JP2001002425A - 磁気記録媒体用針状黒色複合磁性粒子粉末及び該針状黒色複合磁性粒子粉末を用いた磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用針状黒色複合磁性粒子粉末及び該針状黒色複合磁性粒子粉末を用いた磁気記録媒体

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JP2001002425A
JP2001002425A JP2000111974A JP2000111974A JP2001002425A JP 2001002425 A JP2001002425 A JP 2001002425A JP 2000111974 A JP2000111974 A JP 2000111974A JP 2000111974 A JP2000111974 A JP 2000111974A JP 2001002425 A JP2001002425 A JP 2001002425A
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acicular
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carbon black
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JP2000111974A
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Kazuyuki Hayashi
一之 林
Hiroko Morii
弘子 森井
Mamoru Kamigaki
守 神垣
Yasuyuki Tanaka
泰幸 田中
Keisuke Iwasaki
敬介 岩崎
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Toda Kogyo Corp
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Toda Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録層中に添加するカーボンブラック微
粒子粉末量を可及的に少なくしても光透過率が小さく、
且つ、表面電気抵抗値が低く、しかも、表面が平滑であ
る磁気記録媒体を得ることができる磁性粒子粉末を得
る。 【解決手段】 針状磁性粒子粉末の粒子表面にフルオロ
アルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン
化合物が被覆されており、該フッ素含有オルガノシラン
化合物被覆の少なくとも1部にカーボンブラックが付着
している平均長軸径0.051〜0.72μmの針状黒
色複合磁性粒子粉末であって、上記カーボンブラックの
付着量が前記針状磁性粒子粉末100重量部に対して
0.5〜10重量部であることを特徴とする磁気記録媒
体用針状黒色複合磁性粒子粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒子表面から脱離する
カーボンブラックが少ないことによりビヒクル中への分
散性が優れており、且つ、高い黒色度と低い体積固有抵
抗値を有する磁気記録媒体用針状黒色複合磁性粒子粉末
を提供するとともに、該針状黒色複合磁性粒子粉末を用
いることにより、磁気記録媒層中に添加するカーボンブ
ラック微粒子粉末量を可及的に少なくしても光透過率が
小さく、且つ、表面電気抵抗値が低く、しかも、表面が
平滑である磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオ用、オーディオ用磁気記録
再生用機器の長時間記録化、小型軽量化が進むにつれ
て、磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体に対す
る高性能化、即ち、高密度記録化、高出力特性、殊に周
波数特性の向上、低ノイズ化の要求が益々強まってい
る。
【0003】殊に、ビデオテープの高密度記録化に対す
る要求は益々強まっており、従来のビデオテープに比
べ、記録されるキャリアー信号の周波数が益々高くなっ
ている。即ち、短波長領域に移行しており、その結果、
磁気テープの表面からの磁化深度が著しく浅くなってい
る。
【0004】短波長信号に対して、磁気記録媒体の出力
特性、殊に、S/N比を向上させるためには、磁性粒子
粉末の微粒子化、磁気記録層の薄層化、磁性粒子粉末の
高分散化及び磁性塗膜表面の平滑化が要求されている。
【0005】一方、現在、特にビデオテープ等の磁気記
録媒体の終端判定は、磁気記録媒体の光透過率の大きい
部分をビデオデッキによって検知することにより行われ
ている。前述した通り、磁気記録媒体の高性能化の要求
に伴って、磁気記録層中に分散されている磁性粒子粉末
が微粒子化し、磁気記録媒体が薄層化すると、磁気記録
層全体の光透過率が大きくなり、ビデオデッキによる検
知が困難となる。そこで、磁気記録層にカーボンブラッ
ク微粒子粉末を磁性粒子粉末100重量部に対して通常
6〜12重量部程度添加して光透過率を小さくすること
が行われている。そのため、現行のビデオテープにおい
ては磁気記録層へのカーボンブラック微粒子粉末等の添
加は必須となっている。
【0006】このように、非磁性のカーボンブラック微
粒子粉末等を磁気記録層に多量に添加することは、磁気
記録媒体の電磁変換特性を低下させて高密度記録化を阻
害するばかりでなく、磁気記録層の薄層化をも阻害する
原因となるとともに、カーボンブラック微粒子粉末の粒
子サイズが平均粒子径0.002〜0.05μm程度の
微粒子であって、BET比表面積値が大きく、溶剤によ
る濡れが悪いという特性を有する事に起因して、ビヒク
ル中への分散が困難であるため、表面が平滑な磁気記録
媒体を得ることが困難になる。
【0007】そこで、磁気記録層に添加するカーボンブ
ラック微粒子粉末量を可及的に少なく、殊に、磁性粒子
粉末100重量部に対して6重量部未満にしても光透過
率十分が小さいことが強く要求されている。
【0008】更に、磁気記録媒体は、その表面電気抵抗
値が高い場合には、静電的な帯電量の増加を招来するこ
とともあいまって、磁気記録媒体の製造時や使用時に、
磁気記録媒体の切断くずや塵埃等が磁気記録媒体表面に
付着し、その結果、ドロップアウトが増加するという問
題がある。そこで、磁気記録媒体は、上述した光透過率
を小さくする点からだけではなく、磁気記録媒体の表面
電気抵抗値を殊に、1010Ω/cm2程度以下に低下さ
せるために磁気記録層中にカーボンブラック微粒子粉末
を添加することが従来から行なわれている。
【0009】しかし、磁気記録層中に磁性に関与しない
カーボンブラック微粒子粉末等の添加量を増加させるこ
とは、上述した通り、磁気記録媒体の電磁変換特性を低
下させ、磁気記録層の薄層化を阻害する原因となるとと
もに、表面の平滑性を低下させることにもなる。
【0010】また、カーボンブラック微粒子粉末は、か
さ密度が0.1g/cm3程度と低く、かさ高い粉末で
あるため取り扱いが困難で、作業性が悪いものであり、
更に、発ガン性等の安全、衛生面からの問題も指摘され
ている。
【0011】従来、磁気記録層中に添加するカーボンブ
ラック微粒子粉末量を可及的に少なくして磁気記録媒体
の光透過率を小さく、且つ、表面電気抵抗値を低くする
方法として、針状コバルト被着磁性酸化鉄粒子粉末に、
該針状コバルト被着磁性酸化鉄粒子粉末に対して6.0
重量%以上のFe2+を含有させて磁性粒子粉末自体の黒
色度を向上させることが知られている(特開平3−10
2617号公報等)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録層中に添加す
るカーボンブラック微粒子粉末量を可及的に少なくして
も光透過率が小さく、且つ、表面電気抵抗値が低く、し
かも、表面が平滑である磁気記録媒体は、現在最も要求
されているところであるが、このような諸特性を十分満
たす磁気記録媒体は未だ得られていない。
【0013】即ち、前出公知のFe2+を6.0重量%以
上含有する針状コバルト被着磁性酸化鉄粒子粉末を磁性
粒子粉末として用いて得られた磁気記録媒体は、磁性粒
子粉末の黒色度が未だ不十分であるため、後出比較例に
示す通り、光透過率が十分小さく、また、表面電気抵抗
値が十分低いものとは言い難いものであった。そして、
磁性粒子粉末はFe2+を含有していることによりビヒク
ル中における分散性が低下するため、表面が平滑である
磁気記録層を得ることは困難であった。
【0014】そこで、本発明は、磁気記録層中に添加す
るカーボンブラック微粒子粉末量を可及的に少なくして
も光透過率が小さく、且つ、表面電気抵抗値が低く、し
かも、表面が平滑である磁気記録媒体を得ることができ
る磁性粒子粉末を得ることを技術的課題とする。
【0015】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。
【0016】即ち、本発明は、針状磁性粒子粉末の粒子
表面にフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有
オルガノシラン化合物が被覆されており、該フッ素含有
オルガノシラン化合物被覆の少なくとも1部にカーボン
ブラックが付着している平均長軸径0.051〜0.7
2μmの針状黒色複合磁性粒子粉末であって、上記カー
ボンブラックの付着量が前記針状磁性粒子粉末100重
量部に対して0.5〜10重量部であることを特徴とす
る磁気記録媒体用針状黒色複合磁性粒子粉末、針状磁性
粒子粉末の粒子表面に下層としてアルミニウムの水酸化
物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ
素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上が被覆され、
上層としてフルオロアルキルシランから生成するフッ素
含有オルガノシラン化合物が被覆されており、該フッ素
含有オルガノシラン化合物被覆の少なくとも1部にカー
ボンブラックが付着している平均長軸径0.051〜
0.72μmの針状黒色複合磁性粒子粉末であって、上
記カーボンブラックの付着量が前記針状磁性粒子粉末1
00重量部に対して0.5〜10重量部であることを特
徴とする磁気記録媒体用針状黒色複合磁性粒子粉末及び
非磁性支持体と該非磁性支持体上に形成される磁性粒子
粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層とからなる磁気記
録媒体において、上記磁性粒子粉末が前記いずれかの針
状黒色複合磁性粒子粉末であることを特徴とする磁気記
録媒体。
【0017】本発明の構成をより詳しく説明すれば、次
の通りである。
【0018】先ず、本発明に係る磁気記録媒体用針状黒
色複合磁性粒子粉末について述べる。
【0019】本発明における針状黒色複合磁性粒子粉末
は、芯粒子粉末である針状磁性粒子粉末の粒子表面に、
フルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガ
ノシラン化合物が被覆されており、該フッ素含有オルガ
ノシラン化合物被覆の少なくとも1部にカーボンブラッ
クが付着している平均長軸径0.051〜0.72μm
の針状黒色複合磁性粒子粉末からなる。
【0020】本発明における芯粒子粉末である針状磁性
粒子粉末は、マグネタイト粒子粉末(FeOx・Fe2
3)(0<x≦1)、マグヘマイト粒子粉末(γ−F
23)、マグヘマイトとマグネタイトとの中間酸化物
であるベルトライド化合物等の磁性酸化鉄粒子粉末、こ
れらの磁性酸化鉄粒子粉末にFe以外のCo、Al、N
i、P、Zn、Si、B等の異種元素を含有させた磁性
酸化鉄粒子粉末、上記磁性酸化鉄粒子粉末または異種元
素を含有している磁性酸化鉄粒子粉末の粒子表面にコバ
ルト又はコバルトと鉄等を被着させた粒子粉末(以下、
「針状コバルト被着磁性酸化鉄粒子粉末」という。)、
鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末及び鉄以外のC
o、Al、Ni、P、Zn、Si、B、希土類金属等を
含有する針状鉄合金磁性粒子粉末等である。
【0021】近年の磁気記録媒体の高密度記録化を考慮
すれば、針状磁性粒子粉末としては、針状コバルト被着
磁性酸化鉄粒子粉末、鉄を主成分とする針状金属磁性粒
子粉末及び鉄以外のCo、Al、Ni、P、Zn、S
i、B、希土類金属等を含有する針状鉄合金磁性粒子粉
末等が好ましく、更に、酸化安定性及び分散性を考慮す
れば、針状コバルト被着磁性酸化鉄粒子粉末がより好ま
しい。
【0022】本発明における芯粒子の粒子形状は、針状
を呈している。ここで「針状」とは、文字どおりの針状
はもちろん、紡錘状や米粒状などを含む意味である。
【0023】針状磁性粒子粉末の粒子サイズは、平均長
軸径0.05〜0.7μmが好ましく、より好ましくは
0.05〜0.5μm、更により好ましくは0.05〜
0.3μmである。
【0024】平均長軸径が0.7μmを超える場合に
は、得られる針状黒色複合磁性粒子粉末もまた平均長軸
径が0.7μmを超える大粒子となり、これを用いて磁
気記録層を形成した場合には、塗膜の表面平滑性が損な
われやすい。平均長軸径が0.05μm未満の場合に
は、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起
こしやすいため、針状磁性粒子粉末の粒子表面へのフル
オロアルキルシランによる均一な被覆処理及びカーボン
ブラックによる均一な付着処理が困難となる。
【0025】針状磁性粒子粉末の軸比は2.0〜20.
0が好ましく、より好ましくは2.5〜18.0、更に
より好ましくは3.0〜15.0である。
【0026】軸比が20.0を超える場合には、粒子の
絡み合いが多くなり、針状磁性粒子粉末の粒子表面への
フルオロアルキルシランによる均一な被覆処理及びカー
ボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。軸比
が2.0未満の場合には、得られる磁気記録媒体の塗膜
強度が小さくなる。
【0027】針状磁性粒子粉末の長軸径の幾何標準偏差
値は2.0以下が好ましく、より好ましくは1.8以下
であり、更に好ましくは1.6以下である。幾何標準偏
差値が2.0を超える場合には、存在する粗大粒子によ
って均一な分散が阻害されるため、針状磁性粒子粉末の
粒子表面へのフルオロアルキルシランによる均一な被覆
処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難
となる。幾何標準偏差値の下限値は1.01であり、
1.01未満のものは工業的に得られ難い。
【0028】針状磁性粒子粉末のBET比表面積値は1
5〜150m2/gが好ましく、より好ましくは20〜
120m2/g、更により好ましくは25〜100m2
gである。BET比表面積値が15m2/g未満の場合
には、芯粒子粉末が粗大であったり、粒子相互間で焼結
が生じた粒子となっており、得られる針状黒色複合磁性
粒子粉末もまた粗大粒子となり、これを用いて磁気記録
層を形成した場合には、塗膜の表面平滑性が損なわれや
すい。BET比表面積値が150m2/gを超える場合
には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を
起こしやすいため、針状磁性粒子粉末の粒子表面へのフ
ルオロアルキルシランによる均一な被覆処理及びカーボ
ンブラックによる均一な付着処理が困難となる。
【0029】針状磁性粒子粉末の黒色度は、通常L*
の下限値が18を超え、上限値は34、好ましくは32
である。L*値が34を超える場合には、明度が高くな
り、十分な黒色度を有する針状黒色複合磁性粒子粉末を
得ることができない。
【0030】針状磁性粒子粉末の体積固有抵抗値は、通
常5.0×1010Ω・cm以下である。
【0031】針状磁性粒子粉末の磁気特性は、針状酸化
鉄磁性粒子粉末の場合、保磁力値は19.9〜39.8
kA/m(250〜500Oe)が好ましく、より好ま
しくは23.9〜39.8kA/m(300〜500O
e)であって、飽和磁化値は60〜90Am2/kg
(60〜90emu/g)が好ましく、より好ましくは
65〜90Am2/kg(65〜90emu/g)であ
り、針状コバルト被着酸化鉄磁性粒子粉末の場合、保磁
力値は39.8〜135.3kA/m(500〜170
0Oe)が好ましく、より好ましくは43.8〜13
5.3kA/m(550〜1700Oe)であって、飽
和磁化値は60〜90Am2/kg(60〜90emu
/g)が好ましく、より好ましくは65〜90Am2
kg(65〜90emu/g)であり、鉄を主成分とす
る針状金属磁性粒子及び針状鉄合金磁性粒子粉末の場
合、保磁力値は63.7〜278.5kA/m(800
〜3500Oe)が好ましく、より好ましくは71.6
〜278.5kA/m(900〜3500Oe)であっ
て、飽和磁化値は90〜170Am2/kg(90〜1
70emu/g)が好ましく、より好ましくは100〜
170Am2/kg(100〜170emu/g)であ
る。
【0032】本発明に係る針状黒色複合磁性粒子粉末の
粒子形状や粒子サイズは、芯粒子である針状磁性粒子粉
末の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、芯粒子に相
似する粒子形態を有しているとともに、芯粒子よりも若
干大きい粒子サイズを有している。
【0033】即ち、本発明に係る針状黒色複合磁性粒子
粉末は、平均長軸径が0.051〜0.72μm、好ま
しくは0.051〜0.51μm、より好ましくは0.
051〜0.31μmであって、軸比が2.0〜20.
0、好ましくは2.5〜18.0、より好ましくは3.
0〜15.0である。
【0034】平均長軸径が0.72μmを超える場合に
は、針状黒色複合磁性粒子粉末が大粒子となり、これを
用いて磁気記録層を形成した場合には、塗膜の表面平滑
性が損なわれやすい。平均長軸径が0.051μm未満
の場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により
凝集を起こしやすいため、磁性塗料の製造時におけるビ
ヒクル中への分散性が低下する。
【0035】軸比が20.0を超える場合には、粒子の
絡み合いが多くなり、磁性塗料の製造時におけるビヒク
ル中への分散性が悪くなったり粘度が増加する場合があ
る。軸比が2.0未満の場合には、得られる磁気記録媒
体の塗膜強度が小さくなる。
【0036】針状黒色複合磁性粒子粉末の長軸径の幾何
標準偏差値は2.0以下であることが好ましい。2.0
を超える場合には、存在する粗大粒子が塗膜の表面平滑
性に悪影響を与えるために好ましくない。塗膜の表面平
滑性を考慮すれば、好ましくは1.8以下、より好まし
くは1.6以下である。工業的な生産性を考慮すれば、
針状黒色複合磁性粒子粉末の長軸径の幾何標準偏差値の
下限値は1.01であり、1.01未満のものは工業的
に得られ難い。
【0037】針状黒色複合磁性粒子粉末のBET比表面
積値は16〜160m2/gが好ましく、より好ましく
は22〜130m2/g、更により好ましくは27〜1
10m2/gである。BET比表面積値が16m2/g未
満の場合には、針状黒色複合磁性粒子粉末が粗大であっ
たり、粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、こ
れを用いて磁気記録層を形成した場合には、塗膜の表面
平滑性が損なわれやすい。BET比表面積値が160m
2/gを超える場合には、粒子の微細化による分子間力
の増大により凝集を起こしやすいため、磁性塗料の製造
時におけるビヒクル中への分散性が低下する。
【0038】針状黒色複合磁性粒子粉末の黒色度は、上
限値がL*値で22、好ましくL*値が21.5、より好
ましくL*値が21である。L*値が22を超える場合に
は、明度が高くなり、黒色度が十分とは言えない。針状
黒色複合磁性粒子粉末の黒色度の下限値は、L*値が1
5である。
【0039】針状黒色複合磁性粒子粉末の体積固有抵抗
値は、1.0×107Ω・cm以下であることが好まし
く、より好ましくは1.0×104〜5.0×106Ω・
cm、更により好ましくは1.0×104〜1.0×1
6Ω・cmである。体積固有抵抗値が1.0×107Ω
・cmを超える場合は、得られる磁気記録媒体の表面電
気抵抗値を十分に低減することが困難となる。
【0040】針状黒色複合磁性粒子粉末のカーボンブラ
ックの脱離率は20%以下が好ましく、より好ましくは
10%以下である。カーボンブラックの脱離率が20%
を超える場合には、磁気記録媒体の製造時において、脱
離したカーボンブラックによりビヒクル中での均一な分
散が阻害される場合がある。
【0041】本発明に係る針状黒色磁性粒子粉末の磁気
特性は、芯粒子として針状酸化鉄磁性粒子粉末を用いた
場合、保磁力値は19.9〜39.8kA/m(250
〜500Oe)が好ましく、より好ましくは23.9〜
39.8kA/m(300〜500Oe)であって、飽
和磁化値は60〜90Am2/kg(60〜90emu
/g)が好ましく、より好ましくは65〜90Am2
kg(65〜90emu/g)であり、芯粒子として針
状コバルト被着酸化鉄磁性粒子粉末を用いた場合、保磁
力値は39.8〜135.3kA/m(500〜170
0Oe)が好ましく、より好ましくは43.8〜13
5.3kA/m(550〜1700Oe)であって、飽
和磁化値は60〜90Am2/kg(60〜90emu
/g)が好ましく、より好ましくは65〜90Am2
kg(65〜90emu/g)であり、芯粒子として鉄
を主成分とする針状金属磁性粒粉末子及び針状鉄合金磁
性粒子粉末を用いた場合、保磁力値は63.7〜27
8.5kA/m(800〜3500Oe)が好ましく、
より好ましくは71.6〜278.5kA/m(900
〜3500Oe)であって、飽和磁化値は90〜170
Am2/kg(90〜170emu/g)が好ましく、
より好ましくは100〜170Am2/kg(100〜
170emu/g)である。
【0042】本発明に係る針状黒色磁性粒子粉末におけ
る被覆物は、化1で表わされるフルオロアルキルシラン
から生成されるフッ素含有オルガノシラン化合物からな
る。
【化1】 R2 3-n CF3(CF2mCH2CH2Si−(OR1n1:−CH3,−C252:−CH3,−C25,−OCH3,−OC25 m:0〜15 n:1〜3の整数
【0043】フルオロアルキルシランとしては、具体的
には、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリ
デカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカ
フルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオ
ロデシルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピ
ルエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエト
キシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシ
ラン等が挙げられる。
【0044】カーボンブラックの付着効果及び脱離率を
考慮すると、トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘ
プタデカフルオロデシルトリメトキシシランから生成す
るフッ素含有オルガノシラン化合物が好ましく、トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ
オクチルトリメトキシシランから生成するフッ素含有オ
ルガノシラン化合物がより好ましい。
【0045】フルオロアルキルシランから生成するフッ
素含有オルガノシラン化合物の被覆量は、被覆針状磁性
粒子粉末に対し、Si換算で0.02〜5.0重量%で
あることが好ましい。より好ましくは、0.03〜4.
0重量%、更により好ましくは0.05〜3.0重量%
である。
【0046】0.02重量%未満の場合には、優れた黒
色度と低い体積固有抵抗値を有する針状黒色複合磁性粒
子粉末を得ることが困難である。
【0047】5.0重量%を超える場合には、針状磁性
粒子粉末の粒子表面に優れた黒色度と低い体積固有抵抗
値を付与できるだけのカーボンブラックを付着させるこ
とができるため、必要以上に被覆する意味がない。
【0048】カーボンブラックの付着量は、針状磁性粒
子粉末100重量部に対して0.5〜10重量部であ
る。
【0049】0.5重量部未満の場合には、カーボンブ
ラックの付着量が少ないため、優れた黒色度と低い体積
固有抵抗値を有する針状黒色複合磁性粒子粉末を得るこ
とが困難となる。
【0050】10重量部を超える場合には、得られる針
状黒色複合磁性粒子粉末は優れた黒色度と低い体積固有
抵抗値を有しているが、カーボンブラックの付着量が多
いため、カーボンブラックが針状磁性粒子粉末の粒子表
面から脱離しやすくなり、その結果、磁性塗料の製造時
におけるビヒクル中への分散性が低下する場合がある。
【0051】カーボンブラックの付着厚みは、0.04
μm以下が好ましく、より好ましくは0.03μm以
下、更に好ましくは0.02μm以下である。
【0052】本発明に係る針状黒色複合磁性粒子粉末
は、必要により、針状磁性粒子粉末の粒子表面をあらか
じめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化
物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた
1種又は2種以上の化合物(以下、「アルミニウムの水
酸化物等による被覆」という。)で被覆しておいてもよ
く、アルミニウムの水酸化物等で被覆しない場合に比
べ、磁性塗料の製造時におけるビヒクル中への分散性が
向上する。
【0053】アルミニウムの水酸化物等による被覆量
は、アルミニウムの水酸化物等が被覆された針状磁性粒
子粉末に対してAl換算、SiO2換算又はAl換算量
とSiO2換算量との総和で0.01〜20重量%が好
ましい。
【0054】0.01重量%未満である場合には、針状
黒色複合磁性粒子粉末の磁性塗料の製造時におけるビヒ
クル中への分散性改良効果が得られない。
【0055】20重量%を超える場合には、針状黒色複
合磁性粒子粉末の磁性塗料の製造時におけるビヒクル中
への分散性改良効果が十分に得られるが、必要以上に被
覆する意味がない。また、非磁性成分であるアルミニウ
ムの水酸化物等の増加により針状磁性粒子粉末の磁気特
性が損なわれる。
【0056】アルミニウムの水酸化物等で被覆されてい
る本発明に係る針状黒色複合磁性粒子粉末は、アルミニ
ウムの水酸化物等で被覆されていない本発明に係る針状
黒色複合磁性粒子粉末の場合とほぼ同程度の粒子サイ
ズ、幾何標準偏差値、BET比表面積値、黒色度L
*値、体積固有抵抗値、磁気特性及びカーボンブラック
の脱離率を有しているとともに、より改善された分散性
を有している。
【0057】次に、本発明に係る磁気記録媒体について
述べる。
【0058】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持
体と該非磁性支持体上に形成される針状黒色複合磁性粒
子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層とからなる。
【0059】非磁性支持体としては、現在、磁気記録媒
体に汎用されているポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリイミド等の合成樹脂フィルム、アルミニウム、ステ
ンレス等金属の箔や板及び各種の紙を使用することがで
き、その厚みは、その材質により種々異なるが、通常好
ましくは1.0〜300μm、より好ましくは2.0〜
200μmである。
【0060】磁気ディスクの場合、非磁性支持体として
はポリエチレンテレフタレートが通常用いられ、その厚
みは、通常50〜300μm、好ましくは60〜200
μmである。磁気テープの場合は、ポリエチレンテレフ
タレートの場合、その厚みは、通常3〜100μm、好
ましくは4〜20μm、ポリエチレンナフタレートの場
合、その厚みは、通常3〜50μm、好ましくは4〜2
0μm、ポリアミドの場合、その厚みは、通常2〜10
μm、好ましくは3〜7μmである。
【0061】結合剤樹脂としては、現在、磁気記録媒体
の製造にあたって汎用されている塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
−マレイン酸共重合樹脂、ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合樹脂、ポリビニルブチラール、ニトロセルロー
ス等セルロース誘導体、ポリエステル樹脂、ポリブタジ
エン等の合成ゴム系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリイソシアネート、電子線硬化型アクリルウレタ
ン樹脂等とその混合物を使用することができる。
【0062】また、各結合剤樹脂には−OH、−COO
H、−SO3M、−OPO22、−NH2等の極性基(但
し、MはH、Na、Kである。)が含まれていてもよ
い。針状黒色複合磁性粒子粉末の分散性を考慮すれば、
極性基として−COOH、−SO3Mを含有している結
合剤樹脂が好ましい。
【0063】非磁性支持体上に形成された磁気記録層の
塗膜厚さは、0.01〜5.0μmの範囲である。0.
01μm未満の場合には、均一な塗布が困難で塗りむら
等が生じやすくなるため好ましくない。5.0μmを超
える場合には、反磁界の影響のため、所望の電磁変換特
性が得られにくくなる。好ましくは0.1〜4.0μm
の範囲である。
【0064】磁気記録層中における針状黒色複合磁性粒
子粉末と結合剤樹脂との配合割合は、結合剤樹脂100
重量部に対し、針状黒色複合磁性粒子粉末が5〜200
0重量部、好ましくは100〜1000重量部である。
【0065】針状黒色複合磁性粒子粉末が5重量部未満
の場合には、磁性塗料中の針状黒色複合磁性粒子粉末が
少なすぎるため、塗膜にした時に、針状黒色複合磁性粒
子粉末の連続分散した層が得られず、塗膜表面の平滑性
及び塗膜強度が不十分となる。2000重量部を超える
場合には、結合剤樹脂の量に対して針状黒色複合磁性粒
子粉末が多すぎるため、磁性塗料中で針状黒色複合磁性
粒子粉末が十分に分散されず、その結果、塗膜にした時
に、表面が十分平滑な塗膜が得られ難い。また、針状黒
色複合磁性粒子粉末が結合剤樹脂によって十分にバイン
ドされないために、得られた塗膜はもろいものとなりや
すい。
【0066】本発明に係る磁気記録媒体は、磁気記録層
中に添加するカーボンブラック微粒子粉末量を針状黒色
複合磁性粒子粉末100重量部に対して6重量部未満に
することができ、好ましくは、5重量部未満、より好ま
しくは3重量部未満にすることができる。
【0067】また、針状黒色複合磁性粒子粉末の粒子サ
イズが大きく、カーボンブラックの付着量が多い、殊
に、針状磁性粒子粉末100重量部に対してカーボンブ
ラックを7〜10重量部付着させた針状黒色複合磁性粒
子粉末を磁性粒子粉末として用いた場合には、磁気記録
層中へのカーボンブラック微粒子粉末の添加を省略する
事も期待できる。
【0068】尚、磁気記録層に、通常の磁気記録媒体の
製造に用いられる潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等が必要
により結合剤樹脂100重量部に対して0.1〜50重
量部程度含まれていてもよい。
【0069】本発明に係る磁気記録媒体は、磁性粒子粉
末として、アルミニウムの水酸化物等によって被覆され
ていない針状酸化鉄磁性粒子を芯粒子として用いた本発
明に係る針状黒色磁性粒子粉末を用いた場合には、保磁
力値が19.9〜39.8kA/m(250〜500O
e)、好ましくは23.9〜39.8kA/m(300
〜500Oe)、角形比(残留磁束密度Br/飽和磁束
密度Bm)が0.85〜0.95、好ましくは0.86
〜0.95、塗膜の光沢度が150〜300%、好まし
くは160〜300%、塗膜表面粗度Raが12.0n
m以下、好ましくは2.0〜11.0nm、より好まし
くは2.0〜10.0nm、ヤング率は124〜16
0、好ましくは125〜160、塗膜の線吸収係数が
1.30〜10.0μm-1、好ましくは1.35〜1
0.0μm-1、表面電気抵抗値が1.0×1010Ω/c
2以下、好ましくは7.5×109Ω/cm2以下、よ
り好ましくは5.0×109Ω/cm2以下である。
【0070】磁性粒子粉末として、アルミニウムの水酸
化物等によって被覆されていない針状コバルト被着酸化
鉄磁性粒子を芯粒子として用いた本発明に係る針状黒色
磁性粒子粉末を用いた場合には、保磁力値が39.8〜
135.3kA/m(500〜1700Oe)、好まし
くは43.8〜135.3kA/m(550〜1700
Oe)、角形比(残留磁束密度Br/飽和磁束密度B
m)が0.85〜0.95、好ましくは0.86〜0.
95、塗膜の光沢度が160〜300%、好ましくは1
65〜300%、塗膜表面粗度Raが12.0nm以
下、好ましくは2.0〜11.0nm、より好ましくは
2.0〜10.0nm、ヤング率は124〜160、好
ましくは125〜160、塗膜の線吸収係数が1.30
〜10.0μm-1、好ましくは1.35〜10.0μm
-1、表面電気抵抗値が1.0×1010Ω/cm2以下、
好ましくは7.5×109Ω/cm2以下、より好ましく
は5.0×109Ω/cm2以下である。
【0071】磁性粒子粉末として、アルミニウムの水酸
化物等によって被覆されていない鉄を主成分とする針状
金属磁性粒子又は針状鉄合金磁性粒子を芯粒子として用
いた本発明に係る針状黒色磁性粒子粉末を用いた場合に
は、保磁力値が63.7〜278.5kA/m(800
〜3500Oe)、好ましくは71.6〜278.5k
A/m(900〜3500Oe)、角形比(残留磁束密
度Br/飽和磁束密度Bm)が0.85〜0.95、好
ましくは0.86〜0.95、塗膜の光沢度が180〜
300%、好ましくは190〜300%、塗膜表面粗度
Raが12.0nm以下、好ましくは2.0〜11.0
nm、より好ましくは2.0〜10.0nm、ヤング率
は124〜160、好ましくは125〜160、塗膜の
線吸収係数が1.40〜10.0μm-1、好ましくは
1.45〜10.0μm-1、表面電気抵抗値が1.0×
1010Ω/cm2以下、好ましくは7.5×109Ω/c
2以下、より好ましくは5.0×109Ω/cm2以下
である。
【0072】本発明に係る磁気記録媒体は、磁性粒子粉
末として、アルミニウムの水酸化物等によって被覆され
ている針状酸化鉄磁性粒子を芯粒子として用いた本発明
に係る針状黒色磁性粒子粉末を用いた場合には、保磁力
値が19.9〜39.8kA/m(250〜500O
e)、好ましくは23.9〜39.8kA/m(300
〜500Oe)、角形比(残留磁束密度Br/飽和磁束
密度Bm)が0.85〜0.95、好ましくは0.86
〜0.95、塗膜の光沢度が155〜300%、好まし
くは165〜300%、塗膜表面粗度Raが11.0n
m以下、好ましくは2.0〜10.0nm、より好まし
くは2.0〜9.0nm、ヤング率は126〜160、
好ましくは127〜160、塗膜の線吸収係数が1.3
0〜10.0μm-1、好ましくは1.35〜10.0μ
-1、表面電気抵抗値が1.0×1010Ω/cm2
下、好ましくは7.5×109Ω/cm2以下、より好ま
しくは5.0×109Ω/cm2以下である。
【0073】磁性粒子粉末として、アルミニウムの水酸
化物等によって被覆されている針状コバルト被着酸化鉄
磁性粒子を芯粒子として用いた本発明に係る針状黒色磁
性粒子粉末を用いた場合には、保磁力値が39.8〜1
35.3kA/m(500〜1700Oe)、好ましく
は43.8〜135.3kA/m(550〜1700O
e)、角形比(残留磁束密度Br/飽和磁束密度Bm)
が0.85〜0.95、好ましくは0.86〜0.9
5、塗膜の光沢度が165〜300%、好ましくは17
0〜300%、塗膜表面粗度Raが11.0nm以下、
好ましくは2.0〜10.0nm、より好ましくは2.
0〜9.0nm、ヤング率は126〜160、好ましく
は127〜160、塗膜の線吸収係数が1.30〜1
0.0μm-1、好ましくは1.35〜10.0μm-1
表面電気抵抗値が1.0×1010Ω/cm2以下、好ま
しくは7.5×109Ω/cm2以下、より好ましくは
5.0×109Ω/cm2以下である。
【0074】磁性粒子粉末として、アルミニウムの水酸
化物等によって被覆されている鉄を主成分とする針状金
属磁性粒子又は針状鉄合金磁性粒子を芯粒子として用い
た本発明に係る針状黒色磁性粒子粉末を用いた場合に
は、保磁力値が63.7〜278.5kA/m(800
〜3500Oe)、好ましくは71.6〜278.5k
A/m(900〜3500Oe)、角形比(残留磁束密
度Br/飽和磁束密度Bm)が0.85〜0.95、好
ましくは0.86〜0.95、塗膜の光沢度が185〜
300%、好ましくは195〜300%、塗膜表面粗度
Raが11.0nm以下、好ましくは2.0〜10.0
nm、より好ましくは2.0〜9.0nm、ヤング率は
126〜160、好ましくは127〜160、塗膜の線
吸収係数が1.40〜10.0μm-1、好ましくは1.
45〜10.0μm-1、表面電気抵抗値が1.0×10
10Ω/cm2以下、好ましくは7.5×109Ω/cm2
以下、より好ましくは5.0×109Ω/cm2以下であ
る。
【0075】次に、本発明に係る針状黒色複合磁性粒子
粉末の製造法について述べる。
【0076】本発明における針状磁性粒子粉末のうち、
針状マグネタイト粒子粉末は、第一鉄塩水溶液と水酸化
アルカリ水溶液、炭酸アルカリ水溶液又は水酸化アルカ
リ水溶液・炭酸アルカリ水溶液とを反応して得られる水
酸化第一鉄コロイド、炭酸鉄及び鉄含有沈殿物のいずれ
かを含む懸濁液のpH値や温度を制御しながら、該懸濁
液中に酸素含有ガスを通気して酸化することにより針
状、紡錘状又は米粒状ゲータイト粒子粉末を生成し、該
ゲータイト粒子粉末を濾別、水洗、乾燥した後、還元性
ガス中300〜800℃で加熱還元することにより得る
ことができる。
【0077】針状マグヘマイト粒子粉末は、上記針状マ
グネタイト粒子粉末を酸化性ガス中300〜600℃の
範囲で加熱酸化することにより得ることができる。
【0078】鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末
は、前述した針状ゲータイト粒子粉末又は該針状ゲータ
イト粒子粉末を加熱脱水して得られる針状ヘマタイト粒
子粉末を300〜500℃の温度範囲で加熱還元するこ
とにより得られる。
【0079】針状磁性粒子粉末の粒子表面のフルオロア
ルキルシランによる被覆は、針状磁性粒子粉末とフルオ
ロアルキルシランとを機械的に混合攪拌したり、針状磁
性粒子粉末にフルオロアルキルシランを噴霧しながら機
械的に混合攪拌すればよい。添加したフルオロアルキル
シランは、ほぼ全量が針状磁性粒子粉末の粒子表面に被
覆され、その1部が被覆工程を経ることによって生成す
るフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オル
ガノシラン化合物として被覆されていてもよい。この場
合においてもその後のカーボンブラックの付着に影響す
ることはない。
【0080】フルオロアルキルシランを均一に針状磁性
粒子粉末の粒子表面に被覆するためには、針状磁性粒子
粉末の凝集をあらかじめ粉砕機を用いて解きほぐしてお
くことが好ましい。
【0081】針状磁性粒子粉末とフルオロアルキルシラ
ンとの混合攪拌やカーボンブラック微粒子粉末と粒子表
面にフルオロアルキルシランが被覆されている針状磁性
粒子粉末との混合攪拌をするための機器としては、粉体
層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊
に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例
えば、ホイール形混練機、ボール型混練機、ブレード型
混練機、ロール型混練機を用いることができる。本発明
の実施にあたっては、ホイール型混練機がより効果的に
使用できる。
【0082】上記ホイール型混練機としては、具体的
に、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソ
ンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマ
ル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リ
ングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マル
チマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラ
ーであり、より好ましくはエッジランナーである。上記
ボール型混練機としては、具体的に、振動ミル等があ
る。上記ブレード型混練機としては、具体的に、ヘンシ
ェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサー
等がある。上記ロール型混練機としては、具体的に、エ
クストルーダー等がある。
【0083】混合攪拌時における条件は、針状磁性粒子
粉末の粒子表面にフルオロアルキルシランができるだけ
均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1960
N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜
1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好
ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/
cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜9
0分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹
拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000
rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処
理条件を適宜調整すればよい。
【0084】マグネタイト粒子粉末、鉄を主成分とする
針状金属磁性粒子粉末、針状鉄合金磁性粒子粉末等の酸
化されやすい磁性粒子粉末は、酸化による磁気特性劣化
を防止するために、混合機器にN2などの不活性ガスを
パージして処理を行うことが好ましい。
【0085】フルオロアルキルシランの添加量は、針状
磁性粒子粉末100重量部に対して0.15〜45重量
部が好ましい。0.15重量部未満の場合には、黒色度
及び体積固有抵抗値を改良できる程度にカーボンブラッ
クを十分付着させることが困難である。45重量部を超
える場合には、カーボンブラックを十分付着させること
ができるが、必要以上に添加する意味がない。
【0086】粒子表面にフルオロアルキルシランが被覆
されている針状磁性粒子粉末に、カーボンブラック微粒
子粉末を添加し、混合攪拌してフルオロアルキルシラン
被覆にカーボンブラックを付着させる。必要により更
に、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
【0087】得られた針状黒色複合磁性粒子粉末の被覆
に用いられたフルオロアルキルシランは、これらの工程
を経ることにより、最終的にはフルオロアルキルシラン
から生成するフッ素含有オルガノシラン化合物となって
被覆されている。
【0088】付着処理に用いるカーボンブラック微粒子
粉末は、市販のファーネスブラック、チャンネルブラッ
ク等を使用することができ、具体的には、#3050、
#3150、#3250、#3750、#3950、M
A100、MA7、#1000、#2400B、#3
0、MA77、MA8、#650、MA11、#50、
#52、#45、#2200B、MA600等(商品
名:三菱化学株式会社(製))シースト9H、シースト
7H、シースト6、シースト3H、シースト300、シ
ーストFM等(商品名、東海カーボン株式会社
(製))、Raven 1250、Raven 86
0、Raven 1000、Raven 1190UL
TRA(商品名:コロンビヤン・ケミカルズ・カンパニ
ー(製))、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラ
ックEC600JD(商品名:ケッチェンブラック・イ
ンターナショナル株式会社(製))、BLACK PE
ARLS−L、BLACK PEARLS 1000、
BLACK PEARLS 4630、VULCAN
XC72、REGAL 660、REGAL 400
(商品名:キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・
インク(製))等が使用できる。
【0089】フッ素含有オルガノシラン化合物との親和
性を考慮すれば、#3150、#3250、MA−10
0、MA7、#1000、#2400B、#30、BL
ACK PEARLS−L及びBLACK PEARL
S 4630が好ましく、更に、導電性を考慮すれば、
#3150、#3250がより好ましい。
【0090】付着処理に用いるカーボンブラック微粒子
粉末の平均粒子径は0.002〜0.05μm程度、よ
り好ましくは0.002〜0.035μm程度である。
【0091】0.002μm未満の場合には、カーボン
ブラック微粒子粉末があまりに微細となるため、取扱い
が困難となる。
【0092】0.05μmを超える場合には、カーボン
ブラック微粒子粉末の粒子サイズが大きいため、フルオ
ロアルキルシラン又はフッ素含有オルガノシラン化合物
被覆へ均一に付着させるために非常に大きな機械的せん
断力が必要となり、工業的に不利となる。
【0093】カーボンブラック微粒子粉末は、少量ずつ
を時間をかけながら、殊に5〜60分程度をかけて添加
するのが好ましい。
【0094】混合攪拌時における条件は、カーボンブラ
ックが均一に付着するように、線荷重は19.6〜19
60N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは9
8〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、よ
り好ましくは147〜980N/cm(15〜100K
g/cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10
〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。な
お、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1
000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範
囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0095】カーボンブラック微粒子粉末の添加量は、
針状磁性粒子粉末100重量部に対して0.5〜10重
量部である。0.5重量部未満の場合には、カーボンブ
ラックの付着量が不十分であり、十分な黒色度及び低い
体積固有抵抗値を有する針状黒色複合磁性粒子粉末が得
られない。10重量部を超える場合には、十分な黒色度
及び低い体積固有抵抗値を有する針状黒色複合磁性粒子
粉末が得られるが、カーボンブラックの付着量が多くな
るため粒子表面からカーボンブラックが脱離しやすくな
り、その結果、磁性塗料の製造時におけるビヒクル中へ
の分散性が低下する。
【0096】乾燥乃至加熱処理を行う場合の加熱温度
は、通常40〜200℃が好ましく、より好ましくは6
0〜150℃であり、処理時間は、10分〜12時間が
好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
【0097】針状磁性粒子粉末は、必要により、フルオ
ロアルキルシランとの混合攪拌に先立って、あらかじ
め、針状磁性粒子粉末の粒子表面をアルミニウムの水酸
化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケ
イ素の酸化物から選ばれる1種又は2種以上の化合物で
被覆しておいてもよい。
【0098】アルミニウムの水酸化物等による被覆は、
針状磁性粒子粉末を分散して得られる水懸濁液に、アル
ミニウム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加
して混合攪拌することにより、又は、必要により、混合
攪拌後にpH値を調整することにより、前記針状磁性粒
子粉末の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミ
ニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物
から選ばれる1種又は2種以上の化合物で被覆し、次い
で、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、
脱気・圧密処理等を施してもよい。
【0099】アルミニウム化合物としては、酢酸アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸ア
ルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウ
ム等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
【0100】アルミニウム化合物の添加量は、針状磁性
粒子粉末に対してAl換算で0.01〜20重量%であ
る。0.01重量%未満である場合には、磁性塗料の製
造時におけるビヒクル中への分散性改良効果が得られる
だけの十分な量のアルミニウムの水酸化物等を針状磁性
粒子粉末の粒子表面に被覆することが困難である。20
重量%を超える場合には、被覆効果が飽和するため、必
要以上に添加する意味がない。また、非磁性成分である
アルミニウムの増加により針状磁性粒子粉末の磁気特性
が損なわれる。
【0101】ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オ
ルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、コロイ
ダルシリカ等が使用できる。
【0102】ケイ素化合物の添加量は、針状磁性粒子粉
末に対してSiO2換算で0.01〜20重量%であ
る。0.01重量%未満である場合には、磁性塗料の製
造時におけるビヒクル中への分散性改良効果が得られる
だけの十分な量のケイ素の酸化物等を針状磁性粒子粉末
の粒子表面に被覆することが困難である。20重量%を
超える場合には、被覆効果が飽和するため、必要以上に
添加する意味がない。また、非磁性成分であるケイ素の
増加により針状磁性粒子粉末の磁気特性が損なわれる。
【0103】アルミニウム化合物とケイ素化合物とを併
せて使用する場合の添加量は、針状磁性粒子粉末に対
し、Al換算量とSiO2換算量との総和で0.01〜
20重量%が好ましい。
【0104】次に、本発明に係る磁気記録媒体の製造法
について述べる。
【0105】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持
体上に、針状黒色複合磁性粒子粉末と結合剤樹脂と溶剤
とを含む塗膜組成物を塗布し塗布膜を形成した後、乾燥
して磁気記録層を形成することにより得られる。
【0106】溶剤としては、磁気記録媒体に汎用されて
いるメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノ
ン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン及び
その混合物等を使用することができる。
【0107】溶剤の使用量は、針状黒色複合磁性粒子粉
末100重量部に対してその総量で65〜1000重量
部である。65重量部未満では磁性塗料とした場合に粘
度が高くなりすぎ塗布が困難となる。1000重量部を
超える場合には、塗膜を形成する際の溶剤の揮散量が多
くなりすぎ工業的に不利となる。
【0108】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は、
次の通りである。
【0109】針状磁性粒子粉末及び針状黒色複合磁性粒
子粉末の平均長軸径及び平均短軸径、並びにカーボンブ
ラック微粒子粉末の平均粒子径は、電子顕微鏡写真(×
30000)を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に拡大
した写真に示される粒子約350個について長軸径、短
軸径又は粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示し
た。
【0110】軸比は、平均長軸径と平均短軸径との比で
示した。
【0111】粒子の長軸径の幾何標準偏差値は、下記の
方法により求めた値で示した。即ち、上記拡大写真に示
される粒子の長軸径を測定した値を、その測定値から計
算して求めた粒子の実際の長軸径と個数から統計学的手
法に従って対数正規確率紙上に横軸に粒子の長軸径を、
縦軸に所定の長軸径区間のそれぞれに属する粒子の累積
個数(積算フルイ下)を百分率でプロットする。
【0112】そして、このグラフから粒子の個数が50
%及び84.13%のそれぞれに相当する長軸径の値を
読みとり、幾何標準偏差値=積算フルイ下84.13%
における長軸径/積算フルイ下50%における長軸径
(幾何平均径)に従って算出した値で示した。幾何標準
偏差値が1に近いほど、粒子の長軸径の粒度分布が優れ
ていることを意味する。
【0113】比表面積値はBET法により測定した値で
示した。
【0114】針状磁性粒子粉末及び針状黒色複合磁性粒
子粉末の内部や表面に存在するAl量、Si量及びCo
量、並びに針状黒色複合磁性粒子粉末に被覆されている
フルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガ
ノシラン化合物に含有されるSi量のそれぞれは、「蛍
光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社
製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析
通則」に従って測定した。
【0115】針状磁性粒子粉末中のFe2+含有量は、下
記の化学分析法により求めた値で示した。
【0116】即ち、不活性ガス雰囲気下において、針状
磁性粒子粉末0.5gに対してリン酸と硫酸とを2:1
の割合で含む混合溶液25mlを添加し、上記針状磁性
粒子粉末を溶解した。この溶解水溶液の希釈液に指示薬
としてジフェニルアミンスルホン酸を数滴加えた後、重
クロム酸カリウム水溶液を用いた酸化還元滴定を行っ
た。上記希釈液が紫色を呈した時を終点とし、該終点に
至るまでに使用した重クロム酸カリウム水溶液の量から
求めた。
【0117】針状黒色複合磁性粒子粉末に付着している
カーボンブラック量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置
EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用
いて炭素量を測定することにより求めた。
【0118】針状黒色複合磁性粒子粉末に付着している
カーボンブラックの付着厚みは、「透過型電子顕微鏡J
EM−2010」(日本電子株式会社(製))を用いて
加速電圧200kVの条件下で撮影した電子顕微鏡写真
を10倍に拡大した写真(×5,000,000)に写
っている粒子の表面に付着しているカーボンブラックの
平均的な厚み部分を測定することにより求めた。
【0119】針状磁性粒子粉末及び針状黒色複合磁性粒
子粉末の黒色度は、試料0.5gとヒマシ油1.5ml
とをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、この
ペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料
化してキャストコート紙上に150μm(6mil)の
アプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約
30μm)を作製し、 該塗料片について、多光源分光測
色計MSC−IS−2D(スガ試験機株式会社製)を用
いて測定を行い、JIS Z 8729に定めるところ
に従って表色指数L*値で示した。
【0120】ここで、L*値は明度を表わし、L*値が小
さいほど黒色度が優れていることを示す。
【0121】針状磁性粒子粉末及び針状黒色磁性粒子粉
末の各粒子粉末の体積固有抵抗値は、まず、粒子粉末
0.5gを測り取り、KBr錠剤成形器(株式会社島津
製作所)を用いて、1.37×107kPa(140K
g/cm2)の圧力で加圧成形を行い、円柱状の被測定
試料を作製した。
【0122】次いで、被測定試料を温度25℃、相対温
度60%の環境下に12時間以上暴露した後、この被測
定試料をステンレス電極の間にセットし、電気抵抗測定
装置(model 4329A 横河北辰電気株式会社
製)で15Vの電圧を印加して抵抗値R(Ω)を測定し
た。
【0123】次いで、被測定(円柱状)試料の上面の面
積A(cm2)と厚みt0(cm)を測定し、次式にそれ
ぞれの測定値を挿入して、体積固有抵抗値(Ω・cm)
を求めた。
【0124】 体積固有抵抗値(Ω・cm)=R×(A/t0
【0125】針状黒色複合磁性粒子粉末に付着している
カーボンブラックの脱離率(%)は、下記の方法により
求めた値で示した。カーボンブラックの脱離率が0%に
近いほど、針状黒色複合磁性粒子粉末の粒子表面からの
カーボンブラックの脱離量が少ないことを示す。
【0126】針状黒色複合磁性粒子粉末3gとエタノー
ル40mlを50mlの沈降管に入れ、20分間超音波
分散を行った後、120分静置し、比重差によって針状
黒色複合磁性粒子粉末と脱離したカーボンブラックを分
離した。次いで、この針状黒色複合磁性粒子粉末に再度
エタノール40mlを加え、更に20分間超音波分散を
行った後120分静置し、針状黒色複合磁性粒子粉末と
脱離したカーボンブラックを分離した。この針状黒色複
合磁性粒子粉末を100℃で1時間乾燥させ、前述の
「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」
(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測定し、下
記式に従って求めた値をカーボンブラックの脱離率
(%)とした。
【0127】カーボンブラックの脱離率(%)=[(W
a−We)/Wa]×100 Wa:針状黒色複合磁性粒子粉末のカーボンブラック付
着量 We:脱離テスト後の針状黒色複合磁性粒子粉末のカー
ボンブラック付着量
【0128】塗料粘度は、得られた磁性塗料の25℃に
おける塗料粘度を、E型粘度計EMD−R(株式会社東
京計器製)を用いて測定し、ずり速度D=1.92se
-1における値で示した。
【0129】磁気記録層の塗膜表面の光沢度は、「グロ
スメーターUGV−5D」(スガ試験機株式会社製)を
用いて塗膜の45°光沢度を測定して求めた。
【0130】表面粗度Raは、「Surfcom−57
5A」(東京精密株式会社製)を用いて塗布膜の中心線
平均粗さを測定した。
【0131】塗膜強度は、「オートグラフ」(株式会社
島津製作所製)を用いて塗膜のヤング率を測定して求め
た。ヤング率は市販ビデオテープ「AV T−120
(日本ビクター株式会社製)」との相対値で表した。相
対値が高いほど塗膜強度が良好であることを示す。
【0132】針状磁性粒子粉末、針状黒色複合磁性粒子
粉末及び磁気記録媒体の磁気特性は、「振動試料型磁力
計VSM−3S−15」(東英工業株式会社製)を使用
し、外部磁場795.8kA/m(10kOe)までか
けて測定した。
【0133】光透過の程度は、「自記光電分光光度計U
V−2100」(株式会社島津製作所製)を用いて測定
した磁気記録媒体の光透過率の値を下記式に挿入して算
出した線吸収係数で示した。線吸収係数は、その値が大
きいほど光を透しにくいことを示す。尚、光透過率の値
を測定するにあたっては、上記磁気記録媒体に用いた非
磁性支持体と同一の非磁性支持体をブランクとして用い
た。
【0134】 線吸収係数(μm-1)=〔ln(1/t)〕/FT t:λ=900nmにおける光透過率(−) FT:磁気記録層の膜厚(μm)
【0135】塗布膜の表面電気抵抗値は、被測定塗布膜
を温度25℃、相対湿度60%の環境下に12時間以上
暴露した後、幅6.5mmの金属製の電極に、幅6mm
にスリットした塗布膜を、塗布面が金属製電極に接触す
るように置き、その両端に各170gのおもりを付け、
電極に塗布膜を密着させた後、電極間に500Vの直流
電圧をかけて表面電気抵抗値を測定した。
【0136】磁気記録媒体を構成する非磁性支持体及び
磁気記録層の各厚みは、下記のようにして測定した。
【0137】デジタル電子マイクロメーターK351C
(安立電気株式会社製)を用いて、先ず、非磁性支持体
の膜厚(A)を測定する。次に、非磁性支持体と該非磁
性支持体上に形成された磁気記録層との厚み(B)(非
磁性支持体の厚みと磁気記録層の厚みとの総和)を同様
にして測定する。そして、磁気記録層の厚みは(B)−
(A)で示した。
【0138】<針状黒色複合磁性粒子粉末の製造>図1
の電子顕微鏡写真(×30000)に示すコバルトを磁
性粒子粉末に対して2.21重量%、Fe2+を磁性粒子
粉末に対して15.8重量%含有する針状コバルト被着
マグネタイト粒子粉末(平均長軸径0.278μm、平
均短軸径0.0330μm、軸比8.4、幾何標準偏差
値1.38、BET比表面積値38.7m2/g、黒色
度L*値22.6、体積固有抵抗値7.3×107Ω・c
m、保磁力値54.6kA/m(686Oe)、飽和磁
化値79.1Am2/kg(79.1emu/g))2
0kgを、凝集を解きほぐすために、純水150lに攪
拌機を用いて邂逅し、更に、「TKパイプラインホモミ
クサー」(製品名、特殊機化工業株式会社製)を3回通
して針状コバルト被着マグネタイト粒子粉末を含むスラ
リーを得た。
【0139】次いで、この針状コバルト被着マグネタイ
ト粒子粉末を含むスラリーを横型サンドグラインダー
「マイティーミルMHG−1.5L」(製品名、井上製
作所株式会社製)を用いて、軸回転数2000rpmに
おいて5回パスさせて、針状コバルト被着マグネタイト
粒子粉末を含む分散スラリーを得た。
【0140】得られた分散スラリーの325mesh
(目開き44μm)における篩残分は0%であった。こ
の分散スラリーを濾別、水洗して、針状コバルト被着マ
グネタイト粒子粉末のケーキを得た。この針状コバルト
被着マグネタイト粒子粉末のケーキを120℃で乾燥し
た後、乾燥粉末11.0kgをエッジランナー「MPU
V−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投
入して、毎分2lの窒素を吹き込みながら294N/c
m(30kg/cm)で15分間混合攪拌を行い、粒子
の凝集を軽く解きほぐした。
【0141】次に、トリデカフルオロオクチルトリメト
キシシラン(商品名:TSL8257:東芝シリコーン
(株)製)220gを、エッジランナーを稼動させなが
ら粒子の凝集を解きほぐした上記針状コバルト被着マグ
ネタイト粒子粉末に添加し、294N/cm(30kg
/cm)の線荷重で20分間混合攪拌を行い、針状コバ
ルト被着マグネタイト粒子粉末の粒子表面に被覆物を形
成させた。なお、この時の攪拌速度は22rpmであっ
た。
【0142】次いで、図2の電子顕微鏡写真(×300
00)に示すカーボンブラック微粒子粉末(粒子形状:
粒状、粒子径0.022μm、幾何標準偏差値1.6
8、BET比表面積値134m2/g、黒色度L*値1
6.6)550gを、エッジランナーを稼動させながら
10分間かけて添加し、更に294N/cm(30kg
/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行い、上記被覆
にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて8
0℃で120分間加熱処理を行い、針状黒色複合磁性粒
子粉末を得た。なお、この時の攪拌速度は22rpmで
あった。
【0143】得られた、針状黒色複合磁性粒子粉末は、
図3の電子顕微鏡写真(×30000)に示す通り、平
均長軸径が0.279μm、平均短軸径が0.0335
μm、軸比が8.3であった。幾何標準偏差値は1.3
8であり、BET比表面積値は38.2m2/g、黒色
度L*値は19.6、体積固有抵抗値は6.8×104Ω
・cm、カーボンブラックの脱離率は6.5%、保磁力
値は54.1kA/m(680Oe)、飽和磁化値は7
7.1Am2/kg(77.1emu/g)であり、ト
リデカフルオロオクチルトリメトキシシランの被覆量は
Si換算で0.12重量%であった。付着しているカー
ボンブラック量はC換算で4.69重量%(針状コバル
ト被着マグネタイト粒子粉末100重量部に対して5重
量部に相当する)であり、粒子表面のカーボンブラック
の付着厚みは0.0022μmであった。図3に示す電
子顕微鏡写真観察の結果、カーボンブラックがほとんど
認められないことから、カーボンブラックのほぼ全量が
トリデカフルオロオクチルトリメトキシシランから生成
するフッ素含有オルガノシラン化合物被覆に付着してい
ることが認められた。
【0144】比較のため、トリデカフルオロオクチルト
リメトキシシランを被覆することなく、針状コバルト被
着マグネタイト粒子粉末とカーボンブラック微粒子粉末
とを同様にエッジランナーで混合攪拌して得られた処理
粒子粉末の電子顕微鏡写真(×30000)を図4に示
す。図4の電子顕微鏡写真に示される通り、カーボンブ
ラックが針状コバルト被着マグネタイト粒子粉末の粒子
表面に付着しておらず、両粒子粉末がバラバラに混在し
ていることが認められた。
【0145】<磁気記録媒体の製造>上記で得られた針
状黒色複合磁性粒子粉末12g、研磨剤(商品名:AK
P−30、住友化学株式会社製)1.2g、カーボンブ
ラック微粒子粉末(商品名:#2400B、三菱化成株
式会社製)0.06g、結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナ
トリウム基を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂
30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロ
ヘキサノンとを混合して混合物(固形分率78%)を
得、この混合物を更にプラストミルで30分間混練して
混練物を得た。
【0146】この混練物を140mlガラス瓶に1.5
mmφガラスビーズ95g、追加結合剤樹脂溶液(スル
ホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量
%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)7
0重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及
びトルエンとともに添加し、ペイントシェーカーで6時
間混合・分散を行って磁性塗料を得た。その後、潤滑剤
及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分
間混合・分散した。
【0147】得られた磁性塗料の組成は下記の通りであ
った。 針状黒色複合磁性粒子粉末 100重量部 スルホン酸ナトリウム基を有する 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 10重量部 スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 10重量部 研磨剤(AKP−30) 10重量部 カーボンブラック微粒子粉末(#2400B) 0.5重量部 潤滑剤(ミリスチン酸:ステアリン酸ブチル=1:2) 3.0重量部 硬化剤(ポリイソシアネート) 5.0重量部 シクロヘキサノン 65.8重量部 メチルエチルケトン 164.5重量部 トルエン 98.7重量部
【0148】得られた磁性塗料の塗料粘度は2560c
Pであった。
【0149】得られた磁性塗料を厚さ12μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用
いて45μmの厚さに塗布した後、磁場中において配向
・乾燥し、次いで、カレンダー処理を行った後、60℃
で24時間硬化反応を行い1.27cm(0.5イン
チ)幅にスリットして磁気テープを得た。磁気記録層の
厚みは3.5μmであった。
【0150】得られた磁気テープは、保磁力値が58.
5kA/m(735Oe)、角型比(Br/Bm)が
0.89、光沢度が176%、表面粗度Raが7.2n
m、ヤング率(相対値)が138、線吸収係数が1.5
0cm-1、表面電気抵抗値が1.5×108Ω/cm2
あった。
【0151】
【作用】本発明において最も重要な点は、針状磁性粒子
粉末、必要により、該針状磁性粒子粉末の粒子表面にア
ルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素
の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2
種以上の化合物が被覆されている針状磁性粒子粉末のい
ずれかの粒子粉末の粒子表面にフルオロアルキルシラン
から生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が被覆さ
れており、該フッ素含有オルガノシラン化合物被覆の少
なくとも1部にカーボンブラックが付着している平均粒
子径0.051〜0.72μmの針状黒色複合磁性粒子
粉末であって、上記カーボンブラックの付着量が前記針
状磁性粒子粉末100重量部に対して0.5〜10重量
部である針状黒色複合磁性粒子粉末は、粒子表面から脱
離するカーボンブラックが少ないことによりビヒクル中
への分散性が優れており、且つ、高い黒色度と低い体積
固有抵抗値を有するという事実である。
【0152】本発明に係る針状黒色複合磁性粒子粉末の
黒色度が優れている理由について、本発明者は、針状磁
性粒子粉末の粒子表面に均一且つ緻密に付着されている
カーボンブラックによって芯粒子の色が打ち消され、カ
ーボンブラック本来の色が発揮されることによるものと
考えている。
【0153】本発明に係る針状黒色複合磁性粒子粉末が
低い体積固有抵抗値を有する理由について、本発明者
は、針状黒色複合磁性粒子粉末の粒子表面に、導電性に
優れたカーボンブラックを均一且つ緻密に付着すること
ができたことによるものと考えている。
【0154】本発明に係る針状黒色複合磁性粒子粉末の
粒子表面から脱離するカーボンブラックが少ない理由に
ついて、本発明者は、針状磁性粒子粉末の粒子内部や粒
子表面に含有されているSi、Al、Fe等の金属元素
とカーボンブラックが付着しているフルオロアルキルシ
ランが有しているアルコキシ基との間で、メタロキサン
結合(≡Si−O−M(但し、MはSi、Al、Fe等
の針状磁性粒子に含まれている金属原子である。))が
形成されることにより、カーボンブラックが付着してい
るフッ素含有オルガノシラン化合物が針状磁性粒子粉末
の粒子表面に強固に結合するためと考えている。
【0155】本発明に係る針状黒色複合磁性粒子粉末の
磁性塗料の製造時におけるビヒクル中への分散性が優れ
ている理由について、本発明者は、針状黒色複合磁性粒
子粉末の粒子表面から脱離するカーボンブラックが少な
いことに起因して、カーボンブラックによって系内の分
散が阻害されないとともに、針状磁性粒子粉末の粒子表
面にカーボンブラックが付着していることにより粒子表
面に凹凸が生じ、粒子相互間の接触が抑制されるためと
考えている。
【0156】そして、上記針状黒色複合磁性粒子粉末を
磁性粒子粉末として用いて得られた本発明に係る磁気記
録媒体は、磁気記録層中に添加するカーボンブラック微
粒子粉末量を可及的に減少させても、光透過率が小さ
く、且つ、表面電気抵抗値が低く、しかも、磁気記録層
の表面平滑性が向上するという事実である。
【0157】磁気記録層中に添加するカーボンブラック
微粒子粉末量を可及的に減少させても光透過率が小さい
磁気記録媒体を得ることができる理由について、本発明
者は、微粒子であることに起因して、通常は凝集体とし
て挙動するカーボンブラック微粒子粉末が、本発明にお
ける針状黒色複合磁性粒子粉末の場合は、針状磁性粒子
粉末の粒子表面に均一且つ緻密に付着されていることに
よって、カーボンブラックの個々がより効果的に機能し
ているためと考えている。
【0158】磁気記録層中に添加するカーボンブラック
微粒子粉末量を可及的に減少させても表面電気抵抗値が
低い磁気記録媒体を得ることができる理由について、本
発明者は、針状黒色複合磁性粒子粉末が塗膜中に均一に
分散していることに起因して、上記針状磁性粒子粉末の
粒子表面に均一且つ緻密に付着しているカーボンブラッ
クが相互に接触しながら連綿と連なっていることによる
ものと考えている。
【0159】本発明に係る磁気記録媒体の表面平滑性が
優れている理由について、本発明者は、本発明に係る針
状黒色複合磁性粒子粉末は、粒子表面から脱離するカー
ボンブラックが少ないこと及び磁気記録層中に添加する
カーボンブラック微粒子粉末量を可及的に減少させるこ
とができるため、針状黒色複合磁性粒子粉末の磁性塗料
の製造時におけるビヒクル中への分散がカーボンブラッ
クによって阻害されることがなく、しかも、針状黒色複
合磁性粒子粉末自体の分散性が優れていることによるも
のと考えている。
【0160】
【実施例】次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0161】芯粒子1〜5 公知の製造方法で得られた各種の針状磁性粒子粉末を準
備し、上記発明の実施の形態と同様にして凝集が解きほ
ぐされた針状磁性粒子粉末を得た。
【0162】針状磁性粒子粉末の諸特性を表1に示す。
【0163】
【表1】
【0164】芯粒子6 芯粒子1の凝集が解きほぐされた針状コバルト被着マグ
ヘマイト粒子粉末20kgと水150lとを用いて、前
記発明の実施の形態と同様にして針状コバルト被着マグ
ヘマイト粒子粉末を含むスラリーを得た。得られた針状
コバルト被着マグヘマイト粒子粉末を含む再分散スラリ
ーのpH値を水酸化ナトリウム水溶液を用いて10.5
に調整し、次いで、該スラリーに水を加えスラリー濃度
を98g/lに調整した。このスラリー150lを加熱
して60℃とし、このスラリー中に1.0mol/lの
NaAlO2溶液5444ml(針状コバルト被着マグ
ヘマイト粒子粉末に対してAl換算で1.0重量%に相
当する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてp
H値を7.5に調整した。この状態で30分間保持した
後、濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がAlの水酸
化物により被覆されている針状コバルト被着マグヘマイ
ト粒子粉末を得た。
【0165】この時の主要製造条件を表2に、得られた
粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆されてい
る針状コバルト被着マグヘマイト粒子粉末の諸特性を表
3に示す。
【0166】尚、表面処理工程における被覆物の種類の
Aはアルミニウムの水酸化物を表わし、Sはケイ素の酸
化物を表わす。
【0167】
【表2】
【0168】
【表3】
【0169】芯粒子7〜10 芯粒子の種類、表面処理工程における添加物の種類及び
量を種々変えた以外は芯粒子6と同様にして表面処理済
針状磁性粒子粉末を得た。
【0170】この時の主要処理条件を表2に、得られた
表面処理済針状磁性粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0171】実施例1〜10、比較例1〜5 芯粒子の種類、フルオロアルキルシランによる被覆工程
におけるフルオロアルキルシラン、シリコン化合物の有
無、種類及び添加量、エッジランナーによる処理条件、
カーボンブラックの付着工程におけるカーボンブラック
の種類及び添加量、エッジランナーによる処理条件を種
々変えた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして針
状黒色複合磁性粒子粉末を得た。実施例1〜10の各実
施例で得られた針状黒色複合磁性粒子粉末は、電子顕微
鏡観察の結果、カーボンブラックがほとんど認められな
いことから、カーボンブラックのほぼ全量がフルオロア
ルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化
合物被覆に付着していることが確認された。
【0172】尚、使用したカーボンブラック微粒子粉末
A乃至Cの諸特性を表4に示す。
【0173】この時の主要処理条件を表5に、得られた
針状黒色複合磁性粒子粉末の諸特性を表6に示す。
【0174】
【表4】
【0175】
【表5】
【0176】
【表6】
【0177】<磁気記録媒体の製造> 実施例11〜23及び比較例6〜20 針状磁性粒子の種類及びカーボンブラック微粒子粉末の
添加量(磁性粒子粉末対比)を種々変化させた以外は、
前記発明の実施の形態と同様にして磁気記録媒体を得
た。
【0178】この時の主要製造条件及び諸特性を表7及
び表8に示す。
【0179】
【表7】
【0180】
【表8】
【0181】
【発明の効果】本発明に係る針状黒色複合磁性粒子粉末
は、黒色度が高いとともに体積固有抵抗値が低く、且
つ、分散性に優れているので、磁気記録層中に添加する
カーボンブラック微粒子粉末量を可及的に減少させても
光透過率が小さく、且つ、表面電気抵抗値が低く、しか
も、表面平滑性に優れた磁気記録媒体を得ることができ
るので、高密度磁気記録媒体用磁性粒子粉末として好ま
しいものである。
【0182】本発明に係る磁気記録媒体は、前述した通
り、針状黒色複合磁性粒子粉末が優れた黒色度と低い体
積固有抵抗値を有することに起因して、光透過率が小さ
く、且つ、表面電気抵抗値が低いものであり、しかも、
磁気記録層中に添加するカーボンブラック微粒子粉末量
を可及的に少なくすることができることと針状黒色磁性
粒子粉末自体の分散性が向上することともあいまって表
面が平滑であるので高密度記録用磁気記録媒体として好
ましいものである。
【0183】また、本発明に係る磁気記録媒体はカーボ
ンブラック微粒子粉末の使用量が少ないので、安全上、
衛生上からも好ましいものである。
【0184】
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】 発明の実施の形態で使用した針状コバルト被
着マグネタイト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写
真(×30000)である。
【0182】
【図2】 発明の実施の形態で使用したカーボンブラッ
ク微粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30
000)である。
【0183】
【図3】 発明の実施の形態で得られた針状黒色複合磁
性粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×300
00)である。
【0184】
【図4】 比較のために示した針状コバルト被着マグネ
タイト粒子粉末とカーボンブラック微粒子粉末との混合
粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 泰幸 山口県小野田市新沖1丁目1番1号戸田工 業株式会社小野田工場内 (72)発明者 岩崎 敬介 広島県大竹市明治新開1番4戸田工業株式 会社大竹創造センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針状磁性粒子粉末の粒子表面にフルオロ
    アルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン
    化合物が被覆されており、該フッ素含有オルガノシラン
    化合物被覆の少なくとも1部にカーボンブラックが付着
    している平均長軸径0.051〜0.72μmの針状黒
    色複合磁性粒子粉末であって、上記カーボンブラックの
    付着量が前記針状磁性粒子粉末100重量部に対して
    0.5〜10重量部であることを特徴とする磁気記録媒
    体用針状黒色複合磁性粒子粉末。
  2. 【請求項2】 針状磁性粒子粉末の粒子表面に下層とし
    てアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケ
    イ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又
    は2種以上が被覆され、上層としてフルオロアルキルシ
    ランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が被
    覆されており、該フッ素含有オルガノシラン化合物被覆
    の少なくとも1部にカーボンブラックが付着している平
    均長軸径0.051〜0.72μmの針状黒色複合磁性
    粒子粉末であって、上記カーボンブラックの付着量が前
    記針状磁性粒子粉末100重量部に対して0.5〜10
    重量部であることを特徴とする磁気記録媒体用針状黒色
    複合磁性粒子粉末。
  3. 【請求項3】 非磁性支持体と該非磁性支持体上に形成
    される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層と
    からなる磁気記録媒体において、上記磁性粒子粉末が請
    求項1又は請求項2記載の針状黒色複合磁性粒子粉末で
    あることを特徴とする磁気記録媒体。
JP2000111974A 1999-04-14 2000-04-13 磁気記録媒体用針状黒色複合磁性粒子粉末及び該針状黒色複合磁性粒子粉末を用いた磁気記録媒体 Abandoned JP2001002425A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011246324A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 被覆マグネタイト粒子及びその製造方法

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