JP2002253242A - 核酸の定量方法およびそれを用いた検査方法 - Google Patents

核酸の定量方法およびそれを用いた検査方法

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Kiyoteru Noguchi
清輝 野口
Toshihiko Tsukada
俊彦 塚田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子構造や分子結合力などの違いによる増幅
率の不均等性を是正することが可能な、核酸の定量方法
およびそれを用いた検査方法を提供すること。 【解決手段】 定量対象の標的核酸と同一の鎖長を持
ち、任意の1つ以上の塩基を別の塩基に置換した箇所以
外は標的核酸と同一の塩基配列を持ち、標的核酸と同じ
プライマーで核酸増幅が可能な内部標準核酸を用いる。
核酸増幅後の定量方法としては、プライマーエクステン
ション法やパイロシークェンシング法などの塩基置換定
量法を採用し、塩基置換した箇所で標的核酸と内部標準
核酸とを正確に識別し、それぞれを高精度に定量する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は核酸の定量方法およ
びそれを用いた検査方法に関し、特に、定量対象である
標的核酸と同一の鎖長を持つ内部標準核酸を用いる場合
に、好適に利用し得る核酸の定量方法およびそれを用い
た検査方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている核酸の定量方法
としては、次のような方法が知られている。すなわち、
核酸増幅後の核酸量から増幅前の核酸量を推定するよう
な微量核酸の定量を行う場合においては、、まず、定量
対象である標的核酸が含まれる試料中に、この標的核酸
と同じプライマーで増幅できるよう作成した内部標準核
酸を増幅率の指標として既知量添加する。次に、こうし
て作成した標的核酸と内部標準核酸が混在する反応系に
おいて、共通のプライマーによって核酸増幅を行う。増
幅後は、ゲルやキャピラリによる電気泳動や高速液体ク
ロマトグラフなどにより標的核酸と内部標準核酸を泳動
分離し、分離後、それぞれの核酸量を適切な測定方法に
よって定量する。
【0003】この方法では、標的核酸と内部標準核酸と
を泳動分離する際に、それぞれの泳動速度に差を生じさ
せることを目的として、内部標準核酸の鎖長を標的核酸
より長く、もしくは短くして核酸分子の大きさに違いを
持たせたりしていた。また、核酸分子の大きさに違いを
持たせることを目的として、制限酵素によって核酸分子
を切断するために、制限酵素が切断する特定の塩基配列
を内部標準核酸に持たせたりすることが一般的である。
その際、ある塩基を置換したり、挿入,欠損させるなど
して、制限酵素によって切断させるための特定の塩基配
列を内部標準核酸に持たせる。
【0004】なお、標的核酸がある制限酵素によって切
断される特定の塩基配列を持っている場合は、内部標準
核酸には、そうした特定の塩基配列を含まないものを設
計するか、含ませるとしても泳動分離において標的核酸
由来のものとの識別ができるように、切断後の双方由来
核酸断片の分子の大きさに差が出るように設計する。ま
た標的核酸を切断しない他の制限酵素を使用して、その
酵素に適した内部標準核酸を設計する。
【0005】また、泳動分離した標的核酸と内部標準核
酸(もしくは、制限酵素処理後のそれら由来の核酸断
片)とのそれぞれの核酸量を定量するには、核酸増幅反
応中に適切な方法で放射性物質、または蛍光物質などに
よって増幅した核酸だけを標識し、増幅後に泳動分離し
た標的核酸と内部標準核酸とが持つ放射能強度や蛍光強
度などを適切な方法で測定して、その強度をもとに、そ
れぞれの核酸量を推測する方法が一般的である。
【0006】そして、増幅前の核酸量が既知である内部
標準核酸の増幅後の核酸量を指標として、増幅後の標的
核酸の核酸量から増幅前の核酸量を推定する。ただし、
このとき、標的核酸と内部標準核酸とが同条件で増幅さ
れることによって均等な増幅率を保っていることが前提
となる。この前提をもとに、標的核酸と内部標準核酸と
の増幅後の核酸量を比較することにより、増幅前の標的
核酸の核酸量が推定できる。たとえ均等でなくとも、不
均等の原因が特定できることによって補正が可能な場合
は、その限りではない。
【0007】ちなみに、本明細書において「標的核酸」
とは、血液などの生体試料から適切な方法で抽出した、
定量対象となる領域の塩基配列が既知である核酸のこと
をいう。一方、「内部標準核酸」とは、標的核酸を定量
するにあたり、定量の指標とすべく、標的核酸と同一反
応系に存在させ、標的核酸と同じプライマーで核酸増幅
できる核酸のことをいう。ここで、内部標準核酸には、
人工的に合成したものや、生体試料から抽出した核酸に
対し必要に応じて塩基の置換や挿入,欠失などを施した
ものなどがある。
【0008】一方、内部標準核酸を使わずに標的核酸を
定量する方法のひとつに、Fluorescence in situ hybri
dization法などの染色体解析法がある。この染色体解析
法は、生体試料から抽出した一つの細胞に存在する染色
体上の測定対象領域の一部(標的核酸)を放射性物質ま
たは蛍光物質などで標識し、適切な方法でこの標識物質
が放つ放射線または蛍光などを検出し、放射線または蛍
光などを放つ個所の数、つまり標的核酸の数を直接数え
る方法で、染色体の数や染色体の一部もしくは全部の欠
失や増幅量などを測定することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内部標準核
酸を用いて標的核酸の定量を行う場合、標的核酸と内部
標準核酸との塩基配列中に含まれる各種塩基の割合や並
び順,鎖長などの相違が、それぞれの分子結合力や分子
構造に影響を与え、その結果、増幅反応中において、核
酸の二本鎖が一本鎖ずつに解離する変性温度などの反応
条件や、ヘアピン状構造などの高次構造を形成する傾向
などが同一でなくなり、標的核酸と内部標準核酸との増
幅率に差を生じる場合がある。
【0010】このような場合、核酸増幅率の差の原因を
特定することは一般にはほぼ不可能であり、その補正は
困難である。こうした標的核酸と内部標準核酸との不均
等な増幅は、上述の従来技術の項で示した前提条件、す
なわち、標的核酸と内部標準核酸とが同条件で増幅され
ることによって均等な増幅率を保っているという前提条
件が崩れるために、内部標準核酸の増幅率を指標にして
増幅前の標的核酸の核酸量を信頼性高く推定することを
難しくしている。
【0011】今までに、標的核酸と内部標準核酸との増
幅反応条件を近づけることによって不均等な増幅を是正
するため、標的核酸と識別できる特徴を持たせつつも、
分子結合力や高次構造形成の傾向をできる限り標的核酸
のそれに近づけた内部標準核酸がいくつか提案されてき
た。その中で、標的核酸と鎖長が同一で、1つ以上の塩
基を置換しただけで他の塩基配列は標的核酸と同一の内
部標準核酸は、分子結合力や高次構造形成の傾向を標的
核酸と極力近づける目的に適している。特に、置換した
塩基の数が1つのみであれば、標的核酸と内部標準核酸
の分子結合力や高次構造形成の傾向の違いを最小限に抑
えることが可能で、不均等な増幅率を是正できると考え
られることから、正確な定量が期待できる。
【0012】このような、できる限り少ない塩基置換を
施した内部標準核酸を用いて定量を行う場合に用い得る
標的核酸との識別方法として、制限酵素による方法があ
る。この方法では、鎖長が標的核酸と同一であっても、
標的核酸または内部標準核酸の塩基配列に、制限酵素に
よって識別することができる特定の塩基配列が含まれて
いれば良く、例えば利用する制限酵素によっては、その
特定の塩基配列が標的核酸ではCAG、内部標準核酸で
はCGGというように1つの相違で良い。
【0013】しかし、制限酵素が認識できる塩基配列
は、その酵素に応じた特定のものでなければならず、さ
らに制限酵素で切断できるような特定の塩基配列は、ヒ
トゲノム上において特定の部位にのみ存在するものであ
るため、内部標準核酸において特定の塩基配列を含ませ
るための塩基置換を施す箇所にも制限が生じてしまうと
いう問題がある。そのため、この方法では、任意の塩基
配列を持つ核酸の定量を簡易に行うことは不可能であ
る。
【0014】また、制限酵素による切断に基づく標的核
酸と内部標準核酸との識別は、核酸増幅後に実施するの
が一般的であるが、試料中に存在する、切断対象となる
特定の塩基配列を持った核酸を必ずしも全て切断してい
るとはいえない。そのため、増幅後の、切断されるはず
の核酸の量と切断できた核酸の量とは、決して同等とは
いえないという問題がある。以上、説明したように、制
限酵素によって標的核酸と内部標準核酸とを識別し定量
する方法は、標的核酸の定量を簡便かつ正確に行おうと
する場合には適用することができないものである。
【0015】一方、標的核酸の定量法として、先に従来
技術の項で示した染色体解析法は、一度凍結するなどの
保存処理を施した生体試料には適用することができな
い。そのため、生体試料を採取後ただちに実施される必
要があり、生体試料の採取や染色体解析法を実施するに
あたっては時間の制約が生じたり、実施以降において結
果の再検討を行いたい場合には改めて生体試料を採取し
直さなければならない、といった不便さがある。
【0016】本発明は、上述のような、従来の定量方法
における諸問題を解消するためになされたものであり、
より詳細には、上述のような分子構造や分子結合力など
の違いによる増幅率の不均等性を是正することが可能
な、核酸の定量方法およびそれを用いた検査方法を提供
することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る核酸の定量方法は、定量対象である標
的核酸と同一の鎖長を持ち、ある任意の1箇所以上にお
いて置換した1つ以上の塩基を除く他の塩基配列が前記
標的核酸と同一である内部標準核酸を用いて、前記標的
核酸を定量することを特徴とするものである。
【0018】より具体的には、本発明に係る核酸の定量
方法は、鎖長が標的核酸と同一で、さらに任意の1つ以
上の塩基を置換しただけで他の塩基配列は上記標的核酸
と同一である内部標準核酸を利用する方法であって、プ
ライマーエクステンション法やパイロシークェンシング
法(Mostafaら、SCIENCE, Vol.281, 17 JULY(1998),
363-365),PE社製キット利用によるスナップショッ
ト(SNaPshot:商品名)法といった塩基置換検出法を採
用することにより、標的核酸と内部標準核酸とを正確に
識別し、高精度な定量を可能としたものである。また、
本発明に係る核酸の定量方法の適用により、標的核酸の
定量結果から、生殖細胞系列や体細胞系列における染色
体の数,染色体の一部もしくは全部の欠失や増幅量など
を正確に測定することが可能となる。
【0019】上に示したプライマーエクステンション法
やパイロシークェンシング法をはじめとする塩基置換検
出法は、従来、一般的に反応系に存在する核酸の塩基配
列上において、ある1つ以上の塩基置換の有無を定性的
に検出する場合に用いられきたものである。これに対し
て、発明者らは、これらの方法が任意の位置の塩基置換
を非常に感度良く認識すること、さらにこれらの方法に
定量的な測定への利用可能性があることを見出し、前述
のような塩基置換を施した内部標準核酸を用いた微量の
標的核酸の定量に好適であると考えたものである。
【0020】また、これらの方法は、従来の制限酵素に
よる識別の場合のように、塩基置換の位置を制限される
ことがないため、塩基置換を行う箇所を自由に選んで内
部標準核酸を設計することが可能となるといった利点が
ある。さらに、標的核酸として選ぶ塩基配列領域も、制
限酵素によって切断できるような塩基配列を内部標準核
酸に持たせることができるか否かといったような制限を
受けず、自由に選ぶことができる。
【0021】以上述べたように、内部標準核酸と塩基置
換検出法とを組み合わせた本発明に係る核酸の定量方法
は、内部標準核酸の設計における自由度ならびに標的核
酸として選ぶ塩基配列領域の設定における自由度を増加
させ、標的核酸と内部標準核酸との正確な識別と高精度
な定量を実現するために非常に有効な方法である。ま
た、本発明に係る核酸の定量方法は、染色体解析法と違
い、凍結などの保存処理を施した生体試料から抽出した
染色体や核酸に対しても有効である。
【0022】従って、前述のような染色体解析法が持つ
制約などを受けないで、標的核酸の定量、さらには、こ
の結果をもとにして、生殖細胞系列もしくは体細胞系列
における染色体の数,染色体の一部もしくは全部の欠失
や増幅量を正確に測定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、一
実施例に基づいて、詳細に説明する。ここで示す例は、
本発明者らが本発明としてみなす範囲を限定するもので
はない。以下の説明では、生体試料提供者の血液試料か
ら、提供者の性別を正確に判断する場合を例として、本
発明に係る核酸の定量方法を適用する実施例を示す。塩
基置換検出法には、プライマーエクステンション法を用
いる。
【0024】まず、定量対象とする標的核酸には、その
存在がX染色体上に確認されているアンドロジェンレセ
プター(androgen receptor)遺伝子の一部を選ぶ。X
染色体は、Y染色体とともに性染色体と呼ばれ、その組
み合わせによってヒトの性別が決定される。通常、ヒト
の場合、X染色体−X染色体の組み合わせでは女性、X
染色体−Y染色体の組み合わせでは男性となる。従っ
て、本発明が提供する定量方法により、提供者が持つX
染色体上のアンドロジェンレセプター遺伝子の数を定量
すれば、提供者の性別が判定できる。
【0025】標的核酸の塩基配列は、図1に示すような
ものとする。また、内部標準核酸は、標的核酸におい
て、図1に示した位置の塩基をTからAに置換したもの
を設計する。
【0026】
【表1】
【0027】標的核酸は、従来から実施されている適当
な方法によって、提供者の血液試料から抽出する。
【0028】一方、内部標準核酸の精製としては、以下
の方法を採った。 (a)提供者の血液試料から抽出した核酸について、二
つの領域をそれぞれ別々の反応系において、プライマー
1とプライマー4,プライマー3とプライマー2の組み
合わせで、核酸増幅する。ただし、プライマー3ならび
にプライマー4については、図1に示す位置の塩基をT
からAに置換した配列に対してプライマーを設計したも
のを用いる。プライマーの位置や配列は、図1および表
1を参照のこと。これら塩基置換を施したプライマーに
よる核酸増幅により、増幅後の核酸に所定の塩基置換が
取り込まれる。
【0029】(b)増幅後の二つの増幅物を同量混合し
たものに対し、図1ならびに表1に示したプライマー1
とプライマー2によって核酸増幅を行い、所定の位置に
塩基置換を施した内部標準核酸を作成する。 (c)作成した内部標準核酸は、適当な方法でプラスミ
ドに組み込み精製する。以上で抽出した核酸と精製した
内部標準核酸を適量づつ混合させた反応系において、図
1ならびに表1のプライマー5,6を用いて核酸増幅を
行う。
【0030】なお、ここで、提供者がX染色体を2本1
組持っているときに核酸増幅後の標的核酸と内部標準核
酸との定量値が同等になるように、それぞれの混合量は
予め調整しておく。また増幅後、ダイナビーズ(Dynal
社製、Dynabeads)で精製することを前提に、プライマ
ー6の5′端にはビオチンラベルを施しておく。核酸増
幅後、定量対象とする核酸だけを抽出するため、ダイナ
ビーズを使用して精製する。このときの精製プロトコル
はDynabeads M−280 Streptavindinのプロトコルに従
う。
【0031】精製後、プライマーエクステンション法に
より、置換塩基の認識から標的核酸と内部標準核酸由来
の核酸断片を同一反応系において複製させる。反応液作
成プロトコルは、表2,表3に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】以下、図2のプライマーエクステンション
用反応液のモデル図に基づいて、複製過程を説明する。
なお、図2中の、丸付の文字Aは表2中のddATP
を、同じく丸付の文字G,C,Tは表2中のdGTP,
dCTP,dTTPを、それぞれ示している。
【0035】上述のプロトコルに従って作成した反応液
を、95℃で45秒間反応させる。これは、前述の変性
反応期間である。 図2の:50℃で30秒間 ここでは、標的核酸および内部標準核酸にプライマーが
結合し、伸長が開始される。
【0036】図2の:60℃で4分間 伸長開始後、ddATP(丸付の文字Aで示されてい
る)と結合した時点で伸長は中断される(塩基Tとの結
合)。塩基T以外の塩基については、伸長が続行され
る。,の1サイクルによって伸長反応が行われる。 図2の:95℃で1分間 ここでは、伸長反応後の変性反応を行う。なお、ここま
での反応は、例えば、12μlで行う。
【0037】次いで、上記変性反応後の試料の一部(例
えば、1〜2μl)について、ホルムアミドを15μl加
える。以上の過程によって、鎖長の違う標的核酸由来の
核酸断片と内部標準核酸由来のものが混在する試料が作
成される。
【0038】図2の:定量 その後、この試料中に含まれる核酸をキャピラリによる
電気泳動などで分離させ、定量する。本実施例では、定
量装置として、PRISM310(パーキンエルマー社
製遺伝子解析装置)を用いた。
【0039】定量の結果、増幅前の標準核酸と内部標準
核酸の量が同等であると推測できるならば、提供者はX
染色体を2本持っている、つまり女性であることを示
す。一方、増幅前の標準核酸と内部標準核酸の量比が、
1:2であると推測された場合は、提供者はX染色体を
1本しか持たないことを示すため、提供者が男性である
と判断できる。
【0040】上記実施例によれば、ある特定の塩基配列
を持つ標的核酸を定量する場合において、標的核酸と同
一鎖長で、任意の箇所において1つ以上の置換した塩基
を除く他の塩基配列が、標的核酸と同一である内部標準
核酸を用いることによって、分子構造や分子結合力など
の標的核酸との分子的特性の違いによる増幅率の不本意
な不均等性を最大限に是正できることが証明された。
【0041】なお、上記実施例は本発明の一例を示すも
のであり、本発明はこれに限定されるべきものではな
い。
【0042】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、分子構造や分子結合力などの違いによる増幅率
の不均等性を是正することが可能な、核酸の定量方法お
よびそれを用いた検査方法が実現できるという顕著な効
果を奏するものである。
【0043】本発明においては、標的核酸と内部標準核
酸を正確に識別し、高精度に定量する方法には、プライ
マーエクステンション法、もしくはパイロシークエンシ
ング法をはじめとした塩基置換検出法を適用した。これ
らの方法は、一般には塩基置換の定性検出をする際に利
用されているが、一方で、塩基配列において任意の箇所
で置換された塩基を高精度に定量的に認識することが可
能であるため、上述のような内部標準核酸を用いた標的
核酸の定量において、正確に標的核酸と内部標準核酸と
を識別し、高精度な定量を行うことができる。
【0044】さらに、本発明に係る核酸の定量方法に
は、従来の制限酵素を用いて識別する定量法と違い、塩
基置換箇所を選択する際の自由度や定量対象の標的核酸
に選ぶ塩基配列領域の選択の自由度が増加するといった
利点がある。
【0045】以上、説明したように、本発明は上記の内
部標準核酸と塩基置換検出法とを組み合わせることによ
って、所定の試料中に含まれる特定の配列を持つ核酸を
正確に定量したい場合に、より好適な方法を提供するも
のである。
【0046】一方、本発明が提供する定量法は、生殖細
胞系列または体細胞系列由来の染色体の数や染色体の一
部もしくは全部の欠失や増幅量などを測定する場合に、
従来法と違い、凍結などの保存処理を施した生体試料に
対しても有効であるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】標的核酸の塩基配列を示す図である。
【図2】プライマーエクステンション法による塩基置換
部の認識から定量までの過程をモデル化して示した図で
ある。
【符号の説明】 〜 処理過程
フロントページの続き (72)発明者 塚田 俊彦 東京都中央区築地5−1−1 国立がんセ ンター研究所内 Fターム(参考) 2G045 AA24 AA26 AA39 AA40 CA25 CB01 CB02 DA12 DA13 DA80 FB02 FB05 FB06 FB07 FB15 GA10 GC22 GC30 HA09 HA20 JA02 JA03 JA20 4B024 AA11 BA80 CA01 HA12 4B063 QA01 QA17 QA19 QQ03 QQ04 QQ42 QR08 QR32 QR42 QR55 QR62 QS16 QS25 QS36 QX02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定量対象である標的核酸と同一の鎖長を
    持ち、ある任意の1箇所以上において置換した1つ以上
    の塩基を除く他の塩基配列が前記標的核酸と同一である
    内部標準核酸を用いて、前記標的核酸を定量することを
    特徴とする核酸の定量方法。
  2. 【請求項2】 前記標的核酸と前記内部標準核酸とを塩
    基置換検出法に基づいて定量することを特徴とする、請
    求項1に記載の核酸の定量方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の核酸の定量方
    法を用いて、生殖細胞系列における染色体の一部もしく
    は全部の欠失を判定することを特徴とする検査方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の核酸の定量方
    法を用いて、生殖細胞系列における染色体の一部もしく
    は全部の増幅量を判定することを特徴とする検査方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の核酸の定量方
    法を用いて、生殖細胞系列におけるある染色体(常染色
    体あるいは性染色体)の数を判定することを特徴とする
    検査方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の核酸の定量方
    法を用いて、腫瘍細胞などの体細胞における染色体の一
    部もしくは全部の欠失を判定することを特徴とする検査
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1または2に記載の核酸の定量方
    法を用いて、腫瘍細胞などの体細胞における染色体の一
    部もしくは全部の増幅量を判定することを特徴とする検
    査方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載の核酸の定量方
    法を用いて、腫瘍細胞などの体細胞におけるある染色体
    (常染色体あるいは性染色体)の数を判定することを特
    徴とする検査方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN119799979A (zh) * 2025-01-17 2025-04-11 圣湘生物科技股份有限公司 一种hbv定量组合物、试剂盒、方法及用途

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