JP2002140979A - 電界電子放出装置及びその製造方法 - Google Patents

電界電子放出装置及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程中に発生するCNTの損傷を防止し
てCNT本来の低閾値で大電流密度を示す電子放出特性
を十分保持できる高性能な電界電子放出装置の製造方法
を提供すること。 【解決手段】 この電界電子放出装置の製造方法では、
CNTを電子源に用いた電界電子放出装置を製造する
際、少なくとも装置の一部の製造工程中にCNT膜2の
表面に保護膜としてのアルミニウム膜4を形成する保護
膜形成工程を実行しており、この一部残存した導電性保
護膜(アルミニウム膜4,40)で電子放出特性に大き
な影響を与えるCNT表面構造を保護することでCNT
本来の電子放出特性を十分に確保して発揮させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてカーボン
ナノチューブ(以下、CNTとする)を電子源に用いた
電界電子放出装置であって、詳しくは少なくとも一つ以
上の電子銃を用いて蛍光体に当てて1画素を形成し、画
像の画素分だけ画素数を集積するタイプの平面型ディス
プレイ装置であるフィールドエミッションディスプレイ
(以下、FEDとする)等の電界電子放出装置及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のCNTを電子源に用いた
電界電子放出装置としては、幾つかのタイプのものが知
られている。例えば、特開平10−199398号公報
に開示された電子発生装置の場合、電子源にCNTを積
層した構造であり、具体的には基板上にカソードである
グラファイトが設けられ、グラファイト上には電子源と
なるCNT層がライン状に形成され、その両側には絶縁
層が設けられている。更に、絶縁層上にはカソードライ
ンと垂直にグリッド電極が形成され、グリット電極及び
カソード間に電圧を印加することにより、電子放出部の
CNTから電子が放出される構造となっている。
【0003】又、特開平11−297245号公報に開
示された平面ディスプレイの場合、電子源がCNTで構
成されており、具体的には表示面として第1のリブが所
定の間隔で配置され、この第1のリブ間に蛍光体が形成
された表示部と、第1のリブと垂直に所定の間隔に形成
された第2のリブと、この第2のリブ間に電子放出部を
形成したカソード基板とがあり、カソード基板及び表示
面に電圧を印加する構造になっている。ここでは電子放
出部の電子源としてスクリーン印刷等により所定のパタ
ーンに形成されたCNTが使用されている。
【0004】その他、このようなCNTに関連する公知
技術としては、特開平11−329312号公報に開示
された蛍光表示装置およびその製造方法、特開2000
−36243号公報に開示された電子放出源の製造方
法、特開2000−90809号公報に開示された電界
放出陰極、電子放出素子および電界放出陰極の製造方法
等が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したCNTを電子
源として用いた電子放出装置の場合、その製造工程中に
あって形成したCNTが化学的及び物理的な作用により
損傷を受け、CNT本来の低閾値で大電流密度を示す電
子放出特性が得られなくなってしまうという問題があ
る。
【0006】このようにCNTが損傷する周知な原因と
しては、CNTが加熱工程等により例えば酸化剤である
酸素により燃焼したり、酸性や塩基性の薬品と反応して
消失してしまうことが挙げられる。又、燃焼しない場合
でも、ドライエッチ工程でイオンの衝撃によりCNTの
微細構造が消滅したり、プラズマ処理でプラズマに触れ
て微細構造が消滅することがある。
【0007】従って、CNTを電子源として用いた電界
電子放出装置の製造工程では、CNT形成後の絶縁層形
成や絶縁層形成後に行うゲート電極形成等のエッチング
工程でCNTが燃焼したり、微細構造が消滅する影響を
受けたり、加熱工程でCNTが燃焼して消滅したりする
ことが考えられる。特に単層CNTでは、酸素含有の雰
囲気中の400℃以上でCNTが酸素と反応し、CNT
が劣化して電子放出の効率が低下してしまう。
【0008】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたもので、その技術的課題は、製造工程中に発生
するCNTの損傷を防止してCNT本来の低閾値で大電
流密度を示す電子放出特性を十分保持できる高性能な電
界電子放出装置及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、CNT
を電子源に用いた電界電子放出装置の製造方法におい
て、少なくとも装置の一部の製造工程中にCNTの表面
に保護膜を形成する保護膜形成工程を有する電界電子放
出装置の製造方法が得られる。
【0010】又、本発明によれば、上記電界電子放出装
置の製造方法において、保護膜形成工程では、加熱工
程、熱処理工程、プラズマ処理工程、プラズマエッチン
グ工程、気相,プラズマ,液相,又は固体相の何れか一
つにより膜を形成する工程、溶液によるエッチング又は
表面処理を行う工程、レジスト塗布,レジスト現像,レ
ジスト剥離の工程のうちの少なくとも一つを実行する電
界電子放出装置の製造方法が得られる。
【0011】更に、本発明によれば、上記何れかの電界
電子放出装置の製造方法において、保護膜形成工程で
は、保護膜を導電性とする電界電子放出装置の製造方法
が得られる。
【0012】加えて、本発明によれば、上記何れか一つ
の電界電子放出装置の製造方法において、保護膜形成工
程では、保護膜がCNTの表面に備えられた状態でプラ
ズマ中に晒す工程を含む電界電子放出装置の製造方法が
得られる。この電界電子放出装置の製造方法において、
保護膜形成工程では、更に保護膜の一部を化学エッチン
グで除去する工程を含むことは好ましい。
【0013】又、本発明によれば、上記何れか一つの電
界電子放出装置の製造方法において、保護膜としてアル
ミニウムを用いた電界電子放出装置の製造方法が得られ
る。この電界電子放出装置の製造方法において、アルミ
ニウムは、膜厚が600nm以上であることは好まし
い。これらの電界電子放出装置の製造方法において、C
NTをチタン金属配線上に堆積して成ることは好まし
い。
【0014】更に、本発明によれば、上記何れか一つの
電界電子放出装置の製造方法において、保護膜が表面に
形成されたCNTに対してアッシングを行った後にゲー
ト金属を堆積する工程を含む電界電子放出装置の製造方
法が得られる。
【0015】加えて、本発明によれば、上記何れか一つ
の電界電子放出装置の製造方法において、保護膜に対し
てゲート金属を堆積及びパターニングした後にアッシン
グプラズマに晒す工程を含む電界電子放出装置の製造方
法が得られる。
【0016】又、本発明によれば、上記電界電子放出装
置の製造方法において、ゲート金属によりエミッタホー
ル内側壁の一部又は全部を覆った状態で保護膜をアッシ
ングプラズマに晒す電界電子放出装置の製造方法が得ら
れる。
【0017】更に、本発明によれば、上記電界電子放出
装置の製造方法において、保護膜をアッシングプラズマ
に晒した後にエミッタホール内側壁を覆ったゲート金属
を除去する工程を含む電界電子放出装置の製造方法が得
られる。
【0018】一方、本発明によれば、CNTを電子源に
用いた電界電子放出装置の製造方法において、CNTの
表面にチタン膜を成膜してから熱処理することで該CN
Tを窒化チタンに改質する工程を有する電界電子放出装
置の製造方法が得られる。
【0019】他方、本発明によれば、CNTを電子源に
用いた電界電子放出装置の製造方法において、CNTを
電子源に用いた電界電子放出装置の製造方法において、
CNTの表面にアルミニウム膜を成膜してから熱処理す
ることでアルミニウムの微粒子を形成する工程を有する
電界電子放出装置の製造方法が得られる。
【0020】更に、本発明によれば、CNTを電子源に
用いた電界電子放出装置の製造方法において、CNTを
電子源に用いた電界電子放出装置の製造方法において、
CNTの近傍に残存する保護膜を直角又は鋭角に尖らせ
た構造を形成する工程を有する電界電子放出装置の製造
方法が得られる。
【0021】又、本発明によれば、上記何れか一つの電
界電子放出装置の製造方法により作製された電界電子放
出装置であって、保護膜の一部が残存する電界電子放出
装置が得られる。
【0022】この電界電子放出装置において、保護膜は
導電性であり、且つカソード配線の機能を兼ね備えた構
造であること、保護膜は、CNTの存在しない基板上に
も接触して形成されたこと、保護膜で覆われたCNT上
には絶縁膜が積層され、且つ該絶縁膜上にはゲート導電
膜が積層されていること、絶縁膜,ゲート導電膜,及び
保護膜の一部が剥離されてCNTが露出する部分を有す
ることは、それぞれ好ましい。
【0023】一方、本発明によれば、上記何れか一つの
電界電子放出装置において、カソード配線又はカーボン
ナノチューブとゲート導電膜との間に設けられる絶縁膜
を有機物質、感光性材料、有機感光性材料、並びに加熱
履歴に応じて変色する材料の何れか一つとした電界電子
放出装置が得られる。これらの電界電子放出装置におい
て、絶縁膜は、ポリイミド樹脂,エポキシ樹脂,アクリ
ル樹脂,エポキシアクリレート樹脂,有機珪素系樹脂,
及びSOG(Spin on Glass)のうちの何
れか一つを材料として用いることは好ましい。
【0024】又、本発明によれば、上記何れか一つの電
界電子放出装置において、絶縁膜は、フルオレン骨格を
有するエポキシアクリレート樹脂又はベンゾシクロブテ
ン樹脂から成ること、絶縁膜は、300℃以下の加熱温
度条件下により硬化形成されたこと、絶縁膜は、大気中
300℃以上の加熱温度条件下で変色すること、絶縁膜
は、窒素雰囲気中450℃以上の加熱温度条件下で変色
することは、それぞれ好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明の電
界電子放出装置及びその製造方法について、図面を参照
して詳細に説明する。
【0026】最初に、本発明の電界電子放出装置の製造
方法の技術的概要を簡単に説明する。この電界電子放出
装置の製造方法では、CNTを電子源に用いた電界電子
放出装置の製造する際、少なくとも装置の一部の製造工
程中にCNTの表面に保護膜を形成する保護膜形成工程
を実行するものである。
【0027】この保護膜形成工程では、保護膜を導電性
とすると共に、加熱工程、熱処理工程、プラズマ処理工
程、プラズマエッチング工程、気相,プラズマ,液相,
又は固体相の何れか一つにより膜を形成する工程、溶液
によるエッチング又は表面処理を行う工程、レジスト塗
布,レジスト現像,レジスト剥離の工程のうちの少なく
とも一つを実行する。又、保護膜形成工程では、保護膜
がCNTの表面に備えられた状態でプラズマ中に晒す工
程を実行し、更に保護膜の一部を化学エッチングで除去
する工程を実行する。
【0028】その他、CNTを電子源に用いた電界電子
放出装置の製造方法として、CNTの表面にチタン膜を
成膜してから熱処理することでCNTを窒化チタンに改
質する工程を実行したり、CNTの表面にアルミニウム
膜を成膜したり、更に熱処理することでアルミニウムの
微粒子を形成する工程を実行したり、或いはCNTの近
傍に残存する保護膜を直角又は鋭角に尖らせた構造を形
成する工程を実行して電界電子放出装置を作製しても良
い。
【0029】このような電界電子放出装置の製造方法に
より作製された電界電子放出装置では、保護膜の一部が
残存する。この保護膜が導電性であり、且つカソード配
線の機能を兼ね備えた構造であること、保護膜がCNT
の存在しない基板上にも接触して形成されたこと、保護
膜で覆われたCNT上には絶縁膜が積層され、且つ絶縁
膜上にはゲート導電膜が積層されていること、絶縁膜,
ゲート導電膜,及び保護膜の一部が剥離されてCNTが
露出する部分を有すること、絶縁膜は有機物質であるこ
との諸要件を満たせば、それぞれ好ましい。
【0030】上述した諸要件によれば、保護膜で電子放
出特性に大きな影響を与えるCNT表面構造を保護する
ことでCNT本来の電子放出特性を発揮させる作用があ
る。又、保護膜が導電性を持つ場合、カソード配線の機
能を兼ね備えている構造にすれば、カソード配線形成工
程が不要になる。更に、電界電子放出装置において、カ
ソード配線の機能を兼ね備えた保護膜がCNTの表面か
ら連続してCNTの存在しない基板表面上にも接触して
形成されていれば、基板,CNT,及び保護膜の密着性
が良く、別途に配線を設けたときに比べて剥がれ等の不
良の発生を防止できる作用がある。加えて、電界電子放
出装置において、保護膜で覆われたCNT上に絶縁膜と
ゲート導電膜とを積層する構造か、或いは保護膜で覆わ
れたCNT上に絶縁膜とゲート導電膜とを積層し、保護
膜の一部を剥離してCNTが一部露出する構造とすれ
ば、CNTと絶縁層とが直接接触することを防止ぎ、互
いに悪影響を及ぼすことを防止できる作用がある。この
悪影響とは、例えばCNTが絶縁層と接触することでC
NTの電子放出特性が劣化することや、或いは絶縁層が
CNTと接触することで絶縁層の膜厚均一性の不良や絶
縁特性の不良を起こすことが挙げられる。こうした悪影
響を防ぐことで、CNT及びゲート導電膜間の印加電圧
を制御し、電子放出の制御が可能になる。
【0031】この絶縁膜を無機材料としてSOG(Sp
in on Glass)とした場合、ガス放出及び耐
熱性に優れる。更に、絶縁膜を有機物質で形成すれば、
無機物質の絶縁層を形成する際に必要な高温度の焼成工
程が必要無く、比較的低温で焼成が可能となるため、絶
縁層形成工程におけるCNTの燃焼による損傷や焼失を
防ぐ作用がある。
【0032】更に、絶縁膜の材料として感光性樹脂を用
いれば絶縁膜の開口が容易になる。絶縁膜の材料が感光
性樹脂でなければ、別途レジスト等による感光性マスク
を絶縁膜上に形成して開口する必要があるため、製造工
程の工数が増加してしまう。ここで、厚膜である絶縁膜
を除去する場合、ドライエッチングが相応しいが、エッ
チング終了の真近ではドライエッチングガスが保護膜に
曝され、保護膜の小さな孔があってもガスがCNTに損
傷を起こすために電子放出が劣化し、更に長時間のドラ
イエッチングを行った場合にはCNTが喪失してしま
う。又、ウェットプロセスにより絶縁膜を除去する場合
においても、絶縁膜を除去するための現像液及びパター
ン形成用レジストの現像液に保護膜が曝され、保護膜の
小さな孔があるとCNTが薬液に曝されることによりC
NTが損傷を受ける。
【0033】これに対し、絶縁膜の材料として感光性樹
脂を用いた場合、現像液は感光性樹脂を溶解するが、感
光性を面内で均一にしておくことで不要な部分の樹脂を
均一に溶解し易く、その樹脂下に配置されているCNT
には現像液が短時間しか触れないためにCNTの劣化が
少ない。但し、ここでの現像液とは、感光性樹脂に光が
照射された部分又は光が照射されなかった部分を選択的
に除去する液を示すもので、剥離液もその一種類と考え
ることもできる。CNT上部に保護膜を形成している場
合、現像液によって保護膜が損傷する場合がある。例え
ばアルミニウムによる保護膜はアルカリ溶液にも酸性溶
液にも溶解する性質があるので、この場合には絶縁膜の
膜厚及び現像速度と、アルミニウムによる保護膜の膜厚
及びこれが現像液によって侵されるエッチング速度との
関係を調整して保護膜が残存するようにする。現像特性
が面内で均一ならば、現像後に保護膜が現像液に晒され
るため、保護膜を残存させられる条件が容易に得られ
る。
【0034】一方、絶縁膜の材料として有機物質の一例
であるポリイミド樹脂は耐熱性に優れ、ガス放出が少な
い。又、エポキシ樹脂,アクリル樹脂,エポキシアクリ
レート樹脂も、ガス放出が少ないので、真空内で用いる
ことができる。更に、これらの樹脂材料による絶縁膜
は、フルオレン骨格を有するエポキシアクリレート樹脂
又はベンゾシクロブテン(BCB)樹脂であることが好
ましい。これらの骨格を有する樹脂はイオン照射により
分解され難いので、FEDの真空容器内で電子照射及び
イオン降下環境でもガス放出が少ない。
【0035】又、ポリイミド樹脂は硬化時に縮合水を伴
い、分子内に導入されている感光基が脱離するため、感
光時に膜収縮が大きい。このような材料を用いた電子銃
を並べた大型のFEDでは、膜収縮によりパネルが曲が
ってしまったり、膜亀裂が生じる等の問題がある他、絶
縁膜の開口部の形状が膜収縮により歪んで設計通りに開
口部を形成できない。更に、膜収縮の程度を見込んで形
成しても、最終形状にばらつきが生じ、これがFEDの
電子放出にばらつきが生じることになるため、ディスプ
レイに要求される均一性が得られない。加えて、硬化温
度が400℃と高いため、CNTが劣化して電子の放出
効率が悪くなる。
【0036】エポキシ樹脂の場合、低コストの樹脂材料
として良く用いられるが、誘電率が高いことによりゲー
ト−カソード間の容量が増大し、電子銃の高周波数特性
が期待できない上、熱膨張係数が大きいことにより大型
のガラス基板を用いたFEDではプロセス途中で歪が生
じ、歩留まりが劣化する。更に、解像度が悪く、硬化膜
の平坦性が劣るため、個々のエミッタ形状がばらつき、
電子銃の電子放出特性の均一性が悪くなる。
【0037】有機珪素系樹脂の場合、現像液に有機溶媒
を用いるため、露光部の硬化した膜が膨潤することによ
り解像度が悪く、高精細で良好な形状のエミッタ開口が
できない。膨潤により真空内に導入した後、有機溶剤の
長期に及ぶガス放出が見られ、真空度の向上に時間がか
かる。FEDのような真空パネルを長時間高真空に維持
するためには高温条件を維持して長時間の排気が必要に
なり、硬化温度が400℃と高いため、CNTが劣化し
てしまう。
【0038】エポキシアクリレート樹脂の場合、一般に
溶解性に劣り、難燃性現像液による厚膜化や高解像度な
形状を形成する用途には適しておらず、耐熱性及び基板
との密着性が悪いため、電子銃を並べて集積する大型の
FEDではエミッタの形状が制御できずにばらつきが生
じ、ディスプレイの均一性が著しく劣化する。場合によ
っては十分に絶縁膜を開口できず、開口低部に絶縁膜が
残留して開口できないような事態も生じ得る。
【0039】フルオレン骨格を有するエポキシアクリレ
ート樹脂の場合、フルオレン構造に起因する極めて優れ
た耐熱性を有する他、光重合時の収縮率が小さいことに
より得られる高い密着性,優れた透明性,高屈折率を持
ち、しかも厚膜であっても透過度が高くて露光時に光の
直進性が良く、これにより2μm〜100μm程度の厚
膜でも高解像度が得られる。このような材料をFEDに
適用した場合、上述したポリイミド樹脂,エポキシ樹
脂,アクリル樹脂,フルオレン骨格を有していないエポ
キシアクリレート樹脂,並びにSOGと比べ、耐熱性や
厚膜のエミッタホール形成に優れ、下地及びゲート電極
との密着性も良い。特に高解像度なエミッタホール形成
が可能であり、アスペクト比は1以上まで可能である。
因みに、ここでのアスペクト比とは、エミッタホール直
径を基準とした孔深さのことであり、例えばエミッタホ
ール直径20μmに対して孔深さ20μmの場合にアス
ペクト比を1とでき、孔深さ30μmの場合にはアスペ
クト比を1.5とできる。
【0040】これらの絶縁膜材料をCNT電子源に適用
した場合、硬化温度が300℃以下であればCNTの劣
化が生じず、しかも脱ガスの観点では十分に高い熱処理
を一度行っていることで吸着ガス、特に真空容器内壁に
吸着されるガスの主成分である水分を十分に脱離でき
る。この硬化が完了した後、短時間で真空引きすれば容
易に高真空が得られる。FEDをガラス基板に形成した
場合、徐熱及び徐冷を実施しないとガラスが割れてしま
う。特にガラスの軟化点に近い温度、即ち、高温に加熱
する場合にはガラスが割れないように温度変化を緩やか
にしなければならない。硬化温度が300℃と低温であ
るため、比較的温度変化を急にしてもガラスが割れ難い
ことに加え、到達最高温度が低いことによりトータルの
加熱冷却時間が短くすることができる。真空引きの際の
ベーキングについても、到達温度を300℃以下に低く
抑えることでトータルの真空引き時間を短縮することが
できる。
【0041】ベンゾシクロブテン(BCB)樹脂の場
合、硬化温度が200℃〜300℃の範囲でCNTの劣
化を来すことなく硬化でき、耐熱性,低熱膨張率,低吸
水性を有する低誘電率であるため、CNTを用いたFE
Dに適している。即ち、ベンゾシクロブテン(BCB)
樹脂では、300℃で封入工程後に脱ガスすることが可
能であり、このときの膜歪は小さく、これにより大型の
ガラス基板を用いてもガラス歪が小さい。熱工程の際の
保持材の熱膨張も歪に影響を与えるため、300℃以下
での熱処理が好ましい。又、ベンゾシクロブテン(BC
B)樹脂は低給水性であるために、真空下での残留ガス
が少なく、排気時間の短縮や残留ガスによる異常放電を
抑制することができる。残留ガスはイオン化してCNT
に降下してCNTにダメージを与える原因になるため、
こうした観点からも残留ガスを低減できることは望まし
い。従って、ベンゾシクロブテン(BCB)樹脂は、F
EDに好適である。
【0042】一方、電界電子放出装置の製造方法におい
て、金属保護膜がCNTの表面に備えられた状態でプラ
ズマ中に晒しても保護膜があることにより、CNTの微
細構造が消滅することを防ぐ作用がある。又、ここで更
に保護膜の一部を化学エッチングで除去して損傷無いC
NTを露出させて電子源とすれば、CNT本来の電子放
出特性を発揮させる作用がある。
【0043】以下は、幾つかの実施例を参照して電界電
子放出装置の製造方法及びそれにより得られた電界電子
放出装置について具体的に説明する。
【0044】[実施例1]図1(a)〜(d)は、本発
明の実施例1に係る電界電子放出装置の製造方法の具体
例として、カソードプレートと蛍光スクリーンとで構成
される二極管構造エミッタ(電界電子放出装置の中途製
品)の製造工程を段階別に示した側面断面である。
【0045】図1(a)に示される第1の工程では、ガ
ラス基板1上にCNT膜2を成膜する。CNT膜2は、
炭素及び微量の金属添加物で形成されるCNTと、膜状
に形成するためのバインダ成分とで構成されている。C
NT膜2を成膜する場合、バインダとCNTとを混ぜて
ペースト状にしたものをスクリーン印刷の手法を用いて
ガラス基板1上に形成するか、或いは治具上にCNTを
形成してからCNT上又はガラス基板1上にバインダを
形成し、CNT又はCNT及びバインダをガラス基板1
上に転写して固定する方法等でCNT膜2を形成でき
る。
【0046】因みに、CNT膜2は膜自体に微細構造3
を含んでいる。この微細構造3は、通常1ナノメートル
から100ナノメートルの範囲の直径(外径)で長さが
直径の50倍以上である管又は棒状の構成体を1立法m
m当たり百万個以上含んでいる状態である。この微細構
造3の特徴を詳述すると、管又は棒状の構造体の一端が
CNT膜2の表面から一部突き出しており、通常直径
(外径)の5倍以上の長さであるCNTが表面から突き
出し、その箇所が通常表面1平方mm当たり100個以
上存在する。こうした特徴を全て備えた構造に対して、
ここでは微細構造3と呼んでいる。更に、このような微
細構造3の表面に配線となると共に、保護膜としての役
目を果たすアルミニウム膜4を付着すれば図1(b)に
示されるような状態となる。
【0047】図1(b)に示した第2の工程に係るアル
ミニウム膜4を形成する場合、真空装置内での蒸着工程
であるボード加熱蒸着や電子ビーム蒸着、或いはスパッ
タ堆積やCVDといった方法で行う。アルミニウム膜4
の膜厚は微細構造3の直径(外径)に対応して決定し、
直径(外径)の0.1倍から100倍の範囲、好ましく
は2倍から3倍の範囲にする。但し、ここでの膜厚と
は、アルミニウム膜4が平坦な基板上に連続膜として堆
積した場合の平均膜厚として定める。直径(外径)の
0.1倍から100倍の範囲でアルミニウム膜4を付着
させた場合、必ずしも付着部分の全領域で平均膜厚とな
っているとは限らない。又、アルミニウム膜4の膜厚が
CNTの直径の0.1倍から1.5倍の場合にはアルミ
ニウム膜4がCNT膜2を覆っていない部分が存在する
場合も起こり得る。アルミニウム膜4の膜厚をCNT直
径の2倍から3倍の範囲でスパッタ装置により堆積させ
た場合にはCNT膜2をアルミニウム膜4が完全に覆
う。
【0048】因みに、ここでのアルミニウム膜4の膜厚
は600nm以上とすれば良いという結果が得られてい
る。例えばCNT膜2を堆積した後にCNT表面に平坦
なガラス板を接触加圧した後、ガラス板を取り除くとい
う一連の作業を行うと、CNT膜2がガラス基板1に密
着する一方、CNT膜2表面の微細構造3であるチュー
ブ先端の一部が面と垂直方向に立ち上がる現象が起こ
る。この状態でアルミニウムをスパッタした場合、スパ
ッタ膜厚が薄いと膜にピンホールが生じて保護膜として
不足する場合がある。このため、アルミニウム膜4が形
成されたCNT膜2に対してアッシングを行うアッシン
グ工程でのプラズマによる燃焼からCNT膜2を保護す
るためには、アルミニウムスパッタを600nm以上の
膜厚となるように成膜することが必要であるという実験
結果が得られているが、ここでの立ち上がりを抑制する
とアルミニウムスパッタの膜厚は半分に減少できる。
【0049】図1(b)に示す状態を得た後、アルミニ
ウム膜4上に感光性レジストを塗布してからCNT膜2
上の一部だけを残存するように露光及び現像を行う。塗
布から現像までの一連の工程での最高熱処理温度を15
0℃とする。これにより、感光性レジストが一部残存す
る状態でガラス基板1をリン酸溶液等のアルミニウム用
エッチング液に浸漬してアルミニウム膜4を溶解除去し
てから感光性レジストを剥離液で除去し、図1(c)に
示す状態を得る。
【0050】図1(c)に示した第3の工程に係る状態
では、アルミニウム膜4が左隅に部分的に残存してお
り、左隅部分以外ではCNT膜2表面の微細構造3が露
出している。微細構造3はアルミニウム膜4の形成から
レジスト除去までの一連の工程を経ても残存し、このこ
とは走査型電子顕微鏡(SEM)による観察で確認し
た。尚、CNT膜2上のアルミニウム膜4の除去は、微
細構造3が露出している状況下では一部残っていてもエ
ミッションが可能なため、必ずしも完全に行う必要は無
い。
【0051】ところで、この図1(c)に示す状態は、
ガラス基板1を図1(d)に示される第4の工程に係る
状態のようにアルミニウム膜4にウェルダでカソード引
き出し配線7を取り付けてカソードプレート100と呼
ぶことができる。このカソードプレート100は、電子
を放出する基板であり、その表面から1mmの距離に近
接させて蛍光スクリーン5を対向配置する。蛍光スクリ
ーン5がより正の高い電圧になるように蛍光スクリーン
5及びカソードプレート100の間に1kVの電圧を印
加すると、微細構造3から放出電子6が飛び出して蛍光
スクリーン5を発光させ、周囲の磁気に放出電子6の軌
道変化が敏感に反応する。このため、ここで構成される
電界電子放出装置の中途製品は、磁気センサとして使用
されたり、或いは表示パネルやLCDのバックライトに
使用することができる。
【0052】尚、この実施例1では保護膜をアルミニウ
ム膜4としたが、保護膜にはアルミニウム膜4以外のそ
の他の金属として、例えば銅,モリブデン,チタン,タ
ングステン,金,銀等を使用することが可能であり、更
に二酸化珪素や酸化アルミニウム等の絶縁膜で保護した
上でアルミニウム等の電極で引き出す構造に変更しても
良い。
【0053】[実施例2]図1(e),(f)は、本発
明の実施例2に係る電界電子放出装置の製造方法の具体
例として、先の図1(b)の第2の工程乃至図1(d)
の第4の工程に係る状態に代用されるアルミニウムが微
細構造3に被さった状態の電界電子放出装置の製造工程
を各段階として示した側面断面図である。
【0054】図1(e)に示す第4の工程に係る状態で
は、微細構造3に膜厚10nmのアルミニウム膜4が付
着した状態を示しているが、ここではアルミニウム膜4
が微細構造3をプロセスからの反応から保護すると共
に、CNTの微細構造3に覆い被さることにより微細構
造3の一部となり、電子放出機能が依然として保たれ
る。次に、エミッタ以外に堆積した10nmのアルミニ
ウム膜4をリフトオフ等により選択除去し、電極を形成
することにより電子放出装置として動作する。
【0055】これに対し、図1(f)に示す第5の工程
に係る状態では、保護膜としてのアルミニウム膜4が新
たに微細構造3を形成した例であり、図1(e)に示す
第4の工程に係る状態と同様にアルミニウム膜4を付着
した後に真空中で300℃以上に加熱してアルミニウム
膜4を凝集させる。この状態でのアルミニウム膜4は既
に連続膜とは言えない島状に分布したアルミニウム塊4
0の状態となる。このアルミニウムの微粒子により形成
されるアルミニウム塊40の島のあるものは、微細構造
3の管状又は棒状の端部に管又は棒の外径よりも小さな
径の球として付着する。この状態で電子放出装置として
使用する。
【0056】[実施例3]図2(a)〜(f)は、本発
明の実施例3に係る電界電子放出装置の製造方法の具体
例として、ガラス基板上にカソード配線を敷設してから
CNT膜を堆積して成る電子放出装置の製造工程を段階
別に示した側面断面図である。
【0057】ここでは、先ず第1の工程として、ガラス
基板1上にストライプ状にカソード配線8をパターニン
グし、図2(a)に示される局部の斜視図、並びに図2
(b)に示される図2(a)中のA−A’方向の側面断
面図に示されるようなカソード配線8のパターンを得
る。
【0058】次に、第2の工程として、カソード配線8
上にCNT膜2を形成し、図2(c)に示されるような
CNT膜2表面上に微細構造3が形成された状態を得
る。但し、ここでのCNT膜2は、ストライプ上のカソ
ード配線8の各配線上にはみ出すことなく形成されてい
る。
【0059】更に、第3の工程として、図2(c)の第
2の工程に係る状態のガラス基板1上でCNT膜2表面
の微細構造3以外の部分を覆って感光性レジストを塗布
して露光現像を行うことにより、図2(d)に示される
ようなレジスト膜9が形成された状態を得る。但し、こ
こではCNT膜2とレジスト膜9との重なりが1μmと
なるように微細構造3を露出している。
【0060】引き続いて、第4の工程として、図2
(d)の第3の工程に係る状態のガラス基板1を電子ビ
ーム蒸着装置中でアルミニウム蒸着し、図2(e)に示
されるように保護膜としてのアルミニウム膜4がレジス
ト膜9上及び露出した微細構造3上の両方に堆積した状
態を得る。尚、ここでのアルミニウム膜4の堆積膜厚は
100nmである。
【0061】この後、第5の工程として、図2(e)の
第4の工程に係る状態のガラス基板1におけるレジスト
膜9を剥離液で除去して図2(f)に示されるようなレ
ジスト膜9及びその上のアルミニウム膜4が除去された
状態を得る。即ち、ここでの堆積されたアルミニウム膜
4は、露出部端部で段切れしているので、剥離液がアル
ミニウム膜4の下側に浸透してレジスト膜9が除去され
る際、レジスト膜9上のアルミニウム膜4もレジスト膜
9と一緒に除去される。因みに、この手法はリフトオフ
と呼ばれるものである。
【0062】最後に、アルミニウム膜4はリン酸等で除
去した上で電子放出装置として使用する。尚、アルミニ
ウム膜4が実施例2に示したように薄い場合、この状態
で電子放出装置として使用することができる。この他、
リフトオフ後に電極を形成しても電子放出装置として使
用でき、更に場合によっては熱処理工程を施した後に電
子放出装置として使用できる。
【0063】[実施例4]図3(a)〜(d)は、本発
明の実施例4に係る電界電子放出装置の製造方法の具体
例として、ゲート導電膜を備えた三極管構造の電子放出
装置の製造工程を段階別に示した側面断面図である。
尚、ここでは電子放出源である微細構造3をカソード電
極とみなし、且つゲート電極及び電子捕集電極(蛍光ス
クリーンや金属アノード電極)による3つの電極を備え
た構造を三極管構造と呼んでいる。この三極管構造で
は、ゲート電極とカソード電極との間の電位差を調節す
ることで放出電子量を制御できる。
【0064】ここでは、図3(a)に示される第1の工
程が図2(f)に示した状態と同じであるので、説明を
省略する。
【0065】図3(b)に示される第2の工程では、図
3(a)の構造の表面にエポキシ樹脂,アクリル樹脂,
エポキシ・アクリレート樹脂,ポリイミド樹脂の何れか
一つを10μm厚となるようにスピンコートし、200
℃程度の温度で焼成して絶縁層10を形成した後、その
表面に200nm厚となるように金属(例えばタングス
テン,モリブデン,金等)をゲート導電膜11として形
成する。
【0066】この後、図3(c)に示される第3の工程
では、図3(b)に示される状態のガラス基板1におけ
る絶縁層10及びゲート導電膜11に対してドライエッ
チングでエミッタホール12を形成する。ここではCN
Tの微細構造3上にアルミニウム膜4による保護膜があ
るため、ドライエッチング時のイオンの衝撃が微細構造
3の劣化や破壊に影響しない。又、CNT膜2上に直接
絶縁層10を形成する場合、一般にCNT膜2と絶縁膜
材料とが馴染まず、部分的にしか塗布できなかったり、
薄い部分と厚い部分とができて膜厚ムラを生じ易いが、
ここではアルミニウム膜4をCNT膜2上に形成してい
るため、絶縁膜材料との馴染みが良く、均一に塗布でき
る。
【0067】引き続き、図3(d)に示される第4の工
程では、図3(c)に示される状態におけるエミッタホ
ール12内のアルミニウム膜4をリン酸等のアルミニウ
ムのエッチング液で除去した状態を得る。この状態で電
子放出装置として用いる。本実施例を適用する場合、絶
縁層10及びゲート導電膜11を加工するときの劣化を
防止することができる。
【0068】ところで、特に図3(c)に示される第3
の工程で三極管構造の電子放出装置として使用する場合
がある。図3(c)の状態でFEDとして使用する場
合、FEDの薄型容器形態で真空引きをするときに真空
度を10-2Pa台とし、ゲート導電膜11及びカソード
配線8間に放電破壊が起きない18V程度の電位差を与
える。このようにすれば、残留気体の一部がイオン化し
てアルミニウム膜4に突入して次第にアルミニウムを除
去する。微細構造3が露出した時点で電圧印加を停止
し、更に10-4Pa以下の高真空にしてから通常の動作
を行う。
【0069】[実施例5]図4(a)〜(d)は、本発
明の実施例5に係る電界電子放出装置の製造方法の具体
例として、ゲート導電膜を備えた三極管構造の電子放出
装置の製造工程を段階別に示した側面断面図である。
【0070】図4(a)に示される第1の工程では、図
3(a)に示した状態の後、感光性の絶縁膜10を堆積
してから露光現像工程を経てエミッタホール12が形成
された状態を得る。エミッタホール12の直径は20μ
mで孔の深さは5μmである。但し、ここでは図3
(b)の第2の工程のようにゲート導電膜11の付着を
行わない。感光性の絶縁膜10としては、感光性レジス
ト,感光性ポリイミド樹脂,感光性SOG,フルオレン
骨格を有するエポキシアクリレート樹脂又はベンゾシク
ロブテン(BCB)樹脂が挙げられる。現像時の現像液
からの化学的劣化も保護膜となるアルミニウム膜4によ
り生じない。
【0071】次に、図4(b)に示される第2の工程で
は、図4(a)に示した状態の表面にスパッタ装置でア
ルミニウムによるゲート導電膜11を20nm堆積した
状態を得た。
【0072】更に、図4(c)に示される第3の工程で
は、図4(b)に示した状態のゲート導電膜11上にレ
ジスト膜9をスピンコートしてエミッタホール12の位
置とレジスト膜9の除去部分とが一致するように目合わ
せして露光し、現像した状態を得た。
【0073】最後に、図4(d)に示される第4の工程
では、図4(c)に示した状態のエミッタホール12内
のアルミニウムによるゲート導電膜11とアルミニウム
膜4とをリン酸等のアルミニウム用エッチング液を用い
て同時に除去した状態を得る。この状態で電子放出装置
として用いる。
【0074】[実施例6]図5は、実施例6に係る電界
電子放出装置として、ゲート導電膜11がストライプ状
にパターニングされたFEDの基本構成を局部的に破断
して示した斜視図である。
【0075】このFEDは、島状のCNT膜2がガラス
基板1上に間隔をおいて2次元配列されており、CNT
膜2を覆うように水平方向にストライプ状にアルミニウ
ム膜4がパターニングされ、CNT膜2及びアルミニウ
ム膜4の形成されたガラス基板1の表面全体に絶縁層1
0が積層され、エミッタホール12が形成された上でエ
ミッタホール12上部にゲート導電膜11が垂直方向に
ストライプ状にパターニングされて構成されている。
【0076】このFEDにおいて、アルミニウム膜4
は、CNT膜2の形成されてない部分ではガラス基板1
と接触しているため、密着性が良くてカソード配線の役
目も兼ね備えており、ゲート導電膜11とカソード配線
を兼ねたアルミニウム膜4とは互いに直交したストライ
プ状配線となっている他、エミッタホール12の底部は
CNT膜2の微細構造3が露出した構造となっている。
【0077】[実施例7]図6(a),(b)は、本発
明の実施例7に係る電界電子放出装置の製造方法の具体
例として、保護膜と微細構造とが反応する場合の電界電
子放出装置の製造工程を段階別に示した側面断面図であ
る。
【0078】図6(a)に示される第1の工程では、微
細構造3を有するCNT膜2上にアルミニウム膜4に代
えてチタン金属によるチタン膜41を1nm付着させ
る。ここでのチタン膜41は保護膜として作用する。次
に、図6(b)に示される第2の工程では、真空中で5
00℃10分の熱処理を行うことにより、チタン膜41
のチタン金属とCNT膜2中の炭素とが反応して微細構
造3における管状端部に窒化チタンに改質されたチタン
カーバイト42が生成する。この状態で電子放出装置と
して用いる。
【0079】[実施例8]図7は、本発明の実施例8に
係る電界電子放出装置の製造方法の具体例として、上述
した各実施例の電界電子放出装置の製造工程の初期段階
で形成した保護膜のアルミニウム膜4を一部除去した状
態でアルミニウム膜4の角部に電界が集中するように角
部を直角又は鋭角に尖らせた尖り構造アルミニウム43
を形成する工程を示した側面断面図である。
【0080】ここでは、CNT膜2の近傍に直角又は鋭
角に尖らせた尖り構造アルミニウム43を形成して電界
電子放出装置を作製するため、尖り構造アルミニウム4
3の角部に電界が集中する他、この角部に近接して存在
するCNT膜2の微細構造3で更に電界が集中し、これ
によって低閾値で大電流密度を示す電子放出特性が得ら
れる。因みに、尖り構造アルミニウム43の角部に電界
を集中させたくない場合には角部を鈍角に整形すれば良
い。
【0081】[実施例9]本発明の実施例9に係る電界
電子放出装置の製造方法は、上述した図3(a)に示す
構造の表面に絶縁膜としてフルオレン骨格を有するエポ
キシアクリレート樹脂を形成する工程である。
【0082】先ず、スピンコート法により厚さ20μm
のエポキシアクリレート樹脂を図3(a)に示す構造の
表面に形成する。スピンコート法では、回転数を200
0回転として1〜10秒塗布してから温度条件70℃で
40分間オーブンにより乾燥する。
【0083】次に、365nmの紫外線により100〜
1000[mJ/cm2 ]の範囲で露光した後、アルカ
リ現像液として例えば炭酸ソーダを含む現像液を用いて
1分〜10分の範囲の処理時間で現像した後、水洗を行
ってから最後に160℃〜300℃の温度範囲で加熱硬
化させる。
【0084】ここでの硬化に要する熱処理の条件は、加
熱温度により加熱時間が異なるものの、おおよそ加熱温
度160℃では加熱時間90分、加熱温度200℃では
加熱時間60分、加熱温度230℃では加熱時間30
分、加熱温度300℃では加熱時間1分を目安とする場
合を例示できる。
【0085】形成された絶縁膜であるエポキシアクリレ
ート樹脂は、300℃以上の耐熱性を持ち、吸水上も問
題ないため、FEDのような真空下での動作も可能であ
る。又、硬化温度が400℃程度も必要でないため、C
NT膜2の温度による劣化も生じない。更に、窒素等の
不活性ガス雰囲気で処理にすることによりCNT膜2の
高温劣化を防止することもできるが、ここではそのよう
な雰囲気を作るための特殊な装置を設ける必要もない。
【0086】[実施例10]本発明の実施例10に係る
電界電子放出装置の製造方法は、上述した図3(a)に
示す構造の表面に絶縁膜としてフルオレン骨格を有する
ベンゾシクロブテン(BCB)樹脂を形成する工程であ
る。
【0087】先ず、スピンコート法により厚さ20μm
のベンゾシクロブテン(BCB)樹脂を図3(a)に示
す構造の表面に形成する。スピンコート法では、回転数
を1300回転として30〜120秒塗布してから温度
条件70℃で30分オーブンにより乾燥する。
【0088】次に、365nmの紫外線にて100〜1
000[mJ/cm2 ]の範囲で露光した後、実施例9
の場合と同様な現像液を用いて1分〜10分の範囲の処
理時間で現像した後、水洗を行ってから最後に150℃
〜300℃の温度範囲で加熱硬化させる。
【0089】ここでの硬化に要する熱処理の条件におい
ても、加熱温度により加熱時間が異なるものの、おおよ
そ加熱温度150℃では加熱時間120分、加熱温度3
00℃では加熱時間10分を目安とする場合を例示でき
る。
【0090】形成された絶縁膜であるベンゾシクロブテ
ン(BCB)樹脂は、300℃以上の耐熱性を持ち、吸
水上も問題ないため、FEDのような真空下での動作も
可能である。又、硬化温度が400℃程度も必要でない
ため、CNT膜2の硬化温度による劣化も生じない。
【0091】そこで、上述したフルオレン骨格を有する
エポキシアクリレート樹脂及びベンゾシクロブテン(B
CB)樹脂による絶縁膜を形成したCNT膜2を用いた
電子銃と、400℃で加熱硬化したポリイミド樹脂によ
る絶縁膜を形成したCNT膜2を用いた電子銃とにおけ
る電子放出特性を比較したところ、フルオレン骨格を有
するエポキシアクリレート樹脂及びベンゾシクロブテン
(BCB)樹脂を用いた電子銃の場合、ゲート電圧をゲ
ート−CNT膜2間の距離で除して得られる電界強度が
2V/μm、エミッション電流密度が1[mA/c
2 ]となったのに対し、400℃で加熱硬化したポリ
イミド樹脂を用いた電子銃では電界強度が4V/μm、
エミッション電流密度が1[mA/cm2 ]であること
が判った。又、フルオレン骨格を有するエポキシアクリ
レート樹脂及びベンゾシクロブテン(BCB)樹脂を用
いた電子銃の場合、硬化温度を上述した範囲で変更して
も電流密度に差が無く、400℃で加熱硬化したポリイ
ミド樹脂を用いた電子銃ではCNT膜2に劣化が生じて
エミッションが劣化することが判った。
【0092】尚、上述した実施例9及び実施例10に係
る絶縁膜の形成に際して、塗布方法としてスピンコート
法を説明したが、これに代えてダイコート法,カートン
コート法,印刷法を適用しても良い。又、塗布ばかりで
なく、フィルム状の膜をラミネートしてコーティングす
る方法を適用しても良い。但し、フィルム状膜をラミネ
ートしてから樹脂に孔を形成する場合にはスピンコート
不要で絶縁膜を形成できる。又、フィルム状膜をラミネ
ートする前にエミッタホールを形成しておく場合には孔
形成のための現像工程や洗浄工程というウェット処理を
行わないで済むので、CNTが液に晒されない。
【0093】更に、上述した実施例9及び実施例10で
は図3(a)のCNT膜2上に絶縁膜を形成した構造を
説明したが、これに代えてゲート構造を形成した後、C
NT膜2を印刷等によりエミッタホールに形成してから
同様に絶縁膜を形成することができる。このとき、絶縁
膜の硬化温度は高い方が良く、絶縁膜材料の選択に関し
てはポリイミド樹脂が適しているが、エミッタホール形
状の再現性や均一性を考慮した上、ドライエッチング等
の他の方法により再現性や均一性を良くするように形成
することが好ましい。
【0094】加えて、絶縁膜材料として例示した各樹脂
を目的に応じて多層構造としても良い。この場合、多層
構造とすることにより密着性を高めたり、或いはガラス
基板1との膨張率を調整することができる。又、下地,
ゲート電極等との密着性を向上するため、例えばシラン
系カップリング材等のカップリング材を下地や絶縁膜に
塗布しても良いし、或いはバフ研磨等により表面に凹凸
を形成して良好な密着性を得るようにしても良い。
【0095】[実施例11]図8は、実施例11に係る
電界電子放出装置として、ゲート導電膜11がストライ
プ状にパターニングされたFEDの基本構成を局部的に
破断して示した斜視図である。このFEDでは、カソー
ド配線8の表面にチタン金属が露出したことが特徴とな
っている。CNT転写膜は、例えば金表面の配線上より
もチタン金属表面の配線上を転写する方が密着性が良く
なるという実験結果が得られている。金配線上に転写し
たCNT薄膜ではエタノール溶液に浸漬した際にCNT
膜の一部が浮遊してしまうことがあるが、同じ条件にお
いてチタン配線上では浮遊することがない。
【0096】チタン金属が表面に露出したカソード配線
8のFEDにおいては、その後のプロセスでチタン金属
が溶解するような工程を実施できない。そこで、ここで
はゲート配線や保護膜の材料をアルミニウムにしてゲー
ト導電膜11やアルミニウム保護膜46を形成した。ア
ルミニウムは、アルカリ溶液にも溶解するため、チタン
金属を傷めることなくパターニングを行うことができ
る。
【0097】[実施例12]本発明の実施例12に係る
電界電子放出装置は、図8に示したゲート導電膜11が
ストライプ状にパターニングされたFEDにおいて、ゲ
ート導電膜11のアルミニウム(ゲート配線材料の金
属)がエミッタホール内側壁の一部又は全部を覆った状
態でアルミニウム保護膜46をアッシングプラズマに晒
すことを特徴とするものである。
【0098】即ち、このFEDは、以下に説明する部分
以外は図5で説明した場合と同様なもので、エミッタホ
ール12の内側壁には図示のようにエミッタホール残存
アルミ44が付着している。このエミッタホール残存ア
ルミ44の付着の様子を言葉で表現すれば、エミッタホ
ール内側壁の上部から中部まではアルミニウムで完全に
覆われており、エミッタホール底部45では一部エミッ
タホールの樹脂内側壁が露出している。ここで、例えば
200nm厚のアルミニウムをスパッタで堆積した後、
ホトレジストを塗布してエミッタホール径よりも一割小
さなパターンのホトレジストを現像により除去してアル
カリ溶液で溶解すると、端部が内側に丸く出っ張った形
状のエミッタホール底部45が一部溶解して図示のよう
な形状になり、その表面にはカルド樹脂が露出する。エ
ミッタホール底部45のアルミニウム保護膜46は、上
述した一連の工程より予め以前に1ミクロンの厚みで堆
積してあるので、上述したアルカリ溶解液に浸漬した後
も残存している。このアルカリ溶解液の浸漬でアルミニ
ウム保護膜46上のカルド樹脂残さ47の一部がリフト
オフ作用で取り除かれるが、一部のカルド樹脂残さ47
は図示されるように残っている。
【0099】そこで、この状態で酸素プラズマによるア
ッシングを行うと、アッシングによりカルド樹脂残さ4
7は焼失し、その後にホトレジストを塗布してエミッタ
ホール径よりも一割大きなパターンのホトレジストを現
像により除去してアルカリ溶液で溶解すると、エミッタ
ホール内側壁及びエミッタホール底部45のアルミニウ
ムは完全に除去され、エミッタホール底部45近傍のC
NTとゲート導電膜11によるゲート配線とは絶縁状態
となる。
【0100】[実施例13]実施例13は、上述した各
実施例で説明した絶縁膜を感光性材料(有機感光性材料
でも良い)とするもので、図を用いずに説明すれば、例
えば300℃で着色するゲート絶縁膜とする場合を例示
できる。
【0101】感光性樹脂材料としてカルド樹脂を用いた
場合、大気中で350℃に加熱すると、それまで透明で
あったカルド樹脂が狐色に変色する。300℃以下の加
熱では透明なままであるものが狐色の焦げた色になるの
で、一見して変化に気が付くので、例えば作業者が目視
で加熱履歴の異常に気が付くようになる。
【0102】大気中で350℃以上の加熱履歴のFED
パネルは、初期のエミッション効率が悪いだけでなく、
寿命特性も悪い(早くエミッションが減衰する)が、こ
こではカルド樹脂の色をモニタリングしてCNTの状態
を推測することができる。350℃の加熱でも窒素雰囲
気中ならばカルド樹脂は着色されないし、CNTの特性
変化(劣化)もないので、こうした観点によれば350
℃加熱時において窒素雰囲気に異常がなかったか、酸素
混入がなかったかのチェックにも使用することができ
る。
【0103】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明の電界電子放
出装置の製造方法によれば、少なくとも装置の一部の製
造工程中にCNTの表面に保護膜を形成する保護膜形成
工程を実行しているので、製造工程中に発生するCNT
の損傷を防止することができ、CNT本来の低閾値で大
電流密度を示す電子放出特性が十分に確保され、作製さ
れる2極管構造や3極管構造の電界電子放出装置を容易
に高性能なものとして構成することが可能になる。特
に、CNT膜上に絶縁層を堆積させて三極管構造を作製
する場合には、絶縁膜の膜厚を適確に均一にできるとい
う効果を奏する。感光性樹脂をゲート絶縁膜として用い
ることで容易に三極管構造が形成できる上に、焼成温度
が低温であるのでCNTが傷まない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の実施例1に係る電
界電子放出装置の製造方法の具体例として、カソードプ
レートと蛍光スクリーンとで構成される二極管構造エミ
ッタ(電界電子放出装置の中途製品)の製造工程を段階
別に示した側面断面図であり、(e),(f)は、本発
明の実施例2に係る電界電子放出装置の製造方法の具体
例として、(b)の状態と(c)の状態とに代用される
アルミニウム膜が微細構造に被さった状態の電界電子放
出装置の製造工程を各段階として示した側面断面図であ
る。
【図2】(a)〜(f)は、本発明の実施例3に係る電
界電子放出装置の製造方法の具体例として、ガラス基板
上にカソード配線を敷設してからCNT膜を堆積して成
る電子放出装置の製造工程を段階別に示した側面断面図
である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の実施例4に係る電
界電子放出装置の製造方法の具体例として、ゲート導電
膜を備えた三極管構造の電子放出装置の製造工程を段階
別に示した側面断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の実施例5に係る電
界電子放出装置の製造方法の具体例として、ゲート導電
膜を備えた三極管構造の電子放出装置の製造工程を段階
別に示した側面断面図である。
【図5】実施例6に係る電界電子放出装置として、ゲー
ト導電膜がストライプ状にパターニングされたFEDの
基本構成を局部的に破断して示した斜視図である。
【図6】(a),(b)は、本発明の実施例7に係る電
界電子放出装置の製造方法の具体例として、保護膜と微
細構造とが反応する場合の電界電子放出装置の製造工程
を段階別に示した側面断面図である。
【図7】本発明の実施例8に係る電界電子放出装置の製
造方法の具体例として、上述した各実施例の電界電子放
出装置の製造工程の初期段階で形成した保護膜のアルミ
ニウム膜を一部除去した状態でアルミニウム膜の角部に
電界が集中するように角部を直角又は鋭角に尖らせた尖
り構造アルミニウムを形成する工程を示した側面断面図
である。
【図8】実施例11,12に係る電界電子放出装置とし
て、ゲート導電膜がストライプ状にパターニングされた
FEDの基本構成を局部的に破断して示した斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 CNT膜 3 微細構造 4 アルミニウム膜 5 蛍光スクリーン 6 放出電子 7 カソード引き出し配線 8 カソード配線 9 レジスト膜 10 絶縁膜 11 ゲート導電膜 12 エミッタホール 40 アルミニウム塊 41 チタン膜 42 チタンカーバイト 43 尖り構造アルミニウム 44 エミッタホール残存アルミ 45 エミッタホール底部 46 アルミニウム保護膜 47 カルド樹脂残さ 100 カソードプレート

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンナノチューブを電子源に用いた
    電界電子放出装置の製造方法において、少なくとも装置
    の一部の製造工程中に前記カーボンナノチューブの表面
    に保護膜を形成する保護膜形成工程を有することを特徴
    とする電界電子放出装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電界電子放出装置の製造
    方法において、前記保護膜形成工程では、加熱工程、熱
    処理工程、プラズマ処理工程、プラズマエッチング工
    程、気相,プラズマ,液相,又は固体相の何れか一つに
    より膜を形成する工程、溶液によるエッチング又は表面
    処理を行う工程、レジスト塗布,レジスト現像,レジス
    ト剥離の工程のうちの少なくとも一つを実行することを
    特徴とする電界電子放出装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電界電子放出装置
    の製造方法において、前記保護膜形成工程では、前記保
    護膜を導電性とすることを特徴とする電界電子放出装置
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一つに記載の電界
    電子放出装置の製造方法において、前記保護膜形成工程
    では、前記保護膜が前記カーボンナノチューブの表面に
    備えられた状態でプラズマ中に晒す工程を含むことを特
    徴とする電界電子放出装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電界電子放出装置の製造
    方法において、前記保護膜形成工程では、更に前記保護
    膜の一部を化学エッチングで除去する工程を含むことを
    特徴とする電界電子放出装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか一つに記載の電界
    電子放出装置の製造方法において、前記保護膜としてア
    ルミニウムを用いたことを特徴とする電界電子放出装置
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の電界電子放出装置の製造
    方法において、前記アルミニウムは、膜厚が600nm
    以上であることを特徴とする電界電子放出装置の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載の電界電子放出装置
    の製造方法において、前記カーボンナノチューブをチタ
    ン金属配線上に堆積して成ることを特徴とする電界電子
    放出装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか一つに記載の電界
    電子放出装置の製造方法において、前記保護膜が表面に
    形成された前記カーボンナノチューブに対してアッシン
    グを行った後にゲート金属を堆積する工程を含むことを
    特徴とする電界電子放出装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8の何れか一つに記載の電
    界電子放出装置の製造方法において、前記保護膜に対し
    てゲート金属を堆積及びパターニングした後にアッシン
    グプラズマに晒す工程を含むことを特徴とする電界電子
    放出装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の電界電子放出装置の
    製造方法において、前記ゲート金属によりエミッタホー
    ル内側壁の一部又は全部を覆った状態で前記保護膜を前
    記アッシングプラズマに晒すことを特徴とする電界電子
    放出装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の電界電子放出装置の
    製造方法において、前記保護膜を前記アッシングプラズ
    マに晒した後に前記エミッタホール内側壁を覆った前記
    ゲート金属を除去する工程を含むことを特徴とする電界
    電子放出装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 カーボンナノチューブを電子源に用い
    た電界電子放出装置の製造方法において、前記カーボン
    ナノチューブの表面にチタン膜を成膜してから熱処理す
    ることで該カーボンナノチューブを窒化チタンに改質す
    る工程を有することを特徴とする電界電子放出装置の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 カーボンナノチューブを電子源に用い
    た電界電子放出装置の製造方法において、前記カーボン
    ナノチューブの表面にアルミニウム膜を成膜してから熱
    処理することでアルミニウムの微粒子を形成する工程を
    有することを特徴とする電界電子放出装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 カーボンナノチューブを電子源に用い
    た電界電子放出装置の製造方法において、前記カーボン
    ナノチューブの近傍に残存する前記保護膜を直角又は鋭
    角に尖らせた構造を形成する工程を有することを特徴と
    する電界電子放出装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15の何れか一つに記載の
    電界電子放出装置の製造方法により作製された電界電子
    放出装置であって、前記保護膜の一部が残存することを
    特徴とする電界電子放出装置。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の電界電子放出装置に
    おいて、前記保護膜は導電性であり、且つカソード配線
    の機能を兼ね備えた構造であることを特徴とする電界電
    子放出装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の電界電子放出装置に
    おいて、前記保護膜は、カーボンナノチューブの存在し
    ない基板上にも接触して形成されたことを特徴とする電
    界電子放出装置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の電界電子放出装置に
    おいて、前記保護膜で覆われた前記カーボンナノチュー
    ブ上には絶縁膜が積層され、且つ該絶縁膜上にはゲート
    導電膜が積層されていることを特徴とする電界電子放出
    装置。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の電界電子放出装置に
    おいて、前記絶縁膜,前記ゲート導電膜,及び前記保護
    膜の一部が剥離されて前記カーボンナノチューブが露出
    する部分を有することを特徴とする電界電子放出装置。
  21. 【請求項21】 請求項17〜20の何れか一つに記載
    の電界電子放出装置において、カソード配線又はカーボ
    ンナノチューブとゲート導電膜との間に設けられる絶縁
    膜を有機物質としたことを特徴とする電界電子放出装
    置。
  22. 【請求項22】 請求項17〜20の何れか一つに記載
    の電界電子放出装置において、カソード配線又はカーボ
    ンナノチューブとゲート導電膜との間に設けられる絶縁
    膜を感光性材料としたことを特徴とする電界電子放出装
    置。
  23. 【請求項23】 請求項17〜20の何れか一つに記載
    の電界電子放出装置において、カソード配線又はカーボ
    ンナノチューブとゲート導電膜との間に設けられる絶縁
    膜を有機感光性材料としたことを特徴とする電界電子放
    出装置。
  24. 【請求項24】 請求項17〜20の何れか一つに記載
    の電界電子放出装置において、カソード配線又はカーボ
    ンナノチューブとゲート導電膜との間に設けられる絶縁
    膜を加熱履歴に応じて変色する材料としたことを特徴と
    する電界電子放出装置。
  25. 【請求項25】 請求項21〜24の何れか一つに記載
    の電界電子放出装置において、前記絶縁膜は、ポリイミ
    ド樹脂,エポキシ樹脂,アクリル樹脂,エポキシアクリ
    レート樹脂,有機珪素系樹脂,及びSOG(Spin
    on Glass)のうちの何れか一つを材料として用
    いたことを特徴とする電界電子放出装置。
  26. 【請求項26】 請求項21〜25の何れか一つに記載
    の電界電子放出装置において、前記絶縁膜は、フルオレ
    ン骨格を有するエポキシアクリレート樹脂又はベンゾシ
    クロブテン樹脂から成ることを特徴とする電界電子放出
    装置。
  27. 【請求項27】 請求項21〜26の何れか一つに記載
    の電界電子放出装置において、前記絶縁膜は、300℃
    以下の加熱温度条件下により硬化形成されたことを特徴
    とする電界電子放出装置。
  28. 【請求項28】 請求項21〜27の何れか一つに記載
    の電界電子放出装置において、前記絶縁膜は、大気中3
    00℃以上の加熱温度条件下で変色することを特徴とす
    る電界電子放出装置。
  29. 【請求項29】 請求項21〜28の何れか一つに記載
    の電界電子放出装置において、前記絶縁膜は、窒素雰囲
    気中450℃以上の加熱温度条件下で変色することを特
    徴とする電界電子放出装置。
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