【発明の詳細な説明】
潤滑油及び燃料油添加剤として有用なオレフィンから誘導された極性単
量体含有共重合体、かかる共重合体及び添加剤の製造法、並びにそれら
の使用発明の分野
本発明は、アクリル酸アルキルのような極性単量体及びエチレン、C3〜C20
α−オレフィン及びそれらの混合物のようなオレフィン系単量体から誘導される
共重合体であって、しかもかかる共重合体を燃料油及び潤滑油添加剤、特に分散
剤、粘度調整剤及び流れ向上剤の製造のための“重合体又は共重合体基幹”とし
て特に好適にする化学的及び物理的特性の特定の組み合わせを有する共重合体に
関する。また、本発明は、かかる共重合体から製造されそして燃料油及び潤滑油
組成物中において有用な改良された油溶性分散剤、並びにその油溶性分散剤を含
有する濃厚物に関する。更に、本発明は、レイト−遷移金属(late-transition-
metal)触媒系を使用して少なくとも1種のアクリル酸アルキルと、エチレン、
α−オレフィン及びエチレンとα−オレフィンとの混合物のうちの少なくとも1
種とを共重合する連続法に関するものであり、そしてα−オレフイン単量体を使
用する場合には、好ましくは精油所又はスチームクラッカー供給原料流れから得
られた高度に希釈されたα−オレフィン原料の形態で使用することに関するもの
である。発明の背景
炭化水素油及び燃料油は、典型的には、性能を向上させる添加剤を含む。例え
ば、かかる油は、典型的には、少なくとも1種の炭化水素ベース油と1種以上の
添加剤、例えば、分散剤、粘度調整剤、ワックス結晶調整剤(例えば、流動点降
下剤)、清浄剤、酸化防止剤等の添加剤との混合物から構成されるが、この場合
に各添加剤は、ベース油の意図する用途におけるその機能及び特性、例えば、潤
滑油、加熱油、ジーゼル油、中間留出燃料油、動力伝達液等としての性能や特性
を向上させる目的で使用される。
分散剤は、典型的には、油溶性を提供する親油性及び分散性を提供する極性を
持つ重合体物質である。分散剤を合成するためのビヒクルとして使用される重合
体“基幹”の数平均分子量は一般には10,000又はそれ以下である。
また、粘度調整剤は、典型的には、そのままで使用することができ、又は適当
な官能化及び/又は誘導体化によって多機能性粘度調整剤として使用することが
できる重合体物質である。粘度調整剤として使用するときには、重合体基幹は、
一般には、約15,000以上の数平均分子量を有する。
潤滑油中に使用される分散剤は、典型的には、窒素−及びエステルベース基を
含有するように変性された炭化水素重合体又は共重合体である。分散剤の製造に
はポリイソブチレンが通常使用されるけれども、エチレン−α−オレフィン共重
合体のような他の炭化水素重合体も使用することができる。分散剤の主要機能は
、使用中に酸化等によって形成されたような不溶物を油中に懸濁状に維持し、こ
れによってスラッジの凝集や沈殿を防止することである。分散剤の使用量は、特
定の物質がその分散剤機能を達成する際のその有効性によって指図される。分散
剤は、それらの化学的及び構造的特徴に依存して粘度調整性及び酸化防止性のよ
うな追加的な機能を有することができる。
窒素−及びエステル基材分散剤は、先ず長鎖炭化水素重合体例えばポリイソブ
チレン及びエチレンα−オレフィン(EAO)共重合体を無水マレイン酸で官能
化して対応する無水コハク酸基置換重合体を形成し、次いでその無水コハク酸基
置換重合体をアミン又はアルコール等で誘導体化することによって製造されるこ
とができる。ポリイソブチレンは、一般には、重合体鎖に沿って位置された重合
体鎖当たり約1個のエチレン性二重結合の量で残留不飽和を含有する。これに対
して、ごく最近開発されたEAO共重合体(メタロセン触媒系に基づく)は、か
なりの量の末端ビニリデン不飽和を含有する(必要ならば、例えば、1994年
9月1日発行のWO94/19436を参照されたい。)。エチレン性二重結合
は、例えば、熱“エン”反応による(即ち、無水マレイン酸又は1個以上の他の
ジカルボン酸部分との直接反応による)官能化用の部位として役立つ。
通常の分散剤において使用されるポリイソブチレン(PIB)重合体は、限定
された反応性、並びに重合体に付随する粘度効果によって制限される場合が多い
。EAO共重合体は改善を提供する。というのは、これらの生成物は主にビニリ
デン型不飽和で停止されているが、官能化及び誘導体化に対する反応性の更なる
向上と共に追加的な効率を得ることができるからである。また、かかる共重合体
は、共重合体を製造するのに多数の単量体供給原料流れの使用を必要とする。
メタロセン触媒系を使用するエチレン及びα−オレフィンの重合に対して高度
に希釈され精製された精油所単量体供給原料流れを使用してエチレンα−オレフ
ィン共重合体を製造することは、米国特許願992690(1992年12月1
7日出願)に開示されているので、必要ならば参照されたい。一般的にはチーグ
ラー・ナッタ触媒、又は特定的にはメタロセン基材触媒系を使用する結果として
、供給原料流れの純度についての関心が必要である。というのは、かかる触媒系
は、水分や窒素、硫黄及び酸素化合物に特に敏感であり、これらは触媒を失活さ
せる可能性があるからである(例えば、1993年12月9日発行のWO93/
24539を参照されたい)。
エル・ケィ・ジョンソン氏他は、J.Am.Chem.Soc.,1995,117,641
4において、エチレン、プロピレン及び1−ヘキセンの溶液単独重合に対してN
i及びPd錯体を種々の活性化剤(MAO及びアルキルアルミニウムクロリドを
含めて)と共に使用することを記載している。分子量、分岐鎖長さ及び結晶度が
変動する重合体が開示されている。
また、エル・ケィ・ジョンソン氏他は、J.Am.Chem.Soc.,1996,118,
267において、Pd触媒を使用するエチレンとアクリレート共単量体(アクリ
ル酸メチル、アクリル酸t−ブチル、ペルフッ素化オクチルアクリレートを含め
た)との、並びにメチルビニルケトン及びプロピレンとアクリル酸メチル及びペ
ルフッ素化オクチルアクリレートとの溶液共重合について記載している。この共
重合体はランダム、非晶質及び分岐として開示され(エチレン共重合体は約10
0個の分岐/1000C原子を有すると記載されている)、そして官能基は主と
して分岐端に位置している。
エム・エス・ブルックハート氏他は、公告された特許出願EP454231A
2(1991)において、エチレン、α−オレフィン、ジオレフィン、官能化オ
レフィン及びアルキンの重合用の触媒を記載している。この触媒の一般的な記載
は、広範には、第VIIIb族金属(第8、9、10族)を包含する。限定された分
子量のオリゴマー及び重合体を製造するために溶液重合においてコバルト及びニ
ッケルが例示されている。
また、エム・エス・ブルックハート氏他は、J.Am.Chem.Soc.,1994,11
6,3641及び1992,114,5894において、Pd(II)触媒を使用
してオレフィン/CO交互共重合体を製造することを記載している(その後、1
992文献で使用される錯体はエチレンを二量化することのみであることがJ.Am
.Chem.Soc.,1995,117,6414に記載されている)。
ダブリュ・ケイム氏他は、Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.,1981,20,11
6において、エチレンをトルエン溶液中において加圧下に重合させるためにNi
のアミノビス(イミノ)ホスホラン錯体を使用することを記載している。重合体
は、短鎖分岐を含有すると言われている。
ブイ・エム・モーリング氏他は、Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.,1985,24
,1001において、C3〜C20線状α−オレフィン及び単一分岐α−オレフィ
ンを重合させるために触媒系としてNiのアミノビス(イミノ)ホスホラン錯体
を使用することを記載している。四級炭素、ビニレン又はビニリデン基を含有す
るオレフィンは重合したが、しかしα−オレフィンの共重合体を得ることができ
た。線状α−オレフィンの重合は、オレフィン鎖の長さに相当する、均一な間隔
を置いて配置されたメチル分岐を含有する重合体を生成した(分岐した重合体構
造についての説明として提起される“連鎖成長”機構については、エル・ケィ・
ジョンソン氏も、上記のJ.Am.Chem.Soc.,1995,117,6414において
記載している)。
エム・ペウカート氏他は、Organometallics,1983,2,594において
、エチレンをトルエン中でオリゴマー化するためのNi触媒を記載している。こ
の触媒は、SHOP触媒中に使用されるキレート性ホスフィノ−アセテートリガ
ンドを含有すると言われている。C4〜C24オリゴマーは、>99%線状及び>
93%α−オレフィンである。エチレン/ヘキセン共オリゴマー化は、検出しう
る分岐を全く有しない生成物を生成した。
米国特許4839074に記載される潤滑油流れ向上剤中において有用である
と記載される成分は、不飽和エステル一般には規定式によって表されるアクリレ
ート又は2−アルキルアクリレートモノエステルである側鎖不飽和モノエステル
の重合体及び共重合体を包含する。
本発明において、極性単量体及びオレフィン単量体から誘導された共重合体の
使用を基にして、特に無灰分散剤及びワックス結晶調整剤を含めた燃料油及び潤
滑油添加剤の性能において更なる改善を達成することができることが分かった。
また、レイトー遷移金属触媒及び高度に希釈された精油所又はスチームクラッカ
ーオレフィン供給原料流れを使用する重合法を選択的に使用して後続の官能化及
び誘導体化に対するユニークな特性の組み合わせを有する共重合体を製造するこ
とによって、かかる添加剤を製造して使用する経済性の有意な向上を達成するこ
とができる。発明の概要
極性単量体及びオレフィン系単量体、例えば、アクリル酸アルキルを含めた極
性単量体、及びエチレン及びプロピレン、1−ブテン等のようなα−オレフィン
を含めたオレフィン性単量体から誘導される、燃料油又は潤滑油添加剤として使
用するのに好適な炭化水素共重合体(かかる共重合体は、便宜上、“極性−オレ
フィン系炭化水素”共重合体又はPOH共重合体と称する)は、複数の特性:(
a)約1.0〜約3.0以下の平均エチレン序列長さESL、(b)共重合体を
構成する共重合体鎖の100個の炭素原子当たり少なくとも5個の平均分岐数、
(c)かかる分岐の少なくとも約50%がメチル及び/エチル分岐であること、
(d)共重合体鎖の少なくとも約30%がビニル又はビニリデン基で停止される
こと、(e)分散剤用途では約30O〜約10,000そして粘度調整剤用途で
は約15,000〜約500,000の数平均分子量Mn及び(f)炭化水素及
び/又は合成ベース油における共重合体の実質的溶解性、の組み合わせによって
特徴づけられることができる。
この特性の組み合わせは、潤滑油及び燃料油添加剤特には分散剤の製造におい
て重合体/共重合体基幹としての使用、並びにワックス結晶調整剤及び粘度調整
剤としての使用に特に好適な本発明のPOH共重合体をもたらす。分散剤基幹と
して使用するときには、本発明のPOH共重合体を特徴づける数平均分子量の限
定された範囲は、それから製造された分散剤が潤滑油ベース油中に実質上可溶性
であることを確実にし、そして同時に、高粘度レベル及びワックス結晶相互作用
による取り扱い上の問題を回避し又は減じる。更に、この規定された重合体特性
は、ワックス結晶調整剤としての使用のための所望のワックス相互作用レベル、
及び粘度調整剤としての使用のための溶液粘度/温度特性を有する生成物をもた
らす。本発明のPOH共重合体における末端ビニル及びビニリデン不飽和の比較
的高いレベルの故に、それから製造された分散剤は高活性成分濃度を有し、これ
によって、スラッジ及びワニス制御特性の向上を含めた潤滑油分散性の向上が提
供される。
本発明の共重合体は、単量体として、C3、C4又はC5源を基材とする高度に
希釈された精油所又はスチームクラッカー供給原料流れを、添加したエチレンと
共に又はそれなしに使用する方法を使用して製造されるのが好ましい。この方法
は、単量体供給原料流れがチーグラー・ナッタ又はメタロセン基材触媒系に対し
て毒になる物質を全く含まないことが必要でないという点で特に有益である。
更に、本発明の共重合体及びそれから製造された分散剤は、それらが添加され
た潤滑油組成物において、特に慣用の潤滑油流れ向上剤(LOFI)も含有する
組成物において向上した流動点性能を有する。分散剤のこの有益な流動点挙動は
、レイトー遷移金属触媒系で達成することができるユニークな共重合体鎖構造に
一部分よるものと考えられる。
本発明の更なる面は、本発明のPOH共重合体をモノ不飽和カルボン酸反応体
と反応させること(例えば、“エン”反応によって)によって製造されたモノ−
又はジカルボン酸物質(即ち、酸、無水物又は酸エステル)での置換によるが如
くして反応性基で官能化されたP(OH共重合体に関するものである。モノカル
ボン酸及びジカルボン酸又は無水物置換POH共重合体はそれ自体で潤滑油に対
する添加剤として有用であり、そして本発明の他の面では、アミン、アルコール
、アミノアルコール及び金属化合物のような求核性反応剤と反応させて誘導体生
成物を生成させることもでき、しかしてこれらの生成物も潤滑油添加剤として例
えば分散剤として有用である。
本発明の更に他の面では、潤滑油添加剤は、上記のモノ不飽和カルボン酸反応
体以外の反応体を使用して本発明のPOH共重合体を官能化することによって製
造される。従って、かかる共重合体は、少なくとも1種の酸性アルキル化触媒の
触媒的有効量の存在下にヒドロキシ芳香族化合物と反応させることによって官能
化されることができる。その後、アルキル化ヒドロキシ芳香族化合物は、アルデ
ヒド及びアミン反応剤とマンニッヒ塩基縮合によって反応させて誘導体化共重合
体を形成することができる。
また、本発明の範囲内に入る潤滑油添加剤は、酸素及び/又はオゾンを含有す
るガスでの酸化の如き本発明のPOH共重合体の酸化によって製造される。また
、共重合体は、ヒドロホルミル化によって、そしてエポキシ化によって官能化さ
れることができる。また、POH共重合体は、共重合体を酸性触媒及び水又はヒ
ドロキシ含有化合物或いはチオール含有化合物のような求核性捕捉剤の存在下に
おいて一酸化炭素とコッホ反応条件下に接触させて共重合体上にカルボキシル基
を形成することによって官能化されることもできる。また、官能化は、“レッペ
”反応化学(1996年6月17日出願の米国特許願663465(Docket No.
PT-1266)に記載される如き)を使用して達成することもできる。更に、酸化、
ヒドロホルミル化、エポキシ化及びコッホ反応によって形成された上記の官能化
重合体は、少なくとも1種の誘導体化用化合物と反応させて誘導体化重合体を形
成することによって誘導体化されることができる。発明の詳細な説明
本明細書における開示及び特許請求の範囲において用語「重合体」又は「共重
合体」を使用するときには、これらの用語は、特に区別されていなければ交換自
在に使用されている。本発明は、共重合体を分散剤の基幹として使用するのに特
に好適にする化学的及び物理的特性のある種の組み合わせによって特徴づけられ
るアクリル酸アルキルの如き極性単量体、及びエチレン、プロピレン及び1−ブ
テンの如きオレフィン系単量体から誘導される共重合体に関するものである。よ
り具体的に言えば、本発明の極性−オレフィン系炭化水素(POH)共重合体は
、比較的高い末端ビニル及び/又はビニレン不飽和度、規定された範囲内の数平
均分子量、共重合体鎖内の制御されたエチレン序列長さ、及び鉱油及び/又は合
成油溶液を形成する能力を有する。これらの特性の各々は、分散剤基幹としての
共重合体の使用に対して1つ又はそれ以上の面で寄与する。極性−オレフィン系炭化水素共重合体の製造
比較的高い末端ビニル及び/又はビニレン不飽和度(例えば、共重合体鎖の少
なくとも約30%)を有する本発明の極性−オレフィン系炭化水素(“POH”
)共重合体は、以下に記載のレイト−遷移金属触媒系の存在下に(a)エチレン
、(b) 1種又はそれ以上のα−オレフィン又は(c)(a)と(b)とそし
て随意成分としての追加的なポリエンとの混合物よりなる群から選択される少な
くとも1種のオレフィン系単量体を重合させることによって製造することができ
る。POH共重合体の鎖状構造は、レイト−遷移金属触媒系の選択によって、ま
たエチレン及び/又は他のα−オレフィンの相対割合を制御することによって制
御されることができる。POH共重合体を製造するための1つの好ましい方法を
以下により詳細に記載する。これは、精油所又はスチームクラッカーで生じる1
つ又はそれ以上の高度に希釈された単量体供給原料流れの使用に基づく。
本発明に対して有用な重合触媒は、式:
LMXr
[式中、Mは、9、10又は10族金属、好ましくはd6、d8又はd10金属、最
も好ましくはd8(ここで、“族”は、“Advanced Inorganic Chemistry”,F.A.
Cotton,G.Wilkinson,Fifth Edition,1988,John Wiley & Sonsに包括的に提供さ
れる元素の周期律表の族を指す)であり、
Lは平方平面形状を安定化しそしてMXrの酸化状態を電荷平衡する二座配位
子であり、
各Xは独立して、ヒドリド基、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ハ
ロカルビル基、置換ハロカルビル基、及びヒドロカルビル−及びハロカルビル−
置換オルガノメタロイド基であり、又は2個のXは金属原子に結合されて約3〜
約20個の炭素原子を含有するメタラサイクル環を形成し、又は1個以上のXは
中性ヒドロカルビル含有ドナー配位子、例えば、オレフィン、ジオレフィン、ア
リン配位子であってよく、そしてr=0、1、2又は3。上記の如きX配位子を
遷移金属成分に供与することができるメチルアルモキサン、アルミニウムアルキ
ル又はアルキルアルミニウムハライドのようなルイス酸活性剤を使用するときに
は、1個又はそれ以上のXは追加的にハロゲン、アルコキシド、アリールオキシ
ド、アミド、ホスフィド又は他の一価陰イオン性配位子よりなる群から独立して
選択することができ、又は2個のかかるXは結合して陰イオン性キレート配位子
若しくは1個以上の中性非ヒドロカルビル原子含有ドナー配位子、例えば、ホス
フィン、アミン、ニトリル若しくはCO配位子を形成する。]のレイト−遷移金
属(late-transition-metal)化合物から誘導されることができる。
本発明の好ましい具体例では、二座配位子Lは、次の式:
[式中、Aは13−15族元素を含有する架橋基であり、各Eは独立して、Mに
結合された15又は16族元素であり、各Rは独立して、ヒドロカルビル、置換
ヒドロカルビル、ハロカルビル、置換ハロカルビル、ヒドロカルビル置換オルガ
ノメタロイド及びハロカルビル置換オルガノメタロイドであるC1〜C30含有基
であり、m及びnは独立して、Eの原子価に依存して1又は2であり、そしてp
はMXの原子価が満たされるような二座配位子の電荷である]によって規定され
る。
本発明の最も好ましい具体例では、架橋基Aは、次の式:[式中、Gは、14族元素、特にはC、Si及びGeであり、Qは13族元素、
特にはB及びA1であり、そしてR’は独立して、ヒドリド基、C1〜C30ヒド
ロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換ハロカルビル基、
及びヒドロカルビル−及びハロカルビル−置換オルガノメタロイド基であり、そ
して随意として、2個又はそれ以上の隣接R’は1個又はそれ以上のC4〜C40
環を形成して飽和又は不飽和環式又は多環式環になることができる]によって規
定される。
また、本発明の最も好ましい具体例では、Rは、ヒドロカルビル、置換ヒドロ
カルビル、ハロカルビル、置換ハロコカルビル、ヒドロカルビル置換オルガノメ
タロイド及びハロカルビル置換オルガノメタロイドであるかさばったC1〜C30
含有ラジカル基である。かさばったラジカル基としては、フェニル、置換フェニ
ル、アルキル及び置換アルキル、特に第三炭素原子を介してEに結合されたもの
、ヒドロカルビルを含有する脂環式及び多脂環式炭化水素、特に第三炭素原子を
介してEに結合されたもの等が挙げられる。
上記の規定では、用語「置換」は先に規定した如くであり又は特に本質上ヒド
ロカルビルであってよいC1〜C30含有ラジカル基を意味するが、しかし1個又
はそれ以上の炭素原子の代わりに1個又はそれ以上の非ヒドロカルビル原子(S
i、Ge、O、S、N、P、ハロゲン等の如き)を含むことができる。
本発明の極めて最も好ましい具体例では、Mは10族金属であり、Eは15族
元素、特には窒素であり、m及びnは1であり、pはゼロであり、架橋はA−1
で引かれる如くであり、そしてRは、好ましくは少なくとも2及び6位置におい
てR’基で置換された置換フェニル基である。
本発明の重合法では、レイト−遷移金属タイプの触媒系の種々の形態のものを
使用することができる。かかる触媒を包含する斯界の幾つかの開示が先に記載さ
れているので、必要ならばそれらを参照されたい。これらの文献は種々のレイト
−遷移金属触媒の構造を教示しており、そしてアルモキサンが助触媒として挙げ
られている。アルモキサンを製造するための種々の方法があるが、そのうちの1
つは米国特許466208に記載されており、そしてこれは市場で入手すること
もできる。
本明細書の目的のために、用語「助触媒」又は「活性剤」は交換自在に使用さ
れ、そしてかさばった配位子遷移金属化合物を活性化することができる任意の化
合物又は成分であると定義される。本発明に従ったレイト−遷移金属触媒化合物
は、配位重合を可能にするのに十分な任意の態様で重合触媒作用のために活性化
されることができる。これは、例えば、1個のX配位子を抽出することができそ
して他方のXが不飽和単量体の挿入を可能にするか、又は不飽和単量体の挿入を
可能にするXとの置換のために同様に抽出可能であるどちらかのときに達成され
ることができる。メタロセン重合技術の慣用活性剤が好適な活性剤である。これ
らは典型的には、アルモキサン化合物のようなルイス酸、及び遷移金属の中心を
陽イオンにイオン化しそして対応して平衡する相容性の非配位子陰イオンを提供
するように1個のXを抽出するイオン化性陰イオン前駆物質化合物を包含する。
アルキルアルモキサン及び変性アルキルアルモキサンが触媒活性剤として好適
である。触媒活性剤として有用なアルモキサン成分は、典型的には、一般式(R
”−Al−O)n(これは環式化合物である)又はR”(R”−Al−O)nAl
R”2(これは線状化合物である)によって表されるオリゴマーアルミニウム化
合物である。この一般的なアルモギサン式において、R”は独立してC1〜C10
アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル又はペンチルであり、
そして“n”は1〜約50の整数である。また、R”は独立して、弗素、塩素及
び沃素を含めたハロゲン、及びアミド、アルコキシド等のような他の非ヒドロカ
ルビル一価配位子であってよいが、但し、R”のせいぜい25%はメチルであり
そして“n”は少なくとも4であるものとする。アルモキサンは、斯界に知られ
た種々の方法によって製造することができる。例えば、不活性有機溶媒中に溶解
させた水でアルミニウムアルキルを処理し、又は不活性有機溶媒中に懸濁させた
水和硫酸銅のような水和塩と接触させてアルモキサンを生成させることができる
。しかしながら、一般的には、アルミニウムアルキルと限定した量の水との反応
は、アルモキサンの線状種と環状種との混合物をもたらす。メチルアルモキサン
及び変性メチルアルモキサンが好ましい。更なる記載については、必要ならば、
米国特許4665208、4952540、5041584、5091352、
5206199、5204419、4874734、4924018、4908
463、4968827、5329032、5248801、5235081、
5157137、5103031、並びにEP561476Al、EP2795
86、EP516476A1、EP594218Al及びWO94/10180
を参照されたい。
活性剤がアルモキサンであるときには、好ましい遷移金属化合物対活性剤モル
比は、1:10000〜10:1好ましくは約1:5000〜10:1より好ま
しくは約1:1000〜1:1である。
用語「非配位陰イオン」をイオン化性陰イオン前駆物質化合物に対して使用す
るときには、それは、かかる遷移金属陽イオンに配位しないか又は該陽イオンに
ごく弱く配位されるかのどちらかであり、これによって中性ルイス塩基によって
置換されるのに十分なだけ不安定で存在するような陰イオンを意味する。“相容
性”非配位陰イオンは、レイト−遷移金属触媒化合物とイオン化性陰イオン前駆
物質化合物との間の初期に形成された錯体が分解するときに中性まで分解されな
いようなものである。更に、陰イオンは、陰イオンから中性四配位金属化合物及
び中性副生物を形成させるように陰イオン性置換基又は断片を陽イオンに移行さ
せない。本発明に従って有用な非配位陰イオンは、相容性であり、レイト−遷移
金属陽イオンをそのイオン電荷をa+1の状態で平衡するという点で安定化し、
しかも重合間にオレフィン式不飽和単量体による置換を可能にするのに十分な不
安定性を保持するようなものである。加えて、本発明に有用な陰イオンは、重合
プロセスで存在する可能性がある重合性単量体以外のルイス塩基によってレイト
−遷移金属陽イオンの中和を一部分抑制し又は防止するのを補助するのに十分な
分子寸法の点で大きい又はかさばっている。
配位重合に好適な、遷移金属陽イオン(メタロセンに基づく)及び非配位陰イ
オンを含むものであるイオン性触媒についての記載は、米国特許5064802
、5132380、5198401、5278119、5321106、534
7024、5408017、WO92/333及びWO93/14132に見ら
れる。これらの文献は好ましい製造法を教示しており、ここでは、遷移金属から
アルキル/ヒドリド基を抽出してそれを非配位陰イオンによって陽イオン性及び
電荷平衡の両方にするようにメタロセンが陰イオン前駆物質によってプロトン供
与されている。これらの教示は、当業者には、本発明のレイト−遷移金属触媒に
関して有益になるだろう。
活性プロトンを含有しないがしかし活性金属陽イオン及び非配位陰イオンの両
方を生成することができるイオン化性陰イオン性化合物の使用も知られている。
例えば、EP−A−426637、EP−A−573403及び米国特許538
7568を参照されたい。ブレンステッド酸以外の反応性陽イオンは、フェロセ
ニウム、銀、トロピリウム、トリフェニルカルベニウム及びトリエチルシリリウ
ム、又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属陽イオン例えばナトリウム、マ
グネシウム又はリチウム陽イオンを包含する。本発明に従って好適な非配位陰イ
オン前駆物質の更なる群は、先に記載したようにアルカリ金属又はアルカリ土類
金属陽イオン及び非配位陰イオンを含む水和塩である。この水和塩は、金属陽イ
オン−非配位陰イオン塩と水との反応によって、例えば、[Li・xH2O][
B(pfp)4]を生成する市場で入手でき又は容易に合成されるLiB(pf
p)4(ここで、(pfp)はペンタフルオルフェニル又はパーフルオルフェニ
ルである)の加水分解によって製造されることができる。
水(又は他のブレンステッド酸又はルイス酸)による分解に対して抵抗性の配
位錯体を形成することができる任意の金属又はメタロイドを使用することができ
、又は陰イオン中に含めることができる。好適な金属としては、アルミニウム、
金、白金等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適なメタロイ
ドとしては、ホウ素、燐、珪素等が挙げられるが、これらに限定されない。必要
ならば、上記パラグラフの文献の非配位陰イオン及びそれへの前駆物質について
の記載を参照されたい。
イオン性触媒を製造する追加的な方法では、初期において中性のルイス酸であ
るがしかしレイト−遷移金属化合物とのイオン化反応時に陽イオン及び陰イオン
を形成するイオン化性陰イオン前駆物質が使用され、例えば、トリス(ペンタフ
ルオルフェニル)ホウ素は、レイト−遷移金属陽イオン及び安定化用非配位陰イ
オンを生成するようにヒドロカルビル、ヒドリド又はシリル配位子を抽出する働
きをする。メタロセン触媒系に向けられるEP−A−427697及びEP−A
−520732を参照されたい。また、配位重合のためのイオン性触媒は、陰イ
オン基に沿って金属酸化基を含有する陰イオン性前駆物質によって遷移金属化合
物の金属中心を酸化することによって製造することもできる。必要ならば、これ
らの文献の非配位陰イオン及びそれへの前駆物質についての記載も同様に参照さ
れたい。
イオン性非配位前駆物質の陽イオン部分がプロトンのようなブレンステッド酸
又はプロトン化ルイス塩基(水を除く)又はフェリシニウム若しくは銀陽イオン
のような還元性ルイス酸又はナトリウム、マグネシウム若しくはリチウム陽イオ
ンのようなアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属陽イオンであるときには、遷
移金属対活性剤モル比は任意の比率であってよいが、しかし好ましくは約10:
1〜1:10、より好ましくは約5:1〜1:5、より一層好ましくは約2:1
〜1:2そして最も好ましくは約1.2:1〜1:1.2であり、そして約1:
1の比率が最も好ましい。
レイト−遷移金属触媒を活性化する更に有用な方法は、チーグラー助触媒を使
用することである。かかる助触媒は、典型的には、アルミニウムアルキル、アル
ミニウムアルキルハライド及びアルミニウムハライドよりなる群から選択される
周期律表の1、2、12又は13族の金属の有機金属化合物である。これらは、
式:
Al(R)m(R’)nX3-m-n
[式中、R’及びRは、独立して、同種又は異種であってよいC1〜C10脂肪族
、脂環式又は芳香族炭化水素基を含めたヒドロカルビルであり、Xは塩素、臭素
又は沃素のようなハロゲンであり、m及びnは0〜3の整数であり、そして(m
+nの合計≦3)]、及び
Al2R3X3
(これらは、Al2Et3Cl3及びAl2(iBu)3Cl3(ここで、Etはエチ
ルであり、そしてiBuはイソブチルである))のようなヒドロカルビルアルミ
ニウムセスキハライドである)、
によって表すことができる。これらの例としては、トリエチルアルミニウム、ジ
エチルアルミニウムクロリド、Al2Et3Cl3及びAl2(iBu)3Cl3が挙
げられる。斯界において一般的に認められているように、これらのチーグラー助
触媒化合物は、メタロセン触媒化合物を効果的には活性化しない。好ましい方法
では、この活性剤はレイト−遷移金属触媒と反応され、次いでその活性化触媒系
が重合反応器に添加される。
更に有用なレイト−遷移金属触媒としては、担持触媒として知られるものが挙
げられる。このタイプの有用な触媒系は、“担持されたレイト−遷移金属触媒系
”と題する米国特許願(1996年6月17日に出願されたジー・エイ・バウガ
ン氏の特許願、Docket No.96B035)に開示されている。必要ならば、それを参照
されたい。
陽イオン及び非配位陰イオンを含むレイト−遷移金属のイオン性触媒を使用す
るときには、全触媒系は1種以上のスカベンジャー化合物を追加的に含むことが
できる。用語「スカベンジャー化合物」は、反応環境から極性不純物を除去する
のに効果的であるような化合物を包含することを意味する。不純物は、重合反応
成分のどれかと一緒に特に溶剤、単量体及び触媒供給原料と一緒に不注意に導入
される可能性があり、そして触媒の活性及び安定性に悪影響を及ぼす場合がある
。不純物は、特にレイト−遷移金属−非配位陰イオン対が触媒系であるときに、
触媒活性の低下、変動又はその除去さえもたらす場合がある。極性不純物又は触
媒毒としては、水、酸素、金属不純物等が挙げられる。本発明のレイト−遷移金
属触媒は不純物に対して従来技術のもの、例えば、メタロセン触媒系よりも感性
が低くなりうるが、毒の減少又は排除は望ましい目的である。好ましくは、反応
容器へのそれらの供給前に、例えば各成分の合成又は調製の後又はその間の化学
的処理又は注意深い分離技術によって幾つかの工程が取られる。重合プロセスそ
れ自体において幾らかの少量のスカベンジャー化合物が通常使用されることがで
きる。
典型的には、スカベンジャー化合物は、米国特許5153157、52410
25、並びにWO−A−91/9882、WO−A−94/3506、WO−A
−93/14132及びWO−A−95/7941の13族有機金属化合物のよ
うな有機金属化合物である。例示的な化合物としては、トリエチルアルミニウム
、トリエチルボラン、トリイソブチルアルミニウム、メチルアルモキサン、イソ
ブチルアルモキサン及びn−オクチルアルミニウムが挙げられる。かさばった又
はC8〜C20線状ヒドロカルビル置換基が金属又はメタロイド中心に共有結合し
たようなスカベンジャー化合物は、活性触媒との悪相互作用を最小限にするのに
好ましい。アルモキサンを活性剤として使用するときには、存在するレイト−遷
移金属の量を超えたいかなる過剰も、スカベンジャー化合物として作用し、そし
て追加的なスカベンジャー化合物は必要でない。レイト−遷移金属陽イオン−非
配位陰イオン対と共に使用しようとするスカベンジャーの量は、重合反応間に、
活性を高めるのに有効な量まで最小限にされる。重合プロセス
一般には、重合プロセスは、重合可能な極性単量体供給原料流れ、オレフィン
系単量体を含有する1つ以上の精油所又はスチームカラッカー供給原料流れ、又
は反応希釈剤(もし使用するならば)、単量体、触媒及び助触媒の別個の流れを
同時に反応器に供給し、反応器から溶媒、未反応単量体及び重合体を抜き出し、
所望の分子量の重合体を形成するのに十分な滞留時間を許容し、しかる後に反応
混合物から重合体を分離することによって連続態様で行われるのが好ましい。所
望ならば、これらの単量体は、反応器に導入する前に予備混合されることができ
る。
POH共重合体を製造するための好ましい方法は、高度に希釈された精油所又
はスチームクラッカー単量体供給原料流れをレイト−遷移金属触媒系と併用する
連続法である。かかるプロセスから幾つかの利益が生じる。
(1)希薄単量体供給原料の使用は、反応器への単量体の導入点においてより
低い濃度勾配をもたらし、従って、均一な単量体混合を得るのに少ない時間で済
み、そして流入口でのより高い分子量の種の形成に対してより少ない時間で有効
である。
(2)希薄供給原料の使用は、純供給原料系での重合体形成に由来する物質移
動抵抗の発生を伴わずに、プロセスを高い転化率で操作するのを可能にする。
(3)沸騰型反応器及び希薄供給原料を使用する本発明の方法の好ましい具体
例では、蒸気空間及び液体反応混合物にある単量体は、特にエチレンを共単量体
として使用するときには平衡状態にある。これは、液体/蒸気界面に物質移動抵
抗を本質上全く有しない反応混合物をもたらす均一混合を達成する容易さの故に
達成可能である。
(4)希釈剤中の主成分が重合しようとする又は適用可能な場合に例えばエチ
レンと共重合しようとするα−オレフィンとほぼ同じ温度で沸騰するように、オ
レフィン供給原料における高濃度の希釈剤の存在によってなお更なる改善が可能
である(2種又はそれ以上の単量体を重合させる場合に)。従って、エチレンと
の共重合がかかわる場合には、蒸気空間におけるエチレン含量はα−オレフィン
供給原料成分によって更に希釈され、しかしてその主な部分は希釈剤である。か
くして、蒸発型冷却は蒸気中のエチレンの多量の再循環に左右されず、還流にお
けるエチレン堆積は更に最小限にされ、そしてエチレン混合に対する物質移動抵
抗が更に減少される。
(5)沸騰型反応器は、重合反応を高度の等熱態様で行うのを可能にする。と
いうのは、反応媒体からほぼ一定の温度で未反応単量体及び希釈剤を沸騰させる
ことによって反応熱が容易に除去され、これは狭い分子量分布のPOH共重合体
をもたらすからである。
(6)共重合体を製造する場合に、凝縮蒸気の組成分布を変えるためにそれを
温度調節する必要なしに共重合体の均質性が大きく向上される。
(7)希薄供給原料と高い転化率との併用は、触媒残査の除去(脱灰)及び共
重合体/触媒混合物の冷却を容易にする。というのは、共重合体に脱灰及び冷却
媒体を混合するのは容易であるからである。
(8)希薄α−オレフィン含有供給原料及び高い転化率の使用は、プロセスの
全経済性の有意な向上を提供する。というのは、かかる希薄供給原料は、他の工
業的な源、例えば、C3、C4又はC5オレフィンを含有する精油所又はスチーム
クラカー供給原料流れから誘導される副生物又は廃流れとして極めて低いコスト
で容易に得ることができるからである。
本発明の方法に従って製造される共重合体は、エチレン及びα−オレフィンの
ような少なくとも1種のオレフィンから誘導される単量体単位を含む共重合体で
ある。かかる単量体は、それらの構造内に構造式>C=CH2の少なくとも1個
のエチレン式不飽和基が存在することによって特徴づけられ、そして低い触媒濃
度において高反応性である。レイト−遷移金属で触媒される重合は、特にエチレ
ン及びα−オレフィン単量体の使用の場合に特に適応可能である。他のオレフィ
ン式不飽和単量体は、反応性がより低くなる場合がある。それ故に、ラフィネー
ト−2流れの如き好適な精油所又はスチームクラッカー流れ中の各成分(例えば
、2−ブテン及びイソブチレンのような成分)は、レイト−遷移金属触媒系の存
在下に限定された反応性を有する可能性がある。かかる成分は本法では希釈剤と
見なすことができ、そして供給原料流れの重合性成分から分離される必要はない
。ブタジエンのような望ましくないかもしれない他の成分は、その二重結合を水
素で予め飽和することによって触媒に対して非反応性又は無毒にされる。
従って、好適なα−オレフィンとしては、構造式H2C=CHR1(式中、R1
は1〜18個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖アルキル基であり、そしてそれか
ら形成された共重合体は高い末端ビニル及びビニレン不飽和度を有する)によっ
て表されるものが挙げられる。好ましくは、上記式におけるR1は、特にワック
ス結晶調整剤として使用するためには1〜16個の炭素原子のアルキルそしてよ
り好ましくは1〜12個の炭素原子のアルキルである。分散剤基幹として使用し
ようとする共重合体を製造するのに好適であるような単量体は、典型的には、上
記式におけるR1が1〜8個の炭素原子のアルキルそしてより好ましくは1〜6
個の炭素原子のアルキルであるようなものでる。それ故に、有用な単量体として
は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1
、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサジエン−1、ヘプタデセン−1
、オクタデセン−1、ノナデセン−1及びそれらの混合物(例えば、エチレンと
ブテン−1、エチレンとプロピレン、プロピレンとブテン−1、オクテン−1と
テトラデセン−1の各混合物等)が挙げられる。
重合後にそして随意として触媒の失活(例えば、重合反応媒体に過剰量の水又
はメタノール、プロパノール、イソプロパノール等のようなアルコールを接触さ
せること、又は重合反応を停止させるために媒体を冷却若しくはフラッシングす
ることの如き通常の技術によって)後に、生成物共重合体は、斯界に周知の方法
によって回収されることができる。共重合体からすべての過剰の反応体をフラッ
シングさせることができる。
本発明において有用である重合可能な極性単量体は、式:
[式中、Xは水素(H)、NH2、Ry又はORyであり、RxはH又はC1〜C5直
鎖若しくは分岐鎖アルキル基であり、そしてRyはH又はC1〜C20直鎖若しくは
分岐鎖アルキル基である。短鎖不飽和エステル単量体ではRyは好ましくはC1〜
C5アルキル基であり、そして長鎖単量体では好ましくはC10〜C18アルキル基
である]によって表される群から選択されるα、β−不飽和カルボニル化合物で
ある。本発明で使用するのに好適である代表的なアクリレート単量体としては、
アクリル酸メチル、メタタリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、エタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸t−ブチル、プロ
パクリル酸オクチル、ブタクリル酸デシル、ペンタクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸ヘキシル、エタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデ
シル、メタクリル酸テトラデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸オ
クタデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ペ
ンタデシル、アクリル酸ヘキサデシル及びアクリル酸オクタデシルが挙げられる
。好ましいアルデヒドはアクロレイン(CH2=CHCHO)であり、好ましい
ケトンはメチルビニルケトン(CH2=CHCOCH3)であり、そしてXがNH2
である場合の好ましい化合物はアクリルアミド(CH2=CHCONH2)であ
る。
Ry置換基の炭素原子の最小数は典型的には、燃料油又は潤滑油における共重
合体の不溶性を回避するように選択され、そして炭素原子の最大数は、低温度に
おいて燃料油又は潤滑油から共重合体が晶出するのを回避するように選択される
。
上記の極性単量体の共重合から生じる共重合体中の極性部分の割合は、ゲル又
は油不溶性分散剤生成物の生成を回避するためにポリアミンを連鎖停止剤(以下
に記載される如き)と併用して分散剤を製造するのにかかる共重合体を使用する
場合には、鎖当たり約1〜約6個そして好ましくは鎖当たり約1〜約2個の範囲
にわたることができる。分散剤を製造するのに使用されるアミンが“ワンアーム
ド(on earmed)”アミン(以下に記載される如き)である場合には、極性部分
の割合は好ましくは、鎖当たり約2〜約6個の範囲にわたることができる。一般
には、分散剤を製造するのに使用されるかかる共重合体では、極性部分は、分岐
を含めた重合体基幹の5,000Mnセグメント当たり極性部分約1個〜1,0
00のMnセグメント当たり極性部分約1個の平均割合で存在してよい。
重合は、反応媒体として、精油所又はスチームクラッカーから得られる高度に
希釈された単量体供給原料流れを使用して行われるのが好ましい。かかる媒体に
は、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソオクタン、
デカン、トルエン、キシレン等のような重合に対して不活性な炭化水素が存在す
る。別法として、重合は、実質上純粋な単量体例えばエチレン及び/又はプロピ
レンを使用して実施することができる。精油所又はスチームクラッカー供給原料
を使用する方法では、重合しようとするオレフィン系単量体、例えば1−ブテン
を含有する供給原料流れは、典型的には、ある量の他のC4炭化水素を含有する
。より具体的に言えば、供給原料流れは、n−ブタン及びイソブタンと一緒に、
5重量%以下のイソブチレン、少なくとも12重量%の全n−ブテン(即ち、1
−ブテン及び2−ブテン)及び1重量%以下のブタジエンを含むことができる。
POH共重合体を製造するのに使用するときには、好ましいC4供給原料流れは
、ポリイソブチレンの製造において副生物として生成される廃C4流れを含み、
ここでC4供給原料流れ(ラフィネートIIとしばしば称される)は、5重量%以
下のイソブチレン、10〜70重量%の飽和ブタン、並びに15〜85重量%の
1−ブテン及び2−ブテンを含有する。飽和ブタンは、反応混合物中において希
釈剤又は溶媒として働く。典型的には、C4供給原料流れは、反応温度で反応器
入口及び反応混合物それ自体の両方において液体形態になるのに十分な圧力に維
持される。オレフィン系供給原料流れ成分の他に、先に記載したような極性単量
体供給原料成分が必要とされる。極性単量体は、希釈されてもよく、そのままで
使用することもでき、そして別法として、別個の供給原料流れとして供給するこ
とができ、又はオレフィン供給原料流れと混合することもできる。反応器に供給
される極性単量体の量は、使用した特定の触媒系に対する共重合体への極性単量
体組み込みの効率、及び共重合体に望まれる極性単量体のレベルに左右される。
これらの面は、当業者によって容易に決定されることができる。
本発明の好ましい反応プロセスは連続式であり、希薄供給原料を使用し、そし
て高い単量体転化率レベルを達成するように操作される。本発明の目的に対して
、用語「連続式」は、オレフィン系単量体を含有する供給原料流れが反応帯域に
連続的に導入されそして得られるPOH共重合体生成物が連続的に抜き出される
ことを意味する。
高度に希釈された単量体供給原料を使用する利益については先に記載されてい
る。本発明の目的に対して、希釈剤は、(i)反応条件下に液化され、(ii)1
種を使用する場合には少なくともα−オレフィン単量体を溶解し、そして(iii
)反応帯域全体にオレフィンを均一に分配するのに必要とされるオレフィン(特
にはエチレン)の物質移動速度が、重合反応でオレフィンが消費されるときの反
応速度に少なくとも等しくそして好ましくはそれよりも大きくなるような程度ま
で粘度の上昇が十分に最小限にされるように、共重合体生成物を反応条件下に溶
解又は少なくとも懸濁させることことができるのが好ましい任意の非反応性(使
用
する条件下に)物質であってよい。好適ではあるが次に好ましい希釈剤は、アル
カン、芳香族炭化水素及び非反応性アルケンの如き溶剤を包含する。この非反応
性希釈剤は、典型的には、少なくとも30、好ましくは少なくとも40そして最
も好ましくは少なくとも50重量%のα−オレフィン供給原料流れを含み、そし
て希釈剤はα−オレフィン供給原料流れの典型的には30〜90(例えば、35
〜75重量%)好ましくは40〜80そして最も好ましくは50〜60重量%の
範囲内であってよい(エチレンを共単量体として使用する場合には、上記のレベ
ルはエチレンとの混合前の濃度を意味する)。
好ましい単量体供給原料流れはα−オレフィン単量体反応体を含有する種々の
精油所又はスチームクラッカー流れ中に存在する好ましい希釈剤を含むことが本
発明の特別な利益である。有用なかかる流れになることは、反応性成分として、
少なくとも1種のα−オレフィンを含有しなければならない。しかしながら、こ
れらの流れは、典型的には、α−オレフィンと同様の炭素原子数を有する非反応
性成分を含有する。炭素原子数の類似性は、非反応性成分がα−オレフィンと同
様の沸点を有する原因となる。従って、非反応性成分は、α−オレフィンと一緒
に気化し、そして蒸気空間中のα−オレフィンを希釈するのみならず、エチレン
共単量体(使用した場合には)も希釈する。この希釈効果は、蒸気空間にある反
応性単量体(特にはエチレン)の物質移動抵抗を低下させる。
従って、好ましい希釈剤は、反応条件下で供給原料のα−オレフィン成分の平
均沸点の典型的には±20℃内、好ましくは±15℃内、そして最も好ましくは
±10℃内の沸点を有する、典型的には少なくとも50、好ましくは少なくとも
75そして最も好ましくは少なくとも95重量%そして典型的には50〜100
、好ましくは75〜100そして最も好ましくは95〜100重量%を占める成
分を含有する。かかる精油所又はスチームクラッカー流れの代表的なものは、ブ
テン−1、プロピレン又はC5α−オレフィンを含有するようなものである。好
ましいブテン−1含有流れは、ここではラフィネート−2流れと称される。かか
る流れは、典型的には、それらが誘導された流れに比較して有意に低下されたイ
ソブチレン含量を有する。ラフィネート−2は、典型的には、ブタン/ブテン接
触分解若しくは精油所流れ(BB−流れ)又はラフィネート1(これは、スチー
ムクラッキングプラントによって生成された粗ブタジエンから誘導される)のい
ずれかから誘導される。ラフィネート−2の組成は、例えば、源に依存して広範
囲にわたって変動することができる(重量%)。
*他のもの:(a)プロパン、プロペン、ペエンタン、ペンテン、水、微量
の他の炭化水素を含む。
(b)MTBE製造(BB−流れ又はラフィネート−1を使用
する)から誘導されるラフィネート−2は、微量のMT
BE、メタノール、ジメチルエーテル及びt−ブチルア
ルコールを含む。
典型的な市販ラフィネート−2中のブテン−1濃度は約15〜約55重量%の
範囲内である。POH単独重合体又は共重合体(例えばエチレンを含む)を製造
するには上記のブテン−1含有精油所又はスチームクラッカー流れが好ましい。
また、本発明は、BB流れ及びラフィネート−1を直接利用することもできる。
というのは、イソブチレンは、レイト−遷移金属触媒系の存在下にほとんど完全
に非反応性であるからである。それ故に、輸送コスト、便利さ、又は他の因子が
決定過程に影響を及ぼすかどうかに依存して、当業者は、ラフィネート−2を入
手しそしてそれを本発明の方法に使用するか、又は先ずラフィネート1若しくは
BB流れのいずれかを入手し、それをプロセスに送り次いで得られたイソブチレ
ンに富む流れをMTBEプラント又は他の最終用途に輸送するかのどちらかのオ
プションを有する。ラフィネート−2の使用が好ましい。粗ブタジエン流れの直
接使用は望まれない。というのは、それは、重合前に水素化されるブタジエンを
むだにするからである。精油所又はスチームクラッカー流れを使用するのが好ま
しいが、それは要件とはされず、実際に、希薄α−オレフィン含有流れは、典型
的には上記の精油所又はスチームクラッカー流れ中に見られるものの如き純α−
オレフィン及び1種以上の純希釈剤(例えば、純イソブタン)を別個に混合する
ことによって調製することができることが企図されている。もしも後者の方法に
従えば、希釈剤のレベルは、開示される方法の利益を得るためにはここの教示に
基づくべきである。
また、本発明は幾つかのPOH重合体及び共重合体の製造において有用であり
、それ故に、斯界において知られた希薄プロペン及びペンテン流れの如き他の希
薄精油所又はスチームクラッカー流れの加工処理において使用されることもでき
ることが理解されよう。また、斯界において“C3流れ”として知られる希薄精
油所又はスチームクラッカープロペン流れ、及び“C5流れ”として知られる希
薄精油所又はスチームクラッカーペンテン流れもスチーム及び接触クラッキング
から誘導され、そして一般には、次の成分(範囲、重量%)を含むと表現される
ことができる。即ち、C3流れでは、プロピレン=55±20、プロパン=34
±15、エチレン=2±1、エタン=8±4、及び他のもの=1±0.5(他の
ものは、メタン、アセチレン、プロパジエン、微量のC4及びC5、並びに水、硫
化カルボニル、メチルメルカプタン及び硫化水素の如き微量の極性化合物を含む
)。C5流れでは、組成は、C3及びC4流れの組成よりも複雑である。 *他のものはベンゼン及び極性化合物を含む。
ペンテン−1及びシクロペンテンはレイト−遷移金属触媒系の存在下において
C5流れ中の最も反応性の成分であって、蒸留によって互いに容易に分離され、
そして濃縮される。
例えば精油所又はスチームクラッカー流れ中の成分が反応条件下に希釈剤とし
て適格であるかどうかは、それが、供給原料に施される特定の触媒及び予備処理
のタイプに依存して非反応性であるどうかに左右される。希釈剤に関連して用語
「非反応性」を使用するときには、それは、供給原料中に存在する成分の5重量
%以下、好ましくは3重量%以下そして最も好ましくは1重量%以下が共重合体
生成物中に組み込まれそしてその成分がレイト−遷移金属触媒系を全く失活しな
いことを意味する。典型的には、すべての飽和炭化水素成分、並びにレイト−遷
移金属触媒系の存在下に高度に非反応性であるブテン−2及びイソブチレンが希
釈剤として適格である。ブタジエンのような物質は、触媒を失活させる傾向があ
る。それ故に、それらは除去されるか、又は水素化によって少なくとも一部分飽
和されるのが好ましい。一旦飽和されると、ブタジエンはブタン、ブテン−2、
又は重合性α−オレフィン、ブテン−1として希釈剤の一部分になる。
本発明の方法は、高いエチレン及びα−オレフィン転化率を達成するように制
御される。転化率は、単量体濃度、触媒濃度及び滞留時間に正比例する。従って
、これらのパラメーターは、典型的には少なくとも70%、好ましくは少なくと
も80%、最も好ましくは少なくとも90%のエチレン転化率を達成するように
制御され、そして典型的には70%〜100%、好ましくは80%〜100%、
最も好ましくは90%〜100%(例えば、90〜95%)の範囲内であってよ
い。α−オレフィン転化率は、典型的には少なくとも30%例えば少なくとも4
0%、好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも60%になるよ
うに制御され、そして典型的には30%〜95%、好ましくは40%〜90%、
最も好ましくは50%〜90%の範囲内であってよい。単量体転化率(%)は、
次の式:
のいずれかによって測定することができる。
混合オレフィン供給原料、例えばエチレンと組み合わせてα−オレフィンを使
用する場合には、使用する特定のα−オレフィン転化率は、共重合体に付与しよ
うとする見かけのエチレン含量、それ故に混合供給原料中のエチレン濃度に一部
分左右される。例えば、低いエチレン含量では、α−オレフィン転化率は、典型
的には、高エチレン含量供給原料のものよりも低い。転化率に影響を及ぼすプロ
セス条件の任意の組み合わせによって高い転化率を達成することができるが、低
い触媒濃度及び低い単量体濃度を維持しそして長い滞留時間で高い転化率を達成
するのが好ましい。エチレンを共単量体として使用する場合には、好ましくは、
エチレン転化率は、蒸気相中のエチレン重量%対反応体供給原料流れ中のエチレ
ン重量%の比率が典型的には1.2:1よりも大きくなく、好ましくは1:1以
下、そして最も好ましくは0.1:1〜0.7:1(例えば、0.1:1〜0.
5:1)になるような態様で制御される。反応混合物中の単量体は、供給原料中
における希釈剤の使用、及び高転化率での操作によって低く保たれる。
触媒濃度は、典型的には、触媒のコストの故に毒レベルのすぐ上に保たれる。
好ましくは、供給原料は、触媒毒の全部ではなく大部分を除去するように処理さ
れるが、しかしこれは、毒の存在に対する特定の触媒系の感性に依存して変動す
ることができる。少量の毒汚染は、触媒系の濃度を増大しその過剰量を使用して
毒との反応によってそれを除去することによって調整されることができる。従っ
て、任意の有効触媒濃度を使用することができるが、かかる有効量は、典型的に
は1×10-6:1〜1×10-1:1のレイト−遷移金属触媒系対共重合体生成物
の重量比を達成するのに十分であることが企図される。
滞留時間は、次の式:
[ここで、真容積を得るために反応器中の液体の見かけ容積から液体中の気泡容
積が差し引かれる]によって決定される。従って、滞留時間は、典型的には約0
.1〜約5時間、好ましくは約0.5〜約4時間そしてより好ましくは約1〜約
3時間の範囲内であってよい。
反応温度及び圧力は、好ましくは、希釈剤及びα−オレフィンを液化するよう
に制御される。しかしながら、エチレンが存在するときには、反応温度は、典型
的には、エチレンの臨界温度よりも高いがしかしα−オレフィン供給原料及び/
又は希釈剤の臨界温度よりも低くなるように選択される。従って、所望のMnの
POH共重合体を効率的な態様で製造するために任意の有効温度を使用すること
ができるが、重合は、一般には約0℃〜約300℃、好ましくは約10℃〜約2
00℃の温度で行われることが企図される。ブテン−1を含有する供給原料では
、かかる有効温度は、典型的には約10℃〜約150℃、好ましくは約15℃〜
約120℃そして最も好ましくは25℃〜約110℃の範囲内である。主希釈剤
としてプロパンを有するプロピレンの希薄精油所又はスチームクラッカー流れで
は、プロピレン及びプロパンの臨界温度はそれぞれ92.42℃(198.36
°F)及び96.7℃(206.06°F)であり、従って反応温度の典型的な
範囲は10〜96℃そして好ましくは25〜92℃になる。反応器における供給
原料成分の臨界温度は、沸騰型反応器を使用したときに温度に上限を課す。とい
うのは、還流機構は、もしも供給原料のほとんど全部又は全部が反応器にフラッ
シュしそして還流する液相が全く残らない場合には無用になるからである。次に
好ましい具体例では、主反応器成分の臨界温度よりも上での操作は、還流機構を
補助するか又は完全に排除しそしてジャケット付反応器冷却又は内部反応器冷却
コイルのような別の冷却手段に頼ることによって補われなければならない。これ
らの解決策のどちらも、反応溶液全体に温度の均一性を維持するのに還流冷却ほ
ど効果的でなくまた効率的でもない。先に記載したように、沸騰型反応器は、温
度制御のための好ましい方法の一例である。沸騰型反応器の形状についての変形
例としては、例えば蒸気空間に挿入した冷却コイルを使用する内部還流、又は蒸
気空間から蒸気を取り出して外部の還流装置に導入し、蒸気を凝縮しそして凝縮
物を反応器及び/又は供給原料に戻すような外部方式が挙げられる。別の非還流
温度制御手段としては、反応器から液体を抜き出し、冷却し、次いで反応器に戻
すようなポンプ循環式冷却が挙げられる。ポンプ循環式冷却は、高圧ポンプを使
用して冷却された液体を反応器に戻して高速ジェットによる反応器内容物の混合
も提供することができるという追加的な利益をもたらす。
反応器圧は、典型的には、希釈剤及びα−オレフィンを選択した温度において
液体形態に維持するように制御される。沸騰型反応器では、圧力は、反応温度に
おいて希釈剤/α−オレフィン反応器成分の沸騰を得るように選択される。従っ
て、任意の有効圧を使用することができるが、例えばブテン−1を含有する供給
原料流れを使用する場合には、かかる有効圧は、典型的には約2.4〜約39気
圧、好ましくは約4.4〜約28気圧、そして最も好ましくは約5.6〜約23
.5気圧の範囲内であることが企図される。
反応混合物は、羽根車、ジェットポンプ、強力沸騰、又はそれらの組み合わせ
のような任意の好適な手段によって激しく撹拌されるのが好ましい。混合を更に
促進するためにバッフル又は供給1口の戦略的配置を使用することができる。重
合を行う間に、実質的均質性を提供するために反応器において十分な混合が行わ
れるのが好ましく、そして1種よりも多くの単量体、例えばエチレン及びα−オ
レフィンを使用する場合には、単量体の片方若しくは両方の単独重合体又は組成
不均一の共重合体の生成を回避するのに十分な混合が行われるのが好ましい。よ
り
具体的に言えば、2種又はそれ以上の単量体を使用するときには、それらの単量
体が一緒になって反応器内部の乱流帯域に入るのが好ましい。これは、例えば、
全単量体供給口のすべてを互いに近づけて且つ羽根車の羽根に近づけて配置する
ことによって撹拌機付反応器において達成することができる。ここに記載したよ
うに、混合は、精油所又はスチームクラッカーからの希薄予備混合供給原料流れ
の使用によっても促進される。反応器における十分な混合は、成長する共重合体
鎖における各単量体単位のランダムな組み込みを促進し、これは、かかる混合を
使用しないで製造した類似の共重合体と比較して、比較的均質な組成(鎖内及び
鎖間の両方)及びどれか1種の単量体例えばエチレンの比較的短い序列(即ち、
低いESL値)を有する共重合体をもたらす。類似的には、十分な混合は、触媒
成分及び単量体の両方にかかわる物質及び熱移動を容易にすることによって単一
のオレフィン系単量体を使用する場合でさえもPOH共重合体の構造をランダム
化する機会を提供する。効果的な混合は、多単量体重合法において高濃度の1種
の単量体(即ち、35重量%よりも上)を有する本発明の共重合体の製造に対し
て特に重要である。何故ならば、かかる混合を使用しないと、得られる共重合体
は、例えば2.50よりも高いESL値によって示されるように結晶度の確率、
例えば、極性単量体と組み合わせたエチレン又は他のα−オレフィンから誘導さ
れるエチレン共重合体のエチレン結晶度の確率を増大するのに十分な単量体序列
を有する傾向があるからである。
重合をバッチ式で実施するときには、反応希釈剤(もしあれば)及び単量体は
、適当な反応器に所定の濃度及び比率で仕込まれる。すべての成分が乾燥してい
るように注意が払われるべきであり、しかして反応体は典型的には、反応器への
導入前にモレキュラシーブ又は他の乾燥手段を通される。本発明のレイト−遷移
金属触媒のうちのあるものは水分や他の毒に対してチーグラー・ナッタ及びメタ
ロセンのような触媒よりも感受性が低いかもしれないけれども、触媒系は、プロ
セス及び得られるPOH共重合体例えばその分子量及び/又はMWDにおける変
動を減少させるために均一な組成及び品質を有することが好ましい。その後、反
応混合物を撹拌しながら触媒次いで助触媒か又は先ず助触媒次いで触媒のどちら
かが導入され、これによって重合が開始される。別法として、触媒及び助触媒を
溶剤中で予備混合し次いで反応器に仕込むこともできる。共重合体が形成される
につれて、追加的な単量体を反応器に加えることができる。反応の完了時に、未
反応単量体及び溶剤は、必要ならば真空によってフラッシングされるか又は留去
され、そして反応器から適当な分子量の共重合体が抜き出される。共重合体特性
ここに記載の如き操作に従って且つ条件下にレイト−遷移金属触媒を使用する
と、高い末端不飽和度、例えば、共重合体鎖の少なくとも約30%を停止するビ
ニル/又はビニレン基を有するPOH共重合体がもたらされる。これとは対照的
に、メタロセン触媒系を使用して製造された従来技術の重合体又は共重合体は一
般には有意量の極性単量体を共重合することができず、そしてまた、ビニル型不
飽和に比較して高い濃度のビニリデン型不飽和、例えば、少なくとも3.5対1
を示す末端不飽和オレフィン系重合体をもたらした。これは、約22%のビニル
に相当する(WO90/1503を参照されたい)。POH共重合体鎖は、式P
OLY−CH=CH2又はPOLY−CR’=CH−R(ここで、POLYは重
合体鎖(分岐の末端位置に一般に存在する組み込まれた極性単量体部分を含めて
)を表し、−CH=CH2は鎖の一端を停止するビニル基を表し、−CR’=C
H−Rは鎖の一端を停止するビニレン基を表し、Rはメチル、エチル等のような
アルキル基を表し、そしてR’はH又はメチル、エチル等のようなアルキル基を
表す)によって表されることができる。POH共重合体は、典型的には、少なく
とも約30%の共重合体鎖、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは約
75%、なおより好ましくは少なくとも約80%そして最も好ましくは約90%
の共重合体鎖を停止させるビニル及び/又はビニレン基を有する(典型的にはそ
の共重合体鎖の両末端はそれぞれ不飽和構造を含有しないけれども)。典型的に
は、共重合体鎖の約30〜約95%、好ましくは約50〜約90%、より好まし
くは約75〜約90%がそのように停止される。加えて、共重合体は、典型的に
は、鎖のせいぜい15%、例えば約0〜約15%、好ましくは約2〜約10%を
停止するビニリデン基(即ち、POLY−C(−CH2CH3)=CH2、ここで
−C(CH2CH3)=CH2はエチルビニリデンである)を有する。また、トリ
置換オレフィン性基も、少量で、例えば、鎖のせいぜい15%、例えば約0〜約
15%、好ましくは約0〜約10%で存在してよい。ビニル及びビニレン末端オ
レフィン性構造の優位性は、エチレンα−オレフィン共重合体のメタロセン接触
重合から生じる主として末端のビニリデン構造とはかなり異なる。末端ビニル、
ビニレン、ビニリデン等の不飽和を示す共重合体鎖の百分率は、C−13NMR
によって測定されることができる。共重合体を製造するのに使用されるレイト−
遷移金属触媒及び/又は助触媒又は活性剤の種類の変動は、上記の二重結合分布
をある程度まで変えることができることが理解されよう。POH共重合体中の末
端ビニル及びビニレン不飽和度の比較的高いレベルの故に、それから製造された
分散剤は、特に高い活性成分濃度を有し、これによって向上した潤滑油分散性(
これは、向上したスラッジ及びワニス抑制特性として示されることができる)が
提供される。
本発明の共重合体、特に分散剤用途において使用しようとするものは典型的に
は、約300〜約10,000、好ましくは約700〜約5,000(例えば、
1,000〜5,000)、より好ましくは約700〜約2,500(例えば、
1,500〜2,500)そして最も好ましくは約750〜約2,500の数平
均分子量(Mn)を有する。より低分子量の共重合体をワックス結晶調整剤用途
において使用するときには、それらのMnは、約15,000まで、例えば約5
00〜約15,000である。また、油溶性である本発明のより高分子量の共重
合体は、潤滑油流れ向上剤及び粘度調整剤、並びにワックス結晶調整剤において
用途を有する。例えば、有用な高分子共重合体は、約15,000〜約500,
000、好ましくは約30,000〜約300,000、より好ましくは約45
,000〜約250,000、例えば約50,000〜約150,000のMn
を有する。典型的には、粘度調整剤用途での分子量の選択は、現代の市場のせん
断安定性要求によって支配される。
本発明のPOH共重合体は、それらが本質上且つ実質上非晶質になるような結
晶度を示すのが好ましい。
本発明で使用される触媒系の性状は、重合においてエチレン単量体が実際には
使用されないような環境においてさえも、エチレン単量体から誘導されたと見ら
れる単量体序列(便宜上、ここでは“見かけ”エチレン含量としばしば称される
)を有する共重合体鎖を生成する、“チエーンストレイティニング(chain stra
igh tening)”と称される現象をもたらすことができる。これとは逆に、上記触
媒系の存在下にエチレン単量体を単独で使用すると、鎖の分岐がもたらされ、か
くして、なにも使用しないときでさえも、より高級のアルキル共単量体例えばプ
ロピレンの使用の出現が示される(比較として、チーグラー・ナッタ又はメタロ
セン触媒系を使用するエチレンの重合は、典型的には、“欠如的”単量体挿入の
結果として100個の炭素原子当たり1個未満の分岐をもたらす)。同様に、本
発明では、1−ブテンの重合は、線状メチレン序列の実質的組み込み及び非晶質
鎖分岐の分布をもたらす。ここに記載したオレフィンの重合は、好ましくはC1
〜Cn(ここで、nは典型的には1〜4である)の分岐長さをもたらす。
重合されるα−オレフィン、並びに分岐の程度及びタイプは、潤滑油及び燃料
油用途において使用することが意図される共重合体を得るように制御されるべき
である。分散剤及び低分子量用途では、オレフィンは、好ましくはC2〜C8単量
体(即ち、エチレン及びC3〜C8α−オレフィン)、より好ましくはC2〜C6、
最も好ましくはC2〜C4オレフィン性単量体から選択される少なくとも1種であ
る。極めて長い鎖分岐は回避されるべきである。というのは、例えばガソリンエ
ンジン用途における分散性は共重合体鎖の流体力学的容積に関係するからである
。共重合体の分子量の大部分を基幹に組み込むことが好ましい。それ故に、典型
的には、分岐の少なくとも約50%はメチル及び/又はエチル(C1又はC2)で
あるべきであり、そして分岐の少なくとも約80%はC1〜C4であるべきであり
、好ましくは少なくとも約75%はC1〜C2であるべきでありそして85%はC1
〜C4であるべきであり、より好ましくは少なくとも約95%はC1〜C2である
べきでありそして95%はC1〜C4であるべきであり、最も好ましくは分岐の少
なくとも約95%はC1〜C4分岐である。
本発明のPOH共重合体は、興味ある添加剤を製造するための独特の構造の基
幹を提供する。チーグラー・ナッタ又はメタロセン触媒系を使用して製造された
従来技術の重合体及び共重合体は、典型的には、重合された単量体によって本質
上決定された長さを有する分岐を含有していた。例えば、プロピレンの重合は、
ほとんど排他的にメチル分岐を含有する共重合体をもたらした(重合間の“誤差
”は例外とする)。これとは対照的に、先に記載したように、本発明のPOH共
重合体は、典型的には各単量体又は複数の単量体の組み合わせの重合から生じる
分岐長さの分布を有する。分岐長さの分布は、溶解特性、温度応答性、ワックス
相互作用/共結晶化応答が従来技術とは異なるところの共重合体をもたらす。こ
れらの特性は、これまで得ることができないバランスを得るように調和されるこ
とができる。一般には、触媒及びプロセス特徴は、共重合体基幹における長いエ
チレン序列を減少しそして追加的な分岐を導入するために選択される。これは、
好ましくは、Ni基材触媒を使用しそして重合をより低い温度で実施することに
よって達成されるのが好ましい。
これとは逆に、あまりにも小さすぎる鎖分岐は、油への不溶性及び流動点特性
での潜在的問題をもたらす場合がある。低温で結晶化し且つ油溶性を干渉する可
能性がある長い連続的メチレン序列をが回避するのに十分な鎖分岐が要求される
。制御された分岐及び制御された共結晶化は、燃料油におけるワックス結晶成長
を調整してその用途でのかかる性能を最適化するために有益である。典型的には
、共重合体の100個の炭素原子当たり平均して少なくとも約5個の分岐、即ち
、共重合体の100個の炭素原子当たり約10〜約33個、例えば約15〜約3
0個の分岐が存在すべきである。種々の用途において、分岐の数は、100個の
炭素原子当たり好ましくは約11〜約25個、より好ましくは約12〜約20個
、そして最も好ましくは約13〜約16個である。例えば、共重合体鎖中に存在
する炭素原子100個当たり約10〜約12.5個の分岐を有する有用な共重合
体が製造される。本発明では、“共重合体設計”レベルにおいて、特定の用途に
最もよく適合するように共重合体構造を制御するための追加的な制御手段が利用
可能である。例えば、唯一の重合性オレフィンとしてα−オレフィンを使用して
分岐の程度があまりにも大きくなるような応用例では、エチレンを共単量体とし
て使用することができる。この態様で、追加的な直鎖セグメント又はメチレン序
列を導入することができるが、しかしここに記載の触媒系を使用して重合された
エチレンも分岐を導入するので、その使用は例えば流動点問題を提起しないであ
ろう。
分散剤用途での本発明の目的に対して、POH共重合体は、典型的には、全共
重合体重量を基にしてせいぜい50重量%の単量体三付加(triad)序列(これ
らは、エチレン単量体が中心に置かれたように見える)、好ましくはせいぜい4
5重量%、そして最も好ましくはせいぜい40重量%のかかる見かけエチレン単
量体序列(全共重合体重量を基にして)を含有する。かくして、見かけエチレン
含量は、典型的には1〜50(例えば、5〜50)重量%、好ましくは5〜45
(例えば、5〜40)重量%、そして最も好ましくは10〜40(例えば、10
〜35)重量%の範囲内になることができる。当業者は、好ましくはC3〜C8α
−オレフィンが使用される分散剤用途について、重合間に単独で又はエチレンと
組み合わせて使用される特定のα−オレフィンを基にして上記範囲に関して当量
モル%値を容易に計算することができる。例えば、50重量%エチレンはC3単
量体序列の存在下に60モル%エチレンに転化するが、しかしC8単量体序列の
存在下では80モル%転化する。同様に、他の単量体組み合わせについて対応す
る値を計算することができる。ジーゼル燃料のような中間留出油燃料及び加熱油
のような油に対するワックス結晶調整剤として本発明のPOH共重合体を使用す
るためには、典型的なエチレン含量は、約70〜約90モル%、好ましくは約7
4〜約84モル%である。粘度調整剤として使用するときには、その共重合体は
、エチレン、C3〜C20α−オレフィン及びそれらの混合物を使用して製造する
ことができる。好適な分子量の共重合体は、典型的には、見かけC3誘導序列を
含有する共重合体では約50モル%〜約78モル%の見かけエチレン誘導序列、
そしてC20誘導共重合体では約87モル%〜約96モル%のエチレンを含有する
(これらの範囲は、40〜70重量%に相当する。より好ましい範囲は、約45
〜約60重量%の見かけエチレン序列である)。
本発明の共重合体は、随意として、他のα−オレフィン及びC4〜C22ジオレ
フィンから誘導される単位を少量、例えば、典型的には10重量%まで、好まし
くは5重量%まで含有することができる。例えば、限定量の2−ブテン、イソブ
テン及び/又はブタジエンも含有する1−ブテン単量体供給原料流れの使用によ
ってPOH共重合体の製造間にブテン−1以外のC4オレフィンの少量の導入を
行うことができる。同様に、精油所又はスチームクラッカー誘導C3及びC5流れ
中に限定量の重合性単量体が存在してよい。
また、本発明のPOH共重合体は、典型的には約1.0〜約3.0以下、好ま
しくは約1.0〜約2.5、より好ましくは約1.0〜約2.0、例えば、約1
.0〜約1.5の平均エチレン序列長さ(ESL)を有する。ESLは、次の式
によって与えられるように、共重合体鎖中の離散したエチレン序列の総数に対す
る共重合体中のエチレン単位の総数の比率である。
ESL=(XEEE+XREE+EER+XRER)/(XRER+0.5*XREE+EER)
上記式において、XEEEは共重合体中のエチレン−エチレン−エチレン三付加序
列のモル分率であり、XREE+EERはブテンのようなより高級のアルキルR、例え
ばブテン−エチレン−エチレン及びエチレン−エチレン−ブテン三付加序列のモ
ル分率であり、そしてXRERはブテン−エチレン−ブテン三付加序列のような高
級アルキルRのモル分率である。エチレン序列はエチレンとα−オレフィンとの
共重合の結果として存在することができ、又は、レイト−遷移金属触媒の使用の
結果として、1種又はそれ以上のα−オレフィンを重合させるときに起こる“チ
ェイン・ストレイテニング”は共重合体鎖におけるより高級のアルキルRの存在
をもたらす。ESL値は、エチレンから誘導される単位の分布を反映する又はP
OH共重合体鎖にエチレン序列(それ故に、エチレンから見かけ上誘導される)
をもたらす指数である。固定のエチレン含量(実際又は見かけ)を有する所定の
POH共重合体ではESLの値が増大するにつれて、鎖中の分離されたエチレン
単位の数は減少し、それに付随して、エチレン序列当たりのエチレン単位の数は
増加する。当然のこととして、エチレン単位のランダム分布さえ含有するPOH
共重合体ではエチレン含量が増加するにつれて、増大したESL値を得ることが
一般的な傾向である。上記式に従って、共重合体のESL値は、XEEE、XREE+E ER
及びXRER(ここで、Rは例えばブテンである)から計算されることができる
。この値は、例えば、ジェムズ・シー・ランドールのJournal of macromolecula
r science-Reviews of macromolecular Chemistry and Physics,C29,201-317(19
89)に記載される方法を使用して共重合体のC−13 NMRスペクトルから測
定される。別法として、そして近似値として、29.9ppmにおける“ポリメ
チレン”ピークの積分を使用しそして得られた値を全脂肪族炭化水素又はメチル
の積分と比較することができる。
また、本発明のPOH共重合体は好ましくは、約5以下、好ましくは約4以下
、そして最も好ましくは約3以下の、重量平均分子量(Mw)対数平均分子量(
Mn)の比率(MWD)(即ち、MWD=Mw/Mn)として規定される分子量
分布も有する。より特定的には、共重合体は、約1.0〜約3.5そして最も好
ましくは約1.1〜約3の分子量分布を有する。当業者には、共重合体のMWD
は温度、単量体濃度及び触媒濃度の変動によって広げられ、そして特定のレベル
は選択した特定のプロセス条件及び使用した触媒系の種類によって影響を受ける
。Mn及びMwの両方とも、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)の技術及び
適当な検量線によって測定されることができ、それからMWDを容易に得ること
ができる。例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体のMn及びMWDは、試
験試料と同じエチレン含量を有する多分散エチレン−α−オレフィン共重合体に
基づく検量線を使用して得ることができる。GPC(サイズ・エクスクルージョ
ン・クロマトグラフィーとしても知られる)を使用するMn及びMWDの測定に
関する記載については、W.W.Yau,J.J.Kirkl and D.D.Bly,“Modern Size Excl
usion Liquid Chromatography”,John Wiley and Sons,New York,1979を参照
されたい。別法として、エチレン−α−オレフィン共重合体のようなある種の重
合体のMnは、当業者に知られた通常の分析技術を使用して、溶液で得られるそ
れらのプロトン−又は炭素−13NMRスペクトルから測定されることができる
。例えば、NMR and Macromolecules .Sequence Dynamic and Domain Structure ,
ACS Symposium Series No.247,131-151(American Chemical Society,1984)に
おける “C13-NMR in Polymer Quantitative Analyses”,J.C.Radall and E.T.
Hisehを参照されたい。共重合体の更なる官能化及び誘導体化
本発明に従って製造された共重合体は、その構造内における極性部分の存在の
結果として、即ち、少なくとも1個の官能基を存在させる結果として官能化され
ると見なすことができる。この官能基は、(1)その他の物質と更に化学反応(
例えば、誘導体化)を受けること、及び(又は)(2)極性部分が存在しない場
合のオレフィン系単独重合体又は共重合体単独では具備しない望ましい性質を付
与することができるものである。しかしながら、本発明の共重合体は、その構造
内に好ましくは末端ビニル基の形態で存在するオレフィン性不飽和も有するが、
かかる不飽和は、更に変性され又は更に官能化されることができる。加えて、官
能基は、共重合体の基幹(主鎖)に組み入れることができ、又は共重合体主鎖か
らのペンダント基(側基)として結合させることができる。官能基は、典型的に
は極性であり、P、O、S、N、ハロゲン及び(又は)硼素のようなヘテロ原子
を含有する。それは、置換反応により共重合体の飽和炭化水素部分に或いは付加
又は付加環化反応によりオレフィン部分に結合することができる。別法として、
官能基は、共重合体の末端の小さい部分の酸化又は解裂(例えば、オゾノリシス
におけるような)によって共重合体に組み入れることができる。
分散剤の機能は、油中に不溶性である(そして油の使用から生じる)物質を液
体中に懸濁状態に維持し、かくしてスラッジの凝集や沈殿を防止することである
。好適な分散剤としては、例えば、灰分生成タイプ(清浄剤としても知られる)
及び無灰タイプの分散剤が挙げられるが、後者のタイプが好ましい。本発明の誘
導体化共重合体組成物は、潤滑油及び燃料油組成物中において無灰分散剤及び多
機能性粘度指数向上剤として使用することができる。一般的には、反応性部分を
含有する共重合体であって、更なる官能化を行った又は行っていない共重合体は
、分散剤を形成するために少なくとも1種のアミンと混合される。
本発明の共重合体は、所要の分散機能を果たすことができる基も含有する場合
には分散剤又は多機能性粘度調整剤として使用することができる。合成時の共重
合体はエチレン性官能価数を有すると共に、極性共単量体からの残基又は部分も
有する。加えて、かかる共重合体は、共重合体が種々の誘導体化化学反応に関与
することができる他の官能基を導入するように変性されることができる。これら
の誘導体化共重合体は、分散剤及び粘度調整剤としての使用を含めて種々の用途
用の所要の特性を有することができる。この開示の目的に対して、誘導体化共重
合体は、未官能化共重合体及び/又は官能化共重合体と比較して有意に向上した
態様で1つ以上の機能を果たすように化学的変性されたものである。かかる機能
の代表的なものは、潤滑油組成物中における分散性及び/粘度調整性である。
誘導体化用化合物は、典型的には、種々の反応によって共重合体の反応性又は
官能基と反応するように選択された少なくとも1個の反応性誘導体化用基を含有
する。かかる反応の代表的なものは、求核性置換、エステル交換、塩形成等であ
る。誘導体化用化合物は、誘導体化重合体に所望の特性を付与するのに好適な少
なくとも1個の追加的な基、例えば、極性基も含有するのが好ましい。かくして
、かかる誘導体化用化合物は、典型的には、アミン、ヒドロキシ、エステル、ア
ミド、イミド、チオ、チオアミド、オキサゾリン若しくはカルボキシレート基を
含めた1個又はそれ以上の基を含有し、又は誘導体化反応の完了時にかかる基を
形成する。加えて、誘導体化共重合体は、重合体の金属塩を形成するために塩基
性金属塩と反応させることができる。好ましい金属は、Ca、Mg、Cu、Zn
、Mo等である。
誘導体化共重合体に付与しようとする好適な特性は、分散性、多機能性粘度調
整性、酸化防止性、摩擦調整性、耐摩耗性、錆止め性、シール膨潤性等のうちの
1つ又はそれ以上を包含する。誘導体化共重合体に付与しようとする好適な特性
としては、主として二次分散性特性を伴った分散性(一機能性及び多機能性の両
方)及び粘度調整性が挙げられる。多機能性分散剤は、典型的には、二次粘度調
整性を伴った分散剤として主として機能する。
多機能性粘度調整剤(本明細書では、多機能性粘度指数向上剤又はMFVIと
も称する)を製造するための誘導体化及び更なる誘導体化の技術は無灰分散剤に
対するものと同じであるが(以下、参照)、誘導体化そして場合によってはMF
VIとしての使用が意図される官能化共重合体の官能価数は、場合によっては分
散剤としての使用が意図される官能化共重合体よりも高くなるように制御される
。これは、MFVI共重合体基幹のMn対分散剤共重合体基幹のMnの差異から
生じる。従って、基幹重合体の20,000好ましくは10,000より好まし
くは5,000最も好ましくは1,000Mn分子量セグメント当たり典型的に
は約1個までそして少なくとも約0.5個の官能基を有する官能化共重合体から
MFVIが誘導されることが企図される。
誘導体化共重合体は、POH共重合体と油溶性アミドを形成するためのアミン
反応体との反応生成物を包含する。アミン化合物による誘導体化
本発明のPOH共重合体を、かかる共重合体それ自体の更なる官能化を行って
又は行わずに誘導体化するのに有用なアミン化合物は、少なくとも1種のアミン
からなり、そして1種又はそれ以上の追加的なアミン又は他の反応性若しくは極
性基を含むことができる。官能基がカルボン酸、カルボン酸エステル又はチオー
ルエステルである場合には、それは、アミンと反応してアミドを生成する。好ま
しいアミンは脂肪族飽和アミンである。限定するものではないが、好適なアミン
化合物の例としては、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1
,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、ポリエチレンアミン、例え
ば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン等が挙げられる(POH重合体のアミン誘導体化、並びにそれからの分散剤及
び潤滑油添加剤の製造は、1995年12月28日発行されたWO 95/353
29に記載の一般的教示に従って実施することができる。必要ならば、この教示
を参照されたい。)。
他の有用なアミン化合物としては、1,4−ジ(アミノメチル)シクロヘキサ
ンのような脂環式ジアミン、及びイミダゾリンのような複素環式窒素化合物が挙
げられる。アミン化合物の混合物も有益下に使用することができる。有用なアミ
ンとして、ポリオキシアルキレンポリアミンも挙げられる。特に有用な群のアミ
ンはポリアミド及び関連するアミンである。
本発明の好ましいポリアミン分散剤に関しては、新規な好ましい組成物は、低
い窒素含量の制限及び高い粘度の不利益を伴わずに高分子量主鎖を使用する利益
を提供することができる。
1個の第一アミノ基及び1〜10個の第二又は第三アミノ基を含有するポリア
ミンが特に有用である(本明細書では、“タイプI”アミンと称する)。潤滑油
用途では、3〜8個の第二又は第三アミノ基を含有するポリアミンが好ましい。
燃料油用途では、1〜3個の第二又は第三アミノ基を含有するポリアミンが好ま
しい。これらのポリアミンは、分子の一部分として酸素及び硫黄原子を随意に含
有することができる。アミノ基と酸素及び硫黄とは、1〜6個の炭素原子を含有
するヒドロカルビレン基によって互いに隔離される。ポリアミンは、それらの構
造の一部分として複素環を含有することができる。
好ましいポリアミンは、分子当たり唯1個の第一アミンを含有する。これらは
、以後、“ワンアームドポリアミン”(one armed polyamine)とも称されてい
る。しかしながら、ポリアミン中の窒素原子の数が増大するにつれて、幾らかの
分岐が生じ、しかして主として1個のアミノ基を含有するポリアミンと1個より
も多い第一アミノ基を含有する幾つかの分子との混合物が生成する。最終生成物
の粘度を最小にしそして窒素含量を最大にするために、最少量の分岐を有するポ
リアミンが特に好ましい。
一般的には、これらのワンアームドポリアミンは、2つの群、即ち、(1)不
揮発性アミン及び(2)揮発性アミンに属する。揮発性ワンアームドポリアミン
は、いくらかが遊離アミンとして未反応のままである場合にプロセスのストリッ
ピング工程間に蒸留されることができるようなポリアミンと見なされる。揮発性
アミンは、可能な最短時間で反応の完結を促進するために大過剰で使用すること
ができる。というのは、未反応アミンを回収して再使用することができるからで
ある。不揮発性アミンの化学量論は、分散剤混合物中の残留未反応ポリアミンを
回避するためにカルボニル基当たり約1個の第一アミノ基に限定される。
1つのタイプのワンアームドアミンは、式
H2N(−Ri−NH−)z−(−Rii−A−)y−Riii
[式中、
Ri及びRiiは1〜6個の炭素原子のヒドロカルビル基であり、
Riiiは1〜40個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基、又は、N及び/
又はS及び/又はOを含有する複素環式構造であり、
Aは酸素又は硫黄であり、
z=1〜10、そして
y=0〜1]によって表すことができる。
本明細書で用語「ヒドロカルビル」を使用するときには、それは、分子の残部
に直接結合した炭素原子を含有ししかも本発明の精神の範囲内で主として炭化水
素特性を有する基を表し、そして重合体ヒドロカルビル基を包含する。かかる基
としては、次のもの、
(1)炭化水素基、即ち、脂肪族(例えば、アルキル又はアルケニル)、脂環
式(例えば、シクロアルキル又はシクロアルケニル)、芳香族、脂肪族−及び脂
環式−置換芳香族、芳香族置換脂肪族及び脂環式基等、並びに環が分子の他の部
分を介して完成されているところの環式基(即ち、2つの表示された置換基は一
緒になって環式基を形成することができる)。かかる基は当業者に知られている
。これらの例としては、メチル、エチル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル
、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル、エイコシル、シクロヘキシル、フェ
ニル及びナフチルが挙げられる(すべての異性体が包含される)。
(2)置換炭化水素基、即ち、主として基の炭化水素特性を変更しない非炭化
水素置換基を含有する基。当業者には、好適な置換基(例えば、ハロ、ヒドロキ
シ、アルコキシ、カルボアルコキシ、ニトロ、アルキルスルホキシ)が知られて
いる。
(3)複素基、即ち、主として炭化水素性であるが、炭化水素原子から構成さ
れる鎖又は環中に存在する炭素原子以外の原子を含有する基。好適な複素原子は
当業者には明らかであるが、その例としては、例えば、窒素、特に非塩基性窒素
、酸素及び硫黄が挙げられる。一般には、炭化水素基材基中の炭素原子10個当
たりせいぜい約3個そして好ましくはせいぜい1個の置換基又はヘテロ原子が存
在する。重合体ヒドロカルビル基は、炭化水素重合体(これは、置換されてもよ
く且つ/又はヘテロ原子を含有することができるが、但し、それらは主として炭
化水素性のままであるとする)から誘導されるものである。
これらのワンアームドポリアミンを製造するための1つの方法は、公知のアル
コール、モノ又はポリアミンとアクリロニトリルとの段階的反応、それに続く水
素化よりなる。これらのポリアミンの一部分のリストは次の通りである。 また、アミンによる誘導体化は、ゲル形成を防止するための連鎖停止又は末端
キャピング反応体の使用と組み合わせて、1個よりも多くのアミノ基を含有する
アシン(ポリアミンを含めた)(本明細書では、“タイプII”アミンと称される
)を使用して実施することもできる(ポリアミンを使用するPOH重合体のアミ
ン誘導体化、並びにそれからの分散剤及び潤滑油添加剤の製造は、1992年1
2月17日出願の米国特許願991837(現在は放棄されている)の継続出願
である1994年11月10日出願の米国特許願338287に記載の一般的教
示に従って実施することができるので、必要ならばそれを参照されたい。)。特
に有用な群のポリアミンは、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン(PAC
M)及びオリゴマー、並びにPACMとそれらの異性体及び類似体との混合物か
らなり、そしてかかるオリゴマーはPACMオリゴマー分子当たり平均して2〜
6個又はそれ以上(通常、3〜4個)のシクロヘキシル環を含有する。PACM
オリゴマ−の全窒素含量は、一般には8〜16重量%そして好ましくは10〜1
4重量%である。PACMオリゴマーは、例えば分別又は蒸留によって、メチレ
ンージアニリンの高圧接触水素化によって製造されたPACM含有生成物からの
重質副生物又は残留物として得ることができる。
更に他の有用な群のタイプIIアミンは、ポリアミンとα、β−不飽和化合物と
の反応生成物からなるポリアミド及び関連アミンである。脂肪族、シクロ脂肪族
、複素環式等であろうとも(しかし、芳香族でない)任意のポリアミンを使用す
ることができるが、但し、それは、アクリル性二重結合を横切って付加しそして
例えばアクリレート型化合物のカルボニル基で又はチオアクリレート型化合物の
チオカルボニル基でアミド化することができるものとする。
α、β−不飽和化合物のヒドロカルビル基は、アルキル、シクロアルキル又は
複素環式からなることができ、そしてこれらの基は、アミド−アミンの製造に選
択される条件下に反応混合物中の任意の成分に対して実質上不活性の基で置換さ
れることができる。かかる置換基としては、ヒドロキシ、ハライド(例えば、C
l、FI、I、Br)、−SH及びアルキルチオが挙げられる。ヒドロカルビル
基のうちの1個又はそれ以上がアルキルであるときには、かかるアルキル基は直
鎖又は分岐鎖であってよく、そして一般には1〜20個、通常は1〜10個そし
て好ましくは1〜4個の炭素原子を含有する。かかるアルキル基の例は、メチル
、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ドデシル、トリデシル、ヘキサデシル、オクタデシル等である。1
個又はそれ以上がシクロヘキシルである場合には、そのシクロアルキル基は、一
般には3〜12個の炭素原子そして好ましくは3〜6個の炭素原子を含有する。
かかるシクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシ
ル、シクロオクチル及びシクロドデシルである。1個又はそれ以上が複素環式で
あるときには、その複素環式基は、一般には、1個又はそれ以上の環炭素原子が
酸素又は窒素によって置換された6〜12員の少なくとも1個の環を有する化合
物よりなる。かかる複素環式基の例は、フリル、ピラニル、ピリジル、ピペリジ
ル、ジオキサニル、テトラヒドロフリル、ピラジニル及び1,4−オキサジニル
である。
ポリアミンとの反応に有用なα,β−エチレン式不飽和カルボキシレート化合
物の例は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸及びメタクリル酸のメチル、
エチル、イソプロピル、n−ブチル及びイソブチルエステル、並びに2−ブテン
酸である。
α,β−エチレン式不飽和化合物の種々のタイプ、例えば、
(a)カルボキシレートチオエステル化合物。これらの化合物の例は、メチル
メルカプト2−ブテノエート及びエチルメルカプト2−ヘキサノエートである。
(b)カルボキシアミド化合物。これらの化合物の例は、2−ブテンアミド及
び2−ヘキセンアミドである。
(c)チオカルボキシアミド化合物。これらの例は、2−ブテンチオ酸及び2
−ヘキセンチオ酸である。
(d)ジチオ酸及び酸エステル化合物。これらの例は、2−ブテンジチオ酸及
び2−ヘキセンジチオ酸である。及び、
(e)チオカルボキシアミド化合物。これらの化合物の例は、2−ブテンチオ
アミド及び2−ヘキセンチオアミドである。
本発明に従ってポリアミンとの反応のための好ましい化合物は、アクリル酸及
び(低級アルキル)置換アクリル酸の低級アルキルエステルである。好ましい具
体例では、これらの化合物は、アクリル酸メチル又はエチル、メタクリル酸メチ
ル又はエチルのようなアクリル酸及びメタクリル酸エステルである。選択したα
、β−不飽和化合物が酸素を含有するときには、得られるポリアミンとの反応生
成物は少なくとも1個のアミド結合(−C(O)N<)を含有し、そしてかかる
物質は本明細書では“アミド−アミン”と称されている。同様に、選択したα、
β−不飽和化合物が硫黄を含有するときには、得られるポリアミンとの反応生成
物はチオアミド結合(−C(S)N<)を含有し、そしてこれらの物質は本明細
書では“チオアミド−アミン”と称されている。一般には、等モル量のポリアミ
ン及びα、β−エチレン式不飽和カルボキシレートはより線状のアミド−Aミン
を生成するのに対して、過剰量のα,β−不飽和化合物は架橋されるアミド−A
ミンを生じる傾向がある。好ましくは、アミド−アミンは実質的な程度まで架橋
されない。より好ましくは、それらは実質上線状である。
反応は、一般には100℃よりも低い任意の好適な温度、例えば80〜90℃
で実施することができる。反応時間は、約2〜30時間を変動することができ、
例えば5〜25時間そして好ましくは3〜10時間である。
後処理用反応体が多官能性化合物、即ち、1個よりも多くの反応性基を含有す
る化合物からなるときには、誘導体化生成物混合物がゲルを含まないことを確実
にするのに十分な連鎖停止又は末端キャッピング反応体を多官能性後処理用反応
体と併用することが必要である。
本発明のこの面で使用するのが企図される連鎖停止又は末端キャッピング反応
体としては、タイプIIアミンの多官能性反応体中に存在する反応性アミンと、又
は、アミノ化若しくは変性POH共重合体中の未反応アミノ基の更なる反応によ
る架橋及びゲル化及び/又は粘度上昇を抑制するためにPOH共重合体にグラフ
トされた或いは他の方法で結合された極性部分若しくは反応性基と反応すること
ができる一官能性反応体が挙げられる。好ましい連鎖停止又は末端キャッピング
反応体としては、例えば、ヒドロカルビル基中に約12〜400個の炭素原子を
有するヒドロカルビル置換ジカルボン酸又は無水物好ましくはコハク酸又は無水
物、式RCOOH(ここで、Rはヒドロカルビル基中に12〜400個の炭素原
子を含有するヒドロカルビル基である)の長鎖モノカルボン酸、分子当たり唯1
個のヒドロキシ基を有するアルコール化合物、及び分子当たり唯1個のアミン基
を有するアミン化合物が挙げられる。ヒドロカルビル基は本質上脂肪族性であり
、そしてその例としてはアルケニル及びアルキル基が挙げられる。特にグラフト
反応が潤滑油中で行われるときには、長鎖酸及び無水物が、反応した油分子への
分散性付与のそれらの能力及びそれらのより大きな可溶化効果の故に好ましい。
1つの好ましい具体例では、連鎖停止又は末端キャッピング反応体は、C12〜C49
ヒドロカルビル置換コハク酸無水物、例えば、C12〜C18ヒドロカルビル置換
コハク酸無水物からなる。他の好ましい具体例では、ヒドロカルビル置換基は5
0〜400個の炭素原子を含有する。
カルボン酸又は無水物のヒドロカルビル部分、例えば、アルケニル部分は、主
としてその入手容易性および低コストの故に、C2〜C5モノオレフィンの重合体
であって、一般には約140〜6,500例えば700〜5,000そして最も
好ましくは700〜3,000のMnを有する重合体から誘導されるのが好まし
い。特に好ましい重合体はポリイソブチレンである。特に好ましい連鎖停止用反
応体は、ポリイソブチレン部分のMnが700〜2,500であるところのポリ
イソブチレンコハク酸無水物を包含する。
連鎖停止又は末端キャッピング反応体として有用な分子当たり1個の反応性ヒ
ドロキシ基を有するアルコールは一般には4〜8個の炭素原子を含み、そしてそ
の例としては、例えば、ブタノール、ペンタノール及びヘキサノールのようなC4
〜C8脂肪族アルコールが挙げられる。4個よりも少ない炭素原子を有するアル
コールの使用は、一般には、それらの低い揮発度の故に回避されるべきである。
約8個よりも多い炭素原子を有するアルコールは、誘導体化生成物から未反応高
分子量アルコールを除去することが困難であること、及び生成物混合物中におけ
る未反応高分子量の存在があまり好ましくない粘度特性を有する分散剤をもたら
す可能性があることの故に、一般には回避されるべきである。
1個よりも多くの反応性アミノ基を有する上記の後処理用アミン反応体及び連
鎖停止又は末端キャッピング反応体は予備反応させることができるが、この場合
に連鎖停止又は末端キャッピング反応体は、一般には、塩、イミド、アミド、ア
ミジン、エステル又は他の結合を介して後処理用反応体に結合され、しかして後
処理用反応体の1個の反応性基はPOH共重合体の反応性部分との反応になお利
用可能である。これらの予備反応された物質の都合のよい源は潤滑油分散剤とし
て使用されるスクシンイミドのような周知のカルボン酸誘導体であるが、但し、
それらはPOH共重合体との更なる反応が可能な反応性アミン及び/又はヒドロ
キシ基を保持するものとする。
POH共重合体は更なる官能化を行っても又は行わなくても、1個よりも多く
の反応性基を有する反応体を使用してゲルフリー反応を確保するときに十分なモ
ノ反応性反応体を使用する限り、個々のアミン反応体又はかかる反応体及び連鎖
停止又は末端キャッピング反応体又はこれらの反応体のいずれかの2種若しくは
それ以上の任意の組み合わせ、即ち、例えば、1種又はそれ以上のモノ反応性ア
ミン又はポリアミンと反応させることができる。
共重合体とアミン及び/又は連鎖停止若しくは末端キャッピング反応体との間
の反応は、実質上不活性の有機溶剤又は希釈剤中に5〜95重量%の共重合体を
含有する溶液を100〜250℃好ましくは125〜175℃で一般には1〜1
0時間例えば2〜6時間加熱することによって容易に達成される。好適な希釈剤
としては、例えば、脂肪族、シクロ脂肪族及び芳香族炭化水素、並びに対応する
ハロゲン化炭化水素特に塩素化炭化水素が挙げられる。これらの希釈剤は、ベン
ゼン、トルエン、シクロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン又はこれらの混合物によ
って例示される。鉱油特に低粘度鉱油が極めて良好な希釈剤である。好ましい希
釈剤は潤滑粘度の鉱油である。
ここに記載するアミン反応体及び連鎖停止又は末端キャッピング反応体の当量
に対する共重合体の反応比は、例えば、反応体及び形成する結合のタイプに依存
してかなり変動することができる。一般には、アミン化合物を共重合体と反応さ
せるときには、アミン反応体の当量当たり0.05〜4.0好ましくは0.5〜
2.0例えば0.6〜1.5モルの極性部分含量が使用される。
本発明に従った好ましい群の無灰分散剤は、ポリエチレンアミン例えばテトラ
エチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリオキシエチレン又はポリ
オキシプロピレンアミン例えばポリオキシプロピレンジアミンと、そしてポリイ
ソブチレン無水コハク酸連鎖停止用反応体と反応されたPOH共重合体から誘導
されるものである。他の好ましい群の無灰分散剤は、モノ官能性複素環式アミン
例えばN−(3−アミノプロピル)モルホリンと反応されたPOH共重合体から
誘導されるものである。
官能基による共重合体の補充的又は更なる官能化は典型的には、官能基を含有
する又は構成する官能性化合物との反応に対して共重合体中に存在するエチレン
性不飽和好ましくは末端エチレン性不飽和に依存する。かくして、これらの官能
性化合物及び共重合体の反応は様々な機構によって起こることができる。有用で
ある好ましい官能基としては、ハロゲン、酸、エステル、塩又は無水物として存
在するカルボキシル化合物、アルコール、アミン、ケトン、アルデヒド等が挙げ
られる。
当業者に一般的に周知である有益な官能化反応として下記のものが挙げられる
。しかしながら、本発明のPOH共重合体のユニークな特徴は、これまで得るこ
とができなかった意義のある利益を提供する。
(A)イソ酸又はネオ酸のような酸基が形成されるところのコッホ型反応を使
用する共重合体(その不飽和点で)と一酸化炭素との反応。コッホ反応によるP
OH共重合体の官能化及びそれからの誘導体の製造は、1994年6月23日公
告されたWO/94/13709に記載の一般的教示に従って実施することがで
きる(必要ならば、それを参照されたい)。しかしながら、主としてビニリデン
デン及び/又はトリ置換二重結合を含有するエチレン/α−オレフィン共重合体
及びα−オレフィン単独重合体(例えば、エチレン及びα−オレフィン供給原料
流れからメタロセン触媒系によって製造された)に対するコッホ反応の使用は、
50%よりも多くのネオ酸誘導体を含有する誘導体をもたらす。かかるネオ酸誘
導体のα−炭素に関する立体障害は、かかる物質をして分散剤を形成するために
ポリアミンと縮合させるのをより困難にする。反応を完結まで促進させるために
は高温及びアリールリービング(leaving)基が要求される。有意割合のビニル
及び/又はビニレン停止共重合体鎖を含有する本発明のPOH共重合体は、誘導
体化するのにより容易でありそれ故により望ましい有意に多くのイソ酸構造をも
たらす。特に、本発明の化学的変性POH共重合体は、典型的には50%未満、
好ましくは40%未満、より好ましくは30%未満そして最も好ましくは20%
未満のネオ置換カルボニル基を含有する。例えば、本発明の変性POH共重合体
は、典型的には約5〜約50%未満のネオ置換カルボニル基、好ましくは約5〜
約40%、より好ましくは約5〜約30%そして最も好ましくは約5〜約25%
のかかる基を含有する。
(B)コバルト又はロジウム触媒によるヒドロホルミル化又はオキシカルボニ
ル化は、トリ置換二重結合の立体障害の少ない方の端にカルボニル基を導入し、
しかしてイソアルデヒド及び酸をもたらす(必要ならば、1995年9月14日
に公告されたWO/95/24431を参照されたい)。誘導体として有用なア
ミン誘導体は、一段階アミノメチル化プロセスか又は二段階ヒドロホルミル化及
び還元アミノ化プロセスのどちらかによって形成することができる。しかしなが
ら、本発明のPOH共重合体中に高い割合で存在するビニルオレフィンは、誘導
体化するのが最も容易である完全に立体障害を受けていない第一官能基をもたら
す。従って、ビニルオレフィンの存在は、リービング基としてフェノールを必要
とせずに重合体酸とポリアミンとの直接縮合を可能にする。
(C)アシル官能化、そして特には、共重合体(不飽和点で)とマレイン酸又
は無水物との反応である好ましいマレイン化反応。1つの関連反応は、無水マレ
イン酸とビニリデン不飽和を含有する共重合体との交互共重合であるが、しかし
かかる系における重合度は例えば約5〜10に限定される。これとは対照的に、
本発明のPOH共重合体のビニル基はラジカル開始共重合をずっとより受けやす
く、しかして有意に高い重合度(DP)、例えば約20よりも大きいDPをもた
らす。官能化された反応生成物は、分散剤生成物を生成するために例えばアミン
と更に反応させることができる。反応体がポリアミン、ポリオール又はアミノア
ルコールであるときには、反応は、ゲル不含生成物を確保するのに十分な連鎖停
止又は末端キャッピング用共反応体の存在下に実施される(必要ならば、199
4年6月23日に発行されたWO/94/13761を参照されたい)。別法と
して、官能化は、ハロゲン化なしの“エン”反応を使用する共重合体と不飽和官
能性化合物との反応によって達成することができる。
(D)オレフィン性二重結合での共重合体のハロゲン化、及びその後のハロゲ
ン化共重合体とエチレン式不飽和官能性化合物又はアミンとの反応。
(E)遊離基触媒を使用する遊離基付加による共重合体と官能性化合物との反
応。
(F)空気酸化法、エポキシ化、クロルアミノ化又はオゾノリシスによる共重
合体の反応。
(G)マンニッヒ塩基型縮合での誘導体化を可能にする共重合体と少なくとも
1個のフェノール基との反応(必要ならば、例えば、1992年7月7日発行の
米国特許5128056及び1993年4月6日発行の米国特許5200103
を参照されたい)。
コポリマーが官能化されている度合の特性表示を、本明細書中で「官能価」と
言う。官能価とは、一般的に、コポリマー構造内に存在する官能基のコポリマー
鎖当たりの平均数を言う。これより、官能価は、「コポリマー1モル」当たりの
官能基のモルの平均数として表すことができる。官能価比における該「コポリマ
ーのモル」が、官能化された及び未官能化の両方のコポリマーを含む場合、官能
価を本明細書中「F」と言う。該「コポリマーのモル」が、官能化されたコポリ
マーだけを含む場合、官能価を本明細書中「F*」と言う。F*を求めるのに採用
される典型的な分析技術は、官能価について分析するサンプル中のコポリマー(
官能化された及び未官能化の)の全重量に基づいて、官能化されたコポリマーの
重量分率を同定することを必要とすることになるのが普通である。この重量分率
は、一般に有効成分又はA.I.と呼ばれる。A.I.を求めることは、別の分
析工程であるので、官能価をF*としてよりもむしろFとして表すことが一層簡
便にすることができる。何にしても、F及びF*は、共に官能価を特性表示する
別の方法である。
変性(derivatize)する意図のコポリマーについて、選定する特定
の官能価は、変性反応の性質並びに変性用化合物によって生じる化学結合のタイ
プ及び数に依存することになる。ほとんどの場合に、各々の官能基について1つ
の変性用結合が形成されることになり、例えば、各々のカルボキシ官能基は、1
つのエステル又はアミド結合を形成することになる。
よって、有効な官能価を、後に変性することを意図する官能化されたコポリマ
ーに付与することができるが、F*として表すそのような官能価は、分散剤最終
用途について、典型的には3以下に、好ましくは2以下にすることができ、典型
的には1〜3、好ましくは1.5〜2.5、最も好ましくは1.1〜2(例えば
、1.2〜1.3)の範囲にすることができることを意図する。F及びF*値は
、A.I.を用いて関係させることができ、本発明のコポリマーについては、少
なくとも.50が典型的であり、.65〜.99が好ましく、.75〜.99が
一層好ましく、.85〜.99が更に一層好ましい。しかし、A.I.の上限は
、0.90〜0.99が典型的であり、.0.90〜0.95が一層典型的であ
る。A.I.が1.0である場合、F=F*。
上に示した通りに、官能化されたコポリマーは、主にそれが未官能化コポリマ
ーに関して可能なよりも一層広い範囲の化学反応に参加する能力を増大させるた
めに化学的に改質されたものである。対照して、変性されたコポリマーは、1つ
又はそれ以上の機能を未官能化コポリマー及び/又は官能化コポリマーに比べて
有意に改良された方式で発揮するために化学的に改質されたものである。そのよ
うな機能の代表は、潤滑油組成物における分散性及び/又は粘度調整である。変
性は、官能化されたコポリマーを少なくとも一種の変性用化合物と反応させるこ
とにより化学改質して変性されたコポリマーを形成することによって達成するの
が典型的である。変性用化合物は、官能化されたコポリマーの官能基と、例えば
求核置換、マンニッヒ塩基縮合、エステル交換、塩形成、等によって反応するこ
とができる反応性の変性用基を少なくとも1つ含有するのが典型的である。変性
用化合物は、また、変性されるコポリマーに所望の性質を付与するの適した基、
例えば極性基を更に少なくとも1つ含有するのが好ましい。こうして、そのよう
な変性用化合物は、反応性金属又は反応性金属化合物から導かれるアミン、ヒド
ロキシ、エステル、アミド、イミド、チオ、チオアミド、オキサゾリン又は塩の
基を含む基を1つ又はそれ以上含有することになるのが典型的である。これより
、変性されたコポリマーは、上に挙げた官能化されたコポリマーと、アミン、ア
ルコール、アミノ−アルコール及びそれらの混合物を含む求核性反応体との反応
生成物を含んで、モノ−及びジカルボン酸、エステル又は無水物の油溶性塩、ア
ミド、イミド、オキサゾリン、反応性金属化合物及びエステルを形成することで
きる。変性されるコポリマーに付与することを求める適した性質は、特に分散性
を含むが、また多官能性粘度調整、酸化防止性、摩擦調整、耐摩耗、防錆、シー
ルスエル、等も含む。
灰生成性洗浄剤は、本発明の官能化されたコポリマーを使用して、本発明の官
能化されたオレフィンコポリマー(例えば、分子量1,500を有する官能化さ
れたコポリマー)から三塩化リン、七硫化リン、五硫化リン、三塩化リン及び硫
黄、白リン及びハロゲン化硫黄、又は塩化ホスホロチオ酸のようなリン化剤によ
って造られもののような少なくとも1つの直接の炭素対リン結合を特徴とするア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属とアルキルフェノール、アルキルスルホン酸、
カルボン酸、サリチル酸又は有機リン酸との油溶性の中性及び塩基性塩によって
例証される通りにして造ることができる。最も一般的に使用されるそのような酸
の塩は、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ストロ
ンチウム及びバリウムの塩である。上記の酸又は化合物のアルキル基は、本発明
のコポリマーを構成する。本発明の官能化されたコポリマーから導くことができ
る好適な灰生成性洗浄剤は、アルキルスルホン酸、アルキルフェノール、硫化ア
ルキルフェノール、アルキルサリチレート、アルキルナフテテネート並びにその
他の油溶性モノ−及びジカルボン酸の金属塩を含む。高塩基性(すなわち、過塩
基性)金属塩、例えば高塩基性アルカリ土類金属アルキルスルホネート(特に、
Ca及びMg塩)は、よく洗浄剤として用いられる。
本発明の変性されたコポリマー組成物は、潤滑剤及び燃料組成物において無灰
分散剤として用いることができる。無灰分散剤は、分散剤が、それらの構成に応
じて、燃焼時にホウ酸又は五酸化リンのような不揮発性物質を生じ得ることにも
かかわらずに、無灰であると呼ばれる。無灰分散剤として有用な化合物は、「極
性」基が本発明のコポリマーによって供給される比較的高い分子量の炭化水素鎖
に結合されることを特徴とするのが普通である。「極性」基は、窒素、酸素及び
リン元素の内の一種又はそれ以上を含有するのが普通である。可溶化鎖は、分子
量が、金属塩基の分散剤と共に用いられるものに比べて一層高いのが普通である
が、全く同様になり得る場合がいくつかある。種々のタイプの無灰分散剤が、本
発明のコポリマーを変性することによって造ることができかつ潤滑剤組成物にお
いて用いるのに適している。下記は、例示するものである(関連する特許に言及
する場合、引用する特許は、米国手続きのために本明細書中に援用することを理
解すべきである)。
1. アミン化合物、例えば窒素含有化合物、フェノール及びアルコールのよ
うな有機ヒドロキシ化合物、及び/又は塩基性無機物質のような求核試薬によっ
て変性した本発明の官能化されたコポリマーの反応生成物。一層詳細には、窒素
−又はエステルー含有無灰分散剤は、本発明のコポリマーの油溶性塩、アミド、
イミド、オキサゾリン及びエステル、又はこれらの混合物からなる群より選ぶメ
ンバーを、モノ−及びジカルボン酸又は無水物又はそれらのエステル誘導体によ
って官能化させて含み、該コポリマーは、本明細書中上に規定する通りの分散剤
範囲の分子量を有する。少なくとも一種の官能化されたコポリマーに、ポリオー
ル、アミノアルコール、等を含むアミン、アルコールの内の少なくとも一種を混
合して分散添加剤を形成する。特に好適な分散剤の内のクラスの一つは、本発明
の官能化されたモノ−又はジカルボン酸物質、例えば無水こはく酸のコポリマー
から導き、かつ(i)ヒドロキシ化合物、例えばペンタエリトリトール、(ii
)ポリオキシアルキレンポリアミン、例えばポリオキシプロピレンジアミン、及
び/又は(iii)ポリアルキレンポリアミン、例えばポリエチレンジアミン、
テトラエチレンペンタミン(「TEPA」)又はトリエチレンテトラミン(「T
ETA」)を反応させたものを含む。別の好適な分散剤のクラスは、(i)ポリ
アルキレンポリアミン、例えばテトラエチレンペンタミン、及び/又は(ii)
多価アルコール又はポリヒドロキシ置換された脂肪族第一級アミン、例えばペン
タエリトリトール又はトリスメチロールアミノメタンを反応させた官能化された
コポリマーに由来するものを含む。
それ以上の分散性の増進は、アミンを分散剤の極性セグメントとして導入する
ために重(heavy)ポリアルキレンポリアミン(「重PAM」)として知ら
れている物質を使用することによって達成することができる(例えば、1994
年10月12日に出願した米国特許出願第322715号を参照;米国手続きの
ために本明細書中に援用する)。重PAMは、本質的にTEPAを含有せず、ペ
ンタエチレンヘキサミン(「PEHA」)を多くても少量含有するポリアルキレ
ンアミン(例えば、ポリエチレン)の一層高級なオリゴマーの混合物であるが、
主に窒素を6よりも多くかつ枝分れを慣用のポリアミン混合物よりも多く有する
オリゴマーである。詳細には、重PAMは、窒素>28%(例えば、>32%)
、当量当たり120〜160グラム(例えば、125〜140)の当量の第一級
アミン基、分子当たり平均で6よりも多い窒素原子、分子当たり平均で2よりも
多い第一級アミンを含有し、本質的に酸素を含有しないのが典型的である。重P
AMは、市販されており(例えば、商品名Polyamine HA−2、Do
w Chemical Company)かつまたポリエチレン又はポリプロピ
レンポリアミンから合成することもできる。遊離、未反応のポリアミンのレベル
の低減は、乗り物におけるディーゼルエンジン及びエラストマーシール性能に有
利である。
2.芳香族ヒドロキシ基で官能化しかつアルデヒド(特に、ホルムアルデヒド
)及びアミン(特に、ポリアルキレンポリアミン)によりマンニッヒ反応を通し
て変性した、「マンニッヒ分散剤」として特性表示し得る本発明のコポリマーの
反応生成物。
3.ハロゲンと反応させ、次いでアミン(例えば、直接のアミノ化)、好まし
くはポリアルキレンポリアミンと反応させることによって変性した本発明のコポ
リマーの反応生成物。これらは、「アミン分散剤」として特性表示することがで
き、それらの例は、例えば、米国特許第3,275,554号;同第3,438
,757号;同第3,454,555号;同第3,565,804号;同第3,
755,433号;同第3,822,209号;及び同第5,084,197号
に記載されている。
官能化されたコポリマーを変性するための有用なアミン化合物は、少なくとも
1つのアミンを含みかつアミン又はその他の反応性又は極性基を更に1つ又はそ
れ以上含むことができる。官能基がカルボン酸、それのエステル又は誘導体であ
る場合に、それはアミンと反応してアミドを形成する。官能基がエポキシである
場合に、それはアミンと反応してアミノアルコールを形成する。官能基がハロゲ
ン化物である場合に、アミンは反応してハロゲン化物に代わる。官能基がカルボ
ニル基である場合に、それはアミンと反応してイミンを形成する。本発明の官能
化されたコポリマーと反応するための求核性反応体として有用なアミン化合物は
、米国特許第3,445,441号;同第5,017,299号;及び同第5,
102,566号に開示されているものを含む。好適なアミン化合物は、分子中
に、2〜60、好ましくは2〜40(例えば、3〜20)の全炭素原子、1〜1
2、好ましくは3〜12、最も好ましくは3〜9の窒素原子のモノ−及び(好ま
しくは)ポリアミンを含む。これらのアミンは、ヒドロカルビルアミンでも又は
その他の基、例えばヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、ニトリル、イミダ
ゾリン基、等を含むヒドロカルビルアミンでもよい。ヒドロキシ基1〜6、好ま
しくは1〜3を有するヒドロキシアミンが特に有用である。好適なアミンは、脂
肪族飽和アミンである。
本発明の官能化されたコポリマー、特に酸官能化されたポリマーは、例えばア
ルコールと反応させてエステルを形成することができる。アルコールは、一価及
び多価アルコールのような脂肪族化合物でも又はフェノールやナフトールのよう
な芳香族化合物でもよい。エステルは、例えば適したアルコール又はフェノール
を酸又は無水物と反応させることによって製造してもよい(すなわち、官能化さ
れたコポリマーこはく酸無水物)。エステル誘導体も、同様に、酸官能化された
コポリマーをエポキシド又はエポキシドと水との混合物と反応させることによっ
て得ることができる。そのような反応は、酸又は無水物とグリコールとを含む反
応と同様である。例えば、生成物は、官能化されたコポリマーとアルキレンオキ
シドとを反応させて半エステル、モノエステル又はジエステルを生じることによ
って製造してもよい。酸官能化されたコポリマーの代わりに、ラクトン酸又は酸
ハライドで官能化されたコポリマーを、本発明のエステル誘導体を製造するため
に上に例示したプロセスにおいて用いてよい。そのような酸ハライドは、酸ジブ
ロミド、酸ジクロリド、酸モノクロリド及び酸モノプロミドにすることができる
。官能化されたコポリマーをアルコールと反応させることによって生成される誘
導体組成物は、酸性エステル及び中性エステルの両方を含むエステルである。酸
性エステルは、官能化されたコポリマー中のエステル化される官能基が全部より
も少なく、故に少なくとも1個の遊離官能基を保持するものである。酸性エステ
ルは、官能化されたコポリマー中の官能基のすべてをエステル化するには不十分
の量のアルコールを使用することによって容易に製造されるのは自明である。
高分子カルボン酸をアルコールと反応させて酸性エステル及び中性エステルを
製造する手順は、良く知られている。これらの同じ技術は、本発明の官能化され
たコポリマー及び上記したアルコールからエステルを製造することに適用可能で
ある。要求される全ては、本発明の官能化されたコポリマーを、これらの特許に
おいて検討される高分子カルボン酸に代えて、通常当量基準で用いることである
。下記の米国特許は、本発明の官能化されたコポリマーを上記したアルコールと
反応させる適した方法について開示している:米国特許第3,331,776号
;同第3,381,022号;同第3,522,179号;同第3,542,6
80号;同第3,697,428号;及び同第3,755,169号。
本発明の組成物において無灰分散剤として有用なヒドロキシ芳香族官能化され
たコポリマーアルデヒド/アミノコンデンセートは、一般にマンニッヒコンデン
セートと呼ばれるものを含む。それらは、一般に、少なくとも1個の水素原子を
芳香族炭素に結合させた、炭化水素置換されたフェノールのような少なくとも一
種の活性水素化合物(例えば、本発明のヒドロキシ芳香族官能化されたコポリマ
ー)を同時に又は逐次に、少なくとも一種のアルデヒド又はアルデヒド生成用物
質(典型的には、ホルムアルデヒドプリカーサー)及び少なくとも1個のNH基
を有する少なくとも一種のアミノ又はポリアミノ化合物と反応させることによっ
て造られる。好適なフェノール系化合物は、ヒドロキシ芳香族官能化されたコポ
リマーを含み、有用なアミン化合物は良く知られており、かつ上に引用している
。アミン化合物は、炭素原子1〜30の炭化水素置換基或は炭素原子1〜約30
のヒドロキシル置換された炭化水素置換基を有する第一級又は第二級モノアミン
を含む。典型的なアミン化合物の別のタイプは、ポリアミンである。下記の特許
に記載されている物質は、マンニッヒ分散剤を例示する:米国特許第3,413
,347号;同第3,697,574号;同第3,725,277号;同第3,
725,480号;同第3,726,882号;同第4,454,059号;及
び同第5,102,566号。
マンニッヒ塩基無灰分散剤の有用な群は、フェノール官能化されたコポリマー
を、ホルムアルデヒド及びポリエチレンアミン、例えばテトラエチレンペンタミ
ン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレン
アミン、例えばポリオキシプロピレンジアミン及びこれらの組合せと縮合させる
ことによって形成されるものである。特に好適な分散剤の一種は、(A)フェノ
ール官能化されたコポリマー、(B)ホルムアルデヒド、(C)ポリオキシアル
キレンポリアミン、例えばポリオキシプロピレンジアミン、及び(D)ポリアル
キレンポリアミン、例えばポリエチレンジアミン及びテトラエチレンペンタミン
の縮合を含み、(A)1モル当たり(B)の各々約2〜約8モル及び(C)又は
(D)約1〜約4モルを使用する。
本発明において用いるための窒素含有縮合生成物の有用なクラスは、米国特許
第4,273,891号に開示されている通りにして「2工程プロセス」によっ
て造られるものである。簡潔に言うと、これらの窒素含有コンデンセートは、(
1)本発明の少なくともフェノール官能化されたコポリマーを、それよりも低級
な脂肪族C1〜C7アルデヒド又はそれの可逆コポリマーと、アルカリ金属水酸化
物のようなアルカリ性試薬の存在において、約150℃までの温度で反応させ;
(2)次いで、このようにして形成された中間体反応混合物を中和し;及び(3
)中和された中間体を、少なくとも1つの−NH−基を有するアミノ基を含有す
る少なくとも一種の化合物と反応させることによって造られる。これらの2工程
コンデンセートは、(a)フェノール官能化されたコポリマー及び(b)ホルム
アルデヒド、又はそれの可逆性コポリマー(例えば、トリオキサン、パラホルム
アルデヒド)又はそれの機能的均等物(例えば、メチロール)及び(c)窒素原
子2〜10を有するエチレンポリアミンのようなアルキレンポリアミンから造る
ことができる。
硫黄含有反応体からのコンデンセートもまた本発明の組成物において用いるこ
とができる。そのような硫黄含有コンデンセートは、米国特許第3,368,9
72号;同第3,649,229;同第3,600,372;同第3,649,
659;及び同第3,741,8・96号に記載されている。これらの特許もま
た硫黄含有マンニッヒコンデンセートについて開示している。
4.有用な反応性金属又は反応性金属化合物は、官能化されたコポリマーと金
属塩又は金属含有錯体を形成することになるものである。金属錯体は、官能化さ
れたコポリマーを上に検討した通りのアミン及び/又はアルコールとかつまたア
ミノ化する間に又はアミノ化した後に錯体形成性反応体と反応させることによっ
て達成するのが典型的である。官能化されたコポリマーとアミンとの反応生成物
と錯体を形成する際に使用するための反応性金属化合物は、米国特許第3,30
6,908号に開示されているものを含む。錯体形成性反応体は、カドミウム並
びに原子数24〜30を有する金属(クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅及び亜鉛を含む)のニトレート、ニトリット、ハライド、カルボキシレー
ト、ホスフェート、ホスフィット、スルフェート、スルフィット、カルボネート
、ボレート、及びオキシドを含む。これらの金属は、いわゆる遷移又は配位金属
であり、すなわち、それらは、それらの第二又は配位原子価により錯体を形成す
ることができる。
本発明の官能化されたコポリマーと上に検討したアミンとのカルボン酸誘導体
組成物に適用しうるプロセスは、米国特許第3,306,908号及び米国再発
行特許第26,433号に開示されており、この場合、等量基準で、本発明の官
能化されたコポリマーを、米国特許第3,306,908号の高分子カルボン酸
官能化ポリマー及び米国再発行特許第26,433号のカルボキシリックアシル
化剤で置換する。同様に、米国特許第3,271,310号の金属塩を採用して
本官能化コポリマーを造ることができる。潤滑剤及び燃料油用途
適した平均数分子量を有する本発明のコポリマーは、合成ベースオイルとして
用いることができる。官能化されたコポリマーは、分散剤製造用中間体として作
用するのに加えて、離型剤、成形剤、金属工作潤滑剤、ポイント増ちょう剤、等
として用いことができる。コポリマーから後処理した変性されたコポリマーにず
っと至りかつ該後処理した変性されたコポリマーを含む、上記した物質について
の主要な実用性は、油性組成物用添加剤としてである。検討を容易にするために
、上述した物質を、本明細書中で、そのような「添加剤」を含有する油性組成物
の関係において用いる場合に、集合的にかつ個々に添加剤と呼ぶ。よって、本発
明の添加剤は、燃料や潤滑油のような油性物質に加入及び溶解して用いてよい。
本発明の添加剤を沸点約65°〜430℃の中間留分(ケロシン、ディーゼル燃
料、家庭暖房用燃料油、ジェット燃料、等を含む)のような通常液体の石油燃料
において用いる場合、燃料中の添加剤は、組成物の全重量を基準にして典型的に
は0.001〜0.5重量%、好ましくは0.005〜0.15重量%の範囲の
濃度で用いる。有用な組成物及び添加剤は、米国特許第5,102,566号に
開示されている。
本発明の添加剤、特に分散剤として用いるために適応させたものは、任意の簡
便な方法で潤滑油中に加入することができる。すなわち、それらは、その他の添
加剤とブレンドした後に油とブレンドする又はそれらを油に添加剤の所望のレベ
ル又は濃度で分散或は溶解させることにより直接油に加えることができ;かかる
ブレンディング工程は室温或は高い温度で行なうことができる。別法として、添
加剤を適した油溶性溶媒及びベースオイルとブレンドしてコンセントレートを形
成し、次いでコンセントレートを潤滑油ベースストッとウブレンドして最終配合
物を得ることができる。そのような分散剤コンセントレートは、(有効成分(A
.I.)を基準にして)典型的には10〜80重量%、典型的には20〜60重
量%、好ましくは40〜50重量%の添加剤を及びコンセントレート重量を基準
にして典型的には40〜80重量%、好ましくは約40〜60重量%のベースオ
イルを含有することになる。添加剤用潤滑油ベースストックは、更なる添加剤を
その中に加入して潤滑油組成物(すなわち、配合物)を形成することによって選
定する機能を発揮するように適応させるのが典型的である。最終の潤滑剤、例え
ばクランクケースモーター油を形成する際に、コンセントレートを添加剤パッケ
ージ1重量部当り3〜100重量部、例えば5〜40重量部の潤滑油で希釈する
のが普通である。コンセントレートの目的が種々の物質の取扱いの困難及び不便
を低減させ、並びに最終ブレンドにおける溶解或は分散を容易にさせることであ
るのはもち論である。これより、本発明の添加剤及びそれらを含有する配合物を
、例えば潤滑油フラクション中40〜50重量%のコンセントレートの形態で用
いるのが普通である。
本発明の添加剤は、主に、添加剤を溶解或は分散させるベースオイルを用いる
潤滑油組成物において有用である。このようなベースオイルは天然でも或は合成
でもよい。天然のベースオイルは、それらの原油源、例えばパラフィン系、ナフ
テン系、混合パラフィン系−ナフテン系、等かどうかに;並びにそれらの生成、
例えば蒸留範囲、直留又は分解、水添、溶媒抽出、等に関して広く変わり得るミ
ネラル潤滑油を含む。本発明の潤滑油組成物を調製する際に用いるのに適したベ
ースオイルは、スパーク点火式及び圧縮点火式内燃機関、例えば自動車及びトラ
ックエンジン、マリン及びレールロードディーゼルエンジン、等用クランクケー
ス潤滑油として慣用的に用いられているものを含む。有利な結果は、また、本発
明の添加剤混合物を、パワートランスミッティング液、ユニバーサルトラクター
液、作動液、ヘビーデューティ作動液、パワーステアリング液、等において慣用
的に用いられている及び/又はこれらとして用いるのに適応させるベースオイル
において用いることによっても達成される。ギヤー潤滑剤、工業油、ポンプ油及
びその他の潤滑油組成物もまた本発明の添加剤を中に加入して利点を得ることが
できる。本発明の添加剤は、天然及び合成潤滑油及びこれらの混合物を含む潤滑
粘度の油からなる潤滑油ベースストックと混和して用いるのが普通になる。有用
な油は、米国特許第5,017,299号及び同第5,084,197号に記載
されている。天然油は、動物油及び植物油(例えば、ヒマシ油、ラード油)、液
体石油、パラフィン、ナフテン及び混合パラフィン−ナフテンタイプの水添した
、溶媒処理した或は酸処理したミネラル潤滑油を含む。本発明において有用な潤
滑油は、100℃における粘度約2〜40センチストークス(ASTM D−4
45)を有する炭化水素ミネラル油をベースにするのが典型的である。また、石
炭或はシェール由来の潤滑粘度の油も有用なベースオイルになる。炭化水素ミネ
ラル油及び合成潤滑油約50重量%までの混合物で構成される潤滑油ベーススト
ックもまた適すると考えられる。合成潤滑油は、炭化水素油及びハロ置換された
炭化水素油、例えば重合及びインター重合オレフィン、二塩基性酸のエステル、
一塩基性酸に由来する複合エステル並びに一塩基性酸、ポリグリコール、二塩基
性酸及びアルコールに由来する複合エステルを含む。末端ヒドロキシル基をエス
テル化、エーテル化、等によって改質したアルキレンオキシドコポリマー、イン
ターポリマー及びこれらの誘導体は別の既知の合成潤滑油のクラスを構成する。
その他の適した合成潤滑油のクラスは、ジカルボン酸のエステル、ケイ素及びシ
リケートベースの油を含む。加えて、未精製、精製及び再精製油を本発明の潤滑
剤において使用することができる。
本発明のPOHコポリマーは、油組成物、例えば燃料油組成物において、特に
低い温度でワックス形成を受けやすい燃料油組成物において有用である。暖房用
油及びその他の留分石油燃料、例えばディーゼル燃料は、低い温度で燃料をその
流動する能力を損失させるゲル構造を形成するようにワックスの大きな結晶とし
て沈殿する傾向にあるアルカンを含有する。燃料が流動することになる最も低い
温度は、流動点として知られている。
燃料の温度が低下して流動点に近づくにつれて、燃料を管路及びポンプを通し
て輸送する際に困難が生じる。更に、ワックス結晶は、流動点よりも高い温度で
、燃料管、スクリーン及びフィルターを詰まらせる傾向にある。これらの問題は
、当分野において認識されており、種々の添加剤が提案されてきており、それら
の内の多くは、燃料油の流動点を降下させるために商業上使用されている。同様
に、その他の添加剤が提案されてきておりかつ形成するワックス結晶のサイズを
減小させかつ形状を変えるために商業上使用されている。結晶は、サイズが小さ
い方が望ましい、というのは、そのような結晶は、フィルターを詰まらせる可能
性が小さくなるからであり;所定の添加剤は、ワックスを小板として結晶化させ
ないようにしかつワックスに針状晶癖を採らせ、生成した針は、小板に比べて一
層フィルターを通過しやすくなる。添加剤は、また、形成した結晶を燃料中に懸
濁状態に保ち続ける効果も有し得、生じる沈降の低下もまた閉塞を防ぐのを助成
し得る。
本発明の好適なPOHコポリマーは、更にASTM Method No.D
97によって求める通りに、流動点に対するそれらの作用が有利であることを特
徴とし得る。このテストでは、測定は、発明のコポリマーを標準のミネラル潤滑
油(S150N)中に特定の濃度で含む溶液に関して行う。油組成物の流動点は
、それが特定の様式で冷却される場合に、流動することになる最も低い温度であ
り;ここで、その様式はASTM Method No.D97により規定され
ており;流動点は、潤滑油及び燃料油のような流体の低温流動性又はポンパビリ
ティ性を特性表示する。流動点を低下させかつこれらの生成物においてワックス
結晶のサイズを制御するための種々の中間留分燃料組成物において使用するため
の有用な添加剤も発明のPOHコポリマーから製造することができ;そのような
添加剤は、ワックス結晶調整剤(WCM)として知られている。本発明のコポリ
マーは、また、本発明の別のWCMとの又は従来技術のWCM添加剤と組み合わ
せて「共添加剤(co−additive)」としても有用である。所定のワッ
クス結晶調整剤は、ワックス結晶のサイズ及び数に影響を与える(例えば、結晶
核形成プロセスに影響を与える)ことができかつ他はそのような結晶の形状に影
響を与える(例えば、結晶成長プロセスに影響を与える)ことができので、好適
な性能は、これらの異なる点において有効なWCM添加剤の賢明な組合せによっ
て達成することができ;各々はそれらの結果を達成するために幾分異なる構造的
特徴を有する。例えば、核形成に影響を与える目的に有用な発明のコポリマーは
、炭素原子100当たり約10よりも少ない枝を有することができ;有用なコポ
リマーは、炭素原子100当たり6よりも少ない枝、例えば約5の枝を有するこ
とができる。
「潤滑油流動性向上剤」(LOFI)なる一般的用語は、また、潤滑油中のワ
ックス結晶のサイズ、数及び成長速度を、向上した低温取り扱い、ポンパビリテ
ィ及び/又は乗物操作性を付与するように改質するそれらの添加剤を区別するの
に用いられる。また、種々の官能化された又は変性された形態にすることができ
る、コポリマー又はコポリマーを含有する添加剤を、この目的に使用する。LO
FIの一タイプでは、ランダムに配置されたコポリマー主鎖メチレンシーケンス
は、枝(及びその他のコン−結晶性(con−crystallizale)セ
グメント)によって妨げられる。ワックス結晶に伴う又はワックス結晶と共結晶
する(co−crystallize)と考えられるのはシーケンスであり、枝
が存在しない場合に通常起きるであろうそれ以上の結晶成長を抑制又は妨げるの
は枝である。枝が増大した長さのメチレン側鎖である場合に、そのような側鎖は
、イソパラフィン及びn−パラフィンを含有する潤滑油を処理する際に特に有効
である。添加剤の有効性は、コポリマー構造と複雑な関係を持ち、容易に予測し
得ない。
分散添加剤の要件は、それが添加される潤滑油組成物の流動点に悪影響を与え
ない(すなわち、有意に流動点を上げない)ことである。分散添加剤の流動点挙
動が、それらが由来するコポリマーの流動点挙動によって大きく決められること
は、一般に受け入れられている。一層特には、潤滑油組成物に、POHコポリマ
ーの、本明細書中後に記載する官能化及び/又は変性によって製造される分散添
加剤を有効量加えることは、組成物の流動点を有意に否定的に変えない。
本発明のPOHコポリマーは、また、燃料組成物中でワックス結晶調整剤(W
CM)として機能することもできる。本出願中では、有効量のWCMが燃料油中
に存在する場合には、性能は、流動点テスト、すなわちセンチグレイド度で測定
する流動点の変化によって測定することができる。性能は、また、当業者に知ら
れているろ過性テスト、例えばコールドフィルタープラッギング点(「CFPP
」)テストによって測定することもできる。ワックス結晶の改質の程度及びWC
Mの有効性は、WCMの構造上の形状に応じて変わることになる。これは、立ち
代わって、重合用に用いるモノマー、例えばC8を用いるか又はC14を用いるか
どうか、又はモノマーの混合物によって影響される。その上に、採用する特定の
触媒によって影響される部分「連鎖ストレートニング」の程度(他の所で説明し
た通り)は、POHコポリマーのワックス結晶調整剤としての性能を変えること
になる。モノマー、触媒及び重合条件の選定は、本出願中で生成するPOHコポ
リマーの性能を最大にするために、なすことができる。
流動点及び/又はCFPP性能に影響を与えるその他の要因の中に、枝分れの
程度の外に、コポリマーの見掛けのエチレン含量及び数平均分子量がある。コポ
リマーは、分子量が高い程、それが溶解される油の粘度を増大させるのが普通で
あるので、コポリマー分子量の選定は、それが生成する組成物の流動性にどれほ
ど影響を与えることになるのかを考慮してなすべきである。同様に、見掛けのエ
チレンシーケンスのレベルが高い程、結晶化プロセスに関係すること及び油への
溶解度が大きくなる可能性を生じる。枝分れの程度及び性質は、WCMそれ自体
の結晶度の程度を、それが油中に可溶性のままでありかつ依然ワックスと要求さ
れるままに相互作用するように機能するように「バランスさせる」ための微妙な
チューニング変数として働くことができる。
本発明の添加剤を含有する潤滑油配合物は、配合物において要求されるその他
の特性に寄与するその他のタイプの添加剤を含有するのが慣用である。そのよう
なその他の添加剤の代表は、洗浄剤/抑制剤、粘度調整剤、摩耗防止剤、酸化防
止剤、腐食防止剤、摩擦調整剤、フォーム抑制剤、防錆剤、解乳化剤、潤滑油流
動性向上剤、シールスエル調節剤、等である。添加剤の内のいくつかは、複数の
効果、例えば分散酸化防止剤をもたらすことができる。組成物は、これらの添加
剤を含有する場合、ベースオイルに、それらの通常の付随する機能をもたらすの
に有効な量でブレンドするのが典型的である。そのような添加剤の代表的な有効
量を下記の通りに例示する: 範囲 広い 好適 組成 重量% 重量%
粘度指数向上剤 1−12 1−4
腐食防止剤 0.01−3 0.01−1.5
酸化防止剤 0.01−5 0.01−1.5
分散剤 0.1−10 0.1−5
潤滑油流動性向上剤 0.01−2 0.01−1.5
洗浄剤及び防錆剤 0.01−6 0.01−3
流動点降下剤 0.01−1.5 0.01−1.5
消泡剤 0.001−0.1 0.001−0.01
耐摩耗剤 0.001−5 0.001−1.5
シールスエラント 0.1−8 0.1−4
摩擦調整剤 0.01−3 0.01−1.5
潤滑ベースオイル 残り 残り
本発明のコポリマーを潤滑油において粘度指数(VI)向上剤又は粘度調整剤
として用いる場合に、それらの濃度は、約0.001重量%から49重量%まで
広く変えることができる。好適な結果をもたらす割合は、幾分、潤滑油ベースス
トックの性質及び潤滑剤が特定の用途において働くことになる特定の目的に従っ
て変わることになる。ディーゼル又はガソリンエンジンクランクケース潤滑剤用
潤滑油として用いる場合、コポリマー濃度は、粘度調整及び/又はVI向上をも
たらすのに有効な量である全組成物の約0.1〜15.0重量%の範囲内にする
。
その他の添加剤を用いる場合、本発明の主題の添加剤の濃厚溶液或は分散液(
本明細書中、前述したコンセントレート量で)を該他の添加剤の内の一種又はそ
れ以上と共に含む添加剤コンセントレート(添加剤混合物を構成する場合の該コ
ンセントレートを本明細書中、添加剤−パッケージと呼ぶ)を造るのが、必要で
はないが、望ましく、それにより、いくつかの添加剤を同時にベースオイルに加
えて潤滑油組成物を形成することができる。添加剤−コンセントレートの潤滑油
への溶解は溶媒によりかつ穏やかな加熱を伴なって混合することによって促進し
得るが、これは必須ではない。コンセントレート或は添加剤−パッケージは、添
加剤パッケージと所定量のベース潤滑剤とを組合わせる場合に、添加剤を最終配
合物中所望の濃度にするような適当な量で含有するように配合するのが代表的に
なる。すなわち、本発明の主題の添加剤を他の望ましい添加剤と共に少量のベー
スオイル或は他の匹敵し得る溶媒に加えて有効成分を代表的には2.5〜90重
量%、好ましくは15〜75重量%、最も好ましくは25〜60重量%の添加剤
の集合量で適当な割合で含有し、残りがベースオイルである添加剤−パッケージ
を形成することができる。最終配合物は添加剤−パッケージを代表的には10重
量%用い、残りがベースオイルであるのがよい。(本明細書中で表わす重量%は
、他に示さない場合には、すべて、添加剤の有効成分(A.I.)含量を基準に、
及び/又は各々の添加剤のA.I.重量+油又は希釈剤全体の重量の合計になる
任意の添加剤−パッケージ或は配合物の全重量を基準にする)。例
下記の例は、請求の範囲に記載する発明を例示するものとして挙げる。しかし、
発明は、例に記載する特定の細部に限定されないことを理解すべきである。例に
おける部及びパーセンテージは、他に注記しない場合には、すべて重量による。例1
エチレン(E)、プロピレン(P)又はブテン−1(B)を、下記に記載する
通りにして、メチルアクリレート(MA)、tert−ブチルアクリレート(t
BuA)又はメチルエチルケトン(MVK)と周囲圧力又は高い圧力で共重合さ
せる。触媒系を、J.Am.Chem.Soc.1996,118,267〜2
68(裏付ける情報を含む)における開示に従って調製する;触媒構造を下記に
Aで示す。コモノマー濃度(モル)は、0.5〜6.0の範囲にする。
周囲圧力重合:触媒プリカーサーを収容するSchlenkフラスコを冷却し
て−78℃にし、排気し、α−オレフィン雰囲気(例えば、エチレン、プロピレ
ン又はブテン−1)下に置く。塩化メチレン及びアタリレートを注入器によって
温度の低いフラスコに加える。溶液を撹拌しながら暖めさせて室温にする。所望
の反応時間の間重合させた後に、反応混合物をメタノールおよそ600mLに加
えてポリマーを沈殿させる。メタノールをデカントし、ポリマーをEt2O又は
石油エーテルおよそ600mLに溶解する。溶液をセライト及び/又はニュート
ラルアルミナのプラグを通してろ過し、溶媒を除きかつポリマーを何日間か真空
乾燥させる。コポリマーが粘稠油として分離される。
高圧重合:反応混合物中に浸漬するサーモカップルによって制御する電気加熱
式マントルを装着した機械的撹拌式300mL Parr(登録商標)反応装置
を使用する。コモノマーを含有する、塩化メチレン中触媒プリカーサー0.1m
モルの溶液(コモノマー:5〜50mL、液相の全容積:100mL)を、窒素
雰囲気下でカニューレによって反応装置に移す。エチレン又はプロピレンで繰り
返しフラッシュした後に、ガス状オレフィンを連続して供給することによって一
定の圧力をかけ、反応装置の内容物を激しく撹拌する。重合させた後に、ガスを
ベントする。反応混合物から揮発分を真空で除き、ポリマーを減圧下で一晩乾燥
させる。塩化メチレン溶液からポリマーをメタノールで沈殿させることによって
残留コモノマーを除く。
触媒構造A:
いくつもの重合ランを下記の条件下で行って本発明のPOHコポリマーを調製す
る:
ラン モノマー 圧力
1 E/MA 高い
2 E/tBuA 周囲
3 P/MA 高い
4 B/MA 周囲
5 B/MVK 高い
コモノマーは、比較的狭い分子量分布を有する非晶質の、末端不飽和の、高度に
枝分かれしたオレフィン−アクリレートコポリマーであり、アクリレート部分は
主に枝の末端に存在する。例2
:例1/ラン1の生成物のポリアミン及び連鎖停止剤(ポリイソブテニルこ はく酸無水物)によるアミノ化
例1/ラン4の改質されたポリマー200gmsを適した撹拌機を装着した適
したガラス反応装置に入れる。反応装置を窒素で30分間パージし、内容物を加
熱して約100℃にする。ASTM,D−64 Sap.No.112を有する
ポリイソブテニルこはく酸無水物約350gmsをソルベント100N希釈油3
50gmsで希釈してポリマーに撹拌しながら加え、温度を上昇させて約190
℃にする。反応混合物をその温度に、3時間窒素ストリップしながら保つ。生成
した生成物は、実質的にゲルが存在しない粘稠な液である。例3
例1/ラン4のコポリマーを、分子当たり第一級アミンおよそ1個及び窒素含
量12.4%を有する一端がタロー基で置換されたポリプロピレンテトラアミン
でアミノ化する。試薬を室温で混合しかつ7時間窒素ストリップしながら200
℃に加熱する。反応混合物は、対応するアミドへの転化を示す。アミド約150
gをS150NLミネラル油99gに希釈しかつ145℃に加熱し、油中30%
のホウ酸スラリー9.35gを1時間かけて加える。添加が完了した後に、温度
を上昇させて150℃にし、反応混合物を1時間窒素ストリップする。対応する
ホウ酸塩化され(borated)、アミノ化された分散性誘導体が生成される
。例4
例1/ラン4のコポリマーを、分子当たり第一級アミン基およそ1個及び窒素
含量12.92%を有する一端だけがドデシルアルキル基で置換されたポリプロ
ピレンエーテルペンタアミンでアミノ化する。試薬を室温で混合しかつ4時間加
熱して220℃にする。生成物を220℃において窒素で3時間ストリップし、
アミド誘導体を生じる。アミド約1,540gをS150NL 810gに希釈
し、油溶液を前に記載した通りにして30%ホウ酸スラリー105gで145℃
においてホウ酸塩化する。ホウ酸塩化され、アミノ化された分散性誘導体が生成
される。例5
例1/ラン1のPOHコポリマーを、分子当たり第一級アミノ基およそ1個及
び窒素含量18.24%を有する2−エチルヘキシルアミノプロピルアミノプロ
ピルアミノプロピルアミンで200℃に加熱することによってアミノ化する。反
応混合物を、反応がアミドへの転化を示すまで何時間か真空加熱(10〜20m
mHg)し、アミドを窒素ストリップする。生成物をミネラル油に希釈して50
%溶液を造りかつ先の例に記載するプロセスを用いてホウ酸塩化してホウ酸塩化
され、アミノ化された分散性誘導体を生じる。例6
例1/ラン4のPOHコポリマー235gを加熱して180℃にしかつ分子当
たり第一級アミン基およそ1個及び窒素含量25.4%を有するジメチルアミノ
プロピルアミノプロピルアミン(DMAPAPA)23gを加える。反応混合物
を180℃において何時間か加熱してコポリマーを対応するアミドへ転化させ、
生成物を180℃において4時間窒素ストリップして未反応のアミンを蒸留して
除く。例7
例1/ラン4に従う重合を実施するが、連続プロセスを、製油所Raffin
ate2源にメチルアクリレート極性コモノマーを組み合わせたものから得られ
るオレフィン性原料に関して用いる外は例1/ラン4に従う重合を実施しかつ重
合条件を調節してMn約1,000を有する、分散剤主鎖として有用な極性のオ
レフィン性炭化水素コポリマーを生成する。
発明の種々の態様及びそれらの互いに対する関係を、下記の通りに表すことが
できる:
1.少なくとも一種の重合性の極性モノマー及び少なくとも一種の重合性のオ
レフィン性モノマーに由来し、下記の特性を有する、燃料又は潤滑添加剤として
用いるのに適した炭化水素コポリマー:
(a)平均のエチレンシーケンス長さESL約1.0〜約3.0未満;
(b)該コポリマーを構成するコポリマー鎖の炭素原子100当たり平均で少
なくとも5の枝;
(c)該枝の少なくとも約50%はメチル及び/又はエチル枝である;
(d)該組み入れられる極性モノマーの実質的にすべてが該枝の末端位に存在
する;
(e)該コポリマー鎖の少なくとも約30%はビニル又はビニレン基を末端基
とする;
(f)数平均分子量Mn約300〜約10,000;及び
(g)炭化水素及び/又は合成ベースオイルへの相当の溶解度。
2.前記ESLが約1.0〜約1.5である態様1のコポリマー。
3.前記コポリマー鎖の炭素原子100当たり平均で約10〜約12.5の枝
を有する態様2のコポリマー。
4.前記枝の少なくとも約95%がメチル及び/又はエチル枝である態様3の
コポリマー。
5.前記コポリマー鎖の少なくとも約95%がビニル又はビニレン基を末端基と
する態様4のコポリマー。
6.数平均分子量Mn約700〜約2,500を有する態様5のコポリマー。
7.前記コポリマー中に組み入れる前記重合性の極性モノマーに由来する組み
入れられた極性部分が、枝を含む、ポリマー主鎖の各Mn5,000セグメント
に付き約1個の極性部分〜各Mn1,000セグメントに付き約1個の極性部分
の平均濃度で存在する態様1のコポリマー。
8.前記極性モノマーを、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ter
t−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルエタクリレート、エチ
ルメタクリレート、エチルエタクリレート及びメチルビニルケトンからなる群よ
り選ぶ態様7のコポリマー。
9.前記オレフィン性モノマーを、エチレン、プロピレン及びブテン−1から
なる群より選ぶ態様8のコポリマー。
10.本質的に、少なくとも一種の重合性の極性モノマー及び少なくとも一種
の重合性のオレフィン性モノマーに由来し、少なくとも2個の窒素原子を中に組
み入れさせた炭化水素コポリマーからなる燃料又は潤滑添加剤として用いるのに
適した物質組成物であり、該極性モノマーは、下記式によって表されるα,β不
飽和カルボニル化合物から選び:
式中、Xは、水素(H)、NH2、Ry又はORyであり;Rxは、H又はC1〜C5
ストレート又は枝分れアルキル基であり、Ryは、H又はC1〜C20ストレート又
は枝分れアルキル基であり;短鎖不飽和エステルモノマーについて、Ryは、好
ましくはC1〜C5アルキル基であり、長鎖モノマーについて、好ましくはC10〜
C18アルキル基であり;該オレフィン性モノマーは、エチレン、C3〜C20α−
オレフィン及びC3〜C20α−オレフィンの混合物からなる群より選び;該コポ
リマー
は、下記の特性を有する物質組成物:
(a)平均のエチレンシーケンス長さESL約1.0〜約3.0未満;
(b)該コポリマーを構成するコポリマー鎖の炭素原子100当たり平均で少
なくとも5の枝;
(c)該枝の少なくとも約50%はメチル及び/又はエチル枝である;
(d)該組み入れられる極性モノマーの実質的にすべてが該枝の末端位に存在
する;
(e)該コポリマー鎖の少なくとも約30%はビニル又はビニレン基を末端基
とする;
(f)数平均分子量Mn約300〜約10,000;及び
(g)炭化水素及び/又は合成ベースオイルへの相当の溶解度。
11.前記コポリマー中に組み入れる前記重合性の極性モノマーに由来する組
み入れられた極性部分が、枝を含む、ポリマー主鎖の各Mn5,000セグメン
トに付き約1個の極性部分〜各Mnl,000セグメントに付き約1個の極性部
分の平均濃度で存在する態様10の物質組成物。
12.前記極性モノマーを、メチルアクリレート、エチルアクリレート、te
rt−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルエタクリレート、エ
チルメタクリレート、エチルエタクリレート、メチルビニルケトン及びアクリル
アミドからなる群より選ぶ態様11の物質組成物。
13.前記オレフィン性モノマーを、エチレン、プロピレン及びブテン−1か
らなる群より選ぶ態様12の物質組成物。
14.前記C3〜C20α−オレフィンの混合物を、C3、C4及びC5製油所又は
スチームクラッカー供給流及びそれらのラフィネート誘導体からなる群より選ぶ
態様10の物質組成物。
15.前記重合性オレフィンモノマーがエチレンであり、エレメント(b)で
ある前記ポリマー中の前記鎖が、炭素原子100当たり平均で約5〜約33の枝
存在し、前記(d)の末端基がビニルであり、前記極性モノマーがアルキルアク
リレートである態様10の物質組成物。
16.少なくとも一種の重合性の極性モノマー及び少なくとも一種の重合性の
オレフィン性モノマーに由来し、燃料又は潤滑添加剤として用いるのに適した炭
化水素コポリマーを連続して製造するに際し、該コポリマーは、下記の特性を有
し:
(a)平均のエチレンシーケンス長さESL約1.0〜約3.0未満;
(b)該コポリマーを構成するコポリマー鎖の炭素原子100当たり平均で少
なくとも5の枝;
(c)該枝の少なくとも約50%はメチル及び/又はエチル枝である;
(d)該組み入れられる極性モノマーの実質的にすべてが該枝の末端位に存在
する;
(e)該コポリマー鎖の少なくとも約30%はビニル又はビニレン基を末端基
とする;
(f)数平均分子量Mn約300〜約10,000;及び
(g)炭化水素及び/又は合成ベースオイルへの相当の溶解度;
該コポリマーは、下記式によって表されるα,β不飽和カルボニル化合物:
(式中、Xは、水素(H)、NH2、Ry又はORyであり;Rxは、H又はC1〜
C5ストレート又は枝分れアルキル基であり、Ryは、H又はC1〜C20ストレー
ト又は枝分れアルキル基であり;短鎖不飽和エステルモノマーについて、Ryは
、好ましくはC1〜C5アルキル基であり、長鎖モノマーについて、好ましくはC10
〜C18アルキル基である)
から選ぶ少なくとも一種の重合性の極性モノマー並びにエチレン、C3〜C20α
−オレフィン及びC3〜C20α−オレフィンの混合物からなる群より選ぶ少なく
とも一種の重合性のオレフィン性モノマーに由来し;該モノマーを、液相を収容
する反応域でレイト遷移金属触媒系の存在において重合させる方法であって、更
に、下記:
(A)該極性モノマーを、単独で又は該オレフィン性モノマーの存在において
のいずれかで含む供給流を該反応域に供給し;
(B)少なくとも一種のα−オレフィンモノマーを選ぶ場合に、該α−オレフ
ィンを製油所又はスチームクラッカーから希薄な、液化されたα−オレフィン供
給流として連続して供給し、該供給流は、希釈剤を混和させて含有し、該供給流
中の希釈剤の量は、少なくとも30重量%であり;
(C)エチレンを選ぶ場合に、エチレンを含む供給流を液体、蒸気、又は液体
/蒸気の形態で連続して供給し;
(D)エチレンとα−オレフィンとの混合物を選ぶ場合に、工程(B)及び(
C)の供給流を混和して平均のエチレンシーケンス長さESL約1.0〜約3.
0未満を含有するコポリマーを生じるのに有効なα−オレフィン/エチレン重量
比を有する反応体供給流とし;
(E)工程(A)、(B)、(C)又は(D)に従って導く該供給流及びレイ
ト遷移金属触媒系を反応域の液相中に、下記:
(i)エチレン及び/又はα−オレフィンを重合させて数平均分子量が1
0,000以下のコポリマー生成物とする;
(ii)α−オレフィンをモノマーとして用いる場合に、α−オレフィン
転化率少なくとも30%を得る;
(iii)エチレンをモノマーとして用いる場合に、エチレン転化率少な
くとも70%を得る;
のに十分な様式及び条件下で連続して導入し;
(F)該コポリマーを反応装置から連続して抜き出す
ことを含む方法。
17.前記オレフィン性モノマーをオレフィン含有製油所又はスチームクラッ
カー供給流から選ぶ態様16の方法。
18.前記供給流を、Raffinate−2、及びC3、C4又はC5源及び
これらの混合物からなる群より選ぶ態様17の方法。
19.前記希釈剤の成分の少なくとも50重量%が、反応条件下で、供給流の
α−オレフィン成分の平均の沸点の±20℃の範囲内の沸点を有する態様16の
方法。
20.エチレン及び/又は少なくとも一種のα−オレフィンが存在する場合に
、適宜に、反応域の内容物をエチレンの臨界温度よりも高くかつ該オレフィンの
臨界温度よりも低い温度に保つ態様16又は19の方法。
21.前記α−オレフィンモノマーが、ブテン−1、プロピレン、及びペンテ
ン−1からなる群より選ぶ少なくとも一種のモノマーを含み、前記希釈剤が、該
α−オレフィンモノマーの外に、実質的に非重合性のC3、C4、C5炭化水素及
びこれらの混合物を含む態様16〜20のいずれかの方法。
22.重合反応温度を蒸発冷却手段によって制御する態様16〜21のいずれ
かの方法。
23.工程(E)において、連続して液相の上の蒸気を少なくとも一部凝縮さ
せ、コンデンセートを該液相に戻す態様22の方法。
24.前記希薄な液化されたα−オレフィン供給流を、少なくとも一種のα−
オレフィンを含む製油所又はスチームクラッカー流から導き、それから、極性化
合物の外のジエンを実質的に除いた後に、該供給流を前記反応装置に導入する態
様16の方法。
25.態様1又は10のコポリマーから、第一級アミノ基1個及び第二級又は
第三級アミノ基1〜10個を有するポリアミンと反応させることによって導かれ
る官能化された炭化水素コポリマーを含む分散剤。
26.導かれる前記コポリマーが、初めにコポリマー鎖当たり平均で約1〜約
6の極性基を含有する態様25の分散剤。
27.前記変性されたコポリマーを生成する反応を、連鎖停止用又は末端キャ
ップ用共反応体(co−reactant)の存在において行う態様25のゲル
の存在しない組成物。
28.前記連鎖停止用又は末端キャップ用共反応体が、C12−C400のヒドロ
カルビル置換されたこはく酸又は無水物;RaCOOH式(式中、Raは、C12
−C400のヒドロカルビルである)の長鎖モノカルボン酸;分子当たり単一の反
応性アミノ基だけを含有するアミン;分子当たり単一の反応性ヒドロキシ基だけ
を含有するアルコール;又はこれらの混合物を含む態様27の組成物。
29.導かれる前記コポリマーが、初めにコポリマー鎖当たり平均で約1〜約
2の極性基を含有する態様28の組成物。
30.熊様1のコポリマーとエノフィル(enophile)との反応生成物
。
31.前記エノフィルが無水マレイン酸である態様30の生成物。
32.更に、アミン及びアルコールからなる群より選ぶメンバーと反応させる
態様31の反応生成物。
33.前記反応を、一種又はそれ以上の遊離ラジカル発生用化合物を使用して
開始させ、前記反応生成物が、平均で少なくとも2つの前記コポリマー鎖を前記
エノフィルに結合させて含有する態様30の反応生成物。
34.更に、ポリアミン及び一官能価の連鎖停止剤と反応させる態様33の反
応生成物。
35.コポリマーを、更にC3〜C10モノ不飽和のモノカルボン酸生成性成分
及びC4〜C10モノ不飽和のジカルボン酸生成性成分からなる群より選ぶ少なく
とも一種のメンバーで官能化させる態様1の官能化されたコポリマー。
36.酸化されたコポリマーを含み、該酸化されたコポリマーが、態様1又は
6のコポリマーと、酸素含有ガス、オゾン含有ガス及びこれらの混合物からなる
群より選ぶガスとの反応生成物である官能化されたコポリマー。
37.態様30〜36のいずれかの官能化されたコポリマーと変性用化合物と
の反応生成物を含む、潤滑油又は分散添加剤として有用な変性されたコポリマー
。
38.官能化されたコポリマーを、アミン、アルコール、金属反応体、及びこ
れらの混合物から選ぶ少なくとも一種の求核試薬と反応させる態様37の変性さ
れたコポリマー。
39.官能化されたコポリマーを、更に重ポリアミンと反応させる態様30の
反応生成物。
40.下記:
(a)少なくとも一種のヒドロキシ芳香族化合物を態様1の通りのコポリマー
でアルキル化することによって形成される少なくとも一種のアルキル置換された
ヒドロキシ芳香族化合物;
(b)少なくとも一種のアルデヒド反応体;及び
(c)少なくとも一種の求核試薬
の反応生成物を含む変性されたコポリマー。
41.更に、酸触媒の存在においてフェノールと反応させる態様1のコポリマ
ーの反応生成物。
42.更に、アルデヒド及びポリアミンからなる群より選ぶメンバーと反応さ
せる態様41の反応生成物。
43.前記ポリアミンが重ポリアミンである態様42の反応生成物。
44.主量の潤滑粘度のベースストック潤滑油、並びに少なくとも一種の重合
性の極性モノマー及び少なくとも一種の重合性のオレフィン性モノマーに由来し
、燃料又は潤滑添加剤として用いるのに適した炭化水素コポリマーを含む有効量
の粘度調整剤を含み、該コポリマーは、下記の特性を有する潤滑油組成物:
(a)平均のエチレンシーケンス長さESL約1.0〜約3.0未満;
(b)該コポリマーを構成するコポリマー鎖の炭素原子100当たり平均で少
なくとも5の枝;
(c)該枝の少なくとも約50%はメチル及び/又はエチル枝である;
(d)該組み入れられる極性モノマーの実質的にすべてが該枝の末端位に存在
する;
(e)該コポリマー鎖の少なくとも約30%はビニル又はビニレン基を末端基
とする;
(f)数平均分子量Mn約15,000〜約500,000;及び
(g)炭化水素及び/又は合成ベースオイルへの相当の溶解度。
45.主量の潤滑ベースオイル、潤滑油流動性向上剤、及び従たる量の態様4
44の通りの油溶性コポリマーを含む潤滑油組成物。
46.組成物の全重量に基づいて、前記潤滑油流動性向上剤0.01〜5重量
%及び前記コポリマー0.1〜20重量%を含有する態様45の潤滑油組成物。
47.炭化水素ミネラル油希釈剤並びに炭化水素ミネラル油希釈剤の全重量に
基づいて約2〜50重量%の少なくとも一種の重合性の極性モノマー及び少なく
とも一種の重合性のオレフィン性モノマーに由来し、燃料又は潤滑添加剤として
用いるのに適した炭化水素コポリマーを含み、該コポリマーは、下記の特性を有
する油添加剤コンセントレート組成物:
(a)平均のエチレンシーケンス長さESL約1.0〜約3.0未満;
(b)該コポリマーを構成するコポリマー鎖の炭素原子100当たり平均で少
なくとも5の枝;
(c)該枝の少なくとも約50%はメチル及び/又はエチル枝である;
(d)該組み入れられる極性モノマーの実質的にすべてが該枝の末端位に存在
する;
(e)該コポリマー鎖の少なくとも約30%はビニル又はビニレン基を末端基
とする;及び
(f)炭化水素及び/又は合成ベースオイルへの相当の溶解度。
48.前記コポリマーが数平均分子量Mn約300〜約10,000を有する
態様47に従う油添加剤コンセントレート。
49.前記コポリマーが数平均分子量約11,000〜約500,000を有
する態様47に従う油添加剤コンセントレート。
50.炭化水素ミネラル油希釈剤及び炭化水素ミネラル油希釈剤の全重量に基
づいて約2〜50重量%の潤滑油分散添加剤として有用な変性されたコポリマー
を含み、該変性されたコポリマーは、態様30〜36のいずれかの官能化された
コポリマーの反応生成物を含む油添加剤コンセントレート組成物。
51.ベースオイル及び分散添加剤としての、態様30〜40のいずれかの通
りの官能化された又は変性されたコポリマーを含み、下記のいずれかの形態の潤
滑油組成物:
(a)該分散添加剤11〜80重量%を含有するコンセントレート;又は
(b)該分散添加剤0.1〜10重量%を含有する組成物。
52.ベースオイル及び分散添加剤としての、態様30〜40のいずれかの通
りの官能化された又は変性されたコポリマーを含み、下記のいずれかの形態の燃
料油組成物:
(a)該分散添加剤11〜80重量%を含有するコンセントレート;又は
(b)該分散添加剤0.001〜0.1重量%を含有する組成物。
53.燃料又は潤滑添加剤として用いるのに適した炭化水素コポリマーを連続
して製造する際に、該コポリマーは、下記式によって表されるα,β不飽和カル
ボニル化合物:
(式中、Xは、水素(H)、NH2、Ry又はORyであり;Rxは、H又はC1〜
C5ストレート又は枝分れアルキル基であり、Ryは、H又はC1〜C20ストレー
ト又は枝分れアルキル基であり;短鎖不飽和エステルモノマーについて、Ryは
、好ましくはC1〜C5アルキル基であり、長鎖モノマーについて、好ましくはC10
〜C18アルキル基である)
から選ぶ少なくとも一種の重合性の極性モノマー並びにエチレン、C3〜C20α
−オレフィン及びC3〜C20α−オレフィンの混合物からなる群より選ぶ少なく
とも一種の重合性のオレフィン性モノマーから導きかつかつ液相を収容する反応
域でレイト遷移金属触媒系の存在において重合させる方法であって、更に、下記
:
(A)少なくとも一種のα−オレフィンモノマーを選ぶ場合に、該α−オレフ
ィンを製油所又はスチームクラッカーから希薄な、液化されたα−オレフィン供
給流として連続して供給し、該供給流は、希釈剤を混和させて含有し、該供給流
中の希釈剤の量は、少なくとも3.0重量%であり;
(B)エチレンを選ぶ場合に、エチレンを含む供給流を液体、蒸気、又は液体
/蒸気の形態で連続して供給し;
(C)エチレンとα−オレフィンとの混合物を選ぶ場合に、工程(A)及び(
B)の供給流を混和して平均のエチレンシーケンス長さESL約1.0〜約3.
0未満を含有するポリマーを生じるのに有効なα−オレフィン/エチレン重量比
を有する反応体供給流とし;
(D)工程(A)、(B)又は(C)に従って導く該供給流又は該反応体供給
流並びに該極性モノマーの供給流、及びレイト遷移金属触媒系を反応域の液相中
に、下記:
(i)エチレン及び/又はα−オレフィンを重合させて燃料又は潤滑添加
剤として用いるのに適した数平均分子量を有するコポリマー生成物とする;
(ii)α−オレフィンをモノマーとして用いる場合に、α−オレフィン
転化率少なくとも30%を得る;
(iii)エチレンをモノマーとして用いる場合に、エチレン転化率少な
くとも70%を得る;
のに十分な様式及び条件下で連続して導入し;
(E)該コポリマーを反応装置から連続して抜き出す
ことを含む方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ジンデルバーガー,デイビッド エドワー
ド
アメリカ合衆国 07921 ニュージャージ
ー,ベドミンスター,モーガン コート
2
(72)発明者 スタナット,ジョン エドモンド
アメリカ合衆国 07930―2751 ニュージ
ャージー,チェスター,サウス ゲイブル
ズ ドライブ 5
(72)発明者 ストークス,ジェイムズ ピーター
アメリカ合衆国 77494 テキサス,ケイ
ティー サンド パインズ 1302
(72)発明者 シャー,ハイメイス
アメリカ合衆国 77059 テキサス,ヒュ
ーストン,ヒドン デル コート 13614