JP2002361069A - 超臨界水反応装置及び容器 - Google Patents

超臨界水反応装置及び容器

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JP2002361069A JP2001175536A JP2001175536A JP2002361069A JP 2002361069 A JP2002361069 A JP 2002361069A JP 2001175536 A JP2001175536 A JP 2001175536A JP 2001175536 A JP2001175536 A JP 2001175536A JP 2002361069 A JP2002361069 A JP 2002361069A
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智之 岩森
Takayuki Shimamune
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に有機塩素化合物を含む被処理液を超臨界
水処理する超臨界水反応装置を提供する。 【解決手段】 本装置10は、超臨界水を収容する反応
器12を備え、有機塩素化合物を含有する被処理液を反
応器内に導入して空気により酸化分解する超臨界水反応
装置である。本装置は、被処理液の送入流量等を調整し
て、反応器内の温度を550℃以上650℃以下の範囲
に制御する温度制御装置32を備え、反応器壁の表層を
チタン又はチタン合金からなるチタン層とチタン層上に
積層した酸化イリジウム層との複合耐食層で被覆してい
る。処理流体が流れる処理流体流路と、処理流体流路に
合流してアルカリ水溶液を処理流体中に注入するアルカ
リ水溶液流路とを備え、アルカリ水溶液によって処理流
体を450℃以下に中和急冷する中和急冷部30を反応
器外に備えている。中和急冷部は、処理流体と接する壁
面が、壁面上に順次設けられたタンタル層、チタン層及
び酸化イリジウム層の複合耐食層で被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理液、特にP
CB等の有機塩素系化合物を含む被処理液を超臨界水処
理する超臨界水反応装置に関し、更に詳細には、PCB
を完全に分解して無害化する超臨界水処理に最適な超臨
界水反応装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】環境問題に対する認識の高まりと共に、
超臨界水反応装置の適用分野の一つとして、環境汚染物
質の分解、無害化が、注目されている。すなわち、超臨
界水の反応媒体的性質を利用した超臨界水反応により、
従来技術では分解することが難しかった有害な難分解性
の有機物、例えば、PCB(ポリ塩素化ビフェニル)、
ダイオキシン、有機塩素系溶剤等を分解して、二酸化炭
素、水、無機塩などの無害な生成物に転化する試みであ
る。
【0003】超臨界水とは、超臨界状態にある水、即
ち、水の臨界点を越えた状態にある水を言い、詳しく
は、臨界温度、即ち374.1℃以上の温度で、かつ水
の臨界圧力、即ち22.04MPa以上の圧力下にある
状態の水を言う。超臨界水は、有機物を溶解する溶解能
が高く、有機化合物に多い非極性物質をも完全に溶解す
ることができる一方、逆に、金属、塩等の無機物に対す
る溶解能は著しく低い。また、超臨界水は、酸素や窒素
などの気体と任意の割合で混合して単一相を構成するこ
とができる。
【0004】ここで、図8を参照して、有機塩素系化合
物を含む被処理液を超臨界水処理する、従来の超臨界水
反応装置の基本的な構成を説明する。図8は従来の超臨
界水反応装置の構成を示すフローシートである。超臨界
水反応装置100は、従来、超臨界水処理中に塩が析出
するような有機塩素系の難分解性有機物の酸化分解に最
適な装置と言われている、いわゆるモダープロセス方式
の装置であって、下部に亜臨界水域を有する耐圧密閉型
の縦型反応器102を備え、超臨界水中に固形物として
析出する塩を反応容器下部の亜臨界水域に沈降、分離さ
せるようになっている。
【0005】図8に示すように、反応器102の上部に
は、超臨界水を滞留させている超臨界水域104が形成
され、水の臨界点以上の条件、即ち超臨界条件を維持し
ている。一方、反応器102の下部には、亜臨界水域1
08が、超臨界水域104との仮想的界面106を介し
て形成され、水の臨界温度より低い亜臨界水を滞留させ
ている。反応器102の上部には、超臨界水処理する被
処理液及び酸化剤を超臨界水域104に流入させる流入
管110が接続されている。流入管110には、超臨界
水反応により処理すべき有機塩素系化合物を有する被処
理液を送入する被処理液ライン112、有機物を酸化さ
せる酸化剤として空気を送入する空気ライン114が合
流している。尚、必要に応じて、超臨界水又は超臨界水
生成用の補給水を超臨界水域に供給する超臨界水ライン
115を流入管110に接続することもある。
【0006】また、被処理液中の有機塩素系化合物によ
って生成する塩酸を中和するためにアルカリ中和剤を供
給する中和剤ライン116が、被処理液ライン112に
接続されている。本例では、通常、被処理液及び中和剤
は、流入管110を通って反応器102に供給され、酸
化剤である空気により下方に向けてアトマイジングされ
て、反応器102内の超臨界水域104内に噴霧され
る。噴霧された被処理液中の有機塩素系化合物は超臨界
水域104内で瞬時に酸化分解される。超臨界水反応の
結果、被処理液に含有された有機塩素系化合物の塩素
は、アルカリ中和剤と中和して塩となり、超臨界水域か
ら亜臨界水域に移行する。反応器102の上部には、更
に、処理流体ライン118が接続され、被処理液中の有
機物が、超臨界水反応により、主として水と二酸化炭素
になって処理流体と共に超臨界水域104から処理流体
ライン118を通って流出する。
【0007】一方、反応器102の下部には、亜臨界水
ライン120及び亜臨界排水ライン122が接続され、
亜臨界水ライン120は亜臨界水域108に亜臨界水を
供給し、また亜臨界排水ライン122は超臨界水反応及
び中和反応により生成した塩を溶解している亜臨界水を
排水として亜臨界水域108から排出する。図示しない
が、また、処理流体ライン118及び亜臨界排水ライン
122には、反応器104内の圧力を所定圧力に維持す
る圧力制御装置、処理流体及び亜臨界排水を所定温度に
降温する冷却器、所定圧力に減圧する減圧装置、更には
気液分離装置等が設けてある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の超臨界水処理装置によって、高濃度のPCBを含む被
処理液を超臨界水処理しようとすると、次のような問題
が生じていた。第1には、従来のように、水の臨界温度
(374.1℃)を多少超えた反応温度、即ち450℃
から500℃の範囲の温度では、処理液のPCB含量を
排出基準で許容されている3ppb以下にすることが極
めて難しかった。逆に言えば、更に高い反応温度を必要
とすることが予想されることである。
【0009】第2には、超臨界水域と亜臨界水域とを反
応器内に形成する2ゾーン方式に起因する二つの問題で
ある。その一は、反応器壁の腐食、特に両域の境界近傍
での腐食が著しいという問題であった。通常は、超臨界
水反応と同時並行的に中和反応が進行するので、腐食問
題は起きないのであるが、場合によって中和が不完全で
あると、腐食が問題となる。従来の方法では、反応器内
に高温の超臨界水域と低温の亜臨界水域とが存在するた
めに、腐食の厳しい領域が必ず存在し、PCBの超臨界
水処理の実用化を図る上で障害となっていた。その二
は、従来法では被処理液の噴霧状態が良くないと、PC
B等が完全に分解せずに、亜臨界水域に入ってしまうこ
とがある。この場合、亜臨界水域の温度が低いために、
亜臨界水域に混入した未分解物が、分解されることなく
そのまま残留し、亜臨界水域から排水として排出される
ので、亜臨界排水中のPCB含量が排出基準を超えると
いう問題があった。
【0010】第3には、PCBを処理する際のように被
処理液中の有機塩素濃度が高い場合、中和反応及び塩生
成分離のメカニズムに不明な点が多く、PCBの超臨界
水処理ではPCBの有機塩素に由来して生成した塩酸を
従来のように反応器内で完全に中和させる処理は、実際
には難しく、確実性に乏しいという問題があった。
【0011】そこで、中和処理の改良案として、処理流
体にアルカリ水溶液を注入して急冷中和する中和急冷部
を反応器出口又は下流に設け、反応器外でアルカリ水溶
液を注入して処理流体を中和急冷することが試みられて
いる。しかし、この方法では、処理流体が反応器から流
出して中和急冷部に入って始めて中和されるので、超臨
界水反応により生成した多量の塩酸が反応器内に存在す
ることになる。そのために、従来から耐食層として反応
器の内壁に使用されてきたインコネル625等のニッケ
ル合金は、塩酸による腐食が著しく、使用に耐えないと
いう問題があった。また、急冷中和部でも、アルカリ水
溶液と処理流体との中和反応が終了する地点までの配管
の腐食が著しく、同じくニッケル合金を配管に使用して
も、長期の使用が難しいという問題がある。
【0012】更には、中和急冷部と併用して、圧力バラ
ンス型反応器を採用する試みも行われている。圧力バラ
ンス型反応器130は、図9に示すように、圧力容器と
して形成された外円筒体131と、外円筒体131と相
互に連通する内円筒体として設けられ、超臨界水を収容
して反応域を形成する反応カートリッジ132との2重
円筒体として形成されている。流入管110(図8参
照)に接続された入口ノズル133から、被処理液と、
酸化剤として酸素含有ガス、例えば空気とを反応カート
リッジ132内の反応域134に流入させ、かつ、圧力
バランス用ガス送入口135から外円筒体131と反応
カートリッジ132との間の環状部136に、圧力バラ
ンス用ガスとして、例えば空気を供給する。圧力バラン
ス用ガスは、圧力容器131と反応カートリッジ132
との上部間隙137を介して環状部136から反応域1
34に流入し、酸化剤の一部として消費される。
【0013】反応カートリッジ132内の反応域134
に流入した被処理液は、超臨界水中で酸素により酸化分
解され、反応器流出管138から流出する。中和急冷部
は、反応カートリッジ132の下流で、圧力容器132
の内側又は外側に設けられる。従来の圧力バランス型反
応器では、内外の圧力差は殆ど無いため、反応カートリ
ッジ132を非圧力容器として薄い肉厚で形成できるの
で、反応カートリッジ132を高価な耐食性金属、例え
ばインコネル625等のニッケル合金で形成しても、コ
ストが嵩まないという利点がある。また、環状部136
は腐食性が強い雰囲気ではないので、外円筒体131は
必ずしも反応カートリッジ132と同じ材質で形成する
必要はなく、通常、耐熱/耐圧性炭素鋼、或いはステン
レス鋼で形成される。しかし、高価なニッケル合金で形
成した反応カートリッジであっても、塩酸による腐食が
著しく、短期間で交換せざるを得ないと言う問題があっ
た。
【0014】そこで、本発明の目的は、被処理液、特
に、PCB等を高濃度で含有する被処理液を超臨界水処
理して、排出基準で許容される3ppb以下のPCB濃
度にまで処理液のPCB濃度を低下させる装置であっ
て、長期間にわたり安定して運転できる超臨界水処理装
置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、(1)PCB等の高有機塩素濃度の被
処理液を排出基準で許容される3ppbのPCB濃度に
まで超臨界水処理できる反応温度を確立すること、
(2)その温度条件下で、しかも高濃度の塩酸雰囲気で
使用できる反応器の材料を確立することが必要であると
考えた。
【0016】そこで、先ず、PCBの超臨界水処理によ
り生成する処理流体中のPCB含量を3ppb以下にす
るために、PCBの分解率と超臨界水反応の反応温度と
の関係を調べた。その結果、23MPaの反応圧力、及
び2分間以上4分間以下の反応時間の条件では、反応温
度が500℃のときには、PCB濃度は3ppb以上で
あって、排出基準である3ppbを満足させることはで
きないこと、そして反応温度を550℃及び650℃に
することにより、PCB濃度を3ppb以下にすること
ができることが判った。尚、反応温度が500℃のとき
には、反応時間を4分間以上にしても、PCB濃度を3
ppb以下にすることができないことも判った。
【0017】すなわち、反応温度を550℃以上650
℃以下の範囲の温度に設定することにより、処理流体中
のPCB濃度が3ppb以下になるように、PCB又は
PCB類似化合物からなる有機塩素系化合物を含む被処
理液を超臨界水反応により酸化分解することができる。
PCB類似化合物とは、PCBとほぼ同じような化学構
造を有する化合物であって、例えばダイオキシン類、ク
ロロベンゼン系化合物、クロロフェノール類等である。
【0018】次いで、550℃以上の温度で高濃度塩酸
に対して耐食性を有する材料を選定するために、種々の
材料で反応器を作製し、実際にPCBを超臨界水処理す
ることにより材料の耐食性評価を行うという腐食試験を
行った。ところで、例えば純度100%の三塩素化物か
ら五塩素化物までのPCBを超臨界水処理すると、生成
する塩酸の濃度は約10質量%〜15質量%程度とな
る。そこで、腐食試験では、塩酸水溶液の塩酸濃度を2
0質量%とし、各種材料の腐食速度を以下のようにして
測定した。
【0019】先ず、下記に挙げる材料でオートクレーブ
状の反応器をそれぞれ作製し、塩酸濃度20質量%の塩
酸水溶液を各反応器内に収容し、反応器内の塩酸水溶液
を圧力22MPaで実験温度200℃に昇温し、500
時間から600時間その温度に維持して、各反応器の容
器壁の腐食速度を測定した。その結果は、表1に示す通
りである。尚、表1で−の表示は、反応器の単位面積当
たりの重量が塩化物の生成により増えたことを示す。従
って、マイナス表示の腐食速度も、腐食が進行している
ことを意味する。
【表1】
【0020】次いで、温度300℃から650℃まで、
550℃を除いて50℃刻みに実験温度を設定し、同様
の腐食実験を行ったところ、表1及び図10に示す腐食
実験結果を得た。図10は表1の数字をグラフ化したも
のである。実験に供した材料は、耐食性が高いと評価さ
れている白金族元素のうちの白金(Pt)、イリジウム
(Ir)、ルテニウム(Ru)、及びロジウム(Rh)
と、白金族に次いで耐食性が高いと評価されているチタ
ン{Ti(ASTMグレード12)}、タンタル(T
a)、及び酸化アルミナ(Al2 3 )の7種類であ
る。
【0021】尚、ロジウム(Rh)は、塩酸濃度20質
量%の塩酸水溶液に溶解し易く、反応器を作製して実物
による腐食実験を行うことができないことが判ったの
で、他の材料の腐食条件と同じ条件でテストピースを塩
酸水溶液に浸漬して、耐食性を評価した。ロジウムの腐
食実験の結果は、表1で、300℃で27mm/yの腐
食速度と表されているが、ロジウムが300℃では塩酸
水溶液に溶解してしまうので、その溶解速度を腐食速度
として表示したものである。
【0022】ところで、実際の超臨界水処理では、反応
器の容器壁の腐食速度が1mm/年未満であれば、腐食
性が低く、反応器の材料として最も好ましい耐食性材料
であると評価できる。また、腐食速度が1mm/年以上
5mm/年未満のときには、その腐食速度は許容できる
範囲内の腐食性であって、反応器の材料として採用可能
な耐食性材料であると評価できる。しかし、腐食速度が
5mm/年を越えるときには、その腐食速度は許容でき
る範囲を超えており、反応器の材料として採用できる耐
食性材料とは評価できない。
【0023】上述した腐食性(耐食性)の判定基準に従
い、腐食試験で得た容器壁の腐食速度に基づいて、腐食
試験に供した各材料が反応器に使えるかどうかについ
て、以下のように評価した。イリジウム以外の材料、即
ちチタン、タンタル(Ta)、白金(Pt)、ルテニウ
ム(Ru)、ロジウム(Rh)、及び酸化アルミナ(A
2 3 )の腐食性は、特定の温度範囲では、腐食速度
が1mm/年以上5mm/年未満であって、許容できる
範囲内に収まるものの、その温度範囲外では腐食速度が
高く、そのままでは採用できない。例えば、チタン、ル
テニウム、ロジウムは、高温領域では、腐食速度が低い
ものの、400℃以下の温度、特に300℃では、腐食
速度が極めて高い。逆に、タンタルは、400℃以下の
温度領域では、腐食速度が低いものの、400℃以上の
高温領域では、腐食速度が極めて高い。また、酸化アル
ミナは、高温領域で、腐食速度は低いものの、割れが発
生するので、反応器の耐食材料として使うことはできな
い。
【0024】更に言えば、耐食性の高いと評価されてい
る白金族元素であっても、イリジウム以外の白金、ルテ
ニウム(Ru)、及びロジウム(Rh)は特定の温度範
囲を除いて耐食性に乏しく、イリジウムのみが常温から
650℃までの温度範囲にわたり良好な耐食性を有す
る。
【0025】反応器内は、全域にわたって550〜65
0℃の温度範囲にあることが望まれるが、実際の運転に
おいては、ノズル噴霧が悪化した場合に、反応器の一
部、特に下部が400℃以下の温度となることが考えら
れ、この範囲で、腐食速度が許容範囲以内であることが
必要である。例えば、チタンを使った反応器であれば、
チタンの耐食性を機能させるためには、反応器を常に高
温域に維持することが必要であって、特別の温度維持装
置が必要になる。これでは、設備コストが嵩み、しかも
運転が複雑になるという問題がある。
【0026】以上の実験結果から、本発明者は、400
℃以上の温度域で耐食性の良好なチタンと、400℃以
下の温度域で耐食性の良好なタンタルとを組み合わせる
ことを考えた。ところで、チタン、タンタルは、耐食性
が良好な温度範囲が極めて臨界的に限定され、反応容器
の温度が何らかの理由で耐食性を示す温度範囲から逸脱
すると、腐食が著しく進行するという難点がある。一
方、イリジウムは、常温から650℃までの温度範囲に
わたり良好な耐食性を示すものの、機械的加工が難しい
という問題があった。
【0027】そこで、本発明者は、ライニング等の機械
的加工によってイリジウム層を形成する代わりに、化学
的気相成長法(Chemical Vapor Deposition Process 、
以下、CVD法と言う)によって、酸化イリジウム層
(IrO2 )をチタン層又はタンタル層上に成長させる
ことを着想した。酸化イリジウム層の耐食性を前述と同
様な実験で調べたところ、イリジウム層と同じ耐食性を
有することを実験で確認することができた。本発明者
は、実験を重ねて、チタン層上に、又はタンタル層上
に、CVD法によって酸化イリジウム層を成長させるこ
とにより、チタン層と酸化イリジウム層との複合耐食
層、タンタル層と酸化イリジウム層との複合耐食層、又
はタンタル層、チタン層、及び酸化イリジウム層の3層
の複合耐食層を形成することができることを確認した。
【0028】そして、チタン層上に膜厚2500〜30
00nmの酸化イリジウム層をCVD法によって積層し
たTi/IrO2 複合耐食層で反応器の内壁面を被覆
し、前述と同じ腐食実験を行った。腐食実験の結果、腐
食速度は、常温から650℃の範囲にわたってイリジウ
ムと同様であって、例えば300℃でプラス2mm/年
以下であった。つまり、Ti/IrO2 複合耐食層は、
チタン層の耐食性が低い400℃以下でも十分な耐食性
を示し、また、常温から650℃の範囲で、ほぼイリジ
ウムと同じ程度の耐食性を有する。
【0029】また、本発明者は、耐食層を形成する場
合、単一の耐食性材料、例えばイリジウム層で耐食層を
形成するより、寧ろ、多少異なる耐食性を有す複数の耐
食材料、例えばチタン層と酸化イリジウム層との複合耐
食層を形成する方が不測の条件下でもより一層確実な耐
食性を示すと考えた。例えば、孔食状の腐食の場合、仮
に酸化イリジウム層に孔食が生じたとしても、下層のチ
タン層にまで孔食が進行することは少ないからである。
また、反応器内で不測の急激な温度低下が生じても、チ
タン層のみであれば、腐食の発生、進行が懸念される
が、酸化イリジウム層を表層に有するので、腐食が発生
しない。そこで、本発明者は、腐食され易い反応容器壁
を上述の複合耐食層で被覆することにより、常温から6
50℃までの温度範囲にわたり、腐食速度の許容できる
限度内で、即ち長期間にわたり安全に、有機塩素系化合
物の超臨界水処理を行うことができるという、本発明を
発明するに至った。
【0030】上記目的を達成するために、上述の知見に
基づいて、本発明に係る超臨界水反応装置(以下、第1
の発明と言う)は、超臨界水を収容する反応器を備え、
有機塩素化合物を含有する被処理液を反応器内に導入し
て酸化剤により酸化分解する超臨界水反応装置におい
て、反応器内の温度を550℃以上650℃以下の範囲
に制御する温度制御装置を備え、反応器の被処理液と接
する反応器壁面が、壁面上に設けられたチタン又はチタ
ン合金からなるチタン層と、チタン層上に積層された酸
化イリジウム層との複合耐食層で被覆されていることを
特徴としている。
【0031】本発明では、被処理液の送入流量、超臨界
水の送入流量、超臨界水生成のために反応器に送入する
補給水の送入流量、及び補給水の温度の少なくともいず
れかを調整して、反応温度を550℃以上650℃以下
の範囲の温度に設定することにより、有機塩素化合物が
PCB又はPCB類似化合物である場合、被処理液の酸
化分解により生成した処理液中のPCB濃度を3ppb
以下にすることができる。本発明で、PCB類似化合物
とは、PCBとほぼ同じような化学構造を有する化合物
であって、例えばダイオキシン類、クロロベンゼン系化
合物、クロロフェノール類等である。また、本発明で
は、特定した複合耐食層で反応器の壁面を被覆している
ので、上述の温度でも、生成塩酸による腐食雰囲気に抗
して長期間にわたり安定し、PCB等の有機塩素化合物
を含む被処理液を処理することができる。酸化イリジウ
ム層の膜厚は、処理する有機塩素化合物、反応器内の塩
酸濃度によって異なるが、実用的には、1500nm以
上とする。
【0032】本発明の好適な実施態様では、反応器の被
処理液と接する反応器壁面が、壁面上に設けられたタン
タル又はタンタル合金からなるタンタル層と、タンタル
層上に設けられたチタン又はチタン合金からなるチタン
層と、チタン層上に積層された酸化イリジウム層との3
層の複合耐食層で被覆されている。これにより、酸化イ
リジウム層が腐食し、更に、不測の事情により反応器の
温度が400℃より低下してチタン層が腐食した時に
も、内側のタンタル層で耐腐食性を維持することができ
る。つまり、PCB等の極めて有害な物質を取り扱う際
に必要なフェイルセーフの考えに基づいている。また、
反応器内の温度分布に基づいて算出した温度が400℃
未満の領域の反応器壁面が、壁面上に設けられたタンタ
ル又はタンタル合金からなるタンタル層と、タンタル層
上に積層された酸化イリジウム層との複合耐食層で被覆
されている。これにより、反応器の耐食性を更に高める
ことができる。
【0033】本発明で、複合耐食層で被覆するには、先
ず、ニッケル合金等で形成された反応器壁上に既知のラ
イニング法によってチタン層又はタンタル層を被覆し、
次いでチタン層又はタンタル層上にCVD法によって酸
化イリジウム層を成長させる。また、ニッケル合金層上
にチタン層又はタンタル層を被覆した被覆金属材を加工
して、反応器を形成し、次いで反応器壁のチタン層又は
タンタル層上にCVD法によって酸化イリジウム層を成
長させる。尚、本発明で「壁面を複合耐食層で被覆す
る」という表現は、反応器自体がチタン又はタンタルで
形成され、その内壁面上に酸化イリジウム層を積層した
態様も含む。
【0034】本発明で使用するチタン及びチタン合金
は、JIS規格又はASTM規格で規定されるものであ
って、例えばJIS規格では、純チタンはJIS1種か
ら3種で規定されるチタン金属、チタン合金はチタンパ
ラジウム合金として規定されるJIS11種から13種
のチタン合金、及び他のチタン合金としてTi−6Al
−4V合金及びTi−6Al−4VELI合金がある。
また、ASTM規格では、純チタンはASTM Gra
de1からGrade4で規定されるチタン金属、チタ
ン合金はチタンパラジウム合金として規定されるAST
M Grade7とGrade11のチタン合金であ
る。また、ASTM規格でGrade12なども適用で
きる。
【0035】本発明で使用するタンタル及びタンタル合
金は、JIS規格又はASTM規格で規定されるもので
あって、純タンタルの他にも、タンタル−タングステン
合金なども適用できる。第1の発明で、チタン層又はチ
タン合金層、及びタンタル層又はタンタル合金層は、反
応器の容器壁にライニングしても良く、また溶接法によ
り肉盛りしても良い。また、HIP処理によって反応器
の容器壁に接合することもできる。
【0036】反応器が圧力バランス型反応器である場合
には、本発明に係る超臨界水反応装置(以下、第2の発
明という)は、超臨界水を収容する反応器を備え、有機
塩素化合物を含有する被処理液を反応器内に導入して酸
化剤により酸化分解する超臨界水反応装置において、反
応器内の温度を550℃以上650℃以下の範囲に制御
する温度制御装置を備え、反応器が、圧力容器と、圧力
容器と相互に連通する反応カートリッジとの2重筒体で
あって、被処理液と、酸化剤とを反応カートリッジ内に
供給し、かつ、圧力容器と反応カートリッジとの間に圧
力バランス用ガスを供給して、反応カートリッジ内で被
処理液を酸化含有ガスにより酸化分解する圧力バランス
型反応器として構成され、反応カートリッジが、チタン
又はチタン合金からなるチタン層と、チタン層の両面に
積層された酸化イリジウム層とからなる複合耐食材で形
成されていることを特徴としている。
【0037】第2の発明では、温度制御装置が、被処理
液の送入流量、超臨界水の送入流量、超臨界水生成のた
めに反応器に送入する補給水の送入流量、及び補給水の
温度の少なくともいずれかを調整することにより、反応
器内の温度を550℃以上650℃以下の範囲に制御す
ることができる。
【0038】また、別法として、反応カートリッジを、
タンタル又はタンタル合金からなるタンタル層と、タン
タル層の両面に設けられたチタン又はチタン合金からな
るチタン層と、チタン層の両面に積層された酸化イリジ
ウム層とからなる複合耐食材で形成しても良い。これに
より、酸化イリジウム層が腐食し、更に、不測の事情に
より反応器の温度が400℃より低下してチタン層が腐
食した時にも、内側のタンタル層で耐腐食性を維持する
ことができる。
【0039】本発明の第3の発明は、超臨界水を収容す
る反応器を備え、有機塩素化合物を含有する被処理液を
反応器内に導入して酸化剤により酸化分解する超臨界水
反応装置において、反応器内の温度を550℃以上65
0℃以下の範囲に制御する温度制御装置を備え、反応器
が、圧力容器と、圧力容器と相互に連通する反応カート
リッジとの2重筒体であって、被処理液と酸化剤とを反
応カートリッジ内に供給し、かつ、圧力容器と反応カー
トリッジとの間に圧力バランス用ガスを供給して、反応
カートリッジ内で被処理液を酸化分解する圧力バランス
型反応器として構成され、処理流体が流れる処理流体流
路と、処理流体流路に合流してアルカリ水溶液を処理液
中に注入するアルカリ水溶液流路とを備え、アルカリ水
溶液によって処理流体を450℃以下に中和急冷するよ
うにした中和急冷部を反応器外に備え、処理流体流路及
びアルカリ水溶液流路の流路壁面が、壁面上に設けられ
たタンタル又はタンタル合金からなるタンタル層と、タ
ンタル層上に積層された酸化イリジウム層との複合耐食
層で被覆されている。また、処理流体流路及びアルカリ
水溶液流路の流路壁面を、壁面上に設けられたチタン又
はチタン合金からなるチタン層と、チタン層上に設けら
れたタンタル又はタンタル合金からなるタンタル層と、
タンタル層上に積層された酸化イリジウム層との複合耐
食層で被覆するようにしても良い。また、本発明の中和
急冷部は、前記第1の発明または第2の発明と併用して
用いるとよい。
【0040】圧力バランス型反応器では、中和急冷部を
反応器の圧力容器と反応カートリッジとの間の環状部に
備えて良い。尚、第1及び第2の発明の超臨界水装置で
は、反応器は反応器内全域にわたり超臨界水域のみを形
成し、亜臨界水域を形成しないようになっている。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照し、実施
形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に
説明する。実施形態例1 本実施形態例は、第1の発明に係る超臨界水反応装置の
実施形態の一例であって、図1は本実施形態例の超臨界
水反応装置の構成を示すフローシート、及び図2は反応
器の詳細を示す断面図である。本実施形態例の超臨界水
反応装置は、超臨界水の存在下で超臨界水反応により主
としてPCBを含む被処理液を処理する装置であって、
図1に示すように、超臨界水反応を行う反応器として、
縦型の耐圧密閉型反応器12を備え、反応器12から処
理流体を流出させる処理流体管14に、順次、処理流体
を冷却する冷却器16、反応器12内の圧力を制御する
圧力制御弁18、及び、処理流体をガスと液体とに気液
分離する気液分離器20を備えている。
【0042】超臨界水反応装置10は、超臨界水反応に
供する被処理液を反応器12に供給する供給系統とし
て、インバータ制御又はストローク制御によって吐出量
の調節が可能な被処理液ポンプ24と、空気圧縮機28
とを備えて、被処理液管22を介してPCBを含む被処
理液を反応器12に送入し、かつ、空気送入管26及び
被処理液管22を介して酸化剤として空気を被処理液と
共に反応器12に送入する。図示しないが、必要に応じ
て超臨界水又は超臨界水生成用の補給水を反応器12に
補充するようにしてもよく、また、補給水を所望の温度
に加熱する加熱器を設けることもできる。更に、超臨界
水反応装置10は、反応器12から出た直後の処理流体
管14に中和急冷部30を備え、注入管31から処理流
体にアルカリ水溶液を注入して処理流体を温度450℃
以下、好ましくは350℃以下に中和急冷するようにな
っている。
【0043】また、超臨界水反応装置10は、被処理液
の送入流量を調整することにより、反応器12内の反応
温度を例えば550℃に制御する温度制御装置32を備
えている。温度制御装置32は、反応器12内の温度を
計測する温度計34を有し、温度計34の温度に基づい
て被処理液ポンプ24の吐出量を調節して被処理液の出
口温度を調整することにより、反応温度を550℃以上
650℃以下の範囲の設定温度に制御する。温度制御装
置32の構成は、これに限らず、例えば超臨界水の送入
流量を調整することにより、或いは超臨界水生成用の補
給水の送入流量を調整することにより、更には補給水の
送入温度を調整することにより、反応器12内の反応温
度を550℃以上650℃以下の範囲に制御することが
できる。
【0044】反応器12は、図2に示すように、超臨界
水処理時の圧力、例えば23MPaに抗する機械的強度
を有する縦型筒状容器12aとして形成されている。容
器12aの内壁は、内壁にライニングされたチタン層1
2b及びチタン層12b上にCVD法によって成長させ
た酸化イリジウム層12cの複合耐食層で被覆されてい
る。
【0045】CVD法による酸化イリジウム層12cの
成長プロセスは、例えば、次のようにして行う。すなわ
ち、予めアセトンによりチタン層の脱脂処理を行った
後、700℃の水蒸気気流中にて酸化処理を行ってチタ
ン層表面をチタン酸化物とする。一方、塩化イリジウム
(IrC13 )をアミルアルコールに溶解し、還流器を
具備する加熱蒸留装置に入れ、温度90℃で10時間還
流を継続することにより得た塩化イリジウムの塩化物の
3/4をアミルアルコールと置換したイリジウム塗布液
を生成する。このイリジウム塗布液をチタン酸化物の表
面に塗布し、室温にて自然乾燥した後、110℃で強制
乾燥する。次いで700℃の水蒸気含有雰囲気下で10
分間熱分解反応処理を行う。この塗布→乾燥→熱分解反
応処理を10回繰り返して見掛け膜厚3000nmの酸
化イリジウムの被覆層を形成した。
【0046】反応器12は、被処理液管22と接続し、
被処理液及び空気を反応器12内に流入させる流入口3
6を上部に、処理流体管14に接続し、処理流体を流出
させる流出口38を側壁に備えている。チタン層12b
は、チタン又はチタン合金によって形成されている。ま
た、チタン層12bに代えて、チタン又はチタン合金か
らなるチタン層と、チタン層と容器壁との間に設けられ
た、タンタル又はタンタル合金からなるタンタル層との
積層膜であっても良い。
【0047】中和急冷部30は、図3に示すように、処
理流体が流れる処理流体流路40と、注入管31を処理
流体流路40に合流させてアルカリ水溶液を処理流体中
に注入するアルカリ水溶液流路42とから構成されてい
る。本実施形態例では、処理流体流路40とアルカリ水
溶液流路42とは、Y字状に合流しているが、直角に合
流しても良い。処理流体流路40及びアルカリ水溶液流
路42の流路壁は、それぞれ、タンタル合金で形成され
たタンタル管壁44と、チタン又はチタン合金で形成さ
れ、タンタル壁の内周に設けられたチタン管壁46と、
チタン管壁46上にCVD法によって成長させた酸化イ
リジウム層47との3層構造で形成されている。尚、タ
ンタル管壁44の外周にニッケル合金鋼製管体を挿入
し、ニッケル合金鋼製管体を圧力構造体としても良い。
【0048】中和急冷部30を形成するには、先ず、タ
ンタル合金の円柱体を形成し、次いで円柱体をドリリン
グして、貫通路を有するタンタル管壁44を形成する。
そして、タンタル管壁44の貫通路内にチタン合金の溶
融液を流し込み、放冷して固化させた後、HIP処理を
施して、タンタル合金相とチタン合金相との接合を確実
にする。次いで、チタン合金相をドリリングして、チタ
ン管壁46と、チタン管壁46の外側に設けられたタン
タル管壁44とを形成する。続いて、チタン管壁46上
にCVD法によって酸化イリジウム層47を成長させる
ことにより、処理流体流路40及びアルカリ水溶液流路
42を形成することができる。また、別の作製方法とし
て、タンタル合金の円柱体を形成し、次いで円柱体をド
リリングして、貫通路を有するタンタル管壁44を形成
し、チタン管壁44上にチタン合金を溶接法等により肉
盛りしてチタン壁46を設け、続いてチタン管壁46上
にCVD法によって酸化イリジウム層47を成長させ
る。
【0049】別法として、中和急冷部30の処理流体流
路40及びアルカリ水溶液流路42の流路壁を、それぞ
れ、純タンタル又はタンタル合金からなるタンタル管壁
と、タンタル管壁上にCVD法によって成長させた酸化
イリジウム層とから構成しても良い。別法の中和急冷部
30を作製するには、例えば、先ず、タンタル合金の円
柱体を形成し、次いで円柱体をドリリングして、貫通路
を有するタンタル管壁を形成する。次いで、CVD法に
よって酸化イリジウム層をタンタル管壁面に成長させ
る。
【0050】本実施形態例では、温度制御装置32によ
って反応器12内の温度を600℃に制御することによ
り、PCBを含む被処理液を超臨界水処理により完全に
分解して処理液のPCBの残留量を3ppb以下に抑え
ることができる。また、チタン合金層12bと酸化イリ
ジウム層12cとの複合耐食層が、反応器12の耐食層
として確実に機能する。また、仮に、反応器12内の温
度が400℃以下に低下しても、酸化イリジウム層12
cが表層にあるので、腐食が進行するようなことは生じ
ない。中和急冷部30は、酸化イリジウム層44で被覆
されているので、腐食が進行するようなことは生じな
い。万一、酸化イリジウム層44が腐食しても、温度が
高い通常の状態では、チタン管壁44が耐食性を維持
し、逆に、温度が予期せずに例えば400℃以下に低下
した状態では、チタン管壁44は腐食されるものの、そ
の外側のタンタル管壁46が耐食性を維持する。
【0051】実施形態例2 本実施形態例は、第2の発明に係る超臨界水反応装置の
実施形態の一例であって、図4は本実施形態例の超臨界
水反応装置の構成を示すフローシート、図5(a)は反
応器の詳細を示す断面図、及び図5(b)は反応カート
リッジを形成する複合耐食材の構成を示す図5(a)の
線I−Iの断面図である。図4及び図5中、図1から図
3に示す部位、部品と同じものには同じ符号を付し、そ
の説明を省略する。本実施形態例の超臨界水反応装置5
0は、圧力容器と、反応容器と相互に連通する反応カー
トリッジとからなる圧力バランス型反応器を反応器とし
て備えた超臨界水反応装置であって、図4及び図5に示
すように、反応器52の構成、中和急冷部が反応器52
内に内蔵されていること、及び反応器52に圧力バラン
ス用の空気が送入されていることを除いて、実施形態例
1と同じ構成を有する。
【0052】圧力バランス型反応器52は、図5(a)
に示すように、外筒として設けられた圧力容器54と、
圧力容器54内に内筒として設けられた反応カートリッ
ジ56との2重筒体として形成され、反応カートリッジ
56の内部58は、超臨界水反応の反応域として構成さ
れている。圧力容器54は、反応圧力に対抗するため
に、厚肉の高強度鋼製耐圧円筒型容器として形成されて
いて、圧力容器54と反応カートリッジ56との間の環
状部62は、後述するように圧力バランス用のガスとし
ての空気層であって、腐食性雰囲気ではない。一方、反
応カートリッジ56は、図5(b)に示すように、チタ
ン又はチタン合金で形成された薄肉の有蓋有底円筒体5
6aとして形成され、更に、有蓋有底円筒体の内表面
(内部58側)にCVD法によって成長させた酸化イリ
ジウム層56bが積層されている。反応カートリッジ5
6の底部と圧力容器54の底部との間に多少の間隙を有
するように圧力容器54内に配置されている。
【0053】圧力容器54と反応カートリッジ56との
間に、連通孔60を介して反応カートリッジ56の内部
と連通する環状部62が形成されており、ノズル64を
経て反応カートリッジ56に流入した空気と同じ圧力の
空気が環状部62に導入されているので、反応カートリ
ッジ56の内外では圧力差が殆ど無く、環状部62と反
応カートリッジ56内とは、圧力がバランスしている。
換言すれば、圧力容器54は、超臨界水処理時の圧力、
例えば23MPaに抗する強度を備え、反応カートリッ
ジ56は、反応器52の内圧力を受けないようにして反
応域を区画する耐腐食性の隔壁として機能している。
尚、環状部62に空気を導入するのは、空気が非腐食性
流体であるからである。
【0054】反応器52は、圧力容器54と反応カート
リッジ56とを貫通して反応カートリッジ56の内部に
突出したノズル64と、反応カートリッジ56から環状
部62を通って反応器52外に処理流体を流出させる処
理流体導管66と、環状部62内の処理流体導管66に
設けられた中和急冷部68と、環状部62に圧力バラン
ス用ガスとして空気を送入する空気送入ノズル70とを
備えている。中和急冷部68は、実施形態例1の中和急
冷部30と同じ構造(図3参照)であって、注入管31
が接続され、処理流体にアルカリ水溶液を注入し、45
0℃以下に中和急冷するようになっている。ノズル64
は被処理液管22(図4参照)に、処理流体導管66は
処理流体管14に、それぞれ、接続されている。また、
空気送入ノズル70は、空気送入管26から分岐した空
気送入枝管72(図4参照)に接続され、空気を環状部
62に導入し、次いで連通孔60を介して反応カートリ
ッジ56内部に流入させ、酸化剤の一部とする。
【0055】本実施形態例では、実施形態例1と同様
に、温度制御装置32によって反応器52、正確には反
応カートリッジ56内の温度を例えば600℃に制御す
ることにより、PCBを含む被処理液を超臨界水処理に
より完全に分解して処理液のPCBの残留量を3ppb
以下に抑えることができる。また、反応器12内の温度
が600℃に制御されているので、チタン合金で形成さ
れ、更に酸化イリジウム層で被膜された反応カートリッ
ジ56は、反応域を確保する耐食壁として確実に機能す
る。中和急冷部68も、実施形態例1と同様に機能し、
同様の効果を有する。
【0056】実施形態例3 本実施形態例は、第2の発明に係る超臨界水反応装置の
実施形態の一例であって、図6(a)は実施形態例3の
反応器の詳細を示す断面図、図6(b)は反応カートリ
ッジの外筒を形成する複合耐食材の構成を示す、図6
(a)の線I−Iの断面図、及び図6(c)は反応カー
トリッジの内筒を形成する複合耐食材の構成を示す、図
6(a)の線II−IIの断面図である。図6中、図5と同
じ部位、部品には同じ符号を付し、その説明を省略して
いる。本実施形態例の超臨界水反応装置は、反応器76
の構成が、反応器52と異なり、反応カートリッジ内に
内筒を有することを除いて、実施形態例2と同じ構成を
有する。
【0057】反応器76は、図6(a)に示すように、
圧力容器54と、圧力容器54と相互に連通する反応カ
ートリッジ80とからなる圧力バランス型反応器であ
り、反応カートリッジ80は、外筒82と、外筒82内
に収容され、超臨界水反応の反応域を内部に有する内筒
84とから構成されている。外筒82は、実施形態例2
の反応カートリッジ56と同じように、図6(b)に示
すように、チタン又はチタン合金製の有底有蓋円筒体8
2aとして形成され、更に円筒体82aの内面がCVD
法によって成長させた酸化イリジウム層82bで被覆さ
れている。内筒84は、上端が開口し、底部が逆円錐状
のチタン又はチタン合金製の有底円筒体84aとして形
成され、更に、図6(c)に示すように、円筒体84a
の内外面が、CVD法によって成長させた酸化イリジウ
ム層84bで被覆されている。尚、内筒84はこの形状
に限るものではなく、傘を上下逆にしたような形状のも
のなど、ノズルから噴出し下方に向かう流体の流れを反
転させて上方に向かわせるようにできる限り、その形状
に制約はない。
【0058】ノズル64から流入した被処理液は、内筒
84の内部で超臨界水処理され、処理流体となって上端
の開口から外筒82と内筒84との間の環状部86に流
入し、環状部86を流下して外筒82の底部に入り、外
筒82の底部に接続された処理液導管88を介して処理
流体管14に流出する。圧力容器54内の処理流体導管
88には、実施形態例1の中和急冷部30と同じ構造
(図3参照)の中和急冷部90が設けてあって、注入管
31が接続され、処理液にアルカリ水溶液を注入し、4
50℃以下に中和急冷するようになっている。空気送入
ノズル70は、空気を環状部62に導入し、次いで連通
孔60を介して反応カートリッジ80の上端開口から反
応カートリッジ80内部に流入させ、酸化剤の一部とす
る。以上の構成により、本実施形態例の超臨界水反応装
置も、実施形態例2と同じ効果を有する。
【0059】実施形態例4 本実施形態例は、第2の発明に係る超臨界水反応装置の
実施形態の一例であって、図7は反応器の詳細を示す断
面図である。図7中、図6と同じ部位、部品には同じ符
号を付し、その説明を省略する。本実施形態例の超臨界
水反応装置は、中和急冷部92が反応器外に設けられて
いること、及びそれに関連して反応器94の構成が異な
ることを除いて、実施形態例3と同じ構成を有する。反
応器94は、図7に示すように、中和急冷部92が反応
器の外部に設けてあることを除いて、実施形態例3の反
応器76と同じ構成を備え、反応カートリッジの外筒8
2は圧力容器54の底部に接し、処理流体管14が直接
圧力容器54の底部を貫通して外筒82の内部に連通し
ている。中和急冷部92は圧力容器54の底部に接する
ようにして処理流体管14に設けてある。本実施形態例
の反応器94では、実施形態例3の反応器76に比べて
中和急冷部92の取り付けが容易である。尚、実施形態
例2の超臨界水反応装置の反応器52で、反応カートリ
ッジ56の底部を圧力容器54の底部上に配置し、環状
部62に設けた中和急冷部68に代えて、図7に示すよ
うに中和急冷部92を圧力容器54の底部に接するよう
に設けることもできる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、反応温度を550℃以
上650℃以下の範囲に制御することにより、有機塩素
化合物を含有する被処理液を超臨界水処理して無害化す
ることができ、例えばPCB又はPCB類似化合物等の
場合、処理流体中のPCB濃度を3ppb以下にするこ
とができる。また、本発明によれば、反応器壁又は反応
カートリッジを特定する複合耐食層で被覆し、又は特定
する複合耐食材で形成することにより、反応器の腐食の
進行を抑制して、有機塩素化合物、例えばPCB又はP
CB類似化合物を含有する被処理液を超臨界水処理して
処理流体中のPCB濃度を3ppb以下にする処理を長
期間にわたり安定して可能とする超臨界水反応装置を実
現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の超臨界水反応装置の構成を示す
フローシートである。
【図2】実施形態例1の反応器の詳細を示す断面図であ
る。
【図3】中和急冷部の断面図である。
【図4】実施形態例2の超臨界水反応装置の構成を示す
フローシートである。
【図5】図5(a)は実施形態例2の反応器の詳細を示
す断面図、及び図5(b)は反応カートリッジを形成す
る複合耐食材の構成を示す図5(a)の線I−Iの断面
図である。
【図6】図6(a)は実施形態例3の反応器の詳細を示
す断面図、図6(b)は反応カートリッジの外筒を形成
する複合耐食材の構成を示す、図6(a)の線I−Iの
断面図、及び図6(c)は反応カートリッジの内筒を形
成する複合耐食材の構成を示す、図6(a)の線II−II
の断面図である。
【図7】実施形態例4の反応器の詳細を示す断面図であ
る。
【図8】従来の超臨界水反応装置の構成を示すフローシ
ートである。
【図9】従来の圧力バランス型反応器の構成を示す断面
図である。
【図10】腐食実験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 実施形態例1の超臨界水反応装置 12 反応器 12a 縦型筒状容器 12b チタン合金層 12c 酸化イリジウム層 14 処理流体管 16 冷却器 18 圧力制御弁 20 気液分離器 22 被処理液管 24 被処理液ポンプ 26 空気送入管 28 空気圧縮機 30 中和急冷部 31 注入管 32 温度制御装置 34 温度計 36 流入口 38 流出口 40 処理流体流路 42 アルカリ水溶液流路 44 タンタル管壁 46 チタン管壁 47 酸化イリジウム層 50 実施形態例2の超臨界水反応装置 52 反応器 54 圧力容器 56 反応カートリッジ 56a チタン又はチタン合金で形成された薄肉の有蓋
有底円筒体 56b 酸化イリジウム層 58 反応カートリッジの内部 60 連通孔 62 環状部 64 ノズル 66 処理流体導管 68 中和急冷部 70 空気送入ノズル 72 空気送入枝管 76 実施形態例3の反応器 80 反応カートリッジ 82 外筒 82a チタン又はチタン合金製の有底有蓋円筒体 82b 酸化イリジウム層 84 内筒 84a チタン又はチタン合金製の有底円筒体 84b 酸化イリジウム層 86 環状部 88 処理流体導管 90 中和急冷部 92 実施形態例4の中和急冷部 94 実施形態例4の反応器 100 従来の超臨界水反応装置 102 反応器 104 超臨界水領域 106 仮想的界面 108 亜臨界水領域 110 流入管 112 被処理液ライン 114 空気ライン 115 超臨界水ライン 116 中和剤ライン 118 処理流体ライン 120 亜臨界水ライン 122 亜臨界排水ライン 130 圧力バランス型反応器 131 外円筒体 132 反応カートリッジ 133 入口ノズル 134 反応域 135 圧力バランス用ガス送入口 136 環状部 137 上部間隙 138 反応器流出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 19/00 B01J 19/00 B 301 301A 19/26 19/26 C07B 35/06 C07B 35/06 37/06 37/06 61/00 61/00 B C07C 25/18 C07C 25/18 (72)発明者 岩森 智之 東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガ ノ株式会社内 (72)発明者 島宗 孝之 東京都豊島区南大塚2丁目37番5号 株式 会社フルヤ金属内 (72)発明者 小島 崇則 東京都豊島区南大塚2丁目37番5号 株式 会社フルヤ金属内 Fターム(参考) 2E191 BA13 BC01 BD11 4G075 AA37 BA05 BA06 BB05 CA02 CA05 CA62 CA65 CA66 DA01 DA18 EB01 EC01 FA12 FB02 FC09 4H006 AA05 AC13 AC26 BB31 BB49 BC10 BD81 BD83 BD84 BE10 BE30

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超臨界水を収容する反応器を備え、有機
    塩素化合物を含有する被処理液を反応器内に導入して酸
    化剤により酸化分解する超臨界水反応装置において、 反応器内の温度を550℃以上650℃以下の範囲に制
    御する温度制御装置を備え、 反応器の被処理液と接する反応器壁面が、壁面上に設け
    られたチタン又はチタン合金からなるチタン層と、チタ
    ン層上に積層された酸化イリジウム層との複合耐食層で
    被覆されていることを特徴とする超臨界水反応装置。
  2. 【請求項2】 反応器の被処理液と接する反応器壁面
    が、壁面上に設けられたタンタル又はタンタル合金から
    なるタンタル層と、タンタル層上に設けられたチタン又
    はチタン合金からなるチタン層と、チタン層上に積層さ
    れた酸化イリジウム層との3層の複合耐食層で被覆され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の超臨界水反応
    装置。
  3. 【請求項3】 反応器内の温度分布に基づいて算出した
    温度が400℃未満の領域の反応器壁面が、壁面上に設
    けられたタンタル又はタンタル合金からなるタンタル層
    と、タンタル層上に積層された酸化イリジウム層との複
    合耐食層で被覆されていることを特徴とする請求項1に
    記載の超臨界水反応装置。
  4. 【請求項4】 超臨界水を収容する反応器を備え、有機
    塩素化合物を含有する被処理液を反応器内に導入して酸
    化剤により酸化分解する超臨界水反応装置において、 反応器内の温度を550℃以上650℃以下の範囲に制
    御する温度制御装置を備え、 反応器が、圧力容器と、圧力容器と相互に連通する反応
    カートリッジとの2重筒体であって、被処理液と、酸化
    剤とを反応カートリッジ内に供給し、かつ、圧力容器と
    反応カートリッジとの間に圧力バランス用ガスを供給し
    て、反応カートリッジ内で被処理液を酸化分解する圧力
    バランス型反応器として構成され、 すくなくとも反応カートリッジの内壁面が、チタン又は
    チタン合金からなるチタン層と、チタン層上に積層され
    た酸化イリジウム層とからなる複合耐食材で形成されて
    いることを特徴とする超臨界水反応装置。
  5. 【請求項5】 すくなくとも反応カートリッジの内壁面
    が、タンタル又はタンタル合金からなるタンタル層と、
    タンタル層上に設けられたチタン又はチタン合金からな
    るチタン層と、チタン層上に積層された酸化イリジウム
    層とからなる複合耐食材で形成されていることを特徴と
    する請求項4に記載の超臨界水反応装置。
  6. 【請求項6】 超臨界水を収容する反応器を備え、有機
    塩素化合物を含有する被処理液を反応器内に導入して酸
    化剤により酸化分解する超臨界水反応装置において、 反応器内の温度を550℃以上650℃以下の範囲に制
    御する温度制御装置を備え、 処理流体が流れる処理流体流路と、処理流体流路に合流
    してアルカリ水溶液を処理流体中に注入するアルカリ水
    溶液流路とを備え、アルカリ水溶液によって処理液を4
    50℃以下に中和急冷するようにした中和急冷部を反応
    器外に備え、 処理流体流路及びアルカリ水溶液流路の流路壁面が、壁
    面上に設けられたタンタル又はタンタル合金からなるタ
    ンタル層と、タンタル層上に積層された酸化イリジウム
    層との複合耐食層で被覆されていることを特徴とする超
    臨界水反応装置。
  7. 【請求項7】 超臨界水を収容する反応器を備え、有機
    塩素化合物を含有する被処理液を反応器内に導入して酸
    化剤により酸化分解する超臨界水反応装置において、 反応器内の温度を550℃以上650℃以下の範囲に制
    御する温度制御装置を備え、 処理流体が流れる処理流体流路と、処理流体流路に合流
    してアルカリ水溶液を処理流体中に注入するアルカリ水
    溶液流路とを備え、アルカリ水溶液によって処理液を4
    50℃以下に中和急冷するようにした中和急冷部を反応
    器外に備え、 処理流体流路及びアルカリ水溶液流路の流路壁面が、壁
    面上に設けられたチタン又はチタン合金からなるチタン
    層と、チタン層上に設けられたタンタル又はタンタル合
    金からなるタンタル層と、タンタル層上に積層された酸
    化イリジウム層との複合耐食層で被覆されていることを
    特徴とする超臨界水反応装置。
  8. 【請求項8】 超臨界水を収容する反応器を備え、有機
    塩素化合物を含有する被処理液を反応器内に導入して酸
    化剤により酸化分解する超臨界水反応装置において、 反応器内の温度を550℃以上650℃以下の範囲に制
    御する温度制御装置を備え、 反応器が、圧力容器と、圧力容器と相互に連通する反応
    カートリッジとの2重筒体であって、被処理液と酸化剤
    とを反応カートリッジ内に供給し、かつ、圧力容器と反
    応カートリッジとの間に圧力バランス用ガスを供給し
    て、反応カートリッジ内で被処理液を酸化分解する圧力
    バランス型反応器として構成され、 処理流体が流れる処理流体流路と、処理流体流路に合流
    してアルカリ水溶液を処理流体中に注入するアルカリ水
    溶液流路とを有し、アルカリ水溶液によって処理液を4
    50℃以下に中和急冷するようにした中和急冷部を反応
    器の圧力容器と反応カートリッジとの間の環状部に備
    え、 処理流体流路及びアルカリ水溶液流路の流路壁面が、壁
    面上に設けられたタンタル又はタンタル合金からなるタ
    ンタル層と、タンタル層上に積層された酸化イリジウム
    層との複合耐食層で被覆されていることを特徴とする超
    臨界水反応装置。
  9. 【請求項9】 超臨界水を収容する反応器を備え、有機
    塩素化合物を含有する被処理液を反応器内に導入して酸
    化剤により酸化分解する超臨界水反応装置において、 反応器内の温度を550℃以上650℃以下の範囲に制
    御する温度制御装置を備え、 反応器が、圧力容器と、圧力容器と相互に連通する反応
    カートリッジとの2重筒体であって、被処理液と酸化剤
    とを反応カートリッジ内に供給し、かつ、圧力容器と反
    応カートリッジとの間に圧力バランス用ガスを供給し
    て、反応カートリッジ内で被処理液を酸化分解する圧力
    バランス型反応器として構成され、 処理流体が流れる処理流体流路と、処理流体流路に合流
    してアルカリ水溶液を処理流体中に注入するアルカリ水
    溶液流路とを有し、アルカリ水溶液によって処理液を4
    50℃以下に中和急冷するようにした中和急冷部を反応
    器の圧力容器と反応カートリッジとの間の環状部に備
    え、 処理流体流路及びアルカリ水溶液流路の流路壁面が、壁
    面上に設けられたチタン又はチタン合金からなるチタン
    層と、チタン層上に設けられたタンタル又はタンタル合
    金からなるタンタル層と、タンタル層上に積層された酸
    化イリジウム層との複合耐食層で被覆されていることを
    特徴とする超臨界水反応装置。
  10. 【請求項10】 塩酸水溶液を含む700℃以下の流体
    を収容する容器、又は容器内で塩酸水溶液を含む反応流
    体を700℃以下の温度範囲で反応させる反応器として
    構成された容器であって、 容器の流体又は反応流体と接する容器壁面が、壁面上に
    設けられたチタン又はチタン合金からなるチタン層と、
    チタン層上に積層された酸化イリジウム層との複合耐食
    層で被覆されていることを特徴とする容器。
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