JP2001299342A - ランダムコドンを有するオリゴヌクレオチドを合成する方法 - Google Patents

ランダムコドンを有するオリゴヌクレオチドを合成する方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 個別のモノマーを用いる現在の合成方法によ
り招いてしまう遺伝子縮重を減らし、予め合成されたト
リプレットを用いる方法のような莫大なコストを生じな
い、ランダムコドンを有するオリゴヌクレオチドを合成
する方法を提供すること。 【解決手段】 個別のモノマーを使用しての、ランダム
タプレットを有するオリゴヌクレオチドを合成する方法
が提供される。この工程は以下の工程からなる:別々の
支持体上でモノマーを連続的にカップリングして少なく
とも2種の異なるタプレットを形成し、該カップリング
が別々の反応容器中で行われる、工程;別々の反応容器
からの該支持体を混合する、工程;該混合支持体を2つ
以上の反応容器に分配する、工程;および、該カップリ
ング、混合、ならびに分配工程を反応容器中で1回以上
繰り返し、混合あるいは分配で終わる、工程。さらに、
該オリゴヌクレオチドは該支持体から切り離され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的にはオリゴ
ヌクレオチドの合成に関する。さらに詳細には、個別の
モノマーを用いての、ランダムコドンを有するオリゴヌ
クレオチドを合成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動核酸合成のスピードおよび有効性に
よって、生物学上の研究に迅速な技術進歩がもたらされ
た。例えば、配列分析用の合成プライマーが入手可能で
あることにより、特定の核酸分析に研究者が費やす時間
および労力が約60%軽減された。合成オリゴヌクレオ
チドにより促進されたもう一つの技術は、ポリメラーゼ
連鎖反応(PCR)である。2つの合成プライマー間の
配列の指数関数的な増幅をもたらすこの方法は、空前の
検出レベルを提供し、増幅された配列の遺伝子操作を可
能にする。さらに、合成プライマーが入手可能なことに
より、種々の遺伝子操作が、部位特異的変位誘発および
遺伝子ベクターの注文作成の設計を含む比較的簡単な方
法によって実施されることが可能になる。
【0003】クローン化されるべき配列はまた、合成オ
リゴヌクレオチドにより常習的方法で改変される。ベク
ターあるいは挿入配列のいずれかの改変は、制限酵素部
位をコードする単純な配列の付加から、特定のペプチド
あるいは種々のペプチド配列を有するクローン化された
配列の翻訳産物の改変を含む、より複雑な方法にまで亘
り得る。従って、合成オリゴヌクレオチドに関連するこ
れらの技術的進歩は、研究者に、多様な生物学的現象
を、より詳細かつより迅速ならびに正確に研究するため
の多くの好機を提供した。
【0004】オリゴヌクレオチド合成は、段階的反応で
個別のモノマーを線状にカップリングすることにより進
められる。この反応は、一般的には、まず固相支持体上
で第一モノマーの3’末端を支持体にカップリングする
ことにより行われる。第二モノマーは、縮合反応によっ
て第一モノマーの5’末端に付加され、固体支持体にカ
ップリングされたジヌクレオチドになる。各カップリン
グ反応の終わりに、副生成物、並びに未反応の遊離モノ
マーを洗浄により除去し、合成の次の段階の開始物質が
支持体に結合される純粋なオリゴヌクレオチドであるよ
うにする。この反応の方法によって、個別のモノマー
を、オリゴヌクレオチドの1つの伸張させている末端に
段階的に付加させることで、所望の配列を正確に合成す
ることを確実にする。さらに、2つのオリゴヌクレオチ
ドの縮合のような望ましくない副反応が除かれて、結果
的に高収量が得られる。
【0005】ある場合には、合成オリゴヌクレオチドは
ランダムヌクレオチド配列を有することが必要とされ
る。このことは、モノマーのカップリング反応におい
て、4種の全てのヌクレオチドを等しい比率で加え、全
ヌクレオチドのランダム組み込みを導くことによて成し
遂げられ、そしてランダム配列を有するオリゴヌクレオ
チド群が得られる。ヌクレオチド配列の全ての可能な組
み合わせは、その群内に表現されるので、可能なコドン
トリプレットの全てもまた表現される。目的が最終的に
ランダムペプチド生成物を生成することである場合に
は、合成されるランダムコドンは、細胞によるDNAの
翻訳中にポリペプチドに組み込まれるアミノ酸に偏りを
与えるので、この研究には厳しい限界がある。
【0006】この偏りは、遺伝子コードの縮重によるも
のである。4種のヌクレオチドモノマーは64の可能な
トリプレットコドンを導く。特定するのは20のアミノ
酸のみであるのに、そのアミノ酸の多くは多重コドンに
よってコードされる。従って、ランダム群からのモノマ
ーの連続付加により合成されるオリゴヌクレオチド群
は、そのアミノ酸配列が20の異なるアミノ酸の可能な
全ての組み合わせを等しい比率で表現するペプチドはコ
ードしない。従って、ポリペプチドに組み込まれるアミ
ノ酸の頻度は、多重コドンにより特定されるアミノ酸に
偏る。
【0007】遺伝子コードの縮重によるアミノ酸の偏り
を減らすために、オリゴヌクレオチドはヌクレオチドト
リプレットから合成され得る。こうして、20の各アミ
ノ酸をコードするトリプレットは個別のモノマーから合
成される。一旦合成されると、そのトリプレットは、個
別のモノマーの代わりにカップリング反応に使用され
る。そのトリプレットを等比率で混合することによっ
て、ランダムコドンを有するオリゴヌクレチドの合成が
成し遂げられ得る。しかし、このようなトリプレットか
らの合成のコストは、トリプレットが商業的に入手不可
能であるので、個別のモノマーからの合成コストをはる
かに上回る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、個別のモノマ
ーを用いる現在の合成方法により招いてしまう遺伝子縮
重を減らし、予め合成されたトリプレットを用いる方法
のような莫大なコストを生じない、ランダムコドンを有
するオリゴヌクレオチドを合成する方法の必要性が存在
する。本発明は、これらの必要性を満たし、さらなる利
点をも提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、個別のモノマ
ーを使用しての、ランダムタプレット(tuplet)
を有するオリゴヌクレオチドを合成する方法を提供す
る。この工程は以下の工程からなる:別々の支持体上で
モノマーを連続的にカップリングして少なくとも2種の
異なるタプレットを形成し、該カップリングが別々の反
応容器中で行われる、工程;別々の反応容器からの該支
持体を混合する、工程;該混合支持体を2つ以上の反応
容器に分配する、工程;および、該カップリング、混
合、ならびに分配工程を反応容器中で1回以上繰り返
し、混合あるいは分配で終わる、工程。さらに、該オリ
ゴヌクレオチドは該支持体から切り離され得る。
【0010】本発明の1つの局面では、個別のモノマー
を使用しての、ランダムタプレットを有するオリゴヌク
レオチドを合成する方法であって、 (1)別々の支持体上でモノマーを連続的にカップリン
グして少なくとも2種の異なるタプレットを形成し、該
カップリングが別々の反応容器中で行われる、工程; (2)該別々の反応容器からの該支持体を混合する、工
程; (3)該混合支持体を2つ以上の別々の反応容器に分配
する、工程;および (4)該工程(1)から(3)を、該工程(3)の反応
容器中で1回以上繰り返し、最後の工程を該工程(2)
で終わる、工程;を包含する、方法が提供される。
【0011】1つの実施態様において、上記方法は、ラ
ンダムタプレットを有する前記オリゴヌクレオチドを前
記支持体から切り離す、工程(5)をさらに包含する。
【0012】1つの実施態様において、上記方法では、
上記タプレットはトリプレットである。
【0013】1つの実施態様において、上記方法では、
ランダム化されるべきタプレットの数は、2と20との
間である。
【0014】1つの実施態様において、上記方法では、
上記反応容器の数は、ランダム化されるべきタプレット
の数に等しい。好ましくは、ランダム化されるべき各タ
プレットは、別々の反応容器中でカップリングされる。
【0015】1つの実施態様において、上記方法では、
上記反応容器の数は、ランダム化されるべきタプレット
の数よりも少ない。好ましくは、ランダム化されるべき
2種のタプレットは反応容器中で支持体にカップリング
される。別の実施態様において、上記タプレットの第
一、第二および第三のモノマーは、(T/G)TT、
(T/C)CT、(T/C)AT、(T/C)GT、
(C/A)TG、(C/G)AG、(A/G)CT、
(A/G)AT、(T/G)GG、およびA(T/A)
Aを包含する群から選択される。
【0016】本発明はさらに、上記の方法を包含する、
個別のモノマーを使用しての、予め決定された位置に少
なくとも1つの特定タプレットを有し、残りの位置にラ
ンダムタプレットを有するオリゴヌクレオチドを合成す
る方法であって、該特定タプレットの位置が、別々の反
応容器に分配される前に混合支持体上で合成される、方
法を提供する。1つの実施態様では、この方法におい
て、上記第一の位置は、予め決定されていて、上記特定
タプレットは工程(1)の前に合成される。
【0017】本発明はまた、多様ではあるが、予め決定
された配列に偏ったタプレットを有するオリゴヌクレオ
チドを合成する方法であって、 (1)支持体上でモノマーを連続的にカップリングして
予め決定された配列を有するタプレットを形成し、該カ
ップリングが第一の反応容器中で行われる、工程; (2)支持体上でモノマーを連続的にカップリングして
ランダムタプレットを形成し、該カップリングが第二の
反応容器中で行われる、工程; (3)該第一および第二の反応容器からの支持体を混合
する、工程;および (4)該工程(3)からの混合支持体を分配し、そして
該支持体を該工程(1)および工程(2)に使用し、工
程(1)から(3)を少なくとも1回繰り返す、工程;
を包含する、方法を提供する。
【0018】1つの実施態様において、上記方法は、上
記支持体から上記オリゴヌクレオチドを切り離す工程
(4)をさらに包含する。
【0019】1つの実施態様において、上記方法は、上
記タプレットがトリプレットであり、工程(2)が以下
の(2a)、(2b)および(2c)をさらに包含す
る: (2a)4つの異なるモノマーの混合物をランダムトリ
プレットの第一モノマーとしてカップリングする、工
程; (2b)4つの異なるモノマーの混合物をランダムトリ
プレットの第二モノマーとしてカップリングする、工
程;および (2c)ランダムトリプレットを形成するためのランダ
ムトリプレットの第三モノマーとして、グアニンとチミ
ン、もしくはシトシンとアデニンのモノマーからなる群
から選択されるモノマーペアーをカップリングする、工
程。
【0020】1つの実施態様では、上記4つの異なるモ
ノマーが、アデニン、グアニン、シトシンおよびチミン
である。
【0021】1つの実施態様では、上記方法において、
工程(2a)あるいは(2b)の4つの異なるモノマー
は、等比率で存在する。別の実施態様では、上記方法に
おいて、工程(2a)および(2b)の4つの異なるモ
ノマーは、等比率で存在する。なお別の実施態様では、
上記方法において、工程(2a)あるいは(2b)の4
つの異なるモノマーは、異なる比率で存在する。さらに
別の実施態様では、上記方法において、工程(2a)お
よび(2b)の4つの異なるモノマーは、異なる比率で
存在する。
【0022】1つの実施態様では、上記方法において、
工程(2c)のグアニンとチミンのモノマーが等比率で
存在する。別の実施態様では、上記方法において、工程
(2c)のグアニンとチミンのモノマーが異なる比率で
存在する。
【0023】1つの実施態様では、上記方法において、
上記第一および第二の反応容器からの混合支持体は、等
比率で分配される。別の実施態様では、上記方法におい
て、上記第一および第二の反応容器からの混合支持体
は、異なる比率で分配される。
【0024】本発明の別の局面において、上述した本発
明の方法で合成されたオリゴヌクレオチドもまた提供さ
れる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明は、個別のモノマーを用い
て、ランダムタプレットを有するオリゴヌクレオチドを
合成する、簡単で安価な方法に向けられている。この方
法は、タプレットの代わりに個別のモノマーが使用され
る点に利点がある。これらのモノマーは、オリゴヌクレ
オチド合成に使用され得る形態で商業的に入手可能であ
り、そして安価である。この方法のさらなる利点は、全
トリプレットの非縮重性サブセットのみを使用すること
によって、現在のランダム合成法に内在するコドンの縮
重を減らし得ることである。従ってこの方法は、ランダ
ムタプレットを有する可能なオリゴヌクレオチドを高比
率で生成し得る。生成されたオリゴヌクレオチドは、際
限ない数の薬学的生成物および研究用生成物をつくるの
に有用である。
【0026】好ましい実施態様において、本発明は、モ
ノマーの連続的なカップリングによりランダムコドンを
有するオリゴヌクレオチドを生成する。遺伝子コードの
アミノ酸を特定する20のコドンのランダム化のための
カップリング反応は、10の異なる反応容器中で行われ
る。各反応容器は支持体を含有していて、その支持体上
で2種の異なるコドン用のモノマーが3回の連続反応で
カップリングされる。その反応の1つで、最終生成物が
異なる2つのコドンの配列であるように2種のモノマー
の等量混合物がカップリングされる。反応容器から支持
体を取り出し、それらを混合して20のコドン全てを含
む支持体の1バッチをつくることによって、そのコドン
をランダム化する。次のコドン位置での合成は、支持体
の混合バッチを前回のように10の反応容器に等しく分
配し、モノマーをコドンの各ペアーに連続的にカップリ
ングすることにより進行する。支持体を再度混合して、
コドンをまさに合成されたその位置でランダム化する。
カップリング、混合、および分配のサイクルを、所望の
数のコドン位置がランダム化されるまで続ける。最後の
位置がランダム化された後、ランダムコドンを有するオ
リゴヌクレオチドを支持体から切り離す。
【0027】本明細書に用いられているように、用語
「モノマー」あるいは「ヌクレオチドモノマー」とは、
オリゴヌクレオチドの化学合成に用いられる個別のヌク
レオチドのことである。使用され得るモノマーには、リ
ボ型およびデオキシリボ型のそれぞれの5つの基本ヌク
レオチド(アデニン(それぞれに、AあるいはdA)、
グアニン(GあるいはdG)、シトシン(Cあるいはd
C)、チミン(T)およびウラシル(U)の塩基由来)
が含まれる。イノシンのようなポリペプチド生合成をな
し得る塩基の誘導体および前駆体もまたモノマーに含ま
れる。さらに、例えば、プリンあるいはピリミジン塩基
の任意の位置、リボースもしくはデオキシリボース糖、
あるいはモノマーのリン酸基部分もしくはヒドロキシル
部分に結合された可逆性のブロッキング剤を有する、化
学的に改変されたヌクレオチドも含まれる。このような
ブロッキング基には、例えば、ジメトキシトリチル、ベ
ンゾイル、イソブチリル、β−シアノエチル、およびジ
イソプロピルアミン基が含まれ、ヒドロキシル類、エキ
ソサイクリックアミン類およびホスフェート部分を保護
するために使用される。他のブロッキング剤もまた使用
され得、それらは当業者には公知である。
【0028】本明細書に用いられているように、用語
「タプレット(tuplet)」とは、限定し得る大き
さの1群の構成成分のことである。本明細書中に用いら
れているタプレットの構成成分は、ヌクレオチドモノマ
ーである。例えば、タプレットはジヌクレオチド、トリ
ヌクレオチド、あるいは4つ以上のヌクレオチドであり
得る。
【0029】本明細書に用いられているように、用語
「コドン」あるいは「トリプレット」とは、ポリペプチ
ド生合成において見られる天然に存在する20のアミノ
酸の1つを特定する、3つの隣接ヌクレオチドからなる
タプレットのことである。この用語は、いかなるアミノ
酸をも特定しないナンセンスコドンもまたさらに含む。
【0030】本明細書に用いられているように、「ラン
ダムコドン」あるいは「ランダム化コドン」とは、オリ
ゴヌクレオチドコレクションの1つの位置における1つ
より多いコドンのことである。異なるコドンの数は、任
意の特定の位置において2から20の数であり得る。本
明細書に用いられているように、「ランダム化オリゴヌ
クレオチド」とは、1つ以上の位置にランダムコドンを
有するオリゴヌクレオチドコレクションのことである。
例えば、ランダム化オリゴヌクレオチドが6ヌクレオチ
ドの長さ(すなわち、2つのコドン)で、第一および第
二コドンの両方の位置がランダム化されて20の全ての
アミノ酸をコードする場合には、第一および第二の位置
に、20のトリプレットの可能な全ての組み合わせを有
するオリゴヌクレオチド群が、上記のランダム化オリゴ
ヌクレオチドの群をつくる。この可能なコドンの組み合
わせは202である。同様に、15ヌクレオチドの長さ
のランダム化オリゴヌクレオチドが、全ての位置でラン
ダム化されて合成される場合には、20アミノ酸のそれ
ぞれをコードする全トリプレットが全ての位置に等比率
で見いだされる。このランダム化オリゴヌクレオチドを
構成する群は、20 15の異なる可能なオリゴヌクレオチ
ドの種を含む。「ランダムタプレット」あるいは「ラン
ダム化タプレット」は類似的に定義される。
【0031】本明細書に用いられているように、用語
「支持体」とは、モノマーを結合させる化学合成用の固
相物質のことである。このような支持体は、通常はコン
トロールポアガラスのビーズのような物質から構成され
ているが、当業者に公知の他の物質でもあり得る。この
用語は、付加的なオリゴヌクレオチド合成反応のため
の、支持体にカップリングされた1つ以上のモノマーを
含むこともさらに意味される。
【0032】本明細書に用いられているように、用語
「カップリングする」あるいは「縮合する」とは、1つ
のモノマーを第二のモノマーあるいは固相に結合するた
めの化学反応のことである。このような反応は、当業者
には公知であって、典型的にはMilliGen/Bi
osearch Cyclone Plus Synt
hesizerのような自動DNA合成機によって製造
者の推奨の方法により、行われる。本明細書に用いられ
ているように、「連続的にカップリングする」とは、モ
ノマーを段階的に付加することである。
【0033】本発明は、個別のモノマーを用いての、ラ
ンダムタプレットを有するオリゴヌクレオチドを合成す
る方法を提供する。この方法は、数工程を包含し、第一
工程は、ランダム化されるべき各々のタプレットに対す
るヌクレオチドタプレットの合成工程である。この項以
下に記載のように、ヌクレオチドトリプレット(すなわ
ち、コドン)は、タプレットの特定の例として用いられ
る。あらゆる大きさのタプレットが、本明細書に開示の
方法に従って機能し、そして当業者はあらゆる大きさの
タプレットをランダム化する方法の用い方を承知であ
る。
【0034】ある位置で20の全てのアミノ酸を特定す
るコドンのランダム化が所望される場合には、20の異
なるコドンが合成される。同様に、ある特定の位置に1
0のみのコドンのランダム化が所望される場合には、そ
の10のコドンが合成される。2から64のコドンのラ
ンダム化が、各々の所望のトリプレットを合成すること
によって成し遂げられる。好ましくは、2から20のコ
ドンのランダム化が、遺伝子コードの縮重の故に任意の
1つの位置に使用される。1つの位置に選択されたコド
ンは、次の位置に選択されるコドンと同じであってはな
らない。さらに、センスもしくはアンチセンス配列のオ
リゴヌクレオチドが合成され得る。従って、この方法
は、任意の数のコドンでの任意の所望されるコドン位置
のランダム化を提供する。
【0035】ランダム化されるべきコドンは、各コドン
の第一モノマーを別々の支持体にカップリングすること
により、連続的に合成される。各コドンの合成用の支持
体は、例えば、異なる反応容器中に含有されているの
で、1つの反応容器は、1つのコドン用のモノマーカッ
プリング反応に対応する。この項以下に用いられている
ように、20のコドンがランダム化される場合には、各
コドンの第一の20のモノマーに対する別個のカップリ
ング反応に、20の反応容器が使用され得る。各コドン
の第二のモノマーの第一モノマーヘの連続的なカップリ
ングによりダイマーをつくり、その後、各コドンの第三
モノマーの、上記の合成されたダイマーヘのカップリン
グによってトリマーをつくることによって合成が進む
(図1、工程1、ここで、M1、M2およびM3は、ラン
ダム化されるべきコドンの第一、第二および第三モノマ
ーをそれぞれさす)。
【0036】個別のモノマーからの第一コドンの合成
後、ランダム化されるべき個別のコドンを含有する20
全ての反応容器からの支持体を混合することによってラ
ンダム化を完成する。この固相支持体は、容器から取り
出され得、混合され得て、その群中の全コドン種のラン
ダム分布が完成され得る(図1、工程2)。全コドン種
を構成成分とする混合された支持体群は、次に20の個
別の反応容器中に再度分布される(図1、工程3)。得
られた反応容器は全て同じであって、固相支持体にカッ
プリングされた20全てのコドンを等比率で含有する。
【0037】第二の位置のコドンのランダム化のため
に、20の付加的なコドンの合成を、工程1の縮合基質
として、工程3でつくられた20の各反応容器中で行う
(図1、工程4)。工程1および4はそれ故、工程4
が、コドン合成のための前の合成サイクル(工程1から
3)、すなわち工程1がオリゴヌクレオチドの第一コド
ンの最初の合成である、コドン合成のサイクルにより生
成された支持体を使用すること以外は、同等のものであ
る。工程4から得られる支持体は、第一の位置のコドン
が20の可能なコドンの任意の1つであり(すなわち、
ランダム)、そして第二の位置のコドンが20の可能な
コドンの1つである、その支持体に結合された2つのコ
ドン(すなわち、ヘキサヌクレオチド)を各々有する。
【0038】第二の位置のコドンのランダム化および第
三の位置のコドンの合成に対して、工程2から4が再度
繰り返される。このプロセスで、各容器に、1および2
の位置のコドンがランダム化され、そして3の位置のコ
ドンが20の可能なコドンのうちの1つである、3コド
ンのオリゴヌクレオチド(すなわち、9ヌクレオチド)
が得られる。第三の位置のコドンをランダム化し、次の
位置のコドンを合成するために2から4の工程を再度繰
り返す。このプロセスを、オリゴヌクレオチドが所望の
長さになるまで続ける。最終のランダム化工程の後、そ
のオリゴヌクレオチドを支持体から切り離し、当業者に
公知の方法によって単離する。あるいは、そのオリゴヌ
クレオチドは、プローブハイブリダイゼーションを用い
る方法おいて使用するために支持体上に残し得る。
【0039】本発明の方法を用いることによって得られ
得る、コドン配列の多様性、すなわち、異なる可能なオ
リゴヌクレオチドの数は、きわめて多く、入手可能な物
質の物理的特性によってのみ制限される。例えば、直径
約100μmのビーズで構成される支持体は、25mg
のビーズを含有する1μM反応容器を用いる、反応容器
当り約10,000ビーズに制限される。この大きさの
ビーズは、ビーズ当り約1x107のオリゴヌクレオチ
ドを支持することができる。20のアミノ酸の各々に対
して別々の反応容器を用いる合成は、個別のビーズに結
合される全オリゴヌクテオチドは同じであるようなビー
ズをつくる。このような条件下で得られる得る多様性
は、約10,000x20もしくは200,000の異
なるランダムオリゴヌクレオチドの107コピーであ
る。しかし、この多様性は、本明細書に開示の基本的な
方法から外れることのない数種の方法により増加され得
る。例えば、支持体をつくっている個別のビーズの大き
さを小さくすることにより、可能な配列の数を増加し得
る。直径約30μmのビーズは、反応容器当りのビーズ
の数を増加させ、それによって合成されるオリゴヌクレ
チドの数を増加させる。ランダムコドンを有するオリゴ
ヌクレオチドの多様性を増加させる他の方法は、反応容
器の容積を増大することである。例えば、同じ大きさの
ビーズを使用すると、小さな容器よりも大きな容器のほ
うがより多くのビーズを含有し得、従って、より多くの
オリゴヌクレオチドの合成を支持し得る。1つの反応容
器中の支持体にカップリングされているコドンの数を増
加させると、ランダムオリゴヌクレオチドの多様性が増
加される。多様性の合計は、容器当りのカップリングさ
れたコドンの数に、合成されたコドン位置の数を累乗し
たものである。例えば、10の反応容器を使用し、各々
2つのコドンを合成して合計20コドンをランダム化す
ると、100μmビーズ当り、長さが10コドンの異な
るオリゴヌクレオチド数が増加され得、各ビーズは、1
つではなく約210もしくは1x103の異なる配列を含
有する。当業者には、ランダムコドンを有するオリゴヌ
クレオチドの多様性を増すためにこのようなパラメータ
ーをどのように改変するかは公知である。
【0040】本発明は、ランダム化されるべきコドン数
より少ない数の反応容器中で個別のモノマーを使用し
て、各位置にランダムコドンを有するオリゴヌクレオチ
ドを合成する方法を提供する。例えば、20のコドン
が、あるヌクレオチド群中の各位置にランダム化される
べき場合には、10の反応容器が使用し得る。各位置に
ランダム化されるべきコドンの数よりも少ない数の反応
容器の使用は、より少ない数の反応容器の操作はより簡
便であり、合成されるオリゴヌクレオチドがより多く得
られるために好ましい。
【0041】オリゴヌクレオチド中の所望の位置の、2
0のコドンのランダム合成のためのより少ない数の反応
容器の使用は、各反応容器が、1つより多いコドンの合
成生成物を含有し得ること以外は、上記の20の反応容
器を用いる方法と同様である。例えば、10の反応容器
を用いる工程1の合成は、10の各反応容器に含有され
ている支持体上の約2つの異なるコドンをカップリング
することによって進む。このことは、図2に示す。ここ
において、異なる支持体にカップリングされた2つのコ
ドンは、以下の配列からなり得る。
【0042】
【化1】 スラッシュ(/)は、スラッシュの各側に示されたモノ
マーの混合物が、示されたカップリング工程において1
つのモノマーであるかのように使用されることを示す。
上記の各コドンに対するアンチセンス配列が、相補配列
を合成することにより生成され得る。例えば、Pheと
Valに対するアンチセンスは、AA(C/A)であり
得る。上記配列の各ペアーにコードされるアミノ酸は、
標準的な3文字表示により示される。
【0043】この様式によるモノマーのカップリングに
より、10の反応容器中の支持体に結合された天然に存
在する20のアミノ酸全てを特定づけるコドンが得られ
る。しかし、使用される個別の反応容器の数は、所望の
位置にランダム化されるべきコドンの数に依存し、当業
者により決定され得る。例えば、10のコドンがランダ
ム化される場合には、5つの反応容器がカップリング用
に使用され得る。上記のコドン配列が、この合成に対し
て使用され得る。このコドンの配列はまた、遺伝子コー
ドを構成する、さらに他の44のコドンの任意のものに
組み込まれるか、または代わり得る。
【0044】より少数の反応容器を用いた、ランダムコ
ドンを有するオリゴヌクレオチド合成の残りの工程は、
混合および分配工程を、約半数の反応容器からの支持体
を使用して実施したこと以外は、20の反応容器による
合成について上記概説した通りである。これらの残りの
工程は、図2に示す(工程2から4)。
【0045】本発明はまた、予め決定された位置に少な
くとも1つの特定されたタプレットを有し、残りの位置
にランダムタプレットを有するオリゴヌクレオチドの、
個別のモノマーを使用しての合成法を提供する。この合
成工程は、特定されたコドンの位置の合成の前に、異な
るコドンの合成のために別々の反応容器に支持体を分配
することを行わないことを除けば、20あるいはそれよ
り少数の反応容器を使用する上記概説の工程と同様であ
る。例えば、オリゴヌクレオチドの第二の位置のコドン
が特定される場合には、第一の位置のランダムコドンの
合成および支持体の混合の後、その混合支持体は新たな
反応容器に分配されずに、特定コドンの合成のために1
つの反応容器に入れられ得る。特定コドンは、上記のよ
うに、個別のモノマーから連続的に合成される。従っ
て、反応容器の数は、特定コドンあるいは所望の数のラ
ンダムコドンの合成をなすための各工程において、増減
され得る。
【0046】コドン合成の後、混合支持体を、ランダム
化されるべき次のコドンの合成のための個別の反応容器
に分配する(図1、工程3)か、もしくは、連続した特
定コドンの合成のために分配せずに使用し得る。合成ラ
ウンドは、予め決定もしくはランダム化されたコドンを
有する所望の位置数が得られるまで、付加されるべき各
コドンに対して繰り返され得る。
【0047】第一の位置のコドンが特定されているオリ
ゴヌクレオチドの合成もまた、上記の方法を用いてなさ
れ得る。この場合には、第一の位置のコドンは適切なモ
ノマーから合成される。支持体は、第二の位置のランダ
ムコドンの合成に必要な数の反応容器に分配され、合
成、混合および分配のラウンドは、上記のように実施さ
れる。
【0048】本発明は、多様ではあるが、予め決定され
た配列に偏るタプレットを有するオリゴヌクレオチドの
合成方法を提供する。この方法では、2つの反応容器が
使用され、1つは予め決定された配列の合成用の容器、
そして第二の容器はランダム配列の合成用である。この
方法は、有意の数のコドン位置が、例えば、特定配列で
あるようなときに、複数の反応容器の使用を減らす利点
がある。代わって、アデニン、グアニン、シトシンおよ
びチミンヌクレオチドのような4種の異なるモノマー
が、多様配列を特定するコドンの位置に、第一および第
二モノマーとして使用される。コドンは、第三のモノマ
ーの位置で、グアニンとチミン、もしくはシトシンとア
デニンのヌクレオチドのいずれかのモノマーペアー混合
物をカップリングすることにより完成される。第二の容
器においては、ヌクレオチドモノマーは連続的にカップ
リングされて、予め決定されたコドン配列を与える。2
種の支持体を混合することにより、所望の位置に予め決
定されたコドンおよびランダムコドンの両方を含有する
オリゴヌクレオチド群が得られる。合成は、1つの反応
容器、例えば、さらに他の予め決定されたコドンをカッ
プリングするための容器中で、この混合支持体を使用す
ることにより、もしくはさらに他のランダムコドンの合
成のための2つの反応容器中にこの混合物をさらに分配
することにより、進められ得る。
【0049】2反応容器法は、支持体混合物を2つに分
配することにより、予め決定されたタプレット配列を有
するオリゴヌクレオチド中に、ランダム化されるべき所
望のコドン位置でコドンを合成するために使用され得
る。さらに、この方法ではランダム化の程度が考慮され
調節される。例えば、2種の支持体の不均等な混合もし
くは分配により、所望の位置にランダムコドンを有する
配列に比較して、予め決定された配列を有するコドン部
分が変化する。支持体の不均等な混合および分配は、よ
り長いもしくは短いオリゴヌクレオチド中の、有意の数
の位置でランダムコドンの合成が必要である場合に有用
であり得る。
【0050】ランダム化の程度はまた、ランダムコドン
の位置の第一、第二および第三モノマーのカップリング
工程における、不均等なモノマー混合物の使用により調
節され得る。この不均等な混合物は、任意もしくは全カ
ップリング工程に存在し得、そのモノマー比を反映する
配列に富んだコドン群を与える。
【0051】本発明は、本明細書に記載の方法によって
合成されたオリゴヌクレオチドを提供する。ランダム化
オリゴヌクレオチドの合成は、当業者に公知の方法を用
いて実施される。モノマーの線状カップリングは、例え
ば、MilliGen/Biosearch Cycl
one Plus 自動合成機(Millipore,
Burlington,MA)を製造者の記載どおりに
使用した、ホスフォルアミダイト化学法により完成され
得る。他の化学法および自動合成機も同様に使用され
得、それらも当業者に公知である。
【0052】多重コドンの合成は、反応の個別のセット
で別々にコドンを合成することにより、合成機を改変す
ることなく実施され得る。あるいは、自動DNA合成機
の改変は、複数の反応容器中でのコドンの同時合成用に
実施され得る。
【0053】以上のように、本発明は、個別のモノマー
を用いての、ランダムタプレットを有するオリゴヌクレ
オチドを合成する方法を提供する。この工程は、(1)
別々の支持体上でモノマーを連続的にカップリングして
少なくとも2つの異なるタプレットを形成し、このカッ
プリングを別々の反応容器中で行う、工程;(2)反応
容器からの支持体を混合する、工程;(3)この混合支
持体を2つ以上の反応容器に分配する、工程;および
(4)工程(1)から(3)を、工程(3)の反応容器
中で1回以上繰り返し、最後の工程を工程(2)で終わ
る、工程;からなる。さらに、オリゴヌクレオチドは、
支持体から切り離され得る。
【0054】以下の実施例は、例示のみを意図し、本発
明を限定するものではない。
【0055】
【実施例】(実施例I:個別のモノマーを使用しての、
ランダムコドンを有するオリゴヌクレオチドの合成)こ
の実施例では、各位置に20のランダムコドンを有す
る、10コドンの長さのアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドの合成を行う。
【0056】反応容器は、自動合成機の製造業者(Mi
llipore,Burlington, MA; M
illiGen/Biosearch Cyclone
Plus Synthesizerの業者)から得
た。これは、空の反応カラム(1μmole)、フリッ
ト、クリンプおよびプラグからなるパッケイジとして得
た(MilliGen/Biosearchカタログ
# GEN 860458)。誘導体化および非誘導体
化コントロールポアガラスホスフォルアミダイトヌクレ
オチド、および合成試薬もまた、MilliGen/B
iosearchから得た。クリンプの脱着工具(クリ
ンパーおよびデクリンパー)は、Fisher Sci
entific Co., Pittsburgh,P
A(カタログ番号はそれぞれに、06−406−20お
よび06−406−25Aであった)から得た。
【0057】10の反応カラムは、10コドンのランダ
ムオリゴヌクレオチドの合成に用いる。オリゴヌクレオ
チドは、その3’末端に配列5’GAGCT3’の5モ
ノマーを有し、そしてその5’末端に配列5’AATT
CCAT3’の8モノマーを有する。合成機には、チミ
ンヌクレオチドで誘導体化されたカラム(MilliG
en/Biosearch # 0615.50)が取
り付けられており、個別の反応セット中の10カラムの
各々に対して、表Iに示す配列を合成するためにプログ
ラムされている。最後の3モノマーの配列(合成は3’
から5’に進むので右から左)は、表示のアミノ酸をコ
ードする。
【0058】
【表1】 ここで、カッコ内の2モノマーは、コドン中の1つのモ
ノマーの位置を指し、各モノマーの等比率混合物がカッ
プリングのための反応に添加されることを示している。
10の各カラムに対するモノマーカップリング反応は、
製造業者の推奨どおりに実施される(アミダイトバージ
ョン S1.06、# 8400−050990、スケ
ール 1μM)。最後のカップリング反応後、カラムを
アセトニトリルで洗浄し、凍結乾燥して乾燥する。
【0059】合成の後、デクリンパーにより各カラムか
らプラグを取り外し、反応生成物を1つの重量測定ボー
トに入れる。損失物質は、非誘導体化コントロールポア
ガラスで等しくし、20の全てのコドン種のランダム分
布を得るために十分に混合する。次に、反応生成物を、
物質25mgを一度に取り出し、それを別々の反応カラ
ムにのせることにより、10の新たな反応カラムにわけ
る。あるいは、反応生成物を、ビーズが分散し得る十分
な濃度の液体、好ましくは、ビーズと等しい濃度の液体
中にビーズを懸濁させることにより部分にわけ、別々の
反応カラムに、その懸濁液の等体積分ずつをわける。フ
リットがあるカラムの内側のリップは、25Gの針を取
り付けたシリンジを用いて、減圧吸引により物質を取り
除く。新しいフリットをリップに取り付け、プラグを取
り付け、クリンパーによりクリンプを取り付ける。
【0060】第二コドンの位置の合成は、第一コドンの
合成からの反応生成物のランダム混合物を含む上記の約
10のカラムを用いて達成される。第二コドンの位置に
対するモノマーカップリング反応は、表IIに示す。第
一の位置のAは、第一モノマーの位置は合成機にカップ
リングされていないので、任意のモノマーがその位置
に、合成機にプログラムされ得ることを意味する。さら
に、Aは、前のコドン合成からのカラムを現時点の合成
ラウンドに使用するために合成機に取り付けるべきであ
ることを示している。反応が、表IIおよび上記に記載
されているように、各カラムについて再度連続的に繰り
返され、反応生成物は洗浄および乾燥される。
【0061】
【表2】 第二コドンの位置のランダム化は、各カラムから反応生
成物を取り出し、その物質を十分に混合することにより
完成される。上記のように、その物質を再度新たな反応
カラムに分配し、モノマーカップリング反応用に調製す
る。
【0062】次の7コドン(位置3から9)のランダム
合成は、第二のコドンの位置について上述したサイクル
と同様に進行し、再度表IIのモノマー配列を使用し
た。前のコドン位置の合成からの反応生成物のランダム
混合物を含有する、新たにパックされた各カラムを、連
続するコドン位置の合成に使用する。位置9のコドンを
合成し、その反応生成物を混合した後、その物質を40
の異なるカラムに分配し、再度パックして、表IIIに
示すモノマー配列を個別の反応において40の各カラム
にカップリングする。40の各カラムからのオリゴヌク
レオチドをもう一度混合し、製造業者の推奨のようにコ
ントロールポアガラスから切り離す。
【0063】
【表3】 (実施例II:予め決定された位置に特定コドンを有す
るランダム化オリゴヌクレオチドの合成)この実施例で
は、第二の位置をメチオニンのコドンに特定するランダ
ムオリゴヌクレオチドの合成を行う。
【0064】第二の位置に特定コドンを有するランダム
オリゴヌクレオチドイの合成は、第二の位置に合成され
るモノマー配列が10の反応カラム全てについて同じで
あること以外は、実施例Iの記載と同様にして完成され
る。第一の位置の合成後、ランダムコドンを含有する反
応カラムを合成機に設置し、10の全てのカラムにモノ
マーカップリング反応の同じ配列を入れる。メチオニン
が第二の位置の特定コドンであるため、配列はATGで
ある。全カップリング反応を行った後には、その反応生
成物は、ランダムである第一の位置と、メチオニンコド
ンを有する第二の位置とを有するジヌクレオチドであ
る。次に、そのカラムを10のカップリング反応に使用
し、実施例Iに記載のように、残りの位置にランダムコ
ドンを合成する。
【0065】(実施例III:多様ではあるが、予め設
定された配列に偏るトリプレットを有するオリゴヌクレ
オチドの合成)この実施例では、5つの位置が、多様で
はあるが予め決定された配列に偏る、13コドンオリゴ
ヌクレオチドを合成する2カラム法の使用を示す。
【0066】13コドンオリゴヌクレオチドの合成を、
実施例Iに記載の方法により完成した。代替法として
は、48μg/g容量のより微細なビーズ(Gent
a,San Diego,CA)を合成に使用し得る。
このようなビーズは、グアニンヌクレオチドで誘導体化
されていて、穴の大きさは規制されていない。オリゴヌ
クレオチドの最初の4コドンの位置および最後の4つの
位置は、予め決定されたコドン配列を含有するように合
成した。しかし、中央の5つのコドンの位置は、予め決
定された配列に偏った多様な配列を含有するように合成
した。全計画は、以下の2つのオリゴヌクレオチドの合
成として示され得る。オリゴヌクレオチド(1)は、予
め決定された配列の配列を示し、オリゴヌクレオチド
(2)は、5つのランダム化コドン位置の位置を示す。
【0067】
【化2】 最初の4コドンの位置の合成は、1つの反応カラム中で
のモノマーの連続カップリングにより完成した(5’−
GCT GGC CCT GCA−3’)。オリゴヌク
レオチドの合成は3’から5’方向に進むので、合成さ
れるこれらの最初の4つの位置は、所望のオリゴヌクレ
オチドの最後の4コドンの位置に対応する。最後のモノ
マーのカップリング後、カラムのプラグを外し、その内
容物を前記のように2つに等分した。次に、各部分を2
つの空の反応カラムに再度パックした。反応カラムを前
述のようにプラグでつけ、カラムを合成機に設置して、
以下の配列を合成するようにプログラムした。
【0068】
【表4】 合成の後、プラグを外し、生成物を混合して2つに等分
し、そして、実施例Iに記載のように新たなカラムに再
度パックした。次の4つの位置の合成、混合および分配
は、第五の合成位置について、上述したのと同様に進行
した。2つの各カラムについて、各位置でカップリング
される配列を、以下の表Vに示す。
【0069】
【表5】 位置10から13の合成は、位置9を合成した後のカラ
ム1と2との混合生成物を開始物質として含む1つの反
応カラムを用いて行った。最後の4つの位置を、個別の
モノマーを連続的にカップリングすることにより合成
し、最初の4つおよび最後の4つのコドン位置が予め決
定された配列であって、中央の5つの位置が多様ではあ
るが予め決定された配列に偏る、オリゴヌクレオチド群
を得た。
【0070】上記合成されたオリゴヌクレオチド群を、
ビーズから切り離して精製した。24のランダムに選択
されたオリゴヌクレオチド配列を、M13由来のベクタ
ーに変異誘発により組み込んだ後に、DNA配列分析を
行って決定した。これらの配列のうちの9つがベクター
配列を含み、1つが、合成あるいは変異誘発の過程のた
めに1bpの欠損を含んでいた。これらの10のオリゴ
ヌクレオチド配列は、下記に示す分析には取り入れなか
った。残り14の全オリゴヌクレオチド配列は、少なく
とも1つの位置に組み込まれた予め決定された配列によ
り特定されたコドンとは異なるコドンを有していた。多
くのオリゴヌクレオチド配列が1つより多い位置に異な
るコドンを有していた。(2つのオリゴヌクレオチド配
列が1つのみの位置の変化、一方、4つのオリゴヌクレ
オチドが、それぞれに2、3あるいは4つの異なる位置
に変化を有していた。)5つの全ての位置に異なるコド
ンを有するオリゴヌクレオチド配列はなかった。しか
し、その後のさらに選択されたクローンの分析では、5
つの全位置に異なるコドンを有するオリゴヌクレオチド
配列が見いだされた。13コドンオリゴヌクレオチドの
ランダム化位置5から9に得られる異なるコドンの頻度
は、下記の表VIに示す。
【0071】
【表6】 これらの結果は、オリゴヌクレオチドが、本明細書に記
載の2カラム法により合成され得、予め決定された配列
に偏るが、1つ以上の位置に多様なコドン配列を有する
オリゴヌクレオチド群が得られることを示している。
【0072】(実施例IV:反応生成物の混合および分
配のための液体懸濁物の使用)この実施例では、各混合
および分配工程で反応生成物を等体積分に分割するため
に液体懸濁物を使用することを示す。
【0073】反応生成物のランダム分布をつくために、
実施例Iに記載した混合および分配工程を、ビーズ懸濁
物の等体積を分配する代替法により実施した。ビーズが
分散された状態になるのに十分な濃度であるように選択
された液体は、100%アセトニトリルであった。
【0074】簡単には、48μg/g容量のビーズ(G
enta,San Diego,CA)22mg(1μ
mole)を100%アセトニトリル0.5ml中に懸
濁させ、この懸濁物を空の反応カラムに移すことによ
り、各カラムを最初のカップリング反応用に調製した。
移す間、懸濁液をおだやかにピペットで吸い上げること
により、ビーズを比較的懸濁状態に保った。カラムをプ
ラグで取り付け、各所望のコドンに対してモノマーカッ
プリング反応を行った。各所望のコドンに対する最後の
カップリング後、前述のようにカラムのプラグを外し、
内容物を50mlコニカル遠心分離チューブに入れた。
カラムを100%アセトニトリルですすいで、残ってい
るビーズを回収した。すすぎに要する体積は、ビーズが
分配される新しい各々の反応カラムについて、全ビーズ
懸濁物の最終体積が約0.5mlになるように決定し
た。混合物をおだやかに攪拌して、均一に分散された懸
濁物にし、そしてその混合物を一定のピペッティングに
よって等体積ずつに分配した。次に、ビーズの各混合物
を空の反応カラムに移した。空のチューブを少量の10
0%アセトニトエリルですすぎ、さらにそれぞれのカラ
ムに移した。
【0075】本発明は、まさに好ましい実施態様を参考
として記載したが、本発明の意図から逸脱することな
く、種々の改変がなされることは理解されるべきであ
る。従って、本発明は請求の範囲によってのみ限定され
る。
【0076】
【発明の効果】本発明により、個別のモノマーを用いる
現在の合成方法により招いてしまう遺伝子縮重を減ら
し、予め合成されたトリプレットを用いる方法のような
莫大なコストを生じない、ランダムコドンを有するオリ
ゴヌクレオチドを合成する必要性が満たされ、さらなる
利点をも提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、20の反応容器を用いて、ヌクレオチ
ドモノマーから、各位置にランダムタプレットを有する
オリゴヌクレオチドを合成する方法の図式である。
【図2】図2は、10の反応容器を用いて、ヌクレオチ
ドモノマーから、各位置にランダムタプレットを有する
オリゴヌクレオチドを合成する方法の図式である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 個別のモノマーを使用しての、ランダム
    タプレットを有するオリゴヌクレオチドを合成する方法
    で合成されたオリゴヌクレオチドあって、 (1)別々の支持体上でモノマーを連続的にカップリン
    グして少なくとも2種の異なるタプレットを形成し、該
    カップリングが別々の反応容器中で行われる、工程; (2)該別々の反応容器からの該支持体を混合する、工
    程; (3)該混合支持体を2つ以上の別々の反応容器に分配
    する、工程;および (4)該工程(1)から(3)を、該工程(3)の反応
    容器中で1回以上繰り返し、最後の工程を該工程(2)
    で終わる、工程;を包含する、オリゴヌクレオチド。
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