JP2000517478A - 短パルスレーザ装置 - Google Patents

短パルスレーザ装置

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Abstract

(57)【要約】 ポンピングビーム(3)が供給されるレーザ共振器と、特にチタニウムーサファイア(Ti:S-)レーザ結晶であるレーザ結晶(4)と、レーザミラー(M1〜M7)を備え、ビームの焦点合わせのために熱負荷を受けるレーザ結晶(4)は熱除去のために設けられた冷却体(10)上に取り付けられ、前記冷却体はレーザビーム(3、8)の通過のための孔(13)を含み、更に熱除去を向上するために、好ましくは銅である熱の良導体材料の、特にプレート状の結晶取付け台(11)が前記冷却体上に設けられ、前記レーザ結晶(4)はこの結晶取付け台(11)の開口(14)内に前記結晶取付け台(11)の開口(14)の対向して配置された壁(15、16)上に側面接触によって保持され、前記結晶取付け台(11)中の前記開口(14)は前記冷却体(10)中の孔(13)と整列している、受動的モードロックの短パルスレーザ装置(1)。

Description

【発明の詳細な説明】 短パルスレーザ装置 技術分野 本発明は、受動的にモードロックされる短パルスレーザ装置に関するものであ って、このレーザ装置は、ポンピングビームが供給されるレーザ共振器と、特に チタニウムサファイア(Ti:S-)であるレーザ結晶と、レーザミラーを備え、こ のレーザ結晶はビームの焦点合わせのために熱負荷を受け、かつ熱除去のために 冷却体上にマウントされ、かつこの冷却体はレーザビームを通過させるための孔 を含んでいる。 このようなレーザ装置は、一方では科学的な目的のために使用され、他方では 、特に微細構造を形成する場合、材料加工に使用される。 モードロックされた状態において、レーザは、エネルギーを蓄積しその後これ をパルスに似た方法で放射することにより、連続レーザ光(連続波(cw)動作)に 代わってレーザパルスを放射する。このパルスの持続期間は通常、レーザ共振器 中でのパルスの往復に要する時間に相当し、例えば、2mの直線共振器では、約 75MHzの周波数のパルスが生成され、ここではレーザ光パルスは、この例で は4mに相当するレーザ共振器を両方向で通過する。モードロックのために、例 えばレーザビームを偏向しあるいはブロックすることによって、損失が周期的に 導入され(共振器往復周波数と共に)、そのためレーザは振動を開始する。この 結果、(例えば150mWから300mWである)cw動作におけるレーザの出 力パワーよりも実質的に高い(例えば100kWから200kW)ピークパワー を 有するパルスを生じる。 基本的に2種類のモードロック法に分類される。 能動的モードロックでは、能動素子、駆動装置を介して外部からエネルギーが 供給される変調器によって、例えばこの変調器がレーザビームをその伝搬方向か ら周期的に偏向させることによって、周期的な損失が導入される。この様に、レ ーザは損失が小さい期間においてレーザ活動を実行するように強制され、反対に 損失が大きい期間においてレーザはエネルギーを蓄積することができる。 受動的モードロッキングにおいて、共振器中での非線形光学効果が使用される 。即ち、非線形光学素子をレーザビームの通路に配置し、この非線形素子はその 光学特性、例えば透過率または反射率、をレーザビームの強度に比例して変化さ せる。この様な非線形素子として、例えばレーザ結晶それ自体が使用され、この 結晶はレーザ光の衝突の強度が強くなればなるほど損失が小さくなる所謂可飽和 吸収体を形成する。レーザパワーにおける変動によって、cw動作におけるレー ザの場合よりも実質的に低い損失を“経験した”パルスが生成される(同様に、 US-5,079,722A参照)。レーザ本体(固体レーザ)は、レーザ放射のフィールド 強度分布と共にその光学的“厚さ”が変化する非線形材料からなる。例えば非線 形屈折率は、フィールド強度の2乗の関数であり、即ちそのフィールド強度分布 がガウシアン曲線に似たものと見なすことができるレーザビームは、平行面を有 するレーザ結晶の場合、その断面上で工学的な厚さが変化する素子を有効に“経 験”する。この方法において、焦点合わせ用のレンズは、面平行非線形性の結果 として生じる。 この光学的ケラー効果は、2種類の方法でモードロッキング(所謂“ケラーレ ンズモードロッキング”)のために使用することができる。所謂“ソフトな開口 ”の場合(Spence等による、1991年 1月1日発行のOptics Letters,Vol.16,p.42-44参照)、ポンピング用ビーム (Ti:Sレーザにおいて、エネルギーは例えばアルゴンレーザの様な緑のレーザに よって供給される)はこのレーザ結晶中で非常によく焦点合わせされ、その結果 Ti:Sレーザ(約800nmの赤外光)によって形成される共振ビームはポンピング エネルギーの殆どの部分を捕縛することができる、即ちその直径が最小の場合、 最も大きい利得を有することが可能である。この様に、それぞれのパルスの強度 即ちフィールド強度が大きければ大きい程、レーザパルスがより良く焦点合わせ され、かつレーザ結晶を通過する全ての経路において利得が大きくなり、それに よって強度が更に増加する。この正のフィードバックによって安定したモードロ ッキングが得られる。 所謂“ハードな開口”の場合(例えばUS-5,079,772A参照)、その効果は次の 様に用いられる。即ち、開口は、強度(フィールド強度)が小さい場合より大き な直径を有する場所に、かつ強度が大きい場合より小さな直径を有する場所に、 共振器ビームを限定し、この様にして共振器ビームをレーザ結晶中で焦点合わせ する。 その他の受動的モードロッキング技術、例えば半導体可飽和吸収体も同様に周 知である。例えば、1996年5月15日発行の、R.Fluck等による、"Broadban d saturable absorber for 10-fs pulse generation",Optics Letters,Vol.2 1,No.10,pp.743-745参照。 非常に短く従って非常に強度が高いパルス(フェトム秒程度)を生成するため に、共振器におけるグループ分散を制御する必要がある。時間が非常に短いパル スは周波数の範囲が広いスペクトルを有するので、レーザ結晶において、異なる 周波数成分が、異なる屈折率を“経験し”、その結果レーザ結晶の光学長が異な り、更にその 為にこのレーザ結晶を通過する場合に異なる遅延を受けると言う、望ましくない 効果が生じる。この様にして、パルスは再び引き延ばされる。これに対抗するた めに、ビームは光学プリズムを配置することによって周波数に関して分割される :異なる周波数成分は異なる長さの経路を通過し、さらに別のプリズムにおいて ビームは再び収束される(平行とされる)。その結果、異なる周波数成分はレー ザ結晶中とは丁度反対に遅延され、それによってレーザ結晶中に導入された分散 は再び補償される(US 5,079,772A参照)。 さらに別の示唆によると(例えば、Stingl等による、1994年2月1日発行 の、"Generation of 11-fs pulses from a Ti:sapphire laser without the use of prisms",Optics Letters,Vol.19,No.3,pp204-206)、多くの(>4 0)層によって構成された特別のレーザミラーを使用し、異なる波長成分をミラ ーによる反射の前に、異なる深さまで進入させている。従って、レーザビームの 異なる波長成分はミラー中で異なる時間遅延され;短波長成分は表面で反射され 、反対に長波長成分はミラーのより深い位置で反射され、その結果短波長成分と 比べてある遅延を経験する。最後に述べた方法の利点は、分散補償が良いことで あり、それによって非常に短いパルスを共振器から直接形成することができる。 それぞれに用いられた分散補償技術にも関わらず、主にレーザ結晶において特 に短いレーザパルスを形成するため(10fsおよびそれ以下のオーダー)に、材 料の分散を低く抑えることが分散制御のために重要であり、さらにこの為には薄 い、即ち短いレーザ結晶(即ち短い経路長を有するレーザ結晶)が適切である。 補償のためには、レーザ結晶は高いドーピング濃度を有する必要がある(例えば 、2mm以内で、70%以上を吸収する)。ポンピングのしきい値を出来るだけ低 く抑え、その結果ポンピング出力をレーザ出力へ効率 的に変換することを確実にするためには、ポンピングビームと共振器ビームは出 来るだけ良く焦点合わせされていなければならない。レーザ結晶のポンピング容 積の大きさを大きく減少させることによって、熱負荷は増加する。 この様に、本発明の目的は、冒頭に定義したタイプのレーザ装置を提供するこ とであり、このタイプではレーザ結晶に対して熱の除去が改良され、それによっ て比較的小さい外形を有するレーザ結晶上で熱負荷を上昇させること、およびそ の結果として出力パワーを上昇させることが可能となる。 冒頭に定義したタイプの新規なレーザ装置は、従って、優れた熱伝導特性を有 する材料で構成された結晶取付け台を冷却体上に設け、さらにレーザ結晶をこの 結晶取付け台の開口内に、結晶取付け台の開口の対向する壁に側面で接触するよ うにして保持し、結晶取付け台中の開口を冷却体の孔と整列させたことを特徴と する。 5〜10cmの長さの結晶を使用する連続波固体レーザとは反対に、更に10〜 20mmの長さを有し断面積が4×4mmかそれ以上の結晶を使用する通常のフェト ム秒固体レーザとは反対に、本実施形態では、数mmの長さと非常に小さな断面、 例えば1mmのオーダー、を有するレーザ結晶が使用され、それによって必然的に かつ非常に短いレーザパルス(10fs以下)が生成される。この結果、レーザ結 晶それ自身のコスト削減のみならず、上述した熱伝導性の高い結晶取付け台との 組み合わせにおいて、レーザ結晶から有効に熱を除去することが可能となる。こ れに関連して、レーザ結晶の寸法が小さい事によって、中央ゾーン(例えば約1 0〜50μmの直径を有する)に位置するレーザ結晶のポンピング容積から結晶 取付け台の表面への熱除去のためのレーザ結晶の経路が相当短くなる事もまた、 重要である。結晶取付け台は次に、例えば10℃に保たれた冷却体 に熱を伝える。冷却体上のこの温度制御は技術的に旨く処理することができる( しかしながら、上述の温度以下に冷却された場合、冷縮問題が生じる場合がある )。通常、冷却体はアルミニウムで形成される。結晶の内部の温度を減少させる ことによって、パルスレーザの出力パワーは向上する。これは即ち、上部層レベ ルにおける電子の寿命がレーザ結晶中の温度の上昇と共に減少すると言う事実の 結果である。Ti:Sレーザ結晶を用いたテストでは、本発明に従って形成された結 晶取付け台を用いた場合、冷却体を用いた従来の実施形態に比べて20%に至る 出力増加を達成する事が可能であった。受動的モードロッキングの性質から、出 力パワーが向上したことによって、同じポンピングパワーによって更にパルスを 短くする事が出来る。 結晶取付け台中に可能なかぎり簡単にレーザ結晶を適応させるために、もし、 例えばプレート(薄板)状の結晶取付け台がスリット状の開口を有していると、 非常に効果がある。この実施形態では、レーザ結晶はスリット状開口内の所望の 位置に正確に配置することができる。結晶取付け台のヘリ(rim)からレーザ結 晶を挿入しかつ位置決めすることを可能とするためには、スリット状の開口が結 晶取付け台のヘリからその中へ延びていると、更に適切である。この実施形態で は、レーザビームは同様に、結晶取付け台のヘリに、あるいはその近辺に配置さ れる。更に、特別に追加的な手段を要せずにレーザ結晶を開口中にシッカリとク ランプするためには、スリット状開口がプレート状結晶取付け台の反対のヘリの 直前まで延びていると非常に効果的であることが証明されおり、さらに残る結晶 取付け台材料が、(フィルム)ヒンジタイプの連結部を構成し、スリット状開口 によって互いに分離された結晶取付け台の2個の半部分が、互いに関して回転可 能な脚部を形成すると効果的である。こ れらの脚部はその間にレーザ結晶をシッカリとクランプしている。脚部間のウエ ブ(web)が不本意に破壊されるのを可能な限り避けるために、レーザ結晶の挿 入期間においてその脚部が広がると効果的であり、さらに挿入タイプのスリット 状の開口が広がった球体になって終わると効果的である。 クランプするための力を加えるために、このような圧力は外部から、例えばク ランプタイプまたは類似の装置によって、2個の脚部上に加えることができる。 しかしながら、脚部を互いに回転させる筋交い部材を収容するため、スリット状 の開口を横切る方向に延びる横断孔を脚部が有していると、力を加えるための特 別に簡単な形状が可能である。これに関連して、一個の脚部における横断孔がオ ーバーサイズの滑らかな貫通孔であり、他方の脚部における横断孔の内部にはネ ジ筋が設けられており、締めつけ部材はそのシャフトが一方の脚部の貫通孔を通 って自由に延びる耐張ネジでありかつ他方の脚部のネジ切りされた孔にネジ締め されるように展開されると、更に効果的である。この実施形態では、従って単純 に固定あるいはクランプ用のネジが設けられ、その回転によって2個の脚部が、 その間のレーザ結晶をシッカリとクランプしあるいは開放するように、締めつけ られあるいは広げられる。 結晶取付け台上に保持されたレーザ結晶により良いアクセスを提供するために 、またクリーニングの目的のために、結晶取付け台の開口が冷却体とは反対の面 において面取りされたヘリを有し、レーザ結晶が面取り部まで延びている場合に 、特に効果的であることが証明されている。 すでに述べたように、本発明にかかる実施形態は、特に比較的小さなレーザ結 晶と組み合わせて使用することができ、従ってレーザ結晶が、厚さが約1mmのオ ーダーで長さが約2mm、ポンピング容積 の直径が10μmのオーダーである平行6面体形状である場合に特に効果的であ る。 以下に本発明を、図示の例示的な実施形態によってより詳細に説明するが、図 示の実施形態は決して限定的なものではない。 図面の簡単な説明 図1は、短パルスレーザ装置の概略図を示し、 図2は、この様なレーザ装置のレーザ結晶に対する冷却取付け台を含む冷却体 の、図3に示す矢印IIに従った上面図を示し、 図3は、冷却体と、レーザ結晶を含む結晶取付け台を通る、図2の線III−III 上の断面を示し、 図4は、結晶取付け台が無い場合の冷却体の上面図であり、 図5は、一部を切り欠いたプレート状結晶取付け台の上面図であり、 図6は、図5の矢印VI方向の結晶取付け台の側面図であり、 図7は、熱の除去のための短い経路を示すための、単に部分的に示された、結 晶取付け台中にクランプされたレーザ結晶の概略的上面図であり、 図8は、比較目的のため、ほぼ比較しうるスケールで、従来のレーザ装置にか かる冷却体中のレーザ結晶の構造を示し、更に、 図9は、インジウムフォイル中間層の説明のため、結晶取付け台中の開口領域 を更に拡大したスケールで詳細に示すものである。 発明を実施するための最良の形態 図1に、短パルスレーザ装置1を概略的に示す。この装置では、前述の“Kerr レンズモードロッキング”原理が短パルス生成のために使用され、薄層技術で実 現された前述のレーザミラーが分散制御 のために使用され、この様なレーザ装置によって、本発明は特別効果的に使用さ れることが可能である。 図1によれば、レーザ装置1は、破線で示すレーザヘッド2を備え、このヘッ ド2には、例えばアルゴンレーザビームである、ポンピングビーム3が供給され る。簡略化のために、ポンピングレーザ(例えばアルゴンレーザ)それ自身は省 略されている。このポンピングレーザは従来技術の一部である。 レンズL1と半透明レーザミラーM2を通過した後、レーザビームはレーザ結 晶4を通過する。この結晶は、本例ではチタニウム:サファイア(Ti:S)固体レ ーザ結晶であり、その後レーザビームはレーザミラーM1に衝突しこれによって 反射されて、垂直のスリットを有する開口5を横切ってレーザヘッド2の外部に あるレーザミラーM3に向かう。このレーザミラーM3は、レーザビームを反射 してミラーM1に戻し、このミラーM1においてレーザビームは反射されてレー ザミラーM2に戻され、その結果レーザ結晶4を2回通過する。その後、レーザ ビームは、更なるレーザミラーM4、M5および半透明で直三角柱形状の出力結 合ミラー6を介して反射され、それによってレーザ共振器が構成される。出力結 合ミラー6を介して、レーザビームはさらに分解され、補償板7が、薄膜技術を 用いて構成されたミラーM6、M7と共に分散補償を提供し、かつレーザ共振器 に向かう方向への望ましくない反射の発生を防止する。記載した方法で得られた レーザヘッド2中の共振器ビームは、符号8で示される。 レーザ結晶4は面平行体(平行6面体)であり、光学的に非線形であって、か つ、レーザビームのフィールド強度が大きい場合に大きな有効光学的厚さを有す る一方で、フィールド強度即ち強度が低い場合、小さな有効厚さを有するKerr素 子を構成する。このKerr効 果はそれ自身で周知であり、レーザビームの自動焦点合わせに用いられる。即ち 、レーザ結晶4はレーザビーム(共振器ビーム8)に対して焦点合わせ用のレン ズを構成する。 図示の実施形態において、更にモードロッキングのために、アパーチャ5を用 いて共振器ビーム8をある場所に限定する。この場所は、変動レーザビームの強 度即ちフィールド強度が小さい場合大きな直径を有し、反対にレーザビームの強 度が変動のために大きい場合、即ち共振器ビームがレーザ結晶中に焦点合わせさ れている場合、小さな直径を有する。 ミラーM1〜M7は薄膜技術を用いて形成される。即ち、これら各々は、幅が 広いスペクトルを有する超短レーザパルスの反射において機能する多数の層から 構成されている。レーザビームの種々の波長成分は、それらが反射される前に、 各ミラー層中の種々の深さまで進入する。その結果、種々の波長成分が、それぞ れのミラーにおいて異なる時間遅延され;短い波長成分はより外側で反射され、 一方長波長部分はミラーのかなりの深さにおいて反射される。これにより、長波 長成分は短波長成分に比べてより長く遅延される。特に短時間のパルス(好まし くはフェトム秒およびそれ以下)が広い周波数スペクトルを有する限りにおいて 、この方法で分散補償が得られる;その結果、前述したように光学的に非線形の レーザ結晶4におけるレーザビームの種々の周波数成分は、異なる屈折率を“経 験する”、即ちレーザ結晶4の光学的な厚さは種々の周波数成分に対して異なり 、その結果種々の周波数成分はレーザ結晶4を通過する場合に異なって遅延され る。この効果は、薄膜レーザミラーM1〜M7における前述の分散補償によって 克服される。 ミラーM1〜M7上の各反射について僅かの遅延を顧慮して、比較的薄いレー ザ結晶4を使用することが適切、あるいは必要である 。この薄い結晶4は一方で、希望する効果を得るために高いドーピング濃度を有 し、この場合更にポンピングビーム3および共振器ビーム8は可能な限り焦点合 わせされるべきである。しかしながらこれによって、結果的にレーザ結晶4上に 大きい熱負荷を生じる。 通常、レーザ結晶は約10℃まで冷却された金属の冷却体上に取り付けられて いる。しかしながら、冷縮の危険が発生するために、これより低温に冷却するこ とはできない。ところがこれは、レーザ結晶、特にレーザ結晶のポンピング容積 の温度が、冷却体の側面からの適当な冷却が形成される可能性無しに、比較的高 くなることを意味する。ポンピングビーム3と共振器ビーム8それぞれの高い焦 点合わせの結果レーザ結晶4が非常に高く熱せられるので、前述したように特に 、外形が小さくかつドーピング濃度が高いレーザ結晶を使用する必要がある本レ ーザ装置1で、これは問題である。 図2および3に、少なくとも現時点で特に好ましくかつ効果があると見なされ る装置が図示されており、この装置は、冷却体10と、この上に取り付けられた レーザ結晶4のための結晶取付け台11とを備えている(図3)。例えばアルミ ニウム(黒い電解薄膜が施された)で形成された冷却体10はそれ自身では通常 のものであり、傾斜した上面12を有しており、この面において共振器ビーム8または ポンピングビーム3それぞれのための孔13が開けられている。 結晶取付け台11は、冷却体10と一体に構成することもできるが、好ましく は別個の構成部分であり、図5および6から明らかなように、優れた熱伝導特性 を有する金属、特にCu、をプレート形状に設計し、冷却体10の傾斜した上面 12上に面接触させて取り付けられている。結晶取付け台11はスリット状開口 14をレーザビームの孔13の方向に向けている。このスリット状で、窪み形状 の開口14中に、レーザ結晶4がシッカリとクランプされ、プレート状結晶取付 け台11の壁15、16に面接触している(図6参照)。開口14のヘリの上部 は、図5および6において17で示す様に傾斜、即ち面取りされている。面取り 部17は、開口14においてレーザ結晶4の上部側まで延びており、それによっ て必要な場合に、レーザ結晶をより簡単にクリーニングすることができる。 開口14は、結晶取付け台プレート11中で拡大された球体部18となって終 わり、ウエブ19の厚さを約1mmに保持する。このウエブはこの様にして得られ た結晶取付け台プレート11の各半分、即ち脚部20、21をフィルムヒンジ法 によって相互に接続する。ウエブ19はある程度変形可能であって、そのため脚 部20、21は、ウエブ19によってこの様にして形成された、即ち共に支持さ れまたは挟持されたヒンジの回りに互いにある程度回転可能である。好ましくは 銅である結晶取付け台11の金属は、脚部20、21を回転させるためにウエブ 19のそれぞれの変形を可能とする。この方法において、レーザ結晶は、脚部2 0、21を締めつけることによってスリット状開口14中で簡単に支持され、さ らにそこで摩擦係合によって保持される。 このような締めつけまたはクランピング目的の為に、脚部20、21はそれぞ れ横孔22、23を有し、脚部20中の横孔22は幾分大きくかつ滑らかな貫通 孔であり、一方他方の脚部21中の横孔23はネジ孔である。このネジ孔23は 図示するように貫通孔であってもよいが、しかし単に貫通孔22に向かって開い た止まり孔であっても良い。締めつけ部材として働く固定ネジ24(図2)を滑 らかな貫通孔22を介して挿入しネジ孔23中にネジ止めし、脚部20、21を 共に引き寄せる。 図2および5から、結晶取付け台11を更に冷却体10上に固定 するための孔とネジ25、26が明らかであり、この冷却体は対応するネジ孔2 7、28を有している(図4)。ネジ孔31、32が設けられた側面フランジ2 9、30を介して、冷却体10は保持手段等に取付けることもでき、この保持手 段は詳細には示されていないがそれ自身通常の技術である冷却剤供給源を備えて いる。 図7は、本レーザ装置における熱の除去を概略的に示すもので、矢印で示す非 常に短い経路がレーザ結晶4中に存在していることを見ることができる。この経 路は、熱を、レーザ結晶4の内部におけるポンピング容積33からレーザ結晶4 の側面に向かって、従って結晶取付け台11中の孔14の側壁15、16に向か って除去するためのものである。これにより、ポンピング容積33と、レーザ結 晶4の側面間の冷却壁15、16との間で非常に低い熱抵抗を結果的に生じる。 それにより、レーザ結晶4もまたその内部が、特に問題無く十分に低い温度に保 持される。レーザ結晶4における熱の除去のための経路が短い事は(図7の矢印 参照)、非常に重要である。何故なら、レーザ結晶4の材料の熱導電性は比較的 低い(500Kにおけるサファイア(チタニウムをドープしたチタニウム−サフ ァイアのホスト結晶)の熱導電性:k(500K)=25W/(mK)、および 300K:k(300K)=46W/(mK))ためである。 比較の目的で、図8では、比較しうる厚さ、さらにより広い幅を持ったレーザ 結晶4’がレーザビームのための孔13’を有する冷却体10’中に取り付けら れている。曲線状の矢印は、ポンピング容積33からレーザ結晶4に接触する冷 却体10’の冷却面への熱除去のための経路を示している。この様な装置におい て、ポンピング容積33と冷却される領域との間の経路が長いので、全体の熱抵 抗は高い。しかしながらそれによって、レーザの出力パワーは低く なり、周知の装置においてレーザの寿命は図2〜7に係る装置における場合より も低くなる。これはレーザ結晶4’の内部のポンピング容積33の領域における 温度が高くなるためである。 レーザ結晶4と接触する結晶取付け台11の表面は、熱の遷移を良くするため に、研磨されていることが好ましい。熱の遷移が発生する接触場所、例えば、特 に、冷却体10と結晶取付け台11間ででは、それ自身公知である良好な熱伝導 性を有するペーストを使用することができる。このような熱伝導性ペーストの代 わりに、インジウムフォイルを使用して良好な熱遷移を達成する事もできる。こ のようなインジウムフォイルは柔らかく、従って接触領域に密着し、その結果大 きな熱遷移面と良好な熱遷移が達成される。 このようなインジウムフォイル中間層は、図9において明らかな様に、レーザ 結晶4とこのレーザ結晶4を収容する開口14の壁15、16の領域において、 特に好ましい。そこで、インジウムフォイル34、35はレーザ結晶4の両側上 で、レーザ結晶と結晶取付け台11の開口14の冷却壁15、16間に、設けら れている。これはソフト金属であり、結晶面と壁15、16のそれぞれの凸凹を 平均化し、その結果熱伝導を強化する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スティングル,アンドレアス オーストリア国,アー―2100 コーノイブ ルク,クライネンゲルスドルフェルシュト ラーセ 24 (72)発明者 スピールマン,クリスツィアン オーストリア国,アー―2100 コーノイブ ルク,クライネンゲルスドルフェルシュト ラーセ 24 (72)発明者 クラウツ,フェレンク オーストリア国,アー―2100 コーノイブ ルク,クライネンゲルスドルフェルシュト ラーセ 24

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ポンピングビーム(3)が供給されるレーザ共振器と、例えばチタニウム −サファイア(Ti:S-)レーザ結晶であるレーザ結晶(4)と、さらにレーザミ ラー(M1〜M7)を備え、ビーム焦点合わせのめに熱負荷を受ける前記レーザ 結晶(4)は熱除去の為に設けた冷却体(10)上に取付けられており、該冷却 体はレーザビーム(3、8)の通過のための孔(13)を有している受動的モー ドロック短パルスレーザ装置において、熱伝導性材料の結晶取付け台(11)が 設けられ、更に前記レーザ結晶(4)はこの結晶取付け台(11)の開口(14 )内に、結晶取付け台(11)の開口(14)の対向して設けられた壁15、1 6に側面接触することにより保持され、前記結晶取付け台(11)の前記開口( 14)は前記冷却体(10)中の前記孔(13)と整列していることを特徴とす る、受動的モードロックの短パルスレーザ装置。 2.例えば、プレート状結晶取付け台(11)はスリット状開口(14)を有 していることを特徴とする、請求項1に記載の短パルスレーザ装置。 3.前記スリット状開口(14)は前記結晶取付け台(11)のヘリからその 中へ延びていることを特徴とする、請求項2に記載の短パルスレーザ装置。 4.前記スリット状開口(14)は前記プレート状結晶取付け台(11)の反 対のヘリの直前まで延びており、更にそこに残っているプレートの材料はヒンジ タイプのリンク(19)を形成し、前記スリット状開口(14)によって互いに 分離された結晶取付け台の2個の半部分は、互いに対して回転可能である脚部( 20、21)を構成することを特徴とする、請求項3に記載の短パルスレーザ装 置。 5.前記スリット状開口(14)は広げられた球体(18)における切り開か れた終端によって形成されることを特徴とする、請求項4に記載の短パルスレー ザ装置。 6.前記脚部(20、21)は、脚部(20、21)を互いに回転させるため の締めつけ部材(24)を収容するために、スリット状開口(14)を横切る方 向に延びる横断孔(22、23)を有していることを特徴とする、請求項4また は5に記載の短パルスレーザ装置。 7.一方の脚部(20)中の横断孔(22)はサイズが大きい滑らかな貫通孔 であり、他方の脚部(21)中の横断孔(23)は内部にネジ山が設けられかつ 前記締めつけ部材はそのシャフトが前記一方の脚部(20)の滑らかな貫通孔( 22)中を自在に伸びかつ前記他方の脚部(21)のネジ孔中にねじ込まれる、 締めつけネジ(24)であることを特徴とする、請求項6に記載の短パルスレー ザ装置。 8.前記結晶取付け台(11)の開口(14)は前記冷却体(10)とは反対 方向に面する側において面取りされたヘリ(17)を有し、前記レーザ結晶(4 )はこの面取り部(17)まで延びていることを特徴とする、請求項1乃至7の 何れか1項に記載の短パルスレーザ装置。 9.前記レーザ結晶(4)は正6面体の形状を有し、その厚さは約1mmのオー ダーでかつ長さは約2mmであり、前記ポンピング容積(33)の直径は10μm のオーダーであること特徴とする、請求項1乃至8の何れか1項に記載の短パル スレーザ装置。
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