JP2002371679A - 建築用空隙内包樹脂成形体 - Google Patents

建築用空隙内包樹脂成形体

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JP2002371679A
JP2002371679A JP2001180649A JP2001180649A JP2002371679A JP 2002371679 A JP2002371679 A JP 2002371679A JP 2001180649 A JP2001180649 A JP 2001180649A JP 2001180649 A JP2001180649 A JP 2001180649A JP 2002371679 A JP2002371679 A JP 2002371679A
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void
groove
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JP2001180649A
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Toshiyuki Kobayashi
俊幸 小林
Yasuhisa Tanigawa
泰央 谷川
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Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化と、耐衝撃性および強度向上を達成し
た建築用空隙内包樹脂成形体を提供する。 【解決手段】 建築資材に使用される空隙内包樹脂成形
体であって、空隙内包樹脂基材の外周面に、該基材より
も耐衝撃性の高い樹脂被覆層が設けられたものであるこ
とを特徴とする建築用空隙内包樹脂成形体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築分野に使用さ
れる空隙内包樹脂成形体に関するものである。本発明の
空隙内包樹脂成形体は、主として、住宅の屋根に瓦を固
定するための瓦桟や、壁面に外装材を固定するための胴
縁といった下地材や、装飾用桟材・枠材などに好適であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、住宅の屋根に瓦を固定するた
め、木製や樹脂発泡体製の瓦桟が用いられている。この
瓦桟は、屋根の野地板の上面に、軒線と平行に所定間隔
で打ち付けられており、これにより、瓦を掛止する。ま
た、住宅などの壁面に外装材を固定するため、木製や樹
脂発泡体製の胴縁が用いられている。
【0003】こうした瓦桟や胴縁は、一旦施工すると交
換が容易ではないため、腐食し難いことが好ましく、加
えて軽量化が可能な点で、樹脂発泡体製のものが多く用
いられるようになってきている。
【0004】通常、瓦桟は野地板や垂木に、胴縁は柱や
間柱に、釘を用いて固定される。よって、これらを構成
する樹脂発泡体は、釘打ちが可能なことが要求される
が、樹脂発泡体は比較的脆いため、釘打ちにより表面に
ヒビが入ったり、割れが生じたりし易いといった問題も
抱えている。
【0005】また、軽量化を図るには、樹脂発泡体の発
泡倍率を上げればよいが、それに伴って強度も低下する
ため、現状では軽量化にも限界がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決すべくなされたものであり、その目的は、軽量化
と、耐衝撃性および強度向上を達成した建築用空隙内包
樹脂成形体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明の建築用空隙内包樹脂成形体とは、建築資材に使用
される空隙内包樹脂成形体であって、空隙内包樹脂基材
の外周面に、該基材より耐衝撃性の高い樹脂被覆層が設
けられたものであるところに要旨を有する。
【0008】上記空隙内包樹脂基材および上記被覆層を
形成する樹脂は、ポリスチレン系樹脂であることが好ま
しく、さらに該被覆層を形成する樹脂は、ゴム成分を含
有するポリスチレン系樹脂であることが推奨される。
【0009】また、上記被覆層の厚みは0.1〜3mm
であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の建築用空隙内包樹脂成形
体は、腐食し難く、軽量化を達成できる空隙内包樹脂を
基材とし、この基材の外周面に該基材よりも耐衝撃性の
高い樹脂被覆層を設けることで、軽量化に伴う強度低下
を回避すると共に、耐衝撃性を高め、釘打ちなどの際の
割れを抑制するものである。
【0011】本発明でいう「空隙内包樹脂」とは、内部
に空隙を有する樹脂であり、例えば、発泡剤を用いて押
出発泡成形して得られる所謂樹脂発泡体などが含まれ
る。よって、上記空隙内包樹脂基材は、樹脂発泡体から
なるものが代表例として挙げられる。
【0012】建築用空隙内包樹脂成形体の軽量化の観点
からは、空隙内包樹脂基材(以下、単に「基材」という
場合がある)の空隙含有率を高める必要があるが、一般
に、空隙含有率の増大と共に、該基材の強度は低下し、
且つ脆くなる傾向にある。本発明においては、このよう
な空隙内包樹脂基材を補強し、靭性を向上させるべく、
外周面に、基材よりも耐衝撃性の高い樹脂被覆層(以
下、単に「被覆層」という場合がある)を設ける構成を
採用している。
【0013】被覆層の耐衝撃性を基材よりも高い構成と
するには、より耐衝撃性の高い樹脂を被覆層に用いる
他、基材および被覆層に同種の樹脂を採用する場合に
は、被覆層の空隙含有率(発泡倍率)を、基材の空隙含
有率(発泡倍率)よりも低くすればよく、被覆層を非発
泡層とすることがより好ましい。なお、「非発泡層」と
は、被覆層形成段階で不可避的に混入する空隙を除い
て、積極的な空隙形成がされていない構造の樹脂層を意
味する。
【0014】本発明に係る空隙内包樹脂基材の空隙は、
独立のものであっても、連通孔であってもよい。すなわ
ち、空隙内包樹脂基材の一例である樹脂発泡体基材は、
独立気泡を有するものであっても、連通孔を有するもの
であっても構わない。連通孔を有するものであっても、
本発明の建築用空隙内包樹脂成形体は、外周面に被覆層
を設けるため、該孔から成形体内部へ雨水などが浸透す
ることを防止できる。
【0015】基材として用いられる樹脂は、釘打ち可能
な空隙内包樹脂基材を形成できるものであり、例えば、
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレンとα−オレフィン共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリロニトリル共重
合体、アイオノマーなどのポリオレフィン系樹脂;ポリ
スチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹
脂)などのポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル;ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン1
1、ナイロン12などのポリアミド樹脂;ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの熱
可塑性ポリエステル樹脂;ポリカーボネート、ポリフェ
ニレンエーテルなどが使用できる。中でも、溶融時の粘
度低下が小さく、比較的容易に発泡体形成が可能であ
り、また、廃棄時にダイオキシンの発生もないポリスチ
レン系樹脂が好ましい。
【0016】上記基材の外周面に形成される被覆層を構
成する樹脂は、空隙内包樹脂基材よりも高い耐衝撃性を
有する被覆層を形成可能なものであればよいが、所謂耐
衝撃性樹脂が好ましく使用される。耐衝撃性樹脂として
は、例えば、ゴム成分を微粒子などとして含有する樹脂
が挙げられるが、このような樹脂では、ゴム微粒子によ
り外部から加えられた衝撃エネルギーが吸収され、発生
するクレーズやクラックの伝播が阻止されるため、良好
な耐衝撃性を発現する。具体的には、例えば、ポリブタ
ジエン微粒子を含有するハイインパクトポリスチレン
(HIPS)や、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン樹脂(ABS樹脂)などのゴム成分を含有するポリ
スチレン系樹脂が挙げられる。
【0017】また、これらの樹脂で形成される層を被覆
層とすることで、建築用空隙内包樹脂成形体の強度を向
上させ得るため、基材の空隙含有率(発泡倍率)を上げ
て軽量化を図ることが可能となる。なお、ここで例示し
た耐衝撃性の高い樹脂を、上記基材(樹脂発泡体)に使
用することもできる。同種の樹脂を基材および被覆層に
使用するような場合は、上述したように、被覆層の空隙
含有率を基材よりも低くし、好ましくは被覆層を空隙の
ない構造(非発泡層)とすれば、被覆層の方が耐衝撃性
が高くなる。
【0018】上記の効果を有効に発揮させるため、被覆
層の厚みは0.1mm以上、好ましくは0.3mm以
上、さらに好ましくは0.5mm以上とすることが推奨
される。他方、被覆層を厚くしすぎると、軽量化達成の
ために基材の発泡倍率を上げる必要が生じ、却って該基
材の物性低下を促すこととなるため、その厚みは3mm
以下、好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.7
mm以下とすることが望ましい。また、被覆層は一層に
限らず、複数の層が積層されていてもよく、各層毎に異
なる種類の樹脂を使用してもよい。この場合、積層され
た複数の被覆層の合計の厚みを上記範囲内となるように
すればよい。
【0019】上記のゴム成分を含有するポリスチレン系
樹脂を使用する場合、該樹脂中のゴム成分量が、樹脂全
量に対し1質量%以上、好ましくは3質量%以上であっ
て、30質量%以下、好ましくは10質量%以下の樹脂
を用いることが推奨される。ゴム成分量が上記範囲を下
回る樹脂では、耐衝撃性向上作用が十分に発揮されず、
上記範囲を超える樹脂では形成される被覆層の強度が低
く、該被覆層による建築用空隙内包樹脂成形体の強度向
上が期待できない。
【0020】上記例示の各樹脂は、一度も成形などがさ
れていないバージン品の他、フィルムや成形品などとし
て一旦使用され、その後廃棄物として回収されたり、成
形品などの製造過程でのオフ品などから回収された所謂
再生品も使用することができる。また、上記の樹脂は一
種を単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用し
てもよいし、バージン品と再生品を混合して使用するこ
とも可能である。さらに、樹脂には、必要に応じて、顔
料、熱老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、防カビ剤、滑
剤などの添加剤や、木粉などの充填材が含有されていて
もよい。
【0021】ただし、基材−被覆層間の接着性の点か
ら、基材を構成する樹脂と、被覆層を構成する樹脂は相
溶性を有する必要があり、さらに被覆層が複数積層され
ている場合は、被覆層を構成する二種以上の樹脂間でも
相溶性が必要となる。基材に二種以上を樹脂を使用する
場合や、単一の被覆層に二種以上の樹脂を使用する場合
も、これらの樹脂が非相溶性であると、得られる建築用
空隙内包樹脂成形体の強度が低下する恐れがあることか
ら、かかる強度低下を起こさない程度に該二種以上の樹
脂が相溶性を有することが好ましい。
【0022】本発明の建築用空隙内包樹脂成形体は、例
えば、上記の樹脂ペレットなどに発泡剤を添加し、押出
発泡成形するなどして基材を成形し、この外周面に被覆
層を形成することにより製造される。
【0023】発泡剤としては、特に限定されず、公知の
発泡剤から使用する樹脂に応じたものを適宜選択すれば
よい。例えば、アゾジカルボンアミドなどのアゾ化合物
系発泡剤;オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドな
どのスルホニルヒドラジド化合物系発泡剤;ジニトロペ
ンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物系発泡
剤;などの有機系発泡剤や、重曹(炭酸水素ナトリウ
ム)などの無機系発泡剤などが挙げられる。これらの発
泡剤は、後述する好ましい発泡倍率を達成するため、空
隙内包樹脂基材用の樹脂100質量部に対し、0.1質
量部以上、好ましくは0.3質量以上であって、5質量
部以下、好ましくは2質量部以下とすることが好まし
い。
【0024】押出発泡成形に使用する装置は特に限定さ
れず、公知の単軸押出機や二軸押出機などを用いること
ができる。また、成形条件(温度など)も特に限定され
ず、使用する樹脂に応じて、下記の発泡倍率を達成でき
る条件を適宜選択すればよい。
【0025】基材の発泡倍率は、建築用空隙内包樹脂成
形体の軽量化と強度確保を両立できるようにする必要が
あり、基材および被覆層に用いる樹脂の種類や、形成す
る被覆層の厚みなどに影響されるため一概には決められ
ないが、通常、1.1倍以上、好ましくは1.5倍以上
であって、8倍以下、好ましくは5倍以下とすることが
推奨される。
【0026】樹脂発泡体の形状は特に限定されす、建築
用空隙内包樹脂成形体の用途に応じた形状とすればよ
い。例えば、瓦桟や胴縁に使用する場合、野地板や柱な
どとの接触面積をある程度大きくできる形状が好まし
く、断面が矩形の棒状とすることが推奨される。この
他、用途によっては、断面を円や、多角形の棒状として
もよい。
【0027】基材外周面に被覆層を形成する方法として
は、特に限定されるものではなく、公知の方法が採用可
能であるが、例えば、同時押出成形により、基材と被覆
層を同時に成形する方法で形成することもできる。本発
明の好ましい一例として、基材にポリスチレンを用い、
発泡剤:重曹を上記の範囲で添加して上記の発泡倍率を
達成すると共に、HIPSの非発泡被覆層を形成する場
合、被覆層の成形温度は170〜200℃程度が好まし
く、基材の成形温度は被覆層の成形温度と同程度かこれ
より低い160〜190℃程度が推奨される。
【0028】本発明の建築用空隙内包樹脂成形体は、例
えば、瓦桟や胴縁などにも用いられるが、瓦桟では、瓦
の裏面の結露水や、隣接する瓦間の結合部から侵入した
雨水などを軒方向に流すために、また、胴縁では、外装
材と壁面との間の通気を図るために、少なくとも一面に
通水用または通気用の溝が設けられる。
【0029】しかしながら、上記溝を切削加工により設
けると、被覆層を削ることとなるため、溝成形部の強度
が低下する。そこで、建築用空隙内包樹脂成形体に溝を
設けるには、基材を押圧して溝形成することが好まし
い。これにより、成形体内部の空隙が潰れ、溝形成部お
よびその周辺の樹脂が圧縮されて密度が増大して、溝非
形成部の密度よりも大きくなるため、溝形成による強度
低下を抑制できる。
【0030】具体的には、溝形成部の密度と溝非形成部
の密度の比が1を超え、好ましくは1.01以上であっ
て、5以下、好ましくは3以下であることが推奨され
る。溝形成部の密度と溝非形成部の密度の比は、使用す
る樹脂や空隙内包樹脂の発泡倍率、形成する溝のサイズ
(特に深さ)などで制御できる。
【0031】上記密度の比は、建築用空隙内包樹脂成形
体の溝形成部(図1の斜線部分)を切断した試料、およ
び他の部分(溝非形成部)を溝形成部に対応するサイズ
で切断した試料について、JIS K 7112,A法
(水中置換法)の規定に従い、浸漬液に水を用いて測定
した密度を用いて算出できる。
【0032】また、切削加工で溝を形成する場合は、溝
表面にキズができやすく、このような桟材が衝撃を受け
た場合などには、該キズを起点としてクラックが成長す
るため、これが強度低下の原因となる。しかしながら、
上記の溝形成方法ではこのような傷が生じにくいため、
この点からも強度低下が抑制される。
【0033】さらに、上記方法で溝を形成すれば、切削
加工で形成した面とは異なり、溝表面を平滑にすること
が容易であるため、これを瓦桟に用いた場合には、良好
に通水できる。
【0034】なお、溝部分の押圧は、溝形成用の型やロ
ーラーなどを用いて行うことができる。この場合、溝形
成用の型やローラーなどを基材および被覆層を構成する
樹脂が溶融できる温度に加熱しておく必要があるが、上
記のように同時押出成形を行い、さらに連続して、建築
用空隙内包樹脂成形体の固化前に溝を設けるようにすれ
ば、溝形成用の型やローラーなどは加熱しなくてもよ
い。
【0035】形成する溝の数は、特に限定されないが、
通常は、図1に示すように所定間隔で複数形成する。溝
の形状は特に限定されず、横断面を長方形や正方形とす
る他、図2のように、例えば、横断面を略半円形(図2
左側)や三角形(図2中央)、台形(図2右側のように
溝底側の長さを短くなるようにする)などのように、溝
の側壁面に溝底方向に狭まる傾斜を付けてもよい。
【0036】横断面が三角形の溝を形成した場合の溝底
の角部や、横断面が長方形や正方形、台形の溝を形成し
た場合の溝壁面と溝底面が形成する角部は、該角部への
応力集中を回避するため、曲面加工されていることが好
ましい。また、溝の側壁面と溝が設けられていない部分
が形成する角部は面取りされていることが、建築用空隙
内包樹脂成形体の取り扱い性の点から推奨される。
【0037】上記の形状の溝は、使用する溝形成用の型
やローラーなどの形状を適宜選択することで設けること
が可能である。
【0038】溝のサイズ(溝幅や深さ)も特に限定され
ず、成形体の強度などを損なわない範囲で、通水または
通気に必要なサイズとすればよいが、通常、溝の最大幅
を3mm以上、好ましくは5mm以上であって、20m
m以下、好ましくは10mm以下とすることが推奨され
る。また、溝の深さは、通常、1mm以上、好ましくは
2mm以上であって、5mm以下、好ましくは3.5m
m以下とすることが推奨される。また、この溝の深さ
は、溝形成前の建築用空隙内包樹脂成形体の厚みに対
し、1%以上、好ましくは5%以上であって、50%以
下、好ましくは30%以下とすることが望ましい。
【0039】また、溝非形成部(隣接する溝と溝の間)
に流れてくる水を、より確実に溝に導くようにするた
め、図3に示すように、溝の少なくとも片側端面隅角部
から、該隅角部に続く溝非形成部隅角部にかけて、前記
溝の底部方向に向かう傾斜面が形成されていることが推
奨される。上記傾斜面は、溝形成と同じ方法で形成する
ことができる。
【0040】上記傾斜面の大きさとしては、図3中A点
の位置は、隣接する溝との中央位置よりも、該傾斜面を
形成する溝側とすればよい。図3中B点は、傾斜面を形
成する溝の深さの25〜75%程度の位置、同C点は、
傾斜面形成前の溝隅角部から、建築用桟材の幅に対し1
0〜50%程度の位置とすることが一般的である。ま
た、上記傾斜面は平面の他、溝非形成部に流れる水を、
溝に導けるものであれば、ある程度うねりを有する面で
あっても構わない。
【0041】例えば、本発明の空隙内包樹脂成形体に上
記の溝形成をし、瓦桟として屋根の野地板に固定する場
合、溝形成部に釘を打ち付けると、この溝を水が通過す
る際に漏水する可能性がある。しかしながら、固定の際
には、通常、溝形成面を野地板側に向け、該面の反対面
から釘で打ち付けるため、溝形成部と溝非形成部が判別
し難いといった施工上の問題がある。よって、溝が一つ
の面に設けられている場合、他のいずれかの面に、溝形
成部と溝非形成部を目視により見分けるための印を付す
ことが好ましい。この印により、溝形成面を野地板側に
向けて固定する際にも、溝形成部と溝非形成部を目視に
より容易に知ることができ、上記の漏水を防止すること
ができる。
【0042】上記の印については、溝形成部と溝非形成
部とを目視で見分けることが可能なものであれば特に限
定されない。例えば、図4の「印」のように、被覆層の
色と異なる色のマーカーなどで一条の筋などを付した
り、溝を設ける際に、上記の溝を設ける方法と同様の手
法により、建築用空隙内包樹脂成形体の強度などを損な
わず、目視で認識できる程度に任意の模様などを付して
もよい。また、印を付す位置についても、溝形成部と溝
非形成部とを目視で見分けることが可能であれば、上記
いずれかの面の、溝形成部に対応する位置であっても、
溝非形成部に対応する位置であっても構わない。
【0043】さらに、溝が一つの面に設けられている場
合、図4に示すように、該溝が設けられた面と反対側の
面に、空隙内包樹脂成形体の長さ方向に平行に凹凸条が
設けられていることが、施工性向上の観点から好まし
い。すなわち、上記凹凸条を有する建築用空隙内包樹脂
成形体を瓦桟に使用する場合には、該凹凸条が、瓦の滑
り止めとなる他、このような建築用空隙内包樹脂成形体
を釘打ちする際には、釘先端が凹部に収まって固定され
るため、釘が打ち込み易くなる。
【0044】凹凸条の形状は特に限定されず、例えば、
凸部の横断面が矩形や、台形、三角形、略半円形などと
することができる。凹凸条のピッチは、0.5mm以
上、好ましくは1mm以上であって、3mm以下、好ま
しくは2mm以下とすることが推奨される。また、凹部
の深さ(すなわち、凸部の最高位置から凹部の最低位置
までの深さ)は0.5mm以上、好ましくは1mm以上
であって、3mm以下、好ましくは2mm以下とするこ
とが望ましい。凹凸条を形成する方法としては、例え
ば、上記の溝形成と同じ方法が採用できる。
【0045】なお、本発明の建築用空隙内包樹脂成形体
を瓦桟や胴縁などに用いる場合、上述したように、野地
板や柱などに釘で打ち付けて固定するのが通常である
が、この他、ボルト−ナットやねじを用いたり、接着剤
・粘着剤などを使用して固定することも可能である。接
着剤・粘着剤を使用する場合は、公知のものの中から、
本発明の建築用空隙内包樹脂成形体の被覆層に使用する
樹脂と、野地板などに用いられている材質から、良好な
接着力・粘着力が得られるものを適宜選択すればよい。
【0046】また、本発明の建築用空隙内包樹脂成形体
は、上記の瓦桟や胴縁といった建築用下地材の他、被覆
層形成による美しい外観を活かして、巾木、廻り縁面格
子などの格子桟材やドア枠材など、建築構造体に釘打ち
にて取りつけられる建築資材として利用できる。
【0047】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べ
る。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をする
ことは全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、下
記実施例において、「部」および「%」は、特に断らな
い限り質量基準である。
【0048】実験1 基材用の樹脂として、再生HIPS(樹脂全量に対し、
ブタジエンゴム成分10%)100部に重曹(発泡剤)
を0.5部混合したものを使用し、被覆層用の樹脂にバ
ージンHIPS(樹脂全量に対し、ブタジエンゴム成分
10%)を用いて、同時押出成形(被覆層樹脂温度:1
90℃、基材樹脂温度:180℃)を行い、空隙内包樹
脂成形体1を作製した。得られた空隙内包樹脂成形体1
は、長さ:250mm、幅:30mm、厚み:15mm
の角棒状であり、基材の発泡倍率は1.8倍、被覆層は
厚み:0.5mmの非発泡層である。
【0049】空隙内包樹脂成形体1について、長さ−幅
で形成する面における釘打ち特性を評価した。評価は、
常温および−5℃の環境において、空隙内包樹脂成形体
1を図5中破線で示す位置で支持し、釘打ち面(支持面
の反対側の面)における長さ、幅の両方向の中心位置に
直径:2.3mmの釘を打ち込んだ際の割れを、下記の
基準に従って行った。○のものを合格品とした。 ○:割れが発生しない △:釘の貫通時に、釘打ち面の反対側の面に割れの発生
するものがある。 ×:釘の貫通時に、釘打ち面の反対側の面に割れが発生
する。 ××:釘打ちの際に、釘打ち面に割れが発生する。 結果を表1に示す。
【0050】実験2 基材用の発泡剤:重曹を、再生HIPS100部に対し
て0.7部とした他は実験1と同様にして厚み:1.0
mmの非発泡被覆層を有する空隙内包樹脂成形体2を作
製し、実験1と同様にして釘打ち特性を評価した。結果
を表1に示す。
【0051】実験3 被覆層用の樹脂に再生HIPS(樹脂全量に対し、ブタ
ジエンゴム成分10%)を使用し、基材用の発泡剤:重
曹を、再生HIPS100部に対して0.7部とした他
は実験1と同様にして厚み:0.5mmの非発泡被覆層
を有する空隙内包樹脂成形体3を作製し、実験1と同様
にして釘打ち特性を評価した。結果を表1に示す。
【0052】実験4 基材用の発泡剤:重曹を、再生HIPS100部に対し
て1.0部とした他は実験3と同様にして厚み:1.0
mmの非発泡被覆層を有する空隙内包樹脂成形体4を作
製し、実験1と同様にして釘打ち特性を評価した。結果
を表1に示す。
【0053】実験5 基材用の樹脂として、ポリスチレン100部に重曹0.
7部を混合したものを用い、押出発泡成形して(樹脂温
度:180℃)、空隙内包樹脂成形体5を作製した。す
なわち、空隙内包樹脂成形体5には被覆層は設けていな
い。この空隙内包樹脂成形体5について、実験1と同様
にして釘打ち特性を評価した。結果を表1に示す。
【0054】実験6 基材用の樹脂として、ポリスチレン80部とバージンH
IPS(樹脂全量に対し、ブタジエンゴム成分10%)
20部の混合樹脂に重曹0.7部を混合して使用した他
は実験5と同様にして空隙内包樹脂成形体6を作製し、
実験1と同様にして釘打ち特性を評価した。結果を表1
に示す。
【0055】実験7 基材用の樹脂として、ポリスチレン60部とバージンH
IPS(樹脂全量に対し、ブタジエンゴム成分10%)
40部の混合樹脂に重曹0.7部を混合して使用した他
は実験5と同様にして空隙内包樹脂成形体7を作製し、
実験1と同様にして釘打ち特性を評価した。結果を表1
に示す。
【0056】実験8 基材用の樹脂として、再生HIPS(樹脂全量に対し、
ブタジエンゴム成分10%)100部に重曹0.7部を
混合して使用した他は実験5と同様にして空隙内包樹脂
成形体8を作製し、実験1と同様にして釘打ち特性を評
価した。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示すように、本発明の要件を満足す
るNo.1〜4の空隙内包樹脂成形体では、常温および
−5℃での釘打ち特性が良好であり、優れた耐衝撃性を
有している。これに対し、被覆層を設けていないNo.
5〜8の空隙内包樹脂成形体では、HIPSを使用した
ものの一部については、常温での釘打ち特性は良好であ
るものの、−5℃での釘打ち特性が劣っている。
【0059】
【発明の効果】本発明では、空隙内包樹脂基材の外周面
に、該基材よりも高い耐衝撃性を有する被覆層を設ける
ことで、釘打ちの際の割れを抑制し、耐衝撃性に優れた
建築用空隙内包樹脂成形体を提供することができた。
【0060】また、被覆層を設けることで、強度向上を
図ることが可能であるため、空隙内包樹脂基材をある程
度高発泡倍率とすることができる。よって、本発明の建
築用空隙内包樹脂成形体は、軽量化と強度向上を両立さ
せることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 通水・通気用の溝を設けた本発明の建築用空
隙内包樹脂成形体の一例を示す図である。
【図2】 本発明の建築用空隙内包樹脂成形体に設ける
通水・通気用の溝の形状の一例を示す説明図である。
【図3】 通水用の溝端部に傾斜面を設けた本発明の建
築用空隙内包樹脂成形体の一例を示す図である。
【図4】 溝形成部と溝非形成部を目視により見分ける
ための印と、凹凸条が設けられた本発明の建築用空隙内
包樹脂成形体の一例を示す図である。
【図5】 釘打ち特性評価方法の説明図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築資材に使用される空隙内包樹脂成形
    体であって、 空隙内包樹脂基材の外周面に、該基材よりも耐衝撃性の
    高い樹脂被覆層が設けられたものであることを特徴とす
    る建築用空隙内包樹脂成形体。
  2. 【請求項2】 前記空隙内包樹脂基材が樹脂発泡体から
    なるものである請求項1に記載の建築用空隙内包樹脂成
    形体。
  3. 【請求項3】 前記樹脂被覆層が、非発泡層である請求
    項1または2に記載の建築用空隙内包樹脂成形体。
  4. 【請求項4】 前記空隙内包樹脂基材および前記被覆層
    を形成する樹脂が、ポリスチレン系樹脂である請求項1
    〜3のいずれかに記載の建築用空隙内包樹脂成形体。
  5. 【請求項5】 前記被覆層を形成する樹脂が、ゴム成分
    を含有するポリスチレン系樹脂である請求項4に記載の
    建築用空隙内包樹脂成形体。
  6. 【請求項6】 前記被覆層の厚みが0.1〜3mmであ
    る請求項1〜5のいずれかに記載の建築用空隙内包樹脂
    成形体。
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