニット分子(環状cAMP-依存性プロテインキナーゼ)上のいずれかの
配列を使用する。これらの配列は、リン酸基受容体残基を有さないが、しかしリ
ン酸基受容体に対する単一の特異的残基の修飾は、良好な基質配列の形成をも
たらす。これが、この配列が偽基質として知られている理由である。偽基質部分
をベースにしたペプチドは、特定のプロテインキナーゼ、例えば、環状cAN−依
存性プロテインキナーゼ(PKA)、プロテインキナーゼC(PKC)、ミオシンL鎖キナ
ーゼ(MLCK)及びカルモジュリン依存性プロテインキナーゼIIを阻害するための道
具として使用されている(Kempらの論文、1994年)。アミノ酸が20個未満の偽基質
ペプチドは、in vitroで、効力の低いナノモル阻害剤であることが、アミノ酸が
6個の偽基質をベースにしたペプチドが、1μM未満でプロテインキナーゼを阻
害することと共に示されている(Kempらの論文、1991年)。
活性部位への結合において基質と競合する、分子量が小さいプロテインキナー
ゼ阻害剤に関する適用範囲があることは明らかである。論理的かつペプチドで実
証済みの方法は、触媒部位に特異的に接近することができる基質分子の阻害剤を
基にしている。偽基質に焦点を当てると、この方法は更に、リード化合物がラン
ダムスクリーニング法で同定される場合には一般に失われる要素である、“固有
の(in-built)”特異性という利点もある。疾患治療におけるプロテインキナーゼ阻害剤
現時点で、臨床使用が可能な特異的プロテインキナーゼ阻害剤はない。しかし
、いくつかの治療領域、最も注目すべきは腫瘍、自己免疫及び移植の拒絶反応に
おけるキナーゼ阻害に関する計画を有する主な製薬会社全てにとって、このよう
な化合物の可能性は明らかである。
典型的キナーゼ阻害剤化合物は、多くの会社から広範に入手することができ、
かつin vitroにおけるシグナル伝達の研究の道具として使用されている。いくつ
かは、これらの化合物に選択性及び増強された活性の両方をエンジニアリングす
るために設計された、広範な医薬化学プログラムのための基本となっている。こ
の戦略が、in vitroの細胞アッセイシステム内、及び疾患の動物モデルの両方に
おいて活性のある化合物を製造することに一部成功したことを示すいくつかの例
が報告されている。スタウロスポリンアナログ(CGP41251及びUCN-01)は、in viv
oにおける抗腫瘍活性を示すために使用されていて(Meyerらの論文、1989年;Aki
nagakaらの論文、1991年)、及び選択的PKC阻害剤は、急性炎症の動物モデルにお
いて作用することが示されている(Bradshawらの論文、1993年)。更
にBMNチルホスチンAG490は、動物モデルにおいて、リンパ芽球性白血病増殖を阻
害することが示されていて、その阻害能力は、非−レセプター細胞内チロシンキ
ナーゼJAK-2と関連付けられている(Meydanらの論文、1996年)。これらの有望な
前臨床試験は、まだ臨床には転用されておらず、これは、おそらく化合物の特異
性に関連した、予期しない毒性学的問題が、それらの進行を遅らせている可能性
がある。
過去数年の間に、キナーゼの構造、機能及び活性に関係する知識は急激に増加
した。新たなキナーゼ類も同定され、その中のいくつかは、特異的阻害剤が選択
的に作用すると予想することができるような、十分に限定的な細胞分布を示して
おり、例えばZAP70阻害剤は、T細胞の活性化を選択的に阻害し、かつNK細胞を
より少ない程度に阻害するであろう。と共に、これらの態様は、幅のある病態を
治療するためのキナーゼ阻害剤の開発の新規方法が見込まれることを提唱してい
る。プロテインキナーゼ阻害剤の設計法 最初の基質情報の作成
共通のペプチドキナーゼ基質の情報を提供する方法が、L.Cantleyの研究室で
最近開発された(Songyangらの論文、1994年)。第一に、各側の4個の未知のアミ
ノ酸によって変動されたチロシン又はセリン/トレオニンのような、中心のリン
酸基受容体を伴うペプチドの、変成したペプチドライブラリーが合成される。次
にこのライブラリーは、興味深いプロテインキナーゼによりリン酸化され、かつ
リン酸化されたペプチドが、DEABセファセル(sephacel)及び鉄キレートクロマト
グラフィーにより単離される。このホスホペプチド混合物は、その後配列決定さ
れ、かつ-4から+4の位置毎のそれぞれのアミノ酸頻度を評価し、好ましい基質配
列を得る。これらの研究は、共通の基質情報をもたらし、かつ隣接する残基の相
互作用に関する特定の優位性に関する詳細な分析を可能にすることはない。同様
に、この分析は、天然のアミノ酸のみで行われる。繊維状ファージも現在、基質
情報の作成に使用されている(マイアミ、バイオテクノロジー会議、1996年)。基
質情報は、in vivoにおける該キナーゼの生理的基質の知識からも得ることがで
きる。図面の説明
図1から14までは、ライブラリーマトリックスのプレートにおける成分分布を
例示している;
図15は、化合物番号4:Boc-Val-A1a-Leu-Hの生成の反応経路を詳細に説明して
いる:ここで、iは、イソブチルクロロギ酸、N-メチルモルホリン、その後N,O-
ジメチルヒドロキシアミン、HCl、THFであり;iiは、HCl、ジオキサンであり;i
iiは、イソブチルクロロギ酸、N-メチルモルホリン、その後Boc-Ala-OH、THFで
あり;ivは、HCl、ジオキサンであり;vは、Boc-Val-Osuc、N-メチルモルホリ
ン、DMFであり;viは、LAHである;
図16は、Der PIの活性阻害剤の生成の反応経路を、詳細に説明している;
図17は、RocheプロテインキナーゼC阻害剤の分子構造を示している。A;Ro31
-8425/002、3-[8(RS)-(アミノメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロピリドール[1,2-a]
-インドール-10-イル]-4-(1-メチル-3-インドリル)-1H-ピロール-2,5-ジオン塩
酸塩。B;Ro 31-7549/001、3-[1-(3-アミノプロピル)-3-インドリル]-4-(1-メチ
ル-3-インドリル)-1H-ピロール-2,5-ジオン塩酸塩である;
図18は、ストレプトミセスMH435-hF3から単離された、プロテインチロシンキ
ナーゼ阻害剤であるエルブスタチンの分子構造を示す。発明の簡単な説明
本発明は、新規活性化合物の発明を促進するような、自己デコンボリューショ
ン法によるコンビナトリアルライブラリーを用い、構造活性相関の迅速な形成を
提供する装置及び方法の分野に関する。
我々は、本願明細書において、構造活性相関(SAR)データの迅速な作成、及び
その結果のいずれかの化合物群の活性モチーフの特徴づけのために使用すること
ができる装置及び方法を説明する。
本発明は、自己デコンボリューション法について二次元で示された、2種の相
補的コンビナトリアルライブラリーを提供する、溶液中の化合物類の混合物の2
種の直交セットを提供する。
二次元で示された混合物の2種の直交セットの一般的概念は、多数の穴の様々
な並び替え、プレートレイアウト、混合物毎の多数の並び替えなどに適応するこ
とができる。しかし、本発明に従って、数字で示された相関関係が、4種の可変
基B、C、D及びEを持つ化合物類を含むライブラリーに関して、下記に示した
ように定義された。
一般的デコンボリューションの式
-Bb-Cc-Dd-n(Ee)- (I)
1)一次及び二次のプレートは、同じ穴当たりの化合物数[X]を有することが好ま
しい:さもなければ、それぞれ、Xp及びXsの2種の値を有する。
2)一次ライブラリーは、[np]個のプレートを含む。
Rp・Cp=Rs・Csであるならば、二次ライブラリーのプレート数も、[np]個であ
る。そうでない場合は、二次ライブラリー中のプレート数[ns]は:
ns=(Rp・Cp/Rs・Cs)・np
例えば、一次ライブラリーがnp=4、Rp=8、Cp=10であるなら、下記式と等しい
プレート数を有するRs=4、Cs=5の二次ライブラリーを試みることができる:
ns=(8×10/4×5)×np=16プレート。
穴当たりの化合物数
-Bb-Cc-Dd-np(Ee)- (1)
可能性のある組合せの数[k]は、以下のように得られる:
k=b・c・d・np・e (2)
プレート上の穴の数=[N]、穴当たりの化合物の数=[X]、及びプレートの数=[n
p]であるならば:
k=X・N・np (3)
しかし、穴の数[N]は、列の数[Rp]及び行の数[Cp]によっても定義されるので:
N=Rp・Cp (4)
(3)及び(4)を組合せて:
k=X・Rp・Cp・np (5)
(2)及び(5)を組合せて:
b・c・d・np・e=X・Rp・Cp・np (6)
この式の両辺を[np]で約して:
b・c・d・e=X・Rp・Cp (7)
この式の左辺の2個の変数(例えばb、c)は、各々、行の数[Cp]と等しくなけれ
ばならず、一方左辺の残りの変数(例えばd)は、列の数[Rp]と等しくなければ
ならない。そのため:
[Cp]2・Rp・e=X・Rp・Cp (8)
この式の両辺を[Cp]及び[Rp]で約して:
Cp・e=X (9)
ここで[e]は、固定された列の変数の数であり;及び
Rp=Cpであるならば、Rp・e=Xである。
例
4個のプレート上、10×10×8×8フォーマットについて:
np・e=8=>e=2
10×2=X
X=20である。
当業者は、前述の一般的デコンボリューションの式を理解することで、本発明
の自己−デコンボリューション法の有利な結果が、いくつかの様々な配列の穴、
プレートレイアウト、及び混合物を用いることによって得られること、並びにこ
こで詳細に説明された好ましい実施態様におけるこのような変形が、本発明の範
囲内であることが意図されていることを、容易に理解するであろう。
これらの分子は、環式又は脂環式であることができる。これらは、同じ構造で
、下記直線状又は環状であることができるか;
B−C−D−E 又はもしくはBCDEは、下記のように中心コア構造(scaffold)(直線状又は環状)の上
であることができるか;
もしくは、残基の1個が、下記骨格であることができる。
ここで印-B-C-D-E-又は-B-C-D-nE-を使用する場合、これらの直線状及び環状の
変形は全て、その定義の中に含まれると理解される。
B、C、D、E間の少なくとも1個であるが全てではない結合が、分断できる
ことが必要である。分断できない結合は、スルホンアミド、尿素、アミノメチレ
ンを含むことができる。
“コア構造”分子のいくつかの限定的でない例を、表2に示し、ここで、置換
基R1−R4は、可能性のある可変基B、C、D及びEに対応している。
第一の態様において、本発明は、式A-B-C-D-nE-F[I]で表された新規化合物を
提供し、式中;
Aは、Fによって内部消光される発蛍光物質を表し;
B、C、D及びEは、これらの基のいずれか2種の間の分断できる結合が、適当
な結合であるような基を表し;
Fは、発蛍光物質Aを内部消光することが可能な消光物質を表し;及び
nは、1〜4の整数を表す。
いくつかの実施態様において、前述の適当な結合とは、未置換のアミド結合(
実施例1参照)であり;別の実施態様においては、この適当な結合は、エステル
結合である(実施例2参照)。
好ましい実施態様において、B、C、D、Eは、アミノ酸又はヒドロキシ酸で
ある。これは、アミン又はヒドロキシ末端及びカルボン酸末端を有する分子であ
る。このアミン/ヒドロキシ基は、同じ炭素原子に位置するか、もしくはいくつ
かの原子及び原子型により隔てられていることができる。
第二の態様において、本発明は、式[I]の化合物類の混合物を含むFRET化合物
のコンビナトリアルライブラリーを提供する。
第三の態様において、本発明は、タンパク質分解酵素の1個又は複数の基質を
検出するために、このようなコンビナトリアルFRET(蛍光共鳴エネルギートラン
スファー)分子のライブラリーを用いてアッセイを実行することによる、該酵素
活性の検出及び測定を含む、構造−活性相関(SAR)相関の迅速な形成をもたらす
方法における、コンビナトリアルFRETライブラリーの使用を提供する。この方法
に従って、同定された基質は、タンパク質分解酵素の生物学的アッセイにおいて
、合成しかつ使用することができる。新規基質は、本発明の範囲に含まれる。
第四の態様において、本発明は、前記ライブラリーの化合物に対するタンパク
質分解酵素活性の検出及び測定の方法における、このようなコンビナトリアルFR
ETライブラリーの使用を提供する。 第五の態様において、本発明は、基質として同定されたFRET化合物が、可能性
のある阻害剤のパネルに対する個別の酵素との阻害アッセイにおいて使用される
ような、1個又は複数の酵素阻害剤の同定を含む方法を提供する。
第六の態様において、本発明は、2種の相補的FRET化合物ライブラリーを含む
化合物のセットを提供する。このようなセットは、タンパク質分解酵素の基質又
は阻害剤を同定するためのスクリーニング又はアッセイ法を可能にするので、以
後“装置”と称す。この装置を構成している化合物のセットは、下記のように、
自己デコンボリューション法によるコンビナトリアルライブラリーを提供するこ
とが可能である。
第七の態様において、本発明は、コンビナトリアルFRET(蛍光共鳴エネルギー
トランスファー)分子のライブラリーを用いるアッセイを実行することによる、
タンパク質分解酵素活性の検出及び測定を含むタンパク質分解酵素の阻害剤を同
定及び合成の方法、該酵素に関する1個又は複数の基質を発見し、かつ1個又は
複数の基質をベースにした阻害剤を合成するための該ライブラリーのデコンボリ
ューション法を提供する。この方法の直接の生成物は、1個以上の新規タンパク
質分解酵素阻害剤である。
第八の態様において、本発明は、該酵素の基質として同定されている、FRET分
子を用いる阻害アッセイを提供するが、ここで該分子は、可能性のある阻害剤の
パネルに対して個別に酵素を用いてアッセイされる。
第九の態様において、本発明は、下記式の化合物を含むセットを構成している
、化合物ライブラリーL1及びL2の相補対を提供する:
Aa-Bb-Cc-Dd-n(Ee)-Ff-Gg
これは、各ライブラリーにおいてa×b×c×d×e×f×g=Mn個の化合物をもたら
し、各ライブラリーの個々の同定しうる化合物のあらかじめ定められた数(Q1,Q
2)からそれぞれなる混合物のあらかじめ定められた数(P1,P2)があり、ここでL1
及びL2は両方共、同じMn個の化合物を含んでいるが、L1のQ1個の化合物の1種の
混合物中に一緒に認められるいずれか2種の化合物が、L2のP2個の混合物のいず
れか1種において一緒に認められることはない。
第十の態様において、本発明は、前述のライブラリーL1、L2を用いる、酵素
活性のスクリーニング法を提供し、ここでL1のP1混合物及びL2のP2混合物は、各
々、穴プレートの個々の穴に個別に配置され、これらの穴プレートは、L1の1個
の穴及びL2の1個の穴中の活性の存在から独自の活性化合物の式を推測すること
を可能にするために適用されたフォーマットに配列された穴を有する。
本発明の装置は、好ましくは2種の相補的化合物ライブラリーL1及びL2を含み
、各々は、A-B1-10-C1-10-D1-8-n(E1-2)-F-G-[II]型の、本発明の化合物n×1600
個を含み、ここで:
Aは、Fにより内部消光された発蛍光物質であり、好ましくは、Bにアミド結合
によって結合された、未置換又は置換されたアントラニル酸誘導体であり;
B、C、D、Eは、適当な結合により互いに結合された天然又は非天然のアミノ
酸残基であるが、B、C、D及びEは、D-E間の分断できる結合が未置換の結
合であるという条件で、いずれかの基のセットであることができ;
Fは、発蛍光物質Aの内部消光が可能な消光物質であり、好ましくは、未置換又
は置換された3-ニトロチロシン誘導体であり;
Gは、任意に存在し、かつ疎水基であり、好ましくはアスパラチルアミド基であ
る。Gが存在する場合には、これは、都合が良いことに該ライブラリー中の全て
の化合物に、水への溶解度が授けられることを確実にする。更にGは、酵素のい
ずれかの型の基質であってはならず;
nは、1〜4のいずれかの整数である。
あるいは、前述の分断できる結合は、B-C又はC-Dの間であることができる
。(ここで一般に、A及びFは、それぞれ、前述の先行技術のF部分及びQ部分
であることに注意のこと。)
残基B、C、D及びEの後ろの添え字で表された数は、これらの残基が選択さ
れる可能性の数を意味している。従って、具体的な例として、A-B1-5-C-D-E1-2-
F-Gは、以下の10種類の化合物の混合物を表している:
A-B1-C-D-E1-F-G
A-B2-C-D-E1-F-G
A-B3-C-D-E1-F-G
A-B4-C-D-E1-F-G
A-B5-C-D-E1-F-G
A-B1-C-D-E2-F-G
A-B2-C-D-E2-F-G
A-B3-C-D-E2-F-G
A-B4-C-D-E2-F-G
A-B5-C-D-E2-F-G
各ライブラリーの一般的コンビナトリアル式は、以下のように表される:
A10-B10-C10-D8-n(E2)-F1-G1[III]
ここで、1×10×10×8×n×2×1×1=1600種の化合物が提供される。
前述の型のL1及びL2の両方の化合物ライブラリーは、各ライブラリーが、個別
の同定しうる化合物20個の混合物80n種として、1600n個の化合物を含むように、
マルチピン法24を利用する固相法を用いて合成される。これらの20個の成分の混
合物は、その後、96穴プレートの80穴の各々に、個別に配置され(残りの2列は
、対照実験に使用される。)、その後既知量のプロテアーゼについてスクリーニ
ングされる。
従って、L1及びL2の2種のライブラリーに含まれた化合物の数(例えば、好ま
しい実施態様において:1600n、ここでn=1〜4のいずれかの整数。)と関係無
く、これらのライブラリーそれ自身が、相補的であり、かつ再合成によらないで
デコンボリューションに従い易いことは、本発明の重要な部分である。更に、こ
のライブラリーマトリックスが、タンパク質分解酵素の最も重要な部位の対P2及
びP1が、再合成によらないで即座に同定することができるように、特にフォーマ
ットされていることも、本発明の重要な部分である。
前記プロテアーゼのより良い基質である型A-B-C-D-E-F-Gの化合物は、切断さ
れ、かつ発蛍光物質Aが、容易に定量できる時間依存的方法で、その近傍の消光
物質Fにより切断されるので、容易に同定される。AのFにより消光される蛍光
は、これら2種がすぐ傍、通常30オングストローム単位以内に隣接する場合にの
み生じる。このため、分断できる結合(例えば分断できる結合D-E)の切断は、
Fを、Aから更に遠くに移動させ、その結果、正確な波長の光で励起された場合
に、Aを蛍光させる。
1.この方法において、最も活性のある化合物は、更なる再合成及びデコンボリュ
ーションの必要なしに、迅速に同定することができる。更に、最も早い蛍光出現
を示す穴は、質量分析法によっても分析することができ、当初の混合物との比較
により、その2種の成分部分、例えばA-B-C-D及びE-F-Gへの、その消失によって
、最も効果的な基質の同定を認めることができる。
従って、ライブラリーデコンボリューションの問題点を克服することができ、
かつ該酵素に対する最も活性のある基質を、迅速に同定することができる。
これに加え、前記ライブラリー混合物L1及びL2によるタンパク質分解酵素の最
初の処理後に、各穴内の残留酵素活性を、16×n個の化合物ライブラリーにおい
て認められる、該酵素に対する最も強力な蛍光原基質S1の添加により定量するこ
とができる。このライブラリーデザインの性質のために、これは迅速に調製及び
精製することができる。公知の基質S1による蛍光の増加が見られないないならば
、酵素阻害剤の存在を暗示することができ、これは、再合成の必要なしに、再び
迅速に同定することができる。
前述のライブラリーレイアウトの一般的説明を、ここで、図1から14を参照と
して説明する。
例えば、n=1であり、かつライブラリーが1600種の化合物を含む場合は、ライ
ブラリ−L1の第一プレート(P1)中の第一列第一行(A1)において(図1)(以後ロ
ケーションA1、P1、L1と称す)、1個のC成分C1、1個のD成分D1、10個のB成
分、及び2個のE成分(E1及びE2)がある(図2)。ライブラリーL1の第一プレー
ト(P1)中の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P1、L1と称す)、
1個のC成分C10、1個のD成分D1、10個のB成分、及び2個のE成分(E1及びE2
)がある。ライブラリーL1の第一プレート(P1)中の第八列第十行(H10)において
(以後ロケーションH10、P1、L1と称す)、1個のC成分C10、1個のD成分8、10
個のB成分、及び2個のE成分(E1及びE2)がある。従って、80穴が各々20成分
を含むので、全部で1600成分が、1個のプレートに存在する。
第二の相補的ライブラリーは、以下のように合成される(図3)。ライブラリー
L2の第一プレート(P1)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケーションA1、P1
、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D1及びD2)、1個のB成分B1、及
び1個のE成分E1がある。ライブラリーL2の第一プレート(P1)中の第一列第十行
(A10)において(以後ロケーションA10、P1、L2と称す)、10個のC成分、2個のD
成分(D1及びD2)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E1がある。ライブラリーL
2の第一プレート(P1)中の第二列第一行(B1)において(以後ロケーションB1、P1、
L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D1及びD2)、1個のB成分B1、及び1
個のE成分E2がある。ライブラリーL2の第一プレート(P1)中の第二列第十行(B10
)において(B10、P1、L2)、10個のC成分、2個のD成分(D1及びD2)、1個のB成
分B10、及び1個のE成分E2がある。従って、最初の2列のみを、合計400種の化
合物を収容するために使用することができる。
ライブラリーL2の第二プレート(P2)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケ
ーションA1、P2、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D3及びD4)、1個の
B成分B1、及び1個のE成分E1がある(図4)。ライブラリーL2の第二プレート(P
2)中の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P2、L2と称す)、10個
のC成分、2個のD成分(D3及びD4)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E1が
ある。ライブラリーL2の第二プレート(P2)中の第二列第一行(B1)において(以後
ロケーションB1、P2、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D3及びD4)、1
個のB成分B1、及び1個のE成分E2がある。ライブラリーL2の第二プレート(P2)
中の第二列第十行(B10)において(B10、P2、L2)、10個のC成分、2個のD成分(D3
及びD4)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E2がある。従って、最初の2列の
みを、合計400種の化合物を収容するために使用することができる。
ライブラリーL2の第三プレート(P3)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケ
ーションA1、P3、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D5及びD6)、1個の
B成分B1、及び1個のE成分E1がある(図5)。ライブラリーL2の第三プレート(P
3)中の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P3、L2と称す)、10
個のC成分、2個のD成分(D5及びD6)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E1
がある。ライブラリーL2の第三プレート(P3)中の第二列第一行(B1)において(以
後ロケーションB1、P3、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D5及びD6)、
1個のB成分B1、及び1個のE成分E2がある。ライブラリーL2の第三
プレート(P3)中の第二列第十行(B10)において(B10、P3、L2)、10個のC成分、2
個のD成分(D5及びD6)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E2がある。従って
、最初の2列のみを、合計400種の化合物を収容するために使用することができ
る。
ライブラリーL2の第四プレート(P4)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケ
ーションA1、P4、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D7及びD8)、1個の
B成分B1、及び1個のE成分E1がある(図6)。ライブラリーL2の第四プレート(P
4)中の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P4、L2と称す)、10個
のC成分、2個のD成分(D7及びD8)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E1が
ある。ライブラリーL2の第四プレート(P4)中の第二列第一行(B1)において(以後
ロケーションB1、P4、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D7及びD8)、1
個のB成分B1、及び1個のE成分E2がある。ライブラリーL2の第四プレート(P4)
中の第二列第十行(B10)において(B10、P4、L2)、10個のC成分、2個のD成分(D7
及びD8)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E2がある。従って、最初の2列
のみを、合計400種の化合物を収容するために使用することができる。
このやり方では、2種類の相補的ライブラリーL1及びL2が作成される。ライブ
ラリーL1において、80個の穴の各々は、20種の成分の混合物を含有し、スクリー
ニング用の化合物1600種を提供する。ライブラリーL2においては、4個のプレー
トが、最初の2列のみを用いて使用され、20成分/穴/プレートである20穴を提
供し、かつライブラリーL1に存在するものと同じ1600種の化合物を提供するが、
しかしこれは、2種の化合物がライブラリーL1には認められないが、ライブラリ
ーL2において共に認められるようなフォーマットである。
従って、2種のライブラリーL1及びL2の間に含まれる化合物は、それ自身相補
的であり、ライブラリーL1の中の同じロケーション(例えばA1P1L1)における20
の成分混合物と一緒に認められたいずれか2種の化合物が、ライブラリーL2のい
ずれかのロケーションにおける20の成分混合物と一緒に認められないことは、本
発明の重要な部分である。
従って、例えば図2の一次ライブラリーP1L1、及び図3〜6の二次ライブラリ
ーP1L2、P2L2、P3L2及びP4L2に関して、下記の典型的配列のデコンボリューショ
ンが可能である:
-B2-C3-D4-E1-
この配列が基質であるならば、C3D4で、P1L1において、蛍光が生じるであろう。
これは、基質が下記のものであるという情報を提供する:
-?-C3-D4-?-
この蛍光がB2E1で、P2L2において生じるならば、これは基質が下記のものである
ことを示す:
-B2-?-?-E1-
下記の基質の確認は:
-B2-C3-D4-E1-
全て、-B2-C3-X-E1-(XはD4 でない)を含む、P1L2、P3L2及びP4L2の非蛍光によ
ってもたらされるはずである。
実際には、1個以上の配列が、基質を生じるように思われる。全ての配列に関
して、どの位置B-C-D-E-が、変化に関して感受性があるか(すなわち、特異的な
基が必要)、及び非感受性であるか(すなわち、1個以上の基の選択が容認でき
る)どうかに関する情報は、関連した化合物の模型及び/又はの合成に使用する
ことができる、価値のあるSARデータをもたらす。
類似した例において、個別にn=2、3又は4であるならば、余分のプレートは
、ライブラリーL1のフォーマットにおいて、それぞれ、成分対E3及びE4(n=2)、E5
及びE6(n=3)、並びにE7及びE8(n=4)を収容するように構成される。各々のデコ
ンボリューションライブラリーL2型に関して、プレートP1、P2、P3及びP4の各列
は、それぞれ、対の成分D1及びD2、D3及びD4、D5及びD6、並びにD7及びD8で徐々
に満たされる。
例えば、n=3であり、かつこのライブラリーが4800種の化合物を含有する場合
は、ライブラリーL1の第一プレート(P1)中の第一列第一行(A1)において(以後ロ
ケーションA1、P1、L1と称す)、1個のC成分C1、1個のD成分D1、10個のB成
分、及び2個のE成分(E1及びE2)がある。ライブラリーL1の第一プレート(P1)
中の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P1、L1と称す)、
1個のC成分C10、1個のD成分D1、10個のB成分、及び2個のE成分(E1及びE2
)がある。ライブラリーL1の第一プレート(P1)中の第八列第十行(H10)において
(以後ロケーションH10、P1、L1と称す)、1個のC成分C10、1個のD成分D8、10
個のB成分、及び2個のE成分(E1及びE2)がある。従って、80穴が各々20成分
を含むので、全部で1600成分が、1個のプレートに存在する。
ライブラリーL1の第二プレート(P2)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケ
ーションA1、P2、L1と称す)、1個のC成分C1、1個のD成分D1、10個のB成分
、及び2個のE成分(E3及びE4)がある。ライブラリーL1の第二プレート(P2)中
の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P2、L1と称す)、1個のC
成分C10、1個のD成分D1、10個のB成分、及び2個のE成分(E3及びE4)があ
る。ライブラリーL1の第二プレート(P2)中の第八列第十行(H10)において(以後ロ
ケーションH10、P1、L1と称す)、1個のC成分C10、1個のD成分D8、10個のB
成分、及び2個のE成分(E3及びE4)がある。従って、80穴が各々20成分を含む
ので、全部で1600成分が、1個のプレートに存在する。
ライブラリーL1の第三プレート(P3)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケ
ーションA1、P3、L1と称す)、1個のC成分C1、1個のD成分D1、10個のB成分
、及び2個のE成分(E5及びE6)がある。ライブラリーL1の第三プレート(P3)中
の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P3、L1と称す)、1個のC
成分C10、1個のD成分D1、10個のB成分、及び2個のE成分(E5及びE6)があ
る。ライブラリーL1の第三プレート(P3)中の第八列第十行(H10)において(以後ロ
ケーションH10、P3、L1と称す)、1個のC成分C10、1個のC成分C8、10個のB
成分、及び2個のE成分(E5及びE6)がある。従って、80穴が各々20成分を含む
ので、全部で1600成分が、1個のプレートに存在する。総合的に、これら3種の
プレートP1、P2及びP3は、1600化合物/プレートを、合計で4800種の化合物を含
む。
例えば、n=4であり、かつこのライブラリーが、6400種の化合物を含む場合は
、ライブラリーL1の第一プレート(P1)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケ
ーションA1、P1、L1と称す)、1個のC成分C1、1個のD成分D1、10個のB成分
、及び2個のE成分(E1及びE2)がある(図7)。ライブラリーL1の第一プ
レート(P1)中の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P1、L1と称
す)、1個のC成分C10、1個のD成分D1、10個のB成分、及び2個のE成分(E1
及びE2)がある。ライブラリーL1の第一プレート(P1)中の第八列第十行(H10)に
おいて(以後ロケーションH10、P1、L1と称す)、1個のC成分C10、1個のD成
分D8、10個のB成分、及び2個のE成分(E1及びE2)がある。従って、80穴が各
々20成分を含むので、全部で1600成分が、1個のプレートに存在する。
ライブラリーL1の第二プレート(P2)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケ
ーションA1、P2、L1と称す)、1個のC成分C1、1個のD成分D1、10個のB成分
、及び2個のE成分(E3及びE4)がある(図8)。ライブラリーL1の第二プレート
(P2)中の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P2、L1と称す)、1
個のC成分C10、1個のD成分D1、10個のB成分、及び2個のE成分(E3及びE4
)がある。ライブラリーL1の第二プレート(P2)中の第八列第十行(H10)において(
以後ロケーションH10、P2、L1と称す)、1個のC成分C10、1個のD成分D8、10
個のB成分、及び2個のE成分(E3及びE4)がある。
ライブラリーL1の第三プレート(P3)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケ
ーションA1、P3、L1と称す)、1個のC成分C1、1個のD成分D1、10個のB成分
、及び2個のE成分(E5及びE6)がある(図9)。ライブラリーL1の第三プレート
(P3)中の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P3、L1と称す)、1
個のC成分C10、1個のD成分D1、10個のB成分、及び2個のE成分(E5及びE6
)がある。ライブラリーL1の第三プレート(P3)中の第八列第十行(H10)において(
以後ロケーションH10、P3、L1と称す)、1個のC成分C10、1個のD成分D8、10
個のB成分、及び2個のE成分(E5及びE6)がある。
ライブラリーL1の第四プレート(P4)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケ
ーションA1、P4、L1と称す)、1個のC成分C1、1個のD成分D1、10個のB成分
、及び2個のE成分(E7及びE8)がある(図10)。同様に、ライブラリーL1の第四
プレート(P4)中の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P4、L1と
称す)、1個のC成分C10、1個のD成分D1、10個のB成分、及び2個のE成分(
E7及びE8)がある。ライブラリーL1の第四プレート(P4)中の第八列第十行(H10)
において(以後ロケーションH10、P4、L1と称す)、1個のC成分C10、1
個のD成分D8、10個のB成分、及び2個のE成分(E7及びE8)がある。
第二の相補的ライブラリーは、以下のように合成する。ライブラリーL2の第一
プレート(P1)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケーションA1、P1、L2と称
す)、10個のC成分、2個のD成分(D1及びD2)、1個のB成分B1、及び1個のE
成分E1がある(図11)。ライブラリーL2の第一プレート(P1)中の第一列第十行(A10
)において(以後ロケーションA10、P1、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分
(D1及びD2)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E1がある。ライブラリーL2の
第一プレート(P1)中の第八列第一行(H1)において(以後ロケーションH1、P1、L2
と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D1及びD2)、1個のB成分B1、及び1個
のE成分E8がある。ライブラリーL2の第一プレート(P1)中の第八列第十行(H10)
において(H10、P1、L2)、10個のC成分、2個のD成分(D1及びD2)、1個のB成
分B10、及び1個のE成分E8がある。従って、全十行及び全八列を含むマトリッ
クスは、合計1600種の化合物を収容するために使用される。
ライブラリーL2の第二プレート(P2)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケ
ーションA1、P2、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D3及びD4)、1個の
B成分B1、及び1個のE成分E1がある(図12)。ライブラリーL2の第二プレート(P
2)中の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P2、L2と称す)、10個
のC成分、2個のD成分(D3及びD4)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E1が
ある。ライブラリーL2の第二プレート(P2)中の第二列第一行(B1)において(以後
ロケーションB1、P2、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D3及びD4)、1
個のB成分B1、及び1個のE成分E2がある。ライブラリーL2の第二プレート(P2)
中の第八列第十行(H10)において(H10、P2、L2)、10個のC成分、2個のD成分(D3
及びD4)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E8がある。
ライブラリーL2の第三プレート(P3)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケ
ーションA1、P3、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D5及びD6)、1個の
B成分B1、及び1個のE成分E1がある(図13)。ライブラリーL2の第三プレート(P
3)中の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P3、L2と称す)、10個
のC成分、2個のD成分(D5及びD6)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E1が
ある。ライブラリーL2の第三プレート(P3)中の第二列第一行(B1)
において(以後ロケーシヨンB1、P3、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D5
及びD6)、1個のB成分B1、及び1個のE成分E2がある。ライブラリーL2の第三
プレート(P3)中の第八列第十行(H10)において(H10、P3、L2)、10個のC成分、2
個のD成分(D5及びD6)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E8がある。
ライブラリ−L2の第四プレート(P4)中の第一列第一行(A1)において(以後ロケ
ーションA1、P4、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D7及びD8)、1個の
B成分B1、及び1個のE成分E1がある(図14)。ライブラリーL2の第四プレート(P
4)中の第一列第十行(A10)において(以後ロケーションA10、P4、L2と称す)、10個
のC成分、2個のD成分(D7及びD8)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E1が
ある。ライブラリーL2の第四プレート(P4)中の第二列第一行(B1)において(以後
ロケーションB1、P4、L2と称す)、10個のC成分、2個のD成分(D7及びD8)、1
個のB成分B1、及び1個のE成分E2がある。ライブラリーL2の第四プレート(P4)
中の第八列第十行(H10)において(H10、P4、L2)、10個のC成分、2個のD成分(D7
及びD8)、1個のB成分B10、及び1個のE成分E 8がある。
このFRET戦略は、溶液中の混合物の2種類の直交セットの合成をベースにして
いる。これらの溶液は、各々、2次元で示されている。従って、例えばプロテア
ーゼスキャンから得たデータは、デコード化又は再合成を必要とすることなく、
最も活性のある化合物を同定する。サブユニット(この場合はアミノ酸)の位置
的な優位は、他の変形位置全てに関して同時に最適化される。4種全ての位置の
間の相乗関係が認められ、かつ陽性で利益となるデータ及び陰性で不活性化する
データの両方が生じる。このことは、基質ファミリー(亜群)及びそれらのサブ
ユニットの優位に繋がる。このデータは、分子モデルプログラムに供給すること
ができ、望ましい性質を包含し(陽性データから)かつ望ましくない相互作用を
指摘する(陰性データセットから)という両方の、ファーマコアの記述子を生じ
る。一次元スキャンが、“最も活性的”である時点のひとつの位置のみを示し、
かつ位置間の相乗関係を探ることができないことに注意すべきである。
タンパク質分解酵素基質の同定を目的とする相補的コンビナトリアルFRETライ
ブラリーの使用に関する、先に例示した一般的方法は、別の活性部位と相互作用
するライブラリーからの化合物の同定も同様に利用可能である。4種の可変基
B、C、D及びEを含む化合物のコンビナトリアルライブラリーは、適当なリポ
ーター又はマーカーを用いて検出される活性部位との相互作用を生じることがで
きる。
例えば、前記活性部位は、プロテインキナーゼであることができる。プロテイ
ンキナーゼは、以下を含む(しかしこれらに限定されるものではない):
ZAP-70、Syk、p56lac、p59fyn、Yes、Hck、Src、Btk、Blk、Lyn、Raf、EGFキナ
ーゼ、インスリン受容体キナーゼ、サイクリン依存性キナーゼ、Bcl-Abl、1kB-
キナーゼC-末端キナーゼ、1kB N-末端キナーゼ、Jakキナーゼ、MAPキナーゼキナ
ーゼ、MAPキナーゼキナーゼキナーゼ、MAPキナーゼ(Erks 1-3、p38及びJunキナ
ーゼ)、STATファミリーC-末端セリン/トレオニンキナーゼ、プロテインキナー
ゼA、プロテインキナーゼB、プロテインキナーゼCアイソフォーム全てである
。
プロテインキナーゼとライブラリーの化合物の活性のある相互作用を、例えば
、該ライブラリー中の基質の放射標識されたリン酸化により検出することができ
る。
従って、プロテインチロシンキナーゼのペプチド基質を、ライブラリー中に存
在する外来ペプチド基質のリン酸化によって同定することが可能である。このア
ッセイは、キナーゼ活性の測定器として、リジンタグがついたチロシンペプチド
基質への、放射標識されたATPからの33Pの転移を用いる。このペプチドは、負に
帯電した膜に結合し、かつ組込まれていない[γ−33P]-ATPは洗浄除去される。
β線計数装置での蛍光含有シンチラントを用いるβ−エネルギー放出の検出は、
ペプチドリン酸化の測定をもたらす。
別の例において、前述の活性部位は、グリコシダーゼであることができ、かつ
前記ライブラリー中の酵素基質と相互作用するであろう。このような場合、少な
くとも1個の基B、C、D及びEの間の分断できる結合は、アセチル結合又はグ
リコシド結合である。これらの基B、C、D及びEは、フラノシド及びピラノシ
ドから選択することができる。
別の例において、活性部位はヌクレアーゼである。このような場合分断できる
結合は、ホスホジエステル結合であり、かつ基B、C、D及びEはヌクレオチド
である。
本発明の一般的な方法は、レセプターのような活性部位、及びこのレセプター
のリガンドを含むライブラリー間の相互作用の検出にも適用することができる。
レセプター/リガンド相互作用の例を、下記に示したが、これらに限定されるも
のではない:
ケモカインレセプター/ケモカイン、すなわち、CKR3/Eotaxin
SH3ドメイン/プロリンアミノ酸配列、すなわち、Grb2/SOSペプチド
WWドメイン/プロリンアミノ酸配列、すなわち、Yap(Yes-関連タンパク質)/R
SV Gagタンパク質
SH2ドメイン/ホスホペプチド、すなわち、Grb2/LNKホスホペプチド
レクチンドメイン/リガンド、すなわち、CD72/CD5である。
更に、可能性のある抗原又は抗原決定基のコンビナトリアルライブラリーが、
活性抗体部分との相互作用について試験された。
レセプター/リガンド及び抗体/抗原ライブラリーの反応を検出するためのリ
ポーター又はマーカーは、同様のものである。例えば適当なリポーターは以下の
ものである(しかしこれらに限定されるわけではない):
1.検出のためにストレプタビジン(streptavidin)-HRPを用いる、リガンド上のビ
オチンタグ
2.アルカリホスファターゼタグ
3.放射性同位体タグ
ここで、本発明を、以下の例について説明する。実施例1:システインプロテアーゼ阻害剤及び基質
本実施例において、興味深いタンパク質分解酵素は、Der PIであり、これは、
ハウスダストダニの糞の中に発見されている。この例は、適当な結合が、未置換
のアミド結合であるような、いくつかのFRET化合物の合成、及び可能性のあるDe
r PI基質のスクリーニング用のライブラリーとしてのそれらの使用、及びこの酵
素の活性阻害剤の配列の同定及び合成を詳細に説明している。
Der PIの精製
粗ダニ抽出物(〜100mg、スミスクライン−ビーチャム社、英国)を、リン酸
緩衝化生理食塩水(PBS;50mMリン酸カリウム;pH7.4、150mM NaClを含有)5ml
に溶解した。Der pIは、アフィニティーカラムクロマトグラフィーにより、4C1
抗体(インドアバイオテクノロジー社、ディーサイト、英国)を用いて、精製し
た。この粗調製物を、〜2mlのアフィニティー樹脂と、2時間、4℃で混合し、
その後2〜3倍量のPBSで洗浄した。結合したタンパク質の溶出を、5mMグリシン
を含有する50容量%のエチレングリコールを用いて行った。画分(2.2ml)を収
集し、0.2Mリン酸ナトリウムバッファー0.8ml、pH7.0で中和した。これらの画分
を一緒にし、4リットルPBSに対して一晩透析した後、2リットルのPBSに対して
2〜3時間二回目の透析を行った。総タンパク質を、必要であるならば、限外ろ
過により濃縮した(MacroSep;フローゲン、英国)。
化合物の合成
化合物類は、Fmoc-Rinkアミドマクロクラウン(キロン・ミモタイプpty社、11
Duerdin Street,Clayton Victoria 3168,オーストラリア)を7μM充填して利
用する、マルチピン法25,26を用いて合成した。
各化合物のアミノ酸残基は、適当な形状で、アミド結合により結合した。用い
たカップリング化学は、フルオレニルメトキシカルボニルで保護されたアミノ酸
及び活性化されたペンタフルオロフェニルエステルに関する文献27に報告された
ものと類似していて、ここでは側鎖が、当業者には公知の酸置換活性保護基、例
えばBoc-(リジンの-NH2、アントラニル酸の-NH2、及びアルギニンのグアニジノ
用)、tBu-(セリン、トレオニン及びチロシンの-OH基用)、t-Bu(アスパラギン酸
及びグルタミン酸の-COOH基用)、トリチル-(アスパラギン及びグルタミンのアミ
ド用)、及びヒスチジン環のアミン官能性などを用いて保護されている。
カップリングした残基のN-α-フルオレニルメトキシカルボニル保護基を、ジ
メチルホルムアミド(DMF)を溶媒とする20%ピペリジンを用いて、20℃、30分間
で切断した。Boc-ABz-OH(Boc-2-アミノ安息香酸)、及びFmoc-(3-ニトロ)チロシ
ン-OHのような遊離酸のカップリング反応は、ジメチルホルムアミド(500μl)を
溶媒とする遊離酸(leq.):TBTU(0.98eq.):HOBt(0.98eq.):N-メチルモルホリン
(1.96eq.)の混合物10当量を用いて、20℃、5時間で達成した。他のアミノ酸は
、それらのペンタフルオロフェニルエステル26として、2〜6時間カップリング
した。
従って、ペンタフルオロフェニルエステルとして誘導されたアミノ酸の混合物
の中の各成分をほぼ等しい比でカップリングするために、DMF(500μL)を溶媒と
するアミノ酸ペンタフルオロフェニルエステル混合物合計0.98当量(該クラウン
に充填されたアミノ基に関して):HOBT(1eq.)の溶液を、20℃で、16時間カップリ
ングした。その後、このピンを、DMFで十分に洗浄し、その後同じ混合物を用い
て、同じ条件下で、再度カップリングした。DMFを溶媒とし、2時間かけた、10
当量(クラウンに負荷したアミノ基に関して)の第三のカップリングを、1当量
よりわずかに少ないアミノ酸の誘導されたペンタフルオロフェニルエステルの等
モル混合物による、このカップリング実施計画書を用いて行い、該クラウンに対
しほぼ等量のカップリングした生成物を得ることが可能であった。このやり方で
は、これらのライブラリーは、各クラウンに20化合物が存在するように構成され
る。これらの化合物は、該クラウンから、望ましい96穴プレートの指定された80
穴へと直接切断される。この切断の実施計画書においては、各クラウンを、トリ
フルオロ酢酸(95%)、トリエチルシラン(5%)を含む混合物(600μL)で、20℃
で、2時間、処理した。その後これらのクラウンを、トリフルオロ酢酸(500μL
)で洗浄し、かつ次にこれを切断溶液と一緒にした。
Fmoc-Rinkアミドマクロクラウン(キロン・ミモタイプPty社、11Duerdin Stree
t,Clayton Victoria 3168,オーストラリア)を、1クラウン当たり7μM充填し
たものを、L-Fmoc-Asp(O-t-Bu)-OH(1eq.)を含む混合物の10倍過剰量と、濃度0.1
4MのDMFを溶媒とするTBTU(0.98eq.)及びN-メチルモルホリン(1.96eq.)を、HOBt(
0.98eq.)の存在下で用いて、カップリングした。Fmoc基を、DMFを溶媒とする20
%ピペリジンで30分間脱保護し、引き続きDMF、その後メタノールで洗浄した後
、Fmoc-(3-ニトロ)チロシン-OHのカップリングを、濃度0.14Mのジメチルホルム
アミドを溶媒とするFmoc-(3-ニトロ)チロシン-OH(1eq.):TBTU(0.98eq.):HOBt(
0.98eq.):N-メチルモルホリン(1.96eq.)の混合物10当量を用いて、20℃で、5
時間かけて達成した。Fmoc基の除去(前記参照)後に、アミノ酸混合物のカップ
リングを、概説した比で、記載した条件下(前記参照)で行った。
特別な例において、基Bを含むアミノ酸は、Ala、Val、Leu、Ser、Asn、Gln、
Glu、Lys、Phe、Proである。基Cを含むアミノ酸は、Ala、Val、Leu、Ser、Asn
、Gln、Glu、Lys、Phe、Proである。基Dを含むアミノ酸は、Ala、Val、Ile、Le
u、Nle、Ser、Glu、Pheである。n=4に関しては、基Eを含むアミノ酸は、Ala、V
al、Ile、Leu、Nle、Ser、Glu、Pheである。一方これらのアミノ酸からのいずれ
かの選択を、n=1、2又は3について行うことができる。
これらの一緒にした切断溶液を含むプレートを、その後蒸発乾固し、回転遠心
分離機(“SPEEDVAC”、サバント・インスツルメンツ社、Farmingdale,NY)を、10- 2
mmHgの減圧下、20℃で、800rpm1時間用いて、成分混合物を得た。その後各成
分を、アセトニトリル:水:酢酸の混合物(50%:45%:5%)を用いて、最終
的マザープレートに移した。次にこれらのプレートを、10-2mmHgの減圧下、20℃
で凍結乾燥し、その後-20℃で貯蔵した。このやり方で、図2〜14に示された型
のライブラリーを調製した。
更に詳細に述べると、用いたマルチピン法は、下記のものである:
可能性のあるDer pI基質のマルチピン合成
“キロン”マルチピンキットは、逆向きに“クラウン”が装着された96“ピン
軸”を含む、標準8×12ピンホルダーから成る。この“クラウン”は、固相ペプ
チド合成時にその上に生長するペプチドが固定されるような反応性ポリマー表面
を提供している。各クラウン(標準的固相合成におけるペプチド樹脂に相当する
)は、工業標準規格96穴プレートの個々の1ml穴において、同時に合成を行うこ
とによって、独立した反応器とみなすことができる。各穴、従って各クラウンに
、独自の試薬セットを充填することができ、各クラウンに独自の配列をもたらす
。洗浄又はNα保護基の除去のような通常の工程を、付随して行うことができる
。
合成は、Nα−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)で保護されたアミ
ノ酸の使用を基本にしている。三官能アミノ酸の側鎖は、トリチル又はt-ブチル
のような、酸置換活性保護基により保護される。アミノ酸残基の生長するペプチ
ド鎖への付加である、“カップリング”と称される工程は、予備生成されたペン
タフルオロフェニル(pfp)エステルの利用又は遊離酸の活性化を通じて進行し、
これは、触媒として第3級塩基(NMM)及びHOBtが存在する下で、HBTU又はBOP
試薬を使用する。
用いた実験法は、詳細に記載されていて(Maeji,N.J.、Bray,A.M.、Valerio,R.
M.及びWang,W.の論文、Peptide Research、8(1):33-38頁(1995年)、及びValerio
,R.M.、Bray,A.M.及びMaeji,N.J.の論文、Int.J.Pept.Prot.Res.、44:158-165頁
(1994年))、かつその主要工程は、簡単に述べると以下のものである。
一般的方法
マルチピンアッセンブリの調製
標準のプラスチック製手袋を着用して、Fmoc-Rinkアミドを誘導したマクロク
ラウンを、軸上に装着し(簡単なクリップ止め)、かつ合成の所望のパターンの8
×12軸ホルダーへはめ込んだ。
Nα−Fmoc保護基の除去
溶媒250mlが入る浴槽に、20%ピペリジン/DMF溶液200mlを満たした。前述の
マルチピンアッセンブリを加え、脱保護を30分間進行させた。その後このアッセ
ンブリを取り出し、かつ過剰な溶媒を、短時間振盪して除去した。次にこのアッ
センブリを、DMF(5分)及びMeOH(5分、2分、2分)(各200ml)で、連続的に
洗浄し、15分間風乾した。
Fmoc発色団の放出のUV定量測定
光路長1cmのUVセルに、20%ピペリジン/DMF溶液1.2mlを満たし、波長290nm
で、UV分光計の吸光度をゼロに調節した。その後、20%ピペリジン/DMF溶液3.2
ml中に5.0mg Fmoc-Asp(OBut)-ペプシンKA(0.08mmol/g)を含むUV標準液を調製
した。この標準液は、Abs290=0.55〜0.65(室温)であった。その後、前述のマ
ルチピン脱保護溶液のアリコートを適当に希釈し、理論的にAbS290=0.6とし、
かつこの値を、実際の実験で測定した吸光度と比較し、先のカップリング反応の
効率を示した。
アミノ酸残基のカップリング
前述のマルチピンアッセンブリを乾燥する間に、カップリングの特定の過程に
必要な、適当なNα−Fmocアミノ酸pfpエステル(各クラウンの負荷から算出して
10当量)及びHOBt(10当量)を、正確に秤量し適当な容器に入れた。ある
いは、適当なNα−Fmocアミノ酸(各クラウンの負荷から算出して10当量)、HBTU
のような望ましいカップリング剤(各クラウンの負荷から算出して9.9当量)、NMM
(各クラウンの負荷から算出して9.9当量)を、正確に秤量し適当な容器に入れ
た。
次に、保護されかつ活性化されたFmocアミノ酸誘導体を、DMFに溶解した(各マ
クロクラウンにつき500μl、例えば20マクロクラウンでは、20×10eq×7mmol誘
導体を、DMF10,000μl中に溶解する。)。その後これらの適当な誘導体を、“カ
ップリングサイクル”開始の用意ができた適当な穴に分注した。標準的には、カ
ップリング反応を2〜6時間進行した(カップリングの性質に応じて、例えばAla
からAlaは2時間、ValからLeuは6時間)。
Fmocアミノ酸ペンタフルオロフェニルエステルをカップリングする場合には、
各マクロクラウンに、ブロモフェノールブルーの保存液(100μl)を入れたDMF(4
00μl)を溶媒とする誘導体10eqを用いた。これは、未反応のアミンの存在下で
のブロモフェノールブルーの濃い青色から、アシル化完了時の淡黄色への変色に
より、アシル化反応進行のモニタリングを可能にする。
ブロモフェノールブルー保存液の調製
ブロモフェノールブルー(20mg)を、DMF(50ml)に溶解し、及びHOBt(10mg)を添
加する。
カップリング後の洗浄
前述のカップリングサイクルの直後に20%ピペリジン/DMF脱保護が続くなら
ば、その後該マルチピンアッセンブリを、短時間振盪し、過剰な溶媒を除去し、
MeOH(5分)及びDMF(5分)(各200ml)で連続して洗浄し、かつ脱保護した(前
記参照)。このマルチピンアッセンブリを保存する場合には、その後短い振盪、
その後のDMF(5分)及びMeOH(5分、2分、2分)(各200ml)の連続洗浄からな
る、十分な洗浄サイクルを行った。
ペプチド−ピンアッセンブリの酸溶解が媒介した切断
酸が媒介した切断の実施計画書は、換気フードの中で厳密に行う。ポリスチレ
ン製96穴プレート(1ml/穴)にラベルを付け、その後風袋重量をおおよそのmg
まで測定する。次に適当な穴に、トリフルオロ酢酸/トリエチルシラン(95:5、
v/v、600μl)切断溶液を充填し、マルチピンアッセンブリのパターンに対応す
るパターンで、切断した。
このマルチピンアッセンブリを加え、構成物全体を錫箔で覆い、2時間放置し
た。このマルチピンアッセンブリをその後、トリフルオロ酢酸/トリエチルシラ
ン(95:5、v/v、600μl)切断溶液(前記)を含む別のポリスチレン製96穴プレ
ート(1ml/穴)に、5分間加えた。
この切断したアッセンブリを、DMF(200μl、5分間)、MeOH(200μl、5分
間)で洗浄し、使用したクラウンを取り除き廃棄し、その軸を除去し、かつメタ
ノール中で超音波洗浄した(室温で1時間)。
切断したペプチドの仕上げ
その後、一次ポリスチレン製切断プレート(2時間の切断)及び二次ポリスチ
レン製プレート(5分間洗浄)(前記参照)を、SpeedVacに配置し、かつその溶媒
を、90分間かけて除去した(最低の乾燥速度)。
二次ポリスチレン製プレート(前記参照)の含有物を、一次プレート上のそれ
らの対応する穴に、アセトニトリル/水/酢酸(50:45:5、v/v/v)溶液(3×150
μl)用いて移し、使用した二次プレートを廃棄した。
生成物の分析
各穴1.0μl(前記参照)を、0.1%TFA水溶液400μlで希釈し、HPLC-MSによ
り分析した。カラムVydac C4(214TP52、細孔(narrowbore)、21×250mm)。溶離液
:溶媒A=0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、溶媒B=アセトニトリル/10%のA
。勾配:Aを溶媒とする10〜90%のBを、27分間かけて、250ml/分、215nm UV
検出。下記に示した個々の基質は、前述の方法で調製し、かつHPLC-MSによって
正確な質量で>95%であることを示した。
ペプチドの最終的凍結乾燥
前述の一次ポリスチレン製プレート(二次プレートの洗浄液を加えたもの)を、
錫箔で覆い、このプレートを輪ゴムで止め、静置した。前述の箔に各穴の真上に
、ピンの小穴を開け、このプレートを-80℃で30分間静置した。その後このプレ
ートを、“Heto凍結乾燥機”の上で一晩かけて凍結乾燥した。生物学的スクリー
ニングの前に、適当であるならば、個々のペプチドを秤量し、DMSOに溶解して、
10mM
保存溶液として。あるいは、20成分混合物を、秤量し、ペプチド/20成分の比を
算出した。
アミノ酸残基の更なるカップリングを、前述のマルチピン法に従って行った。
前記マルチピンアッセンブリを乾燥している間に、適当なNα−Fmocアミノ酸(各
クラウンの負荷から計算して10当量)、HATUカップリング剤(各クラウンの負荷か
ら計算して9.9当量)、HOAt触媒(各クラウンの負荷から計算して9.9当量)及びD
IPEA(各クラウンの負荷から計算して19.9当量)を、正確に秤量し、適当な容器
に入れた。
次に、保護されたNα−Fmocアミノ酸及びカップリング剤を、DMF(各マクロク
ラウンにつき500μl)に溶解し、かつDIPEAを添加して活性化した。適当な誘導
体を、それらの適当な穴に分注し、標準的には、各マクロクラウンへのカップリ
ングを、2時間進行させた。
カップリングが、特にN-メチル、Cα−メチル又は普通でないアミノ酸(その
カップリング効率は不明)のようなアミノ酸残基を妨げた場合は、このカップリ
ング反応を反復し、標準的には、更に2時間行う。
Der pIの基質
前述の一般的方法を用いて、下記の化合物を、前述のように精製した、可能性
のあるDer pIの基質として調製し、かつアッセイした。
NSは、ペプチドがDer pIによって加水分解されなかったことを示す。
NMは、ペプチドは、Der pIの基質であるが、そのKmは測定しなかったことを示
す。
NMaは、ペプチドが、Der pIの基質であり、その切断をHPLC-MSによって調べた
ところ、加水分解が-Nle-Ser-の間に生じていることを示した。
切断速度の順に並べると:-Bz>n-But>Piv>Bz(2-カルボキシ)>Abzである。
アミノ酸残基のカップリングは、前述のマルチピン法に従って行った。このマ
ルチピンアッセンブリを乾燥している間に、適当なNα−Fmocアミノ酸(各クラウ
ンの負荷から算出して10当量)、HATUカップリング試薬(各クラウンの負荷から算
出して9.9当量)、HOAt触媒(各クラウンの負荷から算出して9.9当量)及びDIPEA
(各クラウンの負荷から算出して19.9当量)を、正確に秤量し、適当な容器に入
れた。
その後保護されたNα−Fmocアミノ酸及びカップリング試薬を、DMF(各マクロ
クラウンにつき500μl)に溶解し、かつDIPEAを添加して活性化した。次に適当
な誘導体を、適当な穴に分注し、かつ各マクロクラウンへの標準的カップリング
を、2時間進行させた。
カップリングが特にN-メチル、Cα-メチル又は普通でないアミノ酸(それらの
カップリング効率は不明)のようなアミノ酸残基によって妨げられる場合には、
このカップリング反応を、標準的には更に2時間反復した。
この方法において合成された配列を以下に示す:NS-基質でない:Der pIによって加水分解されない
NM−基質であるが、測定せず:Der pIの基質であるが、測定せず。
アッセイ法
ここに記した装置のライブラリーの20化合物の混合物の各々を、システイニル
プロテアーゼDer pIに対するアッセイにおいて、各化合物につき濃度0.1μMで
スクリーニングした。最も活性のある穴を、試料を320nmで照射した場合の、420
mnにおける蛍光発光速度により識別した。前述の2種の相補的ライブラリーの分
析から、該酵素に関する最良の基質が、以下のものであることが示された:
Abz-B-C-D-E-Tyr(NO2)-Asp-NH2
ここで、B=バリン>アラニン、グルタミン、ロイシン、フェニルアラニン
C=アラニン>>グルタミン又はリジン
D=ロイシン、ノルロイシン又はアラニン>セリン
E=セリンである。
最良の基質は、以下のものである:
[配列番号:1] Abz-Val-Ala-Nle-Ser-Tyr(NO2)-Asp-NH2
その後この化合物を、本願明細書において説明したペプチド合成法を用いて、
単成分として再合成した。Der pIアッセイにおける純粋な基質に関するKcat/Km
の測定値は3.5×104M-1s-1であり、かつこれはDer pIの阻害剤の一般的スクリー
ニングのためのハイスループットアッセイでの使用に適するほど高いとみなされ
た。
ハイスループットアッセイの開発
プレートアッセイを、96穴プレートのフォーマットにおいて、各穴中のアッセ
イ容量100μl当たりDer pI 0.1μgを用い、及び該基質20μMを用いて行った
。全てのアッセイは、アッセイバッファー(AB;50mMリン酸カリウム、pH8.5、1
mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び1mMジチオスレイトール(DTT)を含有)中で
行った。Der pI酵素は、DTTの添加により予備活性化し、アッセイを開始する前
に、これを室温で5分間インキュベートした。スクリーニング法の例として、各
穴は、DMSOを溶媒とする20μM被験化合物溶液5μl、基質2の200μM水溶液10
μlを含んでおり、かつABを溶媒とするDer pI 85μlを添加して、反応を開始
した。酵素活性は、Labsystems Fluroskan Ascent装置を用いて、励起光320nm及
び発光波長420nmを用い蛍光でモニタリングした。速度論の測定は、日立のF-450
0蛍光分光光度計を用いて行った。
Der pIの阻害剤の合成
前述の最良の基質は、酵素/アッセイ溶液のHPLC-質量分光分析によって、ノ
ルロイシン−セリン間のアミド結合で切断されるごとが示された。一連の誘導体
(例えばBoc-、ピバロイル、ベンゾイル、及び2-カルボキシ-ベンゾイル)によ
る、末端のAbz基の置換は、基質活性及びDer pI酵素に対する特異性に影響する
。P1-P1'切断部位及びP4-P3-P2-P1モチーフに関する知識によって、化合物Boc-V
al-Ala-Leu-H、4は、図15の経路1aに示されたように合成した。
このモチーフに対する適当なマイケル受容体、例えばCH=CH-、CO2Et、及び-CH
=CH-SO2Phなどの付加(図16、経路2)は、該酵素に対する活性のある阻害剤を
提供し、その見かけのIC50値は、各々50nM、1000nM及び100nMであった。
配列4を基に、活性Der pニ阻害活性を有する一連のアシルオキシメチルケトン
化合物を調製した。このシステインプロテアーゼ阻害剤化合物の新規グループの
調製及び活性の詳細は、同時係属出願である国際出願公開番号第WO97/04004号に
開示している。実施例2:ウイルスプロテアーゼの阻害剤及び基質
デプシペプチドの設計
本発明の一般式(I)、(II)又は(III)の化合物の別の適当な結合は、エステル結
合であり、これはデプシペプチドを生成する。デプシペプチド基質の組込みは、
ウイルスのセリンプロテアーゼのような、活性の低いウイルスプロテアーゼに対
する基質の同定を補助する。
例えば、下記一般式の基質:
n[Abz-B1-10-C1-10-D1-8y[COO]-E1-8-Tyr(NO2)-Asp-NH2]
を生成した。
しかし、ウイルスプロテアーゼの著しい割合は、前述の一般構造によって表さ
れたものよりも大きい基質配列のみを認める。ウイルスプロテアーゼ(機能は、
未熟なウイルスタンパク質を、成熟したウイルスパッケージへと切断すること)
の作用の本当の性質によって、天然の基質部位に関するデータが自動的に受け取
られることはよく知られている。従って、前述の一般構造は、適当な部位への、
余分の固定されたアミノ酸の導入によって、延長され得る。論理的延長は、公知
のP1-P1'切断部位に、デプシペプチド結合として導入され、引き続き標準フォー
マットに従い、前述の4種の異なる位置に導入され、以下を生じる:
n[Abz-B1-10-C1-10-D1-8-E1-8-P1 y[COO]-P1'-Tyr(NO2)-Asp-NH2]
更に、これらの基質は再度あまりにも小さいことが証明された場合は、これは
公知の基質配列を使用して、別の固定された位置に導入することができる。例え
ば、肝炎NS3プロテアーゼについては、天然のP6位置が、保存された酸性残基(
アスパラギン酸又はグルタミン酸)であることが分かっている。従って、前述の
構造は、以下に詳細に示したように拡大することができる:
n[AbZ-P6-B1-10-C1-10-D1-8-E1-8-P1 y[COO]-P1'-Tyr(NO2)-ASP-NH2]
ここで説明した新規方法は、治療上有効なタンパク質分解酵素阻害剤の発明を
非常に促進し、かつ商業的に開発可能である。これは、タンパク質分解酵素の最
良の基質モチーフを迅速に同定することができるためであり、かつ文献において
、タンパク質分解酵素、特にアスパラチルプロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、
セリンプロテアーゼ及びシステイニルプロテアーゼの活性部位と反応するモチー
フを結合する様々な方法が存在し、酵素阻害剤が容易に合成できるためである。
更に、アミド結合の置換又は遷移状態の擬態を、その分子に組込むことができ、
これは、アスパラチルプロテアーゼ又はメタロプロテアーゼの阻害に関して特に
有
用である。
前述の方法は、更に新規プロテアーゼ阻害剤のスクリーニングアッセイの迅速
な開発を促進する。ライブラリースクリーニングによって発見された最も強力な
蛍光基質は、綿密な調査の下で、引き続き特定のタンパク質分解酵素の阻害剤の
検出に使用することができる。
説明した化合物ライブラリー中の阻害剤の存在は、最も活性のある蛍光基質を
伴うアッセイ混合物の再処理によって、容易に検出され、このことは、残留する
タンパク質分解酵素活性の迅速な測定を可能にするであろう。
本発明は、自己デコード式のコンビナトリアル蛍光原ライブラリーを提供し、
かつこれは、以下の理由により、新規プロテアーゼ阻害剤の設計及び発明を大き
く促進するであろう:
i.このライブラリーのペプチドは、類似した及び異なる蛍光原基及び消光基を
含むペプチドと比較して、水への溶解度が増し得る。
ii.このペプチドは、外来ペプチドの混入に対し安定している。
iii.前述の自己デコンボリューション法は、基質切断速度データの連続解析と
組みあわせることによって、該基質ライブラリーに含まれた最も活性のある結合
モチーフの迅速な同定が可能になる。
iv.前記方法は、酵素阻害剤として作用する該ライブラリーのいずれかの化合物
に関する酵素アッセイ混合物の、迅速な評価を可能にする。実施例3:キナーゼの阻害剤及び基質
先に示したように、本発明は、広範に利用可能な方法であり、かつプロテアー
ゼ阻害剤/基質化合物を検出するためのFRETライブラリーの使用に限定されるも
のではない。
本発明の別の使用例は、相補的コンビナトリアルライブラリーの化合物の放射
標識されたリン酸化のモニタリングによる、キナーゼの基質/阻害剤との相互作
用の検出である。ZAP-70 チロシンキナーゼ阻害剤の同定
ZAP-70は、T細胞抗原レセプターに由来したT細胞のシグナル伝達に必須の細
胞内キナーゼである。非機能的ZAP-70キナーゼを生じる突然変異が、重度の
複合型免疫欠損症に罹患した患者において認められている。従って主な製薬会社
は、ZAP-70キナーゼ活性の医薬品のダウンモジュレーション(down-modulation)
を、抗原に依存した免疫系の発現量の減少(down regulation)の可能性のある方
法として認めている。このような医薬品は、移植治療及び自己免疫疾患の治療の
両方において使用することができる。ZAP-70 キナーゼ触媒ドメインの形成
完全な長さのプロテインZAP-70チロシンキナーゼは、T細胞抗原レセプター上
で、リン酸化されたチロシン残基に対する酵素の収集を可能にするが、プロテイ
ンキナーゼの触媒活性は不要であるような、アミノ末端縦列SH2ドメインを有す
る。このSH2ドメインの除去は、構造的に活性があり、安定したZAP-70キナーゼ
を生じる。特異的オリゴヌクレオチドポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のプライマー
を用いて、アミノ酸308から619を増幅し、かつ鋳型としてヒトジャーガット細胞
のcDNAを用いて、カルボキシ末端にヘキサヒスチジン配列を加えた。このアンプ
リコンを、バキュロウイルス転移ベクターpACUW51(ファルミンゲン社)へとク
ローン化し、Sf9昆虫細胞中の相同的組換えによって、組換えバキュロウイルス
を製造した。CatZAP(H6) の精製
混合されたCatZAP-70バキュロウイルスの低力価の系統(stock)を用いて、Sf9
細胞のやや密集した(sub-confluent)単層に感染した。感染後3日目に細胞を収
集し、PBSで洗浄し、かつ即座に浸透圧溶解を行った。CatZAP(H6)タンパク質の
単離を、コバルトカラムキレートクロマトグラフィーを用いて行い、100mMイミ
ダゾールを用いて、分画を溶出し、かつキナーゼ活性を33Pの転移によって、測
定した。ハイスループットプロテインキナーゼスクリーニングアッセイ
活性プロテインキナーゼ部分と、コンビナトリアルペプチドライブラリー化合
物との相互作用を、測定することができる。
CatZAP(H6)によってもたらされたペプチド基質のリン酸化量を測定するための
迅速かつ高感度のアッセイが開発されている。このペプチドライブラリーは、正
に帯電したテトラ−リジンタグを付けて合成した。このプロテインキナーゼ及び
放射標識した[33P−γ]-ATPを微量含有するATPと共に、ペプチドをインキュベー
ションした後、この反応混合物を、96穴プレート真空マニホルドシステム(ミリ
ポア社)を用い、負に帯電したホスホセルロース膜を通した。正に帯電したペプ
チドはこの膜に結合するが、組込まれなかった[33P−γ]-ATPは洗浄された。そ
の後シンチラントをこの膜に施し、穴プレートシンチレーションカウンターを用
いて測定したこの膜の放射活性レベルから、リン酸化されたペプチドの量を算出
した。この型のアッセイは、他のプロテインキナーゼ系に容易に適用することが
できる。
このスクリーニングアッセイの結果、1種以上のプロテインキナーゼ基質モチ
ーフを同定し、これにより負に帯電したN-末端及びC-末端の保存されたProが共
通の性質を有することが明らかになった。他のプロテインチロシンキナーゼに関
しても、追加のライブラリーを構築することが必要であろうと予想されるが、現
存するライブラリーも若干の情報を提供することができる。Ser/Thrキナーゼに
ついては、リン酸基受容体部分として中央のSer又はThr残基を使用することによ
り、この技術を、適用することができる。
これに加えて、環状ペプチドライブラリー構築を見越している化学部門の技術
が、開発されている。これらのライブラリーにおける中央のリン酸基受容体残基
の組込みは、キナーゼアッセイにおいて使用するための拘束された分子の原料を
提供するであろう。
略号
本願明細書において使用した略号を以下に示す:
アミノ酸の略号及びペプチド構造の用語は、下記の文献において推奨されたも
のに従った:IUPAC-IUB生化学用語委員会(J.Biol.Chem.、247:997頁(1971年))。
キラルアミノ酸は、特に記さない限りは、全てL形である。他の略号は、以下を
用いた:
-Abu、b-アミノ酪酸:Abz、2-アミノベンゾイル:ACH、1-アミノ-1-カルボキシ-
シクロヘキサン:ACPN 1-アミノ-1-カルボキシ-シクロプロパン:Bip、ビフェニ
ルアラニン:n-Bu、n-ブトキシカルボニル:Bz、ベンゾイル:Bz(2-カルボキシ)
、2-カルボキシベンゾイル:BUtGly、タート-ブチルグリシル:BOP、ベンゾトリ
ア
ゾイル-オキシ-トリス-(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩
:Cha、シクロヘキシルアラニン:Chex、1-カルボキシシクロヘキシル:eAHA、
ガンマ-アミノヘキサノイル:E3TU、O-ベンゾトリアゾイル-N,N,N',N'-テトラメ
チルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩:HOBt、1-ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル:Hyp、トランス-4-ヒドロキシプロリニル:hLeu、ホモロイシル:2Nal、2-ナ
フチルアラニン:NMM、N-メチルモルホリン:Piv、ピボイル:3pyr、3-ピリジル
アラニン:Tic、2-カルボキシテトラヒドロキノリル:Tyr(NO2)、3-ニトロチロ
シン。
DMF、ジメチルホルムアミド;Fmoc、フルオレニルメトキシカルボニル;HPLC、
高速液体クロマトグラフィー;Pfp、ペンタフルオロフェニル;tBoc、タート-ブ
トキシカルボニル;tBu、タート-ブチル;TFA、トリフルオロ酢酸;Pmc、ペンタ
メチルクロマン;Pbf、ペンタメチルベンゾフラン;TBTU、2-(1H-ベンズトロト
リアゾール-1-イル)-1,1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレー
ト;Trt、トリチル。
p.Aba、4-アミノベンゾイル;Aib、アミノイソ酪酸;Bip、ビフェニルアラニン
;nBu、n-ブチル;Bz、ベンゾイル;Cmpi、カルボキシメチルピペラジン;Deg、
ジエチルグリシン;DIPEA、N,N-ジイソプロピル-エチルアミン;HATU、O-(7-ア
ザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオ
ロリン酸塩;HOAT、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール;Naph、ナフチル
アラニン;3.Pyr、3-ピリジイルアラニン;Tyr(NO2)、3-ニトロ-チロシン。
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フロントページの続き
(31)優先権主張番号 9624584.0
(32)優先日 平成8年11月27日(1996.11.27)
(33)優先権主張国 イギリス(GB)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,
CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,
LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
US,UZ,VN,YU
(72)発明者 ジョンソン トニー
イギリス ケンブリッジシャー シービー
6 1ジェイエヌ エリー リトルポート
ブルックサイド グローヴ 10
(72)発明者 ハート テランス
イギリス ケンブリッジ シービー3 0
アールエス クラーク マックスウェル
ロード ペリー コート 12