JP2002102902A - 溶融金属めっき用素材鋼板の冷間圧延方法および合金化溶融金属めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

溶融金属めっき用素材鋼板の冷間圧延方法および合金化溶融金属めっき鋼板の製造方法

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JP2002102902A
JP2002102902A JP2000297282A JP2000297282A JP2002102902A JP 2002102902 A JP2002102902 A JP 2002102902A JP 2000297282 A JP2000297282 A JP 2000297282A JP 2000297282 A JP2000297282 A JP 2000297282A JP 2002102902 A JP2002102902 A JP 2002102902A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融金属めっき鋼板におけるめっき付着量む
らを防止し、合金化溶融金属めっき鋼板の合金化むらの
発生を防止する。 【解決手段】 ショットダル加工および/または放電ダ
ル加工によってロール表面を加工した表面粗さRZ が10
μm 以上のワークロールを用いるか、または、研削加工
などによりロール周方向に形成された溝を有し、溝の深
さであるロール表面粗さRZ が10μm 以上で、溝の長さ
L(μm )が下記式(1) を満足するワークロールを用い
る溶融金属めっき用素材鋼板の冷間圧延方法、および、
該冷間圧延方法で得られた溶融金属めっき用素材鋼板に
溶融金属めっきを施した後、加熱合金化処理を施す合金
化溶融金属めっき鋼板の製造方法。 L>10/(tanα)(μm )………(1) 式(1) 中、αは、ロールと溶融金属めっき用素材鋼板と
の接触角を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンデム圧延機を
用いた溶融金属めっき用素材鋼板の冷間圧延方法および
該冷間圧延方法を用いた合金化溶融金属めっき鋼板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷間圧延前の熱延コイルの状態でのコイ
ルハンドリング時などにおいては、鋼板同士のこすれや
融着などの現象によって、鋼板表面に、凹凸を有する微
小な表面欠陥が発生するケースが多い。冷間圧延前の微
小な凹み欠陥は、熱延コイルの酸洗設備への払出し時、
酸洗終了後の鋼板巻取り時および冷間圧延設備へのコイ
ル払出し時に発生する場合が多く、また、熱延コイルの
状態でのハンドリング時の鋼板同士のこすれなどによる
傷は、コイル払出し時もしくは鋼板巻取り時に限らず発
生し易い。
【0003】上記した欠陥の大きさは、大小さまざまで
ばらつきがあるが、十μm 程度の凹み深さを有してい
る。上記した欠陥の凹み傷の部分では、冷間圧延時にロ
ールとの間で圧延油が封じ込まれてしまい、未圧延部と
して残存し、オイルピットが生成する。一方、本発明者
は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造時に合金化むらが
発生した部分のめっきを剥離し、素材鋼板表面のプロフ
ィールを測定した。
【0004】得られた結果を図1〜図3に示す。図1〜
図3に示すように、合金化むら部分には、10μm 程度の
深さの凹み傷が見られた。従来、この程度の凹み傷は冷
間圧延においては問題とはならなかったが、上記調査結
果から、冷間圧延鋼板が溶融金属めっき用素材鋼板であ
る場合、溶融金属めっきを施す際に凹み傷部でめっき付
着量むらが増幅され、めっき後、合金化処理を施す際
に、凹み傷部で合金化むらが発生し、模様となって残っ
てしまうことが分かった。
【0005】すなわち、本発明者は、冷間圧延鋼板にお
ける凹み傷の存在は、溶融金属めっきにおけるめっき付
着量むらおよび合金化溶融金属めっき鋼板の合金化むら
をもたらし、その結果、合金化溶融金属めっき鋼板を製
造する際の歩留りを低下する大きな要因となることを見
出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、溶融金属めっき鋼板における
めっき付着量むらを防止し、合金化溶融金属めっき鋼板
の合金化むらの発生を防止することが可能な溶融金属め
っき用素材鋼板の冷間圧延方法および該冷間圧延方法を
用いた合金化溶融金属めっき鋼板の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、冷間圧延前
に発生した凹み傷が冷間圧延後もオイルピットとして残
存し、オイルピット部における溶融金属めっきのめっき
付着量むらが合金化むらをもたらすことに着目した。こ
の結果、鋼板の凹み傷と同程度の深さの溝をロール周方
向に有するワークロール、より好ましくは、鋼板の凹み
傷に埋没しない深さおよび長さの溝状部をロール周方向
に有するワークロールを用いて溶融金属めっき用素材鋼
板の冷間圧延を行うことによって、凹み傷の肩部にロー
ル表面の溝形状が転写され、オイルの排出が促進され、
オイルピットが発生せず、圧延によって凹み欠陥が消去
できることを見出した。
【0008】さらに、溶融金属めっき用素材鋼板を上記
したワークロールを用いて冷間圧延した後、溶融金属め
っきを行うことによって、溶融金属めっきのめっき付着
量むらの発生が防止され、この結果、合金化溶融亜鉛め
っきなどの合金化溶融金属めっきにおける合金化むらを
防止することが可能であることを見出し、本発明に想到
した。
【0009】すなわち、第1の発明は、タンデム圧延機
を用いた冷間圧延において溶融金属めっき用素材鋼板を
圧延する際に、ショットダル加工および/または放電ダ
ル加工によってロール表面を加工した表面粗さRZ が10
μm 以上のワークロールを用いることを特徴とする溶融
金属めっき用素材鋼板の冷間圧延方法である。第2の発
明は、タンデム圧延機を用いた冷間圧延において溶融金
属めっき用素材鋼板を圧延する際に、ロール周方向に形
成された溝を有し、溝の深さであるロール表面粗さRZ
が10μm 以上で、溝の長さL(μm )が下記式(1) を満
足するワークロールを用いることを特徴とする溶融金属
めっき用素材鋼板の冷間圧延方法である。
【0010】 L>10/(tanα)(μm )…………(1) 第3の発明は、タンデム圧延機を用いた冷間圧延におい
て溶融金属めっき用素材鋼板を圧延する際に、ロール周
方向に形成された溝を有し、溝の深さであるロール表面
粗さRZ が10μm 以上で、溝の長さL(μm )が下記式
(2) を満足するワークロールを用いることを特徴とする
溶融金属めっき用素材鋼板の冷間圧延方法である。
【0011】 L>RZ /(tanα)(μm )………(2) なお、前記式(1) 、(2) 中、αは、ロールと被圧延材で
ある溶融金属めっき用素材鋼板との接触角、すなわち、
鋼板とロールが接触する円弧部分とロール中心とがなす
角度を示す。前記した第1の発明〜第3の発明において
は、前記ワークロールが、複数スタンドから構成される
タンデム圧延機の最終スタンドより前のスタンドのワー
クロールであることが好ましい(第1の発明の好適態
様、第2の発明の好適態様、第3の発明の好適態様)。
【0012】前記した第1の発明〜第3の発明、第1の
発明の好適態様〜第3の発明の好適態様は、より好まし
くは、溶融亜鉛めっき用素材鋼板である溶融金属めっき
用素材鋼板の冷間圧延方法として適用される。第4の発
明は、前記した第1の発明〜第3の発明、第1の発明の
好適態様〜第3の発明の好適態様の冷間圧延方法で得ら
れた溶融金属めっき用素材鋼板に溶融金属めっきを施し
た後、加熱合金化処理を施すことを特徴とする合金化溶
融金属めっき鋼板の製造方法である。
【0013】前記した第4の発明は、より好ましくは、
溶融金属めっき用素材鋼板が溶融亜鉛めっき用素材鋼板
である合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法として適用
される。なお、前記した第1の発明〜第4の発明におけ
る表面粗さRZ は、ロール軸方向に測定した2次元表面
粗さRZ を示し、JIS B 0601-1994 に規定される十点平
均粗さを示す。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者は、鋼板の凹み傷と同程度の深さの溝を
ロール周方向に有するワークロール、より好ましくは、
鋼板の凹み傷に埋没しない深さおよび長さの溝状部をロ
ール周方向に有するワークロールを用いて冷間圧延を行
うことによって、凹み傷の肩部にロール表面の溝形状が
転写されてオイルの排出が促進され、オイルピットの発
生が防止でき、凹み欠陥が消去できることを見出した。
【0015】さらに、溶融金属めっき用素材鋼板を上記
したワークロールを用いて冷間圧延し、得られた鋼板に
溶融金属めっきを施すことによって、溶融金属めっきの
めっき付着量むらの発生が防止され、この結果、合金化
溶融金属めっきにおける合金化むらを防止することが可
能であることを見出した。以下、本発明を、I.冷間圧延
方法、II. 合金化溶融金属めっきの順に説明する。
【0016】〔I.冷間圧延方法:〕本発明における溶融
金属めっき用素材鋼板としては、炭素含有量が0.02質量
%以下(以下、質量%を%と記す)の普通鋼を素材とす
る鋼板を用いることが好ましい。第1の発明は、溶融金
属めっき用素材鋼板を冷間圧延する際に、好ましくはタ
ンデム圧延機の前段スタンドにおいて、ショットダル加
工および/または放電ダル加工によってロール表面を加
工した表面粗さRZ が10μm 以上のワークロールを用い
る冷間圧延方法である。
【0017】上記した第1の発明によれば、鋼板凹み傷
の肩部にロール表面に形成されたランダムな凹凸部が転
写されてオイルの排出が促進され、オイルピットの発生
が防止できると共に、圧延によって凹み欠陥が消去でき
る。この結果、溶融金属めっき用素材鋼板を上記したワ
ークロールを用いて冷間圧延し、得られた鋼板に溶融金
属めっきを施すことによって、溶融金属めっきのめっき
付着量むらの発生が防止され、合金化溶融金属めっきに
おける合金化むらを防止することができる。
【0018】なお、上記した第1の発明においては、上
記したロールの表面粗さRZ は、50μm 以下であること
が好ましい。これは、ロールの表面粗さRZ が50μm を
超える場合、凹み欠陥消去効果が実用面で飽和すると共
に、ロール加工に工数を要し、また圧延時の摩擦係数が
高くなりすぎ、圧延そのものが困難になるためである。
【0019】また、上記した第1の発明においては、上
記したワークロールを、タンデム圧延機の最終スタンド
より前のスタンドに配設することが好ましい。これは、
最終スタンドより前のスタンドのワークロールとして上
記したワークロールを配設することによって、凹み欠陥
が前段スタンドにて消去され、前段スタンドでオイルが
排出しきれなかった場合も、既に排出溝が形成されてい
るため、後段スタンドでオイルが排出され、圧延によっ
て凹み欠陥部が消失するためである。
【0020】すなわち、例えば、5スタンドの冷間圧延
タンデムミルの場合、第1スタンドおよび/または第2
スタンドにショットダル加工もしくは放電ダル加工を施
したワークロールを使用し、他スタンドは冷間圧延にお
いて一般的に使用される研削ロールを使用する。なお、
最終スタンド(5スタンドの場合、第5スタンド)のワ
ークロールは、目標板面粗度に対応した表面粗度のロー
ルを使用するために、適宜、研削ロール、ショットダル
加工ロール、放電ダル加工ロールを選択することができ
る。
【0021】第2の発明は、本発明におけるより好まし
い冷間圧延方法であり、溶融金属めっき用素材鋼板を圧
延する際に、好ましくはタンデム圧延機の前段スタンド
において、ロール表面の研削加工などによりロール周方
向に形成された溝を有し、溝の深さであるロール表面粗
さRZ が10μm 以上で、溝の長さL(μm )が下記式
(1) を満足するワークロールを用いる冷間圧延方法であ
る。
【0022】L>10/(tanα)(μm )………(1) 上記式(1) 中、αはロールと被圧延材であるめっき用素
材鋼板との接触角、すなわち、鋼板とロールが接触する
円弧部分とロール中心とがなす角度を示す。なお、ロー
ル表面上の溝の長さLは、ロール表面のレプリカによる
顕微鏡観察によって実測できる。
【0023】また、αについては被圧延材のロールバイ
ト部分の長さとロール径の関係から実測できる。すなわ
ち、αは、圧延を停止した後、ロールと接触していた鋼
板の表面形状を実測し、ロールバイト部分の長さ(接触
円弧長)とロール径との関係から求めることができる。
【0024】また、tanαは、図4に示すように、ロ
ール半径と圧下量から近似的に求めることもできる。な
お、図4において、1はワークロール、2は溶融金属め
っき用素材鋼板の圧延終了部、3は溶融金属めっき用素
材鋼板の圧下部を示す。上記した第2の発明において
は、前記した図1〜図3に示されるように、深さが10μ
m 前後の凹み傷が、溶融金属めっきのめっき付着量むら
および合金化溶融金属めっきにおける合金化むらをもた
らすため、ロール周方向に溝状部を形成したロール表面
粗さRZ (十点平均粗さ)が10μm 以上で、溝の長さL
(μm )が前記式(1) を満たすワークロールを用いて冷
間圧延を行う。
【0025】上記したワークロールは、ショットダル加
工および/または放電ダル加工によって得ることができ
る。上記した第2の発明によれば、溶融金属めっきのめ
っき付着量むらおよび合金化溶融金属めっきにおける合
金化むらをもたらす深さdが10μm 前後の凹み欠陥に対
して、溝の深さであるロール表面粗さRZ が10μm 以上
で、溝の長さL(μm )が前記式(1) を満足するワーク
ロールを用いることによって、鋼板凹み傷の肩部にロー
ル表面の溝状部の形状が転写され、オイルの排出がさら
に促進され、オイルピットの発生が防止でき、凹み欠陥
が消去できる(図5)。
【0026】この結果、溶融金属めっき用素材鋼板を上
記したワークロールを用いて冷間圧延し、得られた鋼板
に溶融金属めっきを施すことによって、溶融金属めっき
のめっき付着量むらの発生が防止され、合金化溶融亜鉛
めっきにおける合金化むらを防止することができる。溝
の長さLが上記式(1) を満足しない場合は、凹み傷の肩
部にオイル排出溝が形成されず、オイルの排出が完全に
は行われず、オイルピットが形成される。
【0027】なお、上記した第2の発明においては、上
記したロールの表面粗さRZ が、50μm 以下、溝の長さ
Lが10mm以下であることが好ましい。これは、ロールの
表面粗さRZ が50μm を超える場合、溝の長さLが10mm
を超える場合、いずれの場合も、凹み欠陥消去効果が実
用面で飽和すると共に、ロール加工に工数を要するため
である。
【0028】また、上記した第2の発明においては、上
記したワークロールを、タンデム圧延機の最終スタンド
より前のスタンドに配設することが好ましい。これは、
最終スタンドより前のスタンドのワークロールとして上
記したワークロールを配設することによって、凹み欠陥
が前段スタンドにて消去され、前段スタンドでオイルが
排出しきれなかった場合も、既に排出溝が形成されてい
るため、後段スタンドでオイルが排出され、圧延によっ
て凹み欠陥部が消失するためである。
【0029】すなわち、5スタンドの冷間圧延タンデム
ミルの場合、例えば、第1スタンドおよび/または第2
スタンドに、前記式(1) を満足するワークロールを使用
し、他スタンドは冷間圧延において一般的に使用される
Z が2〜5μm 程度の研削ロールを使用する。なお、
最終スタンド(5スタンドの場合、第5スタンド)のワ
ークロールは、目標板面粗度に対応した表面粗度のロー
ルを使用するために、適宜、研削ロール、ショットダル
加工ロール、放電ダル加工ロールを選択することができ
る。
【0030】図6に、前記式(1) を満足する条件下でR
Z を変更した場合のオイルピット残存率を示す。なお、
オイルピット残存率は、圧延中にかみ止めを実施した被
圧延材について、未圧延部分および第2スタンドまで圧
延が終了した部分それぞれの単位面積当たりの凹み傷の
個数から求めた。
【0031】図6に示すように、RZ を10μm 以上と
し、前記式(1) を満足するワークロールを用いることに
よって、オイルピット残存率を著しく低減できることが
分かる。以上、本発明の冷間圧延方法について述べた
が、本発明においては、さらに確実に鋼板凹み傷の肩部
にロール表面の溝状部の形状を転写し、圧延によって凹
み欠陥を消去するために、ロール周方向に形成された溝
を有し、溝の深さであるロール表面粗さRZ が10μm 以
上で、溝の長さL(μm )が下記式(2) を満足するワー
クロールを用いることがより好ましい(第3の発明)。
【0032】 L>RZ /(tanα)(μm )………(2) 〔II. 合金化溶融金属めっき:〕 本発明においては、前記した第1の発明〜第3の発明で
得られた溶融金属めっき用素材鋼板に溶融金属めっきを
施した後、加熱合金化処理を施し合金化溶融金属めっき
鋼板を製造する。
【0033】以下、代表的な合金化溶融金属めっきであ
る合金化溶融亜鉛めっきについて説明する。本発明にお
いては、前記した圧延方法で得られた冷間圧延鋼板を、
好ましくは酸洗処理後、例えば連続溶融亜鉛めっきライ
ンに配設された加熱炉において、還元性雰囲気下で加熱
還元した後、溶融亜鉛めっきを施す。
【0034】溶融亜鉛めっき浴は、Alを0.08〜0.2 %含
有するめっき浴が適切であり、浴温は450 〜500 ℃が適
切である。次に、溶融亜鉛めっき浴から引き上げた溶融
亜鉛めっき鋼板に対してガスワイピング法によるめっき
付着量制御を行った後、合金化炉において、好ましくは
最高到達板温:460 〜530 ℃の条件下で加熱合金化す
る。
【0035】合金化処理時のめっき層中へのFe拡散量
は、得られるめっき層中のFe含有量として8〜11%であ
ることが好ましい。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明する。 (実施例1)5スタンドの冷間圧延タンデムミルを用い
て熱間圧延鋼板を冷間圧延した。鋼板としては、炭素含
有量が0.005 %の普通鋼を素材とする鋼板を用いた。
【0037】第1スタンドのワークロールとしては、シ
ョットダル加工によって表面粗さR Z が14μm の溝部を
形成したワークロールを用い、第2スタンド〜第5スタ
ンドのワークロールとしては、RZ が 2.5μm のワーク
ロール(研削ロール)を使用した。得られた冷間圧延鋼
板のオイルピット残存率は3%と少なく、冷間圧延前に
形成された凹み傷が消失していることが分かった。
【0038】次に、得られた冷間圧延鋼板を、連続溶融
亜鉛めっきラインに通板し、酸洗、加熱還元焼鈍、溶融
亜鉛めっき、合金化処理を行った。溶融亜鉛めっきおよ
び合金化処理は、下記条件下で行った。 〔溶融亜鉛めっき:〕 浴温:465 ℃ 浴中Al濃度:0.13% 〔合金化処理:〕 最高到達板温:490 ℃ なお、溶融亜鉛めっきのめっき付着量は、両面共40g/m2
とした。
【0039】得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合金
化むらの有無を目視で判定し、斑点模様の発生部の重量
比率から合金化むらによる不良品発生率を調査した結
果、不良品発生率は 0.4%と少なく、不良品を低減する
ことができた。 (実施例2)第1スタンドのワークロールとして、放電
ダル加工によって表面粗さRZ が13μm の溝部を形成し
たワークロールを用いた以外は実施例1と同様の方法で
合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。
【0040】次に、実施例1と同一の方法で合金化むら
による不良品発生率を調査した結果、不良品発生率は
0.5%と少なく、不良品を低減することができた。 (実施例3)5スタンドの冷間圧延タンデムミルを用い
て熱間圧延鋼板を冷間圧延した。鋼板としては、炭素含
有量が0.005 %の普通鋼を素材とする鋼板を用いた。
【0041】第1スタンドのワークロールとしては、研
削によってロール周方向に溝部を形成した下記仕様のワ
ークロールを用い、第2スタンド〜第5スタンドのワー
クロールとしては、RZ が2μm のワークロール(研削
ロール)を使用した。 〔第1スタンドのワークロールの仕様:〕 ロール径: 600mm ロール軸方向表面粗さRZ :13μm 溝の長さ(L): 550μm ロールとめっき用素材鋼板との接触角(α):1.7 ° L>10/(tanα)= 337μm なお、ロール表面上の溝状部の長さLは、ロール表面の
レプリカによる顕微鏡観察によって測定し、αは、圧延
を停止した後、ロールと接触していた鋼板の断面形状を
実測し、ロールバイト部の長さ(接触円弧長)とロール
径との関係から求めた。
【0042】得られた冷間圧延鋼板のオイルピット残存
率は、1%と極めて少なかった。次に、得られた冷間圧
延鋼板を、連続溶融亜鉛めっきラインに通板し、酸洗、
加熱還元焼鈍、溶融亜鉛めっき、合金化処理を行った。
溶融亜鉛めっきおよび合金化処理は、下記条件下で行っ
た。 〔溶融亜鉛めっき:〕 浴温:465 ℃ 浴中Al濃度:0.13% 〔合金化処理:〕 最高到達板温:490 ℃ なお、溶融亜鉛めっきのめっき付着量は、両面共40g/m2
とした。
【0043】次に、実施例1と同一の方法で合金化むら
による不良発生率を調査した結果、不良品発生率は 0.2
%と少なく、不良品を低減することができた。 (比較例)第1スタンドのワークロールとして、研削ロ
ールである下記仕様のワークロールを用いた以外は実施
例1と同様の方法で合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造し
た。
【0044】〔第1スタンドのワークロールの仕様:〕 ロール径: 600mm ロール軸方向表面粗さRZ :8μm 溝の長さ(L):50μm ロールとめっき用素材鋼板との接触角(α):1.7 ° L<RZ /(tanα)= 270μm 次に、実施例1と同一の方法で合金化むらによる不良品
発生率を調査した結果、不良品発生率は 1.2%であっ
た。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、冷間圧延前に発生した
凹み欠陥を冷間圧延において無欠陥化することで、溶融
金属めっき鋼板におけるめっき付着量むらの発生を防止
でき、その結果、合金化溶融亜鉛めっきなどの合金化溶
融金属めっきにおける合金化むらの発生を防止し、合金
化溶融金属めっき鋼板の歩留りを向上することが可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】合金化むら部分における素材鋼板表面のプロフ
ィールを示すグラフである。
【図2】合金化むら部分における素材鋼板表面のプロフ
ィールを示すグラフである。
【図3】合金化むら部分における素材鋼板表面のプロフ
ィールを示すグラフである。
【図4】ワークロールと被圧延材との接触角を示す説明
図である。
【図5】ワークロールの溝状部および鋼板凹み傷部を示
す断面図(模式図)である。
【図6】ワークロール表面粗さRZ と冷間圧延鋼板のオ
イルピット残存率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ワークロール 2 溶融金属めっき用素材鋼板の圧延終了部 3 溶融金属めっき用素材鋼板の圧下部 4 ワークロールの溝 5 鋼板の凹み傷

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンデム圧延機を用いた冷間圧延におい
    て溶融金属めっき用素材鋼板を圧延する際に、ショット
    ダル加工および/または放電ダル加工によってロール表
    面を加工した表面粗さRZ が10μm 以上のワークロール
    を用いることを特徴とする溶融金属めっき用素材鋼板の
    冷間圧延方法。
  2. 【請求項2】 タンデム圧延機を用いた冷間圧延におい
    て溶融金属めっき用素材鋼板を圧延する際に、ロール周
    方向に形成された溝を有し、溝の深さであるロール表面
    粗さRZ が10μm 以上で、溝の長さL(μm )が下記式
    (1) を満足するワークロールを用いることを特徴とする
    溶融金属めっき用素材鋼板の冷間圧延方法。 記 L>10/(tanα)(μm )…………(1) なお、上記式(1) 中、αは、ロールと被圧延材である溶
    融金属めっき用素材鋼板との接触角を示す。
  3. 【請求項3】 タンデム圧延機を用いた冷間圧延におい
    て溶融金属めっき用素材鋼板を圧延する際に、ロール周
    方向に形成された溝を有し、溝の深さであるロール表面
    粗さRZ が10μm 以上で、溝の長さL(μm )が下記式
    (2) を満足するワークロールを用いることを特徴とする
    溶融金属めっき用素材鋼板の冷間圧延方法。 記 L>RZ /(tanα)(μm )………(2) なお、上記式(2) 中、αは、ロールと被圧延材である溶
    融金属めっき用素材鋼板との接触角を示す。
  4. 【請求項4】 前記ワークロールが、タンデム圧延機の
    最終スタンドより前のスタンドのワークロールであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の溶融金属
    めっき用素材鋼板の冷間圧延方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載の冷間圧延
    方法で得られた溶融金属めっき用素材鋼板に溶融金属め
    っきを施した後、加熱合金化処理を施すことを特徴とす
    る合金化溶融金属めっき鋼板の製造方法。
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