JP2000514030A - 純粋なアルカリ金属および/またはアンモニウムのタングステン酸塩の製造法 - Google Patents

純粋なアルカリ金属および/またはアンモニウムのタングステン酸塩の製造法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、特に珪素、燐、砒素、錫、アンチモン、バナジン、タンタル、ニオブ、チタンおよびモリブデンで汚染されたアルカリ性タングステン酸塩溶液から、純粋なアルカリ金属および/またはアンモニウムのタングステン酸塩溶液を製造する方法に関する。該溶液を酸で処理し、沈澱剤または沈澱助剤を加えることなく生成した沈澱を濾過する。

Description

【発明の詳細な説明】 純粋なアルカリ金属および/またはアンモニウムのタングステン酸塩の製造法 本発明は、特に珪素、燐、砒素、錫、アンチモン、バナジン、タンタル、ニオ ブ、チタンおよびモリブデンで汚染されたアルカリ性のタングステン酸塩の溶液 から、該溶液を酸で処理し、沈澱剤または沈澱助剤を加えることなく生成した沈 澱を濾過することにより純粋なアルカリ金属および/またはアンモニウムのタン グステン酸塩を製造する方法に関する。 タングステンを回収するための粗原料、特にその鉱石は、常に少量のモリブデ ンおよび砒素を含んでいる。生成物のパラタングステン酸アンモニウムおよび粉 末のタングステン金属は、最近ではMoおよびAs含量が非常に低いことを要求 されているが、タングステンに関し2重量%より高いモリブデン含量をもったタ ングステン原料が市場に出回ることが多くなっている。 種々の蒸解法から得られるタングステン酸塩を含んだ溶液は、原料に依存して 多数の種々の元素で汚染されている。モリブデン以外で最もしばしば現れる不純 物は燐、砒素、珪素、アルミニウム、バナジン、チタン、ニオブおよびタンタル である。これらの不純物を分離するための種々の沈澱法が知られており、この場 合マグネシウムの塩化物または硫酸塩のような沈澱剤、または硫酸アルミニウム のような沈澱助剤を加えた後、前以て強アルカリ性にしたタングステン酸溶液の pHを8〜11の 値まで低下させる。しかしこれらの沈澱法は定量的に行なうことはできず、特に 大部分の砒素は溶液の中に残る(1982年6月、米国San Francis co、タングステン・シンポジウム予稿集、p77、表2)。 現在タングステン酸溶液からモリブデンを分離する最も普通の方法は、前以て 精製したタングステン酸溶液からMoSとしてMoを沈澱させる方法である(G melin,Tungsten,System No.54,Suppleme nt Al(1979),p44〜46)。アルカリ蒸解法で得られたタングス テン酸溶液をpH8〜10においてNaHSで処理し、MoS4 2-を生成させた 後、pH2〜3でH2SO4でMoS3として沈澱させる。この沈澱は通常モリブ デンとほぼ同量のタングステンを含み、遊離の硫黄および砒素をかなりの量で含 んでいる。 このような沈澱生成物は有利に使用されることはめったになく、従って特殊廃 棄物として廃棄される。さらにpHの調節は鉱酸を使用した場合だけ効果的であ り、大量の中性塩が生成する。 Mintek Report No.M226(25.11.1985)には 、OH-形の固体のイオン交換剤を用いMoS4 2-を分離する方法が記載されてい る。この方法の欠点はイオン交換剤のMo吸収能が低いこと、モリブデンの分離 の程度が低いこと、およびMoS3沈澱生成物中に砒素が含まれていることであ る。 米国特許4,288,413号に従えば、pH7〜9において第4級アンモニ ウム化合物を用いて抽出することによりMoS4 2-としてモリブデンを分離する 。 これらの条件下においては砒素も抽出されるから、砒素はタングステ ンから分離すことはできるが、モリブデンから分離することはできない。MoS4 2- はH22またはNaOClのような酸化性の添加剤を用いた場合だけ抽出す ることができるので、一緒に抽出されたタングステンからの分離は行なわれず、 Wの損失が増加する。生成物は単にモリブデン酸ナトリウムとタングステン酸ナ トリウムとの混合物であり、これをさらに利用することは困難であり、また砒素 で汚染されている。 Asの汚染を避ける一つの方法がドイツ特許C 195 00 057号に記 載されているが、モリブデンによるタングステン溶液の汚染については全く言及 されていない。 本発明の目的は、不純物のタングステン溶液を選択的に除去することができ、 同時に廃棄物、特に特殊廃棄物の量を最小限度に抑制し得る方法を提供すること である。このMo分はそれから経済的に使用できるモリブデン生成物を得ること ができなければならない。この目的は沈澱法を二つの陰イオン交換法と組み合わ せることによって達成される。 本発明によれば、特に珪素、燐、砒素、錫、アンチモン、バナジン、タンタル 、ニオブ、チタンおよびモリブデンで汚染されたアルカリ性タングステン酸塩溶 液から、該溶液を酸で処理し、次に沈澱剤または沈澱助剤を加えることなく生じ た沈澱を濾過して純粋なアルカリ金属および/またはアンモニウムのタングステ ン酸塩溶液を製造する方法において、該酸処理はpHが7〜10になるまで行な い、モリブデンおよび砒素のイオンを除く大部分の不純物を沈澱させて濾過し、 砒素イオンは含むがモリブデンイオンは除く残りの不純物を弱ないし中程度の塩 基性のイオン交換剤で分離して濾過し、この濾液を硫化物で処理してチオモリブ デン酸塩を生成させ、このチオモリブデン酸塩を硫化物形の固体または液 体のイオン交換剤で分離して純粋なアルカリ金属および/またはアンモニウムの タングステン酸塩を得ることを特徴とする方法が提供される。 酸を加えてpH7〜10の範囲にする工程は、鉱酸、CO2、および/または 隔膜電解を用いて行なうことが好ましく、pHは8〜8.5に調節することが好 適である。これによって必ず沈澱が生じる。この場合沈澱剤または沈澱助剤を加 えないで沈澱させることができる。濾過した後弱いまたは中程度の塩基性イオン 交換剤を用い第1の抽出工程を行なう。この工程はOH形の固体の弱ないし中程 度の塩基性イオン交換剤、即ち活性成分として主として第3級アンモニウム基を 含むイオン交換剤を用いて行なうことが好ましい。このイオン交換工程により、 公知の種類の沈澱法に比べ、不純物の砒素、燐、珪素、バナジン、チタン、ニオ ブおよびタンタルを良好に分離することができる。この方法は、沈澱法を用いた 場合溶液中に残る砒素に特に適用される。イオン交換剤を再生する際に得られる 流出液は上記不純物を10倍の濃度で含んでいるから、化学薬品の消費量を少な くしてこれらの不純物を沈澱させることができる。またこの濃縮法により砒素を 沈澱させることができる。残ったWO4 2-含有溶液は第1のイオン交換工程の上 手に循環させることが有利である。 市販のイオン交換剤を用いる実験では、驚くべきことには、OH形の陰イオン 交換剤を硫化物形に変えると、モリブデンに対する吸収能および選択性が増加す る。このことは特に弱塩基性のイオン交換剤(例えばBayer AG製Lew ait MP 62)に適用される。中程度または強い塩基性の陰イオン交換剤 を用いてMoを分離することもできるが、塩基性が増加するにつれてモリブデン を流出させることが次第に 困難になる。イオン交換剤を賦活するのに使用されるH2Sガスは、十分に循環 させ、イオン交換後の工程において酸で処理する際にガス洗浄器中でH2Oを用 いて回収し、イオン交換剤を賦活する次のサイクルに使用することができる。酸 で処理することによりこの第2のイオン交換工程の流出液から純粋な、砒素含量 が低いMoS3を沈澱させることができる。 種々の蒸解工程(例えばオートクレーブ処理、熔融、カ焼)から得られるアル カリ性溶液を原料にし、タングステン含量を好ましくは80〜100g/リット ルに調節して本発明方法を適用することが有利である。上記のように酸で処理し て不純物を沈澱させた後、沈澱後に残留する不純物、並びに砒素および燐を分離 するために、弱塩基性のイオン交換剤を用いてさらに精製を有利に行なうことが できる。この方法で前以て精製した溶液を、モリブデンに関して化学量論的な量 の3〜5倍の硫化物で処理してチオモリブデン酸塩にすることが有利である。こ の目的で使用する硫化物は好ましくはH2S、NaHS、Na2S、(NH42S または硫化物を放出する有機化合物である。この溶液を数時間、好ましくは4〜 10時間、高温、好ましくは50〜95℃で撹拌することが好適であり、鉱酸ま たはCO2を用いてpHを8〜8.5の値に調節することが有利である。次いで この溶液を、弱塩基性陰イオン交換剤を充填したイオン交換塔の中を上向きに通 すことが有利である。この場合陰イオン交換剤は7より小さいpHにおいてH2 S/水で予備処理し、硫化物形に変えておく。 吸収能に達したら、漏出が始まる。この時には液を通すのを止め、タングステ ン酸が完全になくなるまでイオン交換剤を洗滌し、次いで希薄 水酸化ナトリウム溶液を用いて流出させる。交換塔は下向きに流出させ洗滌する ことが好ましい。次に流出させた交換器を、廃ガス洗滌器から得られるH2S/ 水を用いてpH値が7より小さくなるまで再賦活し、次のサイクルに使用できる ようにをする。 精製したタングステン酸溶液は鉱酸、CO2または隔膜電解によりさらに酸で 処理し、公知方法によりさらに処理することができる。即ち抽出工程を行なった 後、タングステン含有分をさらに処理しパラタングステン酸アンモニウムにする ことができる。 モリブデンを含んだ流出液は鉱酸でpHを2〜3に調節することが好ましく、 この時モリブデンはMoS3として沈澱する。第1の交換工程でタングステン酸 溶液から砒素は既に除去されているから、このMoS3は純粋であり、少量のタ ングステンしか含まず、モリブデンの冶金工程に使用することができる。 タングステン酸溶液および流出液を酸で処理する際に生じるH2Sガスはガス 洗浄器の中でH2Oで捕捉して陰イオン交換器を賦活するのに使用することが好 ましい。 下記実施例により本発明を例示する。これらの実施例は本発明を限定するもの ではない。 実施例 1. OH形のLewatit MP62 (主として第3級交換基を含む弱塩基性陰イオン交換剤、Bayer AGか ら市販)。 イオン交換塔:OH形のLewatit MP62 300ml 原料溶液:85.0g/リットルのタングステン、 1.97g/リットルのMo(=Wに関しMo2.3%) を含み、pHが8.1の溶液11リットル この溶液を毎時ベッド容積の0.5の割合(150ml/時間)でイオン交換 塔に上向きに通す。 精製された溶液:84.1g/リットルのタングステン、 26mg/リットルのMo(=W中Moが309ppm) を含み、pH8.5の溶液11リットル 交換剤を約0.5リットルのH2Oで洗滌してWを除去し、NaOH(100 g/リットル)0.5リットルを用いて1べッド容積/時間の割合で下向きに流 出させ、H2Oを用いて(洗滌水約1リットル)pHが8になるまで洗滌する。 流出液:8.7g/リットルのタングステン、 19.04g/リットルのMoを含む溶液1リットル 中程度の濃度のH2SO435mlを用いて流出液0.5リットルのpHを2に 調節し、約3時間70℃で撹拌し、沈澱を吸引濾過し、洗滌して乾燥する。 沈澱:モリブデン35.9%、 タングステン1.35%含有、24.3g 濾液:8.22g/リットルのタングステン、 0.047g/リットルのMoを含む溶液1リットル 2. S2-形のLewatit MP62 イオン交換塔:S2-形のLewatit MP62 300ml 原料溶液:80.9g/リットルのタングステン 1.92g/リットルのMo(=Wに関しMo2.3%) を含み、pHが8.0の溶液11リットル この溶液を毎時ベッド容積の0.5の割合(150ml/時間)でイオン交換 塔に上向きに通す。 精製された溶液:79.3g/リットルのタングステン、 6.7mg/リットルのMo(=W中Mo84ppm) を含み、pHが8.4の溶液12リットル イオン交換剤を水で洗滌して流出させる。 流出液:13.1g/リットルのタングステン、 23.9g/リットルのMoを含む溶液1リットル 精製された溶液と流出液を一緒にしたMo含量は初期量よりも僅かに高かった 。イオン交換塔にさらに3リットルの溶液を通したが12リットル通した後漏出 が起こったからである。 流出液0.5リットルをさらに実施例1と同様にして処理した。 沈澱:モリブデン39.1%、 タングステン2.65%含有、27.5g 濾液:8.86g/リットルのタングステン、 0.46g/リットルのMoを含み、pHが1.74の溶液600 mg 3.前以てAsを分離した場合としなかった場合における沈澱したMoS3 品質の比較 原料溶液:70g/リットルのW、 1.2g/リットルのMo、 13mg/リットルのAs を含み、pHが8.3の溶液 3.1 対照例:実施例1のOH形のLewatit MP62によるMoの 排他的な分離、通常法の現状:Mintek Rep.no.226 回収されたMoS3: 39.7%のMo、 3.8%のW、 3000ppmのAs 3.2 本発明方法 OH形の弱塩基性陰イオン交換剤(Lewatit MP62)で精製する前 精製したW溶液: 60g/リットルのW、 1.2g/リットルのMo、 <1mg/リットルのAs S2-形のLewatit MP62によるMoの分離 回収されたMoS3: 40.6%のMo、 0.6%のW、 60ppmのAs

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.特に珪素、燐、砒素、錫、アンチモン、バナジン、タンタル、ニオブ、 チタンおよびモリブデンで汚染されたアルカリ性タングステン酸塩溶液から、該 溶液を酸で処理し、次に沈澱剤または沈澱助剤を加えることなく生じた沈澱を濾 過して純粋なアルカリ金属および/またはアンモニウムのタングステン酸塩溶液 を製造する方法において、該酸処理はpHが7〜10になるまで行ない、モリブ デンおよび砒素のイオンを除く大部分の不純物を沈澱させて濾過し、砒素イオン は含むがモリブデンイオンは除く残りの不純物を弱ないし中程度の塩基性のイオ ン交換剤で分離して濾過し、この濾液を硫化物で処理してチオモリブデン酸塩を 生成させ、このチオモリブデン酸塩を硫化物形の固体または液体のイオン交換剤 で分離して純粋なアルカリ金属および/またはアンモニウムのタングステン酸塩 溶液を得ることを特徴とする方法。 2.酸で処理してpH範囲を7〜10にする工程は鉱酸、CO2および/ま たは隔膜電解によって行なうことを特徴とする請求項1記載の方法。 3.pHを8〜8.5に調節することを特徴とする請求項1または2記載の 方法。 4.OH形の固体の弱ないし中程度の塩基性のイオン交換剤を使用して砒素 を含むがモリブデンを含まない残りの不純物を分離することを特徴とする請求項 1〜3記載の方法。 5.チオモリブデン酸塩をつくるために加える硫化物の量はモリブデンの化 学量論的な量の3〜5倍であることを特徴とする請求項1〜4 記載の方法。 6.使用する硫化物はH2S、NaHS、Na2S、(NH42Sまたは硫化 物を放出する有機化合物であることを特徴とする請求項1〜5記載の方法。
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