JP2002202018A - 燃料ポンプ - Google Patents

燃料ポンプ

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JP2002202018A JP2001026269A JP2001026269A JP2002202018A JP 2002202018 A JP2002202018 A JP 2002202018A JP 2001026269 A JP2001026269 A JP 2001026269A JP 2001026269 A JP2001026269 A JP 2001026269A JP 2002202018 A JP2002202018 A JP 2002202018A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トロコイドギヤ式燃料ポンプのポンプケーシ
ングに対するアウタギヤの摺動抵抗(摩擦損失)を低減
し、且つ、吐出圧力の脈動を低減する。 【解決手段】 アウタギヤ24の内周側に、2つのイン
ナギヤ25,26を仕切壁28を挟んで重ね合わせて偏
心配置すると共に、両インナギヤ25,26の偏心方向
を互いに180°反対側にずらす。これにより、1つの
アウタギヤ24に対して、2つのインナギヤ25,26
から燃圧上昇による外径方向の荷重が互いに180°反
対側に作用して、偏荷重とならず、円筒ケーシング21
に対するアウタギヤ24の摺動抵抗が小さくなる。ま
た、アウタギヤ24の歯数を奇数とし、インナギヤ2
5,26の歯数を偶数とする。これにより、2つのイン
ナギヤ25,26の回転位相が半ピッチずれ、2つのイ
ンナギヤ25,26の吐出圧力の脈動波の位相が該脈動
波の半周期分ずれ、吐出圧力脈動が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アウタギヤの内周
側にインナギヤを偏心配置して構成したトロコイドギヤ
式の燃料ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両に搭載する燃料ポンプの燃料
吐出性能を高めるために、トロコイドギヤ式の燃料ポン
プを採用することが検討されている。このトロコイドギ
ヤ式の燃料ポンプは、図7に示すように、円筒型のポン
プケーシング1内に回転自在に収容した内歯付きのアウ
タギヤ2の内周側に外歯付きのインナギヤ3を偏心配置
すると共に、両ギヤ2,3を噛み合わせて両ギヤ2,3
の歯間にポンプ室4を形成し、駆動モータ(図示せず)
によりインナギヤ3を回転駆動してアウタギヤ2を回転
させることで、両ギヤ2,3の歯間のポンプ室4を回転
方向に移動させながら、該ポンプ室4の容積を連続的に
増加・減少させて燃料を吸入・吐出するようになってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなトロコイド
ギヤ式の燃料ポンプは、ポンプ室4の容積変化を繰り返
すため、インナギヤ3の歯数に応じた周波数の吐出圧力
脈動が発生し、その吐出圧力脈動により燃料タンク、燃
料配管、車両のフロアパネル等を振動させて、騒音・振
動が大きくなる欠点がある。このため、トロコイドギヤ
式の燃料ポンプを用いる場合は、低騒音化・低振動化の
ために、燃料ポンプの外部に吐出圧力脈動低減装置を取
り付けたり、車体に遮音材を張り付ける等の騒音対策を
施す必要があり、コスト高になるという欠点がある。
【0004】ところで、トロコイドギヤ式の燃料ポンプ
は、両ギヤ2,3の回転によりポンプ室4の容積が増加
する領域でポンプ室4内に燃料を吸入した後、該ポンプ
室4の容積が減少する領域でポンプ室4内の燃料を昇圧
して吐出するようになっている。この際、ポンプ室4の
容積が減少する吐出領域では、ポンプ室4内の燃料が加
圧されて燃料圧力(燃圧)が上昇するため、その燃圧上
昇によってアウタギヤ2に外径方向の荷重がかかる。こ
のような燃圧上昇による外径方向の荷重は、ポンプ室4
内の燃圧が低下する吸入領域(吸入ポート側)では発生
しないため、アウタギヤ2に対する外径方向の荷重は、
ポンプ室4の燃圧が上昇する吐出領域(吐出ポート側)
のみに働き、これが偏荷重となって、アウタギヤ2の吐
出ポート側の一部分がポンプケーシング1の内周面に強
く押しつけられた状態となる。このため、ポンプケーシ
ング1に対するアウタギヤ2の摺動抵抗(摩擦損失)が
大きくなり、その分、駆動モータの負荷が大きくなっ
て、消費電力が増加したり、燃料吐出性能の低下(ポン
プ回転速度の低下)を招くという欠点がある。
【0005】本発明はこれらの事情を考慮してなされた
ものであり、第1の目的は、吐出圧力の脈動による騒音
・振動を低コストで低減できる燃料ポンプを提供するこ
とであり、また、第2の目的は、ポンプケーシングに対
するアウタギヤの摺動抵抗(摩擦損失)を低減して、駆
動モータの消費電力低減、燃料吐出性能向上を実現でき
る燃料ポンプを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の請求項1のトロコイドギヤ式の燃料
ポンプは、アウタギヤとインナギヤとからなるポンプを
2つ設け、これら2つのポンプの吐出圧力脈動の位相が
ほぼ半波長分(半周期)ずれて干渉しながら合流するよ
うに構成したものである。このようにすれば、一方のポ
ンプから吐出される燃料の圧力脈動波が山の時に他方が
谷となり、2つのポンプの吐出圧力脈動が互いに干渉し
て打ち消し合うようになり、それによって、燃料ポンプ
の吐出圧力脈動が大幅に低減されて、吐出圧力脈動によ
る騒音・振動が大幅に低減される。これにより、従来の
騒音対策(吐出圧力脈動低減装置や遮音材等)が不要と
なり、低コストで低騒音・低振動を実現できる。
【0007】この場合、2つのポンプの吐出圧力脈動の
位相がほぼ半波長分ずれて合流する構成は、次の2通り
の構成が考えられる。例えば、2つのポンプの吐出ポー
トから燃料合流部までの燃料流路の長さをほぼ半波長分
(又は半波長分の奇数倍)ずらした構成とすれば、燃料
合流部で2つの吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ずれ
て、吐出圧力脈動が互いに干渉して打ち消し合う。しか
し、この構成では、2つのポンプの吐出ポートから燃料
合流部までの燃料流路をある程度長くする必要があり、
その分、燃料ポンプが大型化する欠点がある。
【0008】そこで、請求項2のように、2つのポンプ
の回転位相をほぼ半ピッチずらした構成とすると良い。
このようにすれば、2つのポンプの吐出ポートの吐出圧
力脈動の位相がほぼ半波長分ずれるため、2つのポンプ
の吐出ポートから燃料合流部までの燃料流路の長さが半
波長分(又は半波長分の奇数倍)ずれていなくても、燃
料合流部で2つの吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ず
れて、吐出圧力脈動が互いに干渉して打ち消し合う。こ
のため、2つのポンプの吐出ポートの近傍で燃料を合流
させる構成を採用することができ、その分、燃料ポンプ
を小型化できる利点がある。
【0009】また、請求項3のように、2つのポンプの
アウタギヤを一体に形成し、1つのアウタギヤの内周側
に2つのインナギヤを仕切壁を挟んで重ね合わせた状態
で偏心配置すると共に、アウタギヤに対する両インナギ
ヤの偏心方向を互いに180°反対側にずらした構成と
しても良い。この構成では、アウタギヤの内周側に配置
された2つのインナギヤは、各々の偏心方向が互いに1
80°反対側にずれているため、2つのインナギヤは、
燃圧上昇側(吐出ポート)が互いに180°反対側にず
れる。これにより、1つのアウタギヤに対して2つのイ
ンナギヤから燃圧上昇による外径方向の荷重が互いに1
80°反対側に作用するため、アウタギヤに作用する外
径方向の荷重がバランスして、アウタギヤにほとんど偏
荷重が作用しなくなる。このため、燃圧によってアウタ
ギヤがポンプケーシングの内周面に強く押しつけられた
状態とならず、ポンプケーシングに対するアウタギヤの
摺動抵抗(摩擦損失)が従来より小さくなり、その分、
駆動モータの負荷が小さくなって、消費電力が少なくな
る。しかも、アウタギヤ内の2つのインナギヤで燃料を
吸入・吐出するため、上述した摺動抵抗低減効果と相俟
って、燃料吐出性能を効果的に高めることができる。こ
れにより、請求項3の構成は、前記第1の目的と第2の
目的の両方を達成することができる。
【0010】また、請求項4のように、2つのポンプの
アウタギヤを別体に形成し、各アウタギヤの内周側に1
つのインナギヤを偏心配置したポンプを2つ重ね合わせ
るように配置すると共に、両ポンプ間でギヤの偏心方向
を互いに180°反対側にずらした構成としても良い。
このように構成しても、両ポンプ間で燃圧上昇側が互い
に180°反対側にずれるため、両ポンプで外径方向の
荷重が互いに180°反対側に作用して、燃料ポンプ全
体として外径方向に作用する荷重をバランスさせること
ができ、燃料ポンプの振動を低減することができる。
【0011】一般に、トロコイドギヤ式の燃料ポンプ
は、インナギヤの歯数をアウタギヤの歯数より1つ少な
くすれば良いが、2つのポンプのギヤの偏心方向を18
0°反対側にずらす構成では、2つのポンプのアウタギ
ヤをモータにより同一位相で回転駆動する場合、駆動側
のアウタギヤの歯数が偶数(従動側のインナギヤの歯数
が奇数)であると、従動側の2つのインナギヤの回転位
相が一致する。この状態では、2つのポンプの吐出圧力
の脈動波の位相が一致して、一方のポンプの吐出圧力脈
動波が山(谷)の時に他方も山(谷)となるため、2つ
のポンプの吐出圧力脈動が互いに増幅し合い、吐出圧力
脈動による騒音・振動が大きくなってしまう。
【0012】この対策として、請求項5のように、2つ
のポンプのアウタギヤをモータにより同一位相で回転駆
動する場合は、駆動側のアウタギヤの歯数を奇数とし、
該アウタギヤによって回転駆動される従動側のインナギ
ヤの歯数をアウタギヤの歯数より1つ少ない偶数とする
と良い。このようにすれば、従動側の2つのインナギヤ
の回転位相が半ピッチずれ、2つのポンプの吐出圧力脈
動が互いに干渉して打ち消し合うようになり、吐出圧力
脈動が大幅に低減されて、吐出圧力脈動による騒音・振
動が大幅に低減される。
【0013】また、2つのポンプのインナギヤをモータ
により同一位相で回転駆動する場合は、駆動側のインナ
ギヤの歯数が偶数(従動側のアウタギヤの歯数が奇数)
であると、従動側の2つのアウタギヤの回転位相が一致
するため、請求項6のように、駆動側のインナギヤの歯
数を奇数とし、従動側のアウタギヤの歯数をインナギヤ
の歯数より1つ多い偶数とすると良い。このようにすれ
ば、従動側の2つのアウタギヤの回転位相が半ピッチず
れ、2つのポンプの吐出圧力脈動が互いに干渉して打ち
消し合うようになり、吐出圧力脈動が大幅に低減され
て、吐出圧力脈動による騒音・振動が大幅に低減され
る。
【0014】一方、請求項7のように、ポンプ室内の燃
料が吐出される吐出ポートを2箇所に形成し、これら2
箇所の吐出ポートの吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分
ずれて干渉しながら合流するように構成しても良い。
【0015】具体的には、請求項8のように、2箇所の
吐出ポートのうちの上流側吐出ポートの開始位置を、容
積が最大となるポンプ室の終端近傍に設定し、該上流側
吐出ポートの終端位置を、両ギヤが半位相移動した時に
形成されるポンプ室終端近傍に設定し、下流側吐出ポー
トの開始位置を、上流側吐出ポート終端部から形成され
た1つめのポンプ室終端近傍に設定するようにすると良
い。
【0016】このようにすれば、2つの吐出ポートの吐
出圧力脈動が互いに干渉して打ち消し合うようになり、
吐出圧力脈動が大幅に低減されて、圧力脈動による騒音
・振動が大幅に低減される。これにより、2つのポンプ
を設ける場合に比べて、部品点数を削減して構成を簡素
化することができ、小型・軽量化及び低コスト化を実現
することができる。
【0017】この場合、請求項9のように、2箇所の吐
出ポートのうちの上流側吐出ポートから回転方向に延び
る連通溝部を設け、上流側吐出ポートを通過し終えたポ
ンプ室が該連通溝部によって上流側吐出ポートと連通す
るように構成しても良い。このようにすれば、上流側吐
出ポートを通過し終えたポンプ室で加圧される燃料の一
部が連通溝部を逆流して上流側吐出ポートに流れ込むよ
うになる。これにより、上流側吐出ポートでは、隣接す
る2つのポンプ室から吐出される位相のずれた2つの圧
力脈動が干渉するようになり、その干渉効果によって上
流側吐出ポートの吐出圧力脈動が低減される。
【0018】更に、請求項10のように、連通溝部の回
転方向の長さは、該連通溝部が下流側吐出ポートに燃料
を吐出するポンプ室と連通するように設定すると良い。
このようにすれば、上流側吐出ポートと下流側吐出ポー
トとが、連通溝部とポンプ室を介して連通するようにな
るため、下流側吐出ポートでは、下流側吐出ポートに燃
料を吐出するポンプ室の吐出圧力脈動に対して、上流側
吐出ポートから連通溝部と該ポンプ室を介して伝搬する
位相がほぼ半波長分ずれた圧力脈動が干渉するようにな
り、その干渉効果によって下流側吐出ポートの吐出圧力
脈動が低減される。このようにして、2つの吐出ポート
の吐出圧力脈動を共に低減させた状態で、これら2の吐
出ポートの吐出圧力脈動がポンプ部の外部の流路でほぼ
半波長ずれて干渉しながら合流するようになり、燃料ポ
ンプ全体の吐出圧力脈動を更に効果的に低減することが
できる。
【0019】尚、請求項11は、前記第2の目的を達成
するために、前記請求項3で限定した構成を独立形式で
記載した請求項である。
【0020】
【発明の実施の形態】[実施形態(1)]以下、本発明
の実施形態(1)を図1乃至図6に基づいて説明する。
ここで、図1は燃料ポンプのポンプ部12を破断して示
す縦断面図、図2は図3のD−D断面図、図3は燃料ポ
ンプの下面図、図4は図2のB−B断面図、図5は図2
のC−C断面図、図6は図1のA−A断面図である。
【0021】まず、図1に基づいてトロコイドギヤ式の
燃料ポンプ全体の構成を概略的に説明する。燃料ポンプ
の円筒状のハウジング11内にトロコイドギヤ式のポン
プ部12とモータ部13とが組み付けられている。ハウ
ジング11の一端(下端)には、ポンプ部12の下面を
カバーするポンプカバー14がかしめ等により固定さ
れ、このポンプカバー14に形成された燃料吸入口15
から燃料タンク(図示せず)内の燃料がポンプ部12内
に吸入される。ハウジング11の他端(上端)には、モ
ータ部13をカバーするモータカバー16がかしめ等に
より固定され、このモータカバー16には、モータ部1
3に通電するためのコネクタ17と燃料吐出口18とが
設けられている。ポンプ部12から吐出された燃料は、
モータ部13のアーマチャ33とマグネット38との間
の隙間を通って燃料吐出口18から吐出される。
【0022】次に、図1乃至図6に基づいてトロコイド
ギヤ式のポンプ部12の構成を説明する。ポンプ部12
のケーシングは、円筒ケーシング21の上下両側の開口
部をケーシングカバー22と内部サイドカバー23で閉
鎖して構成され、これら各部品がポンプカバー14と共
にハウジング11内にねじ止め等により固定され、該ポ
ンプカバー14と円筒ケーシング21との間に内部カバ
ー23が挟み込まれている。このポンプ部12のケーシ
ング内には、1つのアウタギヤ24と2つのインナギヤ
25,26とが収納されている。尚、アウタギヤ24、
インナギヤ25,26、内部サイドカバー23、円筒ケ
ーシング21は、例えば鉄系の焼結金属等、耐摩耗性の
ある材料で形成され、また、ケーシングカバー22の内
面(下面)と内部サイドカバー23の内面(上面)等の
摺動面には、各ギヤ24〜26に対する摺動抵抗を低減
するためにフッ素樹脂コーティング等の表面処理を施し
ても良い。
【0023】図6に示すように、アウタギヤ24の内周
側とインナギヤ25,26の外周側には、それぞれ内歯
24aと外歯25a,26aが形成され、アウタギヤ2
4の歯数が奇数で、インナギヤ25,26の歯数がアウ
タギヤ24の歯数よりも1つ少ない偶数に形成されてい
る。また、インナギヤ25,26の歯厚はアウタギヤ2
4の歯厚と同一に形成されている。
【0024】アウタギヤ24は、円筒ケーシング21に
形成された円形穴27内に回転自在に嵌合されている。
アウタギヤ24の厚み寸法(軸方向寸法)は、円筒ケー
シング21の厚み寸法よりもサイドクリアランス分だけ
小さくなっている。アウタギヤ24の内周側には、該ア
ウタギヤ24内のスペースを2等分する仕切壁28(図
1及び図2参照)が形成されている。この仕切壁28
は、アウタギヤ24に一体に形成したり、或は、別部品
として形成した仕切壁28をアウタギヤ24の内周中央
部に接合等により固定したり、或は、2分割された2つ
の分割アウタギヤ間に別部品の仕切壁を挟み込み、これ
ら3部品を接合等により一体化してアウタギヤ24を形
成するようにしても良い。
【0025】アウタギヤ24の内周側には、2つのイン
ナギヤ25,26が仕切壁28を挟んで重ね合わされて
偏心配置され、アウタギヤ24に対する両インナギヤ2
5,26の偏心方向が互いに180°反対側にずらされ
ている。そして、各ギヤ24,25,26の歯24a,
25a,26aの噛合い又は接触によって、それらの歯
間に多数のポンプ室29,30(図6参照)が形成され
ている。この場合、アウタギヤ24に対してインナギヤ
25,26が偏心しているため、回転時に各ギヤ24,
25,26の歯24a,25a,26aの噛合い量が連
続的に増加・減少して、各ポンプ室29,30の容積が
連続的に増加・減少する動作を1回転を周期として繰り
返す。
【0026】図1及び図2に示すように、インナギヤ2
5,26は、ケーシングカバー22とポンプカバー14
のほぼ中央部に互いに180°反対側に偏心して圧入さ
れた円筒軸受31,32に回転自在に嵌合支持され、該
円筒軸受31,32の内側にモータ部13のアーマチャ
33の回転軸34が挿通されている。この回転軸34の
Dカット部がアウタギヤ24の仕切壁28の中心部に形
成したD形連結穴35に挿通され、モータ部13の回転
軸34とアウタギヤ24とが回転伝達可能に連結されて
いる。
【0027】モータ部13の回転軸34とアウタギヤ2
4との連結構造は、上記の構成に限定されず、図8及び
図9に示すように、モータ部13の回転軸34のDカッ
ト部にカップリング60を挿入し、このカップリング6
0をアウタギヤ24の仕切壁28の中心部に形成したカ
ップリング形状の連結穴61に挿入して回転駆動するよ
うにしても良い。
【0028】モータ部13によってアウタギヤ24が回
転駆動されると、このアウタギヤ24と噛み合うインナ
ギヤ25,26が互いに180°反対側に偏心した円筒
軸受31,32を中心にして回転する。尚、モータ部1
3のアーマチャ33のラジアル方向の荷重は、回転軸3
4をケーシングカバー22の中心部に圧入されたラジア
ル軸受36に挿通することで支持され、該アーマチャ3
3のスラスト方向の荷重は、ポンプカバー14の中心部
内側に圧入されたスラスト軸受37によって支持され
る。
【0029】ポンプカバー14の燃料吸入口15から吸
入した燃料は、2方向に分流して上下両側のインナギヤ
25,26のポンプ室29,30に吸入される。つま
り、燃料吸入口15から吸入した燃料の半分は、内部サ
イドカバー23に形成した吸入ポート39(図2参照)
から下側のインナギヤ26のポンプ室30に吸入され
る。また、燃料吸入口15から吸入した残り半分の燃料
は、ポンプカバー14の内面の燃料導入溝40(図2〜
図4参照)→内部サイドカバー23の貫通穴41(図2
参照)→円筒ケーシング21の貫通流路42(図2参
照)→ケーシングカバー22内面の燃料導入溝43(図
2及び図5参照)の経路で、上側のインナギヤ25のポ
ンプ室29に吸入される。
【0030】また、下側のインナギヤ26のポンプ室3
0から吐出される燃料は、内部サイドカバー23の吐出
ポート45(図1参照)→ポンプカバー14の内面の吐
出溝47(図1及び図4参照)→吐出流路48(図1参
照)の経路でモータ部13側に吐出される。尚、吐出流
路48は、内部サイドカバー23、円筒ケーシング21
及びケーシングカバー22を上下方向に貫通するように
形成されている。
【0031】一方、上側のインナギヤ25のポンプ室2
9から吐出される燃料は、ケーシングカバー22の吐出
ポート44(図1及び図5参照)からモータ部13側に
吐出される。
【0032】以上のように構成したトロコイドギヤ式の
燃料ポンプでは、モータ部13が回転して、アウタギヤ
24とインナギヤ25,26が回転すると、各ギヤ2
4,25,26の歯24a,25a,26aの噛み合い
量が連続的に増加・減少し、各歯24a,25a,26
a間に形成された各ポンプ室29,30の容積が連続的
に増加・減少する動作を1回転を周期として繰り返す。
これにより、容積が拡大するポンプ室29,30では、
燃料を吸い込みながら燃料を移送し、容積が縮小するポ
ンプ室29,30では、移送した燃料を吐出ポート4
4,45から吐出する。
【0033】この際、ポンプ室29,30の容積が減少
する吐出領域では、ポンプ室29,30内の燃料が加圧
されて燃料圧力(燃圧)が上昇するため、その燃圧上昇
によってアウタギヤ24に外径方向の荷重がかかる。こ
のような燃圧上昇による外径方向の荷重は、ポンプ室2
9,30の燃圧が低下する吸入領域では発生しないた
め、アウタギヤ24に対する外径方向の荷重は、ポンプ
室29,30の燃圧が上昇する吐出領域(吐出ポート4
4,45側)のみに働く。
【0034】本実施形態では、アウタギヤ24の内周側
に配置された2つのインナギヤ25,26は、各々の偏
心方向が互いに180°反対側にずれているため、2つ
のインナギヤ25,26は、燃圧上昇側(吐出ポート4
4,45)が互いに180°反対側にずれる。これによ
り、1つのアウタギヤ24に対して、2つのインナギヤ
25,26から燃圧上昇による外径方向の荷重F1,F
2(図6参照)が互いに180°反対側に作用するた
め、アウタギヤ24に作用する外径方向の荷重F1,F
2がバランスして、アウタギヤ24にほとんど偏荷重が
作用しなくなる。このため、燃圧によってアウタギヤ2
4が円筒ケーシング21の内周面に強く押しつけられた
状態とならず、円筒ケーシング21に対するアウタギヤ
24の摺動抵抗(摩擦損失)が従来より小さくなり、そ
の分、モータ部13の負荷が小さくなって、消費電力が
少なくなる。しかも、アウタギヤ24内の2つのインナ
ギヤ25,26で燃料を吸入・吐出するため、上述した
摺動抵抗低減効果と相俟って、燃料吐出性能を効果的に
高めることができる。
【0035】一般に、トロコイドギヤ式の燃料ポンプ
は、インナギヤ25,26の歯数をアウタギヤ24の歯
数より1つ少なくすれば良いが、駆動側のアウタギヤ2
4の歯数が偶数(従動側のインナギヤ25,26の歯数
が奇数)であると、従動側の2つのインナギヤ25,2
6の回転位相が一致する。この状態では、従動側の2つ
のインナギヤ25,26の吐出圧力の脈動波の位相が一
致して、一方のインナギヤの吐出圧力脈動波が山(谷)
の時に他方も山(谷)となるため、2つのインナギヤ2
5,26の吐出圧力脈動が互いに増幅し合い、吐出圧力
脈動による騒音・振動が大きくなってしまう。
【0036】この対策として、本実施形態(1)では、
駆動側のアウタギヤ24の歯数を奇数とし、従動側のイ
ンナギヤ25,26の歯数を駆動側のアウタギヤ24の
歯数より1つ少ない偶数としている。これにより、従動
側の2つのインナギヤ25,26の回転位相が半ピッチ
ずれ、従動側の2つのインナギヤ25,26の吐出圧力
の脈動波の位相が該脈動波の半周期分ずれる。その結
果、一方のインナギヤの吐出圧力脈動波が山の時に他方
が谷となり、2つのインナギヤ25,26の吐出圧力脈
動が互いに干渉して打ち消し合うようになり、それによ
って、吐出圧力脈動が大幅に低減されて、吐出圧力脈動
による騒音・振動が大幅に低減される。これにより、従
来の騒音対策(吐出圧力脈動低減装置や遮音材等)が不
要となり、低コストで低騒音・低振動を実現できる。
【0037】尚、アウタギヤを製造する際に、予め、2
分割された2つの分割アウタギヤ間に別部品の仕切壁を
挟み込み、これら3部品を接合等により一体化するよう
にしても良いが、この場合、一方の分割アウタギヤを他
方の分割アウタギヤに対して半ピッチずらした状態で仕
切壁を挟み込んで一体化するようにしても良い。この場
合には、上記実施形態とは反対に、アウタギヤの歯数を
偶数とし、インナギヤの歯数をアウタギヤの歯数より1
つ少ない奇数とすると良い。これにより、上記実施形態
と同じく、2つのインナギヤの吐出圧力の脈動波の位相
が該脈動波の半周期分ずれ、圧力脈動が大幅に低減され
る。
【0038】[実施形態(2)]前記実施形態(1)の
ポンプ部12は、1つのアウタギヤ24の内周側に2つ
のインナギヤ25,26を仕切壁28を挟んで重ね合わ
せた状態で配置することで2つのポンプを構成し、2つ
のポンプのアウタギヤ24を一体に形成したが、図10
乃至図14に示す本発明の実施形態(2)のポンプ部6
2は、2つのポンプのアウタギヤ67(68)を別体に
形成し、各アウタギヤ67(68)の内周側に1つのイ
ンナギヤ69(70)を配置したポンプを2つ重ね合わ
せるように配置している。
【0039】以下、このポンプ部62の構成を具体的に
説明する。ここで、図10は燃料ポンプのポンプ部62
を破断して示す縦断面図、図11は図10のF−F断面
図、図12は図10のG−G断面図、図13は図10の
H−H断面図、図14は図10のI−I断面図である。
但し、前記実施形態(1)と実質的に同じ部分について
は、同一符号を付して説明を簡略化する。
【0040】本実施形態(2)では、図10に示すよう
に、ポンプ部62のケーシングは、2つの円筒ケーシン
グ63,64を中間プレート65を挟んで重ね合わせ、
その上下両側の開口部をケーシングカバー22と内部サ
イドカバー23で閉鎖して構成し、これら各部品がポン
プカバー14と共にハウジング11内にねじ66で締め
付け固定されている。このポンプ部62のケーシング内
の中間プレート65上側のスペースに、1つ目のポンプ
を構成する1対のアウタギヤ67とインナギヤ69が収
納され、中間プレート65下側のスペースに、2つ目の
ポンプを構成する1対のアウタギヤ68とインナギヤ7
0が収納されている。
【0041】図13及び図14に示すように、各円筒ケ
ーシング63,64には、互いに180°反対側に偏心
した位置に円形穴71,72が形成され、各円形穴7
1,72内に、それぞれアウタギヤ67,68が回転自
在に嵌合されている。各アウタギヤ67,68の内周側
に、それぞれインナギヤ69,70が偏心配置されてい
る。本実施形態(2)では、2つのインナギヤ69,7
0が同軸上且つ同一位相で回転駆動されように配置さ
れ、各インナギヤ69,70に対する各アウタギヤ6
7,68の偏心方向が互いに180°反対側にずらされ
ている。また、モータ部13によって回転駆動される駆
動側のインナギヤ69,70の歯数が奇数で、従動側の
アウタギヤ67,68の歯数が駆動側のインナギヤ6
9,70の歯数よりも1つ多い偶数に形成されている。
【0042】図10に示すように、各インナギヤ69,
70は、ポンプカバー14の中央部に圧入されたシャフ
ト73に回転自在に嵌合支持され、各インナギヤ69,
70とモータ部13の回転軸34とが、カップリング7
4を介して回転伝達可能に連結されている。モータ部1
3の回転軸34のDカット部がカップリング74の上部
に形成したD形連結穴に挿通されることで回転軸34と
カップリング74とが連結され、カップリング74の下
部に下向きに形成した複数本の連結ピン91がインナギ
ヤ69,70の連結穴に挿通されることでカップリング
74とインナギヤ69,70とが連結されている。モー
タ部13によって各インナギヤ69,70が回転駆動さ
れると、各インナギヤ69,70と噛み合うアウタギヤ
67,68が互いに180°反対側に偏心した状態で回
転する。尚、モータ部13のアーマチャ33のスラスト
方向の荷重は、シャフト73の上面で支持される。
【0043】前記実施形態(1)と同じように、ポンプ
カバー14の燃料吸入口15から吸入した燃料の半分
は、内部サイドカバー23の吸入ポート39から下側の
インナギヤ70のポンプ室76に吸入される。また、燃
料吸入口15から吸入した残り半分の燃料は、ポンプカ
バー14の内面の燃料導入溝40(図10及び図11参
照)→貫通流路77(図10、図13及び図14参照)
→ケーシングカバー22内面の燃料導入溝43(図10
及び図12参照)の経路で、上側のインナギヤ69のポ
ンプ室75に吸入される。尚、貫通流路77は、内部サ
イドカバー23、円筒ケーシング64、中間プレート6
5及び円筒ケーシングカバー63を上下方向に貫通する
ように形成されている。
【0044】また、下側のインナギヤ70のポンプ室7
6から吐出される燃料は、内部サイドカバー23の吐出
ポート45→ポンプカバー14の内面の吐出溝47(図
11参照)→吐出流路78(図12〜図14参照)の経
路でモータ部13側に吐出される。尚、吐出流路78
は、内部サイドカバー23、円筒ケーシング64、中間
プレート65、円筒ケーシング63及びケーシングカバ
ー22を上下方向に貫通するように形成されている。一
方、上側のインナギヤ69のポンプ室75から吐出され
る燃料は、ケーシングカバー22の吐出ポート44(図
12参照)からモータ部13側に吐出される。
【0045】以上説明した本実施形態(2)では、モー
タ部13によって同一位相で回転駆動される駆動側のイ
ンナギヤ69,70の歯数を奇数とし、従動側のアウタ
ギヤ67,68の歯数をインナギヤ69,70の歯数よ
り1つ多い偶数としたので、従動側の2つのアウタギヤ
67,68の回転位相が半ピッチずれ、前記実施形態
(1)と同じように、2つのポンプの吐出圧力脈動が互
いに干渉して打ち消し合うようになり、吐出圧力脈動が
大幅に低減されて、吐出圧力脈動による騒音・振動が大
幅に低減される。これにより、従来の騒音対策(吐出圧
力脈動低減装置や遮音材等)が不要となり、低コストで
低騒音・低振動を実現できる。
【0046】尚、一方のインナギヤを他方のインナギヤ
に対して半ピッチずらして回転させるようにしても良
く、この場合は、上記実施形態(2)とは反対に、駆動
側のインナギヤ69,70の歯数を偶数とし、従動側の
アウタギヤ67,68の歯数をインナギヤ69,70の
歯数より1つ多い奇数とすると良い。これにより、上記
実施形態(2)と同じく、2つのポンプの吐出圧力の脈
動波の位相が該脈動波の半波長分(半周期分)ずれ、吐
出圧力脈動が大幅に低減される。
【0047】また、上記実施形態(2)では、上下のポ
ンプのアウタギヤ67,68の偏心方向が互いに180
°反対側にずれているため、両ポンプ間で燃圧上昇側が
互いに180°反対側にずれる。このため、両ポンプで
外径方向の荷重が互いに180°反対側に作用して、燃
料ポンプ全体として外径方向に作用する荷重をバランス
させることができ、燃料ポンプの振動を低減することが
できる。
【0048】しかも、上記実施形態(2)では、2つの
円筒ケーシング63,64間に挟んで固定した中間プレ
ート65を、上下のポンプ間に介在させるようにしたの
で、上下のポンプ(アウタギヤ67,68)に作用する
外径方向の荷重(燃圧)によってアウタギヤ67,68
がこじり方向に傾動することを中間プレート65によっ
て阻止することができ、アウタギヤ67,68の傾動に
よる回転摺動抵抗の増加を防止することができる。
【0049】また、上記実施形態(2)では、アウタギ
ヤ67,68とインナギヤ69,70の歯厚を変えて
も、その分を、内部サイドカバー23の厚さ寸法変更で
吸収して、ポンプ全長を一定に保つことができ、ポンプ
全長を変えずに、歯厚を変えてポンプ吐出能力を変える
ことができる。このため、要求吐出能力の異なる種々の
エンジンに対して共通サイズの燃料ポンプで対応するこ
とができ、燃料ポンプの取付部品(ブラケット等)を共
通化することができる。
【0050】尚、上記実施形態(2)では、2つのイン
ナギヤ69,70を同軸上に配置して、インナギヤ6
9,70に対する2つのアウタギヤ67,68の偏心方
向を互いに180°反対側にずらした構成としたが、2
つのアウタギヤを同軸上に配置して、アウタギヤに対す
る2つのインナギヤの偏心方向を互いに180°反対側
にずらした構成としても良い。この場合は、各アウタギ
ヤの側面にそれぞれサイドカバーを一体化して、サイド
カバーとモータ部の回転軸とを連結することで、モータ
部により2つのアウタギヤをサイドカバーと共に同一位
相で回転駆動する構成とし、駆動側のアウタギヤの歯数
を奇数とし、従動側のインナギヤの歯数をアウタギヤの
歯数より1つ少ない偶数とすれば良い。また、一方のア
ウタギヤを他方のアウタギヤに対して半ピッチずらして
回転させるようにしても良く、この場合は、アウタギヤ
の歯数を偶数とし、インナギヤの歯数をアウタギヤの歯
数より1つ少ない奇数とすれば良い。
【0051】[実施形態(3)]次に、図15乃至図1
9に基づいて本発明の実施形態(3)を説明する。ここ
で、図15は燃料ポンプのポンプ部79を破断して示す
縦断面図、図16は図15のJ−J断面図、図17は図
15のK−K断面図、図18は図15のL−L断面図、
図19は図18のM−M線に沿って示すケーシングカバ
ー22の断面図である。但し、前記実施形態(1)と実
質的に同じ部分については、同一符号を付して説明を簡
略化する。
【0052】本実施形態(3)では、図15に示すよう
に、ポンプ部79のケーシングは、円筒ケーシング21
の上下両側の開口部をケーシングカバー22とポンプカ
バー14で閉鎖して構成され、このポンプ部79のケー
シング内に、1対のアウタギヤ80とインナギヤ81が
収納されている。アウタギヤ80は、円筒ケーシング2
1の円形穴27内に回転自在に嵌合され、インナギヤ8
1は、モータ部13の回転軸34に嵌合支持されてい
る。モータ部13の回転軸34とインナギヤ81とはカ
ップリング82を介して回転伝達可能に連結され、モー
タ部13によってインナギヤ81が回転駆動されると、
このインナギヤ81と噛み合うアウタギヤ80が回転す
る。
【0053】図16に示すように、ポンプカバー14に
は、容積が拡大する複数のポンプ室83に連通するよう
に吸入ポート84が形成され、燃料吸入口15から吸入
した燃料は、吸入ポート84からポンプ室83に吸入さ
れる。
【0054】一方、図17乃至図19に示すように、ケ
ーシングカバー22には、容積が減少するポンプ室83
に連通するように2つの吐出ポート85,86が形成さ
れ、ポンプ室83から吐出される燃料は、各吐出ポート
85,86からモータ部13側に吐出される。各吐出ポ
ート85,86は、以下に説明するように設けること
で、吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ずれて干渉しな
がら合流するように構成されている。
【0055】図17(a)は、吸入領域と吐出領域の境
界領域のポンプ室83aの容積が最大となるときのイン
ナギヤ81とアウタギヤ80の回転位置を示しており、
図17(b)は、図17(a)の位置からインナギヤ8
1とアウタギヤ80が半ピッチ回転したときの状態を示
している。図17(a)に示すように、1つ目の吐出ポ
ート85(上流側吐出ポート)は、最大容積のポンプ室
83aとその隣のポンプ室83bとの仕切り位置からほ
ぼ半ピッチ分の長さにわたって形成されている。これに
より、図17(a)に示すように、1つ目の吐出ポート
85の開始位置は、容積が最大となるポンプ室83aの
終端近傍となり、図17(b)に示すように、1つ目の
吐出ポート85の終端位置は、両ギヤ80,81が半位
相移動した時に形成されるポンプ室83aの終端近傍と
なる。
【0056】また、2つ目の吐出ポート86(下流側吐
出ポート)は、1つ目の吐出ポート85からほぼ1.5
ピッチ分だけ回転方向に離れた位置に形成されている。
これにより、図17(b)に示すように、2つ目の吐出
ポート86の開始位置は、1つ目の吐出ポート85の終
端部から形成された1つめのポンプ室83bの終端近傍
となり、1つ目の吐出ポート85が最大容積のポンプ室
83aに開口し始めてから、半ピッチ分遅れて、2つ目
の吐出ポート86が最大容積のポンプ室83aの隣のポ
ンプ室83bに開口し始めるようになっている。
【0057】これにより、図17(a)に示す最大容積
のポンプ室83a内の燃料の一部が1つ目の吐出ポート
85から吐出され始めてから、半ピッチ分遅れて、2つ
目の吐出ポート86から最大容積のポンプ室83aの隣
のポンプ室83b内の残りの燃料が吐出されるようにな
る。その結果、2つの吐出ポート85,86の吐出圧力
の上下動タイミングが半ピッチ分ずれ、2つの吐出ポー
ト85,86の吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ずれ
た状態となる。
【0058】尚、2つの吐出ポート85,86の間隔
は、インナギヤ81とアウタギヤ80の歯数に応じて決
めれば良く、歯数が変わっても、1つ目の吐出ポートの
後に1つのポンプ室(歯間室)を形成できる位置に2つ
目の吐出ポートを形成すれば良い。
【0059】また、図19に示すように、吐出ポート8
5,86間には、ケーシングカバー22の下面(摺動
面)22aに対して所定の段差(例えば0.2mm程
度)をもった凹部87が形成されている。更に、吐出ポ
ート86の入口部には、ポンプ室83側に向かって広が
るテーパ部88が形成されている。
【0060】以上説明した本実施形態(3)では、ポン
プ室83内の燃料が吐出される吐出ポート85,86
を、吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ずれて干渉しな
がら合流するように形成したので、2つの吐出ポート8
5,86の吐出圧力脈動が互いに干渉して打ち消し合う
ようになり、吐出圧力脈動が大幅に低減されて、吐出圧
力脈動による騒音・振動が大幅に低減される。これによ
り、前記実施形態(1),(2)のように、2つのポン
プを設けて吐出圧力脈動を低減する場合に比べて、部品
点数を削減して構成を簡素化することができ、低騒音化
・低振動化を実現しながら軽量化及び低コスト化を図る
ことができる。
【0061】[実施形態(4)]次に、本発明の実施形
態(4)を図20乃至図25を用いて説明する。ここ
で、図20は燃料ポンプのポンプ部90を破断して示す
縦断面図、図21は図20のN−N断面図、図22は図
20のP−P断面図、図23は図20のQ−Q断面図、
図24は図20のR−R断面図、図25は吐出ポート9
8,99及び連通溝部100の形成位置を説明するため
の図である。尚、前記実施形態(1)と実質的に同じ部
分については、同一符号を付して説明を簡略化する。
【0062】本実施形態(4)では、図20に示すよう
に、ポンプ部90のケーシングは、円筒ケーシング21
の上下両側の開口部をケーシングカバー22と内部サイ
ドカバー23で閉鎖して構成され、このポンプ部90の
ケーシング内に、1対のアウタギヤ92とインナギヤ9
3が収納されている。インナギヤ93は、ケーシングカ
バー22に圧入されたラジアル軸受36に回転自在に嵌
合支持され、該ラジアル軸受36の内側にモータ部13
の回転軸34が挿通されている。本実施形態(4)で
は、図21に示すように、アウタギヤ92の歯数が6
で、インナギヤ93の歯数が5となっている。
【0063】図21に示すように、回転軸34のDカッ
ト部がカップリング94に挿入され、このカップリング
94がインナギヤ93の中心部に形成されたカップリン
グ形状の連結穴95に挿入されることで、モータ部13
の回転軸34とインナギヤ93とがカップリング94を
介して回転伝達可能に連結されている。
【0064】また、図22に示すように、内部サイドカ
バー23には、吸入ポート97が形成され、燃料吸入口
15から吸入した燃料は、吸入ポート97からポンプ室
96に吸入される。
【0065】一方、図23乃至図25に示すように、ケ
ーシングカバー22には、容積が減少するポンプ室96
に連通するように2つの吐出ポート98,99が形成さ
れ、ポンプ室96から吐出される燃料は、各吐出ポート
98,99からモータ部13側に吐出される。
【0066】図25(a)は、吸入領域と吐出領域の境
界領域のポンプ室96aの容積が最大となるときのイン
ナギヤ93とアウタギヤ92の回転位置を示しており、
図25(b)は、図25(a)の位置からインナギヤ9
3とアウタギヤ92が半ピッチ回転したときの状態を示
している。本実施形態(4)においても、前記実施形態
(3)と同じように、上流側吐出ポート98は、図25
(a)に示すように、最大容積のポンプ室96aとその
隣のポンプ室96bとの仕切り位置からほぼ半ピッチ分
の長さにわたって形成され、下流側吐出ポート99は、
上流側吐出ポート98からほぼ1.5ピッチ分だけ回転
方向に離れた位置に形成されている。これにより、図2
5(a)に示す最大容積のポンプ室96a内の燃料の一
部が上流側吐出ポート98から吐出され始めてから、ほ
ぼ半ピッチ分遅れて、下流側吐出ポート99から最大容
積のポンプ室96aの隣のポンプ室96b内の残りの燃
料が吐出され、2つの吐出ポート98,99の吐出圧力
脈動の位相がほぼ半波長分ずれて干渉しながら合流する
ように構成されている。
【0067】本実施形態(4)では、各吐出ポート9
8,99の上流側及び下流側端部を絞り込まずに吐出ポ
ート98,99全体を略四角形状に形成して、各吐出ポ
ート98,99のポンプ室96に対する開口面積が大き
くとれるようにしている。
【0068】また、ケーシングカバー22には、ケーシ
ングカバー22下面に対して所定の段差(例えば0.1
mm)をもった連通溝部100が上流側吐出ポート98
の下流側端部から回転方向に延びるように形成されてい
る。これにより、図25(b)に示すように、上流側吐
出ポート98を通過し終えたポンプ室96bが連通溝部
100によって上流側吐出ポート98と連通されるよう
になっている。このポンプ室96bは、図25(a)に
示す位置から半ピッチ移動して図25(b)に示す位置
に至ると、該ポンプ室96bが下流側吐出ポート99と
連通し始めるようになり、更に、図25(b)に示す位
置から半ピッチ移動すると、図25(a)に示すポンプ
室96cの位置まで移動する。
【0069】この場合、連通溝部100の回転方向の長
さは、該連通溝部100の先端部が下流側吐出ポート9
9に燃料を吐出するポンプ室96cと連通するように設
定されている。これにより、図25(a)に示す回転位
置において、上流側吐出ポート98と下流側吐出ポート
99とが、連通溝部100とポンプ室96cを介して連
通されるようになっている。
【0070】以上のように構成したポンプ部90では、
図25(a)に示すポンプ室96a内の燃料が上流側吐
出ポート98から吐出され始めてから、半ピッチ分遅れ
て、図25(b)に示すポンプ室96b内の燃料が下流
側吐出ポート99から吐出され、2つの吐出ポート9
8,99の吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ずれて干
渉しながら合流する。
【0071】その際、図25(b)に示すように、上流
側吐出ポート98を通過し終えたポンプ室96bで加圧
される燃料の一部が連通溝部100を逆流して上流側吐
出ポート98に流れ込む。これにより、上流側吐出ポー
ト98では、隣接する2つのポンプ室98a,98bか
ら吐出される位相のずれた2つの圧力脈動が干渉するよ
うになり、その干渉効果によって上流側吐出ポート98
の吐出圧力脈動が低減される。
【0072】更に、図25(a)に示すように、連通溝
部100が下流側吐出ポート99に燃料を吐出するポン
プ室96cと連通するように形成されているため、上流
側吐出ポート98と下流側吐出ポート99とが、連通溝
部100とポンプ室96cを介して連通される。これに
より、下流側吐出ポート99では、下流側吐出ポート9
9に燃料を吐出するポンプ室96cの吐出圧力脈動と、
上流側吐出ポート98から連通溝部100と該ポンプ室
96cを介して伝搬する圧力脈動とが干渉するようにな
る。前述したように、上流側吐出ポート98から伝搬す
る圧力脈動は、下流側吐出ポート99の吐出圧力脈動よ
りもほぼ半波長進んでいるため、これら2つの圧力脈動
の干渉により下流側吐出ポート99の吐出圧力脈動が効
果的に低減される。
【0073】従って、本実施形態(4)では、連通溝部
100によって上流側吐出ポート98の吐出圧力脈動と
下流側吐出ポート99の吐出圧力脈動を共に低減させた
状態で、これら2の吐出ポート98,99の吐出圧力脈
動がポンプ部90の外部の流路でほぼ半波長ずれて干渉
しながら合流するようになり、ポンプ全体の吐出圧力脈
動の低減効果を更に向上させることができ、吐出圧力脈
動による騒音・振動を効果的に低減することができる。
【0074】尚、本実施形態(4)では、連通溝部10
0の回転方向の長さを、該連通溝部100が下流側吐出
ポート99に燃料を吐出するポンプ室96cと連通する
ように設定したが、連通溝部100の長さを短くして該
ポンプ室96cに届かないようにしても良い。この場合
でも、連通溝部100による上流側吐出ポート98の吐
出圧力脈動の低減効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)における燃料ポンプの
ポンプ部を破断して示す縦断面図
【図2】図3のD−D断面図
【図3】燃料ポンプの下面図
【図4】図2のB−B断面図
【図5】図2のC−C断面図
【図6】図1のA−A断面図
【図7】従来のトロコイドギヤ式の燃料ポンプの構造を
説明する図
【図8】本発明の実施形態(1)の変形例における燃料
ポンプのポンプ部を破断して示す縦断面図
【図9】図8のE−E断面図
【図10】本発明の実施形態(2)における燃料ポンプ
のポンプ部を破断して示す縦断面図
【図11】図10のF−F断面図
【図12】図10のG−G断面図
【図13】図10のH−H断面図
【図14】図10のI−I断面図
【図15】本発明の実施形態(3)における燃料ポンプ
のポンプ部を破断して示す縦断面図
【図16】図15のJ−J断面図
【図17】吐出ポートの形成位置を説明するための図
で、(a)と(b)は半ピッチずれたギア回転位置の状
態を示す図15のK−K断面図
【図18】図15のL−L断面図
【図19】図18のM−M線に沿って示すケーシングカ
バーの断面図
【図20】本発明の実施形態(4)における燃料ポンプ
のポンプ部を破断して示す縦断面図
【図21】図20のN−N断面図
【図22】図20のP−P断面図
【図23】図20のQ−Q断面図
【図24】図20のR−R断面図
【図25】吐出ポート及び連通溝部の形成位置を説明す
るための図で、(a)と(b)は半ピッチずれたギア回
転位置の状態を示す図
【符号の説明】
11…ハウジング、12…ポンプ部、13…モータ部、
14…ポンプカバー、15…燃料吸入口、18…燃料吐
出口、21…円筒ケーシング、22…ケーシングカバ
ー、23…内部サイドカバー、24…アウタギヤ、24
a…内歯、25,26…インナギヤ、25a,26a…
外歯、28…仕切壁、29,30…ポンプ室、31,3
2…円筒軸受、34…回転軸、39…吸入ポート、40
…燃料導入溝,42…貫通流路、43…燃料導入溝、4
4,45…吐出ポート、47…吐出溝、48…吐出流
路,62…ポンプ部、63,64…円筒ケーシング、6
5…中間プレート、67,68…アウタギヤ、69,7
0…インナギヤ、73…シャフト、75,76…ポンプ
室、77…貫通流路、78…吐出流路、79…ポンプ
部、80…アウタギヤ、81…インナギヤ、83…ポン
プ室、84…吸入ポート、85,86…吐出ポート、9
0…ポンプ部、92…アウタギヤ、93…インナギヤ、
97…吸入ポート、98,99…吐出ポート、100…
連通溝部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草谷 克彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3H041 AA02 BB04 CC11 DD01 DD05 DD06 DD07 DD10 DD13 DD18 DD36 DD38 3H044 AA02 BB03 CC11 DD01 DD05 DD06 DD13 DD16 DD18 DD26 DD28

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内歯付きのアウタギヤの内周側に外歯付
    きのインナギヤを偏心配置すると共に、両ギヤを噛み合
    わせて両ギヤの歯間に形成したポンプ室を、両ギヤの回
    転により回転方向に移動させながら、該ポンプ室の容積
    を連続的に増加・減少させて燃料を吸入・吐出する燃料
    ポンプにおいて、 前記アウタギヤと前記インナギヤとからなるポンプを2
    つ設け、これら2つのポンプの吐出圧力脈動の位相がほ
    ぼ半波長分ずれて干渉しながら合流するように構成した
    ことを特徴とする燃料ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記2つのポンプの回転位相をほぼ半ピ
    ッチずらしたことを特徴とする請求項1に記載の燃料ポ
    ンプ。
  3. 【請求項3】 前記2つのポンプのアウタギヤを一体に
    形成し、1つのアウタギヤの内周側に2つのインナギヤ
    を仕切壁を挟んで重ね合わせた状態で偏心配置すると共
    に、前記アウタギヤに対する両インナギヤの偏心方向を
    互いに180°反対側にずらした構成としたことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の燃料ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記2つのポンプのアウタギヤを別体に
    形成し、各アウタギヤの内周側に1つのインナギヤを偏
    心配置したポンプを2つ重ね合わせるように配置すると
    共に、両ポンプ間でギヤの偏心方向を互いに180°反
    対側にずらした構成としたことを特徴とする請求項1又
    は2に記載の燃料ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記2つのポンプのアウタギヤをモータ
    により同一位相で回転駆動すると共に、該アウタギヤの
    歯数を奇数とし、該アウタギヤによって回転駆動される
    前記インナギヤの歯数を前記アウタギヤの歯数より1つ
    少ない偶数としたことを特徴とする請求項3又は4に記
    載の燃料ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記2つのポンプのインナギヤをモータ
    により同一位相で回転駆動すると共に、該インナギヤの
    歯数を奇数とし、該インナギヤによって回転駆動される
    前記アウタギヤの歯数を前記インナギヤの歯数より1つ
    多い偶数としたことを特徴とする請求項4に記載の燃料
    ポンプ。
  7. 【請求項7】 内歯付きのアウタギヤの内周側に外歯付
    きのインナギヤを偏心配置すると共に、両ギヤを噛み合
    わせて両ギヤの歯間に形成したポンプ室を、両ギヤの回
    転により回転方向に移動させながら、該ポンプ室の容積
    を連続的に増加・減少させて燃料を吸入・吐出する燃料
    ポンプにおいて、 前記ポンプ室内の燃料が吐出される吐出ポートを2箇所
    に形成し、これら2箇所の吐出ポートの吐出圧力脈動の
    位相がほぼ半波長分ずれて干渉しながら合流するように
    構成したことを特徴とする燃料ポンプ。
  8. 【請求項8】 前記2箇所の吐出ポートのうちの上流側
    吐出ポートの開始位置は、容積が最大となるポンプ室の
    終端近傍に設定され、該上流側吐出ポートの終端位置
    は、両ギヤが半位相移動した時に形成されるポンプ室終
    端近傍に設定され、 下流側吐出ポートの開始位置は、上流側吐出ポート終端
    部から形成された1つめのポンプ室終端近傍に設定され
    ていることを特徴とする請求項7に記載の燃料ポンプ。
  9. 【請求項9】 前記2箇所の吐出ポートのうちの上流側
    吐出ポートから回転方向に延びる連通溝部を設け、前記
    上流側吐出ポートを通過し終えたポンプ室が前記連通溝
    部によって前記上流側吐出ポートと連通するように構成
    したことを特徴とする請求項7又は8に記載の燃料ポン
    プ。
  10. 【請求項10】 前記連通溝部の回転方向の長さは、該
    連通溝部が下流側吐出ポートに燃料を吐出するポンプ室
    と連通するように設定されていることを特徴とする請求
    項9に記載の燃料ポンプ。
  11. 【請求項11】 内歯付きのアウタギヤの内周側に外歯
    付きのインナギヤを偏心配置すると共に、両ギヤを噛み
    合わせて両ギヤの歯間に形成したポンプ室を、両ギヤの
    回転により回転方向に移動させながら、該ポンプ室の容
    積を連続的に増加・減少させて燃料を吸入・吐出する燃
    料ポンプにおいて、 1つのアウタギヤの内周側に2つのインナギヤを仕切壁
    を挟んで重ね合わせた状態で偏心配置すると共に、前記
    アウタギヤに対する両インナギヤの偏心方向を互いに1
    80°反対側にずらした構成としたことを特徴とする燃
    料ポンプ。
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