JP2001001982A - 水底ケーブルの疲労対策工法および装置 - Google Patents

水底ケーブルの疲労対策工法および装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブルによる把持部の荷重を軽減して把持
設備を小型化でき、かつ、把持部でケーブルが許容側圧
を越えないようにしてケーブル疲労を防止できる水底ケ
ーブルの疲労対策工法および装置を提供する。 【解決手段】 水底ケーブル12の布設に際して天候待
時あるいは修理時等の水底ケーブル12を作業船10に
保持するときに、作業船10の船尾シーブ16から繰り
出した状態の水底ケーブル12を該シーブ16と水面1
8との間の位置で把持し、少なくとも水面から初接底箇
所に至る間の水底ケーブル12に複数の浮力ブイ26を
分散設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水底(海底)に布
設する電力ケーブル、通信ケーブルなどの水底ケーブル
を水底に布設あるいは修理するに際して、波等により生
じる布設船の揺れによって保持したケーブルの金属シー
ス等の疲労(歪み)を緩和させる水底ケーブルの疲労対
策工法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般、海底ケーブル等の水底ケーブルの
布設に際しては、水底ケーブルを布設船の船尾シーブか
ら繰り出し、船の速度に応じてケーブルの繰り出し速度
をブレーキ装置で制御しながら布設している。また、水
底ケーブルの故障が生じた箇所に割り入れケーブル(修
理用ジョイント)を接続する際には、水底ケーブルを船
上に引き上げて、シーブで支持してブレーキ装置で繰り
入れおよび繰り出しを制御している。従来は、一定時間
毎に、海底ケーブルの歪みが発生する箇所を移動させる
ケーブル繰り出し工法を行っている。また、船上からシ
ーブ下のケーブルを接線方向に牽引ワイヤーに把持し、
ケーブルの歪みを防止する工法(ケーブル把持工法)を
行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のケーブル送り出し工法では、疲労の対策時間が長く
なると繰り出したケーブルの長さが長くなり、特に、図
8に示すように、修理用ジョイントaを海底に設置(沈
設)するときに、修理用ジョイントaを接続した割り入
れケーブルのルートが長くなり、沈設したときに蛇行し
て横方向に広がってしまい、平行するルートに布設され
ている隣接ケーブルbに重なる可能性があった。また、
水底ケーブルの余りのR分を作業船上に確保する必要が
あり、また、その設備も必要になる。これに対してケー
ブル把持工法を採用するにしても、ケーブル単位重量が
重く、かつ、水深が深くなると、ケーブル把持力が大き
くなる。このようにケーブル把持力が大きくなると、船
上のケーブル把持設備が大型になり、また、把持部で把
持した箇所がケーブルが許容側圧を越える可能性がある
等の種々の問題点があった。
【0004】本発明は、前記の問題点を解消するためな
されたものであって、ケーブルによる把持部の荷重を軽
減して把持設備を小型化でき、かつ、把持部でケーブル
が許容側圧を越えることを確実に防止でき、水底ケーブ
ルの金属シース等の疲労を防止できる水底ケーブルの疲
労対策工法および装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、次の構成を有する。本発明の水底ケーブ
ルの疲労対策工法は、水底ケーブルの布設に際して天候
待時あるいは修理時等の水底ケーブルを布設船に保持す
るときに、布設船のシーブから繰り出した状態の水底ケ
ーブルを該シーブと水面との間の位置で把持し、少なく
とも水面から初接底箇所に至る間の水底ケーブルに複数
の浮力体を分散設置するものである。また、本発明の水
底ケーブルの疲労対策装置は、水底ケーブルの布設に際
して天候待時あるいは修理時等の水底ケーブルを布設船
に保持する装置において、布設船のシーブから繰り出し
た状態の水底ケーブルを該シーブと水面との間の位置で
把持する把持手段と、少なくとも水面から初接底箇所に
至る間の水底ケーブルに分散設置する複数の浮力体とを
有し、浮力体は水底ケーブルの水中重量が0を越えた状
態とする浮力を有するものである。なお、前記浮力体
は、水圧の変化により浮力が変化しない耐圧ブイとする
ことができる。
【0006】本発明者は、水底ケーブル(海底ケーブ
ル)の布設に際して、天候待時あるいは修理時等の水底
ケーブルを作業船に保持する場合を考察した。作業船の
シーブから繰り出した状態の水底ケーブルでは、波など
による作業船の揺れで作業船と水底ケーブルとは相対的
な移動を繰り返し、シーブの位置で水底ケーブルがシー
ブに接したり離れたりを繰り返してシーブに当たった位
置で曲げと延びを繰り返すので水底ケーブルに疲労(金
属シースの疲労など)が生じるという知見を得た。
【0007】そこで、本発明によれば、把持位置をシー
ブと水面との間の位置とするので、このシーブ周囲ある
いは近辺での水底ケーブルの疲労を低減できる。また、
水面から初接底箇所に至る間の水底ケーブルに浮力ブイ
を複数設置するので、海面下の水底ケーブルによる把持
部への荷重を軽減させることができる。したがって、ケ
ーブルの把持力は小さくなるので、前記水底ケーブルの
歪み抑制効果の外、把持部に係る設備を小型化でき、か
つ、既存の把持力の小さな把持設備でも十分に対応可能
になる。また、水底ケーブルが許容側圧を越えることを
確実に防止してケーブル疲労特に鉛被疲労を防げる。よ
って、把持部工法により、ケーブル単位重量が重く、か
つ、水深のある条件下でも対応可能になる。
【0008】また、複数の浮力ブイを分散させて設置す
るので、水底ケーブルの全体的な張力を軽減することが
でき、より一層の曲げ歪み対策になる。また、水底ケー
ブルの把持時の水中重量が0を越えるように浮力ブイの
浮力を設定すれば、水底ケーブルが水中でカテナリーを
取った状態で安定し潮流や波浪などによる流さで横方向
への振られにくくなる。なお、浮力体を水圧の変化によ
って浮力の変化しない耐圧ブイとすれば、水深によって
浮力体の浮力が変わらず、水深が深くなってもケーブル
重量を安定して軽減でき、安定した布設作業が可能にな
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に
係る水底ケーブル(海底ケーブルも含む)の疲労対策工
法および装置の説明図、図2は作業船10の設備および
修理用ジョイント作業の説明図、図3は把持部のであ
る。
【0010】図1、図2に示すように、作業船10の船
上のターンテーブル11に水底ケーブル12が船積みさ
れており、この船上の水底ケーブル12を水底に布設す
る際には、ブレーキ14を通って船尾(および船首)1
0aのシーブ16に誘導・支持されて水面18下に投入
されている。水中においての水底ケーブル12の布設で
は、布設計画にしたがったルートに沿って、水底ケーブ
ル12を布設して行く。また、水底ケーブルの故障が生
じた箇所に割り入れケーブル(修理用ジョイント)12
bを接続する際には、水底ケーブル12を船上に引き上
げて、シーブ16で支持してブレーキ14で繰り入れお
よび繰り出しを制御している。
【0011】ブレーキ14は、水底ケーブル12を繰り
出し・停止させて水底ケーブル12の繰り出し長さを制
御するものである。実施形態ではキャタピラ式のブレー
キ14を用いており、このキャタピラ式ブレーキ14は
水底ケーブル12を上下からゴム等からなる履帯(無限
軌道)で挟みつけ、ブレーキ時には履帯を停止させるも
のであって、大きな制動力を得るのに適したものであ
る。
【0012】また、シーブ16は、水底ケーブル12を
誘導・支持する周縁部16aは概略円弧形状を呈してお
り、水底ケーブル12の布設張力で該ケーブル12がシ
ーブ16に押し付けられる圧力F(kg/m)とシーブ16の
半径R(m)との関係、F=Wh/Rにより(Wはケーブ
ル水中重量(kg/m)、hは水深(m))水底ケーブル12が
損傷されないような大きさの半径にすることが好まし
い。
【0013】図1において符号20はケーブル把持部で
あり、把持部20は船尾10aに斜め後方に立設されて
いる櫓22の先端から繰り出された牽引ワイヤー24先
端に図3に示すフック24aにより固定されており、把
持部20で水底ケーブル12を把持して前記ワイヤー2
4により水底ケーブル12を吊るようになっている。把
持部20としては、ケーブル12の外周面を一定以上の
面積で面状に包むものが好ましく、さらに好ましくは、
例えば、図3に示すように、線状体がメッシュを構成し
て、ケーブル外周面を一定面積以上の箇所を面状に把持
する、ケーブルグリップを採用することが望ましい。す
なわち、水底ケーブルをクリートのように点で把持する
とケーブル許容側圧を満足できない恐れがあるため、ケ
ーブルグリップ等の把持部20により、ケーブル長手方
向に面(面状)で拘束する。
【0014】作業船10では、電力ケーブル通過場所を
挟んで対の櫓22が設けられ、この対の櫓22先端から
牽引ワイヤー24が延びて、牽引ワイヤー24の先端部
に把持部20が連結される。櫓22の牽引ワイヤー24
の繰り出される箇所には、水底ケーブル12の重量で牽
引ワイヤー24へ加わる牽引力を検出する重量センサー
(例えばロードセル)22aが設けられている。また、
図2に示されるように、作業船10には、水底ケーブル
12布設設備の外に、修理用ジョイントの接続作業を行
う作業ハウス28が設けられており、この作業ハウス2
8では、良品既設ケーブル12aに割り入れケーブル1
2bを、修理用ジョイントの接続箱26により接続する
作業を行う。なお、図2において、30はクレーン、3
2は発電機、34はコントロールルーム、36は作業船
10係留用のワイヤー38を繰り出し・繰り入れる双胴
のウィンチである。
【0015】実施形態では、水底ケーブル12の布設に
際して天候待時あるいは修理時等の水底ケーブル12を
作業船10に保持するときには、作業船10のシーブ1
6から繰り出した状態の水底ケーブル12を該シーブ1
6と水面18との間の位置で把持する。そして、水面1
8から初接底箇所に至る間の水底ケーブル12には複数
の浮力ブイ26を分散設置している。この場合、ケーブ
ル修理時に割り入れケーブル10bを接続するときは、
予め水底ケーブル12に浮力ブイ26分散設置する。こ
のときには、図4に示すように、割り入れケーブルに良
品既設ケーブル12(12a)を修理用ジョイントで割
り入れケーブル12(12b)に船上で接続するのに必
要なケーブル長(I)と、修理用ジョイント組み立て時
のカテナリー長(II)とを船上に引き上げる。そのとき
のカテナリー長が(III)になる。そして、図5に示す
ように、浮力ブイ26をケーブルに設置しつつ水中にケ
ーブル12を投入し、前記(III)の部分のケーブル1
2は水底に設置し、(II)の部分のケーブル12がカテ
ナリーになる。
【0016】上記のように、浮力ブイ26を設置した後
に、把持部20で水底ケーブル12把持して牽引ワイヤ
ー24で牽引して水底ケーブル12に張力を与える。こ
の把持状態の牽引重量をセンサー22aにより検出し、
水底ケーブル12の張力管理を行う。なお、この浮力ブ
イ26設置状態でも水底ケーブル12水中重量>0であ
るが、浮力が強すぎると把持したケーブルが潮流や波な
どで蛇行するのである程度のカテナリーを維持できる水
中重量が必要である。また、浮力ブイ26は、水圧に耐
え得て浮力を維持できる耐圧ブイにすることが好まし
い。また、水底ケーブル12への複数の浮力ブイ26の
分散設置は、水面18から初接底箇所に至る間の水底ケ
ーブル12の曲げアール(カテナリー)をゆるやかにし
水中重量を軽くすることが好適である。例えば、浮力ブ
イ26の水底ケーブル12への分散設置は、等間隔であ
ることに限らず水中の水底ケーブル12が所望のカテナ
リーになるように浮力ブイ26の設置間隔を徐々に短く
して、シーブ16に接する箇所で応力を小さくすること
が好ましい。
【0017】水底ケーブル12を把持しているときに
は、図6に示すように、波などによって作業船10は上
下動し、図7に示すように、水底ケーブル12のカテナ
リーが変化することから、水底ケーブル12は作業船1
0と相対的に移動を繰り返し、水底ケーブル12の疲労
例えば金属シース疲労(歪み)は水底ケーブル12が接
したり離れたりするシーブ16周囲あるいは近辺で最も
発生する。これに対して、実施形態では把持位置をシー
ブ16と水面18との間の位置とするので、このシーブ
周囲あるいは近辺での水底ケーブルの疲労を低減でき
る。
【0018】また、水面18から初接底箇所に至る間の
水底ケーブル12に浮力ブイ26を複数分散設置するの
で、海面下の水底ケーブル12による把持部20への荷
重を軽減させることができる。したがって、ケーブル1
2の把持力は小さくなるので、前記水底ケーブル12の
歪み抑制効果の外、把持部20、櫓牽引ワイヤー等に把
持部20に係る設備を小型化でき、かつ、既存の把持力
の小さな把持設備でも十分に対応可能になる。また、水
底ケーブル12が許容側圧を越えることを確実に防止で
きる。よって、把持部工法により、ケーブル単位重量が
重く、かつ、水深のある条件下でも対応可能になる。
【0019】また、複数の浮力ブイ26を分散させて設
置するので、水底ケーブル12の全体的な張力を軽減す
ることができ、より一層の曲げ歪み対策になる。
【0020】また、水底ケーブル12への浮力ブイの分
散の設置のさせ方により、水面18から初接底箇所に至
る間の水底ケーブルの曲げアールを任意に調整できる
が、ケーブル水中重量は軽くし過ぎないようにすること
が潮流や波の影響を受けにくくする点で好ましい。
【0021】なお、前記の実施形態では本発明の好適例
を説明したが、本発明はこれに限定されないことはもち
ろんである。
【0022】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、把
持位置をシーブと水面との間の位置とするので、このシ
ーブ周囲あるいは近辺での水底ケーブルの疲労を低減で
きる。また、水面から初接底箇所に至る間の水底ケーブ
ルに浮力ブイを複数設置するので、海面下の水底ケーブ
ルによる把持部への荷重を軽減させることができる。し
たがって、ケーブルの把持力は小さくなるので、前記水
底ケーブルの歪み抑制効果の外、把持部に係る設備を小
型化でき、かつ、既存の把持力の小さな把持設備でも十
分に対応可能になる。また、水底ケーブルが許容側圧を
越えることを確実に防止して、ケーブル疲労、特に鉛被
疲労を防げる。よって、把持部工法により、ケーブル単
位重量が重く、かつ、水深のある条件下でも対応可能に
なる。また、複数の浮力ブイを分散させて設置すること
により、水底ケーブルの全体的な張力を軽減することが
でき、より一層の曲げ歪み対策になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る水底ケーブルの疲労対
策工法および装置の説明図である。
【図2】実施形態の疲労対策工法および装置が採用され
た作業船の一例の説明図であり、(a)は平面視図、
(b)は側面視図である。
【図3】実施形態の疲労対策工法および装置に係る把持
部の説明図であり、(a)は側面図、(b)正面図であ
る。
【図4】実施形態の疲労対策工法および装置においての
浮力体取り付け時のケーブル引き上げ状態の説明図であ
る。
【図5】実施形態の疲労対策工法および装置に係る浮力
体取り付け後のケーブル状態の説明図である。
【図6】実施形態の疲労対策工法および装置においての
ケーブル把持状態の説明図である。
【図7】実施形態の疲労対策工法および装置においての
ケーブルのカテナリー変化の説明図である。
【図8】従来工法における割入ケーブルルートの説明図
である。
【符号の説明】
10 作業船 12 水底ケーブル 16 シーブ 20 ケーブル把持部 24 牽引ワイヤー 26 浮力ブイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 透 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 岩田 保 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 曽我 学 大阪府大阪市北区中之島三丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 浅野 光正 東京都中央区銀座六丁目15番1号 Fターム(参考) 5G369 BA02 BB01 CB11 EA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水底ケーブルの布設に際して天候待時あ
    るいは修理時等の水底ケーブルを布設船に保持するとき
    に、布設船のシーブから繰り出した状態の水底ケーブル
    を該シーブと水面との間の位置で把持し、少なくとも水
    面から初接底箇所に至る間の水底ケーブルに複数の浮力
    体を分散設置することを特徴とする水底ケーブルの疲労
    対策工法。
  2. 【請求項2】 水底ケーブルの布設に際して天候待時あ
    るいは修理時等の水底ケーブルを布設船に保持する装置
    において、布設船のシーブから繰り出した状態の水底ケ
    ーブルを該シーブと水面との間の位置で把持する把持手
    段と、少なくとも水面から初接底箇所に至る間の水底ケ
    ーブルに分散設置する複数の浮力体とを有し、浮力体は
    水底ケーブルの水中重量が0を越えた状態とする浮力を
    有することを特徴とする水底ケーブルの疲労対策装置。
  3. 【請求項3】 浮力体は、水圧の変化により浮力が変化
    しない耐圧ブイであることを特徴とする請求項2に記載
    の水底ケーブルの疲労対策装置。
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