JP2002187708A - 硫酸転化器用熱交換器の運転方法 - Google Patents

硫酸転化器用熱交換器の運転方法

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JP2002187708A
JP2002187708A JP2000386826A JP2000386826A JP2002187708A JP 2002187708 A JP2002187708 A JP 2002187708A JP 2000386826 A JP2000386826 A JP 2000386826A JP 2000386826 A JP2000386826 A JP 2000386826A JP 2002187708 A JP2002187708 A JP 2002187708A
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sulfuric acid
heat exchanger
converter
heat transfer
transfer tube
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Yoshihisa Tokumasu
善久 徳増
Hajime Kuratomi
一 蔵富
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫酸ミストの存在下でも伝熱管の腐食を抑制
する。 【解決手段】 硫酸転化用熱交換器1の胴2内には、複
数の伝熱管3が配置される。硫酸転化用熱交換器1は、
二酸化硫黄から三酸化硫黄への転化器から三酸化硫黄の
硫酸への吸収塔までの間に設置され、伝熱管3の周囲の
雰囲気4には、吸収塔からの出口ガスが導入される。吸
収塔出口ガスには、腐食性が強い硫酸ミストが多く含ま
れる。硫酸ミストを含む雰囲気4に、二酸化窒素NO2
や三酸化窒素NO3 などを添加することによって、伝熱
管3の表面は不働態化される。伝熱管3の材料にオース
テナイト系ステンレス鋼を使用すれば、硫酸ミストに対
する耐食性を飛躍的を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫酸製造時に、二
酸化硫黄を接触式で三酸化硫黄に転化する硫酸転化器と
ともに用いる硫酸転化器用熱交換器の運転方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、図5に示すような基本プロセ
スで、硫酸が工業的に製造されている。二酸化硫黄(S
2 )は、硫黄の燃焼で発生させたり、金属製錬廃ガス
から回収したりしている。二酸化硫黄は、酸化によって
三酸化硫黄(SO3 )に転化される。二酸化硫黄を三酸
化硫黄に転化する反応は、発熱を伴う可逆反応である。
工業的に広く行われている接触式では、反応を有利にす
るための触媒を用いて転化を行う。反応温度が低いと反
応速度が小さくなる一方、発熱反応なので、生産性を高
めるために反応を促進させようとすると、触媒が過熱し
てしまう恐れがある。触媒の作用には適切な温度条件に
保つことが必要である。適切な温度条件を満たすように
転化を行い、かつ生産時のエネルギ効率などを向上させ
るために、転化の前後で熱交換器が使用される。転化さ
れた三酸化硫黄は、水や硫酸に吸収させ、硫酸(H2
4)が製造される。
【0003】たとえば、三酸化硫黄への転化を行う転化
器と、三酸化硫黄を硫酸に吸収させる吸収塔との間で使
用される熱交換器では、吸収塔から得られ、硫酸ミスト
を含む吸収塔出口ガスを胴内に流し、伝熱管内を流れる
三酸化硫黄を含む気体と熱交換して三酸化硫黄を冷却す
る。吸収塔出口ガスには、吸収塔で吸収されなかった三
酸化硫黄や、転化器で三酸化硫黄に転化されなかった二
酸化硫黄が含まれており、転化器に戻して再度三酸化硫
黄への転化を図るようにする。熱交換器では、転化器に
戻す吸収塔出口ガスについては加熱を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図5に示すような接触
式転化を行う硫酸製造プロセスでは、熱交換器が重要な
役割を果している。しかしながら、熱交換器では腐食性
が強い硫酸ミストを含む吸収塔出口ガス中に伝熱管が配
置されているので、伝熱管の外周面が腐食しやすい。た
とえば、伝熱管に、CR−1Aの商品名で呼ばれる1.
25%のクロム(Cr)と0.25%の銅(Cu)とを
含む耐硫酸露点腐食鋼を使用しても、年間約20〜10
0g/m2hr程度の速度で腐食してしまう。SUS3
04やSUS316などのステンレス鋼を使用しても、
約4〜30g/m2hr程度の速度で腐食してしまうこ
とが判明している。
【0005】熱交換器の胴体の内面などは、耐食性被覆
などを施して硫酸ミストに対する耐食性を増大させるこ
とができる。しかしながら、伝熱管の表面に対しては、
伝熱性能を阻害するような防食対策を採ることができな
い。
【0006】本発明の目的は、硫酸ミストの存在下でも
伝熱管の腐食を抑制することができる硫酸転化器用熱交
換器の運転方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、硫酸製造のた
めに、二酸化硫黄を三酸化硫黄に転化させる硫酸転化器
と併用して運転され、硫酸ミストを含むガスを胴内に流
し、胴内に配置される伝熱管内の流体と熱交換する硫酸
転化器用熱交換器の運転方法において、硫酸ミストを含
む気体中に、酸化窒素(NOx)を添加することを特徴
とする硫酸転化器用熱交換器の運転方法である。
【0008】本発明に従えば、硫酸転化用熱交換器で
は、吸収塔などからの硫酸ミストを含むガスを胴内に流
し、胴内に配置される伝熱管内を流れる流体と熱交換さ
せる。硫酸ミストを含む気体は、硫酸ミストに腐食性が
強いので、伝熱管の外周が腐食しやすい。硫酸ミストを
含む気体中に、酸化窒素(NOx)を添加すると、酸化
窒素によって伝熱管の表面が不働態化し、硫酸ミストへ
の耐性を飛躍的に高めることができる。酸化窒素の添加
量は、硫酸の純度に影響を与えない程度に留めても、有
効に伝熱管の表面を不働態化して、防食効果を高めるこ
とができる。
【0009】また本発明は、前記伝熱管の材料に、オー
ステナイト系ステンレス鋼を使用することを特徴とす
る。
【0010】本発明に従えば、伝熱管の材料にオーステ
ナイト系ステンレス鋼を使用するので、酸化窒素の存在
下で容易に不働態化が可能となり、硫酸ミストに対する
耐久性を容易に向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態と
しての硫酸転化用熱交換器1の簡略化した断面構成を示
す。硫酸転化用熱交換器1の胴2内には、複数の伝熱管
3が配置される。この硫酸転化用熱交換器1は、二酸化
硫黄から三酸化硫黄への転化器から三酸化硫黄の硫酸へ
の吸収塔までの間に設置され、伝熱管3の周囲の雰囲気
4には、吸収塔からの出口ガスが導入される。吸収塔出
口ガスには、硫酸ミストが多く含まれ、腐食性が強い。
本実施形態では、硫酸ミストを含む雰囲気4に、二酸化
窒素(NO2 )や三酸化窒素(NO3 )などの酸化窒素
(NOx)を添加してある。酸化窒素の添加によって、
伝熱管3の表面は不働態化され、硫酸ミストに対する耐
性が飛躍的を向上させることができる。
【0012】図2は、図1の硫酸転化器用熱交換器1を
含む硫酸製造装置10の部分的な構成を示す。転化器1
1で二酸化硫黄から三酸化硫黄への転化を行い、吸収塔
12で硫酸中に吸収させる。転化器11と吸収塔12と
の間に、硫酸転化器用熱交換器1が配置される。硫酸転
化器用熱交換器1の胴2内には、吸収塔12からの出口
ガスが導入される。吸収塔出口ガスの導入経路には、酸
化窒素添加器13が設けられ、酸化窒素を添加する。硫
酸転化器用熱交換器1の伝熱管3には、転化器11から
の三酸化硫黄を含むガスが導入される。
【0013】転化器11中には、酸化バナジウム(V2
5)などを主成分とする触媒14が担体を用いて保持
されている。二酸化硫黄を三酸化硫黄に転化する反応
は、触媒14の一部に液相が生成される400〜500
℃程度の温度で行われる。転化器11には、それぞれ1
0%程度の二酸化硫黄と酸素とを含み、残りの大部分が
窒素であるガスが導入される。転化器11に導入される
ガスは、予熱によって昇温させておく必要があり、予熱
用にも熱交換器が使用される。転化器11内では、90
%以上の転化率で、二酸化硫黄が三酸化硫黄に転化され
る。
【0014】転化器11で転化された三酸化硫黄は、吸
収塔12で硫酸中に吸収される。三酸化硫黄ガスは直接
水に吸収させると水蒸気に触れて硫酸ミストを多く発生
させ、回収が困難になる。硫酸は濃度98.3%で蒸気
圧が最低となるため、三酸化硫黄の吸収は98%程度の
濃度の硫酸によって行われる。98%硫酸に三酸化硫黄
を吸収すると、濃度が100%の硫酸や、過剰に三酸化
硫黄を吸収している発煙硫酸を得ることができる。これ
らの高濃度の硫酸は、水などを加えて濃度を調整し、製
品として取出し、一部は循環させて三酸化硫黄の吸収に
用いる。
【0015】転化器11から硫酸転化器用熱交換器1の
伝熱管3を経て吸収塔12に導入される三酸化硫黄は、
全部が吸収塔12で吸収されるわけではない。三酸化硫
黄の一部は、吸収塔12内では吸収されずに、出口側に
流出してしまう。現在主流になっている接触式硫酸製造
法でも二重接触式と呼ばれる方式では、転化器11の触
媒14と接触させたガスから吸収塔12でいったん三酸
化硫黄を硫酸として除去し、残ったガスである吸収塔出
口ガスを再び転化器11の触媒14と接触させる。本実
施形態の硫酸転化器用熱交換器1では、転化器11で転
化した三酸化硫黄を含むガスを冷却するとともに、吸収
塔出口ガスを昇温させて、効率よく転化器11での転化
反応に供することができる。
【0016】本実施形態での硫酸転化器用熱交換器1の
運転条件は、伝熱管3に9%の二酸化硫黄を主体とする
ガスを導入し、胴2内に硫酸ミストを含む吸収塔出口ガ
スを導入する。硫酸ミストの組成は、95%が硫酸で、
0.85%が三酸化硫黄であり、1.0%が二酸化硫黄
であり、残りが水である。伝熱管3の入口側での温度
は、たとえば330〜360℃である。伝熱管3の出口
側での温度は、208〜300℃である。胴2には、入
口側でたとえば55℃のガスが導入され、出口側からは
228℃に昇温された気体が転化器11の前段側に戻さ
れる。酸化窒素転化器13による酸化窒素の添加量は、
約20〜30cc/日程度とする。
【0017】図3および図4は、伝熱管3の腐食度と温
度との関係についての腐食テスト結果を示す。図3は酸
化窒素を含む硫酸中での腐食度と温度との関係を示し、
図4は酸化窒素を含まない硫酸中での腐食度と温度との
関係を示す。図3に示すような95%の硫酸中に1.0
%の二酸化窒素と0.85%の三酸化窒素とが含まれる
条件では、図4に示すような95%硫酸中よりも腐食度
が小さいことが判る。図3および図4で、実線は液相中
での結果を示し、破線は気相中での結果を示す。横軸の
温度は液相の温度を示し、気相の温度は( )で囲んで
示す。「CR−1A」は1.25%Crと0.25%C
uとを含む耐硫酸露点腐食鋼についてであり、「30
4」および「316」は、それぞれオーステナイト系ス
テンレス鋼のSUS304およびSUS316鋼種であ
ることを示す。液相と気相との区別は、「L」と「G」
とでも示す。図3では140〜180℃では気相部はほ
ぼ透明であり、200〜220℃では気相部は白煙がた
だよう状態となる。図4では、140〜220℃で気相
部は白煙がただよう状態となる。図3および図4では、
温度が上昇するほど白煙が多くなる。
【0018】図3では、特に液相中で、SUS304お
よびSUS316の腐食度が0.01g/m2 hr以下
になっていることに注目される。図4に示すような液相
中での腐食度が20〜100g/m2 hrである状態に
比較して、1/100〜1/10000以下になってい
る。
【0019】次の表1は、図3のテスト結果と図4のテ
スト結果とを比較して示す。数値は腐食度であり、単位
はg/m2 hrである。
【0020】
【表1】
【0021】オーステナイト系ステンレス鋼でも、耐硫
酸露点腐食鋼でも、酸化窒素を添加することによって、
耐食性が飛躍的に向上していることが判る。このような
飛躍的な耐食性の向上は、硫酸ミストに含まれる二酸化
窒素と三酸化窒素とによる表面の不働態化が大きく寄与
していると考えられる。特にオーステナイト系ステンレ
ス鋼では、表面の不働態化効果が顕著に現れているもの
と考えられる。
【0022】本実施形態では、酸化窒素転化器13を吸
収塔出口ガスの硫酸転化器用熱交換器1への導入経路に
設けているけれども、硫酸転化器用熱交換器1に直接添
加したり、吸収塔12内などに添加したりすることもで
きる。また、本発明を転化器11と吸収塔12との間に
設けられる熱交換器について適用する場合について説明
しているけれども、硫酸製造装置で用いられる熱交換器
で硫酸ミストによる腐食が問題になる部分には、本発明
を同様に適用することができる。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、硫酸転化
用熱交換器の胴内に、腐食性が強い硫酸ミストを含む気
体が流れても、酸化窒素を添加するので、伝熱管の表面
が不働態化し、硫酸ミストへの耐性を飛躍的に高めるこ
とができる。酸化窒素の添加量は、硫酸の純度に影響を
与えない程度に留めても、有効に伝熱管の表面を不働態
化して、防食効果を高めることができる。
【0024】また本発明によれば、伝熱管の材料にオー
ステナイト系ステンレス鋼を使用し、酸化窒素の存在下
で表面を不働態化して、硫酸ミストに対する耐久性を容
易に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としての硫酸転化用熱交
換器1の簡略化した正面断面図である。
【図2】図1の硫酸転化器用熱交換器1を含む硫酸製造
装置10の部分的な構成を示す簡略化した配管系統図で
ある。
【図3】酸化窒素を添加した硫酸中での腐食テスト結果
を示すグラフである。
【図4】硫酸中での腐食テスト結果を示すグラフであ
る。
【図5】硫酸製造の基本プロセスを示す工程図である。
【符号の説明】
1 硫酸転化用熱交換器 2 胴 3 伝熱管 4 雰囲気 5 不働態 10 硫酸製造装置 11 転化器 12 吸収塔 13 酸化窒素添加器 14 触媒

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸製造のために、二酸化硫黄を三酸化
    硫黄に転化させる硫酸転化器と併用して運転され、硫酸
    ミストを含むガスを胴内に流し、胴内に配置される伝熱
    管内の流体と熱交換する硫酸転化器用熱交換器の運転方
    法において、 硫酸ミストを含む気体中に、酸化窒素(NOx)を添加
    することを特徴とする硫酸転化器用熱交換器の運転方
    法。
  2. 【請求項2】 前記伝熱管の材料に、オーステナイト系
    ステンレス鋼を使用することを特徴とする請求項1記載
    の硫酸転化器用熱交換器の運転方法。
JP2000386826A 2000-12-20 2000-12-20 硫酸転化器用熱交換器の運転方法 Pending JP2002187708A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1610083A1 (en) * 2004-06-23 2005-12-28 Chin-Chan Hsien Energy-conducting pipe for rapid energy conduction
CN114484870A (zh) * 2022-04-18 2022-05-13 扬州金桃化工设备有限公司 一种硫酸转化器均匀升温的预热装置及其预热方法

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