JP2000515767A - 微生物により触媒される反応における基質の使用を計測するための方法及び装置 - Google Patents

微生物により触媒される反応における基質の使用を計測するための方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、微生物により触媒される反応において基質の消費を計測するための定量的な方法である。本法は、前記基質が所定の終点まで酸化されるまで、過剰の微生物及び過剰のコ−基質と共に前記サンプル基質をインキュベートし、そしてコ−基質の還元量を計測することを含む。本法は、サンプル基質のBOD又は生物学的毒性の迅速な測定のために使用されることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 微生物により触媒される反応における基質の使用を計測するための方法及び装置 技術分野 本発明は、生物学的反応において消費される反応体を計測する方法に関する。 より特に、本発明は、微生物により触媒される反応における基質の消費の計測の ための定量的な方法に関する。好ましくは、本発明は、等価なメディアター要求 を計測することによるサンプルの生物学的酸素要求量(BOD)の計測、又はサンプ ルの存在により引き起こされるメディアター変換の量の混乱によるサンプルの生 物学的毒性の計測に関する。 背景技術 生物学的酸素要求量は、所定の期間(通常5日間)20℃でインキュベートされ るとき、水サンプル中に存在する有機化合物上での微生物の成長の呼吸活動によ り取り込まれる酸素の量である。それは、水の有機汚染の程度の尺度である。 BODを計測する慣用の方法における欠点は、一部、水中の酸素の低レベルの 溶解度のために、そして一部、種材料中の低い微生物濃度のために、そうするこ とが5日間までかかるということである。 サンプルのBODを迅速に測定するための非生物学的方法は、米国特許第3,725,2 36号及び米国特許第3,857,761号中に記載されている。これらの特許は、BODを計 算するために計測される酸素を作るための装置内の水性サンプルの実質的に消耗 的な電気化学的酸化に関する。 米国特許第5,085,757は、現場での液体のBODを迅速に測定するための他の装置 を記載している。この装置は、ひじょうに複雑なものである。BODの測定方法は 、培養基を使用する生物化学的反応、そして一定時間期間にわたり溶存酸素含量 の変化を計測し、そしてBODを測定するために換算することを含む。 米国特許第5,518,893号は、BODを測定するために迅速な方法に向けられている 。知られた微生物の培養物が、その微生物に利用されることができる有機物を消 費するように通気される。テストされるべき液体のサンプルが添加され、そして その微生物により消費される酸素の量が測定され、そしてこれからBODが計算さ れる。この計測を行うための装置が記載されている。 GB 2,189,605は、連続液流中の汚染の検出方法を記載している。この方法は、 流れている液体の一部を採取し、そしてそれを相溶性の電子伝達メディアターに 添加することを含む。この混合物を、バクテリアを含有するセンサー・セルに供 給する。バクテリアの活動を刺激し、そしてそのセル内の電極における活性レベ ルを、そのメディアターからの電子伝達により計測する。 EP 255291とEP 470649は、共に、水性液体サンプルの成分の電気化学的計測又 は検出を行うための方法及び装置を記載している。分析されるべき成分を含有す るサンプルが、相当量の、電気化学的に酸化性又は還元性の物質を作り出すこと を可能にする。次に、これを電気化学的に酸化又は還元して、上記セル内の酸化 性又は還元性物質の量を、上記物質の定量の指標として計測する。 米国特許第5,413,690号は、バイオセンサー・テスト・ストリップ及び液体サ ンプルからのアナライトの検出又は計測のための方法に関する。これは、アナラ イト、酵素、及びメディアターの化学反応の結果としてそのシステムの電位の変 化を計測することにより行 われる。 本発明の1の側面の目的は、上記装置及び方法を提供すること、又は少なくと も、公衆に有用な選択を提供することである。 本発明の開示 従って、本発明は、基質が所定の終点まで酸化されるまで、過剰の微生物及び 過剰のコ−基質と共に、基質をインキュベートし、そしてそのコ−基質の還元量 を計測することを含む、微生物により触媒される生物化学的反応におけるサンプ ル基質の消費を計測する方法から成ると概して言うことができる。 1の態様においては、本法は、上記サンプル基質のBODを測定するために使用 される。 他の態様においては、本法は、上記サンプル基質の生物学的毒性を測定するた めに使用される。 好ましくは、上記反応は、嫌気条件下で行われる。 1の態様においては、所定の終点は、還元されたコ−基質から酸化された基質 への変化率が、もはや有意でないときに、到達される。 他の態様においては、上記サンプル基質と上記コ−基質は、上記コ−基質の還 元量を計測する前に、上記微生物から分離される。 1の態様においては、上記コ−基質の還元量は、電気化学的方法により計測さ れる。 あるいは、上記コ−基質の還元量は、光学的方法により計測される。 好ましくは、上記電気化学的方法は、バルク電気分解又は電位差計によるもの である。 好ましくは、上記光学的方法は、比色計又は蛍光計によるもので ある。 別法においては、上記コ−基質の還元量は、上記メディアターを再酸化し、そ してそうする間の変化を計測することにより、計測される。 好ましくは、上記サンプル基質は、有機汚染物を含有する。 あるいは、上記サンプル基質は、栄養汚染物を含有する。 好ましくは、上記微生物は、大腸菌(Escherichia coli)、プロテウス・ブル ガリス(Proteus vulgaris)、トルロプシス・キャンディダ(Trulopsis candida )、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、トリコスポロン・クタネウム (Trichosporon cutaneum)、及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces c erevisiae)の中のいずれかである。 1の選択肢においては、上記微生物は、大腸菌(E.coli)である。 他の選択肢においては、上記微生物は、プロテウス・ブルガリス(P.vulgari s)である。 好ましくは、上記コ−基質は、ベンゾキノン、ジクロロフェノールインドフェ ノール、メチレン・グリーン、メチレン・ブルー、フェナジン・メトスルフェー ト、カリウム・ヘキサシアノフェレート(III)、レゾルフィン(resorufin)、チ オニン、トルイジン−ブルーOの中のいずれかである。 好ましくは、上記嫌気条件は、その中でインキュベーションが行われるところ のインキュベーション容器を酸素を含まない窒素で散布することにより維持され る。 好ましくは、コ−基質の再酸化及び電荷の計測は、バルク電気分解セル内で行 われる。 好ましくは、計測された電荷は、標準的なBOD計測値に変換され る。 好ましくは、必要なとき、上記インキュベーションは、フィルターを通して上 記コ−基質、サンプル基質、及び微生物を濾過することにより終了され、そのフ ィルターの細孔サイズは、そのコ−基質が濾液中にあり、そしてその微生物の実 質的に全てが保持物であるようなものである。 好ましくは、上記フィルターの細孔サイズは、0.45μmである。 好ましくは、上記コ−基質は、メディアターである。 本発明は、実施例及び図1を参照して実質的に本明細書中に記載されるように 、生物化学的酸素要求量を計測することにあるとも概して言われることができる 。 本発明は、個々に又は集合的に、本願明細書中に言及され又は示される部分、 要素、及び特徴、及びその部分、要素、又は特徴の中いずれか2以上のいずれか の又は全ての組合せにあるとも概して言われることができ、そして当業者に知ら れた均等物をもつ特定の完全物が本明細書中に言及される場合、このような均等 物は、あたかも個々に言及されるように、本明細書中に取り込まれるとみなされ る。 本発明は、上記のものにあり、そしてまた、以下のものが実施例を与えるとこ ろのその構築を、具体化する。 図面の簡単な説明 図1は、本発に係る方法においてメディアターを再酸化するための電荷が計測 されることができるところのバルク電気分解セルの断面図である。 本発明の実施態様 標準的なBOD計測(希釈法) BODは、微生物により栄養物その他汚染物の生物学的酸化において要求される 、mg/l又はppmで表される、酸素の量の計測である。伝統的には、生物学的酸 化方法において消費される酸素の量は、その開始時にそのサンプル中で計測され た量と、5日間の微生物酸化の後に残った残存酸素量とを比較することにより計 算される。BODテストの5日間の期間の間、上記微生物は、サンプル中に存在す る可溶性微生物を主に酸化する。伝統的なBOD法は、特定の時間にわたる特定の 条件下での十分に気密の瓶内にサンプルを入れることから成る。溶存酸素は、開 始時に、そしてインキュベーション後に計測される。BODは、開始と最終の溶存 酸素の間の差異から計算される。このテストは、有機材料の生物学的酸化のため に要求される酸素(炭素要求)と、無機材料、例えば、スルフィド及び第1鉄イ ンを酸化するために使用される酸素を計測する。以下の等式中、そのBODが計測 されるところの汚染物は、基質といわれる。有機材料の酸化のための一般化され た反応式は、以下のように表されることができる: 従って、上記量には、酸素要求を表し、そしてこの量は、開始及び最終時の溶 存酸素の計測から計算される。微生物が生物学的酸化を行うために使用するとこ ろのメカニズムは、呼吸鎖又は電子伝達鎖として知られている。このシーケンス の働きは、還元された化合物から電子を受容し、そしてそれを最終的に酸素に伝 達することである。それ故、酸素は、微生物の電子伝達鎖における末端の電子受 容体として振る舞う。 メディアター(Mediators) メディアターは、典型的には、コ−基質酸素への別の電子受容体として働く低 分子量の物質である。いくつかのメディアターは、微生物の電子伝達鎖内で相互 作用する能力をもち、そして生物学的酸化の進行は、酸素よりもこのメディアタ ーの状態をモニタリングすることにより追跡されることができるはずである。先 の研究(Baronian and Pasco,1993)その他(Ramsey and Turner,1988)は、バ クテリアE.coliによるグルコースの微生物酸化においてメディアター、ヘキサ シアノフェレート(III)が電子受容体として働く能力について証明している。 このメディアターは、E.coliの呼吸サイクル内の酸化還元タンパク質の中の1 により還元されると信じられており、ここで、ヘキサシアノフェレート(III) は、その呼吸サイクル内で酸素に置き代わる。メディアターは、電極において可 逆に反応し、そして酸素よりも低いアノード電位において反応する能力をもち、 そして他の容易に酸化された種による妨害の可能性を減少させる。この反応は、 酸素から完全に独立しており、そして嫌気環境においてセンサーが働くことを可 能にする。 メディアターは、本発明に係る好ましいコ−基質である。 クーロメトリー(Coulometry)によるバルク電気分解 本技術においては、アナライトは、電極に固定された電圧又は固定された電流 のいずれから加えることにより完全に又は部分的に電気分解される。電流は、そ の電気分解の経過の間、積分され、そして合計電荷が、電気分解された材料の量 を計算するために使用される。微生物の酸化段階において生成された、還元され たメディアターは、上記アナライトであり、そしてバルク電気分解セルのアノー ドにおいてその酸化された形態に定量的に変換され戻される。合計電荷は、アノ ードにおいて電気分解されたメディアターの量の尺度 である。本法は絶対的であり、標準試薬は必要ない。電気分解は、大きな表面積 をもつ電極、別個のアノライト成分とカソライト成分、及び撹拌の維持を使用す ることによりひじょうに速く行われることができる。 メディアターのバルク電気分解による生物化学的酸素要求量 酸素の取り込みをモニターすることよりも、本発明の方法においては、メディ アターの生物学的還元がモニターされ、そしてメディアターの消費は、バルク電 気分解セル内でのその再酸化のために要求される電荷量により計測される。メデ ィアターが微生物により触媒される生物学的酸化において他の電子受容体として 働くとき、一般化された等式(式2)は、以下のように表されることができる: メディアターの生物学的酸化により作られる還元されたメディアターの量(式 3)は、そのメディアターをその酸化形態にバルク電気分解して戻すことにより 、いずれかの段階において測定されることができる。 メディアターの再酸化のための電荷量(式4)は、微生物により触媒される方 法(式3)から得られる酸化量の直接的な尺度であり、そしてこの量は、電気分 解の経過の間に電流の積分(クーロメトリー)から得られる。仲介された生物学 的反応は、(式3)は、溶液相反応であり、そして電気分解反応から完全に独立 して生じることができる。微生物酸化の程度は、還元されたメディアターを電気 分解することにより、いずれかの時に計測されることができる。微生物による変 換と電気分解による再変換は、所望により、同一容器 内で生じることができる。 バルク電気分解法は、微生物又はメディアターのいずれかを固定化する必要性 を回避し、そして生物学的に還元されたメディアターは、それをその酸化状態に 電気分解して戻すための電荷を計測することにより定量的に測定されることがで きる。それ故、この技術は、等価なメディアター要求を計測することにより、酸 素要求の他の尺度を提供する。 メディアター要求 本発に係る方法において使用される好ましいメディアターは: 微生物の電子輸送鎖内で相互作用する能力; 生物学的環境(水性溶液、生物にとって適当なpH及びイオン強度)における安 定性; 酸化形態及び還元形態の両者における安定性; 微生物に対する非毒性;及び 好ましくは低い酸化還元電位、 を有する。 多くのメディアターが、上記要求の全てを、いくつかは、部分的に、満たす。 以下の非綱羅的なリストは、微生物と共に使用されてきたメディアター:ベンゾ キノン、ジクロロフェノールインドフェノール、メチレン・グリーン、メチレン ・ブルー、フェナジン・メトスルフェート、カリウム・ヘキサシアノフェレート (III)、レゾラフィン、チオニン、トルイジン−ブルーOを含む。他の好適な メディアターも当業者には知られるであろう。 本発明に係る方法においては、その計測は、微生物細胞のメディアターの量が サンプルに対して過剰にあるところの微生物により触媒される酸化還元反応にお いて変換されるメディアターの量を計測することにより行われる。サンプル変換 のためにとられる時間は、 開始条件により最小化され、そしてサンプルは、律速試薬となる。変換されるメ ディアターの量は、(例えば、電気化学的又は光学的技術を使用して)容易に測 定され、そして変換された基質の尺度であり、これは、次に、微生物の活動に関 係付けられる。微生物細胞とメディアターの高い開始濃度の使用によりもたらさ れる基質の実質的変換のために必要な短い継続時間は、存在するサンプルの量の 測定のためのひじょうに速い方法を提供する。 本法の利点は、以下の非限定的実施例により証明されるであろう。 実施例1:バクテリアの増殖 大腸菌(E.coli)を、トリプチカーゼ(trypticase)大豆成長ブロス中で一夜 培養し、収穫し、そしてホスフェート緩衝液化生理食塩水溶液(0.05M KH2PO4 /K2HPO4 pH7及び0.1M KCl)中に、0.380の吸光度(OD600)まで再懸濁させた 。 実施例2:基質なしでのメディアターの細胞による還元 新鮮な微生物細胞は、外因性基質、例えば、グルコース、又はグルタミン酸の 非存在下で酸化還元メディアターを還元する能力をもつが、内因性応答は、それ らが最小培地中に維持される場合、細胞が加齢すると共に、衰退する。 18mlのE.coli懸濁液と5.4mlのカリウム・ヘキサシアノフェレート(III)か ら調製された混合物を、30分間、インキュベートした。微生物の活動を、上記混 合物からE.coliを分離するための0.45μmフィルターを通してその混合物を濾 過することにより、終わらせた。 実施例3:基質によるメディアターの細胞による還元 18mlの再懸濁されたE.coli、5.4mlの0.25Mのカリウム・ヘキサシアノフェレ ート(III)、及び0.9mlの0.025Mグルコースから 作られた混合物を、30分間、インキュベートした。微生物の働きを、0.45μmの フィルターを通して上記混合物を濾過することにより終わらせた。 実施例4:バルク電気分解 実施例2と3に記載したような細胞による還元により生成された、還元された メディアターを、クーロメリー法を用いたバルク電気分解を使用して、定量的に 再酸化した。これを、図1中の電気分解セルを参照して説明する。 本発明に係る方法において使用されるバルク電気分解装置は、反応成分を入れ るための、外容器、1(ガラス)を含む。この容器は、内容器3により、アノラ イト区画6とカソライト区画2に分離される。可溶性種とイオンの交換は、内容 器3の底を形作る焼結ガラス・ディスク5を介して生じることができる。筒状の 白金網状(gauze)電極が、アノード4とカソード8の両者のために使用される。A g/AgCl参照電極7が、内容器3内のアノライト区画6内に提供される。内容器 3は、容器1の底11から垂直にそれを配置する一連の半環状足9をもつ。カソラ イトが、ディスク5の底と底11の上の間の領域を通って自由に流れることができ るように、上記足の間にギャップ10が在る。 アノード8の電位は、バルク電気分解の間、Ag/AgCl参照電極7に対して+40 0mVに設定された。休止電位は、各バルク電気分解の前及び完結時に計測された 。アナライトは、インキュベーション反応(実施例2と3)からの還元されたメ ディアターを含む。カソライトの組成は、決定的なものではない。バッファーの 水性溶液又はアナライトについて記載されたような酸化されたメディアターが、 使用された。 実施例5:基質(対照)のBOD測定 基質溶液のBODを、Hach Manometric BOD装置を使用して、独立して測定した。 Hach Manometric BOD装置Model 2173Aのマニュアル、及びHach BOD Technical I nformation Series(Booklet 7)中に概説された標準的な手順に従った。E.col i懸濁液(OD600 0.380)を、種バクテリアとして使用した。24.4mlの全容量中のグ ルコース(0.9ml、0.025M)は、165mg/lの濃度及び121mg/lのBOD要求量に等 しい。BOD 200(グルコース150mg/l、グルタミン酸150mg/l)及びBOD 100(グ ルコース150mg/l)の標準溶液を調製し、そして2連のBOD計測を、種E.coli懸 濁液のBODと共に行った。 実施例6:基質なしでのメディアターの細胞による還元 30分間のインキュベーション後に、微生物により還元されたメディアターを再 酸化するために要求される電荷の量を、実施例4に記載したバルク電気分解方法 を使用して計測した。電気分解を、その電流がその開始値の1%に減少したとき に、終わらせた。4つのサンプルを測定し、そしてそれらの結果を表1に示す。 表1:メディアターの還元、基質なし 実施例7:基質を用いた、メディアターの細胞による還元 30分間のインキュベーション後に、外因性基質(D−グルコース、0.025M) の存在下で、微生物により還元されたメディアターを再酸化するために必要な、 電荷の量を、実施例4に記載されたバルク電気分解法を使用して計測した。これ らの結果を表2中に示す。 表2:添加された基質を用いたメディアターの還元 表1と表2中に得られた結果は、メディアターの微生物により触媒された還元 が、基質の存在下で増加されることを示している。表1中の4つの内因的応答の 平均は、0.276クーロンであり、一方、添加された基質を用いた表2の計測値の 平均は、0.731クーロンである。この差異は、有意であるが、基質の完全な変換 に基づいて予測されるであろうものよりもかなり小さい。1μmolのグルコース の化学量論的酸化は、24μmolの還元されたメディアター(カリウム・ヘキサシア ノフェレート(II))を作り出し、そして2.316クーロンに等しい。22.5μmolのグ ルコースの完全な酸化のために必要な理論的電荷は、52.1クーロンである。表2 中のバルク電気分解計測値は、利用できるグルコースの、ほんの小さな割合、上 記数字に基づき約1%が、30分間のインキュベーション期間において微生物によ り酸化されていることを示している。これは、過剰の基質を示している。より大 きな変換を達成するために、微生物の細胞濃度が増加されることができるか、又 は基質濃度が減少されることができる。 実施例8:基質希釈によるメディアターの還元 外因性基質(D−グルコース)濃度を減少させる結果を、0.025Mグルコース の、段階的な10倍希釈により調べた。これらの結果を表3中に示す。 表3:基質希釈の効果 表3中、基質の濃度が100倍以上に希釈されるまで、記録されたクーロンの有 意な変化は存在しない。そのシグナルは、その先のレベルと有意に相違するけれ ども、それは、内因性応答単独により記録されるシグナルとは、もはや有意に相 違しない。微生物細胞の上記濃度において、そしてたった30分間のインキュベー ション期間を用いては、上記方法は、基質ありと基質なしの間を識別することは できない。 実施例9:インキュベーション時間を変化させることによるメディアターの還 元 BOD 200mg/lの標準溶液(グルコース150mg/l、グルタミン酸150mg/l )を、基質として使用し、そして微生物のインキュベーション時間を変化させる 効果を評価した。細胞とメディアターの懸濁液は、実施例1〜8中に使用したも のと同じである。インキュベーション時間変化の効果を、表4中に示す。 表4:インキュベーション時間の効果 本実施例中に使用した細胞は、実施例8中で使用した細胞と同一のバッチであ った。但し、それらは、1日加齢したものであった。 実験番号54は、実施例7の条件を繰り返したものであり、そして表2,3、及び 4中の計測値の間の良好な一致は、本法が、短期における細胞の加齢に対し敏感 でないということを証明している。実験番号55〜59において利用されることがで きるグルコースとグルタミン酸の量の完全な変換のための合計電荷は、2.67クー ロンであると計算される。微生物細胞によるグルコースの酸化は、約50%のクー ロン効率をもっと報告されている(Thurston et al.,1985)。OD600 0.401におけ る細胞を使用した、表4中の結果は、2〜4時間のインキュベーション期間が、 50%の変換に等価な還元されたメディアターの量を生成するために要求されるこ とを証明している。表3と4中に記載された結果は、60分未満での基質の100% の微生物による変換を達成するために、微生物の細胞の濃度における1000−倍の 増加が必要であったということを示している。 実施例10:高められた微生物細胞濃度を用いたメディアターの還元 E.coli細胞は、トリプチカーゼ(Trypticase)大豆成長培地中で一夜培養し 、収穫し、そしてホスフェート緩衝液化生理食塩水溶 液(0.05M KH2PO4/K2HPO4 pH7及び0.1M KCl)中に約5.5のOD600まで再懸 濁させた。 表5:高細胞濃度におけるインキュベーションの効果 基質応答 1.522μmolのグルコースの完全な酸化のために要求される理論的電荷は、3 .525クーロンである。上記30分の結果は、80%を超える変換であると解釈される 。しかしながら、60分及びそれを超える時間においては、我々は、上記理論量の 十分に過剰である電荷を観察した。これは、微生物の内因性応答又はいくつかの 他のメカニズムが、累積した電荷の実質的な部分に寄与していたことを示してい る。 実施例11:高細胞濃度においてインキュベーション時間を変化させることによ るメディアターの還元 並行した一連の計測を、上記内因性寄与を計測するために行った。これらの計 測において、メディアター単独を、実施例10において使用したものと同じバッチ の細胞と共にインキュベートした。これらの結果を、表6中に示す。 表6:高細胞濃度におけるインキュベーション時間の効果 内因性応答 上記の結果は、基質との微生物により触媒された相互作用の結果として生じた シグナルが、内因性変換のレベルにより壊滅されていることを証明している。 実施例12:高細胞濃度と嫌気条件によるメディアターの還元 上記計測を、インキュベーション期の前及び全体にわたり、酸素を含まない窒 素をその反応体に散布することにより維持した。新鮮な微生物細胞のサンプル、 OD600 5.440を、2つの等しい部分に分けた。1の部分に、メディアターと基質 を添加し、そして第2の部分を、メディアター単独と混合した。各部分を、120 分以上にわたりインキュベートし、サンプルを、60分毎にバルク電気分解の測定 のために採取した。これらの結果を表7に示す。 表7:高細胞濃度及び嫌気条件 3.122μmolのグルコースの完全な酸化のために要求される理論的電荷は、7 .207クーロンである。60分において、基質依存性応答と内因性応答の間の差異は 、5.8クーロンであり、120分において 、この差異は、6.1クーロンである。インキュベーション期の全体にわたる高細 胞濃度と嫌気環境の組合せは、より高いパーセンテージの基質変換のための条件 を提供する。基質を用いて又は用いて記録された電気化学的シグナルの間の差異 は、ひじょうに実質的なものであり、これらの数字は、60分において利用できる 基質の80%の変換、及び120分において85%の変換を示している。 インキュベーション期のさらなる調整及び最適化は、60分未満におけるほぼ完 全な基質変換のための条件を、提供し、そしてバルク電気分解と電位差計計測と の組合せにおいて、BODの迅速な測定のための基礎を提供する。 本発明の範囲内の他の変更及び組合せは、当業者に明らかであろう。 標準的なBOD溶液を使用して、メディアターを再酸化するための電荷を標準的 なBOD等価物に変換することができる。 有機材料の完全な酸化のための、一般化された反応式(I)は、その基質がグ ルコースであるとき、以下のように表される: グルコースの各モルの化学量論酸化は、コー基質として6モルの酸素を要求す る。グルコースの300mg/l溶液は、200mg/lのBOD5をもつと報告されている(A PHA 1995)。モル基準では、300mg/lのグルコースは、1.67mMに相当し、そして 化学量論酸素要求量は10mMである。200mg/lのBOD要求は、6.25mMに転換し、そ してそれ故、標準BOD5計測における5日後に生じる生物学的酸化は、62.5%変換 に等しい。水への酸素の還元についての半反応; においては、酸素の各モルは、4つの電子を受容する(式6)。標準的な300ml のサンプル瓶においては、その生物学的酸素要求量は 、1.875mmolのO2に等しい。これは、7.5Omファラデーの電荷又は724ク一ロン に等しい。従って、純粋な基質の場合、BODは1当量の電荷として表されること ができ、そして本発明の方法においては、この量は、還元されたメディアターの バルク電気分解から、又は電位差計のシフトから、実験により測定されることが できる。 実施例13:他の微生物の効果 プロテウス・ブルガリス(P.vulgaris)細胞を、トリプチカーゼ大豆成長ブロ ス中で一夜培養し、収穫し、そしてホスフェート緩衝液化生理食塩水溶液(0.05 M KH2PO4/K2HPO4 pH7及び0.1M KCl)中に5.62の吸光度(OD600)まで再懸濁 させた。60分のインキュベーション後、外因性基質(BOD5 9標準)の存在下及び 非存在下でインキュベートされた微生物により還元されたメディアターを再酸化 するために必要な電荷量を、クーロメトリー法を用いたバルク電気分解を使用し て、計測しそして表8中に示す。 表8:P.ブルガリスによる応答 表8中の結果は、より均一な変換が、P.ブルガリスを生物学的触媒として使 用する場合に得られることを示している。しかしながら、基質の変換は、E.col iが使用されたときに達成されたものよりも小さいものである。60分において、 P.ブルガリスにより達成される変換は、55%である。 実施例14:インキュベーション時間を変化させることによるメディアターの還 元 実施例9に記載されたものと同一の手順に従って、さまざまなインキュベーシ ョン時間におけるP.ブルガリスによる基質変換を調べた。BOD5 45標準溶液を 使用した結果を、表9に示す。 表9:P.ブルガリス;インキュベーション時間の効果 60,90,120、及び240分のインキュベーション時間において、生物学的な酸化 変換は、それぞれ、55,65,70と89%であった。この細胞濃度(OD600 5.70)にお いて、90分のインキュベーション時間が、標準的な5日間のBODに等価な変換の ために要求される。 実施例15:超高(Ultra-high)細胞濃度及び嫌気条件によるメディアターの還 元 実施例13に記載した計測を繰り返した。但し、より高い細胞濃度を使用した。 P.ブルガリス細胞を培養し、収穫し、そしてOD600 25.2において生理食塩水バ ッファー中に再懸濁させた。BOD5 45mg/lの標準溶液を基質として使用し、そ してこの試験からの結果を表10に示す。 表10:超高細胞濃度及び嫌気条件 表9に示す結果との比較において、表10中の細胞濃度は、4倍増加されている 。OD600 25.2において60分後に達成された変換(84%)は、OD600 5.70において 、先に240分かかっていたものにひじょうに似ている。 細胞密度と変換の間の線形関係は、その細胞濃度が基質の酸化における律速因 子であり、そして上記結果は、インキュベーション時間が、細胞濃度が高められ るときに、減少し続けるであろうということを示している。 文献
【手続補正書】 【提出日】平成11年5月27日(1999.5.27) 【補正内容】 請求の範囲 1.微生物により触媒される生化学的反応におけるサンプル基質の消費を計測 する定量的な方法であって、上記基質が所定の終点まで酸化されるまで、過剰の 微生物及び過剰のコ−基質と共に上記の基質をインキュベートし、そして上記コ −基質の還元量を計測することを含む、前記方法。 2.前記サンプル基質のBODを測定するために使用される、請求項1に記載の 方法。 3.前記サンプル基質の生物学的毒性を測定するために使用される、請求項1 に記載の方法。 4.前記反応が嫌気条件下で行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の 方法。 5.前記所定の終点が、前記還元されたコ−基質対酸化された基質の比の変化 率がもはや有意ではないときに、達成される、請求項1〜4のいずれか1項に記 載の方法。 6.前記サンプル基質と前記コ−基質が、前記コ−基質の還元量を計測する前 に、前記微生物から分離される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 7.前記コ−基質の還元量が電気化学的方法により計測される、請求項1〜6 のいずれか1項に記載の方法。 8.前記コ−基質の還元量が光学的方法により計測される、請求項1〜6のい ずれか1項に記載の方法。 9.前記コ−基質の還元量が、前記コ−基質を再酸化し、そしてそうするため の電荷を計測することにより計測される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の 方法。 10.前記微生物が、大腸菌(Escherichia coli)、プロテウス・ブルガリス( Proteus vulgaris)、トルロプシス・キャンディダ(Torulopsis candida)、バ チルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、トリコスポロン・クタネウム(Tricho sporon cutaneum)、及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisi ae)の中のいずれか1である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。 11.前記コ−基質が、ベンゾキノン、ジクロロフェノールインドフェノール、 メチレン・グリーン、メチレン・ブルー、フェナジン・メトスルフェート、カリ ウム・ヘキサシアノフェレート(III)、レゾルフィン、チオニン、トルイデン −ブルー−Oの中のいずれか1である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方 法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.微生物により触媒される生化学的反応におけるサンプル基質の消費を計測 する方法であって、上記基質が所定の終点まで酸化されるまで、過剰の微生物及 び過剰のコ−基質と共に上記の基質をインキュベートし、そして上記コ−基質の 還元量を計測することを含む、前記方法。 2.前記サンプル基質のBODを測定するために使用される、請求項1に記載の 方法。 3.前記サンプル基質の生物学的毒性を測定するために使用される、請求項1 に記載の方法。 4.前記反応が嫌気条件下で行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の 方法。 5.前記所定の終点が、前記還元されたコ−基質対酸化された基質の比の変化 率がもはや有意ではないときに、達成される、請求項1〜4のいずれか1項に記 載の方法。 6.前記サンプル基質と前記コ−基質が、前記コ−基質の還元量を計測する前 に、前記微生物から分離される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 7.前記コ−基質の還元量が電気化学的方法により計測される、請求項1〜6 のいずれか1項に記載の方法。 8.前記電気化学的方法がバルク電気分解又は電位差計のいずれかである、請 求項7に記載の方法。 9.前記コ−基質の還元量が光学的方法により計測される、請求項1〜6のい ずれか1項に記載の方法。 10.前記光学的方法が比色計又は蛍光計のいずれかである、請求項9に記載の 方法。 11.前記コ−基質の還元量が、前記メディアターを再酸化し、そしてそうする ための電荷を計測することにより計測される、請求項1〜6のいずれか1項に記 載の方法。 12.前記サンプル基質が有機汚染物を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記 載の方法。 13.前記サンプル基質が栄養汚染物を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記 載の方法。 14.前記微生物が、大腸菌(Escherichia coli)、プロテウス・ブルガリス( Proteus vulgaris)、トルロプシス・キャンディダ(Torulopsis candida)、バ チルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、トリコスポロン・クタネウム(Tricho sporon cutaneum)、及びサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisi ae)の中のいずれか1である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。 15.前記微生物が大腸菌(E.coli)である、請求項1〜13のいずれか1項に記 載の方法。 16.前記微生物がP.ブルガリスである、請求項1〜13のいずれか1項に記載 の方法。 17.前記コ−基質が、ベンゾキノン、ジクロロフェノールインドフェノール、 メチレン・グリーン、メチレン・ブルー、フェナジン・メトスルフェート、カリ ウム・ヘキサシアノフェレート(III)、レゾルフィン、チオニン、トルイデン −ブルーOの中のいずれか1である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法 。 18.前記嫌気条件が、インキュベーションがその中で行われるところのインキ ュベーション容器を酸素を含まない窒素で散布することにより維持される、請求 項4又はその従属項のいずれかに記載の方法。 19.前記コ−基質の再酸化及び電荷の計測がバルク電気分解セル 内で行われる、請求項11又はその従属項のいずれかに記載の方法。 20.前記の計測された電荷が、標準的なBOD計測値に変換される、請求項7又 はその従属項のいずれかに記載の方法。 21.前記インキュベーションが、前記コ−基質、サンプル基質、及び微生物を フィルターを通して濾過することにより終わらされ、そのフィルターの細胞サイ ズが、前記コ−基質がその濾液中に在り、そして前記微生物の実質的に全てがそ の保持物中に在るようなものである、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法 。 22.前記フィルターの細孔サイズが0.45μmである、請求項21に記載の方法。 23.前記コ−基質がメディアターである、請求項1〜22のいずれか1項に記載 の方法。
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