JP2002254209A - 重切削で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具 - Google Patents

重切削で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具

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JP2002254209A
JP2002254209A JP2001052283A JP2001052283A JP2002254209A JP 2002254209 A JP2002254209 A JP 2002254209A JP 2001052283 A JP2001052283 A JP 2001052283A JP 2001052283 A JP2001052283 A JP 2001052283A JP 2002254209 A JP2002254209 A JP 2002254209A
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Akihiro Kondou
暁裕 近藤
Koichi Maeda
浩一 前田
Yusuke Tanaka
裕介 田中
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MMC Kobelco Tool Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重切削で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング
性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具を提供する。 【解決手段】 表面被覆超硬合金製切削工具が、炭化タ
ングステン基超硬合金基体または炭窒化チタン系サーメ
ット基体の表面に、組成式:(Ti1-(X+Y)VXM Y)N
(ただし、MはY、Zr、およびHfのうちの1種また
は2種以上、Xは原子比で0.20〜0.55、Yは同
じく原子比で0.05〜0.25を示す)を有する金属
複合窒化物からなる硬質被覆層を1〜10μmの平均層
厚で物理蒸着してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、硬質被覆層がす
ぐれた靭性を有し、したがって特に各種鋼などの高送り
や高切込みなどの重切削条件での切削加工ですぐれた耐
チッピング性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具
(以下、被覆超硬工具という)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、切削工具には、各種の鋼や鋳鉄
などの被削材の旋削加工や平削り加工にバイトの先端部
に着脱自在に取り付けて用いられるスローアウエイチッ
プ、前記被削材の穴あけ切削加工などに用いられるドリ
ルやミニチュアドリル、さらに前記被削材の面削加工や
溝加工、肩加工などに用いられるソリッドタイプのエン
ドミルなどがあり、また前記スローアウエイチップを着
脱自在に取り付けて前記ソリッドタイプのエンドミルと
同様に切削加工を行うスローアウエイエンドミル工具な
どが知られている。
【0003】また、上記の各種切削工具の1つとして、
一般に、例えば図1に概略説明図で示される物理蒸着装
置の1種であるアークイオンプレーティング装置を用
い、基本的に、例えば雰囲気を1.3×10-3Paの真
空として、ヒータで装置内を500℃の温度に加熱した
状態で、アノード電極と、所定の成分組成を有する合金
がセットされたカソード電極(蒸発源)との間に、例え
ば電圧:35V、電流:100Aの条件でアーク放電を
発生させ、同時に装置内に反応ガスとして窒素ガスを導
入し、一方炭化タングステン(以下、WCで示す)基超
硬合金または炭窒化チタン(以下、TiCNで示す)基
サーメットからなる基体(以下、これらを総称して超硬
基体と云う)には、例えば−100Vのバイアス電圧を
印加した条件で、前記超硬基体の表面に、上記カソード
電極を構成する合金の合金成分の複合窒化物からなる硬
質被覆層を1〜10μmの平均層厚で蒸着することによ
り製造された被覆超硬工具も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要
求は強く、これに伴い、切削加工は、切削加工装置の高
性能化と相俟って、高送りや高切込みなどの重切削条件
での切削加工が行なわれる傾向にあるが、従来提案され
ている各種被覆超硬工具においては、これを鋼や鋳鉄な
どの通常の条件での切削加工に用いた場合には問題はな
いが、これを高靭性が要求される前記重切削に用いた場
合には、硬質被覆層の靭性不足が原因で切刃部にチッピ
ング(微小欠け)が発生し易く、比較的短時間で使用寿
命に至るのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、従来提案されている各種被覆超
硬工具のうち、特に例えば特許第3045184号公報
に記載される被覆超硬工具、すなわち上記の超硬基体の
表面に、例えば上記のアークイオンプレーティング装置
を用いて、高硬度を有するが、靭性が不十分なTiとV
の金属複合窒化物(以下、(Ti,V)Nで示す)から
なる硬質被覆層を、1〜10μmの平均層厚で物理蒸着
してなる被覆超硬工具に着目し、これの硬質被覆層にす
ぐれた靭性を付与し、もって各種鋼や鋳鉄などの重切削
条件での切削加工でも、硬質被覆層がすぐれた耐チッピ
ング性を発揮する被覆超硬工具を開発すべく研究を行っ
た結果、上記の従来被覆超硬工具の硬質被覆層を構成す
る(Ti,V)N層の組成を、組成式:(Ti1-XVX)
Nで表わした場合、原子比で、X:0.20〜0.55
を満足する組成に特定した上で、これにY、Zr、およ
びHfのうちの1種または2種以上(以下、Mで示す)
をTiおよびVの合量に占める割合(原子比)で、0.
05〜0.25を満足する割合で固溶含有させると、こ
の結果の硬質被覆層はVによってもたらされる高硬度が
損なわれることなく、すぐれた靭性を具備するようにな
り、したがってこの硬質被覆層を物理蒸着してなる被覆
超硬工具は、これを高送りや高切込みなどの重切削条件
での切削加工に用いても切刃部にチッピングの発生な
く、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するようにな
る、という研究結果を得たのである。
【0006】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、超硬基体の表面に、組成式:(T
i1-(X+Y)VXMY)N(ただし、MはY、Zr、および
Hfのうちの1種または2種以上、Xは原子比で0.2
0〜0.55、Yは同じく原子比で0.05〜0.25
を示す)を有する金属複合窒化物[以下、(Ti,V,
M)Nで示す]からなる硬質被覆層を1〜10μmの平
均層厚で物理蒸着してなる、重切削で硬質被覆層がすぐ
れた耐チッピング性を発揮する被覆超硬工具に特徴を有
するものである。
【0007】なお、この発明の被覆超硬工具において、
硬質被覆層を構成する(Ti,V,M)NにおけるVは
TiNに対して硬さおよび耐熱性を向上させるために固
溶するものであり、したがって組成式:(Ti1-(X+Y)
VXMY)NのX値が原子比で0.20未満では所望の硬
さおよび耐熱性を確保することができず、一方そのX値
が同0.55を越えると、TiNによってもたらされる
すぐれた靭性が急激に低下するようになり、切刃部にチ
ッピングが発生し易くなるという理由で、X値を原子比
で0.20〜0.55、望ましくは0.3〜0.5と定
めた。
【0008】また、硬質被覆層におけるMは、上記の通
り硬質被覆層にすぐれた靭性を具備せしめ、もって重切
削条件での切削加工ですぐれた耐チッピング性を発揮せ
しめる作用をもつが、組成式:(Ti1-(X+Y)VXMY)
NのY値が原子比で0.05未満では所望のすぐれた靭
性を確保することができず、一方そのY値が同0.25
を超えると硬質被覆層の硬さが急激に低下し、摩耗進行
が促進されるようになることから、Y値を0.05〜
0.25、望ましくは0.1〜0.2と定めた。
【0009】さらに、硬質被覆層の平均層厚を1〜10
μmとしたのは、その層厚が1μmでは所望のすぐれた
耐摩耗性を長期に亘って確保することができず、一方そ
の層厚が10μmを越えると、硬質被覆層の剥離が発生
し易くなるという理由によるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の被覆超硬工具
を実施例により具体的に説明する。 (実施例1)原料粉末として、いずれも1〜3μmの平
均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、V
C粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr3 C2 粉末、T
iN粉末、TaN粉末、およびCo粉末を用意し、これ
ら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、ボー
ルミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、100MP
a の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を6P
aの真空中、温度:1400℃に1時間保持の条件で焼
結し、焼結後、切刃部分にR:0.05のホーニング加
工を施してISO規格・CNMG120408の形状を
もったWC基超硬合金製のチップ超硬基体A1〜A10
を形成した。
【0011】また、原料粉末として、いずれも0.5〜
2μmの平均粒径を有するTiCN(重量比でTiC/
TiN=50/50)粉末、Mo2 C粉末、ZrC粉
末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、お
よびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表2に示さ
れる配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合
し、乾燥した後、100MPaの圧力で圧粉体にプレス
成形し、この圧粉体を2kPaの窒素雰囲気中、温度:
1500℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃
部分にR:0.03のホーニング加工を施してISO規
格・CNMG120408の形状をもったTiCN系サ
ーメット製のチップ超硬基体B1〜B6を形成した。
【0012】ついで、これらチップ超硬基体A1〜A1
0およびB1〜B6のそれぞれを、アセトン中で超音波
洗浄し、乾燥した状態で、それぞれ図1に例示される通
常のアークイオンプレーティング装置に装入し、一方カ
ソード電極(蒸発源)として種々の組成をもったTi−
V−M合金またはTi−V合金を装着し、装置内を排気
して1.3-3Paの真空に保持しながら、ヒーターで装
置内を500℃に加熱した後、Arガスを装置内に導入
して2.5PaのAr雰囲気とし、この状態で超硬基体
に−800vのバイアス電圧を印加して超硬基体表面を
Arガスボンバート洗浄し、ついで装置内を2.5Pa
の窒素ガス(反応ガス)の雰囲気とすると共に、前記超
硬基体に印加するバイアス電圧を−100vに下げて、
前記カソード電極とアノード電極との間にアーク放電を
発生させ、もって前記超硬基体A1〜A10およびB1
〜B6のそれぞれの表面に、表3〜5に示される目標組
成および目標層厚の硬質被覆層を蒸着することにより、
図2(a)に概略斜視図で、同(b)に概略縦断面図で
示される形状を有する本発明被覆超硬工具としての本発
明表面被覆超硬合金製スローアウエイチップ(以下、本
発明被覆超硬チップと云う)1〜30 、および従来
被覆超硬工具としての従来表面被覆超硬合金製スローア
ウエイチップ(以下、従来被覆超硬チップと云う)1〜
16をそれぞれ製造した。
【0013】なお、この結果得られた本発明被覆超硬チ
ップ1〜30および従来被覆超硬チップ1〜16の硬質
被覆層について、その厚さ断面中央部をオージェ分光分
析装置を用いて測定したところ、それぞれ表3〜5に示
される目標組成と実質的に同じ値を示し、またその厚さ
を、走査型電子顕微鏡を用いて測定したところ、いずれ
も同じく表3〜5に示される目標層厚と実質的に同じ平
均値(5点測定の平均値)を示した。
【0014】つぎに、上記本発明被覆超硬チップ1〜3
0および従来被覆超硬チップ1〜16をそれぞれ工具鋼
製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、
本発明被覆超硬チップ1〜19および従来被覆超硬チッ
プ1〜9については、 被削材:JIS・SCM440の丸棒、 切削速度:200m/min.、 切り込み:10mm、 送り:0.4mm/rev.、 切削時間:10分、の条件での合金鋼の乾式高切込み連
続旋削加工試験、 被削材:JIS・S40Cの長さ方向等間隔4本縦溝入
り丸棒、 切削速度:200m/min.、 切り込み:4mm、 送り:0.8mm/rev.、 切削時間:10分、の条件での炭素鋼の乾式高切込み断
続旋削加工試験を行い、また本発明被覆超硬チップ20
〜30および従来被覆超硬チップ10〜16について
は、 被削材:JIS・SCM440Cの丸棒、 切削速度:200m/min.、 切り込み:3.5mm、 送り:0.2mm/rev.、 切削時間:10分、の条件での合金鋼の乾式高切込み連
続旋削加工試験 被削材:JIS・S40Cの長さ方向等間隔4本縦溝入
り丸棒、 切削速度:200m/min.、 切り込み:1.0mm、 送り:0.5mm/rev.、 切削時間:10分、の条件での炭素鋼の乾式高送り断続
旋削加工試験を行い、いずれの旋削加工試験でも切刃部
の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表3〜5に
示した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】(実施例2)原料粉末として、平均粒径:
5.5μmを有する中粗粒WC粉末、同0.8μmの微
粒WC粉末、同1.3μmのTaC粉末、同1.2μm
のNbC粉末、同1.2μmのZrC粉末、同2.3μ
mのCr3C2粉末、同1.5μmのVC粉末、同1.0
μmの(Ti,W)C粉末、同1.8μmのCo粉末、
および同1.2μmの炭素(C)粉末を用意し、これら
原料粉末をそれぞれ表6に示される配合組成に配合し、
さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミ
ル混合し、減圧乾燥した後、100MPaの圧力で所定
形状の各種の圧粉体にプレス成形し、これらの圧粉体
を、6Paの真空雰囲気中、7℃/分の昇温速度で13
70〜1470℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この
温度に1時間保持後、炉冷の条件で焼結して、直径が8
mm、13mm、および26mmの3種の超硬基体形成
用丸棒焼結体を形成し、さらに前記の3種の丸棒焼結体
から、研削加工にて、表6に示される組合せで、切刃部
の直径×長さがそれぞれ6mm×13mm、10mm×
22mm、および20mm×45mmの寸法をもったエ
ンドミル超硬基体a〜hをそれぞれ製造した。
【0021】ついで、これらのエンドミル超硬基体a〜
hのそれぞれを、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した
状態で、同じく図1に例示される通常のアークイオンプ
レーティング装置に装入し、上記実施例1と同一の条件
で、表7、8に示される目標組成および目標層厚をもっ
た硬質被覆層を蒸着することにより、図3(a)に概略
正面図で、同(b)に切刃部の概略横断面図で示される
形状を有する本発明被覆超硬工具としての本発明表面被
覆超硬合金製エンドミル(以下、本発明被覆超硬エンド
ミルと云う)1〜16および従来被覆超硬工具としての
従来表面被覆超硬合金製エンドミル(以下、従来被覆超
硬エンドミルと云う)1〜8をそれぞれ製造した。
【0022】また、この結果得られた本発明被覆超硬エ
ンドミル1〜16および従来被覆超硬エンドミル1〜8
の硬質被覆層について、その厚さ断面中央部をオージェ
分光分析装置を用いて測定したところ、それぞれ表7、
8に示される目標組成と実質的に同じ値を示し、またそ
の厚さを、走査型電子顕微鏡を用いて測定したところ、
いずれも同じく表7、8に示される目標層厚と実質的に
同じ平均値(5点測定の平均値)を示した。
【0023】つぎに、上記本発明被覆超硬エンドミル1
〜16および従来被覆超硬エンドミル1〜8のうち、本
発明被覆超硬エンドミル1〜6および従来被覆超硬エン
ドミル1〜3については、 被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:5
0mmのJIS・SKD61の板材、 切削速度:30m/min.、 溝深さ(切込み):4mm、 テーブル送り:130mm/min、の条件での焼入れ
鋼の乾式高切込み溝切削加工試験、本発明被覆超硬エン
ドミル7〜12および従来被覆超硬エンドミル4〜6に
ついては、 被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:5
0mmのJIS・SKD11の板材、 切削速度:50m/min.、 溝深さ(切込み):12mm、 テーブル送り:300mm/min、の条件でのダイス
鋼の乾式高切込み溝切削加工試験、本発明被覆超硬エン
ドミル13〜16、および従来被覆超硬エンドミル7,
8については、 被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:5
0mmのJIS・S45Cの板材、 切削速度:120m/min.、 溝深さ(切込み):10mm、 テーブル送り:800mm/min、の条件での炭素鋼
の湿式高送り溝切削加工試験(水溶性切削油使用)、を
それぞれ行い、いずれの溝切削加工試験でも切刃部の外
周刃の逃げ面摩耗幅がが使用寿命の目安とされる0.1
mmに至るまでの切削溝長を測定した。この測定結果を
表6、7にそれぞれ示した。
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】(実施例3)上記の実施例2で製造した直
径が8mm(超硬基体a〜c形成用)、13mm(超硬
基体d〜f形成用)、および26mm(超硬基体g、h
形成用)の3種の丸棒焼結体を用い、この3種の丸棒焼
結体から、研削加工にて、溝形成部の直径×長さがそれ
ぞれ4mm×13mm(超硬基体a‘〜c’)、8mm
×22mm(超硬基体d‘〜f’)、および16mm×
45mm(超硬基体g‘、h’)の寸法をもったドリル
超硬基体a‘〜h’をそれぞれ製造した。
【0028】ついで、これらのドリル超硬基体a‘〜
h’の切刃に、ホーニングを施し、アセトン中で超音波
洗浄し、乾燥した状態で、同じく図1に例示される通常
のアークイオンプレーティング装置に装入し、上記実施
例1と同一の条件で、表9,10に示される目標組成お
よび目標層厚をもった硬質被覆層を蒸着することによ
り、図4(a)に概略正面図で、同(b)に溝形成部の
概略横断面図で示される形状を有する本発明被覆超硬工
具としての本発明表面被覆超硬合金製ドリル(以下、本
発明被覆超硬ドリルと云う)1〜16、および従来被覆
超硬工具としての従来表面被覆超硬合金製ドリル(以
下、従来被覆超硬ドリルと云う)1〜8をそれぞれ製造
した。
【0029】さらに、この結果得られた本発明被覆超硬
ドリル1〜16および従来被覆超硬ドリル1〜8の硬質
被覆層についても、その厚さ断面中央部をオージェ分光
分析装置を用いて測定したところ、それぞれ表9,10
に示される目標組成と実質的に同じ値を示し、またその
厚さを、走査型電子顕微鏡を用いて測定したところ、い
ずれも同じく表9,10に示される目標層厚と実質的に
同じ平均値(5点測定の平均値)を示した。
【0030】つぎに、上記本発明被覆超硬ドリル1〜1
6および従来被覆超硬ドリル1〜8のうち、本発明被覆
超硬ドリル1〜6および従来被覆超硬ドリル1〜3につ
いては、 被削材:平面寸法:100mm×250厚さ:10mm
のJIS・SCM440の板材、 切削速度:80m/min.、 送り:0.35mm/rev、の条件での合金鋼の湿式
高送り穴あけ切削加工試験(水溶性切削油使用)、本発
明被覆超硬ドリル7〜12よび従来被覆超硬ドリル4〜
6については、 被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:2
0mmのJIS・S50Cの板材、 切削速度:60m/min.、 送り:0.40mm/rev、の条件での炭素鋼の湿式
高送り穴あけ切削加工試験(水溶性切削油使用)、本発
明被覆超硬ドリル13〜16および従来被覆超硬ドリル
7,8については、 被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:4
5mmのJIS・SCM435の板材、 切削速度:60m/min.、 送り:0.45mm/rev、の条件での合金鋼の湿式
高送り穴あけ切削加工試験(水溶性切削油使用)、をそ
れぞれ行い、いずれの湿式高送り穴あけ切削加工試験で
も先端切刃面の逃げ面摩耗幅が0.3mmに至るまでの
穴あけ加工数を測定した。この測定結果を表9,10に
それぞれ示した。
【0031】
【表9】
【0032】
【表10】
【0033】
【発明の効果】表3〜10に示される結果から、硬質被
覆層が高硬度とすぐれた靭性を有する(Ti,V,M)
N層からなる本発明被覆超硬工具は、いずれも鋼の切削
加工を高切込みおよび高送りの重切削条件で行っても、
切刃部にチッピングの発生なく、すぐれた耐摩耗性を発
揮するのに対して、硬質被覆層が(Ti,V)N層で構
成された従来被覆超硬工具においては、重切削条件での
切削加工では硬質被覆層の靭性不足が原因で切刃部にチ
ッピングが発生し、これが摩耗進行を著しく促進するこ
とから、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかで
ある。上述のように、この発明の被覆超硬工具は、各種
の鋼や鋳鉄などの通常の条件での切削加工は勿論のこ
と、特に高切込みおよび高送りの重切削条件での切削加
工ですぐれた耐チッピング性を発揮し、長期に亘ってす
ぐれた耐摩耗性を示すものであるから、切削加工の省力
化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】アークイオンプレーティング装置の概略説明図
である。
【図2】(a)は被覆超硬チップの概略斜視図、(b)
は被覆超硬チップの概略縦断面図である。
【図3】(a)は被覆超硬エンドミル概略正面図、
(b)は同切刃部の概略横断面図である。
【図4】(a)は被覆超硬ドリルの概略正面図、(b)
は同溝形成部の概略横断面図である。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月26日(2001.3.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、原料粉末として、いずれも0.5〜
2μmの平均粒径を有するTiCN(重量比でTiC/
TiN=50/50)粉末、Mo2C粉末、ZrC粉
末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、お
よびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表2に示さ
れる配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合
し、乾燥した後、100MPaの圧力で圧粉体にプレス
成形し、この圧粉体を2kPaの窒素雰囲気中、温度:
1500℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃
部分にR:0.03のホーニング加工を施してISO規
格・CNMG120408の形状をもったTiCN系サ
ーメット製のチップ超硬基体B1〜B6を形成した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】つぎに、上記本発明被覆超硬エンドミル1
〜16および従来被覆超硬エンドミル1〜8のうち、本
発明被覆超硬エンドミル1〜6および従来被覆超硬エン
ドミル1〜3については、 被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:5
0mmのJIS・SKD61の板材、 切削速度:30m/min.、 溝深さ(切込み):4mm、 テーブル送り:130mm/min.、の条件での焼入
れ鋼の乾式高切込み溝切削加工試験、本発明被覆超硬エ
ンドミル7〜12および従来被覆超硬エンドミル4〜6
については、 被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:5
0mmのJIS・SKD11の板材、 切削速度:50m/min.、 溝深さ(切込み):12mm、 テーブル送り:300mm/min.、の条件でのダイ
ス鋼の乾式高切込み溝切削加工試験、本発明被覆超硬エ
ンドミル13〜16、および従来被覆超硬エンドミル
7,8については、 被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:5
0mmのJIS・S45Cの板材、 切削速度:120m/min.、 溝深さ(切込み):10mm、 テーブル送り:800mm/min.、の条件での炭素
鋼の湿式高送り溝切削加工試験(水溶性切削油使用)、
をそれぞれ行い、いずれの溝切削加工試験でも切刃部の
外周刃の逃げ面摩耗幅がが使用寿命の目安とされる0.
1mmに至るまでの切削溝長を測定した。この測定結果
を表6、7にそれぞれ示した。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月7日(2001.8.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】ついで、これらチップ超硬基体A1〜A1
0およびB1〜B6のそれぞれを、アセトン中で超音波
洗浄し、乾燥した状態で、それぞれ図1に例示される通
常のアークイオンプレーティング装置に装入し、一方カ
ソード電極(蒸発源)として種々の組成をもったTi−
V−M合金またはTi−V合金を装着し、装置内を排気
して1.3×10- 3Paの真空に保持しながら、ヒー
ターで装置内を500℃に加熱した後、Arガスを装置
内に導入して2.5PaのAr雰囲気とし、この状態で
超硬基体に−800vのバイアス電圧を印加して超硬基
体表面をArガスボンバート洗浄し、ついで装置内を
2.5Paの窒素ガス(反応ガス)の雰囲気とすると共
に、前記超硬基体に印加するバイアス電圧を−100v
に下げて、前記カソード電極とアノード電極との間にア
ーク放電を発生させ、もって前記超硬基体A1〜A10
およびB1〜B6のそれぞれの表面に、表3〜5に示さ
れる目標組成および目標層厚の硬質被覆層を蒸着するこ
とにより、図2(a)に概略斜視図で、同(b)に概略
縦断面図で示される形状を有する本発明被覆超硬工具と
しての本発明表面被覆超硬合金製スローアウエイチップ
(以下、本発明被覆超硬チップと云う)1〜30 、
および従来被覆超硬工具としての従来表面被覆超硬合金
製スローアウエイチップ(以下、従来被覆超硬チップと
云う)1〜16をそれぞれ製造した。
フロントページの続き (72)発明者 田中 裕介 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179番地 1 エムエムシーコベルコツ−ル株式会社 内 Fターム(参考) 3C037 CC01 CC04 CC09 CC11 3C046 AA01 FF03 FF05 FF10 FF11 FF19 FF25 4K029 AA04 BA58 BC00 BD05 EA01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化タングステン基超硬合金基体または
    炭窒化チタン系サーメット基体の表面に、組成式:(T
    i1-(X+Y)VXMY)N(ただし、MはY、Zr、および
    Hfのうちの1種または2種以上、Xは原子比で0.2
    0〜0.55、Yは同じく原子比で0.05〜0.25
    を示す)を有する金属複合窒化物からなる硬質被覆層を
    1〜10μmの平均層厚で物理蒸着してなる、重切削で
    硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被
    覆超硬合金製切削工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012519231A (ja) * 2009-02-27 2012-08-23 スルザー メタプラス ゲーエムベーハー コーティング系及びコーティング系を製造するためのコーティング方法

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