JP2002000228A - 麦若葉由来の素材を含む抗高血圧食品 - Google Patents

麦若葉由来の素材を含む抗高血圧食品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 麦若葉由来の素材と、GABA以外の抗高血
圧作用を有する成分とを含有する素材とを組み合わせた
抗高血圧効果に優れる食品素材を提供する。 【解決手段】 麦若葉由来の素材と、GABA以外の抗
高血圧作用を有する成分を含有する素材とを含む、食品
素材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、γ−アミノ酪酸、
ビタミン類、ミネラル類、食物繊維などを高濃度で含有
する麦若葉由来の素材を含む新規食品素材に関する。
【0002】
【従来の技術】麦若葉は、ビタミン類、ミネラル類、食
物繊維に富み、抗高血圧効果、有害物質の吸着、腸内環
境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急
上昇防止、スーパーオキサイドディスムターゼ(SO
D)を活性化するなどの効果を有する健康食品として注
目を浴びている。現在、麦若葉は食品素材として用いら
れる場合、主に麦若葉末(特許第2544302号公
報)としてか、麦若葉搾汁粉末として用いられている。
【0003】ところで、抗高血圧効果を示す食品成分と
しては、γ−アミノ酪酸(γ−aminobutyri
c acid、以下GABAという)がある。GABA
は、生体内でグルタミン酸の脱炭酸によって生成される
アミノ酸の一種である。GABAは、哺乳動物の脳や脊
髄に存在し、抑制系の神経伝達物質として作用すること
が知られている。植物中にもGABAは存在し、胚芽
米、緑茶などが比較的多量のGABAを含有する。GA
BAは、脳の血流を改善し、酸素供給量を増加させ、そ
して脳代謝を亢進させる働きをもつことから、脳卒中、
頭部外傷後遺症、脳動脈後遺症による頭痛、耳鳴り、意
欲低下などの治療に用いられている。
【0004】GABAに注目した食品には、例えば、お
茶の製造過程で、摘採した茶葉を嫌気条件に置き、茶葉
中にGABAを多量に蓄積させたいわゆるギャバロン茶
が知られている。特開平8−173111号公報には、
コーヒー生葉を無酸素状態で処理後110℃以上の高温
で熱処理、乾燥処理する方法でGABA濃度の高いコー
ヒー葉茶を得たことが記載されている。さらに、特開平
9−205989号公報には、茶葉に赤外線を照射して
GABAの含量を向上させることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】麦若葉由来の素材と、
GABA以外の抗高血圧作用を有する成分を含有する素
材とを組み合わせた抗高血圧効果に優れる食品素材を提
供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、麦若葉由
来の素材を用いた食品による抗高血圧効果について、鋭
意検討したところ、天然の麦若葉がGABAを含有して
おり、麦若葉由来の素材とGABA以外の抗高血圧作用
を有する成分を含有する素材との組み合わせにより、抗
高血圧効果が相乗的に増強されること、そして麦若葉中
のGABAを保持または富化するように調製された麦若
葉由来の素材を用いることにより、抗高血圧効果がさら
に増強されることを見出して本発明の完成に至った。
【0007】本発明は、麦若葉由来の素材と、GABA
以外の抗高血圧作用を有する成分を含有する素材とを含
む食品素材に関する。
【0008】好ましくは、上記麦若葉由来の素材は、そ
の中に天然に存在するGABAが増加するように処理
(以下GABA富化処理という)されている。
【0009】好ましくは、上記GABA以外の抗高血圧
作用を有する成分は、アンジオテンシン変換酵素阻害成
分である。
【0010】好ましくは、上記GABA以外の抗高血圧
作用を有する成分を含有する素材は、乳タンパク質もし
くは魚類タンパク質の加水分解物または乳酸菌の発酵物
である。
【0011】好ましくは、上記GABA以外の抗高血圧
作用を有する成分を含有する素材は、杜仲葉またはその
エキスである。
【0012】好ましくは、上記GABA以外の抗高血圧
作用を有する成分は、ペプチド、配糖体、またはゲニポ
シド酸である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において麦若葉由来の素材
とは、麦若葉末、麦若葉の細片化物およびその乾燥粉
末、麦若葉搾汁およびその乾燥粉末、麦若葉のエキスお
よびその乾燥粉末などをいう。
【0014】本発明の麦若葉由来の素材の原料として
は、例えば、大麦、小麦、ライ麦、えん麦、イタリアン
ライグラスなどの麦類の若葉(茎を含んでも良い)が用
いられる。これらの麦若葉は、収穫後、時間が経つに従
って、麦若葉の緑色が褪色するので、なるべく迅速に処
理される。好ましくは、分けつ開始期ないし出穂開始前
期(背丈が20〜40cm程度)に収穫した若葉を用い
るのが最適であり、より好ましくは、大麦の若葉が用い
られる。
【0015】麦若葉は、収穫後、水等で洗浄し、水気を
切って、そのまま処理するか、あるいは適切な長さ(例
えば10cm)に切断し、処理して用いられる。
【0016】麦若葉を細片化しても良い。細片化は、当
業者が通常使用するスライス、細断などの植物体を細片
化する方法により行われ得る。細片化には、スラリー化
も含まれる。スラリー化は、ミキサー、ジューサー、ブ
レンダー、マスコロイダーなどにより行われ、麦若葉
は、どろどろした粥状(液体と固体の懸濁液)になる。
細片化の後に搾汁して得られる麦若葉搾汁もまた用いら
れ得る。搾汁は、細片化された麦若葉を遠心および/ま
たはろ過することにより行われ得る。
【0017】本発明の好ましい実施態様において、麦若
葉および上記のようにして加工された麦若葉は、その中
に含まれるGABAが増加するように処理される。
【0018】麦若葉をGABA富化処理する方法には、
例えば、嫌気処理または保温処理を包含する方法が挙げ
られる。GABA富化処理は、上記洗浄の前に行っても
良い。
【0019】本明細書で用いる用語「嫌気処理」とは、
嫌気状態におくことをいい、ほとんど酸素を含まないか
無酸素の気体で処理することを意味する。真空状態も含
む。気体としては、二酸化炭素ガス、窒素ガスが好まし
く用いられる。
【0020】保温処理の方法は問わない。温水処理、赤
外線照射処理、インキュベーター処理等が挙げられる。
【0021】嫌気処理および/または保温処理の時間
は、通常10分から24時間行われ得る。好ましくは、
1時間から24時間、より好ましくは1〜12時間行わ
れる。嫌気処理または保温処理の温度は、約20〜50
℃が好ましく、約30〜45℃がより好ましく、40℃
前後が最も好ましい。20℃に満たないか50℃を超え
るとGABAの含量が上がりにくい。
【0022】このようにして得られた麦若葉は、処理し
ていない麦若葉に比べてGABAの含量が高く、通常2
倍以上、好ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以
上、高められている。
【0023】麦若葉を食品素材として用いる場合には、
食品の変質(褪色などの変色を含む)を防ぐための処理
(ブランチング処理)が行われる。ブランチング処理
は、処理される形態に応じて種々の方法が用いられる
が、これには例えば、熱水処理、蒸煮処理などが挙げら
れ、この処理により、麦若葉由来の素材は、褪色せずに
緑色を保持し、風味の変化を生じなくなる。しかし、従
来の熱水処理ではGABAが失われてしまうため、マイ
クロウェーブ処理のようなGABAが保持され、かつ変
質を生じない(麦若葉の緑色が保持される)処理が好ま
しい。
【0024】熱水処理は、例えば、特許第254430
2号公報に記載の方法により行われ得る。すなわち、麦
若葉を塩および重曹を含有する熱水中に浸して行われ
る。
【0025】マイクロウェーブ処理は、麦若葉の褪色に
関与する酵素が失活し、かつ加熱により麦若葉の緑色が
失われない範囲で行なえばよい。そのような範囲は、マ
イクロウェーブ照射装置の出力、マイクロウェーブの波
長、照射時間などにより適宜調節できる。例えば、麦若
葉100g(湿重量)あたり、2450MHz、500
Wのマイクロウエーブを当てる場合は、0.5〜10
分、好ましくは0.5〜5分、より好ましくは0.5〜
1分処理する。0.5分に満たないと酵素の失活が不十
分で、褪色しやすくなる。また、10分以上処理すると
褪色し、GABAも減少する傾向にある。マイクロウェ
ーブ処理することにより、麦若葉中のビタミン類、ミネ
ラル類などの分解、溶出が防止され、比較的低温の乾燥
により、緑色を保持する乾燥粉末が得られ得る。
【0026】1つの実施態様において、麦若葉の細片化
物、搾汁、エキスは常圧、または加圧下もしくは減圧
下、80〜150℃にて2〜180秒間処理される。
【0027】このようにして得られた麦若葉の加工品
は、そのままか、またはさらに細片化、搾汁、抽出して
食品素材としても良いし、あるいはさらに乾燥粉末化し
て食品素材としても良い。
【0028】乾燥粉末化は、水分量が10%以下、好ま
しくは5%以下となるように行われ、必要に応じてさら
に粉砕して得ることができる。
【0029】乾燥の方法は熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電
磁波乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥など、あらゆる乾燥法を
用いることができる。乾燥は、できるだけ低温で行うの
が良く、加熱して乾燥する場合でも、例えば50〜80
℃、好ましくは55〜65℃で行うのが良い。デキスト
リン、シクロデキストリン、デンプン、マルトース等の
賦形剤等を添加した後、噴霧乾燥または凍結乾燥するこ
ともできる。
【0030】粉砕は既知の方法に従い、例えば、クラッ
シャー、ミル、ブレンダー、石臼などを用いて行うこと
ができる。
【0031】上記のようにして得られた麦若葉由来の食
品素材は、さらに、必要に応じて、例えば、気流殺菌、
高圧殺菌、加熱殺菌などの当業者に公知の任意の技術に
より殺菌され得る。
【0032】麦若葉末は、麦若葉に細片化、抽出処理を
することなく乾燥粉末化したものである。
【0033】麦若葉搾汁は、麦若葉由来の素材を調製す
る任意の段階で搾汁したものであり、これを乾燥粉末化
したものが麦若葉搾汁粉末である。
【0034】本発明の麦若葉由来の素材には、麦若葉の
エキスも用いられ得る。麦若葉のエキスは、GABA富
化処理以後の任意の段階において、麦若葉に水、エタノ
ール溶液などの当業者が通常用いる抽出溶媒を加え、必
要に応じて加温して抽出したものであり、これを濃縮し
たもの含む。麦若葉エキス末は、麦若葉エキスを乾燥粉
末化したものである。
【0035】本明細書においてGABAを保持するよう
に調製された麦若葉由来の素材は、GABAが失われな
いように加工された麦若葉由来の食品素材のことをい
う。
【0036】本明細書においてGABA富化処理された
麦若葉由来の素材は、GABA富化処理され、この際に
増加したGABAを保持するように加工された麦若葉由
来の食品素材のことをいう。
【0037】麦若葉末に含まれるGABAの量は、その
調製方法によって異なり、従来法(特許第254430
2号)により調製された麦若葉末に含まれるGABAの
量は、多くとも約10mg/100gである。これに対
して、本発明におけるGABAが保持されるように調製
された麦若葉末は、少なくとも20mg/100g以上
のGABAを含み、従来法によるものと比較して、通常
10倍以上、好ましくは20倍以上、より好ましくは5
0倍以上、すなわち通常100mg/100g以上、好
ましくは200mg/100g以上、より好ましくは5
00mg/100g以上のGABAを含む。
【0038】本発明におけるGABA富化処理された麦
若葉末は、少なくとも50mg/100g以上のGAB
Aを含み、GABAが保持されるように調製された麦若
葉末よりもGABAを多く含み、通常2倍以上、好まし
くは5倍以上、より好ましくは10倍以上、すなわち通
常200mg/100g以上、好ましくは500mg/
100g以上、より好ましくは1000mg/100g
以上のGABAを含む。
【0039】上記のようにして得られた麦若葉搾汁粉末
に含まれるGABAの量は、その調製方法によって異な
り、従来法に準じて得られた麦若葉搾汁粉末に含まれる
GABAの含量は、多くとも約50mg/100gであ
る。
【0040】本発明におけるGABAを保持するように
調製された麦若葉搾汁粉末は、少なくとも100mg/
100g以上のGABAを含み、従来法により調製され
るものと比較して、通常5倍以上、好ましくは10倍以
上、より好ましくは20倍以上、すなわち通常250m
g/100g以上、好ましくは500mg/100g以
上、より好ましくは1000mg/100g以上のGA
BAを含む。
【0041】本発明におけるGABA富化処理された麦
若葉搾汁粉末は、少なくとも250mg/100g以上
のGABAを含み、GABAが保持されるように調製さ
れた麦若葉搾汁粉末と比較して、通常2倍以上、好まし
くは5倍以上、より好ましくは10倍以上、すなわち通
常500mg/100g以上、好ましくは1250mg
/100g以上、より好ましくは2500mg/100
g以上のGABAを含む。なお、これらのGABA含量
は、乾燥粉末化処理の影響をほとんど受けない。
【0042】得られた麦若葉由来の素材は、そのまま飲
食に供することができるが、賦形剤、増量剤、結合剤、
増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料等
と混合し、用途に応じて粉末、顆粒、錠剤等の形態に成
形することもでき、さらに、各種の飲食品に配合して飲
食に供することができる。
【0043】また、本発明の方法により製造される麦若
葉由来の素材は、GABAを高濃度で含有するため、必
要に応じて精製し、GABAの純品を得ることも可能で
ある。
【0044】得られた麦若葉由来の素材は、他の素材と
組み合わせて、健康食品の原料とされる。特に、抗高血
圧作用を有する成分を含有する他の素材との組み合わせ
が効果的である。このような抗高血圧作用を有する成分
を含有する食品素材として、落葉性植物トチュウ科トチ
ュウ(杜仲)、乳タンパク質もしくは魚類タンパク質の
加水分解物、または乳酸菌の発酵物などが挙げられる
が、これらに限定されない。
【0045】これらの食品素材を、麦若葉由来の素材と
組み合わせて処方すれば、その天然に含有する成分と、
麦若葉が含有するビタミン類、ミネラル類、食物繊維、
GABAなどの成分との相加効果および/または相乗効
果により、従来にない食品素材を提供することができ
る。麦若葉由来の素材と組み合わせられる上記のような
他の素材は一般に市販されており容易に入手可能であ
る。あるいは本明細書の開示に従い、一般に当業者に公
知の方法を用いて原料素材から調製することができる。
【0046】具体的には、麦若葉由来の食品素材と組み
合わせられる素材としては以下のものが例示される。
【0047】杜仲葉およびその抽出物:落葉する前に摘
採した杜仲葉を、必要に応じて水分含量が10%以下に
なるまで乾燥させた後、粉末化してそのまま用いるかあ
るいは水またはエタノール溶液を加えて加熱抽出する。
得られた抽出液を、減圧下で濃縮して杜仲葉エキスとす
る。得られた杜仲葉エキスはそのまま用いるか、粉末に
するか、あるいは配糖体含有顆粒としても良い。顆粒と
する方法は、従来の、(減圧)濃縮乾固、フリーズドラ
イ、スプレードライ、流動層造粒、圧延造粒などが用い
られる。必要に応じて、杜仲葉エキスは、濃縮および/
または精製されて用いられる。杜仲葉エキスには、有効
成分として、ゲニポシド酸、シリンガレジノール・ジ・
グルコシド、ピノレジノール・ジ−O−β−D−グルコ
シド、リリオデンドリン、アスペルロサイド、シリンジ
ンなどの配糖体が含まれる。杜仲葉の代わりに、杜仲樹
皮を原料としてもよい。
【0048】乳タンパク質または魚類タンパク質加水分
解物:ここで乳タンパク質または魚類タンパク質加水分
解物とは、乳タンパク質または魚類タンパク質を含む素
材を、トリプシン、ペプシン、サーモライシン、キモト
リプシン、プロティナーゼ、カルボキシペプチダーゼ、
プロナーゼなどを含むタンパク質分解酵素の1つ以上で
加水分解して得たものを意味する。
【0049】乳タンパク質または魚類タンパク質を含む
素材としては、獣乳、獣乳カゼイン、脱脂粉乳、または
かつお節、オキアミの脱脂タンパク質、イワシ筋肉を含
む、イワシ、サバやエビタコを含む任意の魚肉タンパク
質が用いられ得る。あるいは、特開平7−215889
に記載のように、アンジオテンシン転換酵素阻害活性を
もつ、アンジオテンシンIIの分解フラグメントを得る
ためにアンジオテンシン転換酵素を含む素材を用いても
良い。
【0050】タンパク質分解酵素の作用を受ける素材
は、通常、液状または固形状である。固形状の素材は、
通常、水あるいは熱水を加えて混合し、強力な撹拌でホ
モジナイズして前処理した後、タンパク質分解酵素を添
加して分解する。タンパク質分解酵素の添加量は、一般
に、液状素材に対して(固形状素材に対しては、前処理
に用いた水と固形状素材の合計量に対して)0.01%
〜5.0重量%の範囲で添加される。加水分解は、用い
るタンパク質分解酵素に依存して、一般に、10〜80
℃の、pH4〜9、10分〜30時間の間行われる。加
水分解率は特に制限されないが、最終の加水分解率が1
〜50%となるように調製される。得られた反応液から
当業者に公知の方法で添加した酵素を不活性化するかま
たは除去するか、生成したペプチドを単離して粉末にす
るか、あるいはそのまま粉末にするか、あるいは各種添
加物を加えてから水を取り除いてペプチド含有顆粒とす
る。顆粒とする方法は、従来の(減圧)濃縮乾固、フリ
ーズドライ、スプレードライ、流動層造粒、圧延造粒な
どが用いられる。
【0051】乳酸菌の発酵物:獣乳を原料として、乳酸
菌発酵により製造されたヨーグルトが挙げられる。代表
的には、牛乳を原料に、ラクトバチルス属(Lacto
bacillus sp.)、ストレプトコッカス属
(Streptococcussp.)に属する細菌を
単独または組み合わせて接種し、30〜45℃の温度で
数時間から数日間培養されて製造される。培養後、その
まま、あるいはホモゲナイズ処理されて用いられ得る。
【0052】麦若葉由来の素材と組み合わせられる他の
食品素材は、上記の食品素材のなかから必要に応じて1
種またはそれ以上から選択されて組み合わせて処方され
る。麦若葉由来の素材は、天然の麦若葉が含有するビタ
ミン類、ミネラル類、食物繊維などが、それらの機能を
発揮するに十分な量で、選択された1種またはそれ以上
の食品素材と混合される。選択された1種またはそれ以
上の食品素材は、当業者に公知の形態、通常粉末形態
で、麦若葉由来の素材と混合される。ローヤルゼリー、
ビタミン、プロテイン、カルシウム、キトサン、レシチ
ンなどが配合され、さらに糖液や調味料を加えて味を整
えることもできる。そしてこれらは、用途または好みに
応じて、液状の食品として供することができる。あるい
はハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル剤、
錠剤もしくは丸剤としてか、または粉末状、顆粒状、茶
状、ティーバック状もしくは、飴状などの形状に成形さ
れ得る。これらは、その形状または好みに応じて、その
まま食されても良いし、あるいは水、お湯もしくは牛乳
などに溶いて飲んでも良いし、または成分を浸出させて
から飲んでも良い。麦若葉由来の素材と選択された食品
素材の混合割合は、通常、1:9〜9:1(重量比)の
範囲、好ましくは、1:4〜4:1(重量比)の範囲で
ある。
【0053】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明がこの実施例により制限されないことはいうまで
もない。
【0054】1.麦若葉由来の素材の調製 本発明に用いた麦若葉末、麦若葉搾汁粉末を以下のよう
に調製し、それぞれに含まれるGABA含量を、アミノ
酸自動分析装置を用いて以下の条件にて測定した。
【0055】 (アミノ酸自動分析計操作条件) 機種:JLC−500/V(日本電子株式会杜) カラム:LCR−6,4mmX90mm(日本電子株式会社) 移動相:クエン酸リチウム緩衝液(日本電子株式会社) P-21 (pH 2.98, Li 0.105 mol/1) 0→16.3 min P-12 (pH 3.28, Li 0.26 mol/1) 16.3→36.1 min P-13 (pH 3.46, Li 0.80 mol/1) 36.1→56.0 min P-14 (pH 2.83, Li 1.54 mol/1) 56.0→63.4 min P-15 (pH 3.65, Li 1.54 mol/1) 63.4→80.0 min 反応液:ニンヒドリン・ヒドリダンチン試液(和光純薬工業株式会社) 温度:カラム 35℃(0→16.3 min), 64℃(15.3→31.0 min) 44℃(31.0→44.4 min), 72℃(63.4→80.0 min) 反応糟 135℃ 流量:移動相 0.50ml/min 反応液 0.30m1/min 測定波長:570nm
【0056】(大麦若葉の調製(従来法))約30cm
に成長した大麦の若葉を摘み取り、水洗して水きりを行
い、長さ約10cmに切り揃えた。切り揃えた大麦若葉
100gを、従来の麦若葉末の処理方法(特許第254
4302号公報)に従って処理した。すなわち、大麦若
葉100gを、食塩7.5g、重曹7.5gを含む1リ
ットルの熱水(95℃)に投入し、3分間、熱水処理し
た。熱水処理した麦若葉を直ちに2〜7℃の冷水に移
し、約5分間浸漬して冷却した。冷却後、約45秒間遠
心して脱水し、水分含量が5%以下となるように乾燥機
中60℃にて6時間乾燥した。これを石臼で粉砕して2
00メッシュを90%が通過する程度に粉砕して大麦若
葉末を得た。得られた麦若葉末には、100gあたり約
8mgのGABAが含まれていた。
【0057】(大麦若葉搾汁粉末の調製(従来法))従
来法に従って大麦若葉搾汁粉末を調製した。従来法と同
様にして、大麦若葉を切り揃え、食塩7.5g、重曹
7.5gを含む1リットルの熱水で処理した後、直ちに
2〜7℃の水に5分間浸漬し、冷却した。冷却後、約4
5秒間遠心して脱水した。次いでミキサーで粉砕して搾
汁し、ろ過して繊維分を除いた搾汁を得た。この搾汁を
凍結乾燥し、搾汁粉末を得た。得られた大麦若葉搾汁粉
末には42mg/100gのGABAが含まれていた。
【0058】(大麦若葉末の調製(試験例))従来法と
同様に切り揃えた大麦若葉を、ビニール袋に入れ、空気
を抜いた後に窒素を充填した。これをインキュべーター
内で40℃にて6時間静置して嫌気処理(GABA富化
処理)した。次いで、GABA富化処理した麦若葉を電
子レンジ(シャープ製 RE−121)を用いて1分間
マイクロウェーブ処理した。これを水分含量が5%以下
となるように、乾燥機中、60℃にて6時間乾燥し、さ
らに石臼で200メッシュを90%が通過する程度に粉
砕して大麦若葉末を得た。
【0059】GABA富化処理を行わなかった大麦若葉
についても同様に処理し、大麦若葉末を得た。得られた
麦若葉末には、100gの麦若葉末あたり、GABA富
化処理を行わなかったものには約250mg、GABA
富化処理を行ったものには約1350mgのGABAが
含まれていた。
【0060】(大麦若葉搾汁粉末の調製(試験例))麦
若葉末の調製と同様に、GABA富化処理したか、また
はしていない大麦若葉を、GABAが保持されるように
1分間マイクロウェーブ処理した。次いで、ミキサーで
粉砕し、さらに遠心、ろ過して繊維分を除いた搾汁を得
た。この搾汁を凍結乾燥し、搾汁粉末を得た。得られた
大麦若葉搾汁粉末には、100gあたり、GABA富化
処理を行わなかったものには約600mg、GABA富
化処理を行ったものには約3000mgのGABAが含
まれていた。
【0061】2.GABA以外の抗高血圧作用を有する
成分を含有する素材の調製 本発明に用いたGABA以外の抗高血圧作用を有する成
分を含有する素材を以下のように調製し、そして必要に
応じて、抗高血圧作用を有する1つの指標として当該分
野で公知であるアンジオテンシン変換酵素阻害活性(以
下ACE阻害活性と記す)を測定した。
【0062】(ACE阻害活性の測定)特開昭62−2
70533号公報に記載の方法に従って、以下のよう
に、ACE阻害活性を測定した。
【0063】1gのラングアセトンパウダー(ラビッ
ト)を、10mlの0.1M ホウ酸緩衝液(pH−
8.3)に2時間攪拌させた後、遠心して不溶物を沈降
させ、上清をろ過(0.2μm)して酵素溶液を調製し
た。そして同じホウ酸緩衝液を用いて、5mMのヒプリ
ル−L−ヒスチジル−L−ロイシンおよび300mMの
塩化ナトリウムを含有する基質溶液を調製した。次いで
ゲルろ過された画分30μlに対して250μlの基質
溶液を添加、攪拌した後、37℃にて10分間インキュ
ベートした。これに、酵素溶液の5倍希釈溶液を100
μl添加して37℃にて30分間酵素反応させた後、2
50μlの1N塩酸を加えて酵素反応を停止させた。さ
らに1500μlの冷酢酸エチルを加え、攪拌、遠心し
た後1000μlの酢酸エチル層を分取し、溶解物を1
20℃にて30分間加熱して、溶解物を乾固させた。得
られた乾固物を1000μlの蒸留水に溶解して、22
8nmの吸光度を測定した。ブランクには、ホウ酸緩衝
液を添加したものを用いた。阻害率を(ブランク使用時
の吸光度−サンプル添加時の吸光度)/(ブランク使用
時の吸光度)により算出し、50%阻害時の濃度をIC
50とした。
【0064】(乳タンパク質の加水分解物の調製)特開
昭62−270533号公報に記載の方法に準じて乳タ
ンパク質の加水分解物を調製した。要約すると、牛乳由
来カゼインを50mMリン酸緩衝液(pH−7.4)に
懸濁させて4%溶液(50ml)を調製した。次いでこ
の懸濁液に終濃度が0.1%となるようにトリプシンを
添加して、穏やかに攪拌しながら37℃にて一晩インキ
ュベートした。反応後、濃塩酸を添加し、トリプシンお
よび未分解のカゼインを変性させた。不溶物を遠心によ
り沈降させてその上清を回収した。得られた上清を凍結
乾燥して濃縮した後、水で洗ったセファデックスG−2
5を用いてゲルろ過クロマトグラフィーにより分画し
た。それぞれの画分について以下のようにして、ACE
阻害活性を測定し、活性画分を回収した。これを凍結乾
燥した後、再度分画し、活性画分を回収、凍結乾燥した
乾燥物を飼料に配合する乳タンパク質加水分解物とし
た。このようにして得られた乳タンパク質加水分解物の
ACE阻害活性は、IC50=1.8mg/mlであっ
た。
【0065】(魚類タンパク質の加水分解物の調製)特
開平7−188282号公報に記載の方法に準じて魚類
タンパク質の加水分解物を調製した。要約すると、新鮮
なイワシから採肉し、さらにすり身状にした。50gの
イワシのすり身に等容量の水を添加した後、1N塩酸溶
液を用いて、pHを2.0に調整した。次いで、終濃度
が1%となるように、ペプシンを添加し、攪拌しながら
37℃にて20時間インキュベートした。反応液を直ち
に限外ろ過(ろ過膜;YM−10、アミコン社製)し、
ろ過膜通過液を、Dowex50W×4(H+)カラム
にアプライした。次いで、カラムを蒸留水でよく洗った
後、2Nの水酸化アンモニウムを用いて吸着成分を溶出
させた。得られた溶出液を減圧濃縮し、予め蒸留水で洗
ったセファデックスG−25に通導して分画した。それ
ぞれの分画に対してACE阻害活性を測定し、活性分画
を回収、凍結乾燥した後、濃縮液を得た。再度ゲルろ過
を行って、活性画分を回収し、凍結乾燥したものを飼料
に配合する魚類タンパク質加水分解物とした。このよう
にして得られた魚類タンパク質加水分解物のACE阻害
活性は、IC50=2.1mg/mlであった。
【0066】(杜仲葉の抽出物の調製)特許第2579
255号公報に記載の方法に準じて杜仲葉の抽出物を調
製した。要約すると、落葉する前に摘採した杜仲葉を、
水分含量が5%以下となるように、60℃にて6時間乾
燥させた。次いで乾燥させた100gの杜仲葉を500
mlの蒸留水中、100℃にて30分間抽出した。抽出
溶液を凍結乾燥して飼料に配合する杜仲葉抽出物とし
た。
【0067】(乳酸菌の発酵物の調製)特開平11−1
00328号公報に記載の方法に準じて発酵物を調製し
た。115℃にて20分間殺菌した9重量%の脱脂粉乳
水溶液にラクトバチルス・ヘルベティカスを接種して得
られた1gの発酵乳(3.5×108個/ml)を、1
00mlの90℃達温殺菌した9重量%の脱脂粉乳水溶
液に接種し、37℃にて24時間培養した。得られた培
養物を凍結乾燥したものを飼料に配合する発酵物とし
た。
【0068】3.高血圧自然発症ラット(SHR)を用
いた抗高血圧試験 上記のように調製された麦若葉末または麦若葉搾汁粉末
と上記のように調製されたGABA以外の抗血圧成分を
含有する素材を、表1に示される配合組成(重量比)に
て0.5%のメチルセルロールに溶液に懸濁したものを
それぞれ飼料1〜35とした。なお、表1に記載の数値
の単位は重量%である。
【0069】
【表1】
【0070】表1に示される飼料1〜24は、麦若葉末
または麦若葉搾汁粉末と、GABA以外の抗高血圧作用
を有する成分を含有する素材とを含む本発明の食品素材
を含む飼料の組成を示す実施例である。また飼料25〜
34は、麦若葉末、麦若葉搾汁粉末、カゼイン加水分解
物、魚類タンパク質加水分解物、杜仲葉抽出物、または
乳酸菌の発酵物をそれぞれ単独で含む比較例である。
【0071】これらの飼料を各群6匹からなる9週齢の
高血圧自然発症ラット(SHR)に胃ゾンデを用いて1
0ml/Kg体重で経口投与し、5時間後に血圧を測定
した。各群の飼料投与開始時とその5時間後の血圧差の
結果を表2に示す。なお、表2において、試験時血圧
は、飼料投与開始時における各群6匹について測定した
血圧の平均値、5時間後血圧は、飼料投与の5時間後に
おける各群6匹について測定した血圧の平均値、そして
各群の血圧差は試験開始時血圧の平均値と、飼料投与5
時間後血圧の平均値との差である。
【0072】
【表2】
【0073】表2に示されるように、麦若葉末または麦
若葉搾汁粉末と、GABA以外の抗高血圧作用を有する
成分を含有する素材とを含む本発明の食品素材を含む飼
料1〜24を投与した群では、飼料投与の5時間後の平
均値で、飼料投与開始時に比べ、18.9mmHg(飼
料2)〜42.3mmHg(飼料24)の範囲で血圧を
低下させたのに対し、麦若葉末、麦若葉搾汁粉末、カゼ
イン加水分解物、魚類タンパク質加水分解物、杜仲葉抽
出物、または乳酸菌の発酵物をそれぞれ単独で含む飼料
25〜34を投与した群では、4.0mmHg(飼料2
5)〜14.8mmHg(飼料30)の範囲で血圧を低
下させたに過ぎなかった。
【0074】この結果は、麦若葉由来の素材とGABA
以外の抗高血圧作用を有する成分を含有する他の素材と
を組み合わせて含む飼料が、それぞれの素材を単独で含
むよりも抗高血圧効果に優れ、そしてこの効果は麦若葉
由来の素材がGABAを保持するようにかまたは富化さ
れるように調製することにより増強されることを示す。
すなわち、本発明の麦若葉由来の素材とGABA以外の
抗高血圧成分を含む他の素材との組み合わせにより、相
乗的な抗高血圧効果が得られたことを示す。
【0075】
【発明の効果】γ−アミノ酪酸、ビタミン類、ミネラル
類、食物繊維などを高濃度で含有する新規食品素材が提
供される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 麦若葉由来の素材と、GABA以外の抗
    高血圧作用を有する成分を含有する素材とを含む、食品
    素材。
  2. 【請求項2】 前記麦若葉由来の素材が、GABA富化
    処理されている、請求項1に記載の食品素材。
  3. 【請求項3】 前記GABA以外の抗高血圧作用を有す
    る成分が、アンジオテンシン変換酵素阻害成分である、
    請求項1に記載の食品素材。
  4. 【請求項4】 前記GABA以外の抗高血圧作用を有す
    る成分を含有する素材が、乳タンパク質もしくは魚類タ
    ンパク質の加水分解物または乳酸菌の発酵物である、請
    求項1に記載の食品素材。
  5. 【請求項5】 前記GABA以外の抗高血圧作用を有す
    る成分を含有する素材が、杜仲葉またはその抽出物であ
    る、請求項1に記載の食品素材。
  6. 【請求項6】 前記GABA以外の抗高血圧作用を有す
    る成分が、ペプチド、配糖体、またはゲニポシド酸であ
    る、請求項1に記載の食品素材。
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