JP2000515933A - 弾性率の高い経糸で作られる織物の製織を改良する方法 - Google Patents
弾性率の高い経糸で作られる織物の製織を改良する方法Info
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Abstract
(57)【要約】
弾性率の高い経糸織物の製織を改良する方法において、平行な経糸(3)のシートが連続的にビーム(1)から巻き戻され、該シートは、バックローラ(4)上に送られ、杼口(9)はヘルド(7、8)を用いて形成され、上記杼口は、経糸の進行方向において、入口側では杼口の開口ポイント(15)によって、他側ではフェルポイント(10)によって定められ、緯糸は、織物を形成するようにフェルポイント(10)に近い杼口内に挿入され、その結果生じる織物は均等に引っ張られ、巻かれる。本発明によれば、経糸(3)は、該杼口の開口ポイントに隣接した領域において、該経糸の弾性率に局部的な減少(かつ熱可塑性糸の場合はその伸長)をもたらすのに十分な高さの温度に加熱され、その後該経糸は、ヘルド(7、8)に達する前に杼口内で冷却される。
Description
【発明の詳細な説明】
[発明の名称] 弾性率の高い経糸で作られる織物の製織を改良する方法
[発明の詳細な説明]
[発明の属する技術分野]
本発明は、織物の製織の分野、特に、弾性率の高い経糸で作られる織物の製織
を改良することのできる方法に関するものである。
[従来の技術]
公知のように、従来の製織織機では、経糸はビームから巻き戻され、その後バ
ックレストローラの上を通る。バックレストローラの下流では、選択された織り
方によって、種々の平行な経糸が、杼口を形成するように、交互に上方、下方に
引き出される。種々の経糸は、その後フェルポイントで再び一緒になり、ここで
コームは、緯糸の挿入毎に布地のおさ打ちを行なう。
杼口内において、糸はヘルドにより上方及び下方に引き出される。この様に引
き出されたこれらの経糸が、杼口が開いている時は、常に機械的応力を受けるこ
とは、容易に分かるであろう。これらの応力は、糸をその連続的なガイド(ヤー
ンガイド、シールドアイ、コーム、等)の上に非常にしっかりと置き、従って擦
れを生じさせ、糸の切断を引き起こし、これにより製織織機を停止させることと
なり、従って実際の製造速度を減じ、かつ得られる布地の均等性を損なう。
製織織機の設計者の中には、杼口が開くのと同期してバックレストローラに往
復運動を与えることによって、糸に与えられる応力を減少させようと試みるもの
もいる。不都合なことに、バックレストローラのかなりの重量、従ってその高い
慣性、により運動性は減少する。おさ打ちの頻度が高いだけになおさらである。
糸が受ける機械的応力は、おさ打ちの速度が速いほど大きくなることは、理解
できるであろう。従って、高速製織織機、すなわち主に、緯糸がウォータージェ
ットまたはエアジェットによって動かされるようなものに関して、経糸に対する
深刻な損傷の徴候および多数の切断を見るこ
となく、毎分1000ないし1200打の速度を超えることは困難である。経糸の弾性率
が高いだけになおさらである。
この現象は、経糸が堅いほど言えることであるが、特に、ポリアミドの製織の
間よりもポリエステルの製織の間に、より頻繁な機能不全を起こす。
本発明は、従って、杼口が開く時に糸が受ける高い機械的応力による経糸の切
断の問題を解決し、その結果、織機のおさ打ち速度を速め、同時に同一の製織の
質を維持しようとするものである。
[発明の提示]
本発明は、弾性率の高い経糸を含む織物の製織を改良する方法に関するもので
あって、
平行な経糸の層は連続的にビームから巻き戻され、
上記の層はバックレストローラの上を通り、
杼口はヘルドにより形成され、上記杼口は、経糸の進行方向において、入口に
おいては杼口の開口ポイントによって、他側ではフェルポイントによって、定め
られ、
緯糸は、織物を形成するためにフェルポイントの近傍で該杼口に挿入され、
最後に、このように形成された織物は引っ張られ、均一に巻かれる。
この方法は、杼口の開口ポイントの近傍において、経糸が、経糸の弾性率の局
部的な減少を引き起こすのに十分な温度に加熱され、その後経糸がヘルドに達す
る前に杼口内で経糸を冷却すること、を特徴とする。
説明の残りおよびクレームにおいて、弾性率(あるいはヤング率)は、縦座標
に引っ張り力を、横座標にこの力がもたらす伸びを示す曲線の最高次の係数(あ
るいは原点の傾き)を意味する。この率は、ニュートン/テックス、またはギガ
パスカル(GPa)で表される。一例として、冷却ポリエステル糸の弾性率は、高
い残留伸びまたは切断時の伸び(35%以上)を持つ織物用糸に対してはおよそ10
Gpaである。(およそ15%の)低残留伸びの高強度糸に対しては、15GPaに達する
かもしれない。比
較として、ポリアミド糸のヤング率は、約5GPaである。いずれの場合でも、二
次遷移温度を超す加熱は、糸がその後伸ばされた時に弾性率にかなりの減少をも
たらす。典型的に、高温状態下において弾性率は減少し、ある場合には、低温状
態下における率の10分の1に達する。
言い換えると、本発明は、経糸をより柔軟にし、特に、杼口への入口領域にお
いて、経糸がヘルドの動きに起因する応力のパルス増加を吸収できるようにする
ために、その弾性率を減少させるように杼口の開口ポイントにおいて経糸を加熱
することを含む。
一般に、低速の進行では、冷却は自然対流によって起こるが、本発明は、任意
の種類の付加的手段が、冷却をより容易にするために用いられる変形例をも含む
。
さらに、経糸が熱可塑性で、従って軟化温度(TR)および融点(TF)を持つ場
合、経糸は、該経糸の軟化温度(TR)と融点(TF)の間の温度に加熱されること
が有利である。このようにして、ある場合には、経糸を加熱することにより伸長
を生じさせ、同時に杼口が開いている間にこれらの糸が受ける応力を制限し、こ
れにより破損の可能性を減少させることができる。
このように、本発明によれば、これらの経糸は、ヘルドの動きによって経糸に
与えられる断続的な引っぱりの結果として加熱領域において伸長され、上記の引
っぱりは、布地の巻きの均一な巻き取りと組み合わされる。驚くべきことに、こ
のように行われる糸の断続的な伸長は、予見できたかもしれないように、経糸に
おいて、従って布地において不整を引き起こさない。全く逆に、このように処理
された糸の均等性には、線の密度および染色親和性の両方において改良が見られ
る。
実際には、加熱は、対流または放射または接触のいずれかによって起こる。
実際の実施形態では、加熱は、クロムめっき、またはセラミックの被覆によっ
て摩耗から保護された加熱パッドを介して、接触によって行われる。言い換える
と、杼口に入る前、またはちょうど杼口に入る所で、
経糸は加熱要素上を滑ることにより熱せられ、糸の流れの方向において計測した
該加熱要素の長さは、糸内部の温度に所望の上昇をもたらすように算出され、こ
れは糸の進行速度およびサイズの関数である。
実際には、パッドは、製織織機が停止した時に糸の層を離すことのできる手段
と組み合わされることが有利である。こうして、経糸が停止すると直ちに、これ
らに損傷を生じさせ、極端な場合には溶かしさえすることを避けるために、加熱
パッドは経糸から離される。
加熱パッドは、パッドが離されている時には、対流による残留加熱を避けるた
めに経糸の上方に位置することが有利である。
好ましい実施形態では、加熱パッドを離す装置は欠陥によって動作する、すな
わち、該装置は、下流の糸の切断後、または装置の種々の要素に対する電気また
は圧縮空気の供給断の後のいずれにおいても、糸の進行が停止すると直ちにパッ
ドを自動的に離す。
好ましい実施形態では、加熱パッドは、バックレストローラと、該バックレス
トローラの近傍に配置され、かつ杼口の開口ポイントを定めるリージングガイド
と、の間に含まれる領域に配置される。このようにして、加熱は、糸がすべて平
行である平面領域で、一緒に合わさった全ての糸に対して均等に得られる。
この方法は、例えばポリアミド、ポリエステル、および有益には、特に、特許
US-A-3,771,162およびUS-A-3,772,872に記述されるような、一般に“POY”と呼
ばれる半延伸糸、等の多くの化学糸を処理することを可能にする。実際、本発明
による製織方法は、糸の伸長を達成し、これにより、従来はPOY系の布地を得る
ために、従来の均等な引っ張りが予め行われ、その後完全に独立して製織を行な
っていたのに対して、特徴的な断続的伸長と製織の2つの動作を単一のステップ
で実行することを可能にする。
この方法はまた、例えばガラスまたはスチール糸等の、工業使用のための糸を
処理することも可能にする。
[図面の簡単な説明]
本発明が実施される方法およびそこから生じる利点は、製織織機内において経
糸が通る回路を図式的に示す添付の単一の図を参照して、以下の実施形態の説明
からはっきりと明らかになるであろう。
[発明の実施]
すでに述べたように、本発明は、弾性率の高い経糸の製織を改良する方法に関
するものである。この方法は、本方法の特徴的な機能を実行することのできる要
素が付加された従来の製織織機に用いることができる。
こうして従来の製織織機は、糸の走行の方向に、シャフト(2)上に搭載され
、全ての平行な経糸が巻かれているビーム(1)を有する。これらの経糸(3)
は、ビーム(1)からバックレストローラ(4)まで巻き戻され、そこから該経
糸は実質的に水平方向であることを想定する。ある特定の実施形態では、これら
の経糸(3)は、その後2つのリージングガイド(5、6)の間を通る。これら
のリージングガイド(5、6)の向こうでは、経糸はヘルド(7、8)によって
取り上げられ、この目的は、杼口(9)を形成し、緯糸(16)を挿入できるよ
うにするために、種々の経糸(3)を上方および下方に動かすことである。ヘル
ド(7、8)の後方で、経糸はフェルポイント(10)において再び一緒になり
、そこに向かってコーム(11)は杼口の再開口する毎におさ打ちをする。フェ
ルポイントの向こうでは、このようにして形成された布地(12)は、巻き上げ
システム(14)に至るように種々の移動ローラ(13)を通って移動する。
すでに述べたように、本発明は、経糸の弾性率を減少させ、適切であるならば
、織機の作動の結果として、経糸が実際の製織の直前に断続的な伸長を受けられ
るようにするために、杼口の開口ポイントの近傍において経糸を加熱することを
含む。すでに述べたように、断続的な伸長は布の均一性をもたらすが、これは予
期しなかった作用であり、これが従来求められなかったことを説明する。
従って種々の手段が、この加熱を確実にするのに適しているであろう
。図示された実施形態には、全ての経糸の幅全体を覆うように存在し、バックレ
ストローラ(4)とリージングガイド(5、6)との間で経糸の層と接触できる
、加熱パッド(20)がある。さらに詳しくは、後に経糸自身に損傷を生じさせ
ることになる、経糸による摩耗を避けるために、その下面が非常に高い表面硬度
および低い摩擦係数を有する材料で覆われた横加熱要素がある。特に、クロムめ
っき、またはセラミックの被覆(24)が外側にあってもよい。
もちろん本発明は、あらゆるタイプのパッドの加熱、特に、適切な接続(22
)による電気エネルギーを用いたものを含む。
すでに述べたように、パッド(20)は、パッド(20)を経糸(3)と接触
して配置し、何よりも、機械が停止した場合にこのパッドを引き上げることを可
能にする手段(21)と組合せることができ、この目的は、糸が傷む、あるいは
極端な場合、溶けさえするのを防ぐことである。これらは、純粋に機械的手段で
も、好ましくは油圧ジャッキにより作動するものでも、電気機械システムであっ
てもよい。パッドの停止位置は、引き離し手段の故障の場合に、パッドが糸と接
触したままになるのでなく、逆に、これらから自動的に離れるように、糸の層か
ら離れていることが好ましい。
パッドは、糸の層の上方に位置することが好ましい。
もちろん、本発明は、加熱がリージングガイド(5、6)の上流で行われる図
示された実施形態に限られるものではなく、加熱がこれらの近傍または直後で起
こる変形例をも含む。
さらに、本方法は、糸との接触領域が数センチメートルである加熱パッドの助
けにより行われるが、加熱要素が経糸と直接接触しない、放射または対流によっ
て動作する手段の助けによるものでもよい。
すでに述べたように、熱可塑性糸の特定の場合において、本発明は、該糸の温
度を、その遷移温度を上回り、融点を下回るように上げることを含む。従って、
ポリアミド(6-6)の処理に関して、該温度がおよそ180℃ないし200℃であれば
、結果は有益なものであることが分かった。
ポリアミド6に関して、この温度は170℃ないし190℃である。ポリエステルに関
しては、この温度は約200℃ないし220℃である。
セリメータテストが、一方では本方法により、他方では本発明の特徴的な加熱
が行われることなく、製造された織物からほどかれた経糸に対して行われた。こ
のようにして、本発明により処理された糸の強度が著しく、典型的には、すでに
伸長された糸に対しては10%、POYに対しては100%以上、増加することが分かる
。さらに、線の密度および染色親和性の両方の点から、糸の優れた均一性が見ら
れる。
さらに、切断時の伸びは減少し、例えば、予め伸長された糸に対しては60から
、40%になるかもしれない。POYの特定の場合では、切断時の伸び(または残留
伸び)は、伸長前の400%から、伸長後に50%になるかもしれない。最後に、こ
の切断時の伸びに関連する広がりは、5%分だけ大幅に減少し、従って経糸の質
の均一化に相当する。この均一化は、その均一性が向上している、染色親和性の
点からも見られる。
上記から、本発明による方法は、異なるレベルにおいて有益であることがわか
ると推測されるであろう。このように、製織の間の糸の処理は、動作速度を20%
以上増加させることができる、すなわち、典型的に、毎分1000打から、1200打以
上にすることができる。さらに、製織能力、つまり性能は増加し、典型的に95%
から、97%に、あるいはさらに98%にもなり、この性能の増加は、おさ打ちの速
度が同様に増加されることと組み合わされて、なお一層はっきりとしたものとな
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 [請求項1]弾性率の高い経糸で作られる織物の製織を改良する方法におい て、 平行な経糸(3)の層は連続的にビーム(1)から巻き戻され、 上記の層はバックレストローラ(4)の上を通り、 杼口(9)はヘルド(7、8)により形成され、上記杼口は、経糸の進行方向 において、入口においては杼口の開口ポイント(15)によって、他側ではフェ ルポイント(10)によって、定められ、 緯糸は、織物を形成するためにフェルポイント(10)の近傍で該杼口に挿入 され、 最後に、このように形成された織物は、均等に引き出され、巻かれ、 杼口の開口ポイントの近傍において、経糸(3)は、該経糸の弾性率の局部的 な減少を引き起こすのに十分な温度に加熱され、その後該経糸がヘルド(7、8 )に達する前に杼口内で経糸を冷却すること、を特徴とする方法。 [請求項2]請求項1記載の方法であって、該経糸が、軟化温度(TR)およ び融点(TF)を有し、経糸(3)が、該経糸の軟化温度(TR)と融点(TF)との 間の温度に加熱され、該経糸が、加熱領域において断続的な引っ張りによって伸 長される、ことを特徴とした方法。 [請求項3]請求項2記載の方法であって、該経糸が半延伸糸(POY)であ ることを特徴とした方法。 [請求項4]請求項1ないし3のいずれか1つに記載の方法であって、加熱 が、対流、放射または接触によって起こることを特徴とした方法。 [請求項5]請求項4記載の方法であって、加熱が、クロムまたはセラミッ クの被覆(24)によって摩耗から保護された加熱パッド(20)を介して、接 触によって行われることを特徴とした方法。 [請求項6]請求項5記載の方法であって、加熱パッド(20)が糸の層( 3)の上方に位置することを特徴とした方法。 [請求項7]請求項5記載の方法であって、パッド(20)は、製織織機が 停止した時に上記糸の層を離すことのできる手段(21)と組み合わされること を特徴とした方法。 [請求項8]請求項7記載の方法であって、停止位置ではパッド(20)は 糸の層から離れていることを特徴とした方法。 [請求項9]請求項5記載の方法であって、加熱パッド(20)は、バック レストローラ(4)と、バックレストローラ(4)の近傍に配置され、かつ杼口 の開口ポイント(15)を定めるリージングガイド(5、6)と、の間に含まれ る領域に配置されることを特徴とする方法。
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