JP2000514968A - 遅延推定方法及び受信機 - Google Patents
遅延推定方法及び受信機Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は無線システムに於ける遅延推定方法及び受信器に関する。信号は一つ又は幾つかの送信機から発し、幾つかの経路に沿って伝搬する。本発明の方法によれば、遅延推定に当たって、決定された経路(73〜77)を一度に一つ選択する。受信信号とコードバンクモデル間の最小二乗最小化問題は、経路(73〜77)毎に、そして遅延毎に解かれる。この場合、最小化結果を形成する際、選択した一つの経路の遅延を一度変化し、他の経路(73〜77)は不変に保つ。最小化結果は、最小化結果がせいぜい他の遅延に関する結果に等しくなる遅延を探索するのに使用する。この遅延を記憶し、他の経路の遅延探索の際に、経路(73〜77)の一定値として利用する。この方法は必要に応じて繰り返すことが出来る。本発明の方法は、ユーザ記号又はチャンネルの減衰係数に関する情報が無くても、全てのユーザの全ての経路(73〜77)の遅延を与えられると言う利点を有している。
Description
【発明の詳細な説明】
遅延推定方法及び受信機
発明の技術分野
本発明は送信機及び受信機として少なくとも一つの基地局及び加入者端末を有
する無線システム用遅延推定方法に関する発明であって、該システムにおいて信
号は波形を含み、この方法では、受信信号又は前処理した信号をサンプリングし
、一つ又は幾つかの送信機から発せられ、かつ典型的には幾つかの経路に沿って
伝搬してきた受信信号から相互遅延を推定する。
また、本発明は送信機及び受信機として波形を含む信号を有した少なくとも一
つの基地局及び加入者端末を有する無線システム用に構成された受信機に関し、
該システムにおいて受信機は受信信号又は前処理された信号をサンプリングし、
一つ又は幾つかの送信機から発せられ、かつ典型的には幾つかの経路に沿って伝
搬してきた受信信号から相互遅延を推定するように構成される。
発明の背景
無線システムに於いて、送信機から発した信号は、その伝搬に際して幾つかの
経路に向かって散乱されるため、同一信号の幾つかのコピーが僅かな時間差を持
ちながら受信機に到達する。このことは、そうした信号コピーが同一スピードで
、異なる経路に沿って伝搬することに由来している。この信号の散乱状態は、例
えば山岳地域、地方、郊外、都心等と言った環境によって変化する。斯うした環
境に由来する信号散乱が大きくなればなるほど、一つの信号のモデル化には、よ
り多くの経路が必要になる。
データ送信システムの設計及び実施に際しての中心課題の一つは、信号間の相
互干渉を出来る限り小さくして、幾つかの同時ユーザにより信号を同時送受信す
る問題である。斯うした理由及び使用する伝送容量の観点から、幾つかの異なる
伝送プロトコル及び多重アクセス法、例えばコード分割多重アクセス(Code Divi
sion Multiple Access(CDMA))法が開発されてきた。
CDMAはスペクトラム拡散技術(spread spectrum technique)に基づいた多
重アクセス方法であって、従来の周波数分割多重アクセス(FMDA)及び時分
割多重アクセス(TDMA)に加えて、セルラ無線システムに関し、最近、適用
されるようになった方法である。CDMAは、これら従来の方法に較べて幾つか
の利点、例えば周波数計画の簡素化及びスペクトル効率と言った利点を有してい
る。以下、拡散CDMAに直接、本発明を適用した場合を例として述べる。尚、
本発明は他のシステム、例えばディジタル車輌無線等に対しても適用することが
可能である。
直接拡散CDMA方法では、ユーザの狭帯域データ信号は、このデータ信号に
較べて可成り広帯域を有する拡散コードによって、相対的に広い帯域に多重化さ
れる。公知のテストシステムで使用する帯域幅は1.25MHz、10MHz、
25MHzを含んでいる。多重化に伴って、データ信号は使用される全帯域に広
がり、全てのユーザは同じ周波数帯域を用いて同時に伝送することが出来る。分
離した拡散コードは基地局と移動局との間の各接続に関して使用され、ユーザ信
号は各ユーザの拡散コードに基づいて受信機に於いて互いに識別することが出来
る。拡散コードはその選択に当たって、それらが互いに実質的に直交するように
、即ち、それらが出来る限り小さな相関性を持つように選択するのが好ましい。
従来方法によるCDMA受信機に設けらる相関器(correlator)は
、拡散コードに基づいて識別される所望の信号と同期している。データ信号は、
伝送に使用したと同じ拡散コードによって再度多重化され、受信機に於いてもと
の帯域に復元される。他の幾つかの拡散コードによって多重化された信号は、理
想的には相互に関係付けられることはなく、従って狭帯域に復元されることはな
い。それ故、そうした信号は検出信号中に雑音として現れる。信号の多重経路信
号及び他のユーザ信号への拡散は受信信号を歪ませ、所望信号の検出を複雑にす
る。
送信器と受信機との間の接続が同期している場合、即ち信号遅延が既知である
場合は、ユーザ記号の検出は可能である。従来方法は従来型のワン−ユーザ(one
-user)遅延推定器を用いている。この方法は、或る境界条件を与えた時にだけ上
手く働くし、その具体化は簡単だが、容量的には不十分である。普通、上手く同
期を取るには、前もってユーザ記号及びチャンネルの複雑な減衰係数に関する情
報が必要である。特に非同期システム、即ちユーザ信号が互いに同期していない
システムでは、ユーザ記号が他のユーザの幾つかの記号によって妨害されるため
、信頼性のある信号受信が困難になる。しかも拡散コードに適応されるフィルタ
や、従来型の受信機で検出器として用いるスライディング相関器は有効には働か
ない。もっと効果的な公知の方法は、マルチユーザ検出器、例えば使用されてい
る拡散コードのクロス相関マトリックスを用いて受信信号を多重化し、その受信
信号から多重アクセス干渉を消去する非相関検出器(decorrelating detector)
を含んでいる。非相関検出器とその既知の実施例の詳細については、1989年
1月号の情報理論に関するIEEE Transaction、第35巻、123から136頁に
掲載のVerdu Lupasによる論文“Linear multiuser detectors for synchronous
code-division multiple access channel”及び1990年4月号
の通信に関するIEEE Transaction、第38巻に掲載のVerdu Lupasによる論文“N
ear-far resistance of multiuser detectors in asynchronous channels”に述
べられているので、ここでの説明は省略する。
発明の特徴
従って、本発明の目的は、ユーザ記号を検出する前に、且つチャンネル特性に
関する情報を必要とせずに、全てのユーザ及び経路に対して同時に遅延推定を行
う遅延推定方法を提供することである。
この目的は、添付した請求の範囲の前文に述べる種類の方法によって達成され
る。即ち、この方法は遅延推定を行う経路を決定する段階と、使用される波形情
報を含む使用すべきコードバンクモデルを決定する段階と、遅延推定のために決
定した経路を一度に一つ選択する段階と、所望の探索期間内で、選択した一つの
経路の遅延を一度変化させると共に、他の経路の遅延を不変に保つようにして、
受信信号とコードバンクモデル間の最小二乗最小化問題を解いて、遅延特定最小
化結果を形成する段階と、この最小化結果に対応する遅延を探索すると共に、最
小結果が同経路の他の遅延に対する結果より小さいか又は等しいかを探索し、探
索した遅延推定である遅延を記憶し、他の経路の探索に際して、上記記遅延推定
をこの経路の一定値として利用する段階とからなることを特徴としている。
本発明による受信機は、経路モデル手段、コードバンクモデル手段、及び遅延
手段を含み、この遅延手段は信号、推定対象経路に関する経路モデル手段からの
情報、及びコードバンクモデル手段からのコードバンクモデルを受信するように
構成され、また、この遅延手段は、特に各経路に関して以下の遅延推定手続きを
実行するように構成される。即ち、最小化結果を与えるため、受信信号とコード
バンクモデル手段のコードバンクモデルとの間の最小化問題を解き、この最小化
問題を解くに当たっては、一度に一経路だけの遅延を変化させると共に、他の経
路を不変に保ち、最小化結果が同経路の他の遅延に関する結果より小さいか又は
等しい遅延を探索し、探索された遅延推定である上記遅延を記憶して、この遅延
を他の経路の遅延探索時には、一定値として利用することを特徴としている。
本発明による方法及びこの方法を適用する受信機は可成りな利点を提供する。
即ち、全てのユーザの全経路の遅延を同時に考慮することが出来る。また、遅延
推定の形成に当たって、ユーザ記号及びチャンネルの複雑な減衰係数を知る必要
がない。更にまた、既知のパラメータを考慮し、本発明に組み合わせることが可
能である。
図面の簡単な説明
以下、添付図面に示す例を参照して本発明を詳しく説明する。図中、
図1は二次元遅延空間を示す図、
図2は遅延空間及び補正遅延位置を示す図、
図3は異なる経路を持つgの値を一経路の拡散コードの関数として示す図、
図4は最小化ベクトルz及び異なる経路を持つg示す図、
図5は典型的受信機の構成を示す図、そして
図6は無線システムを示す図である。
好適実施例の説明
本発明による構成は、特にCDMAシステム及びディジタル車輌無線システム
に適用可能であるが、これに限定されるものではない。本発明が適用可能な他の
例としては、例えばFDMA及びTDM
Aシステムが挙げられる。
ここでは、本発明による構成を主としてCDMAシステムに適用した場合につ
いて調べる。本発明による構成では、受信後、或る方法で前処理した信号はサン
プリングされる。この前処理は、例えばアナログ又はディジタル濾過処理から成
っている。サンプリングした受信信号は、少なくとも一つのデータ記号に関して
継続する観察時間間隔の間に検査され、この検査に基づいて受信遅延の推定が行
われる。
本発明による受信方法は同期システム及び非同期システムの両方に対して適用
することが可能である。また、この方法はユーザの数や、各ユーザの多重経路伝
搬信号の成分数に関係なく適用が可能である。
一般に、受信非同期CDMA信号r(t)は次式によって表される。
ここで、αklmは複合チャンネル減衰係数、bkmはユーザビット又は組合せビ
ット、Sk(t)はユーザの拡散コードシーケンス/波形、dklmは非同期性によっ
て生じた遅延、n(t)は雑音、Tは記号期間である。ユーザ数k(t)は時間と共に変
化する関数であり、M(k)は伝送される記号の数、そしてL(t,k)は時間及びユーザ
に依存する受信信号の成分数、即ちL(t,k)は信号が伝搬してきた経路数に対応す
る。異なるユーザに対して多重経路を伝搬してきた信号成分の数は時間と共に変
化するから、L(t,k)は時間の関数となる。また、同式(1)をマトリックス形式
で次のように表現することが出来る。
ここで、b=(bkm)、A=diag(a)は対角行列であって、a=(αklm)、nは雑音項
、そしてSdは拡散コードマトリックス、即ち遅延ベクトルd=(d1、d2、...dp)を
パラメータとするコードバンクモデルである。従って、遅延dは以下の二重最小
化関数を用いて推定することが可能であることが分かる。
変数zに関する最小二乗最小化は、どの様な最小二乗法によっても実施するこ
とが可能であり、この点については、1996年米国
rical Methods for Least Squares Problems”に詳しく述べられているので、そ
の説明は省略する。この場合、Hesteness-Stiefelの共役勾配法は、解への急速
収斂と言う点からみて特に有利である。このHesteness-Stiefelの共役勾配法は
、1983年Springer-Verlagで発表のJ.Stoer、及びR.Bulirschの論文(572
−576頁)“Introduction to Numerical Analysis”で詳しく述べられている
ので、ここでの説明は省略する。遅延d=(d1、d2、...dp)に関する最小化は、一
度に一経路の遅延代替値dk=0,1,...(サンプルシーケンスの長さ−1)を調べ、
最小化遅延を選択することによって実行される。
或るシステムにとって固有な問題を解くための典型的なアルゴリズムは、例え
ば以下の通りである。
全てのユーザに関する全ての所定経路のインデックスセットをA={1,2,...,P
}とし、d=(d1、d2、...dp)を割り当てる。このdの初期値はゼロである。Sdを
使用するコードバンクモデルとし、遅延dに対応するさせる。
1)経路Aのセットから一経路、例えばkを選択する。
2)各j=0,1,2,...,clk-1に関して、以下の最小二乗問題を解く。
ここで、d=(d1、d2、...、dk、...、dp)、dk=(j+dka)mod clk、dkaは経路k
の初期遅延である。
3)全てのj=0,1,2,...,clk-1に関して、g(j)>=g(j0)となる特性を持つj0を
求め、dk=(j+dka)mod clkを割り当てる。
4)上記ステップをAの全ての経路について実施する。
上記アルゴリズムに於いて、信号はサンプリング周期でサンプルされるから、
clkはkth経路の信号サンプルシーケンスの長さに関連している。例えば、CD
MAシステムでは、経路モデルが一拡散コードの経路数を決定する。異なる経路
に沿って伝搬してきた信号成分の非同時性は、経路モデルの各経路に関して推定
される遅延を用いてモニタする。コードバンクモデルは使用する拡散コード及び
それらの挙動、例えばそれらの周期性/非周期性を決定する。また、コードバン
クモデルは、拡散コードが経路に沿って伝搬してきた散乱信号を如何にモデル化
しているかを示す情報を含んでいる。斯うした場合、CDMA信号がそれぞれの
経路を持った幾つかの異なる拡散コードを含んでいたとしても、一つのコードの
多重経路伝搬をモデル化することが可能である。また、経路は不完全な信号モデ
ルによってもモデル化することが可能である。即ち、コードバンクモデルは部分
的に省くことが可能である。
上記ステップ1から4までのアルゴリズムは、初回のアルゴリズム実行に続く
繰り返し実行時に、遅延dがその前の繰り返し実行時の遅延値を取るように少な
くとも一回実行される。アルゴリズムの
一回の実行で、最も強い経路の最小値を最小化関数の実行中に遅延空間から見つ
けることもあるが、経路が弱い場合には、その最小値は必ずしも直ちには見つけ
られない。しかし、アルゴリズムを繰り返せば、所定経路の必要な遅延の推定を
可能にするような最も弱い経路を見出すことも可能である。
最小二乗解は、ヘストネス−スティーフェル共役勾配アルゴリズム(Hestness
-Stiefel conjugate gradient algorithm:HS−CGアルゴリズム)等による
推定が可能であるのが好ましい。共役勾配アルゴリズムは、(n+1)回目の繰り
返しに関して、前回、即ちnth回目の繰り返し時の結果を利用する。そうでない
場合には、HS−CGアルゴリズムの初期値はゼロである。拡散コードはゴール
ドコード(Gold code)等であるのが好ましい。
次ぎに、本発明による方法を無線システムに適用する場合について詳しく調べ
る。CDMA信号は典型的には、同一帯域にある幾つかの拡散コードを含み、各
拡散コードによって発生される信号は散乱される。遅延はこの各拡散コードに対
応する散乱信号に関して推定しなければならない。コードバンクは、システム毎
に別々に決められ、使用される拡散コードの散乱の仕方及び特性をモデル化する
のに用いられる。特に、強調しておきたいことは、コードバンクモデルは不完全
であっても良い点である。即ち、コードバンクモデルが同時に、CDMA信号の
全ての拡散コードを含んでいることは必ずしも必要ではなく、例えばただ一個の
拡散コードだけがあっても、それは不完全な仕方でモデル化されると言うことで
ある。言い換えれば、幾つかの異なったコードバンクモデル、即ち完全なモデル
から一個の拡散コードしか含んでいないモデルと言った異なったコードバンクモ
デルを同じCDMA信号に適用することが可能である。拡散コードに加えて、遅
延及び経路モデルもまたコードバンクモ
デルの構造に影響を与える。
使用する経路モデルは、コードバンクが各拡散コードに関して幾つの経路を含
んでいるかを決定し、異なる拡散コードは異なる数の経路を持つことが出来る。
遅延アルゴリズムは経路−特定形式で与えられる。遅延は経路総数に従って各経
路毎に別々に定められ、経路モデルが必要とする拡散コード又はその一部は各経
路に関して用いられる。
受信CDMA信号に対しては、使用すべきコードバンクモデル及び経路モデル
を選択する。コードバンクモデル内の拡散コードに対応する経路の遅延値だけを
推定する。最初、遅延値に関する更に正確な情報が利用できない限り、全ての経
路の遅延値をゼロにセットする。その後、経路の全ての所望遅延値を検査し、C
DMA信号とコードバンクモデルと間の最小二乗問題を検査下にある各遅延に関
して解くまで、初期値から一度に一遅延ステップずつ検査下にある経路の遅延値
を経路毎にシフトして遅延値を定めて行く。最小二乗値に対応する遅延値は経路
の遅延値として割り当てられる。検査下にある経路以外の経路の遅延値は一定に
保たれる。即ち、検査下にある経路の遅延値だけを変更する。全ての経路は前述
の操作を受け、少なくとも一度は検査を受けるのが好ましい。そして、アルゴリ
ズムを連続して数回実行する場合には、前回に得た遅延値を次回の初期値として
セットすることができる。上記のアルゴリズムは、経路モデルに於いて幾つかの
経路の遅延値が既知と考えられ、したがってアルゴリズム実行に際して、これら
経路の遅延値をわざわざ探索せずに済むように変更することも出来る。
図1は遅延空間内で如何に遅延探索が行われるかを示す図である。二つの経路
だけの場合、遅延空間は二次元空間となる。経路paの遅延値をdx軸上に取り
、経路pbの遅延値をdy軸上に取る。
探索は、一つの経路以外の他の全ての経路の遅延値を所定値に保つようにして実
施される。この場合、この一つの経路の値、この場合pbは、その他の経路、こ
の場合paの遅延値に関して変化する。経路paの固定遅延値をdaとする。斯う
した場合、遅延空間を通した探索は、例えば経路pbの遅延値db=0から開始
され、経路pbに対応するコードの他端に到達するまで図の上方に向かって探索
処理が進められる。このとき、重要な要因は探索の始点と終点ではなく、所望の
探索領域がアルゴリズムを用いて検査されると言う事実である。上記アルゴリズ
ムのステップ2で求めた複数の最小値は、これら最小値の中で最も小さい値が最
良の相関関係に対応する、と言った種類の相関関係に対応している。これら最小
値の中の最も小さいものは、上記アルゴリズムのステップ3で選択される。斯う
した場合、経路pbの拡散コードの始点から終点までの距離に関して、最小化関
数は遅延値に関する最も小さい値を求める。即ち、この値は点db=dbminに在
る。本発明の好適実施例では、遅延空間に於ける移動は空間の座標軸方向だけに
起きるから、最小化関数を極めて高速に解くことが出来る。経路pが全部で10
0個在って、記号の長さmが200である場合、一般形の最小化関数を解くには
、mp=200100個の点を検査しなければならない。しかし、遅延空間の座標軸
方向だけに移動が行われれば、求める点の数は従前のものよりも実質的に減少す
る。即ち、mp=200x100=20000となる。
図2は二次元遅延空間、及び異なる遅延組合せを持つ三次元での最小化問題に
関する関数gの動きを示す図である。関数gは遅延軸dx及びdyによって形成
される面上で区域的に小さいな値を求める関数である。ここで、経路pbの遅延
を調べてみる。例えば、点dxaから遅延軸dy方向に出発すると、典型的には二
つの欠け目(
チップ)幅に沿う低区域を含む点dbmin=23に到達する。この区域が確認され
たら、この経路の拡散コードに関する遅延を記憶し、遅延軸dx方向にある経路
paの最も小さい値を持つ区域を確認することができ、その値は点damin22内
に見出せる。それ故、経路pa及びpbに関する関数gの最小値は、点(damin、
dbmin)=(22、23)から分かり、これはまたアルゴリズムのステップ3に
於ける最小化関数の解を構成する。典型的には、関数gの一つの最小点(damin
、dbmin)は優性であって、遅延空間内の他の点は遥かに大きな値を取る。しか
し、信号経路について、更に多くの遅延を探索することは一般には有用である。
例えば、CDMAシステムでは、一般に1.25MHzの帯域を利用し、一拡散
コードに対して三つの信号経路の利用を可能にしている。更に多くの経路をより
大きな周波数帯域に関して利用することが可能である。
図3は異なる遅延を用いた値min |r-Sdz|=g(j)の詳細を示す図である。これ
らの値は、異なる経路の拡散コード間に於ける相関の種類を表す。この図では、
y軸上にgの値を取り、x軸上には、サンプリング精度を用いて経路拡散コード
を取ってある。gの値は、信号密度関数がその経路特定の最大値を取るとき、最
小値を取る。
図4は最小二乗を最小化するベクトルz及び異なる遅延についてのgの値を示
している。拡散コードの遅延が変化すると、最小化ベクトルz1、z2、z3は変化す
ると共に、対応する最小値は異なる点、例えばg(d1)、g(d2)、g(d3)にシフトさ
れる。斯うして、アルゴリズムのステップ2では、各経路及び遅延に関して、最
小化ベクトル及び最小値が別々に計算されなければならない。マトリックスSdは
経路モデル、コードバンクモデル、及び遅延を用いて直接決定され、遅延を持つ
拡散コードの経路をモデル化する。
多次元空間に於いても、或る経路に関して正確な推定dを行うことは可能であ
る。この場合、本発明のアルゴリズムのステップ2による最小化は、問題の遅延
軸に関して実行されない。
図5は典型的な受信機の構成を示す図である。この受信機はアンテナ60、無
線周波手段61、検出手段62、遅延手段64、経路モデル手段63、コードバ
ンクモデル手段65、及び制御手段66を含んでいる。次ぎに、この本発明によ
る受信機の動作を詳しく調べる。アンテナ60は信号を受信し、その周波数は無
線周波手段61によって中間周波数に変換される。例えば、受信信号を局部発信
器の周波数によって多重化すると共に、低域通過フィルタを介して高周波を除去
することによって変換する。この中間周波信号は検出手段62及び遅延手段64
の両方に伝搬する。検出手段62では、中間周波信号は、その検出を容易にする
ため、先ずディジタル信号に変換され、次いでディジタル信号処理手段によって
処理される。この場合、信号は例えば復調され、伝送ビットは検出され、検出ビ
ットは受信機によって、ユーザ又はネットワークの他の部分に伝送される。次い
で、遅延手段64は本発明による方法を用いて、異なる拡散コードに関する経路
に従って遅延を形成し、検出手段62は異なる経路に沿って到達した多重信号を
組合せる際にこの遅延を利用する。多重経路受信に於いて、最も一般的なダイバ
ーシティ受信機は検出の前又は後に信号を組合せる。そして、この受信機は、例
えば選択組合せ、最大比率組合せ、及び等利得組合せを含んでいる。通常、多重
経路信号はヴィテルビ(Viterbi)の検出法によって検出される。この場合、信号
は検出後に組み合わされる。しかし、最も好ましいのは検出前に信号を組み合わ
せることである。その理由は、そうすることによって、より大きい信号増幅が得
られるからである。遅延手段64は、各システムに対して特定なコードバンクモ
デル手段65及び経路モデル手段63の情報を利用する。経路モデル63の内容
もまた環境に依存する。例えば、都市部に於ける経路モデル63の内容は地方の
ものと異なっていなければならない。コードバンクモデル手段65は使用する拡
散コード、コードの散乱の仕方及び可能な周期、及び各経路がどの様にモデル化
されているかについての情報を含んでいる。コードバンクモデル手段及び経路モ
デル手段両者の内容は状況、環境、及び必要に応じて変更することが可能である
。制御手段66は受信機の動作を制御する。
受信機は、一般に無線システムで使用される要素及び部品を利用して実施する
ことが可能である。アンテナ60は一つ又は幾つかの要素を含む従来型のアンテ
ナであって良い。無線周波手段61は従来型の無線周波電子部品で構成される。
ディジタル信号処理手段62から66はASIC又はVLSI回路によって実施
することが可能であって、その動作又は動作制御は、例えばマイクロプロセッサ
技術を用いて実現される。
図6は典型的な無線システムを示し、このシステムは基地局70、加入者端末
71、72、及び異なる経路73から77を取る多重経路信号を含んでいる。基
地局70は無線システムのもう一つ他のネットワークサブシステム(図示しない
)に接続さる。このネットワークサブシステムは、例えば少なくとも一つの基地
局は制御装置及び移動サービス交換センターを含み、この移動サービス交換セン
ターは他の交換センター及び他の電話システム等に接続される。
本発明による方法では、異なる長さを有し、例えば周期的に又は常時変化する
幾つかの拡散コードを、一使用者が用いることも出来る。
また、本発明による方法は、実際の拡散コードを利用する無線システム以外の
無線システムにも利用可能である。拡散コードは複数
ビット又はビットの組合せを代表する信号波形の一例にすぎない。CDMAシス
テムでは、拡散コードは波形の関数であると仮定しているが、これに対してTD
MAでは四つの異なる波形を用いている。波形は各システムに関して特定化され
る。本発明の方法は無線システムに依存しないが、データ伝送に使用される波形
を知ることが本方法の本質である。よく知られている通り、ディジタルデータの
伝送では、使用する波形及びその使用法は公知である。
本発明の好適実施例では、異なる経路が並行処理によって同時に推定できるか
ら、推定処理は手早く片づけられる。また、少なくとも数個の経路間の遅延が一
定であるとすることによっても推定処理が促進される。この場合、一経路の遅延
を決めることによって、これら全ての経路の遅延をモデル化することが可能にな
り、それ故、これら経路の遅延は探索に当たって同時に変化する。
以上、本発明を添付図面に図示の例を参照して述べたが、本発明はそれらに限
定されるものではなく、添付特許請求の範囲に開示の本発明の観念の範囲に於い
て、幾つかの方法に修正可能であることは明らかである。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F
I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE
,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,
LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M
X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE
,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,
UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.送信機及び受信機として少なくとも一つの基地局(70)及び加入者端末 (71、72)を有する無線システム用遅延推定方法であって、該システムにお いて信号は波形を含み、受信信号又は前処理した信号をサンプリングし、一つ又 は幾つかの送信機から発せられ、かつ典型的には幾つかの経路(73〜77)に 沿って伝搬してきた受信信号から相互遅延を推定する無線システム用遅延推定方 法であって、この方法は、 推定する経路(73〜77)を決定する段階と、 使用される波形情報を含む使用すべきコードバンクモデルを決定する段階と、 遅延推定のため、決定した経路(73〜77)を一度に一つ選択する段階と、 これらの経路に関し、所望の探索間隔内で、一度に一つの選択した経路(73 〜77)のみの遅延を変化させると共に、他の経路(73〜77)の遅延を不変 に保つようにして、受信信号とコードバンクモデル間の最小二乗最小化問題を解 いて、遅延特定最小化結果(30)を形成する段階と、 この最小化結果(30)に対応する遅延を探索すると共に、どの最小化結果( 31)が同経路(73〜77)の他の遅延に関する結果より小さいか又は等しい かを探索し、探索した遅延推定(22、23)である前記遅延を記憶し、他の経 路(73〜77)の遅延の探索時に、前記経路(73〜77)の一定値として前 記遅延を利用する段階とからなることを特徴とする無線システム用遅延推定方法 。 2.前記方法は少なくとも2回実行され、初回の実行で推定した 遅延を第2回目の実行に於いて利用することを特徴とする請求項1に記載の方法 。 3.受信信号とコードバンクモデル間の最小二乗最小化問題は、ヘストネス− スティーフェル共役勾配アルゴリズムに類似のアルゴリズムを用いて解くことを 特徴とする請求項1に記載の方法。 4.異なる経路の遅延は、サンプリング周波数間隔の精度によって決定される ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 5.幾つかの経路の遅延が既知であれば、経路の未知の遅延だけが推定される ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 6.CDMAシステム又はそれと同等システムに於いては、拡散コードが波形 に対応しているとき、ゴールドコードを拡散コードとして用いることを特徴とす る請求項1に記載の方法。 7.状況又は必要に従って変更できるモデルは、経路モデルとして利用される ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 8.状況又は必要に従って変更できるモデルは、コードバンクモデルとして利 用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 9.送信機及び受信機として波形を含む信号を有した少なくとも一つの基地局 (70)及び加入者端末(71、72)を有する無線システム用に構成された受 信機であって、該システムにおいて受信機は受信信号又は前処理した信号をサン プリングし、信号からの相互遅延を推定するように構成されており、該信号は一 つ又は幾つかの送信機から発せられ、かつ典型的には幾つかの経路(73〜77 )に沿って伝搬してきた多重経路信号である無線システム用受信機であって、こ の受信機は経路モデル手段(63)、コードバンクモデル手段(65)及び遅延 手段(64)を含み、 前記遅延手段(64)は信号、推定対象経路に関する経路モデル手段(63) からの情報、及びコードバンクモデル手段(65)か らのコードバンクモデルを受信するように構成され、 前記遅延手段(64)は、特に各経路に関して以下の遅延推定手続きを実行す るように構成され、この手続きは、 最小化結果(30)を与えるため、受信信号とコードバンクモデル手段(65 )のコードバンクモデルとの間の最小二乗最小化問題を解き、この最小化問題を 解くに当たっては、一度に一経路だけの遅延を変化させると共に、他の経路を不 変に保つ段階と、 最小化結果(31)が同経路の他の遅延に関する結果より小さいか又は等しい 遅延を探索する段階と、 探索された遅延推定(22、23)である前記遅延を記憶して、この遅延を他 の経路の遅延探索に際して、一定値として利用する段階とからなることを特徴と する無線システム用受信機。 10.遅延手段(64)は遅延推定方法を少なくとも2回実行し、前回の実行 で推定された遅延を利用することを特徴とする請求項9に記載の受信機。 11.遅延手段(64)は、受信信号とコードバンクモデル間の最小二乗最小 化問題を解くため、ヘストネス−スティーフェル共役勾配アルゴリズムに類似の アルゴリズムを用いるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の 受信機。 12.遅延手段(64)は、サンプリング周波数によって可能とされる精度で 経路遅延を決定するように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の受 信機。 13.幾つかの経路の遅延が既知の時、遅延手段(64)は経路の未知の遅延 だけを決定するように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の受信機 。 14.経路モデル手段(63)の経路モデルは、状況又は必要に従って変更で きることを特徴とする請求項9に記載の受信機。 15.コードバンクモデル手段(65)のコードバンクモデルは、状況又は必 要に従って変更できることを特徴とする請求項9に記載の受信機。 16.CDMAシステム又はそれと同等システムに於いては、拡散コードが波 形に対応している場合、遅延手段(64)は、ゴールドコードが拡散コードとし て用いられる時に動作するように構成されていることを特徴とする請求項9に記 載の受信機。
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