JP2000516469A - 細胞の不死化のための方法 - Google Patents

細胞の不死化のための方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は不死化細胞系を作るためのメタロチオネインプロモーターのコントロール下にあるp53の一次細胞への導入に関する。これらの細胞はウィルス繁殖のための基材として、組換タンパク質製造のため及び組換ウィルス製造のための夾雑物非含有起源として、並びにウィルス繁殖の際に一次細胞を支持し、且つウィルス収率を高める細胞基材として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 細胞の不死化のための方法 発明の分野 本発明は細胞の不死化、並びにウィルス増殖及び組換タンパク質発現のための リザーバーとしての細胞の利用の分野に関する。詳しくは、本発明は不死化細胞 を生産するための誘導性プロモーターのコントロール下でのタンパク質p53の利 用に関する。 発明の背景 鳥類及び動物ワクチンの製造のために用いられる多くの鳥類ウィルスは胚含有 鶏卵又は一次鶏繊維芽細胞培養物の中で増殖されている。このような鶏基材を用 いて製造された動物ワクチンの例には犬のイヌジステンパー、七面鳥のMarek病 ワクチン、家禽のレオウィルス、フォウル・ポックス及び感染性Bursal病ワクチ ンが知られる。一次細胞培養物は高度に多種性であり、そして内因性ウィルス、 マイクロプラズマ等による夾雑の危険性を供する。一次細胞培養物が由来する動 物組織の起源は往々にして、動物ストックを病原性のない状態に保つための必要 性に基づき制約され、且つ高価である。 動物ワクチン製品の製造において利用するために適当である無ウィルス不死化 鳥類細胞基材を作製する再現性のある方法論を開発するニーズがある。特性のよ く決定された不死化(即ち、連続)細胞系の入手、品質の観点から管理しにくい 一次動物組織培養物に対する依存性を排除又は抑制する有益性を有する。ワクチ ン産業において、製品に関する調節要件、安全性、一貫性及び効能は、卵を基礎 とする一次細胞ワクチン基材を利用する現状の最良の代替として、 業者が細胞系を購入することへと導いている。ワクチン製造業者は、その業者の そのワクチンの流布を可能とする調節要件に合格するようにウィルス製造規定に 合致した細胞系を持たなければならない。米国及び諸外国の双方におけるヒト及 び動物ワクチン製品の双方の製造業者はそのワクチン基材が夾雑物を含まないこ とを実証しなくてはならない。一次組織から誘導された連続動物細胞系を作製す るための再現日のある方法の到来は生物学的製品の製造業者が製造プロセスをよ り良くコントロールできるようにする、並びに製品安全性及び一貫性を高め、し かも究極的には経費節約できるようにするであろう。 発明の概要 本発明は細胞の中にp53をコードする核酸をメタロチオネインプロモーターの コントロール下となるように導入し、そして不死化特性を有する細胞を選択する ことにより細胞を形質転換させるための方法及びそれにより製造された細胞に関 する。 本発明の一の観点において、下記の工程を含んで成る一次非げっ歯類細胞を形 質転換するための方法を開示する:p53をコードする核酸をp53の発現を指令す ることのできる遺伝子ベクターの中にメタロチオネインプロモーターのコントロ ール下となるように配置する;当該遺伝子ベクターを一次非げっ歯類細胞の中に 導入する;そして1日当り集団倍化時間約0.6〜約1.5の集団倍化を有する細胞フ ォーカスを選定する。ここで、これらの細胞は逆転写酵素、陰性であり、且つ非 腫瘍原性である。一の態様において、当該一次非げっ歯類細胞は鳥類に由来し、 そして別の態様においては当該一次非げっ歯類細胞はヒトに由来する。本発明に おいて利用される一次細胞は任意の幾多の組織に由来し得、そして好適な態様に おいて、細 胞は皮膚組織、胸筋組織及び/又は心筋組織から得られる。 本発明の別の観点において、細胞を開示する。これらの細胞はメタロチオネイ ンプロモーターのコントロール下でp53を発現できる遺伝子を含む不死化繊維芽 細胞である。一の態様において、これらの細胞は鳥類に由来する。 本発明は下記の工程を含んで成るウィルスを増殖するための方法にも関連する :少なくとも一種の感染性ウィルス粒子を少なくとも一種の不死化細胞培養物の 細胞と接触させる(ここで、当該培養物の細胞はメタロチオネインプロモーター のコントロール下でp53の発現を指令することのできる遺伝子ベクターを含む) ;そして当該細胞により生産されたウィルスを回収する。一の態様において、当 該ウィルスはレオウィルスであり、別の態様においてはHVTであり、そして第三 の態様においては当該ウィルスはフォウル・ポックス・ウィルスである。 本発明の更なる別の観点において、下記の工程を含んで成るウィルスを増殖す るための方法を開示する:少なくとも一種の感染性ウィルス粒子を一次細胞と接 触させる;この一次細胞を、細胞培養においてメタロチオネインプロモーターの コントロール下でp53を発現する遺伝子ベクターを含む不死化細胞と一緒に増殖 させる;そしてこの細胞培養物から生産されたウィルスを回収する。 本発明は更に不死化非形質転換細胞であって、メタロチオネインプロモーター のコントロール下にあるp53を含み、且つ当該細胞において組換タンパク質の発 現を指令することのできる少なくとも一種のベクターを含む細胞にも関連する。 一の態様において、当該細胞は組換タンパク質を発現し、そして別の態様におい て、当該ベクターは組換ウィルスの少なくとも一部をコードする。別の更なる態 様において、当該ベクターはレトロウィルスベクターである。 図面の簡単な説明 図1は本発明の好適な態様において利用されるベクターpJFNIIの模式図である 。 図2は本発明の好適な態様において利用されるベクターpJFNII cMTDの模式図 である。 発明の詳細な説明 一次細胞を再現よく不死化し、そして連続細胞系を作製する方法のニーズがあ る。ウィルス複製を支持する特性のよく決定された細胞系を作製する技術の開発 は業者が一次細胞を反復製造するうえでの時間の節約を可能とし、且つ夾雑物及 び卵のバッチ間で存在する不一致性に関する問題を回避する。ウィルス増殖のた めの規定の不死化細胞系は最終製品の品質管理試験に関わる費用を抑制する。 本発明は一次非げっ歯動物細胞、特に鳥類及びヒト細胞の、誘導性メタロチオ ネインプロモーターのコントロール下の組換p53を利用する不死化を開示する。 これらの細胞はウィルスストックの増殖のため、ウィルスタンパク質の発現のた め、及び組換ウィルスを製造するためのパッケージング細胞系として有用である 。 一次細胞培養物はほとんどの場合完全組織から単離されたばかりの細胞から誘 導される。これらの細胞は往々にして良好な無ウィルス材料の起源であり、そし てウィルス複製のための宿主細胞として良く適する。一次細胞はウィルスの複製 において常に効率的であるものではなく、そして一次動物細胞は限られた培養寿 命を示し、事実上老衰する。老衰では、細胞は分裂するのを止め、やがて死ぬ。 培養において細胞が分裂する能力はいくつかのパラメーター、例えば細胞の起源 の種及び細胞を培養する時の組織の年令に依存する。老衰にかかっている細胞は 培養物の中に長時間維持されることがで きず、それ故ウィルスストックの増殖のための再現性ある宿主とはならない。一 次細胞は一般に老衰に達するまでに23〜26継代される。本発明の細胞は好ましく はp53で約2〜約4回の継代にてトランスフェクションさせたものである。 本発明全体を通じて利用する不死化細胞とは培養物の中で25回より多くの継代 にわたり増殖できる細胞を意味する。不死化細胞は形質転換細胞とは異なり、そ れが密度依存性増殖停止を示し、且つ正常な形態学を維持する点で形質転換細胞 と区別される。不死化細胞とは対照的に、形質転換細胞はソフトアガーの中で増 殖可能であり、そして実験動物の中に注射したときに通常腫瘍を形成することが できる。 本発明の細胞は好ましくは一次細胞への誘導性メタロチオネインプロモーター のコントロール下にあるp53の導入により不死化される。核癌遺伝子p53は、p 53遺伝子における突然変異が全ヒト癌の50%まで何らかの形で寄与しているとい う事実にある程度基づき、最もよく研究された腫瘍抑制遺伝子の一つである(Le vineら、Nature 351:453-456,1991)。p53は細胞性リンタンパク質であり、そ して形質転換細胞の中に高レベルでよく存在している(De Leo,A.B.らProc.Nat l.Acad.Sci.76:2420-2424,1979)。野生型p53は増殖抑制態様で機能するよ うであり(Michalovityら、Cell 62:671-680,1990)、そしてp53は細胞をDNA損 傷に対する応答において細胞周期チェックポイントにて停止させる(Kastanら、 Cancer Res.51:6304-6311,1991)。このチェックポイント機能はp53の蓄積及 びその後のGADD45(重要な切断修飾タンパク質),WAF1(p21)及びMDM2(これは p53と安定な複合体を形成する)遺伝子の誘導により実行される(Kastanら、Cel l 71:587-597,1992)。この理論はp53における突然変異が細胞不死化を供しう るという所見により裏付 けされる。 幾つかの報告は、野生型分子を、サイクリンキナーゼの万能インヒビターを介 する細胞分裂の阻害に結びつけている(即ち、Cip1:EL-DeiryらCell 75:817-825 ,1993;WAF1:HarperらCell 75:805-816,1993)。実験は、p53タンパク質が別の タンパク質p21の製造を刺激することを示している。p53は正常細胞においては サイクリン依存性キナーゼ、サイクリン、増殖性細胞核抗原(PCNA)及びp21を 含む四次複合体に関与する。形質転換細胞においては、p53機能の消失は多重タ ンパク質複合体からのp21及びPCNAの消失に結びつき、無秩序な増殖をもたらす 突然変異に基づくようである。 p53における突然変異は細胞増殖の調節に関わっているが、細胞増殖のp53調 節に関するその他のルートを推定するその他の論説がある(Milnerら、Cell Bio l.Int.Rep.4:663-667,1980;Milnerら、112:785-788,1981;Mercerら、Proc .Natl.Acad.Sci.79:6309-6312,1982;及びMercerら、Molec.Cell.Biol.4 :276-281,1984)。例えば、p53遺伝子における突然変異は、ストレス、老齢、 電離照射線又は癌腫原に対する曝露の如き生理学的及び物理学的パラメーターに 基づく細胞周期における臨界点の際に生ずる損傷を修復する細胞能力の無効に担 いうる。 p53は細胞増殖を調節することで当業界において知られている。突然変異して いないラットp53がげっ歯類細胞を不死化しうるといういくつかの証拠がある。 Jenkinsらはラット軟骨細胞の不死化を、腫瘍原性ウィルス、例えばラウス肉腫 ウィルス(RSV)及びシミアンウィルス40(SV40)の由来の構成プロモーターを使 用した場合のみにおいて実証している(Jenkinsら、Nature 317;816-818,1985) 。Eliyahnら(Nature 312;646-649,1984)及びParadaら(Nature 312;649-651,19 84)もラット細胞を不死化できたが、彼らのデ ーターはJenkinsらと矛盾し、そしてp53構築体はp53遺伝子を単独でトランス フェクションさせたときは細胞を不死化しないが、細胞を癌遺伝子rasと一緒に トランスフェクションさせたときはp53構築体が形質転換フォーカスを形成する ことを示している。これらの細胞は形質転換細胞の特徴を有するが、それらの細 胞は老衰し、そして形質転換の後比較的短時間で倍化を停止した。 Jenkins,Eliyahn及びParada(全て前掲)と異なり、Rovinski and Benchimol (Oncogene 2:445-452,1988)はラットp53をその内因性プロモーターのコント ロール下で利用するラット胚繊維芽細胞の不死化を実証した。Rovinskiにより発 表された結果はラット細胞が不死化及び形質転換を容易に受け易いことで知られ ることを示唆するその他の研究により説明できる。これらの細胞はそれらが不死 化及び形質転換刺激に対して極めて感受性となるよう何らかの態様で下準備され たものであると信じられている。げっ歯類繊維芽細胞が高頻度で自発的に不死化 することを研究は再現よく実証している(Ponten,J.Virol.Monozr.8:1,1971 ;Ponten J.,Biochim,Biophys.Acta 458:397,1976;Todaro and Green J.Cel l Biol.17:299-313,1963;Meekら、Exp.Cell Res.107:277-284,1977及びCur atoloら、In Vitro 20:597-601,1984)。事実、Rovinski and Bechimol(前掲、p 446)は彼らのラット胚繊維芽細胞コントロールが発現マーカー単独でトランスフ ェクションされ、そして約10%の自発性不死化頻度を存することに注目している 。対照的に、Scienceの中の論文及びその他の研究は正常ドナーに由来する自発 的に不死化するヒト又はヒヨコ繊維芽細胞の報告がないことを示唆している(Smi thら、Science 273:63-67,1996,Hayflick,Exp.Cell Res,37:614-636,1965 及びSmithら、Adv.Concer Res.54:63-77,1990)。更に、ラット細胞は多種多 様な内因性ウィルス、特に商業用ワク チン製造に適さないようにするレトロウィルスを担持する。 様々な哺乳動物から単離された幾多のp53遺伝子がある。例えば、ニワトリp 53の配列(SEQ ID NO:1)はGenBankより受託番号X13057として入手でき、そしてSo ussiらの論文において入手できる(Nucl.Acids Res.16(23):11383,1988)。 正常ヒトp53の配列はGenBankより受託番号W88747及びHSP53Gとして入手でき、 そしてこのクローンはワシントン医科大学より公共的に入手できる。ヒトp53遺 伝子はエクソン1〜11としてGenBank受託番号M22881〜M22884,M22887−M22888 M22894−M33898としても供与され、そしてBuchmanら(Gene 70(2):245-252,19 88)により発表されている。ウマに由来するp53はGenBank受託番号U37120として 入手でき、そしてアフリカグリーンモンキーからも入手できる(GenBank受託番号 X16384)。リーサスザルp53はGenBank受託番号L20442として、ウシp53はX81704 として(Dequiedt F.ら、DNA Seq.5(4):261-64,1995)として、ネコp53はGe nBank受託番号D26608として(Okuda M.ら、Int.J.Cancer 58(4):602-7,1994) 入手できる。その他の配列及びそれらの配列の利用に触れている公開物はGenBan k等のいくつかの遺伝子データーベースより入手できる。当業者は当業界公知の p53についての遺伝子配列を得るために容易に論文又は遺伝子データーベースを 入手できる。 メタロチオネインプロモーターはいくつかの金属結合領域を有し、そしてメタ ロチオネインプロモーターにより制御される遺伝子の発現はCd++,Cu++及びZn++ により誘導されうる。このプロモーターは金属調節因子並びにSPI及びMLTF等の 転写因子のためのいくつかの多重潜在結合部位を含む。プロモーター領域及びプ ロモーター中のその他の特定された領域内の金属応答性要素がMuellerら(Genes & Development 4:412-426,1988)及びLeeら(Nature 325:368-3 72,1987)により詳細に論じられている。 p53をコードする遺伝子と同様に、当業界において公知の様々な種に由来する いくつかのメタロチオネイン遺伝子がある。例えば、ニワトリに由来するメタロ チオネインプロモーターの配列はFernandoらの論文(Gene 8:177-183,1989)に おいて入手できる。このプロモーター領域はメタロチオネインプロモーターの発 表された特徴(Muellerら前掲、及びLeeら前掲)に基づき当業界において入手で きる発表されたいくつかのメタロチオネイン遺伝子配列のうちのメタロチオネイ ン遺伝子配列から同定できる。ヒトメタロチオネインプロモーター遺伝子の配列 はGenBankよりW68639,W65607,V00594として入手できる(Stennardら、Biochim .Biophys.Acta 1218(3):357-365,1994;RichardsらCell 37(1):263-272,1984 及びKarinらNucl.Acids Res.10(10):3165-3173,1982も参照)。ヒツジのメタ ロチオネインプロモーターはGenBankから受託番号X04626として入手できる(Pet ersonら、Eur.J.Biochem.160(3):579-585,1986)。その他の配列及び当該配 列の利用について言及している公開物はいくつかの遺伝子データーベース、例え ばGenBank,GenEMBL等から入手できる。当業者は当業界において周知のメタロチ オネインプロモーターについての遺伝子配列を得るための論文又は遺伝子データ ーベースを容易に入手できるであろう。 本発明の細胞は細胞へのp53をコードする核酸の導入を介して不死化されたも のであり、ここでp53をコードする核酸はメタロチオネインプロモーターのコン トロール下にあり、即ち、当該メタロチオネインプロモーターはp53をコードす る核酸に作用可能式に連結されている。本発明の好適な態様において、メタロチ オネインプロモーターのコントロール下にあるp53を発現ベクターの中で細胞に 導入する。様々な商業的に入手できる発現ベクターがあり、そして 当業者は非げっ歯類動物細胞においてp53を発現させるのに様々なベクターを利 用できうることを容易に理解することができるであろう。この発現ベクターは原 核細胞におけるベクターの複製、ベクターの選別、その他の遺伝子配列の組込み を促進する、又はその他の調節配列の追加を介して遺伝子発現を促進する様々な その他の特徴も含みうる。これらの特徴の例には、限定することなく、細菌複製 起点、抗生物質耐性を授ける遺伝子、その他の選択マーカー、例えば限定するこ となくβ−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ等、エンハンサー配列、多重クロ ーニング部位、等の包含が挙げられる。 実施例1はメタロチオネインプロモーターの同定を、当該プロモーター及びp 53の発現ベクターへの組込みと一緒に詳細する。好ましくは、このメタロチオネ インプロモーター及びp53遺伝子は同一の種に由来する。メタロチオネインプロ モーターのコントロール下にあるp53の構築体を細胞の中に導入した。好ましく は、当該細胞は一次細胞であり、そしてこの開示において利用する一次細胞は好 ましくは培養物の中で1〜10回にわたり継代及び/又は2ヶ月以内の期間存在し ていた細胞をいう。 一次細胞は一般に培養物の中での有限な増殖能力を有する細胞として特性決定 されている。一次細胞は完全組織から単離され、そして培養物の中に入れられた 細胞をいう。これらの細胞は様々な哺乳動物の種由来の任意の幾多の組織から得 られうる。ヒト生検、イヌ、ウマ、ブタ、ニワトリ、ウシ由来の組織サンプル、 胚組織等をミンチにかけ、トリプシンで消化し、そしてトランスフェクションの ために単離され、懸濁状態の単一細胞、又は単層培養物、又は小さいがインタク トな組織サンプルであってよい。トランスフェクションに適切である単離された 細胞には繊維芽細胞、筋細胞、上皮細胞、内皮細胞、等が挙げられる。当業者は 様々な組織サンプルから様 々な細胞を獲得及び単離するための周知の方法があること、そしてこれらの方法 はめんどう実験なしで実施できうることを認識しているであろう。実施例2は皮 膚、心筋及び胸筋に由来する細胞等の鶏胚組織から細胞を単離するための方法を 開示する。 核酸配列の発現を指令することのできるベクターを導入する又は細胞に核酸フ ラグメントを導入するための当業界公知の幾多の方法がある。これらの方法には 、限定することなく、CaPO4沈殿、エレクトロポレーション、リポフェクチント ランスフェクション技術、ポリアミントランスフェクション技術、及びウィルス 粒子によるトランスフェクションが挙げられる。実施例3はリポフェクタミンを 利用して真核細胞に本発明のp53/メタロチオネイン核酸フラグメントを導入す るための方法を提供する。様々な方法を利用して核酸フラグメントが真核細胞の 中に組込まれるようにする様々な市販のキットが入手できる。従って、メタロチ オネインプロモーターのコントロール下にあるp53をコードする核酸の導入のそ の方法は本発明の範囲を確定すべきものではない。 トランスフェクションを経て、本発明の細胞を、必要ならばトランスフェクシ ョンされた核酸フラグメントを含むクローンを同定するために選択増殖圧のもと で増殖及び拡増させる。細胞を必須陽イオンで処理し、メタロチオネインプロモ ーターからの発現を促進させる。実施例3はメタロチオネインプロモーターを誘 導するためにZnSO4を利用する。培養物中の細胞のフォーカスを選択し、そして 増殖させる。フォーカスとは周囲の細胞とは異なる特徴を有する細胞クラスター を意味する。本発明において、メタロチオネインプロモーターのコントロール下 でp53をコードする核酸フラグメントにより不死化された細胞はその不死化され ていない対応物よりも迅速に増殖する。この不死化された細胞はより迅速に増殖 し、そして一 次培養単層上でクラスターを形成する。これらのクラスターはクローニングリン グを利用して単離でき、そして培養物の中で増殖できうる。 これらの細胞は、細胞にp53/メタロチオネイン含有構築体を導入してから約 25回の組織培養継代を経たとき、且つ1日当り約0.6以上集団倍化するとき、そ して好ましくは1日当り約0.6〜約1.5集団倍化するとき、不死化されたものと考 える。これらの細胞は正常な形態を保ち、そして密度依存性及び/又は接触阻止 型増殖を示した。ニワトリからの3つの組織に由来する細胞を本発明の方法によ り不死化されるその能力について分析した。実施例5に示すように、心筋細胞、 胸筋細胞及び皮膚細胞からいくつかのクローンが同定された。 本発明の不死化細胞はウィルス夾雑物並びにその他の組織培養夾雑物、例えば 低レベル細菌夾雑物、マイクロプラズマ等について検査すべきである。これらの 細胞をレトロウィルス感染、鳥類インフレンザ(A型)、鳥類レオウィルス、鳥 類アデノウィルス(I〜III族)、鳥類脳髄炎ウィルス、フォウルポックス、ニ ューキャッスル病ウィルス、パラミキソウィルス(2型)、並びにマイクロプラ ズマ、サルモネラ及びその他の夾雑物、例えば9 C.F.R.§113及びそのサブセク ションに記載のものの証拠について検査されうる。 これらの細胞は夾雑核酸フラグメントを同定するためにポリメラーゼ連鎖反応 を利用して多種多様なウィルス性夾雑物について検査されうる。本発明の細胞が 夾雑ウィルスを含むかどうかを調べるために利用することのできる様々なウィル スのための様々な市販の検査キットがある。同様に、ウィルス性抗原を検出する ための商業的に有用な検査があり、それにおいては抗原は多種多様なウィルスに 由来する。これらの検査にはELISAアッセイ、イムノフルオレセン トアッセイ等が挙げられる。これらのアッセイは全て周知であり、そして日常の 実験技術が包括される。実施例4は本発明の細胞が逆転写酵素ネガティブである かどうかを決定するための方法を提供する。メタロチオネインプロモーターのコ ントロール下にあるp53を含む不死化細胞における逆転写酵素活性の証拠はレト ロウィルス夾雑の証拠である。 これらの細胞をその腫瘍原潜在性についても検査する。本発明の細胞は好まし くは腫瘍原性でない。細胞の集団が腫瘍原性であるかどうかを決定するための検 査は当業界において公知である。実施例6はソフトアガーにおける本発明の不死 化細胞の増殖を評価するための方法を提供し、そして実施例7は本発明の細胞が 受容動物において腫瘍を誘導できるかどうかを調べるために本発明の細胞にとっ て好適な種である動物に本発明の細胞を導入するための方法を提供する。メタロ チオネインプロモーターのコントロール下にあるp53をコードする核酸を含むヒ ト細胞の腫瘍原潜在性を検査するため、これらの細胞はソフトアガーの中での増 殖について検査され、そしてヌードマウス又は再構築したヒト免疫系を有するマ ウスもしくはその他の実験動物における増殖について検査されることができる。 本発明の一の観点において、当該細胞はウィルスの増殖のために有用である。 本発明の細胞は実施例8において実証される通り、レオウィルス感染症、七面鳥 ヘルペスウィルス(HVT)及びMarek病ウィルスを支持する。鶏組織に由来する本発 明の細胞は感染性Bursal病ウィルス、感染性気管支炎ウィルス、Newcastle病ウ ィルス、感染性口喉頭気管炎ウィルス、様々なアテソウィルス、例えばIII型ア テソウィルス、シルコドナビリダ(Circodnavirideae)、ニワトリHSV、フォウ ル・ポックス・ウィルス等のための宿主をも担いうる。数多くのヒト及び動物ウ ィルス、例えば限定することなくラピエ スウィルス、イヌパルボウィルス、ネコ汎白血病ウィルス、カリチウィルス、肝 炎ウィルス、インフレンザウィルス、水痘−帯状庖疹ウィルス等は胚含有卵及び その他のウィルス宿主の中で増殖する。これらのウィルスは本発明の不死化細胞 の中で増殖するその能力についても試験できうる。 ウィルスストックを製造するため、本発明の細胞を組織培養フラスコ、ローラ ーボトル、スピンカルチャー又は中空ファイバー反応器の中に播種することがで きる。ローラーボトルウィルス繁殖のためには、これらの細胞は約2〜5×104 個の細胞/cm2表面積で播種する。ウィルスストック増殖を開始させるための感 染多重度(感染性ウィルス粒子、対、細胞の比)はウィルス株に依存して変わる であろう。ウィルス原の当業者並びに特定のウィルス及びウィルス株の増殖にお ける当業者は感染多重度、温度、培地バリエーション等の標準的な操作を介し、 めんどうな実験をすることなくウィルスストックを最大にすることができるであ ろう。 感染性ウィルスストックを得るために感染後にウィルスを収穫するための方法 もウィルス株で変動する。エンベロープ付ウィルスはエンベローブのないウィル スよりもゆっくりと培養培地の外へと出ていく。ウィルスのストックは培養培地 のみから、又はコンディショニングした培地と共にプールした細胞リゼートから 得られる。溶解ウィルス(ウィルスが出ていく際に効率的に細胞を溶解するもの )に関し、細胞塊を除去するには、軽い遠心段階後のコンディショニング培養培 地(例えば、ウィルスを含む消費培地)の回収で十分である。ここでも、多種多 様なウィルス株からのウィルスの回収及び保存のための方法は当業界において周 知である。 当業界において公知の通り、細胞の培養物からウィルス増殖を定量するための 様々な方法がある。例えば、ヘルペスウィルス科の構 成員及び細胞単層表層上に細胞病理学フォーカスを生み出す様々なウィルスのウ ィルスストック力価はプラークアッセイにより(プラーク形成単位/ml培養流体 として又はプラーク形成単位/ワクチン接種物のウィルス量の用量)又は組織培 養感染用量−50(TCID50)として容易に定量される。迅速溶解ウィルスは規定時 間において培養物の50%に感染することができるウィルスストックの用量又は希 釈率としてTCID50により一層良く定量される。ウィルスを増殖及び定量するため の方法は当業界において公知であり、そしてウィルス定量方法を教示するソース はFieldsら(編)Fundamental Virology 1991,Raven Press,New York又はMand ellら(編)Principles and Practice of Infectious Diseases,1985,John Wi ley & Sons,New Yorkに見い出せる。 本発明の細胞は組換タンパク質、例えばウィルスタンパク質等を製造するため にも有用である。組換タンパク質をコードする核酸を真核細胞、例えば本発明の 不死化細胞においてタンパク質の発現を指令することのできる調節要素のコント ロール下で核酸配列の中に組込むための方法は当業界において周知である。発現 ベクターは組換タンパク質の発現を指令することのできる複製可能な核酸フラグ メントである。レトロウィルスベクターを含む多くの発現ベクターが学会誌及び 商業供給者を介して当業界において入手できる。複製可能な発現ベクター成分に は一般に、限定することなく、下記の1又は複数のものが挙げられる:複製起点 、1又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサー要素、プロモーター要素、任意的 なシグナル配列及び転写終止配列。選択又はマーカー遺伝子は形質転換又はトラ ンスフェクション細胞の集団の同定を担うタンパク質をコードする。典型的な選 択遺伝子は抗生物質もしくはその他の毒素に対する耐性を供する、栄養要求性欠 陥を相補する又は複合培地からは得られ ない必須栄養素を供給するタンパク質をコードする。 組換タンパク質をコードする核酸を有する発現ベクターを細胞の中にトランス フェクションし、そして本発明の不死化細胞における組換タンパク質の発現を指 令するのに利用される。このベクターは好ましくは鶏胚繊維芽細胞の中で発現で きる任意の組換タンパク質、例えば限定することなく、ウィルスタンパク質、例 えば逆転写酵素及び/又はウィルス構造タンパク質をコードしうる。細胞の中で 組換タンパク質を製造するためのベクターの例には腫瘍抑制タンパク質、又はウ ィルス構造タンパク質、例えばGivolらOncogene 11(12):2609-2618,1995、Givo l,らCell Growth & Differentiation 5(4):419-429,1994、Akiyama,らVirology 203(2):211-220,1994及びBoyer,らOncogene 20:457-66,1993により開示のも のが挙げられる。 本発明の細胞は組換ウィルス、例えば限定することなく組換レトロウィルスを 発現する基材を担いうる。本発明の細胞は遺伝子治療等のために有用な遺伝子的 に操作されたウィルスのためのパッケージング細胞系を担いうる。パッケージン グ細胞系として特定の細胞系を利用するための構築体及び方法は当業界において 公知である。例えば、Boerkoelら(Virology 195(2):669-79,1993)はパッケー ジング細胞系として一次鶏胚繊維芽細胞を利用してウィルスをパッケージングす るための方法を開示する。これらと同じ方法を本発明の不死化細胞の中でウィル スをパッケージングするのに利用できうる。 ほとんどの鳥類細胞系及び全ての形質転換鳥類細胞、並びに事実上全てのげっ 歯類形質転換細胞系はウィルス夾雑物、例えば内因性ウィルスを含むか又はウィ ルスタンパク質を産生するため、それらはヒト又は動物ワクチンの製造に適さな い。これらの細胞は組換タ ンパク質を製造するために利用することはできず、なぜなら内因性夾雑物は精製 組換タンパク質調製品を汚染しうるからである。好都合には、本発明の細胞はこ のような問題の適当な代替物を供する。 本発明の細胞はその他の細胞からのウィルス増殖を支持する基材をも担うこと ができる。このようなその他の細胞には一次細胞又は培養細胞であって、他の細 胞の存在下、又は細胞外マトリックスタンパク質、例えばコラーゲン、ラミニン 等の存在下で培養物の中で向上した増殖又は寿命を示すものが挙げられる。一の 態様において、細胞をウィルスと混合し、次いで本発明の細胞と好ましくは細胞 :本発明の細胞の比において1:5の細胞〜約1:20の細胞、そしてより好まし くは約1:10(1個の細胞、対、10個の本発明の細胞)の比で混合する。この混 合細胞を培養物の中に入れる。第二の態様において、これらの細胞をウィルスと 混合し、そして組織培養表層に既に付着している本発明の不死化細胞の表層上に プレーティングする。本発明の細胞はその他の細胞のための支持体を担い、そし て本発明の範囲を限定することなく、本発明の細胞は増殖因子等、並びに細胞外 マトリックス成分等を、他の細胞を支持しながらそれらがウィルスを産生するよ うに供給することができる。実施例9は細胞基材としての本発明の細胞の利用例 を供する。 本明細書において引用する文献は全て本明細書に組入れている。本発明の特定 の態様を詳細に論じてきたが、本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更、改 良等を本発明に施すことができる。 実施例1 典型的なp53発現ベクターの調製 プラスミドpJFNII(5436bp)をpBluescript SK-ベクター(Stratagene,LeJol la,(A)で出発して構築した。多重クローニング部位及びlacZ遺伝子をPvu IIを 用いて除去した。2513bpベクターフラグ メントを牛小腸アルカリホスファターゼで処理した。次いでそのフラグメントを EDTAで処理し、65℃でインキュベーションし、そしてフェノール/クロロホルム で抽出し、次いでエタノール沈殿にかけた。プラスミドpRSVneo(Gorman,C.らS cience 221:551-553,1983)をBamHI及びNdeIで消化した。このフラグメントをDN Aポリメラーゼのクレノウフラグメント(Stratagene,LaJolla,CA)で処理し、そ して2513bpのベクターフラグメントでブラント末端ライゲーションさせた。この クローンの単離後、このベクターをEcoRIで消化し、クレノウフラグメントで処 理し、そして再ライゲーションさせた。この消化はプロモーター領域からEcoRI 部位を除去した。このプラスミドをpJFNIIと命名した(図1参照)。 pJFNIIをBamHIにより、ネオマイシン耐性をコードする遺伝子により利用され るSV40ポリアヂニル化シグナルから約1000bp下流にあるベクター部位において切 断した。鶏メタロチオネインプロモーターはPCRを利用して得た。以下のプライ マーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に用い、メタロチオネインプロモーターを得 た: 左プライマー: 右プライマー: これらの実験において、PCR反応のための鋳型はプラスミドpCBcMTlacZとした 。プラスミドpCBcMtlacZ中の鶏メタロチオネイン誘導性プロモーター(Fernando and Andres,Gene 81:177-183,1989)をAnn Gibbins博士(Guelph大学、Guelf ,Ontario,Canada)より入手した。当業者はこのプロモーターが、ニワトリを 含むその他の種からプロモーターを得るための遺伝子発現ライブラリーからも同 定されうることを理解しているであろう。プライマーは#IDT(Coralville,IA) より購入した。左及び右プライマー共にBal II部位を含むようにデザインした。 これらのプライマーを利用する増幅はSEQ ID NO:2に対応する核酸フラグメント 内に含まれるメタロチオネインプロモーターを作製した。 好適な鶏メタロチオネインプロモーター配列(SEQ ID NO:2)は以下の通りであ る: このプロモーターは3つの主要金属調節要素、GC−ボックス領域及びTATAボッ クスを含む。金属調節要素は金属に結合し、そして下流に位置する鶏メタロチオ ネイン遺伝子を誘導する。左及び右プライマーに由来するBalI末端の組込まれた 増幅メタロチオネインフラグメントをBamHIを用いてpJFNIIにライゲーションさ せた。このライゲーションから同定されたベクタークローンをネオマイシン耐性 を供するその能力について選定した。このクローンをpJFNII cMTDと 命名し、そして約6088bpであった。このベクターはEcoRI,EcoRV及びXhoIを含む 多重クローニング部位を含んだ。右プライマー内のポリアデニル化シグナルはこ のシグナルを欠くDNA配列の効率的な発現を可能にする。 T.Soussi(Gen Bank受託番号#X13057)由来のEcoRIインサートとして供された鶏 p53 cDNA(SEQ ID NO:1)をpJFNII cMTDの中に多重クローニング部位におけるEcoR Iエンドヌクレアーゼ制限部位において組込んだ。このcDNA配列(Soussiら、Nud .Acids Res.16:11383,1988)は64bpの5’非翻訳領域(UTR)、367個のアミノ 酸のp53分子をコードする1101bpのオープンリーティングフレーム、390 3’UTR 及び小ポリ−Aテールを含む。鶏p53はヒト相同体に対して約47%の相同性を有 する。EcoRI接着末端を含む1555bpの鶏p53cDNAを得、そしてcMT(メタロチオネイ ン)/SK+構築体をEcoRIで消化した。鶏p53cDNAインサートをEcoRI部位の中にラ イゲーションさせた。フォワード(センス)方向にp53インサートを含むクロー ンを同定した。この構築体をコンピテントE.コリ(E.coli)XL-1 Blue cells(St ratagene)の中にトランスフェクションさせ、そしてアンピシリン入りLB培地の 中で一夜増殖させた。プラスミドをSambrookらのmaxi−プラスミド調製品(Mole cular Cloning,A Loboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor,NY,1989 )により単離した。プラスミドDNAはトランスフェクションの前にCsCl2遠心によ り2回精製しておいた。 実施例2 インタクト組織からの一次細胞の単離 胚SPAFAS系鶏胚(HyVac,Abel,IA)をこれらの実験のための一次細胞の起源と した。これらの卵及びその産卵鶏は供給者により、鳥類インフレンザ(A型)、 鳥類レオウィルス、鳥類アデノウィルス (I〜III族)、鳥類脳脊髄炎ウィルス、フォウル・ポックス、ニューキャッス ル病ウィルス、パラミキソウィルス(2型)、マイクロプラスマ、サルモネラ及 びその他の家禽ストックに感染することで知られる感染因子について陰性である ことが承認されている。受精卵を無菌隔離インキュベーターの中でインキュベー ションし、そして10日目及び19日目の胚を処理して一次培養物を樹立した。 3個の10日目のSPAFAS胚を心臓、肝臓、皮膚及び筋肉(胸及び大腿)から細胞 を得るために用いた。19日目の胚も一次皮膚培養物を樹立するために用いた。胚 組織をトリプシン/EDTA溶液を用いて解離し、そして10%の胎児牛血清(Gibco) 、1%の抗生物質/抗真菌物質(Gibco)及び2mMのL−グルタミン(Gibco)を含む DMEM培地(GIBCO)の中にプレーティングした。この解離細胞懸濁物を10%の胎児 牛血清を含む50mLの遠沈管に集め、トリプシンを不活性させ、そして700xgで10 分遠心分離した。 細胞を36μg/mlのインスリン(Sigma)、1.6μg/mlのトランスフェリン(Si gma,St.Louis,MO)、2mMのL−グルタミン、10%の胎児牛血清、1%の抗生 物質/抗真菌物質溶液の入った10mlのダルベッコ改良イーグル培地の中に再懸濁 し、そして4〜5枚の100mm2皿に約1×106細胞/皿で分注し、そして5%のCO2 、95%の大気の中で40.5℃でインキュベーションした。2時間のインキュベーシ ョン後、培地を変換した。 培養物を集密となるまで増殖させ(5日)、そしてプレートからトリプシン/ EDTA溶液(PBS中の0.05%のトリプシン及び0.02%のエチレンジアミン四酢酸(EDT A))を用いて除去し、そして2回目の継代のために再プレーティングした。細胞 ストックを液体窒素の中で保存した。 実施例3 細胞へのp53/メタロチオネインプロモーター構築体のトランスフェクション ELL-O 19日目胚由来の一次鶏皮細胞を第一から第二継代において形質転換させた 。細胞を100mm2の皿の中の10%の承認済胎児牛血清、1.0μg/mlのトランスフ ェリン(Sigma,St.Louis,MO)、36μg/mlのインスリン(Sigma)及び抗生物 質の入った高グルコースDMEMの中で5×105細胞の密度でプレーティングした。 細胞を一夜増殖させた培養物を安定にし、そして翌日に9mlの培地を再供給し、 パッケージ仕様を利用してリポフェクタミン・トランジットII(Pan Vera Corpor ation,Madison,WI)を用いてトランスフェクションさせた。各トランスフェク ションは10μgの精製p53構築体を利用した。細胞を5hトランスフェクション し、そして培地を600μg/mlの選択性抗生物質G418(Sigma,St.Louis,MO) を用いて交換した。トランスフェクションした細胞を選択培地の中でフォーカス が展開されるまで(通常4〜10日)継代し、そしてこのフォーカスをクローン選 択し、そして繁殖させた。 細胞を2〜3継代にわたり増殖させ、G418(600μg/ml)耐性細胞(約103〜 104)のフォーカスを作製した。細胞はp53発現の作用に基づくプレーティング 密度の影響を回避するため、5×105細胞/100mm2皿にて必要時に最初に分割し た。非トランスフェクションコントロール細胞はコントロールプラスミドで模擬 トランスフェクションした。コントロール細胞は老衰し、そして12回の継代によ り死んだ。細胞を50mMのZnSO4選択培地の中で2週間、安定的にトランスフェク ションされた細胞が繁殖し始めるまで増殖させた。いくつかのコントロール培養 皿には硫酸亜鉛を与えなかった(メタロチオネインプロモーターの誘導なし)。 再供給を施して2週間後(トランスフェクション後4週間)、それらは周囲の古 く見える細胞よりも速く増殖する点で表現的に異なる細胞フォーカスが出現し た。更なる再供給後、トランスフェクション皮膚細胞のフォーカスのうちの一つ は急速増殖細胞を示した。約5×104細胞/フォーカスをクローニングリングを 用いて培養プレートから取り出した。これらの細胞を6穴プレートに移した。亜 鉛の存在下で増殖させたほぼ集密細胞の皿2枚を50mMの亜鉛を添加した2×105 細胞/皿にて6枚皿に分けた。この皮膚細胞を亜鉛の存在下で1×105細胞/cm2 において3〜4日毎に17回の継代まで繁殖させた。ほぼ20〜22回の継代で集団倍 化が落ち、そしてその後1日当り約0.7〜約1.0の集団倍化にまで上昇して戻った 。細胞のフォーカスは10日目の鶏胚から単離したトランスフェクション皮膚細胞 からも得られた。この実験の結果は驚くべきことであり、なぜならp53は論文の 中で腫瘍原の抑制因子として、及び増殖調節因子としてよく知られているからで ある。皮膚細胞のデュプリケート培養物をアンチセンスp53遺伝子フラグメント を含む同一の構築体でトランスフェクションした。この構築体でトランスフェク ションした細胞は不死化されなかった。 一次心筋及び胸筋細胞に関して、凍結培養物を融解し、そして継代した。各細 胞タイプの8×106個の細胞(40〜70%の集密度)をポリアミン化合物、リポフ ェクタミントランジットII(Pan Vera Corporation,Madison,WI)と共にセンス p53構築体により2回目の継代にてトランスフェクションした。非トランスフェ クション細胞を陽性増殖コントロール及び陰性細胞死コントロール(G418添加し た培養物)として保った。トランスフェクションのため、2〜12ml/mgのDNAを1 00mlの無血清培地(RPMI 1640,Life Technology)の中に滴下した。この混合物 を軽く混合し、そして室温で15分インキュベーションした。1〜3μgのDNAを 製造業者により供給されたトランジットII試薬の中に希釈し、そして6時間イン キュベーシ ョンした。細胞を洗浄し、そして再供給を施した。24hの回収時間の後、心臓及 び胸細胞を4枚の皿にそれぞれ3×105細胞で分け、そしてG418選択及び亜鉛誘 導にかけた。細胞のフォーカスが検査培養物の中で同定された。50μMの亜鉛を 与えたコントロール皿からはフォーカスは得られなかった。 実施例4 ウィルス夾雑についてのp53構築体含有細胞の検査 これらの細胞を逆転写酵素活性について検査した。急速増殖培養物由来の1× 106個の細胞を4mlの培地において単離した。この培地を−80℃での数回の凍結 融解にかけ、細胞を溶解させた。溶解細胞を有する培地を10%のグリセロール勾 配の上に積層した。この勾配物をSW40ローター(Bechman Instruments,Pal Alto ,CA)を用い40,000rpmで60分遠心した。存在するなら、ウィルス粒子はペレット 化した。培地を捨て、そしてペレットを20μlのNonidet P-40(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)の中に再懸濁させた。 エッペンドルフチューブを41℃に加熱した。5μlのサンプルを45mMのトリス 、pH7.8、2mMの2−βメルカプトエタノール、2mMの酢酸(第一)マンガン、0 .1%のTriton X-100、10μMづつのdATP,dCTP,dGTP(Boehringer Mannheim Bio chemical,Indianapolis,IN),2.4μgのポリA(Sigma)、60ngのプライマーdT 12-19(Pharmacia)、0.4μCi/反応の3Hチミジンミリン酸(15,000〜28,000cpm/ pmole活性、Amersham)を含む45μlの逆転写酵素、カクテルに加えた。 この反応体を41℃で1時間インキュベーションした。陰性コントロールは5μ lのddH2O及び45μlのカクテルを使用した。2つの既知の陽性コントロールを このアッセイに含ませた。アッセイは1mlの10%のトリクロロ酢酸(TCA,Colum bus Chemical Industries, Inc.,Columbus WI)の添加により停止させた。この混合物をWhatman GF/Cガラ ス0.45ミクロンプレフィルターで濾過した。5%のTCAを用いて数回の洗浄を実 施した。フィルターを5mlのシンチレーション計測液を含むシンチレーションバ イアルに移した。サンプルを050〜600ウィンドー設定値を用いてBeckman Instru ments Scintillationカウンターで計測した。カクテルバックグランドよりも3 倍の計測値の上昇を陽性と考えた。 一次培養物は本発明において用いた他の細胞と同じように陰性と検査された。 逆転写酵素アッセイについての更なる情報はCrittenden 3,Virology 57:128-13 8,1974を参照のこと。 実施例5 不死化細胞の同定 細胞は、細胞へのp53/メタロチオネイン含有構築体の導入を経て、且つ1日 当り約0.6〜約1.5集団倍化されたときに組織培養物において約25回より多く継代 されたときに不死と決定した。この速度を、約0.1〜約0.2集団倍化/日の集団倍 化速度を有する後期未処理(即ち、p53/メタロチオネインプロモーター構築体 を与えていない細胞)コントロールと比較した。p53/メタロチオネインプロモ ーターを受容した皮膚細胞は現状、細胞への遺伝子構築体の導入を経て継代70と なっている。20より多くの不死化クローンがトランスフェクション手順において 同定された。これらの細胞は形態学的に正常であり、そして接触阻害された。胸 筋細胞は現状継代52となっており、形態学的に正常であり、接触阻害増殖を示し 、そして現状約0.72の集団倍化速度を有する。13個のクローンを分析のために選 んだ。心臓細胞は現状継代20となっており、形態学的に正常であり、接触阻害さ れ、そして0.6の平均集団倍化速度を有する。いくつかのクローンは約0.8〜1.1 の集団倍化速度を有する。10より 多くのクローンを更なる研究のために選別した。 実施例6 細胞の腫瘍原潜在性を評価するためのソフトアガロースコロニー形成アッセイ 腫瘍原潜在性について検査するため、p53/メタロチオネインプロモータート ランスフェクション細胞をソフトアガーの中での増殖について検査した。ソフト アガロースベースを、21.6mlの濃厚McCoy's 5A培地[BRL/Gibco;120mlの胎児牛 血清(熱不活性化)、5mlのNaピルベート(2.2%ストック)、1mlのL−セリ ン(21mg/mlストック)、5mlのL−グルタミン(200mMストック)、12.5mlのHep es(1Mストック)]、5.9mlのアスパラギン(4.4mg/mlの無菌濾過ストック)の中 で12mlの2%のアガロース溶液(オートクレーブにかけ、56℃に冷やしたもの) を混合することにより作った。7mlの温暖培地/アガロースを100mm2の組織培養 皿に注ぎ、そして組織培養フッドの中で1hrかけて室温で固化させた。 活発に増殖する(約40〜約70%の集密度の)培養物から細胞をトリプシン処理 により除去し、10%の胎児牛血清(L−グルタミン及び抗生物質−抗真菌物質入 り)を含む新鮮DMEM培地中の単一細胞懸濁物を得た。約1×106個の細胞と10% の胎児牛血清、0.75mlの1%のアガロース及び50μlの2β−メルカプトエタノ ールを含む4.2mlのDMEM培地に加えた。温暖培地/アガロースは細胞に添加され る前に確実に42℃である注意が要される。すばやく、5mlの上記細胞懸濁物をア ガロースプレートの上に積層した。 細胞を5%のCO2及び95%の大気インキュベーターの中で37℃で増殖させ、そ して35日間観察した。プレートを2重で3p−ニトロフェニル−5−フェニルテ トラゾリウムクロリド(INT染料)で染色し、そしてコロニー形成及び増殖につい て0.5,10,15,20,30及 び35日目に検査した。60μmより大きい染色されたコロニーを全て陽性と考えた 。 全ての細胞が陰性と検査された。ソフトアガーアッセイについての更なる情報 はHamburgerら、Prog.Clin.Biol.Res.48:p43,135,179,1980から得られ る。 実施例7 不死化細胞の腫瘍原性 ミネソタ大学の動物使用プロトコール(プロトコール#950300−1、1995年3 月〜1996年12月)に慨略してある指針に従い、細胞を試験動物に注射し、細胞が 腫瘍原性であるか否かを調べた。鶏メタロチオネインプロモーターのコントロー ル下にある鶏p53の腫瘍原潜在性を検査するため、当該不死化細胞をニワトリに 注射した。 活発に増殖する細胞を細胞培養プレートから除去し、そして6羽のSPAFAS系成 鶏に注射した。4×106個の細胞の皮下注射をニワトリの翼甲羽に与えた。注射 箇所を3.5ヶ月間毎週検査した。今日までに作製したどのトランスフェクション 細胞(皮膚、心臓及び筋肉)についても注射箇所において腫瘍は観察されず、そ して動物は全て健康を維持した。 実施例8 p53/メタロチオネイン細胞系におけるウィルス繁殖 これらの細胞をウィルス生産を支持するその能力について検査した。p53/メ タロチオネインプロモーター構築体を含む2.5×108個の細胞を8.2TCID50/mlの力 価を有するレオウィルスのWSS-Reo 1733株で感染させた。細胞は0.005,0.001又 は0.0005感染性ウィルス粒子/細胞の感染多重度で感染された。感染細胞をロー ラーボトルの中で増殖させ、そして注射の48,64及び72時間後に検査し、そして 多量のウィルス増殖が示された。 細胞をローラーボトルの中に2.0×104細胞/mlで播種した。このローラーボト ルを37℃で8日間、0.4〜0.5RPMに設定したローラーラックの上でインキュベー ションした。細胞を七面鳥ヘルペスウィルス(HVTウィルス、株R2/23)で感染 させた。細胞はローラーボトルの中に約1.33×107個の細胞があるとき、0.001の 感染多重度で感染させた。細胞は単層の約40%が感染に関係する細胞病理の徴候 を有するとき、約90〜約96時間において回収した。細胞を10%のヒクロンγ照射 FBS、2.5g/LのTPB、2mMのL−グルタミン、100U/mlのペニシリン、0.10mg /mlのストレプトマイシン、0.25mg/mlのアンホテリシンB、1.6mg/Lのイン スリン及び1.6mg/Lのトランスフェリンを含むDMEMの中で増殖及び維持した。 当初の研究は細胞が約1.4×104pfu/mlを供することを実証した。 細胞はMarek病ウィルス複製を支持することができた。 実施例9 細胞基材としてのトランスフェクション皮膚細胞の利用 本発明の細胞は一次細胞のウィルス複製を支持するための基材として有用であ る。これらの実験において、p53不死化皮膚細胞を一次細胞と混合した。一の研 究において、一次細胞を感染させ、そして当該不死化細胞と混合し、そして培養 物の中に入れる。別の研究においては、一次細胞を感染させ、そして不死化細胞 の上に載せる。この場合、不死化細胞は組織培養フラスコの中に菌叢として既に 配置されている。一の例において、ウィルスはエラグ・ドロップ・シンドローム ・ウィルスであり、そして一次細胞は一次鶏胚肝細胞である。二の例においては 、一次細胞が内皮細胞、好ましくは腎内皮細胞であり、そしてウィルスは感染性 気管支炎ウィルスである。一次細胞、対、不死化細胞の好適な比は約1:5〜約 1:20であり、そしてより好ましくは約1:10である。混合細胞集団の中で増殖 する一次細胞のウィルス力価は培養物中の単独の一次細胞の力価より高い。不死 化細胞は一次細胞が商業的条件下でのウィルス繁殖に利用されることを可能にす る。 本発明は特定の態様に限定されるものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ファリス,ジェイムス エー. アメリカ合衆国,ミネソタ 55014,リノ レイクス,ステージコーチ ロード 7278 (72)発明者 フォスター,リンダ ケイ. アメリカ合衆国,ミネソタ 55113,ロー ズビレ,ファーリングトン ストリート 1785

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.一次非げっ歯類細胞を形質転換するための方法であって、下記の工程:p 53をコードする核酸を、p53の発現を指令することのできる遺伝子ベクターの中 にメタロチオネインプロモーターのコントロール下となるように配置する; 当該遺伝子ベクターを一次非げっ歯類細胞に導入する;そして1日当り約0.6 〜約1.5集団倍化の集団倍化時間を有する細胞フォーカスを選択する、ここで当 該細胞は逆転写酵素陰性であり、且つ非腫瘍原性である; を含んで成る方法。 2.前記一次非げっ歯類細胞が鳥類に由来する、請求項1記載の方法。 3.前記一次非げっ歯類細胞がヒトに由来する、請求項1記載の方法。 4.前記細胞が皮膚細胞である、請求項1記載の方法。 5.前記細胞が胸筋細胞である、請求項1記載の方法。 6.前記細胞が心筋細胞である、請求項1記載の方法。 7.メタロチオネインプロモータ−のコントロール下でp53の発現を指令する ことのできる遺伝子ベクターを含む不死化細胞。 8.前記細胞が繊維芽細胞である、請求項7記載の細胞。 9.前記細胞が鳥類に由来する、請求項7記載の細胞。 10.ウィルスを繁殖するための方法であって、下記の工程: 少なくとも一種の感染性ウィルス粒子を少なくとも一種の不死化細胞培養物と 接触させる、ここで当該培養物の細胞はメタロチオネインプロモーターのコント ロール下でp53を発現する遺伝子ベクターを含む;そして 当該細胞により産生されるウィルスを回収する; ことを含んで成る方法。 11.前記ウィルスがレオウィルスである、請求項10記載の方法。 12.前記ウィルスがHVTである、請求項10記載の方法。 13.前記ウィルスがフォウル・ポックス・ウィルスである、請求項10記載の方 法。 14.ウィルスを繁殖するための方法であって、下記の工程: 少なくとも一種の感染性ウィルス粒子を一次細胞と接触させる; 当該一次細胞を細胞培養物においてメタロチオネインプロモーターのコントロ ール下でp53を発現する遺伝ベクターを含む不死化細胞と一緒に増殖させる;そ して 当該細胞培養物から産生されたウィルスを回収する、 ことを含んで成る方法。 15.不死化非形質転換細胞であって、メタロチオネインプロモーターのコント ロール下にあるp53を含み、且つ当該細胞中での組換タンパク質の発現を指令す ることのできる少なくとも一種のベクターを含む細胞。 16.組換タンパク質を発現する請求項15記載の細胞。 17.前記ベクターが組換ウィルスの少なくとも一部をコードする、請求項16記 載の細胞。 18.前記ベクターがレトロウィルスベクターである、請求項15記載の細胞。
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