JP2001317455A - 容量可変型圧縮機の制御弁 - Google Patents

容量可変型圧縮機の制御弁

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Abstract

(57)【要約】 【課題】部品コストを低減できしかもバルブハウジング
に対する組み込みも簡単な感圧部材を採用した容量可変
型圧縮機の制御弁を提供すること。 【解決手段】弁体部43は給気通路28の開度を調節す
る。感圧部材54は球形状をなしており、感圧室48の
内周面48aに円環状領域で線接触することで、同感圧
室48を第1圧力室55と第2圧力室56とに区画す
る。冷媒循環回路に設定された二つの圧力監視点P1,
P2のうち、高圧側の第1圧力監視点P1の圧力PdH
は第1圧力室55に導入されるとともに、低圧側の第2
圧力監視点P2の圧力PdLは第2圧力室56に導入さ
れている。感圧部材54は、二つの圧力監視点P1,P
2間の差圧PdH−PdLに応じて変位し、この変位は
同差圧PdH−PdLの変動を打ち消す側に圧縮機の吐
出容量が変更されるように、弁体部43の位置決めに反
映される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両用空調
装置の冷媒循環回路を構成し、クランク室の圧力に基づ
いて吐出容量を変更可能な容量可変型圧縮機に用いられ
る制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の制御弁としては、特開平11−
324930号公報に開示されたものが存在する。すな
わち、図7に示すように、弁室101は、圧縮機の吐出
室102とクランク室103とを接続する給気通路10
4の一部を構成すべくバルブハウジング105内に区画
されている。弁体106は、弁室101内に変位可能に
収容され、同弁室101内での位置に応じて前記給気通
路104の開度を調節可能である。感圧室107はバル
ブハウジング105内に区画されている。感圧部材10
8はダイヤフラムよりなり、感圧室107内を第1圧力
室109と第2圧力室110とに区画する。
【0003】冷媒循環回路(冷凍サイクル)に設定さ
れ、その差圧ΔPd(=PdH−PdL)が同冷媒循環
回路における冷媒流量を反映する二つの圧力監視点P
1,P2のうち、高圧側に位置する第1圧力監視点P1
の圧力PdHは第1圧力室109に導入されるととも
に、低圧側に位置する第2圧力監視点P2の圧力PdL
は第2圧力室110に導入されている。そして、第1圧
力室109と第2圧力室110との圧力差(二点間差
圧)ΔPdの変動つまり冷媒循環回路における冷媒流量
の変動に基づく感圧部材108の変位は、同冷媒流量の
変動を打ち消す側に圧縮機の吐出容量が変更されるよう
に弁体106の位置決めに反映される。
【0004】つまり、圧縮機を駆動する車両エンジンの
回転速度が変動されると、圧縮機の吐出容量が同じで
は、冷媒循環回路における冷媒流量言い換えれば二点間
差圧ΔPdも変動される。しかし、感圧部材108がこ
の二点間差圧ΔPdの変動を打ち消そうと、圧縮機の吐
出容量を変動させるため、冷媒循環回路の冷媒流量は一
定に維持されることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記制御弁
において、感圧部材108として用いられているダイヤ
フラムは、加工が面倒で部品コストが高いし、バルブハ
ウジング105(感圧室107の内壁面)に外周縁部を
固定しなければならないためその作業が面倒である。従
って、制御弁の製造コストが上昇する問題があった。
【0006】本発明の目的は、部品コストを低減できし
かもバルブハウジングに対する組み込みも簡単な感圧部
材を採用した容量可変型圧縮機の制御弁を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、冷媒循環回路を構成し、クランク
室の圧力に基づいて吐出容量を変更可能な容量可変型圧
縮機に用いられ、前記クランク室と吐出圧力領域とを接
続する給気通路又はクランク室と吸入圧力領域とを接続
する抽気通路の一部を構成すべくバルブハウジング内に
区画された弁室と、前記弁室内に変位可能に収容され、
同弁室内での位置に応じて前記給気通路又は抽気通路の
開度を調節可能な弁体と、前記バルブハウジング内に区
画された感圧室と、前記感圧室内を第1圧力室と第2圧
力室とに区画するとともに、第1圧力室側及び第2圧力
室側に変位可能に配置された感圧部材とを備え、前記冷
媒循環回路に設定されその差圧が容量可変型圧縮機の吐
出容量を反映する二つの圧力監視点のうち、高圧側に位
置する第1圧力監視点の圧力は第1圧力室に導入される
とともに、低圧側に位置する第2圧力監視点の圧力は第
2圧力室に導入され、前記第1圧力室と第2圧力室との
圧力差の変動に基づく感圧部材の変位は、同圧力差の変
動を打ち消す側に圧縮機の吐出容量が変更されるように
弁体の位置決めに反映される制御弁において、前記感圧
部材を球形状としたことを特徴としている。
【0008】前記球形状をなす感圧部材は、簡単な加工
で所定の精度を確保することができ、従来のダイヤフラ
ムよりなる感圧部材と比較して部品コストを削減するこ
とができる。また、感圧部材は、感圧室の内周面との接
触により、第1圧力室と第2圧力室とを区画している。
従って、感圧部材を、ダイヤフラムのようにバルブハウ
ジングに対して固定する構成を採用しなくともよく、同
感圧部材の感圧室に対する組み込み作業を容易に行い得
る。
【0009】請求項2の発明は請求項1において、前記
弁体に付与する力を外部からの制御によって変更可能な
ことで、感圧部材による弁体の位置決め動作の基準とな
る設定差圧を変更可能な外部制御手段を備えたことを特
徴としている。
【0010】この構成においては、外部制御手段によっ
て設定差圧を変更可能なことで、圧縮機の吐出容量を直
接的に制御することが可能となる。従って、この外部制
御によって応答性及び制御性の高い吐出容量の増加減少
制御を行い得る。
【0011】請求項3の発明は請求項2において、前記
バルブハウジング内に設けられ、弁体の変位を当接規制
する弁体規制部と、前記弁体を弁体規制部に向けて付勢
する弁体付勢手段と、前記バルブハウジング内に設けら
れ、感圧部材の変位を当接規制する感圧部材規制部と、
前記感圧部材を感圧部材規制部に向けて付勢する感圧部
材付勢手段とを備え、前記弁体と感圧部材とは分離及び
当接係合可能とされ、前記弁体が弁体規制部に当接規制
されてなおかつ感圧部材が感圧部材規制部に当接規制さ
れることは、弁体と感圧部材とが分離された状態でもた
らされ、前記外部制御手段は、弁体付勢手段の付勢力及
び感圧部材付勢手段の付勢力と対抗する力を弁体に与え
ることで同弁体と感圧部材とを当接係合させ、さらには
この力を外部からの制御によって変更可能なことで、感
圧部材による弁体の位置決め動作の基準となる設定差圧
を変更可能な構成であることとを特徴としている。
【0012】この構成においては、外部制御手段が弁体
付勢手段及び感圧部材付勢手段の対抗力を弁体に作用さ
せていない時、同弁体は弁体付勢手段によって弁体規制
部に対して押し付けられるとともに、感圧部材は感圧部
材付勢手段によって感圧部材規制部に対して押し付けら
れた状態となっている。従って、制御弁が何らかの要因
によって振動された場合においても、これら可動部材
(弁体及び感圧部材)が制御弁内で振動することを防止
できる。その結果、同可動部材が、その振動によって固
定部材(例えばバルブハウジング等)に衝突して破損す
る等の問題の発生を回避することができる。
【0013】前記のように、可動部材の耐振性を確保す
るために二つの付勢手段及び二つの規制部を備えている
のは、外部制御手段が付勢手段の対抗力を弁体に作用さ
せていない時、同可動部材が弁体と感圧部材の二つに分
離する構成を採用したからである。
【0014】つまり、この制御弁においては、弁体と感
圧部材とが分離された状態では弁体付勢手段のみが弁体
の位置決めに関与し、弁体と感圧部材とが当接係合され
た状態では弁体付勢手段及び感圧部材付勢手段の両方が
弁体の位置決めに関与することとなる。従って、弁体付
勢手段の特性及び感圧部材付勢手段の特性の設定次第
で、弁体の作動特性を様々に変更することが可能とな
る。
【0015】また、弁体が感圧部材に当接係合されるま
では、同感圧部材は感圧部材付勢手段によって感圧部材
規制部に押さえ付けられた状態を維持することとなる。
つまり、感圧部材は、弁体の位置決めに二点間差圧を反
映させる必要のない状況下においては、静止状態を維持
することとなる。従って、弁体と感圧部材とが常時連動
される構成と比較して、不必要に感圧部材が動かされる
ことがなく、固定部材との摺動総距離を削減して、同感
圧部材ひいては制御弁の耐久性を向上させることができ
る。
【0016】請求項4の発明は請求項3において、前記
弁体付勢手段及び感圧部材付勢手段はそれぞれバネ材か
らなり、弁体付勢バネには感圧部材付勢バネよりもバネ
定数が低いものが用いられていることを特徴としてい
る。
【0017】この構成によれば、バネ定数が低い弁体付
勢バネは、弁体が感圧部材側に変位されたとしても、同
弁体に付与する付勢力をセット荷重(弁体を弁体規制部
に対して押し付けておくための耐振力)からそれほど大
きくすることはない。つまり、外部制御手段は、弁体付
勢バネのセット荷重程度の弱い力に対抗する力を弁体に
作用させるのみで、同弁体を弁体規制部に当接された状
態から感圧部材に当接係合する状態まで変位させること
が可能となる。その結果、外部制御手段は、この弱い力
からそれが発揮し得る最大力までの広い範囲の力を、弁
体付勢手段及び感圧部材付勢手段の両方に対抗する力、
ひいては設定差圧の設定に使用することができ、この設
定差圧の可変幅は広いものとなる。
【0018】請求項5の発明は請求項3又は4におい
て、前記感圧部材規制部は、第1圧力室又は第2圧力室
のうち弁室側に位置する圧力室内に設けられるととも
に、前記感圧部材規制部に当接規制された状態にある感
圧部材と、同感圧部材から分離された状態にある弁体と
の間に形成される圧力室からの分離空間を、同圧力室と
同じ圧力雰囲気に開放する開放手段を備えたことを特徴
としている。
【0019】この構成においては、前記感圧部材が感圧
部材規制部に当接規制され、さらには同感圧部材から弁
体が分離されると、感圧部材規制部が設けられた弁室側
の圧力室からは、同感圧部材と感圧部材規制部との接触
域を境として別の空間が分離形成される。しかし、この
分離空間は、開放手段によって母体圧力室と同じ圧力雰
囲気に開放されており、同空間が閉空間とされることは
ない。従って、この分離空間に残留した冷媒ガスが、弁
体の位置決めに悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0020】請求項6の発明は請求項5において、前記
開放手段は、感圧部材と感圧部材規制部との接触域が分
離空間と圧力室とを遮断しないようにすることで、同分
離空間を圧力室に開放する構成であることを特徴として
いる。
【0021】この構成においては、例えば感圧部材と感
圧部材規制部との接触域を迂回して、分離空間を圧力室
と同じ圧力雰囲気に連通する構成と比較して、通路構成
が複雑となることを防止することができる。
【0022】請求項7の発明は請求項6において、前記
開放手段は、感圧部材規制部に開放溝を形成すること
で、感圧部材と感圧部材規制部との接触域が分離空間と
圧力室とを遮断しない構成であることを特徴としてい
る。
【0023】形状に方向性のない感圧部材(球体)は、
その球面の何れの位置が感圧部材規制部に当接されるの
かを把握することは困難である。従って、開放溝を感圧
部材の球面に形成する場合には、同感圧部材が回転され
ないようにしなければならず、構成が複雑となって球形
状のメリットを生かしきれなくなってしまう。しかし、
本発明においては、感圧部材規制部側に開放溝を形成し
ており、感圧部材が球形状をなすことのメリットを最大
限に生かすことが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、車両用空調装置の冷媒循環
回路を構成する容量可変型斜板式圧縮機の制御弁につい
て図1〜図6を参照して説明する。
【0025】(容量可変型斜板式圧縮機)図1に示すよ
うに容量可変型斜板式圧縮機(以下単に圧縮機とする)
は、シリンダブロック1と、その前端に接合固定された
フロントハウジング2と、シリンダブロック1の後端に
弁形成体3を介して接合固定されたリヤハウジング4と
を備えている。
【0026】前記シリンダブロック1とフロントハウジ
ング2とで囲まれた領域にはクランク室5が区画されて
いる。クランク室5内には駆動軸6が回転可能に支持さ
れている。クランク室5において駆動軸6上には、ラグ
プレート11が一体回転可能に固定されている。
【0027】前記駆動軸6の前端部は、動力伝達機構P
Tを介して外部駆動源としての車両のエンジンEに作動
連結されている。動力伝達機構PTは、外部からの電気
制御によって動力の伝達/遮断を選択可能なクラッチ機
構(例えば電磁クラッチ)であってもよく、又は、その
ようなクラッチ機構を持たない常時伝達型のクラッチレ
ス機構(例えばベルト/プーリの組合せ)であってもよ
い。なお、本件では、クラッチレスタイプの動力伝達機
構PTが採用されているものとする。
【0028】前記クランク室5内にはカムプレートとし
ての斜板12が収容されている。斜板12は、駆動軸6
にスライド移動可能でかつ傾動可能に支持されている。
ヒンジ機構13は、ラグプレート11と斜板12との間
に介在されている。従って、斜板12は、ヒンジ機構1
3を介したラグプレート11との間でのヒンジ連結、及
び駆動軸6の支持により、ラグプレート11及び駆動軸
6と同期回転可能であるとともに、駆動軸6の軸線方向
へのスライド移動を伴いながら駆動軸6に対し傾動可能
となっている。
【0029】複数(図面には一つのみ示す)のシリンダ
ボア1aは、前記シリンダブロック1において駆動軸6
を取り囲むようにして貫設形成されている。片頭型のピ
ストン20は、各シリンダボア1aに往復動可能に収容
されている。シリンダボア1aの前後開口は、弁形成体
3及びピストン20によって閉塞されており、このシリ
ンダボア1a内にはピストン20の往復動に応じて体積
変化する圧縮室が区画されている。各ピストン20は、
シュー19を介して斜板12の外周部に係留されてい
る。従って、駆動軸6の回転にともなう斜板12の回転
運動が、シュー19を介してピストン20の往復直線運
動に変換される。
【0030】前記弁形成体3とリヤハウジング4との間
には、中心域に位置する吸入室21と、それを取り囲む
吐出室22とが区画形成されている。弁形成体3には各
シリンダボア1aに対応して、吸入ポート23及び同ポ
ート23を開閉する吸入弁24、並びに、吐出ポート2
5及び同ポート25を開閉する吐出弁26が形成されて
いる。吸入ポート23を介して吸入室21と各シリンダ
ボア1aとが連通され、吐出ポート25を介して各シリ
ンダボア1aと吐出室22とが連通される。
【0031】そして、前記吸入室21の冷媒ガスは、各
ピストン20の上死点位置から下死点側への往動により
吸入ポート23及び吸入弁24を介してシリンダボア1
aに吸入される。シリンダボア1aに吸入された冷媒ガ
スは、ピストン20の下死点位置から上死点側への復動
により所定の圧力にまで圧縮され、吐出ポート25及び
吐出弁26を介して吐出室22に吐出される。
【0032】前記斜板12の傾斜角度(駆動軸6の軸線
に直交する平面との間でなす角度)は、この斜板12の
回転時の遠心力に起因する回転運動のモーメント、ピス
トン20の往復慣性力によるモーメント、ガス圧による
モーメント等の各種モーメントの相互バランスに基づい
て決定される。ガス圧によるモーメントとは、シリンダ
ボア1aの内圧と、ピストン20の背圧にあたる制御圧
としてのクランク室5の内圧(クランク圧Pc)との相
互関係に基づいて発生するモーメントであり、クランク
圧Pcに応じて傾斜角度減少方向にも傾斜角度増大方向
にも作用する。
【0033】この圧縮機では、後述する制御弁CVを用
いてクランク圧Pcを調節し前記ガス圧によるモーメン
トを適宜変更することにより、斜板12の傾斜角度を最
小傾斜角度(図1において実線で示す状態)と最大傾斜
角度(図1において二点鎖線で示す状態)との間の任意
の角度に設定可能としている。
【0034】(クランク室の圧力制御機構)斜板12の
傾斜角度制御に関与するクランク圧Pcを制御するため
のクランク圧制御機構は、図1に示す圧縮機ハウジング
内に設けられた抽気通路27、及び給気通路28並びに
制御弁CVによって構成される。抽気通路27は吸入圧
力(Ps)領域である吸入室21とクランク室5とを接
続する。給気通路28は吐出圧力(Pd)領域である吐
出室22とクランク室5とを接続し、その途中には制御
弁CVが設けられている。
【0035】そして、前記制御弁CVの開度を調節する
ことで、給気通路28を介したクランク室5への高圧な
吐出ガスの導入量と抽気通路27を介したクランク室5
からのガス導出量とのバランスが制御され、クランク圧
Pcが決定される。クランク圧Pcの変更に応じて、ピ
ストン20を介してのクランク圧Pcとシリンダボア1
aの内圧との差が変更され、斜板12の傾斜角度が変更
される結果、ピストン20のストロークすなわち吐出容
量が調節される。
【0036】(冷媒循環回路)図1及び図2に示すよう
に、車両用空調装置の冷媒循環回路(冷凍サイクル)
は、上述した圧縮機と外部冷媒回路30とから構成され
る。外部冷媒回路30は例えば、凝縮器31、減圧装置
としての温度式膨張弁32及び蒸発器33を備えてい
る。膨張弁32の開度は、蒸発器33の出口側又は下流
側に設けられた感温筒34の検知温度および蒸発圧力
(蒸発器33の出口圧力)に基づいてフィードバック制
御される。膨張弁32は、熱負荷に見合った液冷媒を蒸
発器33に供給して外部冷媒回路30における冷媒流量
を調節する。
【0037】外部冷媒回路30の下流域には、蒸発器3
3の出口と圧縮機の吸入室21とをつなぐ冷媒ガスの流
通管35が設けられている。外部冷媒回路30の上流域
には、圧縮機の吐出室22と凝縮器31の入口とをつな
ぐ冷媒の流通管36が設けられている。圧縮機は外部冷
媒回路30の下流域から吸入室21に導かれた冷媒ガス
を吸入して圧縮し、圧縮したガスを外部冷媒回路30の
上流域とつながる吐出室22に吐出する。
【0038】さて、冷媒循環回路を流れる冷媒の流量が
大きくなるほど、回路又は配管の単位長さ当りの圧力損
失も大きくなる。つまり、冷媒循環回路に沿って設定さ
れた二つの圧力監視点P1,P2間の圧力損失(差圧)
は同回路における冷媒流量と正の相関を示す。故に、二
つの圧力監視点P1,P2間の差圧(ΔPd=PdH−
PdL)を把握することは、冷媒循環回路における冷媒
流量を間接的に検出することに他ならない。圧縮機の吐
出容量が増大すれば冷媒循環回路の冷媒流量も増大し、
逆に吐出容量が減少すれば冷媒流量も減少する。従っ
て、冷媒循環回路の冷媒流量つまり二点間差圧ΔPdに
は、圧縮機の吐出容量が反映されている。
【0039】本実施形態では、流通管36の最上流域に
当たる吐出室22内に上流側の第1圧力監視点P1を定
めると共に、そこから所定距離だけ離れた流通管36の
途中に下流側の第2圧力監視点P2を定めている。第1
圧力監視点P1でのガス圧PdHを第1検圧通路37を
介して、又、第2圧力監視点P2でのガス圧PdLを第
2検圧通路38を介してそれぞれ制御弁CVに導いてい
る。
【0040】(制御弁)図3に示すように制御弁CV
は、その上半部を占める入れ側弁部と、下半部を占める
ソレノイド部60とを備えている。入れ側弁部は、吐出
室22とクランク室5とをつなく給気通路28の開度
(絞り量)を調節する。ソレノイド部60は、制御弁C
V内に配設された作動ロッド40を、外部からの通電制
御に基づき付勢制御するための一種の電磁アクチュエー
タである。作動ロッド40は、先端部たる隔壁部41、
連結部42、略中央の弁体部43及び基端部たるガイド
ロッド部44からなる棒状部材である。弁体部43はガ
イドロッド部44の一部にあたる。
【0041】前記制御弁CVのバルブハウジング45
は、栓体45aと、入れ側弁部の主な外郭を構成する上
半部本体45bと、ソレノイド部60の主な外郭を構成
する下半部本体45cとから構成されている。バルブハ
ウジング45の上半部本体45b内には弁室46及び連
通路47が区画され、同上半部本体45bとその上部に
螺入された栓体45aとの間には感圧室48が区画され
ている。
【0042】前記弁室46及び連通路47内には、作動
ロッド40が軸方向(図面では垂直方向)に移動可能に
配設されている。弁室46及び連通路47は作動ロッド
40の配置次第で連通可能となる。これに対して連通路
47と感圧室48とは、同連通路47の最上部に摺動可
能に嵌入された作動ロッド40の隔壁部41によって遮
断されている。
【0043】前記弁室46の底壁は後記固定鉄心62の
上端面によって提供される。弁室46を取り囲むバルブ
ハウジング45の周壁には半径方向に延びるポート51
が設けられ、このポート51は給気通路28の上流部を
介して弁室46を吐出室22に連通させる。連通路47
を取り囲むバルブハウジング45の周壁にも半径方向に
延びるポート52が設けられ、このポート52は給気通
路28の下流部を介して連通路47をクランク室5に連
通させる。従って、ポート51、弁室46、連通路47
及びポート52は、制御弁内通路として吐出室22とク
ランク室5とを連通させる給気通路28の一部を構成す
る。
【0044】前記弁室46内には作動ロッド40の弁体
部43が配置される。連通路47の内径は、作動ロッド
40の連結部42の径よりも大きく且つガイドロッド部
44の径よりも小さい。つまり、連通路47の口径面積
(隔壁部41の軸直交断面積)SBは、連結部42の断
面積より大きくガイドロッド部44の断面積より小さ
い。このため、弁室46と連通路47との境界に位置す
る段差は弁座53として機能し、連通路47は一種の弁
孔となる。
【0045】前記作動ロッド40が図3及び図4(a)
の位置(最下動位置)から弁体部43が弁座53に着座
する図4(c)の位置(最上動位置)へ上動すると、連
通路47が遮断される。つまり作動ロッド40の弁体部
43は、給気通路28の開度を任意調節可能な入れ側弁
体として機能する。
【0046】前記感圧室48内には、感圧部材54が軸
方向に移動可能に収容されている。この感圧部材54は
球形状をなしており、例えば鋼鉄や合成樹脂等により構
成されている。鋼鉄製の感圧部材54は耐久性に優れて
いる。合成樹脂製の感圧部材54は軽量である。
【0047】前記感圧部材54は、感圧室48の円筒内
周面48aに円環状領域で線接触することで、感圧室4
8を軸方向に二分し、同感圧室48を第1圧力室55と
第2圧力室56とに区画する。感圧部材54は第1圧力
室55と第2圧力室56との間の圧力隔壁の役目を果た
し、両圧力室55,56の直接連通を許容しない。な
お、感圧部材54の圧力隔壁機能部分の軸直交断面積を
SAとすると、その断面積SAは連通路47の口径面積
SBよりも大きい。
【0048】前記感圧部材54の第2圧力室56側(弁
室46側)への移動は、同感圧部材54の球面が第2圧
力室56の底面56a、さらに詳述すれば同底面56a
に表れている連通路47の開口縁部に当接することで規
制される。つまり、同開口縁部が感圧部材規制部49を
なしている。感圧部材54が感圧部材規制部49に当接
された状態では、連通路47の感圧室48(第2圧力室
56)に対する開口は同感圧部材54によって覆われる
こととなる。
【0049】前記第2圧力室56の底面56aには、開
放手段としての開放溝56bが、感圧部材規制部(連通
路47の開口縁部)49を切り欠くようにして形成され
ている。従って、感圧部材54が感圧部材規制部49に
当接された状態であっても、この開放溝56bが存在す
ることで、両者54,49の接触域が連通路47を第2
圧力室56に対して完全に遮断することはない。
【0050】前記第1圧力室55内には、感圧部材付勢
手段としてのコイルバネよりなる感圧部材付勢バネ50
が収容されている。この感圧部材付勢バネ50は、感圧
部材54を第1圧力室55側から第2圧力室56に向け
てつまり感圧部材規制部49に向けて付勢する。第1圧
力室55において栓体45aの下面には、円柱状のバネ
支持部45dが突出形成されている。同バネ支持部45
dは、感圧部材付勢バネ50の上部を外嵌させること
で、同バネ50の感圧部材54に向かう姿勢を安定化さ
せている。感圧部材付勢バネ50のセット荷重(後に詳
述する)は、栓体45aの上半部本体45bに対する螺
入具合、言い換えれば第1圧力室55に対する進入具合
によって調節可能である。
【0051】前記第1圧力室55は、栓体45aに形成
されたP1ポート57及び第1検圧通路37を介して、
第1圧力監視点P1である吐出室22と連通する。第2
圧力室56は、バルブハウジング45の上半部本体45
aに形成されたP2ポート58及び第2検圧通路38を
介して第2圧力監視点P2と連通する。すなわち、第1
圧力室55には吐出圧Pdが圧力PdHとして導かれ、
第2圧力室56には配管途中の圧力監視点P2の圧力P
dLが導かれている。
【0052】前記ソレノイド部60は、有底円筒状の収
容筒61を備えている。収容筒61の上部には固定鉄心
62が嵌合され、この嵌合により収容筒61内にはソレ
ノイド室63が区画されている。ソレノイド室63に
は、可動鉄心64が軸方向に移動可能に収容されてい
る。固定鉄心62の中心には軸方向に延びるガイド孔6
5が形成され、そのガイド孔65内には、作動ロッド4
0のガイドロッド部44が軸方向に移動可能に配置され
ている。
【0053】前記ソレノイド室63は作動ロッド40の
基端部の収容領域でもある。すなわち、ガイドロッド部
44の下端は、ソレノイド室63内にあって可動鉄心6
4の中心に貫設された孔に嵌合されると共にかしめによ
り嵌着固定されている。従って、可動鉄心64と作動ロ
ッド40とは常時一体となって上下動する。
【0054】前記ガイドロッド部44の下端部は可動鉄
心64の下面から若干突出されている。作動ロッド40
(弁体部43)の下動は、ガイドロッド44の下端面が
ソレノイド室63の底面に当接することで規制される。
つまり、ソレノイド室63の底面が弁体規制部68をな
し、同弁体規制部68は連通路47の開度を増大させる
側に、それ以上作動ロッド40(弁体部43)が変位す
ることを当接規制する。
【0055】前記ソレノイド室63において固定鉄心6
2と可動鉄心64との間には、弁体付勢手段としてのコ
イルバネよりなる弁体付勢バネ66が収容されている。
この弁体付勢バネ66は、可動鉄心64を固定鉄心62
から離間させる方向に作用して、作動ロッド40(弁体
部43)を図面下方つまり弁体規制部68に向けて付勢
する。
【0056】図3及び図4(a)に示すように、作動ロ
ッド40が弁体規制部68に当接規制された最下動位置
においては、弁体部43が弁座53から距離「X1+X
2」だけ離間して連通路47の開度を最大とする。ま
た、この状態において作動ロッド40の隔壁部41は、
感圧室48に対して距離「X1」だけ連通路47内に没
入している。
【0057】従って、隔壁部41の先端面41aと、感
圧部材規制部49に当接された状態にある感圧部材54
とは距離「X1」だけ離間され、連通路47内には感圧
部材54の球面及び隔壁部41の先端面41aに囲まれ
て分離空間59が形成される。しかし、前述したよう
に、感圧部材54と感圧部材規制部49との接触域は、
同感圧部材規制部49に開放溝56bが存在すること
で、分離空間59を第2圧力室56から完全に遮断する
ことはない。
【0058】前記固定鉄心62及び可動鉄心64の周囲
には、これら鉄心62,64を跨ぐ範囲にコイル67が
巻回されている。このコイル67には制御装置70の指
令に基づき駆動回路71から駆動信号が供給され、コイ
ル67は、その電力供給量に応じた大きさの電磁吸引力
(電磁付勢力)Fを可動鉄心64と固定鉄心62との間
に発生させる。なお、コイル67への通電制御は、コイ
ル67への印加電圧を調整することでなされる。本実施
形態において印加電圧の調整には、デューティ制御が採
用されている。
【0059】(制御弁の動作特性)前記制御弁CVにお
いては、次のようにして作動ロッド40の配置位置つま
り弁開度が決まる。なお、弁室46、連通路47及びソ
レノイド室63の内圧が作動ロッド40の位置決めに及
ぼす影響は無視するものとする。
【0060】まず、図3及び図4(a)に示すように、
コイル67への通電がない場合(Dt=0%)には、作
動ロッド40の配置には弁体付勢バネ66の下向き付勢
力f2の作用が支配的となる。従って、作動ロッド40
は最下動位置に配置され、さらには弁体付勢バネ66の
付勢力f2で以って弁体規制部68に押し付けられた状
態となっている。この時の弁体付勢バネ66の付勢力f
2(=セット荷重f2’)は、例えば車両の振動等によ
って圧縮機(制御弁CV)が振動された場合において
も、作動ロッド40及び可動鉄心64の一体物を弁体規
制部68に対して押し付けて、制御弁CV内で振動させ
ないだけの大きさに設定されている。
【0061】この状態で作動ロッド40の弁体部43
は、弁座53から距離「X1+X2」だけ離れて連通路
47は全開状態となる。従って、クランク圧Pcは、そ
の時おかれた状況下において取り得る最大値となり、ク
ランク圧Pcとシリンダボア1aの内圧とのピストン2
0を介した差は大きくて、斜板12は傾斜角度を最小と
して圧縮機の吐出容量は最小となっている。
【0062】前記のようにして作動ロッド40が最下動
位置に配置された状態では、同作動ロッド40(隔壁部
41)と感圧部材54とは、当接係合が解除された状態
にある。従って、感圧部材54の配置には、二点間差圧
ΔPdに基づく下向きの押圧力(PdH・SA−PdL
(SA−SB))と感圧部材付勢バネ50の下向き付勢
力f1との合計荷重が支配的となり、感圧部材54はこ
の合計荷重で以って感圧部材規制部49に押し付けられ
た状態となっている。この時の感圧部材付勢バネ50の
付勢力f1(=セット荷重f1’)は、例えば車両の振
動等によって圧縮機(制御弁CV)が振動された場合に
おいても、感圧部材54を感圧部材規制部49に対して
押し付けて、制御弁CV内で振動させないだけの大きさ
に設定されている。
【0063】図3及び図4(a)に示す状態から、コイ
ル67に対しデューティ比可変範囲の最小デューティ比
Dt(min)(>0)の通電がなされると、上向きの
電磁付勢力Fが弁体付勢バネ66の下向き付勢力f2
(=f2’)を凌駕し、作動ロッド40が上動を開始す
る。
【0064】ここで、図5のグラフは、作動ロッド40
(弁体部43)の配置位置と同作動ロッド40に作用す
る各種荷重との関係を示している。同グラフからは、コ
イル67への通電デューティ比Dtが増大すると、作動
ロッド40に作用する電磁付勢力Fが高められることが
わかる。また、同グラフからは、作動ロッド40が弁閉
側に上動すると、可動鉄心64が固定鉄心62に近づく
効果で、コイル67への通電デューティ比Dtはそのま
までも作動ロッド40に作用する電磁付勢力Fが高めら
れることがわかる。
【0065】なお、コイル67への通電デューティ比D
tは、実際にはデューティ比可変範囲の最小デューティ
比Dt(min)から最大デューティ比Dt(max)
(例えば100%)までの間で連続的に変更可能ではあ
るが、図5のグラフにおいては理解を容易とするため、
Dt(min)、 Dt(1)〜 Dt(4)及びDt
(max)の場合のみを示している。
【0066】また、図5のグラフにおいて、特性線「f
1+f2」及び「f2」の傾きからも明らかなように、
弁体付勢バネ66には感圧部材付勢バネ50よりもバネ
定数がはるかに低いものが用いられている。この弁体付
勢バネ66のバネ定数は、作動ロッド40に作用させる
付勢力f2が、固定鉄心62と可動鉄心64との間の距
離(つまり弁体付勢バネ66の圧縮状態)に関わらず、
セット荷重f2’とほぼ同じと見なすことができる程度
に低いものである。
【0067】よって、コイル67に最小デューティ比D
t(min)以上の通電がなされると、作動ロッド40
は最下動位置から少なくとも距離X1を弁閉側に上動
し、従って隔壁部41の先端面41aが分離空間59を
押し縮め、さらには同先端面41aが感圧部材54に当
接係合されることとなる。なお、隔壁部41の先端面4
1aは、感圧部材54の球面に沿う凹球面状をなし、同
感圧部材54との面接触つまり安定係合を達成してい
る。
【0068】前記作動ロッド40と感圧部材54とが当
接係合した状態では、弁体付勢バネ66の下向きの付勢
力f2によって減勢された上向き電磁付勢力Fが、感圧
部材付勢バネ50の下向き付勢力f1によって加勢され
た二点間差圧ΔPdに基づく下向き押圧力に対抗する。
従って、 (数1式) PdH・SA−PdL(SA−SB)=F−f1−f2 を満たすように、作動ロッド40の弁体部43が弁座5
3に対して、図4(b)に示す状態と図4(c)に示す
状態との間で位置決めされ、制御弁CVの弁開度が中間
開度(図4(b))と全閉(図4(c))との間で決定
される。よって、圧縮機の吐出容量が最小と最大との間
で変更される。
【0069】例えば、エンジンEの回転速度が減少して
冷媒循環回路の冷媒流量が減少すると、下向きの二点間
差圧ΔPdが減少してその時点での電磁付勢力Fでは作
動ロッド40に作用する上下付勢力の均衡が図れなくな
る。従って、作動ロッド40が上動して感圧部材付勢バ
ネ50が蓄力され、この感圧部材付勢バネ50の下向き
付勢力f1の増加分が下向きの二点間差圧ΔPdの減少
分を補償する位置に作動ロッド40の弁体部43が位置
決めされる。その結果、連通路47の開度が減少し、ク
ランク圧Pcが低下傾向となり、このクランク圧Pcと
シリンダボア1aの内圧とのピストン20を介した差も
小さくなって斜板12が傾斜角度増大方向に傾動し、圧
縮機の吐出容量は増大される。圧縮機の吐出容量が増大
すれば冷媒循環回路における冷媒流量も増大し、二点間
差圧ΔPdは増加する。
【0070】逆に、エンジンEの回転速度が増大して冷
媒循環回路の冷媒流量が増大すると、下向きの二点間差
圧ΔPdが増大してその時点での電磁付勢力Fでは作動
ロッド40に作用する上下付勢力の均衡が図れなくな
る。従って、作動ロッド40が下動して感圧部材付勢バ
ネ50の蓄力も減り、この感圧部材付勢バネ50の下向
き付勢力f1の減少分が下向きの二点間差圧ΔPdの増
大分を補償する位置に作動ロッド40の弁体部43が位
置決めされる。その結果、連通路47の開度が増加し、
クランク圧Pcが増大傾向となり、クランク圧Pcとシ
リンダボア1aの内圧とのピストン20を介した差も大
きくなって斜板12が傾斜角度減少方向に傾動し、圧縮
機の吐出容量は減少される。圧縮機の吐出容量が減少す
れば冷媒循環回路における冷媒流量も減少し、二点間差
圧ΔPdは減少する。
【0071】また、例えば、コイル67への通電デュー
ティ比Dtを大きくして電磁付勢力Fを大きくすると、
その時点での二点間差圧ΔPdでは上下付勢力の均衡が
図れないため、作動ロッド40が上動して感圧部材付勢
バネ50が蓄力され、この感圧部材付勢バネ50の下向
き付勢力f1の増加分が上向きの電磁付勢力Fの増加分
を補償する位置に作動ロッド40の弁体部43が位置決
めされる。従って、制御弁CVの開度、つまり連通路4
7の開度が減少し、圧縮機の吐出容量が増大される。そ
の結果、冷媒循環回路における冷媒流量が増大し、二点
間差圧ΔPdも増大する。
【0072】逆に、コイル67への通電デューティ比D
tを小さくして電磁付勢力Fを小さくすれば、その時点
での二点間差圧ΔPdでは上下付勢力の均衡が図れない
ため、作動ロッド40が下動して感圧部材付勢バネ50
の蓄力も減り、この感圧部材付勢バネ50の下向き付勢
力f1の減少分が上向きの電磁付勢力Fの減少分を補償
する位置に作動ロッド40の弁体部43が位置決めされ
る。従って、連通路47の開度が増加し、圧縮機の吐出
容量が減少する。その結果、冷媒循環回路における冷媒
流量が減少し、二点間差圧ΔPdも減少する。
【0073】以上のように制御弁CVは、コイル67に
対し最小デューティ比Dt(min)以上の通電がなさ
れている条件の下では、電磁付勢力Fによって決定され
た二点間差圧ΔPdの制御目標(設定差圧)を維持する
ように、この二点間差圧ΔPdの変動に応じて内部自律
的に作動ロッド40を位置決めする構成となっている。
また、この設定差圧は、電磁付勢力Fを変更すること
で、最小デューティ比Dt(min)の時の最小値と最
大デューティ比Dt(max)の時の最大値との間で変
更される。
【0074】(制御体系)図2及び図3に示すように、
車両用空調装置は同空調装置の制御全般を司る制御装置
70を備えている。制御装置70は、CPU、ROM、
RAM及びI/Oインターフェイスを備えたコンピュー
タ類似の制御ユニットであり、I/Oの入力端子には外
部情報検知手段72が接続され、I/Oの出力端子には
駆動回路71が接続されている。
【0075】前記制御装置70は、外部情報検知手段7
2から提供される各種の外部情報に基づいて適切なデュ
ーティ比Dtを演算し、駆動回路71に対しそのデュー
ティ比Dtでの駆動信号の出力を指令する。駆動回路7
1は、命じられたデューティ比Dtの駆動信号を制御弁
CVのコイル67に出力する。コイル67に供給される
駆動信号のデューティ比Dtに応じて、制御弁CVのソ
レノイド部60の電磁付勢力Fが変化する。
【0076】前記外部情報検知手段72は各種センサ類
を包括する機能実現手段である。外部情報検知手段72
を構成するセンサ類としては、例えば、A/Cスイッチ
(乗員が操作する空調装置のON/OFFスイッチ)7
3、車室内温度Te(t)を検出するための温度センサ
74、車室内温度の好ましい設定温度Te(set)を
設定するための温度設定器75があげられる。
【0077】次に、図6のフローチャートを参照して制
御装置70による制御弁CVへのデューティ制御の概要
を簡単に説明する。車両のイグニションスイッチ(又は
スタートスイッチ)がONされると、制御装置70は電
力を供給され演算処理を開始する。制御装置70は、ス
テップ101(以下単に「S101」という、他のステ
ップも以下同様)において初導プログラムに従い各種の
初期設定を行う。例えば、制御弁CVのデューティ比D
tに初期値として「0」を与える(無通電状態)。その
後、処理はS102以下に示された状態監視及びデュー
ティ比の内部演算処理へと進む。
【0078】S102では、A/Cスイッチ73がON
されるまで同スイッチ73のON/OFF状況が監視さ
れる。A/Cスイッチ73がONされると、S103に
おいて制御弁CVのデューティ比Dtを最小デューティ
比Dt(min)とし、同制御弁CVの内部自律制御機
能(設定差圧維持機能)を起動する。
【0079】S104において制御装置70は、温度セ
ンサ74の検出温度Te(t)が温度設定器75による
設定温度Te(set)より大であるか否かを判定す
る。S104判定がNOの場合、S105において前記
検出温度Te(t)が設定温度Te(set)より小で
あるか否かを判定する。S105判定もNOの場合に
は、検出温度Te(t)が設定温度Te(set)に一
致していることになるため、冷房能力の変化につながる
デューティ比Dtの変更の必要はない。それ故、制御装
置70は駆動回路71にデューティ比Dtの変更指令を
発することなく、処理はS108に移行される。
【0080】S104判定がYESの場合、車室内は暑
く熱負荷が大きいと予測されるため、S106において
制御装置70はデューティ比Dtを単位量ΔDだけ増大
させ、その修正値(Dt+ΔD)へのデューティ比Dt
の変更を駆動回路71に指令する。従って、制御弁CV
の弁開度が若干減少し、圧縮機の吐出容量が増大して蒸
発器33での除熱能力が高まり、温度Te(t)は低下
傾向となる。
【0081】S105判定がYESの場合、車室内は寒
く熱負荷が小さいと予測されるため、S107において
制御装置70はデューティ比Dtを単位量ΔDだけ減少
させ、その修正値(Dt−ΔD)へのデューティ比Dt
の変更を駆動回路71に指令する。従って、制御弁CV
の弁開度が若干増加し、圧縮機の吐出容量が減少して蒸
発器33での除熱能力が低まり、温度Te(t)は上昇
傾向となる。
【0082】S108においては、 A/Cスイッチ7
3がOFFされたか否かが判定される。S108判定が
NOなら処理はS104に移行される。逆にS108判
定がYESなら処理はS101に移行され、制御弁CV
は無通電状態とされる。従って、制御弁CVは弁開度を
全開として、敢えて言うなら中間開度の時よりも給気通
路28を大きく開いて、クランク室5の圧力を出来る限
り迅速に上昇させる。その結果、A/Cスイッチ73の
OFFに応じて、迅速に圧縮機の吐出を最小とすること
ができ、不必要な量の冷媒が冷媒循環回路を流れる期間
すなわち不必要な冷房が行われる期間を短くすることが
できる。
【0083】特にクラッチレスタイプの圧縮機にあって
は、エンジンEが起動状態の時には常時駆動されること
となる。このため、冷房不要時(A/Cスイッチ73の
OFF状態の時)においては、吐出容量を確実に最小と
してエンジンEの動力損失を軽減することが要求され
る。この要求を満たす意味でも、吐出容量を最小とし得
る中間開度よりもさらに弁開度を大きくできる前記制御
弁CVを採用することは重要である。
【0084】以上のように、S106及び/又はS10
7でのデューティ比Dtの修正処理を経ることで、検出
温度Te(t)が設定温度Te(set)からずれてい
てもデューティ比Dtが次第に最適化され、更に制御弁
CVでの内部自律的な弁開度調節も相俟って温度Te
(t)が設定温度Te(set)付近に収束する。
【0085】上記構成の本実施形態によれば、以下のよ
うな効果を得ることができる。 (1)球形状の感圧部材54は、簡単な加工で所定の精
度を確保することができ、従来のダイヤフラムよりなる
感圧部材と比較して部品コストを削減することができ
る。また、感圧部材54は、感圧室48の内周面48a
との接触により、第1圧力室55と第2圧力室56とを
区画している。従って、感圧部材54は、ダイヤフラム
のようにバルブハウジング45に対して固定する構成を
採用しなくともよいし、その形状に方向性が無いことも
含めて、同感圧部材54の感圧室48に対する組み込み
作業を容易に行い得る。これらは、制御弁CVの製造コ
スト低減につながる。
【0086】さらに、感圧部材54と感圧室48の内周
面48aとは線接触であり、両者54,48間における
摺動抵抗の発生は最小限に抑えられている。また、方向
性のない球形状の感圧部材54は、感圧室48の内周面
48aに対する傾きが発生することもない。従って、作
動ロッド40(弁体部43)の位置決めに際し、この摺
動抵抗に基づくヒステリシスの発生を抑制することがで
き、デューティ比Dt及び/又は二点間差圧ΔPdの変
動を迅速かつ精度良く弁開度に反映させることができ
る。
【0087】(2)制御弁CVは、バネ50,66及び
規制部49,68によって、コイル67の無通電時にお
ける作動ロッド40、可動鉄心64及び感圧部材54の
耐振性を確保している。従って、これら可動部材40,
54,64が、車両の振動等によって固定部材(例えば
バルブハウジング45等)に衝突して破損する等の問題
の発生を回避することができる。
【0088】(3)制御弁CVにおいて、作動ロッド4
0(弁体部43)が弁体規制部68に当接規制されてな
おかつ感圧部材54が感圧部材規制部49に当接規制さ
れることは、作動ロッド40と感圧部材54とが分離さ
れた状態でもたらされる。別の見方をすれば、前記
(2)で述べたように、可動部材40,54,64の耐
振性を確保するために二つのバネ50,66及び二つの
規制部49,68を備えているのは、コイル67の無通
電時において同可動部材40,54,64が二つに分離
する構成を採用したからである。
【0089】ここで、前記作動ロッド40と感圧部材5
4とが一体形成された制御弁を比較例として考えてみ
る。この比較例の制御弁においては、作動ロッド40及
び感圧部材54の一方を、バネによって規制部に対して
押さえ付けることは、他方も間接的に同規制部に対して
押さえ付けることにもなる。従って、バネ及び規制部は
一つ備えるのみでよい。
【0090】ところが、図5のグラフにおいて二点鎖線
で示すように、前記比較例の制御弁に用いられる一つの
バネには、上述した耐振性確保のために、可動部材4
0,54,64の全ての重量分を規制部に対して押さえ
付けておけるだけの大きなセット荷重f’(=f1’+
f2’)が必要となる。また、このバネとしては、後記
数2式からも明らかなように、作動ロッド40を中間開
度と全閉との間の任意の位置に位置決め可能とするため
に、その特性線「f」が電磁付勢力Fの特性線よりも大
きく下降傾斜する(例えば感圧部材付勢バネ54と同じ
傾きの)大きなバネ定数のものを用いる必要がある。つ
まり、バネの特性線「f」が電磁付勢力Fの特性線より
も大きく下降傾斜していなければ、同バネは、作動ロッ
ド40の変位(言い換えれば同バネの圧縮状態の変更)
によっても、電磁付勢力Fの変化分を等価で補償し得な
くなってしまうのである。このことは、本実施形態の感
圧部材付勢バネ50についても同様である。
【0091】 (数2式) PdH・SA−PdL(SA−SB)=F−f このように、比較例の制御弁においては、例えば本実施
形態で言うところの最小デューティ比Dt(min)を
超えて電磁付勢力Fがバネの初期荷重f’を上回ったと
しても、作動ロッド40が上動されるに連れて(言い換
えれば圧縮されるに連れて)増大するバネ付勢力fに打
ち勝って、弁開度を中間開度に到達させ、さらには、内
部自律制御機能を起動するためには、デューティ比Dt
をDt(1)にまで増大しなくてはならない。よって、
最大Dt(max)まで使用可能なデューティ比Dtの
うち、のDt(min)Dt(1)までが内部自律制御
機能を起動させるための領域として使用されてしまう。
従って、狭い範囲Dt(1)〜Dt(max)のデュー
ティ比Dtを用いてしか、内部自律制御の動作の基準と
なる設定差圧の変更を行い得なく、この設定差圧の可変
幅が狭められることとなっていた。
【0092】さらに詳述すれば、比較例の制御弁におい
ては、可動部材40,54,64の耐振性の確保と、二
点間差圧ΔPdに基づく内部自律制御を可能とすること
とが、一つのバネによって達成されている。従って、同
バネが作動ロッド40に作用させる付勢力fは、本実施
形態のバネ付勢力f1+f2と比較して高くならざるを
得ないのである。その結果、デューティ比Dtが最大D
t(max)の時に、前記数2式を満たす二点間差圧Δ
Pdが小さくなってしまい、最大設定差圧つまり制御可
能な冷媒循環回路の最大流量が低められてしまうことと
なっていた。
【0093】他方、前記比較例の制御弁において最大設
定差圧を引き上げるために、二点間差圧ΔPdの感圧構
成を、同差圧ΔPdに基づき作動ロッド40に作用させ
る押圧力を減少側に変更したとする。例えば、隔壁部4
1の軸直交断面積SBを小さくすること等により、前記
数2式の左辺「PdH・SA−PdL(SA−SB)」
を小さくするのである。ところが、今度は、デューティ
比Dtが最小Dt(1)の時に、前記数2式を満たす二
点間差圧ΔPdが大きくなってしまい、最小設定差圧つ
まり制御可能な冷媒循環回路の最小流量が高められてし
まうのである。
【0094】しかし、本実施形態の制御弁CVにあって
は、コイル67の無通電時において可動部材40,5
4,64が二つに分離する構成を採用し、さらにはこの
分離された可動部材40,54,64毎に、その耐振性
を確保するためのバネ50,66及び規制部49,68
が備えられている。従って、内部自律制御を達成するた
めに必要となる、大きなバネ定数のバネ手段の役目は、
中間開度と全閉との間の狭い範囲で(言い換えれば内部
自律制御に必要な範囲でのみ)伸縮する、感圧部材付勢
バネ50に担わせ、全開と全閉との間の広い範囲におい
て(言い換えれば内部自律制御に不必要な範囲において
も)伸縮しなくてはならない弁体付勢バネ66において
は、そのバネ定数を出来る限り低くする構成を採用する
ことができた。
【0095】その結果、可動部材40,54,64の耐
振性を確保しつつ、作動ロッド40に作用するバネ付勢
力(f1+f2)を比較例(f)よりも小さく設定する
ことができ、前記数1式を比較例よりも小さな電磁付勢
力F(最小デューティ比Dt(min))によって成立
させることが可能となった。よって、広い範囲のデュー
ティ比Dt(min)〜Dt(max)を用いて、可変
幅の大きな設定差圧の変更つまり冷媒循環回路の冷媒流
量制御を行なうことができる。
【0096】(4)作動ロッド40(弁体部43)が感
圧部材54に当接係合されるまでは、同感圧部材54は
感圧部材付勢バネ50によって感圧部材規制部49に押
さえ付けられた状態を維持することとなる。つまり、感
圧部材54は、作動ロッド40の位置決めに二点間差圧
ΔPdを反映させる必要のない状況下においては、静止
状態を維持することとなる。従って、比較例のように不
必要に感圧部材54が動かされることがなく(全開←→
中間開度)、固定部材(感圧室48の内壁面)との摺動
総距離を削減して、同感圧部材54ひいては制御弁CV
の耐久性を向上させることができる。
【0097】(5)車両用空調装置の圧縮機は、一般的
に車両の狭いエンジンンルームに配置されるため、その
体格が制限されている。従って、制御弁CVの体格ひい
てはソレノイド部60(コイル67)の体格も制限され
ることとなる。また、一般的に、ソレノイド部60の作
動電源としては、エンジン制御等のために車両に装備さ
れているバッテリが用いられており、この車両バッテリ
の電圧は例えば12〜24vで規定されている。
【0098】つまり、前記比較例において設定差圧の可
変幅を広げるべく、ソレノイド部60が発生し得る最大
電磁付勢力Fを大きくしようとしても、コイル67の大
型化及び作動電源の高電圧化の何れの側からのアプロー
チも、既存周辺構成の大きな変更をともなうためほぼ不
可能である。言い換えれば、車両用空調装置に用いられ
る圧縮機の制御弁CVにおいて、外部制御手段として電
磁アクチュエータ構成を採用した場合、設定差圧の可変
幅を広げる手法として最も適しているのは、コイル67
(制御弁CV)の大型化及び作動電源の高電圧化を伴わ
ない本実施形態によるものなのである。
【0099】(6)感圧部材54が感圧部材規制部49
に当接規制され、同感圧部材54から作動ロッド40
(隔壁部41)が分離されると、第2圧力室56から
は、感圧部材54と感圧部材規制部49との接触域を境
として別の空間59が分離形成される。しかし、この分
離空間59は、開放溝56bによって第2圧力室56に
開放されており、同空間59が閉空間とされることはな
い。従って、この分離空間59に残留した冷媒ガスが、
作動ロッド40(弁体部43)の位置決めに悪影響を及
ぼすことを防止でき、所望の弁開度制御を行い得る。
【0100】つまり、例えば、開放溝56bを有してい
なく、分離空間59が閉空間とされてしまう構成を採用
したとする。この場合には、感圧部材54が感圧部材規
制部49に当接され、さらには同感圧部材54から作動
ロッド40が分離されるとき、分離空間59の体積増大
によって同空間59内の冷媒ガスに膨張作用を奏させ、
この膨張作用を奏さねばならない作動ロッド40の移動
が遅延されてしまう。従って、作動ロッド40の弁体規
制部68に対する当接、つまり弁体部43による連通路
47の全開が遅れてしまう。
【0101】また、分離状態にある感圧部材54と作動
ロッド40とが当接係合されるとき、分離空間59の体
積縮小によって同空間59内の冷媒ガスに圧縮作用を奏
させ、この圧縮作用を奏さねばならない作動ロッド40
の移動が遅延されてしまう。従って、感圧部材54と作
動ロッド40との当接係合、つまり内部自律制御機能の
起動が遅れてしまう。
【0102】特に、この内部自律制御機能の起動時にお
いて、感圧部材54が感圧部材規制部49から離間さ
れ、分離空間59と第2圧力室56とが連通された瞬間
には、前述した圧縮作用を一因として高圧な分離空間5
9のガスが第2圧力室56の圧力を支配して、実際の二
点間差圧ΔPdよりも小さめの差圧が感圧部材54に作
用されてしまう。従って、作動ロッド40が必要以上に
上動し、弁体部43が必要以上に連通路47の開度を減
少させることとなる。その結果、圧縮機の吐出容量が不
必要に大きくされて、空調フィーリングを阻害すること
となるのである。
【0103】(7)開放溝56bは、感圧部材54と感
圧部材規制部49との接触域が、分離空間59と第2圧
力室56とを遮断しないようにすることで、同分離空間
59を第2圧力室56に開放している。従って、例えば
開放溝56bを有していなく、感圧部材54と感圧部材
規制部49との接触域を迂回して分離空間59を圧力P
dL雰囲気に開放する構成(例えば図4(a)において
二点鎖線で示す別例)と比較して、この開放のための通
路構成が複雑となることを防止することができる。
【0104】(8)例えば、開放溝56bを感圧部材5
4に形成することも本発明の趣旨を逸脱するものではな
い。ところが、形状に方向性のない感圧部材54(球
体)は、その球面の何れの位置が感圧部材規制部49に
当接されるのかを把握することは困難である。従って、
開放溝56bを感圧部材54の球面に形成する場合に
は、同感圧部材54が回転されないようにしなければな
らず、構成が複雑となって球形のメリットを生かしきれ
なくなってしまう。しかし、本実施形態においては、感
圧部材規制部49側に開放溝56bを形成しており、感
圧部材54が球形であることのメリットを最大限に生か
すことが可能となる。
【0105】(9)感圧部材付勢バネ50は、感圧部材
54を第1圧力室55側から第2圧力室56に向けて付
勢する。つまり、感圧部材54に対する、感圧部材付勢
バネ50の付勢力の作用方向と、二点間差圧ΔPdに基
づく押圧力の作用方向とが同じとされている。従って、
コイル67の無通電時においては、二点間差圧ΔPdに
基づく押圧力も利用して、感圧部材54を確実に感圧部
材規制部49に対して押し付けておくことができる。
【0106】(10)制御弁CVは、給気通路28の開
度を変更する所謂入れ側制御によってクランク室5の圧
力変更を行なう。従って、例えば抽気通路27の開度を
変更する所謂抜き側制御と比較して、高圧を積極的に取
り扱う分だけ、クランク室5の圧力変更つまり圧縮機の
吐出容量変更を速やかに行い得る。これは、空調フィー
リングの向上につながる。
【0107】(11)第1及び第2圧力監視点P1,P
2は、圧縮機の吐出室22と凝縮器31との間の冷媒通
路に設定されている。従って、膨張弁32の作動の影響
が、二点間差圧ΔPdに依拠して圧縮機の吐出容量を把
握する上での外乱となることを防止することができる。
【0108】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で
以下の態様でも実施できる。 ・感圧部材54の球面に開放溝を形成すること。この場
合、上記実施形態のような感圧部材規制部49側の開放
溝56bを併用する構成であっても良い。
【0109】・上記実施形態から開放溝56bを削除す
ることで、感圧部材54と感圧部材規制部49との接触
域が、分離空間59と第2圧力室56とを遮断するよう
に構成する。そして、例えば図4(a)において二点鎖
線で示すように、同接触域を迂回する通路80によっ
て、分離空間59を第2圧力室56と同じPdL圧力雰
囲気に開放すること。なお、この通路80は、図4
(a)に示す分離空間59と第2圧力室56とを連通す
る構成に限定されるものではなく、分離空間59とP2
ポート58とを、第2圧力室56を経由せずに直接連通
する構成であっても良いし、分離空間59と第2検圧通
路38とを、第2圧力室56及びP2ポート58を経由
せずに直接連通する構成であっても良いし、分離空間5
9と第2圧力監視点P2とを、第2圧力室56、P2ポ
ート58及び第2検圧通路38を経由せずに直接連通す
る構成であっても良い。
【0110】・第1圧力監視点P1を蒸発器33と吸入
室21との間の吸入圧力領域に設定するとともに、第2
圧力監視点P2を同じ吸入圧力領域において第1圧力監
視点P1の下流側に設定すること。
【0111】・第1圧力監視点P1を吐出室22と凝縮
器31との間の吐出圧力領域に設定するとともに、第2
圧力監視点P2を蒸発器33と吸入室21との間の吸入
圧力領域に設定すること。
【0112】・第1圧力監視点P1を吐出室22と凝縮
器31との間の吐出圧力領域に設定するとともに、第2
圧力監視点P2をクランク室5に設定すること。或い
は、第1圧力監視点P1をクランク室5に設定するとと
もに、第2圧力監視点P2を蒸発器33と吸入室21と
の間の吸入圧力領域に設定すること。つまり、圧力監視
点P1,P2は、上記実施形態のように、冷媒循環回路
の主回路である冷凍サイクル(外部冷媒回路30(蒸発
器33)→吸入室21→シリンダボア1a→吐出室22
→外部冷媒回路30(凝縮器31))へ設定すること、
さらに詳述すれば冷凍サイクルの高圧領域及び/又は低
圧領域に設定することに限定されるものではなく、冷媒
循環回路の副回路として位置付けられる、容量制御用の
冷媒回路(給気通路28→クランク室5→抽気通路2
7)を構成する、中間圧力領域としてのクランク室5に
設定しても良い。
【0113】・制御弁CVを、給気通路28ではなく抽
気通路27の開度調節によりクランク圧Pcを調節す
る、所謂抜き側制御弁としても良い。 ・制御弁CVを、ソレノイド部60が電磁付勢力Fを大
きくしてゆくと、弁開度が大きくなるつまり設定差圧が
小さくなる構成とすること。
【0114】・弁体付勢バネ66を、ソレノイド室63
ではなく弁室46に収容配置すること。 ・ソレノイド部60(外部制御手段)を削除して、一値
の設定差圧を維持する制御弁とすること。
【0115】・ワッブル式の容量可変型圧縮機の制御装
置において具体化すること。 ・動力伝達機構PTとして、電磁クラッチ等のクラッチ
機構を備えたものを採用すること。ここで例えば、車両
の急加速時等においてエンジンEの動力損失を軽減すべ
く、圧縮機の吐出容量を最小とする制御が行われること
がある(所謂加速カット)。この加速カットを圧縮機の
最小吐出容量にて達成することは、電磁クラッチのオフ
で達成する場合と比較して同電磁クラッチのオンオフシ
ョックを伴わないため、乗員に不快感を与えることがな
い。つまり、このクラッチ付き圧縮機においても、迅速
かつ確実に吐出容量を最小として加速カットを達成する
ことが要求され、この要求を満たす意味でも、吐出容量
を最小とし得る中間開度よりもさらに弁開度を大きくで
きる本実施形態の制御弁CVを採用することは重要であ
る上記実施形態から把握できる技術的思想について記載
する。
【0116】(1)前記弁体付勢バネは、弁体の変位位
置に関わらずほぼ一定の付勢力を弁体に作用させること
が可能な程にバネ定数が低く設定されている請求項4に
記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
【0117】(2)前記感圧部材付勢手段は、感圧部材
を第1圧力室側から第2圧力室に向けて付勢する請求項
3〜7、前記(1)のいずれかに記載の容量可変型圧縮
機の制御弁。
【0118】(3)前記弁室は給気通路の一部を構成す
る請求項1〜7、前記(1)、(2)のいずれかに記載
の容量可変型圧縮機の制御弁。 (4)前記第1及び第2圧力監視点は、容量可変型圧縮
機の吐出圧力領域と冷媒循環回路を構成する凝縮器との
間の冷媒通路に設定されている請求項1〜7、前記
(1)〜(3)のいずれかに記載の容量可変型圧縮機の
制御弁。
【0119】(5)前記外部制御手段は、弁体に与える
力を外部からの電気制御によって変更可能な電磁アクチ
ュエータを含んでなる請求項2〜7、前記(1)〜
(4)のいずれかに記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
【0120】(6)前記弁体規制部は、弁体が圧縮機の
吐出容量を減少させる方向へそれ以上に変位することを
当接規制する請求項3〜7、前記(1)〜(5)のいず
れかに記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
【0121】(7)前記二つの圧力監視点の差圧には冷
媒循環回路(冷凍サイクル)の冷媒流量が反映されてい
る請求項1〜7、前記(1)〜(6)のいずれかに記載
の容量可変型圧縮機の制御弁。
【0122】(8)前記冷媒循環回路は車両用空調装置
に用いられる請求項1〜7、前記(1)〜(7)のいず
れかに記載の容量可変型圧縮機の制御弁。 (9)前記容量可変型圧縮機と同圧縮機を駆動する車両
のエンジンとの間の動力伝達機構はクラッチレスタイプ
である前記(8)に記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
【0123】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、二点間差
圧の感圧構成を簡素化することができ、制御弁を安価に
提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 容量可変型斜板式圧縮機の断面図。
【図2】 冷媒循環回路の概要を示す回路図。
【図3】 制御弁の断面図。
【図4】 制御弁の動作を説明する要部拡大断面図。
【図5】 作動ロッドに作用する各種荷重を説明するグ
ラフ。
【図6】 制御弁の制御を説明するフローチャート。
【図7】 従来技術の制御弁の断面図。
【符号の説明】
5…クランク室、21…吸入圧力領域としての吸入室、
22…吐出圧力領域としての吐出室、27…抽気通路、
28…給気通路、30…容量可変型圧縮機とともに冷媒
循環回路を構成する外部冷媒回路、43…弁体としての
弁体部、45…バルブハウジング、46…弁室、48…
感圧室、54…感圧部材、55…第1圧力室、56…第
2圧力室、CV…制御弁、P1…第1圧力監視点、P2
…第2圧力監視点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 一哉 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 川口 真広 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 太田 雅樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 梅村 聡 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 樽谷 知二 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 上村 訓右 神奈川県藤沢市辻堂新町4丁目3番1号 エヌオーケー 株式会社内 (72)発明者 渡辺 孝樹 神奈川県藤沢市辻堂新町4丁目3番1号 エヌオーケー 株式会社内 (72)発明者 東堂園 英樹 神奈川県藤沢市辻堂新町4丁目3番1号 エヌオーケー 株式会社内 (72)発明者 福永 秀二 神奈川県藤沢市辻堂新町4丁目3番1号 エヌオーケー 株式会社内 Fターム(参考) 3H045 AA04 AA12 AA27 BA14 BA37 CA03 CA07 CA21 CA29 DA25 DA42 DA47 EA16 EA26 EA33 EA38 EA42 EA49 3H076 AA06 BB32 BB38 BB40 BB41 BB43 CC12 CC17 CC20 CC84 CC99

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒循環回路を構成し、クランク室の圧
    力に基づいて吐出容量を変更可能な容量可変型圧縮機に
    用いられ、 前記クランク室と吐出圧力領域とを接続する給気通路又
    はクランク室と吸入圧力領域とを接続する抽気通路の一
    部を構成すべくバルブハウジング内に区画された弁室
    と、 前記弁室内に変位可能に収容され、同弁室内での位置に
    応じて前記給気通路又は抽気通路の開度を調節可能な弁
    体と、 前記バルブハウジング内に区画された感圧室と、 前記感圧室内を第1圧力室と第2圧力室とに区画すると
    ともに、第1圧力室側及び第2圧力室側に変位可能に配
    置された感圧部材とを備え、 前記冷媒循環回路に設定されその差圧が容量可変型圧縮
    機の吐出容量を反映する二つの圧力監視点のうち、高圧
    側に位置する第1圧力監視点の圧力は第1圧力室に導入
    されるとともに、低圧側に位置する第2圧力監視点の圧
    力は第2圧力室に導入され、 前記第1圧力室と第2圧力室との圧力差の変動に基づく
    感圧部材の変位は、同圧力差の変動を打ち消す側に圧縮
    機の吐出容量が変更されるように弁体の位置決めに反映
    される制御弁において、 前記感圧部材を球形状としたことを特徴とする容量可変
    型圧縮機の制御弁。
  2. 【請求項2】 前記弁体に付与する力を外部からの制御
    によって変更可能なことで、感圧部材による弁体の位置
    決め動作の基準となる設定差圧を変更可能な外部制御手
    段を備えた請求項1に記載の容量可変型圧縮機の制御
    弁。
  3. 【請求項3】 前記バルブハウジング内に設けられ、弁
    体の変位を当接規制する弁体規制部と、 前記弁体を弁体規制部に向けて付勢する弁体付勢手段
    と、 前記バルブハウジング内に設けられ、感圧部材の変位を
    当接規制する感圧部材規制部と、 前記感圧部材を感圧部材規制部に向けて付勢する感圧部
    材付勢手段とを備え、 前記弁体と感圧部材とは分離及び当接係合可能とされ、 前記弁体が弁体規制部に当接規制されてなおかつ感圧部
    材が感圧部材規制部に当接規制されることは、弁体と感
    圧部材とが分離された状態でもたらされ、 前記外部制御手段は、弁体付勢手段の付勢力及び感圧部
    材付勢手段の付勢力と対抗する力を弁体に与えることで
    同弁体と感圧部材とを当接係合させ、さらにはこの力を
    外部からの制御によって変更可能なことで、感圧部材に
    よる弁体の位置決め動作の基準となる設定差圧を変更可
    能な構成である請求項2に記載の容量可変型圧縮機の制
    御弁。
  4. 【請求項4】 前記弁体付勢手段及び感圧部材付勢手段
    はそれぞれバネ材からなり、弁体付勢バネには感圧部材
    付勢バネよりもバネ定数が低いものが用いられている請
    求項3に記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
  5. 【請求項5】 前記感圧部材規制部は、第1圧力室又は
    第2圧力室のうち弁室側に位置する圧力室内に設けられ
    るとともに、 前記感圧部材規制部に当接規制された状態にある感圧部
    材と、同感圧部材から分離された状態にある弁体との間
    に形成される圧力室からの分離空間を、同圧力室と同じ
    圧力雰囲気に開放する開放手段を備えた請求項3又は4
    に記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
  6. 【請求項6】 前記開放手段は、感圧部材と感圧部材規
    制部との接触域が分離空間と圧力室とを遮断しないよう
    にすることで、同分離空間を圧力室に開放する構成であ
    る請求項5に記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
  7. 【請求項7】 前記開放手段は、感圧部材規制部に開放
    溝を形成することで、感圧部材と感圧部材規制部との接
    触域が分離空間と圧力室とを遮断しない構成である請求
    項6に記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
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